JP2021101432A - 電池用非水電解液、リチウム二次電池前駆体、リチウム二次電池、及びリチウム二次電池の製造方法 - Google Patents

電池用非水電解液、リチウム二次電池前駆体、リチウム二次電池、及びリチウム二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電池の抵抗を低減させ、電池の保存特性及びサイクル特性を向上させることができる電池用非水電解液を提供する。【解決手段】フッ素含有リチウム塩を含む電解質と、非水溶媒と、特定の硫酸エステル(A)である添加剤Aと、特定のカーボネート及び特定の硫酸エステル(B3)からなる群から選択される少なくとも1種である添加剤Bと、特定のホウ素化合物、特定のスルトン化合物、及び特定のリン酸化合物である添加剤Cと、を含有する、電池用非水電解液【選択図】なし

Description

本開示は、電池用非水電解液、リチウム二次電池前駆体、リチウム二次電池、及びリチウム二次電池の製造方法に関する。
従来より、電池用非水電解液(即ち、電池に用いられる非水電解液)に関し、様々な添加剤を含有されることが行われている。
例えば、特許文献1〜8には、添加剤として特定の環状硫酸エステルを含有するリチウム二次電池用非水電解液が開示されている。
特許第5524347号公報 特開2020-38783号公報 国際公開第2020/022452号 特許第6017697号公報 特開2019−102183号公報 特開2019−179609号公報 特開2019−175577号公報 国際公開第2020/026853号
しかしながら、電池の抵抗をより低減させ、電池の保存特性及びサイクル特性をより向上させることが求められる場合がある。
本開示の一態様の目的は、電池の抵抗を低減させ、電池の保存特性及びサイクル特性を向上させることができる電池用非水電解液、抵抗が低減され、保存特性及びサイクル特性に優れるリチウム二次電池、並びに、上記リチウム二次電池の製造に好適なリチウム二次電池前駆体及びリチウム二次電池の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> フッ素含有リチウム塩を含む電解質と、
非水溶媒と、
下記式(A)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種である添加剤Aと、
下記式(B1)〜下記式(B3)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種である添加剤Bと、
下記式(C1)〜下記式(C8)で表される化合物、リン酸トリス(トリメチルシリル)、ホウ酸トリス(トリメチルシリル)、及び硫酸トリス(トリメチルシリル)からなる群から選択される少なくとも1種である添加剤Cと、
を含有する、電池用非水電解液。
Figure 2021101432
式(A)中、Rは、式(II)で表される基又は式(III)で表される基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、式(II)で表される基、又は式(III)で表される基を表す。式(II)中、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は式(IV)で表される基を表す。式(II)、式(III)、及び式(IV)における波線は、結合位置を表す。式(A)で表される化合物中に、式(II)で表される基が2つ含まれる場合、2つの式(II)で表される基は、同一であっても互いに異なっていてもよい。
式(B1)中、Rb11及びRb12は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
式(B2)中、Rb21〜Rb24は、それぞれ独立に、フッ素原子により置換されてもよい炭素数1〜3のアルキル基、水素原子、フッ素原子、又は塩素原子を示す。ただし、式(B2)中のRb21〜Rb24の全てが水素原子であることはない。
式(B3)中、Rb31及びRb32は、それぞれ独立に、フッ素原子により置換されてもよい炭素数1〜3のアルキル基、水素原子、フッ素原子、又は塩素原子を示す。
式(C1)中、Mは、アルカリ金属を表し、Yは、遷移元素、又は周期律表の13族、14族もしくは15族元素を表し、bは1〜3の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、nは0〜8の整数を表し、qは0又は1を表す。式(C1)中、Rc11は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は炭素数6〜20のハロゲン化アリーレン基(これらの基は、構造中に置換基、又はヘテロ原子を含んでいてもよく、またqが1でmが2〜4の場合にはm個のRc11はそれぞれが結合していてもよい。)を表し、Rc12は、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のハロゲン化アリール基(これらの基は、構造中に置換基、又はヘテロ原子を含んでいてもよく、また、nが2〜8の場合はn個のRc12はそれぞれが結合して環を形成していてもよい。)、又は−Qc13を表す。式(C1)中、Q、Q及びQは、それぞれ独立に、O、S又はNRc14を表し、Rc13及びRc14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数6〜20のハロゲン化アリール基(これらの基は、構造中に置換基、又はヘテロ原子を含んでいてもよく、Rc13又はRc14が複数個存在する場合はそれぞれが結合して環を形成してもよい。)を表す。
式(C2)中、Rc21〜Rc24は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3の炭化水素基、又は炭素数1〜3のフッ化炭化水素基を表す。
式(C3)中、Rc31〜Rc33は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又は炭素数1〜6のフッ化炭化水素基を表し、Lc31は、単結合又は酸素原子を表す。
式(C4)中、Rc41〜Rc43は、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又は炭素数1〜6のフッ化炭化水素基を表す。
式(C5)中、Rc51は、フッ素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又は炭素数1〜6のフッ化炭化水素基を表し、Rc52は、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又は炭素数1〜6のフッ化炭化水素基を表し、nは、1〜3の整数を表す。
<2> 前記添加剤Aが、下記化合物(A−1)を含む、<1>に記載の電池用非水電解液。
Figure 2021101432
<3> 前記フッ素含有リチウム塩が、6フッ化リン酸リチウムと下記式(D1)で表される化合物とを含む、<1>又は<2>に記載の電池用非水電解液。
Figure 2021101432
式(D1)中、Rd11及びRd12は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のフッ化炭化水素基を表す。
<4> 正極と、
負極と、
<1>〜<3>のいずれか1つに記載の電池用非水電解液と、
を含む、リチウム二次電池前駆体。
<5> 前記正極が、下記式(X)で表される化合物を含有する正極活物質を含む、<4>に記載のリチウム二次電池前駆体。
LiNiMnCo … (X)
〔式(X)中、a、b及びcは、それぞれ独立に、0超1.00未満であり、かつ、a、b及びcの合計は、0.99〜1.00である。〕
<6> 前記正極活物質が、前記式(X)で表される化合物の単結晶を含有する、<5>に記載のリチウム二次電池前駆体。
<7> <4>〜<6>のいずれか1つに記載のリチウム二次電池前駆体に対して、充電及び放電を施して得られたリチウム二次電池。
<8> 正極の作動電位が、Li金属標準酸化還元電位を基準として、4.30Vを超える、<7>に記載のリチウム二次電池。
<9> <4>〜<6>のいずれか1つに記載のリチウム二次電池前駆体を準備する工程と、
前記リチウム二次電池前駆体に対して、充電及び放電を施す工程と、
を含む、リチウム二次電池の製造方法。
本開示の一態様によれば、電池の抵抗を低減させ、電池の保存特性及びサイクル特性を向上させることができる電池用非水電解液、抵抗が低減され、保存特性及びサイクル特性に優れるリチウム二次電池、並びに、上記リチウム二次電池の製造に好適なリチウム二次電池前駆体及びリチウム二次電池の製造方法が提供される。
本開示のリチウム二次電池の一例である、ラミネート型電池の一例を示す概略斜視図である。 図1に示すラミネート型電池に収容される積層型電極体の、厚さ方向の概略断面図である。 本開示のリチウム二次電池の別の一例である、コイン型電池の一例を示す概略断面図である。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において、「工程」との用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
〔電池用非水電解液〕
本開示の電池用非水電解液(以下、単に「非水電解液」ともいう)は、
フッ素含有リチウム塩を含む電解質と、
非水溶媒と、
下記式(A)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種である添加剤Aと、
下記式(B1)〜下記式(B3)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種である添加剤Bと、
下記式(C1)〜下記式(C8)で表される化合物、リン酸トリス(トリメチルシリル)、ホウ酸トリス(トリメチルシリル)、及び硫酸トリス(トリメチルシリル)からなる群から選択される少なくとも1種である添加剤Cと、
を含有する。
Figure 2021101432
式(A)中、Rは、式(II)で表される基又は式(III)で表される基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、式(II)で表される基、又は式(III)で表される基を表す。式(II)中、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は式(IV)で表される基を表す。式(II)、式(III)、及び式(IV)における波線は、結合位置を表す。式(A)で表される化合物中に、式(II)で表される基が2つ含まれる場合、2つの式(II)で表される基は、同一であっても互いに異なっていてもよい。
式(B1)中、Rb11及びRb12は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
式(B2)中、Rb21〜Rb24は、それぞれ独立に、フッ素原子により置換されてもよい炭素数1〜3のアルキル基、水素原子、フッ素原子、又は塩素原子を示す。ただし、式(B2)中のRb21〜Rb24の全てが水素原子であることはない。
式(B3)中、Rb31及びRb32は、それぞれ独立に、フッ素原子により置換されてもよい炭素数1〜3のアルキル基、水素原子、フッ素原子、又は塩素原子を示す。
式(C1)中、Mは、アルカリ金属を表し、Yは、遷移元素、又は周期律表の13族、14族もしくは15族元素を表し、bは1〜3の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、nは0〜8の整数を表し、qは0又は1を表す。式(C1)中、Rc11は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は炭素数6〜20のハロゲン化アリーレン基(これらの基は、構造中に置換基、又はヘテロ原子を含んでいてもよく、またqが1でmが2〜4の場合にはm個のRc11はそれぞれが結合していてもよい。)を表し、Rc12は、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のハロゲン化アリール基(これらの基は、構造中に置換基、又はヘテロ原子を含んでいてもよく、また、nが2〜8の場合はn個のRc12はそれぞれが結合して環を形成していてもよい。)、又は−Qc13を表す。式(C1)中、Q、Q及びQは、それぞれ独立に、O、S又はNRc14を表し、Rc13及びRc14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数6〜20のハロゲン化アリール基(これらの基は、構造中に置換基、又はヘテロ原子を含んでいてもよく、Rc13又はRc14が複数個存在する場合はそれぞれが結合して環を形成してもよい。)を表す。
式(C2)中、Rc21〜Rc24は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3の炭化水素基、又は炭素数1〜3のフッ化炭化水素基を表す。
式(C3)中、Rc31〜Rc33は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又は炭素数1〜6のフッ化炭化水素基を表し、Lc31は、単結合又は酸素原子を表す。
式(C4)中、Rc41〜Rc43は、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又は炭素数1〜6のフッ化炭化水素基を表す。
式(C5)中、Rc51は、フッ素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又は炭素数1〜6のフッ化炭化水素基を表し、Rc52は、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又は炭素数1〜6のフッ化炭化水素基を表し、nは、1〜3の整数を表す。
本開示の電池用非水電解液によれば、電池の抵抗を低減させ、電池の保存特性及びサイクル特性を向上させることができる。
以下、上記効果についてより詳細に説明する。
上記効果は、添加剤Aと添加剤Bと添加剤Cとの組み合わせにより、電池の電極(即ち、負極及び/又は正極)に低抵抗な保護被膜(以下、SEI(Solid Electrolyte Interface)膜ともいう)が形成されることによってもたらされると考えられる。
添加剤A(即ち、式(A)で表される化合物)は、一分子内に少なくとも1つ以上の環状硫酸エステル基を含み、かつ、一分子内に硫酸エステル基及びスルホン酸エステル基(以下、これらを総称して「含Sエステル基」ともいう)を合計で2つ以上含む環状硫酸エステル化合物である。添加剤Aは、非水電解液に含有された場合に、複数の互いに結合された含Sエステル基により、電極表面に低抵抗なSEI膜を形成させる化合物であると考えられる。その結果、電池の抵抗が低減され、かつ、電極表面における非水電解液の分解反応が抑制されて電池の保存特性及びサイクル特性が向上すると考えられる。
添加剤Bは、非水電解液に含有された場合に、負極表面にSEI膜を形成させ、負極表面で起こる非水電解液の分解反応を抑制する化合物であると考えられる。添加剤Aと添加剤Bとを併用した場合には、添加剤Aによって形成された負極のSEI膜中に添加剤Bが浸透し、負極の保護が不十分な部分を補強するようにSEI膜を強化すると考えられる。その結果、添加剤Aによる低抵抗化作用を維持しながら、更に、負極の保護作用が高められると考えられる。
添加剤Cは、非水電解液に含有された場合に、正極表面にSEI膜を形成させること及び/又は正極表面の活性点に配位することにより、正極表面で起こる非水電解液の分解反応を抑制する化合物であると考えられる。添加剤Aと添加剤Cとを併用した場合には、添加剤Aによって形成された正極のSEI膜中に添加剤Cが浸透し、正極の保護が不十分な部分を補強するようにSEI膜を強化すると考えられる。その結果、添加剤Aによる低抵抗化作用を維持しながら、更に、正極の保護作用が高められると考えられる。
本開示の非水電解液を電池に用いた場合、以上のように、添加剤Aと添加剤Bと添加剤Cとが複合的に作用し、負極上及び正極上に、低抵抗でありかつ保護性が高いSEI膜が形成され、その結果、上述した効果(即ち、電池の抵抗を低減させ、電池の保存特性及びサイクル特性を向上させる効果)が発揮されると考えられる。
以下、本開示の非水電解液に含有され得る各成分について説明する。
<電解質>
本開示の非水電解液は、電解質を少なくとも1種含有する。
電解質は、フッ素含有リチウム塩を含む。
本開示の非水電解液に含有される電解質は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
本開示の非水電解液に含有される、電解質としてのフッ素含有リチウム塩は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
(フッ素含有リチウム塩)
電解質としてのフッ素含有リチウム塩としては、LiPF(即ち、6フッ化リン酸リチウム)、LiBF、LiClO、LiAsF、LiSiF、LiOSO(2k+1)(k=1〜8の整数)、LiPF[C(2k+1)(6−n)(n=1〜5の整数、k=1〜8の整数)、LiC(SO)(SO)(SO)(ここでR〜Rは互いに同一でも異なっていてもよく、フッ素原子又は炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基である)、硫酸リチウムイミド化合物等が挙げられる。
硫酸リチウムイミド化合物としては、例えば、
LiN(SOOR10)(SOOR11)(ここでR10及びR11は互いに同一でも異なっていてもよく、フッ素原子又は炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基である)、及び、下記式(D1)で表される化合物が挙げられる。
硫酸リチウムイミド化合物としては、
下記式(D1)で表される化合物が好ましい。く、
LiN(SOF)(即ち、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド;以下、「LiFSi」ともいう)又はLiN(SOCFが好ましく、
LiFSiが特に好ましい。
電解質としてのフッ素含有リチウム塩は、本開示の非水電解液による上記効果がより効果的に奏される観点から、
6フッ化リン酸リチウムと硫酸リチウムイミド化合物とを含むことが好ましく、
6フッ化リン酸リチウムと下記式(D1)で表される化合物とを含むことがより好ましい。
電解質としてのフッ素含有リチウム塩が、6フッ化リン酸リチウムと硫酸リチウムイミド化合物とを含む場合には、非水電解液中及びSEI膜中におけるリチウムイオンの拡散性がより向上し、その結果、初期の電池抵抗の上昇と、保存中及び又はサイクル中の電池抵抗の上昇と、がより向上する。
Figure 2021101432
式(D1)中、Rd11及びRd12は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のフッ化炭化水素基を表す。
d11及びRd12は、それぞれ独立に、
フッ素原子又は炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基であることが好ましく、
フッ素原子、トリフルオロメチル基、又はペンタフルオロエチル基であることがより好ましく、
フッ素原子又はトリフルオロメチル基であることが更に好ましく、
フッ素原子であることが特に好ましい。
式(D1)で表される化合物としては、
LiN(SOF)(即ち、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド;以下、「LiFSi」ともいう)又はLiN(SOCFが好ましく、
LiFSiが特に好ましい。
電解質としてのフッ素含有リチウム塩が、LiPFと式(D1)で表される化合物とを含む場合、LiPF及び式(D1)で表される化合物の総含有量に対するLiPFの含有量の割合は、好ましくは20質量%〜99質量%であり、より好ましくは40質量%〜95質量%である。
LiPFの含有量の割合が20質量%以上である場合には、正極の酸化(例えば、正極集電体のアルミニウムの酸化腐食)をより抑制できる。
LiPFの含有量の割合が99質量%以下である場合には、電池の低温特性をより向上させることができる。
電解質としてのフッ素含有リチウム塩が、LiPFと式(D1)で表される化合物とを含む場合、フッ素含有リチウム塩の全量に対するLiPF及び式(D1)で表される化合物の総含有量は、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは80質量%以上である。フッ素含有リチウム塩の全量に対するLiPF及び式(D1)で表される化合物の総含有量は、100質量%であってもよい。
また、電解質としてのフッ素含有リチウム塩が、LiPFと式(D1)で表される化合物とを含む場合、電解質の全量に対するLiPF及び式(D1)で表される化合物の総含有量は、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは80質量%以上である。電解質の全量に対するLiPF及びLiFSiの総含有量は、100質量%であってもよい。
電解質の全量に対する電解質としてのフッ素含有リチウム塩の含有量は、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは80質量%以上である。電解質の全量に対する電解質としてのフッ素含有リチウム塩の含有量は、100質量%であってもよい。
非水電解液の全量に対する、電解質としてのフッ素含有リチウム塩の含有量は、好ましくは5質量%〜30質量%であり、より好ましくは8質量%〜25質量%であり、更に好ましくは10質量%〜20質量%である。
電解質としてのフッ素含有リチウム塩の含有量が5質量%以上である場合には、非水電解液のイオン電導性がより向上する。
電解質としてのフッ素含有リチウム塩の含有量が30質量%以下である場合には、非水電解液の粘度がより低減され、電池を製造する際の空電池への注入性がより向上する。
(フッ素含有リチウム塩以外の化合物)
電解質は、フッ素含有リチウム塩以外の化合物を少なくとも1種含んでもよい。
電解質としての、フッ素含有リチウム塩以外の化合物としては、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩が挙げられる。
テトラアルキルアンモニウム塩としては、例えば、
(CNPF、(CNBF、(CNClO、(CNAsF、(CSiF、(CNOSO(2k+1)(k=1〜8の整数)、(CNPF[C(2k+1)(6−n)(n=1〜5の整数、k=1〜8の整数)等が挙げられる。
(電解質の好ましい含有量)
非水電解液の全量に対する電解質の含有量は、好ましくは5質量%〜30質量%であり、より好ましくは8質量%〜25質量%であり、更に好ましくは10質量%〜20質量%である。
電解質の含有量が5質量%以上である場合には、非水電解液のイオン電導性がより向上する。
電解質の含有量が30質量%以下である場合には、非水電解液の粘度がより低減され、電池を製造する際の空電池(即ち、非水電解液が注入される前の電池)への注入性がより向上する。
<非水溶媒>
本開示の非水電解液は、非水溶媒を少なくとも1種含有する。
非水溶媒としては特に制限はなく、例えば、特開2017−45723号公報の段落0069〜0087に記載の非水溶媒を用いることができる。
非水電解液は、
カーボネート化合物を含むことが好ましく、
環状カーボネート化合物及び鎖状カーボネート化合物を含むことがより好ましい。
その他の非水溶媒に含まれ得る環状カーボネート化合物及び鎖状カーボネート化合物は、それぞれ、1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
環状カーボネート化合物としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチレンカーボネート等が挙げられる。
鎖状カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、エチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、メチルペンチルカーボネート、エチルペンチルカーボネート、ジペンチルカーボネート、メチルヘプチルカーボネート、エチルヘプチルカーボネート、ジヘプチルカーボネート、メチルヘキシルカーボネート、エチルヘキシルカーボネート、ジヘキシルカーボネート、メチルオクチルカーボネート、エチルオクチルカーボネート、ジオクチルカーボネート、等が挙げられる。
環状カーボネートと鎖状カーボネートの組み合わせとして、具体的には、エチレンカーボネートとジメチルカーボネート、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジエチルカーボネート、プロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、プロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、プロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネートなどが挙げられる。
環状カーボネート化合物と鎖状カーボネート化合物との混合割合は、質量比で表して、環状カーボネート化合物:鎖状カーボネート化合物が、例えば5:95〜80:20、好ましくは10:90〜70:30、更に好ましくは15:85〜55:45である。
非水溶媒中に占める、環状カーボネート化合物と鎖状カーボネート化合物との合計の割合は、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、更に好ましくは80質量%以上である。
非水溶媒中に占める、環状カーボネート化合物と鎖状カーボネート化合物との合計の割合は、100質量%であってもよい。
本開示の非水電解液の全量中に占める非水溶媒の割合は、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上である。
非水電解液中に占める非水溶媒の割合の上限は、他の成分(電解質、添加剤等)の含有量にもよるが、上限は、例えば99質量%であり、好ましくは97質量%であり、更に好ましくは90質量%である。
<添加剤A>
本開示の非水電解液は、添加剤Aを含有する。
添加剤Aは、下記式(A)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種である。
添加剤Aの機能については前述したとおりである。
Figure 2021101432
式(A)中、Rは、式(II)で表される基又は式(III)で表される基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、式(II)で表される基、又は式(III)で表される基を表す。
式(II)中、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は式(IV)で表される基を表す。式(II)、式(III)、及び式(IV)における波線は、結合位置を表す。
式(A)で表される化合物中に、式(II)で表される基が2つ含まれる場合、2つの式(II)で表される基は、同一であっても互いに異なっていてもよい。
式(A)中、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が具体例として挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
式(A)中、「炭素数1〜6のアルキル基」とは、炭素数が1〜6個である直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルペンチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、3,3−ジメチルブチル基などが具体例として挙げられる。
炭素数1〜6のアルキル基としては、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。
式(A)中、「炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基」とは、炭素数が1〜6個である直鎖又は分岐鎖のハロゲン化アルキル基であり、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロイソブチル基、クロロメチル基、クロロエチル基、クロロプロピル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、ブロモプロピル基、ヨウ化メチル基、ヨウ化エチル基、ヨウ化プロピル基などが具体例として挙げられる。
炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基がより好ましい。
式(A)中、「炭素数1〜6のアルコキシ基」とは、炭素数が1〜6個である直鎖又は分岐鎖アルコキシ基であり、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、1−エチルプロポキシ基、ヘキシルオキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基などが具体例として挙げられる。
炭素数1〜6のアルコキシ基としては、炭素数1〜3のアルコキシ基がより好ましい。
式(A)中のRとして、好ましくは、式(II)で表される基(式(II)において、Rは、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、又は式(IV)で表される基であることが好ましい。)、又は式(III)で表される基である。
式(A)中のRとして、好ましくは、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、式(II)で表される基(式(II)において、Rは、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、又は、式(IV)で表される基であることが好ましい。)、又は式(III)で表される基であり、より好ましくは水素原子又はメチル基であり、特に好ましくは水素原子である。
式(A)中のRが式(II)で表される基である場合、式(II)中のRは前述のとおり、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は式(IV)で表される基であるが、Rとしてより好ましくは、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、又は、式(IV)で表される基であり、更に好ましくは、フッ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、又は、式(IV)で表される基である。
式(A)中のRが式(II)で表される基である場合、式(II)中のRの好ましい範囲については、式(A)中のRが式(II)で表される基である場合におけるRの好ましい範囲と同様である。
式(A)におけるR及びRの好ましい組み合わせとしては、Rが、式(II)で表される基(式(II)中、Rはフッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、又は式(IV)で表される基であることが好ましい)、又は式(III)で表される基であり、Rが、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、式(II)で表される基(式(II)中、Rはフッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、又は式(IV)で表される基であることが好ましい。)、又は式(III)で表される基である組み合わせである。
式(A)におけるR及びRのより好ましい組み合わせとしては、Rが式(II)で表される基(式(II)中、Rはフッ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、又は式(IV)で表される基であることが好ましい)又は式(III)で表される基であり、Rが水素原子又はメチル基である組み合わせである。
式(A)におけるR及びRの特に好ましい組み合わせとしては、式(A)において、Rが式(III)で表される基であり、Rが水素原子である組み合わせ(即ち、後述の化合物(A−1))である。
式(A)で表される化合物の好ましい態様及び具体例等については、前述の特許文献1(即ち、国際公開第2012/053644号)における段落0054〜0070を適宜参照できる。
式(A)で表される化合物の特に好ましい具体例は、下記化合物(A−1)又は下記化合物(A−2)であり、特に好ましい具体例は、化合物(A−1)である。
Figure 2021101432
式(A)で表される化合物は、化合物(A−1)を含むことが特に好ましい。
式(A)で表される化合物が、化合物(A−1)を含む場合、式(A)で表される化合物の全量中に占める化合物(A−1)の割合は、好ましくは50質量%〜100質量%であり、より好ましくは60質量%〜100質量%であり、更に好ましくは80質量%〜100質量%である。
非水電解液の全量に対する添加剤Aの含有量の好ましい範囲については後述する。
<添加剤B>
本開示の非水電解液は、添加剤Bを含有する。
添加剤Bは、下記式(B1)〜下記式(B3)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種である。
添加剤Bの機能については前述したとおりである。
Figure 2021101432
式(B1)中、Rb11及びRb12は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
式(B2)中、Rb21〜Rb24は、それぞれ独立に、フッ素原子により置換されてもよい炭素数1〜3のアルキル基、水素原子、フッ素原子、又は塩素原子を示す。ただし、式(B2)中のRb21〜Rb24の全てが水素原子であることはない。
式(B3)中、Rb31及びRb32は、それぞれ独立に、フッ素原子により置換されてもよい炭素数1〜3のアルキル基、水素原子、フッ素原子、又は塩素原子を示す。
式(B1)中、Rb11及びRb12は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、又はエチル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
式(B1)で表される化合物としては、例えば、ビニレンカーボネート(以下、「VC」ともいう)、メチルビニレンカーボネート、ジメチルビニレンカーボネートなどが挙げられ、特に好ましくはビニレンカーボネートである。
式(B2)中、Rb21〜Rb24は、全てが水素原子であることはなく、それぞれ独立に、フッ素原子により置換されてもよい炭素数1〜3のアルキル基、水素原子、又はフッ素原子であることが好ましく、炭素数1〜3のフッ化アルキル基、水素原子、又はフッ素原子であることがより好ましく、水素原子又はフッ素原子であることが更に好ましい。
本開示において、「フッ素原子により置換されてもよいアルキル基」が、フッ素原子により置換されているアルキル基(即ち、フッ化アルキル基)である場合、フッ素原子により置換されているアルキル基(即ち、フッ化アルキル基)は、アルキル基が少なくとも1つのフッ素原子によって置換されてなる基であればよく、パーフルオロアルキル基であることには限定されない。
式(B2)で表される化合物としては、例えば、4−フルオロエチレンカーボネート(以下、「FEC」ともいう)、4,4−ジフルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート、4−トリフルオロメチルエチレンカーボネートなどが挙げられ、特に好ましくは4−フルオロエチレンカーボネートである。
式(B3)中、Rb31及びRb32は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基であることが好ましい。
式(B3)中、Rb31及びRb32としては、一方が、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基であり、かつ、他方が水素原子である態様がより好ましい。
式(B3)で表される化合物としては、例えば、
硫酸エチレン(以下、「DTD」ともいう)、硫酸−1,2−プロピレン、硫酸−1,3−プロピレン、硫酸−1,2−ブチレン、硫酸−2,3−ブチレン、硫酸−1,2−ペンチレン、硫酸−2,3−ペンチレンなどが挙げられる。
これらのうち、好ましくは、硫酸エチレン、硫酸−1,2−プロピレン、硫酸−1,2−ブチレン、又は硫酸−1,2−ペンチレンである。
非水電解液の全量に対する添加剤Bの含有量の好ましい範囲については後述する。
<添加剤C>
本開示の非水電解液は、添加剤Cを含有する。
添加剤Cは、下記式(C1)〜下記式(C8)で表される化合物、リン酸トリス(トリメチルシリル)、ホウ酸トリス(トリメチルシリル)、及び硫酸トリス(トリメチルシリル)からなる群から選択される少なくとも1種である。
添加剤Cの機能については前述したとおりである。
Figure 2021101432
式(C1)中、Mは、アルカリ金属を表し、Yは、遷移元素、又は周期律表の13族、14族もしくは15族元素を表し、bは1〜3の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、nは0〜8の整数を表し、qは0又は1を表す。式(C1)中、Rc11は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は炭素数6〜20のハロゲン化アリーレン基(これらの基は、構造中に置換基、又はヘテロ原子を含んでいてもよく、またqが1でmが2〜4の場合にはm個のRc11はそれぞれが結合していてもよい。)を表し、Rc12は、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のハロゲン化アリール基(これらの基は、構造中に置換基、又はヘテロ原子を含んでいてもよく、また、nが2〜8の場合はn個のRc12はそれぞれが結合して環を形成していてもよい。)、又は−Qc13を表す。式(C1)中、Q、Q及びQは、それぞれ独立に、O、S又はNRc14を表し、Rc13及びRc14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数6〜20のハロゲン化アリール基(これらの基は、構造中に置換基、又はヘテロ原子を含んでいてもよく、Rc13又はRc14が複数個存在する場合はそれぞれが結合して環を形成してもよい。)を表す。
式(C2)中、Rc21〜Rc24は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3の炭化水素基、又は炭素数1〜3のフッ化炭化水素基を表す。
式(C3)中、Rc31〜Rc33は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又は炭素数1〜6のフッ化炭化水素基を表し、Lc31は、単結合又は酸素原子を表す。
式(C4)中、Rc41〜Rc43は、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又は炭素数1〜6のフッ化炭化水素基を表す。
式(C5)中、Rc51は、フッ素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又は炭素数1〜6のフッ化炭化水素基を表し、Rc52は、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又は炭素数1〜6のフッ化炭化水素基を表し、nは、1〜3の整数を表す。
(式(C1)で表される化合物)
式(C1)において、Mは、アルカリ金属であり、Yは、遷移金属、又は周期表の13族、14族もしくは15族元素である。Yとしては、このうちAl、B、V、Ti、Si、Zr、Ge、Sn、Cu、Y、Zn、Ga、Nb、Ta、Bi、P、As、Sc、Hf又はSbであることが好ましく、Al、B又はPであることがより好ましい。YがAl、B又はPの場合には、アニオン化合物の合成が比較的容易になり、製造コストを抑えることができる。アニオンの価数及びカチオンの個数を表すbは1〜3の整数であり、1であることが好ましい。bが3より大きい場合は、アニオン化合物の塩が混合有機溶媒に溶解しにくくなる傾向があるので好ましくない。また、定数m、nは、配位子の数に関係する値であり、Mの種類によって決まってくるものであるが、mは1〜4の整数、nは0〜8の整数である。定数qは、0又は1である。qが0の場合には、キレートリングが五員環となり、qが1の場合にはキレートリングが六員環となる。
c11は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基又は炭素数6〜20のハロゲン化アリーレン基を表す。これらのアルキレン基、ハロゲン化アルキレン基、アリーレン基又はハロゲン化アリーレン基はその構造中に置換基、ヘテロ原子を含んでいてもよい。具体的には、これらの基の水素原子の代わりに、ハロゲン原子、鎖状又は環状のアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルホニル基、アミノ基、シアノ基、カルボニル基、アシル基、アミド基、又は水酸基を置換基として含んでいてもよい。また、これらの基の炭素元素の代わりに、窒素原子、硫黄原子、又は酸素原子が導入された構造であってもよい。また、qが1でmが2〜4のときには、m個のRc11はそれぞれが結合していてもよい。そのような例としては、エチレンジアミン四酢酸のような配位子を挙げることができる。
c12は、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のハロゲン化アリール基又は−Qc13(Q及びRc13については後述する。)を表す。
c12におけるこれらのアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基又はハロゲン化アリール基は、R91と同様に、その構造中に置換基、ヘテロ原子を含んでいてもよく、また、nが2〜8のときにはn個のRc12は、それぞれ結合して環を形成してもよい。Rc12としては、電子吸引性の基が好ましく、特にフッ素原子が好ましい。
、Q及びQは、それぞれ独立に、O、S又はNRc14を表す。つまり、配位子はこれらヘテロ原子を介してYに結合することになる。
c13及びRc14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数6〜20のハロゲン化アリール基を表す。これらのアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、又はハロゲン化アリール基は、Rc11と同様に、その構造中に置換基、ヘテロ原子を含んでいてもよい。また、Rc13及びRc14は複数個存在する場合にはそれぞれが結合して環を形成してもよい。
Mで表されるアルカリ金属としては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。このうち、リチウムが特に好ましい。
nとしては、0〜4の整数が好ましい。
式(C1)で表される化合物としては、下記式(C1A)で表される化合物、下記式(C1B)で表される化合物、下記式(C1C)で表される化合物、下記式(C1D)で表される化合物、及び下記式(C1E)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
Figure 2021101432
式(C1A)〜式(C1E)中、Mは、式(C1)におけるMと同義であり、好ましい態様も同様である。
式(C1)で表される化合物として、特に好ましくは、式(C1A)で表される化合物であってMがリチウムである化合物(詳細には、後述する「BOB」)、又は、式(C1B)で表される化合物であってMがリチウムである化合物(詳細には、後述する「DFOB」)である。
(式(C2)で表される化合物)
式(C2)中、Rc21〜Rc24は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3の炭化水素基、又は炭素数1〜3のフッ化炭化水素基を表す。
c21〜Rc24で表される炭素数1〜3の炭化水素基の炭素数としては、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
c21〜Rc24で表される炭素数1〜3のフッ化炭化水素基の炭素数としては、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
式(C2)で表される化合物の具体例については、例えば、特開2021−22525号の段落0029を参照できる。
式(C2)で表される化合物として、特に好ましくは、1,3−プロペンスルトン(PRS)である。
(式(C3)で表される化合物)
式(C3)中、Rc31〜Rc33は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又は炭素数1〜6のフッ化炭化水素基を表し、Lc31は、単結合又は酸素原子(即ち、−O−)を表す。
式(C3)で表される化合物の好ましい態様については、例えば、特開2017−091687号の段落0064〜0066及び特開2021−22525号の段落0039〜0049を参照できる。
以下、式(C3)で表される化合物の具体例を示すが、式(C3)で表される化合物は、以下の具体例には限定されない。
Figure 2021101432
(式(C4)で表される化合物)
式(C4)中、Rc41〜Rc43は、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又は炭素数1〜6のフッ化炭化水素基を表す。
式(C4)で表される化合物の好ましい態様については、例えば、特開2021−22525号の段落0051〜0057を参照できる。
以下、式(C4)で表される化合物の具体例を示すが、式(C4)で表される化合物は、以下の具体例には限定されない。
Figure 2021101432
(式(C5)で表される化合物)
式(C5)中、Rc51は、フッ素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又は炭素数1〜6のフッ化炭化水素基を表し、Rc52は、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又は炭素数1〜6のフッ化炭化水素基を表し、nは、1〜3の整数を表す。
式(C5)で表される化合物の好ましい態様については、例えば、特開2021−22525号の段落0058〜0065を参照できる。
以下、式(C5)で表される化合物の具体例を示すが、式(C5)で表される化合物は、以下の具体例には限定されない。
Figure 2021101432

<添加剤A〜Cの好ましい含有量>
添加剤Aの含有量は、非水電解液の全量に対し、0.001質量%〜10質量%が好ましく、0.003質量%〜5質量%がより好ましく、0.03質量%〜3質量%であることが更に好ましく、0.1質量%〜3質量%であることが更に好ましく、0.2質量%〜3質量%であることが更に好ましく、0.3質量%〜2質量%であることが更に好ましい。
添加剤Bの含有量は、非水電解液の全量に対し、0.001質量%〜10質量%が好ましく、0.003質量%〜5質量%がより好ましく、0.003質量%〜3質量%であることが更に好ましく、0.03質量%〜3質量%であることが更に好ましく、0.1質量%〜3質量%であることが更に好ましく、0.1質量%〜2質量%であることが更に好ましい。
添加剤Cの含有量は、非水電解液の全量に対し、0.001質量%〜10質量%が好ましく、0.003質量%〜5質量%がより好ましく、0.003質量%〜3質量%であることが更に好ましく、0.03質量%〜3質量%であることが更に好ましく、0.1質量%〜3質量%であることが更に好ましく、0.1質量%〜2質量%であることが更に好ましい。
本開示の非水電解液において、本開示の非水電解液による効果をより効果的に奏する観点から、添加剤A〜添加剤Cの合計含有量に対する添加剤Aの含有量の比は、好ましくは0.3以上であり、より好ましくは0.4以上であり、更に好ましくは0.5以上である。
添加剤A〜添加剤Cの合計含有量に対する添加剤Aの含有量の比は、1.0未満であればよいが、好ましくは0.9以下であり、より好ましくは0.8以下である。
本開示の非水電解液において、本開示の非水電解液による効果をより効果的に奏する観点から、添加剤B及び添加剤Cの合計含有量に対する添加剤Bの含有量の比は、好ましくは0.1〜0.9であり、より好ましくは0.2〜0.8であり、更に好ましくは0.3〜0.7であり、更に好ましくは0.4〜0.6である。
本開示の非水電解液は、必要に応じ、以上で説明した成分以外のその他の成分を含有していてもよい。
〔リチウム二次電池前駆体、リチウム二次電池〕
本開示のリチウム二次電池前駆体は、正極と、負極と、前述した本開示の非水電解液と、を含む。
本開示のリチウム二次電池は、本開示のリチウム二次電池前駆体に対して、充電及び放電(以下、「充放電」ともいう)を施して得られたリチウム二次電池である。
本開示において、リチウム二次電池前駆体とは、製造後、充電及び放電がなされる前のリチウム二次電池を意味する。
言い換えれば、本開示において、リチウム二次電池とは、リチウム二次電池前駆体に対し、充電及び放電が施された電池を意味する。
本開示のリチウム二次電池前駆体は、前述した本開示の非水電解液を含む。
このため、本開示のリチウム二次電池前駆体及び本開示の非水電解液によれば、前述した本開示の非水電解液による効果と同様の効果が奏される。
以下、本開示のリチウム二次電池前駆体に含まれ得る各構成要素について説明する。
本開示のリチウム二次電池に含まれ得る各構成要素は、基本的に、以下で説明する本開示のリチウム二次電池前駆体に含まれ得る各構成要素と同様である。
本開示のリチウム二次電池において、正極(好ましくは正極活物質)及び/又は負極(好ましくは負極活物質)の表面には、好ましくは、SEI(Solid Electrolyte Interface)膜が形成されている。SEI膜は、リチウム二次電池前駆体に充電及び放電を施すことによって形成され得る被膜である。SEI膜は、非水電解液中の成分及び又は上記成分に由来する生成物(例えば分解物)を含む。
<負極>
負極は、好ましくは、負極活物質を少なくとも1種含む。
負極における負極活物質は、好ましくは、リチウムイオンの吸蔵及び放出が可能な炭素材料を含む。負極活物質が上記炭素材料を含むことにより、充放電によって形成されるSEI膜の安定性が向上する。詳細には、上記炭素材料は、他の負極活物質(例えば、金属Li、金属Si、酸化シリコン)と比較して、充放電中の形態変化が小さいため、SEI膜の安定性の点で有利である。
負極活物質は、上記炭素材料と、他の負極活物質(例えば、金属Li、金属Si、酸化シリコン)と、の両方を含んでいてもよい。充放電中の形態変化抑制及び負極のエネルギー密度向上の観点から、負極活物質は、上記炭素材料と、金属Si及び酸化シリコンの少なくとも一方と、を含んでいてもよい。この場合、炭素材料、金属Si、及び酸化シリコンの合計量に対する金属Si及び酸化シリコンの合計量の割合は、0.5質量%〜50質量%であってもよく、1質量%〜20質量%であってもよく、2質量%〜20質量%であってもよい。
負極活物質としての炭素材料と、前述した本開示の非水電解液と、の組み合わせにより、負極に形成されるSEI膜の安定性が向上されるので、前述した、保存特性及びサイクル特性の向上の効果がより顕著に奏される。
負極活物質としての炭素材料としては、ハードカーボン、ソフトカーボン、MCMB、天然黒鉛、人造黒鉛などが挙げられる。
天然黒鉛及び人造黒鉛は、それぞれ、非晶質炭素でコーティングされていてもよい。
これらのうち、負極上に形成されるSEI膜の安定性が高く、かつ、リチウムイオンを吸蔵する能力が高いことから、ハードカーボン、MCMB、非晶質炭素でコーティングされた天然黒鉛、又は、非晶質炭素でコーティングされた人造黒鉛が好ましい。
負極は、好ましくは負極集電体を含む。
負極集電体の材質には特に制限はなく、公知のものを任意に用いることができる。
負極集電体の具体例としては、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属材料が挙げられる。中でも、加工しやすさの点から特に銅が好ましい。
負極は、負極集電体と、負極集電体の表面の少なくとも一部に設けられた負極活物質層と、を含んでもよい。
負極活物質層は、負極活物質を少なくとも1種含む。負極活物質層における負極活物質は、上述した炭素材料を含む。
負極活物質層中における炭素材料の含有量は、負極に対する被膜の形成性をより向上させ、初期の及び/又は保存後の電池の抵抗をより低減させる観点から、負極活物質層の全量に対し、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、更に好ましくは90質量%以上である。
負極活物質層は、更に、バインダーを少なくとも1種含んでいてもよい。
バインダーとしては、スチレンブタジエン(SBR)ゴム(例えば、SBRラテックス)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、及びジアセチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。バインダーは、SBRラテックス及びカルボキシメチルセルロースを含むことが好ましい。
負極活物質層中におけるバインダーの含有量は、負極活物質層の全量に対し、好ましくは1質量%〜20質量%であり、より好ましくは1質量%〜10質量%であり、更に好ましくは1質量%〜5質量%である。
<正極>
正極は、好ましくは、正極活物質を少なくとも1種含む。
正極活物質としては特に限定はなく、公知の正極活物質を用いることができる。
正極活物質としては、リチウム遷移金属酸化物又はリン酸金属リチウムが好ましい。
リチウム遷移金属酸化物としては、例えば、
リチウムコバルト酸化物(LiCoO
リチウムマンガン酸化物(LiMnO又はLiMn
リチウムニッケル酸化物(LiNiO
リチウムニッケルコバルト酸化物、
リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(以下、「NMC」ともいう)、
リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(以下、「NCA」ともいう)、
等が挙げられる。
リン酸金属リチウムとしては、例えば、
リン酸鉄リチウム(LiFePO)、
リン酸マンガンリチウム(LiMnPO)、
リン酸マンガン鉄リチウム(LiMn(1−X)FePO;0<X<1)、
等が挙げられる。
正極活物質は、本開示の非水電解液による効果がより効果的に奏される観点から、
リチウム遷移金属酸化物を含有することが好ましく、
NMCを含有することがより好ましく、
下記式(X)で表される化合物を含有することが更に好ましい。
LiNiMnCo … (X)
〔式(X)中、a、b及びcは、それぞれ独立に、0超1.00未満であり、かつ、a、b及びcの合計は、0.99〜1.00である。〕
式(X)で表される化合物の具体例としては、例えば、LiNi0.33Mn0.33Co0.33、LiNi0.5Mn0.2Co0.3、LiNi0.5Mn0.3Co0.2等が挙げられる。
式(X)において、aは、0.20以上が好ましく、0.30以上がより好ましく、0.40以上が更に好ましく、0.50以上が更に好ましく、0.70以上が更に好ましい。
aが大きい程(即ち、Niの含有量が多い程)、電池の容量(エネルギー密度)が大きくなる点で有利である。
その一方で、一般的には、aが大きい程(即ち、Niの含有量が多い程)、高温保存特性及び高温サイクル特性が低下する場合がある。
しかし、本開示の非水電解液を用いた場合には、添加剤A、添加剤B、及び添加剤Cの組み合わせによる複合効果により、aが大きい(例えば0.40以上)である場合であっても、高温保存特性及び高温サイクル特性の低下が抑制される。
式(X)において、aは、0.95以下が好ましく、0.90以下がより好ましい。
式(X)において、bは、0.05以上が好ましく、0.10以上がより好ましい。
式(X)において、bは、0.90以下が好ましく、0.50以下がより好ましく、0.40以下が更に好ましい。
式(X)において、cは、0.05以上が好ましく、0.10以上がより好ましい。
式(X)において、cは、0.90以下が好ましく、0.50以下がより好ましく、0.40以下が更に好ましい。
正極活物質は、式(X)で表される化合物の単結晶を含有することが好ましい。
正極活物質としての式(X)で表される化合物の単結晶は、正極活物質としての式(X)で表される化合物の多結晶と比較して、表面積が小さい。このため、上記単結晶を用いた場合の効果として、電極表面での非水電解液の酸化分解反応を抑制する効果、並びに、電池の高温保存特性及び高温サイクル特性を向上させる効果が期待される。
その一方で、正極活物質として、式(X)で表される化合物の単結晶を用いた場合、式(X)で表される化合物の多結晶を用いた場合と比較して、電池の抵抗が上昇する場合がある。
しかし、本開示の非水電解液を用いた場合には、添加剤A、添加剤B、及び添加剤Cの組み合わせによる複合効果により、正極活物質として、式(X)で表される化合物の単結晶を用いた場合であっても、電池の抵抗の上昇が抑制される。
式(X)で表される化合物の単結晶と、式(X)で表される化合物の多結晶と、の区別は、X線構造解析によって行うことができる。
正極は、導電性助剤を少なくとも1種含んでいてもよい。
導電性助剤としては、カーボンブラック、アモルファスウィスカー、グラファイトなどの炭素材料が挙げられる。
正極は、好ましくは正極集電体を含む。
正極集電体の材質には特に制限はなく、公知のものを任意に用いることができる。
正極集電体の具体例としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、タンタルなどの金属材料;カーボンクロス、カーボンペーパーなどの炭素材料;等が挙げられる。
正極は、正極集電体と、正極集電体の表面の少なくとも一部に設けられた正極活物質層と、を含んでもよい。
正極活物質層は、正極活物質を少なくとも1種含む。好ましい正極活物質は前述のとおりである。
正極活物質層中における正極活物質の含有量は、正極活物質層の全量に対し、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上である。
正極活物質層は、更に、上記導電性助剤を少なくとも1種含んでいてもよい。
正極活物質層は、更に、バインダーを少なくとも1種含んでいてもよい。
バインダーとしては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ニトロセルロース、フッ素樹脂、ゴム粒子等が挙げられる。フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等が挙げられる。ゴム粒子としては、スチレン−ブタジエンゴム粒子、アクリロニトリルゴム粒子等が挙げられる。これらの中でも、正極活物質層の耐酸化性を向上させる観点から、フッ素樹脂が好ましい。
正極活物質層中におけるバインダーの含有量は、正極活物質層の全量に対し、好ましくは1質量%〜20質量%であり、より好ましくは1質量%〜10質量%である。
<セパレータ>
本開示のリチウム二次電池前駆体は、負極と正極との間にセパレータを含むことが好ましい。
セパレータは、正極と負極とを電気的に絶縁し且つリチウムイオンを透過する膜であって、多孔性膜や高分子電解質が例示される。
多孔性膜としては微多孔性高分子フィルムが好適に使用され、材質としてポリオレフィン、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル等が例示される。
特に、多孔性ポリオレフィンが好ましく、具体的には多孔性ポリエチレンフィルム、多孔性ポリプロピレンフィルム、又は多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロピレンフィルムとの多層フィルムを例示することができる。多孔性ポリオレフィンフィルム上には、熱安定性に優れる他の樹脂がコーティングされてもよい。
高分子電解質としては、リチウム塩を溶解した高分子や、電解液で膨潤させた高分子等が挙げられる。
本開示の非水電解液は、高分子を膨潤させて高分子電解質を得る目的で使用してもよい。
<リチウム二次電池前駆体の構成>
本開示のリチウム二次電池前駆体は、種々公知の形状をとることができ、円筒型、コイン型、角型、ラミネート型、フィルム型その他任意の形状に形成することができる。しかし、リチウム二次電池前駆体の基本構造は、形状によらず同じであり、目的に応じて設計変更を施すことができる。
なお、本開示のリチウム二次電池の基本構造についても、本開示のリチウム二次電池前駆体の基本構造を参照できる。
本開示のリチウム二次電池前駆体又は本開示のリチウム二次電池の例として、ラミネート型電池が挙げられる。
図1は、本開示のリチウム二次電池前駆体又は本開示のリチウム二次電池の一例である、ラミネート型電池の一例を示す概略斜視図であり、図2は、図1に示すラミネート型電池に収容される積層型電極体の厚さ方向の概略断面図である。
図1に示すラミネート型電池は、内部に非水電解液(図1中では不図示)及び積層型電極体(図1中では不図示)が収納され、且つ、周縁部が封止されることにより内部が密閉されたラミネート外装体1を備える。ラミネート外装体1としては、例えばアルミニウム製のラミネート外装体が用いられる。
ラミネート外装体1に収容される積層型電極体は、図2に示されるように、正極板5と負極板6とがセパレータ7を介して交互に積層されてなる積層体と、この積層体の周囲を囲むセパレータ8と、を備える。正極板5、負極板6、セパレータ7、及びセパレータ8には、本開示の非水電解液が含浸されている。
上記積層型電極体における複数の正極板5は、いずれも正極タブを介して正極端子2と電気的に接続されており(不図示)、この正極端子2の一部が上記ラミネート外装体1の周端部から外側に突出している(図1)。ラミネート外装体1の周端部において正極端子2が突出する部分は、絶縁シール4によってシールされている。
同様に、上記積層型電極体における複数の負極板6は、いずれも負極タブを介して負極端子3と電気的に接続されており(不図示)、この負極端子3の一部が上記ラミネート外装体1の周端部から外側に突出している(図1)。ラミネート外装体1の周端部において負極端子3が突出する部分は、絶縁シール4によってシールされている。
なお、上記一例に係るラミネート型電池では、正極板5の数が5枚、負極板6の数が6枚となっており、正極板5と負極板6とがセパレータ7を介し、両側の最外層がいずれも負極板6となる配置で積層されている。しかし、ラミネート型電池における、正極板の数、負極板の数、及び配置については、この一例には限定されず、種々の変更がなされてもよいことは言うまでもない。
本開示のリチウム二次電池前駆体又は本開示のリチウム二次電池の別の一例として、コイン型電池も挙げられる。
図3は、本開示のリチウム二次電池前駆体又は本開示のリチウム二次電池の別の一例であるコイン型電池の一例を示す概略斜視図である。
図3に示すコイン型電池では、円盤状負極12、非水電解液を注入したセパレータ15、円盤状正極11、必要に応じて、ステンレス、又はアルミニウムなどのスペーサー板17、18が、この順序に積層された状態で、正極缶13(以下、「電池缶」ともいう)と封口板14(以下、「電池缶蓋」ともいう)との間に収納される。正極缶13と封口板14とはガスケット16を介してかしめ密封する。
この一例では、セパレータ15に注入される非水電解液として、本開示の非水電解液を用いる。
本開示のリチウム二次電池は、正極の作動電位は特に限定はない。
本開示のリチウム二次電池は、正極の作動電位が、Li金属標準酸化還元電位を基準として、4.30Vを超えることが好ましい。
正極の作動電位が、Li金属標準酸化還元電位を基準として、4.30Vを超えることは、電池の出力及び容量の点で有利である。
一方で、一般的には、正極の作動電位が、Li金属標準酸化還元電位を基準として4.30Vを超える場合、電極表面での酸化分解活性が高まるために、電池の抵抗が上昇する場合がある。
しかし、本開示の非水電解液を用いた場合には、添加剤A、添加剤B、及び添加剤Cの組み合わせによる複合効果により、正極の作動電位が、Li金属標準酸化還元電位を基準として、4.30Vを超える場合であっても、電池の抵抗の上昇が抑制される。
本開示のリチウム二次電池前駆体又は本開示のリチウム二次電池の用途は特に限定されず、小型携帯機器、大型機器を問わず広く利用可能なものである。
本開示のリチウム二次電池前駆体又は本開示のリチウム二次電池の用途としては、例えば、ノート型パソコン、モバイルパソコン、携帯電話、ヘッドホンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、電子手帳、電卓、ラジオ、バックアップ電源、蓄電電源(例えば、夜間電力貯蔵用電源、太陽光発電の余剰電力貯蔵用電源等)、モーター、自動車、電気自動車、ハイブリット車、バイク、電動バイク、自転車、電動自転車、照明器具、ゲーム機、時計、電動工具、カメラ等が挙げられる。
〔リチウム二次電池の製造方法〕
本開示のリチウム二次電池の製造方法は、
前述した本開示のリチウム二次電池前駆体を準備する工程(以下、「準備工程」ともいう)と、
上記リチウム二次電池前駆体に対して、充電及び放電を施す工程と、
を含む。
準備工程は、予め製造された本開示のリチウム二次電池前駆体を充電及び放電を施す工程に供するために単に準備するだけの工程であってもよいし、本開示のリチウム二次電池前駆体を製造する工程であってもよい。
リチウム二次電池前駆体については前述のとおりである。
充電及び放電を施す工程において、リチウム二次電池前駆体に対する充電及び放電は、公知の方法に従って行うことができる。
本工程では、リチウム二次電池前駆体に対し、充電及び放電のサイクルを、複数回繰り返してもよい。
前述のとおり、この充電及び放電により、リチウム二次電池前駆体における正極(特に正極活物質)及び/又は負極(特に負極活物質)の表面に、好ましくはSEI膜が形成される。
以下、本開示の実施例を示すが、本開示は以下の実施例によって制限されるものではない。
以下の実施例において、「添加量」は、最終的に得られる非水電解液の全量に対する含有量を意味する。
また、量を示す「%」は、特に断りがないかぎり、質量%を意味する。
〔実施例1−1〜1−7、2−1〜2−7、及び3−1〜3−7、並びに、比較例1−1〜1−5、2−1〜2−5、及び3−1〜3−5〕
以下の手順にて、リチウムイオン二次電池である試験用電池として、NMC多結晶正極型電池及びNMC単結晶正極型電池をそれぞれ作製した。
<負極シートの作製>
負極活物質としての人造黒鉛(97質量部)、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(1質量部)、及び結着材としてのSBRラテックス(2質量部)を水溶媒で混練してペースト状の負極合剤スラリーを調製した。
次に、この負極合剤スラリーを、厚さ10μmの帯状銅箔である負極集電体の片面に塗布し乾燥した後に、ロールプレスで圧縮した。
以上により、負極集電体の片面に負極活物質層が配置された構造を有する、負極シート(以下、「黒鉛負極シート」ともいう)を得た。
黒鉛負極シートにおける、負極活物質層の塗布密度及び負極活物質の充填密度を表1に示す。
<正極シートの作製>
正極シートとして、NMC多結晶正極シート及びNMC単結晶シートをそれぞれ作製した。
(NMC多結晶正極シートの作製)
正極活物質としてのリチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(具体的には、LiNi0.5Mn0.3Co0.2)の多結晶(90質量部)、導電性助剤としてのアセチレンブラック(5質量部)、及び結着材としてのポリフッ化ビニリデン(5質量部)を、N−メチルピロリジノンを溶媒として混練してペースト状の正極合剤スラリーを調製した。
ここで、LiNi0.5Mn0.3Co0.2の多結晶としては、数平均粒子径0.5μmのLiNi0.5Mn0.3Co0.2の一次粒子が凝集した構造を有する多結晶を用いた。
次に、この正極合剤スラリーを、厚さ20μmの帯状アルミニウム箔である正極集電体の両面に塗布し乾燥した後に、ロールプレスで圧縮した。
以上により、正極集電体の両面にNMC多結晶正極活物質層が配置された構造を有する、NMC多結晶正極シートを得た。
NMC多結晶正極シートの片面側における、正極活物質層の塗布密度及び正極活物質の充填密度を表1に示す。
(NMC単結晶正極シートの作製)
LiNi0.5Mn0.3Co0.2の多結晶を、同質量のLiNi0.5Mn0.3Co0.2の単結晶に変更したこと以外はNMC多結晶正極シートの作製と同様にして、NMC単結晶正極シートを作製した。
NMC単結晶正極シートの片面側における、正極活物質層の塗布密度及び正極活物質の充填密度を表1に示す。
Figure 2021101432
<非水電解液の調製>
下記表2に示す組成の各非水電解液を調製した。
組成中の各成分の量(%)は、最終的に得られる非水電解液の全量に対する含有量(質量%)を意味する。
Figure 2021101432
−表2中の基礎電解液の説明−
基礎電解液A及びBは、それぞれ、非水溶媒及び電解質からなる下記組成の電解液を意味する。
基礎電解液A: LiPF/EC/EMC=14/28/58(質量%)
基礎電解液B: LiPF/LiFSI/EC/EMC=10/5/28/57(質量%)
ここで、LiPF、LiFSI、EC、及びEMCは、それぞれ、
電解質としての6フッ化リン酸リチウム、
式(D1)で表される化合物の具体例である電解質としてのリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、
非水溶媒としてのエチレンカーボネート、及び、
非水溶媒としてのエチルメチルカーボネート
である。
各非水電解液は、基礎電解液A又はBに対し、表2に示す種類及び含有量(質量%)の各添加剤を添加したものである。
添加剤の量(%)は、最終的に得られる非水電解液の全量に対する含有量(質量%)を意味する。
−表2中の添加剤の説明−
(A−1)及び(A−2)は、それぞれ、添加剤A(詳細には、式(A)で表される環状硫酸エステル)の具体例である下記化合物(A−1)及び(A−2)である。
DTDは、添加剤B(詳細には、式(B3)で表される化合物)の具体例である下記化合物である。
VCは、添加剤B(詳細には、式(B1)で表される化合物)の具体例である下記化合物である。
FECは、添加剤B(詳細には、式(B2)で表される化合物)の具体例である下記化合物である。
DFPは、添加剤C(詳細には、式(C7)で表される化合物)である下記化合物である。
DFOB及びBOBは、それぞれ、添加剤C(詳細には、式(C1)で表される化合物)の具体例である下記化合物である。
TMSBは、添加剤Cの具体例である下記化合物(ホウ酸トリス(トリメチルシリル))である。
Figure 2021101432
<試験用電池の作製>
負極シート、正極シート、及び非水電解液を用い、以下のようにして、リチウムイオン二次電池である試験用電池(即ち、NMC多結晶正極型電池及びNMC単結晶正極型電池)をそれぞれ作製した。
(試験用電池前駆体(即ち、充放電前の試験用電池)の作製)
上述の負極シートを、端部に未塗工の銅箔が残るように、縦53mm×横37mmの長方形に打ち抜き、短冊状の負極を得た。得られた負極における未塗工の銅箔部分に、負極タブを超音波溶接した。この負極タブの途中には、接着樹脂層が配置されている。
また、上述の正極シートを、端部に未塗工のアルミニウム箔が残るように、縦52mm×横36.5mmの長方形に打ち抜き、短冊状の正極を得た。得られた正極における未塗工のアルミニウム箔部分に、正極タブを超音波溶接した。この正極タブの途中にも、接着樹脂層が配置されている。
また、厚さ20μmの微多孔性ポリエチレンフィルムを縦55mm×横185mmの長方形にカットして、正極と負極とを隔離するためのセパレータを得た。
次に、(1)負極(片面塗工)、(2)セパレータ、(3)正極(両面塗工)、(4)セパレータ(注:(2)のセパレータを折り返して重ねる)、及び(5)負極(片面塗工)を、この順の配置にて重ね、積層体を得た。次に、セパレータの余剰部により、積層体の外周を1周包み、次いで、セパレータの末端同士をカプトンテープで固定することにより、負極、セパレータ、及び正極を含む一体電極を得た。
次に、この一体電極を、電池外装用のアルミニウムラミネートフィルムシートで作製した長方形の筒状の袋の中に、正極タブ及び負極タブが、筒状の袋の一方の端部から袋の外に突出するようにして納め、この状態で、上記一方の端部を熱融着して閉じ、空電池を得た。
次に、空電池に、85℃で非水電解液0.5mLを注入し、次いで、空電池の内部を0.10気圧に5秒間減圧し、次いで残った端部(即ち、筒状の袋の他方の端部)をヒートシールで熱融着した。
以上により、縦95mm及び横65mmの大きさのフィルム型の試験用電池前駆体(即ち、充放電前の試験用電池)を得た。
(試験用電池の作製(充放電))
試験用電池前駆体に対し、以下の充放電を施し、フィルム型の試験用電池(即ち、NMC多結晶正極型電池及びNMC単結晶正極型電池)を完成させた。
−試験用電池の作製(充放電)−
(1)0.05Cの定電流で、電池電圧が3.7Vになるまで充電する。
(2)6時間静置する。
(3)0.5Cの定電流で、電池電圧が4.20Vになるまで充電する。
(4)4.20Vの定電圧で、電流が0.05Cになるまで充電する。
(5)0.5Cの定電流で3.0Vになるまで放電する。
(6) (3)〜(5)の充放電操作を2回繰り返す。
<試験用電池の評価>
上記で得られたフィルム型の試験用電池について、以下の評価を実施した。
結果を表3に示す。
(DCIR(直流抵抗))
試験用電池について、以下のようにしてDCIR(直流抵抗)の測定を行った。
試験用電池を充電し、充電度(SOC)を50%に調整した後、25℃にて、10秒間の放電を行い、この時の電圧変化から、DCIRを測定した。DCIRの測定は、0.2C、0.5C、1.0C、及び2.0Cの各々に対応する放電電流にてそれぞれ行い、得られた4つの測定値の算術平均値を、その試験用電池のDCIR(以下、「高温保存前のDCIR」、「高温サイクル前のDCIR」、又は「初期のDCIR」ともいう)として決定した。
(高温保存特性)
試験用電池について、高温保存特性の評価として、以下のようにして、高温保存後の容量維持率(以下、単に「維持率」ともいう)及び容量回復率(以下、単に「回復率」ともいう)、並びに、高温保存時の抵抗上昇率の各々の測定を行った。
以下の操作において、充電上限電圧は、4.20V(通常電圧)と4.35V(高電圧)との2条件とした。Li金属標準酸化還元電位を基準とする黒鉛負極の作動電位が0.10Vであるため、上記2条件において、Li金属標準酸化還元電位を基準とする正極の作動電位は、それぞれ、4.30V(通常電位)及び4.45V(高電位)である。
試験用電池を充電し、充電度(SOC)を100%に調整した後、70℃で10日間保存した。以下、この70℃での10日間の保存を、高温保存とする。高温保存後の試験用電池について、1Cにて放電した場合に残存する電池容量(以下、「高温保存後の1C残存容量」ともいう)と、この放電後に1Cで再充電した場合に回復する電池容量(以下、「高温保存後の1C回復容量」ともいう)と、をそれぞれ測定した。
得られた1C残存容量及び1C回復容量と、高温保存前の1Cでの放電容量(以下、「高温保存前の1C容量」ともいう)と、に基づき、下記式により、高温保存後の残存率及び回復率をそれぞれ求めた。
その後、SOCを50%に調整し、高温保存前のDCIRと同様にして、高温保存後のDCIRを測定した。高温保存前のDCIRと高温保存後のDCIRとに基づき、下記式により、高温保存時の抵抗上昇率を求めた。
高温保存後の残存率=(高温保存後の1C残存容量/高温保存前の1C容量)×100(%)
高温保存後の回復率=(高温保存後の1C回復容量/高温保存前の1C容量)×100(%)
高温保存時の抵抗上昇率=(高温保存後のDCIR(25℃)/高温保存前のDCIR(25℃))×100(%)
(高温サイクル特性)
試験用電池について、高温サイクル特性の評価として、以下のようにして、高温サイクル後の維持率及び高温サイクル時の抵抗上昇率を求めた。
以下の操作において、充電上限電圧は、4.20V(通常電圧)と4.35V(高電圧)との2条件とした。これら2条件において、Li金属標準酸化還元電位を基準とする正極の作動電位は、それぞれ、4.30V(通常電位)及び4.45V(高電位)である。
試験用電池について、55℃にて、以下に示す高温サイクル試験を実施した。この高温サイクル試験前後において、試験用電池の1Cでの放電容量(以下、1C容量ともいう)を測定した。得られた1C容量から下記式に基づき、高温サイクル後の維持率を求めた。
その後、SOCを50%に調整し、高温サイクル前のDCIRと同様にして、高温サイクル後のDCIRを測定した。高温サイクル前のDCIRと高温サイクル後のDCIRとに基づき、下記式により、高温サイクル時の抵抗上昇率を求めた。
高温サイクル後の維持率=(高温サイクル試験後の1C容量/高温サイクル試験前の1C容量)×100(%)
高温サイクル時の抵抗上昇率=(高温サイクル後のDCIR(25℃)/高温サイクル前のDCIR(25℃))×100(%)
−高温サイクル試験−
(1)1Cの定電流で、電池電圧が充電上限電圧になるまで充電。
(2)充電上限電圧である定電圧で、電流が0.05Cになるまで充電。
(3)1Cの定電流で、電池電圧が3.0Vになるまで放電。
(4)(1)〜(3)の充放電を1サイクルとし、この充放電を300サイクル繰り返した。
Figure 2021101432
表3の結果からわかるように、添加剤A、添加剤B、及び添加剤Cの全てを含有する非水電解液を用いた各実施例の電池は、添加剤A、添加剤B、及び添加剤Cのうちの1つ又は2つのみを含有する非水電解液を用いた各比較例の電池と比較して、DCIRが低減されており、かつ、高温保存特性及び高温サイクル特性に優れることがわかる。
全般に、正極活物質としてNMC多結晶を用いた場合において、充電上限電圧を4.20Vから4.35Vに上げると、維持率及び回復率が低下する傾向がみられる(具体的には、比較例1−1〜1−5の群と、比較例2−1〜2−5の群と、の対比を参照)。この傾向に対し、添加剤A、添加剤B、及び添加剤Cの全てを含有する非水電解液を用いた実施例2−1〜2−7では、維持率及び回復率の低下及び抵抗の上昇が抑制されていることがわかる(具体的には、実施例1−1〜1−7の群と、実施例2−1〜2−7の群と、の対比を参照)。
更に、充電上限電圧4.35Vの場合、NMC多結晶をNMC単結晶に変更すると、容量維持率は全般に向上するものの、DCIR(即ち、初期のDCIR)及び抵抗増加率が上昇する傾向がある(具体的には、比較例2−1〜2−5の群と、比較例3−1〜3−5の群と、の対比を参照)。この傾向に対し、実施例の非水電解液を使用した場合には、DCIR及び抵抗増加率の上昇が抑制されることがわかる(具体的には、実施例2−1〜2−7の群と、実施例3−1〜3−7の群と、の対比を参照)。
以上のことから、本開示の非水電解液による効果は、充電上限電圧が4.20Vを超える場合(すなわち、Li金属標準酸化還元電位を基準とする正極の作動電位4.30Vを超える場合)、及び、正極活物質であるNMCとしてNMC単結晶を用いた場合に、より効果的に奏されることがわかる。
1 ラミネート外装体
2 正極端子
3 負極端子
4 絶縁シール
5 正極板
6 負極板
7、8 セパレータ
11 正極
12 負極
13 正極缶
14 封口板
15 セパレータ
16 ガスケット
17、18 スペーサー板

Claims (9)

  1. フッ素含有リチウム塩を含む電解質と、
    非水溶媒と、
    下記式(A)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種である添加剤Aと、
    下記式(B1)〜下記式(B3)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種である添加剤Bと、
    下記式(C1)〜下記式(C8)で表される化合物、リン酸トリス(トリメチルシリル)、ホウ酸トリス(トリメチルシリル)、及び硫酸トリス(トリメチルシリル)からなる群から選択される少なくとも1種である添加剤Cと、
    を含有する、電池用非水電解液。
    Figure 2021101432
    〔式(A)中、Rは、式(II)で表される基又は式(III)で表される基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、式(II)で表される基、又は式(III)で表される基を表す。式(II)中、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は式(IV)で表される基を表す。式(II)、式(III)、及び式(IV)における波線は、結合位置を表す。式(A)で表される化合物中に、式(II)で表される基が2つ含まれる場合、2つの式(II)で表される基は、同一であっても互いに異なっていてもよい。
    式(B1)中、Rb11及びRb12は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
    式(B2)中、Rb21〜Rb24は、それぞれ独立に、フッ素原子により置換されてもよい炭素数1〜3のアルキル基、水素原子、フッ素原子、又は塩素原子を示す。ただし、式(B2)中のRb21〜Rb24の全てが水素原子であることはない。
    式(B3)中、Rb31及びRb32は、それぞれ独立に、フッ素原子により置換されてもよい炭素数1〜3のアルキル基、水素原子、フッ素原子、又は塩素原子を示す。
    式(C1)中、Mは、アルカリ金属を表し、Yは、遷移元素、又は周期律表の13族、14族もしくは15族元素を表し、bは1〜3の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、nは0〜8の整数を表し、qは0又は1を表す。式(C1)中、Rc11は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は炭素数6〜20のハロゲン化アリーレン基(これらの基は、構造中に置換基、又はヘテロ原子を含んでいてもよく、またqが1でmが2〜4の場合にはm個のRc11はそれぞれが結合していてもよい。)を表し、Rc12は、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のハロゲン化アリール基(これらの基は、構造中に置換基、又はヘテロ原子を含んでいてもよく、また、nが2〜8の場合はn個のRc12はそれぞれが結合して環を形成していてもよい。)、又は−Qc13を表す。式(C1)中、Q、Q及びQは、それぞれ独立に、O、S又はNRc14を表し、Rc13及びRc14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数6〜20のハロゲン化アリール基(これらの基は、構造中に置換基、又はヘテロ原子を含んでいてもよく、Rc13又はRc14が複数個存在する場合はそれぞれが結合して環を形成してもよい。)を表す。
    式(C2)中、Rc21〜Rc24は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3の炭化水素基、又は炭素数1〜3のフッ化炭化水素基を表す。
    式(C3)中、Rc31〜Rc33は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又は炭素数1〜6のフッ化炭化水素基を表し、Lc31は、単結合又は酸素原子を表す。
    式(C4)中、Rc41〜Rc43は、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又は炭素数1〜6のフッ化炭化水素基を表す。
    式(C5)中、Rc51は、フッ素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又は炭素数1〜6のフッ化炭化水素基を表し、Rc52は、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又は炭素数1〜6のフッ化炭化水素基を表し、nは、1〜3の整数を表す。〕
  2. 前記添加剤Aが、下記化合物(A−1)を含む、請求項1に記載の電池用非水電解液。
    Figure 2021101432
  3. 前記フッ素含有リチウム塩が、6フッ化リン酸リチウムと下記式(D1)で表される化合物とを含む、請求項1又は請求項2に記載の電池用非水電解液。
    Figure 2021101432

    〔式(D1)中、Rd11及びRd12は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のフッ化炭化水素基を表す。〕
  4. 正極と、
    負極と、
    請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電池用非水電解液と、
    を含む、リチウム二次電池前駆体。
  5. 前記正極が、下記式(X)で表される化合物を含有する正極活物質を含む、請求項4に記載のリチウム二次電池前駆体。
    LiNiMnCo … (X)
    〔式(X)中、a、b及びcは、それぞれ独立に、0超1.00未満であり、かつ、a、b及びcの合計は、0.99〜1.00である。〕
  6. 前記正極活物質が、前記式(X)で表される化合物の単結晶を含有する、請求項5に記載のリチウム二次電池前駆体。
  7. 請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載のリチウム二次電池前駆体に対して、充電及び放電を施して得られたリチウム二次電池。
  8. 正極の作動電位が、Li金属標準酸化還元電位を基準として、4.30Vを超える、請求項7に記載のリチウム二次電池。
  9. 請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載のリチウム二次電池前駆体を準備する工程と、
    前記リチウム二次電池前駆体に対して、充電及び放電を施す工程と、
    を含む、リチウム二次電池の製造方法。
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