以下に、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
<システムの構成>
初めに一実施形態に係る情報提供システム100の概要について説明する。
図1は、一実施形態に係る情報提供システムのシステム構成の例を示す図である。情報提供システム100は、例えば、情報提供装置110、1つ以上の情報端末120a、120b、・・・(又は情報端末120a、120b、・・・で実行されるプログラム)、属性管理装置130、及び放送装置140等を有する。なお、以下の説明において、1つ以上の情報端末120a、120b、・・・のうち、任意の情報端末を示す場合、「情報端末120」を用いる。
情報提供装置110、及び属性管理装置130は、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワーク101に接続されている。また、情報端末120は、例えば、LTE(Long Term Evolution)や、無線LAN等の無線通信を利用してネットワーク101に接続し、情報提供装置110、属性管理装置130等と通信可能である。また、放送装置140は、無線通信又は有線通信により、ネットワーク101に接続し、情報提供装置110等の他の装置と通信可能であっても良い。
一例として、放送装置140は、バスや列車等に搭載され、バスや列車等の車両内に設けられたスピーカ等の出力装置141を用いて、放送内容を識別する識別情報(以下、放送IDと呼ぶ)を含む音波142による音声アナウンスを、車両内に出力する。なお、放送IDは、放送内容を識別する第1の識別情報の一例である。
一例として、放送装置140が、バスに搭載されている場合、放送装置140は、「次は、○○前に停まります。」等の運行アナウンス、「歯科治療の××歯科には、このバス停が便利です。」等の広告アナウンス等を含む音声アナウンスを、車両内に放送する。また、本実施形態では、これらの音声アナウンスには、放送内容を識別するための放送IDが含まれる。例えば、音声アナウンスには、音声アナウンスを識別するための放送IDが、電子透かし等で埋め込まれている。
ただし、これに限られず、放送IDは、例えば、16kHz以上の人には聞こえ難い周波数帯域(例えば、16kHz〜20kHz)を用いて出力されるものであっても良い。この場合、放送装置140は、音声アナウンスを出力していないときでも、任意のタイミングで、放送IDを含む音波を車両内に出力することができる。
なお、放送装置140、及び放送装置140がバスや列車等の車両内に放送する音声アナウンスについては、例えば、特許文献1に開示された従来の技術と同様で良いので、ここでは詳細な説明を省略する。
情報端末120は、マイクロフォン(以下、マイクと呼ぶ)を備えた、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末等の端末装置である。情報端末120は、情報提供システム100に対応するアプリケーションプログラム(以下、アプリと呼ぶ)を実行することにより、情報端末120のマイクを用いて、放送装置140が放送する音波を取得し、取得した音波を解析して放送IDを取得することができる。
また、情報端末120は、取得した放送IDと、情報端末120を識別する識別情報(例えば、アプリID)とを含む端末情報を、ネットワーク101を介して情報提供装置110に送信する。
さらに、情報端末120は、端末情報を送信した後に、情報提供装置110から送信される、放送内容が放送される場所(例えば、次のバス停の周辺)に関連するコンテンツを表示する。
ここで、アプリIDは、例えば、情報提供システム100に対応するアプリを情報端末120にインストールしたとき等に、アプリが生成する識別情報である。このアプリIDを用いることにより、情報提供システム100は、利用者の個人情報や情報端末120の固有情報等によらずに、利用者や情報端末120を識別することができるようになる。
なお、アプリIDは、情報端末120を識別する第2の識別情報の好適な一例である。第2の識別情報は、例えば、情報端末120に固有の識別情報(デバイスID)、電話番号、IPアドレス(又はMACアドレス)等であっても良い。
情報提供装置110は、コンピュータの構成を有する情報処理装置、又は複数の情報処理装置を含むシステムである。情報提供装置110は、放送内容を識別する放送ID(第1の識別情報)と、放送内容に関連する複数のコンテンツとを対応付けて管理している。
また、情報提供装置110は、情報端末120から送信される端末情報を受信し、端末情報に含まれるアプリIDを用いて、情報端末120を利用する利用者の属性を示す属性情報を、属性管理装置130等から取得する。
ここで、属性情報とは、情報端末120を利用する利用者の行動履歴(例えば、利用者が閲覧したコンテンツの種別、閲覧回数等)に基づいて定められた、利用者の趣味、嗜好、傾向等を示す情報である。例えば、属性情報は、複数のアプリIDに対応する複数の利用者の行動履歴を取得し、公知のクラスター分析等により、アプリIDを複数の属性に分類することによって得られる。
さらに、情報提供装置110は、情報提供装置110が管理している、放送内容に関する複数のコンテンツの中から、属性情報に応じて異なるコンテンツを情報端末120に提供(送信)する。
属性管理装置130は、コンピュータの構成を有する情報処理装置、又は複数の情報処理装置を含むシステムである。属性管理装置130は、アプリID(第2の識別情報)と、アプリIDに対応する、前述した属性情報とを対応付けて管理している。また、属性管理装置130は、情報提供装置110から、アプリIDを含む属性情報の取得要求を受け付けると、取得要求に含まれるアプリIDに対応する属性情報を、情報提供装置110に返信する。
なお、属性管理装置130は、例えば、アプリIDと、アプリIDに対応する属性情報とを対応付けた属性情報DB(Database)を、他の情報処理装置やクラウドサービス等から取得して、記憶部等に記憶して管理するものであっても良い。或いは、属性管理装置130は、例えば、情報提供装置110等から、複数のアプリIDに対応する複数の利用者の行動履歴情報を取得し、クラスター分析等の公知の手法で、属性情報DBを作成するものであっても良い。
上記の構成により、図1において、ユーザAが利用する情報端末120a、及びユーザAと属性が異なるユーザBが利用する情報端末120bには、同じ放送IDを取得した場合でも、ユーザの属性に応じて異なるコンテンツが表示される。
以上、本実施形態によれば、放送内容に対応するコンテンツを利用者の情報端末に提供する情報提供システム100において、様々な利用者に応じて異なるコンテンツを提供することができる。
なお、図1に示す、情報提供システム100のシステム構成は一例である。例えば、属性管理装置130の機能は、情報提供装置110に含まれていても良い。また、情報提供装置110は、属性管理装置130に代えて、外部の情報処理装置、又はクラウドサービス等から、情報端末120を利用する利用者の属性情報を取得するもの等であっても良い。
放送装置140の機能のうち、少なくとも一部は、出力装置141が有していても良い。また、放送装置140、及び出力装置141は、バスや列車等に限られず、バス停や駅のホーム等に設けられていても良い。さらに、放送装置140、及び出力装置141は、例えば、タクシー、航空機、船舶等の様々輸送機器に設けられていても良い。さらにまた、放送装置140、及び出力装置141は、様々な施設の屋内や、街中等の屋外の様々な施設に設けられていても良い。
<ハードウェア構成>
続いて、情報提供システム100に含まれる各装置のハードウェア構成について説明する。
(情報提供装置、及び属性管理装置のハードウェア構成)
情報提供装置110、及び属性管理装置130は、例えば、図2に示すようなコンピュータ200のハードウェア構成を有している。或いは、情報提供装置110は、及び属性管理装置130は、複数のコンピュータ200により構成される。
図2は、一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。コンピュータ200は、例えば、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、HD(Hard Disk)204、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ205、ディスプレイ206、外部機器接続I/F(Interface)207、ネットワークI/F208、キーボード209、ポインティングデバイス210、DVD−RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ212、メディアI/F214、及びバスライン215等を備えている。
これらのうち、CPU201は、コンピュータ200の全体の動作を制御する。ROM202は、例えば、IPL(Initial Program Loader)等のコンピュータ200の起動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、例えば、CPU201のワークエリア等として使用される。HD204は、例えば、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ205は、CPU201の制御に従ってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
ディスプレイ206は、例えば、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種の情報を表示する。外部機器接続I/F207は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。外部機器には、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ等が含まれる。ネットワークI/F208は、ネットワーク101を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。
キーボード209は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス210は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD−RWドライブ212は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD−RW211に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD−RW211は、DVD−RWに限らず、他の記録媒体であっても良い。メディアI/F214は、例えば、フラッシュメモリやメモリカード等のメディア213に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。バスライン215は、上記の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス及び各種の制御信号等を含む。
(情報端末のハードウェア構成)
図3は、一実施形態に係る情報端末のハードウェア構成の例を示す図である。図3に示されているように、情報端末120は、CPU301、ROM302、RAM303、ストレージデバイス304、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ305、撮像素子I/F(Interface)306、センサ307、メディアI/F309、GPS(Global Positioning System)受信部310等を備えている。
これらのうち、CPU301は、所定のプログラムを実行することにより情報端末120全体の動作を制御する。ROM302は、例えば、IPL等の情報端末120の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。ストレージデバイス304は、例えば、SSD(Solid State Drive)、フラッシュROM等によって実現され、OS(Operating System)、アプリ等のプログラム、及び各種のデータ等を記憶する大容量で不揮発性の記憶装置である。
CMOSセンサ305は、CPU301の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、情報端末120は、CMOSセンサ305に代えて、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段を有していても良い。撮像素子I/F306は、CMOSセンサ305の駆動を制御する回路である。センサ307は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F309は、フラッシュメモリ等のメディア308に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部310は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
また、情報端末120は、遠距離通信回路311、遠距離通信回路311のアンテナ311a、CMOSセンサ312、撮像素子I/F313、マイク314、スピーカ315、音入出力I/F316、ディスプレイ317、外部機器接続I/F318、近距離通信回路319、近距離通信回路319のアンテナ319a、及びタッチパネル320を備えている。
これらのうち、遠距離通信回路311は、例えば、ネットワーク101を介して、他の装置と通信する回路である。CMOSセンサ312は、CPU301からの制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F313は、CMOSセンサ312の駆動を制御する回路である。マイク314は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ315は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F316は、CPU301からの制御に従ってマイク314及びスピーカ315との間で音波信号の入出力を処理する回路である。
ディスプレイ317は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)等の表示手段の一種である。外部機器接続I/F318は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。近距離通信回路319は、様々な近距離無線通信を行う。タッチパネル320は、利用者がディスプレイ317を押下することで、情報端末120を操作する入力手段の一種である。
また、情報端末120は、バスライン321を備えている。バスライン321は、図3に示されているCPU301等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス、及び各種の制御信号等を含む。
(放送装置のハードウェア構成)
図4は、一実施形態に係る放送装置のハードウェア構成の例を示す図である。放送装置140は、例えば、CPU401、メモリ402、ストレージデバイス403、通信I/F404、音波出力I/F405、及びバスライン406等を有している。
CPU401は、例えば、ストレージデバイス403等に格納されたプログラムやデータをメモリ402上に読み出し、処理を実行することで、放送装置140の各機能を実現する演算装置である。メモリ402には、例えば、CPU401のワークエリア等として用いられるRAM、及び放送装置140の起動用のプログラム等を記憶するROM等が含まれる。ストレージデバイス403は、OS、アプリケーション、及び各種のデータ等を記憶する不揮発性で大容量の記憶装置であり、例えば、HDD、SSD等によって実現される。
通信I/F404は、放送装置140を通信ネットワーク2に接続するための通信インタフェースである。音波出力I/F405は、例えば、スピーカ等の出力装置141等に音波信号を出力するためのインタフェースである。
出力装置141は、例えば、音波出力I/F405から出力された音波信号を、音波に変換して出力するスピーカである。或いは、出力装置141は、コンピュータの構成を有し、音波出力I/F405から出力された音波データに基づいて、放送IDを含む音波を出力する装置等であっても良い。
バスライン407は、上記の各構成要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号、及び各種の制御信号等を伝送する。
[第1の実施形態]
<機能構成>
続いて、第1の実施形態に係る情報提供システム100の機能構成について説明する。
図5は、第1の実施形態に係る情報提供システムの機能構成の例を示す図である。ここでは、情報提供装置110、情報端末120、及び属性管理装置130の機能構成の例について説明する。なお、放送装置140、及び出力装置141については、例えば、特許文献1に開示された従来の技術を適用することができるので、ここでは説明を省略する。
(情報提供装置の機能構成)
情報提供装置110は、例えば、図2のCPU201で所定のプログラムを実行することにより、通信部501、コンテンツ管理部502、端末情報受信部503、属性情報取得部504、特定部505、情報提供部506、及び記憶部507等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
通信部501は、例えば、図2のネットワークI/F208等を用いて、情報提供装置110をネットワーク101に接続し、他の装置と通信を行う。
コンテンツ管理部502は、放送内容を識別する放送ID(第1の識別情報)と、放送内容に関連する複数のコンテンツとを対応付けて管理する。例えば、コンテンツ管理部502は、図6(A)に示すようなコンテンツ情報508を、記憶部507等に記憶して管理する。
図6(A)は、コンテンツ情報508の一例のイメージを示している。図6(A)の例では、コンテンツ情報508には、項目として、「放送内容」、「放送ID」、「共通コンテンツ」、「個別コンテンツ」等の情報が含まれる。
「放送内容」は、放送装置140によって放送される放送内容を示す情報である。例えば、放送装置140が、バスの車両内に設けられている場合、「放送内容」には、バスの車両内で放送される「次はA病院前に停まります」等のメッセージが記憶されている。「放送ID」は、放送内容を識別する放送ID1(第1の識別情報)である。「共通コンテンツ」は、放送IDを取得した1つ以上の情報端末120に、共通に提供するコンテンツ(例えば、ウェブページ、画像等)である。
「個別コンテンツ」は、放送内容に対応する複数のコンテンツである。図6(A)の例では、「個別コンテンツ」には、複数のコンテンツの種別と、各コンテンツの種別に対応するコンテンツ(例えば、ウェブページ、画像等)とが記憶されている。
別の一例として、「個別コンテンツ」には、図6(B)に示すように、複数の属性と、各属性に対応するコンテンツとが記憶されているものであっても良い。
コンテンツ情報508は、例えば、情報提供システム100を提供するサービス提供者等によって、予め作成され、情報提供装置110の記憶部507に記憶されている。好ましくは、コンテンツ情報508は、例えば、コンテンツ管理部502が提供するウェブページにアクセスすることにより、共通コンテンツ、個別コンテンツ等の情報を変更することができる。
このように、コンテンツ情報508には、放送内容を識別する放送IDと、放送内容に関連する複数のコンテンツ(個別コンテンツ)とが対応付けて記憶されている。なお、図6(A)に示すコンテンツ情報508のうち、「放送内容」、「共通コンテンツ」、「コンテンツの種類」等の情報はオプションである。
ここで、図5に戻り、情報提供装置110の機能構成の説明を続ける。
端末情報受信部503は、放送ID(第1の識別情報)を取得した情報端末120から送信される、放送IDと、アプリID(第2の識別情報)とを含む端末情報を、通信部501を介して受信する。
属性情報取得部504は、端末情報受信部503が受信した端末情報に含まれるアプリIDに基づいて、端末情報を送信した情報端末120を利用する利用者の属性を示す属性情報を取得する。例えば、属性情報取得部504は、アプリIDを含む属性情報の取得要求を、属性管理装置130に送信し、属性管理装置130から返信される属性情報を取得する。
特定部505は、端末情報に含まれる放送IDと、属性情報取得部504が取得した属性情報とに基づいて、コンテンツ管理部502が管理する、放送内容に関連する複数のコンテンツの中から、属性情報に対応するコンテンツを特定する。一例として、特定部505は、図6(C)に示すような対応情報509を、記憶部507等に記憶して管理している。
図6(C)の例では、対応情報509には、放送IDごとに、複数の属性と、各属性に対応するコンテンツの種別とが、対応付けて記憶されている。これにより、例えば、端末情報に含まれる放送IDが「001」であり、属性情報取得部504が取得した属性情報が示す属性が「A2」である場合、特定部505は、コンテンツの種類「医薬品」を特定することができる。また、特定部505は、図6(A)に示すようなコンテンツ情報508に記憶された、放送ID「001」に対応する複数の個別コンテンツの中から、コンテンツの種類「医薬品」に対応する「コンテンツA2」を特定することができる。
なお、特定部505が、対応情報509を用いて、コンテンツ管理部502が管理する、放送内容に関連する複数のコンテンツの中から、属性情報に対応するコンテンツを特定する処理は一例である。
別の一例として、特定部505は、機械学習により予め学習した予測モデルに、属性情報を入力することにより、コンテンツ管理部502が管理する、放送内容に関連する複数のコンテンツの中から、属性情報に対応するコンテンツを特定するものであっても良い。
ここで、機械学習とは、コンピュータに人のような学習能力を獲得させるための技術であり、コンピュータが、データ識別等の判断に必要なアルゴリズムを、事前に取り込まれる学習データから自律的に生成し、新たなデータについてこれを適用して予測を行う技術のことをいう。機械学習のための学習方法は、教師あり学習、教師なし学習、半教師学習、強化学習、深層学習のいずれかの方法でも良く、さらに、これらの学習方法を組み合わせた学習方法でも良く、機械学習のための学習方法は問わない。
また、特定部505は、クラウドサービス等によって提供される学習済の予測モデルを用いて、属性情報に対応するコンテンツを特定しても良い。
さらに、図6(B)に示すように、コンテンツ情報508の「個別コンテンツ」に、属性と、コンテンツとの対応関係が記憶されている場合、属性情報によってコンテンツが特定されるので、情報提供装置110は特定部505を有していなくても良い。
情報提供部506は、コンテンツ管理部502が管理する、放送内容に関連する複数のコンテンツの中から、属性情報取得部504が取得した属性情報に応じて異なるコンテンツを、端末情報を送信した情報端末120に提供(送信)する。例えば、情報提供部506は、特定部505が特定したコンテンツ(個別コンテンツ)を、端末情報を送信した情報端末120に提供する。
或いは、情報提供部506は、図6(B)に示すようコンテンツ情報508から、端末情報に含まれる放送IDと、属性情報取得部504が取得した属性情報とに対応する個別コンテンツを取得して、端末情報を送信した情報端末120に提供しても良い。
記憶部507は、例えば、図2のCPU201で実行されるプログラム、及びHD204、HDDコントローラ205、RAM203等によって実現され、コンテンツ情報508、対応情報509等の様々な情報、データを記憶する。
(情報端末の機能構成)
情報端末120は、例えば、図3のCPU301で所定のプログラムを実行することにより、通信部521、音波取得部522、音波解析部523、端末情報送信部524、表示制御部525、操作受付部526、及び記憶部527等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
通信部501は、例えば、図3の遠距離通信回路311等を用いて、情報端末120をネットワーク101に接続し、情報提供装置110等の他の装置と通信を行う。
音波取得部522は、例えば、図3のマイク314、音入出力I/F316等を用いて、情報端末120の周辺の音波を取得する。取得した音波は、例えば、音波データに変換して、記憶部527等に記憶される。
音波解析部(解析部)523は、音波取得部522が取得した音波を解析して、音波に含まれる放送IDを抽出する。例えば、音波解析部523は、音波取得部522が、記憶部527等に記憶した音波データを解析し、音波に放送IDが含まれている場合、その放送IDを抽出する。
端末情報送信部(送信部)524は、音波解析部523が抽出した放送ID(第1の識別情報)と、情報端末120を識別するアプリID(第2の識別情報)とを含む端末情報を、通信部521を介して情報提供装置110に送信する送信処理を実行する。
表示制御部(表示部)525は、端末情報送信部524が情報提供装置110に端末情報を送信した後に、情報提供装置110から提供されるコンテンツ(例えば、ウェブページ、画像等)を、図3のディスプレイ317等に表示する表示処理を実行する。
操作受付部526は、例えば、表示制御部525が表示する表示画面等に対する利用者の入力操作、選択操作等を受け付ける。
記憶部527は、例えば、図3のCPU301で実行されるプログラム、及びストレージデバイス304、RAM303等によって実現され、音波取得部522が取得した音波データ等の様々な情報を記憶する。
(属性管理装置)
属性管理装置130は、例えば、図2のCPU201で所定のプログラムを実行することにより、通信部511、属性情報管理部512、及び記憶部513等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
通信部511は、例えば、図2のネットワークI/F208等を用いて、属性管理装置130をネットワーク101に接続し、情報提供装置110等の他の装置と通信を行う。
属性情報管理部512は、アプリID(第2の識別情報)と、アプリIDに対応する属性情報とを対応付けて、属性情報DB514に記憶して管理する。また、属性情報管理部512は、情報提供装置110から、アプリIDを含む属性情報の取得要求を受け付けると、取得要求に含まれるアプリIDに対応する属性情報を、情報提供装置110に返信する。
なお、属性情報管理部512は、属性情報DB514を、外部の情報処理装置等から取得して、記憶部等に記憶して管理しても良い。また、属性情報管理部512は、例えば、情報提供装置110から、複数のアプリIDに対応する複数の利用者の行動履歴を取得し、公知のクラスター分析等により、アプリIDを複数の属性に分類して、属性情報DB514に記憶して管理しても良い。
図7は、属性情報管理部512が管理する属性情報DB514の一例のイメージを示している。図7の例では、属性情報DB514には、情報提供システム100に登録されているアプリIDごとに、「行動履歴」、「属性」等の情報が記憶されている。
図7の例では、「行動履歴」には、利用者が閲覧したコンテンツの種別、及び閲覧回数等の情報が記憶されている。また、「属性」には、「行動履歴」を分析して得られた、利用者の趣味、嗜好、傾向等を示す属性が記憶されている。好ましくは、「属性」には、複数の属性が含まれる。
記憶部507は、例えば、図2のCPU201で実行されるプログラム、及びHD204、HDDコントローラ205、RAM203等によって実現され、属性情報DB514等の様々な情報、データを記憶する。
(放送IDについて)
ここで、放送装置140が放送する音声アナウンス等に含まれる放送IDの概要について説明する。
音声アナウンス等の音波に、放送ID等の識別情報を埋め込む方法には、超音波に近い非可聴音領域(例えば、16kHz〜20kHz等)で識別情報を伝達する方法と、可聴音領域(例えば、20Hz〜16kHz等)の音声情報の中に、識別情報を埋め込む方法(例えば、電子透かし等)がある。
電子透かしは、音声アナウンス等の可聴音領域に、識別情報を埋め込むものであり、例えば、ステガノグラフィ等と呼ばれる技術を利用する。音声情報の可聴音領域に識別情報を埋め込む方法としては、例えば、スペクトラム拡散、エコー、変調法等があり、いずれも、一定の周波数範囲に対して、識別情報を埋め込んで行く。
一定の周波数範囲は、可聴音領域に複数設けることが可能であり、例えば、20Hz〜16kHz程度の一般的な人の可聴音領域のうち、一般のスピーカで音が広がり易い領域である100Hz〜12kHzの中に、複数の符号化された周波数帯を作成する。
なお、本実施形態に係る電子透かしは、音声アナウンス等に、人が識別できない程度の微少な変化を与えることにより識別情報を埋め込むものである。従って、単に異なる周波数帯域(例えば、16kHz〜20kHz等)で識別情報を送信する技術とは異なる。
図8は、第1の実施形態に係る放送IDについて説明するための図である。図4(A)は、放送IDを埋め込む周波数帯域の例を示す。一般的なスピーカ(例えば、バスの車両内に設けられたスピーカ等)は、図4(A)の「スピーカの再生範囲」に示すように、「極低周波」と「超音波」との間の「音声周波数帯域」(例えば、20Hz〜20kHz)の音波を出力することができる。
この音声周波数帯域のうち、12kHzより高い周波数領域は、音波の直線性が高いため、一般的なバスに備えられた車内スピーカを用いて、バスの車内全体に音波を到達させることは困難である。また、この周波数領域は、運賃の支払い等で用いられる硬貨等のお金による金属音の影響を受け易いという問題もある。
また、音声周波数帯域のうち、低い周波数領域(例えば、100Hz未満の周波数領域)は、バスのエンジン音や、タイヤのロードノイズ等の影響を受け易い。
従って、音声アナウンスに電子透かしで埋め込まれる放送IDは、音声周波数帯域のうち、例えば、100Hzから12kHzまでの間の周波数領域に埋め込まれていることが望ましい。これにより、バス105のエンジン音や、ロードノイズ等の影響を低減させ、既設の車内スピーカ等を用いて、音声アナウンスとともに、放送IDを車内全体に通知することができる。
ただし、エンジン音や、ロードノイズ等の影響は、バスの車種等によって違いがあるので考慮が必要である。また、図4(A)に示すように、100Hz〜1kHz程度の周波数領域は、人の話し声の影響を受け易いことも考慮が必要である。
そのため、例えば、図4(A)に示すように、100Hz〜12kHzの周波数領域を複数の周波数帯域に分割し、2つ以上の周波数帯域に分散して放送IDを埋め込むことが望ましい。図4(a)の例では、100Hz〜12kHzの周波数領域を、f1〜f4の4つの周波数帯域に分割し、分割した周波数帯域のそれぞれに識別情報を埋め込む例を示している。これにより、例えば、エンジン音の影響で、周波数帯域「f1」の情報がかき消された場合でも、情報端末120は、他の周波数帯域f2〜f3に含まれる識別情報を取得することができる。
図4(B)は、放送IDを音声アナウンスに埋め込むタイミングの例を示している。図4(B)の例では、音声アナウンスには、周波数帯域f4に3回、周波数帯域f2に3回、放送IDが電子透かしとして埋め込まれている。これにより、例えば、音声アナウンスの後半がノイズの影響を受けても、音声アナウンスの前半で放送IDを取得することができる。
また、複数の周波数帯域に、放送IDが電子透かしとして埋め込まれているので、例えば、周波数帯域f4にノイズが発生している場合、情報端末120は、周波数帯域f2に埋め込まれた放送IDを取得することができる。なお、異なる周波数帯域に埋め込まれた放送IDは、時間的に異なる位置に(異なるタイミングで)埋め込まれていることが望ましい。例えば、図4(B)の例では、周波数帯域f4には、時刻t1から所定の時間間隔(例えば、1秒間隔)で複数の放送IDが埋め込まれており、周波数帯域f2には、時刻t2から所定の時間間隔で複数の放送IDが埋め込まれている。これにより、情報端末120が、複数の周波数帯域を同時に処理することを回避し、情報端末120の処理を軽減することができる。
なお、放送装置140は、例えば、16kHz〜20kHzの非可聴音領域を使って、放送IDを放送しても良い。例えば、16kHz以上の周波数は、一般的な人には聞こえ難いので、例えば、バス停等、頻繁に音声アナウンスが行われない場所で、放送IDを出力(放送)する場合には、放送装置140は、非可聴音領域を用いて、放送IDを出力(放送)することが望ましい。この場合、放送装置140は、電子透かしではなく、例えば、16kHz以上の複数の周波数の音波をオン/オフさせることより、複数ビットの放送IDを表しても良い。
<処理の流れ>
続いて、第1の実施形態に係る情報提供方法の処理の流れについて説明する。
図9は、第1の実施形態に係る情報提供システムの処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、例えば、図1において、放送装置140が、放送ID「001」を含む音声アナウンスを放送したときに、情報提供システム100が実行する処理の例を示している。
ステップS901において、情報端末120aの音波解析部523が、放送装置140が放送する音声アナウンスを解析して、放送ID「001」を抽出したものとする。
ステップS902において、情報端末120aの端末情報送信部524は、音波解析部523が抽出した放送ID「001」と、情報端末120aのアプリID(例えば、「AP1」)とを含む端末情報を、情報提供装置110に送信する。
ステップS903において、情報提供装置110の端末情報受信部503が、端末情報を受信すると、属性情報取得部504は、端末情報に含まれるアプリID「AP1」を含む属性情報の取得要求を、属性管理装置130に送信する。
ステップS904において、属性管理装置130の属性情報管理部512は、情報提供装置110から属性情報の取得要求を受け付けると、属性情報DB514から、アプリID「AP1」に対応する属性情報「A3、B1、・・・」を取得する。
ステップS905において、属性管理装置130の属性情報管理部512は、取得した属性情報「A3、B1、・・・」を、情報提供装置110に送信する。
ステップS906において、情報提供装置110の特定部505は、属性管理装置130から送信された属性情報「A3、B1、・・・」を受信すると、属性情報に対応するコンテンツを特定する。
例えば、特定部505は、図6(C)に示すような対応情報509を用いて、放送ID「001」と、受信した属性情報「A3、B1、・・・」に対応するコンテンツの種類「保険情報」を特定する。また、特定部505は、例えば、図6(A)に示すようなコンテンツ情報508から、放送ID「001」と、コンテンツの種類「保険情報」とに対応する個別コンテンツ「コンテンツA3」を特定する。
別の一例として、情報提供装置110の記憶部507に、図6(B)に示すようなコンテンツ情報508が記憶されている場合、情報提供部506が、コンテンツ情報508から、属性情報に対応するコンテンツを取得しても良い。例えば、情報提供部506は、図6(B)に示すようなコンテンツ情報508から、放送ID「001」と、受信した属性情報「A3、B1、・・・」に対応する個別コンテンツ「コンテンツA3」を取得しても良い。
さらに、特定部505は、前述したように、学習済の予測モデル等を用いて、属性情報に対応するコンテンツを特定しても良い。
ステップS907において、情報提供装置110の情報提供部506は、特定した個別コンテンツ「コンテンツA3」を情報端末120aに送信する。このとき、情報提供部506は、特定した個別コンテンツ「コンテンツA3」とともに、放送IDに対応する共通コンテンツ「A病院の診療科の紹介」を、情報端末120aに送信しても良い。
ステップS908において、情報端末120aの表示制御部525は、情報提供装置110から送信されたコンテンツ「コンテンツA3」を、ディスプレイ317等に表示させる。
なお、表示制御部525は、個別コンテンツ「コンテンツA3」とともに、共通コンテンツ「A病院の診療科の紹介」を受信した場合、共通コンテンツ「A病院の診療科の紹介」と、個別コンテンツ「コンテンツA3」とを、ディスプレイ317等に表示させる。
続いて、ステップS911において、情報端末120bの音波解析部523が、放送装置140が放送する音声アナウンスを解析して、放送ID「001」を抽出したものとする。
ステップS912において、情報端末120bの端末情報送信部524は、音波解析部523が抽出した放送ID「001」と、情報端末120bのアプリID(例えば、「AP2」)とを含む端末情報を、情報提供装置110に送信する。
ステップS913において、情報提供装置110の端末情報受信部503が、端末情報を受信すると、属性情報取得部504は、端末情報に含まれるアプリID「AP2」を含む属性情報の取得要求を、属性管理装置130に送信する。
ステップS914において、属性管理装置130の属性情報管理部512は、情報提供装置110から属性情報の取得要求を受け付けると、属性情報DB514から、アプリID「AP2」に対応する属性情報「A2、B2、・・・」を取得する。
ステップS915において、属性管理装置130の属性情報管理部512は、取得した属性情報「A2、B2、・・・」を、情報提供装置110に送信する。
ステップS916において、情報提供装置110の特定部505は、属性管理装置130から送信された属性情報「A2、B2、・・・」を受信すると、属性情報に対応するコンテンツを特定する。
例えば、特定部505は、図6(C)に示すような対応情報509を用いて、放送ID「001」と、受信した属性情報「A2、B2、・・・」に対応するコンテンツの種類「医薬品」を特定する。また、特定部505は、例えば、図6(A)に示すようなコンテンツ情報508から、放送ID「001」と、コンテンツの種類「医薬品」とに対応する個別コンテンツ「コンテンツA2」を特定する。
別の一例として、情報提供装置110の記憶部507に、図6(B)に示すようなコンテンツ情報508が記憶されている場合、情報提供部506が、コンテンツ情報508から、属性情報に対応するコンテンツを取得しても良い。例えば、情報提供部506は、図6(B)に示すようなコンテンツ情報508から、放送ID「001」と、受信した属性情報「A2、B2、・・・」に対応する個別コンテンツ「コンテンツA2」を取得しても良い。
さらに、特定部505は、前述したように、学習済の予測モデル等を用いて、属性情報に対応するコンテンツを特定しても良い。
ステップS917において、情報提供装置110の情報提供部506は、特定した個別コンテンツ「コンテンツA2」を情報端末120bに送信する。このとき、情報提供部506は、特定した個別コンテンツ「コンテンツA2」とともに、放送IDに対応する共通コンテンツ「A病院の診療科の紹介」を、情報端末120bに送信しても良い。
ステップS918において、情報端末120bの表示制御部525は、情報提供装置110から送信されたコンテンツ「コンテンツA2」を、ディスプレイ317等に表示させる。
なお、表示制御部525は、個別コンテンツ「コンテンツA2」とともに、共通コンテンツ「A病院の診療科の紹介」を受信した場合、共通コンテンツ「A病院の診療科の紹介」と、個別コンテンツ「コンテンツA3」とを、ディスプレイ317等に表示させる。
上記の処理により、情報提供装置110は、放送ID「001」を取得した情報端末120a、120bに、属性情報に応じて異なるコンテンツを表示させることができる。
(表示画面の例)
図10は、第1の実施形態に係る情報端末の表示画面の例を示す図である。
図10(A)は、例えば、図9のステップS908において、情報端末120aが表示する表示画面1010の一例を示している。図10(A)の例では、表示画面1010には、共通コンテンツ「A病院の診療科の紹介」1011と、個別コンテンツ「コンテンツA3」の一例である医療保険の広告1012とが表示されている。
図10(B)は、例えば、図9のステップS918において、情報端末120bが表示する表示画面1020の一例を示している。図10(B)の例では、表示画面1020には、共通コンテンツ「A病院の診療科の紹介」1011と、個別コンテンツ「コンテンツA2」の一例であるかぜ薬の広告1021とが表示されている。
このように、本実施形態によれば、放送内容に対応するコンテンツを利用者の情報端末120に提供する情報提供システム100において、様々な利用者に応じて異なるコンテンツを提供することができる。
[第2の実施形態]
<機能構成>
図11は、第2の実施形態に係る情報提供システムの機能構成の例を示す図である。図11に示すように、第2の実施形態に係る情報提供装置110は、図5で説明した第1の実施形態に係る属性管理装置130が有していた属性情報管理部512を有している。また、情報提供装置110の記憶部507には、図5で説明した第1の実施形態に係る属性管理装置130の記憶部513に記憶されていた属性情報DB514が記憶されている。このように、属性情報DB514は、情報提供装置110が管理しても良い。
<処理の流れ>
図12は、第2の実施形態に係る情報提供システムの処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、例えば、図1において、放送装置140が、放送ID「001」を含む音声アナウンスを放送したときに、第2の実施形態に係る情報提供システム100が実行する処理の例を示している。なお、基本的な処理内容は、図9で説明した第1の実施形態に係る情報提供システムの処理と同様なので、ここでは、第1の実施形態と同様の処理に対する詳細な説明は省略する。
ステップS1201において、情報端末120aの音波解析部523が、放送装置140が放送する音声アナウンスを解析して、放送ID「001」を抽出したものとする。
ステップS1202において、情報端末120aの端末情報送信部524は、音波解析部523が抽出した放送ID「001」と、情報端末120aのアプリID(例えば、「AP1」)とを含む端末情報を、情報提供装置110に送信する。
ステップS1203において、情報提供装置110の端末情報受信部503が、端末情報を受信すると、属性情報取得部504は、属性情報管理部512から、アプリID「AP1」に対応する属性情報「A3、B1、・・・」を取得する。
ステップS1204において、情報提供装置110の特定部505は、属性情報取得部504が取得した属性情報「A3、B1、・・・」に対応するコンテンツを特定する。例えば、特定部505は、図9のステップS906と同様の処理により、属性情報「A3、B1、・・・」に対応する個別コンテンツ「コンテンツA3」を特定する。
ステップS1205において、情報提供装置110の情報提供部506は、特定した個別コンテンツ「コンテンツA3」を情報端末120aに送信する。
ステップS1206において、情報端末120aの表示制御部525は、情報提供装置110から送信されたコンテンツ「コンテンツA3」を、ディスプレイ317等に表示させる。
続いて、ステップS1211において、情報端末120bの音波解析部523が、放送装置140が放送する音声アナウンスを解析して、放送ID「001」を抽出したものとする。
ステップS1212において、情報端末120bの端末情報送信部524は、音波解析部523が抽出した放送ID「001」と、情報端末120bのアプリID(例えば、「AP2」)とを含む端末情報を、情報提供装置110に送信する。
ステップS1213において、情報提供装置110の端末情報受信部503が、端末情報を受信すると、属性情報取得部504は、属性情報管理部512から、アプリID「AP2」に対応する属性情報「A2、B2、・・・」を取得する。
ステップS1214において、情報提供装置110の特定部505は、属性情報取得部504が取得した属性情報「A2、B2、・・・」に対応するコンテンツを特定する。例えば、特定部505は、図9のステップS916と同様の処理により、属性情報「A2、B2、・・・」に対応する個別コンテンツ「コンテンツA2」を特定する。
ステップS1215において、情報提供装置110の情報提供部506は、特定した個別コンテンツ「コンテンツA2」を情報端末120bに送信する。
ステップS1216において、情報端末120bの表示制御部525は、情報提供装置110から送信されたコンテンツ「コンテンツA2」を、ディスプレイ317等に表示させる。
なお、表示制御部525は、個別コンテンツ「コンテンツA2」とともに、共通コンテンツ「A病院の診療科の紹介」を受信した場合、共通コンテンツ「A病院の診療科の紹介」と、個別コンテンツ「コンテンツA3」とを、ディスプレイ317等に表示させる。
このように、情報提供システム100の機能構成は、様々な変形や応用が可能である。例えば、図5に示す第1の実施形態に係る情報提供装置110の機能構成は、複数の情報処理装置に分散して設けられていても良い。また、情報提供装置110が備える記憶部507は、他の情報処理装置、或いは外部のクラウドサービス等によって実現されるものであっても良い。さらに、図5に示す第1の実施形態に係る属性管理装置130の機能は、外部のクラウドサービス等によって提供されるものであっても良い。
<情報提供システムの適用例1>
図13は、一実施形態に係る情報提供システムの適用例を示す図(1)である。図13(A)は、バス1310の車両内に放送装置140を設け、スピーカ等の出力装置141a、141bを用いて、車両内に音声アナウンスをする場合の例を示している。
一般的に、バス1310の車両内では、次に停車するバス停の情報(例えば、「次はA病院前に止ります。」等)、バス停付近の広告情報(例えば、「B薬局は、A病院の正門前にあります。」等)を含む音声アナウンスが放送される。
本実施形態に係る放送装置140は、この音声アナウンスを利用して、放送IDを含む音波142を、バス1310の車両内に放送する。これにより、放送装置140は、バス1310の車両内に設けられた既存の車内放送の設備を流用して、最小限の設備投資で、放送IDを含む音波142を放送することができる。また、情報端末120は、マイクを備えていれば良く、例えば、無線LAN通信、近距離無線通信等の設定は不要である。
情報端末120a、120bは、放送装置140が放送する音波142に含まれる放送IDを取得すると、取得した放送IDと、アプリIDとを含む端末情報を、情報提供装置110に送信する。
これに応じて、情報提供システム100は、例えば、図9、12で説明した処理により、情報端末120a、120bを利用する利用者の属性に応じて、情報端末120a、120bに異なるコンテンツを提供する。これにより、情報提供システム100は、情報端末120a、120bに、利用者の趣味、嗜好等に応じて、より適切な広告コンテンツ表示することができるので、バス1310における広告効果をさらに高めることができる。また、従来の音声による広告情報では、1つの広告主からのみ広告料金を得られるが、本実施形態によれば、より多くの広告主から広告料金を得ることができるというメリットも期待できる。
また、情報提供システム100では、情報端末120a、120bに、図10(A)、(B)に示すようなウェブコンテンツを表示させることにより、利用者は、さらに様々なコンテンツ(例えば、「見積り」、「資料請求」等)にアクセスすることができる。これにより、広告主は、情報提供システム100で提供した広告コンテンツにより、どの程度、見積り、資料請求、さらには商品の契約、購入が行われたのか、すなわち広告の効果を、より適切に評価することができる。
さらに、情報提供システム100は、各利用者が、どのようなコンテンツに、何回アクセスしたのか、いつアクセスしたのか等の情報に基づいて、利用者の属性情報を更新することにより、利用者により適切な広告コンテンツを提供することができる。
なお、本実施形態では、このような集計や、属性情報の更新をアプリIDに基づいて行う。このアプリIDには、利用者の個人情報や、情報端末120を特定する情報は含まれないので、本実施形態に係る情報提供システム100では、利用者の個人情報や、情報端末120の情報によらずに、アクセス情報の集計、属性情報の更新等を行うことができる。
図13(B)は、バス停1320等に放送装置140を設け、スピーカ等の出力装置141を用いて、放送IDを含む音波142を放送(出力)する場合の例を示している。一般的に、バス停1320では、バス1310の車両内のように頻繁に音声アナウンスが放送されないので、バス停1320では、放送装置140は、例えば、16kHz以上の周波数で放送IDを含む音波142を放送(出力)することが望ましい。
この場合も、情報端末120a、120bは、放送装置140が放送する音波142に含まれる放送IDを取得すると、取得した放送IDと、アプリIDとを含む端末情報を、情報提供装置110に送信する。
これに応じて、情報提供装置110は、バス停1320でバス1310を待っている利用者向けコンテンツの中から、情報端末120a、120bを利用する利用者の属性に応じて、情報端末120a、120bに異なるコンテンツを提供する。例えば、情報提供装置110は、情報端末120a、120bの利用者の属性に応じて、自治体のイベントの情報、企業等の展示会等の情報、バス1310の時刻表等の利用者の趣味や嗜好に応じた情報を、情報端末120a、120bに表示させることができる。
<情報提供システムの適用例2>
図14は、一実施形態に係る情報提供システムの適用例を示す図(2)である。図14(A)は、電車等の列車1410の車両内に放送装置140を設け、スピーカ等の出力装置141a、141b、141cを用いて、車両ごとに異なる放送IDを含む音波を出力する場合の例を示している。
一般的に、列車1410の車両内においても、次に停車する駅の情報(例えば、「次は○○駅です。出口は右側です。」等)を含む音声アナウンスが放送される。従って、列車1410の車両内においても、この音声アナウンスを利用して、放送IDを含む音波を、列車1410の車両内に放送することができる。
これにより、列車1410の車両内においても、図13で説明したように、例えば、情報提供装置110は、情報端末120a、120bの利用者の属性に応じて、異なるコンテンツを情報端末120a、120bに表示させることができる。
また、列車1410では、例えば、図14(A)に示すように、車両ごとに異なる放送IDを含む音波を出力することにより、バス1310の場合とは異なる運用が可能になる。ここでは、バス1310への適用例との相違点を中心に説明を行う。
例えば、図14(B)に示すように、駅のホーム1420において、列車が発車する前に放送される発車メロディ(又は発車音)に、所定の放送ID(例えば、放送ID0)を埋め込んでおく。また、情報端末120は、放送ID0を取得すると、例えば、図9に示すような情報処理システムの処理を開始するように設定されている。
情報端末120が、放送ID0を取得した後に、例えば、図14(A)に示すように、利用者が列車1410に乗車すると、乗り込んだ車両によって、異なるコンテンツが情報端末120a、120bに提供される。
これを利用して、情報提供システム100は、例えば、利用者が乗った車両に応じて、異なるインセンティブが得られるように、コンテンツ(共通コンテンツ、又は個別コンテンツ)を提供することができる。
インセンティブの例としては、所定の車両に乗車した利用者の情報端末120に、ポイントが与えられるもの等であっても良いし、所定の頻度で乗車料金が割引になるもの等であって良い。或いは、所定の車両に乗車した利用者の情報端末120には、所定のコンテンツを利用するためのアクセス権が与えられるもの等であっても良い。
このような仕組みを利用して、列車1410を運行する鉄道会社等は、例えば、比較的空いている車両でより魅了的なインセンティブが得られるように設定することにより、車両ごとの乗車率を平準化すること等ができるようになる。
また、鉄道会社等は、空席がない車両に乗車した利用者の情報端末120aに、空席が多い他の車両の情報を提供するもの等であっても良い。この場合、利用者は、空席が多い他の車両への移動が困難な場合でも、比較的空席が多い車両の情報を把握できるので、次に同じ列車1410に乗車するときに、乗り場の位置をより空き席が多い位置に変更すること等ができるようになる。
以上、本発明の各実施形態によれば、放送内容に対応するコンテンツを利用者の情報端末に提供する情報提供システムにおいて、様々な利用者に応じて異なるコンテンツを提供することができるようになる。
上記の各実施形態では、バスや列車等へ適用例について説明したが、本実施形態に係る情報提供システム100は、例えば、タクシー、航空機、船舶等の様々な輸送機器にも適用可能である。
また、本実施形態に係る情報提供システム100は、輸送機器に限られず、様々な施設(例えば、医療施設、商業施設、オフィス、工場等)や街中等にも適用可能である。
なお、放送内容を識別する識別情報としては、出力装置141や放送装置140に関する識別情報(装置や機器のID、これらの設置場所、放送する車輌の運行系統や路線系統のID等)を用い、上述の音波解析部523が上述同様の処理により、これらを抽出するようにしても良い。
<補足>
上記で説明した各実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
また、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものに過ぎない。ある実施形態では、情報提供装置110は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、属性管理装置130は、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
さらに、情報提供装置110、及び属性管理装置130は、開示された処理ステップ、例えば図9、12を様々な組合せで共有するように構成できる。例えば、所定のユニットによって実行されるプロセスは、情報提供装置110によって実行され得る。同様に、所定のユニットの機能は、属性管理装置130によって実行することができる。また、情報提供装置110と属性管理装置130の各要素はそれぞれ、1つのサーバ装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。