本発明にかかる遊技機の実施の形態について、図面を参照しながら以下の順序で説明する。
A.第1実施形態:
B.第2実施形態:
C.第3実施形態:
D.他の構成への適用:
E.上記各実施形態等から抽出される発明群について:
A.第1実施形態:
A1.遊技機の構造:
図1は、第1実施形態におけるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」ともいう)の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる各遊技回、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサーと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタンと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器とが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサーがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図2は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53とを備えている。具体的には、これら機構部は内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能と電源を監視する機能とを有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。この基板ボックスは、開閉の痕跡が残るように構成されている。例えば、開閉可能な箇所に封印シールが貼付されており、基板ボックスを開放すると「開封」といった文字が現れるように構成されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、図柄表示装置を制御する。図柄表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図3は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、および、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。本実施形態では、一般入賞口32として、3つの一般入賞口32a、32b、32cが設けられている。以下では、一般入賞口32aを第1入賞口32a、一般入賞口32bを第2入賞口32b、一般入賞口32cを第3入賞口32cとも呼ぶ。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口である。第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30の右側に設けられている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。また、第2始動口34には、普通電動役物としての電動役物34aが設けられている。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行なう。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35を遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aと、当該大入賞口36aを開閉する開閉扉36bとを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入球できない閉鎖状態となっている。第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球すると、主制御装置60は、大当たり抽選(内部抽選)を実行する。大当たり抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選すると、パチンコ機10は、開閉実行モードに移行する。開閉実行モードとは、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉処理を実行するモードである。具体的には、可変入賞装置36の開閉扉36bは、開閉実行モードに移行すると、遊技球が入球できない閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に遷移するとともに、所定の条件が満たされた後に、再び、閉鎖状態に遷移する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
なお、本実施形態では、第1始動口33、第2始動口34、第1入賞口32a、第2入賞口32b、第3入賞口32c、大入賞口36a及びアウト口43に入球した遊技球は、遊技盤30の背面に設けられた排出通路に合流するように構成されており、当該排出通路には、遊技球を検知する排出通路検知センサーが設けられている。後述するように、本実施形態では、排出通路検知センサーによって遊技球を検知することによって、遊技盤30に発射された遊技球の個数を把握することが可能となっている。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第1始動口33への遊技球の入球を契機として大当たり抽選が実行される遊技回を第1始動口用遊技回とも呼ぶ。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第2始動口34への遊技球の入球を契機として大当たり抽選が実行される遊技回を第2始動口用遊技回とも呼ぶ。
ここで、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間とも呼ぶ。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間とも呼び、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間とも呼ぶ。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cおよび第2保留表示部37dを備えている。
第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。本実施形態では、第1始動口33に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。本実施形態では、第2始動口34に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35の通過を契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了した場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、及びラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、可変表示ユニット40が備える表示装置の構成は、図柄表示装置41に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機とした図柄の変動表示又は所定の表示をすることに限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の演出表示なども行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図4は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図4(a)は、図柄表示装置41において変動表示される図柄を示す説明図である。図4(a)に示すように、図柄表示装置41には、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図4(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図4(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図4(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による大当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、遊技回とは、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報についての大当たり抽選の抽選結果を、遊技者に告知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1つの特別情報についての1つの大当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
さらに、図4(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留個数が表示される。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、上述したように、第1始動口33及び第2始動口34に入賞した遊技球の保留個数は、それぞれ最大4つまでである。
A2.遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図5は、第1実施形態のパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。
主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムを実行するCPU62xと、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムをCPU62xが実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64と、入出力ポート62aとを備えている。MPU62は、さらに、遊技履歴管理チップ300と、検査用端子65とを備えている。
遊技履歴管理チップ300は、始動口や入賞口、ゲート(以下ではこれらをまとめて「入球口」とも呼ぶ)への遊技球の入球情報に基づいて、後述する各種の遊技履歴情報を算出する。検査用端子65は、遊技履歴管理チップ300に記憶された遊技履歴情報を後述する検査機に送信するための端子である。遊技履歴管理チップ300及び検査用端子65の詳細については後述する。
MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。
MPU62の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、本実施形態では、電源装置85は、コンデンサ87を備えており、停電が発生した場合や電源スイッチがOFFにされた場合には、所定期間、各装置への電力供給を継続する。
また、MPU62の入力側には、各入球口に設けられた入球検知センサーが接続されている。具体的には、大入賞口36aに入球した遊技球を検知する大入賞口検知センサー44aと、第1始動口33に入球した遊技球を検知する第1始動口検知センサー44bと、第2始動口34に入球した遊技球を検知する第2始動口検知センサー44cと、第1入賞口32aに入球した遊技球を検知する第1入賞口検知センサー44dと、第2入賞口32bに入球した遊技球を検知する第2入賞口検知センサー44eと、第3入賞口32cに入球した遊技球を検知する第3入賞口検知センサー44fと、スルーゲート35を通過した遊技球を検知するスルーゲート検知センサー44gと、上述した排出通路を通過した遊技球を検知する排出通路検知センサー44hとが接続されている。MPU62は、これらの検知センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が始動口や入賞口に入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲートや排出通路を通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たり抽選を実行する。
MPU62の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部44bの駆動制御を実行する。さらに、各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、MPU62の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入球判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリアを参照する。具体的には、一般入賞口32への遊技球の入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への遊技球の入球を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。具体的には、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、第1液晶用図柄や第2液晶用図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄が停止表示している時間である停止時間は一定ある。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技回時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図6は、大当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタは、RAM64の各種カウンタエリアに設けられており、MPU62が大当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、大当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。大当たり種別を振り分ける際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
また、RAM64には保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaと第2保留エリアRbとが設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。また、第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに時系列的に記憶される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように大当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜1199)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリアに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。また、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリアに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、第1始動口33または第2始動口34に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。そして、実行エリアAEに移動した大当たり乱数カウンタC1は、ROM63の当否テーブル記憶エリアに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜39の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、大当たり抽選の結果が大当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリアに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、大当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、大当たり抽選の結果が大当たりとなり、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図28(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とを、MPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリアに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電動役物用実行エリア64eに移動した後、電動役物用実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0,1であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=2〜465であれば、電動役物34aを閉鎖状態に維持する。
なお、取得された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、電動役物開放カウンタC4の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つが本発明における特別情報に相当する。また、第1保留エリアRaおよび第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つを保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、大当たり乱数カウンタC1に基づいて大当たり抽選を行う際に、当該大当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。パチンコ機10には、大当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されており、低確率モード時における大当たり抽選の際には低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モード時における大当たり抽選の際には高確率モード用の当否テーブルが参照される。
図7は、当否テーブルの内容を示す説明図である。図7(a)は低確率モード用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図7(b)は高確率モード用の当否テーブルを示している。
図7(a)に示すように、低確率モード用の当否テーブルには、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜4の5個の値以外の値(5〜1199)が外れである。一方、図7(b)に示すように、高確率モード用の当否テーブルには、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜15の16個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜15の16個の値以外の値が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、大当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
また、本実施形態では、低確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。ただし、大当たり抽選の結果、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たりとなる確率が高くなるのであれば、大当たりとして設定されている乱数の数及び値は任意である。
なお、本実施形態における当否テーブルにおいては採用していないが、大当たり抽選の結果として「小当たり」を設けてもよい。
「小当たり」とは、可変入賞装置36の開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機とはなるが、抽選モードおよびサポートモードの両方について、移行契機とならない当否結果である。これに対して、「外れ」は、開閉実行モードの移行契機とはならず、さらに、抽選モードおよびサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
次に、大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉回数(ラウンド数)
(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(3)開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モード(低確率モード又は高確率モード)
上記の(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への遊技球の入球(入賞)の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放は30秒が経過するまで又は開閉扉36bへの遊技球の入球個数が10個となるまで継続するように設定することができる。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放が1.6秒が経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が10個となるまで継続するよう設定することができる。
開閉扉36bの1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入球の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入賞が発生しない構成としてもよい。
なお、本実施形態においては、開閉実行モードとして複数種類の入賞モードは設けておらず、開閉実行モード中は、上述した高頻度入賞モードとなる。すなわち、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放は、30秒が経過するまで又は開閉扉36bへの遊技球の入球個数が10個となるまで継続するように設定される。
本実施形態では、大当たり抽選の結果、大当たりとなった場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、大当たり種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリアに振分テーブルとして記憶されている。
図8は、振分テーブルの内容を示す説明図である。図8(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図8(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。第1始動口用の振分テーブルは、第1始動口33への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の際に参照され、第2始動口用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の際に参照される。
図8(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口33に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たりが設定されている。
16R確変大当たり及び8R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが高確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
16R通常大当たり及び8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが低確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜13」が16R確変大当たりに対応しており、「14〜27」が8R通常大当たりに対応しており、「28〜33」が16R通常大当たりに対応しており、「34〜39」が8R通常大当たりに対応している。
上記のように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの種別として、4種類の大当たりが設定されている。したがって、大当たりの態様が多様化する。この4種類の大当たりを比較した場合、遊技者にとっての有利度合は、16R確変大当たりが最も高く、8R確変大当たりが次に高く、次に16R通常大当たり、最後に8R通常大当たりと続く。このように遊技者にとって有利度の異なる複数種類の大当たりが設定されていることにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
図8(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口34に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R通常大当たりが設定されている。第2始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜27」が16R確変大当たりに対応しており、「28〜39」が8R通常大当たりに対応している。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりとなった場合の大当たり種別の振分態様は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合と、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリアに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して遊技球の発射が同様の態様で継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、本実施形態におけるパチンコ機10は、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aの1回の開放時間が長く設定されている。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われるまでに確保される時間が相対的に短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
図9は、電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図9(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図9(a)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0、1の2個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として2〜465の464個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、1/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.4秒である。
図9(b)は、高頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図9(b)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0〜461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462〜465の4個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.6秒である。
このように、電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなるように設定されている。
図10は、第1実施形態のパチンコ機10が備える主制御装置60の構成及び検査機320の構成を詳細に示すブロック図である。以下では、MPU62、CPU62x、ROM63及びRAM64を、それぞれ主側MPU62、主側CPU62x、主側ROM63及び主側RAM64とも呼ぶ。
主側MPU62の主側ROM63には、賞球数データ記憶エリアと、演算実行条件記憶エリアとが設けられている。
賞球数データ記憶エリアには、各入球部に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数データ)が記憶されている。本実施形態では、賞球数データ記憶エリアには、以下の賞球数データが記憶されている。
・第1始動口33に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第1始動口賞球数P1):3
・第2始動口34に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第2始動口賞球数P2):3
・第1入賞口32aに遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第1入賞口賞球数PN1):10
・第2入賞口32bに遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第2入賞口賞球数PN2):10
・第3入賞口32cに遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第3入賞口賞球数PN3):10
・大入賞口36aに遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(大入賞口賞球数PS):15
主側MPU62は、主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを参照することによって、遊技球が各入球部に入球した場合に賞球として払い出す遊技球の個数を決定する。
さらに、本実施形態では、この主側ROM63に記憶された賞球数データは、パチンコ機10の電源がONにされた後に実行される初期設定処理において遊技履歴管理チップ300に送信される。これにより、遊技履歴管理チップ300は、本パチンコ機10に設定されている賞球数データを把握することが可能となる。
演算実行条件記憶エリアには、遊技履歴管理チップ300が遊技履歴情報を算出するための演算を開始する条件である演算実行条件が記憶されている。本実施形態では、排出通路を通過した遊技球の個数が500個に達することが演算実行条件として記憶されている。この主側ROM63に記憶された演算実行条件は、パチンコ機10の電源がONにされた後に実行される初期設定処理において遊技履歴管理チップ300に送信される。これにより、遊技履歴管理チップ300は、本パチンコ機10に設定されている演算実行条件を把握することが可能となる。
遊技履歴管理チップ300は、各入球口への遊技球の入球情報に基づいて各種の遊技履歴情報を算出するとともに、算出した遊技履歴情報を記憶する半導体チップである。遊技履歴管理チップ300は、CPU62xから各入球口への遊技球の入球情報を取得するバッファ302と、各入球口への遊技球の入球個数を記憶するレジスタ304と、主側ROM63から取得した賞球数データを記憶する賞球数データ記憶用メモリ306と、主側ROM63から取得した演算実行条件を記憶する演算実行条件記憶用メモリ307と、遊技履歴管理チップ300の全体の制御を司るとともに、演算実行条件の成立を契機として各入球口への遊技球の入球個数と各入球口に設定された賞球数とに基づいて遊技履歴情報を算出するCPU308と、算出された遊技履歴情報を記憶する演算結果記憶用メモリ309とを備えている。
検査用端子65は、検査機320とパチンコ機10とを接続するための端子である。本実施形態では、検査用端子65を介して演算結果記憶用メモリ309に記憶された遊技履歴情報が検査機320に送信される。
検査機320は、各種制御プログラムを実行するCPU321と、各種制御プログラムや固定値データ等を記録したROM324と、各種データを一時的に記憶するためのメモリであるRAM326と、遊技履歴管理チップ300から受信した遊技履歴情報を表示する表示部328と、パチンコ機10の検査用端子65に接続するための接続ケーブル329とを備えている。
図11は、遊技履歴管理チップ300及び検査機320における処理の内容を模式的に示す説明図である。
バッファ302は、主側MPU62のCPU62xとレジスタ304との間に設けられており、各入球口における入球情報をCPU62xから取得する。具体的には、バッファ302には、各入球口に対応した複数のビットが設けられており、CPU62xは、遊技球が入球したと判定した入球口に対応したビットをON(「1」)にする。例えば、CPU62xは、第1始動口33に遊技球が入球したと判定すると、バッファ302の第1始動口33に対応したビットをON(「1」)にする。
また、バッファ302には、遊技球が各入球口に入球した際の遊技モードやパチンコ機10の状態(以下では、遊技状態とも呼ぶ)を把握するためのビットも設けられている。本実施形態では、通常モード中(高確率モード中でもなく、高頻度サポートモード中でもなく、開閉実行モード中でもないモード)であるか否かを判定するためのビットと、高確率モード中であるか否かを判定するためのビットと、高頻度サポートモード中であるか否かを判定するためのビットと、開閉実行モード中であるか否かを判定するためのビットと、第1保留個数が上限値である期間中であるか否かを判定するためのビットと、第2保留個数が上限値である期間中であるか否かを判定するためのビットと、前扉枠14が開放中であるか否かを判定するためのビットと、パチンコ機10に故障等のトラブルが発生しているエラー中であるか否かを判定するためのビットとが設けられている。例えば、CPU62xは、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングにおいて通常モード中であると判定すると、バッファ302の通常モード中であるか否かを判定するためのビットをON(「1」)にする。
レジスタ304は、各入球口に入球した遊技球の個数を記憶する。具体的には、レジスタ304は、各入球口に対応した複数のカウンタによって構成されており、バッファ302のビットに入球情報があると判定した場合(すなわち、ビットがONになっている場合)には、入球情報があると判定されたビットに対応したカウンタの値に1が加算される。なお、本実施形態では、レジスタ304は、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のレジスタによって構成されている。
本実施形態では、レジスタ304は、各入球口に対応した各カウンタによって、下記の値を記憶している。
・大入賞口36aに入球した遊技球の個数=大入賞口入球個数NS
・第1始動口33に入球した遊技球の個数=第1始動口入球個数N1
・第2始動口34に入球した遊技球の個数=第2始動口入球個数N2
・第1入賞口32aに入球した遊技球の個数=第1入賞口入球個数NN1
・第2入賞口32bに入球した遊技球の個数=第2入賞口入球個数NN2
・第3入賞口32cに入球した遊技球の個数=第3入賞口入球個数NN3
・スルーゲート35を通過した遊技球の個数=スルーゲート通過個数NG
・排出通路を通過した遊技球の個数=排出通路通過個数NOUT
なお、上述したように、排出通路通過個数NOUTは、遊技盤30に発射された遊技球の個数と一致する。
さらに、本実施形態では、レジスタ304は、遊技状態毎に各入球口に入球した遊技球の個数を記憶する。
・通常モード中に各入球口に入球した遊技球の個数
・高確率モード中に各入球口に入球した遊技球の個数
・高頻度サポートモード中に各入球口に入球した遊技球の個数
・開閉実行モード中に各入球口に入球した遊技球の個数
・通常モード中かつ第1保留個数が上限値である期間中に第1始動口33に入球した遊技球の個数
・通常モード中かつ第2保留個数が上限値である期間中に第2始動口34に入球した遊技球の個数
・前扉枠14が開放中に各入球口に入球した遊技球の個数
・エラー中に各入球口に入球した遊技球の個数
例えば、バッファ302の第1始動口33に対応したビットに入球情報がある(ビットがONになっている)と判定し、かつ、通常モード中であるか否かを判定するビットに情報がある(ビットがONになっている)と判定した場合には、第1始動口33に入球した遊技球の入球個数を記憶するカウンタである第1始動口入球個数カウンタの値に1が加算されるとともに、通常モード中に第1始動口33に入球した遊技球の入球個数を記憶するカウンタである通常モード中の第1始動口入球個数カウンタの値に1が加算される。
賞球数データ記憶用メモリ306は、パチンコ機10に設定されている賞球数データを記憶するためのメモリである。本実施形態では、パチンコ機10の電源が投入されると、主側ROM63に記憶されている賞球数データが遊技履歴管理チップ300に送信され、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される。したがって、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される賞球数データの内容は、主側ROM63に記憶されている賞球数データの内容と同一となる。
演算実行条件記憶用メモリ307は、パチンコ機10に設定されている演算実行条件を記憶するためのメモリである。演算実行条件は、上述したように、遊技履歴情報を算出するための演算を開始する条件である。本実施形態のパチンコ機10においては、排出通路を通過した遊技球の個数が500個に達する毎に遊技履歴情報を算出するための演算を開始するように設定されている。パチンコ機10の電源が投入されると、主側ROM63に記憶されている演算実行条件がCPU62xによって遊技履歴管理チップ300に送信され、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶される。したがって、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶される演算実行条件の内容は、主側ROM63に記憶されている演算実行条件の内容と同一となる。なお、演算実行条件として、排出通路以外を通過または入球した遊技球の個数が基準として記憶されていてもよく、また500個以外の個数が基準として記憶されていてもよい。
CPU308は、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶されている演算実行条件が成立したか否かを判定するとともに、演算実行条件が成立したと判定した場合には、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データと、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数とに基づいて、各種の遊技履歴情報を算出する。本実施形態では、CPU308は、レジスタ304に記憶された排出通路通過個数NOUTの値が500個に達する毎に、遊技履歴情報として下記の値を算出する。
・役物比率
=役物作動によって賞球として払い出された遊技球の個数/賞球として払い出された遊技球の合計個数
=(N2×P2+NS×PS)/(NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3+N1×P1+N2×P2+NS×PS)
・連続役物比率
=連続役物作動によって賞球として払い出された遊技球の個数/賞球として払い出された遊技球の合計個数
=(NS×PS)/(NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3+N1×P1+N2×P2+NS×PS)
・出玉率(トータル)
=賞球として払い出された遊技球の合計個数/遊技盤30に発射された遊技球の個数
=(NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3+N1×P1+N2×P2+NS×PS)/NOUT
なお、上記の値の算出根拠は以下の通りである。
・役物作動によって賞球として払い出された遊技球の個数
=普通電動役物としての電動役物34a及び特別電動役物としての可変入賞装置36が作動することによって賞球として払い出された遊技球の個数
=第2始動口34及び大入賞口36aへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数
=N2×P2+NS×PS
・連続役物作動によって賞球として払い出された遊技球の個数
=特別電動役物としての可変入賞装置36が作動することによって賞球として払い出された遊技球の個数
=大入賞口36aへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数
=NS×PS
・第1〜第3入賞口32a〜32cへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数
=NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3
・賞球として払い出された遊技球の合計個数
=第1〜第3入賞口32a〜32c、第1始動口33、第2始動口34及び大入賞口36aへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数
=NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3+N1×P1+N2×P2+NS×PS
さらに、本実施形態では、遊技状態毎にカウントされた各入球部への遊技球の入球個数に基づいて、下記の遊技履歴情報を算出する。
・払出比率(通常モード中)
=通常モード中に第1始動口33への遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数/通常モード中に第1始動口33への遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数+通常モード中に第1〜第3入賞口32a〜32cへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数
・出玉率(通常モード中)
=通常モード中に賞球として払い出された遊技球の合計個数/通常モード中に遊技盤30に発射された遊技球の個数
・出玉率(高頻度サポートモード中)
=高頻度サポートモード中に賞球として払い出された遊技球の合計個数/高頻度サポートモード中に遊技盤30に発射された遊技球の個数
・BY(通常モード中)
=通常モード中に第1〜第3入賞口32a〜32cへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数+通常モード中かつ第1保留個数が上限値である期間中に第1始動口33への遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数+通常モード中かつ第2保留個数が上限値である期間中に第2始動口34への遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数/通常モード中に遊技盤30に発射された遊技球の個数
・BYMIN(通常モード中)
=通常モード中に第1〜第3入賞口32a〜32cへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数/通常モード中に遊技盤30に発射された遊技球の個数
・前扉枠開放中入球率
=前扉枠14が開放中に各入球口に入球した遊技球の個数/遊技盤30に発射された遊技球の個数
・エラー中入球率
=エラー中に各入球口に入球した遊技球の個数/遊技盤30に発射された遊技球の個数
なお、上記の遊技履歴情報は一例であり、これら以外の遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。
CPU308は、上記の各種の遊技履歴情報を算出すると、算出した各種の遊技履歴情報を演算結果記憶用メモリ309に記憶させるとともに、レジスタ304の各カウンタの値を「0」にリセットする。なお、以下では、500個の遊技球が遊技盤30に発射される毎に算出された各種の遊技履歴情報をまとめて「短期遊技履歴情報群」とも呼ぶ。
演算結果記憶用メモリ309は、CPU308によって算出された遊技履歴情報を記憶するメモリであり、本実施形態では、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリによって構成されている。演算結果記憶用メモリ309には、短期遊技履歴情報群が書き込まれた順番に関する情報も記憶されており、CPU308は、算出した短期遊技履歴情報群を書き込むための空きエリアがない場合には、算出した短期遊技履歴情報群を、書き込まれた順番が最も古い短期遊技履歴情報群が記憶されているエリアに記憶させる。すなわち、演算結果記憶用メモリ309は、最も古い短期遊技履歴情報群から順番に上書きされるように構成(ファーストイン・ファーストアウト方式)されており、常に直近の短期遊技履歴情報群が記憶されている状態となる。
本実施形態では、演算結果記憶用メモリ309は、500個の遊技球が遊技盤30に発射される毎に算出された短期遊技履歴情報群を、1200個分記憶することが可能な容量を有している。例えば、1日に遊技球が連続して10時間発射される場合には、1日に60000個の遊技球が発射されることになるので、1日に120個の短期遊技履歴情報群が演算結果記憶用メモリ309に記憶されることになる。したがって、演算結果記憶用メモリ309は、直近の10日間分の短期遊技履歴情報群を記憶することが可能となる。
検査機320は、接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検出すると、遊技履歴情報の送信を要求する送信要求コマンドを遊技履歴管理チップ300に送信する。遊技履歴管理チップ300のCPU308は、検査機320から送信要求コマンドを受信すると、検査用端子65を介して演算結果記憶用メモリ309に記憶された遊技履歴情報を検査機320に送信する。これにより、検査機320は、演算結果記憶用メモリ309に記憶されている遊技履歴情報を取得するとともに、取得した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
このように、本実施形態では、排出通路を通過した遊技球の個数が500個に達する毎に、すなわち、500個の遊技球が遊技盤30に発射される毎に、役物比率等の遊技履歴情報が算出されて演算結果記憶用メモリ309に記憶される。そして、算出された遊技履歴情報が検査機320の表示部328に表示されることになる。
A3.遊技機において実行される各種処理の詳細:
次に、MPU62(本実施形態では、CPU62x)にて実行される各処理を説明する。かかるMPU62の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
先ず、図12のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
図12は、主側MPU62にて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。ステップS10101では、初期設定処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などを実行する。さらに、本実施形態では、初期設定処理において、演算用データを遊技履歴管理チップ300に送信する処理を実行する。具体的には、主側ROM63に記憶されている演算用データ(賞球数データ及び演算実行条件)を遊技履歴管理チップ300に送信する。後述するように、当該演算用データを受信した遊技履歴管理チップ300は、賞球数データ及び演算実行条件を賞球数データ記憶用メモリ306及び演算実行条件記憶用メモリ307にそれぞれ記憶し、記憶が完了したことを示す設定完了コマンドを主側MPU62に送信する。ステップS10101を実行した後、ステップS10102に進む。
ステップS10102では、設定完了コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS10102において、設定完了コマンドを受信していると判定した場合には(S10102:YES)、ステップS10103に進み、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。一方、ステップS10102において、設定完了コマンドを受信していないと判定した場合には(S10102:NO)、再びステップS10102の処理を実行する。すなわち、設定完了コマンドを受信するまでは、ステップS10103に進まず、タイマ割込み処理の発生を許可するための割込み許可の設定を行なわない。
ステップS10103を実行した後、ステップS10104〜ステップS10107の残余処理に進む。つまり、主側MPU62は後述するようにタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS10104〜ステップS10107の残余処理を繰り返し実行する。この点、ステップS10104〜ステップS10107の残余処理は、非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、まずステップS10104では、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS10105では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS10106では、変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、主側RAM64の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS10107にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS10107の処理を実行した後は、ステップS10104に戻り、ステップS10104〜ステップS10107の処理を繰り返す。
次に、主側MPU62(本実施形態では、CPU62x)にて実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図13は、主側MPU62において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。当該タイマ割込み処理は、特定の周期(本実施形態では4msec周期)で起動される。
タイマ割込み処理では、まずステップS10201にて抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS10202に進む。
ステップS10202では、乱数初期値更新処理において乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS10203に進み、変動種別カウンタ更新処理において変動種別カウンタCSの更新を実行する。その後、ステップS10204に進む。
ステップS10204では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部36c,34bに行うための処理を実行する。例えば、大入賞口36aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変入賞駆動部36cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2始動口34の電動役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には電動役物駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。その後、ステップS10205に進む。
ステップS10205では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、入球信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。その後、ステップS10206に進む。
ステップS10206では、各入球検知センサー44a〜44hから受信している信号を読み込むとともに、その読み込んだ情報に対応した処理を行うための入球検知処理を実行する。当該入球検知処理の処理内容は、後に詳細に説明する。その後、ステップS10207に進む。
ステップS10207では、入球検知情報を遊技履歴管理チップ300のバッファ302のビットに出力する。具体的には、ステップS10206の入球検知処理において遊技球が入球したと判定した入球口に対応したビットをON(「1」)にするとともに、パチンコ機10の遊技状態に対応したビットをON(「1」)にする。その後、ステップS10208に進む。
ステップS10208では、主側RAM64に設けられている所定のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。その後、ステップS10209に進み、賞球コマンドの出力設定処理を実行する。その後、ステップS10210に進む。
ステップS10210では、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。始動口用の入球処理では、第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球したと判定されたことに基づいて大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の値を取得するとともに、取得したカウンタ値をRAM64の保留情報記憶エリア64bに記憶する。ステップS10210を実行した後、ステップS10211に進む。
ステップS10211では、スルーゲート35への遊技球の入球(通過)に伴うスルーゲート用の入球処理を実行する。スルーゲート用の入球処理では、スルーゲート35に遊技球が入球(通過)したと判定されたことに基づいて変動種別カウンタCSの値を取得するとともに、取得したカウンタ値をRAM64の電役保留エリア64dに記憶する。ステップS10211を実行した後、ステップS10212に進む。
ステップS10212では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、大当たり抽選や、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。ステップS10212を実行した後、ステップS10213に進む。
ステップS10213では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、遊技状態を開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどへ移行させる処理を実行する。ステップS10213を実行した後、ステップS10214に進む。
ステップS10214では、電動役物34aを制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定(電動役物開放抽選)を行なうとともに、開放状態とすると判定した場合には電動役物34aを駆動制御する。ステップS10214を実行した後、ステップS10215に進む。
ステップS10215では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技者によって操作ハンドル25が操作された際に遊技球を遊技領域PAに発射するための処理を実行する。ステップS10215を実行した後、ステップS10216に進む。
ステップS10216では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するように外部情報設定処理を実行する。ステップS10216を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
次に、タイマ割込み処理(図13)のステップS10206にて実行される入球検知処理について説明する。
入球検知処理では、入球検知センサー44a〜44hにおける検知結果を確認する処理を実行するが、当該確認に際しては主側MPU62の入出力ポート62aのうちの入力ポート62bが確認される。ここで、入球検知処理の説明に先立ち、図14を参照しながら、主側MPU62に設けられた入力ポート62bの構成について説明する。
図14は、主側MPU62に設けられた入力ポート62bの構成について説明する説明図である。入力ポート62bは、8種類の信号を同時に扱うことができるように8ビットのパラレルインターフェースとして構成されている。そして、各信号の電圧に応じて「0」又は「1」の情報が格納されるエリアが、各端子に1対1で対応させて設けられている。つまり、当該エリアとして、第0ビットD0〜第7ビットD7を備えている。
また、入力ポート62bには8種類を超える信号が入力されることとなるが、同時に入力される対象を8種類に制限するために、入力ポート62bへの入力対象となる信号群はドライバICによる切換制御を通じて切り換えられる。入球検知処理では、入力ポート62bへの入力対象となる信号群が各入球検知センサー44a〜44hに設定される。
かかる設定がなされた状況では、第0ビットD0は大入賞口検知センサー44aからの入球信号に対応した情報が格納され、第1ビットD1は第1始動口検知センサー44bからの入球信号に対応した情報が格納され、第2ビットD2は第2始動口検知センサー44cからの入球信号に対応した情報が格納され、第3ビットD3は第1入賞口検知センサー44dからの入球信号に対応した情報が格納され、第4ビットD4は第2入賞口検知センサー44eからの入球信号に対応した情報が格納され、第5ビットD5は第3入賞口検知センサー44fからの入球信号に対応した情報が格納され、第6ビットD6はスルーゲート検知センサー44gからの入球信号に対応した情報が格納され、第7ビットD7は排出通路検知センサー44hからの入球信号に対応した情報が格納される。
この場合に、上記各入球検知センサー44a〜44hは、遊技球の通過を検知していない場合には入球信号として非検知中であることを示すHIレベル信号を出力し、遊技球の通過を検知している場合には入球信号として検知中であることを示すLOWレベル信号を出力する。但し、主制御基板151には反転回路が設けられており、入力ポート62bに上記各検知信号が入力される前に信号の状態が反転される。そして、入力ポート62bでは当該反転回路を通じてLOWレベル信号を受信している場合に該当するビットに「0」の情報(データ0又は無し情報)を格納し、反転回路を通じてHIレベル信号を受信している場合に該当するビットに「1」の情報(データ1又は有り情報)を格納する。
つまり、入球検知センサー44a〜44hにおいて遊技球の通過が検知されていない状況では該当するビットに非検知中を示す情報に対応した「0」の情報が格納され、遊技球の通過が検知されている状況では該当するビットに検知中を示す情報に対応した「1」の情報が格納される。
なお、各入球検知センサー44a〜44hは、遊技球の通過を検知していない間は入球信号としてLOWレベル信号を出力するとともに遊技球の通過を検知している間は入球信号としてHIレベル信号を出力する構成としてもよい。この場合、上記反転回路を不具備とすればよい。
図15は、主側MPU62にて実行される入球検知処理を説明する説明図である。図15(a)は、主側MPU62にて実行される入球検知処理を示すフローチャートである。図15(b)は、入球検知処理において利用される入球判定エリアを模式的に示す説明図である。入球検知処理では、図15(a)のフローチャートに示すように、まずステップS10301にて、上記第0〜第7ビットD0〜D7に現状格納されている情報を、主側MPU62のレジスタにおける第1入球判定エリアWA1に移行させる処理を実行する。当該第1入球判定エリアWA1は、図15(b−1)に示すように8ビットから構成されており、上記第0〜第7ビットD0〜D7に格納されている情報の全てを格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、第0〜第7ビットD0〜D7における格納元のビットと、第1入球判定エリアWA1における格納先のビットとは1対1で対応させて予め定められており、例えば第0ビットD0の情報は常に第1入球判定エリアWA1における所定のビットに格納される。
続くステップS10302では、入球検知用のウェイト処理を実行する。当該ウェイト処理では、予め定められたウェイト時間が経過するまで主側MPU62において何ら処理を実行することなく待機する。本パチンコ機10では、当該ウェイト時間として10μsecが設定されているが、定期的なタイマ割込み処理の実行を阻害することなく、さらに当該ウェイト処理に設定したことによる後述する作用効果を十分に奏することができるのであれば、具体的なウェイト時間は任意であるが、2μsec〜500μsecの範囲であることが好ましく、より好ましくは10μsec〜100μsecの範囲である。
ちなみに、一のステップの処理を実行するには少なくとも1.2μsecを要する。したがって、ステップS10302の処理が設定されていなくても、ステップS10301とステップS10303との間には1.2μsecの強制的なウェイト時間が発生することとなる。この点、ステップS10302では、処理を実行する上で最低限要する時間だけでなく、それに対して追加のウェイト時間をステップS10301の処理とステップS10303の処理との間に設定していることとなる。
続くステップS10303では、上記第0〜第7ビットD0〜D7に現状格納されている情報を、主側MPU62のレジスタにおける第2入球判定エリアWA2に移行させる処理を実行する。ちなみに、入力ポート62bにおける情報の更新はステップS10301が完了してからステップS10303が開始されるまでの時間よりも短い間隔で行われているため、ステップS10303にて第0〜第7ビットD0〜D7から移行される情報は、ステップS10301の場合と異なるものとなり得る。
第2入球判定エリアWA2は、第1入球判定エリアWA1と同様に、図15(b−2)に示すように8ビットから構成されており、上記第0〜第7ビットD0〜D7に格納されている情報の全てを格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、第0〜第7ビットD0〜D7における格納元のビットと、第2入球判定エリアWA2における格納先のビットとは1対1で対応させて予め定められており、さらに格納元のビットと格納先のビットとの関係は、第1入球判定エリアWA1の場合と同一となっている。
その後、ステップS10304にて、入球判定処理を実行した後に、本入球検知処理を終了する。当該入球判定処理について、図16のフローチャートを参照しながら説明する。
図16は、主側MPU62にて実行される入球判定処理を示すフローチャートである。入球判定処理では、先ずステップS10401にて、主側RAM64に設けられた入球判定カウンタに8をセットする。続くステップS10402では、第1入球判定エリアWA1及び第2入球判定エリアWA2における現状の入球判定カウンタの数値情報に対応したビットの各情報を把握する。この場合に把握される各情報は、入力ポート62bにおける同一のビットから読み出された情報である。
続くステップS10403では、ステップS10402にて把握した各情報のAND処理を実行し、そのAND処理結果をレジスタに記憶するとともに、ステップS10404にて、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4のうち、前回のタイマ割込み処理の処理回における入球検知処理にてAND処理の結果の情報が格納された側とは異なる側の対応するビットに上記AND処理結果を格納する。第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4は、図15(b−3)及び図15(b−4)に示すように8ビットから構成されており、第1入球判定エリアWA1の各ビットと第2入球判定エリアWA2の各ビットとのAND処理結果の各情報を全て格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、AND処理の対象となった第1入球判定エリアWA1及び第2入球判定エリアWA2のビットの順番と、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4における各ビットの順番とは一義的に定められている。
その後、ステップS10405にて、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4のうち、前回のタイマ割込み処理の処理回における入球判定処理にてAND処理の結果の情報が格納された側であって、現状の入球判定カウンタの数値情報に対応したビットの情報を読み出す。そして、ステップS10406にて、その読み出した情報を「0」と「1」との間で反転させるための反転処理を実行する。
その後、ステップS10407にて、ステップS10403におけるAND処理結果の情報と、ステップS10406における反転処理結果の情報とのAND処理を実行し、続くステップS10408にて、そのAND処理の結果が入球検知開始情報に対応した「1」であるか否かを判定する。ステップS10408にてAND処理結果が「1」であると判定した場合には、ステップS10409以降の処理に進む。
ステップS10409では、現状の入球判定カウンタの数値情報が第1始動口33及び第2始動口34のいずれかに対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。第1始動口33及び第2始動口34のいずれかに対応している場合には、ステップS10410にて、主側RAM64に設けられた始動口入球フラグに「1」をセットし、ステップS10411にて、主側RAM64に設けられた3個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
始動口入球フラグは、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を主側MPU62にて特定するとともに、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に対応した処理であって賞球の実行以外の処理を実行すべき状態であることを主側MPU62にて特定するためのフラグである。ちなみに、第1始動口33と第2始動口34とのそれぞれに入球検知センサー44b,44cが設けられているため、第1始動口33への入球と第2始動口34への入球とがタイマ割込み処理の1処理回の範囲内で同時に把握されることがある。したがって、これに対応すべく、始動入球フラグは、始動口33,34の数に対応させて設けられており、具体的には2個設けられている。また、3個賞球カウンタは、3個の賞球の実行を指示する3個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU62において特定するためのカウンタである。
ステップS10409にて否定判定をした場合には、ステップS10412にて、現状の入球判定カウンタの数値情報が可変入賞装置36に対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。可変入賞装置36に対応している場合には、ステップS10413にて、主側RAM64に設けられた大入賞口入球フラグに「1」をセットし、ステップS10414にて、主側RAM64に設けられた15個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
大入賞口入球フラグは、可変入賞装置36への遊技球の入球を主側MPU62にて特定するとともに、可変入賞装置36への遊技球の入球に対応した処理であって賞球の実行以外の処理を実行すべき状態であることを主側MPU62にて特定するためのフラグである。また、15個賞球カウンタは、15個の賞球の実行を指示する15個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU62にて特定するためのカウンタである。
ステップS10412にて否定判定をした場合には、ステップS10415にて、現状の入球判定カウンタの数値情報がスルーゲート35に対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。スルーゲート35に対応している場合には、ステップS10416にて、主側RAM64に設けられたスルー通過フラグに「1」をセットする。
スルー通過フラグは、遊技球がスルーゲート35を通過したことを主側MPU62にて特定するとともに、スルーゲート35への遊技球の入球に対応した処理を実行すべき状態であることを主側MPU62にて特定するためのフラグである。
ステップS10415にて否定判定をした場合には、ステップS10417にて、現状の入球判定カウンタの数値情報が第1入賞口32a、第2入賞口32b及び第3入賞口32cのいずれかに対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。第1入賞口32a、第2入賞口32b及び第3入賞口32cのいずれかに対応している場合には、ステップS10418にて、主側RAM64に設けられた一般入賞口入球フラグに「1」をセットし、ステップS10419にて、主側RAM64に設けられた3個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
一般入賞口入球フラグは、第1入賞口32a、第2入賞口32b又は第3入賞口32cへの遊技球の入球を主側MPU62にて特定するためのフラグである。ちなみに、第1入賞口32a、第2入賞口32b及び第3入賞口32cのそれぞれに入球検知センサー44d,44e,44fが設けられているため、第1入賞口32aへの入球と第2入賞口32bへの入球と第3入賞口への入球とがタイマ割込み処理の1処理回の範囲内で同時に把握されることがある。したがって、これに対応すべく、一般入賞口入球フラグは、一般入賞口32a,32b,32cの数に対応させて設けられており、具体的には3個設けられている。また、10個賞球カウンタは、10個の賞球の実行を指示する3個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU62において特定するためのカウンタである。
ステップS10417にて否定判定をした場合には、今回の入球が排出通路に対応していることを意味するため、ステップSAD20にて、主側RAM64に設けられた排出通路通過フラグに「1」をセットする。排出通路通過フラグは、遊技球が排出通路を通過したことを主側MPU62にて特定するためのフラグである。
ステップS10408にて否定判定をした場合、又はステップS10411、ステップS10414、ステップS10416、ステップS10419、ステップS10420のいずれかの処理を実行した後は、ステップS10421に進む。ステップS10421では、入球判定カウンタを1減算し、その後、ステップS10422にて入球判定カウンタが「0」であるか否かを判定する。
入球判定カウンタが「0」でない場合には、ステップS10421にて更新した入球判定カウンタの数値情報に応じたビットについて、ステップS10402〜ステップS10420の処理を実行する。かかるステップS10402〜ステップS10420の処理を、ステップS10401にてセットした数値情報分実行した場合には、ステップS10422にて肯定判定をすることとなり、本入球判定処理を終了する。
次に、上記入球検知処理(図15)が実行されることにより、一般入賞口32、可変入賞装置36、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び排出通路への入球の有無が検知される様子について図17を参照しながら説明する。
図17は、入球の有無が検知される様子を説明する説明図である。まず、図17(A)を参照しながら、入球検知センサー44a〜44hにおける検知結果(以下、入球情報ともいう)を監視するタイミングを説明する。図17(A)は各入球情報を監視するタイミングを説明するためのタイミングチャートである。
図17(A)に示すように、T1(具体的には4msec)周期でタイマ割込み処理(図13)が起動される構成において、入球情報を監視する処理はタイマ割込み処理の各処理回で2回(ステップS10301,ステップS10303)行われる。各1組の入球情報を監視する処理はタイミングが前後するように実行されるが、先側の入球情報を監視する処理(ステップS10301)はタイマ割込み処理が起動されたタイミングに対してT2の時間が経過したタイミングで実行される。
この場合に、タイマ割込み処理において入球検知処理が実行されるタイミングは遊技回制御処理及び電役サポート用処理といった処理時間が変動し易い処理よりも先に実行され、さらにタイマ割込み処理において入球検知処理よりも先に実行される処理は処理時間が比較的変動しにくい処理となっている。したがって、各処理回のタイマ割込み処理において先側の入球情報を監視する処理が開始されるまでの期間はT2で同一、略同一又は同様となる。よって、タイマ割込み処理の各処理回に含まれる1組の入球情報を監視する処理のうち、先側の入球情報を監視する処理は定期的に実行されることとなる。
また、各1組の入球情報を監視する処理のうち、先側の入球情報を監視する処理(ステップS10301)と後側の入球情報を監視する処理(ステップS10303)との間では、入球検知用のウェイト処理(ステップS10302)が実行されるが、かかるウェイト処理では何ら処理を実行することなく一定のウェイト時間T3が経過するまで待機するだけである。したがって、タイマ割込み処理の各処理回に含まれる1組の入球情報を監視する処理のうち、後側の入球情報を監視する処理は定期的に実行されることとなる。
次に、図17(B)を参照しながら、入球判定が行われる場合に実行される演算の内容を説明する。図17(B)は入球判定が行われる場合に実行される演算の内容を説明するための説明図である。なお、実際には1ビット単位で各種演算が行われるが、以下の説明では1バイト単位で演算の内容を説明する。但し、以下に説明するような1バイト単位での演算が実際に行われる構成としてもよい。
図17(B)の場合では、先ずn回目のタイマ割込み処理における先側の入球情報を監視する処理にて、図17(B1)に示すように、第1入球判定エリアWA1に「00100000」がセットされている。この場合、各入球検知センサー44a〜44hのうち第3入賞口検知センサー44fの入球情報が遊技球を検知している旨の情報(以下、入球有り情報ともいう)となっており、他のセンサーの入球情報は遊技球を検知していない旨の情報(以下、入球無し情報ともいう)となっている。
また、当該n回目のタイマ割込み処理における後側の入球情報を監視する処理では、図17(B2)に示すように、第2入球判定エリアWA2に「10100000」がセットされている。この場合、各入球検知センサー44a〜44hのうち排出通路検知センサー44h及び第3入賞口検知センサー44fのそれぞれが入球有り情報となっており、他のセンサーは入球無し情報となっている。
上記のように第1入球判定エリアWA1及び第2入球判定エリアWA2の情報のセットが行われた場合、そのAND処理結果は、図17(B3)に示すように「00100000」となり、当該情報がn回目の処理回のタイマ割込み処理における入球情報の監視結果として第1演算後エリアWA3にセットされる。なお、n−1回目のタイマ割込み処理にて入球情報の監視結果が第1演算後エリアWA3にセットされている場合にはn回目のタイマ割込み処理における入球情報の監視結果は第2演算後エリアWA4にセットされる。また、n−1回目における入球情報の監視結果とn回目における入球情報の監視結果とを利用して入球判定処理が実行されるが、この処理の演算の内容はここでは省略する。
次にn+1回目のタイマ割込み処理における先側の入球情報を監視する処理にて、図17(B4)に示すように、第1入球判定エリアWA1に「10100110」がセットされている。この場合、各入球検知センサー44a〜44hのうち排出通路検知センサー44h、第3入賞口検知センサー44f、第2始動口検知センサー44c及び第1始動口検知センサー44bのそれぞれが入球有り情報となっており他のセンサーは入球無し情報となっている。
また、当該n+1回目のタイマ割込み処理における後側の入球情報を監視する処理にて、図17(B5)に示すように、第2入球判定エリアWA2に「10100010」がセットされている。この場合、各入球検知センサー44a〜44hのうち排出通路検知センサー44h、第3入賞口検知センサー44f及び第1始動口検知センサー44bのそれぞれが入球有り情報となっており、他のセンサーは入球無し情報となっている。
上記のように第1入球判定エリアWA1及び第2入球判定エリアWA2の情報のセットが行われた場合、そのAND処理結果は、図17(B6)に示すように「10100010」となり、当該情報がn+1回目の処理回のタイマ割込み処理における入球情報の監視結果として第2演算後エリアWA4にセットされる。
その後、当該n+1回目のタイマ割込み処理における入球判定処理(図16)にて、先ずn回目のタイマ割込み処理における入球情報の監視結果が第1演算後エリアWA3から読み出されるとともにその読み出された監視結果の情報に対して反転処理が実行される。そうすると、図17(B7)に示すように、「11011111」となる。そして、当該反転処理の結果の情報に、n+1回目のタイマ割込み処理における入球情報の監視結果をAND処理する。これにより、図17(B8)に示すように、「10000010」となる。この場合、当該入球判定処理では、排出通路検知センサー44hにて遊技球の入球が検知されたと判定するとともに、第1始動口検知センサー44bにて遊技球の入球が検知されたと判定する。
また、図17(B4)に示すように、n+1回目のタイマ割込み処理における先側の入球情報を監視する処理にて第2始動口検知センサー44cが入球有り情報となっているが、これは電気的なノイズにより発生したものである。この場合に、入球無し情報から入球有り情報への切り換えを確認したとしても即座に入球発生と特定するのではなく、入球有り情報が複数回に亘って確認された場合に入球発生と特定する構成である。したがって、図17(B5)に示すように、n+1回目のタイマ割込み処理における後側の入球情報を監視する処理では第2始動口検知センサー44cが入球無し情報となっており、電気的なノイズの発生を遊技球の入球と取り扱わないようになっている。
また、第3入賞口検知センサー44fではn回目のタイマ割込み処理における1組の入球情報を監視する処理及びn+1回目のタイマ割込み処理における1組の入球情報を監視する処理のそれぞれにて入球有り情報となっているが、これは既に入球の発生が把握された遊技球を継続して検知している状態を示している。この場合に、n回目のタイマ割込み処理における入球情報の監視結果が「0」であることを条件に入球の発生を特定しているため、1個の遊技球の入球を複数個の入球として扱ってしまわない。
上記のように入球検知処理が実行されることにより、各入球検知センサー44a〜44hにおける検知結果の監視が実行されることともに、遊技球の付与に対応した入球が発生している場合には、その入球箇所に応じて、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ及び15個賞球カウンタへの加算処理が実行される。これらカウンタのいずれかが「1」以上となっている場合には、タイマ割込み処理(図13)における賞球コマンドの出力設定処理(ステップS10209)にて賞球コマンドの設定が行われ、その設定された賞球コマンドが払出制御装置70に送信される。この場合、賞球コマンドの出力設定はタイマ割込み処理の1処理回において1回のみ行われる。したがって、例えば15個賞球カウンタが「2」以上となっていたとしても、1処理回では15個賞球コマンドが1回のみ送信される。但し、これに限定されることはなく、1処理回において所定の複数(例えば2個又は3個)の賞球コマンドが送信される構成としてもよい。
また、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ及び15個賞球カウンタのそれぞれが「1」以上となっている場合も考えられるが、この場合、賞球個数の多い賞球コマンドの出力が優先される。つまり、15個賞球コマンドの出力が10個賞球コマンドの出力や3個賞球コマンドの出力よりも優先され、10個賞球コマンドの出力が3個賞球コマンドの出力よりも優先される。
15個賞球カウンタが「1」以上の場合に15個賞球コマンドが出力対象として設定された場合に、当該15個賞球カウンタは1減算される。また、10個賞球カウンタが「1」以上の場合に10個賞球コマンドが出力対象として設定された場合に、当該10個賞球カウンタは1減算される。また、3個賞球カウンタが「1」以上の場合に3個賞球コマンドが出力対象として設定された場合に、当該3個賞球カウンタは1減算される。
次に、遊技履歴管理チップ300のCPU308が実行する処理について説明する。本実施形態では、遊技履歴管理チップ300のCPU308は、パチンコ機10の電源投入に伴い下記のメイン処理を実行する。
図18は、遊技履歴管理チップ300のCPU308が実行するメイン処理を示すフローチャートである。
ステップS10501では、賞球数データ及び演算実行条件を含む演算用データを受信しているか否かを判定する。ステップS10501において、演算用データを受信していると判定した場合には(S10501:YES)、ステップS10502に進む。一方、ステップS10501において、演算用データを受信していないと判定した場合には(S10501:NO)、再びこのステップS10501の処理を実行する。すなわち、演算用データを受信するまでは、次のステップS10502の処理に進まずに無限ループを継続する。
ステップS10502では、受信した賞球数データを賞球数データ記憶用メモリ306に記憶させる。その後、ステップS10503に進み、受信した演算実行条件を演算実行条件記憶用メモリ307に記憶させる。その後、ステップS10504に進む。
ステップS10504では、賞球数データの賞球数データ記憶用メモリ306への記憶が完了し、かつ、演算実行条件の演算実行条件記憶用メモリ307への記憶が完了したことを意味する設定完了コマンドを主側CPU62xに送信する。その後、ステップS10505に進む。
ステップS10505では、バッファ302のビットに主側CPU62xから受信した入球情報がある(ビットに「1」が格納されている)か否かを判定する。ステップS10505において、バッファ302のビットに主側CPU62xから受信した入球情報があると判定した場合には(S10505:YES)、ステップS10506に進み、バッファ302のビットに対応したレジスタのカウンタに1を加算する。具体的には、例えば、バッファ302の第1始動口入球情報に対応したビットが「1」であり、通常モード中に対応したビットが「1」である場合には、レジスタ304の大入賞口入球個数NSに対応したカウンタに1を加算するとともに、通常モード中の大入賞口入球個数に対応したカウンタに1を加算する。その後、ステップS10507に進む。一方、ステップS10505において、バッファ302のビットに主側CPU62xから受信した入球情報がないと判定した場合には(S10505:NO)、ステップS10506を実行することなく、ステップS10507に進む。
ステップS10507では、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶された演算実行条件が成立したか否かを判定する。本実施形態では、レジスタ304に記憶された排出通路通過個数NOUTの値が500であるか否か、すなわち、遊技盤30に発射された遊技球の個数が500個に達したか否かを判定する。ステップS10507において、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶された演算実行条件が成立したと判定した場合には(S10507:YES)、ステップS10508に進む。
ステップS10508では、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データと、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数とに基づいて、各種の遊技履歴情報を算出するための演算処理を実行する。その後、ステップS10509に進み、算出した各種の遊技履歴情報を演算結果記憶用メモリ309に記憶させる。その後、ステップS10510に進み、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数を0にクリアする。その後、ステップS10511に進む。
一方、ステップS10507において、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶された演算実行条件が成立していないと判定した場合には(S10507:NO)、ステップS10508からステップS10510を実行することなく、ステップS10511に進む。
ステップS10511では、検査機320から遊技履歴情報の送信要求コマンドを受信しているか否かを判定し、送信要求コマンドを受信していると判定した場合には(S10511:YES)、ステップS10512に進み、演算結果記憶用メモリ309に記憶されている遊技履歴情報を検査機320に対して送信する。検査機320は、受信した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。ステップS10512を実行した後、ステップS10505に戻り、ステップS10505以下の処理を繰り返す。一方、ステップS10511において、検査機320から遊技履歴情報の送信要求コマンドを受信していないと判定した場合には(S10511:NO)、ステップS10512の処理を実行することなく、ステップS10505に戻り、ステップS10505以下の処理を繰り返す。
以上説明したように、本実施形態によれば、遊技履歴管理チップ300は、実行された遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報である遊技履歴情報を算出することができる。仮に、遊技機に不正な改造等が施されていると、算出された遊技履歴情報が、想定された値とは異なる不自然な値になる場合がある。したがって、パチンコ機10の検査者は、遊技履歴情報を確認することによって、パチンコ機10に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、遊技履歴管理チップ300は、算出した遊技履歴情報を不揮発的に記憶する演算結果記憶用メモリ309を備える。遊技履歴情報は、実行された遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該遊技履歴情報はパチンコ機10毎に異なるとともに、パチンコ機10の固有の情報である。すなわち、遊技履歴情報は、パチンコ機10の特性が反映された情報である。本実施形態によれば、当該パチンコ機10の特性が反映された情報である遊技履歴情報をパチンコ機10本体の筐体内部に格納された遊技履歴管理チップ300の演算結果記憶用メモリ309に記憶する。よって、例えば、当該パチンコ機10の特性を検査する場合には、当該パチンコ機10本体自身から遊技履歴情報を取得することによって、当該パチンコ機10の特性を検査することができる。パチンコ機10は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによってパチンコ機10の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、パチンコ機10は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来のパチンコ機10では、当該パチンコ機10の特性に関する情報を保持することができない。本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の特性が反映された情報である遊技履歴情報をパチンコ機10本体の筐体内部に格納された遊技履歴管理チップ300の演算結果記憶用メモリ309に記憶するので、パチンコ機10がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該パチンコ機10本体から遊技履歴情報を取得することができる。すなわち、本実施形態のパチンコ機10は、当該パチンコ機10がいかなる状態(遊技ホールに設置されている状態や流通状態)に置かれても、パチンコ機10と遊技履歴情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該パチンコ機10の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、遊技履歴管理チップ300及び主側CPU62xは、共に主側MPU62に搭載されており、これらは同一の電源によって動作するように構成されている。したがって、例えば、当該パチンコ機10が遊技ホールに設置されている場合であって、ホールコンピュータによってパチンコ機10の遊技履歴情報を算出していた場合に、当該ホールコンピュータの電源系統に不具合が生じた場合や、当該ホールコンピュータの処理に不具合が生じた場合であっても、パチンコ機10に電源が供給されている状況であれば、遊技履歴情報を算出することができる。仮に、主側CPU62xと遊技履歴管理チップ300とが異なる電源によって動作している場合、遊技履歴管理チップ300の電源供給に不具合があった場合に、パチンコ機10によって遊技が実行されているにも関わらず遊技履歴情報を算出できないといった不具合が生じる。これに対して、本実施形態によれば、主側CPU62xと遊技履歴管理チップ300とが同一の電源によって動作しているので、遊技が実行可能な状況であれば必ず遊技履歴情報を算出することができる。よって、遊技履歴情報の信頼性を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、開閉の痕跡が残る基板ボックスの内部に、演算結果記憶用メモリ309を格納している。したがって、演算結果記憶用メモリ309に対して物理的な接触をした場合には、基板ボックスを開いた痕跡が残る。よって、仮に、演算結果記憶用メモリ309に記憶されている遊技履歴情報が演算結果記憶用メモリ309への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを基板ボックスの痕跡から把握することが可能となる。したがって、遊技履歴情報の不正な改変を防止することができる。パチンコ機10は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る基板ボックスの内部に演算結果記憶用メモリ309を格納するので、パチンコ機10が転々流通する状況であっても、何者かによる遊技履歴情報の不正な改変を抑制することができる。また、遊技履歴情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、遊技履歴情報を用いてパチンコ機10の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、本実施形態によれば、パチンコ機10の遊技に関する特性を反映した遊技履歴情報の不正な改変を防止することで、適正にパチンコ機10を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、遊技履歴管理チップ300は、主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを取得するので、払い出した賞球に関するパチンコ機10の特性を算出することができる。さらに、パチンコ機10の種類(機種)毎に異なる賞球数データが設定されていても、遊技履歴管理チップ300は、パチンコ機10の種類毎に設定された賞球数データを用いて正しい遊技履歴情報を算出することができる。仮に、遊技機に不正な改造等が施されていると、算出された遊技履歴情報が、想定された値とは異なる不自然な値になる場合がある。したがって、パチンコ機10の検査者は、正しい遊技履歴情報を確認することによって、パチンコ機10に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、主側CPU62xは、主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを含む信号を遊技履歴管理チップ300に送信するので、遊技履歴管理チップ300が主側ROM63の賞球数データ記憶エリアにアクセスすることができない構成や、遊技履歴管理チップ300が主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データの記憶位置(メモリアドレス)を把握することができない構成であっても、遊技履歴管理チップ300が主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを取得することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、主側CPU62xのメイン処理において、設定完了コマンドを受信するまでは、タイマ割込み処理の割り込みが許可されず、タイマ割込み処理に含まれる遊技球発射制御処理が実行されない構成となっている。すなわち、賞球数データの賞球数データ記憶用メモリ306への記憶が完了するまでは遊技球が発射されないので、遊技履歴管理チップ300による遊技履歴情報の算出対象から遊技球が漏れてしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態によれば、排出通路検知センサー44hによって500個の遊技球が検知されるまでの期間毎の遊技履歴情報を算出して記憶するので、各パチンコ機10によって500個の遊技球が検知されるまでの時間にバラつきがあったとしても、その時間のバラつきに影響しない遊技履歴情報を算出、記憶することができる。すなわち、遊技球が発射される頻度に高低差がある場合であっても、その影響を受けにくい精度の高い遊技履歴情報を算出、記憶することができる。また、各入球口への入球情報をそのまま記憶する構成と比較して、必要な記憶容量を低減することができる。
パチンコ機10の種類(機種)が異なると、遊技の特性も異なるため、遊技履歴情報を算出するための演算を実行する最適な条件も異なることになる。このため、演算実行条件は、パチンコ機10の種類(機種)毎に異なる条件が記憶されている。本実施形態によれば、遊技履歴管理チップ300は、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶されている演算実行条件を取得するので、パチンコ機10の種類(機種)毎に設定された演算実行条件が成立した場合に遊技履歴情報を算出するための演算を実行することができる。
さらに、本実施形態によれば、遊技履歴管理チップ300のCPU308が遊技履歴情報を算出するための演算を実行した後に、レジスタ304に記憶されている各入球口への遊技球の入球個数(カウンタ値)を消去するので、再びレジスタ304に遊技球の入球個数に関する情報を記憶することが可能となる。したがって、レジスタ304に必要な記憶容量を低減することができる。
さらに、本実施形態によれば、パチンコ機10の遊技履歴情報が検査機320に送信されるので、検査機320は、当該パチンコ機10の遊技履歴情報を表示することが可能となる。そして、パチンコ機10の検査者は、検査機320に表示された遊技履歴情報を確認することができる。
A4.第1実施形態の他の態様:
<態様1>
上記第1実施形態では、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶された演算実行条件として、排出通路検知センサー44hに検知された遊技球が500個に達することが設定されていたが、演算実行条件として、演算を実行する時間的間隔が設定されている構成としてもよい。例えば、演算を実行する時間的間隔として1時間が設定されており、遊技履歴管理チップ300のCPU308は、1時間が経過する毎に遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。パチンコ機10の検査者は、1時間毎に算出された詳細な遊技履歴情報を確認することができ、パチンコ機10に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
なお、パチンコ機10の種類(機種)が異なると、遊技の特性も異なるため、遊技履歴情報を算出するための演算を実行する最適な条件(時間的間隔)も異なることになる。このため、演算実行条件は、パチンコ機10の種類(機種)毎に異なる条件が記憶されている。したがって、この態様1においても、遊技履歴管理チップ300は、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶されている演算実行条件を取得するので、パチンコ機10の種類(機種)毎に設定された演算実行条件が成立した場合に演算を実行することができる。
また、遊技履歴管理チップ300のCPU308は、演算が実行されてからの経過時間を計測するとともに、遊技者によって遊技が行なわれているか否かを判定し、遊技が行なわれていないと判定している期間は、経過時間の計測を中断する構成としてもよい。具体的には、例えば、バッファ302のビットに入球情報がない状態が所定時間(例えば3分)経過した場合に、遊技が行なわれていないと判定して経過時間の計測を中断し、バッファ302のビットに入球情報が確認された場合に、遊技が再開されたと判定して経過時間の計測を再開する構成としてもよい。この構成によれば、実際に遊技が行なわれている期間のみを対象として遊技履歴情報を算出することができる。
なお、経過時間の計測は、タイマカウンタを用いる構成としてもよく、RTC(Real‐Time Clock)を設けてRTCの日時情報を用いる構成としてもよい。また、所定の時刻毎に遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。
<態様2>
上記第1実施形態では、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶された演算実行条件として、排出通路検知センサー44hに検知された遊技球が500個に達することが設定されていたが、演算実行条件として、電源の遮断の発生が検知されたことが設定されている構成としてもよい。具体的には、停電監視回路86は、電源の遮断の発生を検知すると、電源遮断が発生したことを示す信号を遊技履歴管理チップ300に出力する。当該信号を受信した遊技履歴管理チップ300のCPU308は、電源の遮断が発生したと判定し、遊技履歴情報を算出する。そして、この構成ではレジスタ304は揮発性のメモリによって構成されており、入球個数情報が消去されることになる。このような構成によれば、パチンコ機10への電源の供給が開始されてから電源の遮断が発生するまでの期間中において検知された遊技球の個数に基づいて遊技履歴情報を算出することができる。すなわち、遊技ホールの営業が開始してから終了するまでの期間毎に遊技履歴情報が算出されるので、遊技ホールの営業日毎に遊技履歴情報が算出されることになる。したがって、パチンコ機10の検査者は、遊技ホールの営業日を跨いで遊技履歴情報の特性に変化があったか否かを容易に把握することができるので、パチンコ機10に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
さらに、電源の遮断が発生した後においても遊技履歴管理チップ300に対して電源を供給するコンデンサ87を備える構成とすれば、CPU308による遊技履歴情報の算出及び遊技履歴情報の演算結果記憶用メモリ309への記憶を確実に完了させることができる。
<態様3>
上記第1実施形態において、主側CPU62xが演算結果記憶用メモリ309にアクセス可能な構成とし、演算結果記憶用メモリ309に記憶されている遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示させる構成としてもよい。この構成によれば、遊技履歴情報がパチンコ機10の図柄表示装置41に表示されるので、パチンコ機10の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置(検査機320等)を用いることなく、当該パチンコ機10の遊技履歴情報を確認することができる。なお、主側CPU62xは、演算結果記憶用メモリ309にアクセスは可能であるが、データの変更等は不可能な構成とすることが好ましい。このような構成によれば、遊技履歴情報が、ノイズやプログラムのバグ等によって破壊されたり、内容が書き換えられてしまうことを抑制することができる。
<態様4>
上記第1実施形態において、主側CPU62xが演算結果記憶用メモリ309にアクセス可能な構成とし、演算結果記憶用メモリ309に記憶されている遊技履歴情報が所定の条件を満たしていないことを報知するためのLEDランプをパチンコ機10の前面(例えば、メイン表示部45の所定の箇所)に備える構成としてもよい。例えば、遊技履歴情報に含まれる特定の値(例えば、役物比率、連続役物比率、払出比率(通常モード中))が所定の範囲に含まれなくなった場合にLEDランプを発光させる構成としてもよい。この構成によれば、パチンコ機の検査者は、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなったパチンコ機10を容易に発見することができる。そして、当該パチンコ機10の遊技履歴情報を確認することによって、パチンコ機10に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。特に、第1始動口33や一般入賞口(第1〜第3入賞口32a〜32c)の近傍の釘に不正が施されていると、上述した払出比率(通常モード中)がパチンコ機の設計時に想定された所定の範囲(例えば、0.60〜0.70)から外れることになる。したがって、払出比率(通常モード中)が所定の範囲(例えば、0.60〜0.70)に含まれなくなった場合にLEDランプを発光させる構成とすることによって、第1始動口33や一般入賞口(第1〜第3入賞口32a〜32c)の近傍の釘に不正が施されていないかを適切に判断することができる。
さらに、遊技履歴情報に含まれる特定の値(例えば、役物比率、連続役物比率、払出比率(通常モード中))の所定の範囲からの乖離度に応じてLEDランプの発光態様(色)を決定する構成としてもよい。例えば、役物比率が所定の範囲(0.70以下)に含まれている場合には第1LEDランプは青色に発光し、役物比率が0.71〜0.80の場合には第1LEDランプは紫色に発光し、役物比率が0.81〜1.00の場合には第1LEDランプは赤色に発光する構成としてもよい。連続役物比率が所定の範囲(0.60以下)に含まれている場合には第2LEDランプは青色に発光し、連続役物比率が0.61〜0.70の場合には第2LEDランプは紫色に発光し、連続役物比率が0.71〜1.00の場合には第2LEDランプは赤色に発光する構成としてもよい。また、払出比率(通常モード中)が所定の範囲(0.60〜0.70)に含まれている場合には第3LEDランプは青色に発光し、払出比率(通常モード中)が0.71〜0.80の場合には第3LEDランプは紫色に発光し、払出比率(通常モード中)が0.81〜1.00の場合には第3LEDランプは赤色に発光する構成としてもよい。この構成によれば、パチンコ機10の検査者は、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。なお、主側CPU62xは、演算結果記憶用メモリ309にアクセスは可能であるが、データの変更等は不可能な構成とすることが好ましい。このような構成によれば、遊技履歴情報が、ノイズやプログラムのバグ等によって破壊されたり、内容が書き換えられてしまうことを抑制することができる。
<態様5>
上記第1実施形態では、主側ROM63に記憶されている演算用データ(賞球数データ及び演算実行条件)は主側MPU62(CPU62x)が実行する初期設定処理において遊技履歴管理チップ300に送信される構成としたが、遊技履歴管理チップ300が主側ROM63の賞球数データ記憶エリア及び演算実行条件記憶エリアにアクセス可能な構成とし、パチンコ機10の電源投入直後に遊技履歴管理チップ300が当該主側ROM63にアクセスして演算用データ(賞球数データ及び演算実行条件)を取得し、取得した演算用データを賞球数データ記憶用メモリ306及び演算実行条件記憶用メモリ307に記憶させる構成としてもよい。このような構成によれば、主側MPU62の処理負荷を低減することができる。
<態様6>
上記第1実施形態では、遊技履歴管理チップ300が役物比率等の遊技履歴情報を算出する構成としたが、レジスタに記憶された500個毎の入球個数をそのまま記憶し、検査機320が遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技履歴管理チップ300の処理負荷を低減することができる。以下、態様6の詳細について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図19は、第1実施形態の態様6のパチンコ機10が備える主制御装置60の構成及び検査機320の構成を詳細に示すブロック図である。
主側MPU62の主側ROM63には、賞球数データ記憶エリアと、記憶実行条件記憶エリアとが設けられている。
賞球数データ記憶エリアには、上記第1実施形態と同様に、各入球部に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数データ)が記憶されている。また、上記第1実施形態と同様に、この主側ROM63に記憶された賞球数データは、パチンコ機10の電源がONにされた後に実行される初期設定処理において遊技履歴管理チップ300に送信される。これにより、遊技履歴管理チップ300は、本パチンコ機10に設定されている賞球数データを把握することが可能となる。
記憶実行条件記憶エリアには、遊技履歴管理チップ300が後述する記憶処理を実行する条件である記憶実行条件が記憶されている。この態様6では、排出通路を通過した遊技球の個数が500個に達することが記憶実行条件として記憶されている。この主側ROM63に記憶された記憶実行条件は、パチンコ機10の電源がONにされた後に実行される初期設定処理において遊技履歴管理チップ300に送信される。これにより、遊技履歴管理チップ300は、本パチンコ機10に設定されている記憶実行条件を把握することが可能となる。
遊技履歴管理チップ300は、CPU62xから各入球口への遊技球の入球情報を取得するバッファ302と、各入球口への遊技球の入球個数を記憶するレジスタ304と、主側ROM63から取得した賞球数データを記憶する賞球数データ記憶用メモリ306と、主側ROM63から取得した記憶実行条件を記憶する記憶実行条件記憶用メモリ307aと、遊技履歴管理チップ300の全体の制御を司るCPU308と、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数を順次記憶する入球個数記憶用メモリ309aとを備えている。上述した記憶処理は、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数を、入球個数記憶用メモリ309aに記憶させる処理である。
検査用端子65は、検査機320とパチンコ機10とを接続するための端子である。この態様6では、検査用端子65を介して入球個数記憶用メモリ309aに記憶された入球個数情報及び賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データが検査機320に送信される。
検査機320は、各種制御プログラムを実行するCPU321と、各種制御プログラムや固定値データ等を記録したROM324と、各種データを一時的に記憶するためのメモリであるRAM326と、各種情報を表示する表示部328と、パチンコ機10の検査用端子65に接続するための接続ケーブル329とを備えている。
この態様6では、検査機320は、接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検出すると、入球個数情報及び賞球数データの送信を要求する送信要求コマンドを遊技履歴管理チップ300に送信する。遊技履歴管理チップ300のCPU308は、検査機320から送信要求コマンドを受信すると、検査用端子65を介して入球個数記憶用メモリ309aに記憶された入球個数情報と、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データとを検査機320に送信する。そして、検査機320は、受信した入球個数情報と賞球数データとに基づいて遊技履歴情報を算出し、算出した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
図20は、第1実施形態の態様6の遊技履歴管理チップ300及び検査機320における処理の内容を模式的に示す説明図である。
バッファ302及びレジスタ304における処理の内容は、上述した第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
賞球数データ記憶用メモリ306は、パチンコ機10に設定されている賞球数データを記憶するためのメモリである。この態様6では、パチンコ機10の電源が投入されると、主側ROM63に記憶されている賞球数データが遊技履歴管理チップ300に送信され、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される。したがって、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される賞球数データの内容は、主側ROM63に記憶されている賞球数データの内容と同一となる。
記憶実行条件記憶用メモリ307aは、パチンコ機10に設定されている記憶実行条件を記憶するためのメモリである。パチンコ機10の電源が投入されると、主側ROM63に記憶されている記憶実行条件がCPU62xによって遊技履歴管理チップ300に送信され、記憶実行条件記憶用メモリ307aに記憶される。したがって、記憶実行条件記憶用メモリ307aに記憶される記憶実行条件の内容は、主側ROM63に記憶されている記憶実行条件の内容と同一となる。
CPU308は、記憶実行条件記憶用メモリ307aに記憶されている記憶実行条件が成立したか否かを判定するとともに、記憶実行条件が成立したと判定した場合には、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数に関する情報を、入球個数記憶用メモリ309aに記憶させるとともに、レジスタ304の各カウンタの値を「0」にリセットする。この態様6では、CPU308は、レジスタ304に記憶された排出通路通過個数NOUTの値が500個に達する毎に、当該レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数に関する情報を、入球個数記憶用メモリ309aに記憶させる。なお、以下では、500個の遊技球が遊技盤30に発射される間にカウントされた各入球口への遊技球の入球個数に関する情報を「短期入球個数情報群」とも呼ぶ。
入球個数記憶用メモリ309aは、レジスタ304に記憶された入球個数に関する情報(短期入球個数情報群)を順次記憶するメモリであり、本実施形態では、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリによって構成されている。入球個数記憶用メモリ309aには、短期入球個数情報群が書き込まれた順番に関する情報も記憶されており、CPU308は、短期入球個数情報群を書き込むための空きエリアがない場合には、短期入球個数情報群を、書き込まれた順番が最も古い短期入球個数情報群が記憶されているエリアに記憶させる。すなわち、入球個数記憶用メモリ309aは、最も古い短期入球個数情報群から順番に上書きされるように構成(ファーストイン・ファーストアウト方式)されており、常に直近の短期入球個数情報群が記憶されている状態となる。
この態様6では、入球個数記憶用メモリ309aは、500個の遊技球が遊技盤30に発射される間にカウントされた各入球口への遊技球の入球個数に関する情報である短期入球個数情報群を、1200個分記憶することが可能な容量を有している。例えば、1日に遊技球が連続して10時間発射される場合には、1日に60000個の遊技球が発射されることになるので、1日に120個の短期入球個数情報群が入球個数記憶用メモリ309aに記憶されることになる。したがって、入球個数記憶用メモリ309aは、直近の10日間分の短期入球個数情報群を記憶することが可能となる。
検査機320は、上述したように、接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検出すると、送信要求コマンドを遊技履歴管理チップ300に送信する。遊技履歴管理チップ300のCPU308は、検査機320から送信要求コマンドを受信すると、検査用端子65を介して短期入球個数情報群及び賞球数データを検査機320に送信する。そして、検査機320は、短期入球個数情報群及び賞球数データに基づいて、役物比率等の遊技履歴情報を算出し、算出した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
具体的には、この態様6では、検査機320は、上記の第1実施形態のCPU308と同様に、1つの短期入球個数情報群に対して1つの短期遊技履歴情報群を算出することが可能であるとともに、複数の短期入球個数情報群のそれぞれに記憶された各入球口への遊技球の入球個数を加算し、当該加算した入球個数を用いて長期間における遊技履歴情報(長期遊技履歴情報群)を算出することが可能である。すなわち、この態様6の検査機320は、500個の遊技球が発射された短期間における各入球口への入球個数に基づいた短期遊技履歴情報群だけでなく、例えば、600000個(約10日分)の遊技球が発射された長期間における各入球口への入球個数に基づいた長期遊技履歴情報群を算出することが可能である。
なお、この態様6において、以下の構成を採用してもよい。
検査機320は、受信した短期入球個数情報群を表示部328に表示可能な構成としてもよい。また、検査機320は、レジスタ304に記憶されている各カウンタ値を受信するとともに、受信した各カウンタ値を表示部328に表示可能な構成としてもよい。
また、遊技履歴管理チップ300が賞球数データ記憶用メモリ306に記憶されている賞球数データを検査機320に送信する構成に代えて、主側CPU62xが主側ROM63に記憶されている賞球数データを検査機320に対して送信する構成としてもよい。このような構成によれば、賞球数データ記憶用メモリ306を省略することができ、遊技履歴管理チップ300の製造コストを低減することができる。
また、主側ROM63の記憶実行条件記憶エリアに記憶された記憶実行条件として、記憶処理を実行する時間的間隔が設定されている構成としてもよい。例えば、記憶処理を実行する時間的間隔として1時間が設定されており、遊技履歴管理チップ300のCPU308は、1時間が経過する毎に記憶処理を実行する構成としてもよい。
また、主側ROM63の記憶実行条件記憶エリアに記憶された記憶実行条件として、電源の遮断の発生が検知されたことが設定されている構成としてもよい。具体的には、停電監視回路86は、電源の遮断の発生を検知すると、電源遮断が発生したことを示す信号を遊技履歴管理チップ300に出力する構成とし、当該信号を受信した遊技履歴管理チップ300のCPU308は、電源の遮断が発生したと判定し、記憶処理を実行する構成としてもよい。
また、態様6では、遊技履歴情報を算出するための演算を検査機320のCPU321が実行する構成としたが、当該演算の一部又は全部を遊技履歴管理チップ300のCPU308が実行し、当該演算の結果である遊技履歴情報を検査機320に送信する構成としてもよい。
<態様7>
上記第1実施形態では、遊技履歴管理チップ300が役物比率等の遊技履歴情報を算出する構成としたが、バッファにおける入球情報をそのまま記憶し、当該入球情報に基づいて検査機320が遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技履歴管理チップ300の処理負荷を低減することができる。以下、態様7の詳細について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図21は、第1実施形態の態様7のパチンコ機10が備える主制御装置60の構成及び検査機320の構成を詳細に示すブロック図である。
この態様7では、主側MPU62には、年月日情報及び時刻情報を遊技履歴管理チップ300に対して出力するRTC96(RTC:Real‐Time Clock)が設けられている。RTC96は、バックアップ電源を備えており、パチンコ機10の電源遮断時においても年月日情報及び時刻情報を更新することができる。
主側MPU62の主側ROM63には、賞球数データ記憶エリアが設けられている。なお、この態様7では、演算開始条件記憶エリアは設けられていない。
賞球数データ記憶エリアには、上記第1実施形態と同様に、各入球部に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数データ)が記憶されている。また、上記第1実施形態と同様に、この主側ROM63に記憶された賞球数データは、パチンコ機10の電源がONにされた後に実行される初期設定処理において遊技履歴管理チップ300に送信される。これにより、遊技履歴管理チップ300は、本パチンコ機10に設定されている賞球数データを把握することが可能となる。
遊技履歴管理チップ300は、CPU62xから各入球口への遊技球の入球情報を取得するバッファ302と、主側ROM63から取得した賞球数データを記憶する賞球数データ記憶用メモリ306と、遊技履歴管理チップ300の全体の制御を司るCPU308と、バッファ302に記憶された各入球口への遊技球の入球情報等を順次記憶する入球情報記憶用メモリ309bとを備えている。
検査用端子65は、検査機320とパチンコ機10とを接続するための端子である。この態様7では、検査用端子65に検査機320が接続されると、入球情報記憶用メモリ309bに記憶された入球情報等及び賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データが検査機320に送信される。
検査機320は、各種制御プログラムを実行するCPU321と、各種制御プログラムや固定値データ等を記録したROM324と、各種データを一時的に記憶するためのメモリであるRAM326と、各種情報を表示する表示部328と、パチンコ機10の検査用端子65に接続するための接続ケーブル329とを備えている。
この態様7では、検査機320は、接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検出すると、入球情報等及び賞球数データの送信を要求する送信要求コマンドを遊技履歴管理チップ300に送信する。遊技履歴管理チップ300のCPU308は、検査機320から送信要求コマンドを受信すると、検査用端子65を介して入球情報記憶用メモリ309bに記憶された入球情報等と、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データとを検査機320に送信する。そして、検査機320は、受信した入球情報等と賞球数データとに基づいて遊技履歴情報を算出し、算出した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
図22は、第1実施形態の態様7の遊技履歴管理チップ300及び検査機320における処理の概要を模式的に示す説明図である。
バッファ302における処理の内容は、上述した第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
入球情報記憶用メモリ309bは、バッファ302に記憶された入球情報及び遊技球が入球した際の遊技状態に関する情報を順次記憶するメモリであり、本実施形態では、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリによって構成されている。さらに、本実施形態では、入球情報及び遊技状態に関する情報が記憶される際に、遊技球が各入球口に入球した日時情報が付加されて記憶される。また、入球情報記憶用メモリ309bには、入球情報等が書き込まれた順番に関する情報も記憶されており、CPU308は、入球情報等を書き込むための空きエリアがない場合には、入球情報等を、書き込まれた順番が最も古い入球情報等が記憶されているエリアに記憶させる。すなわち、入球情報記憶用メモリ309bは、最も古い入球情報等から順番に上書きされるように構成(ファーストイン・ファーストアウト方式)されており、常に直近の入球情報等が記憶されている状態となる。
賞球数データ記憶用メモリ306は、パチンコ機10に設定されている賞球数データを記憶するためのメモリである。この態様7では、パチンコ機10の電源が投入されると、主側ROM63に記憶されている賞球数データが遊技履歴管理チップ300に送信され、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される。したがって、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される賞球数データの内容は、主側ROM63に記憶されている賞球数データの内容と同一となる。さらに、この態様7では、検査用端子65に検査機320が接続されると、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される賞球数データが当該検査機320に送信される。
検査機320は、上述したように、接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検出すると、入球情報等及び賞球数データの送信を要求する送信要求コマンドを遊技履歴管理チップ300に送信する。遊技履歴管理チップ300のCPU308は、検査機320から送信要求コマンドを受信すると、検査用端子65を介して入球情報記憶用メモリ309bに記憶された入球情報、遊技状態に関する情報及び日時情報と、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データとを検査機320に送信する。そして、検査機320は、受信したこれらの情報に基づいて遊技履歴情報を算出し、算出した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
具体的には、この態様7の検査機320は、500個の遊技球が発射された短期間における各入球口への入球個数に基づいた遊技履歴情報(短期遊技履歴情報群)を算出することだけでなく、例えば、600000個(約10日分)の遊技球が発射された長期間における各入球口への入球個数に基づいた遊技履歴情報(長期遊技履歴情報群)を算出することが可能である。すなわち、任意の期間における遊技履歴情報を算出することが可能である。
さらに、この態様7では、入球情報等に日時情報(年月日情報及び時刻情報)が付加されているので、検査機320は、受信した入球情報等に付加されている日時情報の範囲内において、遊技履歴情報の算出対象となる日時の範囲を指定して遊技履歴情報を算出することも可能である。したがって、パチンコ機10の検査者は、日時の範囲を指定した遊技履歴情報に基づいて詳細な検査をすることができる。
なお、この態様7において、以下の構成を採用してもよい。
検査機320は、受信した入球情報等を表示部328に表示可能な構成としてもよい。このような構成によれば、パチンコ機10の検査者は、各入球検知センサーによって遊技球が検知された日時についても把握することが可能となる。
また、遊技履歴管理チップ300が賞球数データ記憶用メモリ306に記憶されている賞球数データを検査機320に送信する構成に代えて、主側CPU62xが主側ROM63に記憶されている賞球数データを検査機320に対して送信する構成としてもよい。このような構成によれば、賞球数データ記憶用メモリ306を省略することができ、遊技履歴管理チップ300の製造コストを低減することができる。
また、態様7では、遊技履歴情報を算出するための演算を検査機320のCPU321が実行する構成としたが、当該演算の一部又は全部を遊技履歴管理チップ300のCPU308が実行し、当該演算の結果である遊技履歴情報を検査機320に送信する構成としてもよい。
<態様8>
上記第1実施形態及び上記の他の態様では、主側ROM63に演算実行条件又は記憶実行条件が記憶されており、遊技履歴管理チップ300がこれらの条件を主側ROM63から取得する構成としたが、遊技履歴管理チップ300がこれらの条件を不揮発性のメモリに当初から記憶している構成としてもよい。この構成によれば、不適切な演算実行条件又は記憶実行条件が主側ROM63に記憶されてしまっており、遊技履歴情報又は入球個数情報を適切に記憶できないといった事態の発生を抑制することができる。例えば、演算実行条件又は記憶実行条件として極端に短い期間(例えば、排出通路通過個数NOUT=5)が記憶されてしまっており、演算結果記憶用メモリ309又は入球個数記憶用メモリ309aには極端に短い期間分(例えば、1時間分程度)の遊技履歴情報又は入球個数情報しか記憶されないといった事態の発生を抑制することができる。
<態様9>
上記第1実施形態及び上記の他の態様では、各入球口への遊技球の入球個数を記憶する機能や、役物比率等の遊技履歴情報を算出する機能、算出した遊技履歴情報を記憶する機能を遊技履歴管理チップ300が備える構成としたが、主側CPU62x(遊技履歴管理チップ300を除いた主側MPU62)がこれらの機能の一部を備える構成としてもよい。また、遊技履歴管理チップ300を設けず、主側CPU62x(遊技履歴管理チップ300を除いた主側MPU62)がこれらの機能の全部を備える構成としてもよい。このような構成によれば、別途に遊技履歴管理チップ300を設ける必要がないため、製造コストの低減を図ることができる。ただし、遊技履歴管理チップ300を設ける構成によれば、主側CPU62xの処理負荷を低減することができる。
<態様10>
上記第1実施形態及び上記の他の態様において、遊技履歴管理チップ300以外の機能部(例えば、検査機320や主側CPU62x)が備える機能の一部又は全部を遊技履歴管理チップ300が備える構成としてもよく、遊技履歴管理チップ300が備える機能の一部又は全部を遊技履歴管理チップ300以外の機能部が備える構成としてもよい。例えば、検査機320が備える機能の一部を遊技履歴管理チップ300が備える構成とすれば、検査機320の処理負荷や製造コストをさらに低減することができ、遊技履歴管理チップ300が備える機能の一部を検査機320が備える構成とすれば、遊技履歴管理チップ300の処理負荷や製造コストをさらに低減することができる。
<態様11>
上記第1実施形態では、遊技履歴管理チップ300が役物比率等の遊技履歴情報を算出する構成としたが、遊技履歴管理チップ300を設けず、主側CPU62xが遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。以下、態様11の詳細について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図23は、第1実施形態の態様11におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。この態様11では、遊技履歴管理チップ300が設けられていない点と、主側RAM64に入球個数記憶エリアと演算結果記憶エリアが設けられている点が、上記第1実施形態(図5)と異なっている。
主側CPU62xは、入出力ポート62aから受信した遊技球の入球情報に基づいて、主側RAM64の入球個数記憶エリアに記憶されている各入球口への遊技球の入球個数を更新する。そして、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶されている演算実行条件が成立した場合には、主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データと、主側RAM64の入球個数記憶エリアに記憶されている各入球部における遊技球の入球個数とに基づいて演算を実行して遊技履歴情報を算出し、当該遊技履歴情報を主側RAM64の演算結果記憶エリアに記憶させる。以下、具体的に説明する。
図24は、第1実施形態の態様11の主側MPU62における処理の概要を模式的に示す説明図である。主側CPU62xは、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶されている演算実行条件が成立したか否かを判定するとともに、演算実行条件が成立したと判定した場合には、主側CPU62xのキャッシュに記憶された各入球口への遊技球の入球個数に関する情報を、主側RAM64の入球個数記憶エリアに記憶させる。この態様11では、主側CPU62xは、主側CPU62xのキャッシュに記憶された排出通路通過個数NOUTの値が500個に達する毎に、各入球口への遊技球の入球個数に関する情報を、主側RAM64の入球個数記憶エリアに記憶させる。なお、上述したように、500個の遊技球が遊技盤30に発射される間にカウントされた各入球口への遊技球の入球個数に関する情報を「短期入球個数情報群」とも呼ぶ。
主側RAM64の入球個数記憶エリアは、入球個数に関する情報(短期入球個数情報群)を順次記憶するエリアである。主側RAM64の入球個数記憶エリアには、短期入球個数情報群が書き込まれた順番に関する情報も記憶されており、主側CPU62xは、短期入球個数情報群を書き込むための空きエリアがない場合には、新たに書き込み対象となった短期入球個数情報群を、書き込まれた順番が最も古い短期入球個数情報群が記憶されているエリアに記憶させる。すなわち、主側RAM64の入球個数記憶エリアは、最も古い短期入球個数情報群から順番に上書きされるように構成(ファーストイン・ファーストアウト方式)されており、常に直近の短期入球個数情報群が記憶されている状態となる。
この態様11では、主側RAM64の入球個数記憶エリアは、500個の遊技球が遊技盤30に発射される間にカウントされた各入球口への遊技球の入球個数に関する情報である短期入球個数情報群を、1200個分記憶することが可能な容量を有している。例えば、1日に遊技球が連続して10時間発射される場合には、1日に60000個の遊技球が発射されることになるので、1日に120個の短期入球個数情報群が主側RAM64の入球個数記憶エリアに記憶されることになる。したがって、主側RAM64の入球個数記憶エリアは、直近の10日間分の短期入球個数情報群を記憶することが可能となる。
そして、主側CPU62xは、演算実行条件が成立する毎に、新たに記憶された1つの短期入球個数情報群に対して1つの短期遊技履歴情報群を新たに算出する。さらに、主側CPU62xは、演算実行条件が成立する毎に、新たに記憶された短期入球個数情報群を含む複数の短期入球個数情報群のそれぞれに記憶された各入球口への遊技球の入球個数を加算し、当該加算した入球個数を用いて長期間における遊技履歴情報(長期遊技履歴情報群)を算出する。すなわち、この態様11の主側CPU62xは、500個の遊技球が発射された短期間における各入球口への入球個数に基づいた短期遊技履歴情報群だけでなく、例えば、600000個(約10日分)の遊技球が発射された長期間における各入球口への入球個数に基づいた長期遊技履歴情報群を算出することが可能である。そして、算出したこれらの遊技履歴情報を主側RAM64の演算結果記憶エリアに記憶させる。
主側RAM64の演算結果記憶エリアは、短期遊技履歴情報群を順次記憶するエリアと、長期遊技履歴情報群を記憶するエリアとによって構成されている。短期遊技履歴情報群を順次記憶するエリアには、短期遊技履歴情報群が書き込まれた順番に関する情報も記憶されており、主側CPU62xは、短期遊技履歴情報群を書き込むための空きエリアがない場合には、新たに算出された短期遊技履歴情報群を、書き込まれた順番が最も古い短期遊技履歴情報群が記憶されているエリアに記憶させる。すなわち、主側RAM64の短期遊技履歴情報群を順次記憶するエリアは、最も古い短期遊技履歴情報群から順番に上書きされるように構成(ファーストイン・ファーストアウト方式)されており、常に直近の短期遊技履歴情報群が記憶されている状態となる。長期遊技履歴情報群を記憶するエリアには、演算実行条件が成立する毎に新たに算出された長期遊技履歴情報群が上書きされる。すなわち、長期遊技履歴情報群を記憶するエリアには、最新の短期入球個数情報群を含む複数の短期入球個数情報群に基づいて算出された最新の長期遊技履歴情報群が記憶されることになる。
検査機320は、接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検出すると、送信要求コマンドを主側CPU62xに送信する。主側CPU62xは、検査機320から送信要求コマンドを受信すると、主側RAM64に記憶された遊技履歴情報を検査機320に送信する。そして、検査機320は、受信した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
また、この態様11では、遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示させるための所定の操作が実行されると、主側RAM64に記憶された遊技履歴情報が入出力ポート62xを介して音声発光制御装置90に出力され、図柄表示装置41に表示される。
また、この態様11では、パチンコ機10への電源の供給が絶たれても、コンデンサ87から供給されるバックアップ電源によって、主側RAM64に記憶された短期入球個数情報群及び遊技履歴情報が数日間保持されるように構成されている。
このような構成によれば、単一の処理部である主側CPU62xが、大当たり抽選処理等の遊技を進行するための処理と、遊技履歴情報を算出、記憶する処理とを実行するので、遊技履歴情報を算出、記憶するための専用の遊技履歴管理チップ300を設ける必要がなく、パチンコ機10の製造コストを低減させることができる。
さらに、500個の遊技球が遊技盤30に発射される間にカウントされた各入球口への遊技球の入球個数に関する情報である短期入球個数情報群を主側RAM64に記憶するように構成されているので、遊技球の入球情報をそのままの形式で記憶する構成(例えば、図22の入球情報記憶用メモリ309bに記憶されている入球情報の形式で記憶する構成)と比較して、主側RAM64に必要なメモリ容量を大幅に低減しつつ、直近の短期遊技履歴情報群及び長期遊技履歴情報群を算出することが可能となる。
なお、主側CPU62xは、遊技履歴情報として短期遊技履歴情報群及び長期遊技履歴情報群の両方を算出する構成に限らず、これらの一方のみを算出する構成としてもよい。
<態様12>
図25は、第1実施形態の態様12におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。上述した態様11(図23)との違いは、主側MPU62に、書き換え可能であるとともに電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリであるフラッシュメモリ64xが設けられている点である。このフラッシュメモリ64xには、上述した態様11における短期入球個数情報群を記憶するための入球個数記憶エリアと、上述した態様11における短期遊技履歴情報群及び長期遊技履歴情報群を記憶するための演算結果記憶エリアとが設けられている。
この態様12の主側CPU62xは、演算実行条件が成立する毎に、短期入球個数情報群及び算出した遊技履歴情報をフラッシュメモリ64xに記憶するように構成されている。
このような構成によれば、遊技履歴管理チップ300を備える構成と比較して、パチンコ機10の製造コストを低減することができる。さらに、パチンコ機10への電源の供給が長期間にわたって絶たれても、短期入球個数情報群及び遊技履歴情報が保持されるので、当該パチンコ機10がいかなる状態(例えば、長期間にわたってパチンコ機10に電源が供給されない流通状態等)に置かれても、パチンコ機10と遊技履歴情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該パチンコ機10の特性を管理、検査することができる。
また、主側RAM64に短期入球個数情報群及び遊技履歴情報を記憶させるためのエリアを設けなくてもよいため、主側RAM64の記憶容量を抑えることができ、パチンコ機10の製造コストを低減することができる。
<態様13>
上記第1実施形態及び上記の他の態様において、主制御装置60は、遊技を進行するための処理である遊技進行処理を実行可能なモードである遊技モードと、遊技履歴情報を検査機320に出力するモードである検査モードとを切り替えて実行可能な構成としてもよい。遊技進行処理は、入球検知センサー44a〜44hによって遊技球が検知されたことに基づいて実行される処理であり、大当たり抽選処理や、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等が含まれる。
そして、検査モードでは、遊技球が入球検知センサー44a〜44hによって検出される領域を通過した場合であっても、遊技進行処理を実行しない構成としてもよい。
具体的には、例えば、検査モードに移行すると、主制御装置60において検査モードであるか否かを判定するための検査モードフラグがONになる。そして、主制御装置60は、検査モードフラグがONであるか否かを判定し、検査モードフラグがONであると判定した場合には、通常の遊技進行処理を実行する処理フローには進まず、検査モード用の処理フローに進む。この結果、主制御装置60は、入球検知センサー44a〜44hから遊技球が検知されたことを示す信号を受信した場合であっても、当該信号を受信したことに基づく処理(例えば、大当たり乱数カウンタC1の値を取得する処理や、賞球の払出処理、音声発光制御装置90にコマンドを送信する処理等)を実行しないように構成されている。
このような構成によれば、遊技進行処理と並行して実行することが好ましくない処理や、遊技進行処理と並行して実行した場合に不具合が生じやすい処理等を検査モードにおいて実行することができる。また、このような構成によれば、検査モードにおいては遊技進行処理を実行しないので、検査モードにおいて実行する処理のプログラムを開発する際に、遊技進行処理が並行して実行された場合における対策を考慮しなくてもよいため、検査モードにおいて実行する処理のプログラムの開発効率を大幅に向上させることができる。
また、遊技履歴情報は、遊技球が検知されて遊技進行処理が実行されると内容が変化する情報である。したがって、仮に、遊技進行処理と並行して遊技履歴情報を出力する処理を実行する構成を採用すると、パチンコ機10の検査者が遊技履歴情報によって当該パチンコ機10の特性を検査している間に遊技進行処理が実行されて当該遊技履歴情報の内容が随時変化してしまい、円滑に検査を実施することが困難になってしまう場合がある。これに対して、この態様13の構成によれば、遊技球が所定の領域を通過した場合であっても遊技進行処理を実行しない検査モードにおいて遊技履歴情報を出力するので、遊技履歴情報を出力している間に当該遊技履歴情報の内容が変化してしまうことを抑制することができる。この結果、パチンコ機10の検査者は円滑に検査を実施することができる。
なお、検査モードにおいて遊技履歴情報を出力する態様は、遊技履歴情報を検査機320に出力して表示させる態様に限らず、他の様態であってもよい。例えば、遊技履歴情報を図柄表示装置41に出力して表示させる構成としてもよい。
また、検査モードにおいて出力する情報は、遊技履歴情報に限らず、他の情報であってもよい。例えば、遊技球の入球情報や入球個数情報等のように、入球検知センサー44a〜44hによって遊技球が検知されたことに基づく他の情報であってもよい。
<態様14>
上記第1実施形態及び上記の他の態様のうち、主制御装置60が遊技モードと検査モードとを切り替えて実行可能な構成において、遊技モードの遊技進行処理の実行中に、遊技モードから検査モードに移行させるための所定の操作(以下では「モード切替操作」とも呼ぶ)が検査者によって実行された場合には、実行中の遊技進行処理が予め定められた処理段階まで完了したタイミングで、遊技モードから検査モードに移行する構成としてもよい。
具体的には、例えば、遊技モードの遊技進行処理の実行中に、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するというモード切替操作が実行された場合には、実行中の各遊技進行処理(大当たり抽選処理や、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等)毎に予め定められた処理段階まで処理を完了させる。そして、予め定められた処理段階まで遊技進行処理が完了すると、当該処理段階の後の処理は実行されずに待機状態となる。そして、実行中の各遊技進行処理の全てが予め定められた処理段階まで処理が完了したタイミングで、遊技モードから検査モードに移行する。
このような構成によれば、実行中の遊技進行処理が予め定められた処理段階まで処理が完了したか否かに関わらずにモード切替操作が実行された直後のタイミングで遊技モードから検査モードに移行する構成と比較して、検査モードに移行する際の処理上の不具合の発生を抑制することができる。
例えば、仮に、実行中の遊技進行処理が予め定められた処理段階まで処理が完了したか否かに関わらずにモード切替操作が実行された直後のタイミングで遊技モードから検査モードに移行する構成を採用した場合において、遊技モードにおいて遊技進行処理としてのメイン表示部45における図柄の変動表示処理が実行されている期間中に、モード切替操作が実行された場合には、メイン表示部45における図柄の変動表示の途中で検査モードに移行することになり、図柄の停止のタイミングや、図柄の変動時間の制御等が困難となる。これに対して、この態様14の構成によれば、例えば、遊技モードにおいて図柄の変動表示処理が実行されている期間中に、モード切替操作が実行された場合には、図柄の変動表示処理が終了して図柄が停止したという処理段階まで処理が完了したタイミングで検査モードに移行することになる。したがって、図柄の停止のタイミングや、図柄の変動時間の制御等が困難となるといった処理上の不具合の発生を抑制することができる。
なお、検査モードから遊技モードに移行(復帰)した際には、検査モードに移行する前において実行予定であった残りの処理段階の遊技進行処理を実行する構成としてもよい。このような構成によれば、期待していた遊技進行処理が不完全な状態で終了するといった不快感を遊技者に与えてしまうことを抑制することができる。
また、遊技モードにおける遊技進行処理の実行中に、モード切替操作が実行された場合には、実行中の各遊技進行処理の全ての処理が完了したタイミングで、遊技モードから検査モードに移行する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技進行処理を再開させる場合における処理上の不具合の発生を抑制することができる。
また、遊技モードにおける遊技進行処理の実行中に、モード切替操作が実行された場合には、遊技実行処理を中断させるとともに、中断させた遊技進行処理の再開を可能とする情報を主側RAM64に記憶し、当該記憶が完了したタイミングで、遊技モードから検査モードに移行する構成としてもよい。このような構成によれば、パチンコ機10は、遊技モードから検査モードに速やかに移行するので、短期間で多くのパチンコ機10を検査することが可能となる。
また、遊技モードから検査モードに移行させるためのモード切替操作は、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作に限らず、他の態様であってもよい。例えば、モード切替ボタンを押下するという単独の操作であってもよい。また、検査用端子65に検査機320が接続された場合に、モード切替操作が実行された場合と同様の処理を実行する構成としてもよい。
<態様15>
上記第1実施形態及び上記の他の態様のうち、主制御装置60が遊技モードと検査モードとを切り替えて実行可能な構成において、検査モード中に、当該検査モードに移行した時点から10分が経過したという自動復帰条件が成立した場合には、検査モードから遊技モードに移行させるための所定の操作(例えば、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作)が実行されていない場合であっても、検査モードから遊技モードに移行する構成としてもよい。
このような構成によれば、検査モードに移行した時点から10分が経過した場合には、検査モードから遊技モードに移行させるための所定の操作が実行されていない場合であっても、検査モードから遊技モードに移行するように構成されているので、所定の操作の実行がされずに遊技モードに復帰しないことを確実に抑制することができる。例えば、パチンコ機10の検査者が検査モードにおいて出力される遊技履歴情報によって当該パチンコ機10の特性を検査した後、所定の操作の実行を失念してしまった場合であっても、検査モードに移行した時点から10分が経過すれば遊技モードに復帰するので、パチンコ機10が遊技進行処理を実行可能な遊技モードに復帰せずに遊技者が当該パチンコ機10で遊技をできないといった状況の発生を抑制することができる。
なお、自動復帰条件は、検査モードに移行した時点から10分が経過したという条件に限らず、他の態様であってもよい。例えば、検査モードに移行した時点から5分が経過したという条件であってもよく、検査用端子65から検査機320が取り外された時点から10分が経過したという条件であってもよい。
また、検査モードから遊技モードに移行させるための所定の操作は、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作に限らず、他の態様であってもよい。例えば、モード切替ボタンを押下するという単独の操作であってもよい。
<態様16>
上記第1実施形態及び上記の他の態様において、主側RAM64を初期化するためのRAMクリアボタンを主制御装置60に設け、RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作(以下では「消去用操作」とも呼ぶ)が実行された場合に、主側RAM64に記憶されている情報を消去する(初期化する)構成としてもよい。
さらに、主制御装置60が遊技モードと検査モードとを切り替えて実行可能な構成としてもよい。そして、検査モードに移行後であって遊技モードに移行する前の状態、例えば、検査モード中の状態や、検査モードに移行後にそのまま電源がOFFになった状態では、RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという消去用操作が実行された場合であっても、主側RAM64に記憶された情報を消去しない構成としてもよい。
このような構成によれば、検査モードに移行後であって遊技モードに移行する前の状態では、主側RAM64に記憶されている情報を消去するための消去用操作が実行された場合であっても、主側RAM64に記憶された情報を消去しないので、検査モードに移行後であって遊技モードに移行する前の状態において、遊技モードに移行させようとして誤って消去用操作が実行されてしまった場合であっても、当該情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができる。
例えば、主側RAM64に記憶されている情報を消去するための消去用操作が、RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下する操作であり、遊技モードと検査モードとの間でモードを移行させるための操作が、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下する操作である構成においては、検査モードから遊技モードに移行させようとしてモード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するつもりが、誤ってRAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまう虞がある。しかしながら、この態様16の構成によれば、検査モードに移行後であって遊技モードに移行する前の状態では、誤ってRAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという消去用操作が実行されてしまった場合であっても、当該情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができる。
より具体的には、例えば、遊技モードから検査モードに移行する際に、遊技モードにおいて実行していた遊技進行処理を一時的に停止させるとともに、当該停止させた遊技進行処理を検査モードへの復帰後に再開させるための情報を主側RAM64に記憶させる構成を採用した場合において、検査モードから遊技モードに復帰させようとしてモード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するつもりが、誤ってRAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまった場合には、遊技進行処理を再開するための情報が消去されてしまい、検査モードへの復帰後に遊技進行処理を再開させることができなくなり、遊技者に不利益を与えてしまう虞がある。これに対して、この態様16の構成によれば、検査モードに移行後であって遊技モードに移行する前の状態において、遊技モードに移行させようとして誤ってRAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまった場合であっても、主側RAM64に記憶された情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができるので、遊技者に不利益を与えてしまうことを抑制することができる。
なお、主側RAM64に遊技履歴情報を記憶する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技履歴情報を記憶するための専用のメモリを別途設けなくてもよいため、パチンコ機10の製造コストを低減することができる。
また、消去用操作が実行された場合には、パチンコ機10の状態(電源のオン、オフの状態や、遊技モードか検査モードかといった状態)に関わらず、主側RAM64に記憶された遊技履歴情報は消去されず、主側RAM64に記憶された遊技履歴情報以外の情報(遊技進行処理を再開するために記憶されている情報等)のみが消去される(初期化される)構成としてもよい。このような構成によれば、所定の規定範囲から逸脱した遊技履歴情報が意図的に消去されてしまうことを抑制することができる。
なお、消去用操作は、RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作に限らず、他の態様であってもよい。例えば、RAMクリアボタンを押下するという単独の操作であってもよい。
<態様17>
上記第1実施形態及び上記の他の態様のうち、主制御装置60が遊技モードと検査モードとを切り替えて実行可能な構成において、主制御装置60が遊技モードから検査モードに移行する際には、検査モードに移行して遊技進行処理が一時的に停止することを示すコマンドである遊技停止コマンドを音声発光制御装置90に対して送信するとともに、実行中であった遊技進行処理を検査モードにおいて一時的に停止させる構成としてもよい。具体的には、例えば、メイン表示部45における図柄の変動表示を実行中に検査モードに移行した場合には、メイン表示部45における表示を消灯させ、メイン表示部45における図柄の変動時間のカウントを停止する。また、主制御装置60が検査モードから遊技モードに移行する際には、遊技モードに移行して遊技進行処理が再開することを示すコマンドである遊技再開コマンドを音声発光制御装置90に対して送信する構成としてもよい。
そして、音声発光制御装置90は、遊技停止コマンドを受信した場合には、実行中の演出を一時的に停止させ、その後、遊技再開コマンドを受信した場合には、一時的に停止させていた演出を再開させる構成とする。このような構成によれば、主制御装置60が遊技モードと検査モードとの間で移行する場合であっても、主制御装置60が実行する遊技進行処理(例えば、メイン表示部45における図柄の変動表示処理)と、音声発光制御装置90が制御する演出(例えば、図柄表示装置41における図柄の変動表示処理)とを同期させることが可能となり、遊技モードへの移行後に遊技者が違和感を感じてしまうことを抑制することができる。
なお、音声発光制御装置90は、遊技停止コマンドを受信した場合であっても、実行中の演出を停止させない構成としてもよい。具体的には、例えば、図柄表示装置41における図柄の変動表示中に遊技停止コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41における図柄の変動表示の制御を継続したまま、図柄の変動表示のレイヤーの上に別の画像(例えば、黒色の画像)のレイヤーを表示させる構成とする。ただし、図柄表示装置41における図柄の変動表示の制御は継続しているため、黒色の画像のレイヤーの下では、図柄の変動表示が継続している。そして、図柄表示装置41における図柄の変動時間が経過した場合には、黒色の画像のレイヤーの下で図柄の変動表示は終了するが、図柄は停止せずに小さく揺れている態様となる。
そして、遊技再開コマンドを主制御装置60から受信した場合には、図柄の変動表示のレイヤーよりも上に表示されていた黒色の画像のレイヤーを取り除き、再び、図柄のレイヤーを表示させる。このとき、主制御装置60は、検査モードから遊技モードに移行(復帰)し、停止していた遊技進行処理(メイン表示部45における図柄の変動表示)を再開する。
そして、主制御装置60は、変動時間のカウントを停止していたメイン表示部45における図柄の変動表示を再開し、残りの変動時間が経過した場合、すなわち、メイン表示部45における図柄の変動を停止させるタイミングになった場合には、音声発光制御装置90に対して図柄停止コマンドを送信する。当該図柄停止コマンドを受信した音声発光制御装置90は、表示制御装置100に対して図柄停止コマンドを送信し、表示制御装置100は、図柄表示装置41において小さく揺れた態様で表示されていた図柄を完全に停止させる。
このような構成によれば、主制御装置60が検査モード中には、メイン表示部45における表示は消灯し、図柄表示装置41における表示は黒色の画像となる。そして、主制御装置60が検査モードから遊技モードに移行すると、変動時間のカウントを停止していたメイン表示部45における図柄の変動表示が再開され、図柄表示装置41における図柄は変動表示している態様又は小さく揺れている表示態様となる。そして、メイン表示部45における図柄が停止するタイミングで図柄表示装置41における図柄も停止することになる。すなわち、メイン表示部45における図柄の変動表示と図柄表示装置41における図柄の変動表示とを同期させることが可能となる。また、遊技停止コマンドを受信した場合であっても実行中の演出の制御を停止させないので、実行中の演出の制御を一時的に停止させることによる不具合の発生を抑制することができる。不具合としては、例えば、一時的に演出の制御を停止させた状態から演出の制御を再開すると、複数の演出を実行していた場合において当該複数の演出のタイミングにずれが生じたり、図柄表示装置41に表示される動画とスピーカー46から出力される音声とにずれが生じたりすること等が挙げられる。
なお、メイン表示部45における図柄の変動を停止させるタイミングになった場合であっても主制御装置60が音声発光制御装置90に対して図柄停止コマンドを送信しない構成を採用した場合には、図柄表示装置41における図柄の変動表示は、小さく揺れている態様が継続することになり、その後に主制御装置60から送信される変動コマンドや、保留情報が記憶されていない場合に送信される待機コマンドを受信することによって図柄表示装置41における図柄が停止することになる。
<態様18>
上記第1実施形態及び上記の他の態様において、所定時刻になったことを契機として当該パチンコ機10に記憶されている遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示する構成としてもよい。具体的には、例えば、午後11時10分になったことを契機として遊技モードから検査モードに移行するとともに、当該パチンコ機10の遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技ホールの閉店後である午後11時10分頃に、各パチンコ機10の遊技履歴情報が図柄表示装置41に表示された状態となるので、パチンコ機10の検査者は、各パチンコ機10を遊技モードから検査モードに移行させる手間をかけることなく、遊技ホールの閉店後に、速やかに多くのパチンコ機10の遊技履歴情報を検査、確認することが可能となる。
また、ホールコンピュータから所定の信号を受信したことを契機として当該パチンコ機10に記憶されている遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示する構成としてもよい。このような構成によれば、例えば、遊技ホールに設置された全てのパチンコ機10を一斉に検査モードに移行させるとともに、各パチンコ機10の遊技履歴情報をそれぞれの図柄表示装置41に表示させることができるので、パチンコ機10の検査者は、各パチンコ機10を遊技モードから検査モードに移行させる手間をかけることなく、速やかに多くのパチンコ機10の遊技履歴情報を検査、確認することが可能となる。
<態様19>
上記第1実施形態及び上記の他の態様において、遊技履歴情報を常に図柄表示装置41に表示する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技者や検査者は常に遊技履歴情報を確認することができるので、遊技履歴情報が所定の範囲から逸脱している等の異変が生じた場合に、早急に当該異変に気付くことが可能となる。この結果、遊技の健全性を早急に確保することが可能となる。
<態様20>
上記第1実施形態及び上記の他の態様において、7つの発光ダイオードによって構成された7セグメント表示器をパチンコ機10の背面に設け、当該7セグメント表示器に当該パチンコ機10に記憶されている遊技履歴情報に関連した情報を表示する構成としてもよい。例えば、主制御装置60が上述した遊技モードから検査モードに移行した際に、当該パチンコ機10に記憶されている役物比率や払出比率(通常モード時)等が所定の範囲内であるか否かを7セグメント表示器に表示させる構成としてもよい。
より具体的には、例えば、主制御装置60が遊技モードから検査モードに移行すると、役物比率に関する表示を行なうことを示す「1」が7セグメント表示器に表示された後、当該役物比率が所定の範囲内である場合(具体的には、役物比率が0.700以下の場合)には、OKを意味する「O」が7セグメント表示器に表示され、一方、当該役物比率が所定の範囲内ではない場合には、エラーを示す「E」が7セグメント表示器に表示される構成としてもよい。役物比率に関する表示を行なった後、連続役物比率に関する表示を行なうことを示す「2」が7セグメント表示器に表示され、当該連続役物比率が所定の範囲内である場合(具体的には、連続役物比率が0.600以下の場合)には、OKを意味する「O」が7セグメント表示器に表示され、一方、当該連続役物比率が所定の範囲内ではない場合には、エラーを示す「E」が7セグメント表示器に表示される構成としてもよい。連続役物比率に関する表示を行なった後、払出比率(通常モード時)に関する表示を行なうことを示す「2」が7セグメント表示器に表示され、当該払出比率(通常モード時)が所定の範囲内である場合(具体的には、払出比率(通常モード時)が0.60から0.70の範囲内である場合)には、OKを意味する「O」が7セグメント表示器に表示され、一方、当該払出比率(通常モード時)が所定の範囲内ではない場合には、エラーを示す「E」が7セグメント表示器に表示される構成としてもよい。
このような構成によれば、役物比率等の遊技履歴情報を簡易的に速やかに検査することが可能となる。また、7セグメント表示器は消費電力が少ないため、パチンコ機10の電源がオフの状態であっても、パチンコ機10の内部に設けられたコンデンサやバッテリー等による少ない電力のみで遊技履歴情報を検査することが可能となる。
また、パチンコ機10に記憶されている遊技履歴情報に関連した情報を7セグメント表示器に常に表示させる構成としてもよい。このような構成によれば、遊技モードから検査モードに切り替えることなく、役物比率等の遊技履歴情報を簡易的に速やかに検査することが可能となる。また、検査モードを有さないパチンコ機10においても、役物比率等の遊技履歴情報を簡易的に速やかに検査することが可能となる。さらに、当該7セグメント表示器がパチンコ機10の背面に設けられている構成とすれば、当該7セグメント表示器が遊技者の視界に入らないので、遊技者が当該7セグメント表示器の表示が気になってしまい、遊技に集中できなくなってしまうことを抑制することができる。一方、パチンコ機10の検査者が当該パチンコ機10の遊技履歴情報を検査する場合には、ヒンジ15によって支持されているパチンコ機本体12を手前に回動させ、パチンコ機本体12の背面に設けられた7セグメント表示器の表示を確認すればよいため、役物比率等の遊技履歴情報を簡易的に速やかに検査することが可能となる。なお、7セグメント表示器の代わりに、7つ以外の個数の発光ダイオードによって構成されたセグメント表示器など、遊技履歴情報を認識可能な態様で表示可能な他の表示器を採用してもよい。
<態様21>
上記第1実施形態及び上記の他の態様において、音声発光制御装置90が遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。具体的には、例えば、主制御装置60の主側CPU62xが初期設定処理において主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを含む信号を音声発光制御装置90に送信する構成とし、音声発光制御装置90は、取得した賞球数データと、主制御装置60から送信される遊技球の入球情報とに基づいて遊技履歴情報を算出し、当該算出した遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示させる構成としてもよい。
このような構成によれば、音声発光制御装置90が主側ROM63の賞球数データ記憶エリアにアクセスすることができない構成や、音声発光制御装置90が主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データの記憶位置(メモリアドレス)を把握することができない構成であっても、音声発光制御装置90が主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを取得することが可能となり、遊技履歴情報を算出することが可能となる。また、主制御装置60の代わりに音声発光制御装置90が遊技履歴情報を算出するので、主制御装置60の処理負荷を大幅に低減させることができる。
<態様22>
上記第1実施形態及び上記の他の態様は、遊技モードから検査モードに移行可能なパチンコ機10に限らず、遊技モードから他のモードに移行可能な遊技機に対しても適用することができる。例えば、高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグの状態、記憶されている保留情報の内容等、遊技に関する処理の状態を表示可能な遊技状態表示モードを備える遊技機に対しても適用することができる。
<態様23>
上記第1実施形態及び上記の他の態様は、パチンコ機10に限らず、他の種別の遊技機に対しても適用することができる。例えば、パチンコ型スロットマシン等の回胴式遊技機に対しても適用することができる。具体的には、例えば、ボーナス時に当選して得た遊技メダルの枚数と、通常区間中に引いた子役で得られる遊技メダルの枚数と、ボーナスとは別の有利区間(AT、ART)中に得られる遊技メダルの枚数との比率を算出し、当該比率を液晶表示装置に表示する構成や、当該比率を検査機に出力し、当該検査機の表示部に当該比率を表示させる構成に対して適用することができる。
<態様24>
上記第1実施形態及び上記の他の態様において、ソフトウェアによって実現(CPUがプログラムを実行することによって実現)されている機能の一部又は全部をハードウェアによって実現する構成としてもよい。例えば、遊技履歴管理チップ300は、遊技履歴情報を算出するための演算処理を実行するために設計された専用のハードウェアを備える構成としてもよい。このような構成によれば、遊技履歴情報を算出するための演算処理を高速化することができるとともに、演算用のプログラムが不正に改竄されて正しい遊技履歴情報が算出されない等といった不正の発生を抑制することができる。なお、当該ハードウェアは、デジタル回路で構成されていてもよく、アナログ回路で構成されていてもよい。アナログ回路で構成されていれば、デジタル回路よりもさらに演算処理を高速化することができる。
<態様25>
上記第1実施形態及び上記の態様1から態様24に含まれる1又は複数の構成を適宜差し替えたり組み合わせた構成を採用してもよい。また、上記第1実施形態及び上記の態様1から態様24に含まれる1又は複数の構成と第1実施形態以外の実施形態に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよい。また、上記第1実施形態及び上記の態様1から態様24に含まれる構成のうち、必須でない構成は、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜省略することが可能である。
B.第2実施形態:
B1.遊技機の構造:
図26は、第2実施形態におけるパチンコ機10の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる大当たり抽選時、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
また、上皿20の周縁部の正面視左側には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
なお、本実施形態においては、遊技球発射ボタン26は、上皿20の周縁部の正面視左側に配置される構成を採用したが、遊技球発射ボタン26が他の位置に配置される構成を採用してもよい。例えば、遊技球発射ボタン26を、ウェイトボタン25bと同様に、操作ハンドル25の内部(周縁部)に配置する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技者が、操作ハンドル25、ウェイトボタン25b、遊技球発射ボタン26を、右手のみで操作することを可能にする。
図27は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口である。第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30の右側に設けられている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。また、第2始動口34には、電動役物34aが設けられている。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行う。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35を遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aと、当該大入賞口36aを開閉する開閉扉36bとを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入球できない閉鎖状態となっている。第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球すると、主制御装置60は、大当たり抽選(内部抽選)を実行する。大当たり抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選すると、パチンコ機10は、開閉実行モードに移行する。開閉実行モードとは、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉処理を実行するモードである。具体的には、可変入賞装置36の開閉扉36bは、開閉実行モードに移行すると、遊技球が入球できない閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に遷移するとともに、所定の条件が満たされた後に、再び、閉鎖状態に遷移する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAの流下を継続する態様も含まれる。ただし、以下の説明では、一般入賞口32、可変入賞装置36、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第1始動口33への遊技球の入球を契機として大当たり抽選が実行される遊技回を第1始動口用遊技回とも呼ぶ。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第2始動口34への遊技球の入球を契機として大当たり抽選が実行される遊技回を第2始動口用遊技回とも呼ぶ。
ここで、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間とも呼ぶ。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間とも呼び、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間とも呼ぶ。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cおよび第2保留表示部37dを備えている。
第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。本実施形態では、第1始動口33に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。本実施形態では、第2始動口34に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35の通過を契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了した場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、及びラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、可変表示ユニット40が備える表示装置の構成は、図柄表示装置41に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機とした図柄の変動表示又は所定の表示をすることに限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の演出表示なども行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図28は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図28(a)は、図柄表示装置41において変動表示される液晶用図柄を示す説明図である。液晶用図柄は、図柄表示装置41に表示される画像であって、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄および第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄に対応した図柄である。第1始動口33への遊技球の入球を契機とした遊技回が実行されている場合には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄に対応した液晶用図柄が表示面41aに表示され、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした遊技回が実行されている場合には、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄に対応した液晶用図柄が表示面41aに表示される。
図28(a)に示すように、図柄表示装置41には、液晶用図柄として、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図28(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、メイン表示領域MAが表示される。メイン表示領域MAには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図28(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図28(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による大当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、遊技回とは、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを言い、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報についての大当たり抽選の抽選結果を、遊技者に報知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1回の大当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄として図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
図28(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留遊技回の数に対応した表示がされる。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留遊技回の数に対応した表示がされる。保留遊技回とは、未実行の遊技回であって、第1始動口33または第2始動口34への入賞に基づいて取得された特別情報について、大当たり抽選の抽選結果を報知するための変動表示が開始されていない遊技回を言う。第1始動口33への入賞に基づいて保留可能な保留遊技回の数は4つである。従って、図示するように、第1保留表示領域Ds1には4つの保留遊技回に対応した保留表示が表示可能である。また、第2始動口34への入賞に基づいて保留可能な保留遊技回の数は4つである。従って、図示するように、第2保留表示領域Ds2には4つの保留遊技回に対応した保留表示が表示可能である。
また、図28(b)に示すように、表示面41aには、特図ユニット37の第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第1同期表示部Sync1と、特図ユニット37の第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第2同期表示部Sync2とを備える。具体的には、第1図柄表示部37aが変動表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点滅表示をし、第1図柄表示部37aが停止表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点灯表示をする。また、第2図柄表示部37bが変動表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点滅表示をし、第2図柄表示部37bが停止表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点灯表示をする。
なお、本実施形態においては、表示面41aは、メイン表示領域MA、液晶用普図表示領域NA、第1同期表示部Sync1、および、第2同期表示部Sync2を表示する構成としたが、表示面41aがこれらの表示の一部または全部を表示しない構成を採用してもよい。
B2.遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図29は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、主制御基板61の入力側には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36などの各種の入球口やスルーゲートに設けられた各種検知センサーが接続されている。主制御基板61のMPU62は、これらの検知センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲートを通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たり抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、開閉扉48aを開閉動作させる開閉扉駆動部48bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部44bの駆動制御を実行する。さらに、各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、主制御基板61の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入球判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への遊技球の入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。さらに、発射制御装置80には、遊技球発射ボタン26が接続されている。遊技者によって遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、第1液晶用図柄や第2液晶用図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄が停止表示している時間である停止時間は一定ある。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技回時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図30は、大当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が大当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、大当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。大当たり種別を振り分ける際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
また、RAM64には保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaと第2保留エリアRbとが設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。また、第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに時系列的に記憶される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように大当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜1199)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。また、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、第1始動口33または第2始動口34に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。そして、実行エリアAEに移動した大当たり乱数カウンタC1は、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜39の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、大当たり抽選の結果が大当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、大当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、大当たり抽選の結果が大当たりとなり、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図28(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とを、MPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電動役物用実行エリア64eに移動した後、電動役物用実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0,1であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=2〜465であれば、電動役物34aを閉鎖状態に維持する。
なお、取得された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、電動役物開放カウンタC4の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つが本発明における特別情報に相当する。また、第1保留エリアRaおよび第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つを保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、大当たり乱数カウンタC1に基づいて大当たり抽選を行う際に、当該大当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。パチンコ機10には、大当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されており、低確率モード時における大当たり抽選の際には低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モード時における大当たり抽選の際には高確率モード用の当否テーブルが参照される。
図31は、当否テーブルの内容を示す説明図である。図31(a)は低確率モード用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図31(b)は高確率モード用の当否テーブルを示している。
図31(a)に示すように、低確率モード用の当否テーブルには、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜4の5個の値以外の値(5〜1199)が外れである。一方、図31(b)に示すように、高確率モード用の当否テーブルには、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜15の16個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜15の16個の値以外の値が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、大当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
また、本実施形態では、低確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。ただし、大当たり抽選の結果、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たりとなる確率が高くなるのであれば、大当たりとして設定されている乱数の数及び値は任意である。
なお、本実施形態における当否テーブルにおいては採用していないが、大当たり抽選の結果として「小当たり」を設けてもよい。
「小当たり」とは、可変入賞装置36の開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機とはなるが、抽選モードおよびサポートモードの両方について、移行契機とならない当否結果である。これに対して、「外れ」は、開閉実行モードの移行契機とはならず、さらに、抽選モードおよびサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
次に、大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉回数(ラウンド数)
(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(3)開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モード(低確率モード又は高確率モード)
上記の(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への遊技球の入球(入賞)の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放は30秒が経過するまで又は開閉扉36bへの遊技球の入球個数が10個となるまで継続するように設定することができる。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放が1.6秒が経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が10個となるまで継続するよう設定することができる。
開閉扉36bの1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入球の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入賞が発生しない構成としてもよい。
なお、本実施形態においては、開閉実行モードとして複数種類の入賞モードは設けておらず、開閉実行モード中は、上述した高頻度入賞モードとなる。すなわち、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放は、30秒が経過するまで又は開閉扉36bへの遊技球の入球個数が10個となるまで継続するように設定される。
本実施形態では、大当たり抽選の結果、大当たりとなった場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、大当たり種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図32は、振分テーブルの内容を示す説明図である。図32(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図32(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。第1始動口用の振分テーブルは、第1始動口33への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の際に参照され、第2始動口用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の際に参照される。
図32(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口33に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たりが設定されている。
16R確変大当たり及び8R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが高確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
16R通常大当たり及び8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが低確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜13」が16R確変大当たりに対応しており、「14〜27」が8R通常大当たりに対応しており、「28〜33」が16R通常大当たりに対応しており、「34〜39」が8R通常大当たりに対応している。
上記のように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの種別として、4種類の大当たりが設定されている。したがって、大当たりの態様が多様化する。この4種類の大当たりを比較した場合、遊技者にとっての有利度合は、16R確変大当たりが最も高く、8R確変大当たりが次に高く、次に16R通常大当たり、最後に8R通常大当たりと続く。このように遊技者にとって有利度の異なる複数種類の大当たりが設定されていることにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
図32(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口34に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R通常大当たりが設定されている。第2始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜27」が16R確変大当たりに対応しており、「28〜39」が8R通常大当たりに対応している。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりとなった場合の大当たり種別の振分態様は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合と、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して遊技球の発射が同様の態様で継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、本実施形態におけるパチンコ機10は、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aの1回の開放時間が長く設定されている。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われるまでに確保される時間が相対的に短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
図33は、電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図33(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図33(a)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0、1の2個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として2〜465の464個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、1/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.4秒である。
図33(b)は、高頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図33(b)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0〜461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462〜465の4個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.6秒である。
このように、電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなるように設定されている。
B3.遊技機による処理の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。
図34は、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明するタイミングチャートである。パチンコ機10は、大当たり抽選において大当たりに当選すると、開閉実行モードに移行する。本実施形態では、開閉実行モードは、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉処理が開始するまでの期間であるオープニング期間と、開閉扉36bの開閉処理を実行する期間である開閉処理期間と、開閉扉36bの開閉処理が終了した後の期間であるエンディング期間とによって構成されている。本実施形態では、開閉処理期間の開始直後に開閉扉36bの1回目の開放が開始される。
まず、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理について図34の(A)を参照して説明する。
図34の(A)に示すように、パチンコ機10の主制御装置60は、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードに移行する場合には、オープニング期間の長さを10秒に設定してオープニング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、オープニング期間が開始したことを示すオープニングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信すると、主制御装置60のサポートモードの状態(遊技状態)に関わらず、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。すなわち、音声発光制御装置90は、1つのコマンドに対して2つの処理(本実施形態では2つの演出)を連続的に実行するように設定する。オープニング演出は、開閉実行モードに移行したことによって可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉処理が開始することを遊技者に対して示唆する演出である。右打ち報知演出は、遊技者に対して「右打ち」を推奨することを示唆する演出である。右打ち報知演出を認識した遊技者は、「左打ち」から「右打ち」に変更した方がよいことを理解することができる。
ここで、「右打ち」とは、操作ハンドル25の回動操作量を所定以上とすることによって遊技球を遊技球発射機構81から所定以上の速さ(発射強度、勢い)で発射させ、発射させた遊技球を遊技領域PAの右側の領域に流通させる打ち方である。一方、「左打ち」とは、操作ハンドル25の回動操作量を所定未満とすることによって遊技球を遊技球発射機構81から所定未満の速さ(発射強度、勢い)で発射させ、発射させた遊技球を遊技領域PAの左側の領域に流通させる打ち方である。
本実施形態のパチンコ機10では、遊技領域PAの右側の領域に可変入賞装置36が設けられている。開閉実行モード中は、可変入賞装置36の開閉扉36bが開閉するので、可変入賞装置36の内部に設けられた大入賞口36aに遊技球を入球させることが可能となる。したがって、可変入賞装置36の開閉扉36bが開閉する開閉実行モード中においては、遊技球を遊技領域PAの右側の領域に流通させる打ち方である「右打ち」が推奨される。このため、オープニング演出の後に右打ち報知演出が実行される。
音声発光制御装置90は、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定させるためのオープニング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、オープニング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からオープニング演出コマンドを受信すると、主制御装置60のサポートモードの状態(遊技状態)に関わらず、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。すなわち、表示制御装置100は、1つのコマンドに対して2つの処理(本実施形態では2つの演出)を連続的に実行するように設定する。その後、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。このように、オープニング演出は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100が協働することによって実行される。以下に説明する右打ち報知演出やラウンド演出等の他の演出も同様に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100が協働することによって実行される。
音声発光制御装置90は、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了すると、オープニング演出の次に実行するように設定されている右打ち報知演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、右打ち報知演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、右打ち報知演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。同様に、表示制御装置100は、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了すると、オープニング演出の次に実行するように設定されている右打ち報知演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、右打ち報知演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、10秒に設定されたオープニング期間が終了すると、開閉処理期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、開閉処理期間が開始したことを示す開放開始コマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、3秒間の右打ち報知演出に対応した制御を終了した後、主制御装置60から開放開始コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定する。ラウンド演出は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉処理が実行されていることを遊技者に対して示唆する演出である。
音声発光制御装置90は、ラウンド演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、ラウンド演出を実行するように設定させるためのラウンド演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、ラウンド演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、3秒間の右打ち報知演出に対応した制御を終了した後、音声発光制御装置90からラウンド演出コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定するとともに、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、ラウンド演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が所定回数に達して開閉処理期間が終了すると、エンディング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、エンディング期間が開始したことを示すエンディングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からエンディングコマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定する。エンディング演出は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉処理が終了したことを遊技者に対して示唆する演出である。
音声発光制御装置90は、エンディング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、エンディング演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、エンディング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からエンディング演出コマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定するとともに、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、エンディング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
なお、本実施形態では、開閉実行モードが終了すると、サポートモードが高頻度サポートモードに移行する。本実施形態では、遊技領域PAの右側の領域にスルーゲート35、電動役物34a、及び第2始動口34が設けられている。高頻度サポートモード中に遊技球がスルーゲート35を通過すると、電役開放抽選に高確率で当選して電動役物34aが開放状態となるため、第2始動口34に遊技球を入球させることが容易となる。したがって、本実施形態においては、電動役物34aが高確率で開放状態となる高頻度サポートモード中においても、遊技球を遊技領域PAの右側の領域に流通させる打ち方である「右打ち」が推奨される。本実施形態では、開閉実行モードにおいて右打ち報知演出を実行するため、多くの遊技者は、右打ち報知演出を認識して「右打ち」を実行することになる。そして、開閉実行モードにおいて「右打ち」を実行していた遊技者は、開閉実行モードが終了しても、高頻度サポートモード中においてそのまま「右打ち」を継続することになる。
次に、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理について図34の(B)を参照して説明する。上述した低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理との主な違いは、主制御装置60がオープニング期間の長さを6.95秒に設定し、開放開始コマンドの送信をオープニングコマンドの送信から6.95秒後に実行する点と、オープニングコマンドを受信した音声発光制御装置90がオープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定するという図34の(A)の場合(低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合)と同じ処理を実行するにも関わらず、オープニング演出の実行中であって右打ち報知演出の実行を開始する前に開放開始コマンドが受信されることによって当該右打ち報知演出を実行せずにラウンド演出を実行する点である。以下、具体的な処理について説明する。
図34の(B)に示すように、パチンコ機10の主制御装置60は、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードに移行する場合には、オープニング期間の長さを7秒に設定してオープニング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、オープニング期間が開始したことを示すオープニングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信すると、主制御装置60のサポートモードの状態(遊技状態)に関わらず、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。すなわち、音声発光制御装置90は、1つのコマンドに対して2つの処理(本実施形態では2つの演出)を連続的に実行するように設定する。音声発光制御装置90は、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定させるためのオープニング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、オープニング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からオープニング演出コマンドを受信すると、主制御装置60のサポートモードの状態(遊技状態)に関わらず、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。すなわち、表示制御装置100は、1つのコマンドに対して2つの処理(本実施形態では2つの演出)を連続的に実行するように設定する。その後、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
音声発光制御装置90は、上述したように、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了すると、オープニング演出の次に実行するように設定されている右打ち報知演出に対応した制御を開始するように構成されている。同様に、表示制御装置100は、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了すると、オープニング演出の次に実行するように設定されている右打ち報知演出に対応した制御を開始するように構成されている。ただし、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードに移行した場合には、主制御装置60は、6.95秒に設定されたオープニング期間が終了すると、開閉処理期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、開閉処理期間が開始したことを示す開放開始コマンドを送信する。この結果、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した制御を実行中であって右打ち報知演出に対応した制御を開始する前に主制御装置60から開放開始コマンドを受信することになる。開放開始コマンドを受信した音声発光制御装置90は、実行中のオープニング演出に対応した制御を終了し、ラウンド演出を実行するように設定する。すなわち、右打ち報知演出が実行されるように設定されていたにも関わらず、音声発光制御装置90による右打ち報知演出の制御の開始がキャンセルされることになる。
音声発光制御装置90は、ラウンド演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、ラウンド演出を実行するように設定させるためのラウンド演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、ラウンド演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、オープニング演出に対応した制御を実行中であって右打ち報知演出に対応した制御を開始する前に音声発光制御装置90からラウンド演出コマンドを受信する。ラウンド演出コマンドを受信した表示制御装置100は、実行中のオープニング演出に対応した制御を終了し、ラウンド演出を実行するように設定する。その後、表示制御装置100は、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、ラウンド演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。すなわち、右打ち報知演出が実行されるように設定されていたにも関わらず、表示制御装置100による右打ち報知演出の制御の開始がキャンセルされることになる。
主制御装置60は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が所定回数に達して開閉処理期間が終了すると、エンディング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、エンディング期間が開始したことを示すエンディングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からエンディングコマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、エンディング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、エンディング演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、エンディング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からエンディング演出コマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定するとともに、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、エンディング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
このように、本実施形態では、遊技者が「左打ち」を実行している低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合にはオープニング演出及び右打ち報知演出を実行するので、開閉実行モードに移行したこと及び「右打ち」を推奨することを遊技者に示唆することができるとともに、遊技者が既に「右打ち」を実行している高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合には右打ち報知演出を実行しないので、遊技にスピード感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、開閉実行モード中ではなく、かつ、高頻度サポートモード中でもない状態では、可変入賞装置36の開閉扉36bは開放せず、また、電動役物34aもほとんど開放しないので、遊技球を第1始動口33に入球させることが可能な「左打ち」が推奨される。したがって、本実施形態では、開閉実行モードが終了し、その後、高頻度サポートモードが終了して低頻度サポートモードに移行した際に、「右打ち」から「左打ち」に変更することを推奨する左打ち報知演出を実行する。
次に、比較例のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。
図35は、比較例のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明するタイミングチャートである。上述した実施形態のパチンコ機10が実行する処理との主な違いは、音声発光制御装置90がオープニングコマンドを受信した場合にオープニング演出のみを実行するように設定する点と、音声発光制御装置90に右打ち報知演出を実行させる場合には主制御装置60が右打ち報知コマンドを音声発光制御装置90に対して送信する点である。以下、具体的に説明する。
まず、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理について図35の(A)を参照して説明する。
図35の(A)に示すように、比較例のパチンコ機10の主制御装置60は、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードに移行する場合には、オープニング期間の長さを10秒に設定してオープニング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、オープニング期間が開始したことを示すオープニングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信すると、7秒間のオープニング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、オープニング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、オープニング演出を実行するように設定させるためのオープニング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、オープニング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からオープニング演出コマンドを受信すると、7秒間のオープニング演出を実行するように設定するとともに、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合には、オープニング期間が開始してから7秒が経過したタイミングにおいて、音声発光制御装置90に対して、右打ち報知演出を実行するタイミングであることを示す右打ち報知コマンドを送信する。なお、後述するように、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合には、主制御装置60は、右打ち報知コマンドを送信しない。
音声発光制御装置90は、7秒間のオープニング演出に対応した制御を終了した後、主制御装置60から右打ち報知コマンドを受信すると、3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、右打ち報知演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、右打ち報知演出を実行するように設定させるための右打ち報知演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、右打ち報知演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、右打ち報知演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、右打ち報知演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、7秒間のオープニング演出に対応した制御を終了した後、音声発光制御装置90から右打ち報知演出コマンドを受信すると、3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定するとともに、右打ち報知演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、右打ち報知演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、10秒に設定されたオープニング期間が終了すると、開閉処理期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、開閉処理期間が開始したことを示す開放開始コマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、3秒間の右打ち報知演出に対応した制御を終了した後、主制御装置60から開放開始コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、ラウンド演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、ラウンド演出を実行するように設定させるためのラウンド演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、ラウンド演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、3秒間の右打ち報知演出に対応した制御を終了した後、音声発光制御装置90からラウンド演出コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定するとともに、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、ラウンド演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が所定回数に達して開閉処理期間が終了すると、エンディング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、エンディング期間が開始したことを示すエンディングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からエンディングコマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、エンディング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、エンディング演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、エンディング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からエンディング演出コマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定するとともに、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、エンディング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
次に、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理について図35の(B)を参照して説明する。上述した低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理との主な違いは、主制御装置60がオープニング期間の長さを7秒に設定する点と、主制御装置60が右打ち報知コマンドを音声発光制御装置90に対して送信しない点と、開放開始コマンドの送信をオープニングコマンドの送信から7秒後に実行する点である。以下、具体的な処理について説明する。
図35の(B)に示すように、比較例のパチンコ機10の主制御装置60は、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードに移行する場合には、オープニング期間の長さを7秒に設定してオープニング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、オープニング期間が開始したことを示すオープニングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信すると、7秒間のオープニング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、オープニング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、オープニング演出を実行するように設定させるためのオープニング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、オープニング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からオープニング演出コマンドを受信すると、7秒間のオープニング演出を実行するように設定するとともに、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、10秒に設定されたオープニング期間が終了すると、開閉処理期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、開閉処理期間が開始したことを示す開放開始コマンドを送信する。なお、主制御装置60は、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合であるため、上述した図35の(A)に示した場合と異なり、音声発光制御装置90に対して、右打ち報知コマンドを送信しない。このため、図35の(B)に示した例では、右打ち報知演出が実行されない。
音声発光制御装置90は、7秒間のオープニング演出に対応した制御を終了した後、主制御装置60から開放開始コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、ラウンド演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、ラウンド演出を実行するように設定させるためのラウンド演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、ラウンド演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、7秒間のオープニング演出に対応した制御を終了した後、音声発光制御装置90からラウンド演出コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定するとともに、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、ラウンド演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が所定回数に達して開閉処理期間が終了すると、エンディング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、エンディング期間が開始したことを示すエンディングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からエンディングコマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、エンディング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、エンディング演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、エンディング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からエンディング演出コマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定するとともに、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、エンディング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
以上説明したように、この比較例のパチンコ機10では、図35の(B)に示したように、オープニング演出及びラウンド演出の2つの演出を実行する場合には、主制御装置60は、オープニングコマンド及び開放開始コマンドの2つのコマンドを音声発光制御装置90に対して送信すればよいが、一方で、図35の(A)に示したように、オープニング演出、右打ち報知演出及びラウンド演出の3つの演出を実行する場合には、主制御装置60は、オープニングコマンド、右打ち報知コマンド及び開放開始コマンドの3つのコマンドを音声発光制御装置90に対して送信する必要がある。すなわち、比較例のパチンコ機10では、右打ち報知演出を実行する場合には、主制御装置60は、右打ち報知コマンドを送信する必要がある。
これに対して、上述した第2実施形態のパチンコ機10では、図34の(A)に示したように、オープニング演出、右打ち報知演出及びラウンド演出の3つの演出を実行する場合であっても、また、図34の(B)に示したように、右打ち報知演出は実行せずにオープニング演出及びラウンド演出の2つの演出を実行する場合であっても、主制御装置60は、オープニングコマンド及び開放開始コマンドの2つのコマンドを音声発光制御装置90に対して送信すればよい。すなわち、第2実施形態のパチンコ機10では、右打ち報知演出を実行する場合であっても、実行しない場合であっても、主制御装置60は、右打ち報知コマンドを送信しなくてよい。したがって、第2実施形態のパチンコ機10によれば、主制御装置60のコマンドの送信頻度を低減することができ、主制御装置60の処理負荷を低減することができる。そして、本実施形態によれば、図35の比較例に示した右打ち報知コマンドが不要となるため、主側ROM63のデータROMから、右打ち報知コマンドを記憶するために必要なデータ容量を削減することができる。さらに、主制御装置60が大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの状態(遊技状態)を判定し、当該判定結果に基づいて右打ち報知コマンドを送信するか否かを判定する処理が不要となるので、主制御装置60の処理時間を短縮することができるとともに、当該処理のためのプログラムが不要となるので、主側ROM63のプログラムROMから、当該処理を実現するプログラムを記憶するために必要な容量を削減することができる。
B4.主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する具体的な制御の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
各遊技回の遊技を進行させるために、主制御装置60の主側MPU62は、タイマ割込み処理および通常処理を実行する。主側MPU62は、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
図36は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップS20101では、各種検知センサー67a〜67eの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサー67a〜67eの状態を読み込み、当該センサーの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。その後、ステップS20102に進む。
ステップS20102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS20103に進む。
ステップS20103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS20104に進む。
ステップS20104では、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。ステップS20104の始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップS20104を実行した後、ステップS20105に進む。
ステップS20105では、スルーゲート35への遊技球の入球に伴うスルーゲート用の入球処理を実行する。ステップS20105におけるスルーゲート用の入球処理の詳細については後述する。ステップS20105を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入球処理>
次に、始動口用の入球処理について説明する。始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図36:S20104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図37は、始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS20201では、遊技球が第1始動口33に入球(始動入球)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサーの検知状態により判定する。ステップS20201において、遊技球が第1始動口33に入球したと判定した場合には(S20201:YES)、ステップS20202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS20203に進む。
ステップS20203では、第1始動口33に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップS20204に進む。
ステップS20204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への遊技球の入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップS20209に進む。
ステップS20201において、遊技球が第1始動口33に入球していないと判定した場合には(S20201:NO)、ステップS20205に進み、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検知センサーの検知状態により判定する。
ステップS20205において、遊技球が第2始動口34に入球したと判定した場合には(S20205:YES)、ステップS20206に進み、払出制御装置70に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS20207に進む。一方、ステップS20205において、遊技球が第2始動口34に入球していないと判定した場合には(S20205:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップS20207では、第2始動口34に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップS20208に進む。
ステップS20208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップS20209に進む。
ステップS20209では、上述したステップS20204又はステップS20208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップS20209において、始動保留個数Nが上限値未満ではない場合(S20209:NO)、すなわち、始動保留個数Nが上限値以上である場合には、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップS20209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(S20209:YES)、ステップS20210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップS20211に進み、合計保留個数記憶エリアに記憶された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップS20212に進む。
ステップS20212では、ステップS20103(図36)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS20210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに記憶する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS20103(図36)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS20210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに記憶する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS20103(図36)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS20210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに記憶する。ステップS20212を実行した後、ステップS20213に進む。
ステップS20213では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて、大当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップS20213を実行した後、ステップS20214に進む。
ステップS20214では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図40:ステップS20503)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主側MPU62は、ステップS20214を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入賞処理のサブルーチン(図37:S20213)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図38は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、大当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定などの判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップS20301では、始動口用の入球処理(図37)における始動口への遊技球の入球によって記憶エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。その後、ステップS20302に進み、今回の入球による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の入球よりも前の入球によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の入球による大当たり抽選よりも前に発生する確変大当たりの有無を判定することによって、今回の入球による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップS20302において、今回の入球による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(S20302:YES)、ステップS20303に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS20305に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップS20302において、今回の入球による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S20302:NO)、ステップS20304に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。その後、ステップS20305に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップS20305において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(S20305:YES)、ステップS20306に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに記憶された大当たり種別カウンタC2の値を読み出す。その後、ステップS20307に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、今回の振り分け対象となった大当たり種別カウンタC2が第1始動口33への遊技球の入球に基づいて取得されたものである場合には、第1始動口用振分テーブルを参照し、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得されたものである場合には、第2始動口用振分テーブルを参照する。ステップS20307を実行した後、ステップS20308に進む。
ステップS20308では、振分テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり種別カウンタC2の値が、確変大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップS20308において、確変大当たりに対応していると判定した場合には(S20308:YES)、ステップS20309に進み、先判定処理結果記憶エリア64fに確変大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS20308において、確変大当たりに対応していないと判定した場合には(S20308:NO)、ステップS20310に進み、先判定処理結果記憶エリア64fに通常大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。
ステップS20305において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(S20305:NO)、ステップS20311に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値を読み出す。その後、ステップS20312に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップS20313に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回読み出したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップS20313において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(S20313:YES)、ステップS20314に進み、先判定処理結果記憶エリア64fにリーチ発生情報を記憶させる。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS20313において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(S20313:NO)、そのまま先判定処理を終了する。
<スルーゲート用の入球処理>
次に、スルーゲート用の入球処理について説明する。スルーゲート用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図36:S20105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図39は、スルーゲート用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS20401では、遊技球がスルーゲート35に入球(通過)したか否かを判定する。ステップS20401において、遊技球がスルーゲート35に入球したと判定した場合には(S20401:YES)、ステップS20402に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入球数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップS20401において、スルーゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(S20401:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。
ステップS20402において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(S20402:YES)、ステップS20403に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップS20404に進む。
ステップS20404では、ステップS20103(図36)において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64cの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに記憶する。その後、スルー用の入球処理を終了する。
一方、ステップS20402において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(S20402:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値以上であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC4の値を記憶することなく、スルー用の入球処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図40は、通常処理を示すフローチャートである。ステップS20501では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップS20502に進む。
ステップS20502では、立ち上げコマンドを設定する。立ち上げコマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップS20503に進む。
ステップS20503では、ステップS20502において設定された立ち上げコマンドや、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、立ち上げコマンド、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS20503を実行した後、ステップS20504に進む。
ステップS20504では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS20505に進む。
ステップS20505では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップS20506に進む。ステップS20506では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、大当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップS20506を実行した後、ステップS20507に進む。
ステップS20507では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップS20508に進む。
ステップS20508では、第2始動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップS20509に進む。
ステップS20509では、待機状態が所定時間経過した場合にサブ側の各制御装置にデモ動画を開始させるための待機用処理を実行する。その後、ステップS20510に進む。
ステップS20510では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップS20503のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップS20510において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(S20510:NO)、ステップS20511及びステップS20512において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップS20511において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。また、ステップS20512において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。一方、ステップS20510において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(S20510:YES)、ステップS20503に戻り、ステップS20503からステップS20508までの各処理を実行する。
なお、ステップS20503からステップ507の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図40:S20506)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図41は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップS20601では、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、後述するように、大当たりに当選した遊技回における図柄の変動が終了し、開閉実行モードに移行するタイミングでONにされ、開閉実行モードが終了するタイミングでOFFにされる。
ステップS20601において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(S20601:YES)、開閉実行モード中であると判定し、ステップS20602以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップS20601において、開閉実行モード中ではないと判定した場合には(S20601:NO)、ステップS20602に進む。
ステップS20602では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eにおける変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップS20602において、メイン表示部45が変動表示中ではないと判定した場合には(S20602:NO)、ステップS20603〜ステップS20605の遊技回開始用処理に進む。ステップS20603では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップS20603において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(S20603:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS20603において、合計保留個数CRNが「0」でないと判定した場合には(S20603:NO)、ステップS20604に進む。
ステップS20604では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するためのデータ設定処理を実行し、ステップS20605に進む。データ設定処理の詳細は後述する。
ステップS20605では、メイン表示部45における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。その後、ステップS20606に進む。
ステップS20606では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードにおいて実行された遊技回の数をカウントするためのカウンタである。ステップS20606を実行した後、ステップS20607に進む。
一方、ステップS20602において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(S20602:YES)、ステップS20607に進む。
ステップS20607では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップS20607では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64d)に記憶されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、後述する変動時間の設定処理(図44)において設定される。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップS20607において、変動時間が経過していないと判定した場合には(S20607:NO)、ステップS20608に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する処理である。ステップS20608を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
ステップS20607において、変動時間が経過していると判定した場合には(S20607:YES)、ステップS20609に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理では、後述する変動開始処理(図43)において決定された停止図柄を、今回の遊技回の結果としてメイン表示部45に停止表示させる。ステップS20609を実行した後、ステップS20610に進む。
ステップS20610では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eに記憶されているいずれかの大当たりフラグがONであるか否かを判定する。大当たりフラグは、後述する変動開始処理(図43)において大当たりに当選した場合にONにされるフラグである。ステップS20610において、いずれかの大当たりフラグがONであると判定した場合には(S20610:YES)、ステップS20611に進み、開閉実行モードフラグをONにする。その後、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS20610において、いずれの大当たりフラグもONではないと判定した場合には(S20610:NO)、本遊技回制御処理を終了する。
<データ設定処理>
次に、データ設定処理について説明する。データ設定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図41:S20604)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図42は、データ設定処理を示すフローチャートである。ステップS20701では、データ設定処理を実行する処理対象である保留エリアが第1保留エリアRaであるか否かを判定する。具体的には、第1保留エリアRa(図269)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されている保留情報)の方が、第2保留エリアRb(図269)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されている保留情報)よりも先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第1保留エリアRaであると判定する。一方、第1保留エリアRa(図269)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報よりも、第2保留エリアRb(図269)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報の方が先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第2保留エリアRbであると判定する。すなわち、ステップS20701の処理を実行することにより、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された順に、保留情報を処理対象とすることができる。
ステップS20701において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaであると判定した場合には(ステップS20701:YES)、ステップS20702〜ステップS20707の第1保留エリア用のデータ設定処理を実行する。一方、ステップS20701において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップS20701:NO)、ステップS20708〜ステップS20713の第2保留エリア用のデータ設定処理を実行する。
ステップS20702では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップS20703に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップS20704に進む。ステップS20704では、第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS20705に進む。
ステップS20705では、第1保留エリアRaの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS20705を実行した後、ステップS20706に進む。
ステップS20706では、各種フラグ記憶エリア64eの第2図柄表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2図柄表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップS20707へ進む。
ステップS20707では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、データ設定処理を終了する。
ステップS20707において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図40)におけるステップS20503において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
ステップS20701において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップS20701:NO)、ステップS20708に進む。
ステップS20708では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップS20709に進む。ステップS20709では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップS20710に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS20711に進む。
ステップS20711では、第2保留エリアRbの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS20711を実行した後、ステップS20712に進む。
ステップS20712では、各種フラグ記憶エリア64eの第2図柄表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップS20713に進む。
ステップS20713では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS20713において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図40)におけるステップS20503において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図41:S20605)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図43は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS20801では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、確変大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、その後に通常大当たりに当選した場合にOFFにされる。ステップS20801において、高確率モードであると判定した場合には(S20801:YES)、ステップS20802に進む。
ステップS20802では、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図31(b)に示す高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS20804に進む。一方、ステップS20801において高確率モードではないと判定した場合には(S20801:NO)、ステップS20803に進む。
ステップS20803では、低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図31(a)に示す低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS20804に進む。
ステップS20804では、ステップS20802又はステップS20803における当否判定(大当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップS20804において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(S20804:YES)、ステップS20805〜ステップS20812において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理を実行する。
ステップS20805では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS20805において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(S20805:NO)、ステップS20806に進み、第1始動口用の振分テーブル(図271(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、ステップS20805において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(S20805:YES)、ステップS20807に進み、第2始動口用の振分テーブル(図271(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。ステップS20806又はステップS20807の処理を実行した後。ステップS20808に進む。
ステップS20808では、ステップS20806又はステップS20807において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップS20808において、遊技結果が確変大当たりであると判定した場合には(S20808:YES)、ステップS20809に進む。
ステップS20809では、確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。確変大当たり用の停止結果設定処理とは、確変大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS20806又はステップS20807において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS20809を実行した後、ステップS20810に進む。
ステップS20810では、ステップS20806又はステップS20807において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R確変大当たりである場合には16R確変フラグをONにし、8R確変大当たりである場合には8R確変フラグをONにする。その後、ステップS20814に進む。
ステップS20808において、ステップS20806又はステップS20807において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりでないと判定した場合には(S20808:NO)、すなわち、振り分けた大当たりの種別が通常大当たりである場合には、ステップS20811に進む。
ステップS20811では、通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。通常大当たり用の停止結果設定処理とは、通常大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS20806又はステップS20807において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS20811を実行した後、ステップS20812に進む。
ステップS20812では、ステップS20806又はステップS20807において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R通常大当たりである場合には16R通常フラグをONにし、8R通常大当たりである場合には8R通常フラグをONにする。その後、ステップS20814に進む。
ステップS20804において、ステップS20802又はステップS20803における大当たり抽選の結果が大当たり当選でない場合には(S20804:NO)、ステップS20813に進み、外れ時用の停止結果設定処理を実行する。外れ時用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS20813を実行した後、ステップS20814に進む。
ステップS20814では、変動時間の設定処理を実行する。変動時間の設定処理とは、大当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップS20814を実行した後、ステップS20815に進む。
ステップS20815では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS20815において、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(S20815:NO)、ステップS20816に進み、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS20814で設定された変動時間の情報が含まれている。一方、ステップS20815において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(S20815:YES)、ステップS20817に進み、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS20814で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップS20816又はステップS20817を実行した後、ステップS20818に進む。
ステップS20818では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、16R確変大当たりの情報、8R確変大当たりの情報、16R通常大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、又は、外れ結果の情報が含まれている。
ステップS20816〜ステップS20818にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図40)におけるステップS20503によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS20818を実行後、ステップS20819に進む。
ステップS20819では、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第1図柄表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2図柄表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第2図柄表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップS20819を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<変動時間の設定処理>
次に、変動時間の設定処理について説明する。変動時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図43:S20814)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図44は、変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップS20901では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタ用バッファに記憶されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS20902に進む。
ステップS20902では、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(S20902:YES)、ステップS20903に進む。
ステップS20903では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、大当たり抽選に当選した遊技回の変動時間は一定である。その後、ステップS20904に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS20902において、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選ではないと判定した場合には(S20902:NO)、ステップS20905に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。上記ステップS20902において今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選していない場合に本処理(S20905)を実行することから、ステップS20905においては、大当たり抽選に当選していない遊技回のうちリーチが発生する遊技回であるか否の判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合に、リーチが発生すると判定して(S20905:YES)、ステップS20906に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS20906では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、リーチ発生用の変動時間は一定である。その後、ステップS20904に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS20905において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S20905:NO)、ステップS20907に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップS20904に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、リーチ非発生用変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、合計保留個数CRNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動時間テーブル、通常大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図40:S20507)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図45は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップS21001では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、エンディング期間の開始時にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、開閉実行モードにおいてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップS21001において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(S21001:NO)、ステップS21002に進み、開閉処理期間フラグがONであるか否かを判定する。開閉処理期間フラグは、開閉処理期間の開始時にONにされ、開閉処理期間の終了時にOFFにされる。
ステップS21002において、開閉処理期間フラグがONではないと判定した場合には(S21002:NO)、ステップS21003に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。オープニング期間は、開閉実行モードにおいてオープニング演出を実行するための期間である。
ステップS21003において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(S21003:NO)、ステップS21004に進み、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける図柄の変動表示が終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS21004において、変動表示が終了したタイミングではないと判定した場合には(S21004:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS21004において、変動表示が終了したタイミングであると判定した場合には(S21004:YES)、ステップS21005に進み、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(S21005:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS21005において、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合には(S21005:YES)、ステップS21006に進み、高確率モードフラグをOFFにする。その後、ステップS21007に進む。なお、ステップS21006において、高確率モードフラグがOFFであった場合には、そのままステップS21007に進む。
ステップS21007では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、オープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、オープニング時間を決定する第3タイマカウンタエリアT3に所定の値を設定する。なお、第3タイマカウンタエリアT3は、RAM64の各種タイマカウンタエリア64dに設けられている。オープニング時間設定処理の詳細については後述する。ステップS21007を実行した後、ステップS21008に進む。
ステップS21008では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図40)におけるステップS20503にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、オープニングコマンドを受信したことに基づいて、オープニング演出及右打ち報知演出を実行するように設定し、これらの演出が順次実行されるように各種機器の制御を開始する。ステップS21008を実行した後、ステップS21009に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS21003において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(S21003:YES)、ステップS21010に進む。
ステップS21010では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、第3タイマカウンタエリアT3の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS21010において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(S21010:YES)、ステップS21011に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS21012に進む。
ステップS21012では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップS21012を実行した後、ステップS21013に進む。
ステップS21013では、今回の開閉実行モードのラウンド数を設定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(16R確変フラグ、8R確変フラグ、16R通常フラグ、8R通常フラグ)を確認するとともに、フラグに対応するラウンド数を、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1にセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、開閉扉36bが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。ステップ13913を実行した後、ステップS21014に進む。
ステップS21014では、開閉処理期間フラグをONにする。その後、ステップS21015に進み、開放開始コマンドを設定する。設定された開放開始コマンドは、通常処理(図40)におけるステップS20503にて、音声発光制御装置90に送信される。この開放開始コマンドには、今回の開閉実行モードのラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90は、受信した開放開始コマンドに基づいて、ラウンド数に対応した内容のラウンド演出を実行するように設定し、設定した内容のラウンド演出が実行されるように各種機器の制御を開始する。ステップS21015を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS21002において、開閉処理期間フラグがONであると判定した場合には(S21002:YES)、ステップS21016に進み、大入賞口開閉処理を実行する。具体的には、大入賞口36aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部36cを駆動状態とすることで大入賞口36aを開放させる。また、大入賞口36aが開放中である場合には、当該大入賞口36aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数の遊技球が入球していることを条件として、可変入賞駆動部36cの駆動状態を停止し、大入賞口36aを閉鎖させる。大入賞口開閉処理の詳細は後述する。ステップS21016を実行した後、ステップS21017に進む。
ステップS21017では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S21016:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S21017:YES)、ステップS21018に進み、開閉処理期間フラグをOFFにする。ステップS21018を実行した後、ステップS21019に進む。
ステップS21019では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップS21019を実行した後、ステップS21020に進む。
ステップS21020では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、エンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のエンディング期間において同じ一定の長さのエンディング時間を設定する。具体的には、エンディング時間を決定する第4タイマカウンタエリアT4に「3000」(すなわち、6sec)を設定する。なお、第4タイマカウンタエリアT4は、RAM64の各種タイマカウンタエリア64dに設けられている。ステップS21020を実行した後、ステップS21021に進む。
ステップS21021では、エンディングコマンドを設定する。設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図40)におけるステップS20503において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、エンディングコマンドを受信したことに基づいて、エンディング演出を実行するように設定し、エンディング演出が実行されるように各種機器の制御を開始する。ステップS21021を実行した後、ステップS21022に進む。
ステップS21022では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS21001において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(S21001:YES)、ステップS21023に進む。
ステップS21023では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(S21019)において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS21023において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」ではないと判定した場合には(S21023:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、ステップS21023において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であると判定した場合には(S21023:YES)、ステップS21024に進む。
ステップS21024では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS21025に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、今回のエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップS21025を実行した後、ステップS21026に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
<オープニング時間設定処理>
次に、オープニング時間設定処理について説明する。オープニング時間設定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図45:S21007)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図46は、オープニング時間設定処理を示すフローチャートである。ステップS21101では、高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップS21101において、高頻度サポートモードフラグがONではないと判定した場合、すなわち、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードに移行した場合には(S21101:NO)、ステップS21102に進み、第3タイマカウンタエリアT3に10秒に相当する「5000」の値をセット(設定)し、本オープニング時間設定処理を終了する。
一方、ステップS21101において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合、すなわち、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードに移行した場合には(S21101:YES)、ステップS21103に進み、第3タイマカウンタエリアT3に6.95秒に相当する「3475」の値をセット(設定)し、本オープニング時間設定処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図45:S21016)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図47は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップS21201では、大入賞口36aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部36cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップS21201において、大入賞口36aが開放中でないと判定した場合には(S21201:NO)、ステップS21202に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS21202において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S21202:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS21202において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S21202:NO)、ステップS21203に進む。
ステップS21203では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS21203において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S21203:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS21203において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S21203:YES)、ステップS21204に進み、大入賞口36aを開放するために可変入賞駆動部36cを駆動状態とする。その後、ステップS21205に進む。
ステップS21205では、各ラウンド用の設定処理を実行する。本実施形態におけるパチンコ機10の場合、設定されている入賞モードは全て高頻度入賞モードであるので、第1タイマカウンタエリアT1に「15000」(すなわち30sec)をセットする。さらに、大入賞口36aへの遊技球の入賞数をカウントするために、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた入賞カウンタエリアPCに「10」をセットする。第1タイマカウンタエリアT1にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。なお、仮にパチンコ機10に低頻度入賞モードが設定されている場合には、例えば、第1タイマカウンタエリアT1に「100」(すなわち0.2sec)をセットするとともに、入賞カウンタエリアPCに「6」をセットしてもよい。ステップS21205を実行した後、ステップS21206に進む。
ステップS21206では、開放コマンドを設定する。その後、本大入賞口開閉処理を終了する。なお、開放コマンドは、大入賞口36aの開放が開始されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図40:ステップS20503)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。
ステップS21201において、大入賞口36aが開放中であると判定した場合には(ステップS21201:YES)、ステップS21207に進み、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの開放継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS21207において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S21207:NO)、ステップS21208に進む。
ステップS21208では、大入賞口36aに遊技球が入球したか否かを、可変入賞装置36に対応した検知センサーの検知状態により判定する。ステップS21208において、入球が発生していないと判定した場合には(S21208:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS21208において、入球が発生していると判定した場合には(S21208:YES)、ステップS21209に進み、入賞カウンタエリアPCの値を1減算する。その後、ステップS21210に進む。
ステップS21210では、入賞カウンタエリアPCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS21210において、入賞カウンタエリアPCの値が「0」でないと判定した場合には(S21210:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS21207において第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S21207:YES)、又は、ステップS21210において入賞カウンタエリアPCの値が「0」であると判定した場合には(S21210:YES)、ステップS21211に進み、大入賞口閉鎖処理を実行する。具体的には、大入賞口36aを閉鎖するために可変入賞駆動部36cを非駆動状態とする。その後、ステップS21212に進む。
ステップS21212では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算する。その後、ステップS21213に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS21213において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S21213:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS21213において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S21213:NO)、第1タイマカウンタエリアT1に「1000」(すなわち2sec)をセットする。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS21214を実行した後、ステップS21215に進み、閉鎖コマンドを設定する。その後、大入賞口開閉処理を終了する。
この設定された閉鎖コマンドは、大入賞口36aの開放が終了したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図40:ステップS20503)において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記閉鎖コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図45:S21024)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図48は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップS21301では、大当たり種別フラグとしての確変大当たりに対応するフラグがONであるか否かを判定する。すなわち、RAM64の16R確変フラグ又は8R確変フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS21301において、RAM64の16R確変フラグ又は8R確変フラグがONであると判定した場合には(S21301:YES)、ステップS21302に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16通常フラグ、8R通常フラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。ステップS21302を実行した後、ステップS21303に進む。
ステップS21303では、高確率モードフラグをONにし、その後、ステップS21304に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが高確率モードであり、且つ、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。その後、ステップS21305に進む。
ステップS21305では、当否抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップS21309に進む。
一方、ステップS21301において、RAM64の16R通常フラグ又は8R通常フラグがONであると判定した場合には(S21301:NO)、ステップS21306に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16通常フラグ、8R通常フラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。その後、ステップS21307に進む。
ステップS21307では、高頻度サポートモードフラグをONにした後、ステップS21308に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。遊技回数カウンタPNCにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。その後、ステップS21309に進む。
ステップS21309では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図40:S20508)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図49は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップS21401では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップS21401において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(S21401:NO)、ステップS21402に進む。
ステップS21402では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップS21402において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(S21402:NO)、ステップS21403に進む。
ステップS21403では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップS21403において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S21403:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S21403:YES)、ステップS21404に進む。
ステップS21404では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS21404において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(S21404:YES)、ステップS21405に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップS21404において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(S21404:NO)、ステップS21406に進む。
ステップS21406では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップS21406において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(S21406:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS21406において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(S21406:YES)、ステップS21407に進む。
ステップS21407では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップS21408に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS21407において開閉実行モードではなく(S21407:NO)、且つ、ステップS21408において高頻度サポートモードである場合には(S21408:YES)、ステップS21409に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップS21410に進む。
ステップS21410では、ステップS21409の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS21410において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(S21410:YES)、ステップS21411に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、ステップS21412に進む。一方、ステップS21410において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(S21410:NO)、ステップS21411の処理を実行することなく、ステップS21412に進む。
ステップS21412では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。ステップS21412において、当否抽選モードが低確率モードであると判定した場合には(S21412:YES)、ステップS21413に進む。一方、ステップS21412において、当否抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S21412:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
ステップS21413では、遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1減算される。ステップS21413において、遊技回数カウンタエリアが「0」でないと判定した場合には(S21413:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS21413において、遊技回数カウンタエリアが「0」であると判定した場合には、ステップS21414に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS21415に進む。
ステップS21415では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、電役サポート用処理を終了する。
ステップS21415にて設定された低頻度サポートモードコマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図40:ステップS20503)にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、低頻度サポートモードコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
ステップS21407において開閉実行モードであると判定した場合(S21407:YES)、又は、ステップS21418において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(S21408:NO)、ステップS21416に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップS21417に進む。
ステップS21417では、ステップS21416の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS21417において、サポート当選でないと判定した場合には(S21417:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS21417において、サポート当選であると判定した場合には(S21417:YES)、ステップS21418に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS21402において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(S21402:YES)、ステップS21419に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS21419において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S21419:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS21419において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S21419:YES)、ステップS21420に進む。
ステップS21420では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップS21421に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS21401において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(S21401:YES)、ステップS21422に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉制御処理>
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図49:S21422)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図50は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップS21501では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(S21501:YES)、ステップS21502に進む。
ステップS21502では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS21502において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S21502:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS21502において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S21502:YES)、ステップS21503に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップS21503を実行した後、ステップS21504に進む。
ステップS21504では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップS21505に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS21505において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(S21505:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS21505において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(S21505:YES)、ステップS21506に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS21501において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(S21501:NO)、ステップS21507に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS21507において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(S21507:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS1507において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(S21507:YES)、ステップS21508に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップS21509に進む。
ステップS21509では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S21509:NO)、ステップS21510に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップS21510において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S21510:YES)、ステップS21511に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップS21509において開閉実行モードであると判定した場合(S21509:YES)、又は、ステップS21510において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(S21510:NO)、ステップS21512に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
B5.音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図51は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。
音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置60が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、演出操作ボタン24、スピーカー46、各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
B6.音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音声発光制御装置90のMPU92において実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図52は、音声発光制御装置90のMPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS21601では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップS21601を実行した後、ステップS21602に進む。
ステップS21602では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理は、主側MPU62から受信したコマンドに対応して実行される処理である。コマンド対応処理の詳細は後述する。ステップS21602を実行した後、ステップS21603に進む。
ステップS21603では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップS21602のコマンド対応処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップS21603を実行した後、ステップS21604に進む。
ステップS21604では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップS21602のコマンド対応処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップS21604を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<コマンド対応処理>
次に、コマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図52:S21602)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図53は、音声発光制御装置90のMPU92において実行されるコマンド対応処理を示すフローチャートである。ステップS21701では、主側MPU62から高頻度サポートモードコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS21701において、高頻度サポートモードコマンドを受信していると判定した場合には(S21701:YES)、ステップS21702に進み、音光側RAM94に記憶されている音光側高頻度サポートモードフラグをONにする。音光側高頻度サポートモードフラグは、音光側MPU92が主制御装置60におけるサポートモードの種別の状態を把握するためのフラグである。ステップS21702を実行した後、ステップS21703に進む。一方、ステップS21701において、高頻度サポートモードコマンドを受信していないと判定した場合には(S21701:NO)、ステップS21702の処理を実行せずに、ステップS21703に進む。
ステップS21703では、主側MPU62から低頻度サポートモードコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS21703において、低頻度サポートモードコマンドを受信していると判定した場合には(S21703:YES)、ステップS21704に進み、音光側RAM94に記憶されている音光側高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS21705に進み、左打ち報知演出を実行するように設定する。具体的には、左打ち報知演出に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定する。その後、ステップS21706に進み、表示制御装置100に対して、左打ち報知演出を実行するように設定させるための左打ち報知演出コマンドを送信する。その後、ステップS21707に進む。
一方、ステップS21703において、低頻度サポートモードコマンドを受信していないと判定した場合には(S21703:NO)、ステップS21704〜ステップS21706の処理を実行せずに、ステップS21707に進む。
ステップS21707では、主側MPU62からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS21707において、オープニングコマンドを受信していると判定した場合には(S21707:YES)、ステップS21708に進み、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。具体的には、オープニング演出に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定するとともに、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了した後には右打ち報知演出に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定する。その後、ステップS21709に進み、表示制御装置100に対して、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定させるためのオープニング演出コマンドを送信する。その後、ステップS21710に進む。
一方、ステップS21707において、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(S21707:NO)、ステップS21708及びステップS21709の処理を実行せずに、ステップS21710に進む。
ステップS21710では、主側MPU62から開放開始コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS21710において、開放開始コマンドを受信していると判定した場合には(S21710:YES)、ステップS21711に進み、ラウンド演出を実行するように設定する。具体的には、ラウンド演出に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定する。このとき、オープニング演出に対応した制御が実行中であり、また、既に右打ち報知演出を実行するように設定されていた場合には、オープニング演出に対応した制御を終了し、右打ち報知演出の設定を取り消し、ラウンド演出に対応した制御を開始するように設定する。したがって、オープニングコマンドを受信してから6.95秒後に開放開始コマンドを受信した場合には右打ち報知演出は実行されないこととなり、一方、オープニングコマンドを受信してから10秒後に開放開始コマンドを受信した場合には右打ち報知演出は実行されることとなる。ステップS21711を実行した後、ステップS21712に進み、表示制御装置100に対して、ラウンド演出を実行するように設定させるためのラウンド演出コマンドを送信する。その後、ステップS21713に進む。
一方、ステップS21710において、開放開始コマンドを受信していないと判定した場合には(S21710:NO)、ステップS21711及びステップS21712の処理を実行せずに、ステップS21713に進む。
ステップS21713では、主側MPU62からエンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS21713において、エンディングコマンドを受信していると判定した場合には(S21713:YES)、ステップS21714に進み、エンディング演出を実行するように設定する。具体的には、エンディング演出に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定する。その後、ステップS21715に進み、表示制御装置100に対して、エンディング演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを送信する。その後、ステップS21716に進む。
一方、ステップS21713において、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S21713:NO)、ステップS21714及びステップS21715の処理を実行せずに、ステップS21716に進む。
ステップS21716では、その他のコマンドを受信している場合において、当該コマンドに対応した処理を実行する。例えば、変動用コマンド及び種別コマンドを受信している場合には、これらのコマンドに基づいて、当該遊技回において実行する演出の種別を決定し、決定した演出を実行するように設定する。その後、本コマンド対応処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図54は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS21801では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップS21802に進む。
ステップS21802では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図55は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップS21901では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに、その抽出したコマンドデータを記憶する。コマンド記憶処理によってコマンド記憶エリアに記憶された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図56は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド記憶領域に記憶されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が記憶されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップS22001では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図55)によってコマンド記憶エリアに記憶されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。コマンド対応処理の詳細については後述する。
なお、コマンド対応処理(S22001)では、その時点でコマンド記憶エリアに記憶されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や停止図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。コマンド対応処理の詳細については後述する。
ステップS22002では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(S22001)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップS22003に進む。
ステップS22003では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(S22002)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップS22004に進む。
ステップS22004では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(S22003)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップS22005に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
<コマンド対応処理>
次に、コマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、V割込み処理のサブルーチン(図56:S22001)として表示制御装置100のMPU102によって実行される。
図57は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド対応処理を示すフローチャートである。ステップS22101では、音光側MPU92から左打ち報知演出コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに左打ち報知演出コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS22101において、左打ち報知演出コマンドが記憶されていると判定した場合には(S22101:YES)、ステップS22102に進み、左打ち報知演出を実行するように設定する。具体的には、左打ち報知演出に対応した画像の描画及び表示の制御を開始するように設定する。ステップS22102を実行した後、ステップS22103に進む。一方、ステップS22101において、左打ち報知演出コマンドが記憶されていないと判定した場合には(S22101:NO)、ステップS22102の処理を実行せずに、ステップS22103に進む。
ステップS22103では、音光側MPU92からオープニング演出コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアにオープニング演出コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS22103において、オープニング演出コマンドが記憶されていると判定した場合には(S22103:YES)、ステップS22104に進み、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。具体的には、オープニング演出に対応した画像の描画及び表示の制御を開始するように設定するとともに、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了した後には右打ち報知演出に対応した画像の描画及び表示の制御を開始するように設定する。ステップS22104を実行した後、ステップS22105に進む。一方、ステップS22103において、オープニング演出コマンドが記憶されていないと判定した場合には(S22103:NO)、ステップS22104の処理を実行せずに、ステップS22105に進む。
ステップS22105では、音光側MPU92からラウンド演出コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアにラウンド演出コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS22105において、ラウンド演出コマンドが記憶されていると判定した場合には(S22105:YES)、ステップS22106に進み、ラウンド演出を実行するように設定する。具体的には、ラウンド演出に対応した画像の描画及び表示の制御を開始するように設定する。このとき、オープニング演出に対応した制御が実行中であり、また、既に右打ち報知演出を実行するように設定されていた場合には、オープニング演出に対応した制御を終了し、右打ち報知演出の設定を取り消し、ラウンド演出に対応した制御を開始するように設定する。したがって、オープニング演出コマンドを受信してから6.95秒後にラウンド演出コマンドを受信した場合には右打ち報知演出は実行されないこととなり、一方、オープニング演出コマンドを受信してから10秒後にラウンド演出コマンドを受信した場合には右打ち報知演出は実行されることとなる。ステップS22106を実行した後、ステップS22107に進む。一方、ステップS22105において、ラウンド演出コマンドが記憶されていないと判定した場合には(S22105:NO)、ステップS22106の処理を実行せずに、ステップS22107に進む。
ステップS22107では、音光側MPU92からエンディング演出コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアにエンディング演出コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS22107において、エンディング演出コマンドが記憶されていると判定した場合には(S22107:YES)、ステップS22108に進み、エンディング演出を実行するように設定する。具体的には、エンディング演出に対応した画像の描画及び表示の制御を開始するように設定する。ステップS22108を実行した後、ステップS22109に進む。一方、ステップS22107において、エンディング演出コマンドが記憶されていないと判定した場合には(S22107:NO)、ステップS22108の処理を実行せずに、ステップS22109に進む。
ステップS22109では、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに他のコマンドが記憶されているか否かを判定し、記憶されているコマンドに対応した処理を実行する。その後、本コマンド対応処理を終了する。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
通常のパチンコ機10では、音声発光制御装置90に複数の演出を順次実行させる場合には、主制御装置60は、音声発光制御装置90にそれぞれの演出を実行させるためのコマンドを音声発光制御装置90にそれぞれ送信する。したがって、音声発光制御装置90に実行させる演出の数が多くなるほど、主制御装置60が音声発光制御装置90にコマンドを送信する回数が多くなる。
具体的には、図35の比較例に示したように、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させた後、右打ち報知演出を実行させ、さらにその後にラウンド演出を実行させる場合には、主制御装置60は、音声発光制御装置90にオープニングコマンドを送信した後、右打ち報知コマンドを送信し、さらに開放開始コマンドを送信する。この場合、主制御装置60は、音声発光制御装置90にコマンドを3回送信することになる。また、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させた後、右打ち報知演出は実行させずにラウンド演出を実行させる場合には、主制御装置60は、音声発光制御装置90にオープニングコマンドを送信した後、右打ち報知コマンドは送信せずに、開放開始コマンドを送信する。この場合、主制御装置60は、音声発光制御装置90にコマンドを2回送信することになる。すなわち、通常のパチンコ機10では、音声発光制御装置90に右打ち報知演出を実行させない場合には、主制御装置60は、音声発光制御装置90にコマンドを2回送信すればよいが、音声発光制御装置90に右打ち報知演出を実行させる場合には、主制御装置60は、音声発光制御装置90にコマンドを3回送信することになる。
これに対して、本実施形態によれば、音声発光制御装置90は、オープニングコマンドを受信したことによって設定した複数の演出を順次実行中に開放開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を終了してラウンド演出を実行するので、複数の演出のうちの全ての演出を実行させた後にラウンド演出を音声発光制御装置90に実行させる場合であっても、また、複数の演出のうちの一部の演出は実行させずにラウンド演出を音声発光制御装置90に実行させる場合であっても、主制御装置60は、音声発光制御装置90にオープニングコマンドと開放開始コマンドとを送信すればよい。すなわち、主制御装置60は、いずれの場合であっても、音声発光制御装置90にコマンドを2回送信すればよい。
具体的には、本実施形態によれば、音声発光制御装置90は、オープニングコマンドを受信した場合には、オープニング演出と右打ち報知演出とを順次実行するように設定する。そして、オープニング演出を実行中であって右打ち報知演出を実行する前のタイミングで開放開始コマンドを受信した場合には、実行中のオープニング演出を終了し、当該オープニング演出の後に実行するように設定されている右打ち報知演出を実行せずにラウンド演出を実行する。すなわち、本実施形態の音声発光制御装置90は、オープニング演出を実行中に開放開始コマンドを受信した場合には、並行処理でもなく、待機処理でもなく、無効処理でもなく、上書き処理を実行する。上書き処理とは、演出を実行中に、他の演出を実行するように設定させるコマンドを新たに受信した場合には、当該実行中の演出を終了し、さらに、当該実行中の演出の後に実行するように設定されている演出が存在する場合には、当該設定を消去し、新たに受信したコマンドに対応した演出を実行するように上書きして設定し、当該設定した演出を実行する処理である。なお、並行処理とは、演出を実行中に、他の演出を実行するように設定させるコマンドを新たに受信した場合には、当該実行中の演出と、当該受信したコマンドに対応した演出とを同時に並行して実行する処理である。待機処理とは、演出を実行中に、他の演出を実行するように設定させるコマンドを新たに受信した場合には、当該実行中の演出及び当該実行中の演出の後に実行するように設定されている演出が終了するまで待機し、これらの演出が終了した後に、当該受信したコマンドに対応した演出を実行する処理である。無効処理とは、演出を実行中に、他の演出を実行するように設定させるコマンドを新たに受信した場合には、当該受信したコマンドを無効にし、当該受信したコマンドに対応した演出を実行しない処理である。
本実施形態によれば、オープニング演出と右打ち報知演出とを実行させた後にラウンド演出を音声発光制御装置90に実行させる場合であっても、また、オープニング演出を実行させた後に右打ち報知演出は実行させずにラウンド演出を音声発光制御装置90に実行させる場合であっても、主制御装置60は、音声発光制御装置90にオープニングコマンドと開放開始コマンドとを送信すればよい。すなわち、主制御装置60は、音声発光制御装置90に右打ち報知演出を実行させる場合であっても実行させない場合であっても、音声発光制御装置90にコマンドを2回送信すればよい。したがって、本実施形態によれば、主制御装置60のコマンドの送信頻度を低減することができ、主制御装置60の処理負荷を低減することができる。また、本実施形態によれば、図35の比較例に示した右打ち報知コマンドが不要となるため、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに右打ち報知コマンドを記憶しておかなくてもよい。したがって、主側ROM63の記憶容量のうち、右打ち報知コマンドを記憶するために必要であった記憶容量を他の用途に有効活用することができる。
また、本実施形態によれば、主制御装置60がオープニングコマンドを送信した後に開放開始コマンドを送信する際における当該送信の間隔が異なることによって、音声発光制御装置90が実行する演出の態様が異なるように構成されているので、種々の内容の演出を音声発光制御装置90に実行させるために主制御装置60が種々の内容のコマンドを音声発光制御装置90に送信する構成と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
具体的には、本実施形態によれば、主制御装置60は、オープニングコマンドを送信した後、10秒経過後に、開放開始コマンドを送信する第1の送信態様(図34の(A))と、オープニングコマンドを送信した後、6.95秒経過後に、開放開始コマンドを送信する第2の送信態様(図34の(B))とを実行可能である。そして、音声発光制御装置90は、主制御装置60が第1の送信態様を実行した場合には、オープニング演出を実行した後に右打ち報知演出を実行する演出態様となり、主制御装置60が第2の送信態様を実行した場合には、オープニング演出を実行した後に右打ち報知演出を実行しない演出態様となる。したがって、本実施形態によれば、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させた後に右打ち報知演出を実行させる場合であっても、また、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させた後に右打ち報知演出を実行させない場合であっても、主制御装置60は、オープニングコマンドを送信した後に開放開始コマンドを送信すればよいので、例えば、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させるためのオープニングコマンドを送信するとともに、オープニング演出を実行させた後に右打ち報知演出を実行させる場合には当該右打ち報知演出を実行させるための右打ち報知コマンドを送信し、オープニング演出を実行させた後に右打ち報知演出を実行させない場合には当該右打ち報知演出を実行させるための右打ち報知コマンドを送信しないといった制御を実行する構成(図35に示した比較例の構成)と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
さらに、本実施形態によれば、音声発光制御装置90は、主制御装置60が第1の送信態様(図34の(A))を実行した場合には、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行した後にラウンド演出を実行する演出態様となり、主制御装置60が第2の送信態様(図34の(B))を実行した場合には、オープニング演出を実行した後に右打ち報知演出を実行せずにラウンド演出を実行する演出態様となる。したがって、本実施形態によれば、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させた後に右打ち報知演出を実行させ、その後にラウンド演出を実行させる場合であっても、また、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させた後に右打ち報知演出を実行させずにラウンド演出を実行させる場合であっても、主制御装置60は、オープニングコマンドを送信した後に開放開始コマンドを送信すればよいので、例えば、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させるためのオープニングコマンドを送信するとともに、オープニング演出を実行させた後に右打ち報知演出を実行させる場合には当該右打ち報知演出を実行させるための右打ち報知コマンドを送信し、オープニング演出を実行させた後に右打ち報知演出を実行させない場合には当該右打ち報知演出を実行させるための右打ち報知コマンドを送信せず、オープニング演出または右打ち報知演出を実行させた後にラウンド演出を実行させる場合には当該ラウンド演出を実行させるための開放開始コマンドを送信するといった制御を実行する構成(図35に示した比較例の構成)と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
さらに、本実施形態によれば、主制御装置60は、大当たりに当選した大当たり抽選が実行された際のサポートモードの状態に基づいて、オープニングコマンド及び開放開始コマンドを順次送信する際の当該送信の間隔を決定し、当該オープニングコマンド及び開放開始コマンドを受信した音声発光制御装置90は、これらのコマンドを受信した間隔が異なることに基づいて、当該大当たり抽選が実行された際のサポートモードの状態に対応した演出を実行する。したがって、サポートモードの状態に対応した演出を音声発光制御装置90に実行させるために内容の異なる種々のコマンドを主制御装置60が音声発光制御装置90に送信する構成と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
さらに、本実施形態によれば、推奨される遊技球の発射態様(打ち方)が開閉実行モードの開閉処理期間の開始によって「左打ち」から「右打ち」に変化する場合(「左打ち」中である低頻度サポートモード中に大当たりに当選した場合)には右打ち報知演出が実行され、推奨される遊技球の発射態様(打ち方)が開閉実行モードの開閉処理期間の開始によっても「右打ち」のまま変化しない場合(「右打ち」中である高頻度サポートモード中に大当たりに当選した場合)には右打ち報知演出が実行されない。したがって、主制御装置60の処理負荷を低減しつつ、大当たりに当選した際のサポートモードの状態に対応した適切な態様の演出を実行することができる。
さらに、本実施形態によれば、主制御装置60は、オープニング期間の長さをサポートモードの状態に基づいて決定し、音声発光制御装置90は、サポートモードの状態に関わらずオープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定するという同一の処理を実行するにも関わらず、当該オープニング期間において実行する演出の内容が当該サポートモードの状態に応じて異なるように構成されている。したがって、本実施形態によれば、音声発光制御装置90は、サポートモードの状態に応じて異なる処理を実行することなく、当該オープニング期間の長さに適した内容の演出を実行することができる。すなわち、音声発光制御装置90は、主制御装置60のサポートモードの状態を把握して当該サポートモードの状態に応じた処理を実行しなくても、サポートモードの状態に応じて変化するオープニング期間の長さに適した内容の演出を実行することができるので、音声発光制御装置90の処理負荷を低減することができる。
具体的には、本実施形態では、音声発光制御装置90は、オープニングコマンドを受信した場合には、サポートモードの状態に関わらず、複数の演出(オープニング演出及び右打ち報知演出)を順次実行するように設定する処理を実行し、オープニングコマンドを受信したことによって設定した複数の処理を順次実行中に開放開始コマンドを受信した場合には、当該実行中の演出を終了してラウンド演出を実行する。本実施形態では、音声発光制御装置90がオープニングコマンドを受信してから開放開始コマンドを受信するまでの間隔は、サポートモードの状態に応じて異なることになるので、オープニングコマンドを受信することによって設定された複数の演出のうち、実際に実行される演出は、当該間隔が短いほど少なく、当該間隔が長いほど多くなる。すなわち、本実施形態によれば、音声発光制御装置90がオープニングコマンドを受信した場合にサポートモードの状態に関わらず複数の演出を順次実行するように設定するという簡易な処理を実行することによって、オープニング期間において実行される演出の内容をサポートモードの状態に応じて異なるようにすることが可能となる。
さらに具体的には、本実施形態では、音声発光制御装置90は、オープニングコマンドを受信した場合には、サポートモードの状態に関わらず、複数の演出として、オープニング演出と右打ち報知演出とを順次実行するように設定し、オープニングコマンドを受信した後、右打ち報知演出を実行する前に開放開始コマンドを受信した場合には、右打ち報知演出を実行せずにラウンド演出を実行する。したがって、本実施形態によれば、音声発光制御装置90がオープニングコマンドを受信してから開放開始コマンドを受信するまでの間隔がサポートモードの状態に応じて異なることによって、右打ち報知演出が実行される場合とされない場合とがある。したがって、本実施形態によれば、音声発光制御装置90がオープニングコマンドを受信した場合にサポートモードの状態に関わらずオープニング演出と右打ち報知演出とを順次実行するように設定するという簡易な処理を実行することによって、オープニング期間において右打ち報知演出が実行されるか否かをサポートモードの状態に応じて異なるようにすることが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合には、主制御装置60は、オープニング期間の長さを、オープニング演出が開始してから右打ち報知演出が開始されるまでの時間(オープニング演出の時間)である7秒よりも短い時間(本実施形態では6.95秒)に設定するので、仮に主制御装置60の高負荷時に開放開始コマンドの送信が遅れてしまった場合であっても、音声発光制御装置90による開放開始コマンドの受信が右打ち報知演出の実行が開始された後になってしまうことを抑制することができる。したがって、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合(図34の(B))であるにも関わらず右打ち報知演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態によれば、仮に音声発光制御装置90が開放開始コマンドを受信しない不具合が生じた場合であっても、オープニング演出の後に右打ち報知演出が実行されるだけである。遊技者は開閉処理期間中においては「右打ち」を行なえばよいため、右打ち報知演出が制御上意図しない状況で実行されても、遊技者に不利な状況は生じない。したがって、本実施形態によれば、不具合が生じても遊技者に不利な状況が生じない制御を実行するパチンコ機10を提供することができる。
B7.第2実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成及び処理については、説明を省略する。
B7−1.変形例1:
図58は、第2実施形態の変形例1のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明するタイミングチャートである。上述した第2実施形態との主な違いは、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合には、主制御装置60がオープニング期間の長さを4秒に設定する点と、音声発光制御装置90がサポートモードの種別を把握しており、オープニングコマンドを受信した際に、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定するのか、それともオープニング演出よりも短い時間(本変形例では4秒)で完結(終了)するショートオープニング演出を実行するように設定するのかをサポートモードの種別に基づいて決定する点である。以下、具体的な処理について説明する。
まず、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理について図58の(A)を参照して説明する。
図58の(A)に示すように、パチンコ機10の主制御装置60は、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードに移行する場合には、オープニング期間の長さを10秒に設定してオープニング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、オープニング期間が開始したことを示すオープニングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信すると、現在のサポートモードの種別が高頻度サポートモードであるか否かを判定する。後述するように、主制御装置60は、低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに移行した際に、音声発光制御装置90に対して、高頻度サポートモードに移行したことを示す高頻度サポートモードコマンドを送信し、音声発光制御装置90は、主制御装置60から高頻度サポートモードコマンドを受信すると、音光側RAM94に記憶されている音光側高頻度サポートモードフラグをONにする。そして、主制御装置60は、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行した際に、音声発光制御装置90に対して、低頻度サポートモードに移行したことを示す低頻度サポートモードコマンドを送信し、音声発光制御装置90は、主制御装置60から低頻度サポートモードコマンドを受信すると、音光側RAM94に記憶されている音光側高頻度サポートモードフラグをOFFにする。したがって、音声発光制御装置90は、音光側サポートモードフラグを参照することによって、主制御装置60のサポートモードの種別を常に把握することができる。そして、音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信した際に、現在のサポートモードの種別が高頻度サポートモードではないと判定した場合には、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。すなわち、音声発光制御装置90は、1つのコマンドに対して2つの処理(本実施形態では2つの演出)を連続的に実行するように設定する。
音声発光制御装置90は、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定させるためのオープニング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、オープニング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からオープニング演出コマンドを受信すると、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。すなわち、表示制御装置100は、1つのコマンドに対して2つの処理(本実施形態では2つの演出)を連続的に実行するように設定する。その後、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
音声発光制御装置90は、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了すると、オープニング演出の次に実行するように設定されている右打ち報知演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、右打ち報知演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、右打ち報知演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。同様に、表示制御装置100は、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了すると、オープニング演出の次に実行するように設定されている右打ち報知演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、右打ち報知演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、10秒に設定されたオープニング期間が終了すると、開閉処理期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、開閉処理期間が開始したことを示す開放開始コマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、3秒間の右打ち報知演出に対応した制御を終了した後、主制御装置60から開放開始コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、ラウンド演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、ラウンド演出を実行するように設定させるためのラウンド演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、ラウンド演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、3秒間の右打ち報知演出に対応した制御を終了した後、音声発光制御装置90からラウンド演出コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定するとともに、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、ラウンド演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が所定回数に達して開閉処理期間が終了すると、エンディング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、エンディング期間が開始したことを示すエンディングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からエンディングコマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、エンディング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、エンディング演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、エンディング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からエンディング演出コマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定するとともに、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、エンディング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
なお、本変形例1においても、上記実施形態と同様に、開閉実行モードが終了すると、サポートモードが高頻度サポートモードに移行する。本変形例1においても、高頻度サポートモード中は、遊技球を遊技領域PAの右側の領域に流通させる打ち方である「右打ち」が推奨される。本変形例1においても、開閉実行モードにおいて右打ち報知演出を実行するため、多くの遊技者は、右打ち報知演出を認識して「右打ち」を実行することになる。そして、開閉実行モードにおいて「右打ち」を実行していた遊技者は、開閉実行モードが終了しても、高頻度サポートモード中においてそのまま「右打ち」を継続することになる。
次に、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理について図58の(B)を参照して説明する。上述した低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理との主な違いは、主制御装置60がオープニング期間の長さを4秒に設定し、開放開始コマンドの送信をオープニングコマンドの送信から4秒後に実行する点と、オープニングコマンドを受信した音声発光制御装置90が高頻度サポートモードではないと判定してショートオープニング演出を実行するように設定し、右打ち報知演出を実行せずにラウンド演出を実行する点である。以下、具体的に説明する。
図58の(B)に示すように、パチンコ機10の主制御装置60は、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードに移行する場合には、オープニング期間の長さを4秒に設定してオープニング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、オープニング期間が開始したことを示すオープニングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信すると、現在のサポートモードの種別が高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、音声発光制御装置90は、現在のサポートモードの種別が高頻度サポートモードであると判定した場合には、4秒間のショートオープニング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、ショートオープニング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、ショートオープニング演出を実行するように設定させるためのショートオープニング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、ショートオープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、ショートオープニング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、ショートオープニング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からショートオープニング演出コマンドを受信すると、4秒間のショートオープニング演出を実行するように設定するとともに、ショートオープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、ショートオープニング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、4秒に設定されたオープニング期間が終了すると、開閉処理期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、開閉処理期間が開始したことを示す開放開始コマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、4秒間のショートオープニング演出に対応した制御を終了した後、主制御装置60から開放開始コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、ラウンド演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、ラウンド演出を実行するように設定させるためのラウンド演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、ラウンド演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、4秒間のショートオープニング演出に対応した制御を終了した後、音声発光制御装置90からラウンド演出コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定するとともに、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、ラウンド演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が所定回数に達して開閉処理期間が終了すると、エンディング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、エンディング期間が開始したことを示すエンディングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からエンディングコマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、エンディング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、エンディング演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、エンディング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からエンディング演出コマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定するとともに、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、エンディング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
このように、本変形例では、遊技者が「左打ち」を実行している低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合にはオープニング演出及び右打ち報知演出を実行するので、開閉実行モードに移行したこと及び「右打ち」を推奨することを遊技者に示唆することができるとともに、遊技者が既に「右打ち」を実行している高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合にはオープニング演出より短いショートオープニング演出を実行するとともに右打ち報知演出を実行しないので、上述した第2実施形態に比べてさらに遊技にスピード感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例1の主制御装置において実行される各種処理>
次に、変形例1の主制御装置60のMPU62において実行される処理について説明する。以下では、第2実施形態と異なる処理について説明し、第2実施形態と同じ処理については説明を省略する。
<オープニング時間設定処理>
変形例1におけるオープニング時間設定処理について説明する。オープニング時間設定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図45:S21007)として主制御装置60のMPU62によって実行される。上述した第2実施形態におけるオープニング時間設定処理との主な違いは、高頻度サポートモードフラグがONである場合におけるオープニング時間の長さを4秒に設定する点である。以下、具体的に説明する。
図59は、変形例1の主制御装置60のMPU62において実行されるオープニング時間設定処理を示すフローチャートである。ステップS22201では、高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップS22201において、高頻度サポートモードフラグがONではないと判定した場合、すなわち、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードに移行した場合には(S22201:NO)、ステップS22202に進み、第3タイマカウンタエリアT3に10秒に相当する「5000」の値をセット(設定)し、本オープニング時間設定処理を終了する。
一方、ステップS22201において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合、すなわち、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードに移行した場合には(S22201:YES)、ステップS22203に進み、第3タイマカウンタエリアT3に4秒に相当する「2000」の値をセット(設定)し、本オープニング時間設定処理を終了する。
<変形例1の音声発光制御装置において実行される各種処理>
次に、変形例1の音声発光制御装置90のMPU92において実行される処理について説明する。以下では、第2実施形態と異なる処理について説明し、第2実施形態と同じ処理については説明を省略する。
<コマンド対応処理>
変形例1の音声発光制御装置90のMPU92において実行されるコマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図52:S21602)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。上述した第2実施形態におけるコマンド対応処理(図53)との主な違いは、音光側高頻度サポートモードフラグがONである場合にはショートオープニング演出を実行するように設定する点である。以下、具体的に説明する。
図60は、変形例1の音声発光制御装置90のMPU92において実行されるコマンド対応処理を示すフローチャートである。ステップS22301では、主側MPU62から高頻度サポートモードコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS22301において、高頻度サポートモードコマンドを受信していると判定した場合には(S22301:YES)、ステップS22302に進み、音光側RAM94に記憶されている音光側高頻度サポートモードフラグをONにする。音光側高頻度サポートモードフラグは、音光側MPU92が主制御装置60におけるサポートモードの種別の状態を把握するためのフラグである。ステップS22302を実行した後、ステップS22303に進む。一方、ステップS22301において、高頻度サポートモードコマンドを受信していないと判定した場合には(S22301:NO)、ステップS22302の処理を実行せずに、ステップS22303に進む。
ステップS22303では、主側MPU62から低頻度サポートモードコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS22303において、低頻度サポートモードコマンドを受信していると判定した場合には(S22303:YES)、ステップS22304に進み、音光側RAM94に記憶されている音光側高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS22305に進み、左打ち報知演出を実行するように設定する。具体的には、左打ち報知演出に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定する。その後、ステップS22306に進み、表示制御装置100に対して、左打ち報知演出を実行するように設定させるためのオープニング演出コマンドを送信する。その後、ステップS22307に進む。
一方、ステップS22303において、低頻度サポートモードコマンドを受信していないと判定した場合には(S22303:NO)、ステップS22304〜ステップS22306の処理を実行せずに、ステップS22307に進む。
ステップS22307では、主側MPU62からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS22307において、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(S22307:NO)、後述するステップS22308からステップS22312の処理を実行せずに、ステップS22313に進む。一方、ステップS22307において、オープニングコマンドを受信していると判定した場合には(S22307:YES)、ステップS22308に進み、音光側高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップS22308において、音光側高頻度サポートモードフラグがONではないと判定した場合には(S22308:NO)、ステップS22309に進み、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。具体的には、オープニング演出に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定するとともに、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了した後には右打ち報知演出に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定する。その後、ステップS22310に進み、表示制御装置100に対して、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定させるためのオープニング演出コマンドを送信する。その後、ステップS22313に進む。一方、ステップS22308において、音光側高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(S22308:YES)、ステップS22311に進み、4秒間のショートオープニング演出を実行するように設定する。具体的には、ショートオープニング演出に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定する。その後、ステップS22310に進み、表示制御装置100に対して、ショートオープニング演出を実行するように設定させるためのショートオープニング演出コマンドを送信する。その後、ステップS22313に進む。
ステップS22313では、主側MPU62から開放開始コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS22313において、開放開始コマンドを受信していると判定した場合には(S22313:YES)、ステップS22314に進み、ラウンド演出を実行するように設定する。具体的には、ラウンド演出に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定する。ここで、本変形例1において、低頻度サポートモード中に開閉実行モードに移行した場合には、主制御装置60のMPU62は、オープニングコマンドを送信してから10秒後に開放開始コマンドを送信する。そして、音声発光制御装置90のMPU92は、低頻度サポートモード中に開閉実行モードに移行した場合において、オープニングコマンドを受信すると、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。したがって、低頻度サポートモード中に開閉実行モードに移行した場合には、7秒間のオープニング演出が実行された後、3秒間の右打ち報知演出が実行され、その後、ラウンド演出が実行されることになる。一方、高頻度サポートモード中に開閉実行モードに移行した場合には、主制御装置60のMPU62は、オープニングコマンドを送信してから4秒後に開放開始コマンドを送信する。そして、音声発光制御装置90のMPU92は、高頻度サポートモード中に開閉実行モードに移行した場合において、オープニングコマンドを受信すると、4秒間のショートオープニング演出を実行するように設定する。したがって、高頻度サポートモード中に開閉実行モードに移行した場合には、4秒間のショートオープニング演出が実行された後、ラウンド演出が実行されることになる。ステップS22314を実行した後、ステップS22315に進み、表示制御装置100に対して、ラウンド演出を実行するように設定させるためのラウンド演出コマンドを送信する。その後、ステップS22316に進む。
一方、ステップS22313において、開放開始コマンドを受信していないと判定した場合には(S22313:NO)、ステップS22314及びステップS22315の処理を実行せずに、ステップS22316に進む。
ステップS22316では、主側MPU62からエンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS22316において、エンディングコマンドを受信していると判定した場合には(S22316:YES)、ステップS22317に進み、エンディング演出を実行するように設定する。具体的には、エンディング演出に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定する。その後、ステップS22318に進み、表示制御装置100に対して、エンディング演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを送信する。その後、ステップS22319に進む。
一方、ステップS22316において、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S22316:NO)、ステップS22317及びステップS22318の処理を実行せずに、ステップS22319に進む。
ステップS22319では、その他のコマンドを受信している場合において、当該コマンドに対応した処理を実行する。例えば、変動用コマンド及び種別コマンドを受信している場合には、これらのコマンドに基づいて、当該遊技回において実行する演出の種別を決定し、決定した演出を実行するように設定する。その後、本コマンド対応処理を終了する。
<変形例1の表示制御装置において実行される各種処理>
次に、変形例1の表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。以下では、第2実施形態と異なる処理について説明し、第2実施形態と同じ処理については説明を省略する。
<コマンド対応処理>
変形例1の表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、V割込み処理のサブルーチン(図56:S22001)として表示制御装置100のMPU102によって実行される。上述した第2実施形態におけるコマンド対応処理(図57)との主な違いは、ショートオープニング演出コマンドを受信した場合にはショートオープニング演出を実行するように設定する点である。以下、具体的に説明する。
図61は、変形例1の表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド対応処理を示すフローチャートである。ステップS22401では、音光側MPU92から左打ち報知演出コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに左打ち報知演出コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS22401において、左打ち報知演出コマンドが記憶されていると判定した場合には(S22401:YES)、ステップS22402に進み、左打ち報知演出を実行するように設定する。具体的には、左打ち報知演出に対応した画像の描画及び表示の制御を開始するように設定する。ステップS22402を実行した後、ステップS22403に進む。一方、ステップS22401において、左打ち報知演出コマンドが記憶されていないと判定した場合には(S22401:NO)、ステップS22402の処理を実行せずに、ステップS22403に進む。
ステップS22403では、音光側MPU92からオープニング演出コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアにオープニング演出コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS22403において、オープニング演出コマンドが記憶されていると判定した場合には(S22403:YES)、ステップS22404に進み、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定する。具体的には、オープニング演出に対応した画像の描画及び表示の制御を開始するように設定するとともに、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了した後には右打ち報知演出に対応した画像の描画及び表示の制御を開始するように設定する。ステップS22404を実行した後、ステップS22405に進む。一方、ステップS22403において、オープニング演出コマンドが記憶されていないと判定した場合には(S22403:NO)、ステップS22404の処理を実行せずに、ステップS22405に進む。
ステップS22405では、音光側MPU92からショートオープニング演出コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアにショートオープニング演出コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS22405において、ショートオープニング演出コマンドが記憶されていると判定した場合には(S22405:YES)、ステップS22406に進み、ショートオープニング演出を実行するように設定する。具体的には、ショートオープニング演出に対応した画像の描画及び表示の制御を開始するように設定する。ステップS22406を実行した後、ステップS22407に進む。一方、ステップS22405において、ショートオープニング演出コマンドが記憶されていないと判定した場合には(S22405:NO)、ステップS22406の処理を実行せずに、ステップS22407に進む。
ステップS22407では、音光側MPU92からラウンド演出コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアにラウンド演出コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS22407において、ラウンド演出コマンドが記憶されていると判定した場合には(S22407:YES)、ステップS22408に進み、ラウンド演出を実行するように設定する。具体的には、ラウンド演出に対応した画像の描画及び表示の制御を開始するように設定する。ここで、本変形例1において、低頻度サポートモード中に開閉実行モードに移行した場合には、音声発光制御装置90のMPU92は、オープニング演出コマンドを送信してから10秒後にラウンド演出コマンドを送信する。そして、表示制御装置100のMPU102は、低頻度サポートモード中に開閉実行モードに移行した場合において、オープニング演出コマンドを受信すると、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。したがって、低頻度サポートモード中に開閉実行モードに移行した場合には、7秒間のオープニング演出が実行された後、3秒間の右打ち報知演出が実行され、その後、ラウンド演出が実行されることになる。一方、高頻度サポートモード中に開閉実行モードに移行した場合には、音声発光制御装置90のMPU92は、ショートオープニング演出コマンドを送信してから4秒後にラウンド演出コマンドを送信する。そして、表示制御装置100のMPU102は、高頻度サポートモード中に開閉実行モードに移行した場合において、ショートオープニング演出コマンドを受信すると、4秒間のショートオープニング演出を実行するように設定する。したがって、高頻度サポートモード中に開閉実行モードに移行した場合には、4秒間のショートオープニング演出が実行された後、ラウンド演出が実行されることになる。ステップS22408を実行した後、ステップS22409に進む。一方、ステップS22407において、ラウンド演出コマンドが記憶されていないと判定した場合には(S22407:NO)、ステップS22408の処理を実行せずに、ステップS22409に進む。
ステップS22409では、音光側MPU92からエンディング演出コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアにエンディング演出コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS22409において、エンディング演出コマンドが記憶されていると判定した場合には(S22409:YES)、ステップS22410に進み、エンディング演出を実行するように設定する。具体的には、エンディング演出に対応した画像の描画及び表示の制御を開始するように設定する。ステップS22410を実行した後、ステップS22411に進む。一方、ステップS22409において、エンディング演出コマンドが記憶されていないと判定した場合には(S22409:NO)、ステップS22410の処理を実行せずに、ステップS22411に進む。
ステップS22411では、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに他のコマンドが記憶されているか否かを判定し、記憶されているコマンドに対応した処理を実行する。その後、本コマンド対応処理を終了する。
以上説明した本変形例1によれば、上述した第2実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本変形例1によれば、音声発光制御装置90は、主制御装置60のサポートモードの状態を把握することが可能であるとともに、主制御装置60から同一の内容のコマンドを受信した場合であっても、主制御装置60のサポートモードの状態に応じて異なる内容の演出を実行するので、種々の内容の演出を音声発光制御装置90に実行させるために主制御装置60が種々の内容のコマンドを音声発光制御装置90に送信する構成と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
具体的には、本変形例1によれば、音声発光制御装置90は、低頻度サポートモード中にオープニングコマンドを受信した場合にはオープニング演出を実行し、高頻度サポートモード中にオープニングコマンドを受信した場合には、ショートオープニング演出を実行する。したがって、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させる場合であっても、また、音声発光制御装置90にショートオープニング演出を実行させる場合であっても、主制御装置60は、同一の内容のオープニングコマンドを送信すればよいので、例えば、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させる場合には当該オープニング演出を実行させるためのコマンドを音声発光制御装置90に送信し、音声発光制御装置90にショートオープニング演出を実行させる場合には当該ショートオープニング演出を実行させるためのコマンドを音声発光制御装置90に送信する構成と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
さらに、本変形例1によれば、音声発光制御装置90は、低頻度サポートモード中にオープニングコマンドを受信した場合には、オープニング演出を実行した後に右打ち報知演出を実行するので、例えば、主制御装置60が、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させるためのオープニングコマンドを送信し、さらに右打ち報知演出を実行させるための右打ち報知コマンドを送信する構成(図35に示した比較例の構成)と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
さらに、本変形例1によれば、主制御装置60は、サポートモードが変化する際に高頻度サポートモードコマンド又は低頻度サポートモードコマンドを送信し、音声発光制御装置90は、高頻度サポートモードコマンドを受信した場合には音光側高頻度サポートモードフラグをONにし、低頻度サポートモードコマンドを受信した場合には音光側高頻度サポートモードフラグをOFFにする。そして、音声発光制御装置90は、音光側高頻度サポートモードフラグを参照することによって主制御装置60のサポートモードの状態を把握することができる。したがって、主制御装置60は、サポートモードの状態を音声発光制御装置90に把握させるために当該サポートモードの状態に関する情報をオープニングコマンドに含めなくてもよいため、主制御装置60がオープニングコマンドを送信する際における処理負荷を低減することができる。
さらに、本変形例1によれば、低頻度サポートモード中に大当たり抽選の結果が大当たりとなった場合には、当該大当たりとなった遊技回(図柄の変動)が終了してから10秒間のオープニング期間の経過後に開閉処理期間を開始し、高頻度サポートモード中に大当たり抽選の結果が大当たりとなった場合には、当該大当たりとなった遊技回(図柄の変動)が終了してから4秒間のオープニング期間の経過後に開閉処理期間を開始するので、高頻度サポートモード中における遊技にスピード感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
具体的には、遊技者に有利な高頻度サポートモード中は、大当たり抽選が頻繁に実行されることになるので、大当たり抽選において大当たりに当選し、開閉処理期間が開始されることになる期待感が高くなる。したがって、遊技者は、開閉処理期間が開始されること自体よりも、開閉処理期間が早期に開始されることを期待しながら遊技を行なっている。すなわち、高頻度サポートモード中は、遊技者は、遊技にスピード感を求めることになる。本変形例1によれば、高頻度サポートモード中は、低頻度サポートモード中に比べて、大当たり抽選の結果が大当たりとなった遊技回が終了してから短い時間で開閉処理期間が開始されるので、高頻度サポートモード中における遊技にスピード感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本変形例1によれば、低頻度サポートモード中にオープニングコマンドを受信した場合には、10秒間のオープニング期間において7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行し、高頻度サポートモード中にオープニングコマンドを受信した場合には、4秒間のオープニング期間において4秒間のショートオープニング演出を実行するので、10秒間のオープニング期間または4秒間のオープニング期間のそれぞれに適した長さの演出を実行することができる。
B7−2.変形例2:
図62は、第2実施形態の変形例2のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明するタイミングチャートである。上述した第2実施形態の変形例1との主な違いは、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの種別に関わらず主制御装置60がオープニング期間の長さを10秒に設定する点と、音声発光制御装置90がサポートモードの種別を把握しており、オープニングコマンドを受信した際に、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定するのか、それともオープニング演出よりも長い時間(本変形例では10秒)で完結(終了)するロングオープニング演出を実行するように設定するのかをサポートモードの種別に基づいて決定する点である。なお、本実施形態では、10秒間のロングオープニング演出における開始から7秒までの7秒間の演出の内容は、7秒間のオープニング演出の内容と同一であり、7秒から10秒までの3秒間の演出の内容は、新たに追加された別の内容の演出(例えば、7秒間のオープニング演出には登場していない別のキャラクターが登場する演出)である。以下、具体的な処理について説明する。
まず、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理について図62の(A)を参照して説明する。
図62の(A)に示すように、パチンコ機10の主制御装置60は、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの種別に関わらず、オープニング期間の長さを10秒に設定してオープニング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、オープニング期間が開始したことを示すオープニングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信すると、音光側サポートモードフラグを参照することによって、現在のサポートモードの種別が高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信した際に、現在のサポートモードの種別が高頻度サポートモードではないと判定した場合には、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。すなわち、音声発光制御装置90は、1つのコマンドに対して2つの処理(本実施形態では2つの演出)を連続的に実行するように設定する。
音声発光制御装置90は、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定させるためのオープニング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、オープニング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からオープニング演出コマンドを受信すると、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。すなわち、表示制御装置100は、1つのコマンドに対して2つの処理(本実施形態では2つの演出)を連続的に実行するように設定する。その後、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
音声発光制御装置90は、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了すると、オープニング演出の次に実行するように設定されている右打ち報知演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、右打ち報知演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、右打ち報知演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。同様に、表示制御装置100は、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了すると、オープニング演出の次に実行するように設定されている右打ち報知演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、右打ち報知演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、10秒に設定されたオープニング期間が終了すると、開閉処理期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、開閉処理期間が開始したことを示す開放開始コマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、3秒間の右打ち報知演出に対応した制御を終了した後、主制御装置60から開放開始コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、ラウンド演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、ラウンド演出を実行するように設定させるためのラウンド演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、ラウンド演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、3秒間の右打ち報知演出に対応した制御を終了した後、音声発光制御装置90からラウンド演出コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定するとともに、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、ラウンド演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が所定回数に達して開閉処理期間が終了すると、エンディング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、エンディング期間が開始したことを示すエンディングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からエンディングコマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、エンディング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、エンディング演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、エンディング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からエンディング演出コマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定するとともに、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、エンディング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
次に、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理について図62の(B)を参照して説明する。上述した低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理との主な違いは、オープニングコマンドを受信した音声発光制御装置90が高頻度サポートモードではないと判定してロングオープニング演出を実行するように設定する点である。以下、具体的に説明する。
図62の(B)に示すように、パチンコ機10の主制御装置60は、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの種別に関わらず、オープニング期間の長さを10秒に設定してオープニング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、オープニング期間が開始したことを示すオープニングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信すると、音光側サポートモードフラグを参照することによって、現在のサポートモードの種別が高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、音声発光制御装置90は、現在のサポートモードの種別が高頻度サポートモードであると判定した場合には、10秒間のロングオープニング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、ロングオープニング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、ロングオープニング演出を実行するように設定させるためのロングオープニング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、ロングオープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、ロングオープニング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、ロングオープニング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からロングオープニング演出コマンドを受信すると、10秒間のロングオープニング演出を実行するように設定するとともに、ロングオープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、ロングオープニング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、10秒に設定されたオープニング期間が終了すると、開閉処理期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、開閉処理期間が開始したことを示す開放開始コマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、10秒間のロングオープニング演出に対応した制御を終了した後、主制御装置60から開放開始コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、ラウンド演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、ラウンド演出を実行するように設定させるためのラウンド演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、ラウンド演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、10秒間のロングオープニング演出に対応した制御を終了した後、音声発光制御装置90からラウンド演出コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定するとともに、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、ラウンド演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が所定回数に達して開閉処理期間が終了すると、エンディング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、エンディング期間が開始したことを示すエンディングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からエンディングコマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、エンディング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、エンディング演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、エンディング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からエンディング演出コマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定するとともに、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、エンディング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
以上説明した本変形例2によれば、上述した実施形態及び変形例1の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本変形例2によれば、音声発光制御装置90は、主制御装置60のサポートモードの状態を把握することが可能であるとともに、主制御装置60から同一の内容のコマンドを受信した場合であっても、主制御装置60のサポートモードの状態に応じて異なる内容の演出を実行するので、種々の内容の演出を音声発光制御装置90に実行させるために主制御装置60が種々の内容のコマンドを音声発光制御装置90に送信する構成と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
具体的には、本変形例2によれば、音声発光制御装置90は、低頻度サポートモード中にオープニングコマンドを受信した場合にはオープニング演出を実行し、高頻度サポートモード中にオープニングコマンドを受信した場合には、ロングオープニング演出を実行する。したがって、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させる場合であっても、また、音声発光制御装置90にロングオープニング演出を実行させる場合であっても、主制御装置60は、同一の内容のオープニングコマンドを送信すればよいので、例えば、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させる場合には当該オープニング演出を実行させるためのコマンドを音声発光制御装置90に送信し、音声発光制御装置90にロングオープニング演出を実行させる場合には当該ロングオープニング演出を実行させるためのコマンドを音声発光制御装置90に送信する構成と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
さらに、本変形例2によれば、音声発光制御装置90は、低頻度サポートモード中にオープニングコマンドを受信した場合には、オープニング演出を実行した後に右打ち報知演出を実行するので、例えば、主制御装置60が、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させるためのオープニングコマンドを送信し、さらに右打ち報知演出を実行させるための右打ち報知コマンドを送信する構成(図35に示した比較例の構成)と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
さらに、本変形例2によれば、主制御装置60は、サポートモードが変化する際に高頻度サポートモードコマンド又は低頻度サポートモードコマンドを送信し、音声発光制御装置90は、高頻度サポートモードコマンドを受信した場合には音光側高頻度サポートモードフラグをONにし、低頻度サポートモードコマンドを受信した場合には音光側高頻度サポートモードフラグをOFFにする。そして、音声発光制御装置90は、音光側高頻度サポートモードフラグを参照することによって主制御装置60のサポートモードの状態を把握することができる。したがって、主制御装置60は、サポートモードの状態を音声発光制御装置90に把握させるために当該サポートモードの状態に関する情報をオープニングコマンドに含めなくてもよいため、主制御装置60がオープニングコマンドを送信する際における処理負荷を低減することができる。
さらに、本変形例2によれば、音声発光制御装置90は、主制御装置60のサポートモードの状態を把握することが可能であり、主制御装置60のサポートモードの状態に基づいて、オープニングコマンドを受信してから開放開始コマンドを受信するまでの期間であるオープニング期間において実行する演出の内容を決定するので、主制御装置60は、自身のサポートモードの状態に応じてオープニングコマンドと開放開始コマンドとを送信する態様を変化させる必要がなく、毎回、同じ送信態様でオープニングコマンドと開放開始コマンドとを送信することができる。したがって、主制御装置60がサポートモードの状態に応じてオープニングコマンドと開放開始コマンドとを送信する送信態様を変化させるために必要となる制御を省略することができ、主制御装置60の処理負荷を低減することができる。また、当該制御を実行するためのプログラムを削除することができるので、主側ROM63のプログラム容量を削減することができる。また、本変形例2によれば、サポートモードの状態に応じた種々の内容の演出を音声発光制御装置90に実行させるために主制御装置60が種々の内容のコマンドを音声発光制御装置90に送信する構成と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができる。
さらに、本変形例2によれば、主制御装置60は、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの状態が低頻度サポートモードであっても、高頻度サポートモードであっても、オープニング期間の長さを10秒に設定する。すなわち、主制御装置60は、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの状態が異なっていても同一の間隔でオープニングコマンドと開放開始コマンドとを送信する。したがって、本変形例2によれば、主制御装置60がサポートモードの状態に応じてオープニングコマンドと開放開始コマンドとを送信する間隔を変化させるために必要となる制御を省略することができ、主制御装置60の処理負荷を低減することができる。また、当該制御を実行するためのプログラムを削除することができるので、主側ROM63のプログラム容量を削減することができる。
さらに、本変形例2によれば、音声発光制御装置90は、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの状態が低頻度サポートモードである場合には、オープニング期間の前部分においてオープニング演出を実行し、オープニング期間の後部分において右打ち報知演出を実行する。そして、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの状態が高頻度サポートモードである場合には、オープニング期間の前部分においてオープニング演出の内容と同一の内容のロングオープニング演出の0秒から7秒までの部分を実行し、オープニング期間の後部分においてロングオープニング演出の7秒から10秒までの部分を実行する。したがって、本変形例2によれば、オープニング期間の前部分においては主制御装置60のサポートモードの状態に関わらず同一の内容の演出が実行され、オープニング期間の後部分においては主制御装置60のサポートモードの状態に応じて異なる内容の演出が実行されることになるので、オープニング期間の前部分から後部分にわたって演出の内容がどのように変化するのかといった期待感を遊技者に与えることができる。また、本変形例2によれば、オープニング期間の後部分において、主制御装置60のサポートモードの状態に適した内容を含む演出を実行することができる。
B7−1.変形例3:
図63は、第2実施形態の変形例3のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明するタイミングチャートである。上述した第2実施形態の変形例1との主な違いは、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの種別に関わらず主制御装置60がオープニング期間の長さを10秒に設定する点と、音声発光制御装置90がサポートモードの種別を把握しており、オープニングコマンドを受信した際に、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定するのか、それとも7秒間のオープニング演出及びラウンド演出を実行するように設定するのかをサポートモードの種別に基づいて決定する点である。以下、具体的な処理について説明する。
まず、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理について図63の(A)を参照して説明する。
図63の(A)に示すように、パチンコ機10の主制御装置60は、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの種別に関わらず、オープニング期間の長さを10秒に設定してオープニング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、オープニング期間が開始したことを示すオープニングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信すると、音光側サポートモードフラグを参照することによって、現在のサポートモードの種別が高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信した際に、現在のサポートモードの種別が高頻度サポートモードではないと判定した場合には、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。すなわち、音声発光制御装置90は、1つのコマンドに対して2つの処理(本実施形態では2つの演出)を連続的に実行するように設定する。
音声発光制御装置90は、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定させるためのオープニング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、オープニング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からオープニング演出コマンドを受信すると、7秒間のオープニング演出及び3秒間の右打ち報知演出を実行するように設定する。すなわち、表示制御装置100は、1つのコマンドに対して2つの処理(本実施形態では2つの演出)を連続的に実行するように設定する。その後、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
音声発光制御装置90は、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了すると、オープニング演出の次に実行するように設定されている右打ち報知演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、右打ち報知演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、右打ち報知演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。同様に、表示制御装置100は、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了すると、オープニング演出の次に実行するように設定されている右打ち報知演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、右打ち報知演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、10秒に設定されたオープニング期間が終了すると、開閉処理期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、開閉処理期間が開始したことを示す開放開始コマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、3秒間の右打ち報知演出に対応した制御を終了した後、主制御装置60から開放開始コマンドを受信すると、既にラウンド演出に対応した制御が実行中であるか否かを判定し、ラウンド演出に対応した制御が実行中ではないと判定した場合には、ラウンド演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、ラウンド演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、ラウンド演出を実行するように設定させるためのラウンド演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、ラウンド演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、3秒間の右打ち報知演出に対応した制御を終了した後、音声発光制御装置90からラウンド演出コマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように設定するとともに、ラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、ラウンド演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が所定回数に達して開閉処理期間が終了すると、エンディング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、エンディング期間が開始したことを示すエンディングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からエンディングコマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、エンディング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、エンディング演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、エンディング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からエンディング演出コマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定するとともに、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、エンディング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
次に、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理について図63の(B)を参照して説明する。上述した低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合における処理との主な違いは、オープニングコマンドを受信した音声発光制御装置90が高頻度サポートモードではないと判定してオープニング演出及びラウンド演出を実行するように設定する点である。以下、具体的に説明する。
図63の(B)に示すように、パチンコ機10の主制御装置60は、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの種別に関わらず、オープニング期間の長さを10秒に設定してオープニング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、オープニング期間が開始したことを示すオープニングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信すると、音光側サポートモードフラグを参照することによって、現在のサポートモードの種別が高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、音声発光制御装置90は、主制御装置60からオープニングコマンドを受信した際に、現在のサポートモードの種別が高頻度サポートモードであると判定した場合には、7秒間のオープニング演出及びラウンド演出を実行するように設定する。すなわち、音声発光制御装置90は、1つのコマンドに対して2つの処理(本実施形態では2つの演出)を連続的に実行するように設定する。
音声発光制御装置90は、オープニング演出及びラウンド演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、オープニング演出及びラウンド演出を実行するように設定させるためのオープニング‐ラウンド演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、オープニング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、オープニング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からオープニング‐ラウンド演出コマンドを受信すると、7秒間のオープニング演出及びラウンド演出を実行するように設定する。すなわち、表示制御装置100は、1つのコマンドに対して2つの処理(本実施形態では2つの演出)を連続的に実行するように設定する。その後、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、オープニング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
音声発光制御装置90は、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了すると、オープニング演出の次に実行するように設定されているラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、ラウンド演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、ラウンド演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。同様に、表示制御装置100は、7秒間のオープニング演出に対応した制御が終了すると、オープニング演出の次に実行するように設定されているラウンド演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、ラウンド演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
主制御装置60は、10秒に設定されたオープニング期間が終了すると、開閉処理期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、開閉処理期間が開始したことを示す開放開始コマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から開放開始コマンドを受信すると、既にラウンド演出に対応した制御が実行中であるか否かを判定し、ラウンド演出に対応した制御が実行中であると判定した場合には、当該開放開始コマンドを破棄し、既に実行中のラウンド演出に対応した制御を継続する。したがって、この場合には、表示制御装置100に対して、ラウンド演出を実行するように設定させるためのラウンド演出コマンドは送信されない。ただし、表示制御装置100は、既に実行中のラウンド演出に対応した制御を継続する。
主制御装置60は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が所定回数に達して開閉処理期間が終了すると、エンディング期間を開始するとともに、音声発光制御装置90に対して、エンディング期間が開始したことを示すエンディングコマンドを送信する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60からエンディングコマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定する。音声発光制御装置90は、エンディング演出を実行するように設定した後、表示制御装置100に対して、エンディング演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを送信する。その後、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、音声発光制御装置90は、エンディング演出に対応した音声がスピーカー46から出力されるように音声の出力制御を開始するとともに、エンディング演出に対応した発光パターンで各種ランプ47が発光するように当該各種ランプ47の発光制御を開始する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90からエンディング演出コマンドを受信すると、ラウンド演出に対応した制御を終了し、エンディング演出を実行するように設定するとともに、エンディング演出に対応した制御を開始する。具体的には、表示制御装置100は、エンディング演出に対応した動画を図柄表示装置41に表示させる制御を開始する。
以上説明した本変形例3によれば、上述した実施形態、変形例1及び変形例2の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本変形例3によれば、音声発光制御装置90は、主制御装置60のサポートモードの状態を把握することが可能であるとともに、主制御装置60から同一の内容のコマンドを受信した場合であっても、主制御装置60のサポートモードの状態に応じて異なる内容の演出を実行するので、種々の内容の演出を音声発光制御装置90に実行させるために主制御装置60が種々の内容のコマンドを音声発光制御装置90に送信する構成と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
具体的には、本変形例3によれば、音声発光制御装置90は、低頻度サポートモード中にオープニングコマンドを受信した場合にはオープニング演出を実行し、高頻度サポートモード中にオープニングコマンドを受信した場合には、オープニング演出を実行した後にラウンド演出を実行する。したがって、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させる場合であっても、また、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させた後にラウンド演出を実行させる場合であっても、主制御装置60は、同一の内容のオープニングコマンドを送信すればよいので、例えば、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させる場合には当該オープニング演出を実行させるためのコマンドを音声発光制御装置90に送信し、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させた後にラウンド演出を実行させる場合には当該オープニング演出を実行させた後に当該ラウンド演出を実行させるためのコマンドを音声発光制御装置90に送信する構成と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
さらに、本変形例3によれば、音声発光制御装置90は、低頻度サポートモード中にオープニングコマンドを受信した場合には、オープニング演出を実行した後に右打ち報知演出を実行するので、例えば、主制御装置60が、音声発光制御装置90にオープニング演出を実行させるためのオープニングコマンドを送信し、さらに右打ち報知演出を実行させるための右打ち報知コマンドを送信する構成(図35に示した比較例の構成)と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができるとともに、主側ROM63のコマンド情報記憶エリア63fに必要な記憶容量を低減することができる。
さらに、本変形例3によれば、音声発光制御装置90は、主制御装置60のサポートモードの状態を把握することが可能であり、主制御装置60のサポートモードの状態に基づいて、オープニングコマンドを受信してから開放開始コマンドを受信するまでの期間であるオープニング期間において実行する演出の内容を決定するので、主制御装置60は、自身のサポートモードの状態に応じてオープニングコマンドと開放開始コマンドとを送信する態様を変化させる必要がなく、毎回、同じ送信態様でオープニングコマンドと開放開始コマンドとを送信することができる。したがって、主制御装置60がサポートモードの状態に応じてオープニングコマンドと開放開始コマンドとを送信する送信態様を変化させるために必要となる制御を省略することができ、主制御装置60の処理負荷を低減することができる。また、当該制御を実行するためのプログラムを削除することができるので、主側ROM63のプログラム容量を削減することができる。また、本変形例3によれば、サポートモードの状態に応じた種々の内容の演出を音声発光制御装置90に実行させるために主制御装置60が種々の内容のコマンドを音声発光制御装置90に送信する構成と比較して、主制御装置60の処理負荷を低減することができる。
さらに、本変形例3によれば、主制御装置60は、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの状態が低頻度サポートモードであっても、高頻度サポートモードであっても、オープニング期間の長さを10秒に設定する。すなわち、主制御装置60は、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの状態が異なっていても同一の間隔でオープニングコマンドと開放開始コマンドとを送信する。したがって、本変形例3によれば、主制御装置60がサポートモードの状態に応じてオープニングコマンドと開放開始コマンドとを送信する間隔を変化させるために必要となる制御を省略することができ、主制御装置60の処理負荷を低減することができる。また、当該制御を実行するためのプログラムを削除することができるので、主側ROM63のプログラム容量を削減することができる。
さらに、本変形例3によれば、音声発光制御装置90は、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの状態が低頻度サポートモードである場合には、オープニング期間の前部分においてオープニング演出を実行し、オープニング期間の後部分において右打ち報知演出を実行する。そして、大当たり抽選において大当たりに当選した際のサポートモードの状態が高頻度サポートモードである場合には、オープニング期間の前部分においてオープニング演出を実行し、オープニング期間の後部分においてラウンド演出を実行する。したがって、本変形例3によれば、オープニング期間の前部分においては主制御装置60のサポートモードの状態に関わらず同一の内容の演出が実行され、オープニング期間の後部分においては主制御装置60のサポートモードの状態に応じて異なる内容の演出が実行されることになるので、オープニング期間の前部分から後部分にわたって演出の内容がどのように変化するのかといった期待感を遊技者に与えることができる。また、本変形例3によれば、オープニング期間の後部分において、主制御装置60のサポートモードの状態に適した内容を含む演出を実行することができる。
B7−4.変形例4:
上記実施形態及び上記各変形例では、音声発光制御装置90は、オープニングコマンドを受信した場合に2つの演出(オープニング演出及び右打ち報知演出)を順次実行するように設定する構成としたが、3つ以上の演出を順次実行するように設定する構成としてもよい。この構成によれば、音声発光制御装置90が開放開始コマンドを受信したタイミングが変化することによって、設定された3つ以上の演出のうち、実際に実行する演出の数が変化することになる。したがって、主制御装置60が開放開始コマンドを送信するタイミングを制御して変化させることによって、音声発光制御装置90に実行させる演出の数を変化させることができる。
B7−5.変形例5:
上記実施形態及び上記各変形例では、主制御装置60は、開閉処理期間の開始を契機として音声発光制御装置90に対して開放開始コマンドを送信する構成としたが、主制御装置60は、可変入賞装置36の開閉扉36bが実際に開放したことを契機として音声発光制御装置90に対して開放開始コマンドを送信する構成としてもよい。
B7−6.変形例6:
上記実施形態及び上記各変形例では、音声発光制御装置90及び表示制御装置100は、右打ち報知演出を実行する場合には、オープニング演出が終了した後に右打ち報知演出を実行する構成としたが、オープニング演出の表示や音声の出力を継続したまま右打ち報知演出の表示や音声の出力を重畳させて実行する構成としてもよい。例えば、オープニング演出の表示を継続したまま当該表示の上位のレイヤーに「右打ち!」といった文字を画面の端に小さく表示して右打ち報知演出を実行する構成としてもよい。
B7−7.変形例7:
上記実施形態及び上記変形例1では、高頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合におけるオープニング期間の長さを、低頻度サポートモード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合におけるオープニング期間の長さよりも短くなるように設定する構成としたが、高確率モード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合におけるオープニング期間の長さを、低確率モード中の大当たり抽選において大当たりに当選した場合におけるオープニング期間の長さよりも短くなるように設定する構成としてもよい。
B7−8.変形例8:
上記実施形態及び上記各変形例において、音声発光制御装置90は、主制御装置60から複数のコマンドを受信した場合に、当該複数のコマンドの受信間隔を計測するとともに、当該計測した受信間隔に基づいて、実行する演出の種別を決定する構成としてもよい。このような構成によれば、主制御装置60は、各演出に対応した種々のコマンドを送信しなくてもよいため、主制御装置60の処理負荷を低減することができる。
B7−9.変形例9:
上記実施形態及び上記各変形例において、音声発光制御装置90及び表示制御装置100は、演出を実行中に、他の演出を実行することになるコマンドを受信した場合には、当該実行中の演出を終了して、当該受信したコマンドに対応した演出を実行する構成としてもよい。このような構成によれば、関連しない複数の演出が重複して実行され、遊技者が各演出を認識するのが困難となってしまうことを抑制することができる。
B7−10.変形例10:
上記実施形態及び上記各変形例では、開閉実行モードが終了した後は高頻度サポートモードに移行する構成としたが、開閉実行モードが終了した後であっても高頻度サポートモードに移行しない構成としてもよい。また、開閉実行モードが終了した後に高頻度サポートモードに移行することになる大当たり種別と、高頻度サポートモードに移行しない大当たり種別とを含む構成としてもよい。
B7−11.変形例11:
上記実施形態及び上記各変形例の構成は、2つの装置間でコマンドの送受信を行なう他の構成に対しても適用することができる。
例えば、主制御装置60が音声発光制御装置90に対して、変動時間に関する情報等を含む変動用コマンド(変動パターンコマンド)を送信し、その後、図柄を停止(確定)させるための確定コマンドを送信する構成に対しても適用することができる。具体的には、例えば、変動用コマンドを受信した音声発光制御装置90は、予告演出、リーチ演出、スーパーリーチ演出等の複数の演出を順次実行するように設定し、当該複数の演出を順次実行中に確定コマンドを受信した場合には、当該実行中の演出を終了し、図柄を停止させる確定演出を実行する構成としてもよい。
また、例えば、主制御装置60が音声発光制御装置90に対して、ラウンドの開始を示す開放コマンド(例えば、1ラウンド目開放コマンド)を送信し、その後、次のラウンドの開始を示す開放コマンド(例えば、2ラウンド目開放コマンド)を送信する構成に対しても適用することができる。具体的には、例えば、1ラウンド目開放コマンドを受信した音声発光制御装置90は、1ラウンド目に対応した1ラウンド目演出を実行するように設定し、当該1ラウンド目演出を実行中に2ラウンド目開放コマンドを受信した場合には、当該実行中の1ラウンド目演出を終了し、2ラウンド目演出を実行する構成としてもよい。なお、1ラウンド目演出及び2ラウンド目演出等は、音声発光制御装置90が複数の処理を順次実行することによって実現される。
また、例えば、音声発光制御装置90が表示制御装置100に対して、所定の演出の実行を指示する演出コマンドを送信し、その後、遊技者によって演出操作ボタン24が押下されたことを示す演出操作コマンドを送信する構成に対しても適用することができる。具体的には、例えば、パネル選択演出コマンドを受信した表示制御装置100は、複数のパネルの中から一のパネルを選択するためのパネル選択演出(例えば、複数のパネルが回転、移動する演出や、パネルの枠が移動する演出)を実行するように設定し、当該パネル選択演出を実行中に演出操作コマンドを受信した場合には、当該実行中のパネル選択演出を終了し、当該複数のパネルの中に含まれる所定のパネルに対応した内容の演出を実行する構成としてもよい。なお、パネル選択演出は、表示制御装置100が複数の処理を順次実行することによって実現される。
また、例えば、主制御装置60が音声発光制御装置90に対して、変動時間に関する情報等を含む変動用コマンド(変動パターンコマンド)と、大当たり抽選の結果に関する情報等を含む種別コマンドとを送信する構成に対しても適用することができる。具体的には、例えば、音声発光制御装置90は、変動用コマンドと種別コマンドとを受信した間隔に基づいて、遊技回において実行する演出の内容や、オープニング期間において実行する演出の内容を決定する構成としてもよい。
B7−12.変形例12:
上記実施形態では、オープニングコマンド及び開放開始コマンドの受信間隔が異なることによって、音声発光制御装置90が右打ち報知演出を実行する場合と実行しない場合とが生じる構成であったが、オープニングコマンドに含まれる情報の内容が異なることによって、音声発光制御装置90が右打ち報知演出を実行する場合と実行しない場合とが生じる構成としてもよい。
C.第3実施形態:
C1.遊技機の構造:
本実施形態における遊技機の構造について説明する。
図64は、第3実施形態におけるパチンコ機10の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる大当たり抽選時、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
また、上皿20の周縁部の正面視左側には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
なお、本実施形態においては、遊技球発射ボタン26は、上皿20の周縁部の正面視左側に配置される構成を採用したが、遊技球発射ボタン26が他の位置に配置される構成を採用してもよい。例えば、遊技球発射ボタン26を、ウェイトボタン25bと同様に、操作ハンドル25の内部(周縁部)に配置する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技者が、操作ハンドル25、ウェイトボタン25b、遊技球発射ボタン26を、右手のみで操作することを可能にする。
図65は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53とを備えている。具体的には、これら機構部は内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能と電源を監視する機能とを有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、図柄表示装置を制御する。図柄表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
図66は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、および、可変入賞機構KHが設けられている。図示するように可変入賞機構KHは、第1可変入賞装置57と第2可変入賞装置58とを含む機構である。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口である。第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30の右側に設けられている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。また、第2始動口34には、電動役物34aが設けられている。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行う。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35を遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
第1可変入賞装置57は、遊技盤30の背面側へと通じる第1大入賞口57aと、当該第1大入賞口57aを開閉する第1開閉扉57bとを備えている。第1開閉扉57bは、通常は遊技球が第1大入賞口57aに入球できない閉鎖状態となっている。後述する大当たり抽選において大当たりになった場合に、第1開閉扉57bは開放状態となり、第1大入賞口57aに遊技球が入球可能な状態となる。
第2可変入賞装置58は、遊技盤30の背面側へと通じる第2大入賞口58aと、当該第2大入賞口58aを開閉する第2開閉扉58bとを備えている。第2開閉扉58bは、通常は遊技球が第2大入賞口58aに入球できない閉鎖状態となっている。大当たり抽選において大当たりになった場合に、第2開閉扉58bは開放状態となり、第2大入賞口58aに遊技球が入球可能な状態となる。
第2可変入賞装置58の第2大入賞口58aは、V入賞領域FVと、非V入賞領域FNVとを有する。V入賞領域FVおよび非V入賞領域FNVについては後述する。
第2可変入賞装置58は、第1可変入賞装置57の下流に配置されている。第1可変入賞装置57の第1開閉扉57bが閉鎖状態のタイミングで第1可変入賞装置57に到達した遊技球は、第1開閉扉57bの上を通過して第2可変入賞装置58に到達する。このとき、第2開閉扉58bが開放状態である場合には、当該遊技球は第2大入賞口58aに入球する。
以下、第1可変入賞装置57および第2可変入賞装置58を単に「可変入賞装置」とも呼ぶ。また、第1大入賞口57aおよび第2大入賞口58aを単に「大入賞口」、第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bを単に「開閉扉」とも呼ぶ。
第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球すると、主制御装置60は、大当たり抽選(内部抽選)を実行する。大当たり抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選すると、パチンコ機10は、開閉実行モードに移行する。開閉実行モードとは、第1可変入賞装置57の第1開閉扉57bおよび第2可変入賞装置58の第2開閉扉58bの開閉処理を実行するモードである。具体的には、第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bは、開閉実行モードに移行すると、所定の開閉パターンで、遊技球が第1大入賞口57a、第2大入賞口58aに入球可能な開放状態に遷移するとともに、所定の条件が満たされると、再び、閉鎖状態に遷移する。本実施形態では、第1大入賞口57aまたは第2大入賞口58aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。なお、第1大入賞口57aに遊技球が入球した場合に払出装置71によって払い出される賞球の数と、第2大入賞口58aに遊技球が入球した場合に払出装置71によって払い出される賞球の数とが異なる構成を採用してもよい。
また、遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAの流下を継続する態様も含まれる。ただし、以下の説明では、一般入賞口32、第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第1始動口33への遊技球の入球を契機として大当たり抽選が実行される遊技回を第1始動口用遊技回とも呼ぶ。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第2始動口34への遊技球の入球を契機として大当たり抽選が実行される遊技回を第2始動口用遊技回とも呼ぶ。
ここで、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間とも呼ぶ。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間とも呼び、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間とも呼ぶ。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cおよび第2保留表示部37dを備えている。
第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。本実施形態では、第1始動口33に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。本実施形態では、第2始動口34に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35の通過を契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が第1可変入賞装置57または第2可変入賞装置58に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、第1開閉扉57bまたは第2開閉扉58bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了した場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、及びラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、可変表示ユニット40が備える表示装置の構成は、図柄表示装置41に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機とした図柄の変動表示又は所定の表示をすることに限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の演出表示なども行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図67は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図67(a)は、図柄表示装置41において変動表示される液晶用図柄を示す説明図である。液晶用図柄は、図柄表示装置41に表示される画像であって、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄および第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄に対応した図柄である。第1始動口33への遊技球の入球を契機とした遊技回が実行されている場合には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄に対応した液晶用図柄が表示面41aに表示され、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした遊技回が実行されている場合には、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄に対応した液晶用図柄が表示面41aに表示される。
図67(a)に示すように、図柄表示装置41には、液晶用図柄として、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図67(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、メイン表示領域MAが表示される。メイン表示領域MAには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図67(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図67(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による大当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、遊技回とは、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを言い、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報についての大当たり抽選の抽選結果を、遊技者に報知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1回の大当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄として図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
図67(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留遊技回の数に対応した表示がされる。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留遊技回の数に対応した表示がされる。保留遊技回とは、未実行の遊技回であって、第1始動口33または第2始動口34への入賞に基づいて取得された特別情報について、大当たり抽選の抽選結果を報知するための変動表示が開始されていない遊技回を言う。第1始動口33への入賞に基づいて保留可能な保留遊技回の数は4つである。従って、図示するように、第1保留表示領域Ds1には4つの保留遊技回に対応した保留表示が表示可能である。また、第2始動口34への入賞に基づいて保留可能な保留遊技回の数は4つである。従って、図示するように、第2保留表示領域Ds2には4つの保留遊技回に対応した保留表示が表示可能である。
また、図67(b)に示すように、表示面41aには、特図ユニット37の第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第1同期表示部Sync1と、特図ユニット37の第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第2同期表示部Sync2とを備える。具体的には、第1図柄表示部37aが変動表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点滅表示をし、第1図柄表示部37aが停止表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点灯表示をする。また、第2図柄表示部37bが変動表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点滅表示をし、第2図柄表示部37bが停止表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点灯表示をする。
なお、本実施形態においては、表示面41aは、メイン表示領域MA、液晶用普図表示領域NA、第1同期表示部Sync1、および、第2同期表示部Sync2を表示する構成としたが、表示面41aがこれらの表示の一部または全部を表示しない構成を採用してもよい。
C2.遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図68は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、主制御基板61の入力側には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)などの各種の入球口やスルーゲートに設けられた各種検出センサーが接続されている。主制御基板61のMPU62は、これらの検出センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲートを通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たり抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、第1可変入賞装置57の第1開閉扉57bを開閉動作させる第1可変入賞駆動部57cと、第2可変入賞装置58の第2開閉扉58bを開閉動作させる第2可変入賞駆動部58cと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bが開閉されるように、第1可変入賞駆動部57cおよび第2可変入賞駆動部58cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部44bの駆動制御を実行する。さらに、各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、主制御基板61の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入球判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への遊技球の入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。さらに、発射制御装置80には、遊技球発射ボタン26が接続されている。遊技者によって遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、第1液晶用図柄や第2液晶用図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄が停止表示している時間である停止時間は一定ある。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技回時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図69は、大当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が大当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、大当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。大当たり種別を振り分ける際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
また、RAM64には保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaと第2保留エリアRbとが設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。また、第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに時系列的に記憶される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように大当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜1199)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。また、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、第1始動口33または第2始動口34に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。そして、実行エリアAEに移動した大当たり乱数カウンタC1は、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜39の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、大当たり抽選の結果が大当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、大当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、大当たり抽選の結果が大当たりとなり、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図67(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とを、MPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電動役物用実行エリア64eに移動した後、電動役物用実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0,1であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=2〜465であれば、電動役物34aを閉鎖状態に維持する。
なお、取得された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、電動役物開放カウンタC4の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つが本発明における特別情報に相当する。また、第1保留エリアRaおよび第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つを保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、大当たり乱数カウンタC1に基づいて大当たり抽選を行う際に、当該大当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。パチンコ機10には、大当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されており、低確率モード時における大当たり抽選の際には低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モード時における大当たり抽選の際には高確率モード用の当否テーブルが参照される。また、本実施形態においては、パチンコ機10は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルと、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで判定処理実行エリア64cに記憶された大当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルとを、それぞれ別のテーブルデータとして記憶している。具体的には、パチンコ機10は、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)の4つの当否テーブルを、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶している。
図70は、第1始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図70(a)は第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図70(b)は第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図70(a)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜4の5個の値以外の値(5〜1199)が外れである。一方、図70(b)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜15の16個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜15の16個の値以外の値が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、大当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
図71は、第2始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図71(a)は第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図71(b)は第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図71(a)に示すように、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜4の5個の値以外の値(5〜1199)が外れである。一方、図71(b)に示すように、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜15の16個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜15の16個の値以外の値が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、大当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
また、本実施形態では、低確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。ただし、大当たり抽選の結果、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たりとなる確率が高くなるのであれば、大当たりとして設定されている乱数の数及び値は任意である。
なお、本実施形態における当否テーブルにおいては採用していないが、大当たり抽選の結果として「小当たり」を設けてもよい。
「小当たり」とは、可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)の開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機とはなるが、抽選モードおよびサポートモードの両方について、移行契機とならない当否結果である。これに対して、「外れ」は、開閉実行モードの移行契機とはならず、さらに、抽選モードおよびサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
次に、大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置の開閉扉の開閉回数(ラウンド数)
(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置の開閉制御の態様
(3)開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モード(低確率モード又は高確率モード)
上記の(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置の開閉制御の態様として、第1可変入賞装置57の第1開閉扉57b、および、第2可変入賞装置58の第2開閉扉58bの開閉パターン(以下、単に「開閉パターン」とも呼ぶ)を複数種類設け、大当たりの種類毎に1種類の開閉パターンが対応して設定されてもよい。本実施形態においては、大当たりの種類毎に1種類の開閉パターンが対応して設定されており、開閉パターン毎に、第1開閉扉57bの開閉の態様および第2開閉扉58bの開閉の態様が異なる。本実施形態における第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bの開閉パターンについては後述する。
その他、開閉実行モードにおける可変入賞装置の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)への遊技球の入球(入賞)の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放は5秒が経過するまで又は開閉扉36bへの遊技球の入球個数が7個となるまで継続するように設定することができる。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放が1.6秒が経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が7個となるまで継続するよう設定することができる。
開閉扉36bの1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)への入球の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)の開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)への入賞が発生しない構成としてもよい。なお、本実施形態においては、低頻度入賞モードは設けておらず、全ての大当たりにおいて高頻度入賞モードが設定される。
本実施形態では、大当たり抽選の結果、大当たりとなった場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、大当たり種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図72は、振分テーブルの内容を示す説明図である。図72(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図72(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。第1始動口用の振分テーブルは、第1始動口33への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の際に参照され、第2始動口用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の際に参照される。
図72(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、第1始動口用の振分テーブルには、第1始動口33への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、8R第1種大当たり、及び、8R第2種大当たりが設定されている。本実施形態においては、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜27」が8R第1種大当たりに対応し、「28〜39」が8R第2種大当たりに対応するように設定されている。
8R第1種大当たりは、開閉実行モードにおける第1可変入賞装置57の第1開閉扉57bの開放回数と第2可変入賞装置58の第2開閉扉58bの開放回数との合計が8回(8ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、8R第1種大当たりは、開閉実行モード中に、遊技球が第2大入賞口58aのV入賞領域FVに入りやすいように、可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)の開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)の開閉制御が行われる。そして、V入賞領域FVに遊技球が入球した場合には、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなる。
なお、本実施形態においては、8R第1種大当たりにおいては、開閉実行モードにおける第1可変入賞装置57の第1開閉扉57bの開放回数と第2可変入賞装置58の第2開閉扉58bの開放回数との合計が8回(8ラウンド)であり、すなわち、1ラウンド中に第1開閉扉57bまたは第2開閉扉58bのいずれか一方が一回開放する態様としたが、他の態様として、1ラウンド中に開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)が複数回開放する態様を採用してもよい。本実施形態においては、制御上、開閉実行モード中のラウンド数は、後述するラウンドカウンタエリアに設定された数値を1ラウンドが終了する毎に1減算(デクリメント)させることによって制御している。よって、本実施形態においては、ラウンドカウンタエリアに設定された数値を1回デクリメントするまでに、第1開閉扉57bまたは第2開閉扉58bのいずれか一方が一回開放するように制御している。他の態様として、ラウンドカウンタエリアに設定された数値を1回デクリメントするまでに、開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)が複数回開放する態様を採用してもよい。
8R第2種大当たりは、開閉実行モードにおける第1可変入賞装置57の第1開閉扉57bの開放回数と第2可変入賞装置58の第2開閉扉58bの開放回数との合計が8回(8ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、8R第2種大当たりは、開閉実行モード中に、遊技球が大入賞口58aのV入賞領域FVに入りにくいように、可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)の開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)の開閉制御が行われる。しかしながら、仮にV入賞領域FVに遊技球が入球した場合には、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなる。
このように、第1種大当たりは、第2種大当たりと比較して、ラウンド遊技中にV入賞領域FVに遊技球が入球しやすいため、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなる確率が高い。一方、第2種大当たりは、第1種大当たりと比較して、ラウンド遊技中にV入賞領域FVに遊技球が入球しにくいため、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなる確率が低い。
図72(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、第2始動口用の振分テーブルには、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、16R第1種大当たり、及び、8R第2種大当たりが設定されている。本実施形態においては、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜27」が16R第1種大当たりに対応し、「27〜39」が8R第2種大当たりに対応するように設定されている。
16R第1種大当たりは、開閉実行モードにおける第1可変入賞装置57の第1開閉扉57bの開放回数と第2可変入賞装置58の第2開閉扉58bの開放回数との合計が16回(16ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、16R第1種大当たりは、開閉実行モード中に、遊技球が第2大入賞口58aのV入賞領域FVに入りやすいように、可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)の開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)の開閉制御が行われる。そして、V入賞領域FVに遊技球が入球した場合には、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなる。
8R第2種大当たりは、上述のように、開閉実行モードにおける第1可変入賞装置57の第1開閉扉57bの開放回数と第2可変入賞装置58の第2開閉扉58bの開放回数との合計が8回(8ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、8R第2種大当たりは、開閉実行モード中に、遊技球が第2大入賞口58aのV入賞領域FVに入りにくいように、可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)の開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)の開閉制御が行われる。しかしながら、仮にV入賞領域FVに遊技球が入球した場合には、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなる。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりとなった場合の大当たり種別の振分態様は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合と、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して遊技球の発射が同様の態様で継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、本実施形態におけるパチンコ機10は、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aの1回の開放時間が長く設定されている。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われるまでに確保される時間が相対的に短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
図73は、電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図73(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図73(a)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0、1の2個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として2〜465の464個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、1/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.4秒である。
図73(b)は、高頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図73(b)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0〜461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462〜465の4個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.6秒である。
このように、電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなるように設定されている。
C3.遊技機による処理の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。
図74は、可変入賞機構KHを説明する説明図である。上述のように、可変入賞機構KHは、第1可変入賞装置57および第2可変入賞装置58を備える。図74(a)には、第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bが閉鎖状態である場合の可変入賞機構KHの斜視図を示した。説明の便宜上、図示するように、遊技盤30の右側に発射された遊技球が可変入賞機構KHに最初に到達する地点を基準点P0と呼び、基準点P0を含む可変入賞機構KH上の平面部を平面部SFと呼ぶ。
第1開閉扉57b、第2開閉扉58bおよび平面部SFを含む平面は、遊技盤30の右側から中心に向かって下方向に傾斜している。遊技球発射機構81から遊技盤30の右方向に向けて発射された遊技球は、遊技盤30の右側を流下し、平面部SFの基準点P0に到達する。第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bが閉鎖状態である場合、基準点P0に到達した遊技球は、基準点P0→第1開閉扉57b→第2開閉扉58bの順に流下する。なお、図示するように、説明の便宜上、基準点P0から遊技球の流下する方向をX方向と定義付ける。図示するように、遊技球は、閉鎖状態の第1開閉扉57bの上面をX方向に約0.4秒で通過する。
また、第2開閉扉58bの上面には、柱状の凸部59が6つ配置されている。凸部59は、その長手方向がX方向と略垂直になるように第2開閉扉58bの上面に配置されている。第2開閉扉58bの上面に配置されている凸部59は、第2開閉扉58bの上面を流下する遊技球の速度を調整し、結果として、凸部59は、遊技球が第2開閉扉58bの上面を通過するために要する時間(通過時間)を調整する。
第2開閉扉58bの上面のうち非V入賞領域FNVに対応する領域には、凸部59が2つ配置されている。また、第2開閉扉58bの上面のうちV入賞領域FVに対応する領域には、凸部59が4つ配置されている。このように凸部59が配置されることによって、遊技球は、閉鎖状態の第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を約2秒で通過し、閉鎖状態の第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域を約4秒で通過する。
図74(b)は、第1開閉扉57bが開放状態である場合の可変入賞機構KHを示している。図74(c)は、第2開閉扉58bが開放状態である場合の可変入賞機構KHを示している。パチンコ機10における開閉実行モードが実行されている期間においては、第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bは、所定の開閉パターンに従って、開放状態と閉鎖状態との間を遷移する。なお、開閉実行モードが実行されている期間において、第1開閉扉57bと第2開閉扉58bとが同時に開放状態となることはなく、第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bは、図74(a)に示した状態、図74(b)に示した状態、または、図74(c)に示した状態のいずれか1つの状態となる。すなわち、第1開閉扉57bが開放状態となる場合と、第2開閉扉58bが開放状態となる場合とは排他的な関係である。
図75は、第1大入賞口57aに遊技球が入球する場合について説明する説明図である。図75(a)は、第1開閉扉57bが開放する直前に第1開閉扉57bの上面を流通する遊技球GB1と、第1開閉扉57bが開放する直前に第1開閉扉57bより上流を流通する遊技球GB2とを示している。
図75(b)は、第1開閉扉57bが開放した直後の様子を示している。第1開閉扉57bが開放すると、第1開閉扉57bの開放直前に第1開閉扉57bの上面を流通していた遊技球GB1は第1大入賞口57aに入球する。その後、図75(c)に示すように、第1開閉扉57bが開放する直前に第1開閉扉57bより上流を流通していた遊技球GB2が流下し、第1大入賞口57aに入球する。
このように、第1開閉扉57bが開放する直前に第1開閉扉57bの上面を流通する遊技球と、第1開閉扉57bが開放する直前に第1開閉扉57bより上流を流通する遊技球とが、第1開閉扉57bが開放後に第1大入賞口57aに入球する。
図76は、第2大入賞口58aの非V入賞領域FNVに遊技球が入球する場合について説明する説明図である。図76(a)は、第2開閉扉58bが開放する直前に第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を流通する遊技球GB3と、第2開閉扉58bが開放する直前に第2開閉扉58bより上流を流通する遊技球GB4とを示している。
図76(b)は、第2開閉扉58bが開放した直後の様子を示している。第2開閉扉58bが開放すると、第2開閉扉58bの開放直前に第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を流通していた遊技球GB3は第2大入賞口58aの非V入賞領域FNVに入球する。その後、図76(c)に示すように、第2開閉扉58bが開放する直前に第2開閉扉58bより上流を流通していた遊技球GB4が流下し、第2大入賞口58aの非V入賞領域FNVに入球する。
このように、第2開閉扉58bが開放する直前に第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を流通する遊技球と、第2開閉扉58bが開放する直前に第2開閉扉58bより上流を流通する遊技球とが、第2開閉扉58bが開放後に第2大入賞口58aの非V入賞領域FNVに入球する。
図77は、第2大入賞口58aのV入賞領域FVに遊技球が入球する場合について説明する説明図である。図77(a)は、第2開閉扉58bが開放する直前に第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域を流通する遊技球GB5と、第2開閉扉58bが開放する直前に第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を流通する遊技球GB6とを示している。
図77(b)は、第2開閉扉58bが開放した直後の様子を示している。第2開閉扉58bが開放すると、第2開閉扉58bの開放直前に第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域を流通していた遊技球GB5は第2大入賞口58aのV入賞領域FVに入球する。一方、第2開閉扉58bの開放直前に第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を流通していた遊技球GB6は第2大入賞口58aの非V入賞領域FNVに入球し、V入賞領域FVには入球しない。
このように、第2開閉扉58bの開放直前に第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域を流通していた遊技球は、第2開閉扉58bが開放後に第2大入賞口58aのV入賞領域FVに入球するが、第2開閉扉58bの開放直前に第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を流通していた遊技球は、第2開閉扉58bが開放後に第2大入賞口58aのV入賞領域FVには入球しない。
図78は、第1種大当たりを契機として実行される開閉実行モードにおける第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bの開閉パターンと、当該開閉パターンにおける遊技球の挙動の一例を説明する説明図である。図78の下部には、第1開閉扉57bと第2開閉扉58bの開閉パターンを表すタイムチャートを示し、図78の上部には、当該開閉パターンにおける遊技球の挙動の一例を示すグラフを示した。図78の下部に示したタイムチャートと、図78の上部に示したグラフとの間に示した横軸は、当該2つの図に共通して用いる時間(秒)を示している。
図78の下部に示すように、第1種大当たりを契機とする開閉実行モードにおける開閉パターンでは、ラウンド遊技の1ラウンド目として第1開閉扉57bの開閉動作が1回実行される。その後、第2開閉扉58bの開閉動作が当該大当たりのラウンド数に達するまで実行される。例えば、8R第1種大当たりの場合、1ラウンド目として第1開閉扉57bの開閉が1回実行された後、2ラウンド目〜8ラウンド目として第2開閉扉58bの開閉動作が7回実行される。また、16R第1種大当たりの場合、1ラウンド目として第1開閉扉57bの開閉動作が1回実行された後、2ラウンド目〜16ラウンド目として第2開閉扉58bの開閉動作が15回実行される。図示の便宜上、図79には、第2開閉扉58bの開閉動作を4回目まで示した。
また、本実施形態においては、第1種大当たりおよび第2種大当たりを契機とした開閉実行モードにおいては、開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)が開放状態から閉鎖状態へ移行する条件(以下、「閉鎖条件」とも呼ぶ)は、以下のとおりである。
・開放状態の開閉扉に対応する大入賞口に7個の遊技球が入球したこと
・開閉扉が開放状態で10秒間が経過したこと
上記2つの項目のいずれか1つが成立した場合に、開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)は開放状態から閉鎖状態に移行する。
さらに、可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)の開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)の開閉制御は、上述の閉鎖条件に加え、開閉扉を開放状態に移行する条件が記録されたプログラムである開放シナリオによって制御される。開放シナリオは、大当たりの種別毎に用意されており、本実施形態においては、16R第1種大当たり用開放シナリオ、8R第1種大当たり用開放シナリオ、8R第2種大当たり用開放シナリオの3つのプログラムが用意されている。また、大当たりの種別毎に用意された各開放シナリオには、開閉扉を閉鎖状態から開放状態に移行するまでの時間、および、開放する開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)の順番が、開閉実行モードにおける各ラウンド毎に記録されている。例えば、8R第1種大当たりにおける開閉実行モードにおいては、第1開閉扉57bが開放状態から閉鎖状態に移行して1ラウンド目が終了し、次に2ラウンド目として第2開閉扉58bが開放状態に移行するが、第1開閉扉57bが閉鎖状態に移行してから第2開閉扉58bが開放状態に移行するまでの時間が8R第1種大当たり用開放シナリオに設定されている。
大当たり抽選において大当たりに当選した場合には、主側CPU62は当該大当たりの種別に対応した開放シナリオを読み込み、読み込んだ開放シナリオに従って第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bを開放状態にすべきか否かの判断を行う。このように、閉鎖条件と開放シナリオとに基づいた開閉扉の開閉制御が主側CPU62によって実行される。
上述のように、第1種大当たりに当選した場合には、開閉実行モード中に、遊技球が第2大入賞口58aのV入賞領域FVに入りやすいように、可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)の開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)の開閉制御が行われる。本実施形態においては、開放シナリオに基づいて開閉扉を開放状態に移行するタイミングを制御することによって、遊技球が第2大入賞口58aのV入賞領域FVに入りやすいようにしている。
具体的には、第2開閉扉58bが閉鎖してから第2開閉扉58bの次の開放までの期間(以下、「第2開閉扉閉鎖期間CLT」とも呼ぶ)を、第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を遊技球が通過するまでの時間(本実施形態では2秒)以上、かつ、第2開閉扉58bの上面全面(V入賞領域FVに対応する領域と非V入賞領域FNVに対応する領域を合わせた領域)を遊技球が通過するまでの時間(本実施形態では6秒)未満に設定することによって、第1種大当たりに対応する開閉実行モード中に、遊技球が第2大入賞口58aのV入賞領域FVに入りやすくなるように制御している。以下、第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を遊技球が通過するまでの時間を、「非V入賞領域通過時間NVT」とも呼ぶ。また、第2開閉扉58bの上面全面を遊技球が通過するまでの時間を、「全面通過時間ALT」とも呼ぶ。すなわち、本実施形態においては、第1種大当たりに対応する開閉実行モードにおいては、第2開閉扉閉鎖期間CLTを、非V入賞領域通過時間NVT≦第2開閉扉閉鎖期間CLT<全面通過時間ALTとなるように設定することで、遊技球が第2大入賞口58aのV入賞領域FVに入りやすくなるように制御している。以下、その原理について説明する。
非V入賞領域通過時間NVT≦第2開閉扉閉鎖期間CLTに設定することによって、第2開閉扉58bが閉鎖した後に第2開閉扉58bの上面の最上流部に到達した遊技球を、第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を通過させ、第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域まで流下させることができる。よって、遊技球発射機構81から0.6秒間隔で発射された遊技球が、可変入賞機構KHの基準点P0に0.6秒毎に到達し、第2開閉扉58bの上面の最上流部を0.6秒の間隔で通過する場合、非V入賞領域通過時間NVT≦第2開閉扉閉鎖期間CLTに設定することによって、第2開閉扉58bが閉鎖した後に第2開閉扉58bの最上流部に最先に到達した遊技球を、第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を通過させ、第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域まで流通させることができる。すなわち、第2開閉扉58bが閉鎖している期間中に、第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域に少なくとも1個の遊技球が存在することになる。よって、第2開閉扉閉鎖期間CLTを非V入賞領域通過時間NVT以上の値に設定して第2開閉扉58bを開放状態に移行することで、遊技球をV入賞領域FVに入球しやすくすることができる。
また、第2開閉扉閉鎖期間CLT<全面通過時間ALTに設定することによって、当該遊技球が第2開閉扉58bの上面の最下流部を通過してしまう前に第2開閉扉58bを開放状態にして、当該遊技球をV入賞領域FVに入球させることができる。すなわち、第2開閉扉58bが閉鎖した後に第2開閉扉58bの最上流部に最先に到達した遊技球を第2大入賞口58a(V入賞領域FV)に入球させることができる。その結果、開閉実行モードにおいて、2ラウンド目において開閉扉の開放が開始された時点から最後のラウンドにおいて開放状態である開閉扉が閉鎖状態に移行するまでの期間において、可変入賞機構KHに到達した遊技球が第1大入賞口57aにも第2大入賞口58aにも入球せずに、可変入賞機構KHを通過してしまいアウト口43に入球してしまうことを抑制することができる。換言すれば、開閉実行モードにおいて、2ラウンド目において開閉扉の開放が開始された時点から最後のラウンドにおいて開放状態である開閉扉が閉鎖状態に移行するまでの期間において、可変入賞機構KHを流通するほぼ全ての遊技球を第1大入賞口57aまたは第2大入賞口58aに入球させることができる。従って、遊技者は、第1種大当たり(8R第1種大当たり、16R第1種大当たり)に対応するラウンド遊技中に右打ちをした場合、可変入賞機構KHに到達した遊技球をほぼ取りこぼし無く大入賞口(第1大入賞口57aまたは第2大入賞口58a)に入球させることができる。よって、遊技者は、ラウンド遊技中に効率良く特典(賞球)を得ることができる。
本実施形態においては、上記条件を満たす第2開閉扉閉鎖期間CLTの値として、第2開閉扉閉鎖期間CLT=3秒が開放シナリオに設定されている。また、1ラウンド目に開放した第1開閉扉57bが閉鎖状態に移行した時点から、第2開閉扉58bが開放状態に移行するまでの期間も、開放シナリオによって3秒に設定されている。1ラウンド目に開放した第1開閉扉57bが閉鎖状態に移行した後に第1開閉扉57bの上面に最先に到達した遊技球が第2開閉扉58bの上面の最下流を通過するまでに第2開閉扉58bを開放状態に移行することによって、1ラウンド目の終了後から2ラウンド目の開始までに第2開閉扉58bの上面に到達した遊技球も、第2大入賞口58aに入球させることができる。結果として、開閉実行モードにおいて、1ラウンド目において開閉扉の開放が開始された時点から最後のラウンドにおいて開放状態である開閉扉が閉鎖状態に移行するまでの期間において、可変入賞機構KHを流通するほぼ全ての遊技球を第1大入賞口57aまたは第2大入賞口58aに入球させることができる。このような理由により、本実施形態においては、1ラウンド目に開放した第1開閉扉57bが閉鎖状態に移行した時点から、第2開閉扉58bが開放状態に移行するまでの期間は、開放シナリオによって3秒に設定されている。
また、第1種大当たりにおけるラウンド遊技の1ラウンド目に第1開閉扉57bを開放させる理由は、後述する第2種大当たりの開閉実行モードにおける開閉扉の開閉パターンと、上記説明した第1種大当たりの開閉実行モードにおける開閉扉の開閉パターンとを類似させ、遊技者に対して、開閉扉の挙動から第1種大当たりであるか第2種大当たりであるかを判別させにくくするためである。なお、第2種大当たりにおけるラウンド遊技の1ラウンド目に第1開閉扉57bを開放させる理由については後述する。
次に、第1種大当たりの開閉実行モードにおける開閉パターンが実行された場合の遊技球の挙動について説明する。上述のように、図78の上部に第1種大当たりの開閉実行モードにおける開閉パターンが実行された場合の遊技球の挙動の一例を示すグラフを示した。当該グラフの縦軸は、可変入賞機構KHの基準点P0(図74(a)参照)を原点としたX方向の距離を示している。また、縦軸には、X方向における第1大入賞口57a(第1開閉扉57bの上面)に対応する領域および第2大入賞口58a(第2開閉扉58bの上面)に対応する領域を示した。
上述のように当該グラフの横軸は時間(秒)である。当該グラフに示した実線および破線は、1個の遊技球の挙動を示している。すなわち、当該実線および破線は、時間の経過とともに可変入賞機構KHの基準点P0からX方向に流下する遊技球の挙動を示している。本説明で示したグラフは、遊技球発射機構81から0.6秒間隔で発射された遊技球が、可変入賞機構KHの基準点P0に0.6秒毎に到達し、可変入賞機構KHをX方向に流通する場合の、当該遊技球の挙動について示した。
当該グラフに示した実線の太線の矩形領域は、第1種大当たりの第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bの開閉パターンにおける、第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bの開放状態に対応する領域(以下、開放領域とも呼ぶ)を示している。遊技球の挙動を示す実線が開放領域と重なる場合には、当該遊技球は、当該開放領域に対応する大入賞口(第1大入賞口57aまたは第2大入賞口58a)に入球したことを示す。遊技球の挙動を示す破線は、当該遊技球が大入賞口に入らなかったとした場合の遊技球のX方向の挙動を示している。
また、遊技球の挙動を示す実線と開放領域との交点に示した点「・」は、大入賞口(第1大入賞口57aまたは第2大入賞口58a)への遊技球の入球を示している。すなわち、1つの開放領域に接する点「・」の数が、当該開放領域に対応する開閉扉(第1開閉扉57bまたは第2開閉扉58b)の開閉によって大入賞口(第1大入賞口57aまたは第2大入賞口58a)に入球した遊技球の入球数である。上述のように、本実施形態においては、閉鎖条件として、開放状態の開閉扉に対応する大入賞口に7個の遊技球が入球した場合には開閉扉が開放状態から閉鎖状態に移行するため、第1開閉扉57bの1回の開放に対応する開放領域および第2開閉扉58bの1回の開放に対応する開放領域には、各々、7個の点「・」が接している。
また、各開放領域に接する点「・」のうち、開放領域を示す矩形の縦辺に接する点「・」は、開閉扉を開放状態にする前に既に開放扉の上面を流通しており、開閉扉の開放と同時に、開閉扉に対応する大入賞口(または入賞領域)に入球したことを示す。すなわち、図75に示した遊技球GB1、図76に示した遊技球GB3、図77に示した遊技球GB5および遊技球GB6の挙動に対応する。
一方、各開放領域に接する点「・」のうち、開放領域を示す矩形の横辺に接する点「・」は、開閉扉を開放状態にする前に各開閉扉より上流を流通しており、開閉扉の開放後に、開閉扉に対応する大入賞口(または入賞領域)に到達して大入賞口(または入賞領域)に入球したことを示す。すなわち、図75に示した遊技球GB2、図76に示した遊技球GB4の挙動に対応する。
本実施形態においては、第1種大当たり用(16R1種大当たり用、8R第1種大当たり用)の開放シナリオにおいて、第2開閉扉閉鎖期間CLT=3秒に設定した。従って、上述した「非V入賞領域通過時間NVT(2秒)≦第2開閉扉閉鎖期間CLT(3秒)」の条件を満たす。よって、当該グラフから分かるように、2ラウンド以降の毎ラウンドにおいて、第2大入賞口58aのV入賞領域FV領域に少なくとも1個の遊技球が入球している。
また、上述した「第2開閉扉閉鎖期間CLT(3秒)<全面通過時間ALT(6秒)」の条件を満たす。よって、図示の便宜上、5ラウンド目までしか示すことができないが、2ラウンド目の開始以降、可変入賞機構KHを流通するほぼ全ての遊技球が第1大入賞口57aまたは第2大入賞口58aに入球していることが分かる。
なお、本実施形態においては、第1種大当たり用(16R1種大当たり用、8R第1種大当たり用)の開放シナリオにおいて第2開閉扉閉鎖期間CLT=3秒に設定したが、第2開閉扉閉鎖期間CLTの値をさらに長くすることによって、2ラウンド以降の毎ラウンドにおいて、より一層多くの遊技球が第2大入賞口58aのV入賞領域FV領域に入球するように制御することができる。例えば、非V入賞領域通過時間NVT≦第2開閉扉閉鎖期間CLT<全面通過時間ALTを満たす第2開閉扉閉鎖期間CLTの値として、例えば、4秒や5秒といった値を設定することができる。
図79は、第2種大当たりを契機として実行される開閉実行モードにおける第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bの開閉パターンと、当該開閉パターンにおける遊技球の挙動の一例を説明する説明図である。図79の下部には、第1開閉扉57bと第2開閉扉58bの開閉パターンを表すタイムチャートを示し、図79の上部には、当該開閉パターンにおける遊技球の挙動の一例を示すグラフを示した。図79の下部に示したタイムチャートと、図79の上部に示したグラフとの間に示した横軸は、当該2つの図に共通して用いる時間(秒)を示している。
図79の下部に示すように、第2種大当たりを契機とする開閉実行モードにおける開閉パターンは、上述の第1種大当たりを契機とする開閉実行モードにおける開閉パターンと同様に、ラウンド遊技の1ラウンド目として第1開閉扉57bの開閉動作が1回実行される。その後、第2開閉扉58bの開閉動作が当該大当たりのラウンド数に達するまで実行される。
また、第2種大当たりを契機とした開閉実行モードにおいては、開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)の開放状態から閉鎖状態への移行する条件である閉鎖条件が適用される。また、開放シナリオとして、8R第2種大当たり用開放シナリオが適用される。
上述のように、第2種大当たりは、開閉実行モード中に、遊技球が第2大入賞口58aのV入賞領域FVに入りにくいように、可変入賞装置(第1可変入賞装置57、第2可変入賞装置58)の開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)の開閉制御が行われる。本実施形態においては、開放シナリオに基づいて開閉扉を開放状態に移行するタイミングを制御することによって、遊技球が第2大入賞口58aのV入賞領域FVに入りにくいようにしている。
まず、2ラウンド目以降における第2開閉扉58bの開閉制御について説明する。2ラウンド目以降において、第2開閉扉58bを複数回開閉しつつ、第2大入賞口58aのV入賞領域FVに遊技球が入りにくいようにするために、第2開閉扉閉鎖期間CLT<非V入賞領域通過時間NVTに設定する。このように設定すると、第2開閉扉58bが閉鎖した後に第2開閉扉58bの上面の最上流部に到達した遊技球が、第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を通過する前に、第2開閉扉58bが開放する。さらに、第2開閉扉58bが閉鎖した後に第2開閉扉58bの上面の最上流部に到達した遊技球は、非V入賞領域FNVに入球する。第2開閉扉58bが開放状態である期間においては、第2開閉扉58bの上面に到達した遊技球は、非V入賞領域FNVに入球する。そして、再び、第2開閉扉58bを閉鎖した場合、第2開閉扉58bの上面の最上流部に到達した遊技球が、第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を流通するが、当該遊技球が非V入賞領域FNVに対応する領域を通過する前に第2開閉扉58bが開放するので、当該遊技球は非V入賞領域FNVに入球することとなる。よって、2ラウンド目以降においては、第2開閉扉閉鎖期間CLT<非V入賞領域通過時間NVTに設定することによって遊技球をV入賞領域FVに入球しにくくすることができる。本実施形態においては、上記条件を満たす第2開閉扉閉鎖期間CLTの値として、第2開閉扉閉鎖期間CLT=1.8秒が開放シナリオに設定されている。
次に、1ラウンド目に第1開閉扉57bを開放する理由について説明する。上述のように、第2種大当たりに対応する開閉実行モードにおいては、第2開閉扉58bを複数回開閉しつつ、第2大入賞口58aのV入賞領域FVに遊技球が入りにくいように制御する。このとき、仮に、遊技者が開閉実行モードが開始される前から右打ちをしていた場合、1ラウンド目から第2開閉扉58bの開放を行うと、1ラウンド目の第2開閉扉58bの開放時に、第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに遊技球が存在する可能性があり、この場合、第2種大当たりに対応する開閉実行モードであるにも関わらず、遊技球がV入賞領域FVに入球してしまう。そこで、第2種大当たりに対応する開閉実行モードにおいては、最初に第2開閉扉58bの開放を行う際に第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに遊技球が存在しない状態を確保するために、1ラウンド目に第1開閉扉57bの開放を行う。
第1開閉扉57bが閉鎖状態に移行した後に、第1開閉扉57bの上面の最上流部に最先に到達した遊技球が、第1開閉扉57bの上面を通過し、第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を通過する前に、2ラウンド目として第2開閉扉58bを開放することで、当該遊技球を第2大入賞口58aの非V入賞領域FNVに入球させることができる。すなわち、第1開閉扉57bを閉鎖状態に移行してから2ラウンド目に第2開閉扉58bが開放状態に移行するまでの時間は、第1開閉扉57bの上面の最上流部に最先に到達した遊技球が第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域の最下流部を進出するために必要な時間より短い時間(本実施形態においては2.6秒未満)であることが必要である。
また、1ラウンド目に第1開閉扉57bを開放する前に第1開閉扉57bの上面の最下流を通過した遊技球(例えば、1ラウンド目に第1開閉扉57bを開放する前に図76(a)に示した遊技球GB4の位置を流通する遊技球)が、1ラウンド目が終了し2ラウンド目が開始される時点において第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域を流通している場合、2ラウンド目として第2開閉扉58bを開放してしまうと、遊技球がV入賞領域FVに入球してしまう。よって、1ラウンド目として第1開閉扉57bを開放状態に移行してから、2ラウンド目として第2開閉扉58bを開放状態に移行するまでの時間は、遊技球が第1開閉扉57bの上面の最下流を流通し第2開閉扉58bの上面の最下流を通過するために必要な時間より長い時間(本実施形態においては6.2秒以上)であることが必要である。
本実施形態においては、1ラウンド目に開放した第1開閉扉57bが閉鎖状態に移行してから2ラウンド目に第2開閉扉58bが開放するまでの期間として、2.5秒を開放シナリオに設定している。このように設定することで、第1開閉扉57bを閉鎖状態に移行してから2ラウンド目に第2開閉扉58bが開放状態に移行するまでの時間は2.5秒で、第1開閉扉57bの上面を通過するために必要な時間より短い時間(本実施形態においては2.6秒未満)となる。また、1ラウンド目として第1開閉扉57bを開放状態に移行してから、2ラウンド目として第2開閉扉58bを開放状態に移行するまでの時間は6.2秒以上となり、遊技球が第1開閉扉57bの上面の最下流を流通し第2開閉扉58bの上面の最下流を通過するために必要な時間より長い時間となる。よって、第2種大当たりに対応する開閉実行モードにおいて、最初に第2開閉扉58bの開放を行う際に第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域に遊技球が存在しない状態を確保することができる。
次に、第2種大当たりの開閉実行モードにおける開閉パターンが実行された場合の遊技球の挙動について説明する。上述のように、図79の上部に第2種大当たりの開閉実行モードにおける開閉パターンが実行された場合の遊技球の挙動の一例を示すグラフを示した。図78と同様に、本説明で示したグラフは、遊技球発射機構81から0.6秒間隔で発射された遊技球が、可変入賞機構KHの基準点P0に0.6秒毎に到達し、可変入賞機構KHをX方向に流通する場合の、当該遊技球の挙動について示した。
本実施形態においては、第2種大当たり用(8R第2種大当たり用)の開放シナリオにおいて、第2開閉扉閉鎖期間CLT=1.8秒に設定した。従って、上述した「第2開閉扉閉鎖期間CLT(1.8秒)<非V入賞領域通過時間NVT(2秒)」の条件を満たす。よって、当該グラフから分かるように、開閉実行モードの開始以降、第2開閉扉58bが複数回開閉しているにもかかわらず、第2大入賞口58aのV入賞領域FVに遊技球が入球していない。また、図示の便宜上、5ラウンド目までしか示すことができないが、1ラウンド目の開始以降、可変入賞機構KHを流通するほぼ全ての遊技球が第1大入賞口57aまたは第2大入賞口58aに入球していることが分かる。
なお、本実施形態においては、第2種大当たり用の開放シナリオにおいて第2開閉扉閉鎖期間CLT=1.8秒に設定したが、第2種大当たりにおける第2開閉扉閉鎖期間CLTの値は、第2開閉扉閉鎖期間CLT<非V入賞領域通過時間NVTであればよいので、第2開閉扉閉鎖期間CLTの値をさらに短くすることができる。以上、遊技機による処理の概要について説明した。
C4.主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において実行される具体的な処理の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<タイマ割込み処理>
図80は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップS30101では、各種検知センサーの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサの状態を読み込み、当該センサーの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。その後、ステップS30102に進む。
ステップS30102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS30103に進む。
ステップS30103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS30104に進む。なお、変動種別カウンタCSは、後述する通常処理(図86)において、その値を更新する。
ステップS30104では、第1始動口33及び第2始動口34への入賞に伴う始動口用の入賞処理を実行する。ステップS30104の始動口用の入賞処理の詳細については後述する。ステップS30104を実行した後、ステップS30105に進む。
ステップS30105では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。ステップS30105におけるスルー用の入賞処理の詳細については後述する。ステップS30105を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入賞処理>
次に、始動口用の入賞処理について説明する。始動口用の入賞処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図80:S30104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図81は、始動口用の入賞処理を示すフローチャートである。ステップS30201では、遊技球が第1始動口33に入賞(始動入賞)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサーの検知状態により判定する。ステップS30201において、遊技球が第1始動口33に入賞したと判定した場合には(S30201:YES)、ステップS30202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS30203に進む。
ステップS30203では、第1始動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップS30204に進む。
ステップS30204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への入賞に基づく保留個数を示す。その後、ステップS30209に進む。
ステップS30201において、遊技球が第1始動口33に入賞していないと判定した場合には(S30201:NO)、ステップS30205に進み、遊技球が第2始動口34に入賞したか否かを第2始動口34に対応した検知センサーの検知状態により判定する。
ステップS30205において、遊技球が第2始動口34に入賞したと判定した場合には(S30205:YES)、ステップS30206に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS30207に進む。一方、ステップS30205において、遊技球が第2始動口34に入賞していないと判定した場合には(S30205:NO)、本始動口用の入賞処理を終了する。
ステップS30207では、第2始動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップS30208に進む。
ステップS30208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入賞に基づく保留個数を示す。その後、ステップS30209に進む。
ステップS30209では、上述したステップS30204又はステップS30208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップS30209において、始動保留個数Nが上限値未満でない場合には(S30209:NO)、本始動口用の入賞処理を終了する。
一方、ステップS30209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(S30209:YES)、ステップS30210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップS30211に進み、合計保留個数記憶エリアに記憶された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップS30212に進む。
ステップS30212では、ステップS30103(図80)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および、通常処理(図86)において更新している変動種別カウンタCSの各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS30210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに記憶する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS30103(図80)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS30210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに記憶する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS30103(図80)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS30210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに記憶する。ステップS30212を実行した後、ステップS30213に進む。
ステップS30213では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値の情報(保留情報)に基づいて、大当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無、遊技回の変動時間などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップS30213を実行した後、ステップS30214に進む。
ステップS30214では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果(先判定情報)を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への入賞が発生したこと及び当該入賞に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果(先判定情報)を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図86:ステップS30703)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への入賞に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入賞に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主側MPU62は、ステップS30214を実行した後、本始動口用の入賞処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入賞処理のサブルーチン(図81:S30213)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図82は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、大当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定、遊技回の変動時間の判定などを、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップS30301では、大当たり・リーチ情報取得処理を実行する。当該処理は、大当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定を行う処理である。大当たり・リーチ情報取得処理の詳細については後述する。ステップS30301を実行した後、ステップS30302に進む。
ステップS30302では、変動時間情報取得処理を実行する。当該処理は、遊技回の変動時間の判定を行う処理である。変動時間情報取得処理の詳細については後述する。
ステップS30302を実行した後、本先判定処理を終了する。
<大当たり・リーチ情報取得処理>
次に、大当たり・リーチ情報取得処理について説明する。大当たり・リーチ情報取得処理は、先判定処理のサブルーチン(図82:S30301)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図83は、大当たり・リーチ情報取得処理を示すフローチャートである。ステップS30401では、始動口用の入賞処理(図81)における始動口への入賞によって記憶エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。その後、ステップS30402に進み、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の入賞よりも前の入賞によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の入賞による大当たり抽選よりも前に実行される大当たり抽選の抽選結果を判定することによって、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップS30402において、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(S30402:YES)、ステップS30403に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS30405に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップS30402において、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S30402:NO)、ステップS30404に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。その後、ステップS30405に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップS30405において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(S30405:YES)、ステップS30406に進み、今回の始動口への入賞によって記憶エリアに記憶された大当たり種別カウンタC2の値を読み出す。その後、ステップS30407に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、今回の振り分け対象となった大当たり種別カウンタC2が第1始動口33への入賞に基づいて取得されたものである場合には、第1始動口用振分テーブルを参照し、第2始動口34への入賞に基づいて取得されたものである場合には、第2始動口用振分テーブルを参照する。ステップS30407を実行した後、ステップS30408に進む。
ステップS30408では、振分テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり種別カウンタC2の値が、第1種大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップS30408において、第1種大当たりに対応していると判定した場合には(S30408:YES)、ステップS30409に進み、先判定処理結果記憶エリア64fに第1種大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS30408において、第1種大当たりに対応していないと判定した場合には(S30408:NO)、ステップS30410に進み、先判定処理結果記憶エリア64hに第2種大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。
ステップS30405において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(S30405:NO)、ステップS30411に進み、今回の始動口への入賞によって記憶エリアに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値を読み出す。その後、ステップS30412に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップS30413に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回読み出したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップS30413において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(S30413:YES)、ステップS30414に進み、先判定処理結果記憶エリア64hにリーチ発生情報を記憶させる。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS30413において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(S30413:NO)、そのまま先判定処理を終了する。
<変動時間情報取得処理>
次に、変動時間情報取得処理について説明する。変動時間情報取得処理は、先判定処理のサブルーチン(図82:S30302)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図84は、変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。ステップS30501では、始動口用の入賞処理(図81)における始動口への入賞によって記憶エリアに記憶された変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS30502に進む。
ステップS30502では、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選であるか否かを判定する。具体的には、大当たり・リーチ情報取得処理によって判定した大当たり抽選の抽選結果に基づいて大当たりの有無を判定し、大当たりである場合には(S30502:YES)、ステップS30503に進む。
ステップS30503では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップS30503を実行した後、ステップS30507に進む。
ステップS30507では、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶する。その後、本変動時間情報取得処理を終了する。
ステップS30502において、大当たり抽選の抽選結果が大当たりではないと判定した場合には(ステップS30502:NO)、ステップS30504に進み、リーチが発生するか否かを判定する。ステップS30504において、リーチが発生すると判定した場合には(S30504:YES)、ステップS30505に進む。
ステップS30505では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップS30507に進み、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶した後、本変動時間情報取得処理を終了する。
ステップS30504において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(ステップS30504:NO)、ステップS30506に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップS30507に進み、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶した後、本変動時間情報取得処理を終了する。
本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定されている。すなわち、変動種別カウンタCSの値が同じであっても、当該遊技回の変動時間を決定するときの第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値によって、参照する変動時間テーブルのデータが異なる。先判定処理の一処理として変動時間取得処理を実行する時点、すなわち、先判定処理の対象となっている保留遊技回の変動時間を取得する時点においては、当該処理の対象となっている保留遊技回が遊技回として実行される時点における保留個数は不明である。そこで、本実施形態においては、第1始動保留個数RaN=0(および、第2始動保留個数RbN=0)と仮定した場合における変動時間を取得する。よって、本変動時間取得処理によって取得した変動時間は、先判定処理の対象となった保留遊技回が遊技回として実行される際の実際の変動時間とは値が異なる場合がある。本実施形態においては、先判定処理の一処理として実行する変動時間取得処理において取得した変動時間を「仮変動時間Th」とも呼ぶ。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定される構成としたが、その他、例えば、合計保留個数CRNの値が大きいほど、変動時間が短くなるように設定される構成としてもよい。また、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、第1種大当たり用の変動時間テーブル、第2種大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<スルー用の入賞処理>
次に、スルー用の入賞処理について説明する。スルー用の入賞処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図80:ステップS30105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図85は、スルー用の入賞処理を示すフローチャートである。ステップS30601では、遊技球がスルーゲート35に入賞したか否かを判定する。ステップS30601において、遊技球がスルーゲート35に入賞したと判定した場合には(S30601:YES)、ステップS30602に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入賞数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップS30601において、スルーゲート35に遊技球が入賞しなかったと判定した場合には(S30601:NO)、本スルー用の入賞処理を終了する。
ステップS30602において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(S30602:YES)、ステップS30603に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップS30604に進む。
ステップS30604では、ステップS30103(図80)において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64cの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに記憶する。その後、スルー用の入賞処理を終了する。
一方、ステップS30602において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(S30602:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC4の値を記憶することなく、スルー用の入賞処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図86は、通常処理を示すフローチャートである。ステップS30701では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップS30702に進む。
ステップS30702では、立ち上げコマンドを設定する。立ち上げコマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップS30703に進む。
ステップS30703では、ステップS30702において設定された立ち上げコマンドや、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、立ち上げコマンド、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS30703を実行した後、ステップS30704に進む。
ステップS30704では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS30705に進む。
ステップS30705では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップS30706に進む。ステップS30706では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、大当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップS30706を実行した後、ステップS30707に進む。
ステップS30707では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップS30708に進む。
ステップS30708では、第2始動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップS30709に進む。
ステップS30709では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップS30703のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップS30709において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(S30709:NO)、ステップS30710及びステップS30711において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップS30710において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。また、ステップS30711において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。一方、ステップS30709において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(S30709:YES)、ステップS30703に戻り、ステップS30703からステップS30708までの各処理を実行する。
なお、ステップS30703からステップS30708の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図86:S30706)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図87は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップS30801では、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、開閉実行モードの開始時にONにされ、開閉実行モードの終了時にOFFにされるフラグである。
ステップS30801において開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(S30801:YES)、開閉実行モード中であると判定し、ステップS30802以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップS30801において、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S30801:NO)、ステップS30802に進む。
ステップS30802では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種大当たりフラグ記憶エリア64gにおける変動表示中フラグ記憶エリアの変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップS30802において、メイン表示部45が変動表示中でないと判定した場合には(S30802:NO)、ステップS30803〜ステップS30806の遊技回開始用の処理に進む。ステップS30803では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップS30803において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(S30803:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS30803において、合計保留個数CRNが「0」でないと判定した場合には(S30803:NO)、ステップS30804に進む。
ステップS30804では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するためのデータ設定処理を実行し、ステップS30805に進む。データ設定処理の詳細は後述する。
ステップS30805では、メイン表示部45における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。その後、ステップS30806に進む。
ステップS30806では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードにおいて実行された遊技回の数をカウントするためのカウンタである。ステップS30806を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS30802において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(S30802:YES)、ステップS30807〜ステップS30811の遊技回進行用の処理を実行する。
ステップS30807では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップS30807では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64f)に記憶されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、後述する変動時間の設定処理(図90)において設定される。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップS30807において、変動時間が経過していないと判定した場合には(S30807:NO)、ステップS30808に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る図柄表示部における表示態様を変更する処理である。ステップS30808を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
ステップS30807において、変動時間が経過していると判定した場合には(S30807:YES)、ステップS30809に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理は、後述する変動開始処理(図89)において決定された図柄表示部に表示させる図柄の態様が、今回の遊技回に係る図柄表示部にて表示されるように当該図柄表示部を表示制御する。ステップS30809を実行した後、ステップS30810に進む。
ステップS30810では、いずれかの大当たりフラグ(16R第1種大当たりフラグ、8R第1種大当たりフラグ、8R第2種大当たりフラグ)がONであるか否かを判定する。ステップS30810において、いずれかの大当たりフラグがONである場合には(S30810:YES)、ステップS30811に進む。
ステップS30811では、開閉実行フラグをONにする。その後、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS30810において、いずれの大当たりフラグもONではない場合には(S30810:NO)、ステップS30811を実行せずに、本遊技回制御処理を終了する。
<データ設定処理>
次に、データ設定処理について説明する。データ設定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図87:S30804)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図88は、データ設定処理を示すフローチャートである。ステップS30901では、データ設定処理を実行する処理対象である保留エリアが第1保留エリアRaであるか否かを判定する。具体的には、第1保留エリアRa(図69)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されている保留情報)の方が、第2保留エリアRb(図69)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されている保留情報)よりも先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第1保留エリアRaであると判定する。一方、第1保留エリアRaに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報よりも、第2保留エリアRbに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報の方が先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第2保留エリアRbであると判定する。すなわち、ステップS30901の処理を実行することにより、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された順に、保留情報を処理対象とすることができる。
ステップS30901において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaであると判定した場合には(ステップS30901:YES)、ステップS30902〜ステップS30907の第1保留エリア用のデータ設定処理を実行する。一方、ステップS30901において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップS30901:NO)、ステップS30908〜ステップS30913の第2保留エリア用のデータ設定処理を実行する。
ステップS30902では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップS30903に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップS30904に進む。ステップS30904では、第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS30905に進む。
ステップS30905では、第1保留エリアRaの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS30905を実行した後、ステップS30906に進む。
ステップS30906では、各種大当たりフラグ記憶エリア64gの第2図柄表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2図柄表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップS30907へ進む。
ステップS30907では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、データ設定処理を終了する。
ステップS30907において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図86)におけるステップS30703において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
ステップS30901において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップS30901:NO)、ステップS30908に進む。
ステップS30908では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップS30909に進む。ステップS30909では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップS30910に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS30911に進む。
ステップS30911では、第2保留エリアRbの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS30911を実行した後、ステップS30912に進む。
ステップS30912では、各種大当たりフラグ記憶エリア64gの第2図柄表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップS30913に進む。
ステップS30913では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS30913において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図86)におけるステップS30703において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図87:S30805)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図89は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS31001では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種大当たりフラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、第1種大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、その後に第2種大当たりに当選した場合にOFFにされる。ステップS31001において、高確率モードであると判定した場合には(S31001:YES)、ステップS31002に進む。
ステップS31002では、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、当該変動開始処理が第1始動口33への遊技球の入球を契機とするものである場合には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図70(b)に示す第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)において大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。また、当該変動開始処理が第2始動口34への遊技球の入球を契機とするものである場合には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図71(b)に示す第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)において大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS31004に進む。一方、ステップS31001において高確率モードではないと判定した場合には(S31001:NO)、ステップS31003に進む。
ステップS31003では、低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、当該変動開始処理が第1始動口33への遊技球の入球を契機とするものである場合には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図70(a)に示す第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)において大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。また、当該変動開始処理が第2始動口34への遊技球の入球を契機とするものである場合には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図71(a)に示す第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)において大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS31004に進む。
ステップS31004では、ステップS31002又はステップS31003における当否判定(大当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップS31004において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(S31004:YES)、ステップS31005〜ステップS31012において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理を実行する。
ステップS31005では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS31005において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(S31005:NO)、ステップS31006に進み、第1始動口用の振分テーブル(図72(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、8R第1種大当たりの数値範囲、8R第2種大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、ステップS31005において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(S31005:YES)、ステップS31007に進み、第2始動口用の振分テーブル(図72(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R第1種大当たりの数値範囲、8R第2種大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。ステップS31006又はステップS31007の処理を実行した後。ステップS31008に進む。
ステップS31008では、ステップS31006又はステップS31007において振り分けた大当たりの種別が第1種大当たりであるか否かを判定する。ステップS31008において、遊技結果が第1種大当たりであると判定した場合には(S31008:YES)、ステップS31009に進む。
ステップS31009では、第1種大当たり用の停止結果設定処理を実行する。第1種大当たり用の停止結果設定処理とは、第1種大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている第1種大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS31006又はステップS31007において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS31009を実行した後、ステップS31010に進む。
ステップS31010では、ステップS31006又はステップS31007において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R第1種大当たりである場合には16R第1種大当たりフラグをONにし、8R第1種大当たりである場合には8R第1種大当たりフラグをONにする。その後、ステップS31016に進む。
一方、ステップS31008において、ステップS31006又はステップS31007において振り分けた大当たりの種別が第1種大当たりでないと判定した場合には(S31008:NO)、すなわち、振り分けた大当たりの種別が第2種大当たりである場合には、ステップS31011に進む。
ステップS31011では、第2種大当たり用の停止結果設定処理を実行する。第2種大当たり用の停止結果設定処理とは、第2種大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている第2種大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS31006又はステップS31007において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS31011を実行した後、ステップS31012に進む。
ステップS31012では、ステップS31006又はステップS31007において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。本実施形態においては、第2種大当たりの種別は、8R第2種大当たりのみであるので、8R第2種大当たりフラグをONにする。なお、第2種大当たりの種別が複数設定されている場合には、対応する第2種大当たりフラグをONにする。その後、ステップS31016に進む。
ステップS31004において、ステップS31002又はステップS31003における大当たり抽選の結果が大当たり当選でない場合には(S31004:NO)、ステップS31013に進み、当該遊技回においてリーチが発生するか否かの判定をする。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルにおいて、リーチが発生として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップS31013において、当該遊技回においてリーチが発生すると判定した場合には(S31013:YES)、ステップS31014に進む。
ステップS31014では、リーチ用の停止結果設定処理を実行する。リーチ用の停止結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおけるリーチ用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS31014を実行した後、ステップS31016に進む。
ステップS31013において、当該遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S31013:NO)、ステップS31015に進む。
ステップS31015では、外れ用の停止結果設定処理を実行する。外れ時用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS31015を実行した後、ステップS31016に進む。
ステップS31016では、変動時間の設定処理を実行する。変動時間の設定処理とは、大当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップS31016を実行した後、ステップS31017に進む。
ステップS31017では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS31017において、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(S31017:NO)、ステップS31018に進み、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS31016で設定された変動時間の情報が含まれている。
一方、ステップS31017において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(S31017:YES)、ステップS31019に進み、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS31016で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップS31018又はステップS31019を実行した後、ステップS31020に進む。
ステップS31020では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果、リーチ発生の有無の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、16R第1種大当たりの情報、8R第1種大当たりの情報、8R第2種大当たりの情報、または、リーチ発生の有無の情報および外れ結果の情報が含まれている。
ステップS31018〜ステップS31020にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図86)におけるステップS30703によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS31020を実行後、ステップS31021に進む。
ステップS31021では、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第1図柄表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2図柄表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第2図柄表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップS31021を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<変動時間の設定処理>
次に、変動時間の設定処理について説明する。変動時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図89:S31016)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図90は、変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップS31101では、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS31102に進む。
ステップS31102では、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、いずれかの大当たりフラグ(16R第1種大当たりフラグ、8R第1種大当たりフラグ、8R第2種大当たりフラグ)がONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(S31102:YES)、ステップS31103に進む。
ステップS31103では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップS31107に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS31102において、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選ではないと判定した場合には(S31102:NO)、ステップS31104に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。上記ステップS31102において今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選していない場合に本処理(S31104)を実行することから、ステップS31104においては、大当たり抽選に当選していない遊技回のうちリーチが発生する遊技回であるか否の判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合に、リーチが発生すると判定して(S31104:YES)、ステップS31105に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS31105では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、リーチ発生用の変動時間は一定である。その後、ステップS31107に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS31104において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S31104:NO)、ステップS31106に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップS31107に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
なお、上述のように、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定されている。すなわち、変動種別カウンタCSの値が同じであっても、当該遊技回の変動時間を決定するときの第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値によって、参照する変動時間テーブルのデータが異なる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定される構成としたが、その他、例えば、合計保留個数CRNの値が大きいほど、変動時間が短くなるように設定される構成としてもよい。また、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、第1種大当たり用の変動時間テーブル、第2種大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図86:S30707)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図91は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップS31201では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、開閉実行モードにおける大入賞口開閉処理期間の終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、開閉実行モードにおいてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップS31201において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(S31201:NO)、ステップS31202に進み、開閉処理期間フラグがONであるか否かを判定する。開閉処理期間フラグは、開閉実行モード中においてオープニング期間が終了し、第1可変入賞装置57の第1開閉扉57bおよび第2可変入賞装置58の第2開閉扉58bの開閉動作が実行される期間である大入賞口開閉処理期間が開始されるタイミングでONにされ、当該第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bの開閉動作が終了するタイミングでOFFにされる。
ステップS31202において、開閉処理期間フラグがONではないと判定した場合には(S31202:NO)、ステップS31203に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。
ステップS31203において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(S31203:NO)、ステップS31204に進み、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける図柄の変動表示が終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS31204において、変動表示が終了したタイミングではないと判定した場合には(S31204:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS31204において、変動表示が終了したタイミングであると判定した場合には(S31204:YES)、ステップS31205に進み、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップS31205において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(S31205:YES)、ステップS31205に進む。一方、ステップS31205において、開閉実行モードフラグがOFFであると判定した場合には(S31205:NO)、そのまま遊技状態移行処理を終了する。
ステップS31206では、高確率モードフラグをOFFにする。その後、ステップS31207に進む。
ステップS31207では大当たり種別に対応した開放シナリオを設定する。具体的には、16R第1種大当たりである場合には、16R第1種大当たり用の開放シナリオを設定し、8R第1種大当たりである場合には、8R第1種大当たり用の開放シナリオを設定し、8R第2種大当たりである場合には、8R第2種大当たり用の開放シナリオを設定する。ステップS31207を実行した後、ステップS31208に進む。
ステップS31208では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるオープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のオープニング期間において同じ一定の長さのオープニング時間を設定する。具体的には、オープニング時間を決定する第3タイマカウンタエリアT3に「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、第3タイマカウンタエリアT3は、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられている。ステップS31208を実行した後、ステップS31209に進む。
ステップS31209では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図86)におけるステップS30703にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、設定したオープニング時間および今回の開閉実行モードのラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、オープニング時間および大入賞口開閉処理期間に対応した演出の内容を決定し、その決定した内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS31209を実行した後、ステップS31210に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS31203において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(S31203:YES)、ステップS31211に進む。
ステップS31211では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、第3タイマカウンタエリアT3の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS31211において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(S31211:YES)、ステップS31212に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS31213に進む。
ステップS31213では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップS31213を実行した後、ステップS31214に進む。
ステップS31214では、開閉処理期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS31202において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(S31202:YES)、ステップS31215に進み、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理については後述する。ステップS31215を実行した後、ステップS31216に進む。
ステップS31216では、大入賞口開閉処理が終了したか否かを判定し、大入賞口開閉処理が終了したと判定した場合には(S31216:YES)、ステップS31217に進む。一方、ステップS31216において、大入賞口開閉処理が終了していないと判定した場合には(S31216:NO)、そのまま大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS31217では、開閉処理期間フラグをOFFにし、その後、ステップS31218に進む。
ステップS31218では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップS31218を実行した後、ステップS31219に進む。
ステップS31219では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるエンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のエンディング期間において同じ一定の長さのエンディング時間を設定する。具体的には、エンディング時間を決定する第4タイマカウンタエリアT4に「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、第4タイマカウンタエリアT4は、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられている。ステップS31219を実行した後、ステップS31220に進む。
ステップS31220では、エンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図86)におけるステップS30603において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。ステップS31220を実行した後、ステップS31221に進む。
ステップS31221では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS31201において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(S31201:YES)、ステップS31222に進む。
ステップS31222では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(S31219)において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS31222において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であると判定した場合には(S31222:YES)、ステップS31223に進む。
ステップS31223では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS31224に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、今回のエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップS31224を実行した後、ステップS31225に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップS31222において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」ではないと判定した場合には(S31222:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図91:S31215)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図92は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップS31301では、開閉扉が開放中であるか否かを判定する。すなわち、第1開閉扉57bまたは第2開閉扉58bが開放中であるか否かを判定する。ステップS31301において、開閉扉が開放中ではないと判定した場合には(S31301:NO)、ステップS31302に進む。
ステップS31302では、設定された開放シナリオの開放条件が成立しているか否かの判定を行う。具体的には、実行されるラウンド数をカウントするとともに、実行中のラウンドにおいて開閉扉の閉鎖状態を維持する時間が経過し開放するタイミングに達したかをタイマーカウンタでカウントすることによって、各開閉扉(第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)を開放状態に移行する条件が成立したか否かを判定する。ステップS31302において、開放シナリオの開放条件が成立してないと判定した場合には(S31302:NO)、本大入賞口開閉処理を終了する。
一方、ステップS31302において、開放シナリオの開放条件が成立していると判定した場合には(S31302:YES)、ステップS31303に進む。
ステップS31303では、開放条件が成立したと判定された開放扉((第1開閉扉57b、第2開閉扉58b)を開放する。ステップS31303を実行した後、本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS31301において、開閉扉が開放中であると判定した場合には(S31301:YES)、ステップS31304に進む。ステップS31304では、第2大入賞口58aのV入賞領域FVへの遊技球の入球を検知したか否かを判定する。ステップS31304において、第2大入賞口58aのV入賞領域FVへの遊技球の入球を検知した場合には(S31304:YES)、ステップS31305に進む。
ステップS31305では、V入賞フラグをONにする。V入賞フラグは、V入賞領域FVに遊技球が入球したことを示すフラグであって、当該ラウンド遊技の終了後に実行される通常の遊技回における抽選モードを高確率モードまたは低確率モードのいずれに設定するかの判定に用いられる。ステップS31305を実行した後、ステップS31306に進む。
ステップS31306では、V入賞コマンドを設定する。V入賞コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図86:ステップS30703)において音声発光制御装置90に送信される。V入賞コマンドを受信した音声発光装置は、V入賞演出を実行するための設定を実行する。V入賞演出はV入賞領域FVに遊技球が入球したことを遊技者に報知するための演出である。ステップS31306を実行した後、ステップS31307に進む。一方、ステップS31304において、第2大入賞口58aのV入賞領域FVへの遊技球の入球を検知しない場合には(S31304:NO)、ステップS31305およびステップS31306を実行せずに、ステップS31307へ進む。
ステップS31307では、閉鎖条件が成立したか否かを判定する。上述のように、閉鎖条件は、「開放状態の開閉扉に対応する大入賞口に7個の遊技球がしたこと」または「開放状態で10秒間が経過したこと」のいずれか一方が成立することである。ステップS31307において、閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(S31307:NO)、本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS31307において、閉鎖条件が成立したと判定した場合には(S31307:YES)、ステップS31308に進む。
ステップS31308では、開閉扉を閉鎖状態に移行する。その後、本大入賞口開閉処理を終了する。
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図91:S31226)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図93は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップS31401では、V入賞フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS31401において、V入賞フラグがONであると判定した場合には(S31401:YES)、ステップS31402に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R第1種大当たりフラグ、8R第1種大当たりフラグ、8R第2種大当たりフラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。また、V入賞フラグをOFFにする。ステップS31402を実行した後、ステップS31403に進む。
ステップS31403では、高確率モードフラグをONにし、その後、ステップS31404に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが高確率モードであり、且つ、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。その後、ステップS31405に進む。
ステップS31405では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。遊技回数カウンタPNCにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。その後、ステップS31406に進む。
ステップS31406では、当否抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップS31410に進む。
一方、ステップS31401において、V入賞フラグがONではないと判定した場合には、(S31401:NO)、ステップS31407に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R第1種大当たりフラグ、8R第1種大当たりフラグ、8第2種大当たりフラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。その後、ステップS31408に進む。
ステップS31408では、高頻度サポートモードフラグをONにした後、ステップS31409に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。その後、ステップS31410に進む。
ステップS31410では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図86:S30708)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図94は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップS31501では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種大当たりフラグ記憶エリア64eのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップS31501において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(S31501:NO)、ステップS31502に進む。
ステップS31502では、RAM64の各種大当たりフラグ記憶エリア64eのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップS31502において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(S31502:NO)、ステップS31503に進む。
ステップS31503では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップS31503において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S31503:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S31503:YES)、ステップS31504に進む。
ステップS31504では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS31504において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(S31504:YES)、ステップS31505に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップS31504において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(S31504:NO)、ステップS31506に進む。
ステップS31506では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップS31506において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(S31506:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS31506において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(S31506:YES)、ステップS31507に進む。
ステップS31507では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップS31508に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS31507において開閉実行モードではなく(S31507:NO)、且つ、ステップS31508において高頻度サポートモードである場合には(S31508:YES)、ステップS31509に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜461であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる(図73(b)参照)。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップS31510に進む。
ステップS31510では、ステップS31509の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS31510において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(S31510:YES)、ステップS31511に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、ステップS31512に進む。一方、ステップS31510において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(S31510:NO)、ステップS31511の処理を実行することなく、ステップS31512に進む。
ステップS31512では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。ステップS31512において、当否抽選モードが低確率モードであると判定した場合には(S31512:YES)、ステップS31513に進む。一方、ステップS31512において、当否抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S31512:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
ステップS31513では、遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1減算される。ステップS31513において、遊技回数カウンタエリアが「0」でないと判定した場合には(S31513:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS31513において、遊技回数カウンタエリアが「0」であると判定した場合には、ステップS31514に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS31515に進む。
ステップS31515では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、電役サポート用処理を終了する。
ステップS31515にて設定された低頻度サポートモードコマンドは、通常処理の外部出力処理(図86:ステップS30703)にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、低頻度サポートモードコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
ステップS31507において開閉実行モードであると判定した場合(S31507:YES)、又は、ステップS31518において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(S31508:NO)、ステップS31516に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップS31517に進む。
ステップS31517では、ステップS31516の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS31517において、サポート当選でないと判定した場合には(S31517:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS31517において、サポート当選であると判定した場合には(S31517:YES)、ステップS31518に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS31502において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(S31502:YES)、ステップS31519に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS31519において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S31519:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS31519において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S31519:YES)、ステップS31520に進む。
ステップS31520では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップS31521に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS31501において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(S31501:YES)、ステップS31522に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉制御処理>
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図94:S31522)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図95は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップS31601では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(S31601:YES)、ステップS31602に進む。
ステップS31602では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS31602において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S31602:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS31602において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S31602:YES)、ステップS31603に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップS31603を実行した後、ステップS31604に進む。
ステップS31604では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップS31605に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS31605において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(S31605:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS31605において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(S31605:YES)、ステップS31606に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS31601において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(S31601:NO)、ステップS31607に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS31607において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(S31607:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS31507において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(S31607:YES)、ステップS31608に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップS31609に進む。
ステップS31609では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S31609:NO)、ステップS31610に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップS31610において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S31610:YES)、ステップS31611に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップS31609において開閉実行モードであると判定した場合(S31609:YES)、又は、ステップS31610において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(S31610:NO)、ステップS31612に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
C5.音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図96は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種大当たりフラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置60が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、演出操作ボタン24、スピーカー46、各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
C6.音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図97は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS31701では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップS31701を実行した後、ステップS31702に進む。
ステップS31702では、受信したコマンドに対応した処理を行うためのコマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップS31702を実行した後、ステップS31703に進む。
ステップS31703では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップS31702のコマンド対応処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップS31703を実行した後、ステップS31704に進む。
ステップS31704では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップS31702のコマンド対応処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップS31704を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<コマンド対応処理>
次に、コマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図97:S31702)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図98は、コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、コマンド対応処理では、主側MPU62から受信したコマンドに対応した処理を実行する。以下、コマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS31801では、主側CPU62からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。オープニングコマンドは、大当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行する開閉実行モードのオープニング期間の開始時(図91:S31209)に、主側CPU62から音光側MPU92に送信されるコマンドである。ステップS31801において、主側CPU62からオープニングコマンドを受信していると判定した場合には(S31801:YES)、ステップS31802に進む。
ステップS31802では、オープニング演出および右打ち報知演出を実行するように設定する。具体的には、オープニング演出用および右打ち報知用の各種ランプの発光データの設定および音声出力データの設定を行う。オープニング演出および右打ち報知演出は、開閉実行モードのオープニング期間に実行する演出である。本実施形態においては、オープニング演出として、開閉実行モードが開始されたことを遊技者に報知するための演出を実行する。また、右打ち報知演出として、遊技盤30の右側に遊技球を発射させることを促す演出と、第2大入賞口58aのV入賞領域FVに遊技球を入球させることを促す演出とを実行する。ステップS31802を実行した後、ステップS31703に進む。
ステップS31703では、オープニング演出コマンドを表示側MPU102に送信する。なお、表示側MPU102は、オープニング演出コマンドを受信すると、オープニング演出用および右打ち報知用の画像データを設定し、図柄表示装置41に当該画像データに基づいた映像を表示させる。ステップS31803を実行した後、ステップS31804に進む。
ステップS31804では、主側CPU62からV入賞コマンドを受信しているか否かを判定する。V入賞コマンドは、開閉実行モードの大入賞口開閉処理の実行中に、遊技球がV入賞領域FVに入球した場合に、主側CPU62から音光側MPU92に送信されるコマンドである。ステップS31804を実行した後、ステップS31805に進む。
ステップS31805では、V入賞演出を実行するように設定する。具体的には、V入賞演出用の各種ランプの発光データの設定および音声出力データの設定を行う。V入賞領域FVに遊技球が入球したことを遊技者に報知する演出である。ステップS31805を実行した後、ステップS31806に進む。
ステップS31806では、V入賞演出コマンドを表示側MPU102に送信する。なお、表示側MPU102は、V入賞演出コマンドを受信すると、V入賞演出用の画像データを設定し、図柄表示装置41に当該画像データに基づいた映像を表示させる。ステップS31806を実行した後、ステップS31807に進む。
ステップS31807では、主側CPU62から受信したその他のコマンドに対応するための処理を実行する。ステップS31807を実行した後、本コマンド対応処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図99は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS31901では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップS31902に進む。
ステップS31902では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図100は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップS32001では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに、その抽出したコマンドデータを記憶する。コマンド記憶処理によってコマンド記憶エリアに記憶された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図101は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド記憶領域に記憶されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が記憶されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップS32101では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図100)によってコマンド記憶エリアに記憶されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが記憶されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが記憶されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(S32101)では、その時点でコマンド記憶エリアに記憶されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や液晶用図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップS32102では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(S32101)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップS32103に進む。
ステップS32103では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(S32102)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップS32104に進む。
ステップS32104では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(S32103)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップS32105に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
以上説明したように、第2大入賞口58aを、V入賞領域FVと非V入賞領域FNVとが隣接した構成とし、第2大入賞口58aの開放および閉鎖を第2開閉扉58bで行うので、V入賞領域FVと非V入賞領域FNVの2つの入賞領域への遊技球の入球制御を、1つの開閉扉(第2大入賞口58a)の開閉制御によって行うことができる。
第1種大当たりに対応する開閉実行モードにおいては、非V入賞領域通過時間NVT≦第2開閉扉閉鎖期間CLTとなるように第2開閉扉閉鎖期間CLTの値を設定することによって、第2大入賞口58aのV入賞領域FV領域に遊技球を入球させることができる。さらに、第2開閉扉閉鎖期間CLT<全面通過時間ALTとなるように第2開閉扉閉鎖期間CLTの値を設定することによって、2ラウンド目の開始以降、可変入賞機構KHを流通するほぼ全ての遊技球を第2大入賞口58aに入球させることができる。
また、第2種大当たりに対応する開閉実行モードにおいては、第2開閉扉閉鎖期間CLT<非V入賞領域通過時間NVTとなるように第2開閉扉閉鎖期間CLTの値を設定することによって、第2開閉扉58bが複数回開閉しているにもかかわらず、第2大入賞口58aのV入賞領域FVに遊技球を入球させないようにすることができる。
このように、第2開閉扉閉鎖期間CLTの値を制御することによって、V入賞領域FVおよび非V入賞領域FNVへの遊技球の入球を制御することができる。
ここで一般的な遊技機と比較した場合、一般的な遊技機においては、V入賞領域に遊技球を入球させる制御を実行するために、遊技球をV入賞領域に誘導するための誘導レバーを設置し、当該誘導レバーの動作制御を行うことで、V入賞領域への遊技球の入球を制御している。よって、大入賞口の開閉扉の動作制御とは別に誘導レバーの動作制御を行う必要があり、制御が複雑になる。
一方、本実施形態における遊技機は、第2開閉扉58bの動作制御によってV入賞領域FVへの遊技球の入球を制御することができるため、制御を簡易化することができる。その結果、制御プログラムを簡易化することができるため、プログラムを記録するための記憶容量も縮小することができる。
また、流路の上流側に大入賞口、下流側にV入賞領域FVを有する大入賞口(V入賞口)を備える一般的な遊技機の場合、遊技球がV入賞領域FVに入球しにくい開閉実行モードを実行する場合には、V入賞領域FVに遊技球が入らないようにするために、V入賞口の開閉扉をほとんど(又は全く)開放状態に遷移させないように制御したり、開放状態の時間を極端に短い時間に設定したりする必要がある。その他、下流側のV入賞口の内部に遊技球をV入賞領域FVに入球させるか否かを制御するための誘導弁を備える必要がある。このような遊技機の場合、開閉扉を開放状態と閉鎖状態との間で状態遷移させるための動作制御が複雑になるとともに、当該動作制御とは別に、上述した誘導弁の動作制御を行う必要があるため、制御が一層複雑になるとともに、当該制御を実行するためのプログラムを記憶させるための記憶領域も確保する必要がある。さらに、V入賞口の開閉扉をほとんど(又は全く)開放状態に遷移しない場合や、開放状態の時間が極端に短い場合には、遊技者から見ても、当該開放実行モードにおける期待感が減少してしまう。
一方、本実施形態における遊技機の場合、流路の上流側に大入賞口(第1大入賞口57a)、下流側にV入賞領域FVを有する大入賞口(第2大入賞口58a)を備え、上記の一般的な遊技機と似た構成であるが、本実施形態における遊技機の場合には、V入賞領域FVの上流側に非V入賞領域FNVを備えるので、非V入賞領域FNVとV入賞領域FVのどちらに遊技球を入球させるかの制御を第2開閉扉58bの動作制御で実現することができる。よって、上記した一般的な遊技機と比較して、制御を簡易化できるとともに、誘導弁の動作制御を実行するためのプログラムを記憶させるために必要な記憶領域を削減することができる。また、V入賞領域FVに遊技球が入球しにくいように設定された開閉実行モードであっても、第2開閉扉58bをある程度の期間は開放させることができるので、遊技者に対して、期待感や緊迫感を付与することができる。
さらに、本実施形態の遊技機は、第2開閉扉58bの上面を遊技球が通過するために必要な時間を調整するための調整手段として、凸部59を備える。よって、第2開閉扉58bの上面に配置する凸部59の数を調整することによって第2開閉扉58bの上面を遊技球が通過するために必要な時間を調整することができる。上述のように、本実施形態においては、V入賞領域FVへの遊技球の入球を制御するために、第1種大当たりにおける開閉実行モードにおいては、非V入賞領域通過時間NVT≦第2開閉扉閉鎖期間CLT、および、第2開閉扉閉鎖期間CLT<全面通過時間ALTの条件を満たすように制御をする必要があるが、第2開閉扉58bの上面に配置する凸部59の数を調整することによって非V入賞領域通過時間NVTおよび全面通過時間ALTを調整することができる。よって、当該条件を満たすための調整として、第2開閉扉閉鎖期間CLTの値の調整に加えて、第2開閉扉58bの上面に配置する凸部59の数の調整も可能となるので、第2開閉扉閉鎖期間CLTの値の設定幅を広げることができる。
また、本実施形態においては、第2大入賞口58aの上流側に第1大入賞口57aを備える。そして、開閉実行モードにおける1ラウンド目に第1開閉扉57bの開放を行うことによって、最初に第2開閉扉58bの開放を行う際に第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに遊技球が存在しない状態を確保することができる。その結果、第2種大当たりに対応する開閉実行モードであるにも関わらず、遊技球がV入賞領域FVに入球してしまうことを回避することができる。
C7.変形例
本発明は上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C7−1.変形例1:
図102は、第3実施形態の変形例1における可変入賞機構KHを説明する説明図である。図102(a)に示すように、変形例1における可変入賞機構KHは、第2大入賞口58aの上部に板状部材MD1を備える。さらに、可変入賞機構KHは、遊技球が流通する流通面上であって第2開閉扉58bより上流側に、磁性体部材MD2を備える。
図102(b)を用いて、板状部材MD1および磁性体部材MD2の機能を説明する。板状部材MD1は、遊技球が第2大入賞口58aの上流側に到達した時点において、第2開閉扉58bが開放状態であり、遊技球が第2大入賞口58aの非V入賞領域FNVに入球可能であるにも関わらず、流路に沿って進行する遊技球が何らかの要因によって、第2大入賞口58aより上流側において流路から浮いてしまい、非V入賞領域FNVに入球せずに通過してしまうことを抑制する機能を有する。図102(b)に示すように、仮に、遊技球が第2大入賞口58aより上流側において流路から浮いてしまった場合であっても、遊技球を板状部材MD1に衝突させ、遊技球の進路方向を非V入賞領域FNVの方向に変更し、遊技球を非V入賞領域FNVに入球させることができる。よって、遊技球が第2大入賞口58aの非V入賞領域FNVに入球可能であるにも関わらず非V入賞領域FNVに入球せずに通過してしまうことを抑制することができる。
なお、板状部材MD1として、ゴム材や、樹脂、クッション性を有する緩衝部材等を採用してもよい。また、板状部材MD1に代えて、板状部材MD1の位置に、複数本の釘を配置してもよい。また、板状部材MD1の形状は、遊技球との衝突する面が波型であってもよいし、凹面であってもよいし、凹凸を有する形状であってもよい。
磁性体部材MD2は、板状部材MD1と同様に、遊技球が第2大入賞口58aの上流側に到達した時点において、第2開閉扉58bが開放状態であり、遊技球が第2大入賞口58aの非V入賞領域FNVの入球可能であるにも関わらず、流路に沿って進行する遊技球が何らかの要因によって、第2大入賞口58aより上流側において流路から浮いてしまい、非V入賞領域FNVに入球せずに通過してしまうことを抑制する機能を有する。磁性体部材MD2は、磁性体からなる部材であり、その磁力によって遊技球を磁性体部材MD2側に引き寄せる。よって、遊技球が流路面から浮くことを抑制する。その結果、遊技球が第2大入賞口58aの非V入賞領域FNVに入球可能であるにも関わらず非V入賞領域FNVに入球せずに通過してしまうことを抑制することができる。
なお、磁性体部材MD2に代えて、磁性体部材MD2の位置に、樹脂や、ゴム材など、遊技球と流路との間の衝撃を緩衝する緩衝部材を配置してもよい。緩衝部材を配置した場合、遊技球と流路との間の衝撃を緩衝することによって遊技球が流路から浮く方向の力を低減し、遊技球が流路から浮いてしまうことを抑制することができる。
C7−2.変形例2:
図103は、第3実施形態の変形例2における可変入賞機構KHを説明する説明図である。変形例2においては、図103(a)に示すように、第1大入賞口57aおよび第2大入賞口58aは、遊技球が流通する流路の側面に設けられている。また、第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bは、遊技球が流通する流路の流路面に設けられている。第1開閉扉57bは、第1開閉扉57bが閉鎖状態の時に遊技球が第1大入賞口57aに入球することを防止するための第1入球防止部材57dを備える。また、第2開閉扉58bは、第2開閉扉58bが閉鎖状態の時に遊技球が第2大入賞口58aに入球することを防止するための第2入球防止部材58dを備える。
第1入球防止部材57dは、第1開閉扉57bが閉鎖状態のときに、第1大入賞口57aの開口部に遊技球が入球しない大きさに当該開口部を狭める機能を有する。また、第2入球防止部材58dは、第2開閉扉58bが閉鎖状態のときに、第2大入賞口58aの開口部に遊技球が入球しない大きさに当該開口部を狭める機能を有する。
図103(b)に示すように、第1開閉扉57bは、第1大入賞口57aの方向に傾斜することによって、閉鎖状態から開放状態に遷移する。第1開閉扉57bが第1大入賞口57aの方向に傾斜することによって、第1大入賞口57aの開口部は遊技球が入球するために十分な大きさとなる。また、第1開閉扉57bが第1大入賞口57aの方向に傾斜することによって、開放状態の第1開閉扉57bを流通する遊技球は、第1大入賞口57aの方向に誘導され、第1大入賞口57aに入球する。
さらに、第1開閉扉57bが傾斜することによって、第1開閉扉57bの上面と流路面との間に段差D1が生じるので、比較的速い速度で第1開閉扉57bを流通する遊技球であっても、当該段差に衝撃させることによって速度を低減させ第1大入賞口57aの方向に誘導することが可能であり、結果として、遊技球が開放状態の第1大入賞口57aに入球せずに通過してしまうことを抑制することができる。
図103(c)に示すように、第2開閉扉58bは、第2大入賞口58aの方向に傾斜することによって、閉鎖状態から開放状態に遷移する。第2開閉扉58bが第2大入賞口58aの方向に傾斜することによって、第2大入賞口58a(非V入賞領域FNVおよびV入賞領域FV)の開口部は遊技球が入球するために十分な大きさとなる。また、第2開閉扉58bが第2大入賞口58aの方向に傾斜することによって、開放状態の第2開閉扉58bを流通する遊技球は、第2大入賞口58aの方向に誘導され、第2大入賞口58aに入球する。
さらに、第2開閉扉58bが傾斜した場合、第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域と第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域との間に介在する壁部材Wは、第2開閉扉58bのように傾斜はせず、傾斜した第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域と、傾斜した第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域とを隔てる壁の機能を有する。よって、第2開閉扉58bが傾斜している場合には、比較的速い速度で第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域を流通する遊技球であっても、壁部材Wに衝撃させることによって速度を低減させ第2大入賞口58aの非V入賞領域FNVの方向に誘導することが可能であり、結果として、遊技球が非V入賞領域FNVに入球せずに通過してしまうことを抑制することができる。
また、第2開閉扉58bが傾斜した場合、傾斜した第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域と流路面との間に段差D2が生じるので、比較的速い速度で第2開閉扉58bの上面のV入賞領域FVに対応する領域を流通する遊技球であっても、当該段差D2に衝撃させることによって速度を低減させ第2大入賞口58aのV入賞領域FVの方向に誘導することが可能であり、結果として、遊技球がV入賞領域FVに入球せずに通過してしまうことを抑制することができる。
さらに、変形例2における可変入賞機構KHは、第2開閉扉58bの上面を遊技球が通過するために必要な時間を調整するための調整手段として、第2開閉扉58bの上面に磁性体部材59aが配置されている。磁性体部材59aは、その磁力によって遊技球の速度を減速させるので、第2開閉扉58bの上面に配置する磁性体部材59aの数を調整することによって、第2開閉扉58bの上面を遊技球が通過するために必要な時間を調整することができる。また、磁性体部材59aが遊技球に及ぼす磁力の作用によって、第2開閉扉58bの上面を流通する遊技球が特異な動きをするため、遊技の興趣向上を図ることができる。
C7−3.変形例3:
開閉実行モードにおける開閉扉の開閉パターンは、上記第3実施形態において示した開閉パターンに限らず、種々の開閉パターンを採用することができる。
図104は、変形例3として、第1種大当たりを契機として実行される開閉実行モードにおける第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bの開閉パターンと、当該開閉パターンにおける遊技球の挙動の一例を説明する説明図である。図104の下部には、第1開閉扉57bと第2開閉扉58bの開閉パターンを表すタイムチャートを示し、図104の上部には、当該開閉パターンにおける遊技球の挙動の一例を示すグラフを示した。図104の下部に示したタイムチャートと、図104の上部に示したグラフとの間に示した横軸は、当該2つの図に共通して用いる時間(秒)を示している。
図示するように、変形例3の開閉パターンでは、第1開閉扉57bと第2開閉扉58bとが交互に開閉する。この開閉パターンの場合、第1開閉扉57bが閉鎖状態に移行した後から第2開閉扉58bが開放するまでの時間を制御することによって、第2大入賞口58aのV入賞領域FVに遊技球を入球させるか否かを制御することができる。第1開閉扉57bが閉鎖状態に移行した後から第2開閉扉58bが開放するまでの時間は、開放シナリオに設定することができる。
例えば、第1開閉扉57bが閉鎖状態に移行した後から第2開閉扉58bが開放するまでの時間を、遊技球が第1開閉扉57bの最上流部に進入してから第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域の最下流部を進出するまでに必要な時間より短く設定した場合には、図104の2ラウンド目の第2開閉扉58bの開放に示したように、遊技球をV入賞領域FVに入球させないようにすることができる。一方、第1開閉扉57bが閉鎖状態に移行した後から第2開閉扉58bが開放するまでの時間を、遊技球が第1開閉扉57bの最上流部に進入してから第2開閉扉58bの上面の非V入賞領域FNVに対応する領域の最下流部を進出するまでに必要な時間より長く設定した場合には、図104の4ラウンド目の第2開閉扉58bの開放に示したように、遊技球をV入賞領域FVに入球させないようにすることができる。
このように、1連の開放パターンの中に第1開閉扉57bと第2開閉扉58bの開閉動作を種々に組み合わせることが可能である。さらに、第1開閉扉57bと第2開閉扉58bとを開放させるタイミングを開放シナリオに設定して制御することによって、V入賞領域FVへの遊技球の入球を制御することが可能である。
その他、開閉扉の開閉パターンとして、第1開閉扉57bのみが開閉する開閉パターンや、第2開閉扉58bのみが開閉する開閉パターンを開放シナリオに設定してもよい。
また、上記第3実施形態においては、V入賞領域FVに遊技球が入球しやすい開閉パターンと、V入賞領域FVに遊技球が入球しにくい開閉パターンとが開放シナリオに設定されているが、開閉モードの実行中にV入賞領域FVに遊技球が入球する確率とV入賞領域FVに遊技球が入球しない確率が略等しい開閉パターンや、開閉モードの実行中にV入賞領域FVに遊技球が入球する確率が70%程度の開閉パターンを開放シナリオに設定してもよい。このような開閉パターンの場合、遊技球の挙動によって、V入賞領域FVに入球する場合と、V入賞領域FVに入球しない場合とが生じるので、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができる。
C7−4.変形例4:
上記第3実施形態においては、非V入賞領域FNVとV入賞領域FVの2つの入球領域を1つの開閉扉(第2開閉扉58b)で開閉制御したが、そのような構成に限らず、1つの開閉扉で任意の数の入球領域の開閉を制御する構成を採用し、開閉扉の開閉パターンを制御することによって、各入球領域への遊技球の入球を制御することができる。また、遊技球が入球する領域は、大入賞口に限らず、種々の入球口を適用してもよい。本変形例においては、遊技球が入球可能な入球領域として一般化して説明をする。
図105は、変形例4としての、可変入賞機構KHを説明する説明図である。図示するように、可変入賞機構KHは、流路を流通する遊技球の流通方向を基準として、流路の上流から下流に向けて隣接する3つの入球領域(入球領域U1、入球領域U2、入球領域U3)を有する。また、可変入賞機構KHは、3つの入球領域の開閉制御を行う開閉扉Rを備える。すなわち、開閉扉Rが開閉することによって、3つの入球領域が、遊技球の入球が不可能または困難な状態である非入球可能状態と、遊技球の入球が可能または容易な状態である入球可能状態との間で同期して遷移する。なお、開閉扉Rの動作は、上記第3実施形態における第1開閉扉57bおよび第2開閉扉58bと同様に、主制御装置60によって制御されている。
図106は、第3実施形態の変形例4として、開閉扉Rの開閉パターンと、当該開閉パターンにおける遊技球の挙動の一例を説明する説明図である。図106の下部には、開閉扉Rの開閉パターンを表すタイムチャートを示し、図106の上部には、当該開閉パターンにおける遊技球の挙動の一例を示すグラフを示した。図106の下部に示したタイムチャートと、図106の上部に示したグラフとの間に示した横軸は、当該2つの図に共通して用いる時間(秒)を示している。
図106に示した開閉パターンの場合、開閉扉Rが閉鎖状態に移行した後から次に開閉扉Rが開放するまでの時間を制御することによって、各入球領域への遊技球の入球の制御を行うことができる。なお、開閉扉Rが閉鎖状態に移行した後から次に開閉扉Rが開放するまでの時間は、開放シナリオに設定することができる。
図示するように、本変形例においては、開閉扉Rの1回目の開放で入球領域U1のみに遊技球が入球するように制御し、開閉扉Rの2回目の開放で入球領域U1および入球領域U2に遊技球が入球するように制御し、開閉扉Rの3回目の開放で入球領域U1、入球領域U2および入球領域U3に遊技球が入球するように制御し、開閉扉Rの4回目の開放で1回目の開放と同様に、入球領域U1のみに遊技球が入球するように制御し、開閉扉Rの5回目の開放で2回目の開放と同様に、入球領域U1および入球領域U2に遊技球が入球するように制御した。
このように、1つの開閉扉で任意の数の入球領域の開閉を制御する構成を採用し、開閉扉の開閉パターンを制御することによって、各入球領域への遊技球の入球を制御することができる。さらに、複数の入球領域の状態の遷移を同期して実行するので、各入球領域毎に状態の遷移を制御する場合と比較して、制御を簡易化することができる。
また、入球領域U1、入球領域U2および入球領域U3は流路の上流から下流に向けて隣接して配置されているので、流路を流通する遊技球の挙動に対応して複数の入球領域の状態の遷移を同期して実行する場合に、少ない数の遊技球の挙動に対応して制御を実行することが可能となる。具体的に説明すると、流路を流通する遊技球の挙動に対応して複数の入球領域の状態の遷移を同期して実行するためには、各入球領域の周辺領域を流通する遊技球の挙動を把握する必要がある。例えば、比較例として、複数の入球領域が各々離れた位置に配置されている場合、流通する遊技球の挙動に対応して当該複数の入球領域の状態の遷移を同期して実行するためには、離れて位置する各入球領域の周辺領域を流通する遊技球の挙動に対応した制御をする必要があり、制御が複雑化してしまう。すなわち、各入球領域の周辺領域を合わせた全体の領域が比較的大きく、当該全体の領域を流通する遊技球の数も比較的多くなるため、挙動を把握する対象となる遊技球の数が多くなり、制御が複雑化する。一方、本変形例における複数の入球領域は隣接して配置されているため、各入球領域の周辺領域を合わせた全体の領域が上記比較例よりも小さくなり、当該全体の領域を流通する遊技球の数も少なくなるため、挙動を把握する対象となる遊技球の数が少なくなり、制御を簡易化することができる。さらに、本変形例では、複数の入球領域は、流路の上流から下流に向けて配置されているため、各入球領域に到達する遊技球の挙動を把握しやすく、制御をより簡易化することができる。具体的には、複数の入球領域は流路の上流から下流に向けて配置されているため、各入球領域に到達する遊技球の方向がある程度一定の方向であるとともに、各入球領域に到達する遊技球の速度も各遊技球ごとのばらつきが小さい等、各入球領域に到達する各遊技球ごとの挙動のばらつきを小さくすることができる。結果として、各入球領域に到達する遊技球の挙動が把握しやすくなり、制御をより簡易化することができる。
C7−5.変形例5:
第2大入賞口58aに入球した遊技球が第2大入賞口58aの内部から排出されるのを遅延させる排出遅延手段を設ける構成を採用してもよい。以下、具体的に説明する。
第2大入賞口58aの内部には、当該第2大入賞口58aに入球した遊技球が第2大入賞口58aの内部から全て排出されたか否かを判定するための検知センサが設けられている。そして、1回のラウンドとして第2大入賞口58aが開放状態に遷移した後に閉鎖状態に遷移した場合には、第2大入賞口58aの内部から遊技球が全て排出されたか否かを当該検知センサを用いて判定する。その後、第2大入賞口58aから遊技球が全て排出されたことを条件として、次のラウンドを実行する。通常は、第2大入賞口58aが閉鎖状態に遷移した後から次の開放状態に遷移するまでの期間よりも、第2大入賞口58aの内部から遊技球が全て排出されるまでの期間の方が短いため、開放シナリオに設定した開放のタイミングで第2大入賞口58aを開放状態に遷移させることが可能である。
本変形例においては、第2大入賞口58aの内部に、遊技球が第2大入賞口58aの内部から排出されるのを遅延させる排出遅延手段を設ける。排出遅延手段としては、上面に凹面形状を有する円形のクルーンや、第2大入賞口58aの排出口の手前に設けられた迂回流路などを採用することができる。その他、遊技球が第2大入賞口58aの内部から排出されるのを遅延させる構成であれば、どのような構成を採用してもよい。
排出遅延手段が機能することによって、第2大入賞口58aの内部から遊技球が全て排出されるタイミングの方が、開放シナリオに設定された第2大入賞口58aを開放状態に遷移させるタイミングよりも後の場合、開放シナリオに設定されたタイミングより遅れたタイミングで58aが開放状態に遷移する場合が生じる。すなわち、排出遅延手段が遊技球の排出を遅延させる時間の程度によって、第2大入賞口58aが開放シナリオに設定されたタイミングで開放状態に遷移する場合や、開放シナリオに設定されたタイミングより遅れて開放状態に遷移する場合がある。よって、第2大入賞口58aを開放状態に遷移させるタイミングを、予め設定されたタイミングとは異なるタイミングに変更することが可能である。
その結果、例えば、大当たり抽選において第2種大当たりに当選し、開閉実行モードにおいて、V入賞領域FVに遊技球が入球しにくいタイミングで第1大入賞口57aおよび第2大入賞口58aの開閉動作が実行されるような開放シナリオが設定されていた場合であっても、排出遅延手段が機能することによって、遊技球がV入賞領域FVに入球しやすいタイミングで第1大入賞口57aおよび第2大入賞口58aの開閉動作が実行される場合があり、遊技者に対して、期待感や緊張感を付与することができる。すなわち、排出遅延手段を設けることにより、どのような種別の大当たり(または小当たり)を契機として開閉実行モードが開始された場合であっても、遊技者に対して、期待感や緊張感を付与することができる。
なお、本変形例においては、排出遅延手段は第2大入賞口58aの内部に設けられているとしたが、第1大入賞口57aに設けられているとしてもよいし、第1大入賞口57aと第2大入賞口58aのいずれにも設けられているとしてもよい。
C7−6.変形例6:
上記第3実施形態においては、V入賞領域FVは、遊技球の入球が高確率モードを実行するための条件として設定された入球領域であったが、その他の構成を採用してもよい。例えば、V入賞領域FVが、遊技球の入球が大当たりに当選する条件として設定された入球領域であってもよい。例えば、大当たり抽選によって所定の小当たりに当選し、当該小当たりを契機として実行される開閉実行モードにおいてV入賞領域FVに遊技球が入球した場合に大当たりへの当選となる遊技機(所謂、1種2種混合機)におけるV入賞領域として採用してもよい。
C7−7.変形例7:
図107は、第3実施形態の変形例7における可変入賞機構KHを説明する説明図である。図示するように、変形例7における可変入賞機構KHは、遊技球が流通する流通面上であって第2開閉扉58bより上流側に、流通する遊技球を跳躍させる機能を有する跳躍促進部材JPを備える。
可変入賞機構KHを流通する遊技球が所定の速度以上で跳躍促進部材JPを流通することによって、当該遊技球は浮かび上がり、第2開閉扉58bが開放状態である場合には、非V入賞領域FNVを飛び越えて、V入賞領域FVに入球させることができる。よって、開閉実行モードにおいてV入賞領域FVに入球しにくい開閉パターンが開放シナリオとして設定されている場合であっても、跳躍促進部材JPの機能によってV入賞領域FVに遊技球が入球する可能性があり、その結果、どのような種別の大当たり(または小当たり)を契機として開閉実行モードが開始された場合であっても、遊技者に対して、期待感や緊張感を付与することができる。
さらに、変形例7における遊技機は、可変入賞機構KHに遊技球が到達するまでの流通経路上に遊技球の速度を遅らせる速度低減機構LTを備える。速度低減機構LTを通過した遊技球は、可変入賞機構KHを流通する際の速度が、速度低減機構LTを流通せずに可変入賞機構KHを流通する遊技球より遅く、跳躍促進部材JPを流通し浮かび上がった場合であっても、非V入賞領域FNVを飛び越えることができず、非V入賞領域FNVに入球する。
このように、速度低減機構LTを備えることによって、遊技球が速度低減機構LTを流通するか否かに遊技者の注目を集めることができる。よって、より一層、遊技の興趣向上を図ることができる。
D.他の構成への適用:
上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
また、上記実施形態においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
E.上記各実施形態等から抽出される発明群について:
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴A1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
当該遊技機本体の筐体の内部に格納されるともに、前記検知手段による検知に基づいて取得された情報である検知情報を不揮発的に記憶する情報記憶手段(レジスタ304、演算結果記憶用メモリ309)と、
前記情報記憶手段に記憶された情報を当該遊技機と接続された所定の装置に対して送信する送信手段(CPU308)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、処理実行手段は、検知手段による検知に基づいて取得された情報である検知情報を不揮発的に記憶する情報記憶手段を備える。検知情報は、実行された遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該検知情報は遊技機毎に異なるとともに、遊技機固有の情報である。すなわち、検知情報は、遊技機の特性が反映された情報である。特徴A1によれば、当該遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体内部に格納された処理実行手段の情報記憶手段に記憶する。よって、例えば、当該遊技機の特性を検査する場合には、当該遊技機本体自身から検知情報を取得することによって、当該遊技機の特性を検査することができる。遊技機は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、遊技機は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来の遊技機では、当該遊技機の特性に関する情報を保持することができない。特徴A1の遊技機は、遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体内部に格納された処理実行手段の情報記憶手段に記憶するので、遊技機がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該遊技機本体から検知情報を取得することができる。すなわち、特徴A1の遊技機は、当該遊技機がいかなる状態(遊技ホールに設置されている状態や流通状態)に置かれても、遊技機と検知情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴A2]
特徴A1に記載の遊技機であって、
遊技の実行を制御する制御手段(主側CPU62x)を備え、
前記処理実行手段は、前記制御手段と同一の電源によって動作する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、処理実行手段は、制御手段と同一の電源によって動作するので、例えば、当該遊技機が遊技ホールに設置されている場合であって、ホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得していた場合に、当該ホールコンピュータの電源系統に不具合が生じた場合や、当該ホールコンピュータの処理に不具合が生じた場合であっても、遊技機に電源が供給されている状況であれば、検知情報を取得することができる。仮に、制御手段と処理実行手段とが異なる電源によって動作している場合、処理実行手段の電源供給に不具合があった場合に、遊技機によって遊技が実行されているにも関わらず検知情報が取得できないといった不具合が生じる。これに対して、特徴A2によれば、制御手段と処理実行手段とが同一の電源によって動作しているので、遊技が実行可能な状況であれば必ず検知情報を取得することができる。よって、検知情報の信頼性を向上させることができる。
[特徴A3]
特徴A1または特徴A2に記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段は、所定の検知手段(排出通路検知センサー44h)によって規定個数(500個)の遊技球が検知されるまでの期間毎の前記検知情報を記憶する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A3によれば、所定の検知手段によって規定個数の遊技球が検知されるまでの期間毎の検知情報を記憶するので、各遊技機によって規定個数の遊技球が検知されるまでの時間にバラつきがあったとしても、その時間のバラつきに影響しない検知情報を取得することができる。すなわち、遊技球が発射される頻度に高低差がある場合であっても、その影響を受けにくい精度の高い検知情報を取得することができる。
[特徴A4]
特徴A1または特徴A2に記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段は、予め設定された規定期間毎(1時間毎)の前記検知情報を記憶する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A4によれば、情報記憶手段は、予め設定された規定期間毎の検知情報を記憶するので、当該検知情報を用いて時間の概念を用いた統計処理を行うことができる。
[特徴A5]
特徴A1または特徴A2に記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段は、当該遊技機への電源の供給が開始されてから前記電源が遮断されるまでの期間毎の前記検知情報を記憶する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A5によれば、情報記憶手段は、当該遊技機への電源の供給が開始されてから電源の遮断が発生するまでの期間毎の検知情報を記憶するので、例えば、遊技機が遊技ホールに設置されている場合には、遊技ホールの営業日ごとの検知情報を取得することができる。
[特徴A6]
特徴A1から特徴A5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
を備え、
前記処理実行手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として前記払出手段から払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を取得する賞球数情報取得手段と、
前記検知情報と前記賞球数情報とに基づいて所定の演算を実行する演算実行手段(CPU308)と、
を備え、
前記情報記憶手段は、前記演算実行手段による演算結果(役物比率等)に関する情報である演算結果情報を記憶する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A6によれば、処理実行手段は、演算結果情報を記憶する。演算結果情報は、検知情報と賞球数情報とに基づいて演算された情報であるので、遊技機が払い出した賞球数に関する情報が反映されている。よって、特徴A6によれば、払い出した賞球に関する遊技機の特性を取得することができる。この結果、払い出した賞球に関する遊技機の特性を管理することができる。
<特徴B群>
特徴B群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴B1]
遊技の実行を制御する制御手段(主側CPU62x)と、
実行された遊技に基づいて取得された第1の情報と予め設定されている第2の情報とに基づいて演算処理を実行し第3の情報を取得する演算実行手段(CPU308)と、
前記第3の情報を不揮発的に記憶する情報記憶手段(演算結果記憶用メモリ309)と、
を備える遊技機であって、
前記演算実行手段と前記情報記憶手段とは、前記制御手段と同一の電源によって動作する
ことを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、第1の情報は実行された遊技に基づいて取得された情報であり、第3の情報は第1の情報に基づいて取得された情報である。よって、第3の情報は、実行された遊技に関する情報を含んでいる。したがって、情報記憶手段は、実行された遊技に関する情報を含んだ第3の情報を記憶しているので、情報記憶手段に記憶された第3の情報を用いて、過去に実行された遊技に関する情報を取得することが可能である。よって、第3の情報を用いることによって、遊技機の遊技に関する特性を管理することが可能となる。そして、演算実行手段と情報記憶手段とは、制御手段と同一の電源によって動作するので、遊技機に電源が供給されている状況であれば、第3の情報を取得することができる。仮に、演算実行手段および情報記憶手段と制御手段とが異なる電源によって動作している場合、演算実行手段および情報記憶手段の電源供給に不具合があった場合に、遊技機によって遊技が実行されているにも関わらず第3の情報が取得できないといった不具合が生じる。これに対して、特徴B2によれば、演算実行手段および情報記憶手段と制御手段とが同一の電源によって動作しているので、遊技が実行可能な状況であれば必ず第3の情報を取得することができる。よって、第3の情報の信頼性を向上させることができる。この結果、遊技機の検査の信頼性を向上させることができ、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴B2]
特徴B1に記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段に記憶された前記第3の情報を、前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に送信する送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴B2によれば、情報記憶手段に記憶された第3の情報を、遊技機に接続された所定の装置に送信する送信手段を備えるので、所定の装置を利用して、第3の情報を用いた遊技機の遊技に関する特性を管理することが可能となる。
[特徴B3]
特徴B1または特徴B2に記載の遊技機であって、
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
を備え、
前記第1の情報は、前記検知手段による検知に基づいて取得された情報であり、
前記第2の情報は、前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として前記払出手段から払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報であり、
前記第3の情報は、実行された遊技において遊技機が払い出した賞球数に関する情報である
ことを特徴とする遊技機。
特徴B3によれば、第3の情報は、実行された遊技において遊技機が払い出した賞球数に関する情報である。したがって、情報記憶手段に記憶されている第3の情報を用いて、実際に払い出した賞球に関する遊技機の特性を管理することができる。
<特徴C群>
特徴C群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴C1]
遊技の実行を制御する制御手段(主側CPU62x)と、
実行された遊技に基づいて取得された第1の情報を不揮発的に記憶する情報記憶手段(レジスタ304、演算結果記憶用メモリ309)と、
を備える遊技機であって、
前記情報記憶手段は、開閉の痕跡が残る筐体(封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、開閉の痕跡が残る筐体の内部に、情報記憶手段を格納している。したがって、情報記憶手段に対して物理的な接触をした場合には、筐体を開いた痕跡が残る。よって、仮に、情報記憶手段に記憶されている第1の情報が情報記憶手段への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを筐体の痕跡から把握することが可能になる。したがって、第1の情報の不正な改変を防止することができる。遊技機は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る筐体の内部に情報記憶手段を格納するので、遊技機が転々流通する状況であっても、何者かによる第1の情報の不正な改変を抑制することができる。また、第1の情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、第1の情報を用いて遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、特徴C1によれば、遊技機の遊技に関する特性を反映した第1の情報の不正な改変を防止することで、適正に遊技機を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴C2]
特徴C1に記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段は、前記制御手段と同一の電源によって動作する
ことを特徴とする遊技機。
特徴C2によれば、情報記憶手段は、制御手段と同一の電源によって動作するので、遊技機に電源が供給されている状況であれば、第1の情報を取得することができる。仮に、情報記憶手段と制御手段とが異なる電源によって動作している場合、情報記憶手段の電源供給に不具合があった場合に、遊技機によって遊技が実行されているにも関わらず第1の情報が取得できないといった不具合が生じる。これに対して、特徴C2によれば、情報記憶手段と制御手段とが同一の電源によって動作しているので、遊技が実行可能な状況であれば必ず第1の情報を取得することができる。よって、第1の情報の信頼性を向上させることができる。この結果、遊技機の検査の信頼性を向上させることができ、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴C3]
特徴C1または特徴C2に記載の遊技機であって、
前記第1の情報を、前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に送信する送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴C3によれば、情報記憶手段に記憶された第1の情報を、遊技機に接続された所定の装置に送信する送信手段を備えるので、所定の装置を利用して、第1の情報を用いた遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。
<特徴D群>
特徴D群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴D1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する第1の賞球数情報記憶手段(主側ROM63)と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記第1の賞球数記憶手段に記憶されている前記賞球数情報を取得する賞球数情報取得手段と、
前記賞球数情報取得手段によって取得された前記賞球数情報を記憶する第2の賞球数情報記憶手段(賞球数データ記憶用メモリ306)と、
前記検知手段によって検知された遊技球の個数に関する情報を記憶する個数情報記憶手段(レジスタ304)と、
前記個数情報記憶手段に記憶されている前記遊技球の個数に関する情報と前記第2の賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とに基づいて演算を実行することによって、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等)を算出する演算実行手段(CPU308)と、
前記演算実行手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(演算結果記憶用メモリ309)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
遊技機に設定されている賞球数情報は、遊技機の種類(機種)毎に異なる値が設定されていることが一般的である。
特徴D1によれば、処理実行手段は、第1の賞球数記憶手段に記憶されている賞球数情報を取得するので、遊技機の種類(機種)毎に異なる賞球数情報が設定されていても、処理実行手段は、遊技機の種類毎に設定された賞球数情報を用いて正しい遊技履歴情報を算出することができる。
遊技機に不正な改造等が施されていると、算出された遊技履歴情報が、想定された値とは異なる不自然な値になる場合がある。したがって、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴D2]
特徴D1に記載の遊技機であって、
前記第1の賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報を含む信号を前記処理実行手段に送信する賞球数情報送信手段(CPU62x)を備え、
前記取得手段は、前記賞球数情報送信手段から送信された前記信号を受信することによって前記賞球数情報を取得する
ことを特徴とする遊技機。
特徴D2によれば、第1の賞球数情報記憶手段に記憶されている賞球数情報を含む信号を処理実行手段に送信するので、処理実行手段が第1の賞球数記憶手段にアクセスすることができない構成や、処理実行手段が第1の賞球数記憶手段に記憶されている賞球数情報の記憶位置(メモリアドレス)を把握することができない構成であっても、処理実行手段が第1の賞球数記憶手段に記憶されている賞球数情報を取得することが可能となる。
[特徴D3]
特徴D1または特徴D2に記載の遊技機であって、
前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に対して前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を送信する遊技履歴情報送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴D3によれば、遊技機の遊技履歴情報が所定の装置に送信されるので、所定の装置は、当該遊技機の遊技履歴情報を表示することが可能となる。そして、遊技機の検査者は、所定の装置に表示された遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴D4]
特徴D1から特徴D3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴D4によれば、遊技履歴情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴D5]
特徴D1から特徴D4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記発射手段は、前記処理実行手段において前記賞球数情報の前記第2の賞球数情報記憶手段への記憶が完了するまでは遊技球の発射を実行することができないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴D5によれば、賞球数情報の第2の賞球数情報記憶手段への記憶が完了するまでは遊技球が発射されないので、演算実行手段による遊技履歴情報の算出対象から遊技球が漏れてしまうことを抑制することができる。
<特徴E群>
特徴E群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴E1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する賞球数情報記憶手段(賞球数データ記憶用メモリ306)と、
前記検知手段によって検知された遊技球の個数に関する情報を記憶する個数情報記憶手段(レジスタ304)と、
前記個数情報記憶手段に記憶されている所定の検知手段(排出通路検知センサー44h)によって検知された遊技球の個数(排出通路通過個数NOUT)が規定値(500個)に達する毎に、前記個数情報記憶手段に記憶されている前記遊技球の個数に関する情報と前記賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とに基づいて演算を実行することによって、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等)を算出する演算実行手段(CPU308)と、
前記演算実行手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(演算結果記憶用メモリ309)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、所定の検知手段によって検知された遊技球の個数が規定値に達する毎に遊技履歴情報を算出するので、各遊技機によって検知された遊技球の個数が規定値に達するまでの時間にバラつきがあったとしても、その時間のバラつきに影響しない遊技履歴情報を算出することができる。すなわち、遊技球が検知される頻度に高低差がある場合であっても、その影響を受けにくい精度の高い遊技履歴情報を算出することができる。この結果、遊技機の検査者は、精度の高い遊技履歴情報を確認することができ、遊技機に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴E2]
特徴E1に記載の遊技機であって、
前記演算を実行する条件である演算実行条件として、前記所定の検知手段(排出通路検知センサー44h)及び前記規定値(500個)に関する情報を記憶する第1の演算実行条件記憶手段(主側ROM63)を備え、
前記処理実行手段は、
前記第1の演算実行条件記憶手段に記憶されている前記演算実行条件を取得する演算実行条件取得手段と、
前記取得された前記演算実行条件を記憶する第2の演算実行条件記憶手段(演算実行条件記憶用メモリ307)と、
を備え、
前記演算実行手段は、前記第2の演算実行条件記憶手段に記憶されている前記演算実行条件が成立した場合に、前記演算を実行する
ことを特徴とする遊技機。
遊技機の種類(機種)が異なると、遊技の特性も異なるため、遊技履歴情報を算出するための演算を実行する最適な条件も異なることになる。このため、演算実行条件は、遊技機の種類(機種)毎に異なる条件が記憶されている。
特徴E2によれば、処理実行手段は、第1の演算実行条件記憶手段に記憶されている演算実行条件を取得するので、遊技機の種類(機種)毎に設定された演算実行条件が成立した場合に演算を実行することができる。
[特徴E3]
特徴E1または特徴E2に記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記演算実行手段が前記演算を実行した後に、前記個数情報記憶手段に記憶されている遊技球の個数に関する情報を消去する消去手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴E3によれば、演算実行手段が演算を実行した後に、個数情報記憶手段に記憶されている遊技球の個数に関する情報を消去するので、再び個数情報記憶手段に遊技球の個数に関する情報を記憶することが可能となる。したがって、個数情報記憶手段に必要な記憶容量を低減することができる。
[特徴E4]
特徴E1から特徴E3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に対して前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を送信する遊技履歴情報送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴E4によれば、遊技機の遊技履歴情報が所定の装置に送信されるので、所定の装置は、当該遊技機の遊技履歴情報を表示することが可能となる。そして、遊技機の検査者は、所定の装置に表示された遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴E5]
特徴E1から特徴E4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴E5によれば、遊技履歴情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができる。
<特徴F群>
特徴F群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴F1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する賞球数情報記憶手段(賞球数データ記憶用メモリ306)と、
前記検知手段によって検知された遊技球の個数に関する情報を記憶する個数情報記憶手段(レジスタ304)と、
所定時間(1時間)が経過する毎に、前記個数情報記憶手段に記憶されている前記遊技球の個数に関する情報と前記賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とに基づいて演算を実行することによって、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等)を算出する演算実行手段(CPU308)と、
前記演算実行手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(演算結果記憶用メモリ309)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、所定時間が経過する毎に遊技履歴情報を算出するので、遊技機の検査者は、時間の概念を用いた統計処理によって算出された遊技履歴情報を確認することができ、遊技機に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴F2]
特徴F1に記載の遊技機であって、
前記演算を実行する条件である演算実行条件として、前記演算を実行する時間的間隔に関する情報を記憶する第1の演算実行条件記憶手段(主側ROM63)を備え、
前記処理実行手段は、
前記演算実行条件記憶手段に記憶されている前記演算実行条件を取得する演算実行条件取得手段と、
前記取得された前記演算実行条件を記憶する第2の演算実行条件記憶手段(演算実行条件記憶用メモリ307)と、
を備え、
前記演算実行手段は、前記第2の演算実行条件記憶手段に記憶されている前記演算実行条件が成立した場合に、前記演算を実行する
ことを特徴とする遊技機。
遊技機の種類(機種)が異なると、遊技の特性も異なるため、遊技履歴情報を算出するための演算を実行する最適な条件も異なることになる。このため、演算実行条件は、遊技機の種類(機種)毎に異なる条件が記憶されている。
特徴F2によれば、処理実行手段は、第1の演算実行条件記憶手段に記憶されている演算実行条件を取得するので、遊技機の種類(機種)毎に設定された演算実行条件が成立した場合に演算を実行することができる。
[特徴F3]
特徴F1または特徴F2に記載の遊技機であって、
前記演算が実行されてからの経過時間を計測する計測手段と、
遊技者によって遊技が行なわれているか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記計測手段は、前記判定手段によって遊技が行なわれていないと判定されている期間は、前記経過時間の計測を中断する
ことを特徴とする遊技機。
特徴F3によれば、遊技が行なわれていないと判定されている期間は、演算が実行されてからの経過時間の計測を中断するので、実際に遊技が行なわれている期間のみを対象として遊技履歴情報を算出することができる。
[特徴F4]
特徴F1から特徴F3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に対して前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を送信する遊技履歴情報送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴F4によれば、遊技機の遊技履歴情報が所定の装置に送信されるので、所定の装置は、当該遊技機の遊技履歴情報を表示することが可能となる。そして、遊技機の検査者は、所定の装置に表示された遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴F5]
特徴F1から特徴F4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴F5によれば、遊技履歴情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができる。
<特徴G群>
特徴G群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴G1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
電源の遮断の発生を監視する監視手段(停電監視回路86)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する賞球数情報記憶手段(賞球数データ記憶用メモリ306)と、
前記検知手段によって検知された遊技球の個数に関する情報を記憶する個数情報記憶手段(レジスタ304)と、
前記監視手段が電源の遮断の発生を検知した場合に、前記個数情報記憶手段に記憶されている前記遊技球の個数に関する情報と前記賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とに基づいて演算を実行することによって、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等)を算出する演算実行手段(CPU308)と、
前記演算実行手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(演算結果記憶用メモリ309)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、電源の遮断の発生を検知した場合に遊技履歴情報を算出するので、遊技機への電源の供給が開始されてから電源の遮断が発生するまでの期間中において検知された遊技球の個数に基づいて遊技履歴情報を算出することができる。すなわち、遊技ホールの営業が開始してから終了するまでの期間毎に遊技履歴情報が算出されるので、遊技ホールの営業日毎に遊技履歴情報が算出されることになる。したがって、遊技機の検査者は、遊技ホールの営業日を跨いで遊技履歴情報の特性に変化があったか否かを容易に把握することができるので、遊技機に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴G2]
特徴G1に記載の遊技機であって、
前記電源の遮断が発生した後においても前記演算実行手段に対して電源を供給する供給手段(コンデンサ)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴G2によれば、電源の遮断が発生した後においても演算実行手段に対して電源を供給する供給手段を備えるので、演算実行手段による遊技履歴情報の算出及び遊技履歴情報の遊技履歴情報記憶手段への記憶を確実に完了させることができる。
[特徴G3]
特徴G1または特徴G2に記載の遊技機であって、
前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に対して前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を送信する遊技履歴情報送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴G3によれば、遊技機の遊技履歴情報が所定の装置に送信されるので、所定の装置は、当該遊技機の遊技履歴情報を表示することが可能となる。そして、遊技機の検査者は、所定の装置に表示された遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴G4]
特徴G1から特徴G3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴G4によれば、遊技履歴情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができる。
<特徴H群>
特徴H群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴H1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
所定の場合に報知をする報知手段と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する賞球数情報記憶手段(賞球数データ記憶用メモリ306)と、
前記検知手段によって検知された遊技球の個数に関する情報を記憶する個数情報記憶手段(レジスタ304)と、
前記個数情報記憶手段に記憶されている前記遊技球の個数に関する情報と前記賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とに基づいて、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等)を算出する算出手段(CPU308)と、
前記算出手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(演算結果記憶用メモリ309)と、
を備え、
前記報知手段は、前記遊技履歴情報記憶手段に記憶された前記遊技履歴情報が所定の条件を満たしていない場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴H1によれば、遊技履歴情報が所定の条件を満たしていない場合に報知するので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報が所定の条件を満たしていない遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴H2]
特徴H1に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記遊技履歴情報記憶手段に記憶された前記遊技履歴情報に含まれる特定の値(払出比率等)が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴H2によれば、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知するので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴H3]
特徴H2に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記特定の値の前記所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様(LEDランプの色)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴H3によれば、特定の値の所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様を決定するので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。
[特徴H4]
特徴H1から特徴H3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記報知として所定の表示をする表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴H4によれば、報知として所定の表示をする表示手段を備えるので、遊技機の検査者は、遊技機の遊技履歴情報が所定の条件を満たしていないことを容易に知ることができる。
[特徴H5]
特徴H1から特徴H4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に対して前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を送信する遊技履歴情報送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴H5によれば、遊技機の遊技履歴情報が所定の装置に送信されるので、所定の装置は、当該遊技機の遊技履歴情報を表示することが可能となる。そして、遊技機の検査者は、所定の装置に表示された遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴H6]
特徴H1から特徴H5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴H6によれば、遊技履歴情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができる。
<特徴I群>
特徴I群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴I1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する賞球数情報記憶手段(賞球数データ記憶用メモリ306)と、
前記検知手段によって遊技球が検知される毎に、当該検知手段によって遊技球が検知されたことを示す情報である入球情報を順次記憶する入球情報記憶手段(入球情報記憶用メモリ309b)と、
前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に対して、前記入球情報記憶手段に記憶されている前記入球情報と前記賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とを送信する送信手段(CPU308)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴I1によれば、所定の装置に対して入球情報と賞球数情報とを送信するので、所定の装置は、入球情報と賞球数情報とに基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報を任意の範囲で算出することができる。したがって、遊技機の検査者は、所定の装置によって、任意の範囲で算出された当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができ、遊技機に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴I2]
特徴I1に記載の遊技機であって、
日時に関する情報である日時情報を取得する日時情報取得手段(RTC96)を備え、
前記入球情報記憶手段は、前記入球情報を記憶する際に、前記遊技球が前記検知手段によって検知された日時に対応した前記日時情報を付加して記憶する
ことを特徴とする遊技機。
特徴I2によれば、日時情報が付加された入球情報を受信した所定の装置は、日時の範囲を指定して遊技履歴情報を算出することが可能となる。したがって、遊技機の検査者は、日時の範囲を指定した遊技履歴情報に基づいて詳細な検査をすることができる。また、日時情報が付加された入球情報を所定の装置が表示する構成とすれば、遊技機の検査者は、各検知手段によって遊技球が検知された日時についても把握することが可能となる。
[特徴I3]
特徴I1または特徴I2に記載の遊技機であって、
前記入球情報記憶手段に記憶されている前記入球情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴I3によれば、入球情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、入球情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の入球情報を確認することができる。
<特徴J群>
特徴J群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴J1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する賞球数情報記憶手段(主側ROM63)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技を進行するための処理である遊技進行処理(大当たり抽選処理、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等)を実行するとともに、前記検知手段によって検知された遊技球の検知情報と前記賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とに基づいて演算を実行することによって遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等)を算出する処理を実行する処理実行手段(主側CPU62x)と、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記処理実行手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(主側RAM64、フラッシュメモリ64x)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴J1によれば、遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段を備える。遊技履歴情報は、遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該遊技履歴情報は遊技機毎に異なるとともに、遊技機固有の情報である。すなわち、遊技履歴情報は、遊技機の特性が反映された情報である。特徴J1によれば、当該遊技機の特性が反映された情報である遊技履歴情報を遊技機本体の筐体に格納された遊技履歴情報記憶手段に記憶する。よって、例えば、当該遊技機の特性を検査する場合には、当該遊技機本体自身から遊技履歴情報を取得することによって、当該遊技機の特性を検査することができる。遊技機は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、遊技機は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来の遊技機では、当該遊技機の特性に関する情報を取得することができない。特徴J1の遊技機は、遊技機の特性が反映された情報である遊技履歴情報を遊技機本体の筐体に格納された遊技履歴情報記憶手段に記憶するので、遊技機がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該遊技機本体から遊技履歴情報を取得することができる。すなわち、特徴J1によれば、遊技機と遊技履歴情報とを1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
さらに、特徴J1によれば、単一の処理実行手段が遊技進行処理と遊技履歴情報を算出する処理とを実行するので、当該算出処理を実行するための別の演算用チップ等を設ける必要がなく、遊技機の製造コストを低減させることができる。
[特徴J2]
特徴J1に記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記第2のモードでは、遊技球が前記所定の領域を通過した場合であっても、前記遊技進行処理を実行しないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴J2によれば、遊技球が所定の領域を通過した場合であっても遊技進行処理を実行しない第2のモードを実行可能であるので、遊技進行処理と並行して実行することが好ましくない処理や、遊技進行処理と並行して実行した場合に不具合が生じやすい処理等を第2のモードにおいて実行することができる。また、特徴J2によれば、第2のモードにおいては遊技進行処理を実行しないので、第2のモードにおいて実行する処理のプログラムを開発する際に、遊技進行処理が並行して実行された場合における対策を考慮しなくてもよいため、第2のモードにおいて実行する処理のプログラムの開発効率を大幅に向上させることができる。
[特徴J3]
特徴J2に記載の遊技機であって、
前記第2のモードは、前記遊技履歴情報を出力するモードである
ことを特徴とする遊技機。
遊技履歴情報は、遊技球が検知されて遊技進行処理が実行されると内容が変化する情報である。したがって、仮に、遊技進行処理と並行して遊技履歴情報を出力する処理を実行する構成を採用すると、遊技機の検査者が遊技履歴情報によって当該遊技機の特性を検査している間に遊技進行処理が実行されて当該遊技履歴情報の内容が随時変化してしまい、円滑に検査を実施することが困難になってしまう場合がある。これに対して、特徴J3によれば、遊技球が所定の領域を通過した場合であっても遊技進行処理を実行しない第2のモードにおいて遊技履歴情報を出力するので、遊技履歴情報を出力している間に当該遊技履歴情報の内容が変化してしまうことを抑制することができる。この結果、遊技機の検査者は円滑に検査を実施することができる。
[特徴J4]
特徴J1から特徴J3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記第1のモードにおいて前記遊技進行処理の実行中に、前記第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合)には、第2の条件が成立したタイミング(図柄の変動表示処理が終了したタイミング等の遊技進行処理が予め定められた処理段階まで完了したタイミング、実行中の各遊技進行処理の全ての処理が完了したタイミング)で、前記第1のモードから前記第2のモードに移行するように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴J4によれば、第1のモードにおいて第1の条件が成立した場合には、第2の条件が成立したタイミングで、第1のモードから第2のモードに移行するように構成されているので、第2の条件が成立したか否かに関わらずに第1の条件が満たされた直後のタイミングで第1のモードから第2のモードに移行する構成と比較して、第2のモードに移行する際の処理上の不具合の発生を抑制することができる。
例えば、仮に、第2の条件が成立したか否かに関わらずに第1の条件が成立した直後のタイミングで第1のモードから第2のモードに移行する構成を採用した場合において、第1のモードにおいて遊技進行処理としての図柄の変動表示処理が実行されている期間中に、所定の操作が実行されたという第1の条件が成立した場合には、図柄の変動表示の途中で第2のモードに移行することになり、図柄の停止のタイミングや、図柄の変動時間の制御等が困難となる。これに対して、特徴J4によれば、例えば、第1のモードにおいて遊技進行処理としての図柄の変動表示処理が実行されている期間中に、所定の操作が実行されたという第1の条件が成立した場合には、図柄の変動表示処理が実行されていないという第2の条件が成立したタイミング、すなわち、変動表示中の図柄が停止した後のタイミングで第2のモードに移行することになる。したがって、図柄の停止のタイミングや、図柄の変動時間の制御等が困難となるといった処理上の不具合の発生を抑制することができる。
[特徴J5]
特徴J1から特徴J4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記第2のモード中に第3の条件が成立した場合(検査モードに移行してから10分が経過した場合)には、前記第2のモードから前記第1のモードに移行させるための操作である移行操作(モード切替ボタンを押下するという操作、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作)が実行されていない場合であっても、前記第2のモードから前記第1のモードに移行するように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴J5によれば、第2のモード中に第3の条件が成立した場合には、第2のモードから第1のモードに移行させるための移行操作が実行されていない場合であっても、第2のモードから第1のモードに移行するように構成されているので、移行操作の実行がされずに第1のモードに復帰しないことを抑制することができる。例えば、第2のモードへの移行後に遊技機の管理者や検査者等が移行操作の実行を失念してしまい、遊技機が遊技進行処理を実行可能な第1のモードに復帰せず、遊技者が当該遊技機で遊技をできないといった状況の発生を抑制することができる。
[特徴J6]
特徴J5に記載の遊技機であって、
前記第3の条件は、所定の時点から所定の時間が経過すること(検査モードに移行した時点から10分が経過すること)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴J6によれば、第2のモード中に所定の時点から所定の時間が経過した場合には、第2のモードから第1のモードに移行させるための移行操作が実行されていない場合であっても、第2のモードから第1のモードに移行するように構成されているので、移行操作の実行がされずに第1のモードに復帰しないことを確実に抑制することができる。例えば、第2のモードへの移行後に遊技機の管理者や検査者等が移行操作の実行を失念してしまった場合であっても、所定の時点から所定の時間が経過すれば第1のモードに復帰するので、遊技機が遊技進行処理を実行可能な第1のモードに復帰せず、遊技者が当該遊技機で遊技をできないといった状況の発生を抑制することができる。
[特徴J7]
特徴J1から特徴J6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記遊技進行処理に関する情報を記憶する遊技進行処理情報記憶手段(主側RAM64)と、
前記遊技進行処理情報記憶手段に記憶されている情報を消去するための操作である消去操作(RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作)が実行されたことに基づいて、前記遊技進行処理情報記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段と、
を備え、
前記処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記消去手段は、前記第2のモードに移行後であって前記第1のモードに移行する前の状態(検査モード中の状態、検査モードに移行後にそのまま電源がOFFになった状態)では、前記消去操作が実行された場合であっても、前記遊技進行処理情報記憶手段に記憶された情報を消去しないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴J7によれば、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態では、遊技進行処理情報記憶手段に記憶されている情報を消去するための消去操作が実行された場合であっても、遊技進行処理情報記憶手段に記憶された情報を消去しないので、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態において、第1のモードに移行させようとして誤って消去操作が実行されてしまった場合であっても、当該情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができる。
例えば、遊技進行処理情報記憶手段に記憶されている情報を消去するための消去操作が、消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下する操作であり、第1のモードと第2のモードとの間でモードを移行させるための操作が、移行用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下する操作である構成においては、第2のモードから第1のモードに移行させようとして移行用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下するつもりが、誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまう虞がある。しかしながら、特徴J7によれば、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態では、誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行されてしまった場合であっても、当該情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができる。
より具体的には、例えば、第1のモードから第2のモードに移行する際に、第1のモードにおいて実行していた遊技進行処理を一時的に停止させるとともに、当該停止させた遊技進行処理を第2のモードへの復帰後に再開させるための情報を遊技進行処理情報記憶手段に記憶させる構成を採用した場合において、第2のモードから第1のモードに復帰させようとして移行用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下するつもりが、誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまった場合には、遊技進行処理を再開するための情報が消去されてしまい、第2のモードへの復帰後に遊技進行処理を再開させることができなくなり、遊技者に不利益を与えてしまう虞がある。これに対して、特徴J7によれば、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態において、第1のモードに移行させようとして誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまった場合であっても、遊技進行処理情報記憶手段に記憶された情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができるので、遊技者に不利益を与えてしまうことを抑制することができる。
[特徴J8]
特徴J1から特徴J7のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴J8によれば、遊技履歴情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴J9]
特徴J1から特徴J8のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段は、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリ(フラッシュメモリ64x)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴J9によれば、遊技機への電源の供給が絶たれても遊技履歴情報が保持されるので、当該遊技機がいかなる状態(例えば、遊技機に電源が供給されない流通状態等)に置かれても、遊技機と遊技履歴情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。
[特徴J10]
特徴J1から特徴J9のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段は、開閉の痕跡が残る筐体(封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴J10によれば、開閉の痕跡が残る筐体の内部に、遊技履歴情報記憶手段が格納されている。したがって、遊技履歴情報記憶手段に対して物理的な接触をした場合には、筐体を開いた痕跡が残る。よって、仮に、遊技履歴情報記憶手段に記憶されている遊技履歴情報が遊技履歴情報記憶手段への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを筐体の痕跡から把握することが可能になる。したがって、遊技履歴情報の不正な改変を防止することができる。遊技機は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る筐体の内部に遊技履歴情報記憶手段を格納するので、遊技機が転々流通する状況であっても、何者かによる遊技履歴情報の不正な改変を抑制することができる。また、遊技履歴情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、遊技履歴情報を用いて遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、特徴J10によれば、遊技機の遊技に関する特性を反映した遊技履歴情報の不正な改変を防止することで、適正に遊技機を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴J11]
特徴J1から特徴J10のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶された前記遊技履歴情報が所定の条件を満たしていない場合に報知をする報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴J11によれば、遊技履歴情報が所定の条件を満たしていない場合に報知するので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報が所定の条件を満たしていない遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴J12]
特徴J11に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記遊技履歴情報記憶手段に記憶された前記遊技履歴情報に含まれる特定の値(払出比率等)が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴J12によれば、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知するので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴J13]
特徴J12に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記特定の値の前記所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様(LEDランプの色)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴J13によれば、特定の値の所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様を決定するので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。
[特徴J14]
特徴J11から特徴J13のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記報知として所定の表示をする表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴J14によれば、報知として所定の表示をする表示手段を備えるので、遊技機の検査者は、遊技機の遊技履歴情報が所定の条件を満たしていないことを容易に知ることができる。
<特徴K群>
特徴K群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴K1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技を進行するための処理である遊技進行処理(大当たり抽選処理、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等)を実行する遊技進行処理実行手段(主側CPU62x)と、
を備え、
前記遊技進行処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
所定の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記第2のモードでは、遊技球が前記所定の領域を通過した場合であっても、前記遊技進行処理を実行しないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴K1によれば、遊技球が所定の領域を通過した場合であっても遊技進行処理を実行しない第2のモードを実行可能であるので、遊技進行処理と並行して実行することが好ましくない処理や、遊技進行処理と並行して実行した場合に不具合が生じやすい処理等を第2のモードにおいて実行することができる。また、特徴K1によれば、第2のモードにおいては遊技進行処理を実行しないので、第2のモードにおいて実行する処理のプログラムを開発する際に、遊技進行処理が並行して実行された場合における対策を考慮しなくてもよいため、第2のモードにおいて実行する処理のプログラムの開発効率を大幅に向上させることができる。
[特徴K2]
特徴K1に記載の遊技機であって、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、役物比率等を含む遊技履歴情報)を記憶する記憶手段(演算結果記憶用メモリ309、入球個数記憶用メモリ309a、入球情報記憶用メモリ309b、主側RAM64、フラッシュメモリ64x)を備え、
前記第2のモードは、前記検知情報を出力するモードである
ことを特徴とする遊技機。
特徴K2によれば、検知情報を記憶するとともに、第2のモードにおいて検知情報を出力することができる。検知情報は、遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該検知情報は遊技機毎に異なるとともに、遊技機固有の情報である。すなわち、検知情報は、遊技機の特性が反映された情報である。特徴K2によれば、当該遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された記憶手段に記憶する。よって、例えば、当該遊技機の特性を検査する場合には、当該遊技機本体自身から検知情報を取得することによって、当該遊技機の特性を検査することができる。遊技機は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、遊技機は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来の遊技機では、当該遊技機の特性に関する情報を取得することができない。特徴K2の遊技機は、遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された記憶手段に記憶するので、遊技機がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該遊技機本体から検知情報を取得することができる。すなわち、特徴K2によれば、遊技機と検知情報とを1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
また、検知情報は、遊技球が検知されて遊技進行処理が実行されると内容が変化する情報である。したがって、仮に、遊技進行処理と並行して検知情報を出力する処理を実行する構成を採用すると、遊技機の検査者が検知情報によって当該遊技機の特性を検査している間に遊技進行処理が実行されて当該検知情報の内容が随時変化してしまい、円滑に検査を実施することが困難になってしまう場合がある。これに対して、特徴K2によれば、遊技球が所定の領域を通過した場合であっても遊技進行処理を実行しない第2のモードにおいて検知情報を出力するので、検知情報を出力している間に当該検知情報の内容が変化してしまうことを抑制することができる。この結果、遊技機の検査者は円滑に検査を実施することができる。
[特徴K3]
特徴K2に記載の遊技機であって、
前記第2のモードにおいて出力される前記検知情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴K3によれば、検知情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、検知情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の検知情報を確認することができる。
[特徴K4]
特徴K2または特徴K3に記載の遊技機であって、
前記記憶手段は、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリ(演算結果記憶用メモリ309、入球個数記憶用メモリ309a、入球情報記憶用メモリ309b、フラッシュメモリ64x)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴K4によれば、遊技機への電源の供給が絶たれても検知情報が保持されるので、当該遊技機がいかなる状態(例えば、遊技機に電源が供給されない流通状態等)に置かれても、遊技機と検知情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。
[特徴K5]
特徴K2から特徴K4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記記憶手段は、開閉の痕跡が残る筐体(封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴K5によれば、開閉の痕跡が残る筐体の内部に、記憶手段が格納されている。したがって、記憶手段に対して物理的な接触をした場合には、筐体を開いた痕跡が残る。よって、仮に、記憶手段に記憶されている検知情報が記憶手段への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを筐体の痕跡から把握することが可能になる。したがって、検知情報の不正な改変を防止することができる。遊技機は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る筐体の内部に記憶手段を格納するので、遊技機が転々流通する状況であっても、何者かによる検知情報の不正な改変を抑制することができる。また、検知情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、検知情報を用いて遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、特徴K5によれば、遊技機の遊技に関する特性を反映した検知情報の不正な改変を防止することで、適正に遊技機を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴K6]
特徴K2から特徴K5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記記憶手段に記憶された前記検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知をする報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴K6によれば、検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報が所定の条件を満たしていない遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴K7]
特徴K6に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記記憶手段に記憶された前記検知情報に含まれる特定の値(払出比率等)が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴K7によれば、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴K8]
特徴K7に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記特定の値の前記所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様(LEDランプの色)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴K8によれば、特定の値の所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様を決定するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。
[特徴K9]
特徴K6から特徴K8のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記報知として所定の表示をする表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴K9によれば、報知として所定の表示をする表示手段を備えるので、遊技機の検査者は、遊技機の検知情報が所定の条件を満たしていないことを容易に知ることができる。
<特徴L群>
特徴L群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴L1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技を進行するための処理である遊技進行処理(大当たり抽選処理、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等)を実行する遊技進行処理実行手段(主側CPU62x)と、
を備え、
前記遊技進行処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記第1のモードにおいて前記遊技進行処理の実行中に、前記第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合)には、第2の条件が成立したタイミング(図柄の変動表示処理が終了したタイミング等の遊技進行処理が予め定められた処理段階まで完了したタイミング、実行中の各遊技進行処理の全ての処理が完了したタイミング)で、前記第1のモードから前記第2のモードに移行するように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴L1によれば、第1のモードにおいて第1の条件が成立した場合には、第2の条件が成立したタイミングで、第1のモードから第2のモードに移行するように構成されているので、第2の条件が成立したか否かに関わらずに第1の条件が満たされた直後のタイミングで第1のモードから第2のモードに移行する構成と比較して、第2のモードに移行する際の処理上の不具合の発生を抑制することができる。
例えば、仮に、第2の条件が成立したか否かに関わらずに第1の条件が成立した直後のタイミングで第1のモードから第2のモードに移行する構成を採用した場合において、第1のモードにおいて遊技進行処理としての図柄の変動表示処理が実行されている期間中に、所定の操作が実行されたという第1の条件が成立した場合には、図柄の変動表示の途中で第2のモードに移行することになり、図柄の停止のタイミングや、図柄の変動時間の制御等が困難となる。これに対して、特徴L1によれば、例えば、第1のモードにおいて遊技進行処理としての図柄の変動表示処理が実行されている期間中に、所定の操作が実行されたという第1の条件が成立した場合には、図柄の変動表示処理が実行されていないという第2の条件が成立したタイミング、すなわち、変動表示中の図柄が停止した後のタイミングで第2のモードに移行することになる。したがって、図柄の停止のタイミングや、図柄の変動時間の制御等が困難となるといった処理上の不具合の発生を抑制することができる。
[特徴L2]
特徴L1に記載の遊技機であって、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、役物比率等を含む遊技履歴情報)を記憶する記憶手段(演算結果記憶用メモリ309、入球個数記憶用メモリ309a、入球情報記憶用メモリ309b、主側RAM64、フラッシュメモリ64x)を備え、
前記第2のモードは、前記検知情報を出力するモードである
ことを特徴とする遊技機。
特徴L2によれば、検知情報を記憶するとともに、第2のモードにおいて検知情報を出力することができる。検知情報は、遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該検知情報は遊技機毎に異なるとともに、遊技機固有の情報である。すなわち、検知情報は、遊技機の特性が反映された情報である。特徴L2によれば、当該遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された記憶手段に記憶する。よって、例えば、当該遊技機の特性を検査する場合には、当該遊技機本体自身から検知情報を取得することによって、当該遊技機の特性を検査することができる。遊技機は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、遊技機は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来の遊技機では、当該遊技機の特性に関する情報を取得することができない。特徴L2の遊技機は、遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された記憶手段に記憶するので、遊技機がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該遊技機本体から検知情報を取得することができる。すなわち、特徴L2によれば、遊技機と検知情報とを1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴L3]
特徴L2に記載の遊技機であって、
前記第2のモードにおいて出力される前記検知情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴L3によれば、検知情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、検知情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の検知情報を確認することができる。
[特徴L4]
特徴L2または特徴L3に記載の遊技機であって、
前記記憶手段は、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリ(演算結果記憶用メモリ309、入球個数記憶用メモリ309a、入球情報記憶用メモリ309b、フラッシュメモリ64x)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴L4によれば、遊技機への電源の供給が絶たれても検知情報が保持されるので、当該遊技機がいかなる状態(例えば、遊技機に電源が供給されない流通状態等)に置かれても、遊技機と検知情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。
[特徴L5]
特徴L2から特徴L4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記記憶手段は、開閉の痕跡が残る筐体(封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴L5によれば、開閉の痕跡が残る筐体の内部に、記憶手段が格納されている。したがって、記憶手段に対して物理的な接触をした場合には、筐体を開いた痕跡が残る。よって、仮に、記憶手段に記憶されている検知情報が記憶手段への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを筐体の痕跡から把握することが可能になる。したがって、検知情報の不正な改変を防止することができる。遊技機は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る筐体の内部に記憶手段を格納するので、遊技機が転々流通する状況であっても、何者かによる検知情報の不正な改変を抑制することができる。また、検知情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、検知情報を用いて遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、特徴L5によれば、遊技機の遊技に関する特性を反映した検知情報の不正な改変を防止することで、適正に遊技機を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴L6]
特徴L2から特徴L5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記記憶手段に記憶された前記検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知をする報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴L6によれば、検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報が所定の条件を満たしていない遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴L7]
特徴L6に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記記憶手段に記憶された前記検知情報に含まれる特定の値(払出比率等)が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴L7によれば、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴L8]
特徴L7に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記特定の値の前記所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様(LEDランプの色)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴L8によれば、特定の値の所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様を決定するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。
[特徴L9]
特徴L6から特徴L8のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記報知として所定の表示をする表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴L9によれば、報知として所定の表示をする表示手段を備えるので、遊技機の検査者は、遊技機の検知情報が所定の条件を満たしていないことを容易に知ることができる。
<特徴M群>
特徴M群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴M1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技を進行するための処理である遊技進行処理(大当たり抽選処理、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等)を実行する遊技進行処理実行手段(主側CPU62x)と、
を備え、
前記遊技進行処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記第2のモード中に第2の条件が成立した場合(検査モードに移行してから10分が経過した場合)には、前記第2のモードから前記第1のモードに移行させるための所定の操作(モード切替ボタンを押下するという操作、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作)が実行されていない場合であっても、前記第2のモードから前記第1のモードに移行するように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴M1によれば、第2のモード中に第2の条件が成立した場合には、第2のモードから第1のモードに移行させるための所定の操作が実行されていない場合であっても、第2のモードから第1のモードに移行するように構成されているので、所定の操作の実行がされずに第1のモードに復帰しないことを抑制することができる。例えば、第2のモードへの移行後に遊技機の管理者や検査者等が所定の操作の実行を失念してしまい、遊技機が遊技進行処理を実行可能な第1のモードに復帰せず、遊技者が当該遊技機で遊技をできないといった状況の発生を抑制することができる。
[特徴M2]
特徴M1に記載の遊技機であって、
前記第2の条件は、所定の時点から所定の時間が経過すること(検査モードに移行した時点から10分が経過すること)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴M2によれば、第2のモード中に所定の時点から所定の時間が経過した場合には、第2のモードから第1のモードに移行させるための所定の操作が実行されていない場合であっても、第2のモードから第1のモードに移行するように構成されているので、所定の操作の実行がされずに第1のモードに復帰しないことを確実に抑制することができる。例えば、第2のモードへの移行後に遊技機の管理者や検査者等が所定の操作の実行を失念してしまった場合であっても、所定の時点から所定の時間が経過すれば第1のモードに復帰するので、遊技機が遊技進行処理を実行可能な第1のモードに復帰せず、遊技者が当該遊技機で遊技をできないといった状況の発生を抑制することができる。
[特徴M3]
特徴M1または特徴M2に記載の遊技機であって、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、役物比率等を含む遊技履歴情報)を記憶する記憶手段(演算結果記憶用メモリ309、入球個数記憶用メモリ309a、入球情報記憶用メモリ309b、主側RAM64、フラッシュメモリ64x)を備え、
前記第2のモードは、前記検知情報を出力するモードである
ことを特徴とする遊技機。
特徴M3によれば、検知情報を記憶するとともに、第2のモードにおいて検知情報を出力することができる。検知情報は、遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該検知情報は遊技機毎に異なるとともに、遊技機固有の情報である。すなわち、検知情報は、遊技機の特性が反映された情報である。特徴M3によれば、当該遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された記憶手段に記憶する。よって、例えば、当該遊技機の特性を検査する場合には、当該遊技機本体自身から検知情報を取得することによって、当該遊技機の特性を検査することができる。遊技機は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、遊技機は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来の遊技機では、当該遊技機の特性に関する情報を取得することができない。特徴M3の遊技機は、遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された記憶手段に記憶するので、遊技機がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該遊技機本体から検知情報を取得することができる。すなわち、特徴M3によれば、遊技機と検知情報とを1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
また、特徴M3によれば、遊技機の検査者が第2のモードにおいて出力される検知情報によって当該遊技機の特性を検査した後、所定の操作の実行を失念してしまい、遊技機が遊技進行処理を実行可能な第1のモードに復帰せず、遊技者が当該遊技機で遊技をできないといった状況の発生を抑制することができる。
[特徴M4]
特徴M3に記載の遊技機であって、
前記第2のモードにおいて出力される前記検知情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴M4によれば、検知情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、検知情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の検知情報を確認することができる。
[特徴M5]
特徴M3または特徴M4に記載の遊技機であって、
前記記憶手段は、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリ(演算結果記憶用メモリ309、入球個数記憶用メモリ309a、入球情報記憶用メモリ309b、フラッシュメモリ64x)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴M5によれば、遊技機への電源の供給が絶たれても検知情報が保持されるので、当該遊技機がいかなる状態(例えば、遊技機に電源が供給されない流通状態等)に置かれても、遊技機と検知情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。
[特徴M6]
特徴M3から特徴M5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記記憶手段は、開閉の痕跡が残る筐体(封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴M6によれば、開閉の痕跡が残る筐体の内部に、記憶手段が格納されている。したがって、記憶手段に対して物理的な接触をした場合には、筐体を開いた痕跡が残る。よって、仮に、記憶手段に記憶されている検知情報が記憶手段への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを筐体の痕跡から把握することが可能になる。したがって、検知情報の不正な改変を防止することができる。遊技機は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る筐体の内部に記憶手段を格納するので、遊技機が転々流通する状況であっても、何者かによる検知情報の不正な改変を抑制することができる。また、検知情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、検知情報を用いて遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、特徴M6によれば、遊技機の遊技に関する特性を反映した検知情報の不正な改変を防止することで、適正に遊技機を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴M7]
特徴M3から特徴M6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記記憶手段に記憶された前記検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知をする報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴M7によれば、検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報が所定の条件を満たしていない遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴M8]
特徴M7に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記記憶手段に記憶された前記検知情報に含まれる特定の値(払出比率等)が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴M8によれば、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴M9]
特徴M8に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記特定の値の前記所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様(LEDランプの色)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴M9によれば、特定の値の所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様を決定するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。
[特徴M10]
特徴M7から特徴M9のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記報知として所定の表示をする表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴M10によれば、報知として所定の表示をする表示手段を備えるので、遊技機の検査者は、遊技機の検知情報が所定の条件を満たしていないことを容易に知ることができる。
<特徴N群>
特徴N群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴N1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技を進行するための処理である遊技進行処理(大当たり抽選処理、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等)を実行する遊技進行処理実行手段(主側CPU62x)と、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記遊技進行処理に関する情報を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
所定の操作(RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作)が実行されたことに基づいて、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段と、
を備え、
前記遊技進行処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
所定の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記消去手段は、前記第2のモードに移行後であって前記第1のモードに移行する前の状態(検査モード中の状態、検査モードに移行後にそのまま電源がOFFになった状態)では、前記所定の操作が実行された場合であっても、前記記憶手段に記憶された情報を消去しないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴N1によれば、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態では、記憶手段に記憶されている情報を消去するための所定の操作が実行された場合であっても、記憶手段に記憶された情報を消去しないので、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態において、第1のモードに移行させようとして誤って所定の操作が実行されてしまった場合であっても、当該情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができる。
例えば、記憶手段に記憶されている情報を消去するための所定の操作が、消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下する操作であり、第1のモードと第2のモードとの間でモードを移行させるための操作が、移行用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下する操作である構成においては、第2のモードから第1のモードに移行させようとして移行用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下するつもりが、誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまう虞がある。しかしながら、特徴N1によれば、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態では、誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行されてしまった場合であっても、当該情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができる。
より具体的には、例えば、第1のモードから第2のモードに移行する際に、第1のモードにおいて実行していた遊技進行処理を一時的に停止させるとともに、当該停止させた遊技進行処理を第2のモードへの復帰後に再開させるための情報を記憶手段に記憶させる構成を採用した場合において、第2のモードから第1のモードに復帰させようとして移行用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下するつもりが、誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまった場合には、遊技進行処理を再開するための情報が消去されてしまい、第2のモードへの復帰後に遊技進行処理を再開させることができなくなり、遊技者に不利益を与えてしまう虞がある。これに対して、特徴N1によれば、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態において、第1のモードに移行させようとして誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまった場合であっても、記憶手段に記憶された情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができるので、遊技者に不利益を与えてしまうことを抑制することができる。
[特徴N2]
特徴N1に記載の遊技機であって、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、役物比率等を含む遊技履歴情報)を記憶する検知情報記憶手段を備え、
前記第2のモードは、前記検知情報(入球情報、入球個数情報、役物比率等を含む遊技履歴情報)を出力するモードである
ことを特徴とする遊技機。
特徴N2によれば、検知情報を記憶するとともに、第2のモードにおいて検知情報を出力することができる。検知情報は、遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該検知情報は遊技機毎に異なるとともに、遊技機固有の情報である。すなわち、検知情報は、遊技機の特性が反映された情報である。特徴N2によれば、当該遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された検知情報記憶手段に記憶する。よって、例えば、当該遊技機の特性を検査する場合には、当該遊技機本体自身から検知情報を取得することによって、当該遊技機の特性を検査することができる。遊技機は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、遊技機は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来の遊技機では、当該遊技機の特性に関する情報を取得することができない。特徴N2の遊技機は、遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された検知情報検知情報記憶手段に記憶するので、遊技機がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該遊技機本体から検知情報を取得することができる。すなわち、特徴N2によれば、遊技機と検知情報とを1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴N3]
特徴N2に記載の遊技機であって、
前記第2のモードにおいて出力される前記検知情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴N3によれば、検知情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、検知情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の検知情報を確認することができる。
[特徴N4]
特徴N2または特徴N3に記載の遊技機であって、
前記検知情報記憶手段は、開閉の痕跡が残る筐体(封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴N4によれば、開閉の痕跡が残る筐体の内部に、検知情報記憶手段が格納されている。したがって、検知情報記憶手段に対して物理的な接触をした場合には、筐体を開いた痕跡が残る。よって、仮に、検知情報記憶手段に記憶されている検知情報が検知情報記憶手段への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを筐体の痕跡から把握することが可能になる。したがって、検知情報の不正な改変を防止することができる。遊技機は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る筐体の内部に検知情報記憶手段を格納するので、遊技機が転々流通する状況であっても、何者かによる検知情報の不正な改変を抑制することができる。また、検知情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、検知情報を用いて遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、特徴N4によれば、遊技機の遊技に関する特性を反映した検知情報の不正な改変を防止することで、適正に遊技機を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴N5]
特徴N2から特徴N4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記検知情報記憶手段に記憶された前記検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知をする報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴N5によれば、検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報が所定の条件を満たしていない遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴N6]
特徴N5に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記検知情報記憶手段に記憶された前記検知情報に含まれる特定の値(払出比率等)が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴N6によれば、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴N7]
特徴N6に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記特定の値の前記所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様(LEDランプの色)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴N7によれば、特定の値の所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様を決定するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。
[特徴N8]
特徴N5から特徴N7のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記報知として所定の表示をする表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴N8によれば、報知として所定の表示をする表示手段を備えるので、遊技機の検査者は、遊技機の検知情報が所定の条件を満たしていないことを容易に知ることができる。
なお、上記特徴A群〜特徴N群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
また、遊技の興趣向上に加え、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
例えば、遊技者によって不正な行為(いわゆるゴト行為)が行われたり、パチンコ遊技機の遊技盤に設けられた釘が不正に曲げられて改造されたりすると、一般入賞口や始動口等の各入球口への遊技球の入球割合等が当初に想定されたものとは異なるようになってしまい、パチンコ遊技機に想定された性能や遊技性が損なわれてしまう場合があった。しかしながら、このような不正の発見は非常に困難であった。
このような不正は、遊技ホールの営業時間中に遊技者によって行われる場合がある。また、遊技ホールの営業時間後に、何者かによって不正な改造が行われる場合もある。さらには、遊技ホールに設置される前の輸送中の遊技機に対して不正な改造が行われる場合もある。さらには、遊技ホールに出荷される前の遊技機に対して不正な改造が行われる場合もある。また、それよりも前に不正な改造が行われる可能性もある。
このような状況を踏まえ、遊技機に対する不正な行為や不正な改造を発見し、遊技の健全性を向上させることを目的とする。
<特徴O群>
特徴O群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴O1]
第1の情報(オープニングコマンド)と第2の情報(開放開始コマンド)とを送信可能な第1の処理実行手段(主制御装置60)と、
前記第1の処理実行手段が送信した前記第1の情報と前記第2の情報とを受信可能な第2の処理実行手段(音声発光制御装置90)と、
を備える遊技機であって、
前記第2の処理実行手段は、
前記第1の情報を受信した場合には、複数の処理(オープニング演出及び右打ち報知演出)を順次実行するように設定し、当該設定した前記複数の処理を順次実行し、
前記第1の情報を受信したことによって前記設定した前記複数の処理を順次実行中に前記第2の情報を受信した場合には、当該実行中の処理を終了して特定の処理(ラウンド演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴O1ではない通常の遊技機では、第2の処理実行手段に複数の処理を順次実行させる場合には、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段にそれぞれの処理を実行させるための情報を第2の処理実行手段にそれぞれ送信する。そして、第2の処理実行手段に特定の処理を実行させる場合には、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段に特定の処理を実行させるための情報を第2の処理実行手段に送信する。すなわち、第2の処理実行手段に実行させる処理の数が多くなるほど、第1の処理実行手段が第2の処理実行手段に情報を送信する回数が多くなる。
具体的には、例えば、第2の処理実行手段に第1の処理(オープニング演出)を実行させた後、第2の処理(右打ち報知演出)を実行させ、さらにその後に特定の処理(ラウンド演出)を実行させる場合には、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段に第1の処理(オープニング演出)を実行させるための情報(オープニングコマンド)を送信した後、第2の処理(右打ち報知演出)を実行させるための情報(右打ち報知コマンド)を送信し、さらに特定の処理(ラウンド演出)を実行させるための情報(開放開始コマンド)を送信する。この場合、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段に情報(コマンド)を3回送信することになる。また、第2の処理実行手段に第1の処理(オープニング演出)を実行させた後、第2の処理(右打ち報知演出)は実行させずに特定の処理(ラウンド演出)を実行させる場合には、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段に第1の処理(オープニング演出)を実行させるための情報(オープニングコマンド)を送信した後、第2の処理(右打ち報知演出)を実行させるための情報(右打ち報知コマンド)は送信せずに、特定の処理(ラウンド演出)を実行させるための情報(開放開始コマンド)を送信する。この場合、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段に情報(コマンド)を2回送信することになる。すなわち、通常の遊技機では、第2の処理実行手段に第2の処理(右打ち報知演出)を実行させない場合には、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段に情報(コマンド)を2回送信すればよいが、第2の処理実行手段に第2の処理(右打ち報知演出)を実行させる場合には、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段に情報(コマンド)を3回送信することになる。
これに対して、特徴O1によれば、第2の処理実行手段は、第1の情報を受信したことによって設定した複数の処理を順次実行中に第2の情報を受信した場合には、当該実行中の処理を終了して特定の処理を実行するので、複数の処理のうちの全ての処理を実行させた後に特定の処理を第2の処理実行手段に実行させる場合であっても、また、複数の処理のうちの未実行の処理は実行させずに特定の処理を第2の処理実行手段に実行させる場合であっても、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段に第1の情報と第2の情報とを送信すればよい。すなわち、第1の処理実行手段は、いずれの場合であっても、第2の処理実行手段に情報を2回送信すればよい。
具体的には、例えば、第2の処理実行手段が複数の処理として第1の処理(オープニング演出)と第2の処理(右打ち報知演出)とを順次実行するように設定した場合において、第1の処理(オープニング演出)と第2の処理(右打ち報知演出)とを実行させた後に特定の処理(ラウンド演出)を第2の処理実行手段に実行させる場合であっても、また、第1の処理(オープニング演出)を実行させた後に第2の処理(右打ち報知演出)は実行させずに特定の処理(ラウンド演出)を第2の処理実行手段に実行させる場合であっても、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段に第1の情報(オープニングコマンド)と第2の情報(開放開始コマンド)とを送信すればよい。すなわち、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段に第2の処理(右打ち報知演出)を実行させる場合であっても実行させない場合であっても、第2の処理実行手段に情報(コマンド)を2回送信すればよい。したがって、特徴O1によれば、第1の処理実行手段の情報の送信頻度を低減することができ、第1の処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
さらに、特徴O1によれば、第2の処理実行手段が第2の情報を受信したタイミングが変化することによって、設定された複数の処理のうち、実際に実行する処理の個数(演出の数)が変化することになる。したがって、第1の処理実行手段が第2の情報を送信するタイミングを制御して変化させることによって、第2の処理実行手段に実行させる処理の個数を変化させることができる。
[特徴O2]
特徴O1に記載の遊技機であって、
前記第2の処理実行手段は、
前記第1の情報を受信した場合には、前記複数の処理として、第1の処理(オープニング演出)と第2の処理(右打ち報知演出)とを順次実行するように設定し、
前記第1の情報を受信した後、前記第2の処理を実行する前に前記第2の情報を受信した場合には、前記第1の処理の後に実行するように設定されている前記第2の処理を実行せずに前記特定の処理(ラウンド演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴O2によれば、第1の処理(オープニング演出)と第2の処理(右打ち報知演出)とを実行させた後に特定の処理(ラウンド演出)を第2の処理実行手段に実行させる場合であっても、また、第1の処理(オープニング演出)を実行させた後に第2の処理(右打ち報知演出)は実行させずに特定の処理(ラウンド演出)を第2の処理実行手段に実行させる場合であっても、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段に第1の情報(オープニングコマンド)と第2の情報(開放開始コマンド)とを送信すればよい。すなわち、第1の処理実行手段は、第2の処理実行手段に第2の処理(右打ち報知演出)を実行させる場合であっても実行させない場合であっても、第2の処理実行手段に情報(コマンド)を2回送信すればよい。したがって、第1の処理実行手段の情報の送信頻度を低減することができ、第1の処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
[特徴O3]
特徴O1または特徴O2に記載の遊技機であって、
前記第1の処理実行手段は、遊技の進行に関する処理を実行し、
前記第2の処理実行手段は、遊技の演出に関する処理を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴O3によれば、第1の処理実行手段が遊技の進行に関する処理を実行する遊技機において、当該第1の処理実行手段による情報の送信頻度を低減することができる。
[特徴O4]
特徴O2に従属する特徴O3に記載の遊技機であって、
前記第1の処理実行手段は、
遊技者に特典を付与する処理である特典付与処理(開閉実行モードにおける開閉処理期間)を実行可能であり、
前記第2の処理実行手段は、
前記第1の処理として、前記特典付与処理が開始されることを遊技者に示唆する演出である特典付与開始演出(オープニング演出)を実行し、
前記第2の処理として、前記特典付与処理の実行中において推奨される遊技球の発射態様を遊技者に示唆する演出である発射態様示唆演出(右打ち報知演出)を実行し、
前記特定の処理として、前記特典付与処理が実行されていることを遊技者に示唆する演出である特典付与中演出(ラウンド演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴O4によれば、特典付与開始演出、発射態様示唆演出および特典付与中演出を実行する遊技機において、第1の処理実行手段による情報の送信頻度を低減することができる。
<特徴P群>
特徴P群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴P1]
第1の情報(オープニングコマンド)と第2の情報(開放開始コマンド)とを送信可能な第1の処理実行手段(主制御装置60)と、
前記第1の処理実行手段が送信した前記第1の情報と前記第2の情報とを受信可能な第2の処理実行手段(音声発光制御装置90)と、
を備える遊技機であって、
前記第1の処理実行手段が前記第1の情報を送信した後に前記第2の情報を送信する際における当該送信の間隔が異なることによって、
前記第2の処理実行手段が実行する処理の態様が異なるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴P1ではない通常の遊技機では、第1の処理実行手段は、種々の内容の情報を第2の処理実行手段に送信する。そして、第2の処理実行手段は、第1の処理実行手段から受信した情報の内容に対応した処理を実行する。すなわち、通常の遊技機では、種々の内容の処理を第2の処理実行手段に実行させるために、第1の処理実行手段は、種々の内容の情報を第2の処理実行手段に送信する。
これに対して、特徴P1によれば、第1の処理実行手段が第1の情報を送信した後に第2の情報を送信する際における当該送信の間隔が異なることによって、第2の処理実行手段が実行する処理の態様が異なるように構成されているので、種々の内容の処理を第2の処理実行手段に実行させるために第1の処理実行手段が種々の内容の情報を第2の処理実行手段に送信する構成と比較して、第1の処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
[特徴P2]
特徴P1に記載の遊技機であって、
前記第1の処理実行手段は、
第1の情報(オープニングコマンド)を送信した後、第1の期間(10秒間のオープニング期間)の経過後に、第2の情報(開放開始コマンド)を送信する第1の送信態様と、
前記第1の情報(オープニングコマンド)を送信した後、第2の期間(7秒間のオープニング期間)の経過後に、前記第2の情報(開放開始コマンド)を送信する第2の送信態様と、
を実行可能であり、
前記第2の処理実行手段は、
前記第1の処理実行手段が前記第1の送信態様を実行した場合には、第1の処理(オープニング演出)を実行した後に第2の処理(右打ち報知演出)を実行する処理態様となり、
前記第1の処理実行手段が前記第2の送信態様を実行した場合には、前記第1の処理(オープニング演出)を実行した後に前記第2の処理(右打ち報知演出)を実行しない処理態様となる
ことを特徴とする遊技機。
特徴P2によれば、第2の処理実行手段に第1の処理(オープニング演出)を実行させた後に第2の処理(右打ち報知演出)を実行させる場合であっても、また、第2の処理実行手段に第1の処理(オープニング演出)を実行させた後に第2の処理(右打ち報知演出)を実行させない場合であっても、第1の処理実行手段は、第1の情報(オープニングコマンド)を送信した後に第2の情報(開放開始コマンド)を送信すればよいので、例えば、第2の処理実行手段に第1の処理(オープニング演出)を実行させるための情報(オープニングコマンド)を送信するとともに、第1の処理(オープニング演出)を実行させた後に第2の処理(右打ち報知演出)を実行させる場合には当該第2の処理を実行させるための情報(右打ち報知コマンド)を送信し、第1の処理(オープニング演出)を実行させた後に第2の処理(右打ち報知演出)を実行させない場合には当該第2の処理を実行させるための情報(右打ち報知コマンド)を送信しないといった制御を実行する構成(比較例)と比較して、第1の処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
[特徴P3]
特徴P2に記載の遊技機であって、
前記第2の処理実行手段は、
前記第1の処理実行手段が前記第1の送信態様を実行した場合には、第1の処理(オープニング演出)及び第2の処理(右打ち報知演出)を実行した後に第3の処理(ラウンド演出)を実行する処理態様となり、
前記第1の処理実行手段が前記第2の送信態様を実行した場合には、前記第1の処理(オープニング演出)を実行した後に前記第2の処理(右打ち報知演出)を実行せずに前記第3の処理(ラウンド演出)を実行する処理態様となる
ことを特徴とする遊技機。
特徴P3によれば、第2の処理実行手段に第1の処理(オープニング演出)を実行させた後に第2の処理(右打ち報知演出)を実行させ、その後に第3の処理(ラウンド演出)を実行させる場合であっても、また、第2の処理実行手段に第1の処理(オープニング演出)を実行させた後に第2の処理(右打ち報知演出)を実行させずに第3の処理(ラウンド演出)を実行させる場合であっても、第1の処理実行手段は、第1の情報(オープニングコマンド)を送信した後に第2の情報(開放開始コマンド)を送信すればよいので、例えば、第2の処理実行手段に第1の処理(オープニング演出)を実行させるための情報(オープニングコマンド)を送信するとともに、第1の処理(オープニング演出)を実行させた後に第2の処理(右打ち報知演出)を実行させる場合には当該第2の処理を実行させるための情報(右打ち報知コマンド)を送信し、第1の処理(オープニング演出)を実行させた後に第2の処理(右打ち報知演出)を実行させない場合には当該第2の処理を実行させるための情報(右打ち報知コマンド)を送信せず、第1の処理(オープニング演出)または第2の処理(右打ち報知演出)を実行させた後に第3の処理(ラウンド演出)を実行させる場合には当該第3の処理を実行させるための情報(開放開始コマンド)を送信するといった制御を実行する構成(比較例)と比較して、第1の処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
[特徴P4]
特徴P1から特徴P3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の処理実行手段は、遊技の進行に関する処理を実行し、
前記第2の処理実行手段は、遊技の演出に関する処理を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴P4によれば、第1の処理実行手段が遊技の進行に関する処理を実行する遊技機において、当該第1の処理実行手段による情報の送信頻度を低減することができる。
[特徴P5]
特徴P3に従属する特徴P4に記載の遊技機であって、
前記第1の処理実行手段は、
遊技者に特典を付与する処理である特典付与処理(開閉実行モードにおける開閉処理期間)を実行可能であり、
前記第2の処理実行手段は、
前記第1の処理として、前記特典付与処理が開始されることを遊技者に示唆する演出である特典付与開始演出(オープニング演出)を実行し、
前記第2の処理として、前記特典付与処理の実行中において推奨される遊技球の発射態様を遊技者に示唆する演出である発射態様示唆演出(右打ち報知演出)を実行し、
前記第3の処理として、前記特典付与処理が実行されていることを遊技者に示唆する演出である特典付与中演出(ラウンド演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴P5によれば、特典付与開始演出、発射態様示唆演出および特典付与中演出を実行する遊技機において、第1の処理実行手段による情報の送信頻度を低減することができる。
[特徴P6]
特徴P1から特徴P5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の処理実行手段は、遊技の進行に関する処理を実行する遊技進行処理実行手段(主制御装置60)であり、
前記遊技進行処理実行手段は、
所定の抽選処理(大当たり抽選)を実行する抽選処理実行手段と、
前記所定の抽選処理の結果が所定の結果(大当たり)となった場合に、所定の複数の情報(オープニングコマンド及び開放開始コマンド)を順次送信する送信手段と、
前記所定の結果となった前記所定の抽選処理が実行された際の遊技状態(サポートモードの状態)に基づいて、前記送信手段が前記所定の複数の情報を順次送信する際の当該送信の間隔を決定する送信間隔決定手段と、
を備える遊技機。
特徴P6によれば、所定の結果となった所定の抽選処理が実行された際の遊技状態に基づいて、所定の複数の情報を順次送信する際の当該送信の間隔を決定するので、例えば、当該所定の複数の情報を受信した装置は、当該所定の複数の情報を受信した間隔が異なることに基づいて、所定の結果となった抽選処理が実行された際の遊技状態に対応した処理を実行することが可能となる。したがって、遊技状態に対応した処理を他の装置に実行させるために内容の異なる種々の情報を当該装置に送信する構成と比較して、遊技進行処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
[特徴P7]
特徴P6に記載の遊技機であって、
前記第2の処理実行手段は、遊技の演出に関する処理を実行する演出処理実行手段(音声発光制御装置90)であり、
前記演出処理実行手段は、前記送信手段によって送信された前記所定の複数の情報を受信し、当該受信の間隔が異なることに基づいて、前記遊技状態に対応した態様の演出を実行する(低頻度サポートモードに対応してオープニング演出及び右打ち報知演出を実行し、高頻度サポートモードに対応してオープニング演出のみを実行する)
ことを特徴とする遊技機。
特徴P7によれば、演出処理実行手段は、遊技進行処理実行手段の送信手段によって送信された所定の複数の情報を受信し、当該受信の間隔が異なることに基づいて、遊技状態に対応した態様の演出を実行するので、遊技状態に対応した処理を演出処理実行手段に実行させるために内容の異なる種々の情報を当該演出処理実行手段に送信する構成と比較して、遊技進行処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
[特徴P8]
特徴P6または特徴P7に記載の遊技機であって、
前記遊技進行処理実行手段は、前記所定の抽選処理の結果が前記所定の結果となった場合に、遊技者に特典を付与する処理である特典付与処理(開閉実行モードにおける開閉処理期間)を実行する特典付与処理実行手段を備え、
第1の遊技状態(低頻度サポートモード中)において推奨される遊技球の発射態様が第1の発射態様(左打ち)であり、
第2の遊技状態(高頻度サポートモード中)において推奨される遊技球の発射態様が第2の発射態様(右打ち)であり、
前記特典付与処理の実行中において推奨される遊技球の発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)であり、
前記送信間隔決定手段は、
前記所定の結果となった前記所定の抽選処理が実行された際の遊技状態が前記第1の遊技状態の場合には、第1の送信間隔(10秒間隔)で前記所定の複数の情報を送信するように決定し、
前記所定の結果となった前記所定の抽選処理が実行された際の遊技状態が前記第2の遊技状態の場合には、第2の送信間隔(7秒間隔)で前記所定の複数の情報を送信するように決定し、
前記演出処理実行手段は、
前記第1の送信間隔で送信された前記所定の複数の情報を受信した場合には、前記第2の発射態様による遊技球の発射が推奨されることを遊技者に対して示唆する演出である発射態様示唆演出(右打ち報知演出)を実行し、
前記第2の送信間隔で送信された前記所定の複数の情報を受信した場合には、前記発射態様示唆演出(右打ち報知演出)を実行しない
ことを特徴とする遊技機。
特徴P8によれば、推奨される遊技球の発射態様が特典付与処理の実行によって第1の発射態様から第2の発射態様に変化する場合には第2の発射態様を推奨する発射態様示唆演出が実行され、推奨される遊技球の発射態様が特典付与処理の実行によっても第2の発射態様のまま変化しない場合には発射態様示唆演出が実行されないことになる。したがって、遊技進行処理実行手段の処理負荷を低減しつつ、所定の抽選処理が実行された際の遊技状態に対応した適切な態様の演出を実行することができる。
<特徴Q群>
特徴Q群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴Q1]
遊技の進行に関する処理を実行する遊技進行処理実行手段(主制御装置60)と、
遊技の演出に関する処理を実行する演出処理実行手段(音声発光制御装置90)と、
を備える遊技機であって、
前記遊技進行処理実行手段は、
所定の抽選処理(大当たり抽選)を実行する抽選処理実行手段と、
前記所定の抽選処理の結果を表示するための処理である遊技回処理(図柄の変動表示及び停止表示)を実行する遊技回処理実行手段と、
前記所定の抽選処理の結果が所定の結果(大当たり)となった場合に遊技者に特典を付与する処理である特典付与処理(開閉実行モードにおける開閉処理期間)を実行する特典付与処理実行手段と、
前記所定の結果となった遊技回処理が終了してから前記特典付与処理が開始されるまでの期間である待機期間(オープニング期間)の長さを遊技状態(サポートモードの状態)に基づいて決定する待機期間決定手段と、
を備え、
前記演出処理実行手段は、前記待機期間の開始の際に、前記遊技状態に関わらず同一の処理(オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定する処理)を実行するにも関わらず、当該待機期間において、当該遊技状態に応じて異なる内容の演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q1によれば、演出処理実行手段は、待機期間の開始の際に、遊技状態に関わらず同一の処理を実行するにも関わらず、当該待機期間において、当該遊技状態に応じて異なる内容の演出を実行するので、待機期間の開始の際に遊技状態に応じて異なる処理を実行することなく、遊技状態に応じて長さが変化する待機期間に適した内容の演出を実行することができる。すなわち、演出処理実行手段は、遊技状態に応じて長さが変化する待機期間に適した内容の演出を実行するために、待機期間の開始の際に遊技状態を把握して当該遊技状態に応じて異なる処理を実行する必要がない。したがって、演出処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
[特徴Q2]
特徴Q1に記載の遊技機であって、
前記遊技進行処理実行手段は、前記待機期間の開始の際に第1の情報(オープニングコマンド)を送信し、前記特典付与処理の開始の際に第2の情報(開放開始コマンド)を送信し、
前記演出処理実行手段は、
前記第1の情報を受信した場合には、前記遊技状態に関わらず、複数の演出(オープニング演出及び右打ち報知演出)を順次実行するように設定する処理を実行し、
前記第1の情報を受信したことによって前記設定した前記複数の処理を順次実行中に前記第2の情報を受信した場合には、当該実行中の演出を終了して特定の演出(ラウンド演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q2によれば、演出処理実行手段が第1の情報を受信してから第2の情報を受信するまでの間隔は、遊技状態に応じて異なることになるので、第1の情報を受信することによって設定された複数の演出のうち、実際に実行される演出は、当該間隔が短いほど少なく、当該間隔が長いほど多くなる。すなわち、特徴Q2によれば、演出処理実行手段が第1の情報を受信した場合に遊技状態に関わらず複数の演出を順次実行するように設定するという簡易な処理を実行することによって、待機期間において実行される演出の内容を遊技状態に応じて異なるようにすることが可能となる。
[特徴Q3]
特徴Q2に記載の遊技機であって、
前記演出処理実行手段は、
前記第1の情報を受信した場合には、前記遊技状態に関わらず、前記複数の演出として、第1の演出(オープニング演出)と第2の演出(右打ち報知演出)とを順次実行するように設定し、
前記第1の情報を受信した後、前記第2の演出を実行する前に前記第2の情報を受信した場合には、前記第1の演出の後に実行するように設定されている前記第2の演出を実行せずに前記特定の演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q3によれば、演出処理実行手段が第1の情報を受信してから第2の情報を受信するまでの間隔が遊技状態に応じて異なることによって、第2の演出が実行される場合とされない場合とがある。したがって、特徴Q3によれば、演出処理実行手段が第1の情報を受信した場合に遊技状態に関わらず第1の演出と第2の演出とを順次実行するように設定するという簡易な処理を実行することによって、待機期間において第2の演出が実行されるか否かを遊技状態に応じて異なるようにすることが可能となる。
[特徴Q4]
特徴Q3に記載の遊技機であって、
前記演出処理実行手段は、
前記第1の演出として、前記特典付与処理が開始されることを遊技者に示唆する演出である特典付与開始演出(オープニング演出)を実行し、
前記第2の演出として、前記特典付与処理の実行中において推奨される遊技球の発射態様を遊技者に示唆する演出である発射態様示唆演出(右打ち報知演出)を実行し、
前記特定の演出として、前記特典付与処理が実行されていることを遊技者に示唆する演出である特典付与中演出(ラウンド演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q4によれば、演出処理実行手段が第1の情報を受信した場合に遊技状態に関わらず特典付与開始演出と発射態様示唆演出とを順次実行するように設定するという簡易な処理を実行することによって、特典付与中演出が開始される前の待機期間において発射態様示唆演出が実行されるか否かを遊技状態に応じて異なるようにすることが可能となる。
<特徴R群>
特徴R群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態の変形例1から抽出される。
[特徴R1]
所定の情報(オープニングコマンド)を送信可能な第1の処理実行手段(主制御装置60)と、
前記第1の処理実行手段が送信した前記所定の情報を受信可能な第2の処理実行手段(音声発光制御装置90)と、
を備える遊技機であって、
前記第2の処理実行手段は、
前記第1の処理実行手段の制御の状態(サポートモードの状態)を把握することが可能であり、
前記制御の状態が第1の状態(低頻度サポートモード)である場合に前記所定の情報(オープニングコマンド)を受信した場合には、第1の処理(オープニング演出)を実行し、
前記制御の状態が第2の状態(高頻度サポートモード)である場合に前記所定の情報(オープニングコマンド)を受信した場合には、前記第1の処理とは異なる内容の処理(ショートオープニング演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴R1によれば、第2の処理実行手段に第1の処理を実行させる場合であっても、また、第2の処理実行手段に第1の処理とは異なる内容の処理を実行させる場合であっても、第1の処理実行手段は、所定の情報(同一の内容の情報)を送信すればよいので、例えば、第2の処理実行手段に第1の処理を実行させる場合には当該第1の処理を実行させるための情報を第2の処理実行手段に送信し、第2の処理実行手段に第1の処理とは異なる内容の処理を実行させる場合には当該異なる内容の処理を実行させるための情報を第2の処理実行手段に送信する構成と比較して、第1の処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
[特徴R2]
特徴R1に記載の遊技機であって、
前記第2の処理実行手段は、
前記制御の状態が前記第1の状態(低頻度サポートモード)である場合に前記所定の情報(オープニングコマンド)を受信した場合には、前記第1の処理(オープニング演出)を実行した後に第2の処理(右打ち報知演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴R2によれば、第2の処理実行手段は、第1の処理実行手段の制御の状態が第1の状態(低頻度サポートモード)である場合に所定の情報(オープニングコマンド)を受信した場合には、第1の処理(オープニング演出)を実行した後に第2の処理(右打ち報知演出)を実行するので、例えば、第1の処理実行手段が、第2の処理実行手段に第1の処理(オープニング演出)を実行させるための情報(オープニングコマンド)を送信し、さらに第2の処理(右打ち報知演出)を実行させるための情報(右打ち報知コマンド)を送信する構成(比較例)と比較して、第1の処理実行手段による情報の送信頻度を低減することができ、第1の処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
[特徴R3]
特徴R1または特徴R2に記載の遊技機であって、
前記第1の処理実行手段は、前記制御の状態が変化する際に当該制御の状態に関する情報である状態情報(高頻度サポートモードコマンド、低頻度サポートモードコマンド)を送信し、
前記第2の処理実行手段は、前記第1の処理実行手段から受信した前記状態情報に基づいて、前記第1の処理実行手段の前記制御の状態を把握する
ことを特徴とする遊技機。
特徴R3によれば、第1の処理実行手段は、制御の状態が変化する際に当該制御の状態に関する情報である状態情報を送信し、第2の処理実行手段は、状態情報に基づいて第1の処理実行手段の制御の状態を把握するので、第1の処理実行手段は、当該第1の処理実行手段の制御の状態に関する情報を所定の情報に含めて送信しなくてもよいため、第1の処理実行手段が所定の情報を送信する際における処理負荷を低減することができる。
[特徴R4]
特徴R1から特徴R3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の処理実行手段は、遊技の進行に関する処理を実行し、
前記第2の処理実行手段は、遊技の演出に関する処理を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴R4によれば、第1の処理実行手段が遊技の進行に関する処理を実行する遊技機において、当該第1の処理実行手段による情報の送信頻度を低減することができる。
[特徴R5]
特徴R2に従属する特徴R4に記載の遊技機であって、
前記第1の処理実行手段は、
遊技者に特典を付与する処理である特典付与処理(開閉実行モードにおける開閉処理期間)を実行可能であり、
前記第2の処理実行手段は、
前記第1の処理として、前記特典付与処理が開始されることを遊技者に示唆する演出である特典付与開始演出(オープニング演出)を実行し、
前記第2の処理として、前記特典付与処理の実行中において推奨される遊技球の発射態様を遊技者に示唆する演出である発射態様示唆演出(右打ち報知演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴R5によれば、特典付与開始演出、発射態様示唆演出を実行する遊技機において、第1の処理実行手段による情報の送信頻度を低減することができる。
<特徴S群>
特徴S群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態の変形例1から抽出される。
[特徴S1]
遊技の進行に関する処理を実行する遊技進行処理実行手段(主制御装置60)を備える遊技機であって、
前記遊技進行処理実行手段は、
第1の遊技モード(低頻度サポートモード、低確率モード)と、前記第1の遊技モードよりも遊技者に有利な第2の遊技モード(高頻度サポートモード、高確率モード)とを実行可能であり、
所定の抽選処理(大当たり抽選)を実行する抽選処理実行手段と、
前記所定の抽選処理の結果を表示するための処理である遊技回処理(図柄の変動表示及び停止表示)を実行する遊技回処理実行手段と、
前記所定の抽選処理の結果が所定の結果(大当たり)となった場合に遊技者に特典を付与する処理である特典付与処理(開閉実行モードにおける開閉処理期間)を実行する特典付与処理実行手段と、
を備え、
前記特典付与処理実行手段は、
前記第1の遊技モード中に前記所定の抽選処理の結果が前記所定の結果となった場合には、当該所定の結果となった遊技回処理が終了してから第1の期間(10秒間のオープニング期間)の経過後に前記特典付与処理を開始し、
前記第2の遊技モード中に前記所定の抽選処理の結果が前記所定の結果となった場合には、当該所定の結果となった遊技回処理が終了してから前記第1の期間よりも時間的に短い第2の期間(4秒間のオープニング期間)の経過後に前記特典付与処理を開始する
ことを特徴とする遊技機。
特徴S1によれば、遊技進行処理実行手段は、第1の遊技モード中に所定の抽選処理の結果が所定の結果となった場合には、当該所定の結果となった遊技回処理が終了してから第1の期間の経過後に特典付与処理を開始し、第2の遊技モード中に所定の抽選処理の結果が所定の結果となった場合には、当該所定の結果となった遊技回処理が終了してから第1の期間よりも時間的に短い第2の期間の経過後に特典付与処理を開始するので、第2の遊技モード中における遊技にスピード感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
具体的には、例えば、遊技者に有利な第2の遊技モード中は、特典付与処理が開始されることになる期待感が高いため、遊技者は、特典付与処理が開始されること自体よりも、特典付与処理が早期に開始されることを期待しながら遊技を行なっている。すなわち、第2の遊技モード中は、遊技者は、遊技にスピード感を求めることになる。特徴S1によれば、第2の遊技モード中は、第1の遊技モード中に比べて、所定の抽選処理の結果が所定の結果となった遊技回処理が終了してから短い時間で特典付与処理が開始されるので、第2の遊技モード中における遊技にスピード感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴S2]
特徴S1に記載の遊技機であって、
遊技の演出に関する処理を実行する演出処理実行手段(音声発光制御装置90)を備え、
前記遊技進行処理実行手段は、
前記抽選処理の結果が前記所定の結果となった遊技回処理が終了した際に所定の情報(オープニングコマンド)を送信し、前記特典付与処理が開始される際に第2の情報(開放開始コマンド)を送信する情報送信手段を備え、
前記演出処理実行手段は、
前記特典付与処理が開始されることを遊技者に示唆する演出である第1の特典付与開始演出(オープニング演出)と、
前記特典付与処理が開始されることを遊技者に示唆する演出であって前記第1の特典付与開始演出よりも時間的に短い第2の特典付与開始演出(ショートオープニング演出)と、
を実行可能であり、
前記遊技進行処理実行手段の前記遊技モードの種別を把握可能であり、
前記第1の遊技モード中に前記所定の情報を受信した場合には、前記第1の期間において前記第1の特典付与開始演出を実行し、
前記第2の遊技モード中に前記所定の情報を受信した場合には、前記第2の期間において前記第2の特典付与開始演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴S2によれば、演出処理実行手段は、遊技進行処理実行手段の遊技モードの種別を把握可能であり、第1の遊技モード中に所定の情報を受信した場合には、第1の期間において第1の特典付与開始演出を実行し、第2の遊技モード中に所定の情報を受信した場合には、第2の期間において第2の特典付与開始演出を実行するので、第1の期間または第2の期間の時間的長さにそれぞれ適した特典付与開始演出を実行することができる。さらに、特徴S2によれば、演出処理実行手段に第1の特典付与開始演出を実行させる場合であっても、また、第2の特典付与開始演出を実行させる場合であっても、遊技進行処理実行手段は、所定の情報(同一の内容の情報)を送信すればよいので、例えば、演出処理実行手段に第1の特典付与開始演出を実行させる場合には当該第1の特典付与開始演出を実行させるための情報を演出処理実行手段に送信し、第2の特典付与開始演出を実行させる場合には当該第2の特典付与開始演出を実行させるための情報を演出処理実行手段に送信する構成と比較して、遊技進行処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
[特徴S3]
特徴S2に記載の遊技機であって、
前記演出処理実行手段は、
前記特典付与処理の実行中において推奨される遊技球の発射態様を遊技者に示唆する演出である発射態様示唆演出(右打ち報知演出)を実行可能であり、
前記第1の遊技モード中に前記所定の情報を受信した場合には、前記第1の期間において前記第1の特典付与開始演出を実行した後に前記発射態様示唆演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴S3によれば、演出処理実行手段は、第1の遊技モード中に所定の情報を受信した場合には、第1の期間において第1の特典付与開始演出を実行した後に発射態様示唆演出を実行するので、特典付与処理が実行される前に、遊技者に対して、特典付与処理の実行中において推奨される遊技球の発射態様を示唆することができるとともに、例えば、遊技進行処理実行手段の情報送信手段が演出処理実行手段に対して発射態様示唆演出を実行させるための情報を別途送信する構成と比較して、遊技進行処理実行手段の情報送信手段による情報の送信頻度を低減することができる。
[特徴S4]
特徴S2または特徴S3に記載の遊技機であって、
前記遊技進行処理実行手段は、前記遊技モードが変化する際に当該遊技モードの種別に関する情報である種別情報(高頻度サポートモードコマンド、低頻度サポートモードコマンド)を送信し、
前記演出処理実行手段は、前記遊技進行処理実行手段から受信した前記種別情報に基づいて、前記遊技進行処理実行手段の前記遊技モードの種別を把握する
ことを特徴とする遊技機。
特徴S4によれば、遊技進行処理実行手段は、遊技モードが変化する際に当該遊技モードの種別に関する情報である種別情報を送信し、演出処理実行手段は、遊技進行処理実行手段から受信した種別情報に基づいて、遊技進行処理実行手段の遊技モードの種別を把握するので、遊技進行処理実行手段は、当該遊技進行処理実行手段の遊技モードの種別に関する情報を所定の情報に含めて送信しなくてもよいため、遊技進行処理実行手段が所定の情報を送信する際における処理負荷を低減することができる。
<特徴T群>
特徴T群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態の変形例2及び変形例3から抽出される。
[特徴T1]
第1の情報(オープニングコマンド)を送信した後に第2の情報(開放開始コマンド)を送信可能な第1の処理実行手段(主制御装置60)と、
前記第1の情報及び前記第2の情報を受信可能な第2の処理実行手段(音声発光制御装置90)と、
を備える遊技機であって、
前記第2の処理実行手段は、
前記第1の処理実行手段の制御の状態(サポートモードの状態)を把握することが可能であり、
前記制御の状態に基づいて、前記第1の情報を受信してから前記第2の情報を受信するまでの期間(オープニング期間)において実行する処理の内容(演出の内容)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴T1によれば、第2の処理実行手段は、第1の処理実行手段の制御の状態を把握することが可能であり、第1の処理実行手段の制御の状態に基づいて、第1の情報を受信してから第2の情報を受信するまでの期間において実行する処理の内容を決定するので、第1の処理実行手段は、自身の制御の状態に応じて第1の情報と第2の情報とを送信する態様を変化させる必要がなく、毎回、同じ送信態様で第1の情報と第2の情報とを送信することができる。したがって、第1の処理実行手段が第1の情報と第2の情報とを送信する送信態様を自身の制御の状態に応じて変化させるために必要となる制御を省略することができ、第1の処理実行手段の処理負荷を低減することができる。また、特徴T1によれば、第1の処理実行手段の制御の状態に応じた種々の内容の処理を第2の処理実行手段に実行させるために第1の処理実行手段が種々の内容の情報を第2の処理実行手段に送信する構成と比較して、第1の処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
[特徴T2]
特徴T1に記載の遊技機であって、
前記第1の処理実行手段は、前記制御の状態が異なっていても、同一の間隔で前記第1の情報と前記第2の情報とを送信する
ことを特徴とする遊技機。
特徴T2によれば、第1の処理実行手段は、自身の制御の状態が異なっていても同一の間隔で第1の情報と第2の情報とを送信するので、第1の処理実行手段が自身の制御の状態に応じて第1の情報と第2の情報とを送信する間隔を変化させるために必要となる制御を省略することができ、第1の処理実行手段の処理負荷を低減することができる。
[特徴T3]
特徴T1または特徴T2に記載の遊技機であって、
前記第2の処理実行手段は、
前記制御の状態が第1の状態の場合には、前記第1の情報を受信してから前記第2の情報を受信するまでの期間(オープニング期間)に含まれる第1の部分期間において第1の内容を含む演出(オープニング演出)を実行し、前記第1の情報を受信してから前記第2の情報を受信するまでの期間に含まれる部分期間であって前記第1の部分期間より後の第2の部分期間において第2の内容を含む演出(右打ち報知演出)を実行し、
前記制御の状態が第2の状態の場合には、前記第1の部分期間において前記第1の内容を含む演出(ロングオープニング演出の0秒から7秒までの部分)を実行し、前記第2の部分期間において第3の内容を含む演出(変形例2ではロングオープニング演出の7秒から10秒までの部分、変形例3ではラウンド演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴T3によれば、第1の部分期間においては第1の処理実行手段の制御の状態に関わらず同一の内容を含む演出が実行され、第2の部分期間においては第1の処理実行手段の制御の状態に応じて異なる内容を含む演出が実行されることになるので、第1の部分期間から第2の部分期間にわたって演出の内容がどのように変化するのかといった期待感を遊技者に与えることができる。また、特徴T3によれば、第2の部分期間において、第1の処理実行手段の制御の状態に適した内容を含む演出を実行することができる。
[特徴T4]
特徴T1から特徴T3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の処理実行手段は、前記制御の状態が変化する際に当該制御の状態に関する情報である状態情報(高頻度サポートモードコマンド、低頻度サポートモードコマンド)を送信し、
前記第2の処理実行手段は、前記第1の処理実行手段から受信した前記状態情報に基づいて、前記第1の処理実行手段の前記制御の状態を把握する
ことを特徴とする遊技機。
特徴T4によれば、第1の処理実行手段は、制御の状態が変化する際に当該制御の状態に関する情報である状態情報を送信し、第2の処理実行手段は、状態情報に基づいて第1の処理実行手段の制御の状態を把握するので、第1の処理実行手段は、当該第1の処理実行手段の制御の状態に関する情報を第1の情報に含めて送信しなくてもよいため、第1の処理実行手段が第1の情報を送信する際における処理負荷を低減することができる。
なお、上記特徴O群〜特徴T群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、制御の簡易化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている(例えば、特許文献1)。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、制御の簡易化、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴U群>
特徴U群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴U1]
遊技球が流通する流路と、
前記流路上に設けられ、遊技球が入球可能な第1の入球領域(第3実施形態における非V入賞領域FNV)と、
前記流路を流通する遊技球の流通方向を基準として、前記第1の入球領域よりも前記流路上の下流側に設けられ、遊技球が入球可能な第2の入球領域(V入賞領域FV)と、
前記第1の入球領域および前記第2の入球領域に寄与する機構であって、第1の状態(閉鎖状態)と第2の状態(開放状態)との間で遷移する状態遷移手段(第2開閉扉)と、
を備え、
前記状態遷移手段は、
前記第1の状態のときに、前記第1の入球領域と第2の入球領域とを、遊技球の入球が不可能または困難な状態にし、
前記第2の状態のときに、前記第1の入球領域と第2の入球領域とを、遊技球の入球が可能または容易な状態にする
ことを特徴とする遊技機。
特徴U1によれば、状態遷移手段が第1の状態と第2の状態との間の状態遷移のタイミングを制御することによって、遊技球を入球させる入球領域を制御することができる。
[特徴U2]
特徴U1に記載の遊技機であって、
前記状態遷移手段は、
前記第1の入球領域(非V入賞領域FNV)に対応する流路上の領域である第1の流路領域(第2開閉扉の上面の非V入賞領域FNVに対応する領域)を遊技球が流通する期間に前記第1の状態から第2の状態に遷移することによって、前記流路上を流通する遊技球が前記第1の入球領域に入球することを可能または容易にし、
前記第1の流路領域を遊技球が流通する期間に前記第1の状態を維持するとともに、当該遊技球が前記第1の流路領域を通過し前記第2の入球領域(V入賞領域FV)に対応する流路上の領域である第2の流路領域(第2開閉扉の上面のV入賞領域FVに対応する領域)を流通している期間に前記第1の状態から前記第2の状態に遷移することによって、前記流路上を流通する遊技球が前記第2の入球領域に入球することを可能または容易にする
ことを特徴とする遊技機。
特徴U2によれば、状態遷移手段が第1の状態と第2の状態との間の状態遷移のタイミングを制御することによって、流路を流通する遊技球を第1の入球領域に入球させたり、流路を流通する遊技球を第2の入球領域に入球させるなど、遊技球を入球させる入球領域を種々に制御することができる。換言すれば、2つの入球領域について、遊技球を入球させる入球領域の制御を、一つの状態遷移手段によって行うことができる。
[特徴U3]
特徴U1または特徴U2に記載の遊技機であって、
前記状態遷移手段は、
前記第1の状態と前記第2の状態との間の状態の遷移を複数回行う動作モード(開閉実行モード)を備えるとともに、
前記第1の入球領域に対応する流路上の領域を第1の流路領域と定義し、
遊技球が前記第1の流路領域を通過するために必要な時間を第1流路領域通過時間と定義し、
前記動作モードにおける前記第2の状態と次の前記第2の状態との間に挟まれた前記第1の状態の持続時間を第1状態持続時間と定義した場合に、
前記動作モードとして、前記第1状態持続時間が前記第1流路領域通過時間より長い所定の動作パターンが含まれる第1の動作モード(第1種大当たりに対応する開閉実行モード)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴U3によれば、第1の流路領域に定期的に遊技球が到達するとともに第1の流路領域に遊技球が到達する時間的間隔が第1流路領域通過時間より短い場合には、状態遷移手段が第1の動作モードを実行することによって、第1の流路領域に定期的に到達する遊技球の少なくとも一つを、第2の入球領域に入球させることができる。
[特徴U4]
特徴U3に記載の遊技機であって、
前記第2の入球領域に対応する流路上の領域を第2の流路領域と定義し、
遊技球が前記第1の流路領域に進入してから前記第2の流路領域を進出するまでに必要な時間を入球領域通過時間と定義した場合に、
前記第1の動作モードに含まれる前記所定の動作パターンは、前記第1状態持続時間が前記第1流路領域通過時間より長く、かつ、前記入球領域通過時間より短い
ことを特徴とする遊技機。
特徴U4によれば、所定の動作パターンの実行中は、第1の流路領域に定期的に到達する遊技球の少なくとも一つを第2の入球領域に入球させることができるとともに、第1の流路領域に到達するほぼ全ての遊技球を第1の入球領域または第2の入球領域のいずれか一方に入球させることができる。
[特徴U5]
特徴U1から特徴4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記状態遷移手段は、
前記第1の状態と前記第2の状態との間の状態の遷移を複数回行う動作モードを備えるとともに、
前記第1の入球領域に対応する流路上の領域を第1の流路領域と定義し、
遊技球が前記第1の流路領域を通過するために必要な時間を第1流路領域通過時間と定義し、
前記動作モードにおける前記第2の状態と次の前記第2の状態との間に挟まれた前記第1の状態の持続時間を第1状態持続時間と定義した場合に、
前記動作モードとして、全ての前記第1状態持続時間が前記第1流路領域通過時間より短い第2の動作モード(第2大当たりに対応する開閉実行モード)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴U5によれば、第2の動作モードを実行中は、第2の入球領域に遊技球が入球することを抑制することができるとともに、第1の流路領域に到達するほぼ全ての遊技球を第1の入球領域に入球させることができる。
[特徴U6]
特徴U5に記載の遊技機であって、
前記第1の入球領域よりも前記流路上の上流側に設けられ、遊技球が入球可能な第3の入球領域(第1大入賞口)を備え、
前記第3の入球領域は、遊技球の入球が不可能または困難な状態と、遊技球の入球が可能または容易な状態との間で状態を遷移可能であり、
前記第3の入球領域に対応する流路上の領域を第3の流路領域と定義し、
遊技球が前記第3の流路領域に進入してから前記第1の流路領域を進出するまでに必要な時間を第2入球領域進入時間と定義した場合に、
前記状態遷移手段は、
前記第2の動作モードを実行する場合は、前記第3の入球領域が遊技球の入球が可能または容易な状態から遊技球が入球が不可能または困難な状態へと遷移した時点を基準として、前記第2入球領域進入時間が経過する前に、前記第2の動作モードにおける最初の前記第1の状態から前記第2の状態への状態遷移を開始する、
ことを特徴とする遊技機。
特徴U6によれば、第2の動作モードの実行開始時に、第2の流路領域上に遊技球が流通することを抑制することができる。その結果、第2の動作モードの開始とともに、状態遷移手段が第1の状態から第2の状態に遷移した時に、遊技球が第2の入球領域に入球することを抑制することができる。よって、第2の動作モードを実行中に、第2の入球領域に遊技球が入球することをさらに抑制することができる。
<特徴V群>
特徴V群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴V1]
遊技球が流通する流路と、
前記流路を流通する遊技球の流通方向を基準として、前記流路の上流側から順に設けられた上流側入球部(第3実施形態における第1大入賞口)および下流側入球部(第2大入賞口)と、
前記上流側入球部の状態を、遊技球の入球が不可能または困難な状態である非入球可能状態(閉鎖状態)と、遊技球の入球が可能または容易な状態である入球可能状態(開放状態)との間で遷移させる上流側状態遷移手段と、
前記下流側入球部の状態を、前記非入球可能状態と、前記入球可能状態との間で遷移させる下流側状態遷移手段と、
前記上流側状態遷移手段と下流側状態遷移手段とを制御する制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記下流側入球部は、前記流路の上流側から順に、第1の入球領域(非V入賞領域FNV)と第2の入球領域(V入賞領域FV)とに区分され、
前記上流側状態遷移手段が前記非入球可能状態の前記上流側入球部を前記入球可能状態に遷移させた後に前記非入球可能状態へ遷移させる動作、および、前記下流側状態遷移手段が前記非入球可能状態の前記下流側入球部を前記入球可能状態に遷移させた後に前記非入球可能状態へ遷移させる動作を、単位動作と定義した場合に、
前記上流側状態遷移手段による単位動作と、前記下流側状態遷移手段による単位動作とは、排他的に実行される
ことを特徴とする遊技機。
特徴V1によれば、制御手段が、上流側状態遷移手段による単位動作と下流側状態遷移手段による単位動作とを実行するタイミングを制御することによって、流路を流通する遊技球を上流側入球部のみに入球させたり、下流側入球部の第1の入球領域のみに入球させたり、下流側入球部の第1の入球領域と第2の入球領域とに入球させるなど、遊技球を入球させる入球部または入球領域を制御することができる。
[特徴V2]
特徴V1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
所定の遊技状態が開始された場合には、前記下流側状態遷移手段による前記単位動作の実行に先立って、前記上流側状態遷移手段による前記単位動作を実行するとともに、
前記上流側状態遷移手段による前記単位動作を終了してから前記下流側状態遷移手段による前記単位動作を開始するまでの時間を、遊技球が前記非入球可能状態の前記上流側入球部に対応する前記流路上の領域である上流流路領域に進入してから前記非入球可能状態の前記下流側入球部の前記第1の入球領域に対応する前記流路上の領域である第1流路領域を進出するまでに必要な時間よりも短い時間に制御する
ことを特徴とする遊技機。
特徴V2によれば、下流側状態遷移手段による単位動作の開始時に、非入球可能状態の下流側入球部に対応する流路上の領域である下流流路領域に遊技球が存在し、下流側状態遷移手段による単位動作の開始とともに下流側入球部に遊技球が意図せず入球してしまうことを抑制することができる。例えば、上流側状態遷移手段による単位動作と下流側状態遷移手段による単位動作とを実行するタイミングを制御することによって流路を流通する遊技球を上流側入球部のみに入球するように制御する場合に、仮に、最初に下流側状態遷移手段による単位動作を開始すると、下流流路領域に遊技球が存在し、下流側状態遷移手段による単位動作の開始とともに下流側入球部に遊技球が意図せず入球してしまう虞がある。一方、本特徴のように制御すれば、遊技球が上流流路領域および下流流路領域を流通するタイミングを大凡制御することができ、遊技球を入球させる入球部または入球領域を制御しやすくすることができる。
[特徴V3]
特徴V1または特徴V2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、第1の遊技状態(第2種大当たりに対応する開閉実行モード)が開始された場合には、前記下流側状態遷移手段による前記単位動作を連続して複数回実行する第1の動作パターンを実行するとともに、
前記第1の動作パターンについての前記下流側状態遷移手段による連続した前記複数回の単位動作における一の単位動作が終了してから次の単位動作が開始されるまでの時間は、遊技球が前記非入球可能状態の前記下流側入球部の前記第1の入球領域に対応する前記流路上の領域である第1流路領域に進入してから前記第1流路領域を進出するまでに必要な時間よりも短い
ことを特徴とする遊技機。
特徴V3によれば、第1の動作パターンを実行中に、下流流路領域に到達した遊技球をほぼ全て下流側入球部の第1の入球領域に入球させることができる。
[特徴V4]
特徴V1から特徴V3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、第2の遊技状態(第1種大当たりに対応する開閉実行モード)が開始された場合には、前記下流側状態遷移手段による前記単位動作を連続して複数回実行する第2の動作パターンを実行するとともに、
前記第2の動作パターンについての前記下流側状態遷移手段による連続した前記複数回の単位動作における一の単位動作が終了してから次の単位動作が開始されるまでの時間には、遊技球が前記第1流路領域に進入してから前記第1流路領域を進出するまでに必要な時間よりも長い場合が含まれる
ことを特徴とする遊技機。
特徴V4によれば、第2の動作パターンを実行中に、遊技球を下流側入球部の第2の入球領域に入球させることができる。
[特徴V5]
特徴V4に記載の遊技機であって、
前記第2の動作パターンについての前記下流側状態遷移手段による連続した前記複数回の単位動作における一の単位動作が終了してから次の単位動作が開始されるまでの時間は、遊技球が前記第1流路領域に進入してから前記第1流路領域を進出するまでに必要な時間よりも長く、かつ、遊技球が前記非入球可能状態の前記下流側入球部に対応する前記流路上の領域である下流流路領域に進入してから前記下流流路領域を進出するまでに必要な時間よりも短い
ことを特徴とする遊技機。
特徴V5によれば、第2の動作パターンを実行中に遊技球を下流側入球部の第2の入球領域に入球させることができるとともに、さらに、第2の動作パターンを実行中に下流流路領域に到達した遊技球をほぼ全て下流側入球部に入球させることができる。
<特徴W群>
特徴W群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴W1]
遊技球が入球可能な複数の入球領域と、
前記複数の入球領域の状態を制御する制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記制御手段は、前記複数の入球領域の状態の遷移を同期して実行する(第3実施形態および第3実施形態の変形例4)
ことを特徴とする遊技機。
特徴W1によれば、当該遊技機は複数の入球領域の状態の遷移を同期して実行するので、各入球領域毎に状態の遷移を制御する場合と比較して、制御を簡易化することができる。
[特徴W2]
特徴W1に記載の遊技機であって、
遊技球が流通する流路を備え、
前記流路を流通する遊技球の流通方向を基準として、
前記複数の入球領域は、前記流路の上流から下流に向けて隣接して配置されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴W2によれば、複数の入球領域は、流路の上流から下流に向けて隣接して配置されているので、流路を流通する遊技球の挙動に対応して制御手段が複数の入球領域の状態の遷移を同期して実行する場合に、少ない数の遊技球の挙動に対応して制御を実行することが可能となる。具体的に説明すると、流路を流通する遊技球の挙動に対応して制御手段が複数の入球領域の状態の遷移を同期して実行するためには、各入球領域の周辺領域を流通する遊技球の挙動を把握する必要がある。例えば、比較例として、複数の入球領域が各々離れた位置に配置されている場合、制御手段が、流通する遊技球の挙動に対応して当該複数の入球領域の状態の遷移を同期して実行するためには、離れて位置する各入球領域の周辺領域を流通する遊技球の挙動に対応した制御をする必要があり、制御が複雑化してしまう。すなわち、各入球領域の周辺領域を合わせた全体の領域が比較的大きく、当該全体の領域を流通する遊技球の数も比較的多くなるため、挙動を把握する対象となる遊技球の数が多くなり、制御が複雑化する。一方、本特徴における複数の入球領域は隣接して配置されているため、各入球領域の周辺領域を合わせた全体の領域が上記比較例よりも小さくなり、当該全体の領域を流通する遊技球の数も少なくなるため、挙動を把握する対象となる遊技球の数が少なくなり、制御を簡易化することができる。さらに、本特徴によれば、複数の入球領域は、流路の上流から下流に向けて配置されているため、各入球領域に到達する遊技球の挙動を把握しやすく、制御をより簡易化することができる。具体的には、複数の入球領域は流路の上流から下流に向けて配置されているため、各入球領域に到達する遊技球の方向がある程度一定の方向であるとともに、各入球領域に到達する遊技球の速度も各遊技球ごとのばらつきが小さい等、各入球領域に到達する各遊技球ごとの挙動のばらつきを小さくすることができる。結果として、各入球領域に到達する遊技球の挙動が把握しやすくなり、制御をより簡易化することができる。
[特徴W3]
特徴W1または特徴W2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記複数の入球領域を、遊技球の入球が不可能または困難な状態である非入球可能状態と、遊技球の入球が可能または容易な状態である入球可能状態との間で同期して遷移させ、
当該制御手段が前記非入球可能状態の前記複数の入球領域を前記入球可能状態に遷移させた後に前記非入球可能状態へ遷移させる動作を単位動作と定義し、
遊技球が前記非入球可能状態の各入球領域に対応する領域を通過するために必要な時間を入球領域通過時間と定義した場合に、
前記制御手段によって実行される前記単位動作から次の単位動作までの時間である非入球可能状態維持時間は、前記複数の入球領域の各入球領域通過時間に基づいて設定されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴W3によれば、非入球可能状態維持時間を、複数の入球領域の各入球領域通過時間に基づいて設定する。複数の入球領域の各入球領域通過時間は把握することが可能であるので、非入球可能状態維持時間の決定および設定が容易であるとともに、制御を簡易化することができる。
[特徴W4]
特徴W1から特徴W3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記複数の各入球領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に対して特典を付与する特典付与手段を備え、
前記複数の入球領域のうちの少なくとも一つ(第3実施形態におけるV入賞領域FV)は、遊技球が入球した場合に特典付与手段によって遊技者に付与される特典が、前記複数の入球領域のうちの他の入球領域と異なる
ことを特徴とする遊技機。
特徴W4によれば、遊技者に付与される特典が他の入球領域と異なる入球領域を備えるので、制御手段が同期して実行する複数の入球領域の状態の遷移の態様を制御することによって、遊技者に付与する特典を制御することができる。
<特徴X群>
特徴X群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴X1]
遊技球が流通する流路と、
前記流路上に設けられ、遊技球が入球可能な第1の入球領域と、
前記第1の入球領域の状態を、遊技球の入球が不可能または困難な状態である非入球可能状態と、遊技球の入球が可能または容易な状態である入球可能状態との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段によって前記第1の入球領域が前記非入球可能状態である場合に、前記第1の入球領域に対応する流路上の領域である第1入球流路領域を遊技球が通過するために必要な時間である第1入球流路領域通過時間を調整する第1入球流路領域通過時間調整手段(第3実施形態における第2開閉扉に設けられた凸部または、第3実施形態の変形例2における第2開閉扉に設けられた磁性体部材)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴X1によれば、状態遷移手段が第1の入球領域を状態遷移させるタイミングの制御と、第1入球流路領域通過時間の調整とを行うことによって第1の入球領域への遊技球の入球のし易さを制御することができる。
[特徴X2]
特徴X1に記載の遊技機であって、
前記状態遷移手段が前記非入球可能状態である前記第1の入球領域を前記入球可能状態に遷移させた後に前記非入球可能状態に遷移させる動作を単位動作と定義した場合に、
前記状態遷移手段は、複数回の単位動作を実行する動作モードであって、単位動作を終了してから次の単位動作を開始するまの時間的間隔が、前記第1入球流路領域通過時間よりも短い動作モードである第1動作モード(第2種大当たりに対応する開閉実行モード)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴X2によれば、状態遷移手段が第1動作モードの実行中は、第1の入球領域に到達したほぼ全ての遊技球を第1の入球領域に入球させることができる。
[特徴X3]
特徴X1または特徴X2に記載の遊技機であって、
前記状態遷移手段が前記非入球可能状態である前記第1の入球領域を前記入球可能状態に遷移させた後に前記非入球可能状態に遷移させる動作を単位動作と定義した場合に、
前記状態遷移手段は、複数回の単位動作を実行する動作モードであって、単位動作を終了してから次の単位動作を開始するまの時間的間隔が、前記第1入球流路領域通過時間よりも長い動作モードである第2動作モード(第1種大当たりに対応する開閉実行モード)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴X3によれば、状態遷移手段が第2動作モードの実行中は、上記の第1動作モードと比較して、第1の入球領域に入球させる遊技球の割合を低下させることができる。すなわち、第1の入球領域に到達した遊技球を、所定の割合で第1の入球領域に入球させずに通過させることができる。
[特徴X4]
特徴X3に記載の遊技機であって、
前記流路を流通する遊技球の流通方向を基準として、前記第1の入球領域よりも前記流路上の下流側に設けられ、遊技球が入球可能な第2の入球領域を備え、
前記状態遷移手段は、前記第1の入球領域を前記非入球可能状態に遷移させると同時に前記第2の入球領域を前記非入球可能状態に遷移させ、前記第1の入球領域を前記入球可能状態に遷移させると同時に前記第2の入球領域を前記入球可能状態に遷移させ、
前記第2の入球領域に対応する流路上の領域を第2入球流路領域と定義し、
前記遊技球が前記第1入球流路領域に進入してから前記第2入球流路領域を進出するまでに必要な時間を全入球流路領域通過時間と定義した場合に、
前記状態遷移手段が備える前記第2の動作モードは、単位動作を終了してから次の単位動作を開始するまの時間的間隔が、前記第1入球流路領域通過時間よりも長く前記全入球流路領域通過時間より短い
ことを特徴とする遊技機。
特徴X4によれば、状態遷移手段が第2動作モードの実行時に第1の入球領域に入球せずに通過した遊技球をほぼ全て、第2の入球領域に入球させることができる。
[特徴X5]
特徴X1から特徴X4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記状態遷移手段は、前記第1の入球領域の開口部を開閉する開閉部材を備え、
前記第1入球流路領域通過時間調整手段は、前記第1の入球領域が前記非入球可能状態である場合の前記開閉部材における、遊技球が流通する流通面に配置された凸部材である
ことを特徴とする遊技機。
特徴X5によれば、開閉部材の流通面に配置する凸部材の数を調整することによって、容易に第1入球流路領域通過時間を調整することができる。
[特徴X6]
特徴X1から特徴X5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記状態遷移手段は、前記第1の入球領域の開口部を開閉する開閉部材を備え、
前記第1入球流路領域通過時間調整手段は、前記第1の入球領域が前記非入球可能状態である場合の前記開閉部材における、遊技球が流通する流通面に配置された磁性体部材である
ことを特徴とする遊技機。
特徴X6によれば、磁性体部材が遊技球に及ぼす磁力の作用によって、流通面を流通する遊技球が特異な動きをするため、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴X7]
特徴X1から特徴X6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記状態遷移手段は、前記第1の入球領域の開口部を開閉する開閉部材を備え、
前記第1入球流路領域通過時間調整手段は、前記第1の入球領域が前記非入球可能状態である場合の前記開閉部材における、遊技球が流通する流通面の傾斜である
ことを特徴とする遊技機。
特徴X7によれば、流通面の傾斜角を調整することによって、容易に第1入球流路領域通過時間を調整することができる。
<特徴Y群>
特徴Y群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴Y1]
遊技球が流通する流路と、
前記流路を流通する遊技球の流通方向を基準として、前記流路の上流側から順に設けられた上流側入球部(第3実施形態における第1大入賞口)および下流側入球部(第2大入賞口)と、
前記上流側入球部の状態を、遊技球の入球が不可能または困難な状態である非入球可能状態(閉鎖状態)と、遊技球の入球が可能または容易な状態である入球可能状態(開放状態)との間で遷移させる上流側状態遷移手段と、
前記下流側入球部の状態を、前記非入球可能状態と、前記入球可能状態との間で遷移させる下流側状態遷移手段と、
を備える遊技機であって、
前記下流側入球部は、
遊技球の入球が遊技の状態を特定の状態に変化させる条件の一つとして設定されている領域である特定領域(V入賞領域FV)を有し、前記特定領域より上流側に前記特定領域とは異なる領域である所定領域(非V入賞領域FNV)を有する
ことを特徴とする遊技機。
特徴Y1によれば、下流側入球部の特定入球領域より上流側に所定領域を有するので、下流側状態遷移手段が下流側入球部の状態を遷移させるタイミングを制御することによって、下流側入球部に入球する遊技球を、特定領域に入球させやすくするか否かを制御することができる。一般的な遊技機の場合、1つの入球部が2つの領域を有する場合には、当該入球部の内部に、遊技球を2つの領域のどちらに入球させるかを制御するために遊技球を誘導する誘導機構を有する。このような遊技機の場合、入球部の状態を非入球可能状態と入球可能状態との間で制御する状態遷移手段の動作制御とは別に、上述した誘導機構の動作制御を行う必要があるため、制御が複雑になるとともに、当該制御を実行するためのプログラムを記憶させるための記憶領域も確保する必要がある。一方、本特徴の遊技機においては、下流側入球部が備える所定領域と特定領域のどちらに遊技球を入球させるかの制御を下流側状態遷移手段の動作制御で実現することができるので、上記した一般的な遊技機と比較して、制御を簡易化できるとともに、プログラムを記憶させるために必要な記憶領域を削減することができる。
[特徴Y2]
特徴Y1に記載の遊技機であって、
前記下流側入球部が前記非入球可能状態のときには、前記所定領域および前記特定領域は、いずれも遊技球の入球が不可能または困難な状態であり、
前記下流側入球部が前記入球可能状態のときには、前記所定領域および前記特定領域は、いずれも遊技球の入球が可能または容易な状態である
ことを特徴とする遊技機。
特徴Y2によれば、下流側状態遷移手段が下流側入球部の状態を遷移させるタイミングを制御することによって、実際には、特定領域に遊技球が入球しにくいタイミングで下流側入球部の状態を入球可能状態に遷移させた場合であっても、下流側入球部が入球可能状態のときには、所定領域および特定領域はいずれも遊技球の入球が可能または容易な状態であるので、遊技者に対して特定領域に遊技球が入球することを期待させることができる。より具体的に説明すると、特定領域に遊技球が入球しにくいタイミングで下流側入球部の状態を入球可能状態に遷移させた場合であっても、特定領域に遊技球が入球しやすいタイミングで下流側入球部の状態を入球可能状態に遷移させた場合であっても、どちらの場合も下流側入球部が入球可能状態のときには、所定領域および特定領域はいずれも遊技球の入球が可能または容易な状態であるので、遊技者に対して特定領域に遊技球が入球することを期待させることができる。
[特徴Y3]
特徴Y1または特徴Y2に記載の遊技機であって、
前記下流側入球部の開口部である下流側入球部開口部は前記流路面に面しており、
前記下流側状態遷移手段は、前記下流側入球部開口部を閉鎖状態にすることによって前記下流側入球部の状態を非入球可能状態に遷移させ、前記下流側入球部開口部を開放状態にすることによって前記下流側入球部の状態を入球可能状態に遷移させ、
前記下流側入球部が前記非入球可能状態のときには、前記特定領域に遊技球が入球する開口部である特定領域開口部と、前記所定領域に遊技球が入球する開口部である所定領域開口部とは、いずれも閉鎖状態であり、
前記下流側入球部が前記入球可能状態のときには、前記特定領域開口部と、前記所定領域開口部とは、いずれも開放状態である
ことを特徴とする遊技機。
特徴Y3によれば、下流側入球部開口部が閉鎖状態のときには、特定領域開口部と所定領域開口部とはいずれも閉鎖状態であり、下流側入球部開口部が開放状態のときには、特定領域開口部と所定領域開口部とはいずれも開放状態であるので、特定領域および所定領域が、いずれも遊技球の入球が不可能または困難な状態であるのか、または、いずれも遊技球の入球が可能または容易な状態であるのかを、遊技者に対して視覚によって判別しやすくすることができる。また、下流側状態遷移手段が下流側入球部開口部の状態を遷移させるタイミングを制御することによって、実際には、特定領域に遊技球が入球しにくいタイミングで下流側入球部開口部の状態を開放状態に遷移させた場合であっても、下流側入球部開口部が開放状態のときには、所定領域開口部および特定領域開口部はいずれも開放状態であるので、遊技者に対して特定領域に遊技球が入球することを期待させることができる。より具体的に説明すると、特定領域に遊技球が入球しにくいタイミングで下流側入球部開口部の状態を開放状態に遷移させた場合であっても、特定領域に遊技球が入球しやすいタイミングで下流側入球部開口部の状態を開放状態に遷移させた場合であっても、どちらの場合も下流側入球部開口部が開放状態のときには、所定領域開口部および特定領域開口部はいずれも開放状態であるので、遊技者に対して特定領域に遊技球が入球することを期待させることができる。
[特徴Y4]
特徴Y1から特徴Y3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記下流側入球部の開口部である下流側入球部開口部は、前記流路の流路面に面しているとともに、前記特定領域に遊技球が入球する開口部である特定領域開口部と、前記所定領域に遊技球が入球する開口部である所定領域開口部とに区分され、
前記所定領域開口部は、前記特定領域開口部よりも前記流路面の上流側に面している
ことを特徴とする遊技機。
特徴Y4によれば、下流側入球部開口部は、特定領域開口部と所定領域開口部とに区分され、所定領域開口部は、特定領域開口部よりも流路面の上流側に面している。従って、下流側状態遷移手段は、流路面を流通する遊技球の挙動に対応して下流側入球部の状態を遷移させるタイミングを制御することによって、下流側入球部に入球する遊技球を、特定領域に入球させやすくするか否かを制御することができる。
<特徴Z群>
特徴Z群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴Z1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部の状態を、遊技球の入球が不可能または困難な状態である非入球可能状態(閉鎖状態)と、遊技球の入球が可能または容易な状態である入球可能状態(開放状態)との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記入球部に入球した遊技球を排出する排出手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記制御手段には、前記状態遷移手段が前記入球部を前記非入球可能状態から前記入球可能状態に遷移させる条件である入球可能状態遷移条件が設定されており、
前記入球部に遊技球が存在しないことが、前記入球可能状態遷移条件として含まれ、
前記遊技機は、さらに、前記入球部に入球した遊技球が前記排出手段によって排出されることを遅らせる排出遅延手段(第3実施形態の変形例5における排出遅延手段)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z1によれば、入球部に遊技球が存在しないことが入球可能状態遷移条件として含まれるとともに、入球部に入球した遊技球が排出手段によって排出されることを遅らせる排出遅延手段を備える。従って、排出遅延手段が遊技球の排出を遅延させる時間の程度によって、入球可能状態遷移条件が成立するまでの時間が異なるため、状態遷移手段が入球部を非入球可能状態から入球可能状態に遷移させるまでの時間が異なる。すなわち、状態遷移手段が入球部を非入球可能状態から入球可能状態に遷移させるまでの時間を不規則にすることができる。その結果、排出遅延手段に遊技者を注目させることができるとともに、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴Z2]
特徴Z1に記載の遊技機であって、
前記状態遷移手段が前記入球部を前記非入球可能状態に遷移させてから予め設定された所定時間が経過したことが、前記入球可能状態遷移条件として含まれている
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z2によれば、状態遷移手段が入球部を非入球可能状態に遷移させてから予め設定された所定時間が経過したことが入球可能状態遷移条件として含まれている。従って、入球部が非入球可能状態に遷移してから当該入球部に存在する遊技球が排出手段によって全て排出され当該入球部に遊技球が存在しなくなるまでの時間より、非入球可能状態に遷移してから予め設定された所定時間が経過するまでの時間の方が長い場合には、入球部が非入球可能状態から入球可能状態に遷移するまでの時間は所定時間となる。一方、排出遅延手段の機能によって、入球部が非入球可能状態に遷移してから当該入球部に存在する遊技球が排出手段によって全て排出され入球部に遊技球が存在しなくなるまでの時間の方が、非入球可能状態に遷移してから予め設定された所定時間が経過するまでの時間よりも長い場合には、入球部が非入球可能状態から入球可能状態に遷移するまでの時間は排出遅延手段が遊技球の排出を遅延させる時間の程度に依存することになる。従って、状態遷移手段が入球部を非入球可能状態から入球可能状態に遷移させるまでの時間をより一層不規則にすることができ、簡易な制御によって、入球部が状態遷移する挙動を複雑にすることができる。その結果、遊技者を入球部に注目させることができるとともに、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴Z3]
特徴Z1または特徴Z2に記載の遊技機であって、
遊技球が流通する流路を備え、
前記入球部は、遊技球が入球可能な第1の入球領域と、前記流路を流通する遊技球の流通方向を基準として前記第1の入球領域よりも前記流路上の下流側に設けられ、遊技球が入球可能な第2の入球領域(V入賞領域FV)とを備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z3によれば、入球部は第1の入球領域と第1の入球領域よりも下流側に第2の入球領域とを備えるので、入球部が非入球可能状態から入球可能状態に遷移するタイミングによって、入球部に入球した遊技球が、第1の入球領域に入球する場合と第2の入球領域に入球する場合とがある。状態遷移手段が入球部を非入球可能状態から入球可能状態に遷移させるまでの時間は不規則であるので、遊技者は、入球部に入球した遊技球が第1の入球領域に入球するか第2の入球領域に入球するかを予測しにくく、遊技者を入球部に注目させることができるとともに、遊技者に対して緊迫感を付与することができる。
[特徴Z4]
特徴Z3に記載の遊技機であって、
前記制御部は、
前記状態遷移手段が前記入球部を前記非入球可能状態に遷移させてから予め設定された所定時間が経過したことを契機として、前記入球部を前記非入球可能状態から前記入球可能状態に遷移させることによって、前記第2の入球領域への遊技球の入球を制御する
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z4によれば、遊技球が第2の入球領域に入球しにくいように所定時間を設定することや、遊技球が第2の入球領域に入球やすいように所定時間を設定することができる。その一方で、排出遅延手段が機能した場合には、排出遅延手段の機能によって、入球部が非入球可能状態に遷移してから当該入球部に存在する遊技球が排出手段によって全て排出され入球部に遊技球が存在しなくなるまでの時間の方が、非入球可能状態に遷移してから予め設定された所定時間が経過するまでの時間よりも長い場合には、入球部が非入球可能状態から入球可能状態に遷移するまでの時間は排出遅延手段が遊技球の排出を遅延させる時間の程度に依存することになる。すなわち、制御部が第2の入球領域への遊技球の入球を制御することが可能な場合と、不可能な場合とが生じる。その結果、例えば、遊技球が第2の入球領域に入球しにくいように所定時間が設定されている場合であっても、排出遅延手段が機能することによって、遊技球が第2の入球領域に入球しやすいタイミングで入球部が非入球可能状態から入球可能状態に遷移する場合があり、遊技者に、期待感や緊張感を付与することができる。
[特徴Z5]
特徴Z3または特徴Z4に記載の遊技機であって、
前記第2の入球領域は、当該第2の入球領域への遊技球の入球が遊技の状態を特定の状態に変化させる条件の一つとして設定されている領域である
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z5によれば、第2の入球領域に遊技球が入球するか否かに関して、遊技者に、より一層期待感や緊迫感を付与することができる。
<特徴αA群>
特徴αA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴αA1]
遊技球が流通する流路と、
前記流路上に設けられ、遊技球の入球が可能な入球領域と、
前記入球領域の状態を、遊技球の入球が不可能または困難な状態である非入球可能状態と、遊技球の入球が可能または容易な状態である入球可能状態との間で遷移させる状態遷移手段と、
遊技球が前記入球可能状態である前記入球領域に入球せずに当該入球領域を通過することを抑制する通過抑制手段(第3実施形態の変形例1における板状部材MD1、磁性体部材MD2)と、
と備えることを特徴とする遊技機。
特徴αA1によれば、通過抑制手段を備えるので、入球領域が入球可能状態であるにも関わらず、遊技球が入球せずに通過してしまうことを抑制する。仮に、入球領域が入球可能状態であるにも関わらず、遊技球が入球せずに通過する場合、遊技者に正当な特典が付与されずに、遊技者の遊技に対する期待感を低下させてしまう。本特徴は、そのような事象を抑制し、遊技者に付与すべき特典を正当に付与し、遊技者に期待感を付与するとともに、安心感を付与することができる。
[特徴αA2]
特徴αA1に記載の遊技機であって、
前記通過抑制手段は、前記入球領域に入球せずに通過する方向に進行する遊技球の進行方向を、前記入球領域に向けて進行する方向に補正する進行方向補正部材(第3実施形態の変形例1における板状部材MD1)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αA2によれば、通過抑制手段は進行方向補正手段を備えるので、例えば、遊技球に対して付与された力学的な外的要因によって入球領域とは異なる方向に弾んでしまった遊技球の進行方向を補正し、遊技球を入球領域に入球させることができる。
[特徴αA3]
特徴αA2に記載の遊技機であって、
前記進行方向補正部材は、前記流路上の前記入球領域に対応する領域の上部に設けられた部材である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αA3によれば、流路に沿って進行する遊技球が何らかの要因によって流路から浮いてしまい、入球領域を浮いた状態で通過してしまう事象を抑制することができる。すなわち、仮に入球領域で遊技球が浮いた状態となっても、流路上の入球領域に対応する領域の上部に設けられた部材に当たることによって、遊技球の進行方向が下向きに変更され、遊技球を入球領域に入球させることができる。
[特徴αA4]
特徴αA1から特徴αA3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記通過抑制手段は、前記流路における前記入球領域より上流側に設けられた磁性体部材を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αA4によれば、流路に沿って進行する遊技球に対して、何らかの要因によって流路から浮く方向の力が作用しても、流路面に設けられた磁性体が遊技球に対して及ぼす磁力によって、遊技球に対して流路面に向かう方向の力が作用し、遊技球が流路から浮いてしまうことを抑制することができる。その結果、遊技球を入球領域に入球させることができる。
[特徴αA5]
特徴αA1から特徴αA4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記通過抑制手段は、前記流路における前記入球領域より上流側に設けられ、遊技球と流路との間の衝撃を緩衝する緩衝部材を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αA5によれば、流路に沿って進行する遊技球に対して、何らかの要因によって流路から浮く方向の力が作用しても、緩衝部材によって当該流路から浮く方向の力を緩衝し、遊技球が流路から浮いてしまうことを抑制することができる。その結果、遊技球を入球領域に入球させることができる。
なお、上記特徴U群〜特徴αA群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、制御の簡易化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている(例えば、特許文献1)。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、制御の簡易化、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
なお、上記特徴A群〜特徴αA群に含まれる1又は複数の構成を適宜組み合わせた構成を採用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段とを備える遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示手段と、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示を始動させる始動手段と、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間の経過に起因して前記複数の絵柄の可変表示を停止させる停止手段と、停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備える遊技機。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。