まず、本発明の実施形態における遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1の正面図である。なお、以下の説明で用いる図において、「上」、「下」、「左」、「右」はパチンコ遊技機1の方向を示している。また、パチンコ遊技機1の前後方向は、図1の紙面手前側が「前」とし、図1の紙面奥側が「後」とする。
このパチンコ遊技機1は、縦長の方形枠状に形成された外枠(図示略)と、該外枠に開閉可能に取り付けられた前面枠3とで主に構成されている。前面枠3の前面には、ガラス扉枠4及び下扉枠5がそれぞれ左側辺を中心に開閉可能に設けられている。
下扉枠5の下部表面には打球供給皿(上皿)6がある。打球供給皿6の下部には、打球供給皿6に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿7(下皿)や、打球を発射する打球操作ハンドル8が設けられている。なお、遊技球の発射間隔は、例えば、0.6秒である。また、ガラス扉枠4の後方においては、遊技盤9が前面枠3に対して着脱可能に取り付けられている。
遊技盤9は、遊技領域10が遊技盤9の前面側に形成された透光性の合成樹脂材からなる盤面板(図示略)と、所定の厚み幅寸法を有する非透光性の合成樹脂材からなり、上記盤面板を取り付ける取付面が前面に設けられたスペーサ部材(図示略)とから構成されている。また、遊技盤9の背面側には、演出表示装置11及び演出制御基板80等を含む変動表示制御ユニット(図示略)等の遊技に関連する遊技用部品が組み付けられる遊技盤ユニットが一体的に組み付けられている。
遊技盤ユニットは、遊技盤9と、該遊技盤9の背面側に配置され、遊技盤9を背面側から装飾する装飾ユニット(図示略)と、該装飾ユニットの背面に取り付けられ、演出表示装置11(飾り図柄表示装置)及び演出制御基板80等を含む変動表示制御ユニットとから主に構成され、遊技盤9に対して着脱可能に取り付けられる。
演出表示装置11は、遊技領域10の中央付近に設けられ、それぞれが演出用の飾り図柄(演出図柄)を可変表示する複数の可変表示部を有している。演出表示装置11には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア、図中11L、11C、11R)がある。演出表示装置11は、後述する第1特別図柄表示器12aまたは第2特別図柄表示器12bによる特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。演出図柄の可変表示を行う演出表示装置11は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
遊技盤9における右側下部位置には、第1特別図柄表示器12aが設けられている。第1特別図柄表示器12aは、第1識別情報として第1特別図柄を可変表示する。本実施形態では、第1特別図柄表示器12aは、0〜9の数字または記号等を可変表示可能な表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器12aは、0〜9の数字または記号等を可変表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器12aの上方位置には、第2特別図柄表示器12bが設けられている。第2特別図柄表示器12bは、第2識別情報として第2特別図柄を可変表示する。本実施形態では、第2特別図柄表示器12bは、0〜9の数字または記号等を可変表示可能な表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器12bは、0〜9の数字または記号等を可変表示するように構成されている。
なお、本実施形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じであるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器12aおよび第2特別図柄表示器12bは、それぞれ、例えば2つの7セグメントLED等を用いて00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器12aと第2特別図柄表示器12bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第1始動入賞口(第1始動口)13aに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第2始動入賞口(第2始動口)13bに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置11は、第1特別図柄表示器12aでの第1特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄ともいう)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器12aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置11における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。同様に、演出表示装置11は、第2特別図柄表示器12bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行う。第2特別図柄表示器12bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置11における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器12aにおいて大当り図柄が停止表示されるときや、第2特別図柄表示器12bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置11において大当りを想起させるような演出図柄の組み合せが停止表示される。
第2特別図柄表示器12bの上方位置には、第1始動入賞口13aに入賞した入賞球数、すなわち第1保留記憶数を表示する第1特別図柄保留記憶表示部と、該第1特別図柄保留記憶表示部とは別個に設けられ、第2始動入賞口13bに入賞した入賞球数、すなわち第2保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部とが設けられた例えば7セグメントLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、第1保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器12aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、第2保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器12bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。なお、本実施形態では、第1保留記憶数の上限数を4個としているが、上限数を3個未満または5個以上としてもよい。第2保留記憶数についても同様である。
また、演出表示装置11の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部19aと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部19bとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けるようにしてもよい。合算保留記憶表示部を設けるようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握し易くすることができる。
第1特別図柄表示器12aの下方位置には、普通図柄表示器26が設けられている。普通図柄表示器26は、例えば2つのランプを用いて構成される。遊技球が、後述するゲート33を通過しゲートスイッチ33aで検出されると、普通図柄表示器26の表示の可変表示が開始される。本実施形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。なお、普通図柄表示器26は、例えば「○」および「×」を可変表示可能なセグメントLED等を用いて構成されるものであってもよい。
以下、普通図柄表示器26(例えば、上述した2つのランプやセグメントLED等)にて表現される識別情報を普通図柄(普図と略する場合もある)と称する。また、普通図柄が当りとなることを普図当りという場合がある。
特別図柄保留記憶表示器18の上方位置には、ゲート33を通過した入賞球数、すなわち普通図柄保留記数を表示する4つの表示部(例えば、4つのLED)を有する普通図柄保留記憶表示器27が設けられている。ゲート33への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ33aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器27は点灯する表示部を1増やす。そして、普通図柄表示器26の可変表示が開始される毎に、点灯する表示部を1減らす。
なお、普通図柄保留記憶表示器27に、普通図柄保留記数を表示する4つの表示部とともに、例えば大当り時における特別可変入賞球装置22の開放回数(大当りラウンド数)や遊技状態を示す1以上の表示部を設けるようにしてもよい。また、普通図柄保留記憶表示器27とは別個の表示器にこれらの表示部を設けるようにしてもよい。
演出表示装置11の下方位置には、第1始動入賞口13aを有する普通入賞装置20が設けられている。第1始動入賞口13aに入賞した遊技球は、遊技盤9の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)及び第1入賞確認スイッチ14b(例えば、フォトセンサ、図8参照)によって検出される。なお、第1始動口スイッチ14a及び第1入賞確認スイッチ14bの検出結果にもとづいて普通入賞装置20への異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、第1始動入賞口13aによって遊技球が検出された場合には、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、本実施形態では、演出表示装置11の下方位置であって、普通入賞装置20の右方位置に、第2始動入賞口13bを有する普通可変入賞装置21が設けられている。詳細は後述するが、普通可変入賞装置21は、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の底面部材23を前後方向に進退移動させることにより、底面部材23の下方に位置する第2始動入賞口13bを、遊技球が入賞可能な開放状態(開状態ともいう)と遊技球が入賞不能な閉鎖状態(閉状態ともいう)とに変化させる。具体的には、普通可変入賞装置21は、普通図柄表示器26において当りが導出表示されたときに(例えば、下側のランプが点灯したときに)、底面部材23を前方に向けて前進移動させた閉鎖状態から底面部材23を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる第2始動入賞口13bを開放状態とする開放制御を実行する。なお、本実施形態の普通可変入賞装置21は、ソレノイド16によって底面部材23を移動させることで、第2始動入賞口13bを開放状態と閉鎖状態とに変化させる。
第2始動入賞口13b内には、第2始動入賞口13b内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第2始動口スイッチ15a及び第2入賞確認スイッチ15b、図8参照)が設けられている。なお、図示省略するが、本実施形態では、第2始動入賞口13b内において、第2始動口スイッチ15aが上側に配置され、その下側に第2入賞確認スイッチ15bが配置される。従って、本実施形態では、第2始動入賞口13b内に入賞した遊技球は、遊技盤9の背面に導かれ、まず第2始動口スイッチ15aで検出され、次いで第2入賞確認スイッチ15bで検出される。なお、第2始動口スイッチ15a及び第2入賞確認スイッチ15bの検出結果にもとづいて普通可変入賞装置21への異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、第2始動口スイッチ15aによって遊技球が検出された場合には、所定個数(例えば1個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、本実施形態では、普通可変入賞装置21の上方右方位置に、大入賞口24を有する特別可変入賞球装置(特別可変入賞装置)22が設けられている。特別可変入賞球装置22の構成は、普通可変入賞装置21と同様である。すなわち、特別可変入賞球装置22は、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の底面部材(普通可変入賞装置21が備える底面部材23に相当するもの)を前後方向に進退移動させることにより、底面部材の下方に位置する大入賞口24を、遊技球が入賞可能な開放状態と遊技球が入賞不能な閉鎖状態とに変化させる。特別可変入賞球装置22は、第1特別図柄表示器12aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器12bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)において、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉鎖状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる大入賞口24を開放状態とする開放制御を複数ラウンド実行する。なお、本実施形態の特別可変入賞球装置22は、ソレノイド106によって底面部材を移動させることで、大入賞口24を開放状態と閉鎖状態とに変化させる。
大入賞口24内には、大入賞口24内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(カウントスイッチ25aと第3入賞確認スイッチ25b、図8参照)が設けられている。なお、図示省略するが、本実施形態では、大入賞口24内において、カウントスイッチ25aが上側に配置され、その下側に第3入賞確認スイッチ25bが配置される。従って、本実施形態では、大入賞口24内に入賞した遊技球は、遊技盤9の背面に導かれ、まずカウントスイッチ25aで検出され、次いで第3入賞確認スイッチ25bで検出される。なお、カウントスイッチ25a及び第3入賞確認スイッチ25bの検出結果にもとづいて特別可変入賞球装置22への異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、カウントスイッチ25aによって遊技球が検出された場合には、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。つまり、特別可変入賞球装置22において開放状態となった大入賞口24を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出されるようになっている。
なお、普通可変入賞装置21が有する第2始動入賞口13bが開放状態であることを単に普通可変入賞装置21が開放状態であるという場合があり、普通可変入賞装置21が有する第2始動入賞口13bが閉鎖状態であることを単に普通可変入賞装置21が閉鎖状態であるという場合がある。同様に、特別可変入賞球装置22が有する大入賞口24が開放状態であることを単に特別可変入賞球装置22が開放状態であるという場合があり、特別可変入賞球装置22が有する大入賞口24が閉鎖状態であることを単に特別可変入賞球装置22が閉鎖状態であるという場合がある。
また、特別可変入賞球装置22は、普通可変入賞装置21の上方右方位置に設けられていると説明したが、より詳細には、特別可変入賞球装置22が閉鎖状態であるときに特別可変入賞球装置22の底面部材上を流下した遊技球が普通可変入賞装置21の底面部材23上を流下するように、特別可変入賞球装置22と普通可変入賞装置21の両方が、遊技領域10の左右方向中央よりも右側に設けられていればよい。
演出表示装置11の左方位置には、ゲート33が設けられている。更に詳しくは、ゲート33は、特別可変入賞球装置22の上方位置に設けられている。なお、ゲート33は、遊技領域10の右側(すなわち、後述するルートR2)を通る全ての遊技球が通過するように設けられていてもよい。また、ゲート33の周囲には、多数の釘34が植設されている。これらの釘34は、ゲート33や特別可変入賞球装置22に遊技球を案内したり、大入賞口24に入賞せずに特別可変入賞球装置22を通過した遊技球を普通可変入賞装置21に案内したりするために植設されている。なお、遊技領域10における他の領域においても、遊技球を普通入賞装置20などに案内するための釘が設けられている。
また、演出表示装置11の周囲には飾り枠体35が設けられている。飾り枠体35は、図示省略するランプや可動物を備えており、演出表示装置11の可変表示とともにランプや可動物を作動させることで演出を行う。飾り枠体35は、右側の外周部が遊技領域10の右側周縁部に沿う弧状に形成され、この遊技領域10の右側周縁との間に遊技球の右側通過領域36を画成している。これにより、このパチンコ遊技機1では、右側通過領域36を通過した遊技球を、特別可変入賞球装置22や普通可変入賞装置21に案内することが可能となっている。
また、遊技領域10の下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口28が設けられている。さらに、遊技領域10の外側の左右上下部には、効果音を発する4つのスピーカ29が設けられている。さらにまた、遊技領域10の外周には、天枠ランプ30a、左枠ランプ30bおよび右枠ランプ30cが設けられている。天枠ランプ30a、左枠ランプ30bおよび右枠ランプ30cは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
また、図1では、図示を省略しているが、左枠ランプ30bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球ランプが設けられ、天枠ランプ30aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプが設けられている。なお、賞球ランプおよび球切れランプは、賞球の払出中である場合や球切れが検出された場合に、演出制御基板に搭載された演出制御用マイクロコンピュータによって点灯制御される。さらに、特に図示はしないが、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置される。
遊技領域10おける遊技球の通過ルート、および該通過ルートと打球操作ハンドル8の操作方法について説明すると、このパチンコ遊技機1では、打球操作ハンドル8の操作によって発射された遊技球が、飾り枠体35の左右のいずれか一方のルートを通るようになっている。図1において、R1は、飾り枠体35の左方に規定されるルートを示し、R2は飾り枠体35の右方に規定されるルートを示している。なお、ルートR2は、右側通過領域36を通過するルートである。つまり、遊技球は、ルートR1およびルートR2のいずれかのルートを通って、遊技領域10の下方に流下することになる。
一般に、遊技球がルートR1を通って遊技領域10の下方に流下するように遊技球を発射することを、「左打ち」といい、これに対して、遊技球がルートR2を通って遊技領域10の下方に流下するように遊技球を発射することを、「右打ち」という。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技領域10において左右方向中央よりも右側に特別可変入賞球装置22や普通可変入賞装置21やゲート33が設けられているため、ルートR2を通る遊技球は、ルートR1を通る遊技球に比べ、大入賞口24や第2始動入賞口13bに入賞する可能性が高くなっている。一方で、普通可変入賞装置21は、釘34によって案内される特別可変入賞球装置22よりも上側の位置に設けられているため、ルートR2を通る遊技球は、ルートR1を通る遊技球に比べ、第1始動入賞口13aに入賞する可能性が低くなっている。また、詳細は後述するが、パチンコ遊技機1が高ベース状態(詳細は後述)であるときには、普通可変入賞装置21は開放状態になり易く、パチンコ遊技機1が低ベース状態(詳細は後述)であるときには普通可変入賞装置21は開放状態になり難い。本実施形態では、高ベース状態であるときに右打ちをすれば高頻度で開放状態となるように制御するとともに、低ベース状態であるときには開放状態とならないように制御している(図35参照)。
従って、低ベース状態では左打ちが好ましく、高ベース状態では右打ちが好ましい。つまり、低ベース状態であるときに右打ちをしても第1始動入賞口13aにも第2始動入賞口13bにも遊技球が入賞し難く、また、低ベース状態であっても高ベース状態であっても右打ちよりも左打ちの方が第1始動入賞口13aに遊技球が入賞し易い。よって、低ベース状態であるときには右打ちよりも左打ちが遊技者にとって有利である。一方、高ベース状態であるときに右打ちをすれば上述したように普通可変入賞装置21が高頻度で開放状態となるため、左打ちをして第1始動入賞口13aに遊技球を入賞させるよりも右打ちをして第2始動入賞口13bに遊技球を入賞させる方が容易である。よって、高ベース状態であるときには左打ちよりも右打ちが遊技者にとって有利である。また、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態であるときには、遊技球が大入賞口24に入賞し易い右打ちをすればよい。
左打ちまたは右打ちの打ち分けは、打球操作ハンドル8を調整して行われる。打球操作ハンドル8は、遊技者に回転操作されることで、遊技球を発射し、操作角度に応じて遊技球の発射速度の調整を行う構造となっている。また、打球操作ハンドル8は、遊技球が発射可能な操作角度で操作が維持された場合には、遊技球を一定の発射間隔(例えば、0.6秒毎に発射する発射間隔)で連続して発射するように構成されている。そして、打球操作ハンドル8は、操作角度を所定角度範囲内に規制されており、略最大角度まで操作されて場合に、右打ちの状態となるように調整されている。なお、特定の遊技状態となった際に、演出表示装置11において、遊技者が右打ちをするように促す表示をするのが好ましい。
遊技者の操作により、図示省略する打球発射装置(単に発射装置という場合もある)から発射された遊技球は、遊技領域10の左側に形成された発射球案内通路(図示略)を通って遊技領域10に入り、その後、遊技領域10を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器12aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置11において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13aへの入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
また、遊技球が第2始動入賞口13bに入り第2始動口スイッチ15aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器12bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置11において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口13bへの入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器12aにおける第1特別図柄の可変表示及び第2特別図柄表示器12bにおける第2特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置22が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する開放制御が行われる。開放制御は、所定回(所定ラウンド、例えば15ラウンド)継続する。遊技者は、この大当り遊技状態では、右打ちをすることで、遊技球を大入賞口24に入賞させる可能性を高めることができる。
ここで、演出表示装置11に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア11L、11C、11Rでは、第1特別図柄表示器12aにおける第1特図を用いた特図ゲーム(第1特図ゲーム)と、第2特別図柄表示器12bにおける第2特図を用いた特図ゲーム(第2特図ゲーム)とのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示(変動表示)が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア11L、11C、11Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置11の表示領域にて仮停止表示された飾り図柄が大当り組み合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア11L、11C、11Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組み合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリアなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア11L、11C、11Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
停止時の第1特別図柄表示器12aまたは第2特別図柄表示器12bにおける特別図柄が大当り図柄のうちのあらかじめ定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後に大当りとすると判定される確率が、通常状態(低確状態や低確率状態や非確変状態と称する場合もある)であるときに比べて高くなる確率変動状態(確変状態:高確状態や高確率状態と称する場合もある)という遊技者にとって有利な状態になる。本実施形態では、大当り遊技状態後に高確状態となるときには(確変大当り図柄による大当り遊技状態が終了したときには)、時短状態(特別図柄および飾り図柄の変動時間が短縮される状態)に制御される。高確状態における時短状態は、高確状態と同様、次の大当りが発生するまで継続する。
一方、第1特別図柄表示器12aまたは第2特別図柄表示器12bにおける特別図柄が大当り図柄のうちのあらかじめ定められた確変大当り図柄でない場合には、大当り遊技状態後に大当りとすると判定される確率が、低確状態となる。本実施形態では、大当り遊技状態後に低確状態となるときには(確変大当り図柄による大当り遊技状態が終了したときには)、時短状態(特別図柄および飾り図柄の変動時間が短縮される状態)に制御される。低確状態における時短状態は、特別図柄の変動(可変表示)が所定回数(例えば、100回)行なわれるまで継続する(但し、次の大当りが発生した場合には終了する)。
また、本実施形態では、時短状態(高確状態における時短状態、低確状態における時短状態)において、普通図柄表示器26における停止図柄が当り図柄になる確率(普図当りとなる確率)を通常状態よりも高くしている。なお、時短状態(高確状態における時短状態、低確状態における時短状態)において、上述の制御(普通図柄表示器26における停止図柄が当り図柄になる確率を通常状態よりも高くする制御)に替えてまたは加えて、普通図柄表示器26の変動時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を通常状態よりも短くする制御や、停止図柄が当り図柄となったときに普通可変入賞装置21を開放状態とするときの1回当りの開放時間を通常状態よりも長くする制御や、停止図柄が当り図柄となったときに普通可変入賞装置21を開放状態とする開放回数を通常状態よりも多くする制御のうちの一部または全部を行ってもよい。
本実施形態では、上述の、普通図柄表示器26における停止図柄が当り図柄になる確率を通常状態よりも高くする制御や、普通図柄表示器26の変動時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を通常状態よりも短くする制御や、停止図柄が当り図柄となったときに普通可変入賞装置21を開放状態とするときの1回当りの開放時間を通常状態よりも長くする制御や、停止図柄が当り図柄となったときに普通可変入賞装置21を開放状態とする開放回数を通常状態よりも多くする制御のうち少なくとも1つの制御が行われる遊技状態を、高ベース状態(または高頻度状態)と称する。また、上述の、いずれの制御も行われない遊技状態を、低ベース状態(または低頻度状態)と称する。
本実施形態では、高確状態であるときや、所定回数(例えば、100回)の特別図柄等の変動が行なわれるまでの低確状態(通常状態)であるときには、高ベース状態かつ時短状態に制御されるため、右打ちをすれば高頻度に普通可変入賞装置21に遊技球が入賞し、第2特図ゲームが快適に実行(消化)される。つまり、次回の大当りとなるまでの時間を短くすることができる。
なお、本実施形態では、時短状態とともに高ベース状態に制御されるようにしているが、時短状態とは独立して高ベース状態に制御されるようにしてもよい。但し、高ベース状態であるが時短状態でないときには、右打ちをすれば高頻度に普通可変入賞装置21に遊技球が入賞するものの、高ベース状態かつ時短状態であるときに比べ、第2特図ゲームが快適に実行され難くなる(例えば、第2保留記憶数が一時的に少なくなった場合には第2特図ゲームの実行時間が長くなる)ため、本実施形態の如く、時短状態とともに高ベース状態に制御されるようにするとよい。
次に図2〜図7は、普通可変入賞装置21を示す図である。以下では、図2〜図7を
参照して普通可変入賞装置21について説明する。
図2〜図5に示すように、普通可変入賞装置21は、左右方向に長い矩形板状のベース板部101を備えている。普通可変入賞装置21は、このベース板部101が遊技領域10に例えば螺子などで固定されることで、遊技領域10に固定支持される。ベース板部101の略中央領域には、前方に向けて開口する第2始動入賞口13bが形成されるとともに、ベース板部101における第2始動入賞口13bよりも上方の位置には、底面部材23が後退移動した際に、底面部材23を遊技領域10の背面側(後方)に収容するための左右方向に長いスリット状の収容孔102が形成されている。なお、本実施形態において第2始動入賞口13bは詳しくは、ベース板部101の左右方向中央よりやや左側に形成されているが、これよりも左または右であってもよい。
底面部材23は、右方からその上面に進入した遊技球を、左方に向けて流下させるように、左下がり傾斜し、収容孔102は、底面部材23の傾斜に沿うように、左下がり傾斜するように形成されている。底面部材23は、図3に示す前進移動された状態と、図4に示す後退移動した状態と、に進退移動可能とされており、図5および図6を参照し、ベース板部101の背面側(後方)には、底面部材23を進退移動させる駆動装置103が配置されている。
駆動装置103は、ベース板部101の背面に一体形成された収容部104(図5において、説明便宜上、二点鎖線で示す。)に収容され、この収容部104は、遊技領域10に形成された図示省略する孔に挿通されて、遊技領域10の後方内部に収容されるように配置されている。なお、本実施形態において収容部104は、ベース板部101に一体形成されるが、別体でベース板部101に固定されるものであってもよい。
駆動装置103は、プランジャ105を前後方向に進退移動させるソレノイド16と、プランジャ105の先端部に、一端部を上下方向を軸中心として回動可能に支持されるとともに他端を右方に延ばし、その中央部に枢支孔107が形成された第1アーム部108と、第1アーム部108の先端部に形成された長孔109に挿通される軸部110を一端部に有するとともに、他端部を底面部材23の後部に固定させた前後方向に延在する第2アーム部111と、を備えている。
ソレノイド16は、主基板40からの指令に基づき駆動し、第1アーム部108の枢支孔107には、上下方向が軸中心となるように図示省略する枢軸(例えば、収容部104に形成される)が挿通される。これにより、プランジャ105の進退移動に伴い、第1アーム部108が枢支孔107を軸中心に揺動し、長孔109が形成された側の端部が前後方向に揺動する。そして、第2アーム部111は、軸部110が長孔109の長手方向に相対移動可能に挿通されることで、第1アーム部108の揺動に応じて長孔109から前後方向に沿った作用力を付与されることになり、底面部材23を前後方向に沿って進退移動させることが可能となっている。
図6は、普通可変入賞装置21の開閉を切り替える駆動装置103の斜視図である。図6(A)は閉鎖状態における斜視図、図6(B)は開放状態における斜視図である。本実施形態では、図6(A)に示すように、プランジャ105が後方に向けて推進した状態で、底面部材23が前進移動した状態となる一方で、図6(B)に示すように、図6(A)の状態からプランジャ105を縮退させることで、第1アーム部108が枢支孔107を軸中心に揺動して、長孔109が形成された側の端部が後方に移動する。これにより、第2アーム部111が後方に引かれることで、底面部材23が後退移動した状態となり、逆の動作によって、底面部材23が前進移動した状態となる。
なお、仮に底面部材23がベース板部101よりも深い位置まで後退移動した場合、ベース板部101の収容孔102の位置からずれてしまい、底面部材23を前進移動させようとしたときに収容孔102の淵に引っかかるなどして適正に収容孔102から前進移動しない虞がある。そこで、以下のように構成することで対策を講じることとしてもよい。
まず、第1の構成例として、底面部材23がベース板部101よりも深い位置まで後退移動することを抑制するストッパ部材を設けることとしてもよい。例えば、第2アーム部111の前後方向に長孔部を形成し、該長孔部にストッパ部材としての突起部を挿通して固定し、底面部材23を適切な位置まで後退移動させたときに該突起部が該長孔部の前端部に当接することにより、底面部材23がベース板部101よりも深い位置まで後退移動することを抑制することとしてもよい。また、第2の構成例として、底面部材23がベース板部101よりも深い位置まで後退移動した場合であっても、適正に前進移動させるよう底面部材23を誘導する誘導部(誘導リブ)をベース板部101の裏面や収容部104に設けることとしてもよい。これら第1の構成例および第2の構成例のうち、いずれか一方の構成例を適用することとしてもよいし、両方の構成例を適用することとしてもよい。
図2〜図4に戻り、ベース板部101の正面側には、前方に向けて突出した流路形成台部112が形成されており、この流路形成台部112の上部には、前進移動した状態の底面部材23の上方側端部(右端部)である上流領域23Uと底面部材23の長手方向で連なり、底面部材23とともに遊技球の流路を形成する上流側流路部113と、底面部材23の下方側端部(左端部)である下流領域23Lと底面部材23の長手方向で連なり、底面部材23とともに遊技球の流路を形成する下流側流路部114と、が形成されている。
また、流路形成台部112の上部には、上流側流路部113および下流側流路部114の底面部材23側の端部から下方に凹み、正面視で、第2始動入賞口13bを左右および下方から囲うようにして、底面部材23の下方に落下した遊技球を第2始動入賞口13bに案内する案内流路部115が形成されている。
上流側流路部113および下流側流路部114は、遊技球を左方に流下させるべく左下がりに傾斜するように形成されている。また、案内流路部115の底部は、第2始動入賞口13b側に向けて左下がりに延びるとともに、第2始動入賞口13bの前方の位置で凹んでいる。そして、案内流路部115の底部において上記凹んだ空間には、遊技球を第2始動入賞口13b側(遊技領域10の背面側)に向けて後方に案内する三角形状のガイド部116が配設されている。
またさらに、流路形成台部112の前部(遊技者側)には、上流側流路部113、下流側流路部114および案内流路部115を前方から覆う被覆部117が一体に形成されている。この被覆部117は、上流側流路部113、下流側流路部114および案内流路部115を前方から覆うことで、これら各流路部を流下する遊技球がガラス扉枠4側に跳ねてしまうことを防ぐ機能を有している。なお、本実施形態では、被覆部117が流路形成台部112に一体形成されるが、別体で固定されるものでもよい。
普通可変入賞装置21では、ベース板部101と被覆部117との間において、上流側流路部113、底面部材23、および下流側流路部114からなる、左右方向に連なる遊技球の流路Fが形成される。ここで、本実施形態では、ベース板部101および被覆部117に、流路Fを流下する遊技球の流下速度を低下させる複数の規制片118が形成されている。
本実施形態において、規制片118は、ベース板部101および被覆部117に一体形成され、ベース板部101から前方に突出する、または被覆部117から後方に突出するリブ状に形成され、遊技球に干渉することで、左方に向けて流下する遊技球を前後方向成分の動きをもって蛇行するように、遊技球の流下方向を変更させて、その流下にかかる時間を、規制片118がない場合よりも遅延させる。これら規制片118は、流路Fにおける遊技球の流下方向で、所定間隔を空けて並ぶように形成され、かつベース板部101および被覆部117に交互に形成されている。また、規制片118は、底面部材23の前後方向幅の1/3〜1/4程度の幅寸法に設定され、かつ隣接するもの同士の間に遊技球が通過可能な幅寸法に設定されている。さらに詳しくは、本実施形態では、被覆部117のうちの上流側流路部113を前方から覆う部位に、規制片118が1つ形成されるとともに、被覆部117のうちの下流側流路部114を前方から覆う部位に、規制片118が1つ形成されている。また、ベース板部101および被覆部117のうちの底面部材23を覆う部位には、ベース板部101および被覆部117に交互に形成された規制片118が合計5つ形成されている。なお、このような規制片118の数は、特段限定されるものではない。また、本実施形態では、規制片118の大部分が、前方(遊技者側)から被覆部117によって覆われるようになっている。
以上のような規制片118の配置により、図3および図5に示すように、本実施形態の普通可変入賞装置21では、流路Fを流下しようとする遊技球Pが、流路F上を蛇行するようにして流下することになる。そして、このような流路Fが形成される普通可変入賞装置21の閉鎖状態では、遊技球Pが第2始動入賞口13bに入賞せずに、普通可変入賞装置21を基本的に通過する。一方で、図4を参照し、底面部材23が後退移動した普通可変入賞装置21の開放状態では、遊技球Pが、流路形成台部112の案内流路部115に落下することが可能となり、この案内流路部115を流下して、第2始動入賞口13bに入賞することが可能となる。
図7は、遊技球が普通可変入賞装置21を流下する時間と、普通可変入賞装置21の閉鎖時間との関係を説明する説明図である。図7(A)は遊技球が底面部材23における上流領域23Uから下流領域23Lへの流下にかかる時間(以下、流下時間)を示している。図7(B)は、高ベース時における、普通可変入賞装置21の開閉動作の一例を示している。
図7(A)において、Ta(s)は、遊技球Pの流下時間を示している。流下時間Ta(s)は、規制片118により遅延された遊技球Pが、底面部材23上を通過し終えるのに要する時間である。一方、図7(B)において、Tin(s)は、普通可変入賞装置21の閉鎖時間を示している。閉鎖時間Tin(s)は、普通可変入賞装置21を開放状態から閉鎖状態に変化させたあと、再度開放状態に変化させるまでの時間である。なお、閉鎖時間Tin(s)は、普通図柄表示器26において当り図柄が連続して停止表示されるときの閉鎖時間を表している。すなわち、普通可変入賞装置21は、普通図柄表示器26において普通図柄の当り図柄が停止表示された場合に閉鎖状態から開放状態に制御され、普通図柄表示器26において普通図柄のはずれ図柄が停止表示された場合には開放状態に制御されないが、上述の閉鎖時間Tin(s)は、開放状態から閉鎖状態に制御されたときに可変表示が直ちに開始され再度当り図柄が停止表示され開放状態に制御される場合における、閉鎖時間を表したものである。
本実施形態では、図7(A)(B)に示すように、流下時間Ta(s)>閉鎖時間Tin(s)の関係が成り立つようにしている。具体的には、閉鎖時間Tin(s)は0.3秒とし、流下時間Ta(s)が当該0.3秒よりも長い約0.8秒となるように調整されている。流下時間Ta(s)を約0.8秒となるように調整する手段として種々の手段が考えられるが、例えば、上流領域23Uに達する際の遊技球の平均的な速度や、底面部材23の長さ、幅、底面部材23の傾斜角度、規制片118の数、配置、形状などを調整し、流下時間Ta(s)の平均値が0.8秒となるようにすればよい。また、底面部材23上の上流領域23Uから下流領域23Lへ蛇行して流下する遊技球の流下距離を、上流領域23Uに達する際の遊技球の平均的な速度で除することなどにもとづいて規制片118の数や配置を演算的に決定したりしてもよい。
本実施形態では、流下時間Ta(s)を0.8秒、閉鎖時間Tin(s)を0.3秒としているため、普通図柄表示器26において当り図柄が連続して停止表示されるような状態(具体的には、高ベース状態)であるときには、遊技球が底面部材23上を通過し終えるのは不可能または非常に困難である。換言すれば、普通図柄表示器26において当り図柄が連続して停止表示されるような状態であるときには、上流領域23Uに達した遊技球のほぼ全部が、第2始動入賞口13bに入賞する。
なお、詳細は後述するが、普通図柄通常処理(図34参照)のステップS5128にてセットされる普通図柄変動時間(0.2秒)と、普通図柄変動処理(図36参照)のステップS5142にてセットされる普通図柄停止図柄表示時間(0.1秒)とを合計した合計時間(0.3秒)が、閉鎖時間Tin(s)に相当する。
なお、本実施形態では、遊技球が普通可変入賞装置21を流下する流下時間Ta(s)と同様に、遊技球が特別可変入賞球装置22を流下する流下時間も、約0.8秒となるように調整されている。また、ラウンド間の閉鎖時間(インターバル期間)を0.6秒としているため(図15、図16参照)、インターバル期間において、遊技球が特別可変入賞球装置22の底面部材上を通過し終え難くなっている。換言すれば、インターバル期間中に、特別可変入賞球装置22の底面部材の上流領域に達した遊技球は、大入賞口24に入賞し易くなっている。
また、本実施形態では、上述したように、特別可変入賞球装置22が閉鎖状態であるときに特別可変入賞球装置22の底面部材上を流下した遊技球が普通可変入賞装置21の底面部材23上を流下するように、特別可変入賞球装置22と普通可変入賞装置21とが設けられているため、例えば、遊技球が、特別可変入賞球装置22に続いて普通可変入賞装置21を流下し終えるのに必要な時間は、夫々の流下時間を合計した約1.6秒である。但し、上記約1.6秒は、特別可変入賞球装置22の下流領域を流下した遊技球が直ちに普通可変入賞装置21の上流領域23Uに流下する場合の時間であり、遊技球が、特別可変入賞球装置22の下流領域〜普通可変入賞装置21の上流領域23Uの間を流下する時間は含まれていない。以下の説明では、例えば、特別可変入賞球装置22と普通可変入賞装置21の位置は非常に近接しており、特別可変入賞球装置22の下流領域〜普通可変入賞装置21の上流領域23Uの間を遊技球が流下する時間はほぼ無視できるものとする。すなわち、以下の説明では、遊技球が特別可変入賞球装置22に続いて普通可変入賞装置21を流下し終えるのに必要な時間は約1.6秒であるものとする。
図8は、主基板(遊技制御基板)40における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図8は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板40には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。本実施形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路60が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の内部状態(制御状態)に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の内部状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、内部状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、内部状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、本実施形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板40以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路60は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路60は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路60は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路60が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路60が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路60が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ33a、第1始動口スイッチ14a、第1入賞確認スイッチ14b、第2始動口スイッチ15a、第2入賞確認スイッチ15b、カウントスイッチ25、および第3入賞確認スイッチ25bからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板40に搭載されている。また、普通可変入賞装置21を開閉するソレノイド16、および特別可変入賞球装置22を開閉するソレノイド106を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板40に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器12a、第2特別図柄表示器12b、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器26および普通図柄保留記憶表示器27の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板91を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板40に搭載されている。
本実施形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置11の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板41を介して、枠側に設けられている天枠LED30a、左枠LED30b、右枠LED30cの表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ29からの音出力の制御を行う。
図9は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板41および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図9に示す例では、ランプドライバ基板41および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板41および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU201、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ200を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。本実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ200におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU201は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板40からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ202および入力ポート203を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU201は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)209に演出表示装置11の表示制御を行わせる。
本実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ200と共動して演出表示装置11の表示制御を行うVDP209が演出制御基板80に搭載されている。VDP209は、演出制御用マイクロコンピュータ200とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP209は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置11に出力する。
演出制御用CPU201は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP209に出力する。CGROMは、演出表示装置11に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP209は、演出制御用CPU201の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP209は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ202に入力する。入力ドライバ202は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板40から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図9には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板40から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板40の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板40の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図8に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU201は、出力ポート205を介してランプドライバ基板41に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU201は、出力ポート204を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板41において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて天枠LED30a、左枠LED30b、右枠LED30cなどの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ29に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に遊技機の動作について説明する。図10は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
続いて、CPU56は、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS5)。ステップS5の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
本実施形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
続いて、CPU56は、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板40)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
続いて、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU56は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。本実施形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の内部状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の内部状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。本実施形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定する(ステップS43)。また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS44)。そして、ステップS15に移行する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど内部状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置11に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。
また、CPU56は、乱数回路60を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。
そして、CPU56は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS16)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。本実施形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、まず、割込禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS19)。すなわち、CPU56は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、遊技状態を確変状態に移行させるかを決定するための確変決定用乱数、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当り判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている演出表示装置11、普通可変入賞装置21、特別可変入賞球装置22、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数とは、特別図柄表示器(第1特別図柄表示器12a、第2特別図柄表示器12b)の表示を決定するための乱数である。本実施形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数や、大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数が用いられる。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS26、S27でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS18a、S18bの処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS18a、S18bの処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、タイマ割込処理について説明する。図11は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。そして、CPU56は、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ33a、第1始動口スイッチ14a、第1入賞確認スイッチ14b、第2始動口スイッチ15a、第2入賞確認スイッチ15b、カウントスイッチ25、および第3入賞確認スイッチ25b等のスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、CPU56は、特別図柄表示器(第1特別図柄表示器12a、第2特別図柄表示器12b)、普通図柄表示器26、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器27の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器(第1特別図柄表示器12a、第2特別図柄表示器12b)および普通図柄表示器26については、ステップS36、S37で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
続いて、CPU56は、大入賞口24への異常入賞の発生を検出して異常報知を行うための入賞報知処理を実行する(ステップS24)。
ステップS24の後、CPU56は、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS25)。また、CPU56は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS26)。さらに、CPU56は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS27)。
続いて、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS29)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器26の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
続いて、CPU56は、特別図柄の変動に同期する演出図柄に関する演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に対して送信する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS30)。なお、演出図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
続いて、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される始動口信号、図柄確定回数1信号、図柄確定回数2信号、大当り1〜3信号、時短信号などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS31)。
また、CPU56は、ゲートスイッチ33a、第1始動口スイッチ14a、第1入賞確認スイッチ14b、第2始動口スイッチ15a、第2入賞確認スイッチ15b、カウントスイッチ25、および第3入賞確認スイッチ25bの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。具体的には、ゲートスイッチ33a、第1始動口スイッチ14a、第1入賞確認スイッチ14b、第2始動口スイッチ15a、第2入賞確認スイッチ15b、カウントスイッチ25、および第3入賞確認スイッチ25bのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
また、遊技機の状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。また、本実施形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート0のRAM領域におけるソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS34:出力処理)。そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS35)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS37)。
続いて、CPU56は、各状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS38)。この場合、遊技状態が高確率状態(例えば、確変状態)にも制御される場合には、高確率状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定するようにしてもよい。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS39)、処理を終了する。
以上の制御によって、本実施形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S39(ステップS31、S33を除く。)の処理に相当する。また、本実施形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器12aまたは第2特別図柄表示器12bおよび演出表示装置11にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器12aまたは第2特別図柄表示器12bおよび演出表示装置11にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
本実施形態では、第1特別図柄表示器12aまたは第2特別図柄表示器12bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置11における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
図12は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図12に示すように、本実施形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図12に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチしない場合に使用される非リーチPA1−2の変動パターンは、短縮変動用の変動パターンであり、演出図柄の変動時間が短い時間(本例では、1.5秒)に短縮される。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図12に示すように、本実施形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4の変動パターンが用意されている。
また、図12に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。
なお、本実施形態では、図12に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3、4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図13は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当りA、確変大当りB)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、本実施形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、本実施形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
図11に示された遊技制御処理におけるステップS25では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、本実施形態では、大当り判定用乱数(ランダムR)として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図14(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(すなわち、確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態(高確状態)において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。すなわち、遊技状態に応じて、通常時大当り判定テーブルまたは確変時大当り判定テーブルのいずれかを用いて、大当りにするか否かを決定する。
通常時大当り判定テーブルには、遊技状態が通常状態であるときの大当り判定値が設定されている。確変時大当り判定テーブルには、遊技状態が確変状態であるときの大当り判定値が設定されている。本実施形態では、通常時大当り判定テーブルには、遊技状態が通常状態であるときの大当り判定値として、図14(A)の左欄に記載されている各数値(「1020」〜「1079」、「13320」〜「13477」)が設定され、確変時大当り判定テーブルには、遊技状態が確変状態であるときの大当り判定値として、図14(A)の右欄に記載されている各数値(「1020」〜「1519」、「13320」〜「15004」)が設定されている。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路60のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図14(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当りA、確変大当りB)にすることに決定する。なお、ランダムRの値の個数は65536(「0」〜「65535」)であるものとし、図14(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示している。また、大当りにするか否かを決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否かを決定するということであるが、第1特別図柄表示器12aまたは第2特別図柄表示器12bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否かを決定するということでもある。
図14(B)、図14(C)は、大当り種別判定テーブルを示す説明図である。大当り種別判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1と比較される大当り種別判定値が設定されているテーブルである。図14(B)は、遊技球が第1始動入賞口13aに入賞したことにもとづく大当り(第1特図ゲームにおける大当り)において用いられる大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。図14(C)は、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞したことにもとづく大当り(第2特図ゲームにおける大当り)において用いられる大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。すなわち、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときには、第1特図ゲームによる大当りであるか第2特図ゲームによる大当りであるかに応じて、大当り種別判定テーブル131aまたは大当り種別判定テーブル131bのいずれかを用いて、大当り種別を決定する。
本実施形態では、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aには、図14(B)に示すように、通常大当りに対応する大当り種別判定値として10個の判定値(「0」〜「9」)が設定され、確変大当りAに対応する大当り種別判定値として20個の判定値(「10」〜「29」)が設定され、確変大当りBに対応する大当り種別判定値として10個の判定値(「30」〜「39」)が設定されている。また、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bには、図14(C)に示すように、通常大当りに対応する大当り種別判定値として10個の判定値(「0」〜「9」)が設定され、確変大当りAに対応する大当り種別判定値として25個の判定値(「10」〜「34」)が設定され、確変大当りBに対応する大当り種別判定値として5個の判定値(「35」〜「39」)が設定されている。従って、本実施形態では、例えば、第1始動入賞口13aに始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合よりも、第2始動入賞口13bに始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合の方が、確変大当りAと決定される割合が高い。
「確変大当りA」とは、いずれのラウンドにおいても特別可変入賞球装置22を27秒開放状態とする15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確状態)に移行させる大当りである(本実施形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する。また、上述したように、時短状態に制御されているときには高ベース状態(高頻度状態)にも制御されるため、確変大当りAの大当り遊技状態の終了後は、次の大当りが発生するまで、高ベース状態が継続する。
「確変大当りB」とは、いずれのラウンドにおいても特別可変入賞球装置22を27秒開放状態とする8ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確状態)に移行させる大当りである(本実施形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する。また、上述したように、時短状態に制御されているときには高ベース状態(高頻度状態)にも制御されるため、確変大当りBの大当り遊技状態の終了後は、次の大当りが発生するまで、高ベース状態が継続する。
「通常大当り」とは、いずれのラウンドにおいても特別可変入賞球装置22を27秒開放状態とする15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に、可変表示を所定回(100回)実行するまで継続する時短状態に移行させる大当りである。また、上述したように、時短状態に制御されているときには高ベース状態(高頻度状態)にも制御されるため、通常大当りの大当り遊技状態の終了後は、可変表示を所定回(100回)実行するまで高ベース状態が継続する。
CPU56は、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値が、通常大当り、確変大当りA、確変大当りBのいずれかの大当り種別判定値に一致すると、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する大当り種別とすることに決定する。
なお、本実施形態では、大当り種別として、通常大当り、確変大当りA、確変大当りBを設けているが、他の大当り種別(例えば、10R確変大当り、10R通常大当り等)を設けてもよい。また、一部または全部のラウンドにおける特別可変入賞球装置22の開放時間が極めて短い時間(例えば0.1秒間)である大当り種別を設けてもよい。また、大当り種別は、1種類または2種類であってもよいし、4種類以上であってもよい。
次に、特別可変入賞球装置22の開閉時間(開放時間、閉鎖時間)のパターンである開放パターン(開閉パターンともいう)を説明する。図15は、通常大当りおよび確変大当りAにおける、特別可変入賞球装置22の開放パターンを示す説明図である。図15(A)は、ファンファーレ時間(ファンファーレ演出の実行期間、ファンファーレ期間ともいう場合がある。)〜エンディング時間(エンディング演出を実行する期間。エンディング期間ともいう場合がある。)における、特別可変入賞球装置22の開放パターンを示している。図15(B)は、図15(A)の一部(15ラウンド目〜エンディング時間)を詳細に示したものである。
図15(A)、図15(B)おいて、TFは、ファンファーレ時間であって、本実施形態では10.0秒としている。TK1〜TK15は、1ラウンド目〜15ラウンド目の各開放時間であって、本実施形態では27.0秒としている。TH1〜TH14は、1ラウンド目〜15ラウンド間の各閉鎖時間(インターバル期間)であって、本実施形態では0.6秒としている。TH15は、15ラウンド目後の閉鎖時間であって、本実施形態では0.1秒としている。TEは、エンディング時間であって、本実施形態では0.9秒としている。
図15(A)、図15(B)に示すように、通常大当りや確変大当りAとなった場合、10秒間のファンファーレ演出が実行され、当該期間中、特別可変入賞球装置22は閉鎖状態に維持される。続く1ラウンド目〜14ラウンド目の各ラウンドでは、特別可変入賞球装置22は、27秒間開放状態に制御された後、0.6秒間閉鎖状態に制御される。最終ラウンドである15ラウンド目では、特別可変入賞球装置22は、27秒間開放状態に制御された後、0.1秒間閉鎖状態に制御される。当該0.1秒間閉鎖状態の後は、次の大当りとなるまで、特別可変入賞球装置22は閉鎖状態に制御されたままであるが、当該0.1秒間に続く0.9秒間はエンディング演出が実行される。
なお、図7において、普通可変入賞装置21の底面部材23上を遊技球が流下する流下時間Ta(s)は0.8秒であると説明したが、特別可変入賞球装置22も普通可変入賞装置21と同様の構成であるため、特別可変入賞球装置22の底面部材上を遊技球が流下する流下時間もまた0.8秒である。また、ラウンド間のインターバル時間は0.6秒である。従って、通常大当りや確変大当りAとなった場合のインターバル期間中に、遊技球が底面部材上を流下し終えるのは困難であり、底面部材上を流下するほぼ全ての遊技球が大入賞口24に入賞する。
図16は、確変大当りBにおける、特別可変入賞球装置22の開放パターンを示す説明図である。図16(A)は、ファンファーレ時間〜エンディング時間における、特別可変入賞球装置22の開放パターンを示している。図16(B)は、図16(A)の一部(8ラウンド目〜エンディング時間)を詳細に示したものである。
図16(A)、図16(B)おいて、TFは、ファンファーレ時間であって、本実施形態では10.0秒としている。TK1〜TK8は、1ラウンド目〜8ラウンド目の各開放時間であって、本実施形態では27.0秒としている。TH1〜TH7は、1ラウンド目〜7ラウンド間の各閉鎖時間(インターバル期間)であって、本実施形態では0.6秒としている。TH8は、8ラウンド目後の閉鎖時間であって、本実施形態では0.1秒としている。TEは、エンディング時間であって、本実施形態では0.9秒としている。
図16(A)、図16(B)に示すように、確変大当りBとなった場合、10秒間のファンファーレ演出が実行され、当該期間中、特別可変入賞球装置22は閉鎖状態に維持される。続く1ラウンド目〜7ラウンド目の各ラウンドでは、特別可変入賞球装置22は、27秒間開放状態に制御された後、0.6秒間閉鎖状態に制御される。最終ラウンドである8ラウンド目では、特別可変入賞球装置22は、27秒間開放状態に制御された後、0.1秒間閉鎖状態に制御される。当該0.1秒間閉鎖状態の後は、次の大当りとなるまで、特別可変入賞球装置22は閉鎖状態に制御されたままであるが、当該0.1秒間に続く0.9秒間はエンディング演出が実行される。
なお、通常大当りや確変大当りAとなった場合と同様、確変大当りBとなった場合についてもラウンド間のインターバル時間は0.6秒である。従って、通常大当りや確変大当りAとなった場合のインターバル期間中と同様、確変大当りBとなった場合のインターバル期間中にも、遊技球が底面部材上を流下し終えるのは困難であり、底面部材上を流下するほぼ全ての遊技球が大入賞口24に入賞する。
図17および図18は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図17および図18に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置11において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ200は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置11において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ200は、コマンド8C01(H)〜8C04(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C04(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ200は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。本実施形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンドのいずれかが用いられる。具体的には、確変大当り(確変大当りAまたは確変大当りB)である場合には大当り開始1指定コマンド(A001(H))が用いられ、通常大当りである場合には大当り開始2指定コマンド(A002(H))が用いられる。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。
コマンドA301(H)、A302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド、大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、大当り終了1指定コマンド(A301(H))は、確変大当り(確変大当りAまたは確変大当りB)による大当り遊技を終了する場合に用いられる。大当り終了2指定コマンド(A302(H))は、通常大当りによる大当り遊技を終了する場合に用いられる。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ200(具体的には、演出制御用CPU201)は、主基板40に搭載されている遊技制御用マイクロコンピータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図17および図18に示された内容に応じて演出表示装置11の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器12aまたは第2特別図柄表示器12bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する。
本実施形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板40から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ200は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図17および図18に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器12aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器12bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置11などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ200に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図19は、主基板40に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器12aまたは第2特別図柄表示器12bおよび特別可変入賞球装置22を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13aに遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ14a、または第2始動入賞口13bに遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ15aがオン状態となったか否かを判定する(ステップS311)。すなわち、CPU56は、第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bへの始動入賞が発生したか否かを判定する。
第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ15aがオン状態となった場合(ステップS311;YES)、すなわち、第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bへの始動入賞が発生した場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理を実行し(ステップS312)、続いて、特別図柄プロセスフラグの値に応じてステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を実行する。一方、第1始動口スイッチ14aも第2始動口スイッチ15aもオン状態となっていない場合(ステップS311;NO)、CPU56は、始動口スイッチ通過処理を実行せずに、特別図柄プロセスフラグに応じてステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を実行する。
ステップS300〜S308の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。すなわち、CPU56は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、特別図柄プロセスフラグを変動パターン設定処理(ステップS301)に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。CPU56は、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、特別図柄プロセスフラグを表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に応じた値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、特別図柄プロセスフラグを特別図柄変動中処理(ステップS303)に応じた値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。ステップS301の変動パターン設定処理で設定された変動時間タイマが、ステップS36の特別図柄表示制御処理にて−1され、変動時間タイマがタイムアウトした場合(すなわち変動時間タイマの値が0になった場合)、演出制御用マイクロコンピュータ200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、特別図柄プロセスフラグを特別図柄停止処理(ステップS304)に応じた値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ200は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置11において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、特別図柄プロセスフラグを大入賞口開放前処理(ステップS305)に応じた値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、特別図柄プロセスフラグを特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値(この例では0)に更新する。なお、本実施形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置22を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口24に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド106を駆動して特別可変入賞球装置22を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、特別図柄プロセスフラグを大入賞口開放中処理(ステップS306)に応じた値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御や特別可変入賞球装置22の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。特別可変入賞球装置22の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、特別図柄プロセスフラグをステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、特別図柄プロセスフラグを大入賞口開放後処理(ステップS307)に応じた値(この例では7)に更新する。
大入賞口開放後処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態における最後のラウンドが終了して特別可変入賞球装置22が閉鎖状態とされてから、大当り遊技状態が終了するタイミングまで待機するための処理を行う。大当り遊技状態が終了するタイミングに達した場合には、特別図柄プロセスフラグを大当り終了処理(ステップS308)に応じた値(この例では8)に更新する。
大当り終了処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ200に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ、時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、特別図柄プロセスフラグを特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値(この例では0)に更新する。
図20は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS211)。第1始動口スイッチ14aがオン状態でなければ(ステップS211;NO)、ステップS217に移行する。第1始動口スイッチ14aがオン状態であれば(ステップS211;YES)、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば(ステップS212;YES)、ステップS217に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ(ステップS212;NO)、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214)。続いて、CPU56は、乱数回路60やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図21参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)や変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出したり、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
図21は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図21に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。本実施形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
ステップS215の処理に続いて、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS216)。
ステップS216の処理に続いて、または、ステップS212(NO)と判定した場合やステップS212(YES)と判定した場合には、CPU56は、第2始動口スイッチ15aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS217)。第2始動口スイッチ15aがオン状態でなければ(ステップS217;NO)、始動口スイッチ通過処理を終了する。第2始動口スイッチ15aがオン状態であれば(ステップS217;YES)、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS218)。第2保留記憶数が上限値に達していれば(ステップS218;YES)、始動口スイッチ通過処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ(ステップS218;NO)、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS219)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS220)。続いて、CPU56は、乱数回路60やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図21参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS221)。なお、ステップS221の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
ステップS221の処理に続いて、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS222)。そして、始動口スイッチ通過処理を終了する。
図22および図23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数(合算保留記憶数カウンタのカウント値)が0であるか否かを確認する(ステップS51)。合算保留記憶数が0であれば(ステップS51;YES)、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、特別図柄通常処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ(ステップS51;NO)、CPU56は、第2保留記憶数(第2保留記憶数カウンタの値)が0であるか否かを確認する(ステップS52)。第2保留記憶数が0でなければ(ステップS52;NO)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(ステップS52;YES)、すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合には、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
本実施形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。なお、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行されるものに限るものではなく、第1保留記憶と第2保留記憶のうち、早いタイミングに記憶された保留記憶から順に消化されるものであってもよい。
ステップS53の処理またはステップS54の処理に続いて、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
ステップS55の処理に続いて、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2、3、4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2、3、4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1、2、3、4の順番と一致するようになっている。
ステップS56の処理に続いて、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグがセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、本実施形態では、変動ごとに背景指定コマンドを毎回送信する場合を示しているが、例えば、変動開始時に前回の変動時から遊技状態が変化したか否かを判定するようにし、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。そのように構成すれば、背景指定コマンドの送信回数を低減することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ200に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出図柄コマンド制御処理(ステップS30)において演出制御コマンドを送信する。なお、本実施形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ200に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ200に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13aを対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口13bを対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S308の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
ステップS60の処理に続いて、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定処理を実行する(ステップS61)。大当り判定処理は、あらかじめ決められている大当り判定値(図14参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致するか否かを判定する処理である。より詳しくは、CPU56は、大当り判定処理として、始動口スイッチ通過処理のステップS215、S221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数(ランダムR)の値を読み出すとともに、現在の遊技状態に応じた大当り判定テーブル(ROM54に記憶されている通常時大当り判定テーブルまたは確変時大当り判定テーブル)を使用し、読み出した大当り判定用乱数の値と、現在の遊技状態に応じた大当り判定テーブルにおける大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを判定する。具体的には、現在の遊技状態が通常状態(非確変状態)であるときには、CPU56は、通常時大当り判定テーブル(図14(A)の左側の数値が設定されているテーブル)を使用し、読み出した大当り判定用乱数の値と、通常時大当り判定テーブルにおける大当り判定値(図14(A)の左側の数値)とを比較し、それらが一致するか否かを判定する。一方、現在の遊技状態が確変状態であるときには、CPU56は、確変時大当り判定テーブル(図14(A)の右側の数値が設定されているテーブル)を使用し、読み出した大当り判定用乱数の値と、確変時大当り判定テーブルにおける大当り判定値(図14(A)の右側の数値)とを比較し、それらが一致するか否かを判定する。
現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りAまたは確変大当りBとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。なお、所定回数の特別図柄の変動表示を終了するタイミングでリセットされることとしてもよい。
CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値と、現在の遊技状態に応じた大当り判定テーブルにおける大当り判定値とを比較し、それらが一致しないと判定した場合には(ステップS61;NO)、ステップS66に移行する。一方、それらが一致すると判定した場合には(ステップS61;YES)、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(ステップS62)。
ステップS62の処理に続いて、CPU56は、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS63)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図14(B)に示した第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図14(C)に示した第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
ステップS63の処理に続いて、CPU56は、乱数バッファ領域からランダム1(大当り種別判定用乱数)を読み出し、大当り種別(通常大当り、確変大当りA、確変大当りB)を決定する(ステップS64)。より詳しくは、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215、S221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値を読み出すとともに、ステップS63にて選択した大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aまたは第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131b)を使用し、読み出した大当り種別判定用乱数の値と一致する大当り種別判定値に対応するいずれかの大当り種別(通常大当り、確変大当りA、確変大当りB)を決定する(ステップS64)。
ステップS64の処理に続いて、CPU56は、ステップS64にて決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS65)。例えば、ステップS64にて、通常大当りを決定した場合には大当り種別バッファに「01」を設定し、確変大当りAを決定した場合には大当り種別バッファに「02」を設定し、確変大当りBを決定した場合には大当り種別バッファに「03」を設定する。
ステップS64の処理に続いて、または、ステップS61(NO)と判定した場合には、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS66)。具体的には、CPU56は、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。一方、CPU56は、大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。例えば、CPU56は、確変大当りAに決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、確変大当りBに決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、通常大当りに決定した場合には「2」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、本実施形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、本実施形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
ステップS66の処理に続いて、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS67)。そして、特別図柄通常処理を終了する。
図24は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には(ステップS91;YES)、CPU56は、大当り種別に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブルのいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS98に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には(ステップS91;NO)、CPU56は、確変状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するときにセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りAまたは確変大当りBとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。また、通常大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングまたは所定回数(100回)の変動表示を終了するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされている場合には(ステップS93;YES)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、時短時はずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS97)。そして、ステップS98に移行する。
時短フラグがセットされていない場合には(ステップS93;NO)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS94)。合算保留記憶数が3未満である場合には(ステップS94;NO)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS95)。そして、ステップS98に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合には(ステップS94;YES)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、短縮時はずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS96)。そして、ステップS98に移行する。
本実施形態では、ステップS93〜S96の処理が実行されることによって、遊技状態が時短状態である場合には、時短状態である場合として変動時間を短縮するための時短時はずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。また、合算保留記憶数が3以上である場合には、保留記憶数が多い場合として変動時間を短縮するための短縮時はずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。また、このような場合、後述するステップS98の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS99の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される。従って、本実施形態では、遊技状態が時短状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
なお、本実施形態では、遊技状態が時短状態であることにもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(時短時はずれ用変動パターン種別判定テーブル)と、保留記憶数が3以上であることにもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(短縮時はずれ用変動パターン種別判定テーブル)とを異なるテーブルとして用いているが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、遊技状態が時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS93でYESと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、通常のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択するようにしてもよい。
ステップS92、S95、S96、S97のいずれかの処理に続いて、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S95、S96またはS97の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS98)。なお、始動入賞のタイミングでランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
ステップS98の処理に続いて、CPU56は、ステップS98の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り変動パターン判定テーブル、はずれ変動パターン判定テーブルのうちのいずれかを選択する(ステップS99)。続いて、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS99の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS100)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
ステップS100の処理に続いて、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS101)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS102)。
ステップS102の処理に続いて、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定(セット)する(ステップS103)。
変動時間タイマ(大入賞口開放前タイマ、開放時間タイマなど他のタイマについても同様)に設定する値(タイマ値)について説明する。本実施形態では、変動時間タイマ等に設定された値は、割込み毎に減算(−1)するため、割込周期Tにもとづいて設定している。例えば、割込周期がTmsであれば、1秒間の割込みの発生回数は1000/T(回)、すなわち0.1秒間の割込みの発生回数は100/T(回)である。従って、1秒間はタイマ値として1000/Tと示され、0.1秒間はタイマ値としては100/Tと示される。本実施形態では割込周期Tを4msとしているので、1秒間はタイマ値として「250」と示され、0.1秒間はタイマ値として「25」と示されることになる。
ステップS103の処理に続いて、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS104)。そして、変動パターン設定処理を終了する。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS93〜S96、S98の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
図25は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果4指定のいずれかの演出制御コマンド(図17参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS111)。
大当りフラグがセットされている場合には(ステップS111;YES)、CPU56は、決定されている大当りの種別が確変大当りAまたは確変大当りBのいずれかであるか否かを確認する(ステップS112)。なお、CPU56は、特別図柄通常処理のステップS65の処理において、RAM55における大当り種別バッファに設定された大当りの種別を示すデータを参照し、決定されている大当りの種別が確変大当りAまたは確変大当りBのいずれかであるか否かを確認することができる。具体的には、大当り種別バッファに「02」が設定されているか否かにより、決定されている大当りの種別が確変大当りAであるか否かを確認し、大当り種別バッファに「03」が設定されているか否かにより、決定されている大当りの種別が確変大当りBであるか否かを確認することができる。
決定されている大当りの種別が確変大当りAまたは確変大当りBのいずれかである場合には(ステップS112;YES)、CPU56は、決定されている大当りの種別に応じて、表示結果3指定コマンドまたは表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113)。具体的には、CPU56は、大当りの種別が確変大当りAであるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行い、大当りの種別が確変大当りBであるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う。
決定されている大当りの種別が確変大当りAまたは確変大当りBのいずれでもない場合(ステップS112;NO)、すなわち、決定されている大当りの種別が通常大当りである場合には、CPU56は、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。なお、大当り種別バッファに「01」が設定されているか否かにより、決定されている大当りの種別が通常大当りであるか否かを確認することができる。
一方、大当りフラグがセットされていない場合(ステップS111;NO)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
ステップS113、S115、S118のいずれかの処理に続いて、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS120)。そして、表示結果指定コマンド送信処理を終了する。
図26は、特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には(ステップS131;YES)、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグおよび時短状態であることを示す時短フラグをリセットする(ステップS132a)。なお、確変フラグも時短フラグもともにセットされていなければ、ステップS132aの処理は省略してもよい。続いて、CPU56は、時短状態の残り変動回数を示す時短回数カウンタに0をセットする(ステップS132b)。なお、時短回数カウンタは、通常大当りの終了時(ステップS308の大当り終了処理)において所定回数(100回)がセットされる。
ステップS132bの処理に続いて、CPU56は、決定されている大当り種別が通常大当りであるか否かを確認する(ステップS133)。なお、大当り種別バッファに「01」が設定されているか否かにより、決定されている大当りの種別が通常大当りであるか否かを確認することができる。
決定されている大当り種別が通常大当りである場合には(ステップS133;YES)、CPU56は、大当り開始2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS134a)。決定されている大当り種別が通常大当りでない場合(ステップS133;NO)、すなわち、決定されている大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBである場合には、CPU56は、大当り開始1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS134b)。
ステップS134bの処理に続いて、CPU56は、決定されている大当り種別が確変大当りAであるか否かを確認する(ステップS135)。なお、大当り種別バッファに「02」が設定されているか否かにより、決定されている大当りの種別が確変大当りAであるか否かを確認することができる。
ステップS134aの処理に続いて、または、決定されている大当り種別が確変大当りAである場合には(ステップS135;YES)、すなわち、決定されている大当り種別が通常大当りまたは確変大当りAである場合には、CPU56は、最終ラウンドポインタ(最終ラウンドが何ラウンド目であるかを示すデータ)に「15」をセットし(ステップS136a)、ステップS137に移行する。
決定されている大当り種別が確変大当りAでない場合(ステップS135;NO)、すなわち、決定されている大当り種別が確変大当りBである場合には、CPU56は、最終ラウンドポインタに「8」をセットし(ステップS136b)、ステップS137に移行する。
ステップS136aの処理、または、ステップS136bの処理に続いて、CPU56は、大入賞口開放前タイマにファンファーレ時間に相当する値をセットする(ステップS137)。なお、大入賞口開放前タイマは、大当り遊技中に特別可変入賞球装置22を開放するまでの時間を計測するためのタイマである。すなわち、大当り遊技の開始時には、ステップS134において、変動表示を停止してから1ラウンドが開始されるまでに要する時間(演出制御用マイクロコンピュータ200側で変動表示を停止し大当り図柄を停止表示してから1ラウンドが開始されるまでのファンファーレ演出を行う時間に相当)が大入賞口開放前タイマにセットされる。具体的には、本実施形態では、上述したように、1秒間はタイマ値として「250」と示され、また、ファンファーレ時間を10.0秒としているため(図15、図16、図27参照)、大入賞口開放前タイマには10.0秒に相当する値として「2500」がセットされる。
図27は、ラウンド毎の開閉時間が設定された開閉時間テーブル等を示す説明図である。図27(A)は、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りAである場合における各ラウンドの特別可変入賞球装置22の開閉時間を設定した開閉時間テーブルを示している。具体的には、図27(A)の開閉時間テーブルには、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りAであれば、1ラウンド目〜15ラウンド目の各ラウンドの開放時間(図15に示したTK1〜TK15)を27.0秒とし、1ラウンド目〜15ラウンド目の間の各閉鎖時間であるインターバル時間(図15に示したTH1〜TH14)を0.6秒とし、最終ラウンドである15ラウンド目の後の閉鎖時間(図15に示したTH15)を0.1とする旨が設定されている。
また、図27(B)には、大当り種別が確変大当りBである場合における各ラウンドの特別可変入賞球装置22の開閉時間を設定した開閉時間テーブルを示している。具体的には、図27(B)の開閉時間テーブルには、大当り種別が確変大当りBであれば、1ラウンド目〜8ラウンド目の各ラウンドの開放時間(図16に示したTK1〜TK8)を27.0秒とし、1ラウンド目〜8ラウンド目の間の各閉鎖時間であるインターバル時間(図16に示したTH1〜TH7)を0.6秒とし、最終ラウンドである8ラウンド目の後の閉鎖時間(図16に示したTH8)を0.1とする旨が設定されている。
また、図27(C)には、全ての大当り種別に共通する他の時間を設定した時間テーブルを示している。具体的には、図27(C)の時間テーブルには、大当り種別が通常大当り、確変大当りAまたは確変大当りBのいずれであっても、ファンファーレ時間(図15、16に示したTF)を10.0秒とし、エンディング時間(図15、16に示したTE)を0.9秒とする旨が設定されている。例えば、上述のステップS137の処理では、CPU56は、当該時間テーブルを参照し、ファンファーレ時間が10.0秒であることを確認している。なお、図27(A)〜図27(C)の各テーブルは、ROM54に記憶されていればよい。また、図27(A)〜図27(C)の各テーブルには、実際の時間(例えば秒数等)を格納するのではなく、実際の時間に相当するタイマ値(例えば、1秒間を「250」とするタイマ値等)を格納してもよい。
図26に戻る。ステップS137の処理に続いて、CPU56は、ラウンド数を示すラウンド数カウンタに1をセットし(ステップS138)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。そして、特別図柄停止処理を終了する。
一方、ステップS131で大当りフラグがセットされていない場合(ステップS131;NO)、CPU56は、時短回数カウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップS141)。時短回数カウンタの値が0である場合(ステップS141;YES)、ステップS150へ移行する。時短回数カウンタの値が0でない場合には(ステップS141;NO)、CPU56は、時短回数カウンタの値を1減算し(ステップS142)、時短回数カウンタの値が0となったか否かを判定する(ステップS143)。時短回数カウンタの値が0となっていない場合には(ステップS143;NO)、ステップS150へ移行する。時短回数カウンタの値が0となった場合には(ステップS143;YES)、CPU56は、時短フラグをリセットし(ステップS144)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS150)。そして、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS141〜S144の処理により、通常大当りが終了した後に制御される時短状態は、所定回数(100回)の変動(はずれとなる変動)が行われるまでは継続し、所定回数(100回)の変動(はずれとなる変動)が行われることを契機に終了し、時短状態から通常状態へと移行する(但し、次の大当りとなったときにも終了し、時短状態から通常状態へと移行する)。また、本実施形態では、時短状態に制御されているときに高ベース状態に制御されるようにしているため、通常大当りが終了した後に制御される高ベース状態もまた、所定回数(100回)の変動(はずれとなる変動)が行われるまでは継続し、所定回数(100回)の変動(はずれとなる変動)が行われることを契機に終了し、高ベース状態から低ベース状態へと移行する(但し、次の大当りとなったときにも終了し、高ベース状態から低ベース状態へと移行する)。なお、確変大当り(確変大当りA、確変大当りB)が終了した後には時短回数カウンタに所定回数(100回)がセットされることはなく時短回数カウンタの値は0のままであるため、時短フラグをリセットするステップS144の処理は実行されない。つまり、確変大当り(確変大当りA、確変大当りB)が終了した後に制御される時短状態や高ベース状態は、次の大当りとなるまで継続する。
図28は、大入賞口開放前処理を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、まず、CPU56は、大入賞口開放前タイマを−1する(ステップS1401)。そして、CPU56は、大入賞口開放前タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1402)。タイムアウトしていない場合には(ステップS1402;NO)、大入賞口開放前処理を終了する。タイムアウトした場合には(ステップS1402;YES)、CPU56は、ラウンド数カウンタの値をEXTデータにセットして、大入賞口開放中指定コマンドを送信する(ステップS1403)。
ステップS1403の処理に続いて、CPU56は、同一ラウンド中における遊技球の大入賞口24への入賞個数を示す大入賞口入賞個数カウンタに0をセットする(ステップS1404)。続いて、CPU56は、開閉時間テーブル(図27参照)にもとづいてラウンド数カウンタに応じた開放時間を開放時間タイマにセットする(ステップS1408)。なお、本実施形態では、通常大当りまたは確変大当りAであるときには、図27(A)に示すように、1ラウンド目〜15ラウンド目の各ラウンドの開放時間はいずれも27.0秒であるため、ラウンド数カウンタが「1」〜「15」のいずれの値であっても、開放時間タイマに27.0秒に相当する値をセットする。同様に、確変大当りBであるときには、図27(B)に示すように、1ラウンド目〜8ラウンド目の各ラウンドの開放時間はいずれも27.0秒であるため、ラウンド数カウンタが「1」〜「8」のいずれの値であっても、開放時間タイマに27.0秒に相当する値をセットする。
ステップS1408の処理に続いて、CPU56は、ソレノイド106を駆動して特別可変入賞球装置22を開放状態に制御し(ステップS1410)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する(ステップS1412)。そして、特別図柄停止処理を終了する。
図29は、大入賞口開放中処理を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、まず、CPU56は、カウントスイッチ25aがオン状態となったか否か、すなわち、大入賞口24への遊技球の入賞が発生したか否かを判定する(ステップS1451)。カウントスイッチ25aがオン状態となった場合には(ステップS1451;YES)、CPU56は、大入賞口入賞個数カウンタの値を1加算する(ステップS1452)。
ステップS1452の処理に続いて、または、カウントスイッチ25aがオン状態となっていない場合には(ステップS1451;NO)、CPU56は、大入賞口入賞個数カウンタの値が10であるか否かを判定する(ステップS1453)。大入賞口入賞個数カウンタの値が10でない場合には(ステップS1453;NO)、CPU56は、開放時間タイマを−1し(ステップS1454)、開放時間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1455)。開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には(ステップS1455;NO)、大入賞口開放中処理を終了する。
大入賞口入賞個数カウンタの値が10である場合(ステップS1453;YES)、または、開放時間タイマがタイムアウトした場合には(ステップS1455;YES)、CPU56は、ソレノイド106を駆動して特別可変入賞球装置22を閉鎖状態に制御する(ステップS1468)。つまり、CPU56は、大入賞口24に遊技球が10個入賞した場合、または、開放時間タイマがタイムアウトした場合には、特別可変入賞球装置22を閉鎖状態に制御する。なお、大入賞口24に遊技球が10個入賞したか否かの判定と、開放時間タイマがタイムアウトしたか否かの判定との順序についてはこれに限るものではない。
ステップS1468の処理に続いて、CPU56は、ラウンド数カウンタの値をEXTデータにセットして大入賞口開放後指定コマンドを送信し(ステップS1470)、ラウンド数カウンタの値が最終ラウンドの値であるか否か、すなわち、最終ラウンドが終了したか否かを判定する(ステップS1471)。なお、最終ラウンドの値は、ステップS136a、または、ステップS136bにおいて最終ラウンドポインタにセットされている。
ラウンド数カウンタの値が最終ラウンドの値でない場合(ステップS1471;NO)、すなわち、最終ラウンドが終了していない場合、CPU56は、開閉時間テーブル(図27参照)にもとづいてラウンド数カウンタの値に応じた閉鎖時間を大入賞口開放前タイマにセットする(ステップS1472)。なお、本実施形態では、通常大当りまたは確変大当りAであるときには、図27(A)に示すように、ラウンド間の閉鎖時間(TH1〜TH14)はいずれも0.6秒であるため、ラウンド数カウンタが「1」〜「14」のいずれの値であっても、大入賞口開放前タイマに0.6秒に相当する値をセットする。同様に、確変大当りBであるときには、図27(B)に示すように、ラウンド間の閉鎖時間(TH1〜TH7)はいずれも0.6秒であるため、ラウンド数カウンタが「1」〜「7」のいずれの値であっても、大入賞口開放前タイマに0.6秒に相当する値をセットする。ステップS1472に続いて、CPU56は、ラウンド数カウンタの値を+1し(ステップS1473)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新し(ステップS1475)、大入賞口開放中処理を終了する。
一方、ラウンド数カウンタの値が最終ラウンドの値である場合(ステップS1471;YES)、すなわち、最終ラウンドが終了した場合、CPU56は、開閉時間テーブル(図27参照)にもとづいてラウンド数カウンタの値に応じた閉鎖時間を大入賞口開放後タイマにセットする(ステップS1476)。大入賞口開放後タイマは、15ラウンドが終了してから大当り遊技状態が終了するまでの時間を計測するタイマである。なお、本実施形態では、通常大当りまたは確変大当りAであるときには、図27(A)に示すように、最終ラウンド(15ラウンド目)の後の閉鎖時間(TH15)は0.1秒であるため、大入賞口開放後タイマに0.1秒に相当する値をセットする。同様に、確変大当りBであるときには、図27(B)に示すように、最終ラウンド(8ラウンド目)の後の閉鎖時間(TH8)は0.1秒であるため、大入賞口開放後タイマに0.1秒に相当する値をセットする。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放後処理(ステップS307)に対応した値に更新し(ステップS1477)、大入賞口開放中処理を終了する。
図30は、大入賞口開放後処理を示すフローチャートである。大入賞口開放後処理において、まず、CPU56は、大入賞口開放後タイマを−1する(ステップS2900)。続いて、CPU56は、大入賞口開放後タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS2901)。大入賞口開放後タイマがタイムアウトしない場合には(ステップS2901;NO)、大入賞口開放後処理を終了する。大入賞口開放後タイマがタイムアウトした場合には(ステップS2901;YES)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS308)に対応した値に更新し(ステップS2902)、大入賞口開放後処理を終了する。
図31は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS308)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが動作中であるか否か、すなわち、大当り終了表示タイマが設定されているか否かを確認する(ステップS160)。大当り終了表示タイマが動作中でない場合(ステップS160;NO)、CPU56は、大当りフラグをリセットする(ステップS161)。
ステップS161の処理に続いて、CPU56は、通常大当りであったか否かを確認する(ステップS162a)。通常大当りであった場合には(ステップS162a;YES)、CPU56は、大当り終了2指定コマンドを送信する(ステップS162b)。通常大当りでなかった場合(ステップS162a;NO)、すなわち、確変大当りAまたは確変大当りBであった場合には、CPU56は、大当り終了1指定コマンドを送信する(ステップS162c)。
ステップS162bの処理、または、ステップS162cの処理に続いて、CPU56は、大当り終了表示タイマにエンディング時間に相当する値をセットする(ステップS163)。具体的には、本実施形態では、上述したように、0.1秒間はタイマ値として「25」と示され、また、エンディング時間を0.9秒としているため(図15、図16、図27参照)、大当り終了表示タイマには0.9秒に相当する値として「225」がセットされる。そして、大当り終了処理を終了する。
一方、大当り終了表示タイマが動作中である場合(ステップS160;YES)、CPU56は、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS164)。続いて、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。大当り終了表示時間が経過していなければ(ステップS165;NO)、大当り終了処理を終了する。
大当り終了表示時間が経過していれば(ステップS165;YES)、CPU56は、確変大当りAまたは確変大当りBであったか否かを確認する(ステップS166)。確変大当りAまたは確変大当りBであった場合には(ステップS166;YES)、CPU56は、確変フラグをセットし(ステップS167)、時短フラグをセットする(ステップS168)。
確変大当りAまたは確変大当りBでなかった場合(ステップS166;NO)、すなわち、通常大当りであった場合には、CPU56は、時短フラグをセットし(ステップS169)、時短回数カウンタに「100」をセットする(S170)。なお、本実施形態において設けられた大当り種別は、全て時短状態へ移行する大当り種別であるため、いずれの大当り種別であるかを判定する処理(ステップS166の処理)よりも前に、時短フラグをセットすることとしてもよい。
ステップS168の処理、または、ステップS169の処理に続いて、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS171)。そして、大当り終了処理を終了する。
図32は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS36)を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否か(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であるか否か)を確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に(0.2秒に相当するタイマ値が増加(または減少)する毎に)、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器(第1特別図柄表示器12a、第2特別図柄表示器12b)に対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器(第1特別図柄表示器12a、第2特別図柄表示器12b)における特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否か(すなわち、特別図柄停止処理の実行中であるか否か)を確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器(第1特別図柄表示器12a、第2特別図柄表示器12b)に対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器(第1特別図柄表示器12a、第2特別図柄表示器12b)において特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ200側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、本実施形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS36)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
図33は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS29)を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、ゲート33を遊技球が通過したことを検出するためのゲートスイッチ33aがオン状態となったか否かを判定する(ステップS5111)。ゲートスイッチ33aがオン状態となった場合(ステップS5111;YES)、CPU56は、ゲートスイッチ通過処理を実行し(ステップS5112)、続いて、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS5100〜S5103のうちのいずれかの処理を実行する。一方、ゲートスイッチ33aがオン状態となっていない場合(ステップS5111;NO)、CPU56は、ゲートスイッチ通過処理を実行せずに、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS5100〜S5103のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理(ステップS5112):CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器27のLEDが点灯される。そして、CPU56は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う。
普通図柄通常処理(ステップS5100):普通図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。すなわち、CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態になると、ゲート通過記憶数の値(ゲート通過記憶数カウンタのカウント値)を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグを普通図柄変動処理(ステップS5101)に応じた値(この例では「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS5101):普通図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグを普通図柄停止処理(ステップS5102)に応じた値(この例では「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS5102):普通図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグを普通図柄通常処理(ステップS5100)に応じた値(この例では「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせ、普通可変入賞装置21の開放を開始する。そして、普通図柄プロセスフラグを普通電動役物作動処理(ステップS5103)に応じた値(この例では「3」)に更新する。
普通電動役物作動処理(ステップS5103):普通図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。CPU56は、普通図柄プロセスタイマを計測し、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、普通可変入賞装置21を閉鎖する。そして、普通図柄プロセスフラグを普通図柄通常処理(ステップS5100)に応じた値(この例では「0」)に更新する。
図34は、普通図柄通常処理(ステップS5100)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認することにより、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS5121)。ゲート通過記憶数が0であれば(ステップS5121;YES)、普通図柄通常処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ(ステップS5121;NO)、CPU56は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読み出す(ステップS5122)。そして、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS5123)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2、3、4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1、2、3、4の順番と一致するようになっている。
ステップS5123の処理に続いて、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS5124)。すなわち、CPU56は、時短状態に制御されているか否かを確認する。なお、確変大当り(確変大当りA、確変大当りB)の終了後に制御される時短状態は、次の大当りとなったことを契機として終了する。通常大当りの終了後に制御される時短状態は、所定回数(100回)の変動(はずれとなる変動)が行われたことを契機として、または、次の大当りとなったことを契機として終了する。
時短フラグがセットされていれば(ステップS5124;YES)、CPU56は、普通図柄の変動表示結果を当りとするか否かを決定するためのテーブルとして、高ベース状態とするときの高ベース時用の普通図柄判定テーブルを選択する(ステップS5125)。一方、時短フラグがセットされていなければ(ステップS5124;NO)、CPU56は、普通図柄の変動表示結果を当りとするか否かを決定するためのテーブルとして、低ベース状態とするときの低ベース時用の普通図柄判定テーブルを選択する(ステップS5126)。
図35は、普通図柄判定テーブルを示す説明図である。普通図柄判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)と比較される普通図柄当り判定値が設定されているテーブルである。
図35(A)は、ステップS5125にて選択される高ベース時用普通図柄判定テーブルである。図35(B)は、ステップS5126にて選択される低ベース時用普通図柄判定テーブルである。図35(A)に示した高ベース時用の普通図柄判定テーブルにおいて「3」〜「12」の10個の数値は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値と比較される、当り判定値である。普通図柄当り判定用乱数は、「3」〜「13」の11個の数値をとりうる。普通図柄当り判定用乱数のとりうる11個の数字のうち10個が、図35(A)に示した高ベース時用の普通図柄判定テーブルにおける当り判定値である。つまり、図35(A)に示した高ベース時用の普通図柄判定テーブルおける当りの確率は10/11である。図35(B)に示した低ベース時用の普通図柄判定テーブルにおいて「0」〜「2」の3個の数値は、普通図柄当り判定用乱数の値と比較される、当り判定値である。普通図柄当り判定用乱数は、「3」〜「13」の11個の数値をとりうる。普通図柄当り判定用乱数のとりうる11個の数字のうち0個が、図35(B)に示した低ベース時用の普通図柄判定テーブルにおける当り判定値である。つまり、図35(B)に示した低ベース時用の普通図柄判定テーブルおける当りの確率は0/11である。
図34に戻る。ステップS5125の処理、または、ステップS5126の処理に続いて、CPU56は、ステップS5125またはS5126にて選択した普通図柄判定テーブルを用いて、読み出した普通図柄当り判定用乱数値(ランダム4)にもとづいて抽選処理を実行し、普通図柄の変動表示結果を当りとするかはずれとするかを決定する(ステップS5127)。具体的には、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否かが判定され、一致する当り判定値があれば当りと決定される。なお、ステップS5127で当りとすることに決定された場合には、例えば、普通図柄の変動表示結果が当りであることを示す普通図柄当り判定フラグがセットされ、普通図柄表示制御処理(ステップS37参照)を実行するときに、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄停止処理を示す値「2」となっていることと普通図柄当り判定フラグがセットされていることとにもとづいて、普図当り用の普通図柄表示制御データが普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、普通図柄表示器26に対して駆動信号が出力されることによって、普通図柄表示器26において当り図柄が停止表示された状態となる。一方、はずれと決定され普通図柄当り判定フラグがセットされていなければ、普通図柄表示器26においてはずれ図柄が停止表示された状態となる。
ステップS5127の処理に続いて、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄変動時間として0.2秒をセットする(ステップS5128)。このように、普通図柄の変動時間を短くすることにより、普通図柄変動の稼働率を向上させることができる。稼働率を向上により、結果として普通図柄の変動結果が当りとなって普通可変入賞装置21が開放状態となる頻度を高め、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞し易くなるようにすることができる。また、本実施形態では、時短状態でないときにも普通図柄の変動時間を短くしているため(常時、普通図柄の変動時間を短くしているため)、時短状態に移行する際にスムーズに普通図柄変動の稼働率を向上させ、時短状態に移行後、すぐに、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞し易くなるようにすることができる。つまり、本実施形態とは異なるが、仮に時短状態でないときに例えば普通図柄プロセスタイマに普通図柄変動時間として長い時間(例えば5.0秒等)をセットするような態様であれば、時短状態に移行する直前に普通図柄の変動が開始されたような場合、当該変動の変動時間は長いため、時短状態に移行する際にスムーズに普通図柄変動の稼働率を向上させることはできない。従って、どんなに当りの確率が高くても、時短状態に移行する直前に普通図柄の変動が開始されたような場合には、時短状態に移行後すぐには、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞し易くなるようにすることは困難である。一方、本実施形態では、時短状態でないときにも普通図柄の変動時間を短くしているため、時短状態に移行する直前に変動を開始した普通図柄の変動時間も短く、時短状態に移行する際にスムーズに普通図柄変動の稼働率を向上させることができ、時短状態に移行後、すぐに、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞し易くなるようにすることができる。
ステップS5128の処理に続いて、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS5101)に応じた値(具体的には「1」)に更新する(ステップS5129)。そして、普通図柄通常処理を終了する。
図36は、普通図柄変動処理(ステップS5101)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS5141)。すなわち、CPU56は、普通図柄変動時間(本実施形態ではステップS5128にてセットした0.2秒)が経過したか否かを確認する。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には(ステップS5141;NO)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS5144)。そして、普通図柄変動処理を終了する。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトした場合には(ステップS5141;YES)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間として0.1秒をセットする(ステップS5142)。このように、普通図柄停止図柄表示時間を短くすることにより、普通図柄変動の稼働率を向上させることができる。ステップS5142の処理に続いて、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS5102)に応じた値(具体的には「2」)に更新する(ステップS5143)。そして、普通図柄変動処理を終了する。
図37は、普通図柄停止処理(ステップS5102)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS5151)。続いて、CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS5152)。すなわち、CPU56は、普通図柄停止図柄表示時間(本実施形態ではステップS5142にてセットした0.1秒)が経過したか否かを確認する。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には(ステップS5152;NO)、普通図柄停止処理を終了する。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトした場合には(ステップS5152;YES)
、CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるか否かを確認する(ステップS5153)。すなわち、ステップS5127にて当りと判定されたか否かを確認する。なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるか否かは、例えば、ステップS5127にて当りと判定されたときに普通図柄当り判定フラグをセットするなどして、そのフラグがセットされているかどうかにもとづいて確認することができる。
普通図柄の停止図柄が当り図柄でなく、はずれ図柄である場合には(ステップS5153;NO)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS5100)に応じた値(具体的には「0」)に更新する(ステップS5154)。そして、普通図柄停止処理を終了する。
普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合には(ステップS5153;YES)、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に普通電動役物開放中指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS5161)。続いて、CPU56は、同一の当りの開放中における遊技球の第2始動入賞口13bへの入賞個数を示す第2始動入賞口入賞個数カウンタに0をセットする(ステップS5162)。続いて、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普電開放時間として1.0秒をセットする(ステップS5163)。続いて、CPU56は、ソレノイド16を駆動して普通可変入賞装置21を開放状態にする(ステップS5164)。続いて、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、普通電動役物作動処理(ステップS5103)に応じた値(具体的には「3」)に更新する(ステップS5164)。そして、普通図柄停止処理を終了する。
図38は、普通電動役物作動処理(ステップS5103)を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS3901)。続いて、CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS3902)。すなわち、CPU56は、普通開放時間(本実施形態ではステップS5163にてセットした1.0秒)が経過したか否かを確認する。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には(ステップS3902;NO)、CPU56は、第2始動口スイッチ15aがオン状態となったか否かを判定する(ステップS3904)。すなわち、CPU56は、第2始動入賞口13bへの始動入賞が発生したか否かを判定する。第2始動口スイッチ15aがオン状態となった場合(ステップS3904;YES)、CPU56は、第2始動口入賞個数カウンタの値を1加算する(ステップS3905)。ステップS3905の処理に続いて、または、2始動口スイッチ15aがオン状態となっていない場合には(ステップS3904;NO)、CPU56は、第2始動口入賞個数カウンタの値が10であるか否かを判定する(ステップS3904)。第2始動口入賞個数カウンタの値が10でない場合には(ステップS3904;NO)、普通電動役物作動処理を終了する。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトした場合(ステップS3902;YES)、または、第2始動口入賞個数カウンタの値が10でない場合には(ステップS3904;YES)、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、普通可変入賞装置21を閉鎖することを示す普通電動役物開放後指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS3910)。続いて、CPU56は、ソレノイド16を駆動して普通可変入賞装置21を閉鎖状態にする(ステップS3911)。続いて、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS5100)に応じた値(具体的には「0」)に更新する(ステップS3912)。そして、普通電動役物作動処理を終了する。
図33〜図38に示した普通図柄プロセス処理(ステップS29)によれば、ゲート33を遊技球が通過したことにもとづいて、普通図柄の当り判定が行われ(ステップS5127)、普通図柄変動時間として0.2秒がセットされ(ステップS5128)、普通図柄の可変表示を開始する。そして普通図柄変動時間である0.2秒が経過したときに(ステップS5141;YES)、普通図柄停止図柄表示時間として0.1秒がセットされ(ステップS5142)、普通図柄の停止表示を開始する。そして普通図柄停止図柄表示時間である0.1秒が経過したときに(ステップS5152)、判定結果がはずれであったときは(ステップS5153;NO)、次の可変表示の処理に移行し(ステップS5154)、判定結果が当りであったときは(ステップS5153;YES)、普通可変入賞装置21を開放状態に制御する(ステップS5164)。つまり、判定結果が当りであったときには、普通図柄の可変表示の開始し、当該可変表示の開始から0.3秒(普通図柄変動時間である0.2秒と普通図柄停止図柄表示時間である0.1秒の合計時間)経過後に、普通可変入賞装置21が開放状態になる。
また、高ベース状態であるときには(ステップS5124;YES)、図35(A)の高ベース時用の普通図柄判定テーブルにもとづいて普通図柄の当り判定が行われるため(ステップS5125、S5127)、判定結果は、概ね(当り確率;10/11)、当りとなる。また、低ベース状態であるときには(ステップS5124;NO)、図35(B)の低ベース時用の普通図柄判定テーブルにもとづいて普通図柄の当り判定が行われるため(ステップS5126、S5127)、判定結果は、常に(当り確率;0/11)、はずれとなる。
つまり、図7に示した閉鎖時間Tin(s)は、普通図柄表示器26において当り図柄が連続して停止表示されるような状態(具体的には、高ベース状態)であるときの閉鎖時間であると説明し、具体的には、閉鎖時間Tin(s)は0.3秒であると説明したが、閉鎖時間Tin(s)である0.3秒は、上述した普通図柄変動時間(0.2秒)と普通図柄停止図柄表示時間(0.1秒)の合計時間(0.3秒)に相当する。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図39は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ200(具体的には、演出制御用CPU201)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU201は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU201は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU201は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU201は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御用CPU201は、演出制御処理として、まず、コマンド解析処理を行う(ステップS704)。コマンド解析処理では、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する。
続いて、演出制御用CPU201は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置11の表示制御を実行する。
続いて、演出制御用CPU201は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置11の第4図柄表示領域において第4図柄の表示制御を実行する。
続いて、演出制御用CPU201は、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図40は、特別可変入賞球装置22、普通可変入賞装置21の開閉について説明する説明図である。具体的には、図40は、15ラウンドの大当り(通常大当り、確変大当りA)のファンファーレ〜エンディングの終了直後の期間における、特別可変入賞球装置22の開閉、普通可変入賞装置21の開閉などを示している。
図40に示した時刻「T1」は、最終ラウンドである15ラウンド目の開放時間(TK15;27.0秒)の終了タイミング、すなわち、特別可変入賞球装置22の開放終了時である。また、時刻「T2」は、エンディング終了時である。時刻「T3」は、普通可変入賞装置21が最初に開放状態に制御されるタイミング、すなわち、普通可変入賞装置21の開放開始時である。
図40に示すように、15ラウンドの大当りでは、特別可変入賞球装置22は1ラウンド目〜15ラウンド目において開放状態に制御される。各ラウンドの開放時間(TK1〜TK15)は、27.0秒である(図40非図示。図15参照)。また、ラウンド間の各閉鎖時間(TH1〜TH14)は、0.6秒である(図15、図40参照)。
特別可変入賞球装置22は、遊技領域10の左右方向中央よりも右側に設けられているため、1ラウンド目以降は右打ちとなる。右打ちにより、各ラウンドの開放時間(TK1〜TK15)に、遊技球が大入賞口24に入賞する。また、右打ちにより、遊技球がゲート33を通過するようになる。
また、大当りとなるときには、時短フラグは1ラウンド目の開放前にリセットされ(図26の特別図柄停止処理のステップS132a)、エンディング終了後にセットされる(図31の大当り終了処理のステップS168、S169)。つまり、図40に示すように、1ラウンド目〜エンディング終了時(T2)の期間は低ベース状態に制御され、エンディング終了時(T2)の後は高ベース状態に制御される。
特別可変入賞球装置22の開放終了時(T1)〜エンディング終了時(T2)の1秒間は、図15に示した15ラウンド目の後の閉鎖時間(TH15;0.1秒)とエンディング時間(TE;0.9秒)の合計時間である。
低ベース状態であるときには、図35(B)の低ベース時用の普通図柄判定テーブルにもとづいて普通図柄の当り判定が行われるため(ステップS5126、S5127)、普通図柄は、判定結果は、常に(当り確率;0/11)、はずれとなる。そして、判定結果がはずれとなったときには、普通図柄表示器26において0.2秒間の変動(普通図柄変動時間の可変表示)と、0.1秒間のはずれ表示(普通図柄停止図柄表示時間の停止表示)が行われる。そして、はずれの判定結果が連続したときには、普通図柄表示器26において、0.2秒間の普通図柄の変動(可変表示)と0.1秒間の普通図柄のはずれ表示が繰返し行われる。
高ベース状態であるときには、図35(A)の高ベース時用の普通図柄判定テーブルにもとづいて普通図柄の当り判定が行われるため(ステップS5125、S5127)、普通図柄は、判定結果は、概ね(当り確率;10/11)、当りとなる。そして、判定結果が当りとなったときには、普通図柄表示器26において0.2秒間の変動(普通図柄変動時間の可変表示)と、0.1秒間の当り表示(普通図柄停止図柄表示時間の停止表示)が行われる。そして、当りの判定結果が連続したときには、普通図柄表示器26において、0.2秒間の普通図柄の変動(可変表示)と0.1秒間の普通図柄の当り表示が繰返し行われる。
普通図柄の当り判定〜はずれ表示(または当り表示)は0.3秒間であるため、低ベース状態から高ベース状態に制御された後に、すなわち、エンディング終了時(T2)以降に、はずれ表示が行われる場合ある。具体的には、エンディング終了時(T2)に、丁度、高ベース時用の普通図柄判定テーブルにもとづいて普通図柄の当り判定(当り確率;10/11)が行われたような場合を除いて、0.1秒間のはずれ表示は、原則、エンディング終了時(T2)以降に完了することになる。
例えば、エンディング終了時(T2)の0.2秒前に、低ベース時用の普通図柄判定テーブルにもとづいて普通図柄の当り判定(当り確率;0/11)が行われた場合には、エンディング終了時(T2)に0.2秒間の変動が完了し、エンディング終了時(T2)から0.1秒間のはずれ表示が行われるため、はずれ表示は、エンディング終了時(T2)の0.1秒後に完了する。また、例えば、エンディング終了時(T2)の0.02秒前に、低ベース時用の普通図柄判定テーブルにもとづいて普通図柄の当り判定(当り確率;0/11)が行われた場合には、エンディング終了時(T2)の0.18秒後から0.1秒間のはずれ表示が行われるため、はずれ表示は、エンディング終了時(T2)の0.28秒後に完了する。つまり、エンディング終了時(T2)の直前に低ベース時用の普通図柄判定テーブルにもとづいて普通図柄の当り判定(当り確率;0/11)が行われた場合、はずれ表示は、エンディング終了時(T2)の略0.3秒後に完了することになる。
上述のように、エンディング終了時(T2)以降にはずれ表示が完了する場合、当該はずれ表示の完了後に、高ベース時用の普通図柄判定テーブルにもとづいて普通図柄の当り判定(当り確率;10/11)が行われるため、エンディング終了時(T2)以降に、最初に、高ベース時用の普通図柄判定テーブルにもとづいて普通図柄の当り判定(当り確率;10/11)が行われるのは、最も遅いケースとして、エンディング終了時(T2)から略0.3秒後である。その後、0.2秒間の変動と、当りとなる場合には0.1秒間の当り表示が行われる。
普通可変入賞装置21は、普通図柄表示器26において0.1秒間の当り表示(普通図柄停止図柄表示時間の停止表示)が行われた後に、1.0秒間、開放状態に制御される(ステップS5161〜S5165)。従って、はずれ表示の完了が最も遅いケース(エンディング終了時(T2)の略0.3秒後に完了するケース)では、高ベース状態における最初の当り判定(当り確率;10/11)の判定結果が当りとなる場合であっても、図40に示すように、エンディング終了時(T2)から略0.3秒後に最初の当り判定(当り確率;10/11)が行われ、略0.3秒後〜略0.5秒後の0.2秒間に変動が行われ、略0.5秒後〜略0.6秒後の0.1秒間に普通図柄の当り表示が行われるため、普通可変入賞装置21の開放開始時(T3)は、エンディング終了時(T2)の略0.6秒後である。すなわち、普通可変入賞装置21の開放開始時(T3)は、特別可変入賞球装置22の開放終了時(T1)の略1.6秒後である。
なお、図35(A)の高ベース時用の普通図柄判定テーブルにもとづいて普通図柄の当り判定が行われるた場合(ステップS5125、S5127)、判定結果は、概ね(当り確率;10/11)、当りとなるが、はずれとなる場合もある。高ベース状態における最初の当り判定(当り確率;10/11)の判定結果がはずれとなる場合、普通可変入賞装置21の開放開始時(T3)は、特別可変入賞球装置22の開放終了時(T1)の略1.6秒後よりも更に遅くなる場合がある。例えば、はずれ表示の完了が最も遅いケース(エンディング終了時(T2)の略0.3秒後に完了するケース)において、高ベース時用の普通図柄判定テーブルにもとづく1回目の当り判定(当り確率;10/11)の判定結果がはずれとなり、2回目の当り判定(当り確率;10/11)の判定結果が当りとなった場合には、普通可変入賞装置21の開放開始時(T3)は、特別可変入賞球装置22の開放終了時(T1)の略1.9秒後になる。
なお、高ベース時用の普通図柄判定テーブルにおける当り確率をより高く設定し(例えば、10/11である約91%よりも高い92%〜100%程度に設定し)、普通可変入賞装置21の開放開始時(T3)が、特別可変入賞球装置22の開放終了時(T1)の略1.6秒後よりも遅くならないようにするか、遅くなり難くしてもよい。なお、当り確率を100%にする場合には(当りとすることを常に決定するときには)、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)を用いずに(すなわち抽選を行わずに)、当りとすることを常に決定するようにしてもよい。
以上のように、普通可変入賞装置21の開放開始時(T3)は、最初の高ベース時用の普通図柄判定テーブルにもどづく普通図柄の当り判定(当り確率;10/11)の実行タイミングに応じて異なるが、最初の高ベース時用の普通図柄判定テーブルにおける判定結果が当りとなる場合には、特別可変入賞球装置22の開放終了時(T1)〜普通可変入賞装置21の開放開始時(T3)は、最大1.6秒である。つまり、特別可変入賞球装置22も普通可変入賞装置21も閉鎖状態である時間(特別可変入賞球装置22が閉鎖状態に制御された後に普通可変入賞装置21が開放状態に制御されるまでの時間)は、最大略1.6秒間である。
図41〜図43は、特別可変入賞球装置22、普通可変入賞装置21への遊技球の入賞について説明する説明図である。具体的には、図41は、15ラウンドの大当り(通常大当り、確変大当りA)のファンファーレ〜エンディングの終了直後の期間における、各遊技球(遊技球A〜遊技球F)の遊技領域10における位置などを示している。図42は、図41における、各遊技球(遊技球A、遊技球B、遊技球C)が、特別可変入賞球装置22または普通可変入賞装置21に入賞する様子などを模式的に示している。図43は、図41における、各遊技球(遊技球D、遊技球E、遊技球F)が、特別可変入賞球装置22または普通可変入賞装置21に入賞する様子などを模式的に示している。
図41に示した位置「X1」は、特別可変入賞球装置22の最上流位置である(図42(A)の(a)参照)。また、位置「X2」は、特別可変入賞球装置22の最下流位置である(図42(A)の(a)参照)。位置「Y1」は、普通可変入賞装置21の最上流位置(上流領域23Uに相当する位置)である(図42(A)の(a)参照)。位置「Y2」は、普通可変入賞装置21の最下流位置(下流領域23Lに相当する位置)である(図42(A)の(a)参照)。図41に示した時刻「T1」は、図40に示した時刻「T1」と同様、特別可変入賞球装置22の開放終了時である。また、時刻「T3」は、図40に示した時刻「T3」と同様、普通可変入賞装置21の開放開始時である。
なお、図41において、遊技球A〜遊技球Fは、15ラウンド目の特別可変入賞球装置22の開放時間(TK15)において、遊技球A、遊技球B、…、遊技球E、遊技球Fの順に、遊技領域10の左右方向中央よりも右側に0.6秒間隔で発射され、夫々の遊技球は、0.6秒間隔で特別可変入賞球装置22の最上流位置(X1)に到達するものとし、夫々の遊技球は、発射から2.8秒後に特別可変入賞球装置22の最上流位置(X1)に到達するものとする。また、説明の便宜上、遊技球Aの発射タイミングを基準時点(0.0秒)とし、遊技球Aの発射から3.8秒後に15ラウンド目の開放が終了したものとしている。すなわち、時刻「T1」は3.8秒時点であるものとする。また、図40にて説明したように、時刻「T1」〜時刻「T3」は最大1.6秒であるため、時刻「T3」を5.4秒時点としている。
0.0秒時点(基準時点)に発射された遊技球Aは、時刻「T1」である3.8秒時点よりも前である2.8秒時点に、特別可変入賞球装置22の最上流位置(X1)に到達し、まもなく大入賞口24に入賞する。なお、3.0秒時点は、遊技球Fの発射時刻である旨を示すとともに、遊技球Aが大入賞口24に既に入賞している旨を示している(便宜上、3.0秒時点に示したが、実際には、2.8秒時点に、最上流位置から大入賞口24に入賞している)。また、図42(A)は、遊技球Aが大入賞口24に入賞する様子を模式的に示している。
0.6秒時点に発射された遊技球Bは、時刻「T1」である3.8秒時点よりも前である3.4秒時点に、特別可変入賞球装置22の最上流位置(X1)に到達し、まもなく大入賞口24に入賞する。なお、3.6秒時点は、遊技球Bが大入賞口24に入賞した旨を示している。また、図42(A)は、遊技球Bが大入賞口24に入賞する様子を模式的に示している。
1.2秒時点に発射された遊技球Cは、時刻「T1」である3.8秒時点の直後である4.0秒時点に、特別可変入賞球装置22の最上流位置(X1)に到達する。換言すれば、遊技球Cが特別可変入賞球装置22の最上流位置(X1)に到達する直前に、特別可変入賞球装置22は閉鎖状態に制御される。従って、遊技球Cは、大入賞口24に入賞しない。遊技球Cは、特別可変入賞球装置22の底面部材上を流下し終える。特別可変入賞球装置22を流下するのに要する時間は0.8秒であるため、遊技球Cは、時刻「T3」である5.4秒時点よりも前である4.8秒時点に、普通可変入賞装置21の最上流位置に到達する。また、普通可変入賞装置21を流下するのに要する時間は0.8秒であるため、仮に、遊技球Cが普通可変入賞装置21を流下し終えたとすれば、時刻「T3」である5.4秒時点の直後である5.6秒時点となる。換言すれば、遊技球Cが普通可変入賞装置21を流下し終える直前に、普通可変入賞装置21は開放状態に制御される。従って、遊技球Cは、第2始動入賞口13bに入賞する。なお、時刻「T3」である5.4秒時点は、遊技球Cが第2始動入賞口13bに入賞した旨を示している。また、図42(B)は、遊技球Cが第2始動入賞口13bに入賞する様子を模式的に示している。
なお、図42(B)は、遊技球が特別可変入賞球装置22に続いて普通可変入賞装置21を流下し終えるのに必要な時間は約1.6秒であるのに対し、特別可変入賞球装置22も普通可変入賞装置21も閉鎖状態である時間(特別可変入賞球装置22が閉鎖状態に制御された後に普通可変入賞装置21が開放状態に制御されるまでの時間)が最大略1.6秒間であるため、時刻「T1」〜時刻「T3」において、遊技球が、特別可変入賞球装置22に続いて普通可変入賞装置21を流下し終えるのは、困難である旨を示している。
1.8秒時点に発射された遊技球Dは、時刻「T1」である3.8秒時点よりも後である4.6秒時点に、特別可変入賞球装置22の最上流位置(X1)に到達する。換言すれば、遊技球Dが特別可変入賞球装置22の最上流位置(X1)に到達する前に、特別可変入賞球装置22は閉鎖状態に制御される。従って、遊技球Dは、大入賞口24に入賞しない。遊技球Dは、特別可変入賞球装置22の底面部材上を流下し終える。特別可変入賞球装置22を流下するのに要する時間は0.8秒であるため、遊技球Dは、時刻「T3」である5.4秒時点に、普通可変入賞装置21の最上流位置に到達する。従って、遊技球Dは、第2始動入賞口13bに入賞する。なお、時刻「T3」である5.4秒時点は、遊技球Dが第2始動入賞口13bに入賞した旨を示している。また、図43(A)は、遊技球Dが第2始動入賞口13bに入賞する様子を模式的に示している。
2.4秒時点に発射された遊技球Eは、時刻「T1」である3.8秒時点よりも後である5.2秒時点に、特別可変入賞球装置22の最上流位置(X1)に到達する。従って、遊技球Eは、大入賞口24に入賞しない。遊技球Eは、特別可変入賞球装置22の底面部材上を流下し終える。特別可変入賞球装置22を流下するのに要する時間は0.8秒であるため、遊技球Eは、時刻「T3」である5.4秒時点よりも後の6.0秒時点に、普通可変入賞装置21の最上流位置に到達する。また、普通可変入賞装置21は、6.4秒時点まで開放状態である。従って、遊技球Eは、第2始動入賞口13bに入賞する。6.4秒時点は、遊技球Eが普通可変入賞装置21に既に入賞している旨を示している(便宜上、6.4秒時点に示したが、実際には、6.0秒時点に、最上流位置から第2始動入賞口13bに入賞している)。また、図43(A)は、遊技球Eが第2始動入賞口13bに入賞する様子を模式的に示している。
3.0秒時点に発射された遊技球Fは、時刻「T1」である3.8秒時点よりも後である約5.8秒時点に、特別可変入賞球装置22の最上流位置(X1)に到達する。従って、遊技球Fは、大入賞口24に入賞しない。遊技球Fは、特別可変入賞球装置22の底面部材上を流下し終える。特別可変入賞球装置22を流下するのに要する時間は0.8秒であるため、遊技球Fは、時刻「T3」である5.4秒時点よりも後の6.6秒時点に、普通可変入賞装置21の最上流位置に到達する。普通可変入賞装置21は、6.4秒時点まで開放状態である。従って、遊技球Fは、普通可変入賞装置21の最初の開放(5.4秒時点から6.4秒時点)では第2始動入賞口13bに入賞しない。しかし普通可変入賞装置21の閉鎖時間は0.3秒であるため、2回目の開放(6.7秒時点から7.7秒時点)では第2始動入賞口13bに入賞する。図43(B)は、遊技球Fが第2始動入賞口13bに入賞する様子を模式的に示している。
図41〜図43よれば、特別可変入賞球装置22の開放終了時(T1)となる前に0.6秒間隔で発射された遊技球(遊技球A〜遊技球F)は、いずれも、特別可変入賞球装置22の大入賞口24、または、普通可変入賞装置21の第2始動入賞口13bのいずれかに入賞する。つまり、遊技球が特別可変入賞球装置22に続いて普通可変入賞装置21を流下し終えるのに必要な時間は約1.6秒であるのに対し、特別可変入賞球装置22が閉鎖状態に制御された後に普通可変入賞装置21が開放状態に制御されるまでの時間(特別可変入賞球装置22も普通可変入賞装置21も閉鎖状態である時間)は、最大略1.6秒間であるため(具体的には、略1.3秒間〜略1.6秒間のいずれかの時間であって、ほとんどが1.6秒間よりも短い時間であるため)、特別可変入賞球装置22が開放状態であるときに発射されたほぼ全ての遊技球が、たとえ遊技領域10の流下中に特別可変入賞球装置22が閉鎖状態に制御されたことにより大入賞口24に入賞しなくても(すなわち閉鎖状態である特別可変入賞球装置22に到達し大入賞口24に入賞しなくても)、普通可変入賞装置21の第2始動入賞口13bに入賞することとなる。
なお、図41〜図43では、特別可変入賞球装置22の遊技球Fの0.6秒後に発射された遊技球(3.6秒時点に発射された遊技球;遊技球Gとする)については示していないが、遊技球Gについても、普通可変入賞装置21の第2始動入賞口13bに入賞する。すなわち、3.6秒時点に発射された遊技球Gは、時刻「T1」である3.8秒時点よりも後である6.4秒時点に、特別可変入賞球装置22の最上流位置(X1)に到達する。従って、遊技球Gは、大入賞口24に入賞しない。遊技球Gは、特別可変入賞球装置22の底面部材上を流下し終える。特別可変入賞球装置22を流下するのに要する時間は0.8秒であるため、遊技球Gは、時刻「T3」である5.4秒時点よりも後の7.2秒時点に、普通可変入賞装置21の最上流位置に到達する。普通可変入賞装置21は、6.4秒時点まで開放状態である。従って、遊技球Gは、普通可変入賞装置21の最初の開放(5.4秒時点から6.4秒時点)では第2始動入賞口13bに入賞しない。しかし、2回目の開放(6.7秒時点から7.7秒時点)では第2始動入賞口13bに入賞する。
また、時刻「T1」の直前に発射された遊技球については示していないが、時刻「T1」の直前に発射された遊技球についても、普通可変入賞装置21の第2始動入賞口13bに入賞することとなる。例えば、図41において、時刻「T1」が3.8秒時点ではなく3.6秒時点直後(例えば、3.61秒時点等)であり、時刻「T3」が5.4秒時点ではなく5.2秒時点直後(例えば、5.21秒時点等)であった場合、3.6秒時点に発射された遊技球Gは、時刻「T1」である3.61秒時点よりも後である6.4秒時点に、特別可変入賞球装置22の最上流位置(X1)に到達し、特別可変入賞球装置22の底面部材上を流下し終え、時刻「T3」である5.21秒時点よりも後の7.2秒時点に、普通可変入賞装置21の最上流位置に到達する。普通可変入賞装置21は、6.21秒時点まで開放状態である。従って、遊技球Gは、普通可変入賞装置21の最初の開放(5.21秒時点から6.21秒時点)では第2始動入賞口13bに入賞しない。しかし、2回目の開放(6.51秒時点から7.51秒時点)では第2始動入賞口13bに入賞する。
つまり、時刻「T1」の直前に発射された遊技球の場合、時刻「T1」以降に特別可変入賞球装置22の最上流位置(X1)に到達し、0.8秒を掛けて特別可変入賞球装置22の底面部材上を流下することになる。従って、ルートR2を通って特別可変入賞球装置22の最上流位置(X1)に到達するまでに要する時間が0.8秒以上であれば、時刻「T1」の直前に発射された遊技球が普通可変入賞装置21の上流領域に到達するときには、当該遊技球の発射から1.6秒以上が既に経過していることになる。よって、時刻「T1」の直前に発射された遊技球が普通可変入賞装置21の上流領域に到達したときには、普通可変入賞装置21は0.3秒間の閉鎖状態と1.0秒間の開放状態を繰り返し行っていることになり、当該遊技球が普通可変入賞装置21を通過し終える0.8秒間に、2回連続してはずれにならない限り、普通可変入賞装置21は開放状態に制御されるため、時刻「T1」の直前に発射された遊技球は、普通可変入賞装置21の第2始動入賞口13bに入賞することとなる。なお、上述の0.8秒間において0.3秒毎の普通図柄の当り判定は2回実行される(1回目が当りの場合は開放時間1秒があるため1回)、また、高ベース状態における最初の当り判定(当り確率;10/11)において、2回連続してはずれとなる確率は約0.8%((1/11)×(1×11))である。
なお、図41〜図43では、説明の便宜上、等間隔(具体的には0.6秒間隔)で発射された夫々の遊技球は、特別可変入賞球装置22の最上流位置(X1)に等間隔(具体的には0.6秒間隔)で到達するものとしているが、実際には、特別可変入賞球装置22の最上流位置(X1)に等間隔で到達するのは極めて稀である。つまり、ルート2に存在するゲート33や釘34により遊技球の進路や速度は一定とはならないため、例えば、短時間(例えば、0.5秒以下程度)に2、3個が纏まって到達する場合や、長時間(例えば、2.0秒以上程度)に亘って1個も到達しない場合など、通常、特別可変入賞球装置22の最上流位置(X1)への到達には、ばらつきが生じる。
そして、特別可変入賞球装置22の最上流位置(X1)への到達にばらつきが生じることを考慮したとしても、特別可変入賞球装置22の開放終了時(T1)となる前に発射された遊技球は、いずれも、特別可変入賞球装置22の大入賞口24、または、普通可変入賞装置21の第2始動入賞口13bのいずれかに入賞することになる。具体的には、特別可変入賞球装置22の開放終了時(T1)となる前に発射され、かつ、特別可変入賞球装置22の開放終了時(T1)となる前に特別可変入賞球装置22の最上流位置(X1)に到達した遊技球は、大入賞口24に入賞する。また、特別可変入賞球装置22の開放終了時(T1)となる前に発射され、かつ、特別可変入賞球装置22の開放終了時(T1)となった後に特別可変入賞球装置22の最上流位置(X1)に到達した遊技球は、第2始動入賞口13bに入賞する。例えば、特別可変入賞球装置22の開放終了時(T1)となる前に発射され、当該開放終了時(T1)の直後に最上流位置(X1)に到達した遊技球の場合、当該遊技球が普通可変入賞装置21の最上流位置(Y1)に到達したときには、普通可変入賞装置21は閉鎖状態であるものの、当該遊技球が普通可変入賞装置21を流下し終える前に開放状態に制御されるため、第2始動入賞口13bに入賞することになる。また、特別可変入賞球装置22の開放終了時(T1)となる直前に発射された遊技球の場合も、当該遊技球が普通可変入賞装置21の最上流位置(Y1)に到達したときには、上述したように、普通可変入賞装置21は0.3秒間の閉鎖状態と1.0秒間の開放状態を繰り返し行っていることになり、当該遊技球が普通可変入賞装置21を通過し終える0.8秒間に、2回連続してはずれにならない限り、普通可変入賞装置21は開放状態に制御されるため、第2始動入賞口13bに入賞することとなる。
また、図41〜図43は、15ラウンドの大当り(通常大当り、確変大当りA)について説明しているが、8ラウンド大当り(確変大当りB)についても同様である。すなわち、15ラウンドの大当りであっても8ラウンド大当りであっても、最終ラウンド後の閉鎖時間(図15のTH15、図16のTH8)やファンファーレ時間(図15のTE、図16のTE)は同様であるため、8ラウンド大当り(確変大当りB)の場合であっても、特別可変入賞球装置22の開放終了時となる前に0.6秒間隔で発射されたほぼ全ての遊技球は、特別可変入賞球装置22の大入賞口24、または、普通可変入賞装置21の第2始動入賞口13bのいずれかに入賞することになる。
以上、上記実施形態によるパチンコ遊技機1は、遊技媒体(例えば、遊技球等)を発射することにより遊技を実行可能な遊技機であって、有利条件(例えば、大当り図柄の導出表示等)の成立にもとづいて有利状態(例えば、大当り遊技状態等)に制御可能な有利状態制御手段と、遊技媒体が入賞困難な第1状態(例えば、遊技媒体が第2始動入賞口13bに入賞困難な閉鎖状態等)と、遊技媒体が入賞可能な第2状態(例えば、遊技媒体が第2始動入賞口13bに入賞可能な開放状態等)とに変化可能な普通可変入賞装置(例えば、普通可変入賞装置21等)を備え、前記有利状態に制御された後に、通常状態(例えば、低ベース状態等)よりも遊技媒体が前記普通可変入賞装置に入賞する頻度が向上した高頻度状態(例えば、高ベース状態等)に制御可能であり、前記有利状態に制御された後に前記高頻度状態に制御される場合に(例えば、図40に示したように大当りの終了後において高ベース状態に制御される場合に)、前記有利状態中に発射された遊技媒体(例えば、図41に示した遊技球A〜遊技球F等)が前記普通可変入賞装置に入賞可能(例えば、図41、図42、図43に示したように遊技球C〜遊技球Fが普通可変入賞装置21に入賞可能)である。
このような構成によれば、スムーズに高ベースに移行できる。換言すれば、素早く普通可変入賞装置が第2状態に制御される。より詳細には、有利状態の制御が終了して高頻度状態に制御される際に一旦発射を止めることなく発射し続けたとしても、無駄球が生じ難いように、有利状態の終了後に素早く普通可変入賞装置が第2状態に制御される。本実施形態では、大当りの最終ラウンドの終了間際に遊技球を連続して発射し続けたとしても、連続して発射された夫々の遊技球は、特別可変入賞球装置22か普通可変入賞装置21の何れかに入賞可能である。従って、発射を一旦止めなくても無駄球が生じ難く、また、無駄球が生じないように発射を一旦止める必要がなくなる。
なお、上記実施形態では、15ラウンドの大当り(通常大当り、確変大当りA)の終了後や、8ラウンドの大当り(確変大当りB)の終了後に、高ベース状態に制御する例を説明したが、例えば、突確図柄の導出表示による突然確変大当りや、小当り図柄の導出表示による小当りを設けることにより、突然確変大当りの終了後や小当りの終了後に高ベース状態に制御してもよい。すなわち、上記実施形態では、有利状態の一例として大当り遊技状態を説明したが、有利状態には、突然確変、小当りも含まれる。
また、上記実施形態によるパチンコ遊技機1において、前記普通可変入賞装置は、普通識別情報の可変表示が行われ、所定の表示結果が導出表示されたことにもとづいて(例えば、普通図柄表示器26において普通図柄の可変表示が行われ、当りの表示結果が導出表示されたことにもとづいて)、前記第1状態から前記第2状態に変化するものであり、普通識別情報の可変表示の可変表示時間(例えば、図34に示した普通図柄変動時間等。若しくは、図34に示した普通図柄変動時間および図36に示した普通図柄停止図柄表示時間等)を設定する設定手段を更に備える。
このような構成によれば、普通図柄を用いた遊技を適切に行うことができる。
なお、上記実施形態では、普通可変入賞装置21は、普通図柄停止図柄表示時間が終了後に閉鎖状態から開放状態に制御しているが、普通図柄停止図柄表示時間の開始時に閉鎖状態から開放状態に制御してもよい。つまり、上記実施形態では、閉鎖状態から開放状態に普通可変入賞装置21を制御するのは、普通図柄表示器26において当り図柄が導出表示された時点ではなく当該当り図柄の停止表示の終了時点であったが、これに代えて、普通図柄表示器26において当り図柄が導出表示された時点で、普通可変入賞装置21を閉鎖状態から開放状態に制御してもよい。普通図柄表示器26において当り図柄が導出表示された時点で普通可変入賞装置21を閉鎖状態から開放状態に制御する態様とする場合、図36に示した普通図柄停止図柄表示時間分、図34に示した普通図柄変動時間を長くすることもできる。
また、上記実施形態によるパチンコ遊技機1は、所定の表示結果(例えば、当りの表示結果等)を導出表示させるか否かを決定する普通決定手段(例えば、高ベース状態であるときにはステップS5125にて選択した図35(A)の高ベース時用の普通図柄判定テーブルにもとづいて普通図柄の変動表示結果を当りとするかはずれとするかを決定し、低ベース状態であるときにはステップS5126にて選択した図35(B)の低ベース時用の普通図柄判定テーブルにもとづいて普通図柄の変動表示結果を当りとするかはずれとするかを決定するスップS5127の手段等)を備え、前記普通決定手段は、前記通常状態であるときは、所定の表示結果を導出表示させないことを常に決定する(例えば、図35(B)の低ベース時用の普通図柄判定テーブルにおける普通図柄の当り確率は0%であるため、当りの表示結果を導出表示させないことを常に決定する)。
このような構成によれば、普通図柄を用いた遊技を適切に行うことができる。また、出玉や可変表示の回数などが設計通りになる。
なお、上記実施形態では、図35(B)の低ベース時用の普通図柄判定テーブルに示すように、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値のとりうる値(3〜13)以外の値(0〜2)を当り判定値とすることによって、低ベース状態であるときには、常に、はずれとなるようにしているが、低ベース状態であるときに、常に、はずれとなるようにする態様はこれに限定されない。例えば、普通図柄当り判定用乱数の値に対し、演算結果が当り判定値と常に一致しないような演算処理を行うとともに、当該演算結果にもとづいて当りの判定を行うようにしてもよい。一例として、高ベース状態/低ベース状態において共通の普通図柄判定テーブル(例えば、当り判定値;3〜12)を用いることとし、低ベース状態であるときには、演算処理として、普通図柄当り判定用乱数の値(とりうる値は3〜13)に常に10を加算し、演算結果が、常に、当り判定値(3〜12)以外の値(13〜23)になるようにしてもよい。また例えば、普通図柄当り判定用乱数を用いずに(すなわち抽選を行わずに)、はずれとすることを常に決定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、低ベース時用の普通図柄判定テーブルにおける普通図柄の当り確率を0%としているが、高ベース時用の普通図柄判定テーブルにおける普通図柄の当り確率よりも小さい値であれば0%としなくてもよい。また、低ベース時用の普通図柄判定テーブルにおける普通図柄の当り確率を0%としない態様(すなわち、低ベース状態においても普通可変入賞装置21が開放状態に制御される場合がある態様)では、高ベース状態における普通可変入賞装置21の開放時間を低ベース状態における普通可変入賞装置21の開放時間よりも長くしてもよい。
また、上記実施形態では、高ベース時用の普通図柄判定テーブルにおける普通図柄の当り確率は約91%(10/11)としているが、低ベース時用の普通図柄判定テーブルにおける普通図柄の当り確率よりも大きい値であれば約91%としなくてもよい。例えば、大当りの終了時に一旦遊技球の発射を止めなくても、概ね(ほとんどの遊技球が、もしくはほとんどの場合が)、普通可変入賞装置21に入賞するような当り確率となっていればよい(実際にそのような当り確率でなくても、概ね普通可変入賞装置21に入賞すると遊技者に認識される当り確率であってもよい)。すなわち、球こぼれ(高ベース中に一旦遊技球の発射を止めずに連続して発射した場合に普通可変入賞装置21に入賞しない遊技球)が発生し難いような確率であれば他の確率としてもよい。なお、上述したように、高ベース時用の普通図柄判定テーブルにおける普通図柄の当り確率を100%にしてもよい。この場合、上述した様に、普通図柄当り判定用乱数を用いずに(すなわち抽選を行わずに)、当りとすることを常に決定するようにしてもよい。
また、高ベース状態に制御された後に普通可変入賞装置21の上流領域に至った遊技球が普通可変入賞装置21に入賞する確率が所定割合(P%)以上になるように普通図柄の当り確率を設定してもよい。本実施形態では、遊技球が普通可変入賞装置21の上流領域23Uから下流領域23Lに至るまでに要する時間は約0.8秒間であるため、当該時間内に0.3秒毎の普通図柄の当り判定は2回実行される(1回目が当りの場合は開放時間1秒があるため1回)。従って、具体的には、2回連続してはずれとなる確率を(100−P%)未満とすればよい。なお、例えば、普通図柄の当り確率を80%すれば2回連続してはずれとなる割合は4%となるため、高ベース状態に制御された後に普通可変入賞装置21の上流領域に至った遊技球が普通可変入賞装置21に入賞する確率は96%になる。
また、上記実施形態によるパチンコ遊技機1において、前記普通可変入賞装置は、遊技媒体が流下する流路の底面として形成される第1底面部材(例えば、底面部材23等)の動作により、前記第1状態と前記第2状態とに変化するものであり(例えば、図3に示したような閉鎖状態と、図4に示したように開放状態とに変化等するものであり)、前記設定手段は、遊技媒体が前記第1底面部材の上流位置(例えば、上流領域23U等)から下流位置(例えば、下流領域23L等)まで流下する流下時間(例えば、図7に示したTa(S);例えば0.8秒等)よりも短い時間を普通識別情報の可変表示の可変表示時間として設定する(例えば、図34に示したように普通図柄変動時間に0.2秒を設定し、図36に示したように普通図柄停止図柄表示時間に0.1秒を設定する)。
このような構成によれば、遊技媒体を入賞させ易くできるので興趣を向上させることができる。
また、上記実施形態によるパチンコ遊技機1は、遊技領域において前記普通可変入賞装置とは異なる位置(例えば、遊技媒体が流下する流路において普通可変入賞装置21の下流側等に並べた位置等)に設けられ、遊技媒体が流下する流路の底面として形成される第2底面部材(例えば、底面部材23と同様の底面部材等)の動作により、遊技媒体が入賞困難な閉状態(例えば、遊技媒体が大入賞口24に入賞困難な閉鎖状態等)と、入賞可能な開状態(例えば、遊技媒体が大入賞口24に入賞可能な開放状態等)とに変化する特別可変入賞装置(例えば、特別可変入賞球装置22等)と、前記第2底面部材を動作させることにより、前記特別可変入賞装置を前記開状態および前記閉状態に変化させる開閉制御手段(例えば、図15、図16に示すように、特別可変入賞球装置22を開放状態および閉鎖状態に変化させる大入賞口開放前処理(ステップS305)におけるステップS1410の処理、大入賞口開放中処理(ステップS306)におけるステップS1468の処理等)とを備え、前記開閉制御手段は、遊技媒体が前記第2底面部材の上流位置から下流位置まで流下する流下時間(例えば、図7に示した普通可変入賞装置21の流下時間と同様の0.8秒等)よりも短い期間(例えば、図27(A)(B)に示したようにインターバル時間として0.6秒等)に亘って前記特別可変入賞装置を前記閉状態に変化させる。
このような構成によれば、遊技媒体を入賞させ易くできるので興趣を向上させることができる。
なお、上記実施形態では、特別可変入賞球装置22と普通可変入賞装置21の両方を、遊技領域10の左右方向中央よりも右側に設けるようにしているが、特別可変入賞球装置22と普通可変入賞装置21の両方を、左右方向中央よりも左側に設けるようにしてもよい。例えば、特別可変入賞球装置22が閉鎖状態であるときに特別可変入賞球装置22の底面部材上を流下した遊技球が普通可変入賞装置21の底面部材23上を流下するように、特別可変入賞球装置22と普通可変入賞装置21の両方を、遊技領域10の左右方向中央よりも左側に設けるようにしてもよい。なお、特別可変入賞球装置22と普通可変入賞装置21の両方を、遊技領域10の左右方向中央よりも左側に設けるときには、ゲード33を、少なくとも、遊技領域10の左右方向中央よりも左側に設けるようにするとよい(左側に加え右側には設けても設けなくてもどちらでもよい)。
つまり、上記実施形態では、特別可変入賞球装置22と普通可変入賞装置21の両方をルート2側に設け、有利状態(例えば、大当り遊技状態等)に制御された後に高頻度状態(例えば、高ベース状態等)に制御される場合に、有利状態中に右打ちによりルート2側に発射された遊技球について、有利状態に制御された後に普通可変入賞装置21等に入賞可能である例を説明したが、特別可変入賞球装置22と普通可変入賞装置21の両方をルート1側に設けることにより、有利状態に制御された後に高頻度状態に制御される場合に、有利状態中に左打ちによりルート1側に発射された遊技球について、有利状態に制御された後に普通可変入賞装置21等に入賞可能であるようにしてもよい。
また、本実施形態では、遊技球を蛇行させることで遊技球の流下速度を遅延させ、普通可変入賞装置21の流下時間Ta(s)>普通可変入賞装置21の閉鎖時間Tin(s)の関係が成り立つようにしたが、これに限るものではない。例えば、遊技球をベース板部101の裏面側に案内する迂回路がベース板部101の裏面に形成され、底面部材23が前進移動した状態では迂回路に遊技球を誘導するようになっている一方、底面部材23が後退移動した状態で遊技球は入賞口に入賞可能な状態になるようなこととしてもよい。この迂回路が、底面部材23の長さよりも長く構成されていることとすれば、遊技球が底面部材23の上流領域23Uに達した際に入賞装置が閉鎖状態であっても、遊技球が迂回路を流下することで底面部材23の下流領域23Lに達するまでの時間がかかる。これにより、遊技球が上記下流領域23Lに達したときに、入賞装置が開放状態になっている可能性が高くなり、遊技球を入賞させ易くすることができる。特別可変入賞球装置22についても同様である。すなわち、上述のようにして、特別可変入賞球装置22の流下時間>インターバル時間の関係が成り立つようにしてもよい。
また、上流領域23Uから下流領域23Lへ流下する経路上に回転体を設け、該回転体により遊技球が遅延させられるようなこととしてもよい。例えば、回転体が所定の回転速度を有するものとすれば、流下してきた遊技球が該回転体上に捕捉されて該回転体の動作に応じて1周して開放されることで、遊技球の速度を該所定の回転速度に合わせて抑えることができる。この回転体の有する回転速度が遅い程、遊技球を大きく遅延させることができるため、遊技球が上記下流領域23Lに達したときに、入賞装置が開放状態になっている可能性が高くなり、遊技球を入賞させ易くすることができる。特別可変入賞球装置22についても同様である。すなわち、上述のようにして、特別可変入賞球装置22の流下時間>インターバル時間の関係が成り立つようにしてもよい。
他にも、底面部材23の傾斜を左上がりとしたり、底面部材23の上部表面に凹凸を設けたり、底面部材23を摩擦抵抗の高い素材によって構成したりすることにより遊技球の流下速度を遅延させ、普通可変入賞装置21の流下時間Ta(s)>普通可変入賞装置21の閉鎖時間Tin(s)の関係が成り立つようにしてもよい。特別可変入賞球装置22についても同様である。すなわち、上述のようにして、特別可変入賞球装置22の流下時間>インターバル時間の関係が成り立つようにしてもよい。
また、普通可変入賞装置21の流下時間Ta(s)>普通可変入賞装置21の閉鎖時間Tin(s)の関係が成り立つものであれば、遊技球の流下速度を遅延させないものであってもよい。例えば、遊技球の流下速度を遅延させないものであっても普通可変入賞装置21の流下時間Ta(s)>普通可変入賞装置21の閉鎖時間Tin(s)の関係が成り立つ程度に、底面部材23の長さを長くして設けることとしてもよい。特別可変入賞球装置22についても同様である。すなわち、上述のようにして、特別可変入賞球装置22の流下時間>インターバル時間の関係が成り立つようにしてもよい。
また、上記実施形態では、特別可変入賞球装置22の下流領域〜普通可変入賞装置21の上流領域23Uの間を遊技球が流下する時間はほぼ無視できるものとして説明したが、特別可変入賞球装置22の底面部材上を流下した遊技球の略全部が普通可変入賞装置21の底面部材23上を流下するように構成しつつ、特別可変入賞球装置22の下流領域〜普通可変入賞装置21の上流領域23Uの間を遊技球が流下する時間を設けるようにしてもよい(すなわち、特別可変入賞球装置22の下流領域を流下した遊技球が普通可変入賞装置21の上流領域23Uに至るまでには時間が掛かるようにしてもよい)。上記時間をt秒とすれば、遊技球が特別可変入賞球装置22の上流領域に到達してから普通可変入賞装置21の下流領域23Lに到達するまでの時間(上記実施形態において約1.6秒間としていた時間)をt秒間長くすることができるため、特別可変入賞球装置22の開放終了時となる前に発射された遊技球を、より確実に、特別可変入賞球装置22の大入賞口24、または、普通可変入賞装置21の第2始動入賞口13bのいずれかに入賞させることができる。
例えば、特別可変入賞球装置22と普通可変入賞装置21の夫々の設置位置を離しつつ、特別可変入賞球装置22から普通可変入賞装置21に至る流路に、特別可変入賞球装置22の底面部材上を流下した遊技球の略全部が普通可変入賞装置21の底面部材23上を流下するように1以上の釘を植設させてもよい。例えば、特別可変入賞球装置22を図1におけるゲート33の配置位置の付近に配置し、普通可変入賞装置21を図1における特別可変入賞球装置22の配置位置付近に配置し、それらの間に、遊技球の流下を遅延させる複数の釘を植設させてもよい。また、複数の釘に代えてまたは加えて、釘以外の物(例えば、上述の「回転体」や、皿状で1以上の穴が開いている構造物(クルーン)等)によって遊技球の流下を遅延させるようにしてもよい。
また、有利状態(例えば、大当り遊技状態等)に制御された後に高頻度状態(例えば、高ベース状態等)に制御される場合に、有利状態中に発射された遊技球について、普通可変入賞装置21に入賞可能であれば、特別可変入賞球装置22の底面部材上を流下した遊技球が普通可変入賞装置21の底面部材23上を流下しない構成であってもよい。例えば、特別可変入賞球装置22と普通可変入賞装置21の配置位置を逆にし(普通可変入賞装置21を図1における特別可変入賞球装置22の配置位置の配置し、特別可変入賞球装置22を図1における普通可変入賞装置21の配置位置に配置し)、かつ、普通可変入賞装置21の上流側に(例えば、図1におけるゲート33の配置位置の付近に)、遊技球の流下を遅延させるもの(釘、「回転体」やクルーン等)を配置することにより、特別可変入賞球装置22が開放状態に制御されているときに発射された遊技球が、普通可変入賞装置21に入賞可能となるようにしてもよい。また、例えば、普通可変入賞装置21を図1におけるゲート33の配置位置の付近に配置し、特別可変入賞球装置22を図1における普通可変入賞装置21の配置位置に配置し(もしくは、図1における特別可変入賞球装置22の配置位置のままとし)、かつ、上述の如く、普通可変入賞装置21の上流側に遊技球の流下を遅延させるものを配置してもよい。
すなわち、普通可変入賞装置21の上流側に配置される遅延部材(釘、「回転体」やクルーン等)によって、普通可変入賞装置21の上流側おいて遊技球の流下を遅延させれば、特別可変入賞球装置22が開放状態に制御されているときに発射された遊技球が、普通可変入賞装置21に入賞し易くなる。なお、普通可変入賞装置21の上流側に配置される遅延部材(釘、「回転体」やクルーン等)は、特別可変入賞球装置22の開放終了時(T1)よりも前に発射された複数の遊技球のうち、少なくとも開放終了時(T1)の直前に発射された遊技球が、普通可変入賞装置21が開放状態に制御されるよりも前に、普通可変入賞装置21の下流領域23Lに到達しないように(普通可変入賞装置21を流下し終えないように)、通可変入賞装置21の上流側にて遊技球の流下を遅延させるものであればよい。
普通可変入賞装置21を特別可変入賞球装置22の上流側に配置する態様として、特別可変入賞球装置22と普通可変入賞装置21の配置位置を逆にする態様と、普通可変入賞装置21を図1におけるゲート33の配置位置の付近に配置等する態様の2つの態様を説明したが、特別可変入賞球装置22が開放状態に制御されているときに発射された遊技球が、普通可変入賞装置21により入賞し易い態様は、前者(特別可変入賞球装置22と普通可変入賞装置21の配置位置を逆にする態様の方)である。すなわち、普通可変入賞装置21を特別可変入賞球装置22の上流側に配置する態様では、普通可変入賞装置21と特別可変入賞球装置22の間に滞在する遊技球は、特別可変入賞球装置22が閉鎖状態に制御された後には特別可変入賞球装置22にも普通可変入賞装置21にも入賞しない。また、特別可変入賞球装置22と普通可変入賞装置21の配置位置を逆にする態様は、普通可変入賞装置21を図1におけるゲート33の配置位置の付近に配置等する態様に比べ、普通可変入賞装置21と特別可変入賞球装置22と間の流路が短いため、普通可変入賞装置21と特別可変入賞球装置22の間に滞在する遊技球の数が少なくなる。従って、特別可変入賞球装置22と普通可変入賞装置21の配置位置を逆にする態様は、普通可変入賞装置21を図1におけるゲート33の配置位置の付近に配置等する態様に比べ、特別可変入賞球装置22が開放状態に制御されているときに発射された遊技球が、普通可変入賞装置21により入賞し易くなる。
なお、本実施形態では、特別可変入賞球装置22と普通可変入賞装置21とは同様の構成であると説明したが、特別可変入賞球装置22の構成と普通可変入賞装置21の構成とは異なるものであってもよい。例えば、本実施形態では、特別可変入賞球装置22や普通可変入賞装置21のサイズについて説明していなかったが、例えば、最大サイズ(例えば、135mm等)の横幅(左右方向の長さ)を持った特別可変入賞球装置22や最大サイズ(例えば、55mm等)の横幅を持った普通可変入賞装置21を搭載することにより、より余裕をもった(より長い)インターバル時間やエンディング時間などを設定してもよい。
また、上記に関連し、本実施形態では、普通可変入賞装置21(特別可変入賞球装置22も同様)は、図2〜図7に示すような底面部材23を有する構成として説明したが、特別可変入賞球装置22の開放終了時となる前に発射された遊技球の略全部が、特別可変入賞球装置22の大入賞口24、または、普通可変入賞装置21の第2始動入賞口13bのいずれかに入賞可能な構成であれば、底面部材23を有する構成でなくてもよい。例えば、入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する普通可変入賞装置21(特別可変入賞球装置22も同様)であってもよい。
なお、上記実施形態における各種の時間は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。例えば、本実施形態では、特別可変入賞球装置22が閉鎖状態に制御された後に普通可変入賞装置21が開放状態に制御されるまでの時間を短くするために、普通図柄変動時間を0.2秒とし、普通図柄停止図柄表示時間を0.1秒としているが、大当りの終了時に一旦遊技球の発射を止めなくても、概ね(ほとんどの遊技球が、もしくはほとんどの場合が)、普通可変入賞装置21に入賞し得るような短い時間であれば(実際にそのような短い時間でなくても概ね普通可変入賞装置21に入賞し得ると遊技者に認識されるような短い時間であれば)、普通図柄変動時間を0.2秒以外の時間とし、普通図柄停止図柄表示時間を0.1秒以外の時間としてもよい。すなわち、球こぼれ(高ベース中に一旦遊技球の発射を止めずに連続して発射した場合に普通可変入賞装置21に入賞しない遊技球)が発生し難いような時間であれば他の時間としてもよい。例えば、本実施形態では、普通図柄変動時間を普通図柄停止図柄表示時間よりも長く時間としているが、普通図柄変動時間と普通図柄停止図柄表示時間とを同じ時間(例えば、共に0.15秒)としてもよいし、普通図柄変動時間を普通図柄停止図柄表示時間よりも長く時間としてもよい(例えば、普通図柄変動時間を0.1秒、普通図柄停止図柄表示時間を0.2秒)。また例えば、本実施形態では、普通図柄変動時間と普通図柄停止図柄表示時間の合計時間を0.3秒としているが、当該合計時間は0.3秒でなくてもよい。
また、上記に関連し、本実施形態では、普通図柄変動時間として1種類の時間(0.2秒)を用意しているが、普通図柄変動時間として2種類以上の時間(例えば、0.2秒、0.6秒)を用意してもよい。例えば、高ベース状態であるときに参照するテーブルとして、普通図柄変動時間として0.2秒を記憶した高ベース状態(1変動目用)のテーブルと、普通図柄変動時間として0.6秒を記憶した高ベース状態(2変動目以降用)のテーブルとを用意しておき、高ベース状態に制御された後の1変動目には普通図柄変動時間として0.2秒を設定し、高ベース状態に制御された後の2変動目以降には普通図柄変動時間として0.6秒を設定してもよい。普通図柄停止図柄表示時間についても、同様に2種類以上の時間を用意し、例えば、高ベース状態に制御された後の1変動目と、高ベース状態に制御された後の2変動目以降とで異なる普通図柄停止図柄表示時間を設定してもよい。
また、本実施形態では、普電開放時間として1種類の時間(1.0秒)を用意しているが、普通図柄変動時間として2種類以上の時間を用意してもよい。例えば、複数種類の普図当りを設けることとし、普図当りの種類に応じた普通図柄変動時間をセットするようにしてもよい。換言すれば、当りとなったときの開放時間の異なる複数種類の普図当りを設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、特別可変入賞球装置22が閉鎖状態に制御された後に普通可変入賞装置21が開放状態に制御されるまでの時間、すなわち最終ラウンド後の閉鎖時間とエンディング時間の合計時間を1.0秒(最終ラウンド後の閉鎖時間を0.1秒、エンディング時間を0.9秒)としているが、大当りの終了時に一旦遊技球の発射を止めなくても、概ね(ほとんどの遊技球が、もしくはほとんどの場合が)、普通可変入賞装置21に入賞し得るような短い時間であれば(実際にそのような短い時間でなくても概ね普通可変入賞装置21に入賞し得ると遊技者に認識されるような短い時間であれば)、上記合計時間は1.0秒でなくてもよい。すなわち、球こぼれ(大当りが終了する前後に一旦遊技球の発射を止めずに連続して発射した場合に特別可変入賞球装置22や普通可変入賞装置21に入賞しない遊技球)が発生し難いような時間であれば他の時間としてもよい。例えば、エンディング時間を0.9秒よりも長くしてもよく、これにより、大入賞口24へ入賞した遊技球の排出をより確実に行うことができるようになる。
また、本実施形態では、インターバル時間を0.6秒としているが、大当り中に一旦遊技球の発射を止めなくても、概ね(ほとんどの遊技球が、もしくはほとんどの場合が)、特別可変入賞球装置22に入賞し得るような短い時間であれば(実際にそのような短い時間でなくても概ね特別可変入賞球装置22に入賞し得ると遊技者に認識されるような短い時間であれば)、インターバル時間を0.6秒以外の時間としてもよい。すなわち、球こぼれ(大当り中に一旦遊技球の発射を止めずに連続して発射した場合に特別可変入賞球装置22に入賞しない遊技球)が発生し難いような時間であれば他の時間としてもよい。
あるいは、球こぼれが発生するようなインターバル時間を設定してもよい。例えば、上記実施形態では、通常大当り、確変大当りA、確変大当りBの全ての大当りの全てのインターバル時間において球こぼれが発生し難いようにしているが、一部の大当りの一部または全部のインターバル時間において球こぼれが発生するようにしてもよい。すなわち、球こぼれが発生するような大当り種別を設けてもよい。
また、本実施形態においては、大入賞口24へ遊技球が入賞した場合にカウントスイッチ25aおよび第3入賞確認スイッチ25bにより該入賞を検出することとしているが、一方のセンサで該入賞を検出したものの他方のセンサでは該入賞を検出しなかった場合に、なんらかの異常が発生したものとして、その旨を報知することとしてもよい。具体的には、一方のセンサで入賞を検出した場合に所定のカウンタに1加算し、他方のセンサで入賞を検出した場合に該所定のカウンタを1減算し、各センサが大入賞口24への遊技球の入賞を検出し終わっているべきタイミングにて該所定のカウンタの値が0であれば異常が発生していないものと判定する一方、該所定のカウンタの値が0以外であれば異常が発生したものと判定し、その旨を報知する演出をおこなうこととしてもよい。また、その場合、特定遊技状態における最後の開放状態の後には、大入賞口24へ遊技球が入賞してから両方のセンサにより検出されるまでの期間よりも長い期間に亘って特別可変入賞装置22を閉鎖状態とするものであってもよい。なお、大入賞口24への遊技球の入賞を単一のセンサによって検出するものであってもよい。普通可変入賞装置21が備える第2始動入賞口13bに遊技球が入賞した場合も同様である。
また、上記実施形態では、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値にもとづいて確変大当り(確変大当りAまたは確変大当りB)となることが確定する態様としているが、確変大当りとなる条件はこれに限定されない。例えば、大入賞口24の近傍に、または、大入賞口24の内部に、特定領域を設け、該特定領域に遊技球が進入(通過)することにもとづいて、確変大当りとなることが確定する態様としてもよい。
また、上記実施形態では、第1特別図柄表示器12aや第2特別図柄表示器12bにおいて大当り図柄が表示されたことにもとづいて大当り遊技状態に制御するようにしているが、大当り遊技状態に制御する態様はこれに限定されない。例えば、第2始動入賞口13bの近傍に、または、第2始動入賞口13bの内部に、特定領域を設け、該特定領域に遊技球が進入(通過)したことにもとづいて大当り遊技状態に制御するようにいてもよい。
なお、上記実施形態では、0〜9の数字または記号等の複数種類の特別図柄を可変表示させ表示結果を導出表示させる態様を示したが、可変表示は、そのような態様に限定されない。例えば、可変表示させる特別図柄と、可変表示結果として導出表示される特別図柄とが異なっていてもよい。換言すれば、変動する複数種類の特別図柄に含まれない特別図柄が可変表示結果として導出表示されてもよいし、変動する複数種類の特別図柄の中には可変表示結果として特別導出表示されないものが含まれていてもよい。また、必ずしも複数種類の特別図柄を可変表示させる必要はなく、1種類の特別図柄のみを用いて可変表示を実行する態様であってもよい。1種類の特別図柄を用いた可変表示として、例えば、当該1種類の特別図柄を点滅させてもよい(交互に点灯/消灯を繰返してもよい)。すなわち、点灯、消灯の繰返しを可変表示としてもよい。そして、この場合であっても、当該1種類の特別図柄が最後に導出表示(点灯)されるものであってもよいし、当該1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。また、他の図柄(例えば、普通図柄、演出図柄(飾り図柄)等)の可変表示についても同様である。
以上、本発明の実施形態等について説明したが、装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、演出表示装置11や第1特別図柄表示器12aや第2特別図柄表示器12bや普通図柄表示器26や普通図柄保留記憶表示器27の表示動作を含めた各種の演出動作などについても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
また、上記において、「割合」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係にかぎらず、A:B=100%:0%のような関係も含む概念である(すなわち、一方が100%、他方が0%となるような割り振りも含む概念である)。また、AはBよりも割合が高いと言うときには、Aが100%であってBが100%未満である場合や、Bが0%であってAが0%よりも大きい場合も含む概念である。
また、例えば、上記実施形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板80に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板80に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御基板80側では2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板80の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
その他にも、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
例えば、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点又は遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
また、上記では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。