JP2021098181A - 遠心式流動場分画装置及び液体試料の漏れ判定方法 - Google Patents

遠心式流動場分画装置及び液体試料の漏れ判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】遠心式流動場分画装置におけるガスの発生を精度よく検知できる遠心式流動場分画装置、及び、液体試料の漏れ判定方法を提供する。【解決手段】遠心式流動場分画装置1は、記憶部60と、制御部70とを備えている。制御部70は、補正処理部701と、第1判定処理部702とを含んでいる。記憶部60は、流路内から液体試料が漏れていない状態におけるガスセンサ8の検出値を、ロータ14の回転数に対応付けて初期情報601として記憶している。補正処理部701は、ロータ14の回転数の値、及び、ガスセンサ8の検出値を抽出するとともに、抽出した回転数の値に基づいて、記憶部60から対応する初期情報601を選択し、これらの情報に基づいて、ガスセンサ8の検出値を補正した補正値を算出する。第1判定処理部702は、補正値に基づいて、ガス漏れの有無を判定する。【選択図】 図3

Description

本発明は、円環状のロータに設けられた流路部材の流路内に液体試料を流入させ、ロータを回転させることにより、当該流路内における液体試料中の粒子を遠心力によって分級する遠心式流動場分画装置、及び、当該遠心式流動場分画装置における液体試料の漏れ判定方法に関するものである。
液体試料に含まれる粒子を比重に応じて分級する方法として、流動場分画法(Field Flow Fractionation)が知られている。例えば、下記特許文献1には、流路内に液体試料を流入させて当該流路を回転させることにより、液体試料中の粒子を遠心力によって分級する遠心式流動場分画装置の一例が開示されている。
遠心式流動場分画装置は、例えば、ロータ及び流路部材などを備えている。ロータは、円環状に形成され、回転軸線を中心に回転可能に保持されている。流路部材は、ロータに設けられ、その内部にロータの内周面に沿って延びる円弧状の流路が形成されている。
この種の遠心式流動場分画装置では、まず、流路内にキャリア流体が流されるとともに、ロータが回転される。この状態で、流路内に液体試料が導入されることにより、液体試料に遠心力が付与されるとともに、液体試料がキャリア流体によって流されて、液体試料中の粒子が比重ごとに分級される。
特表2014−518761号公報
遠心式流動場分画装置では、キャリア流体として、エタノールなどの揮発性を有する有機溶媒の液体を用いることがある。この場合、何らかの原因によりキャリア流体が装置から漏れると、漏れた液体の種類によっては、蒸発した気体に引火する可能性があり、危険である。そのため、装置から漏れたガス(漏れた液体が蒸発することで生じる気体)をガスセンサなどで検知することが必要となる。
このように、遠心式流動場分画装置にガスセンサを設ける場合において、ガスセンサの検知精度が低下する可能性がある。
具体的には、ガスセンサは、自身の温度に変化が生じる環境下では、検知結果(センサ値)に変動が生じやすい。また、遠心式流動場分画装置において、ガスセンサは、装置内に設けられる。遠心式流動場分画装置では、ロータが回転することによって、装置内に風(空気の流れ)が生じる。そのため、遠心式流動場分画装置における分析動作中は、ロータの回転により生じる風がガスセンサに当たり、ガスセンサ自身の温度に変化が生じてしまう。その結果、ガスセンサのセンサ値が変動して、ガスの発生を正確に検知できないという不具合が生じる可能性がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、遠心式流動場分画装置におけるガスの発生を精度よく検知できる遠心式流動場分画装置、及び、液体試料の漏れ判定方法を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る遠心式流動場分画装置は、ロータと、流路部材と、回転駆動部と、ガスセンサと、記憶部と、漏れ判定処理部とを備える。前記ロータは、回転軸線を中心に回転する円環状である。前記流路部材は、前記ロータに沿って設けられ、内部に液体試料の流路が形成されるとともに、前記流路への液体試料の流入口及び前記流路からの液体試料の流出口が形成された円弧状である。前記回転駆動部は、前記ロータを回転させることにより、前記流路内における液体試料中の粒子を遠心力によって分級させる。前記ガスセンサは、前記流路内から液体試料が漏れることにより生じるガスを検知する。前記記憶部は、前記流路内から液体試料が漏れていない状態における前記ガスセンサの検出値を、前記ロータの複数の回転数に対応付けて初期値として記憶する。前記漏れ判定処理部は、前記ロータが回転しているときの前記ガスセンサの検出値、及び、その検出時の前記ロータの回転数における前記初期値に基づいて、前記流路内からの液体試料の漏れを判定する。
このような構成によれば、記憶部に記憶されている初期値を基準値として、その基準値と、ロータが回転しているときのガスセンサの検出値とに基づいて、漏れ判定処理部により液体試料の漏れを判定できる。
そのため、ロータの回転により発生する風の影響を排除して、液体試料が漏れることにより生じるガスを検知できる。具体的には、風がガスセンサに当たることで、ガスセンサに生じるセンサ値の変動を、予め初期値として記憶部に記憶しておき、その初期値を基準値とすることで、風の影響を排除してガスを検知できる。
その結果、遠心式流動場分画装置におけるガスの発生を精度よく検知できる。
(2)また、前記漏れ判定処理部は、前記ロータが回転しているときの前記ガスセンサの検出値から、その検出時の前記ロータの回転数における前記初期値を差し引いた補正値を算出する補正処理部を有し、前記補正値が第1閾値以上である場合に、前記流路内から液体試料が漏れていると判定してもよい。
このような構成によれば、ガスセンサの検出値から、ロータの回転で発生する風がガスセンサに当たることで生じるセンサ値の変動を排除した値を補正値とし、その補正値が第1閾値以上である場合に、液体試料の漏れにより生じるガスを検知できる。
そのため、遠心式流動場分画装置におけるガスの発生を一層精度よく検知できる。
(3)また、前記遠心式流動場分画装置は、異常判定処理部をさらに備えてもよい。前記異常判定処理部は、前記補正値が前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上である場合に、前記ガスセンサに異常が発生していると判定してもよい。
このような構成によれば、ガスセンサの検出値から、ロータの回転で発生する風がガスセンサに当たることで生じるセンサ値の変動を排除した値を補正値とし、その補正値が第1閾値よりも大きい第2閾値以上である場合に、ガスセンサに異常が発生していることを判定する。
そのため、ガスセンサに異常が発生している場合に、その異常の発生を的確に判定できる。
(4)また、前記補正処理部は、検出時の前記ロータの回転数に対応する前記ガスセンサの検出値が前記記憶部に記憶されていない場合に、補間法を用いた演算により、検出時の前記ロータの回転数に対応する前記ガスセンサの検出値を算出し、当該検出値を前記初期値として補正値を算出してもよい。
このような構成によれば、ロータの回転数に対応する前記ガスセンサの検出値が初期値として記憶部に記憶されていない場合であっても、補正値を的確に算出できる。そして、その補正値に基づいて、液体試料が漏れることにより生じるガスを検知できる。
(5)また、前記漏れ判定処理部は、前記ロータの回転が開始してから所定時間が経過した後、前記流路内からの液体試料の漏れの判定を開始してもよい。
このような構成によれば、ロータが回転することで装置内に生じる風が安定した後に、流路内からの液体試料の漏れの判定を開始する。
そのため、流路内からの液体試料の漏れの判定を精度よく行うことができる。
(6)また、前記所定時間は、前記ガスセンサの温度の相違による当該ガスセンサの検出値のばらつきが許容範囲内に収まるまでの時間であってもよい。
このような構成によれば、ガスセンサの検出値のばらつきが許容範囲内に収まった後に、流路内からの液体試料の漏れの判定を開始する。
そのため、ガスセンサの検出値のばらつきに起因する誤検知の発生を抑制できる。
その結果、流路内からの液体試料の漏れの判定を精度よく行うことができる。
(7)また、前記遠心式流動場分画装置は、報知処理部をさらに備えてもよい。前記報知処理部は、前記漏れ判定処理部により液体試料が漏れていると判定された場合に、その旨を報知する報知処理部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の遠心式流動場分画装置。
このような構成によれば、ユーザに対して、遠心式流動場分画装置において液体試料が漏れてガスが発生していることを、的確に認識させることができる。
(8)また、前記遠心式流動場分画装置は、回転制御部をさらに備えてもよい。前記回転制御部は、前記漏れ判定処理部により液体試料が漏れていると判定された場合に、前記回転駆動部による前記ロータの回転駆動を停止させる。
このような構成によれば、遠心式流動場分画装置において液体試料が漏れてガスが発生している場合に、ロータの回転駆動を停止させることができる。
そのため、遠心式流動場分画装置における安全性を向上できる。
(9)本発明に係る液体試料の漏れ判定方法は、回転軸線を中心に回転する円環状のロータと、前記ロータに沿って設けられ、内部に液体試料の流路が形成されるとともに、前記流路への液体試料の流入口及び前記流路からの液体試料の流出口が形成された円弧状の流路部材と、前記ロータを回転させることにより、前記流路内における液体試料中の粒子を遠心力によって分級させる回転駆動部と、前記流路内から液体試料が漏れることにより生じるガスを検知するガスセンサとを備えた遠心式流動場分画装置における液体試料の漏れ判定方法である。前記液体試料の漏れ判定方法は、記憶ステップと、漏れ判定ステップとを含む。前記記憶ステップでは、前記流路内から液体試料が漏れていない状態における前記ガスセンサの検出値を、前記ロータの複数の回転数に対応付けて初期値として記憶部に記憶させる。前記漏れ判定ステップでは、前記ロータが回転しているときの前記ガスセンサの検出値、及び、その検出時の前記ロータの回転数における前記初期値に基づいて、前記流路内からの液体試料の漏れを判定する。
(10)また、前記漏れ判定ステップは、所定のパターンで前記ロータを回転させて分析又は分析準備を行っているときに実行されてもよい。記憶ステップでは、前記所定のパターンと同じパターンで前記ロータを回転させたときの前記ガスセンサの検出値を、前記ロータの複数の回転数に対応付けて初期値として前記記憶部に記憶させてもよい。
このような方法によれば、ロータを回転させるときと同様の環境下でのガスセンサの検出値を初期値として記憶部に記憶させることができる。そして、その初期値に基づいて、液体試料の漏れを判定できる。
そのため、遠心式流動場分画装置におけるガスの発生を精度よく検知できる。
本発明によれば、記憶部に記憶されている初期値を基準値として、その基準値と、ロータが回転しているときのガスセンサの検出値とに基づいて、漏れ判定処理部により液体試料の漏れを判定できる。そのため、ロータの回転により発生する風の影響を排除して、液体試料が漏れることにより生じるガスを検知できる。その結果、遠心式流動場分画装置におけるガスの発生を精度よく検知できる。
本発明の一実施形態に係る遠心式流動場分画装置を備えた分析システムの構成例を示す概略図である。 図1の遠心式流動場分画装置の構成例を示す概略正面図である。 遠心式流動場分画装置の制御部、及び、その周辺の部材の電気的構成を示したブロック図である。 制御部による制御動作を示したフローチャートである。 分析動作の際における回転部の回転速度の経時的変化を示したグラフである。
1.分析システムの構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る遠心式流動場分画装置1を備えた分析システムの構成例を示す概略図である。遠心式流動場分画装置1は、流動場分画法(Field Flow Fractionation)を用いて液体試料に含まれる粒子を比重に応じて分級する装置である。図1の分析システムには、遠心式流動場分画装置1の他に、キャリア貯留部2、送液ポンプ3、ロータリーバルブ4、試料注入装置5、検出器6、キャリア回収部7などが備えられている。
キャリア貯留部2には、例えば、エタノールなどの有機溶媒からなるキャリア流体(移動相)が貯留されている。キャリア流体は、例えば、揮発性を有する液体である。キャリア流体は、送液ポンプ3によりキャリア貯留部2内から送り出され、ロータリーバルブ4を介して遠心式流動場分画装置1に供給される。試料注入装置5は、ロータリーバルブ4と遠心式流動場分画装置1との間に設けられており、試料注入装置5から試料が注入されたキャリア流体が、液体試料として遠心式流動場分画装置1に供給されるようになっている。
液体試料に含まれる粒子は、遠心式流動場分画装置1において遠心力が付与されることにより分級され、比重に応じて異なるタイミングで遠心式流動場分画装置1から流出する。遠心式流動場分画装置1から順次流出する粒子は、ロータリーバルブ4を介してキャリア流体とともに検出器6へと送られ、当該検出器6において検出された後、キャリア回収部7に回収される。遠心式流動場分画装置1に対する液体試料の供給の開始又は停止は、ロータリーバルブ4を回転させることにより切り替えることができる。
図2は、遠心式流動場分画装置1の構成例を示す概略正面図である。遠心式流動場分画装置1は、回転軸11を中心に回転する回転部10と、回転軸11を回転可能に保持する保持台20と、回転する回転部10に作業者が接触するのを防止するための保護壁30とが組み立てられることにより構成されている。
回転部10は、例えば、円筒形状に形成されており、その中心部に取り付けられた回転軸11が水平方向に延びるように保持台20により保持されている。保護壁30は、例えば回転部10の外周面に対応する形状に湾曲したU字状の部材であり、回転部10の外周面を覆うように、当該外周面に対して微小な間隔を隔てて対向した状態で保持台20に取り付けられている。
回転部10は、例えば、ロータ14、スペーサ15、流路部材16及び固定部材17などが組み立てられることにより、全体として円筒状の部材として構成されている。
ロータ14は、円環状の部材であり、一方の端面が図示しない端面壁により塞がれている。ロータ14の端面壁には、回転軸11が固定されている。これにより、回転軸11の回転に伴って、当該回転軸11と同軸上の回転軸線Lを中心にロータ14を回転させることができる。
ロータ14の内側(回転軸線L側)の空間には、スペーサ15、流路部材16及び固定部材17が収容される。スペーサ15、流路部材16及び固定部材17は、それぞれ長尺形状の部材が円弧状に湾曲された形状を有しており、ロータ14の内周面に沿って、この順序で積層された状態で固定される。
流路部材16は、薄板状であって、周方向の両端部が間隔を隔てて対向することによりC字状に形成されている。流路部材16の内部には、周方向に延びる流路(図示せず)が形成されている。
流路部材16における周方向の一端部には、流路への液体試料の流入口161が形成されており、流路部材16における周方向の他端部には、流路からの液体試料の流出口162が形成されている。これにより、流入口161から流路内に流入した液体試料は、流路内を一端部から他端部まで周方向に沿って流通し、流出口162から流出するようになっている。
固定部材17は、流路部材16と同様に、周方向の両端部が間隔を隔てて対向することによりC字状に形成されている。固定部材17は、流路部材16の内側(回転軸線L側)に、流路部材16の内周面に沿って設けられる。流路部材16は、ボルトなどの係止具によって、固定部材17に取り付けられている。流路部材16が取り付けられた固定部材17は、ロータ14との間にスペーサ15を介して流路部材16を挟み込むようにして、ロータ14の内周面に固定される。
固定部材17における周方向の両端部には、流路部材16の流入口161及び流出口162に対向する位置に、それぞれ貫通孔(図示せず)が形成されている。固定部材17の内周面には、各貫通孔に連通するように導入部12及び導出部13が取り付けられている。これにより、導入部12から導入された液体試料は、一方の貫通孔を介して流入口161から流路内に流入し、流路内を周方向に流通した後、流出口162から他方の貫通孔及び導出部13を介して導出される。
回転軸11は中空状に形成されており、液体試料は、回転軸11の一端部から回転軸11内に供給される。回転部10の導入部12及び導出部13は、それぞれ配管(図示せず)を介して回転軸11内に連通している。
回転軸11には、回転駆動部の一例であるモータ40が連結されている。このモータ40の駆動により回転部10を回転させて、回転部10内の液体試料に遠心力を付与することができる。ただし、回転部10は、モータ40以外の回転駆動部を用いて回転させることも可能である。
保持台20における回転軸11の保持部分の近傍には、ガスセンサ8が設けられている。ガスセンサ8は、保持台20の内面に取り付けられている。ガスセンサ8は、回転軸線Lに沿う方向から見たときに、ロータ14の内部空間(流路部材16の内部空間)と重なっている。ガスセンサ8は、遠心式流動場分画装置1内におけるガスを検知するように構成されている。
液体試料中の粒子を分級する際には、まず、モータ40の駆動によって回転部10が回転し、回転部10の回転数が徐々に上昇する。そして、回転部10の回転数が一定の値に維持された状態で、キャリア流体とともに液体試料が回転軸11に供給される。回転軸11内に供給された液体試料は、導入部12を介して流入口161から回転部10(流路部材16)内の流路に導入される。
そして、流路内に液体試料が一定時間だけ導入された後、ロータリーバルブ4の切替によって液体試料の供給が停止され、そのまま回転部10が回転されることにより、流路内の液体試料中の粒子が遠心沈降する。その後、ロータリーバルブ4の切替によって流路内での送液が再開される。
これにより、液体試料中の比重が小さい粒子から順に、流路内の液体試料の流れに乗って下流側へと送られ、流出口162から順次流出する。流出口162から流出した液体試料は、回転軸11内を通過した後、検出器6へと送られる。このように、流路内における液体試料中の粒子が遠心力によって分級され、比重に応じて異なるタイミングで流出口162から流出して検出器6へと送られる。
このように遠心式流動場分画装置1を用いた分析を行う際に、何らかの原因により液体試料(キャリア流体及び試料)が装置から漏れることがある。この場合、キャリア流体は、揮発性を有しているため、キャリア流体が蒸発することでガス(気体)が発生する。詳しくは後述するが、遠心式流動場分画装置1では、このように装置内で発生するガスを、ガスセンサ8を用いて精度よく検知している。
2.制御部及びその周辺の部材の電気的構成
図3は、遠心式流動場分画装置1の制御部70、及び、その周辺の部材の電気的構成を示したブロック図である。
遠心式流動場分画装置1は、ガスセンサ8及びモータ40に加えて、表示部50、記憶部60及び制御部70などを電気的構成として備えている。
表示部50は、例えば、液晶表示器などにより構成されている。
記憶部60は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスクなどにより構成されている。記憶部60には、複数の初期情報601が記憶されている。
初期情報601は、ガスセンサ8の初期値となる情報である。初期情報601は、回転数情報602と、検出値情報603とを含んでおり、これらは、互いに対応づけられている。後述するように、初期情報601は、遠心式流動場分画装置1において分析動作が開始される前に、予め記憶部60に格納される。
回転数情報602は、ロータ14の回転数(モータ40の回転数)の情報である。モータ40の回転数は、エンコーダ(図示せず)を用いて読み取られる。
検出値情報603は、ガスセンサ8の検出値の情報である。
制御部70は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含む構成である。制御部70は、ガスセンサ8、モータ40、表示部50及び記憶部60などと電気的に接続されている。制御部70は、CPUがプログラムを実行することにより、補正処理部701、第1判定処理部702、第2判定処理部703、報知処理部704及び回転制御部705などとして機能する。
補正処理部701は、記憶部60の初期情報601、及び、モータ40の回転数(ロータ14の回転数)に基づいて、ガスセンサ8の検出値を補正して、補正値を算出する処理を行う。
第1判定処理部702は、補正処理部701が算出した補正値に基づいて、流路部材16の流路内から液体試料が漏れているか否かを判定する処理を行う。第1判定処理部702及び補正処理部701が、漏れ判定処理部の一例である。
第2判定処理部703は、補正処理部701が算出した補正値に基づいて、ガスセンサ8に異常が発生しているか否かを判定する処理を行う。第2判定処理部703が、異常判定処理部の一例である。
報知処理部704は、第1判定処理部702の判定結果に基づいて、表示部50においてガス漏れが発生している旨を表示させる処理を行う。また、報知処理部704は、第2判定処理部703の判定結果に基づいて、表示部50においてガスセンサ8に異常が発生している旨を表示させる処理を行う。
回転制御部705は、モータ40の駆動を制御することにより、ロータ14の回転動作を制御する。
3.制御部による制御動作
図4は、制御部70による制御動作を示したフローチャートである。図5は、分析動作の際における回転部10の回転速度の経時的変化を示したグラフである。
遠心式流動場分画装置1では、装置の出荷時など、分析動作に先立って、記憶部60に初期情報601が格納される。具体的には、遠心式流動場分画装置1において、流路部材16の流路内に液体試料が流されない状態で、後述する分析動作の際と同様に、回転部10(ロータ14)が回転される。すなわち、遠心式流動場分画装置1において、液体試料が流されない状態で、図5と同じパターンでロータ14が回転される。そして、ロータ14の各回転数と、ロータ14が各回転数を示すときのガスセンサ8の検出値とが抽出され、それらの情報が互いに対応づけられて初期情報601として記憶部60に格納される(記憶ステップ)。
このように、遠心式流動場分画装置1では、分析動作に先立って、流路部材16の流路内から液体試料が漏れていない状態で、分析動作の際と同じパターン(図5と同じパターン)で、ロータ14が回転され、ガスセンサ8の検出値とロータ14の回転数とが対応づけられて初期値(初期情報601)として記憶部60に格納される。
このとき、遠心式流動場分画装置1において、ロータ14の回転により発生した風がガスセンサ8に当たり、ガスセンサ8の検出値に変動が生じる。そして、このときのガスセンサ8の検出値が、ロータ14の回転数と対応づけられて、初期値(初期情報601)として、記憶部60に格納される。すなわち、記憶部60に記憶されている初期情報601(検出値情報603)は、遠心式流動場分画装置1において、ロータ14の回転により発生する風の影響で生じるガスセンサ8の検出値(ガスセンサ8の変動値)の情報である。
このようにして記憶部60に初期情報601が記憶された状態で、遠心式流動場分画装置1を用いて試料の分析が行われる。
遠心式流動場分画装置1を用いて分析を行う場合には、ユーザは、操作部(図示せず)を操作して、遠心式流動場分画装置1(分析システム)の動作の開始を入力する。
すると、送液ポンプ3の動作が開始され、さらに、ロータリーバルブ4がキャリア流体を供給する側に切り替えられる。
これにより、キャリア貯留部2からのキャリア流体が遠心式流動場分画装置1内に導入され、遠心式流動場分画装置1の流路内での送液が開始される(流路内での流通が発生する)。
また、回転制御部705は、モータ40を駆動させて回転部10(ロータ14)の回転速度を上げていく(ステップS101)。そして、回転制御部705は、ロータ14の回転速度が、所定の回転速度になると、その回転速度を維持するように、モータ40の駆動状態を維持する。
回転制御部705によりロータ14の回転速度が一定に保たれると、試料注入装置5が動作されてキャリア流体に試料が注入され、液体試料が遠心式流動場分画装置1の流路に導入される。このときの時間がT1である。
また、液体試料の導入が開始されてから一定時間が経過すると、ロータリーバルブ4が切り替えられて流路内での送液(液体試料の送液)が停止される。このときの時間がT2である。
この状態、すなわち、流路内での液体試料の送液が停止され、回転部10(ロータ14)が所定の回転速度で回転される状態が一定時間維持されることで、流路内における液体試料中の粒子は、遠心力によって粒子のサイズに応じた位置に分布する。例えば、強い遠心力を受ける大きな粒子は、弱い遠心力を受ける小さな粒子に比べて流路の壁側近くに分布する。
そして、一定時間が経過すると、ロータリーバルブ4が切り替えられて、流路内の送液(液体試料の流通)が再開される。流路内の送液が再開される時間がT3である。
これにより、液体試料中の比重が小さい粒子から順に、流路内の液体試料の流れに乗って検出器6(図1参照)に送られる。
また、流路内の送液が再開された後、回転制御部705は、回転部10の回転速度を徐々に低下させる。この状態においても、液体試料中の粒子が、流路内の液体試料の流れに乗って検出器6(図1参照)に送られる。
遠心式流動場分画装置1では、時間T3以降において、液体試料の分析が行われる。すなわち、時間T3よりも前の期間が分析準備期間であり、時間T3以降が分析期間である。また、時間T3は、分析開始時である。ロータ14の回転が開始されてから時間T3になるまでの所定時間は、ガスセンサ8の温度の相違によるガスセンサ8の検出値のばらつきが許容範囲内に収まるまでの時間である。
時間T3になると、一定時間間隔でガスセンサ8の値(補正値)が算出されて、液体試料が漏れることに起因するガス漏れが発生しているか否かが判定される。すなわち、ロータ14の回転が開始されてから所定時間が経過して時間T3になると(ステップS102でYES)、制御部70による一連の判定処理が開始される。
具体的には、時間T3以降において、補正処理部701は、一定時間(例えば、100msec)が経過するたびに(ステップS103でYES)、モータ40の回転数の値(ロータ14の回転数の値)、及び、ガスセンサ8の検出値を抽出する。また、補正処理部701は、抽出した回転数の値に基づいて、記憶部60から、その回転数の値を回転数情報602として含む初期情報601を選択する。換言すれば、補正処理部701は、抽出した回転数の値をインデックスとして初期情報601を選択する。そして、補正処理部701は、その初期情報601に含まれる検出値情報603を読み出す。さらに、補正処理部701は、抽出したガスセンサ8の検出値から、読み出した検出値情報603の値を差し引くことで、補正値を算出する(ステップS104)。
このように、補正処理部701は、ガスセンサ8の検出値を抽出し、その検出値から対応する初期値である検出値情報603を差し引いて補正値を算出する。このようにして、ガスセンサ8の検出値から、ロータ14の回転により発生する風の影響で生じる変動値が排除されて(補正されて)、補正値が算出される。すなわち、補正処理部701により算出される補正値は、ガスのみに対するガスセンサ8の検出値である。
このとき、補正処理部701は、抽出したロータ14の回転数の値(検出時のロータ14の回転数の値)に対応する初期情報601が記憶部60に記憶されていない場合には(対応する初期値が記憶部60にない場合には)、補間法(例えば、線形補間法)を用いた演算により、抽出したロータ14の回転数の値に対応するガスセンサ8の検出値を算出する。そして、補正処理部701は、その算出した検出値を初期値として補正値を算出する。
そして、第1判定処理部702は、補正処理部701により算出される補正値が第1閾値以上であるか否かを判定し、ガス漏れの有無(液体試料の漏れの有無)を判定する。
補正処理部701により算出される補正値が第1閾値未満である場合には(ステップS105でNO)、第1判定処理部702は、ガス漏れが発生していない(液体試料の漏れが発生していない)と判定する。そして、上記したステップS103及びS104の処理が繰り返し行われる。
一方、補正処理部701により算出される補正値が第1閾値以上である場合には(ステップS105でYES)、第1判定処理部702は、ガス漏れが発生している(液体試料の漏れが発生している)と判定する(漏れ判定ステップ)。
さらに、第2判定処理部703は、補正処理部701により算出される補正値が第2閾値以上であるか否かを判定し、ガスセンサ8の異常の有無を判定する。なお、第2閾値は、第1閾値よりも大きい。
補正処理部701により算出される補正値が第2閾値以上でない場合、換言すれば、補正処理部701により算出される補正値が第2閾値未満である場合には(ステップS106でNO)、第2判定処理部703は、ガスセンサ8には異常が発生していないと判定する。
第1判定処理部702によりガス漏れの発生が判定され、かつ、第2判定処理部703によりガスセンサ8に異常が無いと判定される場合には、報知処理部704は、表示部50において、ガス漏れが発生している旨を表示させる(ステップS107)。また、回転制御部705は、モータ40の駆動を停止させて、ロータ14の回転を停止させる(ステップS108)。
このように、遠心式流動場分画装置1において、液体試料が漏れることでガス漏れが発生している場合には、表示部50において、ガス漏れが報知されるとともに、ロータ14の回転が停止されて、分析動作が停止される。
一方、補正処理部701により算出される補正値が第2閾値以上である場合には(ステップS106でYES)、第2判定処理部703は、ガスセンサ8に異常が発生していると判定する。第2判定処理部703によりガスセンサ8の異常の発生が判定されると、報知処理部704は、表示部50において、ガスセンサ8に異常が発生している旨を表示させる(ステップS109)。そして、回転制御部705は、モータ40の駆動を停止させて、ロータ14の回転を停止させる(ステップS108)。
4.作用効果
(1)本実施形態によれば、遠心式流動場分画装置1において、記憶部60は、流路部材16の流路内から液体試料が漏れていない状態におけるガスセンサ8の検出値を、ロータ14の回転数に対応付けて初期値として記憶する。補正処理部701は、モータ40の回転数の値(ロータ14の回転数の値)、及び、ガスセンサ8の検出値を抽出するとともに、抽出した回転数の値に基づいて、記憶部60から、その回転数の値を回転数情報602として含む初期情報601を選択する。そして、補正処理部701は、これらの情報に基づいて、ガスセンサ8の検出値を補正した補正値を算出する(図4のステップS104)。また、第1判定処理部702は、補正処理部701により算出される補正値に基づいて、ガス漏れの有無(液体試料の漏れの有無)を判定する(漏れ判定ステップ)。
このように、遠心式流動場分画装置1では、記憶部60に記憶されている初期情報601(初期値)を基準値として、その基準値と、ロータ14が回転しているときのガスセンサ8の検出値とに基づいて液体試料の漏れが判定される。
そのため、ロータ14の回転により発生する風の影響を排除して、液体試料が漏れることにより生じるガスを検知できる。具体的には、風がガスセンサ8に当たることで、ガスセンサ8に生じるセンサ値の変動を、予め初期値として記憶部60に記憶しておき、その初期値を基準値とすることで、風の影響を排除してガスを検知できる。
その結果、遠心式流動場分画装置1におけるガスの発生を精度よく検知できる。
(2)また、本実施形態によれば、遠心式流動場分画装置1において、補正処理部701は、モータ40の回転数の値(ロータ14の回転数の値)、及び、ガスセンサ8の検出値を抽出する。補正処理部701は、抽出した回転数の値に基づいて、記憶部60から、その回転数の値を回転数情報602として含む初期情報601を選択する。そして、補正処理部701は、その初期情報601に含まれる検出値情報603を読み出す。さらに、補正処理部701は、抽出したガスセンサ8の検出値から、読み出した検出値情報603の値を差し引くことで、補正値を算出する(図4のステップS104)。補正値が第1閾値以上である場合には(ステップS105でYES)、第1判定処理部702は、ガス漏れが発生している(液体試料の漏れが発生している)と判定する。
すなわち、遠心式流動場分画装置1では、ガスセンサ8の検出値から、ロータ14の回転で発生する風がガスセンサ8に当たることで生じるセンサ値の変動を排除し、その値を補正値とし、補正値が第1閾値以上である場合に、液体試料の漏れにより生じるガスを検知する。
そのため、遠心式流動場分画装置1におけるガスの発生を一層精度よく検知できる。
(3)また、本実施形態によれば、遠心式流動場分画装置1において、制御部70は、第2判定処理部703を含む。補正処理部701により算出される補正値が第2閾値以上である場合には(ステップS108でYES)、第2判定処理部703は、ガスセンサ8に異常が発生していると判定する。
そのため、ガスセンサ8に異常が発生している場合に、その異常の発生を的確に判定できる。
(4)また、本実施形態によれば、遠心式流動場分画装置1において、補正処理部701は、抽出したロータ14の回転数の値(検出時のロータ14の回転数の値)に対応する初期情報601が記憶部60に記憶されていない場合には(対応する初期値が記憶部60にない場合には)、補間法(例えば、線形補間法)を用いた演算により、抽出したロータ14の回転数の値に対応するガスセンサ8の検出値を算出する。そして、補正処理部701は、その算出した検出値を初期値として補正値を算出する。
そのため、ロータ14の回転数に対応するガスセンサ8の検出値が初期値として記憶部60に記憶されていない場合であっても、補正処理部701により補正値を的確に算出できる。そして、その補正値に基づいて、第1判定処理部702により液体試料が漏れることにより生じるガスを検知できる。
(5)また、本実施形態によれば、ロータ14の回転が開始されてから所定時間が経過して時間T3になった後(図4のステップS102でYES)、補正処理部701により補正値が算出される。そして、その補正値に基づいて、第1判定処理部702により液体試料が漏れることにより生じるガスの発生の有無が判定される。
すなわち、遠心式流動場分画装置1では、ロータ14が回転することで装置内に生じる風が安定した後に、液体試料の漏れの判定が開始される。
そのため、液体試料の漏れの判定を精度よく行うことができる。
(6)また、本実施形態によれば、補正処理部701により補正値の算出が開始されるまでの時間(ロータ14の回転が開始されてから時間T3になるまでの所定時間)は、ガスセンサ8の温度の相違によるガスセンサ8の検出値のばらつきが許容範囲内に収まるまでの時間である。
そのため、遠心式流動場分画装置1において、ガスセンサ8の検出値のばらつきが許容範囲内に収まった後に、液体試料の漏れの判定を開始することができる。
その結果、ガスセンサ8の検出値のばらつきに起因する誤検知の発生を抑制できる。
よって、液体試料の漏れの判定を精度よく行うことができる。
(7)また、本実施形態によれば、遠心式流動場分画装置1において、制御部70は、報知処理部704を含む。第1判定処理部702によりガス漏れの発生が判定されると、報知処理部704は、表示部50において、ガス漏れが発生している旨を表示させる(図4のステップS106)。
そのため、ユーザに対して、遠心式流動場分画装置1において液体試料が漏れてガスが発生していることを、的確に認識させることができる。
(8)また、本実施形態によれば、遠心式流動場分画装置1において、制御部70は、回転制御部705を含む。第1判定処理部702によりガス漏れの発生が判定されると、回転制御部705は、モータ40の駆動を停止させて、ロータ14の回転を停止させる(ステップS107)。
そのため、遠心式流動場分画装置1において液体試料が漏れてガスが発生している場合に、ロータ14の回転駆動を停止させることができる。
その結果、遠心式流動場分画装置1における安全性を向上できる。
(9)また、本実施形態によれば、遠心式流動場分画装置1では、分析動作に先立って、記憶部60に初期情報601が格納される。このとき、遠心式流動場分画装置1では、分析動作のときと同一のパターンでロータ14が回転される。そして、ロータ14の各回転数と、ロータ14が各回転数を示すときのガスセンサ8の検出値とが抽出され、それらの情報が互いに対応づけられて初期情報601として記憶部60に格納される(記憶ステップ)。
そのため、分析動作でロータ14を回転させるときと同一の環境下でのガスセンサ8の検出値を初期値(検出値情報603)として記憶部60に記憶させることができる。そして、その初期値に基づいて、液体試料の漏れを判定できる。
その結果、遠心式流動場分画装置1におけるガスの発生を精度よく検知できる。
5.変形例
以上の実施形態では、初期情報601は、装置の出荷時などに、予め記憶部60に記憶されるとして説明した。しかし、初期情報601は、ユーザによる操作部の操作によって設定され、この設定を制御部70が受け付けることで、記憶部60に格納されてもよい。
1 遠心式流動場分画装置
8 ガスセンサ
14 ロータ
16 流路部材
40 モータ
60 記憶部
70 制御部
161 流入口
162 流出口
601 初期情報
602 回転数情報
603 検出値情報
701 補正処理部
702 第1判定処理部
703 第2判定処理部
704 報知処理部
705 回転制御部

Claims (10)

  1. 回転軸線を中心に回転する円環状のロータと、
    前記ロータに沿って設けられ、内部に液体試料の流路が形成されるとともに、前記流路への液体試料の流入口及び前記流路からの液体試料の流出口が形成された円弧状の流路部材と、
    前記ロータを回転させることにより、前記流路内における液体試料中の粒子を遠心力によって分級させる回転駆動部と、
    前記流路内から液体試料が漏れることにより生じるガスを検知するガスセンサと、
    前記流路内から液体試料が漏れていない状態における前記ガスセンサの検出値を、前記ロータの複数の回転数に対応付けて初期値として記憶する記憶部と、
    前記ロータが回転しているときの前記ガスセンサの検出値、及び、その検出時の前記ロータの回転数における前記初期値に基づいて、前記流路内からの液体試料の漏れを判定する漏れ判定処理部とを備えることを特徴とする遠心式流動場分画装置。
  2. 前記漏れ判定処理部は、前記ロータが回転しているときの前記ガスセンサの検出値から、その検出時の前記ロータの回転数における前記初期値を差し引いた補正値を算出する補正処理部を有し、前記補正値が第1閾値以上である場合に、前記流路内から液体試料が漏れていると判定することを特徴とする請求項1に記載の遠心式流動場分画装置。
  3. 前記補正値が前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上である場合に、前記ガスセンサに異常が発生していると判定する異常判定処理部をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の遠心式流動場分画装置。
  4. 前記補正処理部は、検出時の前記ロータの回転数に対応する前記ガスセンサの検出値が前記記憶部に記憶されていない場合に、補間法を用いた演算により、検出時の前記ロータの回転数に対応する前記ガスセンサの検出値を算出し、当該検出値を前記初期値として補正値を算出することを特徴とする請求項2又は3に記載の遠心式流動場分画装置。
  5. 前記漏れ判定処理部は、前記ロータの回転が開始してから所定時間が経過した後、前記流路内からの液体試料の漏れの判定を開始することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の遠心式流動場分画装置。
  6. 前記所定時間は、前記ガスセンサの温度の相違による当該ガスセンサの検出値のばらつきが許容範囲内に収まるまでの時間であることを特徴とする請求項5に記載の遠心式流動場分画装置。
  7. 前記漏れ判定処理部により液体試料が漏れていると判定された場合に、その旨を報知する報知処理部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の遠心式流動場分画装置。
  8. 前記漏れ判定処理部により液体試料が漏れていると判定された場合に、前記回転駆動部による前記ロータの回転駆動を停止させる回転制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の遠心式流動場分画装置。
  9. 回転軸線を中心に回転する円環状のロータと、前記ロータに沿って設けられ、内部に液体試料の流路が形成されるとともに、前記流路への液体試料の流入口及び前記流路からの液体試料の流出口が形成された円弧状の流路部材と、前記ロータを回転させることにより、前記流路内における液体試料中の粒子を遠心力によって分級させる回転駆動部と、前記流路内から液体試料が漏れることにより生じるガスを検知するガスセンサとを備えた遠心式流動場分画装置における液体試料の漏れ判定方法であって、
    前記流路内から液体試料が漏れていない状態における前記ガスセンサの検出値を、前記ロータの複数の回転数に対応付けて初期値として記憶部に記憶させる記憶ステップと、
    前記ロータが回転しているときの前記ガスセンサの検出値、及び、その検出時の前記ロータの回転数における前記初期値に基づいて、前記流路内からの液体試料の漏れを判定する漏れ判定ステップとを含むことを特徴とする液体試料の漏れ判定方法。
  10. 前記漏れ判定ステップは、所定のパターンで前記ロータを回転させて分析又は分析準備を行っているときに実行され、
    前記記憶ステップでは、前記所定のパターンと同じパターンで前記ロータを回転させたときの前記ガスセンサの検出値を、前記ロータの複数の回転数に対応付けて初期値として前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項9に記載の液体試料の漏れ判定方法。
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