JP2021097807A - 歯根膜刺激デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】食欲を抑制することにストレスを抱える人について食欲の抑制を行うことができる歯根膜刺激デバイスを提供すること。【解決手段】歯根膜刺激デバイス1は、歯根膜204に刺激を与える歯根膜刺激装置であり、電源部4と、歯の適所の一例である第1大臼歯T1から第3大臼歯T3に配置されて、歯根膜204に刺激を与える第1歯根膜刺激部11、第2歯根膜刺激部12と、電源部4に接続され、第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12を動作させて歯根膜204に刺激を与え、神経ヒスタミン、レプチン、セロトニンの少なくともいずれかの分泌を促進させる制御部3を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、食欲を抑制することにストレスを抱える人について、歯根膜に刺激を与えることで食欲の抑制を行う歯根膜刺激デバイスに関する。
食欲を抑制することにストレスを抱える人として、例えば糖尿病患者を例に挙げると、糖尿病患者は、血糖コントロールを良好に保つために、食事療法を実施する。食事療法の内容としては、食料摂取時に糖質を控えめにすることや肥満を改善する食事制限等がある。食事療法が守れずにいると、肥満レベルが悪化し、インスリンが効きにくくなるために、高血糖のリスクが増大する。また、2型糖尿病で肥満状態を続けると動脈硬化のリスクが高まる。
特許文献1には、歯根膜感覚を測定する装置が提案されている。この測定装置は、第1小臼歯から第2大臼歯の範囲で装着され、荷重発生部が機械的刺激を歯牙に与えることが開示されている。
食欲を抑制することにストレスを抱える人について食欲の抑制ができることが、望まれているが、従来の歯根膜感覚を測定する装置では、食欲の抑制を行うことは困難である。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、食欲を抑制することにストレスを抱える人について食欲の抑制を行うことができる歯根膜刺激デバイスを提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、食欲を抑制することにストレスを抱える人について食欲の抑制を行うことができる歯根膜刺激デバイスを提供することを目的とする。
前記課題は、歯根膜に刺激を与える歯根膜刺激デバイスであって、電源部と、歯の適所に配置されて、前記歯根膜に刺激を与える歯根膜刺激部と、前記電源部に接続され、前記歯根膜刺激部を動作させて前記歯根膜に刺激を与え、神経ヒスタミン、レプチン、セロトニンの少なくともいずれかの分泌を促進させる制御部と、を備えることを特徴とする本発明に係る歯根膜刺激デバイスにより解決される。
前記構成によれば、制御部が、歯根膜刺激部を動作させることで歯根膜を刺激できる。これにより、歯根膜刺激デバイスは、歯に配置するだけで、食欲を抑制することにストレスを抱える人について食欲の抑制を行うことができる。
前記構成によれば、制御部が、歯根膜刺激部を動作させることで歯根膜を刺激できる。これにより、歯根膜刺激デバイスは、歯に配置するだけで、食欲を抑制することにストレスを抱える人について食欲の抑制を行うことができる。
本発明では、好ましくは、前記歯根膜刺激部は、前記制御部からの指令により前記歯根膜を電気的に刺激する微小電流を前記歯根膜に与える微小電流発生手段であることを特徴とする。
前記構成によれば、歯根膜刺激部は、制御部からの指令により歯根膜を電気的に刺激する微小電流を歯根膜に与えることで、歯根膜刺激デバイスは、食欲を抑制することにストレスを抱える人について食欲の抑制を行うことができる。
前記構成によれば、歯根膜刺激部は、制御部からの指令により歯根膜を電気的に刺激する微小電流を歯根膜に与えることで、歯根膜刺激デバイスは、食欲を抑制することにストレスを抱える人について食欲の抑制を行うことができる。
本発明では、好ましくは、前記歯根膜刺激部は、前記制御部からの指令で前記歯根膜に機械的に振動を与えて刺激する振動発生手段であることを特徴とする。
前記構成によれば、歯根膜刺激部は、制御部からの指令で歯根膜に機械的に振動を与えて刺激することで、歯根膜刺激デバイスは、食欲を抑制することにストレスを抱える人について食欲の抑制を行うことができる。
前記構成によれば、歯根膜刺激部は、制御部からの指令で歯根膜に機械的に振動を与えて刺激することで、歯根膜刺激デバイスは、食欲を抑制することにストレスを抱える人について食欲の抑制を行うことができる。
本発明では、好ましくは、前記制御部は、予め設定された所定の時間間隔または使用者の生活周期に合わせて、予め設定された時刻に、前記歯根膜刺激部を制御することにより、所定時間だけ前記歯根膜に刺激を与える制御を実行することを特徴とする。
前記構成によれば、予め設定された所定の時間間隔または使用者の生活周期に合わせて、予め設定された時刻に、歯根膜刺激部を制御することにより、所定時間だけ歯根膜に刺激を与えることができる。従って、使用者の要望あるいは医療従事者の指導に基づいて、刺激を与えるタイミングを自由設定でき、歯根膜刺激デバイスを使用する自由度が上がる。
前記構成によれば、予め設定された所定の時間間隔または使用者の生活周期に合わせて、予め設定された時刻に、歯根膜刺激部を制御することにより、所定時間だけ歯根膜に刺激を与えることができる。従って、使用者の要望あるいは医療従事者の指導に基づいて、刺激を与えるタイミングを自由設定でき、歯根膜刺激デバイスを使用する自由度が上がる。
本発明は、好ましくは、前記歯による噛む動作を検知する噛む動作検知手段を備え、前記制御部は、前記歯による前記噛む動作を前記動作検知手段により検知すると、前記歯根膜刺激部を制御することにより、前記歯根膜に刺激を与える制御を実行することを特徴とする。
前記構成によれば、噛む動作を検知すると、制御部は、歯根膜刺激部を制御することにより、歯根膜に刺激を与えるので、制御部が刺激を与えるタイミングを得ることができる。
前記構成によれば、噛む動作を検知すると、制御部は、歯根膜刺激部を制御することにより、歯根膜に刺激を与えるので、制御部が刺激を与えるタイミングを得ることができる。
本発明によれば、食欲を抑制することにストレスを抱える人について食欲の抑制を行うことができる歯根膜刺激デバイスを提供することができる。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1実施形態)
<歯根膜刺激デバイス1の全体構成>
図1は、本発明の歯根膜刺激デバイスの第1実施形態を示す斜視図である。図2は、図1に示す歯根膜刺激デバイス1の構成例を示すブロック図である。
図1に示す歯根膜刺激デバイス1は、歯(歯列)の適所である裏面側や表面側に装着されており、好ましくは例えば下側の歯列の第1大臼歯T1から第3大臼歯T3にかけて取り付けられている。本願明細書において、「歯の適所」とは、歯あるいは歯列の表側および裏側の適所や、上側および下側の歯列の適所をいうものとする。歯根膜刺激デバイス1は、使用者の大臼歯の歯根膜に対して、歯根膜刺激部による歯根膜刺激方法として微小電流を与えるための電圧印加をすることで、食欲を抑制することにストレスを抱える人について刺激を与えて、食欲の抑制を行う役割を有する。歯根膜刺激デバイス1が装着される期間は、例えば1週間程度であるが、特に限定されず、個々の使用者の状況に応じて設定できる。例えば、女性の場合には生理周期も勘案して設定できる。
<歯根膜刺激デバイス1の全体構成>
図1は、本発明の歯根膜刺激デバイスの第1実施形態を示す斜視図である。図2は、図1に示す歯根膜刺激デバイス1の構成例を示すブロック図である。
図1に示す歯根膜刺激デバイス1は、歯(歯列)の適所である裏面側や表面側に装着されており、好ましくは例えば下側の歯列の第1大臼歯T1から第3大臼歯T3にかけて取り付けられている。本願明細書において、「歯の適所」とは、歯あるいは歯列の表側および裏側の適所や、上側および下側の歯列の適所をいうものとする。歯根膜刺激デバイス1は、使用者の大臼歯の歯根膜に対して、歯根膜刺激部による歯根膜刺激方法として微小電流を与えるための電圧印加をすることで、食欲を抑制することにストレスを抱える人について刺激を与えて、食欲の抑制を行う役割を有する。歯根膜刺激デバイス1が装着される期間は、例えば1週間程度であるが、特に限定されず、個々の使用者の状況に応じて設定できる。例えば、女性の場合には生理周期も勘案して設定できる。
図1と図2に示すように、歯根膜刺激デバイス1は、本体部2と、歯根膜刺激部としての第1歯根膜刺激部11と、歯根膜刺激部としての第2歯根膜刺激部12を有する。本体部2と第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12は、歯に触れても安全な材料、例えばEVA樹脂(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)等の樹脂、チタン、セラミックス、銀等により作ることができる。EVA樹脂は、水、紫外線に優れた安定性があると同時に、ゴム弾性、柔軟性、強靭性、低温特性、耐候性など多くの優れた特性を有する。
<本体部2>
図2に示すように、本体部2は、制御部3と、電源部4と、記憶部5と、噛む動作検知手段6を有する。制御部3は、計時部7を有する。図1に示すように、本体部2は、接着剤により中央の第2大臼歯T2の裏面側に固定されている。第1歯根膜刺激部11は、接着剤により第1大臼歯T1の裏面側に固定されている。同様にして、第2歯根膜刺激部12は、接着剤により第3大臼歯T3の裏面側に固定されている。接着剤としては、例えば歯科用UV(紫外線)硬化型接着剤を用いている。この接着剤は、UVを照射することで素早く接着力を発揮でき、本体部2と第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12を取り除く際には、容易にできる。
図2に示すように、本体部2は、制御部3と、電源部4と、記憶部5と、噛む動作検知手段6を有する。制御部3は、計時部7を有する。図1に示すように、本体部2は、接着剤により中央の第2大臼歯T2の裏面側に固定されている。第1歯根膜刺激部11は、接着剤により第1大臼歯T1の裏面側に固定されている。同様にして、第2歯根膜刺激部12は、接着剤により第3大臼歯T3の裏面側に固定されている。接着剤としては、例えば歯科用UV(紫外線)硬化型接着剤を用いている。この接着剤は、UVを照射することで素早く接着力を発揮でき、本体部2と第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12を取り除く際には、容易にできる。
図2に示すように、制御部3は、電源部4と、記憶部5と、噛む動作検知手段6と、第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12に電気的に接続されている。電源部4は、例えば小型の一次電池、例えばボタン型のアルカリ電池,ピン型のアルカリ電池等を用いることができ、制御部3へ電源供給を行う。
電源部4を、微小コイルとこのコイルに対して相対的に移動する磁石(例えば微小コイル内を移動する微小磁石)を組合せて咀嚼時に下顎の動きにより電力と微電流が発生するような構成とすることができる。この場合、充電ユニット(不図示)と共に、本体部2内に実装することで電池の取付け・取外しが不要となり、本体部2を液密の構造にでき、EOG等の滅菌処理をして再使用を可能とすることができる。
記憶部5は、予め設定された所定の時間間隔または使用者の生活周期に合わせて、予め設定された時刻に、第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12の動作を制御することにより、所定時間(所定期間)だけ第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12の歯根膜に刺激を与える制御を実行するためのプログラムを記憶している。この所定時間(所定期間)としては、例えば1週間程度である。女性の場合には生理周期に応じた所定期間とすることができる。
電源部4を、微小コイルとこのコイルに対して相対的に移動する磁石(例えば微小コイル内を移動する微小磁石)を組合せて咀嚼時に下顎の動きにより電力と微電流が発生するような構成とすることができる。この場合、充電ユニット(不図示)と共に、本体部2内に実装することで電池の取付け・取外しが不要となり、本体部2を液密の構造にでき、EOG等の滅菌処理をして再使用を可能とすることができる。
記憶部5は、予め設定された所定の時間間隔または使用者の生活周期に合わせて、予め設定された時刻に、第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12の動作を制御することにより、所定時間(所定期間)だけ第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12の歯根膜に刺激を与える制御を実行するためのプログラムを記憶している。この所定時間(所定期間)としては、例えば1週間程度である。女性の場合には生理周期に応じた所定期間とすることができる。
<噛む動作検知手段6>
噛む動作検知手段6は、例えば歯根膜刺激デバイス1を装着している使用者が、食事をして噛む動作を行うと、例えば図1に示す第2歯根膜刺激部12に受ける噛む力を検知する。噛む動作検知手段6が噛む力を検知すると、使用者は噛む動作を行っていることを示す噛む動作信号Sを、制御部3に送る。噛む動作検知手段6としては、例えば第2歯根膜刺激部12に受ける噛む力を電気信号に変換する圧電素子等を用いることができる。第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12にMEMS(Micro Electro Mechanical Systems:微小電気機械システム)を用いる場合、微小加速度センサも合わせて実装することで、噛む動作の時に第1大臼歯T1と第3大臼歯T3がある下顎が上下するので噛む動作検出手段として適用できる。本体部2が固定されている中央の第2大臼歯T2がある下顎も噛む動作の時に上下するので、本体部2に微小加速度センサも合わせて実装することで噛む動作検知手段として適用できる。制御部3の計時部7は、時刻を計測している。
噛む動作検知手段6は、例えば歯根膜刺激デバイス1を装着している使用者が、食事をして噛む動作を行うと、例えば図1に示す第2歯根膜刺激部12に受ける噛む力を検知する。噛む動作検知手段6が噛む力を検知すると、使用者は噛む動作を行っていることを示す噛む動作信号Sを、制御部3に送る。噛む動作検知手段6としては、例えば第2歯根膜刺激部12に受ける噛む力を電気信号に変換する圧電素子等を用いることができる。第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12にMEMS(Micro Electro Mechanical Systems:微小電気機械システム)を用いる場合、微小加速度センサも合わせて実装することで、噛む動作の時に第1大臼歯T1と第3大臼歯T3がある下顎が上下するので噛む動作検出手段として適用できる。本体部2が固定されている中央の第2大臼歯T2がある下顎も噛む動作の時に上下するので、本体部2に微小加速度センサも合わせて実装することで噛む動作検知手段として適用できる。制御部3の計時部7は、時刻を計測している。
<第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12>
第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12は、同じ構造を有している。第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12は、例えば上述のMEMSを用いることができる。制御部3が、第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12に対して、微小電流Dを供給することで、第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12は動作する。これにより、第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12は、第1大臼歯T1の歯根膜と第3大臼歯T3の歯根膜に対して、それぞれ電気的刺激を与えることができる微小電流発生手段である。
第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12は、同じ構造を有している。第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12は、例えば上述のMEMSを用いることができる。制御部3が、第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12に対して、微小電流Dを供給することで、第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12は動作する。これにより、第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12は、第1大臼歯T1の歯根膜と第3大臼歯T3の歯根膜に対して、それぞれ電気的刺激を与えることができる微小電流発生手段である。
<歯の構造>
図3は、歯の断面構造を示している。図4は、歯列を示している。図3に示す歯は、エナメル質200と、象牙質201と、根幹202等を有し、図1に示す第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12は、歯肉203の歯根膜204に、微小電流Dを供給することで、電気的刺激を与える。第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12が、第1大臼歯T1の裏側と、第3大臼歯T3の裏側を選択して固定することとしたのは、次の理由からである。
図3は、歯の断面構造を示している。図4は、歯列を示している。図3に示す歯は、エナメル質200と、象牙質201と、根幹202等を有し、図1に示す第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12は、歯肉203の歯根膜204に、微小電流Dを供給することで、電気的刺激を与える。第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12が、第1大臼歯T1の裏側と、第3大臼歯T3の裏側を選択して固定することとしたのは、次の理由からである。
この理由としては、仮に歯根膜刺激デバイスが図4に示す切歯Vに装着されるとすると、第1大臼歯T1から第2大臼歯T2に装着する場合に比べて、人目に付きやすくなり気になってしまうことと、各大臼歯の感覚閾値が、各切歯Vの感覚閾値に比べて高いことである。例えば、感覚閾値は、前歯部では歯根軸方向で平均1gf、第1大臼歯では平均8〜10gf、唇頬側面に直角に力を加えたときに切歯では平均0.5〜0.6gf、臼歯部では1.8〜2.4gfである。歯根膜刺激時の痛覚発現荷重は、1500gf程度と言われており、第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12が第1大臼歯T1から第3大臼歯T3の歯根膜204に加える荷重は、上述した痛覚発現荷重である1500gfに対して十分に小さい数値に設定される。これにより、使用者は、歯根膜刺激デバイス1を使用しても、第1大臼歯T1から第3大臼歯T3において痛覚を感じないので、快適に歯根膜刺激デバイス1を使用できる。
<歯根膜刺激デバイス1の動作例>
次に、上述した構成の歯根膜刺激デバイス1を使用して、食欲を抑制することにストレスを抱える人(使用者、患者ともいう)について食欲の抑制を行う動作例を説明する。図1に示すように、本体部2は、接着剤により第2大臼歯T2の裏面側に固定される。第1歯根膜刺激部11は、接着剤により第1大臼歯T1の裏面側に固定される。同様にして、第2歯根膜刺激部12は、接着剤により第3大臼歯T3の裏面側に固定される。しかも、本体部2と、第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12とは、必要に応じて、ブリッジ部材30,30を用いて互いに機械的に固定される。これにより、歯根膜刺激デバイス1は、噛む動作を行っても外れないように、さらに機械的に強固に固定できる。
本体部2の電源部4の電池を交換する構造とする場合、電池交換時には本体部2が容易に取り外しできるような接着剤を用いる。
また、第1歯根膜刺激部11,第2歯根膜刺激部12を必要に応じて交換できるようにする場合、容易に取り外しできるような接着剤を用いる。
次に、上述した構成の歯根膜刺激デバイス1を使用して、食欲を抑制することにストレスを抱える人(使用者、患者ともいう)について食欲の抑制を行う動作例を説明する。図1に示すように、本体部2は、接着剤により第2大臼歯T2の裏面側に固定される。第1歯根膜刺激部11は、接着剤により第1大臼歯T1の裏面側に固定される。同様にして、第2歯根膜刺激部12は、接着剤により第3大臼歯T3の裏面側に固定される。しかも、本体部2と、第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12とは、必要に応じて、ブリッジ部材30,30を用いて互いに機械的に固定される。これにより、歯根膜刺激デバイス1は、噛む動作を行っても外れないように、さらに機械的に強固に固定できる。
本体部2の電源部4の電池を交換する構造とする場合、電池交換時には本体部2が容易に取り外しできるような接着剤を用いる。
また、第1歯根膜刺激部11,第2歯根膜刺激部12を必要に応じて交換できるようにする場合、容易に取り外しできるような接着剤を用いる。
図2に示す制御部3は、第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12において一定の微小電流が発生するように、第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12に与える印加電圧を制御する。制御部3が、第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12に対して与える印加電圧は、例えば波形長さを1msecとして、周波数を1Hzとする矩形波である。微小電流の電流値は、咀嚼と同量の神経ヒスタミンが分泌される値として、試験的に決定する。ただし、使用者が刺激による違和感を受けるのを避けるために、電気刺激による感覚閾値(0.6mA)を考慮して、電流値は最大で0.5mAとする。
電極である第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12のサイズの例としては、歯科矯正用のワイヤー固定具程度の大きさである3mm×3mm×1mm(厚さ)程度である。また、制御ユニットである本体部2のサイズの例としては、5mm×5mm×1.5mm(厚さ)を最大サイズとする。第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12が歯根膜に与える微小電流による電気刺激は、刺激を感じた電流値(感覚閾値)と、神経ヒスタミン分泌の有無に基づいて設定される。
制御部3は、電極である第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12の間に一定の微小電流が流れると、第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12は、歯根膜に刺激を与え、以下に説明する神経ヒスタミン、レプチン、セロトニンの少なくともいずれかの分泌を促進させ、特に神経ヒスタミンの分泌を促進させる。
食欲のメカニズムとしては、食欲は脳の視床下部にある摂食中枢と満腹中枢の2つの中枢によりコントロールされている。神経ヒスタミンは、満腹中枢刺激作用がある。使用者が食物を摂取すると、咀嚼によって口腔内固有感覚を感知して、口腔内固有感覚を三叉神経で捉える。口腔内固有感覚は、三叉神経中脳路核に伝搬して、神経ヒスタミン含有ニューロンが後部視床下部で神経ヒスタミンを量産する。量産された神経ヒスタミンは、視床下部腹内側核(満腹中枢)を興奮させる。これにより、使用者は、満腹感を得るので食欲を抑制できる。
レプチンは、摂食中枢抑制作用がある。体脂肪量の増加により、脂肪細胞で産生されるレプチン量が増える。血中のレプチン濃度が上昇し、弓状核にあるα−メラノコルチン刺激ホルモンニューロン(食欲抑制作用)がレプチンにより活性化し、満腹中枢が刺激される。これにより、使用者は、満腹感を得るので食欲を抑制できる。
さらに、セロトニンは、摂食中枢抑制作用がある。トリプトファンを含んだ食物を摂取すると、血中トリプトファン濃度が上昇して、脳血管に存在する輸送体を介して脳に輸送される。トリプトファンは、5ヒドロキシトリプトファンに変換され、さらにアミンに変換され、そしてセロトニンに変換される。受容体にセロトニンが結合することで、満腹感を得る。これにより、使用者は、満腹感を得るので食欲を抑制できる。
さらに、セロトニンは、摂食中枢抑制作用がある。トリプトファンを含んだ食物を摂取すると、血中トリプトファン濃度が上昇して、脳血管に存在する輸送体を介して脳に輸送される。トリプトファンは、5ヒドロキシトリプトファンに変換され、さらにアミンに変換され、そしてセロトニンに変換される。受容体にセロトニンが結合することで、満腹感を得る。これにより、使用者は、満腹感を得るので食欲を抑制できる。
視床下部の内部には、満腹中枢があり、視床下部の外側には摂食中枢がある。両者のバランスによって、摂食行動が抑制されているとする二重中枢説が提唱されている。摂食中枢と満腹中枢に関与する物質は、脳から分泌される神経ヒスタミン、レプチン、セロトニン等が複数存在する。本発明の実施形態では、これらの神経ヒスタミン、レプチン、セロトニン内の特に神経ヒスタミンが咀嚼を行うことで分泌されるために、特に使用者(患者)が、受動的に神経ヒスタミンを分泌できることに着目している。
咀嚼による口腔内固有感覚は、歯根膜や咬筋の筋紡錘に分岐する三叉神経感覚で感知し、そして三叉中脳路感覚核に伝搬されるために、本発明の実施形態では、歯根膜に着目している。歯根膜を刺激することで、少なくとも神経ヒスタミンを産生させる。
従来の食事療法は、食事メニューと食事量の制限により食欲に耐えながら行わなければならない。これに対して、歯根膜刺激デバイス1では、歯根膜を刺激するので、食欲自体を抑制できるために、食事療法におけるストレスおよび欲求不満を解消して、食事療法の継続を促すことができる。
従来の食事療法は、食事メニューと食事量の制限により食欲に耐えながら行わなければならない。これに対して、歯根膜刺激デバイス1では、歯根膜を刺激するので、食欲自体を抑制できるために、食事療法におけるストレスおよび欲求不満を解消して、食事療法の継続を促すことができる。
噛む動作検知手段6が、歯による噛む動作を検知すると、制御部3は、第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12を制御することにより、歯根膜に刺激を与える制御を実行する。このように、制御部3は、歯根膜に刺激を与えるタイミングを得ることができる。
また、制御部3は、記憶部5において記憶されている予め設定された所定の時間間隔または使用者の生活周期に合わせて、計時部7から得られる予め設定された時刻において、第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12を制御する。これにより、制御部3は、所定時間だけ歯根膜204に刺激を与える制御を実行することもできる。従って、医療従事者または使用者(患者)は、設定したタイミングで歯根膜を刺激することができる。刺激強度と刺激タイミングは、医療従事者または使用者が自由に変更できる。
また、制御部3は、記憶部5において記憶されている予め設定された所定の時間間隔または使用者の生活周期に合わせて、計時部7から得られる予め設定された時刻において、第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12を制御する。これにより、制御部3は、所定時間だけ歯根膜204に刺激を与える制御を実行することもできる。従って、医療従事者または使用者(患者)は、設定したタイミングで歯根膜を刺激することができる。刺激強度と刺激タイミングは、医療従事者または使用者が自由に変更できる。
図5は、歯根膜刺激デバイス1による歯根膜を刺激する刺激タイミングの例を示している。図5では、縦軸に満腹度を示し、横軸には時間を示している。刺激タイミングとしては、朝食時と、昼食時と、夕食時である。朝食時と、昼食時と、夕食時のそれぞれにおいて、歯根膜刺激デバイス1の装着による歯根膜を刺激した場合には、満腹度のレベルを破線で示し、歯根膜刺激デバイス1を装着していない場合には、満腹度のレベルを実線で示している。歯根膜刺激デバイス1の装着による歯根膜を刺激した場合には、いずれの食事の時にも、食前に刺激により満腹度が上昇して、刺激を行わない場合に比べて、食事における満腹になるための食事量(カロリー摂取量)が減少することから、大幅に食事量(カロリー摂取量)が改善されている。
(第2実施形態)
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の歯根膜刺激デバイス101を、図6と図7を参照して説明する。
<歯根膜刺激デバイス101の全体構成>
図6は、本発明の歯根膜刺激デバイスの第2実施形態を示す斜視図である。図6に示す歯根膜刺激デバイス101は、歯列の表面側の適所に装着されており、好ましくは例えば上側の歯列の第1大臼歯T4から第3大臼歯T6にかけて取り付けられている。歯根膜刺激デバイス101は、使用者の大臼歯の歯根膜に対して、食欲を抑制することにストレスを抱える人(使用者、患者ともいう)について、電気的な刺激ではなく機械的な刺激を与えて食欲の抑制を行う。歯根膜刺激デバイス101が装着される期間は、例えば1週間程度であるが、特に限定されず、個々の使用者の状況に応じて設定できる。女性の場合には生理周期に応じた所定期間に設定することができる。
<歯根膜刺激デバイス101の全体構成>
図6は、本発明の歯根膜刺激デバイスの第2実施形態を示す斜視図である。図6に示す歯根膜刺激デバイス101は、歯列の表面側の適所に装着されており、好ましくは例えば上側の歯列の第1大臼歯T4から第3大臼歯T6にかけて取り付けられている。歯根膜刺激デバイス101は、使用者の大臼歯の歯根膜に対して、食欲を抑制することにストレスを抱える人(使用者、患者ともいう)について、電気的な刺激ではなく機械的な刺激を与えて食欲の抑制を行う。歯根膜刺激デバイス101が装着される期間は、例えば1週間程度であるが、特に限定されず、個々の使用者の状況に応じて設定できる。女性の場合には生理周期に応じた所定期間に設定することができる。
図6に示すように、歯根膜刺激デバイス101は、本体部102と、歯根膜刺激部として第1歯根膜刺激部111と、第2歯根膜刺激部112を有する。この例では、第1歯根膜刺激部111と第2歯根膜刺激部112を有するが、1つの歯根膜刺激部を有する構成としても良い。本体部102と第1歯根膜刺激部111と第2歯根膜刺激部112は、歯に触れるために、例えばEVA樹脂(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)等の樹脂、チタン、セラミックス、銀等により作ることができる。本体部102は透明であっても不透明であっても良い。
<本体部102>
図6に示すように、本体部102内には、制御部103と、電源部104と、記憶部105と、噛む動作検知手段106が配置されている。制御部103は、計時部107を有する。本体部2は、接着剤により第1大臼歯T4から第3大臼歯T6に渡って固定されている。接着剤としては、例えば歯科用UV(紫外線)硬化型接着剤を用いている。
図6に示すように、本体部102内には、制御部103と、電源部104と、記憶部105と、噛む動作検知手段106が配置されている。制御部103は、計時部107を有する。本体部2は、接着剤により第1大臼歯T4から第3大臼歯T6に渡って固定されている。接着剤としては、例えば歯科用UV(紫外線)硬化型接着剤を用いている。
本体部102内の制御部103は、電源部104と、記憶部105と、噛む動作検知手段106と、熱源120に電気的に接続されている。電源部104は、例えば小型の一次電池、例えばボタン型のアルカリ電池,ピン型のアルカリ電池等を用いることができ、制御部103へ電源供給を行う。
熱源120は、例えばセラミックヒータ等の発熱体を採用できるが、これに限らない。記憶部105は、予め設定された所定の時間間隔または使用者の生活周期(女性の場合には、生理周期を含む。)に合わせて、予め設定された時刻に、第1歯根膜刺激部111と第2歯根膜刺激部112の動作を制御することにより、所定時間だけ第1歯根膜刺激部111と第2歯根膜刺激部112の歯根膜に刺激を与える制御を実行するためのプログラムを記憶している。
熱源120は、例えばセラミックヒータ等の発熱体を採用できるが、これに限らない。記憶部105は、予め設定された所定の時間間隔または使用者の生活周期(女性の場合には、生理周期を含む。)に合わせて、予め設定された時刻に、第1歯根膜刺激部111と第2歯根膜刺激部112の動作を制御することにより、所定時間だけ第1歯根膜刺激部111と第2歯根膜刺激部112の歯根膜に刺激を与える制御を実行するためのプログラムを記憶している。
<噛む動作検知手段106>
噛む動作検知手段106は、例えば歯根膜刺激デバイス101を装着している使用者が、食事をして噛む動作を行うと、図6に示す第2歯根膜刺激部112に受ける力を検知する。噛む動作検知手段106は、使用者が噛む動作を行っていることを示す噛む動作信号Sを、制御部103に送る。噛む動作検知手段106としては、例えば第2歯根膜刺激部112に受ける力を電気信号に変換する圧電素子等を用いることができる。噛む動作検知手段106の別の構成として、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems:微小電気機械システム)の技術を適用したマイクロフォン(噛む動作(咀嚼)時に上下の歯が噛みあう音を検出するため)を本体部102に設けることで、噛む動作(咀嚼)の時の上下の歯が噛みあう音を検出するので噛む動作検知手段106として適用できる。
制御部103の計時部107は、時刻を計測している。
噛む動作検知手段106は、例えば歯根膜刺激デバイス101を装着している使用者が、食事をして噛む動作を行うと、図6に示す第2歯根膜刺激部112に受ける力を検知する。噛む動作検知手段106は、使用者が噛む動作を行っていることを示す噛む動作信号Sを、制御部103に送る。噛む動作検知手段106としては、例えば第2歯根膜刺激部112に受ける力を電気信号に変換する圧電素子等を用いることができる。噛む動作検知手段106の別の構成として、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems:微小電気機械システム)の技術を適用したマイクロフォン(噛む動作(咀嚼)時に上下の歯が噛みあう音を検出するため)を本体部102に設けることで、噛む動作(咀嚼)の時の上下の歯が噛みあう音を検出するので噛む動作検知手段106として適用できる。
制御部103の計時部107は、時刻を計測している。
<第1歯根膜刺激部111と第2歯根膜刺激部112>
第1歯根膜刺激部111と第2歯根膜刺激部112は、例えば図7に示すような同じ構造を採用することができる。図7は、第1歯根膜刺激部111と第2歯根膜刺激部112の構造と動作例を示している。図7(A)では、熱源120から熱が供給されておらず形状記憶バネ150が室温の状態であり、図7(B)では、熱源120から熱が供給されて例えばNi−Ti形状記憶合金などで形成される形状記憶バネ150が生体の温度よりわずかに高い温度になっている状態である。すなわち、図7(A)では、形状記憶バネ150は変態温度以下で縮んだ状態であり、図7(B)では、形状記憶バネ150は元の形状の伸びた状態である。
第1歯根膜刺激部111と第2歯根膜刺激部112は、例えば図7に示すような同じ構造を採用することができる。図7は、第1歯根膜刺激部111と第2歯根膜刺激部112の構造と動作例を示している。図7(A)では、熱源120から熱が供給されておらず形状記憶バネ150が室温の状態であり、図7(B)では、熱源120から熱が供給されて例えばNi−Ti形状記憶合金などで形成される形状記憶バネ150が生体の温度よりわずかに高い温度になっている状態である。すなわち、図7(A)では、形状記憶バネ150は変態温度以下で縮んだ状態であり、図7(B)では、形状記憶バネ150は元の形状の伸びた状態である。
図7に示す第1歯根膜刺激部111と第2歯根膜刺激部112は、歯根膜に対して機械的な刺激を与える構造を有する。第1歯根膜刺激部111と第2歯根膜刺激部112は、形状記憶バネ150と、バイアスバネ151と、動作ピン152と、基部153と、支持板154を有する。形状記憶バネ150の直径は、バイアスバネ151の直径よりも大きい。形状記憶バネ150は、基部153の周囲に配置されている。基部153は、円筒状の部材であり、図7(B)に示すように中央には熱源120からの熱風156を通すための通路155を有する。形状記憶バネ150の下端部と基部153の下部は、固定板165に固定されている。熱源120は、例えば光源が点滅点灯することで、熱風156を発生する。
図7に示すように、バイアスバネ151は動作ピン152に周囲に同軸状に配置されている。バイアスバネ151の下端部は、支持板154に固定されている。バイアスバネ151の上端部は、固定部157に固定されている。支持板154は形状記憶バネ150の上端部に固定されている。動作ピン152の下端部は球体部158になっており、動作ピン152には支持板154の孔159に通っている。しかし、球体部158の外径はこの孔159の内径よりも大きいことから、球体部158は支持板154の下面側に固定された状態を維持する。
<歯根膜刺激デバイス101の動作例>
次に、上述した構成の歯根膜刺激デバイス101を使用して、食欲を抑制することにストレスを抱える人(使用者、患者ともいう)について食欲の抑制を行う動作例を説明する。
図6に示すように、本体部102は、接着剤により第1大臼歯T4から第3大臼歯T6に対して、噛む動作を行っても外れないように機械的に固定される。第1歯根膜刺激部111は第1大臼歯T4に対応している。同様にして、第2歯根膜刺激部112は第3大臼歯T6に対応している。歯根膜刺激デバイス101は、噛む動作を行っても外れないように機械的に固定できる。図6に示す制御部103は、熱源120を動作して熱風156を第1歯根膜刺激部111と第2歯根膜刺激部112に供給するように、熱源120を制御する。
次に、上述した構成の歯根膜刺激デバイス101を使用して、食欲を抑制することにストレスを抱える人(使用者、患者ともいう)について食欲の抑制を行う動作例を説明する。
図6に示すように、本体部102は、接着剤により第1大臼歯T4から第3大臼歯T6に対して、噛む動作を行っても外れないように機械的に固定される。第1歯根膜刺激部111は第1大臼歯T4に対応している。同様にして、第2歯根膜刺激部112は第3大臼歯T6に対応している。歯根膜刺激デバイス101は、噛む動作を行っても外れないように機械的に固定できる。図6に示す制御部103は、熱源120を動作して熱風156を第1歯根膜刺激部111と第2歯根膜刺激部112に供給するように、熱源120を制御する。
図7(A)に示す状態では、熱風が供給されていないで、形状記憶バネ150の力F1は、バイアスバネ151の力F2より小さい。図7(B)に示すように、熱源120からの熱風156が矢印Hで示すように、第1歯根膜刺激部11の基部153の通路155を通過すると、形状記憶バネ150が加熱されて高温になる。この状態では、形状記憶バネ150の力F1は、バイアスバネ151の力F2よりも大きくなり、図7(A)から図7(B)に示すように、形状記憶バネ150はX1方向に伸長される。これにより、支持板154が持ち上がるので、バイアスバネ151は、この支持板154と固定部157の間で圧縮される。このため、動作ピン152は、支持板154と一体になって、所定距離だけX1方向に上昇するので、動作ピン152の先端部161が歯根膜204に、機械的に振動を与えることで刺激する。第1歯根膜刺激部111と第2歯根膜刺激部112は、歯根膜204に刺激を与える振動発生手段である。
第1歯根膜刺激部111と第2歯根膜刺激部112は、歯根膜204に刺激を与え、神経ヒスタミン、レプチン、セロトニンの少なくともいずれかの分泌を促進させる。刺激荷重としては、例えば5gf未満の感覚閾値に達しないレベルを目標とすることで、使用者(患者)負担をかけないですむ。摂食中枢と満腹中枢に関与する物質は、脳から分泌される神経ヒスタミン、レプチン、セロトニン等が複数存在するが、この内の特に神経ヒスタミンが咀嚼を行うことで分泌されるために、特に使用者(患者)が受動的に神経ヒスタミンを分泌できることに着目している。
咀嚼による口腔内固有感覚は、歯根膜や咬筋の筋紡錘に分岐する三叉神経感覚で感知し、そして三叉中脳路感覚核に伝搬されるために、本発明の実施形態では、歯根膜に着目している。歯根膜を刺激することで、神経ヒスタミン等を産生させる。
従来の食事療法は、食事メニューと食事量の制限により食欲に耐えながら行わなければならない。これに対して、歯根膜刺激デバイス101では、歯根膜を刺激するので、食欲自体を抑制できるために、食事療法におけるストレスおよび欲求不満を解消して、食事療法の継続を促すことができる。
従来の食事療法は、食事メニューと食事量の制限により食欲に耐えながら行わなければならない。これに対して、歯根膜刺激デバイス101では、歯根膜を刺激するので、食欲自体を抑制できるために、食事療法におけるストレスおよび欲求不満を解消して、食事療法の継続を促すことができる。
噛む動作検知手段106が、歯による噛む動作を検知すると、制御部103は、第1歯根膜刺激部111と第2歯根膜刺激部112を制御することにより、歯根膜に刺激を与える制御を実行する。これにより、歯根膜に刺激を与えるタイミングを得ることができる。
また、制御部103は、記憶部105において記憶されている予め設定された所定の時間間隔または使用者の生活周期に合わせて、計時部107から得られる予め設定された時刻において、第1歯根膜刺激部111と第2歯根膜刺激部112を制御する。これにより、制御部103は、所定時間だけ歯根膜204に刺激を与える制御を実行することもでき、医療従事者または使用者(患者)は、設定したタイミングで歯根膜204を刺激することができる。刺激強度と刺激タイミングは、医療従事者または使用者が自由に設定できる。
(まとめ)
以上説明したように、本発明の実施形態では、歯根膜刺激デバイス1,101は、歯根膜に刺激を与える歯根膜刺激装置である。歯根膜刺激デバイス1,101は、電源部4,104と、歯(第1大臼歯T1から第3大臼歯T3、第1大臼歯T4から第3大臼歯T6)に配置されて、歯根膜204に刺激を与える第1歯根膜刺激部11,111、第2歯根膜刺激部12,112と、電源部4,104に接続され、第1歯根膜刺激部11,111と第2歯根膜刺激部12,112を動作させて歯根膜204に刺激を与え、神経ヒスタミン、レプチン、セロトニンの少なくともいずれかの分泌を促進させる制御部3,103を備える。
以上説明したように、本発明の実施形態では、歯根膜刺激デバイス1,101は、歯根膜に刺激を与える歯根膜刺激装置である。歯根膜刺激デバイス1,101は、電源部4,104と、歯(第1大臼歯T1から第3大臼歯T3、第1大臼歯T4から第3大臼歯T6)に配置されて、歯根膜204に刺激を与える第1歯根膜刺激部11,111、第2歯根膜刺激部12,112と、電源部4,104に接続され、第1歯根膜刺激部11,111と第2歯根膜刺激部12,112を動作させて歯根膜204に刺激を与え、神経ヒスタミン、レプチン、セロトニンの少なくともいずれかの分泌を促進させる制御部3,103を備える。
これにより、制御部3,103が、第1歯根膜刺激部11,111と第2歯根膜刺激部12,112を動作させることで歯根膜204を刺激できる。従って、歯根膜刺激デバイス1,101は、食欲を抑制することにストレスを抱える人について食欲の抑制を行うことができる。
第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12は、制御部3からの指令により歯根膜204を電気的に刺激する微小電流を歯根膜に与える微小電流発生手段である。これにより、歯根膜刺激デバイス1は、食欲を抑制することにストレスを抱える人について食欲の抑制を行うことができる。
第1歯根膜刺激部111と第2歯根膜刺激部112は、制御部103からの指令で歯根膜に機械的に振動を与えて刺激する振動発生手段である。これにより、歯根膜刺激デバイス101は、食欲を抑制することにストレスを抱える人について食欲の抑制を行うことができる。
制御部3,103は、予め設定された所定の時間間隔または使用者の生活周期に合わせて、予め設定された時刻に、第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12、第1歯根膜刺激部111と第2歯根膜刺激部112を制御することにより、所定時間だけ歯根膜204に刺激を与える制御を実行する。これにより、使用者の要望あるいは医療従事者の指導に基づいて、刺激を与えるタイミングを自由設定でき、歯根膜刺激デバイス1,101を使用する自由度が上がる。
歯による噛む動作を検知する噛む動作検知手段6,106を備え、制御部3,103が、歯による噛む動作を検知すると、制御部3,103は、第1歯根膜刺激部11と第2歯根膜刺激部12、第1歯根膜刺激部111と第2歯根膜刺激部112を制御することにより、歯根膜204に刺激を与える制御を実行する。これにより、噛む動作を検知すると、制御部3,103が刺激を与えるタイミングを得ることができる。
本発明の第1実施形態の歯根膜刺激デバイス1と第2実施形態の歯根膜刺激デバイス101は、食欲を抑制することにストレスを抱える人について食欲の抑制を行う役割を果たす。歯根膜刺激デバイス1,101は、特に、食事療法を守れていない食欲抑制にストレスを抱える重篤疾患を有しない肥満の2型糖尿病患者が、神経ヒスタミン等を分泌するために、歯根膜を刺激するのに適用できる。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。例えば、使用者(患者)の感覚閾値を上げる(違和感を感じない)ことと、その装着が目立たないようにする目的から、歯根膜刺激デバイス1,101は、使用者(患者)個々人の歯(歯列)の状態に応じて、歯(歯列)の適所(歯列の表側または裏側の適所、上側の歯列または下側の歯列の適所)に装着されるようにする。
また、上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
図6に示す第1歯根膜刺激部111と第2歯根膜刺激部112は、機械的なアクチュエータとして形状記憶合金を用いる以外に、超小型モータや圧電素子等を用いることもできる。熱源120にペルチェ素子を適用し、基部153を熱伝導性がよい材料で形成することで、形状記憶バネ150を速やかに加熱できる。
また、上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
図6に示す第1歯根膜刺激部111と第2歯根膜刺激部112は、機械的なアクチュエータとして形状記憶合金を用いる以外に、超小型モータや圧電素子等を用いることもできる。熱源120にペルチェ素子を適用し、基部153を熱伝導性がよい材料で形成することで、形状記憶バネ150を速やかに加熱できる。
1,101・・・歯根膜刺激デバイス、2,102・・・本体部、3,103・・・制御部、4,104・・・電源部、5,105・・・記憶部、6,106・・・噛む動作検知手段、7,107・・・計時部、11・・・第1歯根膜刺激部(微小電流発生手段)、12・・・第2歯根膜刺激部(微小電流発生手段)、30・・・ブリッジ部材、111・・・第1歯根膜刺激部(振動発生手段)、112・・・第2歯根膜刺激部(振動発生手段)、120・・・熱源、150・・・形状記憶バネ、151・・・バイアスバネ、152・・・動作ピン、153・・・基部、154・・・支持板、155・・・通路、156・・・熱風、157・・・固定部、158・・・球体部、159・・・孔、165・・・固定板、204・・・歯根膜、T1,T4・・・第1大臼歯、T2,T5・・・第2大臼歯、T3,T6・・・第3大臼歯、S・・・噛む動作信号、D・・・微小電流
Claims (5)
- 歯根膜に刺激を与える歯根膜刺激デバイスであって、
電源部と、
歯の適所に配置されて、前記歯根膜に刺激を与える歯根膜刺激部と、
前記電源部に接続され、前記歯根膜刺激部を動作させて前記歯根膜に刺激を与え、神経ヒスタミン、レプチン、セロトニンの少なくともいずれかの分泌を促進させる制御部と、
を備えることを特徴とする歯根膜刺激デバイス。 - 前記歯根膜刺激部は、前記制御部からの指令により前記歯根膜を電気的に刺激する微小電流を前記歯根膜に与える微小電流発生手段であることを特徴とする請求項1に記載の歯根膜刺激デバイス。
- 前記歯根膜刺激部は、前記制御部からの指令で前記歯根膜に機械的に振動を与えて刺激する振動発生手段であることを特徴とする請求項1に記載の歯根膜刺激デバイス。
- 前記制御部は、予め設定された所定の時間間隔または使用者の生活周期に合わせて、予め設定された時刻に、前記歯根膜刺激部を制御することにより、所定時間だけ前記歯根膜に刺激を与える制御を実行することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯根膜刺激デバイス。
- 前記歯による噛む動作を検知する噛む動作検知手段をさらに備え、
前記制御部は、前記歯による前記噛む動作を前記動作検知手段により検知すると、前記歯根膜刺激部を制御することにより、前記歯根膜に刺激を与える制御を実行することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯根膜刺激デバイス。
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Cited By (1)
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JP7350210B1 (ja) * | 2022-09-09 | 2023-09-25 | 三菱電機株式会社 | 口腔内センシングシステム、マウスピース、制御装置、及び、制御方法 |
-
2019
- 2019-12-20 JP JP2019230346A patent/JP2021097807A/ja active Pending
Cited By (2)
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JP7350210B1 (ja) * | 2022-09-09 | 2023-09-25 | 三菱電機株式会社 | 口腔内センシングシステム、マウスピース、制御装置、及び、制御方法 |
WO2024053077A1 (ja) * | 2022-09-09 | 2024-03-14 | 三菱電機株式会社 | 口腔内センシングシステム、マウスピース、制御装置、及び、制御方法 |
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