JP2021097403A - 衛星捕捉装置および衛星捕捉方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】方位センサに頼らずに通信衛星を捕捉することの可能な衛星捕捉装置を提供する。【解決手段】衛星通信システムにおいて、衛星通信装置は、衛星捕捉装置としての機能を備えたVSAT装置であって、通信衛星からの電波を受信するアンテナ10、方位角制御モータ20a、仰角制御モータ20b、これらアンテナ10、方位角制御モータ20aおよび仰角制御モータ20bを搭載する本体部11、傾斜センサ71、補正部40aおよび捕捉部40bを具備する。傾斜センサ71は、本体部11の傾斜情報を取得する。補正部40aは、アンテナ10の方位角によらず地球座標系におけるアンテナ10の仰角を一定とすべく、傾斜情報に基づいて仰角を補正する。捕捉部40bは、捕捉モードにおける電波の受信強度に基づいて通信衛星を捕捉する。【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、例えば衛星捕捉装置および衛星捕捉方法に関する。
VSAT(Very Small Aperture Terminals)は、静止衛星と通信するための通信装置のうち、アンテナ開口が比較的小さな衛星通信装置として知られている。例えば車両に搭載可能なくらいに小型化、または一人で持ち運べるくらいに小型化したVSAT装置も提供されていて、その機動性を活かして災害現場などでの利用が始まっている。移動通信インフラと連携して利用されることも多い。
衛星と通信するためには、衛星を正確に捕捉し、アンテナ面を衛星方向に正しく向ける必要がある。アンテナを手作業で正しく衛星に向けるのはスキルも必要となるため、衛星の自動捕捉機能が開発されている。
特開2013−243655号公報 特開平06−97721号公報 特開2018−189440号公報
方位センサを有した自動捕捉機能を備えるVSAT装置では、方位センサが故障すると、通信衛星の方位を検知することが出来なくなる。また、方位センサは磁力を用いて方位を検知する方式をとるため、周囲に磁場の乱れがあると、検出される方位の誤差が大きくなる。このため、衛星を確実に、短時間で捕捉することの可能な技術が望まれている。
そこで、目的は、方位センサに頼らずに通信衛星を捕捉することの可能な衛星捕捉装置および衛星捕捉方法を提供することにある。
実施形態によれば、衛星捕捉装置は、通信衛星からの電波を受信するアンテナ、方位角制御モータ、仰角制御モータ、これらアンテナ、方位角制御モータおよび仰角制御モータを搭載する本体部、傾斜センサ、補正部、および捕捉部を具備する。傾斜センサは、本体部の傾斜情報を取得する。補正部は、アンテナの方位角によらず地球座標系におけるアンテナの仰角を一定とすべく、傾斜情報に基づいて仰角を補正する。捕捉部は、捕捉モードにおける電波の受信強度に基づいて通信衛星を捕捉する。
実施形態に係る衛星通信システムの一例を示す図。 実施形態に係る衛星通信装置を側面から見た図。 第1の実施形態に係わる衛星捕捉装置の一例を示す機能ブロック図。 衛星通信装置1が水平に設置された状態を示す図。 偏波軸ベクトルVが変動しないことを示す図。 衛星通信装置1が傾いて設置された状態を示す図。 偏波軸ベクトルVが変動することを示す図。 衛星通信装置1が傾いて設置された場合に、アンテナ10の方位軸周りの回転とともに偏波軸が変動することを示す模式図。 衛星通信装置1がX軸に関して傾いて設置された場合の、偏波軸ベクトルVの変化について説明するための図。 衛星通信装置1がX軸に関して傾いて設置された場合の、偏波軸ベクトルVの変化について説明するための図。 衛星通信装置1がY軸に関して傾いて設置された場合の、偏波軸ベクトルVの変化について説明するための図。 衛星通信装置1がY軸に関して傾いて設置された場合の、偏波軸ベクトルVの変化について説明するための図。 アンテナ方位角AZVSATとアンテナ仰角ELVSATとの関係を示す図。 式(1)においてAZVSAT(=φ)を0°〜360°の範囲で変化させたときの、衛星通信装置1のアンテナ仰角ELVSATの変化を示す図。 式(1)による仰角ELVSATの変化を、方位角φ(AZVSAT)を横軸としてプロットしたグラフを示す図。 式(1)による仰角ELVSATの変化を、方位角φ(AZVSAT)を横軸としてプロットしたグラフを示す図。 方位角φ(AZVSAT)に対する仰角制御モータ20bの回転速度をプロットしたグラフを示す図。 図10のグラフから6個の点をサンプリングした例を示す図。 方位角φ(AZVSAT)に対する仰角制御モータ20bの回転速度の一例を示す図。 図13の6点を求めるための式を示す図。 サンプリング点を結ぶ直線とサインカーブとを比較して示す図。 図16における直線とサインカーブとの誤差をプロットしたグラフを示す図。
衛星通信システムは、複数の地球局が、静止軌道上の通信衛星を介して、通信するシステムである。この種のシステムの一例として、例えば都道府県等の広域の自治体の防災システムに適用される。例えば、災害現場等に設置された衛星通信装置からの生の映像を県庁所在地等の地球局に衛星回線で送信することができる。これにより災害状況を迅速かつ正確に知ることができるようになる。また、衛星回線を用いて、VoIP(Voice over IP)通話やTV会議を行うこともでき、関係部署間の情報共有や災害対応協議にも利用することができる。
図1は、VSATを利用した衛星通信システムの一例を示す図である。このシステムは、静止軌道上の通信衛星SATを中核として形成される。本実施のシステムが都道府県防災システムに適用される場合は、地上側には、固定局111,114〜11nが都道府県庁所在地などに設置され、車載局112あるいは可搬局113は、災害現場などに設置する。固定局111,114〜11n、車載局112、および可搬局113は、それぞれ超小型の衛星通信装置であるVSAT装置を備え、通信衛星SATを経由して互いに通信することが可能である。
例えば、車載局112あるいは可搬局113は、災害現場の映像を、衛星回線で主要拠点(固定局111)や各拠点(固定局114〜11n)に送信することで、災害状況の把握の一助とすることができる。また、衛星回線によるVoIP(Voice over IP)通話やTV会議により、関係部署間の情報共有や災害対応協議にも利用できる。
この種の自治体の防災システムでは、VSAT装置に対する回線割り当て方式は、通信が必要な時に回線設定を要求して割り当てを受けるDAMA(Demand Assignment Multiple Access:接続要求割り当て)による回線設定方式が用いられることが多い。地上の幾つかの地点に設けられた制御局が、DAMAに関する制御を担う。
図2は、実施形態に係る衛星通信装置を側面から見た図である。図2に示される衛星通信装置1は、衛星捕捉装置としての機能を備えたVSAT装置である。衛星通信装置1のサイズはユーザが持ち運べる程度に小型化され、重量も抑えられている。この衛星通信装置1は、例えば災害現場に運んで非常用の通信局として利用することができる。
図2に示される衛星通信装置1は、本体部11、この本体部11を支える支持脚12、モータユニット(MU)13、支持柱3、制御ユニット4、および、アンテナ10を備える。ここで、送信電波及び受信電波のエネルギーロスを最小限にするために、アンテナ10の指向性は鋭く設計されている。このため、通信衛星を捕捉するためには、互いに異なる3つの軸である、通信衛星への方位角(Azimuth angle:AZ)、仰角(Elevation angle:EL)、偏波角(Polar angle:POL)を正確に合わせる必要がある。
本体部11は、プロセッサ(CPU(Central Processing Unit)あるいはMPU(Micro Processing Unit)など)およびメモリを備える、いわゆる組み込み型のコンピュータである。本体部11は、長方形形状のユニットである。
本体部11は、その内部に、衛星捕捉のために方位角を制御する方位角制御モータ20aを備える。方位角制御モータ20aは、方位角モータ制御部(AZ)30a(図3を参照)により制御され、アンテナ10の方位角を制御する。方位角制御モータ20aは、捕捉モードにおいて、回転軸A1(方位軸またはAZ軸)を中心にして、水平方向にモータユニット13を回転させる。
本体部11の上面に、モータユニット13が設けられる。モータユニット13は、捕捉モードにおいて、アンテナ10を仰角方向に動作させる、仰角制御モータ20bを備える。仰角制御モータ20bは、仰角モータ制御部(EL)30b(図3を参照)により制御され、アンテナ10の仰角を制御する。すなわち仰角制御モータ20bは、回転軸A2を中心に、本体部11の上面に対して上下に支持柱3を動かす。支持柱3は制御ユニット4の側面を両側から支持し、制御ユニット4と一体的に動く。これにより、制御ユニット4に取り付けられたアンテナ10の仰角が制御される。
制御ユニット4は、捕捉モードにおいてアンテナ10の偏波角を制御する偏波角制御モータ20cを備える。偏波角制御モータ20cは、偏波角モータ制御部(POL)30c(図3を参照)により制御される。偏波角制御モータ20cは、捕捉モードにおいてアンテナ10を回転軸A3(偏波軸またはPOL軸)周りに、信号処理部18ごと回転させる。
アンテナ10は、通信衛星SATからの電波を受信し、また、通信衛星SATに向け電波を送信する。アンテナ10のサイズは例えば50cm×50cmである。アンテナ10は、図示されるような平面アンテナに限定されず、例えばパラボラアンテナを用いることもできる。また、アンテナ10の背面に、信号処理部18が設けられる。
図3は、図2に示される衛星通信装置1の一例を示す機能ブロック図である。図3において、アンテナ部10の背面に設けられた信号処理部18は、送信部51、ハイブリッド回路52、受信部53、および受信電波強度算出部50を備える。送信部51は、本体部11からの送信信号を送信レベルにまで増幅し、ハイブリッド回路52を介してアンテナ10から通信衛星SATに向け送信する。受信部53は、アンテナ10で捕捉された通信衛星SATからの信号をハイブリッド回路52経由で受信し、得られた受信信号を本体部11に送る。受信電波強度算出部50は、アンテナ10で受信された受信信号の受信感度を算出し、得られた値を本体部11に送る。
本体部11は、プロセッサ40、変調部61、復調部62、メモリ44、スピーカ100、位置センサ70、傾斜センサ71、ユーザ入力装置80、及び表示装置90を備える。このうちスピーカ100、位置センサ70、ユーザ入力装置80、表示装置90、および傾斜センサ71は、インタフェース部(I/F)14を介してプロセッサ40への内部バスに接続される。
変調部61は、無線帯域の送信信号を生成して信号処理部18の送信部51に送る。復調部62は、信号処理部18からの受信信号をベースバンド信号に復調する。
スピーカ100は、自動捕捉制御に関わる情報をユーザに音で通知する。位置センサ70は、例えば、GPS(Global Positioning System)により、衛星通信装置1の設置場所の位置情報(例えば緯度および経度)を取得する。取得された位置情報はプロセッサ40に渡される。
ユーザ入力装置80は、自動捕捉制御に関わるユーザからの指示を入力するためのユーザインタフェースである。ユーザ入力装置80は、例えば、捕捉対象衛星を選択するためのタッチパネルなどを備える。
表示装置90は、自動捕捉制御に関わる情報を表示する。例えば、現在の処理状態(キャリブレーション中、衛星捕捉中、トラッキング中など)をLED(Light Emitting Diode)で表示しても良い。あるいは、捕捉成功、捕捉失敗のような捕捉結果を終了コードと共に液晶パネルに表示しても良い。
傾斜センサ71は、設置場所における本体部11(衛星通信装置1)の傾斜量を取得する。例えば、加速度センサを用いて設置場所における地球の重力加速度を検知することで、衛星通信装置1の傾斜量を取得することができる。取得された傾斜量はプロセッサ40に渡される。傾斜センサ71から出力される傾斜情報(傾斜量など)は、衛星通信装置1の姿勢を示す指標として利用することができる。
プロセッサ40は、方位角モータ制御部(AZ)30aに制御信号を与えて、アンテナ10の方位角を制御する。またプロセッサ40は、仰角モータ制御部(EL)30bに制御信号を与えて、アンテナ10の仰角を制御する。またプロセッサ40は、偏波角モータ制御部(POL)30cに制御信号を与えて、アンテナ10の偏波角を制御する。
なお、方位角制御モータ20aおよび方位角モータ制御部(AZ)30aは、本体部11に設けられる。仰角制御モータ20bおよび仰角モータ制御部(EL)30bは、モータユニット13(図2)に設けられる。また、偏波角制御モータ20cおよび偏波角モータ制御部(POL)30cは、制御ユニット4(図2)に設けられる。
ところで、プロセッサ40は、補正部40a、および捕捉部40bを備える。
捕捉部40bは、捕捉モードにおける電波の受信強度に基づいて通信衛星SATを捕捉する。すなわち捕捉部40bは、アンテナ10の方位角、仰角、偏波角をそれぞれ方位角モータ制御部(AZ)30a、仰角モータ制御部(EL)30b、偏波角モータ制御部(POL)30cに指示し、受信信号の受信強度がピークとなる角度を検出して、捕捉目標の通信衛星SATを捕捉する。
補正部40aは、アンテナ10の方位角方向の回転に連動して、アンテナ10の仰角を変化させる。その際、補正部40aは、傾斜センサ71でセンシングされた衛星通信装置1の傾斜情報44aに基づき、装置座標系に対するアンテナ10の仰角を補正して、地球座標系におけるアンテナ10の仰角をアンテナ10の方位角によらず一定とする。
補正部40aは、アンテナ10の方位角方向の回転角度に対応するアンテナ10の仰角を、傾斜情報44aに基づいて算出する。また、補正部40aは、算出した仰角に対応する仰角制御モータ20bの回転速度を算出する。
メモリ44は、傾斜情報44aと、衛星目標角テーブル44bとを記憶する。傾斜情報44aは、傾斜センサ71でセンシングされた、本体部11の傾斜情報である。衛星目標角テーブル44bは、地上での位置情報(例えば緯度、経度)に、捕捉すべき通信衛星の衛星目標角(方位角、仰角、偏波角)を対応付けたテーブルである。例えば、北海道札幌市の緯度は141.4°、経度は43.1°であり、この位置において、或る通信衛星Aの目標角は(方位角、仰角、偏波角)=(151.2°、36.1°、10.4°)である。
次に、通信衛星SATの捕捉における作用を説明する。
本体部11が起動されると、捕捉モードが開始されて初回の衛星捕捉処理がスタートし、アンテナ10を用いて通信衛星SATを捕捉するための処理が開始される。
ここで、図4A〜図4Dを参照して、衛星通信装置1の傾斜が衛星捕捉にもたらす影響について説明する。これらの図において、地球を基準とする座標系(以下、地球座標系という)での鉛直方向を、小文字のz軸で示す。また、衛星通信装置1を基準とする座標系(以下、装置座標系という)での座標軸を、大文字のX軸,Y軸,Z軸で示す。X軸、Y軸、Z軸は互いに直交し、このうちZ軸が図2の回転軸A1(方位軸、AZ軸)に一致する。X軸、およびY軸は、例えば、それぞれ本体部11(図2)の幅方向、および奥行き方向に一致する。
図4Aは、衛星通信装置1が水平に設置された状態を示す。この状態では、装置座標系におけるZ軸(以下、「装置座標系Z軸」という。)と、地球座標系における鉛直軸(以下、「地球座標系z軸」という。)とが重なっている。図中、符号Vは、偏波軸(図2の回転軸A3)を示し、アンテナ面に垂直方向のベクトルである(偏波軸ベクトル)。図4Aの状態からアンテナ10を方位軸(図2の回転軸A1)周りに360度回転させると、偏波軸ベクトルVは装置座標系Z軸を中心とする円を描く。このとき、装置座標系Z軸と地球座標系z軸とが一致しているので、図4Bに示されるように、装置座標系Z軸を一辺とする平面上で偏波軸ベクトルVは変動しない。
一方、図4Cは、衛星通信装置1が傾いて設置された状態を示す。この状態では、装置座標系Z軸と地球座標系z軸とがずれている。この状態からアンテナ10を方位軸(図2の回転軸A1)周りに360度回転させると、偏波軸ベクトルVは装置座標系Z軸を中心とする円を描く。しかし、装置座標系Z軸と地球座標系z軸とがずれているので、図4Dに示されるように、装置Z軸を一辺とする平面上で、偏波軸ベクトルVは変動することになる(図中2点鎖線)。
図5は、衛星通信装置1が傾いて設置された場合に、アンテナ10の方位軸周りの回転とともに偏波軸ベクトルVが変動することを示す模式図である。図5に示されるように、装置座標系Z軸と偏波軸ベクトルVとのなす角θは、アンテナ10が方位軸周りに回転するにつれθmin〜θmaxの範囲で変化する(図中2点鎖線)。よってθを、アンテナ10の方位角φの関数として、θ=θ(φ)と表す。
また、衛星通信装置1のアンテナ仰角(以下、「装置基準仰角」という。)を、ELVSAT(φ)とする。地球座標系z軸と偏波軸ベクトルVとのなす角(以下、「地球基準仰角」という)を、EL′SATとする。このとき、θ(φ)=ELVSAT(φ)=EL′SATとなるφが存在する。θの最小値および最大値を、定数αを用いてθmin=EL′SAT−α,θmax=EL′SAT+αと表記する。
図6Aおよび図6Bは、衛星通信装置1がX軸(アンテナ面に対して水平方向)に関して傾いて設置された場合の、偏波軸ベクトルVの変化について説明するための図である。図中、点線は地球座標系を示し、水平の点線がx軸、垂直の点線が地球座標系z軸である。二点鎖線は装置X軸を示し、X軸とx軸とのなす角IX,VSATを、傾斜角αとする(IX,VSAT=α°)。
図6Aは、アンテナ10の方位角φが0°である状態(AZVSAT=0°)を示す。この状態において、地球座標系z軸と偏波軸ベクトルVとのなす角である地球基準仰角EL′SATがθであれば(EL′SAT=θ)、装置基準仰角ELVSATは、これより傾斜角αだけ小さい角度になる(ELVSAT=θ−α)。この状態から方位角制御モータ20aを駆動して(図2)、アンテナ10を方位軸周りに180°回転させると、図6Bの状態になる。
図6Bは、アンテナ10の方位角φが180°である状態(AZVSAT=180°)を示す。図6Aと比較してアンテナ開口(aperture)がちょうど正反対を向いている。このため、装置基準仰角ELVSATは、地球基準仰角EL′SATよりも傾斜角αだけ大きい角度になる(ELVSAT=θ+α)。
ここで、EL′SAT=90°−ELSATである。通信衛星SATの仰角EL(ELSAT)は水平軸と通信衛星SATとのなす角である。
図7Aおよび図7Bは、衛星通信装置1がY軸(アンテナ面に対して、仰角方向)に関して傾いて設置された場合の、偏波軸ベクトルVの変化について説明するための図である。Y軸とy軸とのなす角IY,VSATを、傾斜角βとする(IY,VSAT=β°)。
図7Aは、アンテナ10の方位角φが90°である状態(AZVSAT=90°)を示す。この状態において、装置基準仰角ELVSATは、地球基準仰角EL′SAT(=θ)よりも傾斜角βだけ小さい角度になる(ELVSAT=θ−β)。この状態から方位角制御モータ20aを駆動して(図2)、アンテナ10を方位軸周りに180°回転させると、図7Bの状態になる。
図7Bは、アンテナ10の方位角φが−90°(つまり270°)である状態(AZVSAT=−90°)を示す。図7Aと比較してアンテナ開口(aperture)がちょうど正反対方向を向いているので、装置基準仰角ELVSATは、地球基準仰角EL′SATよりも傾斜角βだけ大きい角度になる(ELVSAT=θ+β)。図6A〜図7Bにおける、AZVSAT(方位角)と装置基準仰角ELVSATとの関係をまとめると、図8の表が得られる。
図8は、アンテナの方位角AZVSATと装置基準仰角ELVSATとの関係を示す。図8において、Iは図6A、図6Bのαであり、Iは図7A、図7Bのβである。IおよびIをパラメータとして、図8の関係を線形代数3次元回転方程式に当てはめると、式(1)が得られる。
Figure 2021097403
式(1)の右辺第1項は、EL′SAT=θである。右辺第2項は、X軸に関する傾き成分の修正を示す。右辺第3項は、Y軸に関する傾き成分の修正を示す。式(1)を極座標系で表すと、式(1′)となる。式(1)を極座標系に変換する際のパラメータは式(2)に示される。
Figure 2021097403
図9は、式(1)においてAZVSAT(=φ)を0°〜360°の範囲で変化させたときの、衛星通信装置1の装置基準仰角ELVSATの変化を示す図である。つまり図9は、式(1)を用いたシミュレーションにより、図5の模式図に数学的な裏付けを与えるものである。図9において、θは方位角φの関数であり、φは式(1)、(1′)のAZVSATであるので、ELVSATの変化を計算することができる。
図10は、式(1)による装置基準仰角ELVSATの変化を、方位角φ(AZVSAT)を横軸としてプロットしたグラフを示す。図10は、異なる2つの条件下でのグラフを示す。図中、太い点線は、I=3°、I=0°の条件下での計算結果を示す。細い点線は、I=3°、I=3°の条件下での計算結果を示す。式(2)に示される、全体的な傾きの大きさが大きくなるほど、装置基準仰角ELVSATの変化量も大きくなることが分かる。
図11は、さらに様々な条件下での曲線をプロットした図である。装置の傾きが変化すると、波形の大きさと位相だけが変わることが示される。
式(1)の変数である方位角φ(AZVSAT)を時間tの関数として表すと、式(3)を得る。
Figure 2021097403
式(3)を時間で微分すると、式(4)が得られる。式(4)は、仰角制御モータ20bの回転速度の変化を示す。
Figure 2021097403
図12は、方位角(AZVSAT)に対する仰角制御モータ20bの回転速度をプロットしたグラフである。図12に示される条件は図10と同様で、太い点線は、I=3°、I=0°の条件下での計算結果を示し、細い点線は、I=3°、I=3°の条件下での計算結果を示す。式(3)の時間微分であるので、図12の各グラフの曲線はサインカーブ(正弦波)を描く。つまり、仰角制御モータ20bの回転速度が正弦波状に変化するので、モータの回転速度を制御する信号も正弦波状に変化させる必要がある。例えばパルスデューティー比でモータの速度を制御する場合、パルスデューティー比を滑らかに変化させるためには非常に多くの計算を要し、コンピュータリソースが過大に消費される恐れがある。
そこで実施形態では、補正部40aは、式(1)〜(3)を用いて算出された仰角の値を複数のポイントにわたってサンプリングした値に基づいて仰角制御モータ20bの回転速度を算出する。つまり、補正部40aは、方位角φに対する装置基準仰角ELVSATの変化を示す曲線(例えば図10、図11のグラフ)に沿った幾つかの点の値をサンプリングし、その値から仰角制御モータ20bの回転速度を算出する。
図13は、図10のグラフから6個の点をサンプリングした例を示す図である。図13においては、グラフの極小値と極大値とをサンプリングし、さらに、極小値の左右の2点、および極大値の左右の2点の、合わせて6個の点の値をサンプリングする。図中、黒丸はI=3°、I=0°の曲線のサンプリング点を示し、白丸はI=3°、I=3°の曲線のサンプリング点を示す。
図14は、図13のサンプリング結果から得られた仰角制御モータ20bの回転速度を示す図である。いずれの条件でも、回転速度は4ステップの階段状を示すが概ね図12の曲線に沿っているといえる。式(5)に、サンプリングにより得られた仰角制御モータ20bの回転速度を示す。式(5)の添え字nowは現在の値を示し、nextは次の値(横軸の増加する方向の値)を示す。なお、方位角制御モータ20aの回転速度AZmotor speedは、ソフトウェアでの設定により任意の値とすることができる。
Figure 2021097403
図14に示されるように、制御量が4段階で済むことから、方位角モータ制御部(AZ)30a、仰角モータ制御部(EL)30b、偏波角モータ制御部(POL)30cの回路を格段に簡略化できる。ひいては、メモリやプロセッサ速度などの必要なリソースを節約して、コストを削減することもできる。
図15は、図13の6点を求めるための式を示す図である。図15に示されるように、極小値および極大値に対して、左右で例えば30°ずつ異なる位置の値をサンプリングすればよい。なお、1点目を示す式(6)は、位相が360°変化すると式(7)のようになってしまうので、適宜、値を入れ替えればよい。
Figure 2021097403
図16は、サンプリング点を結ぶ直線とサインカーブとを比較して示す図である。つまり図16は、図10のグラフと図13のグラフとを、同じスケールでプロットしたグラフである。
図17は、図16における直線とサインカーブとの誤差をプロットしたグラフを示す図である。図17によれば、I=3°、I=3°の条件下での誤差が、I=3°、I=0°の条件下での誤差よりも大きく変動することが示される。しかし、誤差の最大値でも高々0.3°未満に収まっていることが示され、工学的な制御量としては十分な精度を得られている。一般に、1°以下の誤差を達成することができれば十分といえる。もちろん、サンプリングポイントの数を増やすほど精度は高まるので、装置に実装可能なコンピュータリソースに応じて、適切なサンプリングポイントの数を決めればよい。
以上述べたように実施形態では、衛星通信装置1の捕捉モードで方位角方向に360度サーチを行う際に、傾斜センサ71で衛星通信装置1の傾きを測定し、傾斜情報を得る。そして、傾斜情報に基づいて、式(1)〜(3)に示すような線形代数3次元回転方程式から、簡易的な装置基準仰角(ELVSAT)を計算するための式を導く。さらに、6点サンプリングアルゴリズムへ単純化することで、ソフトウェア実装の制限を緩和し、最小限のリソースで通信衛星SATを確実に捕捉できるようにした。
すなわち、衛星通信装置1の位置情報から、補足すべき通信衛星SATの目標角(ELSAT)を求める。そして、方位角によらずに通信衛星SATに対して常に同じ仰角となるように装置基準仰角(ELVSAT)を制御することで、衛星通信装置1の傾きを補正しつつ360度サーチを実施できるようにした。従って実施形態によれば、方位センサに頼らずに通信衛星SATを捕捉することの可能な衛星捕捉装置および衛星捕捉方法を提供することが可能になる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示するものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…衛星通信装置、3…支持柱、4…制御ユニット、10…アンテナ、11…本体部、12…支持脚、13…モータユニット、14…インタフェース部、18…信号処理部、20a…方位角制御モータ、20b…仰角制御モータ、20c…偏波角制御モータ、30a…方位角モータ制御部(AZ)、30b…仰角モータ制御部(EL)、30c…偏波角モータ制御部(POL)、40…プロセッサ、40a…補正部、40b…捕捉部、44…メモリ、44a…傾斜情報、44b…衛星目標角テーブル、50…受信電波強度算出部、51…送信部、52…ハイブリッド回路、53…受信部、61…変調部、62…復調部、70…位置センサ、71…傾斜センサ、80…ユーザ入力装置、90…表示装置、100…スピーカ、111…固定局、112…車載局、113…可搬局、114〜11n…固定局。

Claims (8)

  1. 通信衛星からの電波を受信するアンテナと、
    前記通信衛星を捕捉する捕捉モードにおいて前記アンテナを方位角方向に回転させる方位角制御モータと、
    前記アンテナの仰角を制御する仰角制御モータと、
    前記アンテナ、前記方位角制御モータ、および前記仰角制御モータを搭載する本体部と、
    前記本体部の傾斜情報を取得する傾斜センサと、
    前記アンテナの方位角によらず地球座標系における前記アンテナの仰角を一定とすべく、前記傾斜情報に基づいて前記仰角を補正する補正部と、
    前記捕捉モードにおける前記電波の受信強度に基づいて前記通信衛星を捕捉する捕捉部と
    を具備する衛星捕捉装置。
  2. 前記地球座標系における前記アンテナの仰角は、地上における位置情報に対応付けられる、捕捉すべき通信衛星の目標角である、請求項1に記載の衛星捕捉装置。
  3. 前記補正部は、前記アンテナの前記方位角方向の回転角度に対応する当該アンテナの仰角を前記傾斜情報に基づいて算出する、請求項1に記載の衛星捕捉装置。
  4. 前記補正部は、前記算出された仰角に対応する前記仰角制御モータの回転速度を算出する、請求項3に記載の衛星捕捉装置。
  5. 前記補正部は、前記算出された仰角の値を複数のポイントにわたってサンプリングした値に基づいて前記仰角制御モータの回転速度を算出する、請求項4に記載の衛星捕捉装置。
  6. 前記補正部は、前記算出された仰角が前記回転角度に対して描く曲線に沿って前記仰角の値をサンプリングする、請求項5に記載の衛星捕捉装置。
  7. 前記曲線がサインカーブである場合に、前記補正部は、当該サインカーブのピークの近傍の6点をサンプリングする、請求項6に記載の衛星捕捉装置。
  8. 通信衛星を捕捉する捕捉モードにおいて、前記通信衛星からの電波を受信するアンテナを方位角制御モータで方位角方向に回転させる過程と、
    仰角制御モータで前記アンテナの仰角を制御する過程と、
    前記アンテナ、前記方位角制御モータおよび前記仰角制御モータを搭載する本体部の傾斜情報を傾斜センサで取得する過程と、
    前記アンテナの方位角によらず地球座標系における前記アンテナの仰角を一定とすべく、前記傾斜情報に基づいて前記仰角を補正する過程と、
    前記捕捉モードにおける前記電波の受信強度に基づいて前記通信衛星を捕捉する過程とを具備する衛星捕捉方法。
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