JP2021097096A - 窒化アルミニウム配線基板およびその製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム配線基板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】抵抗値や接合強度などに優れた生産効率の高い窒化アルミニウム配線基板を提供する。【解決手段】窒化アルミニウム配線基板について、窒化アルミニウムグリーンシートを脱脂処理することにより有機溶剤と有機バインダを除去した後に粉砕した粉砕シート粉末を高融点金属粉末に混合して作製したペーストについて、粉砕シート粉末の添加比率を1〜10wt%である基板表面回答形成用のペーストと、粉砕シート粉末の添加率を10〜30wt%である基板内部ビア形成用のペーストとを窒化アルミニウムのグリーンシートに印刷して同時焼成することによる作製する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、おおむね導体層を窒化アルミニウム基材と同時焼成(コファイア)して形成した窒化アルミニウム配線基板およびその製造方法に関する。
近年、パワーエレクトロニクス、次世代パワー半導体等の大電流を必要とする半導体素子の発展に伴って、セラミックス基板の需要は年々増加している。特に、窒化アルミニウム(AlN)基板は、熱伝導率が高く、放熱性に優れる等の特徴を有することから、増大傾向にある半導体素子からの放熱量に対応し得る基板として利用されている。
窒化アルミニウム基板は絶縁体であるため、半導体パッケージや回路基板等として例えば上下面を導通させる場合には、上下面に導体回路を形成してビアやスルーホールにより導通を行う。ビアやスルーホールのような基板内部の導通回路を有する場合には、窒化アルミニウム基板と配線導体層とを一括して同時焼成により作製することが一般的である。
ところで、上述したような窒化アルミニウム同時焼成基板の焼成工程において、窒化アルミニウムの焼結温度とタングステン(W)のような高融点金属との緻密化温度には差があり、さらに緻密化の挙動も異なるため、同時焼成後の収縮率に差が発生するという課題があった。そこで、従来は配線金属層の形成に用いる印刷用組成物中に、窒化アルミニウム成分やその焼結助剤成分を添加し、窒化アルミニウム焼結体と配線金属との焼結収縮率を合せることが行われてきた。この種の窒化アルミニウム配線基板としては、例えば特開平9−036521号公報(特許文献1)には、タングステン粉末やモリブデン(Mo)粉末とフィラーとしての平均粒径0.1μm未満の窒化アルミニウム粉末を含む導体ペーストをパターン状に塗布して導体ペースト層を形成することを特徴とする窒化アルミニウム回路基板がある。また、従来の窒化アルミニウム基板には、モリブデンやタングステンに窒化アルミニウムと焼結助剤成分を添加することを特徴としたものがある(例えば、特特許文献2参照)。
しかしながら、上記のタングステンのような高融点金属に窒化アルミニウム成分やその焼結助剤成分や量を固定して添加した場合には、基板表面回路と基板内部回路(ビア)の間の収縮の差が発生するという現象があった。この収縮の差が大きくなると、ビア内のボイド(気孔)の発生や金属層の接合強度の低下が発生しやすいという課題があった。
特開平9−036521号公報 特開2002−261445号公報
近年の電子部品の小型化・高性能化に伴い、セラミックス回路基板は小型化や微細化に対応する必要がでてきた。
実施形態は、このような課題を解決するものであり、配線層を窒化アルミニウム基材と同時焼成して形成した窒化アルミニウム配線基板およびその製造方法について、表面回路と内部回路の導体層と窒化アルミニウム基材との収縮差を抑制した生産性の高い窒化アルミニウム配線基板を提供することである。
実施形態にかかる窒化アルミニウム配線基板は、窒化アルミニウムグリーンシートを脱脂処理することにより有機溶剤と有機バインダを除去した後に粉砕した粉砕シート粉末を高融点金属粉末に混合して作製したペーストについて、粉砕シート粉末の添加比率が1〜10wt%である基板表面回路形成用のペーストと、粉砕シート粉末の添加率が10〜30wt%である基板内部ビア形成用のペーストとを窒化アルミニウムのグリーンシートに印刷して同時焼成することを特徴とするものである。
実施形態にかかる窒化アルミニウム配線基板の断面を示す図。 実施形態にかかる窒化アルミニウム配線基板の表面(平面)を示す図。 実施形態にかかる窒化アルミニウム多層配線基板の断面を示す図。
実施形態にかかる窒化アルミニウム配線基板は、窒化アルミニウム基板を製造するさいの窒化アルミニウム粉末に焼結助剤を添加し有機溶剤と有機バインダを混合して成型したグリーンシートを、窒素などの還元雰囲気中600〜800℃にて脱脂処理することにより有機溶剤と有機バインダを除去した後に粉砕した粉砕シート粉末を高融点金属粉末に混合して作製したペーストについて、粉砕シート粉末の添加比率が1〜10wt%である導体回路形成用のペーストと、粉砕シート粉末の添加率が10〜30wt%である内部ビア形成用のペーストを窒化アルミニウムのグリーンシートに印刷して同時焼成することを特徴とするものである。
図1に窒化アルミニウム配線基板の断面図の一例を示す。1は窒化アルミニウム配線基板(断面図)、2は窒化アルミニウム基板、3は表面導体層、4は内部導体層(ビア)、5は裏面導体層である。図2では、窒化アルミニウム配線基板の表面図(平面図)を示したものである。実施形態は、このような形に限定されるものではなく、他の配線回路やビアの形状があっても良いものとする。また、多層配線やキャリビテイ部分が形成されても良いものとする。図3では、窒化アルミニウム多層配線基板の断面図の一例を示す。
2窒化アルミニウム基板は、窒化アルミニウム粉末に焼結助剤を混合して焼結したものである。
前記窒化アルミニウム粉末は、焼結性のために平均一次粒径が0.03〜3.5μm、より好ましくは平均一次粒径が0.1〜1.5μm、不純物酸素量が0.2〜3.5wt%、より好ましくは不純物酸素量が0.3〜3wt%の粉末を用いることが望ましい。前記窒化アルミニウム粉末の平均一次粒径を0.03μm未満にすると、シート化が非常に困難になり、また最終的に得られる窒化アルミニウムを主成分とする絶縁層において不純物酸素量が多くなり、高い熱伝導率を得られない恐れがある。また、成形時のシート密度が低下するために焼結時の収縮率が大きくなり、シート表面における導体層の位置制御が困難になる傾向にある。さらに、導体層との収縮率をマッチングさせることが困難となり、導体層と窒化アルミニウムを主成分とする絶縁層との間に空隙ができるなどの問題が発生する。一方、前記窒化アルミニウム粉末の平均粒径が3.5μmを越えると焼結性が著しく低下し、十分に緻密な焼結体からなる絶縁層を形成することが困難になる。また、不純物酸素量を0.2wt%未満にすると、焼結性が低下し、十分に緻密な窒化アルミニウムを主成分とする絶縁層を形成できなくなる恐れがある。
前記焼結助剤としては、一般に窒化アルミニウムの焼結に有効とされている希土類化合物(酸化物やハロゲン化物等)、アルカリ土類化合物(酸化物やハロゲン化物等)あるいは焼結工程で希土類化合物、アルカリ土類化合物となる物質のうちから少なくとも1種を用いることができる。焼結工程で酸化物となる化合物としては、例えば炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、アルコキシド等がある。希土類化合物の例としては、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ランタン(La2O3)、酸化ジスプロシウム(Dy2O3)などがあげられる。アルカリ土類化合物の例としては、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)などがあげられる。また、前記焼結助剤の添加量は窒化アルミニウム粉末に対して全焼結助剤の合計量で1〜10wt%にすることが好ましい。より好ましい前記焼結助剤の添加量は、2〜5wt%である。前記焼結助剤の添加量を1wt%未満にすると、窒化アルミニウムの焼結に有効に作用しない恐れがあり、また高い熱伝導率を有する窒化アルミニウムを主成分とする絶縁層の形成が困難になる。一方、前記焼結助剤の添加量が10wt%を越えても同様に高い熱伝導率を有する窒化アルミニウムを主成分とする絶縁層の形成が困難になる。
焼結性を向上させる目的で、前記焼結助剤の一部をアルミナ(酸化アルミニウム:Al2O3)、フッ化アルミニウム(AlF3)などのアルミニウム化合物、酸化ホウ素(B2O3)、希土類ホウ化物等のホウ素化合物、表面清浄性を改善するためのリンの化合物、機械的強度を増すために有効な酸化珪素(SiO2)、窒化珪素(Si3N4)、酸化マンガン(MnO2)などのマンガン化合物で置換することを許容する。さらに、着色化、高強度化のために、チタン(Ti)、タングステン、モリブデン、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、マンガン(Mn)などの遷移金属の単体もしくはそれらの化合物(酸化物、炭化物、フッ化物、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩等)を前記混合粉体中に遷移金属換算で0.1〜1wt%の範囲で含有させてもよい。
上記窒化アルミニウム粉末に焼結助剤を添加して十分に混合した後、この混合粉体にバインダを添加して所定の溶媒中で混練して分散させ、所定の粘度に調製する。つづいて、得られた懸濁液を例えばドクターブレード法によりシート化し、例えば温度200℃前後で乾燥してグリーンシートを形成する。ひきつづき、前記グリーンシートの所定位置に複数の層間接続用のビアホールを形成する。前記混合粉体に添加するバインダとしては、例えばアクリル系バインダやPVB系バインダ等を使用することができる。前記混合粉体およびバインダを分散させる溶媒としては、例えばn−ブタノールなどのアルコール系、メチルイソブチル、トルエン、キシレンなどを使用することができる。前記ビアホールの形成方法としては、例えばポンチ、ダイ、パンチングマシーンなどを用いる機械的方法、レーザ加工法などを採用することができる。
ペーストに添加する粉砕シート粉末を作製するために上記で形成したグリーンシートのうち必要量を脱脂処理する。脱脂条件は、後述する脱脂工程で使用するのと同様の条件でも良いが、より効率良く形成するために脱脂時の昇温を速くするなどしても良いものとする。また、残留するバインダの抜きを良くするためにさらに高温や長時間で処理することも可能である。脱脂処理をしたシートは擂潰機などで粉末状にしておく。
導体回路用および内部ビア用のペーストは、タングステン粉末またはモリブデン粉末と上記粉砕シート粉末を混合したものである。
前記タングステン粉末は、平均粒径が0.2〜2.0μm、前記モリブデン粉末は平均粒径が0.2〜5.0μmであることが好ましい。このような導体金属粉末において、平均粒径が前記範囲の下限値未満にすると取扱いが容易でなく、ペースト化が困難になって得られた導体ペーストを前記グリーシートに印刷できなくなる恐れがある。さらに、前記導体金属粉末を含む導体ペーストを前記成形体と共に同時焼結すると、その収縮率が極端に大きくなるため、形成された導体層は窒化アルミニウム絶縁層との収縮率のマッチングが取れず、導体層が剥離し、導体層と絶縁層の間に空隙が発生する。
一方、前記導電金属粉末において平均粒径が前記範囲の上限値を越えると形成された導体層の緻密化が不十分になり抵抗が高くなる恐れがある。また、この導体金属粉末を含む導体ペーストを前記成形体と共に同時焼結すると、その収縮率が過度に小さくなるため、窒化アルミニウム絶縁層との間で収縮率のマッチングが取れず、最終的に得られたセラミックス回路基板にクラック、膨れなどが生じる恐れがある。
導体回路用ペーストの収縮は基板の収縮にあわせて進行するため、前記粉砕シート粉末は、前記導体金属粉末に対して1〜10wt%配合することが好ましい。より好ましい前記粉砕シート粉末の配合量は2〜8wt%である。前記粉砕シート粉末の配合量を1wt%未満にすると、その配合効果が十分に達成されず、導体層の断線等を防止することが困難になる。一方、前記粉砕シート粉末の配合量が10wt%を越えると導体層の抵抗率が高くなって信号遅延を招く恐れがある。
内部ビア用ペーストの収縮は基板の収縮より大きいため前記粉砕シート粉末は、前記導体金属粉末に対して10〜30wt%配合することが好ましい。より好ましい前記粉砕シート粉末の配合量は15〜25wt%である。前記粉砕シート粉末の配合量を10wt%未満にすると、導体部の収縮が大きくなるため導体内部や導体と窒化アルミニウムの間に欠陥が発生する。一方、前記シート粉末の配合量が30wt%を越えると導体層の抵抗率が高くなって信号遅延を招く恐れがある。
このような量のシート粉末の配合は、窒化アルミニウムシートの収縮率と導体層の収縮率をよりマッチングさせることが可能になる。
前記導体ペースト中には、解砕シート粉末以外に焼結性を向上させるために窒化アルミニウムの焼結助剤が配合されることを許容する。この焼結助剤としては、一般に窒化アルミニウムの焼結に有効とされている希土類化合物(酸化物やハロゲン化物等)、アルカリ土類化合物(酸化物やハロゲン化物等)あるいは焼結工程で希土類化合物、アルカリ土類化合物となる物質のうちから少なくとも1種を用いることができる。焼結工程で酸化物となる化合物としては、例えば炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、アルコキシド等がある。また、前記焼結助剤の添加量は粉砕シート粉末に対して全焼結助剤の合計量で0.1〜1wt%にすることが好ましい。さらに、焼結性を向上させる目的で、前記焼結助剤の一部をアルミナ、フッ化アルミニウム等のアルミニウム化合物、酸化ホウ素、希土類ホウ化物等のホウ素化合物、表面清浄性を改善するためのリンの化合物、機械的強度を増すために有効な酸化珪素、窒化珪素、酸化マンガン等のマンガン化合物等で置換することを許容する。
本実施形態による窒化アルミニウム配線基板ではグリーンシートに導体回路用ペーストを印刷する。配線が多層になる場合にもグリーンシートに導体回路用ペーストを印刷して積層する。配線基板の表面と裏面、表面と内部配線、内部配線間等を導通させるためにビアホールやスルーホールを形成する場合には、ビアホールには内部ビア用ペーストを、スルーホールには導体回路用ペーストを使用する。
ペーストを印刷したグリーンシートを同時焼成する方法は、例えば窒素ガス等の非酸化性雰囲気中で600〜800℃で脱脂後、非酸化性雰囲気中1700〜1950℃にて焼結する方法があげられる。脱脂温度が600℃を下回ると十分な脱脂効果が得られずに焼結が不十分になる可能性がある。また、800℃を超えると脱脂が進みすぎて、グリーンシートが脆くなりハンドリングが難しくなる場合がある。焼成温度が1700℃未満であると焼成が不十分であるため高融点金属が焼結できないおそれがある。一方、1950℃を超えると窒化アルミニウムが粒成長して熱伝導率の低下やシートのうねりなどが起こる可能性がある。
同時焼成された窒化アルミニウム基板は導体表面にめっきなどを行うことにより、ろう付けやはんだ付けなど他の部品との接合が可能となる。
作製したグリーンシートを脱脂後に解砕してペーストに添加することにより、後工程でのグリーンシートとペーストの収縮差を合わせることが可能である。さらにペーストに添加する脱脂したグリーンシートの量を、回路部とビア部に分けることにより、回路部とビア部の焼結時の微妙な収縮差を調整することが可能である。
以上の窒化アルミニウム回路基板の製造方法によれば、窒化アルミニウムと導体回路の品位を向上することにより歩留まりを大幅に改善することができる。
(実施例1〜11、比較例1〜6)
平均粒径1.0μmの窒化アルミニウム粉末に、表1に示す焼結助剤を添加して原料粉末を調整し、ボールミルにて解砕および混合を行った。この原料粉末に有機バインダおよび有機溶剤(エタノール)を添加した後、混合してスラリー化した。このスラリーをドクターブレード法によりシート状に成形し、縦50mm×横50mm×厚さ0.4mmであるグリーンシートを作製した。グリーンシートには図1、図2のように10mm間隔でΦ0.2mmのビア用の穴を形成した。また、グリーンシートの一部を窒素雰囲気中、700℃で3時間脱脂処理後に粉砕しペースト添加用の粉砕シート粉末とした。
次に、表1に示すように平均粒径1.0μmのタングステン粉末または平均粒径1.5μmのモリブデン粉末に粉砕シート粉末を加えて樹脂バインダおよび分散剤を混合して表面回路用およびビア用ペースト作製した。グリーンシートビア部分にビア用ペーストを注入した後で、グリーンシートの両面に表面回路用ペーストを印刷した。
上記ペーストを印刷した窒化アルミニウム基板を窒素雰囲気中、700℃で3時間脱脂処理を行った。
窒化アルミニウムセッター(焼結板)上に、脱脂処理した窒化アルミニウム基板を配置し、窒素雰囲気中、0.8MPaの加圧下、1750℃で4時間同時焼成を行い、窒化アルミニウム同時焼成基板を得た。得られた窒化アルミニウム同時焼成基板にニッケルめっきを2μm施して窒化アルミニウム配線基板を得た。
Figure 2021097096
上述した実施例および比較例の各窒化アルミニウム配線基板について、窒化アルミニウム部分を加工してアルキメデス法による密度を測定した。また、還元雰囲気中にて400℃x30分間の高温放置試験を行って顕微鏡にて外観を観察した。表面めっき部分にネイルヘッドピンをはんだ付けして垂直方向に引っ張ることにより接合強度を測定した。また、配線導体層の抵抗率を測定した。内部配線層の断面の走査型電子顕微鏡写真を画像解析にて処理し、内部配線層の断面部に残るボイドの量(残存ボイド率)を測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2021097096
表2から分かるとおり、実施例および比較例ともに密度は3.26Mg/m3以上と良好であった。実施例にかかる窒化アルミニウム配線基板の外観は良好であったが、比較例1および3ではめっき表面のビアのある部分には部品搭載時の不具合に繋がる大きさの凹みが観察された。これはビア部分のペーストの収縮が大きかったためである。一方で、比較例4および6ではめっき表面に膨れが観察された。これは、メタライズ表面に析出したペースト添加のためにめっき未着部分が発生したためである。抵抗値については、実施例にかかる窒化アルミニウム配線基板は11x10−6Ω・cm以下と良好であった。比較例1および3〜6については30x10−6Ω・cm以上と大きな値を示した。これは過剰に粉砕シート粉末を添加したためとビア内に発生したボイドが原因であると考えられる。接合強度については、実施例にかかる窒化アルミニウム配線基板はいずれも50N/mm2以上と良好であったが、比較例1および2は30N/mm2未満と低い値を示した。これは粉砕シート粉末の添加量が少ないため、グリーンシートとの接合性が低下したためである。なお、比較例4および6はめっき膨れが発生したため引張強度の測定は行っていない。内部配線ボイド率については、実施例にかかる窒化アルミニウム配線基板はいずれも1.5%以下と良好であったが、比較例1および3は20%以上と大きい値を示した。これは粉砕シート粉末の添加量が少なくビア内のペーストの収縮が大きくなりすぎたためである。
上記に示す結果から明らかなように、粉砕シート粉末の添加比率を1〜10wt%である導体回路形成用のペーストと、粉砕シート粉末の添加率を10〜30wt%である内部ビア形成用のペーストを使用した各実施例にかかる窒化アルミニウム配線基板によれば、接合強度や内部配線ボイド率が低下することなく良好な外観や抵抗値を得ることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1…窒化アルミニウム配線基板(断面図)
2…窒化アルミニウム基板
3…表面配線層
4…内部導体層(ビア)
5…裏面配線層
6…窒化アルミニウム配線基板(平面図)
7…窒化アルミニウム多層配線基板(断面図)
8…内部配線層

Claims (4)

  1. 窒化アルミニウムに焼結助剤を加えて焼結をした絶縁体と、タングステンおよびモリブデンの少なくとも1種を主とする金属成分に上記絶縁体と同成分の添加剤を加えた導体層からなる同時焼結窒化アルミニウム配線基板において、少なくとも一方の面に形成された導体回路と厚さ方向のビアを具備し、導体回路の導体層に含まれる添加剤の比率が、1〜10wt%であり、ビア部分の導体層に含まれる添加剤の比率が10〜30wt%であることを特徴とする窒化アルミニウム配線基板。
  2. 前記窒化アルミニウムの焼結助剤が、希土類元素、アルカリ土類元素であることを特徴とする請求項1記載の窒化アルミニウム配線基板。
  3. 窒化アルミニウム粉末および焼結助剤に有機溶剤と有機バインダを加えて成形体を作製する工程と、成型体を脱脂し粉砕してペースト用添加剤を作製する工程と、タングステンまたはモリブデンからなる高融点金属粉末に上記ペースト用添加剤を1〜10wt%含む導体ペーストにより成型体の少なくとも一面に導体ペースト層を形成する工程と、タングステンまたはモリブデンからなる高融点金属にペースト用添加剤を10〜30wt%含む導体ペーストにより成型体の厚さ方向にビア部分を形成する工程と、前記導体ペーストを有する成型体を還元雰囲気中で焼成することにより導通回路部を形成する工程を具備したことを特徴とする窒化アルミニウム配線基板の製造方法。
  4. 上記の窒化アルミニウム配線基板の製造方法であって、前記焼結助剤が希土類元素、アルカリ土類元素であることを特徴とする請求項3に記載の窒化アルミニウム配線基板の製造方法。
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