JP2021096117A - 渦電流センサの出力信号処理回路および出力信号処理方法 - Google Patents

渦電流センサの出力信号処理回路および出力信号処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】周囲環境の変化に対して従来よりも影響を受けにくい渦電流センサの出力信号処理回路および出力信号処理方法を提供する。【解決手段】渦電流センサ組立体174は、渦電流センサ50と、渦電流センサ50の出力信号176を処理する出力信号処理回路54とを有する。出力信号処理回路54は、出力信号176と、所定の周波数の信号180が入力されて、入力された2つの信号の乗算を行い、乗算によって得られた出力信号を出力するミキサ回路178と、ミキサ回路178が出力する出力信号182が入力されて、入力された出力信号182に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号186を出力するローパスフィルタ184とを有する。【選択図】図4

Description

本発明は、渦電流センサの出力信号処理回路および出力信号処理方法に関するものである。
渦電流センサは膜厚測定、変位測定等に使用される。以下では、膜厚測定を例にして渦電流センサを説明する。膜厚測定用渦電流センサは、例えば半導体デバイスの製造工程(研磨工程)で用いられる。研磨工程において渦電流センサは、以下のように用いられる。半導体デバイスの高集積化が進むにつれて回路の配線が微細化し、配線間距離もより狭くなりつつある。そこで、被研磨物である半導体ウェハの表面を平坦化することが必要となるが、この平坦化法の一手段として研磨装置により研磨(ポリッシング)することが行われている。
研磨装置は、被研磨物を研磨するための研磨パッドを保持するための研磨テーブルと、被研磨物を保持して研磨パッドに押圧するためにトップリングを備える。研磨テーブルとトップリングはそれぞれ、駆動部(例えばモータ)によって回転駆動される。研磨剤を含む液体(スラリー)を研磨パッド上に流し、そこにトップリングに保持された被研磨物を押し当てることにより、被研磨物は研磨される。
研磨装置では、被研磨物の研磨が不十分であると、回路間の絶縁がとれず、ショートするおそれが生じ、また、過研磨となった場合は、配線の断面積が減ることによる抵抗値の上昇、又は配線自体が完全に除去され、回路自体が形成されないなどの問題が生じる。このため、研磨装置では、最適な研磨終点を検出することが求められる。
このような技術としては、特開2011−23579号に記載のものがある。この技術においては、3個のコイルを用いた渦電流センサが研磨終点を検出するために用いられている。特開2011−23579号の図5に示すように、3個のコイルのうちの検出コイルとダミーコイルは直列回路を構成し、その両端は可変抵抗を含む抵抗ブリッジ回路に接続されている。抵抗ブリッジ回路でバランスの調整を行うことで、膜厚がゼロのときに、抵抗ブリッジ回路の出力がゼロになるようにゼロ点の調整が可能である。抵抗ブリッジ回路の出力は、特開2011−23579号の図6に示すように、同期検波回路に入力される。同期検波回路は、入力された信号から、膜厚の変化に伴う抵抗成分(R)、リアクタンス成分(X)、振幅出力(Z)および位相出力(tan−1R/X)を取り出す。
従来のブリッジ回路を使用した検出方法に関しては、ゼロ点調整時の抵抗値調整量はブリッジ回路を構成する抵抗値全体の大きさに比べて非常に小さい。その結果、抵抗値全体の温度変化量は、ゼロ点調整時の抵抗値調整量と比べると、無視できない量である。温度変化による抵抗値の変化や、抵抗が有する浮遊容量の変化等のために、抵抗の周囲環境の変化に対してブリッジ回路の特性が敏感に影響を受ける。この結果、上述のゼロ点がシフトしやすく、膜厚の測定精度が低下するという問題があった。
特開2011−23579号
本発明の一形態は、このような問題点を解消すべくなされたもので、その目的は、周囲環境の変化に対して従来よりも影響を受けにくい渦電流センサの出力信号処理回路および出力信号処理方法を提供することである。
上記課題を解決するために、第1の形態では、渦電流センサと、前記渦電流センサの出力信号を処理する出力信号処理回路とを有し、前記出力信号処理回路は、前記出力信号と、所定の周波数の信号が入力されて、入力された前記2つの信号の乗算を行い、前記乗算によって得られた出力信号を出力するミキサ回路と、前記ミキサ回路が出力する前記出力信号が入力されて、入力された前記出力信号に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を出力するローパスフィルタとを有することを特徴とする渦電流センサ組立体という構成を採っている。
本実施形態では、渦電流センサの出力信号が抵抗ブリッジ回路を介さずに、ミキサ回路に接続されている。温度変化の影響を受けやすい抵抗ブリッジ回路を用いていないため、周囲環境の変化に対して従来よりも影響を受けにくい渦電流センサの出力信号処理回路を提供できる。
また、特開2011−23579号では、その図6に示すように、抵抗ブリッジ回路の端子で検出された信号は、高周波アンプおよび位相シフト回路を経て、cos同期検波回路およびsin同期検波回路からなる同期検波部により検出信号のcos成分とsin成分とが取り出される。同期検波された信号は、ローパスフィルタにより、信号成分以上の不要な高周波成分が除去される。このため、コイルが出力する高周波出力は、長い処理ステップを経た後に低周波信号となる。高周波信号であるステップが多いため、従来は信号にノイズが多くなる。
本実施形態では、コイルが出力する高周波出力は、ミキサ回路とローパスフィルタにより低周波信号となる。高周波出力が高周波状態であるステップ数が少ないため、従来と比較して信号はノイズが少なくなる。すなわち、周囲の影響を受けやすい高周波信号から、取り扱いやすい直流信号に早い段階(少ないステップ)で変換されるため、安定した信号測定を行うことができる。
形態2では、第1、第2の出力信号をそれぞれ出力する第1、第2のコイルを有する渦電流センサが出力する前記第1、第2の出力信号を処理する渦電流センサの出力信号処理回路において、前記第1の出力信号と、所定の周波数の信号が入力されて、入力された前記2つの信号の乗算を行い、前記乗算によって得られた出力信号を出力する第1のミキサ回路と、前記第1のミキサ回路が出力する前記出力信号が入力されて、入力された前記出力信号に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を出力する第1のローパスフィルタと、前記第2の出力信号と、前記周波数の信号が入力されて、入力された前記2つの信号の乗算を行い、前記乗算によって得られた出力信号を出力する第2のミキサ回路と、前記第2のミキサ回路が出力する前記出力信号が入力されて、入力された前記出力信号に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を出力する第2のローパスフィルタと、前記第1のローパスフィルタが出力する前記直流信号と前記第2のローパスフィルタが出力する前記直流信号が入力されて、入力された2つの前記直流信号の差を求めて、得られた前記差を出力する第1の減算回路とを有することを特徴とする渦電流センサの出力信号処理回路という構成を採っている。
本実施形態でも、渦電流センサの出力信号が抵抗ブリッジ回路を介さずに、ミキサ回路に接続されている。温度変化の影響を受けやすい抵抗ブリッジ回路を用いていないため、周囲環境の変化に対して従来よりも影響を受けにくい渦電流センサの出力信号処理回路を
提供できる。
本形態では減算回路により、膜厚変化に対応した微小な信号変化を2個のコイルを用いて取り出すという従来のブリッジ回路を用いた検出方法と同様なことができる。すなわち、2つの直流信号の差を求めて、膜厚変化に対応した微小な信号変化分のみを検出することが可能である。
形態3では、前記出力信号処理回路は、前記第1のローパスフィルタが出力する前記直流信号が入力されて、入力された前記直流信号の振幅の大きさを調整して、調整後の直流信号を出力する第1の調整回路を有し、前記第1の減算回路は、前記第1の調整回路が出力する前記直流信号と前記第2のローパスフィルタが出力する前記直流信号が入力されて、入力された2つの前記直流信号の差を求めて、得られた前記差を出力することを特徴とする形態2記載の渦電流センサの出力信号処理回路。
という構成を採っている。
形態4では、前記出力信号処理回路は、前記第1のローパスフィルタが出力する前記直流信号が入力されて、入力された前記直流信号の振幅の大きさを調整して、調整後の直流信号を出力する第1の調整回路と、前記第2のローパスフィルタが出力する前記直流信号が入力されて、入力された前記直流信号の振幅の大きさを調整して、調整後の直流信号を出力する第2の調整回路とを有し、前記第1の減算回路は、前記第1の調整回路が出力する前記直流信号と前記第2の調整回路が出力する前記直流信号が入力されて、入力された2つの前記直流信号の差を求めて、得られた前記差を出力することを特徴とする形態2記載の渦電流センサの出力信号処理回路という構成を採っている。
形態3,4では調整回路と減算回路により、膜厚変化に対応した微小な信号変化を2個のコイルを用いて取り出すという従来のブリッジ回路を用いた検出方法と同等の性能を維持することができる。すなわち、少なくとも1個のコイルからの位相検波信号のレベルを調整回路により調整した後に減算して、膜厚変化に対応した微小な信号変化分のみを検出する。調整回路により、調整回路が無い場合と比べてゼロ点調整の精度を改善することができる。これにより、既述のようにゼロ点からの信号の微弱変化を取り出すことができる。
形態5では、前記渦電流センサは、第3、第4の出力信号をそれぞれ出力する第3、第4のコイルを有し、前記出力信号処理回路は、前記第3の出力信号と、前記周波数の信号が入力されて、入力された前記2つの信号の乗算を行い、前記乗算によって得られた出力信号を出力する第3のミキサ回路と、前記第3のミキサ回路が出力する前記出力信号が入力されて、入力された前記出力信号に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を出力する第3のローパスフィルタと、前記第4の出力信号と、前記周波数の信号が入力されて、入力された前記2つの信号の乗算を行い、前記乗算によって得られた出力信号を出力する第4のミキサ回路と、前記第4のミキサ回路が出力する前記出力信号が入力されて、入力された前記出力信号に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を出力する第4のローパスフィルタと、前記第3のローパスフィルタが出力する前記直流信号と前記第4のローパスフィルタが出力する前記直流信号が入力されて、入力された2つの前記直流信号の差を求めて、得られた前記差を出力する第2の減算回路と、前記第1の減算回路が出力する前記差と前記第2の減算回路が出力する前記差が入力されて、入力された2つの前記差を加算してまたは2つの前記差の差を求めて、得られた前記和または差を出力する加算回路とを有することを特徴とする形態2ないし4のいずれか1項に記載の渦電流センサの出力信号処理回路という構成を採っている。
本形態では、形態2ないし4に示す2個のコイルを有するコイル組立に加えて、さらに
、2個のコイルを有するコイル組立を有する。すなわち、2個のコイルの組み合わせを2組有する。組み合わせを2組有するため、2組により得られた2つの直流信号の差を加算してまたは2つの直流信号の差の差を求めることにより、測定精度が向上する。測定精度が向上する理由は以下のとおりである。加算する場合は、信号出力が大きくなるために、より小さな信号変化、すなわち、より小さな膜厚変化を検知できるので測定精度が向上する。
差を求める場合は例えば、一方の組み合わせが他方の組み合わせよりも、広い領域の膜厚を測定できるようにする。このとき、一方の組み合わせの出力から他方の組み合わせの出力を減算することにより、広い領域の膜厚の影響を低減して、狭い領域の膜厚の変化のみを、より正確に測定することができる。すなわち測定の空間的精度を改善することができる。
形態6では、渦電流センサの出力信号と、所定の周波数の信号をミキサ回路に入力して、ミキサ回路によって前記2つの信号の乗算を行い、前記乗算によって得られた出力信号を出力するステップと、前記ミキサ回路が出力する前記出力信号をローパスフィルタに入力して、高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を出力するステップとを有することを特徴とする渦電流センサの出力信号処理方法という構成を採っている。
形態7では、第1、第2の出力信号をそれぞれ出力する第1、第2のコイルを有する渦電流センサが出力する前記第1、第2の出力信号を処理する渦電流センサの出力信号処理方法において、前記第1の出力信号と、所定の周波数の信号を第1のミキサ回路に入力して、前記第1のミキサ回路によって前記2つの信号の乗算を行い、前記乗算によって得られた出力信号を出力するステップと、前記第1のミキサ回路が出力する前記出力信号を第1のローパスフィルタに入力して、前記第1のローパスフィルタによって、前記出力信号に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を出力するステップと、前記第2の出力信号と、前記周波数の信号を第2のミキサ回路に入力して、前記第2のミキサ回路によって前記2つの信号の乗算を行い、前記乗算によって得られた出力信号を出力するステップと、前記第2のミキサ回路が出力する前記出力信号を第2のローパスフィルタに入力して、前記第2のローパスフィルタによって、前記出力信号に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を出力するステップと、前記第1のローパスフィルタが出力する前記直流信号と前記第2のローパスフィルタが出力する前記直流信号を第1の減算回路に入力して、前記第1の減算回路によって、2つの前記直流信号の差を求めて、得られた前記差を出力するステップとを有することを特徴とする渦電流センサの出力信号処理方法という構成を採っている。
形態8では、前記渦電流センサは、第3、第4の出力信号をそれぞれ出力する第3、第4のコイルを有し、前記出力信号処理方法は、前記第3の出力信号と、前記周波数の信号を第3のミキサ回路に入力して、前記第3のミキサ回路によって前記2つの信号の乗算を行い、前記乗算によって得られた出力信号を出力するステップと、前記第3のミキサ回路の出力信号を第3のローパスフィルタに入力して、前記第3のローパスフィルタによって、前記出力信号に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を出力するステップと、前記第4の出力信号と、前記周波数の信号を第4のミキサ回路に入力して、前記第4のミキサ回路によって前記2つの信号の乗算を行い、前記乗算によって得られた出力信号を出力するステップと、前記第4のミキサ回路の出力信号を第4のローパスフィルタに入力して、前記第4のローパスフィルタによって、前記出力信号に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を出力するステップと、前記第3のローパスフィルタが出力する前記直流信号と前記第4のローパスフィルタが出力する前記直流信号を第2の減算回路に入力して、前記第2の減算回路によって、2つの前記直流信号の差を求めて、得られた前記差を出力するステップと、前記第1の減算回路が出力する前記差と前記第2
の減算回路が出力する前記差を加算回路に入力して、前記加算回路によって、2つの前記差を加算してまたは2つの前記差の差を求めて、得られた前記和または差を出力するステップとを有することを特徴とする渦電流センサの出力信号処理方法という構成を採っている。
図1は、本発明の一実施形態に係る研磨装置の全体構成を示す概略図である。 図2は、研磨テーブルと渦電流センサと半導体ウェハとの関係を示す平面図である。 図3は、渦電流センサ組立体の構成を示す図であり、図3(a)は渦電流センサ組立体の構成を示すブロック図であり、図3(b)は渦電流センサ組立体の等価回路図である。 図4は、本実施形態の渦電流センサ組立体を示すブロック図である。 図5は、本実施形態の渦電流センサ50におけるコイルの構成例を示す概略図である。 図6は、他の実施形態における出力信号処理回路を示す概略図である。 図7は、抵抗ブリッジ回路を示す図である。 図8は、他の実施形態の渦電流センサの構成例を示す概略図である。 図9は、渦電流センサにおける励磁コイルの接続例を示す概略図である。 図10は、渦電流センサによる磁場を示す図である。 図11は、他の実施形態における出力信号処理回路を示す概略図である。 図12は、図8に示す他の実施形態の渦電流センサの斜視図である。 図13は、デジタルシグナルプロセッサの内部の回路構成を示す概略図である。 図14は、渦電流センサの出力信号と、交流信号源の信号との間にある位相差によって、直流信号がどのように変化するかを示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同一または相当する部材には同一符号を付して重複した説明を省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る渦電流センサ50が適用される研磨装置の全体構成を示す概略図である。図1に示すように、研磨装置は、研磨テーブル100と、研磨対象物である半導体ウェハ等の基板を保持して研磨テーブル上の研磨面に押圧するトップリング(保持部)1とを備えている。
研磨テーブル100は、テーブル軸100aを介してその下方に配置される駆動部であるモータ(図示せず)に連結されており、そのテーブル軸100a周りに回転可能になっている。研磨テーブル100の上面には研磨パッド101が貼付されており、研磨パッド101の表面101aが半導体ウェハWHを研磨する研磨面を構成している。研磨テーブル100の上方には研磨液供給ノズル102が設置されており、この研磨液供給ノズル102によって研磨テーブル100上の研磨パッド101上に研磨液Qが供給されるようになっている。図1に示すように、研磨テーブル100の内部には、渦電流センサ50が埋設されている。
トップリング1は、半導体ウェハWHを研磨面101aに対して押圧するトップリング本体142と、半導体ウェハWHの外周縁を保持して半導体ウェハWHがトップリングか
ら飛び出さないようにするリテーナリング143とから基本的に構成されている。
トップリング1は、トップリングシャフト111に接続されており、このトップリングシャフト111は、上下動機構124によりトップリングヘッド110に対して上下動するようになっている。このトップリングシャフト111の上下動により、トップリングヘッド110に対してトップリング1の全体を昇降させ位置決めするようになっている。なお、トップリングシャフト111の上端にはロータリージョイント125が取り付けられている。
トップリングシャフト111およびトップリング1を上下動させる上下動機構124は、軸受126を介してトップリングシャフト111を回転可能に支持するブリッジ128と、ブリッジ128に取り付けられたボールねじ132と、支柱130により支持された支持台129と、支持台129上に設けられたサーボモータ138とを備えている。サーボモータ138を支持する支持台129は、支柱130を介してトップリングヘッド110に固定されている。
ボールねじ132は、サーボモータ138に連結されたねじ軸132aと、このねじ軸132aが螺合するナット132bとを備えている。トップリングシャフト111は、ブリッジ128と一体となって上下動するようになっている。したがって、サーボモータ138を駆動すると、ボールねじ132を介してブリッジ128が上下動し、これによりトップリングシャフト111およびトップリング1が上下動する。
また、トップリングシャフト111はキー(図示せず)を介して回転筒112に連結されている。この回転筒112はその外周部にタイミングプーリ113を備えている。トップリングヘッド110にはトップリング用モータ114が固定されており、上記タイミングプーリ113は、タイミングベルト115を介してトップリング用モータ114に設けられたタイミングプーリ116に接続されている。したがって、トップリング用モータ114を回転駆動することによってタイミングプーリ116、タイミングベルト115、およびタイミングプーリ113を介して回転筒112およびトップリングシャフト111が一体に回転し、トップリング1が回転する。なお、トップリングヘッド110は、フレーム(図示せず)に回転可能に支持されたトップリングヘッドシャフト117によって支持されている。
図1に示すように構成された研磨装置において、トップリング1は、その下面に半導体ウェハWHなどの基板を保持できるようになっている。トップリングヘッド110はトップリングヘッドシャフト117を中心として旋回可能に構成されており、下面に半導体ウェハWHを保持したトップリング1は、トップリングヘッド110の旋回により半導体ウェハWHの受取位置から研磨テーブル100の上方に移動される。そして、トップリング1を下降させて半導体ウェハWHを研磨パッド101の表面(研磨面)101aに押圧する。このとき、トップリング1および研磨テーブル100をそれぞれ回転させ、研磨テーブル100の上方に設けられた研磨液供給ノズル102から研磨パッド101上に研磨液Qを供給する。このように、半導体ウェハWHを研磨パッド101の研磨面101aに摺接させて半導体ウェハWHの表面を研磨する。
図2は、研磨テーブル100と渦電流センサ50と半導体ウェハWHとの関係を示す平面図である。図2に示すように、渦電流センサ50は、トップリング1に保持された研磨中の半導体ウェハWHの中心Cwを通過する位置に設置されている。研磨テーブル100は回転中心160の周りを回転する。例えば、渦電流センサ50は、半導体ウェハWHの下方を通過している間、通過軌跡(走査線)上で連続的に半導体ウェハWHのCu層等の金属膜(導電性膜)を検出できるようになっている。
次に、本発明に係る研磨装置が備える渦電流センサ50について、添付図面を用いてより詳細に説明する。
図3は、渦電流センサ50を含む渦電流センサ組立体の構成を示す図であり、図3(a)は渦電流センサ組立体の構成を示すブロック図であり、図3(b)は渦電流センサ組立体の等価回路図である。図3(a)に示すように、渦電流センサ50は、検出対象の金属膜(または導電性膜)mfの近傍に配置され、そのコイルに交流信号源52が接続されている。ここで、検出対象の金属膜(または導電性膜)mfは、例えば半導体ウェハWH上に形成されたCu,Al,Au,Wなどの薄膜である。渦電流センサ50は、検出対象の金属膜(または導電性膜)に対して、例えば1.0〜4.0mm程度の近傍に配置される。コイルはフェライト等の磁性体(図示せず)に通常、巻かれている。渦電流センサ50は空芯コイルでもよい。
渦電流センサの信号検出には、金属膜(または導電性膜)mfに渦電流が生じることにより、インピーダンスが変化し、このインピーダンス変化から金属膜(または導電性膜)を検出するインピーダンスタイプと呼ばれるものがある。即ち、インピーダンスタイプでは、図3(b)に示す等価回路において、渦電流Iが変化することで、インピーダンスZが変化し、信号源(固定周波数発振器)52から見たインピーダンスZが変化すると、出力信号処理回路54でこのインピーダンスZの変化を検出し、金属膜(または導電性膜)の変化を検出することができる。
インピーダンスタイプの渦電流センサでは、信号出力X、Y、位相、合成インピーダンスZ(=X+iY)、を取り出すことが可能である。インピーダンス成分X、Y等から、金属膜(または導電性膜)Cu,Al,Au,Wの膜厚に関する測定情報が得られる。渦電流センサ50は、図1に示すように研磨テーブル100の内部の表面付近の位置に内蔵することができ、研磨対象の半導体ウェハに対して研磨パッドを介して対面するように位置し、半導体ウェハ上の金属膜(または導電性膜)に流れる渦電流から金属膜(または導電性膜)の変化を検出することができる。
渦電流センサの周波数は、単一電波、AM変調電波、関数発生器の掃引出力等を用いることができ、金属膜の膜種に適合させて、感度の良い発振周波数や変調方式を選択することが好ましい。
以下に、インピーダンスタイプの渦電流センサについて具体的に説明する。交流信号源52は、2〜30MHz程度の固定周波数の発振器であり、例えば水晶発振器が用いられる。そして、交流信号源52により供給される交流電圧により、渦電流センサ50に電流Iが流れる。金属膜(または導電性膜)mfの近傍に配置された渦電流センサ50に電流が流れることで、この磁束が金属膜(または導電性膜)mfと鎖交することでその間に相互インダクタンスMが形成され、金属膜(または導電性膜)mf中に渦電流Iが流れる。ここでR1は渦電流センサを含む一次側の等価抵抗であり、Lは同様に渦電流センサを含む一次側の自己インダクタンスである。金属膜(または導電性膜)mf側では、R2は渦電流損に相当する等価抵抗であり、Lはその自己インダクタンスである。交流信号源52の端子a,bから渦電流センサ側を見たインピーダンスZは、金属膜(または導電性膜)mf中に形成される渦電流損の大きさによって変化する。
図1は、渦電流センサ50の出力信号処理回路54も示す。図2に示すように、研磨装置の研磨テーブル100は矢印で示すようにその軸心170まわりに回転可能になっている。この研磨テーブル100内には、交流信号源52および出力信号処理回路54が埋め
込まれている。渦電流センサ50と交流信号源52および出力信号処理回路54を一体型としてもよい。出力信号処理回路54の出力信号172は、研磨テーブル100のテーブル軸100a内を通り、テーブル軸100aの軸端に設けられたロータリジョイント(図示せず)を経由して、出力信号172により終点検出コントローラ246に接続されている。なお、交流信号源52および出力信号処理回路54のうちの少なくとも一方を研磨テーブル100外に配置してもよい。
図4に、渦電流センサ組立体174を示す。渦電流センサ組立体174は、渦電流センサ50と、渦電流センサ50の出力信号176を処理する出力信号処理回路54とを有する。出力信号処理回路54は、出力信号176と、所定の周波数の信号180が入力される。ミキサ回路178は、入力された前記2つの信号(出力信号176と信号180)の乗算を行い、乗算によって得られた出力信号182を出力する。出力信号処理回路54は、さらにローパスフィルタ184を有する。ローパスフィルタ184は、ミキサ回路178が出力する出力信号182が入力されて、入力された出力信号182に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を含む出力信号186を出力する。
渦電流センサ50は、半導体ウェハWH上の金属膜(または導電性膜)に渦電流を形成するための励磁コイルと、生成された渦電流を検出するための検出コイルとを有する。例えば、円筒状のフェライトコアに、励磁コイルと検出コイルが軸方向に配置される。励磁コイルは、交流信号源52に接続される。励磁コイルは、交流信号源52より供給される電圧の形成する磁界により、渦電流センサ50の近傍に配置される半導体ウェハWH上の金属膜(または導電性膜)mfに渦電流を形成する。フェライトコアの上側(金属膜(または導電性膜)側)には、検出コイルが配置され、金属膜(または導電性膜)に形成される渦電流により発生する磁界を検出する。図4は、励磁コイルは図示していない。ミキサ回路178には、交流信号源52から、励磁コイルに供給される電圧と同一の周波数を有する信号180が供給される。
ミキサ回路178は、アナログ乗算器もしくはデジタル乗算器である。ミキサ回路178は、2つの同一(または異なる)周波数成分f1、f2の電圧信号を入力されて、両信号に対して乗算の演算を行う回路である。ミキサ回路178は、混合器、混合回路、周波数混合器、周波数混合回路、ミキサ、周波数変換器、周波数変換回路、周波数コンバータ等とも呼ばれる。ミキサ回路の用途は、入力された2つの信号を掛け合わせ、2つの信号が有するそれぞれの周波数の和や差の周波数を取り出す(周波数変換を行う)ものである。入力された2つの信号が有するそれぞれの周波数が同一である場合は、2つの信号の位相差を取り出すことができる。
ミキサ回路178は、入力ポート198と、ローカルオシレータポート200と、出力ポート202を有する。入力ポート198に渦電流センサ50からの出力信号176が入力される。ローカルオシレータポート200には、交流信号源52からの信号180が入力される。出力信号176と信号180は、同一周波数である。ミキサ回路178で出力信号176と信号180を乗算した結果は、出力ポート202から出力される。出力ポート202が出力する出力信号182は、ローパスフィルタ184に入力される。ローパスフィルタ184を通すことで、渦電流センサ50が検出した出力信号176と、信号180との位相変化量(位相差)を直流信号(出力信号186)として取り出す。ローパスフィルタのカットオフ周波数は、例えば0.1〜10Hzの範囲で設定することができる。
ミキサ回路178の行う処理は次の通りである。出力信号176をA・sin(ωt+θA)とする。信号180をB・sin(ωt+θB)とする。A,Bは、それぞれ出力信号176,信号180の振幅(例えば、mv)、ωは周波数(1/s)、tは時間(S)、θA、θBは、それぞれ出力信号176,信号180の位相である。
ミキサ回路178の出力信号182は、以下のようになる。
A・sin(ωt+θA)・B・sin(ωt+θB) = (1/2)A・B・cos(ωt+θA +ωt+θB)+(1/2)A・B・ cos(ωt+θA −ωt−θB)= (1/2)A・B・cos(2ωt+θA +θB)+(1/2)A・B・ cos(θA −θB)である。
この信号をローパスフィルタ184に入力すると、上式の第1項は除去されて、ローパスフィルタ184の出力信号186は、上式の第2項
(1/2)A・B・ cos(θA −θB) すなわち、直流信号となる。
本実施形態では、渦電流センサ50の出力信号176が抵抗ブリッジ回路を介さずに、ミキサ回路178に接続されている。温度変化の影響受けやすい抵抗ブリッジ回路を用いていないため、周囲環境の変化に対して従来よりも影響を受けにくい渦電流センサ50の出力信号処理回路54を提供できる。
また、従来技術では、抵抗ブリッジ回路の端子で検出された信号は、高周波アンプおよび位相シフト回路を経て、cos同期検波回路およびsin同期検波回路からなる同期検波部により検出信号のcos成分とsin成分とが取り出される。同期検波された信号は、ローパスフィルタにより、信号成分以上の不要な高周波成分が除去される。このため、コイルが出力する高周波出力は、長い処理ステップを経た後に低周波信号となる。高周波信号であるステップが多いため、従来は信号にノイズが多くなる。
本実施形態では、渦電流センサ50のコイルが出力する高周波出力(出力信号176)は、ミキサ回路178とローパスフィルタ184により低周波信号(出力信号186)となる。出力信号176が高周波信号であるステップ数が少ないため、従来と比較して出力信号186はノイズが少なくなる。すなわち、周囲の影響を受けやすい高周波信号から、取り扱いやすい直流信号に早い段階(少ないステップ)で変換されるため、安定した信号測定を行うことができる。
図4において、信号180と出力信号176を比較したときに、2つの信号間で位相変化が大きく、振幅変化が小さい場合は、位相変化により膜厚を測定することが好ましい。2つの信号間で位相変化が小さく、振幅変化が小さい場合は、振幅変化により膜厚を測定することが好ましい。2つの信号間で位相変化が大きく、振幅変化も大きい場合は、位相変化と振幅変化により膜厚を測定することが好ましい。また、信号180は、正弦波でなくてもよい。例えば、出力信号176と同一の周波数の矩形波を用いてもよい。さらに、出力信号176と信号180の周波数は厳密に同一でなくても、実質的に同一であればよい。出力信号176と信号180の周波数のずれが大きい場合、出力信号176と信号180の周波数のうちの少なくとも一方の周波数を、周波数調整回路により調整した後に、ミキサ回路178に入力してもよい。
次に、本発明の別の実施形態について説明する。図5は、本実施形態の渦電流センサ50におけるコイルの構成例を示す概略図である。本形態では、渦電流センサ50は、金属膜(または導電性膜)に渦電流を形成するための励磁コイル72と、金属膜(または導電性膜)の渦電流を検出するための検出コイル73と、ダミーコイル74とを有する。渦電流センサ50は、フェライトコア71に巻回された3層のコイル、励磁コイル72,検出コイル73,ダミーコイル74により構成されている。なお、渦電流センサ50の構造としては、図4,5,8に示す構造に限られず、任意の構造を採用することができる。
ここで中央の励磁コイル72は、交流信号源52に接続される。この励磁コイル72は、交流信号源52より供給される電圧の形成する磁界により、半導体ウェハWHの近傍に配置される半導体ウェハWH上の金属膜(または導電性膜)mfに渦電流を形成する。フェライトコア71の上側(金属膜(または導電性膜)側)には、検出コイル73が配置さ
れ、金属膜(または導電性膜)に形成される渦電流により発生する磁界を検出する。そして、励磁コイル72の検出コイル73と反対側にはダミーコイル74が配置されている。励磁コイル72、検出コイル73、ダミーコイル74は例えば、同じターン数(1〜20t)のコイルである。ダミーコイル74を設ける理由は、金属膜(または導電性膜)が存在しないときには、出力信号処理回路54の出力がゼロとなるように調整可能とするためである。
図6は、本実施形態における出力信号処理回路54を示す概略図である。渦電流センサ50は、出力信号176(第1の出力信号)、出力信号188(第2の出力信号)をそれぞれ出力する検出コイル73(第1のコイル)、ダミーコイル74(第2のコイル)を有する。出力信号処理回路54は、渦電流センサ50が出力する出力信号182、出力信号188を処理する。出力信号処理回路54は、出力信号176と、交流信号源52が出力する所定の周波数の信号180が入力されて、入力された2つの出力信号176、信号180の乗算を行い、乗算によって得られた出力信号182を出力するミキサ回路1781(第1のミキサ回路)と、ミキサ回路1781が出力する出力信号182が入力されて、入力された出力信号182に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を含む出力信号1861を出力するローパスフィルタ1841(第1のローパスフィルタ)を有する。
出力信号処理回路54は、さらに出力信号188と、交流信号源52が出力する所定の周波数の信号180が入力されて、入力された出力信号188と信号180の乗算を行い、乗算によって得られた出力信号190を出力するミキサ回路1782(第2のミキサ回路)と、ミキサ回路1782が出力する出力信号190が入力されて、入力された出力信号190に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を含む出力信号1862を出力するローパスフィルタ1842(第2のローパスフィルタ)とを有する。
出力信号処理回路54は、さらにローパスフィルタ1841が出力する出力信号1861とローパスフィルタ1842が出力する出力信号1862が入力されて、入力された2つの出力信号1861と出力信号1862の差を求めて、得られた差を出力する第1の減算回路1961(減算回路)とを有する。
また、出力信号処理回路54は、ローパスフィルタ1841が出力する出力信号1861(直流信号)が入力されて、入力された出力信号1861の振幅の大きさを調整して、調整後の直流信号1921を出力する第1の調整回路1941と、ローパスフィルタ1842が出力する出力信号1862(直流信号)が入力されて、入力された出力信号1862の振幅の大きさを調整して、調整後の直流信号1922を出力する第2の調整回路1942とを有し、さらに第1の調整回路1941が出力する調整後の直流信号1921と、第2の調整回路1942が出力する調整後の直流信号1922の差を求めて、得られた差を出力する第1の減算回路1961(減算回路)とを有してもよい。
本実施形態でも、渦電流センサ50の出力信号176,出力信号188が抵抗ブリッジ回路を介さずに、ミキサ回路1781,ミキサ回路1782に接続されている。温度変化の影響受けやすい抵抗ブリッジ回路を用いていないため、周囲環境の変化に対して従来よりも影響を受けにくい渦電流センサの出力信号処理回路54を提供できる。
本形態では第1の減算回路1961により、膜厚変化に対応した微小な信号変化を2個のコイルを用いて取り出すという従来のブリッジ回路を用いた検出方法と同様なことができる。すなわち、2つの直流信号の差を求めて、膜厚変化に対応した微小な信号変化分のみを検出することが可能である。
ここで、比較例としてのブリッジ回路を用いた検出方法を図7により説明する。図7に示すように、3個の励磁コイル72,検出コイル73,ダミーコイル74のうちの検出コイル73とダミーコイル74は直列回路を構成する。その両端は、可変抵抗206と可変抵抗208と固定抵抗210を含む抵抗ブリッジ回路204に接続されている。抵抗ブリッジ回路204の可変抵抗206と可変抵抗208でバランスの調整を行うことで、膜厚がゼロのときに、抵抗ブリッジ回路204の出力がゼロになるようにゼロ点の調整が可能である。抵抗ブリッジ回路204の出力は、図7に示すように、同期検波回路214に入力される。同期検波回路214は、入力された信号から、膜厚の変化に伴う抵抗成分(R)、リアクタンス成分(X)、振幅出力(Z)および位相出力(tan−1R/X)を取り出す。この回路には、抵抗が有する浮遊容量212が発生する。
可変抵抗206、可変抵抗208の抵抗値の調整量、すなわち、ゼロ点調整時の抵抗値調整量はブリッジ回路を構成する抵抗値全体の大きさに比べて非常に小さい。その結果、抵抗値全体の温度変化量は、ゼロ点調整量と比べると、無視できない量である。温度変化による抵抗値の変化や、抵抗が有する浮遊容量等のために、抵抗の周囲環境の変化に対して抵抗ブリッジ回路204の特性が敏感に影響を受ける。この結果、上述のゼロ点がシフトしやすく、膜厚の測定精度が低下するという問題がある。
図6の説明に戻る。第1の減算回路1961は、第1の調整回路1941が出力する直流信号1921と第2の調整回路1942が出力する直流信号1922が入力されて、入力された2つの直流信号1921、直流信号1922の差を求めて、得られた差を出力する。第1の調整回路1941、第2の調整回路1942を設ける理由は、次の通りである。
調整回路と減算回路により、膜厚変化に対応した微小な信号変化を2個のコイル(検出コイル73,ダミーコイル74)を用いて取り出すという従来の抵抗ブリッジ回路を用いた検出方法と同等の性能を維持することができる。すなわち、少なくとも1個のコイル(ただし、図6では2個の検出コイル73,ダミーコイル74)からの位相検波信号のレベルを調整回路により調整した後に減算して、膜厚変化に対応した微小な信号変化分のみを検出する。調整回路により、調整回路が無い場合と比べてゼロ点調整の精度を改善することができる。これにより、既述のゼロ点からの信号の微弱変化を取り出すことができる。第1の調整回路1941、第2の調整回路1942のうちの一方のみを設けることとしてもよい。なぜならば、一方の調整回路のみでも、位相検波信号のレベルを調整回路により調整して、ゼロ点調整が可能な場合があるからである。
第1の調整回路1941と第2の調整回路1942は、例えばアッテネータである。アッテネータとは、アッテネータに入力される信号を適切な信号レベル(振幅)に減衰させる回路素子および装置をいう。第1の調整回路1941と第2の調整回路1942は、例えば増幅器でもよい。第1の調整回路1941、第2の調整回路1942を設ける理由としては、コイルの特性に起因した理由以外に、以下もある。
ミキサ回路やローパスフィルタは、入力信号の振幅を増幅または減衰して出力する場合がある。その場合は、ミキサ回路やローパスフィルタの出力の振幅を調整するために、第1の調整回路1941と第2の調整回路1942が必要となる場合がある。
次に、本発明の別の実施形態について説明する。図8、9は、本実施形態の渦電流センサ50の構成例及び渦電流センサにおける励磁コイルの接続例を示す概略図である。導電性膜が形成された基板の近傍に配置される渦電流センサ50は、ポットコア60と、6個のコイル860,862、864,866、868、870により構成されている。磁性体であるポットコア60は、底面部61a(底部磁性体)と、底面部61aの中央に設けられた磁心部61b(中央磁性体)と、底面部61aの周辺部に設けられた周壁部61c
(周辺部磁性体)とを有する。周壁部61cは、磁心部61bを囲うように底面部61aの周辺部に設けられる壁部である。本実施形態では、底面部61aは、円形のディスク形状であり、磁心部61bは、中実な円柱形状であり、周壁部61cは、底面部61aを囲うシリンダ形状である。
前記6個のコイル860,862、864,866、868、870のうち中央のコイル860,862は、交流信号源52に接続される励磁コイルである。この励磁コイル860,862は、交流信号源52より供給される電圧の形成する磁界により、近傍に配置される半導体ウェハW上の金属膜(または導電性膜)mfに渦電流を形成する。励磁コイル860,862の金属膜側には、検出コイル864,866が配置され、金属膜に形成される渦電流により発生する磁界を検出する。励磁コイル860,862を挟んで検出コイル864,866と反対側にはダミーコイル868、870が配置されている。
励磁コイル860は、磁心部61bの外周に配置され、磁場を生成可能な内部コイルであり、導電性膜に渦電流を形成する。励磁コイル862は、周壁部61cの外周に配置され、磁場を生成可能な外部コイルであり、導電性膜に渦電流を形成する。検出コイル864は、磁心部61bの外周に配置され、磁場を検出可能であり、導電性膜に形成される渦電流を検出する。検出コイル866は、周壁部61cの外周に配置され、磁場を検出可能であり、導電性膜に形成される渦電流を検出する。
渦電流センサは、導電性膜に形成される渦電流を検出するダミーコイル868、870を有する。ダミーコイル868は、磁心部61bの外周に配置され、磁場を検出可能である。ダミーコイル870は、周壁部61cの外周に配置され、磁場を検出可能である。検出コイルとダミーコイルは、本実施形態では、底面部61aの外周および周壁部61cの外周に配置されているが、検出コイルとダミーコイルは、底面部61aの外周および周壁部61cの外周の一方のみに配置してもよい。
磁心部61bの軸方向は、基板上の導電性膜に直交し、検出コイル864,866と励磁コイル860,862とダミーコイル868,870は、磁心部61bの軸方向に異なる位置に配置され、かつ磁心部61bの軸方向に、基板上の導電性膜に近い位置から遠い位置に向かって、検出コイル864,866、励磁コイル860,862、ダミーコイル868,870の順に配置される。検出コイル864,866、励磁コイル860,862、ダミーコイル868,870からは、それぞれ、外部と接続するためのリード線(図11に示す)が出ている。
図8は、磁心部61bの中心軸872を通る平面における断面図である。磁性体であるポットコア60は、円板形状の底面部61aと、底面部61aの中央に設けられた円柱形状の磁心部61bと、底面部61aの周囲に設けられた円筒形状の周壁部61cとを有する。ポットコア60の寸法の1例としては、底面部61aの直径L1は約1cm〜5cm、渦電流センサ50の高さL2は約1cmから5cmである。周壁部61cの外径は、図18では高さ方向に同一である円筒形状であるが、底面部61aから離れる方向に、すなわち先端に向かって細くなる先細形状(テーパ形状)でもよい。
検出コイル864,866、励磁コイル860,862、ダミーコイル868,870に使用される導線は、銅、マンガニン線、又はニクロム線である。マンガニン線やニクロム線を使用することにより、電気抵抗等の温度変化が少なくなり、温度特性が良くなる。
本実施形態では、フェライト等からなる磁心部61bの外側と、周壁部61cの外側に線材を巻き付けて、励磁コイル860,862を形成しているために、計測対象物に流れる渦電流密度を上げることができる。また、検出コイル864,866も磁心部61bの
外側と、周壁部61cの外側に形成しているために、生成された逆磁場(鎖交磁束)を効率的に収集できる。
計測対象物に流れる渦電流密度を上げるために、本実施形態では、さらに、励磁コイル860と励磁コイル862は、図9に示すように、並列に接続する。すなわち、内部コイルと外部コイルは電気的に並列に接続される。並列に接続する理由は、以下のとおりである。並列に接続すると、直列に接続した場合よりも、励磁コイル860と励磁コイル862に印加できる電圧が増加して、励磁コイル860と励磁コイル862に流れる電流が増加する。このため、磁場が大きくなる。また、直列に接続すると、回路のインダクタンスが増加して、回路の周波数が低下する。必要な高周波を励磁コイル860,862に印可することが困難になる。矢印874は、励磁コイル860と励磁コイル862に流れる電流の向きを示す。
励磁コイル860と励磁コイル862は、図9に示すように、励磁コイル860と励磁コイル862の磁場方向が同じになるように接続する。すなわち、電流は励磁コイル860と励磁コイル862で異なる方向に流す。磁場876は、内側の励磁コイル860が生成する磁場であり、磁場878は、外側の励磁コイル862が生成する磁場である。図10に示すように、励磁コイル860と励磁コイル862の磁場方向は同じである。すなわち、内部コイルが磁心部61b内に生成する磁場の方向と、外部コイルが磁心部61b内に生成する磁場の方向は同じである。
領域880に示す磁場876と磁場878は、同じ向きであるために、2つの磁場が加算されて大きくなる。従来のような励磁コイル860による磁場876のみが存在する場合に比べて、本実施形態では励磁コイル862による磁場878分だけ、磁場が大きくなる。
検出コイル864,励磁コイル860,ダミーコイル868は、図5の検出コイル73,励磁コイル72,ダミーコイル74に対応する。検出コイル866,励磁コイル862,ダミーコイル870は、図5の検出コイル73,励磁コイル72,ダミーコイル74に対応する。すなわち、図10の渦電流センサは、図5の渦電流センサを同心状に2個配置した構造をしている。これに伴い、図10の渦電流センサに対応した出力信号処理回路54は、図6に示す出力信号処理回路54を2個有するものが好ましい。
図10の渦電流センサに対応した出力信号処理回路54の一例を図11に示す。渦電流センサ50は、出力信号176(第1の出力信号)、出力信号188(第2の出力信号)をそれぞれ出力する検出コイル864(第1のコイル)、ダミーコイル868(第2のコイル)を有する。渦電流センサ50は、第3の出力信号1761、第4の出力信号1881をそれぞれ出力する検出コイル866(第3のコイル)、ダミーコイル870(第4のコイル)を有する。
第1の出力信号と第2の出力信号に関するミキサ回路1781,ミキサ回路1782,ローパスフィルタ1841,ローパスフィルタ1842の処理は、既述の通りであるから説明を省略する。
出力信号処理回路54は、第3の出力信号1761と、交流信号源52が出力する所定の周波数の信号180が入力されて、入力された2つの信号の乗算を行い、乗算によって得られた出力信号1821を出力する第3のミキサ回路1783と、第3のミキサ回路1783が出力する出力信号1821が入力されて、入力された出力信号1821に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を含む出力信号1863を出力する第3のローパスフィルタ1843を有する。
出力信号処理回路54は、第4の出力信号1881と、交流信号源52が出力する所定の周波数の信号180が入力されて、入力された2つの信号の乗算を行い、乗算によって得られた出力信号1901を出力する第4のミキサ回路1784と、第4のミキサ回路1784が出力する出力信号1901が入力されて、入力された出力信号1901に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を含む出力信号1864を出力する第4のローパスフィルタ1844を有する。
デジタルシグナルプロセッサ216の内部構成を図13に示す。出力信号処理回路54は、第3のローパスフィルタ1843が出力する出力信号1863と第4のローパスフィルタ1844が出力する出力信号1864が入力されて、入力された2つの直流信号の差2222を求めて、得られた差2222を出力する第2の減算回路1962と、第1の減算回路1961が出力する差2221と第2の減算回路1962が出力する差2222が入力されて、入力された2つの差を加算してまたは2つの差の差を求めて、得られた和または差を出力信号172として出力する加算回路224とを有する。
本実施形態では、デジタルシグナルプロセッサ216(digital signal processor:DSP)が、第1、第2、第3、第4の調整回路、第1、第2の減算回路、加算回路の機能を有する。すなわち、デジタルシグナルプロセッサ216は、第3のローパスフィルタ1843が出力する出力信号1863(直流信号)が入力されて、入力された出力信号1863の振幅の大きさを調整して、調整後の直流信号を出力する第3の調整回路1943と、第4のローパスフィルタ1844が出力する出力信号1864(直流信号)が入力されて、入力された出力信号1864の振幅の大きさを調整して、調整後の直流信号1924を出力する第4の調整回路1944を有してもよい。デジタルシグナルプロセッサ216は、デジタル信号処理に適したマイクロプロセッサである。第1、第2、第3、第4の調整回路、第1、第2の減算回路、加算回路のうちの少なくとも1つをアナログ回路またはデジタル回路として独立に設けてもよい。
本実施形態では、図5に示す2個のコイルを有するコイル組立に加えて、さらに、2個のコイルを有するコイル組立を有する。すなわち、2個のコイルの組み合わせを2組有する。組み合わせを2組有するため、2組により得られた2つの直流信号の差を加算してまたは2つの直流信号の差の差を求めることにより、測定精度が向上する。測定精度が向上する理由は以下のとおりである。加算する場合は、信号出力が大きくなるために、より小さな信号変化、すなわち、より小さな膜厚変化を検知できるので測定精度が向上する。
差を求める場合は例えば、一方の組み合わせが他方の組み合わせよりも、広い領域の膜厚を測定できるようにする。このとき、一方の組み合わせの出力から他方の組み合わせの出力を減算することにより、広い領域の膜厚の影響を低減して、狭い領域の膜厚の変化のみを、より正確に測定することができる。すなわち測定の空間的精度を改善することができる。
図8に示す渦電流センサの斜視図を図12に示す。図12では理解の容易のために、上面218が上面220の上方にあるが、上面218と上面220は、図8に示すように同一水平面にある。図12では、コイル組立体が2組あるが、コイル組立体が3組以上あってもよい。コイル組立体が2組以上ある場合、コイル組立体が1組の場合に比べて、膜厚の測定数が増えるために、測定精度(S/N比)が向上する。
本実施形態でも、渦電流センサの出力信号が抵抗ブリッジ回路を介さずに、ミキサ回路に接続されている。温度変化の影響受けやすい抵抗ブリッジ回路を用いていないため、周囲環境の変化に対して従来よりも影響を受けにくい渦電流センサの出力信号処理回路を提
供できる。
本形態では減算回路により、膜厚変化に対応した微小な信号変化を2個のコイルを用いて取り出すという従来のブリッジ回路を用いた検出方法と同様なことができる。すなわち、2つの直流信号の差を求めて、膜厚変化に対応した微小な信号変化分のみを検出することが可能である。
乗算回路および減算回路は、乗算および減算した結果に所定の定数(定数は、1、1より小、1より大のいずれでもよい)を掛けた、すなわち増幅した出力信号を出力する回路でもよい。
図14に、渦電流センサ50の出力信号176(図4に示す)と、交流信号源52の信号180との間にある位相差によって、直流信号である出力信号186がどのように変化するかを示す。図14(a)、(b)、(c)、(d)は、位相差がそれぞれ0度、30度,60度,90度の場合である。位相差が大きくなるに伴い、出力信号186が小さくなる。図の横軸は時間(s)であり、縦軸は、振幅(mv)である。
次に、渦電流センサの出力信号処理方法について説明する。図4において、渦電流センサ50の出力信号176と、交流信号源52の信号180をミキサ回路178に入力する。ミキサ回路178によって2つの信号の乗算を行い、乗算によって得られた出力信号182を出力する。ミキサ回路178が出力する出力信号182をローパスフィルタ184に入力して、高周波信号をカットして、少なくとも直流信号186を出力する。
次に、渦電流センサの別の出力信号処理方法について説明する。図6において、第1、第2の出力信号176,188をそれぞれ出力する第1、第2のコイル73,74を有する渦電流センサ50が出力する第1、第2の出力信号176,188を処理する。
第1の出力信号176と、交流信号源52の信号180を第1のミキサ回路1781に入力して、第1のミキサ回路1781によって2つの信号の乗算を行い、乗算によって得られた出力信号182を出力する。第1のミキサ回路1781が出力する出力信号182を第1のローパスフィルタ1841に入力して、第1のローパスフィルタ1841によって、出力信号182に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号1861を出力する。
第2の出力信号188と、交流信号源52の信号180を第2のミキサ回路1782に入力して、第2のミキサ回路1782によって2つの信号の乗算を行い、乗算によって得られた出力信号190を出力する。第2のミキサ回路1782が出力する出力信号190を第2のローパスフィルタ1842に入力して、第2のローパスフィルタ1842によって、出力信号190に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号1862を出力する。
第1のローパスフィルタ1841が出力する直流信号1861と第2のローパスフィルタ1842が出力する直流信号1862を第1の減算回路1961に入力して、第1の減算回路1961によって、2つの直流信号の差172を求めて、得られた差172を出力する。
次に、渦電流センサの別の出力信号処理方法について説明する。図11において、渦電流センサは、第3、第4の出力信号1761,1881をそれぞれ出力する第3、第4のコイル866,870を有する。第3の出力信号1761と、交流信号源52の信号180を第3のミキサ回路1783に入力して、第3のミキサ回路1783によって2つの信
号の乗算を行い、乗算によって得られた出力信号1821を出力する。
第3のミキサ回路1783の出力信号1821を第3のローパスフィルタ1843に入力して、第3のローパスフィルタ1843によって、出力信号1821に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号1863を出力する。第4の出力信号1881と、交流信号源52の信号180を第4のミキサ回路1784に入力して、第4のミキサ回路1784によって2つの信号の乗算を行い、乗算によって得られた出力信号1901を出力する。
第4のミキサ回路1784の出力信号1901を第4のローパスフィルタ1844に入力して、第4のローパスフィルタ1844によって、出力信号1901に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号1864を出力する。第3のローパスフィルタ1843が出力する直流信号1863と第4のローパスフィルタ1844が出力する直流信号1864を第2の減算回路1962に入力して、第2の減算回路1962によって、2つの直流信号1863,1864の差2222を求めて、得られた差2222を出力する。第1の減算回路1961が出力する差2221と第2の減算回路1962が出力する差2222を加算回路224に入力する。加算回路224によって、2つの差2221,2222を加算してまたは2つの差2221,2222の差を求めて、得られた和172または差172を出力する。
渦電流センサ50によって得られた膜厚に基づいて、研磨装置の各部を制御する方法について以下説明する。図1に示すように、渦電流センサ50は、終点検出コントローラ246に接続され、終点検出コントローラ246は、機器制御コントローラ248に接続されている。渦電流センサ50の出力信号は、終点検出コントローラ246に送られる。終点検出コントローラ246は、渦電流センサ50の出力信号に対して必要な処理(演算処理・補正)を施してモニタリング信号(終点検出コントローラ246によって補正された膜厚データ)を生成する。機器制御コントローラ248は、補正された膜厚データに基づいて、トップリング用モータ114、研磨テーブル100用モータ(図示しない)等を制御する。
以上、本発明の実施形態の例について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明には、その均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
50…渦電流センサ
52…交流信号源
54…出力信号処理回路
60…ポットコア
71…フェライトコア
72…励磁コイル
73…検出コイル
74…ダミーコイル
100…研磨テーブル
101…研磨パッド
102…研磨液供給ノズル
110…トップリングヘッド
174…渦電流センサ組立体
178…ミキサ回路
184…ローパスフィルタ
198…入力ポート
200…ローカルオシレータポート
202…出力ポート
204…抵抗ブリッジ回路
216…デジタルシグナルプロセッサ
218…上面
220…上面
246…終点検出コントローラ
248…機器制御コントローラ
860…励磁コイル
862…励磁コイル
864…検出コイル
866…検出コイル
868…ダミーコイル
870…ダミーコイル
1781…ミキサ回路
1782…ミキサ回路
1783…第3のミキサ回路
1784…第4のミキサ回路
1841…ローパスフィルタ
1842…ローパスフィルタ
1843…第3のローパスフィルタ
1844…第4のローパスフィルタ
1941…第1の調整回路
1942…第2の調整回路
1961…第1の減算回路

Claims (9)

  1. 渦電流センサと、
    前記渦電流センサの出力信号を処理する出力信号処理回路とを有し、
    前記出力信号処理回路は、
    前記出力信号と、所定の周波数の信号が入力されて、入力された前記2つの信号の乗算を行い、前記乗算によって得られた出力信号を出力するミキサ回路と、
    前記ミキサ回路が出力する前記出力信号が入力されて、入力された前記出力信号に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を出力するローパスフィルタとを有することを特徴とする渦電流センサ組立体。
  2. 第1、第2の出力信号をそれぞれ出力する第1、第2のコイルを有する渦電流センサが出力する前記第1、第2の出力信号を処理する渦電流センサの出力信号処理回路において、
    前記第1の出力信号と、所定の周波数の信号が入力されて、入力された前記2つの信号の乗算を行い、前記乗算によって得られた出力信号を出力する第1のミキサ回路と、
    前記第1のミキサ回路が出力する前記出力信号が入力されて、入力された前記出力信号に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を出力する第1のローパスフィルタと、
    前記第2の出力信号と、前記周波数の信号が入力されて、入力された前記2つの信号の乗算を行い、前記乗算によって得られた出力信号を出力する第2のミキサ回路と、
    前記第2のミキサ回路が出力する前記出力信号が入力されて、入力された前記出力信号に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を出力する第2のローパスフィルタと、
    前記第1のローパスフィルタが出力する前記直流信号と前記第2のローパスフィルタが出力する前記直流信号が入力されて、入力された2つの前記直流信号の差を求めて、得られた前記差を出力する第1の減算回路とを有することを特徴とする渦電流センサの出力信号処理回路。
  3. 前記出力信号処理回路は、前記第1のローパスフィルタが出力する前記直流信号が入力されて、入力された前記直流信号の振幅の大きさを調整して、調整後の直流信号を出力する第1の調整回路を有し、
    前記第1の減算回路は、前記第1の調整回路が出力する前記直流信号と前記第2のローパスフィルタが出力する前記直流信号が入力されて、入力された2つの前記直流信号の差を求めて、得られた前記差を出力することを特徴とする請求項2記載の渦電流センサの出力信号処理回路。
  4. 前記出力信号処理回路は、前記第1のローパスフィルタが出力する前記直流信号が入力されて、入力された前記直流信号の振幅の大きさを調整して、調整後の直流信号を出力する第1の調整回路と、
    前記第2のローパスフィルタが出力する前記直流信号が入力されて、入力された前記直流信号の振幅の大きさを調整して、調整後の直流信号を出力する第2の調整回路とを有し、
    前記第1の減算回路は、前記第1の調整回路が出力する前記直流信号と前記第2の調整回路が出力する前記直流信号が入力されて、入力された2つの前記直流信号の差を求めて、得られた前記差を出力することを特徴とする請求項2記載の渦電流センサの出力信号処理回路。
  5. 前記渦電流センサは、第3、第4の出力信号をそれぞれ出力する第3、第4のコイルを有し、
    前記出力信号処理回路は、
    前記第3の出力信号と、前記周波数の信号が入力されて、入力された前記2つの信号の乗算を行い、前記乗算によって得られた出力信号を出力する第3のミキサ回路と、
    前記第3のミキサ回路が出力する前記出力信号が入力されて、入力された前記出力信号に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を出力する第3のローパスフィルタと、
    前記第4の出力信号と、前記周波数の信号が入力されて、入力された前記2つの信号の乗算を行い、前記乗算によって得られた出力信号を出力する第4のミキサ回路と、
    前記第4のミキサ回路が出力する前記出力信号が入力されて、入力された前記出力信号に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を出力する第4のローパスフィルタと、
    前記第3のローパスフィルタが出力する前記直流信号と前記第4のローパスフィルタが出力する前記直流信号が入力されて、入力された2つの前記直流信号の差を求めて、得られた前記差を出力する第2の減算回路と、
    前記第1の減算回路が出力する前記差と前記第2の減算回路が出力する前記差が入力されて、入力された2つの前記差を加算してまたは2つの前記差の差を求めて、得られた前記和または差を出力する加算回路とを有することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の渦電流センサの出力信号処理回路。
  6. 渦電流センサの出力信号と、所定の周波数の信号をミキサ回路に入力して、ミキサ回路によって前記2つの信号の乗算を行い、前記乗算によって得られた出力信号を出力するステップと、
    前記ミキサ回路が出力する前記出力信号をローパスフィルタに入力して、高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を出力するステップとを有することを特徴とする渦電流センサの出力信号処理方法。
  7. 第1、第2の出力信号をそれぞれ出力する第1、第2のコイルを有する渦電流センサが出力する前記第1、第2の出力信号を処理する渦電流センサの出力信号処理方法において、
    前記第1の出力信号と、所定の周波数の信号を第1のミキサ回路に入力して、前記第1のミキサ回路によって前記2つの信号の乗算を行い、前記乗算によって得られた出力信号を出力するステップと、
    前記第1のミキサ回路が出力する前記出力信号を第1のローパスフィルタに入力して、前記第1のローパスフィルタによって、前記出力信号に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を出力するステップと、
    前記第2の出力信号と、前記周波数の信号を第2のミキサ回路に入力して、前記第2のミキサ回路によって前記2つの信号の乗算を行い、前記乗算によって得られた出力信号を出力するステップと、
    前記第2のミキサ回路が出力する前記出力信号を第2のローパスフィルタに入力して、前記第2のローパスフィルタによって、前記出力信号に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を出力するステップと、
    前記第1のローパスフィルタが出力する前記直流信号と前記第2のローパスフィルタが出力する前記直流信号を第1の減算回路に入力して、前記第1の減算回路によって、2つの前記直流信号の差を求めて、得られた前記差を出力するステップとを有することを特徴とする渦電流センサの出力信号処理方法。
  8. 前記渦電流センサは、第3、第4の出力信号をそれぞれ出力する第3、第4のコイルを有し、
    前記出力信号処理方法は、
    前記第3の出力信号と、前記周波数の信号を第3のミキサ回路に入力して、前記第3の
    ミキサ回路によって前記2つの信号の乗算を行い、前記乗算によって得られた出力信号を出力するステップと、
    前記第3のミキサ回路の出力信号を第3のローパスフィルタに入力して、前記第3のローパスフィルタによって、前記出力信号に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を出力するステップと、
    前記第4の出力信号と、前記周波数の信号を第4のミキサ回路に入力して、前記第4のミキサ回路によって前記2つの信号の乗算を行い、前記乗算によって得られた出力信号を出力するステップと、
    前記第4のミキサ回路の出力信号を第4のローパスフィルタに入力して、前記第4のローパスフィルタによって、前記出力信号に含まれる高周波信号をカットして、少なくとも直流信号を出力するステップと、
    前記第3のローパスフィルタが出力する前記直流信号と前記第4のローパスフィルタが出力する前記直流信号を第2の減算回路に入力して、前記第2の減算回路によって、2つの前記直流信号の差を求めて、得られた前記差を出力するステップと、
    前記第1の減算回路が出力する前記差と前記第2の減算回路が出力する前記差を加算回路に入力して、前記加算回路によって、2つの前記差を加算してまたは2つの前記差の差を求めて、得られた前記和または差を出力するステップとを有することを特徴とする渦電流センサの出力信号処理方法。
  9. 基板を研磨するための研磨パッドが貼り付けられるように構成される研磨テーブルと、
    前記研磨テーブルを回転駆動するように構成される駆動部と、
    前記基板を保持して前記研磨パッドに押圧するように構成される保持部と、
    前記研磨テーブルの内部に配置され、前記研磨テーブルの回転に伴い、前記基板に形成される導電性膜に形成される渦電流を検出するように構成される前記渦電流センサと、
    請求項2から5のいずれか1項に記載の前記渦電流センサの出力信号処理回路と、
    前記出力信号処理回路の出力から前記基板の膜厚データを算出するように構成される終点検出コントローラと、
    を備える研磨装置。
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