JP2021096113A - アンカーの検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンカーの健全性を、比較的良好な精度で判断できるアンカーの検査方法を提供する。【解決手段】アンカー1が設置されたコンクリート部材2のアンカーボルト3の近傍位置にAEセンサー6を配置し、引張試験機5でアンカーボルト3に所定の参照引き抜き力を作用させると共に、AEセンサー6でアコースティックエミッションを検出する。アンカーボルト3に参照引き抜き力を作用させた間にAEセンサー6で測定されたアコースティックエミッションのヒット数である参照ヒット数を測定し、予め作成された健全性評価図に照らしてアンカー1の健全性を判断する。健全性評価図には、アンカーボルト3と同様のアンカーボルトを用いて作成された試験体について予め行われた評価試験結果に基づいて、アンカーの参照ヒット数と引き抜き強度との関係が表される。【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート部材に設置されたアンカー体に載荷して検査を行うアンカーの検査方法に関する。
従来より、コンクリートで作製された基礎や壁や天井等のコンクリート部材に、他の部材や機器を固定するため、アンカーが用いられている。アンカーとしては、金属系アンカーや接着系アンカーが存在する。金属系アンカーは、コンクリート部材に形成した有底孔内に、先端部分が径方向に拡大可能に形成されたアンカーボルトを挿入する。アンカーボルトの先端部分を径方向に拡大させて有底孔の周面に密着させることにより、アンカーボルトをコンクリート部材に固定している。接着系アンカーは、コンクリート部材に形成した有底孔内に接着剤を配置してアンカーボルトを挿入し、接着剤を硬化させてアンカーボルトをコンクリート部材に固定している。
アンカーを用いた構造物の保守管理の一環として、アンカーの健全性の検査が行われている。従来、金属系アンカーの検査方法としては、コンクリート製の基礎から露出したアンカーボルトの部分をハンマーで打撃して得た打撃音に基づくものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このアンカーの検査方法は、アンカーボルトの打撃音の信号波形を、高速フーリエ変換による周波数解析を行って周波数情報を得る。この周波数情報を、予め確認されたアンカーボルトにおける信号波形の周波数情報とアンカーボルトの引き抜き強度との関係が格納されたデータベースとに参照する。これにより、打撃音が得られたアンカーボルトの引き抜き強度を特定して、アンカーの健全性を把握するようにしている。
また、接着系アンカーの検査方法として、アンカーボルトの打撃音に基づくものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この接着系アンカーの検査方法もまた、金属系アンカーの検査方法と同様に、コンクリート製の基礎から露出したアンカーボルトの部分をハンマーで打撃し、これによる打撃音を高速フーリエ変換により周波数解析を行って周波数情報を得る。この周波数情報を、予め確認されたアンカーボルトの周波数情報とアンカーボルトの引き抜き強度との関係に照らして、アンカーの健全性を把握するようにしている。
特開2016−024069号公報 特開2015−045637号公報
しかしながら、上記従来のアンカーの検査方法は、金属系アンカーと接着系アンカーのいずれも、アンカーボルトにおける打撃位置や打撃力等に応じて周波数情報にばらつきが生じ易い。したがって、引き抜き強度の特定精度が低く、アンカーの健全性の判断精度が低いという問題がある。
そこで、本発明の課題は、アンカーの健全性を、比較的良好な精度で判断できるアンカーの検査方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明のアンカーの検査方法は、コンクリート部材にアンカー体が埋設されて形成されたアンカーの健全性を検査するアンカーの検査方法であって、
上記コンクリート部材の上記アンカー体の近傍位置に、アコースティックエミッションを検出するAE(Acoustic Emission)センサーを配置する工程と、
上記アンカー体に、予め定められた値の引き抜き力であって、上記アンカーの設計上の引き抜き強度よりも小さい値の引き抜き力である参照引き抜き力を作用させると共に、上記AEセンサーでアコースティックエミッションを測定する工程と、
上記アンカー体に上記参照引き抜き力を作用させた間に上記AEセンサーで測定されたアコースティックエミッションのヒット数である参照ヒット数を検出する工程と、
上記検出された参照ヒット数を、予め特定された参照ヒット数と引き抜き強度との関係に照らして、上記アンカーの健全性を判断する工程と
を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、アンカー体が埋設されたコンクリート部材の上記アンカー体の近傍位置に、AEセンサーが配置される。続いて、上記アンカー体に、予め定められた値の引き抜き力であって、上記アンカーの設計上の引き抜き強度よりも小さい値の引き抜き力である参照引き抜き力を作用させると共に、上記AEセンサーでアコースティックエミッションが測定される。上記アンカー体に上記参照引き抜き力を作用させた間に上記AEセンサーで測定されたアコースティックエミッションのヒット数である参照ヒット数が検出される。ここで、アコースティックエミッションのヒット数とは、AEセンサーで検出された信号波形の包絡線を描いたとき、この包絡線が、予め設定された閾値を超えた数をいう。すなわち、アコースティックエミッションの信号波形において、包絡線が所定の閾値を超えることにより発生する塊の発生回数を、ヒット数という。上記アンカー体に参照引き抜き力を作用させた間に測定された参照ヒット数を、予め特定された参照ヒット数と引き抜き強度の関係に照らして、上記アンカーの健全性が判断される。このように、アンカー体に引き抜き力が作用されたときにコンクリート部材を通じて測定されるアコースティックエミッションに基づいて、アンカーの健全性が判断されるので、アンカー体の打撃音に基づいて健全性を特定する場合のような、打撃位置や打撃力等に応じた周波数情報のばらつきが生じ難い。したがって、アンカーの健全性を比較的良好な精度で判断できる。また、アコースティックエミッションのヒット数を測定するときにアンカー体に作用させる参照引き抜き力は、アンカーの設計上の引き抜き強度よりも小さいので、健全なアンカーであれば、参照引き抜き力を作用させても破壊しない。よって、健全であれば破壊することなくアンカーの健全性を判断できる。本発明者は、アンカーの検査をアコースティックエミッションにより行うことに着目し、鋭意研究を重ねた結果、アコースティックエミッションのヒット数と、アンカーが保有する強度との間に相関性が有ることを見出した。この発見に基づいて、本発明が創作されたものである。
ここで、アンカー体とは、コンクリート部材の内部に少なくとも一部が埋設され、コンクリート部材に固定されて主に引張力を受けるように形成されたものをいい、コンクリート部材に固定する形態や形状は、特に限定されない。すなわち、アンカー体としては、例えばアンカーボルトやアンカー筋等が該当し、金属系アンカーに用いられるものや、接着系アンカーに用いられるもの等が該当する。また、本発明のアンカーの検査方法は、コンクリート部材が作成された後にアンカー体が設置されるあと施工アンカーと、コンクリート部材の型枠にアンカー体が設置され、コンクリートの打設によりコンクリート部材とアンカー体が一体化される先付けアンカーのいずれにも適用できる。
一実施形態のアンカーの検査方法は、上記参照ヒット数と引き抜き強度との関係が、上記アンカー体と実質的に同一のアンカー体を用いてアンカーの試験体を作成し、この試験体のアンカー体に参照引き抜き力を作用させると共にアコースティックエミッションを測定した後に上記試験体が破壊するまでアンカー体に引き抜き力を作用させる評価試験を行い、上記試験体に参照引き抜き力を作用させた間に測定されたアコースティックエミッションのヒット数である参照ヒット数と、上記試験体が破壊したときの引き抜き力である引き抜き強度とに基づいて特定されている。
上記実施形態によれば、検査対象のアンカーの健全性を判断するために用いられる、アコースティックエミッションの参照ヒット数と引き抜き強度との関係は、アンカー体と実質的に同一のアンカー体を用いて作成されたアンカーの試験体を使用して事前に行われる、評価試験によって特定される。このアンカーの試験体の評価試験では、まず、試験体に、アンカーの設計上の引き抜き強度よりも小さい値の引き抜き力である参照引き抜き力を作用させ、この間にAEセンサーで測定されたアコースティックエミッションのヒット数である参照ヒット数が特定される。この後、試験体に作用させる引き抜き力を増大させて、試験体を破壊する。上記参照ヒット数と、上記試験体が最終的に破壊したときの引き抜き力である引き抜き強度とに基づいて、検査における参照ヒット数と引き抜き強度との関係が特定される。このように、アンカーの試験体の評価試験で特定された関係を利用することにより、検査対象のアンカーの健全性を、健全なアンカーは破壊することなく、比較的高い精度で判断することができる。
一実施形態のアンカーの検査方法は、上記アンカーの試験体は、上記コンクリート部材と実質的に同じ材料で形成されたコンクリート体と、このコンクリート体に形成された有底孔内に充填された接着剤と、上記有底孔内に挿入されて上記接着剤により固定されたアンカー体を有して形成され、
上記接着剤が上記有底孔内の全てに充填された健全試験体と、
上記接着剤が上記有底孔内の一部に充填された不健全試験体とが設定され、
上記健全試験体と上記不健全試験体との両方について上記評価試験を行って得られた参照ヒット数と引き抜き強度との関係を表す図により、上記参照ヒット数と引き抜き強度との関係が特定されている。
上記実施形態によれば、アコースティックエミッションの参照ヒット数と引き抜き強度との関係を特定するために評価試験で用いられるアンカーの試験体は、検査対象のアンカーのコンクリート部材と実質的に同じ材料で形成されたコンクリート体と、このコンクリート体に形成された有底孔内に充填された接着剤と、上記有底孔内に挿入されて上記接着剤により固定されたアンカー体を有して形成される。ここで、接着剤としては、エポキシ樹脂系接着剤やアクリル樹脂系接着剤等の樹脂系接着剤や、無収縮モルタル等のモルタル系接着剤等が該当する。評価試験では、上記接着剤が上記有底孔内の全てに充填された健全試験体と、上記接着剤が上記有底孔内の一部に充填された不健全試験体とが設定される。上記健全試験体と上記不健全試験体との両方について上記評価試験を行って得られた参照ヒット数と引き抜き強度との関係が、図に表される。検査対象のアンカー体に、参照引き抜き力を作用させたときのアコースティックエミッションのヒット数である参照ヒット数を、上記図に照らすことにより、検査対象のアンカー体の引き抜き強度を比較的良好な精度で推定できて、検査対象のアンカーの健全性を良好な精度で判断できる。
一実施形態のアンカーの検査方法は、上記コンクリート部材に設置された後に引き抜き力を実質的に受けていないアンカー体に、上記参照引き抜き力を作用させて参照ヒット数を測定し、この参照ヒット数を、予め特定された参照ヒット数と引き抜き強度との関係に照らして、上記アンカーの健全性を判断する。
上記実施形態によれば、検査対象のアンカーが、コンクリート部材にアンカー体が設置された後に引き抜き力を実質的に受けていない場合、このアンカー体に、参照引き抜き力を作用させる。この参照引き抜き力を作用させた間に測定されたアコースティックエミッションのヒット数である参照ヒット数を、予め特定された参照ヒット数と引き抜き強度との関係に照らして上記アンカーの健全性を判断することにより、良好な精度で健全性を判断できる。
一実施形態のアンカーの検査方法は、上記コンクリート部材に設置された後に引き抜き力を受けているアンカー体に、上記参照引き抜き力に達するまで更なる引き抜き力を作用させ、上記参照引き抜き力と当初の引き抜き力との間の増分を、上記更なる引き抜き力を作用させた間に測定されたアコースティックエミッションのヒット数である増分ヒット数で除して求めた比例定数に基づいて、上記アンカーの健全性を判断する。
上記実施形態によれば、検査対象のアンカーのアンカー体が、コンクリート部材に設置された後に引き抜き力を受けているものである場合、このアンカー体に、上記参照引き抜き力に達するまで更なる引き抜き力を作用させる。ここで、参照引き抜き力は、上記コンクリート部材に設置されたアンカーの設計上の引き抜き強度よりも小さく、かつ、当初の引き抜き力よりも大きい引き抜き力である。上記参照引き抜き力と、当初の引き抜き力との間の増分を求める。この増分を、上記更なる引き抜き力を作用させた間に測定されたアコースティックエミッションのヒット数である増分ヒット数で除して、比例定数を求める。この比例定数に基づいてアンカーの健全性を判断することにより、良好な精度で健全性を判断できる。
一実施形態のアンカーの検査方法は、上記コンクリート部材に設置された後に、現在の引き抜き力よりも大きい引き抜き力を受けた履歴を有するアンカー体に、履歴の最大の引き抜き力よりも大きい値の参照引き抜き力に達するまで更なる引き抜き力を作用させ、上記参照引き抜き力と上記履歴の最大の引き抜き力との間の増分を、上記更なる引き抜き力を作用させた間に測定されたアコースティックエミッションのヒット数である増分ヒット数で除して求めた比例定数に基づいて、上記アンカーの健全性を判断する。
上記実施形態によれば、検査対象のアンカーのアンカー体が、コンクリート部材に設置された後に、現在の引き抜き力よりも大きい引き抜き力を受けた履歴を有するものである場合、このアンカー体に、履歴の最大の引き抜き力よりも大きい値の参照引き抜き力に達するまで、更なる引き抜き力を作用させる。ここで、参照引き抜き力は、上記コンクリート部材に設置されたアンカーの設計上の引き抜き強度よりも小さく、かつ、履歴の引き抜き力のうちの最大の引き抜き力よりも大きい引き抜き力である。上記参照引き抜き力と、上記履歴の最大の引き抜き力との間の増分を求める。この増分を、上記更なる引き抜き力を作用させた間に測定されたアコースティックエミッションのヒット数である増分ヒット数で除して、比例定数を求める。この比例定数に基づいてアンカーの健全性を判断することにより、良好な精度で健全性を判断できる。
一実施形態のアンカーの検査方法は、上記比例定数が、上記アンカー体と実質的に同一のアンカー体を用いて作成したアンカーの試験体に関して次の式により求められる安全比例定数Pfよりも大きい場合に、上記アンカーが健全であると判断する。
Pf=(試験体のアンカー体に作用させた参照引き抜き力)/(安全と判断される最小限の強度を有する試験体のアンカー体に参照引き抜き力を作用させたときの最大の参照ヒット数)
上記実施形態によれば、検査対象であるアンカーに関する比例定数が、このアンカー体と実質的に同一のアンカー体を用いて作成したアンカーの試験体に関して求めた安全比例定数Pfよりも大きい場合に、上記検査対象のアンカーが健全であると判断する。ここで、安全比例定数Pfは、試験体のアンカー体に作用させた参照引き抜き力を、安全と判断される最小限の強度を有する試験体のアンカー体に参照引き抜き力を作用させたときの最大の参照ヒット数で除した値である。このように、検査対象のアンカーの比例定数を、試験体のアンカーから求めた安全比例定数Pfと比較することにより、簡易かつ比較的精度良く、アンカーの健全性を判断することができる。
一実施形態のアンカーの検査方法は、上記比例定数が、上記アンカー体と実質的に同一のアンカー体を用いて作成したアンカーの試験体に関して次の式により求められる危険比例定数Pdよりも小さい場合に、上記アンカーが不健全であると判断する。
Pd=(試験体のアンカー体に作用させた参照引き抜き力)/(危険と判断される最大限の強度を有する試験体のアンカー体に参照引き抜き力を作用させたときの最小の参照ヒット数)
上記実施形態によれば、検査対象であるアンカーに関する比例定数が、このアンカー体と実質的に同一のアンカー体を用いて作成したアンカーの試験体に関して求めた危険比例定数Pdよりも小さい場合に、上記検査対象のアンカーが不健全であると判断する。ここで、危険比例定数Pdは、試験体のアンカー体に作用させた参照引き抜き力を、危険と判断される最大限の強度を有する試験体のアンカー体に参照引き抜き力を作用させたときの最小の参照ヒット数で除した値である。このように、検査対象のアンカーの比例定数を、試験体のアンカーから求めた危険比例定数Pdと比較することにより、簡易かつ比較的精度良く、アンカーの健全性を判断することができる。
本発明の実施形態のアンカーの検査方法を実行する様子を示す模式図である。 アコースティックエミッションの波形の例を示す模式図である。 アンカーの検査方法を示すフロー図である。 第1実施形態のアンカーの検査方法でアンカーの健全性を評価するために用いられる健全性評価図である。 第2実施形態のアンカーの検査方法で用いられる健全性評価図である。 検査対象のアンカーに作用した引き抜き力の履歴を説明する図である。
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態のアンカーの検査方法を実行する様子を示す模式図である。本実施形態の検査方法は、検査対象である既存のアンカーの健全性を、健全なアンカーを破壊することなく非破壊で判断するものである。
第1実施形態の検査方法により健全性を判断するアンカー1は、コンクリート部材2が形成された後に設置されたあと施工アンカーである。このアンカーは、コンクリート部材2に形成された有底孔2a内に挿入されたアンカー体としてのアンカーボルト3と、上記有底孔2a内に充填されて上記アンカーボルト3を固定する接着剤4を含んで構成されている。
上記アンカーボルト3は、雄螺子が設けられた鋼製のボルトで形成され、接着剤4はエポキシ樹脂系接着剤で形成されている。なお、アンカーボルト3は異形鋼棒等の他の材質や形状であってもよく、接着剤4はアクリル樹脂系等の他の接着剤で形成されてもよい。また、接着剤として、無収縮モルタル等のモルタル系接着剤が用いられてもよい。
本実施形態のアンカーの検査方法は、コンクリート部材2に設置されたアンカーボルト3の上端に、予め定められた値の引き抜き力であって、アンカー1の準拠する設計上の引き抜き強度よりも小さい引き抜き力である参照引き抜き力を作用させる。これと共に、アンカー1から発生するアコースティックエミッションを測定し、上記参照引き抜き力を作用させた間に生じたヒット数である参照ヒット数を特定する。この参照ヒット数を、予め特定された参照ヒット数と引き抜き強度との関係に基づいて、上記アンカー1の健全性を判断するものである。
図1に示すように、本実施形態のアンカーの検査方法を行うために、コンクリート部材2の表面に、アンカーボルト3に引き抜き力を作用させるための引張試験機5を設置する。引張試験機5は、コンクリート部材2の表面に立設されるフレーム10と、アンカーボルト3の上端に連結される連結具11と、この連結具11によって下端が連結されるロッド7と、このロッド7を引き抜き方向に駆動し、連結具11を介してアンカーボルト3に引き抜き力を作用させるアクチュエータ12を有する。コンクリート部材2のアンカーボルト3の近傍位置に、アコースティックエミッションを検出するAEセンサー6を配置している。
AEセンサー6は、圧電素子を有して形成され、アンカー1で生成されるアコースティックエミッションを検出する。AEセンサー6はアンカーボルト3の突出部の両側に1個ずつ配置し、2個のAEセンサー6によってアンカー1からのアコースティックエミッションを検出するのが好ましい。これらのAEセンサー6は、信号処理装置15に接続されており、この信号処理装置15は、AEセンサー6の検出信号の雑音処理や包絡線処理を行い、アコースティックエミッションのヒット数を測定する。また、信号処理装置15は、AEセンサー6の測定情報を記憶する記憶装置を有する。
図2は、AEセンサー6で検出されて信号処理装置15で測定されたアコースティックエミッションの波形の例を示す模式図である。図2において、横軸は時間であり、縦軸は振幅値である。図2に示すように、アコースティックエミッションの波形の包絡線Cが、予め設定された閾値を超えて持続する部分を、1つのヒットとしてカウントする。すなわち、アコースティックエミッションの波形の包絡線Cが、閾値を超えてから閾値を下回るまでの時間が、1つのヒットの持続時間である。この持続時間にわたる包絡線Cと時間軸とで囲まれた面積が、アコースティックエミッションを生成した事象のエネルギーを表す。図2に示すアコースティックエミッションの波形が、測定期間中に繰り返して測定されたとき、包絡線Cが閾値を超えてから下回るまでの波形の発生する回数を、ヒット数と定義する。このヒット数は、包絡線Cが閾値を超える回数を計ることにより、測定することができる。
図3は、本発明の第1実施形態のアンカーの検査方法を示すフロー図である。アンカーの検査方法では、まず、アンカーの評価試験を行うために、アンカーの試験体を作成する(ステップS1)。アンカーの試験体は、検査対象のアンカー1のアンカーボルト3と実質的に同じアンカーボルトを、検査対象のアンカー1が設置されたコンクリート部材2と実質的に同じ材料で形成されたコンクリート体に埋設して形成する。アンカーの試験体は、検査対象のアンカー1と同様の構造となるように作製する。例えば図1のアンカー1と同様の試験体を作製するためには、コンクリート体に有底孔を形成し、この有底孔にアンカーボルトを挿入した後に、アンカー1の接着剤4と同様の接着剤を充填する。ここで、アンカーの試験体は、健全なアンカーを再現した健全試験体と、不健全なアンカーを再現した不健全試験体を設定する。健全試験体は、有底孔内に不足無く接着剤を充填することにより作製することができる。一方、不健全試験体は、有底孔内に、接着剤を一部のみ充填することにより作製することができる。不健全試験体が再現する不健全なアンカーとは、施工不良により施工時の接着剤の充填量が不十分なアンカーや、経年劣化により接着剤の接着力が低下したアンカー等である。また、不健全試験体として、接着剤の充填量の異なる複数の試験体を準備してもよい。
このように、健全試験体と不健全試験体を設定した複数のアンカーの試験体について、評価試験を行う。すなわち、AEセンサー6と引張試験機5と信号処理装置15を用いて、アコースティックエミッションを測定しながらアンカーボルトに引き抜き力を作用させて、評価試験を行う(ステップS2)。試験体の評価試験では、検査対象のアンカー1の場合と異なり、アンカーの試験体が破壊するまで、引張試験機5でアンカーボルトに引き抜き力を作用させる。アンカーの試験体には、検査対象のアンカー1の場合と同様に、コンクリート体のアンカーボルトの近傍に2個のAEセンサー6を設置する。引張試験機5は、アンカーボルトに、試験体が破壊するまで増大する引き抜き力を作用させると共に、時系列における引き抜き力の変化を記録する。信号処理装置15は、AEセンサー6で検出され、アンカーの試験体から生じたアコースティックエミッションを記録する。複数の試験体について評価試験を行った後、各試験体について、アンカーが破壊に至ったときの引き抜き力を引き抜き強度として特定する。また、アンカーボルトに引き抜き力を作用させてから、予め定められた値の引き抜き力である参照引き抜き力に達するまでの間に測定されたアコースティックエミッションのヒット数を、参照ヒット数として特定する。ここで、参照引き抜き力の値は、試験体が破壊する前の段階に留まるように、引き抜き強度以下に予め定められた値である。
複数のアンカーの試験体について評価試験を行った後、試験体毎に、引き抜き強度と、参照引き抜き力を作用させたときに発生したヒット数である参照ヒット数との関係を評価図に表す(ステップS3)。図4は、59個のアンカーの試験体の評価試験結果を示すと共に、検査対象のアンカーの健全性を判断するために用いられる評価図である。このアンカーの健全性評価図は、参照ヒット数を示す横軸と、アンカー体の引き抜き強度を示す縦軸とで表される座標によって表される。図4に示すように、アンカーの試験体の評価試験結果を、健全、損傷小、及び、損傷大の3種類に分類して評価図に記載する。試験結果の分類は、引き抜き強度が、検査対象のアンカー1に求められる基準強度を超えている場合は健全とし、基準強度を下回る場合は不健全とした。さらに、基準強度の50%を危険強度とし、不健全に分類される試験結果のうち、危険強度以上基準強度未満の間は損傷小とし、危険強度未満の場合は損傷大とした。このように、本実施形態では、基準強度を40kNとし、危険強度を20kNとし、引き抜き強度が40kN以上の場合は健全、引き抜き強度が20kN以上40kN未満の場合は損傷小、引き抜き強度が20kN未満の場合は損傷大に設定した。なお、アンカーの評価試験結果は、他の基準に基づいて分類してもよい。すなわち、健全、損傷小、及び、損傷大を区別する強度は、検査対象のアンカー1が準拠すべき設計基準や、アンカー1が保有すべき強度等に応じて、種々の値に設定してもよい。
続いて、評価試験結果を表したアンカーの健全性評価図に、試験結果に基づいて、アンカーの健全性評価線及び健全性評価領域を設定する(ステップS4)。アンカーの健全性評価線は、次のようにして作成する。まず、健全性評価図において、基準強度の40kNの引き抜き強度を有する試験結果のうち、参照ヒット数が最も大きい試験結果Fを抽出する。この試験結果Fの参照ヒット数を安全限界ヒット数H1とし、基準強度を安全限界強度T1とする。本実施形態では、安全限界ヒット数H1は4であり、安全限界強度T1は40kNである。続いて、試験結果Fから、参照ヒット数がH1の直線を設定し、健全性評価線としてのヒット数安全ラインLfを形成する。また、アンカー体の引き抜き強度が基準強度以上の領域を、安全領域Afに設定する。安全領域Afは、評価試験結果や検査結果がこの領域に属すれば、そのアンカーは健全と判断できる領域である。図4の健全性評価図に示した試験結果によると、評価試験を行った試験体のうち、ヒット数安全ラインLfよりも左側に存在する全27個のうちの18個が、安全領域Afに属するので、参照ヒット数が安全限界ヒット数H1よりも小さいものは、約70%の確率で健全である。したがって、検査対象のアンカー1の参照ヒット数がヒット数安全ラインLfよりも左側の値であれば、約70%の確率で健全と判断できる。
また、引き抜き強度が、基準強度の50%である危険強度の20kNである試験結果のうち、参照ヒット数が最も小さい試験結果Dを抽出する。この試験結果Dの参照ヒット数を危険限界ヒット数H2とし、このときの引き抜き強度であって、基準強度の50%の危険強度を危険限界強度T2とする。本実施形態では、危険限界ヒット数H2は10であり、危険限界強度T2は20kNである。続いて、試験結果Dから、参照ヒット数がH2の直線を設定し、健全性評価線としてのヒット数危険ラインLdを形成する。また、アンカー体の引き抜き強度が危険強度以下の領域を、危険領域Adに設定する。危険領域Adは、評価試験結果や検査結果がこの領域に属すれば、そのアンカーは損傷大であると判断できる領域である。図4の健全性評価図に示した試験結果によると、評価試験を行った試験体のうち、ヒット数危険ラインLdよりも右側に存在する全20個のうちの20個が、危険領域Adに属するので、参照ヒット数が危険限界ヒット数H2よりも大きいものは、100%の確率で損傷大である。したがって、検査対象のアンカー1の参照ヒット数がヒット数危険ラインLdよりも右側の値であれば、100%の確率で損傷大と判断できる。
さらに、安全領域Afと危険領域Adとに挟まれた領域を、中間領域Amに設定する。中間領域Amは、この領域に評価試験結果や検査結果が属すれば、そのアンカーは損傷小であり、差し迫った危険性は低いが、観察を要すると判断できる領域である。これらのようにして、健全性評価図に健全性評価線を設定し、また、健全性評価領域を設定する。
健全性評価図に健全性評価線と健全性評価領域を設定した後、検査対象のアンカー1について、アコースティックエミッションを計測しながら引き抜き検査を行う(ステップS5)。本実施形態で検査を行うアンカー1は、コンクリート部材2に設置された後に、アンカーボルト3が引き抜き力を実質的に受けていないものである。検査対象のアンカー1の引き抜き検査は、試験体の評価試験において試験体が破壊するまで引き抜き力を作用させたのと異なり、予め定められた値の参照引き抜き力のみを、アンカーボルト3に作用させる。アンカーボルト3に作用させる参照引き抜き力は、このアンカー1に模して作成したアンカーの試験体に関する評価試験を行った際に、健全性評価図を作成するために設定した値と同じ値に設定し、例えば10kNに設定することができる。このような参照引き抜き力を引張試験機5でアンカーボルト3に作用させると共に、アンカーボルト3の近傍に設置したAEセンサー6でアコースティックエミッションを検出する。AEセンサー6の検出情報は、信号処理装置15で処理してヒット数を測定する。上記参照引き抜き力を検査対象のアンカー1に作用させたときに測定されたヒット数は、参照ヒット数である。
検査対象のアンカー1のアンカーボルト3に参照引き抜き力を作用させて参照ヒット数を測定すると、この参照ヒット数を健全性評価図に照らして、検査対象のアンカー1の健全性を判断する(ステップS6)。例えば、検査対象のアンカーボルト3に10kNの参照引き抜き力を作用させたときに測定された参照ヒット数が2個であった場合、この検査結果は、図4のアンカーの健全性評価図では、ヒット数安全ラインLfの左側に位置する。したがって、このアンカー1は、70%の確率で安全領域Afに属する可能性があるため、70%の確率で健全であると判断できる。また、検査対象のアンカーボルト3に10kNの参照引き抜き力を作用させたときに測定された参照ヒット数が15個であった場合、この検査結果は、図4のアンカーの健全性評価図では、ヒット数危険ラインLdの右側に位置する。したがって、このアンカー1は、100%の確率で危険領域Adに属する可能性があるため、100%の確率で損傷大であると判断できる。また、検査対象のアンカーボルト3に10kNの参照引き抜き力を作用させたときに測定された参照ヒット数8個であった場合、この検査結果は、図4のアンカーの健全性評価図ではヒット数安全ラインLfとヒット数危険ラインLdの間に位置する。したがって、このアンカー1は、25%の確率で安全領域Afに、25%の確率で中間領域Amに、また、50%の確率で危険領域Adに属するといえる。
本実施形態のアンカーの検査方法によれば、アンカーボルト3に基準強度よりも小さい参照引き抜き力を作用させることにより、健全なアンカー1は破壊することなく、アンカー1の健全性を判断することができる。
次に、第2実施形態として、アンカーボルト3がコンクリート部材2に設置された後に引き抜き力を受けている、又は、引き抜き力を受けた履歴を有するアンカー1を検査する場合について説明する。第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成部分には、第1実施形態と同じ符号を用いて詳細な説明を省略する。
第2実施形態のアンカーの検査方法は、図3に示したフロー図のステップS1からステップS2までは第1実施形態と同様である。すなわち、検査対象のアンカー1のアンカーボルト3と同様のアンカーボルトを用いて試験体を作成し、評価試験を行う。試験結果のうち、安全限界強度T1の引き抜き強度を示す試験結果から、最も大きい参照ヒット数を、安全限界ヒット数H1として抽出する。また、試験結果のうち、危険限界強度T2の引き抜き強度を示す試験結果から、最も小さい参照ヒット数を、危険限界ヒット数H2として抽出する。第2実施形態のステップS3として、これらの安全限界ヒット数H1の試験結果と、危険限界ヒット数H2の試験結果を、アンカーの健全性評価図に表す。本実施形態では、安全限界ヒット数H1は4であり、危険限界ヒット数H2は10であり、参照引き抜き力Trは10kNである。第2実施形態のアンカーの検査方法で用いられるアンカーの健全性評価図は、図5に示すように、引き抜き力の増分に対応して発生したアコースティックエミッションのヒット数である増分ヒット数を示す横軸と、アンカー体に作用した引き抜き力の増分を示す縦軸とで定義される座標により表される。第2実施形態の健全性評価図において、評価試験で用いた試験体は、試験体の作製から試験までの間に引き抜き力が作用した履歴が無いので、評価試験において作用させた参照引き抜き力Trは、0からの増分として捉える。また、参照引き抜き力Trを作用させた際に測定されたヒット数を、増分ヒット数として捉える。
続いて、第2実施形態のステップS4として、健全性評価図にアンカーの健全性評価線と健全性評価領域を設定する。すなわち、図5の第2実施形態の健全性評価図に、上記安全限界ヒット数H1と参照引き抜き力の増分Trで特定される点F’(H1,Tr)と原点とを通る直線を引いて、健全性評価線としての安全ラインLf’とする。この安全ラインLf’と縦軸に囲まれた領域を、安全領域Af’に設定する。安全領域Af’は、この領域に、検査対象のアンカー1の引き抜き検査の結果から求めた比例定数を示すベクトルが属すれば、このアンカー1は健全であると判断できる領域である。
また、図5の第2実施形態の健全性評価図に、上記危険限界ヒット数H2と参照引き抜き力の増分Trで特定される点D’(H2,Tr)と原点とを通る直線を引いて、健全性評価線としての危険ラインLd’とする。この危険ラインLd’と横軸に囲まれた領域を、危険領域Ad’に設定する。危険領域Ad’は、この領域に、検査対象のアンカー1の引き抜き検査の結果から求めた比例定数を示すベクトルが属すれば、このアンカー1は損傷大であり、脱落等の危険性が高いと判断できる領域である。
さらに、安全ラインLf’と危険ラインLd’とに挟まれる領域を、中間領域Am’に設定する。中間領域Am’は、この領域に、検査対象のアンカー1の引き抜き検査の結果から求めた比例定数を示すベクトルが属すれば、このアンカー1は損傷小であり、差し迫った危険性は低いが、観察を要すると判断できる領域である。このようにして、健全性評価図に健全性評価線を設定し、また、健全性評価領域を設定する。
これらのようにして健全性評価線及び健全性評価領域を有する健全性評価図を作製した後、第2実施形態のステップS5として、検査対象のアンカー1について、アコースティックエミッションを計測しながら、引張試験機5でアンカーボルト3に、試験体の評価試験で採用した参照引き抜き力と同じ引き抜き力となるように、引き抜き力を作用させて引き抜き検査を行う。この場合の参照引き抜き力は、アンカー1の設計上の引き抜き強度よりも小さく、かつ、当初の引き抜き力又は履歴の引き抜き力のうちの最大の引き抜き力よりも大きな値に設定する。ここで、検査対象のアンカー1のアンカーボルト3が、コンクリート部材2に設置された後に、現在よりも大きい引き抜き力を受けた履歴を有する場合、引張試験機5でアンカーボルト3に作用させる参照引き抜き力の値から、履歴の引き抜き力のうちの最大値を差し引いて、引き抜き力の増分を算出する。ここで、現在の引き抜き力は、0である場合と、0でない場合のいずれも該当する。また、検査対象のアンカー1が、機器や部材等に接続されていることにより、現在も当初と同じ大きさの引き抜き力を受けている場合、引張試験機5でアンカーボルト3に追加的に作用させた引き抜き力が、引き抜き力の増分となる。こうして、コンクリート部材2に設置された後に引き抜き力を受けたアンカーボルト3について、引き抜き力が参照引き抜き力になるまで増加させることにより、更なる引き抜き力を作用させる。この更なる引き抜き力を作用させて引き抜き力が増加した間にアンカー1から生成されたアコースティックエミッションのヒット数を、増分ヒット数として測定する。ここで、アンカーボルト3がコンクリート部材2に設置された後に、現在よりも大きな引き抜き力を受けた履歴を有する場合、引張試験機5でアンカーボルト3に引き抜き力を追加的に作用させて生成されるアコースティックエミッションのヒット数は、一般的に、カイザー効果により、履歴の最大の引き抜き力から参照引き抜き力までの増分に対応する増分ヒット数であるといえる。
この後、第2実施形態のステップS6として、検査結果を健全性評価図に照らして、検査対象のアンカー1の健全性を判断する。第2実施形態では、検査対象のアンカー1の検査結果から、引き抜き力の増分と、増分ヒット数との間の比例定数として、引き抜き力の増分を増分ヒット数で除した値を用いる。この値を、図5のアンカーの健全性評価図に照らして、アンカー1の安全性を判断する。上記引き抜き力の増分を増分ヒット数で除した値は、図5のアンカーの健全性評価図の座標に表される直線の勾配角度の正接に相当する。したがって、アンカーの引き抜き力の増分を増分ヒット数で除した値が、安全ラインLf’の勾配角度αの正接よりも大きい場合は、上記アンカーは安全と判断する。健全性評価図では、安全と判断される比例定数をベクトルに表すと、ベクトルE1のように、安全領域Af’に包含される。なお、安全ラインLf’の勾配角度αの正接は、評価試験で試験体のアンカー体に作用させた参照引き抜き力Trを、安全と判断される最小限の強度であって安全限界強度T1の引き抜き強度を示す試験結果のうちの最も大きい参照ヒット数である安全限界ヒット数H1で除した値であり、本発明の安全比例定数Pfに相当する。一方、アンカーの引き抜き力の増分を増分ヒット数で除した値が、危険ラインLd’の勾配角度βの正接未満である場合は、上記アンカーは損傷大と判断する。図5のアンカーの健全性評価図では、損傷大と判断される比例定数をベクトルに表すと、ベクトルE2のように、危険領域Ad’に包含される。なお、危険ラインLd’の勾配角度βの正接は、評価試験で試験体のアンカー体に作用させた参照引き抜き力Trを、危険と判断される最大限の強度であって危険限界強度T2の引き抜き強度を示す試験結果のうちの最も小さい参照ヒット数である安全限界ヒット数H2で除した値であり、本発明の危険比例定数Pdに相当する。
このように、第2実施形態のアンカーの検査方法では、検査対象のアンカー1の測定結果から、引き抜き力の増分をアコースティックエミッションの増分ヒット数で除した値を求め、この値を、アンカーの健全性評価図の安全ラインLf’の勾配角度の正接、及び、危険ラインLd’の勾配角度の正接と比較する。或いは、引き抜き力の増分とアコースティックエミッションの増分ヒット数の比例定数の勾配を有するベクトルを、アンカーの健全性評価図に記載し、このベクトルが、安全領域Af’、危険領域Ad’又は中間領域Am’のいずれに属するかを確認する。これにより、アンカーボルト3がコンクリート部材2に設置された後に引き抜き力を受けている、又は、受けた履歴を有する場合においても、このアンカー1の健全性を、健全なアンカー1は破壊することなく、良好な精度で判断することができる。
上記第2実施形態では、アンカーの検査方法は、アンカーボルト3がコンクリート部材2に設置された後に引き抜き力を受けた履歴を有するアンカー1の検査を行う場合、更なる引き抜き力を作用したときに発生するアコースティックエミッションには、カイザー効果が成立することを想定した。すなわち、図6に示すように、アンカー1に、過去の時刻t0に初期荷重としての初期引き抜き力T0が作用し、その後、時刻t1で引き抜き力が解消したとする。この場合、時刻t1の後の時刻t2で、初期引き抜き力T0よりも大きい参照引き抜き力Trに達する引き抜き力を作用させた場合、検出されるアコースティックエミッションは、初期引き抜き力T0から参照引き抜き力Trまでの増分ΔT2に対応するもののみであり、過去に作用した引き抜き力0から初期引き抜き力T0までの増分ΔT1に対応するアコースティックエミッションは生じない。
しかしながら、カイザー効果は、例えば、初期引き抜き力T0が解消した後の時間が長期にわたる場合や、引き抜き力の作用と解消が複数回繰り返された場合や、履歴の引き抜き力が大きい場合等は、これらの時間の経過や引き抜き力の作用によって新たな劣化が進行すること等により、成立しないことがある。カイザー効果が成立しない場合、図6において、時刻t2で参照引き抜き力Trをアンカー1に作用させたとき、初期引き抜き力T0から参照引き抜き力Trまでの増分ΔT2に対応するアコースティックエミッションに加えて、引き抜き力が0から初期引き抜き力T0までの増分ΔT1に対応するアコースティックエミッションが発生する。この場合、引き抜き力の増分と、増分ヒット数との間の比例定数P1は、次の式により求められる。
P1=(ΔT2)/(H3+H4)
ここで、H3は、引き抜き力が0から初期引き抜き力T0までの増分ΔT1に対応するアコースティックエミッションのヒット数であり、H4は、初期引き抜き力T0から参照引き抜き力Trまでの増分ΔT2に対応するアコースティックエミッションのヒット数である。
このように、カイザー効果が成立しない場合、カイザー効果が成立する場合のヒット数H4に加えて、引き抜き力が0から初期引き抜き力T0までの増分ΔT1に対応するヒット数H3が、比例定数P1を求める式の分母に加わる。したがって、比例定数P1は、図5の健全性評価図の安全ラインLf’の正接の値よりも大きい場合に安全と判断されることから、カイザー効果が成立しない場合は、カイザー効果が成立する場合よりも比例定数P1が小さく評価されるため、結果的に、より安全側に判断されることになる。したがって、第2実施形態のアンカーの検査方法を、カイザー効果が成立しない場合に適用しても、判断結果が安全側になるため、安全性を確保することができる。また、比例定数P1は、健全性評価図の危険ラインLd’の正接の値よりも小さい場合に危険と判断されることから、カイザー効果が成立しない場合は、カイザー効果が成立する場合よりも比例定数P1が小さく評価されるため、結果的に、より安全側に判断されることになる。
上記実施形態において、検査対象のアンカー1に作用させる参照引き抜き力として、アンカー1の設計上の引き抜き強度よりも小さい引き抜き力を作用させたが、上記設計上の引き抜き強度とは、アンカー1が健全と判断される範囲の最大の引き抜き強度であり、例えば、アンカー全体の引張耐力や、アンカーを構成するコンクリートやアンカー体の降伏点、耐力又は引張強さや、これらの値に安全率を乗じた値等に基づいて設定することができる。また、上記設計上の引き抜き強度は、コンクリートからアンカー体全体が抜け出る際のせん断耐力や、アンカー体と接着材との間のせん断耐力等に基づいて設定することができる。また、アンカーの一部をコンクリートに食い込ませて固定するホールインアンカーについて、引張最大荷重等に基づいて設計上の引き抜き強度を設定することができる。
上記実施形態において、アンカー体としてのアンカーボルト3を有するアンカー1について検査を行ったが、アンカーボルト以外に、アンカー筋等の他のアンカー体を有するアンカーについても、本発明は適用可能である。アンカー体は、コンクリート部材に固定されて引き抜き強度を発揮する線状の部材であれば、その形状や、コンクリート部材への固定を実現する形態は、特に限定されない。例えば、アンカー体の形状を変化させてコンクリート部材の有底孔の周面との間に摩擦力を発揮し、摩擦力によってアンカー体をコンクリート部材に固定する金属系アンカーや、コンクリート部材の有底孔に充填される接着剤によってアンカー体をコンクリート部材に固定する接着系アンカーについて、本発明を適用できる。ここで、アンカー体の材質及び形状や、接着剤の材質は、特に限定されない。また、コンクリート部材の作成後にアンカー体が設置されるあと施工アンカーと、コンクリート部材の型枠内にアンカー体が設置され、コンクリートの打設によりコンクリート部材とアンカー体が一体化される先付けアンカーのいずれにも、本発明を適用できる。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、多くの変形が、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
1 アンカー
2 コンクリート部材
3 アンカーボルト
4 接着剤
5 引張試験機
6 AEセンサー
7 ロッド
15 信号処理装置

Claims (8)

  1. コンクリート部材にアンカー体が埋設されて形成されたアンカーの健全性を検査するアンカーの検査方法であって、
    上記コンクリート部材の上記アンカー体の近傍位置に、アコースティックエミッションを検出するAEセンサーを配置する工程と、
    上記アンカー体に、予め定められた値の引き抜き力であって、上記アンカーの設計上の引き抜き強度よりも小さい値の引き抜き力である参照引き抜き力を作用させると共に、上記AEセンサーでアコースティックエミッションを測定する工程と、
    上記アンカー体に上記参照引き抜き力を作用させた間に上記AEセンサーで測定されたアコースティックエミッションのヒット数である参照ヒット数を検出する工程と、
    上記検出された参照ヒット数を、予め特定された参照ヒット数と引き抜き強度との関係に照らして、上記アンカーの健全性を判断する工程と
    を備えることを特徴とするアンカーの検査方法。
  2. 請求項1に記載のアンカーの検査方法において、
    上記参照ヒット数と引き抜き強度との関係が、上記アンカー体と実質的に同一のアンカー体を用いてアンカーの試験体を作成し、この試験体のアンカー体に参照引き抜き力を作用させると共にアコースティックエミッションを測定した後に上記試験体が破壊するまでアンカー体に引き抜き力を作用させる評価試験を行い、上記試験体に参照引き抜き力を作用させた間に測定されたアコースティックエミッションのヒット数である参照ヒット数と、上記試験体が破壊したときの引き抜き力である引き抜き強度とに基づいて特定されていることを特徴とするアンカーの検査方法。
  3. 請求項2に記載のアンカーの検査方法において、
    上記アンカーの試験体は、上記コンクリート部材と実質的に同じ材料で形成されたコンクリート体と、このコンクリート体に形成された有底孔内に充填された接着剤と、上記有底孔内に挿入されて上記接着剤により固定されたアンカー体を有して形成され、
    上記接着剤が上記有底孔内の全てに充填された健全試験体と、
    上記接着剤が上記有底孔内の一部に充填された不健全試験体とが設定され、
    上記健全試験体と上記不健全試験体との両方について上記評価試験を行って得られた参照ヒット数と引き抜き強度との関係を表す図により、上記参照ヒット数と引き抜き強度との関係が特定されていることを特徴とするアンカーの検査方法。
  4. 請求項1に記載のアンカーの検査方法において、
    上記コンクリート部材に設置された後に引き抜き力を実質的に受けていないアンカー体に、上記参照引き抜き力を作用させて参照ヒット数を測定し、この参照ヒット数を、予め特定された参照ヒット数と引き抜き強度との関係に照らして、上記アンカーの健全性を判断することを特徴とするアンカーの検査方法。
  5. 請求項1に記載のアンカーの検査方法において、
    上記コンクリート部材に設置された後に引き抜き力を受けているアンカー体に、上記参照引き抜き力に達するまで更なる引き抜き力を作用させ、上記参照引き抜き力と当初の引き抜き力との間の増分を、上記更なる引き抜き力を作用させた間に測定されたアコースティックエミッションのヒット数である増分ヒット数で除して求めた比例定数に基づいて、上記アンカーの健全性を判断することを特徴とするアンカーの検査方法。
  6. 請求項1に記載のアンカーの検査方法において、
    上記コンクリート部材に設置された後に、現在の引き抜き力よりも大きい引き抜き力を受けた履歴を有するアンカー体に、履歴の最大の引き抜き力よりも大きい値の参照引き抜き力に達するまで更なる引き抜き力を作用させ、上記参照引き抜き力と上記履歴の最大の引き抜き力との間の増分を、上記更なる引き抜き力を作用させた間に測定されたアコースティックエミッションのヒット数である増分ヒット数で除して求めた比例定数に基づいて、上記アンカーの健全性を判断することを特徴とするアンカーの検査方法。
  7. 請求項5又は6に記載のアンカーの検査方法において、
    上記比例定数が、上記アンカー体と実質的に同一のアンカー体を用いて作成したアンカーの試験体に関して次の式により求められる安全比例定数Pfよりも大きい場合に、上記アンカーが健全であると判断することを特徴とするアンカーの検査方法。
    Pf=(試験体のアンカー体に作用させた参照引き抜き力)/(安全と判断される最小限の強度を有する試験体のアンカー体に参照引き抜き力を作用させたときの最大の参照ヒット数)
  8. 請求項5又は6に記載のアンカーの検査方法において、
    上記比例定数が、上記アンカー体と実質的に同一のアンカー体を用いて作成したアンカーの試験体に関して次の式により求められる危険比例定数Pdよりも小さい場合に、上記アンカーが不健全であると判断することを特徴とするアンカーの検査方法。
    Pd=(試験体のアンカー体に作用させた参照引き抜き力)/(危険と判断される最大限の強度を有する試験体のアンカー体に参照引き抜き力を作用させたときの最小の参照ヒット数)
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