JP2021095812A - アンカーパイプ及び法面補強工法 - Google Patents

アンカーパイプ及び法面補強工法 Download PDF

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【課題】降雨時に多く発生する法面崩壊を防止するための法面補強工事に用いて好適なアンカーパイプと、このアンカーパイプを用いて行う法面補強工法を提供する。【解決手段】アンカーパイプ1は、両端が開口したパイプ2と、該パイプ2の先端側領域6に形成される分岐片5と、パイプ2の後端開口部16からパイプ2の先端側領域6内へと圧入されることにより分岐片5を地盤G内で拡開させる詰め込み部材4と、を備える。法面Wに形成された下穴21にパイプ2を先端側から挿入し、パイプ2内へと詰め込み部材4を圧入する。地盤G内で詰め込み部材4が分岐片5を拡開させるので、パイプ2が地盤Gに対して強固に固定される。よって、法面押圧部材をパイプと法面との間に配設することで法面が補強され、パイプ2を通して法面内の地下水を排水させることで補強作用が持続する。【選択図】 図1

Description

本発明は、地盤に対して容易に抜けないように打設可能なアンカーパイプに関するものである。本発明はまた、雨水や地震による地盤の緩みや土圧によって法面が崩れないように法面を補強する法面補強工法に関するものである。
切土や盛土により作られる斜面(法面)は、地震や集中豪雨によって緩んで崩壊し易い。このような法面の崩壊を防止するために、法面の補強工事が有効である。特に、地盤の排水能力を超えるほど豪雨が長時間続くと法面が持たないので、法面の補強工事は、排水促進機能を有する態様であることが好ましい。
本発明は、前記のような事情に鑑みてされたもので、法面の補強工事に用いて好適なアンカーパイプを提供しようとするものである。本発明はまた、前記アンカーパイプを用いて行う法面補強工法を提供しようとするものである。
前記課題を解決するため、本発明に係るアンカーパイプは、両端が開口したパイプと、該パイプの先端側領域に形成される分岐片と、前記パイプの後端開口部から前記パイプの前記先端側領域内へと圧入されることにより前記分岐片を地盤内で拡開させる詰め込み部材と、を備えることを特徴とする(請求項1)。
本発明のアンカーパイプは、例えば、次のように使用される。法面に形成された下穴にパイプを先端側から挿入し又はさらに打ち込む。次いで、パイプの後端開口部からパイプの先端側領域内へと詰め込み部材を圧入する。これにより、地盤内で詰め込み部材が分岐片を拡開させるので、パイプが地盤に対して強固に固定される。
好適な実施の一形態として、前記詰め込み部材は通水性を有することが好ましい(請求項2)。この場合、地盤へのアンカーパイプの打設状態において、地盤に含まれる水が、詰め込み部材を通過してパイプ内に流入できる。このため、パイプの後端側が低くなるように法面に対してパイプを斜めに打設することにより、パイプを通して地盤内の水を排水させることができる。
好適な実施の一形態として、前記パイプは、内外を貫通する多数の集水孔を有することが好ましい(請求項3)。この場合、地盤へのアンカーパイプの打設状態において、地盤に含まれる水が多数の集水孔を通ってパイプ内に流入する。このため、パイプの後端側が低くなるように法面に対してパイプを斜めに打設することにより、パイプを通して地盤内の水を効率よく排水させることができる。
好適な実施の一形態として、前記分岐片の外面に多数の凸部を形成することもできる(請求項4)。この場合、分岐片が地盤内で拡開することにより、多数の凸部が地盤に食い込む。このため、パイプが一層抜けにくくなり、地盤への固定状態が一層強固なものとなる。
好適な実施の一形態として、前記先端側領域に少なくとも二本の溝を並列に形成することにより前記分岐片が形成される態様とすることもできる(請求項5)。
好適な実施の一形態として、前記詰め込み部材が、骨材をひとまとめにした骨材パックである態様とすることもできる(請求項6)。この場合、小分けに形成した骨材パックを複数用いて前記詰め込み部材とするのが好ましい(請求項7)。
好適な実施の一形態として、前記パイプに分離可能な相互接続部が含まれる態様とすることもできる(請求項8)。この場合、相互接続部でパイプを分離させ、相互間に継ぎ足し管を適宜に継ぎ足すことで、施工現場でパイプの長さを調節することができて、好適である。
好適な実施の一形態として、法面押圧部材を前記パイプに係止させるための係止部が前記パイプに配設される態様とすることもできる(請求項9)。この場合、係止部を利用してパイプに法面押圧部材を係止させることにより、地盤へのアンカーパイプの打設状態において、法面押圧部材によって法面を押圧することで法面が補強される。
本発明に係る法面補強工法は、次の各工程を備えることを特徴とする(請求項10)。
・法面に下穴を形成する下穴形成工程。
・請求項1乃至9のいずれかに記載のアンカーパイプのパイプを前記下穴に先端側から入れるパイプ入れ工程。
・前記パイプの前記後端開口部から前記先端側領域内へと前記詰め込み部材を圧入して前記分岐片を地盤内で拡開させる定着工程。
・法面押圧部材を前記パイプと前記法面との間に配設する法面押圧部材配設工程。
パイプ入れ工程は、下穴内にパイプを挿入するだけでも良いし、下穴に挿入したパイプに打撃を与えて打ち込んでも良い。
法面押圧部材配設工程は、定着工程の後に行っても良いし、パイプ入れ工程の際に行っても良い。
本発明に係る法面補強工法によれば、法面押圧部材により、法面が地盤に対してしっかりと押圧される。さらに、パイプが地盤に対して強固に固定されるので、法面押圧部材による法面補強作用の持続性が向上する。
前記法面補強工法の好適な実施の一形態として、前記下穴形成工程において、前記下穴が前記パイプの最終的な埋設深さよりも浅い深さに形成され、前記パイプ入れ工程において、前記パイプが前記下穴の穴底に対して打ち込まれる態様とすることもできる(請求項11)。この場合、パイプが下穴の穴底に対して打ち込まれることにより、穴底の土壌がパイプの先端側領域に入り込み、土壌による分岐片の拡開作用が奏される。
前記法面補強工法の好適な実施の一形態として、前記下穴形成工程において、前記下穴が法面に対して斜め上向きに形成される態様とすることもできる(請求項12)。この場合、パイプも斜め上向きとなるので、パイプを通して地盤中の水を排水させることができる。なお、この工法においては、パイプの内外を貫通する多数の集水孔をパイプに形成しておくことにより、より多くの水を集めて効率的に排水することができる。これにより、雨水によって地盤が緩むことを防止でき、法面の崩壊をより確実に防止できる。
前記法面補強工法の好適な実施の一形態として、掘削残土の排出がなく、且つ、掘削水を用いることもない掘削方法によって前記下穴形成工程が実施される態様とすることもできる(請求項13)。この場合、作業現場の周辺を土砂や泥水で汚すことがない。
本発明の実施の一形態に係るアンカーパイプの全体構成を示す説明図であり、(a)はパイプの側面図、(b)は(a)のパイプのA−A矢視断面図、(c)は、(a)のパイプの集水孔の平面図及び断面図、(d)は、(a)のパイプに支圧プレート止めを係合させた状態の説明図である。 本発明の実施の一形態に係る法面補強工法の実施手順を示す説明図である。 図2(b)〜(f)に示す支圧プレートの説明図であり、(a)は正面図、(b)は(a)の右側面図である。 図2(e),(f)に示す楔(くさび)の説明図であり、(a)は正面図、(b)は(a)の右側面図である。 図2(f)に示す支圧プレートと楔との関係を示す説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、本発明の実施の一形態に係るアンカーパイプ1は、パイプ(先割れパイプ)2と、このパイプ2の一端に結合可能な蓋体3と、パイプ2内に圧入される詰め込み部材4と、を備える。
パイプ2は、両端が開口した中空の筒体である。パイプ2は、土中に設置するものであるため、耐食性の良好な材料で作製するのが好ましい。例えば、鋼管やステンレス管等を用いて作製することができるが、鋼管を用いる場合には防錆用のめっきを施すのが好ましい。
パイプ2には、地盤に没入する先端側領域6に分岐片5が形成される。図1の例では、先端側領域6に少なくとも二本の溝7が形成され、隣接する溝7,7同士の間に分岐片5が形成される。各溝7は、先端側領域6の長さ方向に沿って延び、互いに並列に形成される。図1の例では、四本の溝7が等角度間隔で形成され、分岐片5が四つ形成されているが、溝7の本数は二本以上であればよい。溝7の長さは、例えば、パイプ2の全長の1/3程度とする。各溝7の基部には、基部の割れを防止するために、円形切欠8が形成される。詳しくは後述するが、パイプ2を地盤の下穴に挿入した後に、詰め込み部材4をパイプ2内に圧入することにより、各分岐片5が外方へと押し開かれる。これにより、パイプ2が地盤に対して抜脱不能に固定される。
図1に示すように、分岐片5の外面には、多数の凸部9を形成することが好ましい。このようにすれば、分岐片5が地盤内で拡開することにより、多数の凸部9が地盤に食い込む。このため、パイプ2が一層抜けにくくなり、地盤への固定状態が一層強固なものとなる。多数の凸部9の形成方法に限定はないが、一例として、エキスパンドメタルと呼ばれるメッシュ状の金属板を分岐片5の外面に固着する方法が考えられる。この方法によれば、分岐片5の外面に多数の凸部9を容易に形成できる。
パイプ2の少なくとも一部には、パイプ2の内外を貫通する多数の集水孔10を形成することが好ましい。このようにすれば、地盤へのパイプ2の打設状態において、地盤に含まれる水が多数の集水孔10を通ってパイプ2内に流入する。このため、パイプ2の後端側が低くなるように法面に対してパイプ2を斜めに打設することにより(図2(c)参照)、パイプ2を通して地盤内の水を排水させることができる。なお、パイプ2内から水を逃がさないように、集水孔10は、地盤へのパイプ2の挿入状態において、パイプ2の外周の上半分の領域にのみ形成すると好適である。
図1の例では、パイプ2において先端側領域6以外の部分に多数の貫通孔10が形成されている。貫通孔10の形状は任意であるが、パイプ2内へ泥土が侵入し難い形状が好ましい。図示例では、図1(c)に示すように、菱形状の切り起こし片11をパイプ2に打ち抜き状に形成し、切り起こし片11の一部を屈折させて集水孔10を形成してある。集水孔10はシンプルな丸孔や角孔であっても良いが、その場合には、泥土の侵入を阻止する適宜のフィルタをパイプ2の内部又は外部に配設すると好適である。
図1に示すように、パイプ2において、先端側領域6以外の部分に、分離可能な相互接続部12を設けておくと、施工現場でパイプ2の全長を適宜に調節できて好適である。この相互接続部12を分離させ、相互間に図示しない継ぎ足し管を継ぎ足すことで、パイプ2の長さを調節できる。図示例では、相互接続部12をねじ結合式のものとしてあるが、圧入式等、適宜の形式の相互接続部を採用することができる。継ぎ足し管の両端部には、パイプの相互接続部12に対応する形式の接続部を配設しておくことは勿論である。
パイプ2の後端側の適宜の位置には係止部13が配設される。この係止部13は、法面押圧部材14をパイプ2に係止させるためのものである。図示例では、法面押圧部材として支圧プレート14(図2(b)〜(f)及び図3参照)が採用され、前記係止部として、支圧プレート14を止めるための棒材15(図1(d)参照)を挿通可能な棒材挿通孔13が採用されている。
棒材挿通孔13に棒材15を挿通すると、棒材15は、図1(d)に示すように、パイプ2と直交状態となる。これにより、棒材15は、パイプ2に装着された支圧プレート14が棒材15よりもパイプ2の後端側へと移動するのを阻止する。よって、パイプ2を法面の地盤に打設することにより、支圧プレート14が法面を押圧することになる(図2(e),(f)参照)。支圧プレート14を止めるための係止部は、棒材15及び棒材挿通孔13に代えて、パイプ2の径方向外方への突出部(図示せず)をパイプ2に一体に形成したものであってもよい。なお、支圧プレート14の詳細な構成は後述する。
図1において、蓋体3は、パイプ2の一端(後端)に結合されることで、パイプ2の後端開口部16を閉じる。図1の蓋体3は、パイプ2の後端にねじ結合されるキャップであるが、これに代えて、パイプ2の後端開口部16に挿入される栓状のものを蓋体として採用することもできる。図2(f)に示すように、蓋体3は、パイプ2を通して地盤内の水を排水させる際に、排水が法面上に垂れ流しになることを防止する。
パイプ2の後端部側(図1の例では、蓋体3と棒材挿通孔13との間の位置)には、上下に貫通する水入口17と水出口18とが形成される。図2(f)を参照して後述するように、上側の水入口17には、上方から集水パイプ19が接続され、下側の水出口18には、下方から集水パイプ32が接続される。これらの集水パイプ32によって、多数のパイプ2内の水を集めて排水させることができる。
詰め込み部材4は、パイプ2内に圧入されることで、分岐片5を拡開可能なものである。したがって、詰め込み部材4は、押圧力を受けることにより押圧方向に対して広がる方向に変形可能なものである。詰め込み部材4としては、例えば、変形可能な容器31内に多数の骨材30を収容した、通水性を有する骨材パックを用いると好適である。この場合、小分けに形成した骨材パック4を複数用いて詰め込み部材とするのが好ましい。骨材30は、細骨材でも粗骨材でもよいが、産業廃棄物としてのコンクリート片を砕いた再生骨材を使用すると、コスト上有利である。
詰め込み部材4は、パイプ2内に詰め込まれた状態において、通水性を有することが好ましい。この場合、地盤へのアンカーパイプ1の打設状態において、地盤に含まれる水が、詰め込み部材4を通過してパイプ2内に流入できる。このため、パイプ2の後端側が低くなるように法面に対してパイプ2を斜めに打設することにより、パイプ2を通して地盤内の水を排水させることができる。前述した骨材パックは、通水性も備えている点で、詰め込み部材4の一例として好適である。
次に、図2を参照して、本発明の実施の一形態に係る法面補強工法の実施手順を説明する。図2に示す法面補強工法は、本発明の実施の一形態に係るアンカーパイプを用いて行われる。
図2(a)には、法面Wの地盤Gへの下穴形成工程が示されている。この工程は、パイプ2を挿入するための下穴21を法面Wの地盤Gに形成する工程である。下穴形成は、掘削残土の排出がなく、且つ、掘削水を用いることもない掘削方法によって行うのが好ましい。このようにすれば、作業現場の周辺を土砂や泥水で汚すことがないからである。前記掘削方法の一例として、インパクトモールやグルンドマートと呼ばれる鋼鉄製の円筒型ドリル20を有する圧密型掘削機22を用いて、下穴形成工程を行うとよい。円筒型ドリル20は、内部に往復動可能なハンマ(図示せず)を有し、高圧用ホース23を介して供給される圧縮空気によってハンマが往復動させられる。ハンマの往復動により、円筒型ドリル20の先端部20aに打撃力(衝撃力)が発生する。この打撃力により、地盤Gに下穴21を形成することができる。
具体的には、円筒型ドリル20の先端部20aを法面Wに押圧しながら圧縮空気を供給することでハンマを往復動させる。これによって発生する打撃力によって、円筒型ドリル20の先端部20aが地盤G内へと進入し、土壌を押し退けて地盤Gに下穴21を形成する。円筒型ドリル20による地盤掘削は、地盤Gに対する圧密掘削である。このため、下穴21の内周面を形成する土壌が締め固められる。しかも、掘削残土の排出もなく、掘削水を用いることもない。このため、作業現場の周辺を土砂や泥水で汚すこともない。なお、下穴形成工程は、一般的な打ち込み機械を用いて行うこともでき、低コストで迅速に下穴を形成できる方法で行うのが好ましい。
なお、図2(a)の下穴形成工程では、下穴21を水平線に対して斜め上向き(限定はされないが、例えば上向き5度)に形成するのが好ましい。このようにすれば、後で下穴21に挿入されるパイプ2も斜め上向きとなるので、中空のパイプ2を通して地盤G中の水を排水させることができる。図1を参照して既に説明したように、パイプ2に多数の集水孔10を形成しておくことにより、より多くの水を集めて排水することができる。これにより、雨水によって地盤Gが緩むことを未然に回避でき、法面Wの崩壊をより確実に防止できる。
円筒型ドリル20によって形成される下穴21が所定深さに達したら、円筒型ドリル20を下穴21から抜き取る。ここでの下穴21は、パイプ2の最終的な埋設深さよりも浅い深さに形成するのが好ましい。後でパイプ2を下穴21の穴底に対して打ち込むことで、最終的な埋設深さにするからである。
次に、図2(b)に示すパイプ入れ工程を実施する。この工程は、下穴21から円筒型ドリル20を抜き取った後に、下穴21内にパイプ2を先端側から挿入する工程であり、図2(c)に示すように、必要に応じてパイプ2を下穴21の穴底21aに打ち込む工程(パイプ打ち込み工程)を含む。
まず、図1に示したパイプ2の後端側からパイプ2に支圧プレート14を装着し、棒材挿通孔13に棒材15を挿通する。棒材15は、パイプ2に装着された支圧プレート14が棒材15よりもパイプ2の後端側へと移動するのを阻止する。この状態のパイプ2には、蓋体3は未装着である。この状態のパイプ2を先端側から法面Wの下穴21内へと挿入する。そして、必要に応じて、図2(c)に示すように、パイプ2を下穴21の穴底21aに対して打ち込む。
支圧プレート14は、図3に示すように、パイプ挿通孔24を有する板体である。パイプ挿通孔24は、上下方向に長い長孔とされる。これは、パイプ2に対して所定の角度範囲内で自在に傾斜させることができるようにするためである。支圧プレート14には、棒材15側となる面のパイプ挿通孔24の両側に、水平方向に延びる平行な上下二本の位置決め凸条25,25が固着されている。上下二本の位置決め凸条25,25は、棒材15の周面に当接し、棒材15に対する支圧レート14の傾動自在な位置決めを行う。
図2(c)に示すように、下穴21内へのパイプ2の打ち込みは、図2(a)の下穴形成工程と同じく、圧密型掘削機22を用いて行うと好適である。すなわち、円筒型ドリル20の先端部20aをパイプ2の後端部に押し当てて、パイプ2に対して打撃力を付与する。これにより、パイプ2が下穴21の穴底21a(図2(b)参照)に打ち込まれる。このとき、穴底2aの土壌Sがパイプ2の先端側領域に入り込み、この土壌Sがパイプ2の分岐片5を地盤G内で幾分か拡開させる。
パイプ2の打ち込みは、支圧プレート14が法面Wに接触した段階で終了する。支圧プレート14は棒材15に当接するので、パイプ2の後端側へと移動することはない。
次に、図2(d)に示す定着工程を実施する。定着工程は、パイプ2の後端開口部16から先端側領域6内へと詰め込み部材4を圧入し、分岐片5を地盤G内で強制的に拡開させる工程である。この工程を行うことで、パイプ2が地盤Gに対してしっかりと固定され、抜脱不能となる。定着工程も、図2(a)の下穴形成工程や図2(c)の杭打ち込み工程と同じく、圧密型掘削機22を用いて行うと好適である。
具体的には、詰め込み部材4をパイプ2の後端開口部16から先端側領域6内へと挿入し、適宜の打撃力伝達棒26を介して、円筒型ドリル20によって詰め込み部材4に打撃力を付与する。これにより、詰め込み部材4がパイプ2の先端側領域6へと押圧され、詰め込み部材4の圧入変形により分岐片5が地盤G内で外方へと押し広げられる。小分けにした詰め込み部材4を次々とパイプ2内へと圧入することで、分岐片5の拡開の度合いが徐々に大きくなり、地盤Gに対するパイプ2の定着度合いが高まる。これにより、パイプ2が地盤Gに対して抜脱不能にしっかりと固定される。詰め込み部材4の圧入が完了したら、パイプ2から打撃力伝達棒26を抜き取り、パイプ2に蓋体3を装着してパイプ2の後端開口部16を閉じる。
次に、図2(e)に示す法面押圧部材配設工程を実施する。この工程は、法面押圧部材27をパイプ2と法面Wとの間に配設する工程である。法面押圧部材配設工程では、法面押圧部材としての楔27を支圧プレート14と法面Wとの間に打ち込む。この工程を実施することで、楔27が法面Wを押圧し、法面Wの補強が一層確実となる。
楔27は、図4に示すように、下から上に向かって徐々に厚みが増した形状であり、下端27aから上向きに形成されるパイプ受入溝28を備える。パイプ受入溝28の上面28aは、パイプ2の傾斜に対応できるように傾斜している。
楔27は、パイプ受入溝28内にパイプ2の外径が収まるように、パイプ2に対して上から装着される。そして、楔27は、図2(e)に示すように、作業者がハンマ29で上から打撃することで支圧プレート14と法面Wとの間に食い込み、法面Wを押圧する。楔27による法面押圧状態は、地盤Gから抜脱不能なパイプ2を介して堅固に保持される。
図5に示すように、楔27の設置状態において、支圧プレート14と楔27は、法面Wの傾斜に応じて傾斜可能である。このため、角度が異なる様々な態様の法面Wに対応可能である。
図2(c)のパイプ打ち込み工程や、図2(d)の定着工程で、支圧プレート14が法面Wをしっかりと押圧した状態が得られる場合には、図2(e)の法面押圧部材配設工程を省略することも可能である。したがってこの場合、パイプ2に支圧プレート14を装着してパイプ2を下穴21内に挿入する図2(b)の工程が法面押圧部材配設工程ということになる。この場合にも、支圧プレート14が法面Wの傾斜に応じて傾斜可能であるので、角度が異なる様々な態様の擁壁Wに対応可能である。
最後に、図2(f)に示すように、蓋体3付きのパイプ2に集水ホース32を接続する。すなわち、法面Wに対して上下多段的に打設される複数本のパイプ2を、上下方向に延びる集水ホース32で連結する。パイプ2の上側の水入口17には、上方から集水ホース32が接続され、下側の水出口18には、下方から集水ホース32が接続される。上下多段的に配設されるパイプ2を集水ホース32で上下に連結することによって、多数のパイプ2内の水を集めて排水させることができる。集水ホース32を通じて排水するので、作業現場が水で濡れることがない。
本実施の形態の法面補強工法によれば、切土や盛土の法面Wに先行掘削した下穴21内にパイプ2を挿入し、さらには必要に応じてパイプ2を打ち込み、そのパイプ2の中に詰め込み部材4を圧入し、さらに必要に応じて支圧プレート14と法面Wとの間に楔27を打ち込むという単純かつ容易な一連の作業で、法面Wを堅固に押圧し補強することができる。
2 パイプ
4 詰め込み部材(骨材パック)
5 分岐片
6 パイプの先端側領域
7 溝
9 凸部
10 貫通孔
12 分離可能な接続部
13 係止部(棒材挿通孔)
14 法面押圧部材(支圧プレート)
16 パイプの後端開口部
20 円筒型ドリル
21 下穴
22 圧密型掘削機
27 法面押圧部材(楔)
30 骨材
G 地盤
W 法面

Claims (13)

  1. 両端が開口したパイプと、該パイプの先端側領域に形成される分岐片と、前記パイプの後端開口部から前記パイプの前記先端側領域内へと圧入されることにより前記分岐片を地盤内で拡開させる詰め込み部材と、を備える、アンカーパイプ。
  2. 前記詰め込み部材が通水性を有する、請求項1に記載のアンカーパイプ。
  3. 前記パイプが、内外を貫通する多数の集水孔を有する、請求項1又は2に記載のアンカーパイプ。
  4. 前記分岐片の外面に多数の凸部が形成される、請求項1,2又は3に記載のアンカーパイプ。
  5. 前記先端側領域に少なくとも二本の溝を並列に形成することにより前記分岐片が形成される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアンカーパイプ。
  6. 前記詰め込み部材が、骨材をひとまとめにした骨材パックである、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のアンカーパイプ。
  7. 小分けに形成した骨材パックを複数用いて前記詰め込み部材とする、請求項6に記載のアンカーパイプ。
  8. 前記パイプに分離可能な接続部が含まれる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のアンカーパイプ。
  9. 法面押圧部材を前記パイプに係止させるための係止部が前記パイプに配設される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のアンカーパイプ。
  10. 次の各工程を備える法面補強工法。
    ・法面に下穴を形成する下穴形成工程。
    ・請求項1乃至9のいずれかに記載のアンカーパイプのパイプを前記下穴に先端側から入れるパイプ入れ工程。
    ・前記パイプの前記後端開口部から前記先端側領域内へと前記詰め込み部材を圧入して前記分岐片を地盤内で拡開させる定着工程。
    ・法面押圧部材を前記パイプと前記法面との間に配設する法面押圧部材配設工程。
  11. 前記下穴形成工程において、前記下穴が前記パイプの最終的な埋設深さよりも浅い深さに形成され、前記パイプ入れ工程において、前記パイプが前記下穴の穴底に対して打ち込まれる、請求項10に記載の法面補強工法。
  12. 前記下穴形成工程において、前記下穴が法面に対して斜め上向きに形成される、請求項10又は11に記載の法面補強工法。
  13. 掘削残土の排出がなく、且つ、掘削水を用いることもない掘削方法によって前記下穴形成工程が実施される、請求項10,11又は12に記載の法面補強工法。
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CN115354655A (zh) * 2022-01-20 2022-11-18 河南省地质矿产勘查开发局第四地质矿产调查院 一种用于防止滑坡地质灾害的锚固装置
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