JP2021095478A - ポリウレタン及び硬化性組成物 - Google Patents

ポリウレタン及び硬化性組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2021095478A
JP2021095478A JP2019226623A JP2019226623A JP2021095478A JP 2021095478 A JP2021095478 A JP 2021095478A JP 2019226623 A JP2019226623 A JP 2019226623A JP 2019226623 A JP2019226623 A JP 2019226623A JP 2021095478 A JP2021095478 A JP 2021095478A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
curable composition
polyurethane
less
mass
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2019226623A
Other languages
English (en)
Inventor
茜 張
Qian Zhang
茜 張
圭孝 石橋
Yoshitaka Ishibashi
圭孝 石橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2019226623A priority Critical patent/JP2021095478A/ja
Publication of JP2021095478A publication Critical patent/JP2021095478A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】高い硬化速度と優れた保存安定性を硬化性組成物に付与することができ、低い付着性をオーバーコート膜に付与することができ、且つ、高い電気絶縁信頼性をフレキシブル配線板に付与することができるポリウレタンの提供。【解決手段】(1)骨格に3級アミンを有する構造単位(2)骨格にカルボキシル基を有する構造単位、(3)骨格に下記式で表される構造単位を有するポリウレタン樹脂を使用する。(p及びqは独立して1以上8以下の整数)【選択図】なし

Description

本発明は、ポリウレタン、硬化性組成物、硬化物、オーバーコート膜、並びにフレキシブル配線板及びその製造方法に関する。
フレキシブル配線板には、表面保護のためにオーバーコート膜が被覆される。このオーバーコート膜は、配線が形成されたシート状のフレキシブル基板の表面にインク状の硬化性組成物を印刷法等によって膜状に塗工した後に、加熱硬化させることによって形成される(1次硬化工程)。そして、1次硬化工程後のシート状のフレキシブル基板を巻き取ってロール状にした後に、チップマウント工程へと移行する。
フレキシブル基板の巻き取り時には、オーバーコート膜の一部がフレキシブル基板の塗工面の裏面に付着する場合がある。オーバーコート膜の付着が生じた場合には、フレキシブル配線板の変形が起こり、製品形状が劣化するおそれがあるとともに、フレキシブル配線板の裏面に対して未硬化の硬化性組成物の転写や付着が起こったり、未硬化の硬化性組成物の付着による周辺装置の汚染が起こったりするおそれがある。したがって、1次硬化工程後のオーバーコート膜には、低い付着性(いわゆる低タック性)が求められる。
オーバーコート膜の付着性については、硬化性組成物の硬化速度を高めることによって硬化反応を促進し、それにより低分子量成分の含有率を低減することによって、付着性を低下させることができる。硬化性組成物の硬化速度を高める方法としては、例えば、硬化時に使用される硬化促進剤の種類の選択、硬化促進剤の使用量の増加、反応性の高い硬化剤の使用などが考えられる。例えば、硬化性組成物の主剤成分としてカルボキシ基含有化合物を使用する場合には、通常、硬化剤としては、硬化反応の速度が高く調達汎用性の高いエポキシ化合物が選択される。特に、低温での硬化が必要なフレキシブル配線板製造時の硬化性組成物においては、エポキシ化合物の中でも反応性の高いグリシジルアミン型のエポキシ化合物が選択される場合が多い(例えば特許文献1を参照)。
国際公開第2017/110591号
グリシジルアミン型のエポキシ化合物は、アミン化合物にエピクロロヒドリンを作用させ、グリシジル化して合成される。エピクロロヒドリンは、分子中に塩素原子を有するため、得られたグリシジルアミン型のエポキシ化合物には、数百ppm〜数パーセントの濃度の塩素化合物が副生物として混入する。そのため、硬化性組成物の硬化剤としてグリシジルアミン型のエポキシ化合物を選択した場合は、不純物の塩素化合物の存在によって電気絶縁信頼性に影響が出る場合があった。特に、微細配線化が求められるフレキシブル配線板においては、長期絶縁信頼性等の電気絶縁信頼性は重要な特性である。
また、反応性の高いエポキシ化合物を硬化剤として用いた場合には、硬化性組成物の保存安定性が課題となる。保存時等に硬化性組成物の硬化反応が進行すると、ゲル化や粘度変化が起こり、印刷の作業性が低下するおそれがある。
このように、フレキシブル配線板のオーバーコート膜には、低い付着性と高い電気絶縁信頼性が求められるが、上記のように、これら両性能は両立させにくいものであった。また、オーバーコート膜を形成するための硬化性組成物には、付着性低減のための高い硬化速度と、優れた保存安定性が求められるが、上記のように、これら両性能は両立させにくいものであった。そのため、オーバーコート膜及び硬化性組成物には、これらの性能のさらなる向上が望まれていた。
本発明は、高い硬化速度と優れた保存安定性を併せ持つ硬化性組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、高い電気絶縁信頼性をフレキシブル配線板に付与することができ且つ低い付着性を有する硬化物及びオーバーコート膜を提供することを併せて課題とする。
さらに、本発明は、高い硬化速度と優れた保存安定性を硬化性組成物に付与することができ、低い付着性を硬化物又はオーバーコート膜に付与することができ、且つ、高い電気絶縁信頼性をフレキシブル配線板に付与することができるポリウレタンを提供することを併せて課題とする。
さらに、本発明は、低い付着性を有するオーバーコート膜で被覆され且つ高い電気絶縁信頼性を有するフレキシブル配線板及びその製造方法を提供することを併せて課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するポリウレタンは、高い硬化速度と優れた保存安定性を硬化性組成物に付与することができ、それにより、低い付着性を硬化物やオーバーコート膜に付与することができ、且つ、高い電気絶縁信頼性をフレキシブル配線板に付与することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一態様は、以下の[1]〜[18]の通りである。
[1] 下記式(1)で表される第1のウレタン構造単位、下記式(2)で表される第2のウレタン構造単位、及び下記式(3)で表される第3のウレタン構造単位を有し、
下記式(1)中のx個のR1は、それぞれ独立して炭素数6以上14以下の2価の有機基を示し、x個のR2は、それぞれ独立して炭素数1以上14以下の有機基を示し、x個のR3は、それぞれ独立して炭素数1以上14以下の2価の有機基を示し、x個のR4は、それぞれ独立して炭素数1以上14以下の2価の有機基を示し、xは1以上の整数であり、
下記式(2)中のy個のR5は、それぞれ独立して炭素数6以上14以下の2価の有機基を示し、y個のR6は、それぞれ独立して炭素数1以上14以下の3価の有機基を示し、yは1以上の整数であり、
下記式(3)中のz個のR7は、それぞれ独立して炭素数6以上14以下の2価の有機基を示し、z個のR8は、それぞれ独立して炭素数1以上300以下の2価の有機基を示し、zは1以上の整数であり、
前記第3のウレタン構造単位は、前記第1のウレタン構造単位及び前記第2のウレタン構造単位とは異なる化学構造を有するポリウレタン。
Figure 2021095478
Figure 2021095478
Figure 2021095478
[2] 前記式(3)中のz個のR8のうち少なくとも1個が、下記式(4)で表される化学構造を有し、下記式(4)中のp及びqは、それぞれ独立して1以上8以下の整数である[1]に記載のポリウレタン。
Figure 2021095478
[3] 前記式(1)中のxの前記式(2)中のyに対する比x/yが、0.1以上1.0以下である[1]又は[2]に記載のポリウレタン。
[4] 数平均分子量が3000以上30000以下である[1]〜[3]のいずれか一項に記載のポリウレタン。
[5] 酸価が10mgKOH/g以上70mgKOH/g以下である[1]〜[4]のいずれか一項に記載のポリウレタン。
[6] 芳香環濃度が0.1mmol/g以上5.0mmol/g以下である[1]〜[5]のいずれか一項に記載のポリウレタン。
[7] [1]〜[6]のいずれか一項に記載のポリウレタン(a)と、溶剤(b)と、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(c)と、を含有する硬化性組成物。
[8] 塩素原子の含有量が0.01質量ppm以上800質量ppm以下である[7]に記載の硬化性組成物。
[9] 前記エポキシ化合物(c)は分子中にアミン構造を有しない[7]又は[8]に記載の硬化性組成物。
[10] 前記分子中にアミン構造を有しないエポキシ化合物(c)が含有する塩素原子の含有量が0.1質量ppm以上3000質量ppm以下である[9]に記載の硬化性組成物。
[11] 前記硬化性組成物の総量に対する前記溶剤(b)の含有量の割合が25質量%以上75質量%以下であり、前記ポリウレタン(a)と前記エポキシ化合物(c)との総量に対する前記ポリウレタン(a)の含有量の割合が60質量%以上99.9質量%以下である[7]〜[10]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[12] 無機微粒子及び有機微粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種の微粒子(d)をさらに含有する[7]〜[11]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[13] 前記硬化性組成物の総量に対する前記微粒子(d)の含有量の割合が0.1質量%以上60質量%以下である[12]に記載の硬化性組成物。
[14] [7]〜[13]のいずれか一項に記載の硬化性組成物の硬化物。
[15] [14]に記載の硬化物を含有するオーバーコート膜。
[16] 配線が形成されたフレキシブル基板の表面のうち前記配線が形成されている部分が、[15]に記載のオーバーコート膜によって被覆されたフレキシブル配線板。
[17] 前記配線が錫メッキ銅配線である[16]に記載のフレキシブル配線板。
[18] [7]〜[13]のいずれか一項に記載の硬化性組成物を、配線が形成されたフレキシブル基板の表面のうち前記配線が形成されている部分に膜状に配した後に、前記膜状の硬化性組成物を硬化させてオーバーコート膜とするフレキシブル配線板の製造方法。
本発明に係るポリウレタンは、高い硬化速度と優れた保存安定性を硬化性組成物に付与することができ、低い付着性を硬化物又はオーバーコート膜に付与することができ、且つ、高い電気絶縁信頼性をフレキシブル配線板に付与することができる。
本発明に係る硬化性組成物は、高い硬化速度と優れた保存安定性を併せ持つ。
本発明に係る硬化物及びオーバーコート膜は、高い電気絶縁信頼性をフレキシブル配線板に付与することができ且つ低い付着性を有する。
本発明に係るフレキシブル配線板は、低い付着性を有するオーバーコート膜で被覆され且つ高い電気絶縁信頼性を有する。
本発明に係るフレキシブル配線板の製造方法は、低い付着性を有するオーバーコート膜で被覆され且つ高い電気絶縁信頼性を有するフレキシブル配線板を製造することができる。
本発明の一実施形態について以下に説明する。なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。また、本実施形態には種々の変更又は改良を加えることが可能であり、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。
I.ポリウレタン
本実施形態のポリウレタンは、上記式(1)で表される第1のウレタン構造単位、上記式(2)で表される第2のウレタン構造単位、及び上記式(3)で表される第3のウレタン構造単位を有する。なお、本発明の効果を妨げない範囲内であれば、他の構造単位をさらに有してもよい。
上記式(1)中のx個のR1は、それぞれ独立して炭素数6以上14以下の2価の有機基を示し、x個のR2は、それぞれ独立して炭素数1以上14以下の有機基を示し、x個のR3は、それぞれ独立して炭素数1以上14以下の2価の有機基(例えばアルキレン基)を示し、x個のR4は、それぞれ独立して炭素数1以上14以下の2価の有機基(例えばアルキレン基)を示し、xは1以上の整数である。
上記式(2)中のy個のR5は、それぞれ独立して炭素数6以上14以下の2価の有機基を示し、y個のR6は、それぞれ独立して炭素数1以上14以下の3価の有機基を示し、yは1以上の整数である。
上記式(3)中のz個のR7は、それぞれ独立して炭素数6以上14以下の2価の有機基を示し、z個のR8は、それぞれ独立して炭素数1以上300以下の2価の有機基を示し、zは1以上の整数である。
ただし、第3のウレタン構造単位は、第1のウレタン構造単位及び第2のウレタン構造単位とは異なる化学構造を有する。
本実施形態のポリウレタンは、第1のウレタン構造単位、第2のウレタン構造単位、及び第3のウレタン構造単位を有するので、本実施形態のポリウレタンを含有する硬化性組成物を用いてオーバーコート膜を製造すれば、優れた可撓性を有するオーバーコート膜を得ることができる。
また、本実施形態のポリウレタンは、上記式(1)で表される第1のウレタン構造単位を有しているため、詳述するとアミン由来の構造を有しているため、第2のウレタン構造単位が有するカルボキシ基と硬化剤であるエポキシ化合物のエポキシ基との反応が促進される。よって、本実施形態のポリウレタンを含有する硬化性組成物は、高い硬化速度を有している。
そのため、本実施形態のポリウレタンを含有する硬化性組成物を硬化させて形成される硬化物及びオーバーコート膜は、低分子量成分の含有率が低い。よって、このオーバーコート膜を用いてフレキシブル配線板を製造すれば、フレキシブル配線板の裏面に対して未硬化の硬化性組成物の転写や付着が起こりにくい(以下、「低付着性」と記すこともある)ので、フレキシブル配線板の変形が起こりにくく、優れた製品形状のフレキシブル配線板を製造することが容易となる。
また、このオーバーコート膜を用いてフレキシブル配線板を製造すれば、未硬化の硬化性組成物(油状物など)の付着によるフレキシブル配線板の製造設備(例えば、硬化性組成物の印刷装置、1次硬化工程後のフレキシブル基板の巻き取り装置など)の汚染が起こりにくい(以下、「低汚染性」と記すこともある)。
さらに、第1のウレタン構造単位を有していれば、第2のウレタン構造単位が有するカルボキシ基と硬化剤として用いるエポキシ化合物のエポキシ基との反応速度は熱硬化反応時には促進されるが、一方常温での反応速度は適度であるため、硬化性組成物の保存安定性が優れている。そのため、印刷時、保存時等に硬化性組成物の増粘が生じにくく、ゲル化や粘度変化が起こりにくいので、硬化性組成物の印刷の作業性が優れるとともに、印刷の作業時間を十分に確保することができる(すなわち、短時間で印刷を完了する必要がない)。
さらに、本実施形態のポリウレタンはアミン由来の構造を有しているため、硬化性組成物の硬化剤としてグリシジルアミン型のエポキシ化合物を使用することなく、非アミン型のエポキシ化合物を硬化剤として使用しても、硬化性組成物の硬化速度は十分に速い。そのため、本実施形態のポリウレタンを含有する硬化性組成物は、グリシジルアミン型のエポキシ化合物に由来する不純物の塩素化合物を含有しておらず、塩素原子の含有量が低いので、長期絶縁信頼性等の電気絶縁信頼性に優れるフレキシブル配線板を製造することができ、微細配線を有するフレキシブル配線板の製造にも好適である。
上記式(1)中のxは1以上の整数であって、300以下の整数であることが好ましく、200以下の整数であることがさらに好ましい。
上記式(1)中のx個のR1は、それぞれ独立して炭素数6以上14以下の2価の有機基を示す。炭素数6以上14以下の2価の有機基としては、例えば、鎖状脂肪族の2価の有機基、芳香環を有する2価の有機基、脂環構造を有する2価の有機基等を挙げることができる。鎖状脂肪族の2価の有機基の例としては、下記式(5)〜(8)を挙げることができる。芳香環を有する2価の有機基の例としては、下記式(9)〜(12)を挙げることができる。脂環構造を有する2価の有機基の例としては、下記式(13)〜(17)を挙げることができる。x個のR1は、全部が同一であってもよいし、一部は異なり他部は全て同一でもよいし、全部が異なっていてもよい。
Figure 2021095478
Figure 2021095478
Figure 2021095478
Figure 2021095478
Figure 2021095478
Figure 2021095478
Figure 2021095478
Figure 2021095478
Figure 2021095478
Figure 2021095478
Figure 2021095478
Figure 2021095478
Figure 2021095478
また、上記式(1)中のx個のR2は、それぞれ独立して炭素数1以上14以下の有機基を示し、炭素数1以上6以下の有機基が好ましい。炭素数1以上14以下の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基や、シクロプロピルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロオクチルメチル基などの環状アルキル基を有するアルキル基や、フェニル基、トルイル基、キシリル基などの芳香環や、ベンジル基、フェニルエチル基などの芳香環を置換基に有するアルキル基が挙げられる。x個のR2は、全部が同一であってもよいし、一部は異なり他部は全て同一でもよいし、全部が異なっていてもよい。
さらに、上記式(1)中のx個のR3とx個のR4は、いずれも、それぞれ独立して炭素数1以上14以下の2価の有機基を示すが、炭素数1以上4以下の2価の有機基が好ましい。炭素数1以上14以下の2価の有機基としては、例えば、エチレン基(CH2CH2)、エチルオキシエチレン基(CH2CH2OCH2CH2)、ポリオキシエチレン基((CH2CH2O)n)、2−メチルプロピレン基(CH(CH3)CH2)、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、3−メチル−1,2−フェニレン基、4−メチル−1,2−フェニレン基、4−メチル−1,3−フェニレン基、2−メチル−1,4−フェニレン基などの有機基が挙げられる。
これらの有機基の中では、アルコキシ構造の繰り返し単位の数が少なく、より疎水的であるエチレン基、エチルオキシエチレン基、2−メチルプロピレン基がより好ましい。
x個のR3は、全部が同一であってもよいし、一部は異なり他部は全て同一でもよいし、全部が異なっていてもよい。x個のR4は、全部が同一であってもよいし、一部は異なり他部は全て同一でもよいし、全部が異なっていてもよい。R3とR4は、同一でもよいし異なっていてもよい。
上記式(1)で表される第1のウレタン構造単位は、分子中にアミン構造及び2個のヒドロキシ基を有するアミン構造含有ジオールとジイソシアネート化合物(OCN−R1−NCO)とを反応させることにより、合成することができる。アミン構造含有ジオールの種類は特に限定されるものではないが、例えば、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−プロピルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N−tert−ブチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン等を挙げることができる。
アミン構造含有ジオールは、これらの中の1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、これらのアミン構造含有ジオールの中では、ポリウレタン製造時の反応溶媒への溶解性、硬化剤との反応性の調整の点から、N−メチルジエタノールアミン、N−t−ブチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミンがより好ましい。
上記式(2)中のyは1以上の整数であって、300以下の整数であることが好ましく、200以下の整数であることがさらに好ましい。
上記式(2)中のy個のR5は、それぞれ独立して炭素数6以上14以下の2価の有機基を示すが、炭素数6以上14以下の2価の有機基としては、例えば、鎖状脂肪族の2価の有機基、芳香環を有する2価の有機基、脂環構造を有する2価の有機基等を挙げることができる。R5の具体例は、上記式(1)中のR1の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
上記式(1)で表される第1のウレタン構造単位と上記式(2)で表される第2のウレタン構造単位を合成する際に、同一のジイソシアネート化合物を原料として用いることにより、R1とR5を同一のものとしてもよい。
y個のR5は、全部が同一であってもよいし、一部は異なり他部は全て同一でもよいし、全部が異なっていてもよい。
上記式(2)中のy個のR6は、それぞれ独立して炭素数1以上14以下の3価の有機基を示し、中でも炭素数4以上8以下の3価の有機基が好ましい。上記式(2)で表される第2のウレタン構造単位は、分子中にカルボキシ基を1個以上有し且つヒドロキシ基を2個有するカルボキシ基含有ジオールとジイソシアネート化合物(OCN−R5−NCO)とを反応させることにより、合成することができる。カルボキシ基含有ジオールの種類は特に限定されるものではないが、例えば、ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸等を挙げることができる。
また、芳香環を有するカルボキシ基含有ジオールの例として、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオールなどのジオール類と、アジピン酸、テレフタル酸、フタル酸などのカルボン酸との共重合体ポリエステルジオール等を挙げることができる。カルボキシ基は、芳香環に結合していてもよいし、芳香環以外の部分に結合していてもよい。
カルボキシ基含有ジオールは、これらの中の1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらのカルボキシ基含有ジオールの中では、ポリウレタン製造時の反応溶媒への溶解性の点から、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸がより好ましい。
上記式(3)中のzは1以上の整数であって、300以下の整数であることが好ましく、200以下の整数であることがさらに好ましい。
上記式(3)中のz個のR7は、それぞれ独立して炭素数6以上14以下の2価の有機基を示すが、炭素数6以上14以下の2価の有機基としては、例えば、鎖状脂肪族の2価の有機基、芳香環を有する2価の有機基、脂環構造を有する2価の有機基等を挙げることができる。R7の具体例は、上記式(1)中のR1や上記式(2)中のR5の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
上記式(1)で表される第1のウレタン構造単位と上記式(2)で表される第2のウレタン構造単位と上記式(3)で表される第3のウレタン構造単位を合成する際に、同一のジイソシアネート化合物を原料として用いることにより、R1とR5とR7を同一のものとしてもよい。
z個のR7は、全部が同一であってもよいし、一部は異なり他部は全て同一でもよいし、全部が異なっていてもよい。
上記式(3)中のz個のR8は、それぞれ独立して炭素数1以上300以下の2価の有機基を示すが、第3のウレタン構造単位が第1のウレタン構造単位及び第2のウレタン構造単位とは異なる化学構造を有する構造単位となるような有機基を、R8として選択する必要がある。
8の例としては、R3、R4と同様の有機基が挙げられる。また、例えばポリエチレングリコール、ポリエステルポリオール等のポリマー構造を有するジオールを、第3のウレタン構造単位の原料として使用することができるので、R8の例として、ポリマー構造を有する2価の有機基を挙げることができる。このポリマー構造を有するジオールについては、後に詳述する。
さらに、R8の例として、上記式(4)で表される化学構造を有する有機基を挙げることができる。上記式(4)中のp及びqは、それぞれ独立して1以上の整数であるが、1以上8以下の整数であることが好ましく、1以上6以下の整数であることがより好ましい。p及びqが上記範囲内であれば、低反り性のより優れたオーバーコート膜や、低反り性のより優れたフレキシブル配線板を得ることができる。
上記式(3)中のz個のpは、全部が同一であってもよいし、一部は異なり他部は全て同一でもよいし、全部が異なっていてもよく、上記式(3)中のz個のqは、全部が同一であってもよいし、一部は異なり他部は全て同一でもよいし、全部が異なっていてもよい。さらに、上記式(4)中のpとqは、同一でもよいし異なっていてもよい。
z個のR8は、全部が同一であってもよいし、一部は異なり他部は全て同一でもよいし、全部が異なっていてもよい。
本実施形態のポリウレタンの合成方法は特に限定されるものではないが、例えば、ジブチル錫ジラウリレート等のウレタン化触媒の存在下又は非存在下で、1分子中に2個のイソシアナト基を有するジイソシアネート化合物(すなわち、OCN−R1−NCO、OCN−R5−NCO、OCN−R7−NCO)と、複数種のジオールとを溶媒中で重合させる方法が挙げられる。上記の重合反応を無触媒又は少量の触媒の存在下で実施した方が、後述するオーバーコート膜の長期絶縁信頼性が向上するため好ましい。
なお、所望により、上記式(4)で表される構造を有するジオールを用いることで、後述するオーバーコート膜の耐屈曲性が向上できるため好ましい。また、上記式(4)以外の構造を有するポリオール、1分子中に1個のヒドロキシ基を有するモノヒドロキシ化合物、及び、1分子中に1個のイソシアナト基を有するモノイソシアネート化合物のうち少なくとも1種を共存させて、上記の重合反応を行ってもよい。
ジイソシアネート化合物(OCN−R1−NCO、OCN−R5−NCO、OCN−R7−NCO)が有するR1、R5、R7は、上記式(1)、(2)、(3)中のR1、R5、R7と同様であるので、説明は省略する。
ここで、前述したポリマー構造を有するジオールについて、詳細に説明する。
8の例として前記したポリマー構造を有する2価の有機基としては、ポリアルキレングリコール由来又はポリエステルポリオール由来の2価の残基を挙げることができる。この残基は、ポリアルキレングリコール又はポリエステルポリオールの両末端の水酸基を除いた残部を意味する。
ポリアルキレングリコール由来の2価の残基としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールに由来する2価の残基を挙げることができる。
上記式(3)で表される第3のウレタン構造単位は、原料化合物の1つであるジオール化合物として、エステル構造を含むジオールを選択することでも製造することができる。例えば、以下のジカルボン酸の群より選ばれる少なくとも1種と、以下のジオールの群より選ばれる少なくとも1種とを組み合わせて、過剰量のジオールを用いてエステル化反応を行って得られるポリエステルポリオールを挙げることができる。
ジカルボン酸としては、例えば、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、3−メチル−ベンゼン−1,2−ジカルボン酸、4−メチル−ベンゼン−1,2−ジカルボン酸、4−メチル−ベンゼン−1,3−ジカルボン酸、5−メチル−ベンゼン−1,3−ジカルボン酸、2−メチル−ベンゼン−1,4−ジカルボン酸等を挙げることができる。
良好な長期絶縁信頼性の発現のために、結晶性とエステル結合の加水分解性とを同時に抑制できるという観点から、上記のジカルボン酸の中では、オルトフタル酸、3−メチル−ベンゼン−1,2−ジカルボン酸、4−メチル−ベンゼン−1,2−ジカルボン酸がより好ましく、オルトフタル酸がさらに好ましい。
また、ジオールとしては、例えば、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール等を挙げることができる。
上記のジオールの中では、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールがより好ましく、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールがさらに好ましく、1,6−ヘキサンジオールが特に好ましい。
これらジオールは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記式(3)で表される第3のウレタン構造単位は、原料化合物として、カーボネート構造を含むジオールを選択することでも製造することができる。原料化合物としては、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルなどの炭酸ジエステル類、ホスゲンなどの炭酸ジハロゲン化物類の群より選ばれる少なくとも1種と、以下のジオールの群より選ばれる少なくとも1種とを組み合わせてエステル化反応を行って得られるポリカーボネートポリオールを挙げることができる。
また、ジオールとしては、例えば、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール等を挙げることができる。
上記のジオールの中では、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールがより好ましく、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールがさらに好ましく、1,6−ヘキサンジオールが特に好ましい。
上記のポリマー構造を有するジオールの数平均分子量は、800以上5000以下であることが好ましく、800以上3000以下であることがより好ましく、900以上2500以下であることがさらに好ましい。
本実施形態のポリウレタンの合成に、上記式(4)で表されるジオールとともに、上記式(4)で表されるジオール以外の低分子量のジオールを用いる場合には、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールを用いることができる。これらのジオールの中では、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールがより好ましい。これらのジオールは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のポリウレタンは、アミン構造含有ポリウレタンである第1のウレタン構造単位と、カルボキシ基含有ポリウレタンである第2のウレタン構造単位とを有するので、アミン構造とカルボキシ基とを同一分子鎖内に有する。
アミン構造とカルボキシ基の量比x/y、すなわち、上記式(1)中のxの上記式(2)中のyに対する比x/yは、硬化性組成物の硬化反応の促進効果と、硬化性組成物の印刷の作業時間の確保(保存安定性)とのバランスの観点から、0.1以上1.0以下であることが好ましく、0.2以上0.8以下であることがより好ましい。
比x/yがこの数値範囲内であれば、硬化反応の速度が高いため、硬化性組成物の短時間での硬化が可能となり、オーバーコート膜にタックが生じにくい。また、硬化性組成物の保存安定性が良好であるため、増粘の進行や印刷性の変化が生じにくく、印刷の作業時間を十分に確保することができる。比x/yは、使用する原料のアミン化合物とカルボン酸化合物のモル量を変化させることで調整することができる。
本実施形態のポリウレタンの数平均分子量は特に限定されるものではないが、後述する本実施形態の硬化性組成物の粘度調整の容易さを考慮すると、3000以上30000以下であることが好ましく、4000以上20000以下であることがより好ましく、5000以上15000以下であることがさらに好ましい。
数平均分子量が上記範囲内であると、ポリウレタンの溶剤溶解性が良好であるとともに、ポリウレタン溶液の粘度が高くなりにくいので、後述する硬化性組成物を後述するオーバーコート膜やフレキシブル配線板の製造に使用する際に好適である。さらに、後述する硬化物やオーバーコート膜の伸度、可撓性、及び強度が良好となりやすい。
ここで言う「数平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と記す。)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量である。なお、本明細書においては、特に断りのない限り、GPCの測定条件は以下の通りである。
装置名:日本分光株式会社製HPLCユニット HSS−2000
カラム:昭和電工株式会社製Shodex(登録商標)カラムLF−804×3本(直列)
移動相:テトラヒドロフラン
流速 :1.0mL/min
検出器:日本分光株式会社製RI−2031Plus
温度 :40.0℃
試料量:サンプルループ 100μL
試料濃度:約0.1質量%
本実施形態のポリウレタンの酸価は特に限定されるものではないが、5mgKOH/g以上70mgKOH/g以下であることが好ましく、10mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることがより好ましく、15mgKOH/g以上35mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。
酸価が上記範囲内であれば、本実施形態のポリウレタンは硬化剤のエポキシ基との十分な反応性を有する。よって、後述する硬化性組成物において、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物等の他の成分との反応性が不十分となりにくいので、硬化性組成物の硬化物の耐熱性が低くなりにくく、且つ、硬化性組成物の硬化物が硬く脆くなりすぎることがない。また、後述するオーバーコート膜の耐溶剤性と後述するフレキシブル配線板の反りのバランスをとることが容易になる。
なお、本明細書においては、ポリウレタンの酸価は、JIS K0070に規定された電位差滴定法で測定された酸価の値である。
本実施形態のポリウレタンの芳香環濃度は特に限定されるものではないが、0.1mmol/g以上5.0mmol/g以下であることが好ましく、0.5mmol/g以上4.5mmol/g以下であることがより好ましく、1.0mmol/g以上4.0mmol/g以下であることがさらに好ましい。
芳香環濃度が上記範囲内であれば、後述するオーバーコート膜の耐溶剤性と後述するフレキシブル配線板の反りのバランスをとることが容易になる。
なお、芳香環濃度とは、1gの化合物が有する芳香環の個数(モル数)を意味する。例えば、繰り返し単位(構造単位)の分子量が438.5のポリウレタンが繰り返し単位1個当たり芳香環(例えばフェニル基)を4個有しているとすると、このポリウレタン1g中の繰り返し単位の個数は2.28mmolなので、芳香環濃度は9.12mmol/g(4×2.28mmol/1g)となる。
芳香環の種類は、環員数3以上の芳香族性を有する環状官能基であれば特に限定されるものではなく、例えば、フェニル基等の単環式芳香族炭化水素基、ビフェニル基、フルオレン基等の多環式芳香族炭化水素基、ナフタレン基、インデニル基等の縮合環式芳香族炭化水素基、ピリジル基等の複素芳香族炭化水素基が挙げられる。
ただし、多環式芳香族炭化水素基、縮合環式芳香族炭化水素基のように、環状構造部位を複数有する官能基の場合は、芳香環の個数は1個ではなく環状構造部位の個数とする。例えば、フルオレン基は環状構造部位であるベンゼン環を2個有するので、繰り返し単位1個当たりフルオレン基を1個有するポリウレタンの場合であれば、ポリウレタンが有している芳香環の個数は繰り返し単位1個当たり2個とする。
同様に、ビフェニル基やナフタレン基の場合は芳香環の個数は2個、アントラセン基やフェナントレン基の場合は芳香環の個数は3個、トリフェニレン基やビナフチル基の場合は芳香環の個数は4個とする。
なお、芳香環濃度は、モノマーの仕込み比から算出できるが、1H−NMR、13C−NMR、IR等の分光学的手法によりポリウレタンの構造を決定した後に、1H−NMR分析により得られる積分曲線を用いて、芳香環由来のプロトン数と1個の繰り返し単位由来のプロトン数とを比較することによっても算出できる。
本実施形態のポリウレタンを合成する重合反応は溶媒中で行われることがあるが、重合溶媒として使用される溶剤の種類は、本実施形態のポリウレタン及びその原料を溶解できる溶剤であれば特に限定されない。本実施形態のポリウレタンを合成する際に使用される溶剤としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤や、デカヒドロナフタリン等の炭化水素系溶剤や、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤が挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの溶剤の中では、ポリウレタンの分子量の調整の容易さ、及び、後述の硬化性組成物のスクリーン印刷時の印刷性を考慮すると、γ−ブチロラクトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートが好ましく、γ−ブチロラクトン、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテルがより好ましく、γ−ブチロラクトンの単独溶剤、γ−ブチロラクトンとジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートの2種混合溶剤、γ−ブチロラクトンとジエチレングリコールジエチルエーテルの2種混合溶剤、及びγ−ブチロラクトン、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテルの3種混合溶剤がさらに好ましい。
本実施形態のポリウレタンの溶液の固形分濃度は特に限定されるものではないが、10質量%以上90質量%以下が好ましく、15質量%以上70質量%以下がより好ましく、20質量%以上60質量%以下がさらに好ましい。また、固形分濃度が20質量%以上60質量%以下のポリウレタン溶液を使用して、後述の硬化性組成物を製造する場合は、ポリウレタンの溶液の粘度は、実施例の項に後述する測定条件において、例えば5千mPa・s以上百万mPa・s以下であることが、均一分散の観点から好ましい。
また、本実施形態のポリウレタンを合成する重合反応を行う際にモノマー等の原料を反応容器へ仕込む順序については、特に制約はないが、例えば、以下の順序で仕込んでもよい。すなわち、第1のウレタン構造単位、第2のウレタン構造単位、及び第3のウレタン構造単位を構成させるための原料であるジオールを、反応容器中で溶媒に溶解させた後に、30℃以上140℃以下で、好ましくは60℃以上120℃以下で、ジイソシアネート化合物(OCN−R1−NCO、OCN−R5−NCO、OCN−R7−NCO)を反応容器に少量ずつ加え、50℃以上160℃以下、好ましくは60℃以上150℃以下で、上記各モノマーを反応させ重合を行う。
モノマーの仕込みモル比は、目的とするポリウレタンの分子量及び酸価に応じて調節する。ポリウレタンの分子量の調節のために、本実施形態のポリウレタンの原料としてモノヒドロキシ化合物を用いてもよい。その場合には、上記方法により重合中のポリウレタンの分子量が目的とする数平均分子量になったら(あるいは、目的とする数平均分子量に近づいたら)、重合中のポリウレタンの分子末端のイソシアナト基を封止し、数平均分子量の更なる上昇を抑制する目的で、メチルエチルケトンオキシムなどのオキシムや、メタノールなどのアルコールに代表されるモノヒドロキシ化合物を添加する。
モノヒドロキシ化合物を使用する場合は、ポリウレタンの全原料が有するヒドロキシ基の総数からモノヒドロキシ化合物が有するヒドロキシ基の総数を差し引いたヒドロキシ基の総数(すなわち、ポリウレタンの原料である1分子中に2個以上のヒドロキシ基を有する化合物が有するヒドロキシ基の総数)よりも、ポリウレタンの全原料が有するイソシアナト基の総数を少なくしてもよいし、同じにしてもよいし、あるいは多くしてもよい。
過剰量のモノヒドロキシ化合物を使用した場合には、未反応のモノヒドロキシ化合物が残存する結果となるが、この場合には、過剰のモノヒドロキシ化合物をそのまま溶媒の一部として使用してもよいし、あるいは、蒸留等の操作により除去してもよい。
モノヒドロキシ化合物をポリウレタンの原料として用いるのは、本実施形態のポリウレタンの分子量の増大を抑制(すなわち、重合反応を停止)するためであり、反応溶液中にモノヒドロキシ化合物を30℃以上150℃以下、好ましくは70℃以上140℃以下で少量ずつ加え、その後上記温度で保持して反応を完結させる。
また、ポリウレタンの分子量の調節のために、本実施形態のポリウレタンの原料としてモノイソシアネート化合物を用いてもよい。その場合には、モノイソシアネート化合物を添加する時点のポリウレタンの分子末端がヒドロキシ基となるように、ポリウレタンの全原料が有するヒドロキシ基の総数よりも、ポリウレタンの全原料が有するイソシアナト基の総数からモノイソシアネート化合物が有するイソシアナト基の総数を差し引いたイソシアナト基の総数(すなわち、ポリウレタンの原料である1分子中に2個以上のイソシアナト基を有する化合物が有するイソシアナト基の総数)を少なくする必要がある。
ポリウレタンの全原料が有するヒドロキシ基とジイソシアネート化合物のイソシアナト基との反応がほぼ終了した時点で、製造中のポリウレタンの分子末端に残存しているヒドロキシ基とモノイソシアネート化合物のイソシアナト基とを反応させる。そのためには、ポリウレタン製造中のポリウレタン溶液の温度を30℃以上150℃以下、好ましくは70℃以上140℃以下とした後に、ポリウレタン溶液にモノイソシアネート化合物を少量ずつ加え、その後上記温度に保持して反応を完結させる。
本実施形態のポリウレタンの原料であるジオール化合物が有するヒドロキシ基の総数と、本実施形態のポリウレタンの原料であるジイソシアネート化合物が有するイソシアナト基の総数との比は、ヒドロキシ基:イソシアナト基=1:0.9〜0.9:1であることが好ましく、ヒドロキシ基:イソシアナト基=1:0.92〜0.92:1であることがより好ましい。
II.硬化性組成物
本実施形態の硬化性組成物は、上記本実施形態のポリウレタン(a)と、溶剤(b)と、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(c)と、を含有する組成物である。
塩素原子の含有量が高い硬化性組成物を用いてオーバーコート膜を形成しフレキシブル配線板を製造すると、フレキシブル配線板の電気絶縁信頼性が低下するので、本実施形態の硬化性組成物は、塩素原子の含有量が0.01質量ppm以上800質量ppm以下であることが好ましく、0.01質量ppm以上200質量ppm以下であることがより好ましい。塩素原子の含有量が上記数値範囲内であれば、後述する本実施形態のフレキシブル配線板の電気絶縁信頼性が高くなる。
硬化性組成物中の塩素原子の含有量を低くするためには、本実施形態のポリウレタンの原料として、塩素原子の含有量の低いものを使用することが好ましい。例えば、式(1)で表される第1のウレタン構造単位の原料であるアミン構造含有ジオールであれば、以下のようにして合成されたものを使用することが好ましい。すなわち、アミンにオキシラン(CH2CH2O)を付加して合成したエチレングリコール型の化合物は、塩素化合物を使用することなく合成されるので、塩素原子の含有量が低い。
また、本実施形態のポリウレタンの製造時に、反応終了後の反応溶液を水等によって洗浄すれば、ポリウレタン(a)中の塩素原子の含有量を低減することができるので、硬化性組成物中の塩素原子の含有量を低くすることができる。
(1)溶剤(b)
本実施形態の硬化性組成物の必須成分の1つである溶剤(b)の種類は、本実施形態のポリウレタン(a)及び1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(c)を溶解可能であるならば特に限定されるものではないが、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤を挙げることができる。
また、溶剤(b)としては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤を挙げることができる。
さらに、溶剤(b)としては、デカヒドロナフタリン等の炭化水素系溶剤や、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤を挙げることができる。
これらの溶剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの溶剤の中では、スクリーン印刷時の印刷性及び溶剤の揮発性のバランスを考慮すると、γ−ブチロラクトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートが好ましく、γ−ブチロラクトン、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテルがより好ましく、γ−ブチロラクトンの単独溶剤、γ−ブチロラクトンとジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートの2種混合溶剤、γ−ブチロラクトンとジエチレングリコールジエチルエーテルの2種混合溶剤、及びγ−ブチロラクトン、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテルの3種混合溶剤がさらに好ましい。
これらの好ましい溶剤の組み合わせは、スクリーン印刷用インクの溶剤として優れているために好適である。
また、本実施形態の硬化性組成物が含有する溶剤(b)の一部又は全部として、本実施形態のポリウレタン(a)を製造する際に使用する合成用の溶剤をそのまま使用することが可能であり、その方が本実施形態の硬化性組成物の製造が容易となるためプロセス的に好ましい。
本実施形態の硬化性組成物における溶剤(b)の含有量は、本実施形態の硬化性組成物の総量に対して、25質量%以上75質量%以下であることが好ましく、35質量%以上65質量%以下であることがより好ましい。
溶剤(b)の含有量が、本実施形態の硬化性組成物の総量に対して25質量%以上75質量%以下の範囲内であると、硬化性組成物の粘度がスクリーン印刷法での印刷に対して良好な粘度となり、且つ、スクリーン印刷後の硬化性組成物のにじみによる広がりがそれほど大きくならない。その結果、硬化性組成物を塗工したい部位(すなわち印刷版の形状)よりも、実際に印刷した硬化性組成物の印刷面積の方が大きくなるという現象が生じにくく、好適である。
(2)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(c)
本実施形態の硬化性組成物の必須成分の1つであるエポキシ化合物(c)は、ポリウレタン(a)が有するカルボキシ基又はヒドロキシ基と反応し、硬化性組成物において硬化剤として機能するものである。
エポキシ化合物(c)の種類は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば、特に限定されるものではないが、例えば、ノボラック樹脂をエポキシ化したノボラック型エポキシ樹脂が挙げられ、ノボラック型エポキシ樹脂の具体例としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、ノボラック樹脂とは、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを、酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られる樹脂である。
さらに、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(c)としては、例えば、フェノール類のジグリシジルエーテルやアルコールのグリシジルエーテルが挙げられる。ここで、上記のフェノール類としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、アルキル置換又は非置換のビフェノール、スチルベン系フェノール類等が挙げられる。すなわち、これらフェノール類のジグリシジルエーテルは、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、スチルベン型エポキシ化合物である。また、上記のアルコールとしては、ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
さらに、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(c)としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等のカルボン酸のグリシジルエステル型エポキシ樹脂や、アニリン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、イソシアヌル酸等が有する窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換した化合物であるグリシジル型又はメチルグリシジル型のエポキシ樹脂や、p−アミノフェノール等のアミノフェノール類が有する窒素原子に結合した活性水素及びフェノール性ヒドロキシ基が有する活性水素をそれぞれグリシジル基で置換した化合物であるグリシジル型又はメチルグリシジル型のエポキシ樹脂が挙げられる。
さらに、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(c)としては、例えば、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン等の脂環型エポキシ樹脂が挙げられる。これら脂環型エポキシ樹脂は、分子中にオレフィン結合を有する脂環式炭化水素化合物のオレフィン結合をエポキシ化して得られる。
さらに、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(c)としては、例えば、パラキシリレン及び/又はメタキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル、テルペン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル、シクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル、多環芳香環変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル、ナフタレン環含有フェノール樹脂のグリシジルエーテルが挙げられる。
さらに、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(c)としては、例えば、ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、ペンタエリスリトール型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂(分子中にオレフィン結合を有する線状脂肪族炭化水素化合物のオレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られるもの)、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂が挙げられる。
さらに、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(c)としては、例えば、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物や、硫黄原子含有エポキシ樹脂や、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールのジグリシジルエーテルや、アダマンタン構造を有するエポキシ樹脂が挙げられる。アダマンタン構造を有するエポキシ樹脂の例としては、1,3−ビス(1−アダマンチル)−4,6−ビス(グリシジロイル)ベンゼン、1−[2’,4’−ビス(グリシジロイル)フェニル]アダマンタン、1,3−ビス(4’−グリシジロイルフェニル)アダマンタン、及び1,3−ビス[2’,4’−ビス(グリシジロイル)フェニル]アダマンタン等が挙げられる。
これらのエポキシ化合物(c)は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらのエポキシ化合物(c)の中でも、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し且つ芳香環構造及び/又は脂環構造を有するエポキシ化合物が好ましい。
後述する本実施形態の硬化物の長期絶縁性能を重視する場合には、吸水率の低い硬化物が得られることから、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し且つ芳香環構造及び/又は脂環構造を有するエポキシ化合物の中でも、1分子中に2個以上(より好ましくは3個以上)のエポキシ基を有し且つトリシクロデカン構造及び芳香環構造を有する化合物が好ましい。
1分子中に2個以上のエポキシ基を有し且つトリシクロデカン構造及び芳香環構造を有する化合物の具体例としては、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル(すなわち、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し且つトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン構造及び芳香環構造を有する化合物)や、1,3−ビス(1−アダマンチル)−4,6−ビス(グリシジロイル)ベンゼン、1−[2’,4’−ビス(グリシジロイル)フェニル]アダマンタン、1,3−ビス(4’−グリシジロイルフェニル)アダマンタン、及び1,3−ビス[2’,4’−ビス(グリシジロイル)フェニル]アダマンタン等のアダマンタン構造を有するエポキシ樹脂(すなわち、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し且つトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン構造及び芳香環構造を有する化合物)や、下記式(18)で表される化合物が挙げられる。これらの中では、下記式(18)で表される化合物が特に好ましい。なお、下記式(18)中のkは1以上の整数であり、10以下の整数であることが好ましい。
Figure 2021095478
一方、ポリウレタンとの反応性を重視する場合には、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し且つ芳香環構造及び/又は脂環構造を有するエポキシ化合物の中でも、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し且つ芳香環構造を有する化合物が好ましい。
ただし、エポキシ化合物(c)がアミノ基のようなアミン構造を有すると、エポキシ化合物(c)中の塩素原子の含有量が高くなる場合があり、その結果、硬化性組成物中の塩素原子の含有量が増加するおそれがあるので、エポキシ化合物(c)は、分子中にアミン構造を有しない化合物であることが好ましい。よって、上記に種々例示したエポキシ化合物(c)の中でも、分子中にアミン構造を有しないエポキシ化合物(c)、すなわち、分子中にアミン構造を有さず且つ2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(c)がより好ましい。分子中にアミン構造を有しないエポキシ化合物(c)が含有する塩素原子の含有量は、0.1質量ppm以上3000質量ppm以下であることが好ましく、0.1質量ppm以上1000質量ppm以下であることがより好ましい。
分子中にアミン構造を有するエポキシ化合物であるアミン型エポキシ化合物は、カルボキシ基を有する化合物と反応し、架橋硬化物を生成する。アミン型エポキシ化合物は、分子中にアミン構造を有しないエポキシ化合物である非アミン型エポキシ化合物に比べて反応性が高く、速硬化可能なエポキシ化合物として知られる。
このアミン型エポキシ化合物とカルボキシ基を有する化合物との反応においては、塩基性のアミン構造と酸性のカルボキシ基が速やかに塩形成し、この塩形成によってカルボキシ基がカルボキシラートに変換される。そして、カルボキシ基がカルボキシラートに変換されることによって、カルボキシ基の酸素原子の求核性が向上して、求電子剤であるエポキシ化合物との反応活性が増大し、円滑に反応が進行する。
エポキシ化合物としてグリシジルアミン型エポキシ化合物を選択することで、高い反応活性を得ることができる一方で、グリシジルアミン型エポキシ化合物は、塩素原子の含有量が高いことが知られている。これは、グリシジルアミン型エポキシ化合物は、アミンとエピクロロヒドリンを反応させて製造するためであり、反応剤であるエピクロロヒドリンに由来して、グリシジルアミン型エポキシ化合物には多量の塩素化合物が残存する。
本実施形態の硬化性組成物においては、アミン型エポキシ化合物を使用した場合のカルボキシ基との塩形成機能及び反応促進機能を、ポリウレタンの高分子鎖中の第1のウレタン構造単位に導入している。このような反応加速型のポリウレタンを使用することにより、通常、反応性が低く、硬化性の悪い非アミン型エポキシ化合物を、オーバーコート膜作製時のエポキシ化合物として使用可能である。非アミン型エポキシ化合物を使用することにより、アミン型エポキシ化合物を使用した場合に問題となる多量の塩素化合物のコンタミネーションを回避することが可能となり、硬化性組成物中の塩素原子の含有量を大幅に低減することが可能である。
本実施形態の硬化性組成物中のポリウレタン(a)とエポキシ化合物(c)との総量に対するエポキシ化合物(c)の含有量の割合は、0.1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、1.0質量%以上10質量%以下であることがさらに好ましい。すなわち、本実施形態の硬化性組成物中のポリウレタン(a)とエポキシ化合物(c)との総量に対するポリウレタン(a)の含有量の割合は、60質量%以上99.9質量%以下であることが好ましく、80質量%以上99.5質量%以下であることがより好ましく、90質量%以上99.0質量%以下であることがさらに好ましい。
ポリウレタン(a)とエポキシ化合物(c)との総量に対するエポキシ化合物(c)の含有量の割合が、0.1質量%以上40質量%以下であると、後述のオーバーコート膜が被覆されている後述のフレキシブル配線板の低反り性と配線の断線抑制性とのバランスをとることができる。
(3)微粒子(d)
本実施形態の硬化性組成物には、無機微粒子及び有機微粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種の微粒子(d)を添加してもよい。微粒子(d)を添加することにより、硬化性組成物の印刷時の粘度及びチクソトロピーを調整し、硬化性組成物(すなわちインク)が流れ出すことを抑制することができる。
無機微粒子としては、例えば、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al23)、チタニア(TiO2)、酸化タンタル(Ta25)、ジルコニア(ZrO2)、窒化珪素(Si34)、チタン酸バリウム(BaO・TiO2)、炭酸バリウム(BaCO3)、チタン酸鉛(PbO・TiO2)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸、ランタン鉛(PLZT)、酸化ガリウム(Ga23)、スピネル(MgO・Al23)、ムライト(3Al23・2SiO2)、コーディエライト(2MgO・2Al23・5SiO2)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、チタン酸アルミニウム(TiO2−Al23)、イットリア含有ジルコニア(Y23−ZrO2)、珪酸バリウム(BaO・8SiO2)、窒化ホウ素(BN)、炭酸カルシウム(CaCO3)、硫酸カルシウム(CaSO4)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸マグネシウム(MgO・TiO2)、硫酸バリウム(BaSO4)、有機ベントナイト、カーボン(C)、ハイドロタルサイトなどが挙げられ、これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機微粒子としては、アミド結合、イミド結合、エステル結合又はエーテル結合を有する耐熱性樹脂の微粒子が好ましい。これらの樹脂の例としては、耐熱性及び機械特性の観点から、ポリイミド樹脂若しくはその前駆体、ポリアミドイミド樹脂若しくはその前駆体、又はポリアミド樹脂が挙げられる。
これらの微粒子の中でもシリカ微粒子、ハイドロタルサイト微粒子が好ましく、本実施形態の硬化性組成物は、シリカ微粒子及びハイドロタルサイト微粒子から選ばれる少なくとも一方を含有することが好ましい。
本実施形態の硬化性組成物に使用されるシリカ微粒子は、粉末状であり、表面に被覆物を設けたシリカ微粒子や有機化合物により化学的に表面処理を施したシリカ微粒子でもよい。
本実施形態の硬化性組成物に使用されるシリカ微粒子は、硬化性組成物中で分散してペーストを形成するものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、日本アエロジル株式会社より提供されているアエロジル(商品名)等を挙げることができる。アエロジル(商品名)に代表されるシリカ微粒子は、硬化性組成物にスクリーン印刷時の印刷性を付与するために使用されることもあり、その場合にはチクソ性の付与を目的として使用される。
本実施形態の硬化性組成物に使用されるハイドロタルサイト微粒子は、Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O等に代表される天然に産出する粘土鉱物の一種であり、層状の無機化合物である。また、ハイドロタルサイトは合成でも得ることができ、例えばMg1-xAlx(OH)2(CO3x/2・mH2O等は合成で得ることができる。すなわち、ハイドロタルサイトは、Mg/Al系層状化合物であり、層間にある炭酸基とのイオン交換により、塩化物イオン(Cl-)及び/又は硫酸イオン(SO4 -)の陰イオンを固定化できる。この機能を使用して、銅や錫のマイグレーションの原因となる塩化物イオン(Cl-)や硫酸イオン(SO4 -)を捕捉し、硬化物の長期絶縁信頼性を向上することができる。
ハイドロタルサイトの市販品としては、例えば、堺化学株式会社のSTABIACE HT−1、STABIACE HT−7、STABIACE HT−Pや、協和化学工業株式会社のDHT−4A、DHT−4A2、DHT−4C等が挙げられる。
これらの無機微粒子、有機微粒子の質量平均粒子径は、好ましくは0.01〜10μm、さらに好ましくは0.1〜5μmである。
本実施形態の硬化性組成物中の微粒子(d)の含有量は、硬化性組成物の総量に対して、0.1質量%以上60質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上5質量%以下であることがさらに好ましい。
本実施形態の硬化性組成物中の微粒子(d)の含有量が上記の範囲内であれば、硬化性組成物の粘度がスクリーン印刷法での印刷に対して良好な粘度となり、且つ、スクリーン印刷後の硬化性組成物のにじみによる広がりがそれほど大きくならない。その結果、硬化性組成物を塗工したい部位(すなわち印刷版の形状)よりも、実際に印刷した硬化性組成物の印刷面積の方が大きくなるという現象が生じにくく、好適である。
(4)硬化促進剤
本実施形態の硬化性組成物には硬化促進剤(e)を添加してもよい。硬化促進剤の種類は、ポリウレタン(a)が有するカルボキシ基とエポキシ化合物(c)が有するエポキシ基との反応を促進する化合物であれば特に限定されるものではないが、例えば下記の化合物が挙げられる。
すなわち、硬化促進剤の例としては、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン、2,4−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のトリアジン化合物が挙げられる。
また、硬化促進剤の例としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−アミノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−アミノエチル−2−メチルイミダゾール、1−(シアノエチルアミノエチル)−2−メチルイミダゾール、N−[2−(2−メチル−1−イミダゾリル)エチル]尿素、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾリウムトリメリテート、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾリウムトリメリテート、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、N,N’−ビス(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)尿素、N,N’−ビス(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)アジポアミド、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール・イソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾール・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチル−4−フォルミルイミダゾール、2−エチル−4−メチル−5−フォルミルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルフォルミルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール、ビニルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−アリルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−ブチルイミダゾール、2−ブチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール臭化水素塩、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド等のイミダゾール化合物が挙げられる。
さらに、硬化促進剤の例としては、ジアザビシクロアルケン及びその塩等のシクロアミジン化合物及びその誘導体が挙げられる。ジアザビシクロアルケンとしては、例えば、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノネン−5や1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7が挙げられる。
さらに、硬化促進剤の例としては、トリフェニルホスフィン、ジフェニル(p−トリル)ホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(アルキル・アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフェニル)ホスフィン、トリアルキルホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン等の有機ホスフィン化合物が挙げられる。
さらに、硬化促進剤の例としては、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミン化合物や、ジシアンジアジドが挙げられる。
これらの硬化促進剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの硬化促進剤の中では、その硬化促進作用及び後述する本実施形態の硬化物の電気絶縁性能の両立を考慮すると、メラミン、イミダゾール化合物、シクロアミジン化合物及びその誘導体、ホスフィン化合物、及びアミン化合物が好ましく、メラミン、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノネン−5及びその塩、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7及びその塩がより好ましい。
本実施形態の硬化性組成物中の硬化促進剤(e)の含有量は、硬化促進効果が奏されれば特に限定されるものではないが、本実施形態の硬化性組成物の硬化性及び後述する本実施形態の硬化物、オーバーコート膜の電気絶縁特性や耐水性の観点から、ポリウレタン(a)とエポキシ化合物(c)の総量を100質量部として、硬化促進剤(e)を0.05質量部以上5質量部以下の範囲内で配合することが好ましく、0.1質量部以上3質量部以下の範囲内で配合することがより好ましい。
本実施形態の硬化性組成物中の硬化促進剤(e)の含有量が上記範囲内であれば、本実施形態の硬化性組成物を短時間で硬化させることができるとともに、後述する本実施形態の硬化物、オーバーコート膜の電気絶縁特性や耐水性が良好である。
(5)その他の添加剤
本実施形態の硬化性組成物には、微粒子(d)、硬化促進剤(e)の他に各種添加剤を添加してもよい。本実施形態の硬化性組成物に配合可能な添加剤について、以下に説明する。
本実施形態の硬化性組成物を硬化させると、電気絶縁特性の良好な硬化物を得ることができるため、本実施形態の硬化性組成物は、例えば、配線の絶縁保護用レジストインキ用途などの組成物として使用可能である。本実施形態の硬化性組成物を配線の絶縁保護用レジストインキ用途の組成物(すなわち、フレキシブル配線板用オーバーコート剤)として使用する場合には、印刷の際に泡の発生を防止又は抑制する目的で、消泡剤(f)を添加してもよい。
消泡剤の種類は、フレキシブル配線板の製造時においてフレキシブル基板の表面に本実施形態の硬化性組成物を印刷して塗工する際に、泡の発生を防止又は抑制することができるならば特に限定されるものではないが、例えば下記の消泡剤が例として挙げられる。
すなわち、消泡剤の例としては、BYK−077(ビックケミー・ジャパン株式会社製)、SNデフォーマー470(サンノプコ株式会社製)、TSA750S(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、シリコーンオイルSH−203(東レ・ダウコーニング株式会社製)等のシリコーン系消泡剤や、ダッポーSN−348(サンノプコ株式会社製)、ダッポーSN−354(サンノプコ株式会社製)、ダッポーSN−368(サンノプコ株式会社製)、ディスパロン230HF(楠本化成株式会社製)等のアクリル重合体系消泡剤や、サーフィノールDF−110D(日信化学工業株式会社製)、サーフィノールDF−37(日信化学工業株式会社製)等のアセチレンジオール系消泡剤や、FA−630等のフッ素含有シリコーン系消泡剤等を挙げることができる。
本実施形態の硬化性組成物中の消泡剤(f)の含有量は、特に限定されるものではないが、ポリウレタン(a)、溶剤(b)、エポキシ化合物(c)、及び微粒子(d)の総量を100質量部として、消泡剤(f)を0.01質量部以上5質量部以下の範囲内で配合することが好ましく、0.05質量部以上4質量部以下の範囲内で配合することがより好ましく、0.1質量部以上3質量部以下の範囲内で配合することがさらに好ましい。
さらに、本実施形態の硬化性組成物には、必要に応じて、レベリング剤、界面活性剤等の添加剤や、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、カーボンブラック、ナフタレンブラック等の着色剤を添加することができる。
また、ポリウレタン(a)の酸化劣化及び加熱時の変色を抑制することが必要な場合には、フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等の酸化防止剤を本実施形態の硬化性組成物に添加することが好ましい。
さらに、本実施形態の硬化性組成物には、必要に応じて、難燃剤や滑剤を添加することもできる。
本実施形態の硬化性組成物は、配合する成分(すなわち、ポリウレタン(a)、溶剤(b)、エポキシ化合物(c)、及び微粒子(d)等)のうち一部又は全部をロールミル、ビーズミル等で均一に混練、混合することによって得ることができる。配合する成分の一部を混合した場合には、本実施形態の硬化性組成物を実際に使用するときに、残りの成分を混合することができる。
<硬化性組成物の粘度>
本実施形態の硬化性組成物は、ポリウレタン(a)を必須成分とする主剤配合物と、エポキシ化合物(c)を必須成分とする硬化剤溶液とを、混合することでも得ることができる。上記主剤配合物と上記硬化剤溶液とを混合して得られる本実施形態の硬化性組成物の25℃における粘度は、10000mPa・s以上100000mPa・s以下が好ましく、20000mPa・s以上60000mPa・s以下がより好ましい。主剤配合物と硬化剤溶液との混合直後、例えば混合10分後の硬化性組成物の粘度に対する、混合24時間後の硬化性組成物の粘度の増加率、すなわち増粘率は、150%以下が好ましく、120%以下がさらに好ましい。増粘率が上記の範囲内であれば、保存安定性が良好であると言える。
なお、本明細書においては、本実施形態の硬化性組成物の25℃における粘度は、特に断りがない限り、コーン/プレート型粘度計(Brookfield社製、型式DV−II+Pro、スピンドルの型番CPE−52)を用いて、主剤配合物と硬化剤溶液とを混合して10分後に、回転速度5rpmの条件で回転させ、回転開始から7分経過後に測定した粘度である。
III.硬化物
本実施形態の硬化性組成物を硬化させる方法は特に限定されるものではなく、熱や活性エネルギー線(例えば紫外線、電子線、X線)によって硬化させることができる。よって、本実施形態の硬化性組成物には、熱ラジカル発生剤、光ラジカル発生剤等の重合開始剤を添加してもよい。
本実施形態の硬化物は、絶縁保護膜(オーバーコート膜)として用いることができる。特に、例えばチップオンフィルム(COF)のようなフレキシブル配線板の配線の全部又は一部を被覆することにより、本実施形態の硬化物を配線の絶縁保護膜として用いることができる。
IV.オーバーコート膜並びにフレキシブル配線板及びその製造方法
本実施形態のオーバーコート膜は、本実施形態の硬化物を含有する膜であり、本実施形態の硬化性組成物を硬化させることによって製造することができる。詳述すると、本実施形態のオーバーコート膜は、本実施形態の硬化性組成物を、配線が形成されたフレキシブル基板の表面のうち配線が形成されている部分の全部又は一部に膜状に配した後に、膜状の硬化性組成物を加熱等により硬化させて膜状の硬化物とすることによって製造することができる。本実施形態のオーバーコート膜は、フレキシブル配線板用のオーバーコート膜として好適である。
本実施形態のフレキシブル配線板は、配線が形成されたフレキシブル基板の表面のうち配線が形成されている部分の全部又は一部が、オーバーコート膜によって被覆されたものである。
本実施形態のフレキシブル配線板は、本実施形態の硬化性組成物とフレキシブル基板から製造することができる。詳述すると、本実施形態のフレキシブル配線板は、本実施形態の硬化性組成物を、配線が形成されたフレキシブル基板の表面のうち配線が形成されている部分の全部又は一部に膜状に配した後に、膜状の硬化性組成物を硬化させてオーバーコート膜とすることによって製造することができる。なお、オーバーコート膜によって被覆される配線は、配線の酸化防止及び経済的な面を考慮すると、錫メッキ銅配線であることが好ましい。
本実施形態のオーバーコート膜及びフレキシブル配線板の製造方法の一例を、以下に説明する。本実施形態のオーバーコート膜及びフレキシブル配線板は、例えば、以下の工程1、工程2、工程3を経て、形成することができる。
(工程1)本実施形態の硬化性組成物を、フレキシブル基板の配線パターン部の少なくとも一部に印刷することで、該配線パターン部上に印刷膜を形成する印刷工程。
(工程2)工程1で得られた印刷膜を40〜100℃の雰囲気下におくことで、印刷膜中の溶剤の一部又は全部を蒸発させる溶剤除去工程。
(工程3)工程1で得られた印刷膜又は工程2で得られた印刷膜を、100〜170℃で加熱することによって硬化させ、オーバーコート膜を形成する硬化工程。
工程1での硬化性組成物の印刷方法に特に制限はなく、例えば、スクリーン印刷法、ロールコーター法、スプレー法、カーテンコーター法などにより、本実施形態の硬化性組成物をフレキシブル基板に塗工して印刷膜を得ることができる。
工程2は必要に応じて行われる操作であり、工程1の後にすぐに工程3を行い、工程3において硬化反応と溶剤の除去とを同時に行ってもよい。工程2を行う場合は、その温度は、溶剤の蒸発速度及び熱硬化の操作への速やかな移行を考慮すると、40℃以上100℃以下であることが好ましく、60℃以上100℃以下であることがより好ましく、70℃以上90℃以下であることがさらに好ましい。工程3や工程2において溶剤を蒸発させる時間は特に限定されるものではないが、10分以上120分以下であることが好ましく、20分以上100分以下であることがより好ましい。
工程3における熱硬化の温度は、メッキ層の拡散を防ぎ、且つ、オーバーコート膜に保護膜として好適な低反り性、柔軟性を付与する観点から、105℃以上160℃以下であることが好ましく、110℃以上150℃以下であることがより好ましい。工程3で行われる熱硬化の時間は、特に限定されるものではないが、10分以上150分以下であることが好ましく、15分以上120分以下であることがより好ましい。
上記のような方法により、配線が形成されたフレキシブル基板の表面のうち配線が形成されている部分の全部又は一部が、オーバーコート膜によって被覆されたフレキシブル配線板を得ることができる。このようにして得られたオーバーコート膜は柔軟性、可撓性が優れているため、本実施形態のフレキシブル配線板も柔軟性、可撓性が優れているとともに、フレキシブル配線板が揺り動かされたとしても配線の断線が生じにくい(配線の断線抑制性に優れる)。よって、本実施形態のフレキシブル配線板は、クラックが生じにくく、例えばチップオンフィルム(COF)等の技術に用いられるフレキシブルプリント配線板に好適である。
さらに、本実施形態の硬化性組成物は硬化時に収縮が生じにくいので、本実施形態のフレキシブル配線板は反りが小さい。よって、本実施形態のフレキシブル配線板にICチップを搭載する工程において、ICチップの搭載位置の位置合わせが容易である。さらに、オーバーコート膜の長期絶縁信頼性が優れているため、本実施形態のフレキシブル配線板も長期絶縁信頼性が優れている。
〔実施例〕
以下に実施例及び比較例を示して、本発明をより詳細に説明する。
<ポリウレタンの合成>
(実施合成例1)
攪拌装置、温度計及びコンデンサーを備えた反応容器に、ポリエステルジオール(DIC株式会社製のポリライト(登録商標)OD−X−2900、水酸基価53.4mgKOH/g)53.43g(=0.0254モル)と、カルボキシ基含有ジオールである2,2−ジメチロールプロパン酸(パーストープ社製)6.57g(=0.049モル)と、アミン構造含有ジオールであるN−メチルジエタノールアミン(東京化成工業株式会社製)2.92g(=0.0245モル)と、上記以外のジオールである9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(大阪ガスケミカル株式会社製、商品名BPEF)11.37g(=0.0259モル)と、ジイソシアネート化合物であるメチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(三井化学株式会社製、分子量262.35)34.73gと、溶媒であるγ−ブチロラクトン(三菱化学株式会社製)110.0gとを仕込んだ。
140〜150℃で6.0時間反応を行った後に、イソシアナト基のC=O伸縮振動に由来する吸収がほぼ観測されなくなったことを赤外分光法(IR)により確認したら、メチルエチルケトンオキシム(宇部興産株式会社製)1.0gを反応溶液に滴下し、さらに100℃で30分間反応を行った。これにより、カルボキシ基及びエステル結合を有するポリウレタンを含有する溶液(以下、「ポリウレタン溶液A1」と記す。)を得た。
得られたポリウレタン溶液A1の粘度は136077mPa・sであった。また、ポリウレタン溶液A1中に含有されるカルボキシ基を有するポリウレタン(以下、「ポリウレタンAU1」と記す。)の数平均分子量(Mn)は9001、重量平均分子量(Mw)は28865であり、分子量分布の広がりを表すパラメータMz/Mwは1.63と算出された。ポリウレタンAU1の酸価は25.0mgKOH/gであった。
また、N−メチルジエタノールアミンの配合量(0.0245モル)と2,2−ジメチロールプロパン酸の配合量(0.049モル)とから、ポリウレタンAU1のアミン構造とカルボキシ基の量比x/yは、0.5と算出された。この値を表2に示す。
また、ポリエステルジオールのOD−X−2900の1分子当たりの芳香環数(8.44個)及び配合量(0.0254モル)と、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(BPEF)の1分子当たりの芳香環数(4個)及び配合量(0.0259モル)と、全モノマーの配合量(109.02g)とから、ポリウレタンAU1の芳香環濃度は、2.91mmol/gと算出された。この値を表2に示す。
(実施合成例2)
攪拌装置、温度計及びコンデンサーを備えた反応容器に、ポリエステルジオール(DIC株式会社製のポリライト(登録商標)OD−X−2900、水酸基価53.4mgKOH/g)51.02gと、カルボキシ基含有ジオールである2,2−ジメチロールプロパン酸(パーストープ社製)5.26gと、アミン構造含有ジオールであるN−ブチルジエタノールアミン(東京化成工業株式会社製)1.58gと、上記以外のジオールである2,2’−[イソプロピリデンビス[(p−フェニレン)(オキシ)]]ジエタノール(明成化学株式会社製)16.35gと、ジイソシアネート化合物であるメチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(三井化学株式会社製)34.80gと、溶媒であるγ−ブチロラクトン(三菱化学株式会社製)110.0gとを仕込んだ。
140〜150℃で8.0時間反応を行った後に、イソシアナト基のC=O伸縮振動に由来する吸収がほぼ観測されなくなったことを赤外分光法(IR)により確認したら、メチルエチルケトンオキシム(宇部興産株式会社製)1.0gを反応溶液に滴下し、さらに100℃で30分間反応を行った。これにより、カルボキシ基及びエステル結合を有するポリウレタンを含有する溶液(以下、「ポリウレタン溶液A2」と記す。)を得た。
得られたポリウレタン溶液A2の粘度は160340mPa・sであった。また、ポリウレタン溶液A2中に含有されるカルボキシ基を有するポリウレタン(以下、「ポリウレタンAU2」と記す。)の数平均分子量(Mn)は11411、重量平均分子量(Mw)は68719であり、分子量分布の広がりを表すパラメータMz/Mwは2.41と算出された。ポリウレタンAU2の酸価は20.0mgKOH/gであった。
また、実施合成例1と同様の方法により、ポリウレタンAU2のアミン構造とカルボキシ基の量比x/yは、0.25と算出された。この値を表2に示す。
また、実施合成例1と同様の方法により、ポリウレタンAU2の芳香環濃度は、1.80mmol/gと算出された。この値を表2に示す。
(実施合成例3)
攪拌装置、温度計及びコンデンサーを備えた反応容器に、ポリエステルジオール(DIC株式会社製のポリライト(登録商標)OD−X−2900、水酸基価53.4mgKOH/g)52.74gと、カルボキシ基含有ジオールである2,2−ジメチロールプロパン酸(パーストープ社製)6.57gと、アミン構造含有ジオールであるN−t−ブチルジエタノールアミン(東京化成工業株式会社製)3.95gと、上記以外のジオールである9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(大阪ガスケミカル株式会社製、商品名BPEF)11.23gと、ジイソシアネート化合物であるメチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(三井化学株式会社製)34.54gと、溶媒であるγ−ブチロラクトン(三菱化学株式会社製)110.0gとを仕込んだ。
140〜150℃で8.0時間反応を行った後に、イソシアナト基のC=O伸縮振動に由来する吸収がほぼ観測されなくなったことを赤外分光法(IR)により確認したら、メチルエチルケトンオキシム(宇部興産株式会社製)1.0gを反応溶液に滴下し、さらに100℃で30分間反応を行った。これにより、カルボキシ基及びエステル結合を有するポリウレタンを含有する溶液(以下、「ポリウレタン溶液A3」と記す。)を得た。
得られたポリウレタン溶液A3の粘度は80964mPa・sであった。また、ポリウレタン溶液A3中に含有されるカルボキシ基を有するポリウレタン(以下、「ポリウレタンAU3」と記す。)の数平均分子量(Mn)は11646、重量平均分子量(Mw)は45612であり、分子量分布の広がりを表すパラメータMz/Mwは1.92と算出された。ポリウレタンAU3の酸価は25.0mgKOH/gであった。
また、実施合成例1と同様の方法により、ポリウレタンAU3のアミン構造とカルボキシ基の量比x/yは、0.5と算出された。この値を表2に示す。
また、実施合成例1と同様の方法により、ポリウレタンAU3の芳香環濃度は、1.80mmol/gと算出された。この値を表2に示す。
(実施合成例4)
攪拌装置、温度計及びコンデンサーを備えた反応容器に、ポリエステルジオール(DIC株式会社製のポリライト(登録商標)OD−X−2900、水酸基価53.4mgKOH/g)56.62gと、カルボキシ基含有ジオールである2,2−ジメチロールプロパン酸(パーストープ社製)6.60gと、アミン構造含有ジオールであるN−メチルジエタノールアミン(東京化成工業株式会社製)1.47gと、上記以外のジオールである9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(大阪ガスケミカル株式会社製、商品名BPEF)12.05gと、ジイソシアネート化合物であるメチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(三井化学株式会社製)32.28gと、溶媒であるγ−ブチロラクトン(三菱化学株式会社製)110.0gとを仕込んだ。
140〜150℃で12.0時間反応を行った後に、イソシアナト基のC=O伸縮振動に由来する吸収がほぼ観測されなくなったことを赤外分光法(IR)により確認したら、メチルエチルケトンオキシム(宇部興産株式会社製)1.0gを反応溶液に滴下し、さらに100℃で30分間反応を行った。これにより、カルボキシ基及びエステル結合を有するポリウレタンを含有する溶液(以下、「ポリウレタン溶液A4」と記す。)を得た。
得られたポリウレタン溶液A4の粘度は142083mPa・sであった。また、ポリウレタン溶液A4中に含有されるカルボキシ基を有するポリウレタン(以下、「ポリウレタンAU4」と記す。)の数平均分子量(Mn)は5925、重量平均分子量(Mw)は23385であり、分子量分布の広がりを表すパラメータMz/Mwは1.69と算出された。ポリウレタンAU4の酸価は25.0mgKOH/gであった。
また、実施合成例1と同様の方法により、ポリウレタンAU4のアミン構造とカルボキシ基の量比x/yは、0.25と算出された。この値を表2に示す。
また、実施合成例1と同様の方法により、ポリウレタンAU4の芳香環濃度は、3.09mmol/gと算出された。この値を表2に示す。
(実施合成例5)
攪拌装置、温度計及びコンデンサーを備えた反応容器に、ポリエステルジオール(DIC株式会社製のポリライト(登録商標)OD−X−2900、水酸基価53.4mgKOH/g)56.62gと、カルボキシ基含有ジオールである2,2−ジメチロールプロパン酸(パーストープ社製)6.79gと、アミン構造含有ジオールであるN−フェニルジエタノールアミン(東京化成工業株式会社製)4.94gと、上記以外のジオールである9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(大阪ガスケミカル株式会社製、商品名BPEF)10.14gと、ジイソシアネート化合物であるメチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(三井化学株式会社製)34.54gと、溶媒であるγ−ブチロラクトン(三菱化学株式会社製)110.0gとを仕込んだ。
140〜150℃で5.0時間反応を行った後に、イソシアナト基のC=O伸縮振動に由来する吸収がほぼ観測されなくなったことを赤外分光法(IR)により確認したら、メチルエチルケトンオキシム(宇部興産株式会社製)1.0gを反応溶液に滴下し、さらに100℃で30分間反応を行った。これにより、カルボキシ基及びエステル結合を有するポリウレタンを含有する溶液(以下、「ポリウレタン溶液A5」と記す。)を得た。
得られたポリウレタン溶液A5の粘度は12300mPa・sであった。また、ポリウレタン溶液A5中に含有されるカルボキシ基を有するポリウレタン(以下、「ポリウレタンAU5」と記す。)の数平均分子量(Mn)は12000、重量平均分子量(Mw)は25200であり、分子量分布の広がりを表すパラメータMz/Mwは3.22と算出された。ポリウレタンAU5の酸価は25.0mgKOH/gであった。
また、実施合成例1と同様の方法により、ポリウレタンAU5のアミン構造とカルボキシ基の量比x/yは、0.5と算出された。この値を表2に示す。
また、実施合成例1と同様の方法により、ポリウレタンAU5の芳香環濃度は、2.789mmol/gと算出された。この値を表2に示す。
(実施合成例6)
攪拌装置、温度計及びコンデンサーを備えた反応容器に、ポリエステルジオール(DIC株式会社製のポリライト(登録商標)OD−X−2900、水酸基価53.4mgKOH/g)28.18gと、カルボキシ基含有ジオールである2,2−ジメチロールプロパン酸(パーストープ社製)6.57gと、アミン構造含有ジオールであるN−メチルジエタノールアミン(東京化成工業株式会社製)11.68gと、上記以外のジオールである9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(大阪ガスケミカル株式会社製、商品名BPEF)10.91gと、ジイソシアネート化合物であるメチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(三井化学株式会社製)51.61gと、溶媒であるγ−ブチロラクトン(三菱化学株式会社製)110.0gとを仕込んだ。
140〜150℃で12.0時間反応を行った後に、イソシアナト基のC=O伸縮振動に由来する吸収がほぼ観測されなくなったことを赤外分光法(IR)により確認したら、メチルエチルケトンオキシム(宇部興産株式会社製)1.0gを反応溶液に滴下し、さらに100℃で30分間反応を行った。これにより、カルボキシ基及びエステル結合を有するポリウレタンを含有する溶液(以下、「ポリウレタン溶液A6」と記す。)を得た。
得られたポリウレタン溶液A6の粘度は189000mPa・sであった。また、ポリウレタン溶液A6中に含有されるカルボキシ基を有するポリウレタン(以下、「ポリウレタンAU6」と記す。)の数平均分子量(Mn)は9500、重量平均分子量(Mw)は34800であり、分子量分布の広がりを表すパラメータMz/Mwは3.62と算出された。ポリウレタンAU6の酸価は25.0mgKOH/gであった。
また、実施合成例1と同様の方法により、ポリウレタンAU6のアミン構造とカルボキシ基の量比x/yは、0.47と算出された。この値を表2に示す。
また、実施合成例1と同様の方法により、ポリウレタンAU6の芳香環濃度は、2.52mmol/gと算出された。この値を表2に示す。
(比較合成例1)
攪拌装置、温度計及びコンデンサーを備えた反応容器に、ポリエステルジオール(DIC株式会社製のポリライト(登録商標)OD−X−2900、水酸基価53.4mgKOH/g)65.61gと、カルボキシ基含有ジオールである2,2−ジメチロールプロパン酸(パーストープ社製)5.27gと、上記以外のジオールである9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(大阪ガスケミカル株式会社製、商品名BPEF)11.23gと、ジイソシアネート化合物であるメチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(三井化学株式会社製)26.78gと、溶媒であるγ−ブチロラクトン(三菱化学株式会社製)110.0gとを仕込んだ。
140〜150℃で12.0時間反応を行った後に、イソシアナト基のC=O伸縮振動に由来する吸収がほぼ観測されなくなったことを赤外分光法(IR)により確認したら、メチルエチルケトンオキシム(宇部興産株式会社製)1.0gを反応溶液に滴下し、さらに100℃で30分間反応を行った。これにより、カルボキシ基及びエステル結合を有するポリウレタンを含有する溶液(以下、「ポリウレタン溶液B1」と記す。)を得た。
得られたポリウレタン溶液B1の粘度は124000mPa・sであった。また、ポリウレタン溶液B1中に含有されるカルボキシ基を有するポリウレタン(以下、「ポリウレタンBU1」と記す。)の数平均分子量(Mn)は14000、重量平均分子量(Mw)は98000であり、分子量分布の広がりを表すパラメータMz/Mwは2.69と算出された。ポリウレタンBU1の酸価は25.0mgKOH/gであった。
また、実施合成例1と同様の方法により、ポリウレタンBU1のアミン構造とカルボキシ基の量比x/yは、0と算出された。この値を表2に示す。
また、実施合成例1と同様の方法により、ポリウレタンBU1の芳香環濃度は、3.21mmol/gと算出された。この値を表2に示す。
(酸価の測定)
合成したポリウレタンの酸価の測定方法について説明する。ポリウレタン溶液中の溶媒を加熱下で減圧留去してポリウレタンを得て、JIS K0070に規定された電位差滴定法に準拠して酸価を測定した。電位差滴定法による酸価の測定には、例えば、京都電子工業社製の電位差自動滴定装置AT−510と複合ガラス電極C−173を用いることができる。
(ポリウレタンの数平均分子量、重量平均分子量の測定)
ポリウレタンの数平均分子量、重量平均分子量は、GPCで測定したポリスチレン換算の数平均分子量、重量平均分子量である。GPCの測定条件は、前述の通りである。
(ポリウレタン溶液の粘度の測定)
ポリウレタン溶液の粘度は、コーン/プレート型粘度計(Brookfield社製、型式DV−II+Pro、スピンドルの型番CPE−52)を用いて、温度25.0℃、回転速度5rpmの条件で測定した。なお、測定値は、スピンドルの回転開始から7分経過後に測定した粘度である。また、粘度の測定においては、ポリウレタン溶液を約0.8g使用した。
<主剤配合物の製造>
ポリウレタン溶液A1にγ−ブチロラクトンを添加して固形分濃度を40質量%に調整したもの160.0質量部と、シリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製、商品名アエロジルR−974)6.3質量部と、硬化促進剤であるメラミン(日産化学工業株式会社製)0.72質量部と、ジエチレングリコールジエチルエーテル8.4質量部とを、三本ロールミル(株式会社井上製作所製、型式S−4 3/4×11)を用いて混合した。そこに、消泡剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、商品名TSA750S)2.0質量部を添加して、スパチュラを用いて混合して、主剤配合物C1を得た。
ポリウレタン溶液に含有されるポリウレタンが有するカルボキシ基と硬化促進剤とが同モル量になるように、硬化促進剤の添加量を調整した点以外は、主剤配合物C1と同様にして、ポリウレタン溶液A2〜A6又はB1と上記の他の成分とを混合して、主剤配合物C2〜C6及びD1をそれぞれ得た。ポリウレタン溶液に含有されるポリウレタンが有するカルボキシ基のモル量は、ポリウレタンの酸価を用いて算出した。
<硬化剤溶液の製造>
攪拌装置、温度計及びコンデンサーを備えた容器に、表1に示すエポキシ化合物(硬化剤)と、溶解後のエポキシ化合物の濃度が12質量%となる量のジエチレングリコールジエチルエーテルを投入し、攪拌しながら容器の内温を40℃に昇温した後に、30分間攪拌を継続した。エポキシ化合物が完全に溶解したことを確認したら容器の内温を室温まで冷却し、エポキシ化合物溶液を得た。これらのエポキシ化合物溶液を硬化剤溶液E1〜E10とする。なお、各エポキシ化合物の化学式を以下に示す。エポキシ化合物と化学式の対応は、表1に示すとおりである。
Figure 2021095478
Figure 2021095478
Figure 2021095478
Figure 2021095478
Figure 2021095478
Figure 2021095478
Figure 2021095478
Figure 2021095478
<硬化性組成物の製造>
90.0質量部の主剤配合物C1と5.9質量部の硬化剤溶液E1とをプラスチック容器に入れ、スパーテルを用いて室温で5分間攪拌して混合し、硬化性組成物F1を得た。
また、表2に示すように、主剤配合物として主剤配合物C1〜C6及びD1のいずれかを用い、硬化剤溶液として硬化剤溶液E1〜E10のいずれかを用い、硬化剤溶液の量を表2に示すとおりとして、硬化性組成物F1の場合と同様の操作により硬化性組成物F2〜F13及びG1〜G10を得た。
Figure 2021095478
<オーバーコート膜とフレキシブル配線板の評価>
硬化性組成物F1〜F13及びG1〜G10を用いて、オーバーコート膜を有するフレキシブル配線板(実施例1〜13及び比較例1〜10)を製造し、可撓性、印刷時に発生する汚染物、付着性、保存安定性(増粘性)、長期絶縁信頼性、及び塩素原子の含有量の評価を行った。
(可撓性の評価)
フレキシブル銅張り積層板(住友金属鉱山株式会社製、グレード名:エスパーフレックス、銅厚8μm、ポリイミド厚38μm、PETフィルムで裏打ち)の銅上に、幅75mm、長さ110mmの大きさで、且つ、硬化後の膜厚が10μmになるように、硬化性組成物をスクリーン印刷により塗工した。硬化性組成物が印刷されたフレキシブル銅張り積層板を、室温で10分間保持した後に、温度120℃の熱風循環式乾燥機に60分間入れて、硬化性組成物を硬化させた。
フレキシブル銅張り積層板の裏打ちのPETフィルムを剥離した後、カッターナイフで切り出して幅10mm、長さ30mmの短冊状の試験片を作製した。硬化物の膜が形成された面が外側になるように試験片を約180度折り曲げ、圧縮機を用いて0.5±0.2MPaの圧力で3秒間圧縮した。そして、試験片の屈曲部を曲げた状態で、顕微鏡を用いて30倍に拡大して硬化物の膜を観察し、クラックの発生の有無を確認した。評価結果を表3に記す。
Figure 2021095478
(印刷時に発生する汚染物の評価)
フレキシブル銅張り積層板(住友金属鉱山株式会社製、グレード名:エスパーフレックス、銅厚8μm、ポリイミド厚38μm)のポリイミド上に、乾燥後の膜厚が10μmになるように、硬化性組成物をスクリーン印刷により塗工した。硬化性組成物が印刷されたフレキシブル銅張り積層板を室温で10分間保持し、その後に温度120℃の熱風循環式乾燥機に60分間入れて、硬化性組成物を硬化(1次硬化)させてオーバーコート膜を作製し、試験片とした。
上記試験片を、オーバーコート膜が形成されている面を内側にしてV字状に折り曲げ、ガラス製プレパラート上に置いた。その際には、試験片のオーバーコート膜が形成されている面とガラス製プレパラートの板面とが対向するようにした。すなわち、V字状に折り曲げられた試験片の2つの端部が、ガラス製プレパラートの板面に接し、屈曲部がガラス製プレパラートの板面から最も離れた位置に配されるように、試験片をガラス製プレパラート上に置いた。そして、試験片の屈曲部とガラス製プレパラートの板面との距離が5mmとなるように、屈曲部の折り曲げ角度を調整して、試験片の2つの端部をガラス製プレパラートの板面にポリイミドテープで固定した。これにより、試験片上のオーバーコート膜とガラス製プレパラートの板面とは直接接触しない状態となる。
続いて、試験片の屈曲部に対して、250℃に加熱された加熱体(圧着機(SEIWA社製ZH−50))を、上方からガラス製プレパラートの板面に向かって垂直に押し当て、試験片の屈曲部とガラス製プレパラートの板面との距離が4mmとなったところで静止させ、30秒間保持した。
次に、ガラス製プレパラートに付着した油状物を目視で確認することで、染物の発生を評価した。評価結果を表3に示す。
表3においては、付着物が確認されなかった場合は「A」、若干の付着物が確認された場合は「B」、付着物が確認された場合は「C」で示してある。
(付着性の評価)
上記試験片上のオーバーコート膜に、アセトンを十分に含ませた綿棒を約100gの荷重を掛けて押しつけた状態で、1cmの距離を10往復擦った。そして、綿棒に色が付着するか否か目視で確認した。評価結果を表3に示す。
表3においては、綿棒に着色が確認されなかった場合は「A」、綿棒が僅かに着色するか又はオーバーコート膜に擦り跡が残った場合は「B」、綿棒に着色が確認されるか又は試験片のベース基材が露出した場合は「C」で示してある。
(保存安定性(増粘率)の評価)
主剤配合物と硬化剤溶液を混合して硬化性組成物を得るが、混合10分後の硬化性組成物と混合24時間後の硬化性組成物を測定対象とし、増粘率を算出した。増粘率は、混合10分後の硬化性組成物の粘度に対する混合24時間後の硬化性組成物の粘度の百分率である。評価結果を表3に示す。
なお、硬化性組成物の粘度は、コーン/プレート型粘度計(Brookfield社製、型式DV−II+Pro、スピンドルの型番CPE−52)を用いて、温度25.0℃、回転速度5rpmで回転させ、回転開始から7分経過後に測定した。
(長期絶縁信頼性の評価)
フレキシブル銅張り積層板(住友金属鉱山株式会社製、グレード名:エスパーフレックスUS、銅厚8μm、ポリイミド厚38μm)をエッチングして、一般社団法人日本電子回路工業会(JPCA)の規格であるJPCA−ET01に記載の微細くし形パターン形状の基板(銅配線幅/銅配線間隔=10μm/10μm)とし、さらにこの微細くし形パターン形状の基板に錫メッキ処理を施してフレキシブル配線板を製造した。
次に、このフレキシブル配線板上に硬化性組成物をスクリーン印刷法により塗工した。印刷された硬化性組成物の膜の厚さは、ポリイミド面上の硬化性組成物の膜の乾燥後の厚さが10μmとなるような厚さとした。
こうして得られたフレキシブル配線板を、温度80℃の熱風循環式乾燥機に30分間入れ、その後、温度120℃の熱風循環式乾燥機に120分間入れることにより、フレキシブル配線板上に形成された硬化性組成物の膜を硬化させた。
そして、この試験片に、IMV社製のMIGRATION TESTER MODEL MIG−8600を用いてバイアス電圧60Vを印加し、温度120℃、湿度85%RHの条件で温湿度定常試験を行った。温湿度定常試験をスタートしてから96時間後に、フレキシブル配線板の短絡の有無を確認した。5つの試験片について上記試験を行い、5つの試験片中の短絡(絶縁破壊)が確認された試験片の数で長期絶縁信頼性を評価した。評価結果を表3に示す。
(塩素原子の含有量の評価)
硬化性組成物中の塩素原子の含有量を、硬化性組成物の硬化物を800℃以上の高温で燃焼・分解させ、その分解ガスを超純水に吸収させてイオンクロマトグラフィーで定量することによって測定した。
イオンクロマトグラフィーは、ダイオネクス社製のイオンクロマトグラフ装置IC−1000とイオンクロマトグラフィー用カラムIonPac(登録商標)AS12A(4mm)を用いて行った。
溶離液は、濃度0.3mMの炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)水溶液と濃度2.7mMの炭酸水素ナトリウム(Na2CO3)水溶液の混合溶液であり、流量は1.5mL/minである。評価結果を表3に示す。
表3に示す結果から、硬化性組成物F1〜F13の硬化物からなるオーバーコート膜を有するフレキシブル配線板(実施例1〜13)は、硬化性組成物G1〜G10の硬化物からなるオーバーコート膜を有するフレキシブル配線板(比較例1〜10)と同等以上の優れた印刷性を有するとともに、十分な保存安定性(低増粘性)を有し、且つ、優れた可撓性、低汚染性、低付着性、低含有塩素原子量、及び長期絶縁信頼性を有することが分かる。よって、硬化性組成物F1〜F13の硬化物からなる膜は、フレキシブル配線板用の絶縁保護膜として有用である。

Claims (18)

  1. 下記式(1)で表される第1のウレタン構造単位、下記式(2)で表される第2のウレタン構造単位、及び下記式(3)で表される第3のウレタン構造単位を有し、
    下記式(1)中のx個のR1は、それぞれ独立して炭素数6以上14以下の2価の有機基を示し、x個のR2は、それぞれ独立して炭素数1以上14以下の有機基を示し、x個のR3は、それぞれ独立して炭素数1以上14以下の2価の有機基を示し、x個のR4は、それぞれ独立して炭素数1以上14以下の2価の有機基を示し、xは1以上の整数であり、
    下記式(2)中のy個のR5は、それぞれ独立して炭素数6以上14以下の2価の有機基を示し、y個のR6は、それぞれ独立して炭素数1以上14以下の3価の有機基を示し、yは1以上の整数であり、
    下記式(3)中のz個のR7は、それぞれ独立して炭素数6以上14以下の2価の有機基を示し、z個のR8は、それぞれ独立して炭素数1以上300以下の2価の有機基を示し、zは1以上の整数であり、
    前記第3のウレタン構造単位は、前記第1のウレタン構造単位及び前記第2のウレタン構造単位とは異なる化学構造を有するポリウレタン。
    Figure 2021095478
    Figure 2021095478
    Figure 2021095478
  2. 前記式(3)中のz個のR8のうち少なくとも1個が、下記式(4)で表される化学構造を有し、下記式(4)中のp及びqは、それぞれ独立して1以上8以下の整数である請求項1に記載のポリウレタン。
    Figure 2021095478
  3. 前記式(1)中のxの前記式(2)中のyに対する比x/yが、0.1以上1.0以下である請求項1又は請求項2に記載のポリウレタン。
  4. 数平均分子量が3000以上30000以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリウレタン。
  5. 酸価が10mgKOH/g以上70mgKOH/g以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリウレタン。
  6. 芳香環濃度が0.1mmol/g以上5.0mmol/g以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリウレタン。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリウレタン(a)と、溶剤(b)と、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(c)と、を含有する硬化性組成物。
  8. 塩素原子の含有量が0.01質量ppm以上800質量ppm以下である請求項7に記載の硬化性組成物。
  9. 前記エポキシ化合物(c)は分子中にアミン構造を有しない請求項7又は請求項8に記載の硬化性組成物。
  10. 前記分子中にアミン構造を有しないエポキシ化合物(c)が含有する塩素原子の含有量が0.1質量ppm以上3000質量ppm以下である請求項9に記載の硬化性組成物。
  11. 前記硬化性組成物の総量に対する前記溶剤(b)の含有量の割合が25質量%以上75質量%以下であり、前記ポリウレタン(a)と前記エポキシ化合物(c)との総量に対する前記ポリウレタン(a)の含有量の割合が60質量%以上99.9質量%以下である請求項7〜10のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  12. 無機微粒子及び有機微粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種の微粒子(d)をさらに含有する請求項7〜11のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  13. 前記硬化性組成物の総量に対する前記微粒子(d)の含有量の割合が0.1質量%以上60質量%以下である請求項12に記載の硬化性組成物。
  14. 請求項7〜13のいずれか一項に記載の硬化性組成物の硬化物。
  15. 請求項14に記載の硬化物を含有するオーバーコート膜。
  16. 配線が形成されたフレキシブル基板の表面のうち前記配線が形成されている部分が、請求項15に記載のオーバーコート膜によって被覆されたフレキシブル配線板。
  17. 前記配線が錫メッキ銅配線である請求項16に記載のフレキシブル配線板。
  18. 請求項7〜13のいずれか一項に記載の硬化性組成物を、配線が形成されたフレキシブル基板の表面のうち前記配線が形成されている部分に膜状に配した後に、前記膜状の硬化性組成物を硬化させてオーバーコート膜とするフレキシブル配線板の製造方法。
JP2019226623A 2019-12-16 2019-12-16 ポリウレタン及び硬化性組成物 Withdrawn JP2021095478A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019226623A JP2021095478A (ja) 2019-12-16 2019-12-16 ポリウレタン及び硬化性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019226623A JP2021095478A (ja) 2019-12-16 2019-12-16 ポリウレタン及び硬化性組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021095478A true JP2021095478A (ja) 2021-06-24

Family

ID=76430664

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019226623A Withdrawn JP2021095478A (ja) 2019-12-16 2019-12-16 ポリウレタン及び硬化性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021095478A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108368336B (zh) 固化性组合物、固化物、外涂膜、覆盖柔性配线板及其制造方法
KR102070736B1 (ko) 신규 폴리우레탄, 경화성 조성물, 오버코트막, 플렉시블 배선판 및 그 제조 방법
JP6882264B2 (ja) 硬化性組成物、該組成物を用いる硬化膜およびオーバーコート膜
WO2011096295A1 (ja) 熱硬化性組成物
JP5796961B2 (ja) 硬化性組成物
WO2021005914A1 (ja) 硬化物、オーバーコート膜、及びフレキシブル配線板
JP2021095478A (ja) ポリウレタン及び硬化性組成物
JP2021012123A (ja) 硬化物特性値推定方法
JP2021127375A (ja) ポリウレタン及び硬化性組成物
WO2020246154A1 (ja) ポリウレタンの製造方法及びフレキシブル配線板用オーバーコート膜の製造方法
WO2020246221A1 (ja) ポリウレタンの製造方法及びフレキシブル配線板用オーバーコート膜の製造方法
KR102112436B1 (ko) 경화성 조성물, 해당 조성물을 사용하는 경화막 및 오버코팅막
TWI757764B (zh) 聚胺基甲酸酯及硬化性組成物
JP7521814B2 (ja) 硬化性組成物、硬化物、オーバーコート膜、並びにフレキシブル配線板及びその製造方法
JP2021095458A (ja) ポリウレタン及び硬化性組成物
JP2021011545A (ja) ポリウレタン及び硬化性組成物
WO2020137347A1 (ja) ポリウレタンの製造方法、硬化性組成物の製造方法、硬化物の製造方法、オーバーコート膜の製造方法、及びフレキシブル配線板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20210701