JP2021095420A - エピナスチン又はその塩を含有する水性医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、β遮断薬を、アルギン酸を含有する水溶液に加えてpHを6〜8に調整することによって投与後の作用時間の延長効果があることが記載されている。また、特許文献2には、β遮断薬に糖アルコールを含有させることにより、薬物の眼内移行性を向上することが記載されている。しかしながら、低級脂肪族カルボン酸の添加により、エピナスチンまたはその塩の眼組織への移行を向上させて、眼組織中の有効濃度を維持させるとの報告はない。
(1)エピナスチン又はその塩と、低級脂肪族カルボン酸類とを含有する水性医薬組成物。
(2)エピナスチン又はその塩が、エピナスチン塩酸塩である、(1)に記載の水性医薬組成物。
(3)エピナスチン又はその塩の濃度が、0.01〜5%(w/v)である、(1)又は(2)に記載の水性医薬組成物。
(4)エピナスチン又はその塩の濃度が、0.05%(w/v)以上である、(1)又は(2)に記載の水性医薬組成物。
(5)エピナスチン又はその塩の濃度が、0.1%(w/v)である、(1)〜(4)のいずれか1つに記載の水性医薬組成物。
(6)低級脂肪族カルボン酸類が、酢酸、クエン酸、エデト酸、ソルビン酸、ε−アミノカプロン酸及びそれらの塩からなる群より選択される1種以上である、(1)〜(5)のいずれか1つに記載の水性医薬組成物。
(7)低級脂肪族カルボン酸類が、ソルビン酸又はその塩である、(1)〜(6)のいずれか1つに記載の水性医薬組成物。
(8)ソルビン酸又はその塩の濃度が、0.01〜2%(w/v)である、(6)又は(7)に記載の水性医薬組成物。
(9)低級脂肪族カルボン酸類が、クエン酸又はその塩である、(1)〜(6)のいずれか1つに記載の水性医薬組成物。
(10)クエン酸又はその塩の濃度が、0.01〜3.5%(w/v)である、(6)又は(9)に記載の水性医薬組成物。
(11)低級脂肪族カルボン酸類が、ε−アミノカプロン酸又はその塩である、(1)〜(6)のいずれか1つに記載の水性医薬組成物。
(12)ε−アミノカプロン酸又はその塩の濃度が、0.01〜1%(w/v)である、(6)又は(11)に記載の水性医薬組成物。
(13)さらに等張化剤を含有する、(1)〜(12)のいずれか1つに記載の水性医薬組成物。
(14)眼科用である、(1)〜(13)のいずれか1つに記載の水性医薬組成物。
(15)点眼剤である、(1)〜(14)のいずれか1つに記載の水性医薬組成物。
(16)有効成分としてエピナスチン又はその塩を含有する水性医薬組成物に、低級脂肪族カルボン酸類を配合することによって、エピナスチン又はその塩の眼組織への移行性を向上させる方法。
(17)低級脂肪族カルボン酸類が、酢酸、クエン酸、エデト酸、ソルビン酸、ε−アミノカプロン酸及びそれらの塩からなる群より選択される1種以上である、(16)に記載の方法。
(18)低級脂肪族カルボン酸類が、ソルビン酸又はその塩である、(16)又は(17)に記載の方法。
(19)低級脂肪族カルボン酸類が、クエン酸又はその塩である、(16)又は(17)に記載の方法。
(20)低級脂肪族カルボン酸類が、ε−アミノカプロン酸又はその塩である、(16)又は(17)に記載の方法。
(21)眼組織が結膜である、(16)〜(20)のいずれか1つに記載の方法。
なお、前記(1)から(21)の各構成は、任意に2以上を選択して組み合わせることができる。
(22)治療が必要な患者に、治療上の有効量の(1)〜(15)のいずれかに記載の水性医薬組成物を投与することを特徴とする、アレルギー性疾患の治療方法。
(23)アレルギー性疾患の治療に使用する、(1)〜(15)のいずれかに記載の水性医薬組成物。
(24)アレルギー性疾患を治療するための医薬を製造するための、(1)〜(15)のいずれかに記載の水性医薬組成物の使用。
無機酸との塩としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。
有機酸との塩としては、酢酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、グルコン酸、グルコヘプト酸、グルクロン酸、テレフタル酸、メタンスルホン酸、アラニン、乳酸、馬尿酸、1,2−エタンジスルホン酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸、オレイン酸、没食子酸、パモ酸、ポリガラクツロン酸、ステアリン酸、タンニン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸ラウリル、硫酸メチル、ナフタレンスルホン酸、スルホサリチル酸等との塩が挙げられる。
エピナスチンの塩としては、一塩酸塩(エピナスチン塩酸塩)が特に好ましい。
低級脂肪族カルボン酸類のカルボキシル基の数は、特に限定されないが、1〜4個が好ましく、1〜3個がより好ましい。また、低級脂肪族カルボン酸類の炭素数は、15個以下であればよく、好ましくは2〜12個であり、より好ましくは4〜10個である。
また、低級脂肪族カルボン酸類は、カルボキシル基以外にも置換基を有していてもよく、置換基の数や種類は特に限定されない。置換基としては例えば、アミノ基、水酸基等が挙げられる。
また本発明の水性医薬組成物において、低級脂肪族カルボン酸類は、1種または2種以上一緒に用いてもよい。
また本発明の水性医薬組成物に緩衝剤を配合する場合には、緩衝剤を1種または2種以上一緒に用いてもよい。
また本発明の水性医薬組成物に粘稠化剤を配合する場合には、粘稠化剤を1種または2種以上一緒に用いてもよい。
また本発明の水性医薬組成物に界面活性剤を配合する場合には、界面活性剤を1種または2種以上一緒に用いてもよい。
また本発明の水性医薬組成物に等張化剤を配合する場合には、等張化剤を1種または2種以上一緒に用いてもよい。
また本発明の水性医薬組成物に安定化剤を配合する場合には、安定化剤を1種または2種以上一緒に用いてもよい。
また本発明の水性医薬組成物に抗酸化剤を配合する場合には、抗酸化剤を1種または2種以上一緒に用いてもよい。
以下に本発明の代表的な製剤例を示す。なお、下記製剤例において各成分の配合量は製剤1mL中の含量である。
エピナスチン塩酸塩 1mg
ソルビン酸 5mg
塩化ナトリウム 5mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 7.0
エピナスチン塩酸塩 0.5mg
ソルビン酸 5mg
塩化ナトリウム 5mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 7.0
エピナスチン塩酸塩 0.5mg
ソルビン酸 1mg
ほう酸 1mg
塩化ナトリウム 5mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 7.0
エピナスチン塩酸塩 1mg
エデト酸ナトリウム水和物 1mg
ほう酸 0.5mg
クエン酸ナトリウム 1mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 7.0
エピナスチン塩酸塩 1mg
エデト酸ナトリウム水和物 0.5mg
ε−アミノカプロン酸 2mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 7.0
エピナスチン塩酸塩 1mg
ε−アミノカプロン酸 3mg
塩化ナトリウム 9mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 7.0
エピナスチン塩酸塩 1mg
クエン酸ナトリウム水和物 10mg
塩化ナトリウム 5mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 7.0
エピナスチン塩酸塩 1mg
エデト酸ナトリウム水和物 1mg
塩化ナトリウム 8mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 7.0
1.眼内動態試験(1)
(1)被験製剤の調製
下表1の濃度になるように、エピナスチン塩酸塩、ソルビン酸、塩化ナトリウムを水に溶解し、pH調節剤(希塩酸および/または水酸化ナトリウム)と水を加えて全量を10mLとし、濾過滅菌を行うことにより、実施例1の製剤(pH7.0)を調製した。
また、実施例1の製剤の調製方法と同様の方法にて、下表1の比較例1及び比較例2の製剤を調製した。なお、比較例1及び比較例2の塩化ナトリウムの含有量は、実施例1の浸透圧に合わせるために適宜調整した。
各被験製剤5μLをラットに1回点眼投与し(n=4〜6)、点眼投与後1時間および4時間の時点で屠殺処分後の眼球を摘出した。その結膜中のエピナスチン濃度を測定し、平均値を算出した。
(1)被験製剤の調製
実施例1の製剤の調製方法と同様の方法にて、下表3の実施例2及び実施例3の製剤を調製した。また、比較対象として比較例1を再度調製した。なお、実施例2及び実施例3の塩化ナトリウムの含有量は、比較例1の浸透圧に合わせるために適宜調整した。
各被験製剤5μLをラットに1回点眼投与し(n=6)、点眼投与後1時間の時点で屠殺処分後の眼球を摘出した。その結膜中のエピナスチン濃度を測定し、平均値を算出した。
Claims (9)
- 0.1%(w/v)濃度のエピナスチン又はその塩と、クエン酸又はその塩とを含有する水性医薬組成物。
- エピナスチン又はその塩が、エピナスチン塩酸塩である、請求項1に記載の水性医薬組成物。
- クエン酸又はその塩の濃度が、0.01〜3.5%(w/v)である、請求項1又は2に記載の水性医薬組成物。
- さらに等張化剤を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性医薬組成物。
- 眼科用である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性医薬組成物。
- 点眼剤である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の水性医薬組成物。
- 眼組織への移行性を向上させるための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の水性医薬組成物。
- 0.1%(w/v)濃度のエピナスチン又はその塩を含有する水性医薬組成物に、クエン酸又はその塩を配合することによって、エピナスチン又はその塩の眼組織への移行性を向上させる方法。
- 眼組織が結膜である、請求項8に記載の方法。
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