JP2021095178A - 電子線殺菌装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器とグリッパとを電子線を用いて十分に殺菌することが可能な装置および方法を提供すること。【解決手段】電子線殺菌装置10は、第1グリッパ31が設けられた第1回転体13と、第1グリッパから容器を受け取る第2グリッパ32が設けられた第2回転体14と、第1グリッパに把持された状態の容器に対して電子線を照射する第1照射部41と、第2グリッパに把持された状態の容器に対して電子線を照射する第2照射部42と、容器を把持していない状態の第2グリッパに対して電子線を照射するグリッパ照射部43とを備える。第1グリッパおよび第2グリッパはそれぞれ、容器を間に受け入れ、両側から閉じて首部を挟む一対の爪を含む。一対の爪は、首部に接触または近接する把持領域を含む。グリッパ照射部は、第2回転体の回転に伴い移動する第2グリッパに対して、少なくとも把持領域に亘り電子線を照射する。【選択図】図1

Description

本開示は、例えば、飲料、食品、医薬品等が充填される容器を電子線により殺菌する装置および方法に関する。
樹脂製のボトル状の容器の内面および外面を、コストを抑えつつ確実に殺菌するための技術開発が続けられている。かかるボトル容器は、プリフォームと呼ばれる前駆体からブロー成形により形成される。このプリフォームに対する殺菌も行われている(特許文献1)。
特許文献1では、プリフォームに対して行う予備殺菌に続いて、ブロー成形により得られた容器に対する本殺菌が行われる。特許文献1によると、予備殺菌は、プリフォームを連続走行させながら、予備殺菌温度まで予熱し、予熱したプリフォームに過酸化水素を含んだミストまたはガスを吹き付けることで行われる。その後、さらにプリフォームを成形温度まで加熱し、成形温度に達したプリフォームを同じく連続走行するブロー成形機により容器に成形したならば、成形された容器を連続走行させながら、例えば、過酸化水素、過酢酸、オゾン等を含むミストやガスを吹き付けることで容器の本殺菌を行う。
殺菌処理に用いられる薬剤のコスト、容器のリンス、廃液処理等によるランニングコストを考慮し、薬液をなるべく使用しないで、電子線を用いる殺菌技術が期待されている。
電子線殺菌装置を開示する特許文献2では、回転式搬送機構の回転体(スターホイール)に設けられて容器の首部を把持するグリッパの爪に貫通孔が形成されている。貫通孔は、グリッパの表面から裏面へとグリッパを貫通している。電子線照射装置から発せられ、容器の軸線方向に沿って進行する電子線が、貫通孔を通じてグリッパの裏側にも供給されることにより、殺菌効果が高められている。
特開2016−27989号公報 特開2013−133111号公報
特許文献2のようにグリッパの爪に形成された貫通孔を通じて、グリッパの爪の裏側、つまりグリッパ爪に隠れている容器の部位に電子線が供給されるものの、電子線が到達する領域は、空気への散乱を考慮しても、貫通孔の投影範囲およびその近傍に留まる。
また、容器に接触するグリッパ爪も、殺菌して無菌化しておく必要があるが、特許文献2では、グリッパ爪の表面に照射される電子線が、貫通孔の近傍を除いてグリッパ爪の裏面には照射されない。また、グリッパ爪の内壁と首部との間の隙間が狭いので、グリッパ爪の内壁に十分に電子線を供給することが難しい。グリッパ爪に剛性を確保する必要上、内壁と首部との間の隙間や、貫通孔の径を大きくすることは難しい。
以上より、容器およびグリッパの電子線による殺菌処理には改善の余地がある。
本開示は、プリフォームやボトル等の容器と、容器の首部を把持するグリッパとを電子線を用いて十分に殺菌することが可能な装置および方法を提供することを目的とする。
本開示の電子線殺菌装置は、容器を把持する第1グリッパが設けられた第1回転体と、第1グリッパから容器を受け取る第2グリッパが設けられた第2回転体と、第1グリッパに把持された状態の容器に対し、第1回転体の径方向の外側から内側に向けて電子線を照射する第1照射部と、第2グリッパに把持された状態の容器に対し、第2回転体の径方向の外側から内側に向けて電子線を照射する第2照射部と、容器を把持していない状態の第2グリッパに対し、第2回転体の径方向の外側から内側に向けて電子線を照射するグリッパ照射部と、を備える。
第1グリッパおよび第2グリッパはそれぞれ、容器の首部を間に受け入れ、両側から閉じて首部を挟む一対の爪を含む。
一対の爪は、首部に接触または近接する把持領域を含む。
グリッパ照射部は、第2回転体の回転に伴い移動する第2グリッパに対し、少なくとも把持領域に亘り電子線を照射する。
本開示の他の電子線殺菌装置は、容器を把持する複数の第1グリッパが設けられた第1回転体と、第1グリッパからそれぞれ容器を受け取る複数の第2グリッパが設けられた第2回転体と、
第1グリッパに把持された状態の容器に対し、第1回転体の径方向の外側から内側に向けて電子線を照射する第1照射部と、第2グリッパに把持された状態の容器に対し、第2回転体の径方向の外側から内側に向けて電子線を照射する第2照射部と、第2回転体において周方向に分布している奇数個の第2グリッパに対して、1個おきに第1グリッパから容器が渡される。
上記の電子線殺菌装置のいずれも、電子線殺菌方法に展開することができる。
さらに、本開示は、電子線に代えて紫外線を照射することで容器を殺菌する装置および方法にも展開することができる。
本開示によれば、第1グリッパにより把持された状態の容器の殺菌と、第2グリッパに把持された状態の容器の殺菌とを順次実施し、かつ、容器を把持していない第2グリッパの殺菌をも行うことができるので、容器の外周部の全域に亘り十分に殺菌することができる。
本開示の第1実施形態に係る電子線殺菌装置を模式的に示す平面図である。 図1に示す電子線殺菌装置の回転体に備わるグリッパを示す平面図および斜視図である。 第1回転体の第1グリッパと、第2回転体の第2グリッパとを示す図である。 電子線をそれぞれ照射する第1照射部および第2照射部を示す斜視図である。 グリッパの一対の爪の形状および電子線の出射方向を模式的に示す図である。 第2回転体の回転に伴い移動する空の状態の第2グリッパと、第2グリッパに入射する電子線を模式的に示す図である。 揺動可能な第2グリッパの挙動の例を示す模式図である。 揺動可能な第2グリッパに対する電子線照射の例を示す模式図である。 本開示の第2実施形態に係る電子線殺菌装置を模式的に示す平面図である。 第2実施形態の変形例に係る電子線殺菌装置を模式的に示す平面図である。
以下、添付図面を参照しながら、各実施形態について説明する。
[第1実施形態]
〔装置全体の構成〕
図1に示す電子線殺菌装置10は、電子線を照射することにより、容器2、および容器2を把持可能なグリッパ3を殺菌する。
電子線殺菌装置10は、容器2に飲料、食料、医薬品等の内容物を充填する充填装置16、および容器2を密封する図示しない密封装置と共に、チャンバ17で覆われた無菌充填システム1を構成している。無菌充填システム1は、図示しないブロー成形機等から供給された容器2を複数の回転体11,12等からなる回転式搬送機構により、導入区画101、殺菌区画102、および充填・密封区画103に連続した所定の搬送路100を搬送しながら、容器2の殺菌、充填、および密閉を行う。
チャンバ17の内側は、ブロー成形等の上流工程から容器2が導入される導入区画101と、容器2およびグリッパ3の殺菌が行われる殺菌区画102と、殺菌済みの容器2に内容物を充填し、蓋の装着により容器2を密封する充填・密封区画103とに仕切られている。
容器2は、回転体11,12等にそれぞれ設けられたグリッパ3(図2および図3)により首部21(図3)が把持された状態で、回転体にそれぞれ備わるグリッパ3間を受け渡されながら搬送される。
殺菌区画102において、電子線殺菌装置10により容器2の外周部が電子線の照射により殺菌される。容器2の外周部の殺菌を確実ならしめるため、グリッパ3の殺菌も行われる。
容器2の内部は、電子線殺菌装置10による容器2の外周部の殺菌の前あるいは後において、少なくとも充填される前までに別途行われる。
殺菌区画102よりも前に、容器2の内部を適宜な方法、例えば、過酢酸や過酸化水素、オゾンを含むミストやガス、あるいは電子線、紫外線等を用いて殺菌し、必要に応じて容器2を圧縮空気や無菌状態の水等を用いてリンスする内部殺菌用の区画を設けることができる。
容器2の内部および外部の殺菌は、殺菌用装置の導入や、薬剤等の殺菌用媒体の購入、廃棄等を含めた運用に要するコスト、および要求される殺菌効果指標を考慮して、適宜に採用することができる。
〔容器の構成〕
本実施形態の容器2は、PET(ポリエチレンテレフタラート)等の樹脂材料からボトル状に形成されている。容器2は、図3および図4に示すように、筒状の首部21と、首部21の上方で開口した口部22と、首部21よりも径が大きい胴部23と、胴部23の下側の底部24とを備えている。
首部21は、図示しない蓋が装着されるねじ21Aと、ねじ21Aの下側で首部21の径方向外側に突出した複数の円環状のフランジ21B,21Cとを備えている。
胴部23の横断面の形状は、円形に限らず、矩形等であってもよい。
容器2は、図示しないプリフォームからブロー成形により形成することができる。プリフォームにも、ボトルの首部21と同様の首部が備えられている。プリフォームも、グリッパにより首部が把持された状態で搬送可能である。
本明細書における「容器」には、首部を備えたボトルのほか、首部を備えたプリフォームも含まれるものとする。
プリフォームの内部および外部は、適宜な方法で殺菌することができる。プリフォームの内部のみを例えば過酢酸や過酸化水素、オゾンを含むミストやガス、あるいは電子線、紫外線等を用いて殺菌し、内部の殺菌性を維持したままブロー成形された容器2の外周部を電子線殺菌装置10により殺菌することで、容器2を内部および外周部の全体に亘り殺菌してもよい。あるいは、プリフォームの内部および外部をそれぞれ適宜な方法で殺菌し、内部の殺菌性を維持したままブロー成形された容器2の外周部を電子線殺菌装置10により殺菌するようにしてもよい。
〔電子線殺菌装置の構成〕
電子線殺菌装置10(図1)は、導入区画101に配置される搬送用第1回転体11および搬送用第2回転体12と、殺菌区画102に配置されるいずれも円盤状の第1回転体13および第2回転体14と、第1回転体13により搬送中の容器2に電子線を照射して殺菌する第1照射部41と、第2回転体14により搬送中の容器2に電子線を照射して殺菌する第2照射部42と、第2回転体14に設けられたグリッパ3を殺菌するグリッパ照射部43とを備えている。
(第1グリッパを備えた第1回転体、および第2グリッパを備えた第2回転体)
第1回転体13は、第1回転体13の軸に設けられたモータの回転駆動力により、あるいは、他の回転体の軸に設けられたモータから伝達される回転駆動力により、軸周りに、図1に示す矢印の向きに回転する。第2回転体14も同様である。
第1回転体13には、容器2を把持する複数のグリッパ3(図2および図3)が設けられている。
なお、図1には、搬送中の多数の容器2のうち一部の容器2のみが示されており、また、図示された容器2を把持するグリッパ3のみが示されているが、実際は、それぞれの回転体の全周に亘り、多数のグリッパ3が等しいピッチで分布している。
第1回転体13に設けられたグリッパ3のことを第1グリッパ31と称する。第1回転体13の回転に伴い、第1グリッパ31は第1回転体13の軸周りに周回する。
第2回転体14には、第1グリッパ31から容器2を受け取る複数のグリッパ3(第2グリッパ32と称する)が設けられている。第2グリッパ32は、第2回転体14の全周に亘り、等しいピッチで分布して設けられており、第2回転体14の回転に伴い、第2回転体14の軸周りに周回する。
なお、第1グリッパ31および第2グリッパ32を特定する必要がない場合は、単にグリッパ3と称する。
第1グリッパ31は、搬送用第2回転体12のグリッパ3から受け渡し箇所P1で1本ずつ容器2を受け取った後、第1回転体13の回転に伴い周方向に移動し、第1回転体13と第2回転体14との間の受け渡し箇所P2で容器2を第2グリッパ32へ渡す。容器2を受け取った第2グリッパ32は、第2回転体14の回転に伴い周方向に移動し、受け渡し箇所P3で充填・密封区画103の回転体103Aに設けられている図示しないグリッパへ容器2を渡す。
グリッパ3間で容器2を確実に受け渡すことができるように、グリッパ3が設けられている回転体は、いずれも等しい周速に制御される。
搬送用第2回転体12のグリッパ3、第1グリッパ31、第2グリッパ32、および回転体103Aのグリッパに順次把持される容器2は、図1に破線で示す搬送路100を通過する。
(第1照射部、第2照射部、およびグリッパ照射部)
第1照射部41は、第1グリッパ31に把持された状態の容器2の外周部に対して電子線を照射する。第1照射部41は、搬送路100の受け渡し箇所P1から受け渡し箇所P2までの円弧状の第1区間100A上の適宜な位置を選び、第1区間100Aの近傍に配置されている。この第1照射部41は、第1区間100Aを搬送される容器2に対し、図4に示すように、第1回転体13の径方向D1の外側から内側に向けて電子線を照射する。
第2照射部42は、第2グリッパ32に把持された状態の容器2の外周部に対して電子線を照射する。第2照射部42は、搬送路100の受け渡し箇所P2から受け渡し箇所P3までの円弧状の第2区間100B上の適宜な位置を選び、第2区間100Bの近傍に配置されている。この第2照射部42は、第2区間100Bを搬送される容器2に対し、図4に示すように、第2回転体14の径方向D1の外側から内側に向けて電子線を照射する。
グリッパ照射部43(図1)は、容器2を把持していない状態の第2グリッパ32に電子線を照射する。
第2回転体14の円周方向において受け渡し箇所P3から受け渡し箇所P2までの間は、容器2を把持していない、空の状態の第2グリッパ32が移動する範囲に相当する。グリッパ照射部43は、この範囲における適宜な位置を選び、第2グリッパ32の軌道の近傍に配置されている。このグリッパ照射部43は、第2回転体14の回転に伴い移動する第2グリッパ32に対し、第2回転体14の径方向D1の外側から内側に向けて電子線を照射する。
第1照射部41、第2照射部42、およびグリッパ照射部43には、300keV以下の電子線を放射する低エネルギータイプであって、面内において均一なエネルギー量の電子線を窓から出射可能な電子線放出装置を好ましく用いることができる。低エネルギータイプを採用すると、容器2による電子線の吸収が小さいため、容器2の除電が必ずしも必要ない。
図4を参照し、第1照射部41、第2照射部42、およびグリッパ照射部43に採用可能な低エネルギーでかつ面照射タイプの電子線照射装置40の一例を説明する。
電子線照射装置40は、電子線を発生する電子銃を内蔵する電子加速部401と、電圧印加により電子線を加速させて出射する矩形状の出射窓402と、電子加速部401から出射窓402に対応する平面状の領域まで電子線を拡げながら輸送する電子輸送部403と、図示しない高電圧電源および制御部とを備えている。
電子線照射装置40では、電子銃から発せられた電子ビームのエネルギーの一部がX線に変換される。そのため、電子線照射装置40は、X線を遮蔽するための筐体に収容されている。X線を遮蔽する筐体は、チャンバ17の殺菌区画102であってもよい。
出射窓402からは、長手方向にほぼ均一なエネルギーの電子線が出射される。電子線照射装置40は、出射窓402の長手方向を鉛直方向と一致させて、容器2の搬送路100の近傍に設置されている。出射窓402から出射された電子線は、基本的には出射窓402に対して直交する方向(出射方向D2)へ進行しつつも、大気中の空気分子と衝突しながら散乱され、出射窓402の領域の前方に拡がりながら、出射窓402の前方を通過する容器2、および容器2を把持するグリッパ3へと照射される。
電子線に散乱する成分が存在することで、電子線は、出射方向D2に対して交差する容器2やグリッパ3の部位のみならず、出射方向D2に対して平行な物体の部位(例えば底部24やグリッパ3の表面および裏面)にも入射可能である。
また、首部21とグリッパ3との間の隙間に入射した電子線が、胴部23の上部への反射により、フランジ21B,21Cの裏側にも入射可能である。
第1照射部41、第2照射部42、およびグリッパ照射部43がそれぞれ「径方向D1の外側から内側に向けて電子線を照射する」ことは、電子線の照射方向を厳密に意味するものではない。上述のように電子線が散乱することも考慮し、回転体の径方向D1にほぼ沿う方向に、第1照射部41、第2照射部42、およびグリッパ照射部43からそれぞれ電子線が照射されていれば足りる。
容器2およびグリッパ3へと電子線を十分に、かつ容器2の軸線やグリッパ3に対して対称に照射するために、出射窓402からの電子線が照射される範囲に容器2およびグリッパ3の全体を収めつつ、搬送路100の法線が出射窓402に対して直交するように電子線照射装置40が配置されることが好ましい。
図4に示すように、第1グリッパ31により把持された状態で搬送される容器2が、第1照射部41を通過する間に、容器2の外周部において、第1回転体13の径方向D1外側を向いている約1/2周の領域に電子線が直接的に照射される。容器2の外周部の残りの領域には電子線は照射されない。その後、受け渡し箇所P2で第1グリッパ31から第2グリッパ32へと容器2が持ち替えられる。このとき、グリッパ照射部43により既に殺菌されている第2グリッパ32へと容器2が持ち替えられるので、容器2の首部21における殺菌済の領域は、第2グリッパ32が接触した後も、無菌状態に維持される。
第2グリッパ32への持ち替え後、容器2は、第2回転体14の回転に伴い第2照射部42に向けて移動する。このとき、容器2の外周部における残りの領域が第2回転体14の径方向D1の外側に向いている。つまり、第1グリッパ31により把持されている間は電子線に対して隠れていた容器2の部分は、第2グリッパ32に把持されている間は電子線に対して露出する。そして、図4に示すように、第2グリッパ32により把持された状態で搬送される容器2が第2照射部42を通過する間に、容器2の外周部において電子線が未照射である約1/2周の領域に電子線が直接的に照射される。
以上によれば、第1グリッパ31から第2グリッパ32への受け渡しに先行して第2グリッパ32を殺菌しつつ、第1グリッパ31により把持された状態の容器2の殺菌と、第2グリッパ32に把持された状態の容器2の殺菌とを順次実施することにより、首部21、胴部23、および底部24を含めた容器2の外周部の全域に亘り十分に無菌化することができる。
(グリッパ)
図2〜図5にグリッパ3の一例を示すように、グリッパ3は、板状の基体30と、基体30に対して直交する軸301,302を中心にそれぞれ回転可能に設けられる一対の爪3A,3Bとを備えており、取付具35により第1回転体13や第2回転体14に取り付けられている。
基体30および爪3A,3Bは、ステンレス鋼等の金属材料を用いて形成することができる。
各グリッパ3は、それぞれの軸線3Xに対して対称に配置されている。軸線3Xの方向は、各グリッパ3がそれぞれ設けられる回転体の径方向D1に相当する。
一対の爪3A,3Bは、容器2の首部21を間に受け入れ、両側から閉じて首部21を挟む。爪3A,3Bは、基体30に設けられたカムローラ304により、基体30に設けられたコイルばね303の弾性力に抗して両側に開かれる。図2に両矢印で示すように、爪3A,3Bは、軸線3Xに対して対称に離間する。
容器2の受け渡しに際して離間させた爪3A,3Bの間に容器2の首部21が配置されると、コイルばね303の弾性力により爪3A,3Bが両側から閉じられることで、爪3A,3Bの間に首部21が把持される。
なお、グリッパ3は、口部22を上方に向けた正立の姿勢の容器2の首部21を把持することも、逆向きに倒立した姿勢の容器2の首部21を把持することもできる。
爪3A,3Bの間に把持された首部21は、グリッパ3に備わる3箇所の部位311〜313により支持される。部位311〜313は、首部21の周長の1/2以上の長さに亘り分布している。これらの部位311〜313により、容器2は搬送中でも安定して支持される。
部位313は、爪3A,3Bがなす凹部305の内側で首部21を支持する中間支持部313に相当する。
部位311,312は、一対の爪3A,3Bのそれぞれの先端側に形成された支持突起311,312に相当する。支持突起311は爪3Bに向けて突出し、支持突起312は爪3Aに向けて突出している。
爪3Aと首部21との間には、支持突起311から中間支持部313までの範囲に亘り隙間321が形成される。爪3Bと首部21との間には、支持突起312から中間支持部313までの範囲に亘り隙間322が形成される。これらの隙間321,322を通じて、第1照射部41または第2照射部42から出射された電子線を爪3A,3Bの裏側に隠れている容器2の部位に到達させることができる。
隙間321,322に加えて、爪3A,3Bをそれぞれ厚さ方向に貫通する貫通孔306を例えば二点鎖線で示す位置に形成することによっても、その貫通孔306を通じて爪3A,3Bの裏側に電子線を到達させることができる。
一対の爪3A,3Bは、首部21に接触または近接する把持領域R1を含んでいる。図2〜図5に示す例における把持領域R1は、一対の爪3A,3Bにおいて、支持突起311,312および中間支持部313を含む内壁310(図5)の全体に相当する。グリッパ3により容器2が把持されているならば、支持突起311,312および中間支持部313のそれぞれの先端は、首部21に接触する。このとき、支持突起311の先端と中間支持部313の先端との間は、隙間321を介して首部21に近接する。同様に、支持突起312の先端と中間支持部313の先端との間も、隙間322を介して首部21と近接する。
「把持領域」は、グリッパの一対の爪において首部に接触する部分、および隙間を介して首部に近接する部分の双方を包含するものとする。
第1グリッパ31と第2グリッパ32とは、図1に示すように、受け渡し箇所P2において容器2を挟んで互いに対向する。このとき第1グリッパ31と第2グリッパ32とのそれぞれの軸線3Xは、同一直線上に位置している。
容器2を受け渡す際に第1グリッパ31と第2グリッパ32とが干渉しないように、図3に示す如く、第1グリッパ31の爪3A,3Bの先端側331と、第2グリッパ32の爪3A,3Bの先端側332とは、首部21の高さ方向における位置が異なっている。
一例として、第1グリッパ31の爪3A,3Bは、首部21のフランジ21Cの下側に配置されてフランジ21Cを支持する。第2グリッパ32の爪3A,3Bは、首部21のフランジ21Bとフランジ21Cとの間に配置されて上側のフランジ21Bを支持する。
(電子線を用いた殺菌作用)
さて、図5は、容器2を把持していない状態の第2グリッパ32に対して、グリッパ照射部43により出射された電子線EB1,EB2を模式的に示している。
図5に示す状態では、電子線EB1,EB2に対して第2グリッパ32が正対している。「正対」は、一対の爪3A,3Bの対称の軸線3Xと、グリッパ照射部43からの電子線の出射方向とが平行または略平行である状態を言うものとする。
グリッパ照射部43から、図5に示すように第2グリッパ32の軸線3Xに沿って、爪3Aの先端に向けて出射された電子線EB1は、電子線EB1に対して影となる支持突起311の裏側(斜線で示す)には、直接的に照射されない。また、散乱等により間接的にも照射され難い。爪3Bの先端に向かう電子線EB2に対して影となる支持突起312の裏側も同様である。
以上より、支持突起311,312には、グリッパ照射部43が出射する電子線に対する第2グリッパ32の正対時に、電子線が支持突起311,312に遮られて影となる部位が存在する。こうした影となる部位が、第2グリッパ32の把持領域R1に含まれる。影となる部位は、例えば、図5および図6において斜線を付して示した部位に相当する。
本実施形態では、第2回転体14の回転に伴い移動する第2グリッパ32に対してグリッパ照射部43により電子線を照射することで、正対時に影となる部位を含め、第2グリッパ32の爪3A,3Bにおける少なくとも把持領域R1の全体に亘り電子線を入射させる。
図6に示すように、第2グリッパ32は、第2回転体14の回転に伴い、第2回転体14の軸周り方向へ、矢印で示す電子線に対して相対変位する。そのため、正対時に影となる、支持突起311,312の裏側にも電子線が直接的に照射される。電子線が直接的に照射されることで、十分な殺菌効果を得ることができる。
図6は、同一の第2グリッパ32が第2回転体14の回転に伴い、電子線に対して漸次に相対変位する様子を示している。
電子線に対する第2グリッパ32の正対時(図5)のみならず、第2グリッパ32の電子線に対する所定の位相範囲に亘り、把持領域R1において、影となる部位(例えば、支持突起311,312の裏側)が存在する。図6に示すように、ある位相で影となる部位には、影とはならない位相のときに電子線が直接的に照射される。
図6に示す各状態S1〜S4を順に説明すると、先ず、状態S1の如く、第2グリッパ32において爪3Bの支持突起312の裏側を含む領域に電子線EB3,EB4が入射する。このとき支持突起312の裏側に電子線EB3が入射する。なお、上述した電子線の散乱により、爪3A,3Bの表面3Sおよび裏面にも電子線が入射する。
次に、状態S2の如く、爪3Bの先端近傍であって、凹部305の外側に電子線EB5が入射する。このとき凹部305の内壁における電子線EB6よりも左側の領域には電子線が直接的には照射されない。但し、電子線の散乱等により、間接的には照射され得る。
続いて、状態S3の如く、第2グリッパ32の軸線(状態S3における一点鎖線)の方向と電子線EB7の出射方向とが平行であるときは、中間支持部313を含め、凹部305の内壁の大部分の領域に電子線が入射する。
さらに、状態S4の如く、爪3Aの支持突起311の裏側を含む領域に電子線EB8,EB9が入射する。爪3Aの支持突起311の裏側には電子線EB8が入射する。
以上のように、移動する第2グリッパ32に対してグリッパ照射部43から電子線が照射されることにより、第2グリッパ32における電子線の照射範囲が変わるので、第2グリッパ32の少なくとも正対時に影となる部位を含む、把持領域R1の全体に亘り電子線を直接的に照射することができる。その結果、爪3A,3Bの表面3S、裏面、凹部305の内壁および外側を含む全体に亘り十分に殺菌することができる。
電子線の照射による第2グリッパ32の殺菌効果を高めるため、爪3A,3Bが半開あるいは全開の状態の第2グリッパ32に対してグリッパ照射部43から電子線を照射するようにすることもできる。爪3A,3Bを開くことで、第2回転体14の周方向における爪3A,3Bの寸法が増大する。そのため、一対の爪3A,3Bが完全に閉じている状態の第2グリッパ32に対して電子線を照射する場合に対し、同一の周速下において、グリッパ照射部43から爪3A,3Bの内側に電子線が照射される時間をより長く確保して殺菌効果を向上させることが可能となる。
爪3A,3Bが開いた状態の第2グリッパ32に対して電子線を照射する場合は、制御部によるカムローラ304の制御の下、グリッパ照射部43よりも手前から爪3A,3Bを開く動作を開始し、グリッパ照射部43を第2グリッパ32が通過する間に亘り、爪3A,3Bが開いた状態を維持することが好ましい。第2グリッパ32がグリッパ照射部43を通過した後も、受け取り箇所P2で第1グリッパ31から容器2を受け取るまでの間は爪3A,3Bが開いた状態を維持すればよい。
以上で説明した本実施形態によれば、第1回転体13の第1グリッパ31から第2回転体14の第2グリッパ32へ容器2を持ち替える前後において、第1照射部41により容器2の殺菌を実施し(第1照射ステップ)、かつ第2照射部42により容器2の殺菌を実施する(第2照射ステップ)とともに、受け取り箇所P2における容器2の受け渡しに先行して、容器2を把持していない状態の第2グリッパ32の殺菌をグリッパ照射部43により実施する(グリッパ照射ステップ)。そうすることで、第1照射部41により既に殺菌済みの容器2の領域が第2グリッパ32により汚染されることなく、容器2の外周部全域に亘る殺菌を確実ならしめることができる。
電子線を用いる殺菌方法は、薬剤を用いる殺菌方法と比べて、導入コストおよび運用コスト共に安価であるため、容器2入り製品の製造コストの低減に寄与できる。
グリッパ照射部43から第2グリッパ32に対して電子線が照射される時間をより長く確保する観点から、グリッパ照射部43の出射窓402は、第2グリッパ32の幅に対して第2回転体14の周方向に十分に広いことが好ましい。この観点からは、図4に示す電子線照射装置40の向きとは異なり、出射窓402の短手方向が鉛直方向と一致する向きに、グリッパ照射部43の電子線照射装置40が配置されることが好ましい。
上述したように、第2グリッパ32への電子線の照射時に第2グリッパ32の爪3A,3Bを開くことに代えて、あるいはそれと並行して、図7に示すように、第2グリッパ32を第2回転体14の回転方向の前方r+および後方r−の少なくとも一方に向けて揺動させることもできる。なお、図7では、第2グリッパ32の爪3A,3Bの内壁のみを模式的に示している。
第2グリッパ32の揺動によれば、第2回転体14の同一の周速下において、上述した影となる部位に電子線が照射される時間をより長く確保して、第2グリッパ32の殺菌効果を高めることができる。この場合、第2グリッパ32において少なくとも、爪3A,3Bを支持する部分(図2〜図5の例で言えば基体30)が、例えば、第2回転体14の回転軸の方向に沿った図示しない所定の軸の周りに揺動可能に構成されていることが好ましい。当該軸は、爪3A,3Bの軸301,302(図2)とは別に設定される。当該軸の周りに、第2グリッパ32が、爪3A,3Bの軸線3Xの方向が第2回転体14の径方向に一致する状態を基準として、第2回転体14の周方向の両側に揺動可能に構成されていることが好ましい。なお、カム等を用いて、当該軸に対して非対称に第2グリッパ32が揺動可能に構成されていてもよい。
第2グリッパ32を揺動させながら電子線を照射する場合は、制御部による制御の下、例えば図7に示すように、電子線に対する正対時の位置P0に第2グリッパ32が近接するように移動する間(図8の状態S1−1および状態S2−1)には、第2グリッパ32を第2回転体14の回転方向の後方r−に向けて揺動させる。また、第2グリッパ32が、正対時の位置P0を超えた後(図8の状態S4−1)は、位置P0から遠ざかる第2グリッパ32を前方r+に向けて揺動させる。
第2グリッパ32を揺動させることにより、特に状態S1−1および状態S4−1に示すように、少なくとも正対時に影となる部位が電子線に対して露出する時間を長く確保できるので、殺菌効果の向上に寄与できる。
上述したグリッパ3の構成は一例であり、グリッパ3の爪3A,3Bが必ずしも支持突起311,312や中間支持部313を備えている必要はない。支持突起311,312等を備えていない爪3A,3Bの平滑に形成された内壁の全体に亘り、首部21に接触または近接する把持領域が設定されていてもよい。こうした把持領域が設定された第2グリッパに対しても、第2回転体14の回転に伴い移動させつつ、上述した把持領域R1が設定された第2グリッパ32と同様に、第2グリッパの少なくとも正対時には影となる部位を含め、把持領域の全体に亘り電子線を入射させることができる。
電子線に代えて紫外線を照射することによっても、容器2および第2グリッパ32の殺菌が可能である。そのため、第1照射部41、第2照射部42、およびグリッパ照射部43の少なくとも一つを、紫外線を照射する構成に置き換えることができる。
また、以下で述べる第2実施形態の第1照射部41および第2照射部42の少なくとも一つを、紫外線を照射する構成に置き換えることもできる。
[第2実施形態]
次に、図9を参照し、本開示の第2実施形態に係る電子線殺菌装置50を説明する。
以下、第1実施形態と相違する事項を中心に説明する。第1実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付している。
電子線殺菌装置50は、第1グリッパ31が設けられた第1回転体13と、第2グリッパ32が設けられた第2回転体14と、第1グリッパ31に把持された状態の容器2に対し、第1回転体13の径方向外側から電子線を照射する第1照射部41と、第2グリッパ32に把持されている容器2に対し、第2回転体14の径方向外側から電子線を照射する第2照射部44とを備えている。
図示しない搬送用回転体のグリッパから第1回転体13の第1グリッパ31へと導入された容器2は、第1回転体13および第2回転体14を搬送される間に外周部の殺菌が行われ、第3回転体15へと移送される。第3回転体15は、例えば、充填機の回転体に相当する。あるいは、第3回転体15を介して他の装置に容器2が転送される。
第2実施形態では、以下に述べるように、第2照射部44により、第2グリッパ32に把持されている容器2に加えて、容器2を把持していない状態の第2グリッパ32に対しても電子線の照射を行い殺菌することが可能となる。
第2実施形態では、奇数個(図9に示す例では7つ)の第2グリッパ32が第2回転体14の周方向に分布している。これら奇数個の第2グリッパ32に対し、1個おきに第1グリッパ31から容器2が渡される。図9において、第1グリッパ31および第2グリッパ32にはそれぞれ四角形で囲んだ番号が付されている。図9に示す例においては、第1回転体13の第1グリッパ31のピッチα、第2回転体14の第2グリッパ32の1個おきのピッチα、および第3回転体15のグリッパ3のピッチαはいずれも同一に設定されている。受け渡し箇所P2において、第1グリッパ31の周速と、第1グリッパ31から容器2を受け取る第2グリッパ32の周速とが同一であるから、容器2を容易に受け渡すことができる。受け渡し箇所P3においても同様であり、第2グリッパ32から第3回転体15のグリッパ3へと容器2を容易に受け渡すことができる。
いま、1番の第1グリッパ31により把持された容器2が、受け渡し箇所P2において1番の第2グリッパ32へ渡されるものとする。次は、2番の第1グリッパ31に把持された容器2が、2番の第2グリッパ32へと渡される。このとき、1番の第2グリッパ32と2番の第2グリッパ32との間の第2グリッパ32には、容器2は渡されないので、容器2が存在しない。
続いて、3番の第1グリッパ31が、第2グリッパ32を1つ飛ばして3番の第2グリッパ32へと渡され、その後も同様に繰り返される。
第1実施形態と同様に、第1照射部41により、第1グリッパ3に把持された容器2の外周部の約1/2周に電子線が照射される(第1照射ステップ)。第1グリッパ31から第2グリッパ32へと容器2が持ち替えられた後、第2照射部44により、第2グリッパ32により把持された容器2の残りの約1/2周に電子線が照射される(第2照射ステップ)。
ここで、図9に示すように、奇数個の第2グリッパ32の1個おきに容器2が把持されるため、第2照射部44は、第2グリッパ32に把持された状態の容器2と、容器2を把持していない状態の第2グリッパ32とに対して交互に電子線を照射する。
第2照射部44により外周部の殺菌を終えた容器2は、受け渡し箇所P3において第2グリッパ32から第3回転体15の第3グリッパ33へと渡される。それによって第2グリッパ32は、空の状態となり、受け渡し箇所P2へと戻る。
しかし、第2グリッパ32の数が奇数であって、1個おきに第1グリッパ31から第2グリッパ32へと容器2が渡されるから、受け渡し箇所P2へ戻った第2グリッパ32は、第1グリッパ31から容器2を受け取らずに、空の状態のまま、第2照射部44により電子線が照射される。
このとき、第1実施形態と同様に、第2回転体14の回転に伴い移動している第2グリッパ32に対して電子線が照射されるので、第1実施形態の説明と同様に、第2グリッパ32の把持領域R1の全体に亘り直接的に電子線を照射して十分に殺菌することができる。電子線の照射時に第2グリッパ32の爪3A,3Bを開いた状態としたり、第2グリッパ32を第2回転体14の回転方向の前方および後方に向けて揺動させたりすると、同一の周速下における電子線の照射時間を長く確保して殺菌効果を向上させることができる。
第2照射部44により殺菌された第2グリッパ32は、容器2を把持していないため、第3回転体15の第3グリッパ33を単に通過し、無菌状態を維持しつつ、受け取り箇所P2にて第1グリッパ31から容器2を受け取る。この第2グリッパ32は、第3グリッパ33を単に通過しただけなので、第2照射部44により無菌化された状態が維持されている。したがって、第2グリッパ32により受け取られた容器2の外周部において電子線が未照射の領域に第2照射部44により電子線が照射されることで、容器2の外周部全域に亘る無菌化が完了する。
[第2実施形態の変形例]
図10に示す例では、第1回転体13の第1グリッパ31のピッチが可変である。第1グリッパ31は、アーム307の伸縮により第1回転体13の径方向に変位可能に構成されている。そのため、受け渡し箇所P2に向けて移動する第1グリッパ31のアーム307を伸長させて第1グリッパ31のピッチを拡大することにより、受け渡し箇所P2において、第2グリッパ32の1個おきのピッチαに対応する広いピッチを第1グリッパ31に与えつつ、アーム307の収縮により、第1グリッパ31を相対的に狭いピッチで並べることができる。そうすると、回転体を設置するためのスペースを節減できる上、第1〜第3回転体13〜15の上流から下流に亘るまでグリッパのピッチを狭く設定して単位時間あたりの容器移送数を増加させることが可能となるので、搬送能力の向上に寄与できる。
第3回転体15のグリッパ3のピッチも同様に、アーム307の伸縮により可変である。そのため、受け渡し箇所P3においても、第2グリッパ32の1個おきのピッチαに対応する広いピッチを第3回転体15のグリッパ3に与えつつ、第3回転体15の径の寸法を抑えながら、同一周速における容器2の受け渡しを実現可能となる。
第2実施形態によれば、第1実施形態のグリッパ照射部43を備えることなく、つまり電子線照射装置の台数を低減してコストを抑えながら、第1実施形態と同様に、容器2の外周部全域に亘り十分に殺菌することができる。
上記以外にも、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
1 無菌充填システム
2 容器
3 グリッパ
3A,3B 爪
3S 表面
3X 軸線
10,50 電子線殺菌装置
11 搬送用第1回転体
12 搬送用第2回転体
13 第1回転体
14 第2回転体
15 第3回転体
16 充填装置
17 チャンバ
21 首部
21B,21C フランジ
22 口部
23 胴部
24 底部
30 基体
31 第1グリッパ
32 第2グリッパ
33 第3グリッパ
35 取付具
40 電子線照射装置
41 第1照射部
42 第2照射部
43 グリッパ照射部
44 第2照射部
100 搬送路
100A,100B 区間
101 導入区画
102 殺菌区画
103 充填・密封区画
103A 回転体
301,302 軸
303 コイルばね
304 カムローラ
305 凹部
306 貫通孔
307 アーム
310 内壁
311,312 支持突起
313 中間支持部
321,322 隙間
331,332 先端側
401 電子加速部
402 出射窓
403 電子輸送部
D1 径方向
D2 出射方向
EB1〜EB9 電子線
P1,P2,P3 受け渡し箇所
R1 把持領域
r+ 前方
r− 後方
S1〜S4 状態
α ピッチ

Claims (13)

  1. 容器を把持する第1グリッパが設けられた第1回転体と、
    前記第1グリッパから前記容器を受け取る第2グリッパが設けられた第2回転体と、
    前記第1グリッパに把持された状態の前記容器に対し、前記第1回転体の径方向の外側から内側に向けて電子線を照射する第1照射部と、
    前記第2グリッパに把持された状態の前記容器に対し、前記第2回転体の径方向の外側から内側に向けて電子線を照射する第2照射部と、
    前記容器を把持していない状態の前記第2グリッパに対し、前記第2回転体の径方向の外側から内側に向けて電子線を照射するグリッパ照射部と、を備え、
    前記第1グリッパおよび前記第2グリッパはそれぞれ、
    前記容器の首部を間に受け入れ、両側から閉じて前記首部を挟む一対の爪を含み、
    前記一対の爪は、前記首部に接触または近接する把持領域を含み、
    前記グリッパ照射部は、
    前記第2回転体の回転に伴い移動する前記第2グリッパに対し、
    少なくとも前記把持領域に亘り電子線を照射する、
    電子線殺菌装置。
  2. 前記第2グリッパの前記把持領域は、
    前記グリッパ照射部により前記第2回転体の径方向の外側から内側に向けて出射した電子線に対して前記第2グリッパの少なくとも正対時には影となる部位を含む、
    請求項1に記載の電子線殺菌装置。
  3. 前記第2グリッパの前記一対の爪は、それぞれの先端側に、
    相手の前記爪に向けて突出して前記首部を支持する支持突起を備え、
    前記支持突起には、
    少なくとも前記正対時に電子線が前記支持突起に遮られて前記影となる部位が存在する、
    請求項2に記載の電子線殺菌装置。
  4. 前記第2グリッパは、
    前記一対の爪がなす凹部の内側で前記首部を支持する中間支持部を備え、
    前記第2グリッパの前記把持領域は、前記中間支持部を含む、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の電子線殺菌装置。
  5. 前記グリッパ照射部は、
    前記一対の爪が開かれた状態の前記第2グリッパに対して電子線を照射する、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の電子線殺菌装置。
  6. 前記第2グリッパは、
    前記第2回転体の回転方向における前方および後方の少なくとも一方に向けて揺動可能に構成されている、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の電子線殺菌装置。
  7. 容器を把持する複数の第1グリッパが設けられた第1回転体と、
    前記第1グリッパからそれぞれ前記容器を受け取る複数の第2グリッパが設けられた第2回転体と、
    前記第1グリッパに把持された状態の前記容器に対し、前記第1回転体の径方向の外側から内側に向けて電子線を照射する第1照射部と、
    前記第2グリッパに把持された状態の前記容器に対し、前記第2回転体の径方向の外側から内側に向けて電子線を照射する第2照射部と、
    前記第2回転体において周方向に分布している奇数個の前記第2グリッパに対して、1個おきに前記第1グリッパから前記容器が渡される、
    電子線殺菌装置。
  8. 容器、および前記容器を把持可能なグリッパに対して電子線を照射する電子線殺菌方法であって、
    第1回転体に設けられた第1グリッパに把持されている前記容器に対し、前記第1回転体の径方向の外側から内側に向けて電子線を照射する第1照射ステップと、
    第2回転体に設けられ、前記第1グリッパから前記容器を受け取る第2グリッパに把持されている前記容器に対し、前記第2回転体の径方向の外側から内側に向けて電子線を照射する第2照射ステップと、
    前記容器を把持していない状態の前記第2グリッパに対し、前記第2回転体の径方向の外側から内側に向けて電子線を照射するグリッパ照射ステップと、を備え、
    前記第1グリッパおよび前記第2グリッパはそれぞれ、
    前記容器の首部を間に受け入れ、両側から閉じて前記首部を挟む一対の爪を含み、
    前記一対の爪は、前記首部に接触または近接する把持領域を含み、
    前記グリッパ照射ステップでは、
    前記第2回転体の回転に伴い移動する前記第2グリッパに対し、
    少なくとも前記把持領域に亘り電子線を照射する、
    電子線殺菌方法。
  9. 前記グリッパ照射ステップは、
    前記第2グリッパの前記一対の爪を開いた状態で行われる、
    請求項8に記載の電子線殺菌方法。
  10. 前記第2グリッパの前記把持領域は、
    前記グリッパ照射ステップにより前記第2回転体の径方向の外側から内側に向けて出射した電子線に対して前記第2グリッパの少なくとも正対時には影となる部位を含む、
    請求項8または9に記載の電子線殺菌方法。
  11. 前記第2グリッパの前記一対の爪は、それぞれの先端側に、
    相手の前記爪に向けて突出して前記首部を支持する支持突起を備え、
    前記グリッパ照射ステップでは、
    前記支持突起において、少なくとも前記正対時に電子線が前記支持突起に遮られて前記影となる部位にも電子線を照射する、
    請求項10に記載の電子線殺菌方法。
  12. 前記グリッパ照射ステップでは、
    前記正対時の位置に向けて前記第2グリッパを移動させながら前記第2回転体の回転方向の後方に向けて揺動させ、前記正対時の位置を超えて前記第2グリッパを移動させながら前記回転方向の前方に向けて揺動させる、
    請求項10または11に記載の電子線殺菌方法。
  13. 容器、および前記容器を把持可能なグリッパに対して電子線を照射する電子線殺菌方法であって、
    前記容器を把持する第1グリッパに把持されている前記容器に対し、第1回転体の径方向外側から内側に向けて電子線を照射する第1照射ステップと、
    前記第1グリッパから前記容器を受け取る第2グリッパに把持されている前記容器に対し、第2回転体の径方向外側から内側に向けて電子線を照射する第2照射ステップと、を備え、
    前記第2回転体において周方向に奇数個が分布している前記第2グリッパに対して、1個おきに前記第1グリッパから前記容器を渡しつつ、前記第1照射ステップおよび前記第2照射ステップが行われる、
    電子線殺菌方法。
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