JP2021094776A - インク補充具 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造容易でかつ安定したインク供給性能を確保可能なインク補充体を提供する。【解決手段】本発明のインク補充具1は、上部が開口したインク収容容器3と、前記インク収容容器3の上部に装着されるとともに、インク補充対象であるペン100を挿通させて支持するペン先挿通部42が設けられたペン支持部4と、前記インク収容容器3の底部32より上方に延び、側面にインク流入部34が設けられた保持筒部31と、前記保持筒部31の内部に保持され、上下方向の長さが前記保持筒部31の長さ以下のインク補充体6と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、インク補充具に関する。
従来、インク補充具として、インク補充対象であるペンのペン先を直接インクに浸すものと、インク収容容器内のインクをペンに供給する中継ぎの役割をなすインク補充体(スポンジなど多孔質体が多く使用されている)を経由してペン先からインクを補充するものと、が提案されている。
ペン先を直接インクに浸すものは、ペン先の空気孔がインクに没しないよう、インク液面を低くする必要があり、容器をコンパクトにしにくい。
インク補充体を使用するものは、ペン先とインク補充体の接触面積が小さいと補充時間が長期化する。このため、ペン先とインク補充体との接触面積を増大させるためにインク補充体に変形促進部としてスリットや貫通穴などの加工を施しているものも提案されている(特許文献1参照)。
特開2007−76144号公報
しかしながら、インク補充体に変形促進部としてスリットや貫通穴などの加工を施す場合、製造の手間がかかり、かつスリットや貫通穴を設けてもインク補充体とペン先との接触面積が安定しにくく、安定したインク供給性能の確保がしにくいという課題があった。
従って、本発明は、製造容易でかつ安定したインク供給性能を確保可能なインク補充具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、上部が開口したインク収容容器と、前記インク収容容器の上部に装着されるとともに、インク補充対象であるペンを挿通させて支持するペン先挿通部が設けられたペン支持部と、前記インク収容容器の底部より上方に延び、側面にインク流入部が設けられた保持筒部と、前記保持筒部の内部に保持され、上下方向の長さが前記保持筒部の長さ以下のインク補充体と、を備えたインク補充具を提供する。
前記インク補充体の硬度は、130N以下であることが好ましい。
前記保持筒部は筒状で、前記インク補充体は柱状で、前記インク補充体は、変形せずに前記保持筒部の内部に挿入可能であることが好ましい。
前記インク流入部は、前記インク収容容器の前記底部から上方に延びるスリットであることが好ましい。
前記スリットの幅は1.5mm以下であることが好ましい。
前記インク収容容器は容器側壁部を有し、前記ペン支持部は支持部側壁部を有し、前記容器側壁部と前記支持部側壁部とが溶着されていることが好ましい。
前記ペン先挿通部と前記保持筒部との間の隙間は、1.0mm以内であることが好ましい。
前記ペン先挿通部の下端の外径は、前記保持筒部の内径より小さく、前記ペン先挿通部の下端は、前記保持筒部の上端より下に位置することが好ましい。
本発明によれば、製造容易でかつ安定したインク供給性能を確保可能なインク補充具を提供することができる。
インク補充具1の断面図である。 インク補充具1の斜視図である。 図2の状態から蓋部5を外した容器本体2を示す斜視図である。 図3の状態から、さらにペン支持部4を外したインク収容容器3を示す斜視図である。 インク補充具1が倒れた状態を示す断面図である。 インク補充対象であるペン100にインク7を補充する場合のインク補充具1の使用方法を説明する断面図である。 ペン先挿通部42と保持筒部31の上端との関係を説明する図で、(a)は比較例、(b)は第1実施例、(c)は第2実施例を示す図である。 図7に示す第1比較例、第1実施例及び第2実施例のインク補充具1の評価結果を示した表である。 第2比較例、第3比較例、第3実施例、第4実施例のインク補充具1の評価結果を示した表である。
以下、本発明の実施形態のインク補充具1について説明する。図1は、インク補充具1の断面図である。図2はインク補充具1の斜視図である。
インク補充具1は、容器本体2と、容器本体2の上部を覆う蓋部5とを備える。なお、実施形態においてインク補充具1は軸線Aを中心とした回転体形状であるが、これに限定されず、例えば矩形形状であってもよい。
図3は図2の状態から蓋部5を外した容器本体2を示す斜視図である。
容器本体2は、内部にインク7及びインク補充体6が収容されるインク収容容器3と、インク収容容器3の上部に装着され、インク補充対象であるペン100(後述の図6に図示)を支持するペン支持部4とを備える。図4は図3の状態から、さらにペン支持部4を外したインク収容容器3を示す斜視図である。
(インク収容容器3)
インク収容容器3は、上述のように内部にインク7が収容される容器で、容器底部32と、容器側壁部33と、容器底部32の内面側より上方に延びる保持筒部31とを備える。
容器側壁部33は円筒状で、インク収容容器3の外周を形成し、上端の外周側に上方に突出した円輪上方突部33aを備える。円輪上方突部33aの内周側には、段部33bが設けられている。
容器側壁部33の下部を覆う容器底部32は円板状で、容器底部32の外縁は容器側壁部33の内面の最下端より少し上に連結され、軸線Aに近い中央部に向かうにつれて下がるように設けられている。すなわち、容器底部32の内面は、外縁から中央に向かって下方に傾斜している。この傾斜により、インク7の量が少なくなった場合であっても、インク7は容器底部32の外縁に溜まらずに、中央に流れる。
保持筒部31は円筒形状で、容器底部32の内面側の中央部から、軸線Aを中心として上方に向かって延びている。保持筒部31は上方に行くにつれて内径がわずかに拡大している。
保持筒部31には、容器底部32から上方に延びるスリット(インク流入部)34が3箇所に設けられ、スリット34によって保持筒部31は実質的に3つに分割されている。スリット34は、保持筒部31の円周方向に互いの距離が均等になる位置に設けられている。ただし、スリット34は3つに限らず1つ以上であればよい。また、スリットに限らず、例えば貫通穴であってもよい。
スリット34より、インク7が保持筒部31に流入可能となっている。スリット34は容器底部32から延びているので、インク7の量が少なくなった場合であっても、保持筒部31内に流入可能である。実施形態においてスリット34の幅tは1.5mm以下である。これについては後述する。
なお、実施形態では保持筒部31は上記のとおり円筒形状であるが、内側にインク補充体(後述)を保持可能な形状であれば、これに限定されない。好ましい形状は筒状であり、実施形態のような円筒形状のほか、例えば、角筒形状等であっても良い。
(ペン支持部4)
ペン支持部4は、上述のようにインク補充対象であるペン100(後述の図6に図示)を支持する部分で、支持部上板41と、支持部上板41の中央部より軸線Aを中心として下方に延びる円筒状のペン先挿通部42と、支持部上板41の外縁から下方に延びる支持部側壁部43と、を備える。
支持部上板41は円板状で、中央部に軸線Aを中心とした開口が形成されている。この開口には、ペン先挿通部42の上端が接続される。
支持部側壁部43は、支持部上板41の外縁から、ペン先挿通部42の周囲を囲むように軸線Aを中心として下方に延びている。支持部側壁部43の外面には、ねじ山43aが設けられている。
支持部側壁部43の下端は、外径側に張り出し、その張り出した部分の下方には、円輪状に突出した円輪下方突部43bが設けられている。
円輪下方突部43bの外径は、上述の容器側壁部33の上端に設けられた円輪上方突部33aの内径と略等しい。
ペン支持部4は円輪下方突部43bの外周面と、円輪上方突部33aの内周面とで案内され、インク収容容器3の上部に装着されて、円輪下方突部43bが容器側壁部33の段部33bに載置される。円輪下方突部43bと、容器側壁部33とは互いに溶着され、ペン支持部4とインク収容容器3とは一体的となっている。実施形態において、円輪下方突部43bの底面と容器側壁部33の段部33bとは、超音波溶着により溶着される。
図5は、インク補充具1が倒れた状態を示す断面図である。図示するように、蓋部5が取り外された状態においてインク補充具1が倒れた場合であっても、円輪下方突部43bと容器側壁部33とが溶着されているので、インク7はペン支持部4の支持部側壁部43とペン先挿通部42との間の空間に流れ込んで収容され、インク7はこの間から流出することがない。また、ペン支持部4の支持部側壁部43とペン先挿通部42との間に十分な空間があるので、ペン先挿通部42の円筒状の開口部からインク7があふれ出すこともない。
図1に戻り、ペン先挿通部42は、上下が開口した筒状部材で、下方に行くにつれて径が小さくなり、さらに先端に段部42aが設けられている。実施形態ではペン先挿通部42は支持部側壁部43よりも下方、すなわちインク収容容器3の内部まで延びている。
実施形態において、ペン先挿通部42の下端の外径x3は、保持筒部31の内径x4より小さく、ペン先挿通部42の下端は、保持筒部31の内径側に挿入されている。
ただし、これに限定されず、ペン先挿通部42の下端と保持筒部31の上端とが近接して、例えばその間の距離が1.0mm以下であれば、ペン先挿通部42の下端が、保持筒部31の内径側に挿入されていなくてもよい。これについては後述する。
(蓋部5)
蓋部5は、インク補充具1の非使用時において容器本体2の上部を覆う。
蓋部5は、蓋部上板51と、蓋部上板51の中央部において軸線Aを中心として下方に延びる有底筒部52と、蓋部上板51の外縁から、有底筒部52の周囲を囲むように下方に延びる蓋部側壁部53と、を備える。
蓋部上板51は円板状で、中央部に軸線Aを中心とした開口が形成されている。この開口には、有底筒部52の上端が接続される。
有底筒部52は、蓋部上板51から下方に延び、有底筒部52は、下方に行くにつれて、ペン先挿通部42と同様に径が小さくなっている。
蓋部側壁部53は、蓋部上板51の外縁から、有底筒部52の周囲を囲むように軸線Aを中心として下方に延びる。蓋部側壁部53の内面には、ねじ溝53aが設けられている。
蓋部5が、容器本体2(ペン支持部4)に上側より被せられて回転されると、ねじ溝53aがペン支持部4の支持部側壁部43のねじ山43aと噛み合い、蓋部5が容器本体2に装着される。
その際、有底筒部52はペン先挿通部42内に挿入され、有底筒部52はペン先挿通部42の先端部と嵌合してペン先挿通部42の開口を塞ぐ。
また、蓋部上板51の内面に設けられた環状の凸部51aと支持部上板41の外面とが当接する。したがって、インク補充具1が倒れた場合や輸送による振動や衝撃が加えられた場合であっても、内部のインク7がペン先挿通部42の開口から外部に流出することがない。
なお、蓋部側壁部53の下端と、支持部側壁部43の張り出した部分の上面とは、蓋部上板51の内面に設けられた環状の凸部51aと支持部上板41の外面との当接よりも先に当接することがないように、蓋部5が、容器本体2(ペン支持部4)に取り付けられた状態において若干の隙間dが設けられている。
(インク補充体6)
インク補充体6は、上面が平面な柱形状で、実施形態では円柱状であるが、多角形形状等であってもよく、保持筒部31の形状とあわせるのが好ましい。インク補充体6は、硬度が130N以下、好ましくは60N以下の柔軟な多孔質部材で製造され、実施形態では、例えば30±10N(日本工業規格JIS K 6400−2)の軟質ウレタンフォームである。また、インク補充体6は連続気泡構造であって液体を通すことが可能である。
そして、インク補充体6は、後述するようにペン先部102が挿入されると、ペン先部102に押されて変形してペン先部102に密着し、保持筒部31のスリット34から流入したインク7を吸い上げる。また、インク補充体6は、ペン先部102に押されて変形するが、弾性を有するため、ペン先部102が取り除かれると復元して元の形に戻る。したがって、繰り返しの使用が可能である。
インク補充体6は、変形せずに保持筒部31の内部に挿入可能である。すなわち、実施形態では、インク補充体6は円柱状で保持筒部31は円筒状であるので、インク補充体6の外径x1は、保持筒部31の内径以下である。したがって、インク補充体6は、保持筒部31の内面に押し付けられて変形することがなく、後述するようにペン先部102が上から押し付けられる場合以外、力が加わっていない自然状態である。
なお、保持筒部31の内径とは、インク補充体6を保持する部分のうち、最も小さくなる位置の内径であり、本実施形態において、保持筒部31の底部32側の下端の内径である。
また、インク補充体6を、変形せずに保持筒部31の内部に挿入可能とすると、製造工程において、インク補充体6を保持筒部31内に挿入するだけで、インク補充体6の自重により所定位置に設置されるので、インク補充体6を保持筒部31に収容するときに押込む必要がなく製造しやすい。さらに、インク収容容器3の姿勢を変更することなく、ペン支持部4の組み付けやインク7の充填を行えるので、製造しやすい。
また、インク補充体6の上下方向の長さy5は保持筒部31の長さy6以下である。したがって、インク補充体6は保持筒部31の内部に起立した状態で保持される。
実施形態と異なり、インク補充体6の長さy5が保持筒部31の長さy6より長い場合、インク補充体6が柔軟なので、保持筒部31からインク補充体6が脱落しやすい。すなわち、インク補充体6が不安定で、外部へ抜け出す可能性がある。
しかし、本発明でインク補充体6の上下方向の長さy5は保持筒部31の長さy6以下であって、インク補充体6は保持筒部31内に起立した状態で維持されているので、インク補充体6が柔軟であっても変形したり保持筒部31の外部へ飛び出したりしにくい。
図6はインク補充対象であるペン100にインク7を補充する場合のインク補充具1の使用方法を説明する図である。
ペン100は、いわゆる中綿式のマーキングペンであり、ペン筒部101と、ペン筒部101の先端から突出するペン先部102を備える。ペン筒部101の先端は、徐々に径が小さくなる縮径部101aを有し、縮径部101aの最先端部よりペン先部102が突出している。
ペン筒部101内には、円柱形状の多孔質部材であってインクが含侵されるインク保持部材103が配置されている。ペン先部102はペン筒部101の内部においてインク保持部材103に差し込まれ、通常の使用時には、インク保持部材103のインクがペン先部102に供給される。
インク保持部材103のインクが減少した場合、ペン100は実施形態のインク補充具1によってペン100にインク7が補充される。
インク7の補充時、インク補充具1から蓋部5を取り外し、図6に示すように、ペン100をペン先部102側から、ペン支持部4のペン先挿通部42に挿入する。
このとき、縮径部101aの斜面が、ペン先挿通部42の段部42aと当接する。これにより、ペン100(ペン先部102)が、必要以上にペン先挿通部42の奥まで挿入されることが防止される。
また、ペン筒部101は、段部42aと当接している縮径部101aよりも上の部分において、ペン先挿通部42の内面と当接していない。したがって、図6に示すペン100に限らず、縮径部101aの斜面がペン先挿通部42の段部42aと当接する限りにおいて、ペン筒部101の径が異なるペンであっても、ペン先挿通部42に挿入可能である。
そして、ペン先挿通部42、保持筒部31は軸線Aを中心とした同軸に設けられており、すなわち保持筒部31内に保持されているインク補充体6も同軸に配置される。したがって、ペン先挿通部42に挿入されるペン先部102はインク補充体6と確実に接触する。
ここで、例えばインク補充体6の硬度が130Nより大きく、例えば180N程度であるとペン先部102はインク補充体6内に沈み込まず、ペン先部102の先端のみがインク補充体6と接触することになる。そうすると、吸い込みに時間がかかったり、十分な吸い込みができなかったりする状態が発生する。
しかし、実施形態のインク補充体6は硬度が130N以下で柔軟であるので、ペン先部102は自重によりペン100の縮径部101aの斜面と、ペン先挿通部42の段部42aと当接される位置を限度としてインク補充体6を押圧し、インク補充体6を変形してインク補充体6内に沈み込む。そうすると、ペン先部102の側面をインク補充体6で包囲することができるのでペン先部102とインク補充体6との接触面積が大きくなり、インク7のペン先部102への吸い込みを迅速かつ確実に行うことができる。
また、インク補充体6の硬度が、実施形態と異なり130Nより大きい場合、インク補充体6にスリットや貫通穴を設けることにより接触面積を大きくすることも考えられるが、この場合、製造に手間がかかる。
しかし、実施形態ではインク補充体6は柔軟であるので、このような加工をしなくても、簡易な形状で十分な接触面積を確保でき、製造容易でかつ安定したインク供給性能を確保可能なインク補充具1を提供することができる。
さらに、インク補充体6の外径x1は、保持筒部31の内径以下であるので、保持筒部31の内面に押し付けられて変形していない。したがって、インク補充体6に力が加わっていない自然状態で、インク補充体6にペン先部102が押し付けられるので、常に一定の接触状態を保つことができ、ペン先部102へのインク7の供給を一定の状態で行うことができる。
そして、ペン先部102を介してペン筒部101内のインク保持部材103にインクの補充が行われる。このとき、インク収容容器3内のインク7の量が減少してきても、容器底部32は中央部に向かって傾斜しているので、インク7は中央部に流れる。そしてスリット34を通ってインク補充体6へと供給される。
ここで、インク補充体6の外径x1は、保持筒部31の内径以下であるので、保持筒部31の内部においてインク補充体6は上下動可能である。したがって、インク補充具1が、例えば運搬される際に、インク補充体6が保持筒部31の内部から飛び出してしまうことも考えられる。
ここで、本実施形態では、上述したように、ペン先挿通部42と保持筒部31との間の隙間、換言すると、ペン先挿通部42の下端と保持筒部31の内面との最短距離y2が近接し、1.0mm以下である。さらに、ペン先挿通部42の下端の外径x3は、保持筒部31の内径x4より小さく、ペン先挿通部42の下端が、保持筒部31の内径側に挿入されていることが好ましい。したがって、インク補充具1が、例えば運搬される際に、インク補充体6が保持筒部31の内部から飛び出してしまうことがない。
以下、図7及び図8を用いて、実施形態にインク補充具1が、例えば運搬される際に、インク補充体6が保持筒部31の内部から飛び出さないことについて説明する。
図7(a)は、ペン先挿通部42の下端と保持筒部31の内面との最短距離y2が5.55mmの第1比較例を示す図である。図7(b)は、ペン先挿通部42の下端と保持筒部31の内面との最短距離y2が0.90mmの実施形態の第1実施例を示す図である。図7(c)は、ペン先挿通部42の下端と保持筒部31の内面との最短距離y2が0.50mmであり、かつペン先挿通部42の下端が、保持筒部31の内径側に挿入されている実施形態の第2実施例を示す図である。
図8は、図7に示す第1比較例、第1実施例及び第2実施例のインク補充具1を、100cmの高さから、蓋部5が下になるようにして落下させ、インク補充体6の、ペン先挿通部42と保持筒部31との間からの脱落や、ペン先挿通部42と保持筒部31との間への嵌り込みの状態を評価した結果を示した表である。
インク7は水性顔料インクの黄緑色を規定量11.5g充填した。落下は軽量落下試験機DT−202(神栄テクノロジー社製)を使用した自由落下で行った。
図1に示す寸法は、第1比較例、第1実施例及び第2実施例のいずれも、インク収容容器3の内径x2は40.7mm、インク収容容器3の容器底部32からペン先挿通部42の下端までの距離y3は16mm、液面の高さy4は9〜10mm、保持筒部31の底部32側の下端の内径は9.2mm、インク補充体6の径x1は9mm、長さy5は13mmである。
図7,図8において、y1はペン先挿通部42の下端と保持筒部31の上端との軸線A方向の距離である。y2はペン先挿通部42の下端と保持筒部31の内面との最短距離である。
◎(二重丸)は、インク補充体6の位置に変化がない状態を示す。〇(一重丸)はインク補充体6がペン先挿通部42と保持筒部31との隙間にわずかに挟まっているが、インク補充体6の大部分が保持筒部31内に存在するので、ペン100を挿入した時にインク補充体6とペン先部102は確実に接触する状態を示す。△(三角)はインク補充体6がペン先挿通部42と保持筒部31との隙間に挟まっており、インク補充体6の大部分が保持筒部31外に飛び出ているので、ペン100を挿入した時にインク補充体6とペン先部102とが接触しない状態を示す。×(バツ)はインク補充体6がペン先挿通部42と保持筒部31との隙間から外部に完全に脱落して保持筒部31内に存在しない状態を示す。
図7(a)の第1比較例では、ペン先挿通部42の下端と保持筒部31の上端との間の直線距離が、ペン先挿通部42の下端と保持筒部31の内面との間の最短距離y2であり、このy2の部分が、ペン先挿通部42と保持筒部31との間の隙間となる。
図7(b)の第1実施例も、ペン先挿通部42の下端と保持筒部31の上端との間の直線距離が、ペン先挿通部42の下端と保持筒部31の内面との最短距離y2であり、このy2の部分が、ペン先挿通部42と保持筒部31との間の隙間となる。
図7(c)の第2実施例では、ペン先挿通部42の下端が保持筒部31の内径側に挿入されており、ペン先挿通部42の下端と保持筒部31の内面との最短距離y2は、ペン先挿通部42の下端と保持筒部31の上端との間の直線距離以下となり、この最短距離y2の部分が、ペン先挿通部42と保持筒部31との間の隙間となる。
(a)、(b)、(c)ともに3回実験を行った。(a)の第1比較例では、3回ともに×であった。(b)の第1実施例では3回ともに〇であった。(c)の第2実施例では3回ともに◎であった。
以上より、第1実施例(b)と、第2実施例(c)と、においては、落下した場合であってもインク補充体6とペン先部102との接触が確保されることが検証された。
また、実施形態においてもペン先挿通部42の下端が、保持筒部31の内径側に挿入されている(c)の場合、挿入されていない場合(b)よりも良好な結果が得られた。
また、実施形態においてインク補充体6は柔軟であって保持筒部31にスリット34が設けられている。このため、スリット34の幅tが広いと、インク補充具1に衝撃が加わったときにインク補充体6がスリット34から外部に飛び出す可能性がある。しかし、本発明でスリット34の幅tは1.5mm以下であるのでインク補充具1に衝撃が加わったときにインク補充体6がスリット34から外部に飛び出すことがない。
図9(d)は、スリット34の幅tが2.5mmである第2比較例、(e)は2.0mmである第3比較例、(f)は1.5mmである第3実施例、(g)は1.0mmである第4実施例において、図8と同様にインク補充具1を、100cmの高さから、蓋部5が下になるようにして落下させた場合において、スリット34の間からのインク補充体6の脱落や、スリット34の間への嵌り込みの状態を評価した結果を示した表である。
図8の実験と同様に、インク7は水性顔料インクの黄緑色を規定量11.5g充填した。落下は軽量落下試験機DT−202(神栄テクノロジー社製)を使用した自由落下で行った。また、第2比較例、第3比較例、第3実施例及び第4実施例のいずれも、インク収容容器3の内径x2は40.7mm、インク収容容器3の容器底部32からペン先挿通部42の下端までの距離y3は16mm、液面の高さy4は9〜10mm、保持筒部31の底部32側の下端の内径は9.2mm、インク補充体6の径x1は9mm、長さy5は13mmである。さらに保持筒部31の長さy6は17mmである。
◎(二重丸)は、インク補充体6の位置に変化がない状態を示す。〇(一重丸)はインク補充体6がスリット34の隙間にわずかに挟まっているが、インク補充体6の大部分が保持筒部31内に存在するので、ペン100を挿入した時にインク補充体6とペン先部102は確実に接触する状態を示す。△(三角)はインク補充体6がスリット34の隙間に挟まっており、インク補充体6の大部分が保持筒部31外に飛び出ているので、ペン100を挿入した時にインク補充体6とペン先部102とが接触しない状態を示す。×(バツ)はインク補充体6がスリット34の隙間から外部に完全に脱落して保持筒部31内に存在しない状態を示す。
(d)は2回実験を行い、(e)、(f)、(g)は3回実験を行った。(d)の第2比較例では、1回目は△で、2回目において×となった。(e)の第3比較例では、1回目は〇で、2回目と3回目が△であった。(f)の第3実施例では、3回ともに◎であった。(g)の第4実施例では、3回ともに◎であった。
以上より、スリット34の隙間tが1.5mm以下の第3実施例及び第4実施例では、落下した場合であってもスリット34の隙間にインク補充体6が挟まったり、スリット34の隙間からインク補充体6が脱落したりしないことが検証された。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施の形態に対し、形状、位置、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることが可能である。
1 インク補充具、
2 容器本体、
3 インク収容容器、
31 保持筒部、
32 容器底部、
33 容器側壁部、
33a 円輪上方突部、
33b 段部、
34 スリット、
4 ペン支持部、
41 支持部上板、
42 ペン先挿通部、
42a 段部、
43 支持部側壁部、
43a 溝、
43b 円輪下方突部、
5 蓋部、
51 蓋部上板、
52 有底筒部、
53 蓋部側壁部、
53a 溝、
6 インク補充体、
7 インク、
100 ペン、
101 ペン筒部、
102 ペン先部、
103 インク保持部材

Claims (8)

  1. 上部が開口したインク収容容器と、
    前記インク収容容器の上部に装着されるとともに、インク補充対象であるペンを挿通させて支持するペン先挿通部が設けられたペン支持部と、
    前記インク収容容器の底部より上方に延び、側面にインク流入部が設けられた保持筒部と、
    前記保持筒部の内部に保持され、上下方向の長さが前記保持筒部の長さ以下のインク補充体と、
    を備えたインク補充具。
  2. 前記インク補充体の硬度は、130N以下である、
    請求項1に記載のインク補充具。
  3. 前記保持筒部は筒状で、
    前記インク補充体は柱状で、
    前記インク補充体は、変形せずに前記保持筒部の内部に挿入可能である、
    請求項1又は2に記載のインク補充具。
  4. 前記インク流入部は、前記インク収容容器の前記底部から上方に延びるスリットである、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のインク補充具。
  5. 前記スリットの幅は1.5mm以下である、
    請求項4に記載のインク補充具。
  6. 前記インク収容容器は容器側壁部を有し、
    前記ペン支持部は支持部側壁部を有し、
    前記容器側壁部と前記支持部側壁部とが溶着されている、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のインク補充具。
  7. 前記ペン先挿通部と前記保持筒部との間の隙間は、1.0mm以内である、
    請求項1から6のいずれか1項に記載のインク補充具。
  8. 前記ペン先挿通部の下端の外径は、前記保持筒部の内径より小さく、
    前記ペン先挿通部の下端は、前記保持筒部の上端より下に位置する、
    請求項1から7のいずれか1項に記載のインク補充具。
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