JP2021094776A - インク補充具 - Google Patents
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Abstract
Description
ペン先を直接インクに浸すものは、ペン先の空気孔がインクに没しないよう、インク液面を低くする必要があり、容器をコンパクトにしにくい。
インク補充体を使用するものは、ペン先とインク補充体の接触面積が小さいと補充時間が長期化する。このため、ペン先とインク補充体との接触面積を増大させるためにインク補充体に変形促進部としてスリットや貫通穴などの加工を施しているものも提案されている(特許文献1参照)。
インク補充具1は、容器本体2と、容器本体2の上部を覆う蓋部5とを備える。なお、実施形態においてインク補充具1は軸線Aを中心とした回転体形状であるが、これに限定されず、例えば矩形形状であってもよい。
容器本体2は、内部にインク7及びインク補充体6が収容されるインク収容容器3と、インク収容容器3の上部に装着され、インク補充対象であるペン100(後述の図6に図示)を支持するペン支持部4とを備える。図4は図3の状態から、さらにペン支持部4を外したインク収容容器3を示す斜視図である。
インク収容容器3は、上述のように内部にインク7が収容される容器で、容器底部32と、容器側壁部33と、容器底部32の内面側より上方に延びる保持筒部31とを備える。
保持筒部31には、容器底部32から上方に延びるスリット(インク流入部)34が3箇所に設けられ、スリット34によって保持筒部31は実質的に3つに分割されている。スリット34は、保持筒部31の円周方向に互いの距離が均等になる位置に設けられている。ただし、スリット34は3つに限らず1つ以上であればよい。また、スリットに限らず、例えば貫通穴であってもよい。
スリット34より、インク7が保持筒部31に流入可能となっている。スリット34は容器底部32から延びているので、インク7の量が少なくなった場合であっても、保持筒部31内に流入可能である。実施形態においてスリット34の幅tは1.5mm以下である。これについては後述する。
なお、実施形態では保持筒部31は上記のとおり円筒形状であるが、内側にインク補充体(後述)を保持可能な形状であれば、これに限定されない。好ましい形状は筒状であり、実施形態のような円筒形状のほか、例えば、角筒形状等であっても良い。
ペン支持部4は、上述のようにインク補充対象であるペン100(後述の図6に図示)を支持する部分で、支持部上板41と、支持部上板41の中央部より軸線Aを中心として下方に延びる円筒状のペン先挿通部42と、支持部上板41の外縁から下方に延びる支持部側壁部43と、を備える。
支持部側壁部43の下端は、外径側に張り出し、その張り出した部分の下方には、円輪状に突出した円輪下方突部43bが設けられている。
円輪下方突部43bの外径は、上述の容器側壁部33の上端に設けられた円輪上方突部33aの内径と略等しい。
ただし、これに限定されず、ペン先挿通部42の下端と保持筒部31の上端とが近接して、例えばその間の距離が1.0mm以下であれば、ペン先挿通部42の下端が、保持筒部31の内径側に挿入されていなくてもよい。これについては後述する。
蓋部5は、インク補充具1の非使用時において容器本体2の上部を覆う。
蓋部5は、蓋部上板51と、蓋部上板51の中央部において軸線Aを中心として下方に延びる有底筒部52と、蓋部上板51の外縁から、有底筒部52の周囲を囲むように下方に延びる蓋部側壁部53と、を備える。
その際、有底筒部52はペン先挿通部42内に挿入され、有底筒部52はペン先挿通部42の先端部と嵌合してペン先挿通部42の開口を塞ぐ。
また、蓋部上板51の内面に設けられた環状の凸部51aと支持部上板41の外面とが当接する。したがって、インク補充具1が倒れた場合や輸送による振動や衝撃が加えられた場合であっても、内部のインク7がペン先挿通部42の開口から外部に流出することがない。
なお、蓋部側壁部53の下端と、支持部側壁部43の張り出した部分の上面とは、蓋部上板51の内面に設けられた環状の凸部51aと支持部上板41の外面との当接よりも先に当接することがないように、蓋部5が、容器本体2(ペン支持部4)に取り付けられた状態において若干の隙間dが設けられている。
インク補充体6は、上面が平面な柱形状で、実施形態では円柱状であるが、多角形形状等であってもよく、保持筒部31の形状とあわせるのが好ましい。インク補充体6は、硬度が130N以下、好ましくは60N以下の柔軟な多孔質部材で製造され、実施形態では、例えば30±10N(日本工業規格JIS K 6400−2)の軟質ウレタンフォームである。また、インク補充体6は連続気泡構造であって液体を通すことが可能である。
そして、インク補充体6は、後述するようにペン先部102が挿入されると、ペン先部102に押されて変形してペン先部102に密着し、保持筒部31のスリット34から流入したインク7を吸い上げる。また、インク補充体6は、ペン先部102に押されて変形するが、弾性を有するため、ペン先部102が取り除かれると復元して元の形に戻る。したがって、繰り返しの使用が可能である。
なお、保持筒部31の内径とは、インク補充体6を保持する部分のうち、最も小さくなる位置の内径であり、本実施形態において、保持筒部31の底部32側の下端の内径である。
また、インク補充体6を、変形せずに保持筒部31の内部に挿入可能とすると、製造工程において、インク補充体6を保持筒部31内に挿入するだけで、インク補充体6の自重により所定位置に設置されるので、インク補充体6を保持筒部31に収容するときに押込む必要がなく製造しやすい。さらに、インク収容容器3の姿勢を変更することなく、ペン支持部4の組み付けやインク7の充填を行えるので、製造しやすい。
実施形態と異なり、インク補充体6の長さy5が保持筒部31の長さy6より長い場合、インク補充体6が柔軟なので、保持筒部31からインク補充体6が脱落しやすい。すなわち、インク補充体6が不安定で、外部へ抜け出す可能性がある。
しかし、本発明でインク補充体6の上下方向の長さy5は保持筒部31の長さy6以下であって、インク補充体6は保持筒部31内に起立した状態で維持されているので、インク補充体6が柔軟であっても変形したり保持筒部31の外部へ飛び出したりしにくい。
ペン筒部101内には、円柱形状の多孔質部材であってインクが含侵されるインク保持部材103が配置されている。ペン先部102はペン筒部101の内部においてインク保持部材103に差し込まれ、通常の使用時には、インク保持部材103のインクがペン先部102に供給される。
このとき、縮径部101aの斜面が、ペン先挿通部42の段部42aと当接する。これにより、ペン100(ペン先部102)が、必要以上にペン先挿通部42の奥まで挿入されることが防止される。
しかし、実施形態のインク補充体6は硬度が130N以下で柔軟であるので、ペン先部102は自重によりペン100の縮径部101aの斜面と、ペン先挿通部42の段部42aと当接される位置を限度としてインク補充体6を押圧し、インク補充体6を変形してインク補充体6内に沈み込む。そうすると、ペン先部102の側面をインク補充体6で包囲することができるのでペン先部102とインク補充体6との接触面積が大きくなり、インク7のペン先部102への吸い込みを迅速かつ確実に行うことができる。
しかし、実施形態ではインク補充体6は柔軟であるので、このような加工をしなくても、簡易な形状で十分な接触面積を確保でき、製造容易でかつ安定したインク供給性能を確保可能なインク補充具1を提供することができる。
ここで、本実施形態では、上述したように、ペン先挿通部42と保持筒部31との間の隙間、換言すると、ペン先挿通部42の下端と保持筒部31の内面との最短距離y2が近接し、1.0mm以下である。さらに、ペン先挿通部42の下端の外径x3は、保持筒部31の内径x4より小さく、ペン先挿通部42の下端が、保持筒部31の内径側に挿入されていることが好ましい。したがって、インク補充具1が、例えば運搬される際に、インク補充体6が保持筒部31の内部から飛び出してしまうことがない。
図7(a)は、ペン先挿通部42の下端と保持筒部31の内面との最短距離y2が5.55mmの第1比較例を示す図である。図7(b)は、ペン先挿通部42の下端と保持筒部31の内面との最短距離y2が0.90mmの実施形態の第1実施例を示す図である。図7(c)は、ペン先挿通部42の下端と保持筒部31の内面との最短距離y2が0.50mmであり、かつペン先挿通部42の下端が、保持筒部31の内径側に挿入されている実施形態の第2実施例を示す図である。
インク7は水性顔料インクの黄緑色を規定量11.5g充填した。落下は軽量落下試験機DT−202(神栄テクノロジー社製)を使用した自由落下で行った。
図1に示す寸法は、第1比較例、第1実施例及び第2実施例のいずれも、インク収容容器3の内径x2は40.7mm、インク収容容器3の容器底部32からペン先挿通部42の下端までの距離y3は16mm、液面の高さy4は9〜10mm、保持筒部31の底部32側の下端の内径は9.2mm、インク補充体6の径x1は9mm、長さy5は13mmである。
◎(二重丸)は、インク補充体6の位置に変化がない状態を示す。〇(一重丸)はインク補充体6がペン先挿通部42と保持筒部31との隙間にわずかに挟まっているが、インク補充体6の大部分が保持筒部31内に存在するので、ペン100を挿入した時にインク補充体6とペン先部102は確実に接触する状態を示す。△(三角)はインク補充体6がペン先挿通部42と保持筒部31との隙間に挟まっており、インク補充体6の大部分が保持筒部31外に飛び出ているので、ペン100を挿入した時にインク補充体6とペン先部102とが接触しない状態を示す。×(バツ)はインク補充体6がペン先挿通部42と保持筒部31との隙間から外部に完全に脱落して保持筒部31内に存在しない状態を示す。
図7(b)の第1実施例も、ペン先挿通部42の下端と保持筒部31の上端との間の直線距離が、ペン先挿通部42の下端と保持筒部31の内面との最短距離y2であり、このy2の部分が、ペン先挿通部42と保持筒部31との間の隙間となる。
図7(c)の第2実施例では、ペン先挿通部42の下端が保持筒部31の内径側に挿入されており、ペン先挿通部42の下端と保持筒部31の内面との最短距離y2は、ペン先挿通部42の下端と保持筒部31の上端との間の直線距離以下となり、この最短距離y2の部分が、ペン先挿通部42と保持筒部31との間の隙間となる。
また、実施形態においてもペン先挿通部42の下端が、保持筒部31の内径側に挿入されている(c)の場合、挿入されていない場合(b)よりも良好な結果が得られた。
2 容器本体、
3 インク収容容器、
31 保持筒部、
32 容器底部、
33 容器側壁部、
33a 円輪上方突部、
33b 段部、
34 スリット、
4 ペン支持部、
41 支持部上板、
42 ペン先挿通部、
42a 段部、
43 支持部側壁部、
43a 溝、
43b 円輪下方突部、
5 蓋部、
51 蓋部上板、
52 有底筒部、
53 蓋部側壁部、
53a 溝、
6 インク補充体、
7 インク、
100 ペン、
101 ペン筒部、
102 ペン先部、
103 インク保持部材
Claims (8)
- 上部が開口したインク収容容器と、
前記インク収容容器の上部に装着されるとともに、インク補充対象であるペンを挿通させて支持するペン先挿通部が設けられたペン支持部と、
前記インク収容容器の底部より上方に延び、側面にインク流入部が設けられた保持筒部と、
前記保持筒部の内部に保持され、上下方向の長さが前記保持筒部の長さ以下のインク補充体と、
を備えたインク補充具。 - 前記インク補充体の硬度は、130N以下である、
請求項1に記載のインク補充具。 - 前記保持筒部は筒状で、
前記インク補充体は柱状で、
前記インク補充体は、変形せずに前記保持筒部の内部に挿入可能である、
請求項1又は2に記載のインク補充具。 - 前記インク流入部は、前記インク収容容器の前記底部から上方に延びるスリットである、
請求項1から3のいずれか1項に記載のインク補充具。 - 前記スリットの幅は1.5mm以下である、
請求項4に記載のインク補充具。 - 前記インク収容容器は容器側壁部を有し、
前記ペン支持部は支持部側壁部を有し、
前記容器側壁部と前記支持部側壁部とが溶着されている、
請求項1から5のいずれか1項に記載のインク補充具。 - 前記ペン先挿通部と前記保持筒部との間の隙間は、1.0mm以内である、
請求項1から6のいずれか1項に記載のインク補充具。 - 前記ペン先挿通部の下端の外径は、前記保持筒部の内径より小さく、
前記ペン先挿通部の下端は、前記保持筒部の上端より下に位置する、
請求項1から7のいずれか1項に記載のインク補充具。
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