JP2021094252A - 水晶体データ取得方法、眼科装置及び眼科装置用プログラム - Google Patents

水晶体データ取得方法、眼科装置及び眼科装置用プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】水晶体核状態を容易に判定できる方法、装置又はプログラムを提供する。【解決手段】光干渉断層法により撮影されたグレースケールの前眼部画像を取得し(S21)、この前眼部画像に対してポスタリゼーションを行って3階調、4階調及び5階調の階調変更画像を得る(S22)。これらの階調変更画像での水晶体核の観察像の態様の組み合わせに基づいて、水晶体核状態を予め定められた複数の段階のうちのいずれの段階に該当するかを判定する(S23)。各段階は、水晶体核の像が観察されるか否か、観察される像がスポット状であるのか帯状であるのか、又は水晶体核の全体像が観察されるか否かに基づいて区分される。【選択図】図5

Description

本発明は水晶体核状態を判定する技術に関する。
従来、白内障を検査するため、又は白内障と診断された眼に対して白内障手術の方法などを決定するために、細隙灯顕微鏡などで測定された水晶体の画像に基づいて水晶体核の色、透明度又は硬度などの分類(換言すれば等級付け)を行う方法が知られている(例えば非特許文献1〜7参照)。従来の方法では、水晶体核の色、透明度等の段階別に基準画像が設けられ、判定対象水晶体の画像と基準画像との比較により、判定対象水晶体の核の色、透明度等がいずれの段階に該当するのかを判定している。
"Lens Opacities Classification System II(LOCS II)", Arch Ophthalmol, July 1989, Vol 107,p.991-997 "The Lens Opacities Classification SystemIII", Arch Ophthalmol, June 1993, Vol 111, p.831-836 "Reproducibility of the Wisconsin cataractgrading system in the Blue Mountains Eye Study", Ophthalmic Epidemiology, 1997,Vol.4, No.3, p.119-126 "Use of Photographic Techniques to GradeNuclear Cataract" Investigative Ophthalmology & Visual Science, January1988, Vol.29, No.1, p.73-77 "The Oxford Clinical CataractClassification and Grading System", International Ophthalmology, 1986, Vol.9,p.207-225 "Classification System for Cataracts", OphthalmicRes, 1990, Vol.22, p.46-50 "エメリー核硬度分類の細分化", 臨床眼科, 1996年6月, 50巻,6号, p.1087-1090
従来の方法では、画像中の水晶体核の色、透明度等が予め定められた複数の段階のいずれに該当するのかを判定する場合に、異なる段階間で水晶体核の色、透明度等の違いが分かりにくく、ひいては水晶体核状態の判定が困難であり、判定した水晶体核状態の再現性が低いという問題がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、水晶体核状態を容易に判定可能なデータを取得できる方法、眼科装置及び眼科装置用プログラムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、第1発明に係る水晶体データ取得方法は、
水晶体の画像を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した前記画像である元画像の階調を下げる階調変更ステップと、
を備える。
第2発明に係る眼科装置は、
水晶体の画像を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記画像である元画像の階調を下げる階調変更部と、
を備える。
第3発明に係る眼科装置用プログラムは、
水晶体の画像を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記画像である元画像の階調を下げる階調変更部と、
してコンピュータを機能させる。
上記第1〜第3発明によれば、階調変更ステップ又は階調変更部により水晶体の元画像の階調を下げるので、画像中の水晶体核の態様を強調させることができる。これによって、水晶体核状態を容易に判定可能な水晶体データを得ることができる。
眼科検査システムの構成図である。 前眼部の断層画像を模式的に示した図である。 水晶体核状態を複数の段階に分ける際の前提となる条件を設定する手順を示すフローチャートである。 図3のステップS3の具体的な手順を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る水晶体核状態を分類する手順を示すフローチャートである。 図5のステップS23の具体的な手順を示すフローチャートである。 前眼部の元画像であり、核分類記号「1」の段階に分類される前眼部画像を例示した図である。 前眼部の元画像であり、核分類記号「2」の段階に分類される前眼部画像を例示した図である。 前眼部の元画像であり、核分類記号「3a」の段階に分類される前眼部画像を例示した図である。 前眼部の元画像であり、核分類記号「3b」の段階に分類される前眼部画像を例示した図である。 前眼部の元画像であり、核分類記号「4」の段階に分類される前眼部画像を例示した図である。 前眼部の元画像であり、核分類記号「5」の段階に分類される前眼部画像を例示した図である。 図7の前眼部画像に対応する、細隙灯顕微鏡で撮影した前眼部の画像である。 図8の前眼部画像に対応する、細隙灯顕微鏡で撮影した前眼部の画像である。 図9の前眼部画像に対応する、細隙灯顕微鏡で撮影した前眼部の画像である。 図10の前眼部画像に対応する、細隙灯顕微鏡で撮影した前眼部の画像である。 図11の前眼部画像に対応する、細隙灯顕微鏡で撮影した前眼部の画像である。 図12の前眼部画像に対応する、細隙灯顕微鏡で撮影した前眼部の画像である。 図7の前眼部画像の階調を3階調に階調変更した画像の図である。 図7の前眼部画像の階調を4階調に階調変更した画像の図である。 図7の前眼部画像の階調を5階調に階調変更した画像の図である。 図8の前眼部画像の階調を3階調に階調変更した画像の図である。 図8の前眼部画像の階調を4階調に階調変更した画像の図である。 図8の前眼部画像の階調を5階調に階調変更した画像の図である。 図9の前眼部画像の階調を3階調に階調変更した画像の図である。 図9の前眼部画像の階調を4階調に階調変更した画像の図である。 図9の前眼部画像の階調を5階調に階調変更した画像の図である。 図10の前眼部画像の階調を3階調に階調変更した画像の図である。 図10の前眼部画像の階調を4階調に階調変更した画像の図である。 図10の前眼部画像の階調を5階調に階調変更した画像の図である。 図11の前眼部画像の階調を3階調に階調変更した画像の図である。 図11の前眼部画像の階調を4階調に階調変更した画像の図である。 図11の前眼部画像の階調を5階調に階調変更した画像の図である。 図12の前眼部画像の階調を3階調に階調変更した画像の図である。 図12の前眼部画像の階調を4階調に階調変更した画像の図である。 図12の前眼部画像の階調を5階調に階調変更した画像の図である。 図10の前眼部画像の階調を6階調に階調変更した画像の図である。 図10の前眼部画像の階調を7階調に階調変更した画像の図である。 図10の前眼部画像の階調を8階調に階調変更した画像の図である。 図11の前眼部画像の階調を6階調に階調変更した画像の図である。 図11の前眼部画像の階調を7階調に階調変更した画像の図である。 図11の前眼部画像の階調を8階調に階調変更した画像の図である。 図12の前眼部画像の階調を6階調に階調変更した画像の図である。 図12の前眼部画像の階調を7階調に階調変更した画像の図である。 図12の前眼部画像の階調を8階調に階調変更した画像の図である。 第2実施形態に係る水晶体核状態を分類する手順を示すフローチャートである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は眼科検査システム1の構成図を示している。眼科検査システム1は、水晶体核状態として水晶体核の硬度を判定するためのデータを取得して、これを提示(表示)するシステムである。眼科検査システム1は、光干渉断層計2と表示部3と操作部4と画像処理装置5とを備えている。
光干渉断層計2は、光干渉断層法(Optical Coherence Tomography:OCT)により前眼部の断層画像を撮影する装置である。光干渉断層計2は、低コヒーレント光源光を、被検眼へ照射する測定光と参照光とにそれぞれ分岐させ、測定光の被検眼からの反射光と参照光との干渉光に基づいて、前眼部の断層画像を取得する。光干渉断層計2は、例えば光源として波長掃引レーザを用い、得られたスペクトルをフーリエ変換することで深さ情報を得る周波数掃引(Swept Source)型のOCT(SS−OCT)である。
光干渉断層計2は、前眼部の断層画像としてグレースケールの画像を出力する。この画像の階調は例えば256階調である。256階調のグレースケール画像では、各画素の階調値が「0」〜「255」のいずれかの値で与えられる。階調値「0」は黒を示し、階調値「255」は白を示し、階調値「1」〜「254」は濃淡(明暗)が互いに異なる灰色を示している。灰色は、階調値が大きいほど白に近づく。
ここで、図2は光干渉断層計2で撮影される前眼部の断層画像を模式的に示している。図2の断層画像は、前眼部の深さ方向に伸びた基準線40(視軸又は光軸など)と略平行な平面で前眼部を切った画像である。断層画像は、水晶体30、角膜35、虹彩36といった前眼部の各部の像を含んでいる。水晶体30は、前嚢31と後嚢32と水晶体核33と水晶体皮質34とを含んで構成される。水晶体核33は水晶体30の中央部に位置する。水晶体皮質34は、水晶体核33と水晶体嚢31、32との間に位置する。なお、図2では、分かりやすくするために、水晶体30の各部31〜34を明瞭に図示しているが、実際の画像では各部31〜34が不明瞭の場合があり、また各部31〜34の区分けが困難な場合がある。
図1に戻って、表示部3は画像処理装置5から出力される前眼部画像等を表示する液晶ディスプレイ等のディスプレイである。操作部4は、前眼部の評価者(医師等)などのユーザによって操作が行われる部分である。操作部4は、キーボード、マウス等であってもよいし、表示部3の画面に設けられるタッチパネルであってもよい。操作部4は、例えば画像処理装置5が行う処理の内容(具体的には後述のポスタリゼーションを行う際にいずれの階調に変換するのかなど)を指示するためのものである。
画像処理装置5は、光干渉断層計2が出力する前眼部画像を取得して、取得した前眼部画像に対して画像処理を施す装置である。本実施形態では、画像処理装置5は光干渉断層計2と直接に接続されているが、接続されなくてもよい。画像処理装置5と光干渉断層計2とが直接に接続されない場合には、例えば光干渉断層計2が出力する画像データを可搬式のメモリ(USBメモリ等)に記憶させ、このメモリを画像処理装置5に接続し、画像処理装置5はこのメモリに記憶された画像データを読み込むようにしてもよい。
画像処理装置5は、制御部6と、ROM等の不揮発性メモリ7とを備えている。メモリ7には、制御部6が実行する処理のプログラム8等が記憶されている。制御部6はCPU等で構成されており、メモリ7に記憶されたプログラム8に従った処理を実行する。具体的には、制御部6は、前眼部画像に対して階調を下げる処理であるポスタリゼーションを実行したり、ポスタリゼーション後の画像を表示部3に表示させたりする。
本実施形態では、眼科検査システム1は、白内障手術予定眼(換言すれば白内障と診断された水晶体)に対して白内障手術の難易度や方法を決定するために水晶体核の硬度を判定するために用いられる。白内障手術は、白く濁った水晶体を除去し、眼内レンズを前眼部に埋め込む手術である。白内障手術の種類としては、超音波乳化吸引術(phacoemulsification and aspiration :PEA)と、水晶体嚢外摘出術(extracapsular cataract extraction :ECCE)と、水晶体嚢内摘出術(intracapsular cataract extraction :ICCE)とがある。超音波乳化吸引術は、前嚢を切開し、核、皮質を超音波で砕いて吸引する手術である。水晶体嚢外摘出術は、前嚢を切開し、核、皮質を摘出する手術である。水晶体嚢内摘出術は水晶体全体を摘出する手術である。
白内障手術として超音波乳化吸引術を行う場合には、水晶体核が硬いと当該手術の難易度が上がる。この場合には、初心者が超音波乳化吸引術を行うと重篤な合併症を招くおそれがあることから、熟練者が超音波乳化吸引術を行うという対応が考えられる。また、水晶体核の硬度に応じて、超音波乳化吸引術における超音波出力を調整する対応が考えられる。また、水晶体核が硬ければ、超音波乳化吸引術に代えて、例えば水晶体嚢外摘出術を行うという対応が考えられる。このように、白内障手術予定眼に対して水晶体核の硬度を判定することは有益である。
そこで、本実施形態では、図3〜図6の手順により、水晶体核の硬度の分類を行う。図3、図4は、水晶体核の硬度を複数の段階に分ける際の前提となる条件、すなわち何段階に分けるのかや、各段階に該当するための条件を設定する手順である。図5、図6は、図3、図4において、核硬度を分類するための各段階が設定されたことを前提として、判定対象水晶体における水晶体核の状態(硬度)が、図3、図4で設定された複数の段階のうちのいずれの段階であるのかを判定する手順である。先ず図3、図4から説明する。
図3において先ず複数の前眼部画像を収集する(S1)。収集する複数の前眼部画像は互いに異なる眼の画像であり、かつ、いずれも白内障と診断された眼の画像であり、かつ、光干渉断層法(光干渉断層計2)によって撮影されたグレースケールの断層画像である。また、収集する複数の前眼部画像として、細隙灯顕微鏡等から得られた前眼部のカラー画像において水晶体核の色や透明度が互いに異なる眼に対して光干渉断層法によって得られた画像を収集するのがよい。図7〜図12は、ステップS1で収集する一部の前眼部画像を例示している。なお、図7〜図12の画像は、ハイデルベルグエンジニアリング社製の光干渉断層計「ANTERION(登録商標)」で撮影された画像である。「ANTERION(登録商標)」は周波数掃引型OCT(SS−OCT)である。「ANTERION(登録商標)」のレーザの波長は1300nmである。また図13〜図18は図7〜図12の各前眼部画像に対応する細隙灯顕微鏡で得られた前眼部画像を示している。
次に、ステップS1で収集した各前眼部画像を画像処理装置5に読み込ませて、画像処理装置5により、各前眼部画像の階調を下げる処理(ポスタリゼーション)を行わせる(S2)。ここでは、256階調の前眼部画像を元画像として、各元画像毎に、256階調から3階調に下げた3階調画像と、4階調に下げた4階調画像と、5階調に下げた5階調画像とが得られるように、画像処理装置5にポスタリゼーションを行わせる。画像処理装置5は、ポスタリゼーションにより得られた3階調画像、4階調画像及び5階調画像を表示部3に表示させたり、印刷部(図示外)で印刷させたりする。つまり、画像処理装置5は、3階調画像、4階調画像及び5階調画像を提示する(提示ステップ)。
元画像から3階調画像を得るためには、例えば元画像の各画素の階調値を表1のように変換させる。また、元画像から4階調画像を得るためには、例えば元画像の各画素の階調値を表2のように変換させる。また、元画像から5階調画像を得るためには、例えば元画像の各画素の階調値を表3のように変換させる。
Figure 2021094252
Figure 2021094252
Figure 2021094252
表1〜表3で示されるポスタリゼーションは、元画像の階調値(0〜255)を均等に複数の区間(表1の場合は3つの区間、表2の場合は4つの区間、表3の場合は5つの区間)に分割する。分割により得られた複数の区間のうち、最初の区間は、ポスタリゼーション後の階調値として0(つまり黒色)を割り当て、最後の区間はポスタリゼーション後の階調値として1(つまり白色)を割り当てる。残りの区間は各区間の中間の階調値を割り当てる。
ポスタリゼーションは、図1の操作部4により、変更後の階調を入力することにより行わせる。例えば3階調画像を得たい場合には、操作部4から画像処理装置5に階調=3を入力する。画像処理装置5は、操作部4から入力された階調となるように元画像の階調を変更する。
ここで、図19〜図21は図7で示される元画像に対してポスタリゼーションを行った例を示し、図19は3階調画像を示し、図20は4階調画像を示し、図21は5階調画像を示す。図22〜図24は図8で示される元画像に対してポスタリゼーションを行った例を示し、図22は3階調画像を示し、図23は4階調画像を示し、図24は5階調画像を示す。図25〜図27は図9で示される元画像に対してポスタリゼーションを行った例を示し、図25は3階調画像を示し、図26は4階調画像を示し、図27は5階調画像を示す。図28〜図30は図10で示される元画像に対してポスタリゼーションを行った例を示し、図28は3階調画像を示し、図29は4階調画像を示し、図30は5階調画像を示す。図31〜図33は図11で示される元画像に対してポスタリゼーションを行った例を示し、図31は3階調画像を示し、図32は4階調画像を示し、図33は5階調画像を示す。図34〜図36は図12で示される元画像に対してポスタリゼーションを行った例を示し、図34は3階調画像を示し、図35は4階調画像を示し、図36は5階調画像を示す。
次に、ステップS2によってポスタリゼーションが行われた画像である階調変更画像に基づいて、水晶体核の状態を分類する際の前提となる条件、すなわち何段階に分けるのか、及び各段階に該当するための条件を設定する(S3)。具体的には図4の手順にしたがって分類の各段階を設定する。なお、図4の各ステップは医師等の人間が行う。
図4において先ず、各階調変更画像毎に、階調変更画像において観察される水晶体核の像の態様を特定する(S11)。ここでは、観察像の態様として、画像中に水晶体核の像が観察されるか否か(観察像の有無)、観察像の形状若しくは大きさを特定する。観察像の形状若しくは大きさの特定として、例えば、水晶体核の全体が観察されるのか、又は一部が観察されるのかを特定したり、水晶体核の一部が観察される場合にはその観察像がどのような形状であるのかを特定したりする。なお、ステップS11では、水晶体核の観察像として、水晶体の中央部(水晶体核領域)において、黒以外の色(つまり白色及び灰色)で示される領域を水晶体核の観察像として特定する。観察像の態様としては、観察像における白色又は灰色の濃淡の違いは考慮しない。
ステップS11を、図19〜図36で示される階調変更画像を例に挙げて説明する。図7の元画像から得られた図19〜図21の階調変更画像にあっては、3階調、4階調、5階調の画像のいずれも水晶体核の像は観察されない。図8の元画像から得られた図22〜図24の階調変更画像にあっては、図22、図23の3階調、4階調の画像では水晶体核の像は観察されず、図25の5階調の画像では水晶体核の像11が観察される。この観察像11は、大きさから判断すると、水晶体核の一部を示している。
図9の元画像から得られた図25〜図27の階調変更画像にあっては、図25の3階調の画像では水晶体核の像は観察されず、図26、図27の4階調、5階調の画像では水晶体核の像12、13が観察される。これら観察像12、13は、大きさから判断すると、水晶体核の一部を示しており、より具体的にはスポット状の像である。なお、スポット状とは、後述の帯状よりも縦横比が1に近い形状であって、点状又は点に近い形状を言う。
図10の元画像から得られた図28〜図30の階調変更画像にあっては、図28の3階調の画像では水晶体核の像は観察されず、図29、図30の4階調、5階調の画像では水晶体核の像14、15が観察される。これら観察像14、15は、大きさから判断すると、水晶体核の一部を示しており、より具体的には帯状の像である。なお、帯状とは、前述のスポット状よりも横又は縦に細長い形状をいう。観察像14、15では、横(左右)に細長い形状を示している。
図11の元画像から得られた図31〜図33の階調変更画像にあっては、図31の3階調の画像では水晶体核の像は観察されず、図32、図33の4階調、5階調の画像では水晶体核の像16、17が観察される。4階調画像の観察像16は、大きさから判断すると、水晶体核の一部を示している。5階調画像の観察像17は、大きさから判断すると、水晶体核の全体を示している。
図12の元画像から得られた図34〜図36の階調変更画像にあっては、図34の3階調の画像では水晶体核の像は観察されず、図35、図36の4階調、5階調の画像では水晶体核の像18、19が観察される。これら観察像18、19は、大きさから判断すると、水晶体核の全体を示している。
図4に戻り、次に、ステップS11で特定した水晶体核の観察像の態様を複数の段階に区分する(S12)。具体的には、1つの元画像から得られた3階調、4階調、5階調の3つの画像を1つの画像セットとして、各画像セット毎に、3階調画像での水晶体核観察像の態様と、4階調画像での水晶体核観察像の態様と、5階調画像での水晶体核観察像の態様との組み合わせを確認する。そして、複数の画像セット間での該組み合わせの共通性や相違性を見出しつつ、該組み合わせを複数の段階に区分する。ここでは、例えば表4のように6段階に区分する。
表4における第1段階は、3階調、4階調、5階調の全ての画像において水晶体核の像が観察されないという段階である。この第1段階は、図19〜図21で示される画像セットが当てはまる。
表4における第2段階は、3階調、4階調の画像において水晶体核の像は観察されず、5階調の画像において水晶体核の一部の像が観察されるという段階である。この第2段階は、図22〜図24で示される画像セットが当てはまる。
表4における第3段階は、3階調の画像において水晶体核の像は観察されず、4階調、5階調の画像において水晶体核の像がスポット状に観察されるという段階である。この第3段階は、図25〜図27で示される画像セットが当てはまる。
表4における第4段階は、3階調の画像において水晶体核の像が観察されず、4階調、5階調の画像において水晶体核の像が帯状に観察されるという段階である。この第4段階は、図28〜図30で示される画像セットが当てはまる。
表4における第5段階は、3階調の画像において水晶体核の像が観察されず、4階調の画像において水晶体核の一部の像が観察され、5階調の画像において水晶体核の全体像が観察されるという段階である。この第5段階は、図31〜図33で示される画像セットが当てはまる。
表4における第6段階は、3階調の画像において水晶体核の像が観察されず、4階調、5階調の画像において水晶体核の全体像が観察されるという段階である。この第6段階は、図34〜図36で示される画像セットが当てはまる。
Figure 2021094252
ここで、水晶体核は、加齢とともに、水晶体細胞が密集して圧力がかかることで硬くなる。水晶体核が硬くなると、光干渉断層計2の測定光が水晶体核内で反射して形成される光(反射光)の強度が大きくなり、その結果、前眼部の断層画像において水晶体核の観察像が形成されやすくなる。この場合、水晶体核内において硬い部分が多いほど、観察像が大きくなる。また、水晶体核の各部が硬いほど、階調が小さい階調変更画像においても像が形成されやすくなる。なお、水晶体核は加齢とともに白み又は黄みを帯びるようになり、換言すれば、透明度が低下する。水晶体核の白色又は黄色の濃さと不透明度と硬さとは相互に相関している。すなわち、水晶体核が硬いほど、色が濃く、不透明度が大きい状態であり、反対から言えば、色が濃く、不透明度が大きいほど、硬い状態である。
以上より、複数の階調変更画像(3階調画像、4階調画像、5階調画像)において水晶体核の像が観察される数が多いほど、又は、観察される水晶体核の像が大きいほど、水晶体核の硬度又は色の濃さ又は混濁度(不透明度)が高いと考えることができる。表4では、第1段階→第2段階→第3段階→第4段階→第5段階→第6段階の順に、水晶体核の硬度又は色の濃さ又は混濁度が増していくと考えられる。これは、図13〜図18で示される細隙灯顕微鏡の画像における水晶体核の色の濃さ又は不透明度の傾向と概ね一致している。すなわち、図13〜図18の画像を比較すると、表4の第1段階に対応する図13の水晶体中央部(水晶体核)の色が最も薄く、表4の第6段階に対応する図18の水晶体中央部(水晶体核)の色が最も濃い。
より具体的には、表4の第1段階(後述の分類記号「1」)に対応する図13の画像は、上記非特許文献2(”The Lens Opacities Classification System III”)のFig5に挙げられた水晶体核の色又は混濁についての6個の標準NC1〜NC6のうち第2の標準NC2に相当する。表4の第2段階(後述の分類記号「2」)に対応する図14の画像は上記6個の標準NC1〜NC6のうち第3の標準NC3に相当する。表4の第3段階(後述の分類記号「3a」)に対応する図15の画像は上記6個の標準NC1〜NC6のうち第3の標準NC3に相当する。表4の第4段階(後述の分類記号「3b」)に対応する図16の画像は上記6個の標準NC1〜NC6のうち第4の標準NC4に相当する。表4の第5段階(後述の分類記号「4」)に対応する図17の画像は上記6個の標準NC1〜NC6のうち第5の標準NC5に相当する。表4の第6段階(後述の分類記号「5」)に対応する図18の画像は上記6個の標準NC1〜NC6のうち第6の標準NC6に相当する。このように、表4の各段階と、非特許文献2の水晶体核の分類(NC1〜NC6)とは相関している。
次に、ステップS12で区分けした各段階に、水晶体核の状態(硬度)に応じた分類記号を付与する(S13)。表4には、分類記号として、第1段階には「1」、第2段階には「2」、第3段階には「3a」、第4段階には「3b」、第5段階には「4」、第6段階には「5」を付与した例を示している。なお、第3段階と第4段階とは共に4階調、5階調の画像で水晶体核の一部の像が観察されるという点では同じであるので、分類記号には、互いに同一の数字「3」を付与し、その数字に付帯する形で、観察像の形状がスポット状か帯状かを示すアルファベット「a」、「b」を付加している。第3段階「3a」の観察像12、13(図26、図27参照)の形状であるスポット状よりも、第4段階「3b」の観察像14、15(図29、図30参照)の形状である帯状のほうが若干大きい。そのため、水晶体核の硬さの点では、第3段階「3a」よりも第4段階「3b」の方が若干高い。
以上により、水晶体核の硬度を分類するための前提(基準)となる条件(表4)を得ることができる。表4は、水晶体核の状態(硬度)を複数の段階に分けたときの各段階と、3階調、4階調、5階調の各階調変更画像における水晶体核の観察像の態様の組み合わせとの対応関係を示している。表4の対応関係は表4を導出した者以外の者にも広く展開して用いられることを想定している。また、表4の各段階の条件として、文字で示した条件に加えて又は代えて、基準となる3階調、4階調、5階調の各階調変更画像を設定してもよい。第1段階には例えば図19〜図21の画像を基準画像として設定し、第2段階には例えば図22〜図24の画像を基準画像として設定し、第3段階には例えば図25〜図27の画像を基準画像として設定する。また第4段階には例えば図28〜図30の画像を基準画像として設定し、第5段階には例えば図31〜図33の画像を基準画像として設定し、第6段階には例えば図34〜図36の画像を基準画像として設定する。
水晶体における水晶体核の状態(硬度)が、表4の各段階のうちのいずれの段階であるのかを判定する図5、図6の手順を説明する。図5において先ず判定対象の前眼部画像を取得する(S21)。取得する前眼部画像は、白内障と診断された眼の画像であり、かつ、光干渉断層法(光干渉断層計2)によって撮影されたグレースケールの断層画像である。
次に、ステップS21で取得した前眼部画像を画像処理装置5に読み込ませて、画像処理装置5により、前眼部画像の階調を下げる処理(ポスタリゼーション)を行わせる(S22)。ステップS22のポスタリゼーションは、図3のステップS2と同様であり、すなわちステップS21で取得した前眼部画像である元画像の各画素の階調値を表1〜表3のように変換して、3階調画像、4階調画像及び5階調画像を取得する。画像処理装置5は、3階調画像、4階調画像及び5階調画像を提示する(提示ステップ)。
次に、ステップS22で取得した3階調画像、4階調画像及び5階調画像に基づいて、判定対象水晶体の水晶体核の状態の分類を行う(S23)。具体的には、図6の手順にしたがって水晶体核の状態の分類を行う。なお、図6の各ステップは医師等の人間が行う。
図6において先ず、図5のステップS22で取得した各階調変更画像毎に、階調変更画像において観察される水晶体核の像の態様を特定する(S31)。ステップS31は図4のステップS11と同様である。
次に、ステップS31で特定した3階調画像における観察像態様、4階調画像における観察像態様、及び5階調画像における観察像態様の組み合わせと、表4の対応関係とを比較することにより、判定対象水晶体の水晶体核の状態が表4のいずれの段階に該当するのかを判定する(S32)。そして、判定した段階に付与された分類記号を水晶体核の状態として割り当てる。例えば、3階調画像においては核の像が観察されず、4階調画像においては核の一部の像が観察され、5階調画像においては核の全体像が観察される場合には、表4の第5段階に該当すると判定し、核分類記号として「4」を割り当てる。
その後、判定した水晶体核の硬度に基づいて、白内障手術の方法を決定したり、超音波乳化吸引術における超音波出力を調整したり、白内障手術の実施者を決定したりする。なお、ステップS32は、水晶体核の色の濃さ又は不透明度(混濁度)を判定することと同義である。
以上説明したように、本実施形態では、光干渉断層法により得られるグレースケールの前眼部画像に対してポスタリゼーションを行うので、画像中の水晶体核の態様を強調させることができる。これによって、水晶体核状態を容易に判定できる水晶体データ(前眼部画像データ)を得ることができる。そして、この水晶体データに基づいて水晶体核状態を容易に判定でき、水晶体核状態の判定結果を示すデータとして客観性又は再現性の高いデータを得ることができる。すなわち、例えば評価者Aが、判定対象水晶体Xの核状態として分類記号「2」であると判定した場合に、同じ評価者Aが同じ判定対象水晶体Xに対して別のタイミングで核状態を判定したとき、又は異なる評価者Bが同じ判定対象水晶体Xに対して核状態を判定したときには、同一の分類記号「2」が割り当てられる確率が高いと考えられる。またグレースケールの階調変更画像に基づいて水晶体核状態の判定を行うことで、黒、白、灰色以外の色を判断しなくてもよいので、その判定が容易となる。
また、水晶体核の状態を判定(分類)する際に、水晶体核の観察像の有無、形状若しくは大きさ(核の観察像が全体像なのか一部像なのか、スポット状なのか帯状なのか)、水晶体核の像が観察できる又は観察できない階調変更画像の数又は階調を判断し、水晶体核の観察像の色の違いは判断していないので、水晶体核状態を容易に判定できる。
これに対して、細隙灯顕微鏡等で得られるカラー画像において水晶体核状態として水晶体核の色や透明度を判定する場合には微妙な色又は透明度の違いを判定するのは困難である。例えば図13〜図18で示される細隙灯顕微鏡の画像において、図13の画像と図18の画像の色の違いは判断できるものの、図14の画像と図15の画像の色の違いや、図16の画像と図17の画像の色の違いを判定するのは困難である。より具体的には、図14の画像と図15の画像は、非特許文献2の水晶体核分類では共に第3段階NC3に分類される。これに対して、本実施形態では、図14の画像は表4の第2段階(分類記号「2」)に分類され、図15の画像は表4の第3段階(分類記号「3a」)に分類される。つまり、本実施形態では、図14の画像と図15の画像は異なる段階に分類できる。
また、本実施形態では、複数の階調変更画像(3階調、4階調、5階調の階調変更画像)の組み合わせに基づいて水晶体核状態を分類するので、単一の画像から分類する場合に比べて分類の段階数を多くできるし、1つの画像から読み取るべき情報量を少なくできる。
また、階調変更画像の階調を3階調、4階調又は5階調とすることで、水晶体核の像を、水晶体皮質の像と区別でき、水晶体核状態を容易又は正確に判定できる。
これに対して、図37〜図45は、階調変更画像の階調を6階調、7階調、8階調とした例を示している。図37〜図39は図10の元画像に対してポスタリゼーションを行った画像であり、図37は6階調の画像を示し、図38は7階調の画像を示し、図39は8階調の画像を示している。図40〜図42は図11の元画像に対してポスタリゼーションを行った画像であり、図40は6階調の画像を示し、図41は7階調の画像を示し、図42は8階調の画像を示している。図43〜図45は図12の元画像に対してポスタリゼーションを行った画像であり、図43は6階調の画像を示し、図44は7階調の画像を示し、図45は8階調の画像を示している。図37〜図45で示されるように、ポスタリゼーションの階調を6階調以上とすると、水晶体核の像と水晶体皮質の像とが混在してしまい、換言すれば水晶体核の像と水晶体皮質の像との境界が不明瞭となってしまい、水晶体核状態を判定するのが困難となる。
また、表4に示すように、3階調画像はいずれの段階においても水晶体核の像が観察されないが、分類の各段階の条件に3階調画像も含めることで、この3階調画像を基準として4階調画像及び5階調画像を判断でき、4階調画像及び5階調画像において水晶体核の観察像の有無や観察像の態様を容易に判断できる。
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態を説明する。上記第1実施形態は、水晶体核状態の判定(段階付け)を人間が行う実施形態であったが、本実施形態は、その判定を装置側で行う実施形態である。本実施形態の構成は、第1実施形態と同じ図1の眼科検査システム1である。画像処理装置5のメモリ7には、前眼部画像中の水晶体核の像の態様と水晶体核の状態とを対応させたデータ(例えば表4のデータ)や水晶体核の像の態様を特定するための基準データ(例えば図19〜図36のように、水晶体核の像が観察されない前眼部画像、水晶体核の像がスポット状である前眼部画像、水晶体核の像が帯状である前眼部画像、水晶体核の全体像が観察される前眼部画像)が記憶されている。
画像処理装置5の制御部6は例えば図46の処理を実行することで判定対象水晶体における水晶体核状態を判定する。以下図46の処理を説明する。図46の処理はメモリ7に記憶されたプログラム8が読み出されることで実行される。
図46の処理を開始すると、制御部6は、判定対象の前眼部画像を取得する(S41)。取得する前眼部画像は、白内障と診断された眼の画像であり、かつ、光干渉断層法(光干渉断層計2)によって撮影されたグレースケールの断層画像である。具体的には、制御部6は、例えば、光干渉断層法によって撮影された前眼部画像が記憶された記憶部(例えば、光干渉断層計2のメモリ、画像処理装置5のメモリ7、又は外部メモリなど)から、操作部4の操作により指示された前眼部画像を読み出す。
次に、ステップS41で取得した前眼部画像に対してポスタリゼーションを行う(S42)。ポスタリゼーションは、図3のステップS2と同様であり、すなわちステップS41で取得した前眼部画像である元画像の各画素の階調値を表1〜表3のように変換して、3階調画像、4階調画像及び5階調画像を取得する。
次に、ステップS42で取得した各階調変更画像(3階調画像、4階調画像及び5階調画像)における水晶体核の観察像の態様を判定する(S43)。具体的には、例えば、図19〜図36のように、水晶体核の観察像の態様毎の前眼部画像を基準画像として予めメモリ7に記憶しておく。また、各基準画像と水晶体核の観察像の態様との対応関係を示すデータもメモリ7に記憶しておく。そして、ステップS42で取得した3階調、4階調及び5階調の階調変更画像毎に、階調変更画像とメモリ7に記憶された各基準画像とを比較して、階調変更画像に近似する基準画像を特定する。そして、特定した近似基準画像における水晶体核の観察像の態様を上記対応関係に基づいて特定する。そして、特定した観察像の態様を、判定対象の階調変更画像における水晶体核の観察像の態様であると判定する。
次に、ステップS43で判定した各階調変更画像(3階調画像、4階調画像及び5階調画像)における水晶体核の観察像の態様の組み合わせと、メモリ4に記憶された、水晶体核の観察像の態様の組み合わせと水晶体核の状態とを対応させたデータ(例えば表4のデータ)とを比較することにより、判定対象水晶体における水晶体核の状態を判定する(S44)。例えば、水晶体核の状態として表4で示される第1〜第6段階のいずれの段階に該当するのかを判定する。
次に、ステップS44で判定した水晶体核状態を表示部3等に出力させる(S45)。例えば、ステップS44において、水晶体核状態として表4で示されるいずれかの段階を判定した場合には、ステップS45では、判定した段階に対応する核分類記号(表4参照)を出力させる。これによって、医師等の評価者に、水晶体核の硬度を把握させることができる。
このように、本実施形態では、装置側で水晶体核状態の判定を行うので、より一層、客観性又は再現性の高い判定結果を得ることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載を逸脱しない限度で種々の変更が可能である。例えば上記実施形態では3階調、4階調、及び5階調の階調変更画像に基づいて核状態を判定していたが、いずれの核状態においても3階調画像には核の像が観察されないため、3階調画像を省いて4階調及び5階調の画像のみに基づいて核状態を判定してもよい。
また、上記実施形態では3つの階調変更画像(3階調画像、4階調画像、5階調画像)に基づいて核状態を6段階に分類したが、3階調、4階調、5階調の画像に加えて他の階調の画像も考慮することで、又は各階調変更画像における水晶体核の観察像の態様をより細かく判定することで、核状態を7段階以上に分類してもよい。反対に、考慮する階調変更画像の数を減らすことで、又は階調変更画像における水晶体核の観察像の態様をより大まかに判定することで、核状態を5段階以下に分類してもよい。例えば、5階調画像のみを用いて、5階調画像において核の全体像が観察されるか否かで核状態を2段階に分類してもよい。この場合、5階調画像において核の全体像が観察される場合には、核硬度が「高」と判定し、核の全体像が観察されない場合(核の一部しか観察されない場合、又は核が全く観察されない場合)には核硬度が「低」と判定してもよい。
また、図3のステップS1、図5のステップS21又は図46のステップ41では、光干渉断層法で撮影されたグレースケールの前眼部画像を取得していた。しかし、これに限定されず、光干渉断層法以外の手法で撮影されたグレースケールの前眼部画像を取得してもよい。また、光干渉断層計法により撮影された、又は光干渉断層法以外の手法で撮影されたカラー画像を取得して、ポスタリゼーション前にこのカラー画像をグレースケールの画像に変換してもよい。また、前眼部のカラー画像を取得して、カラー画像のままポスタリゼーションを行い、カラーの階調変更画像に基づいて水晶体核状態を判定してもよい。
また、表4では、核分類記号として、「1」、「2」、「3a」、「3b」、「4」、「5」を割り当てたが、これ以外の記号を割り当ててもよい。
また、上記実施形態では、水晶体核の状態を判定する例を示したが、ポスタリゼーションの画像に基づいて、水晶体核以外の水晶体部位(水晶体皮質、水晶体嚢など)の状態を判定してもよい。また、水晶体の各部位(水晶体核、水晶体皮質など)を区別しないで、水晶体全体としての状態を判定してもよい。
また上記実施形態では、元画像の階調が256階調の例を示したが、他の階調であってもよい。
また上記実施形態では、白内障と診断された水晶体核状態を判定する例を示したが、白内障等の疾患の有無が不明な眼の前眼部画像を取得し、この前眼部画像に対してポスタリゼーションを行い、ポスタリゼーション後の画像に基づいて、水晶体核の状態を判定したり、水晶体の疾患の有無又は傷の有無を判定してもよい。
なお、上記実施形態において、図3のステップS1、図5のステップS21、図46のステップS41が本発明の取得ステップに相当する。図3のステップS2、図5のステップS22、図46のステップS42が本発明の階調変更ステップに相当する。図3のステップS3が設定ステップに相当する。図5のステップS23、図46のステップS43、S44が判定ステップに相当する。図1の画像処置装置5が本発明の眼科装置に相当する。図46のステップS41を実行する画像処置装置5が取得部に相当する。図46のステップS42を実行する画像処置装置5が階調変更部に相当する。図46のステップS43及びステップS44を実行する画像処置装置5が判定部に相当する。図1のプログラム8が本発明の眼科装置用プログラムに相当する。
1 眼科検査システム
2 光干渉断層計
3 表示部
4 操作部
5 画像処理装置
6 制御部
7 メモリ
8 プログラム
上記課題を解決するため、第1発明に係る水晶体データ取得方法は、
水晶体の画像を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した前記画像である元画像の階調を下げる階調変更ステップと、
を備え
水晶体核の状態を複数の段階に分けたときの各段階と、前記階調変更ステップによって階調変更された画像である階調変更画像において観察される水晶体核の像の態様との対応関係が予め設定されており、
判定対象水晶体から得られた前記階調変更画像における前記態様と、前記対応関係とを比較することにより、前記判定対象水晶体の核の状態がいずれの前記段階に該当するのかを判定する判定ステップを備える
第2発明に係る眼科装置は、
水晶体の画像を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記画像である元画像の階調を下げる階調変更部と、
水晶体核の状態を複数の段階に分けたときの各段階と、前記階調変更部によって階調変更された画像である階調変更画像において観察される水晶体核の像の態様との対応関係を記憶する記憶部と、
判定対象水晶体から得られた前記階調変更画像における前記態様と、前記対応関係とを比較することにより、前記判定対象水晶体の核の状態がいずれの前記段階に該当するのかを判定する判定部と、
を備える。
第3発明に係る眼科装置用プログラムは、
水晶体の画像を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記画像である元画像の階調を下げる階調変更部と、
水晶体核の状態を複数の段階に分けたときの各段階と、前記階調変更部によって階調変更された画像である階調変更画像において観察される水晶体核の像の態様との対応関係を記憶する記憶部に記憶された前記対応関係と、判定対象水晶体から得られた前記階調変更画像における前記態様とを比較することにより、前記判定対象水晶体の核の状態がいずれの前記段階に該当するのかを判定する判定部と、
してコンピュータを機能させる。
上記第1〜第3発明によれば、階調変更ステップ又は階調変更部により水晶体の元画像の階調を下げるので、画像中の水晶体核の態様を強調させることができる。これによって、水晶体核状態を容易に判定可能な水晶体データを得ることができる。
眼科検査システムの構成図である。 前眼部の断層画像を模式的に示した図である。 水晶体核状態を複数の段階に分ける際の前提となる条件を設定する手順を示すフローチャートである。 図3のステップS3の具体的な手順を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る水晶体核状態を分類する手順を示すフローチャートである。 図5のステップS23の具体的な手順を示すフローチャートである。 前眼部の元画像であり、核分類記号「1」の段階に分類される前眼部画像を例示した図である。 前眼部の元画像であり、核分類記号「2」の段階に分類される前眼部画像を例示した図である。 前眼部の元画像であり、核分類記号「3a」の段階に分類される前眼部画像を例示した図である。 前眼部の元画像であり、核分類記号「3b」の段階に分類される前眼部画像を例示した図である。 前眼部の元画像であり、核分類記号「4」の段階に分類される前眼部画像を例示した図である。 前眼部の元画像であり、核分類記号「5」の段階に分類される前眼部画像を例示した図である。 図7の前眼部画像に対応する、細隙灯顕微鏡で撮影した前眼部の画像である。 図8の前眼部画像に対応する、細隙灯顕微鏡で撮影した前眼部の画像である。 図9の前眼部画像に対応する、細隙灯顕微鏡で撮影した前眼部の画像である。 図10の前眼部画像に対応する、細隙灯顕微鏡で撮影した前眼部の画像である。 図11の前眼部画像に対応する、細隙灯顕微鏡で撮影した前眼部の画像である。 図12の前眼部画像に対応する、細隙灯顕微鏡で撮影した前眼部の画像である。 図7の前眼部画像の階調を3階調に階調変更した画像の図である。 図7の前眼部画像の階調を4階調に階調変更した画像の図である。 図7の前眼部画像の階調を5階調に階調変更した画像の図である。 図8の前眼部画像の階調を3階調に階調変更した画像の図である。 図8の前眼部画像の階調を4階調に階調変更した画像の図である。 図8の前眼部画像の階調を5階調に階調変更した画像の図である。 図9の前眼部画像の階調を3階調に階調変更した画像の図である。 図9の前眼部画像の階調を4階調に階調変更した画像の図である。 図9の前眼部画像の階調を5階調に階調変更した画像の図である。 図10の前眼部画像の階調を3階調に階調変更した画像の図である。 図10の前眼部画像の階調を4階調に階調変更した画像の図である。 図10の前眼部画像の階調を5階調に階調変更した画像の図である。 図11の前眼部画像の階調を3階調に階調変更した画像の図である。 図11の前眼部画像の階調を4階調に階調変更した画像の図である。 図11の前眼部画像の階調を5階調に階調変更した画像の図である。 図12の前眼部画像の階調を3階調に階調変更した画像の図である。 図12の前眼部画像の階調を4階調に階調変更した画像の図である。 図12の前眼部画像の階調を5階調に階調変更した画像の図である。 図10の前眼部画像の階調を6階調に階調変更した画像の図である。 図10の前眼部画像の階調を7階調に階調変更した画像の図である。 図10の前眼部画像の階調を8階調に階調変更した画像の図である。 図11の前眼部画像の階調を6階調に階調変更した画像の図である。 図11の前眼部画像の階調を7階調に階調変更した画像の図である。 図11の前眼部画像の階調を8階調に階調変更した画像の図である。 図12の前眼部画像の階調を6階調に階調変更した画像の図である。 図12の前眼部画像の階調を7階調に階調変更した画像の図である。 図12の前眼部画像の階調を8階調に階調変更した画像の図である。 第2実施形態に係る水晶体核状態を分類する手順を示すフローチャートである。
光干渉断層計2は、前眼部の断層画像としてグレースケールの画像を出力する。この画像の階調は例えば256階調である。256階調のグレースケール画像では、各画素の階調値が「0」〜「255」のいずれかの値で与えられる。階調値「0」は黒を示し、階調値「255」は白を示し、階調値「1」〜「254」は濃淡(明暗)が互いに異なる灰色を示している。灰色は、階調値が大きいほど白に近づく。
図1に戻って、表示部3は画像処理装置5から出力される前眼部画像等を表示する液晶ディスプレイ等のディスプレイである。操作部4は、前眼部の評価者(医師等)などのユーザによって操作が行われる部分である。操作部4は、キーボード、マウス等であってもよいし、表示部3の画面に設けられるタッチパネルであってもよい。操作部4は、例えば画像処理装置5が行う処理の内容(具体的には後述のポスタリゼーションを行う際にいずれの階調に変換するのかなど)を指示するためのものである。
画像処理装置5は、制御部6と、ROM等の不揮発性メモリ7とを備えている。メモリ7には、制御部6が実行する処理のプログラム8等が記憶されている。制御部6はCPU等で構成されており、メモリ7に記憶されたプログラム8に従った処理を実行する。具体的には、制御部6は、前眼部画像に対して階調を下げる処理であるポスタリゼーションを実行したり、ポスタリゼーション後の画像を表示部3に表示させたりする。
次に、ステップS1で収集した各前眼部画像を画像処理装置5に読み込ませて、画像処理装置5により、各前眼部画像の階調を下げる処理(ポスタリゼーション)を行わせる(S2)。ここでは、256階調の前眼部画像を元画像として、各元画像毎に、256階調から3階調に下げた3階調画像と、4階調に下げた4階調画像と、5階調に下げた5階調画像とが得られるように、画像処理装置5にポスタリゼーションを行わせる。画像処理装置5は、ポスタリゼーションにより得られた3階調画像、4階調画像及び5階調画像を表示部3に表示させたり、印刷部(図示外)で印刷させたりする。つまり、画像処理装置5は、3階調画像、4階調画像及び5階調画像を提示する(提示ステップ)。
表1〜表3で示されるポスタリゼーションは、元画像の階調値(0〜255)を均等に複数の区間(表1の場合は3つの区間、表2の場合は4つの区間、表3の場合は5つの区間)に分割する。分割により得られた複数の区間のうち、最初の区間は、ポスタリゼーション後の階調値として0(つまり黒色)を割り当て、最後の区間はポスタリゼーション後の階調値として255(つまり白色)を割り当てる。残りの区間は各区間の中間の階調値を割り当てる。
ポスタリゼーションは、図1の操作部4により、変更後の階調を入力することにより行わせる。例えば3階調画像を得たい場合には、操作部4から画像処理装置5に階調=3を入力する。画像処理装置5は、操作部4から入力された階調となるように元画像の階調を変更する。
ステップS11を、図19〜図36で示される階調変更画像を例に挙げて説明する。図7の元画像から得られた図19〜図21の階調変更画像にあっては、3階調、4階調、5階調の画像のいずれも水晶体核の像は観察されない。図8の元画像から得られた図22〜図24の階調変更画像にあっては、図22、図23の3階調、4階調の画像では水晶体核の像は観察されず、図24の5階調の画像では水晶体核の像11が観察される。この観察像11は、大きさから判断すると、水晶体核の一部を示している。
ここで、水晶体核は、加齢とともに、水晶体細胞が密集して圧力がかかることで硬くなる。水晶体核が硬くなると、光干渉断層計2の測定光が水晶体核内で反射して形成される光(反射光)の強度が大きくなり、その結果、前眼部の断層画像において水晶体核の観察像が形成されやすくなる。この場合、水晶体核内において硬い部分が多いほど、観察像が大きくなる。また、水晶体核の各部が硬いほど、階調が小さい階調変更画像においても像が形成されやすくなる。なお、水晶体核は加齢とともに白み又は黄みを帯びるようになり、換言すれば、透明度が低下する。水晶体核の白色又は黄色の濃さと不透明度と硬さとは相互に相関している。すなわち、水晶体核が硬いほど、色が濃く、不透明度が大きい状態であり、反対から言えば、色が濃く、不透明度が大きいほど、硬い状態である。
次に、ステップS21で取得した前眼部画像を画像処理装置5に読み込ませて、画像処理装置5により、前眼部画像の階調を下げる処理(ポスタリゼーション)を行わせる(S22)。ステップS22のポスタリゼーションは、図3のステップS2と同様であり、すなわちステップS21で取得した前眼部画像である元画像の各画素の階調値を表1〜表3のように変換して、3階調画像、4階調画像及び5階調画像を取得する。画像処理装置5は、3階調画像、4階調画像及び5階調画像を提示する(提示ステップ)。
また、水晶体核の状態を判定(分類)する際に、水晶体核の観察像の有無、形状若しくは大きさ(核の観察像が全体像なのか一部像なのか、スポット状なのか帯状なのか)、水晶体核の像が観察できる又は観察できない階調変更画像の数又は階調を判断し、水晶体核の観察像の色の違いは判断していないので、水晶体核状態を容易に判定できる。
また、階調変更画像の階調を3階調、4階調又は5階調とすることで、水晶体核の像を、水晶体皮質の像と区別でき、水晶体核状態を容易又は正確に判定できる。
これに対して、図37〜図45は、階調変更画像の階調を6階調、7階調、8階調とした例を示している。図37〜図39は図10の元画像に対してポスタリゼーションを行った画像であり、図37は6階調の画像を示し、図38は7階調の画像を示し、図39は8階調の画像を示している。図40〜図42は図11の元画像に対してポスタリゼーションを行った画像であり、図40は6階調の画像を示し、図41は7階調の画像を示し、図42は8階調の画像を示している。図43〜図45は図12の元画像に対してポスタリゼーションを行った画像であり、図43は6階調の画像を示し、図44は7階調の画像を示し、図45は8階調の画像を示している。図37〜図45で示されるように、ポスタリゼーションの階調を6階調以上とすると、水晶体核の像と水晶体皮質の像とが混在してしまい、換言すれば水晶体核の像と水晶体皮質の像との境界が不明瞭となってしまい、水晶体核状態を判定するのが困難となる。
次に、ステップS43で判定した各階調変更画像(3階調画像、4階調画像及び5階調画像)における水晶体核の観察像の態様の組み合わせと、メモリに記憶された、水晶体核の観察像の態様の組み合わせと水晶体核の状態とを対応させたデータ(例えば表4のデータ)とを比較することにより、判定対象水晶体における水晶体核の状態を判定する(S44)。例えば、水晶体核の状態として表4で示される第1〜第6段階のいずれの段階に該当するのかを判定する。
また、上記実施形態では3つの階調変更画像(3階調画像、4階調画像、5階調画像)に基づいて核状態を6段階に分類したが、3階調、4階調、5階調の画像に加えて他の階調の画像も考慮することで、又は各階調変更画像における水晶体核の観察像の態様をより細かく判定することで、核状態を7段階以上に分類してもよい。反対に、考慮する階調変更画像の数を減らすことで、又は階調変更画像における水晶体核の観察像の態様をより大まかに判定することで、核状態を5段階以下に分類してもよい。例えば、5階調画像のみを用いて、5階調画像において核の全体像が観察されるか否かで核状態を2段階に分類してもよい。この場合、5階調画像において核の全体像が観察される場合には、核硬度が「高」と判定し、核の全体像が観察されない場合(核の一部しか観察されない場合、又は核が全く観察されない場合)には核硬度が「低」と判定してもよい。
また上記実施形態では、元画像の階調が256階調の例を示したが、他の階調であってもよい。

Claims (17)

  1. 水晶体の画像を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップで取得した前記画像である元画像の階調を下げる階調変更ステップと、
    を備える水晶体データ取得方法。
  2. 前記取得ステップではグレースケールの前記元画像を取得する請求項1に記載の水晶体データ取得方法。
  3. 前記取得ステップでは光干渉断層法により前記元画像を取得する請求項1又は2に記載の水晶体データ取得方法。
  4. 前記階調変更ステップによって階調変更された画像を階調変更画像として、
    前記階調変更ステップでは、1つの前記元画像から階調が異なる複数の前記階調変更画像を取得する請求項1〜3のいずれか1項に記載の水晶体データ取得方法。
  5. 前記階調変更ステップでは、1つの前記元画像から4階調及び5階調の前記階調変更画像を取得する請求項4に記載の水晶体データ取得方法。
  6. 水晶体核の状態を複数の段階に分けたときの各段階と、前記階調変更ステップによって階調変更された画像である階調変更画像において観察される水晶体核の像の態様との対応関係を設定する設定ステップを備える請求項1〜5のいずれか1項に記載の水晶体データ取得方法。
  7. 水晶体核の状態を複数の段階に分けたときの各段階と、前記階調変更ステップによって階調変更された画像である階調変更画像において観察される水晶体核の像の態様との対応関係が予め設定されており、
    判定対象水晶体から得られた前記階調変更画像における前記態様と、前記対応関係とを比較することにより、前記判定対象水晶体の核の状態がいずれの前記段階に該当するのかを判定する判定ステップを備える請求項1〜6のいずれか1項に記載の水晶体データ取得方法。
  8. 前記階調変更ステップでは、1つの前記元画像から階調が異なる複数の前記階調変更画像を取得し、
    前記対応関係は、階調が異なる複数の前記階調変更画像における前記態様の組み合わせと、前記段階との関係である請求項6又は7に記載の水晶体データ取得方法。
  9. 前記状態は水晶体核の硬度である請求項6〜8のいずれか1項に記載の水晶体データ取得方法。
  10. 前記段階は、前記階調変更画像において観察される水晶体核の像の有無、形状、又は大きさに応じて区分される請求項6〜9のいずれか1項に記載の水晶体データ取得方法。
  11. 前記段階は、前記階調変更画像に水晶体核の全体像が観察されるか否か、前記階調変更画像において観察される水晶体核の像がスポット状か否か、又は前記階調変更画像において観察される水晶体核の像が帯状か否かに応じて区分される請求項6〜10のいずれか1項に記載の水晶体データ取得方法。
  12. 前記階調変更ステップでは、1つの前記元画像から階調が異なる複数の前記階調変更画像を取得し、
    前記段階は、1つの前記元画像から取得した複数の前記階調変更画像のうち水晶体核の像が表れる又は表れない前記階調変更画像の数又は階調に応じて区分される請求項6〜11のいずれか1項に記載の水晶体データ取得方法。
  13. 前記取得ステップでは白内障と診断された水晶体の画像を取得する請求項1〜12のいずれか1項に記載の水晶体データ取得方法。
  14. 水晶体の画像を取得する取得部と、
    前記取得部が取得した前記画像である元画像の階調を下げる階調変更部と、
    を備える眼科装置。
  15. 前記階調変更部によって階調変更された画像である階調変更画像に基づいて水晶体核の状態を判定する判定部をさらに備える請求項14に眼科装置。
  16. 水晶体の画像を取得する取得部と、
    前記取得部が取得した前記画像である元画像の階調を下げる階調変更部と、
    してコンピュータを機能させる眼科装置用プログラム。
  17. 前記階調変更部によって階調変更された画像である階調変更画像に基づいて水晶体核の状態を判定する判定部としてコンピュータを機能させる請求項16に記載の眼科装置用プログラム。
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