JP2006055547A - 被検眼水晶体の混濁度定量評価方法および眼科装置 - Google Patents

被検眼水晶体の混濁度定量評価方法および眼科装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 被検眼水晶体の混濁度定量評価方法であって、徹照像に基づく水晶体の混濁程度を客観的に定量評価する。
【解決手段】 被検眼200の水晶体220を眼底230側から照明して得られた徹照像Sの濃度ヒストグラムHに対して、横軸(濃度軸)と平行な水平線(度数Niの線)を設定し、この水平線と濃度ヒストグラムHとが交差した2つの交点から垂線を下ろし、垂線を境界とする濃度ヒストグラムHの両端裾野部分について度数総和Ni1,Ni2を求め、両度数総和の差(度数差:ΔNi(=Ni2−Ni1))を求め、この度数差ΔNiを濃度ヒストグラムHの全体度数Nで除算して度数差ΔNiの率Riを算出し、設定度数Niを増加させる方向に変化させてこの率Riの変動を監視し、変動が無くなった(率Riが略一定)ときの設定度数Niにおける率Riを、水晶体220の混濁率Rと規定する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、被検眼水晶体の混濁度定量評価方法および眼科装置に関し、詳細には、徹照像に基づく客観的定量評価の改良に関する。
眼の疾病の一つとして白内障が知られているが、この白内障は、虹彩の後方に位置する透明な水晶体が種々の要因により白く混濁する疾患であり、この混濁が進行するにしたがって視力の低下を招く。
従来、この白内障の進行程度の診断は、被検眼における水晶体の混濁程度を観察することによって行われており、その代表的なものとして、いわゆる徹照法がある。この徹照法は、照明光を、瞳孔を通して眼底に照射し、この照明光が眼底において反射することによって得られた反射光が、水晶体を眼底側から照明し、この反射光による照明によって水晶体を透過した透過光像(以下、徹照像という。)に基づいて、混濁の有無や混濁の程度を判定する診断方法である。
すなわち、水晶体のうち混濁が生じていない部分を透過した光量は多く、混濁が生じている部分を透過した光量は混濁が生じていない部分からの光量よりも少なく、また、混濁の程度が進むにしたがって透過光量は減少するため、徹照像を観察することによって、白内障の状態を診断することができる(特許文献1)。
この徹照法においては、被検眼に照明光を照射したときに、この照明光の一部は角膜で反射するが、この角膜反射光は比較的強いため、観察系に入射すると本来の観察対象である徹照像の読影性能を低下させる虞がある。そこで、このような角膜反射光が観察系に入射するのを防止、あるいは抑制することも行われている(特許文献2)。
ところで、上述した白内障の状態の診断は、徹照像を観察した医師等診断者の主観によるところが大きく、読影技能の優劣や経験の長短に応じて、診断結果に差異が生じやすかった。
そのため、徹照像に基づく混濁程度を定量的に評価する技術の確立が求められており、例えば、徹照像の濃度ヒストグラムに基づき、混濁部分に対応した濃度の度数を瞳孔領域全体の度数で除して得られた百分率を混濁率として算出し、この混濁率を混濁程度の評価値と定義する評価方法が提案されている(非特許文献1)。
特開平4−244133号公報 特開2003−199713号公報 柏木豊彦、外3名、「新しい白内障の客観的評価方法について(徹照写真に対する新しい画像解析法)」、日本眼科紀要39、1988年、p.1126−1131
上述した濃度ヒストグラムは、徹照像に混濁部分が存在するときは、度数が比較的多い第一のピークを有する度数分布と、第一のピークよりも度数が小さい第二のピークを有する度数分布との一部分同士が重畳した分布形状となる。
ここで、第一のピークに対応した度数分布は水晶体の透明部分に対応したものであり、第二のピークに対応した度数分布は混濁部分に対応したものであるが、混濁部分のみの度数を求める場合には、両度数分布が重畳している部分(水晶体の透明部分に対応する度数分布のうち濃度が比較的濃い分布部分と、混濁部分に対応する度数分布のうち濃度が比較的薄い分布部分との重畳部分)から、透明部分に対応した度数を差し引く必要がある。
このとき、上述した非特許文献1に開示された技術によれば、水晶体の透明部分のみに対応した度数分布は、第一のピーク度数に対応した濃度を中心として濃度の薄い側と濃度が濃い側とで略対称となるため、濃度が濃い側の分布形状のうち透明部分のみに対応した度数分布を推定すべく、濃度が濃い側の分布の重畳部分に、濃度が薄い側の分布形状と略対称となるような一次の直線または二次曲線等を設定する。
これにより、透明部分のみに対応する度数分布が得られ、この透明部分のみの度数を、全体の度数から減算することにより、混濁部分の度数を得ることができる。
しかし、重畳部分にこれら二次曲線等を設定する際に、その二次曲線等が通過する2点以上を選択する必要があるが、上述した技術においては、徹照像の濃度ヒストグラムの観察者が、その濃度ヒストグラムを見ながら試行錯誤的に通過点を選択するため、この観察者の主観によって、設定される二次曲線等に差異が生じる。
そして、この設定された二次曲線等の僅かな差異は、算出される混濁部分の度数に大きな影響を与えることになる。したがって、そのようにして得られた混濁程度の評価は、必ずしも客観的な定量評価とはいえなかった。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、徹照像に基づく水晶体の混濁程度を客観的に定量評価することができる被検眼水晶体の混濁度定量評価方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、白内障の診断を適切に支援することができる眼科装置を提供することにある。
本発明に係る被検眼水晶体の混濁度定量評価方法は、徹照像の濃度ヒストグラムに基づいて、水晶体の透明部分についての最大度数に対応した濃度を挟んで濃度の濃い側と薄い側とで同一度数を示す濃度(濃い側の濃度および薄い側の濃度)よりも、度数分布の各裾野側の部分にそれぞれ含まれる度数の合計を各別に算出し、両裾野部分にそれぞれ含まれる度数合計の差に基づいて、水晶体の混濁程度を定量的に表す指標値を得るものである。
すなわち、本発明に係る被検眼水晶体の混濁度定量評価方法は、被検眼の水晶体を眼底側から照明して得られた徹照像に基づいて、前記水晶体の混濁程度を定量化する被検眼水晶体の混濁度定量評価方法であって、
(1)前記徹照像の濃度ヒストグラムを生成し、
(2)所定の度数Niを設定し、
(3)前記濃度ヒストグラムのうち最大度数Nmaxに対応する濃度Dmを挟んで濃度の薄い側と濃度の濃い側とにおいて前記所定の度数Niに対応した第1濃度Di1(<Dm)と第2濃度Di2(>Dm)とをそれぞれ求め、
(4)前記濃度ヒストグラムのうち前記第1濃度Di1以下の濃度範囲における度数総和Ni1と、前記濃度ヒストグラムのうち前記第2濃度Di2以上の濃度範囲における度数総和Ni2とを求め、
(5)前記第2濃度Di2以上の濃度範囲に対応した度数総和Ni2と前記第1濃度Di1以下の濃度範囲に対応した度数総和Ni1との度数差ΔNi(=Ni2−Ni1)を算出し、
(6)前記濃度ヒストグラムの全体度数Nに対する前記度数差ΔNiの割合Riを求め、
(7)前記(2)における所定の度数Niを順次変化させて、この変化の都度、前記(3)から前記(6)までの一連の操作を繰り返し、
(8)前記設定度数Niの変化ごとに求められた前記割合Riの変動に基づいて、前記混濁程度を表す指標値を規定することを特徴とする。
ここで、上記(2)の処理および上記(3)の処理は、幾何的には、濃度ヒストグラム上に、横軸(濃度軸)と平行な水平線(所定度数の線)を設定し、この水平線と濃度ヒストグラムとが交差した2つの交点から、それぞれ横軸に垂線を下ろす処理である。
そして、上記(4)の処理は、幾何的には、濃度ヒストグラムの両端裾野部分について、下ろされたそれぞれの垂線と横軸および濃度ヒストグラムとで囲まれた2つの裾野部分の各面積すなわち各度数総和を求める処理である。
ここで、徹照像に、混濁部分が認められないとき、すなわち水晶体が完全に透明部分だけであるときは、濃度ヒストグラムは、ピーク度数となる濃度を挟んで、濃度の濃い側と薄い側とで略対称の分布を呈する。
したがって、上記(4)の処理による濃度ヒストグラムの各裾野部分の度数総和は、略一致することになる。
しかし、混濁部分が存在するときは、混濁部分は濃度ヒストグラム上において、透明部分のピーク度数に対応する濃度よりも濃い側に現れるため、このピーク度数に対応する濃度よりも濃い側の裾野部分の度数総和が、ピーク度数に対応する濃度よりも薄い側の裾野部分の度数総和よりも大きい値を示す。
そして、上記(5)の処理において、両度数総和の差(度数差)が求められるが、水晶体において混濁部分が広くなるにしたがって、度数差は大きくなる。
ただし、徹照像全体に対する混濁部分の広さの割合が同一であっても、得られた徹照像の全体の大きさが異なれば、この度数差は異なる値となるため、徹照像全体の大きさに対する割合として標準化するために、上記(6)の処理により、濃度ヒストグラムの全体度数で除算する。
そして、上記(7)の処理は、幾何的には、最初に設定した度数の水平線を縦軸方向(度数の増減方向)に移動させる処理であり、その移動の都度、(3)から(6)の処理を繰り返して、両裾野部分間の度数差の割合をそれぞれ算出する。
ここで、濃度ヒストグラム上において、混濁部分に対応する度数分布は、透明部分のみの度数分布のうち、ピーク度数に対応した濃度よりも濃い側の裾野部分と重畳するが、この重畳する濃度範囲の下限が、透明部分のピーク度数に対応した濃度にまで達することはない。
したがって、上述した度数の水平線を、低いレベル(度数が小さいレベル)から徐々に引き上げて行き、あるレベル(度数)に達すると、両裾野部分間の度数差の割合は変化せずに略一定となる。反対に、上述した度数の水平線を、高いレベル(度数が大きいレベル)から徐々に引き下げて行けば、あるレベル(度数)に達すると、両裾野部分間の度数差の割合は、略一定の値であったものが略一定の値ではなくなる。
上記(8)の処理は、このように両裾野部分間の度数差の割合の変動を監視する処理であり、上述したように、両裾野部分間の度数差の割合が変化せずに略一定となったときの、水平線と濃度ヒストグラムとの交点(透明部分のピーク度数に対応した濃度よりも濃い側における交点)から横軸に垂線を下ろして、この垂線が横軸と交差した交点の濃度が、重畳範囲の下限濃度であり、その水平線が縦軸と交差した交点の度数が、重畳範囲の上限度数であるといえる。そして、そのときの割合Riは、観察者の主観を伴わずに求められる値であるため、混濁程度を表す客観的な定量評価値(指標値)ということができる。
なお、実際の被検眼においては、水晶体の透明部分のみの濃度ヒストグラムは、ピーク度数の濃度に対して、完全に対称分布になるとは限らないため、両裾野部分間の度数差の割合が完全に「略一定」となるとは限らない。したがって、「略一定」には、ある程度の許容誤差を設定してもよい。
このように構成された被検眼水晶体の混濁度定量評価方法によれば、上述した作用により、徹照像に基づく水晶体の混濁程度を客観的に定量評価することができる。したがって、白内障診断を適切に支援することができる。
また、本発明の請求項2に係る被検眼水晶体の混濁度定量評価方法は、請求項1に係る被検眼水晶体の混濁度定量評価方法において、前記(7)における度数Niの変化は、小さい度数から順次増加(Ni-1<Ni<Ni+1)する変化であり、(8a)前記(7)における前記度数の変化前後で、これらの相前後する度数Ni-1,Niにそれぞれ対応する2つの割合Ri-1とRiとの差が、予め設定された所定の閾値以下となったときの割合Riを、前記指標値として規定することを特徴とする。
ここで、(8a)の処理は(8)の処理の一態様であり、予め設定された所定の閾値としては、徹照像に現れる水晶体の透明部分のみについての濃度ヒストグラムが、度数ピークNmaxに対応濃度Dmを挟んで、濃度の濃い側と濃度の薄い側とで完全に対称となるような理想的な状態では、0(ゼロ)とすればよい。
ただし、実際の透明部分についての濃度ヒストグラムは、このような完全な対称形にならない場合も生じるため、そのような場合には、透明部分と混濁部分との重畳範囲の上限度数に達しても、割合Ri-1とRiとの差ΔR(=Ri−Ri-1)が所定の閾値0にならない場合が生じ、重畳範囲の上限度数を適切に検出することができない。
そこで、実験的なデータの積重ねなどに基づいて非対称性を吸収する許容差Δを求めて、0±Δなる値を所定の閾値として設定すればよい。
このように構成された被検眼水晶体の混濁度定量評価方法によれば、度数の水平線を、低いレベルから徐々に引き上げて行くと、あるレベルに達するまでは、割合Ri-1とRiとの差が所定の閾値を超えた値を示すが、そのレベルに達すると、上記割合Ri-1とRiとの差ΔRは所定の閾値以下に収束する。
そして、その収束したときの度数Niが、透明部分と混濁部分とが重畳した範囲の度数上限となるため、この度数を適切かつ簡単に検出することができ、得られた度数に基づいて、混濁程度を表す客観的な定量評価値である指標値を得ることができる。
また、本発明の請求項3に係る被検眼水晶体の混濁度定量評価方法は、請求項2に係る被検眼水晶体の混濁度定量評価方法において、前記濃度ヒストグラムが示す最大度数の範囲内において前記所定の度数Niを変化させたとき、前記2つの割合Ri-1とRiとの差が前記所定の閾値以下となることが複数回現れたときは、最初に前記所定の閾値以下となったときの割合Riを、前記指標値とすることを特徴とする。
前述したように、徹照像に現れる水晶体の透明部分のみについての濃度ヒストグラムが、ピーク度数Nmaxに対応濃度Dmを挟んで、濃度の濃い側と濃度の薄い側とで完全に対称となるような理想的な状態ではない場合、特に度数が高い範囲において完全な対称性が確保されていない場合には、度数の水平線が透明部分と混濁部分とが重畳した範囲の度数上限に到達して、上記割合Ri-1とRiとの差が一旦は所定の閾値以下になっても、さらに度数の水平線を高いレベルに移動させて行くと、その非対称性を原因として、割合Ri-1とRiとの差が再度閾値を超えたり、その後再度閾値以下になるなど、閾値以下となる度数が複数検出され得る。
しかし、これら複数の度数が検出された場合にも、請求項3に係る被検眼水晶体の混濁度定量評価方法によれば、度数の水平線を引き上げて行く過程で最初に所定の閾値以下となったときの割合Riを指標値とするため、水晶体の透明部分のみについての濃度ヒストグラムが、特に度数が高い範囲において完全な対称性が確保されていない場合にも、非対称性を原因とした誤検出を回避して、透明部分と混濁部分とが重畳した範囲の度数上限を適切に検出することができる。
また、本発明の請求項4に係る被検眼水晶体の混濁度定量評価方法は、請求項1に係る被検眼水晶体の混濁度定量評価方法において、前記(7)における度数Niの変化は、大きい度数から順次減少(Ni-1>Ni>Ni+1)する変化であり、(8b)前記(7)における前記度数の変化前後で、これらの相前後する度数Ni,Ni+1にそれぞれ対応する2つの割合RiとRi+1との差が、予め設定された所定の閾値以上となったときの割合Riを、前記指標値として規定することを特徴とする。
ここで、(8b)の処理は(8)の処理の一態様であり、予め設定された所定の閾値としては、徹照像に現れる水晶体の透明部分のみについての濃度ヒストグラムが、ピーク度数Nmaxに対応濃度Dmを挟んで、濃度の濃い側と濃度の薄い側とで完全に対称となるような理想的な状態では、0(ゼロ)とすればよい。
ただし、実際の透明部分についての濃度ヒストグラムは、このような完全な対称形にならない場合も生じるため、そのような場合には、透明部分と混濁部分との重畳範囲の上限度数を超えた範囲においても、割合RiとRi+1との差ΔR(=Ri+1−Ri)が所定の閾値0にならない場合が生じ、重畳範囲の上限度数を適切に検出することができない。
そこで、実験的なデータの積重ねなどに基づいて非対称性を吸収する許容差Δを求めて、0±Δなる値を所定の閾値として設定すればよい。
このように構成された被検眼水晶体の混濁度定量評価方法によれば、度数の水平線を、高いレベルから徐々に引き下げて行くと、あるレベルに引き下がるまでは、割合RiとRi+1との差が所定の閾値以下の値を示すが、そのレベルまで引き下がると、上記割合RiとRi+1との差ΔRは所定の閾値を超える。
そして、この閾値を超える直前の度数Niが、透明部分と混濁部分とが重畳した範囲の度数上限となるため、この度数を適切かつ簡単に検出することができ、得られた度数に基づいて、混濁程度を表す客観的な定量評価値である指標値を得ることができる。
また、本発明の請求項5に係る被検眼水晶体の混濁度定量評価方法は、請求項1に係る被検眼水晶体の混濁度定量評価方法において、前記(7)における度数Niの変化は、小さい度数から順次増加(Ni-1<Ni<Ni+1)する変化であり、(8c)連続する複数個の前記度数Ni,Ni+1,…にそれぞれ対応して算出された前記割合Ri,Ri+1,…の組について標準偏差σiを算出し、(8d)前記複数個の度数の組合せをNi+1,Ni+2,…に順次変更しつつ、各度数の組合せに対応した標準偏差σi+1,σi+2,…を求め、(8e)得られた標準偏差σi,σi+1,σi+2,…の極小値σminに対応する組合せに含まれる複数の前記割合Ri+j,Ri+j+1,…のうち、最小度数Ni+jに対応した割合Ri+jを、前記指標値として規定することを特徴とする。
ここで、(8c),(8d),(8e)の処理は、これら3つの処理全体で(8)の処理の一態様である。
前述したように、上記(8)の処理は、濃度ヒストグラムの両裾野部分間の度数差の割合が変動しなくなったときの度数を検出する処理であるが、(8c),(8d),(8e)の一連の処理は、この度数差の割合が変動しない状態を、標準偏差σの極小値を検出することによって監視するイメージである。
標準偏差σが極小値を採るとき、その極小の標準偏差σminの算出に用いられた組の要素{Ri+j,Ri+j+1,…}は、他の組の要素{Ri+m,Ri+m+1,…},…よりも、要素間のバラツキが少ないこととなり、これは、度数差の割合が最も変動しない度数の範囲(組)を検出することとなる。
したがって、水晶体の透明部分と混濁部分との重畳範囲の上限度数を適切に検出することができる。そして、そのときの極小値σminに対応する組合せに含まれる複数の割合{Ri+j,Ri+j+1,…}のうち、最小度数Ni+jに対応した割合Ri+jを、指標値と規定することにより、観察者の主観を伴わない、混濁程度を表す客観的な定量評価値(指標値)を得ることができる。
また、本発明の請求項6に係る被検眼水晶体の混濁度定量評価方法は、請求項1に係る被検眼水晶体の混濁度定量評価方法において、前記(7)における度数Niの変化は、小さい度数から順次増加(Ni-1<Ni<Ni+1)する変化であり、(8c)連続する複数個の前記度数Ni,Ni+1,…にそれぞれ対応して算出された前記割合Ri,Ri+1,…の組について標準偏差σiを算出し、(8d)前記複数個の度数の組合せをNi+1,Ni+2,…に順次変更しつつ、各度数の組合せに対応した標準偏差σi+1,σi+2,…を求め、(8f)得られた標準偏差σi,σi+1,σi+2,…の極小値σminに対応する組合せに含まれる複数の前記割合Ri+j,Ri+j+1,…の平均値Rmを算出し、算出された平均値Rmを、前記指標値として規定することを特徴とする。
ここで、(8c),(8d),(8f)の処理は、これら3つの処理全体で(8)の処理の一態様である。
前述したように、上記(8)の処理は、濃度ヒストグラムの両裾野部分間の度数差の割合が変動しなくなったときの度数を検出する処理であるが、(8c),(8d),(8f)の一連の処理は、この度数差の割合が変動しない状態を、標準偏差σの極小値を検出することによって監視するイメージである。
標準偏差σが極小値を採るとき、その極小の標準偏差σminの算出に用いられた組の要素{Ri+j,Ri+j+1,…}は、他の組の要素{Ri+m,Ri+m+1,…},…よりも、要素間のバラツキが少ないこととなり、これは、度数差の割合が最も変動しない度数の範囲(組)を検出することとなる。
したがって、水晶体の透明部分と混濁部分との重畳範囲の上限度数を適切に検出することができる。そして、そのときの極小値σminに対応する組合せに含まれる複数の割合{Ri+j,Ri+j+1,…}の平均値Rmを算出し、この算出された平均値Rmを指標値として規定することにより、観察者の主観を伴わない、混濁程度を表す客観的な定量評価値(指標値)を得ることができる。
また、本発明の請求項7に係る被検眼水晶体の混濁度定量評価方法は、請求項5または6に係る被検眼水晶体の混濁度定量評価方法において、前記標準偏差の極小値σminが複数個あるときは、これら複数個の極小となる標準偏差σminの算出にそれぞれ用いられた割合Rの組{Ri+j,Ri+j+1,…},{Ri+m,Ri+m+1,…},…のうち、最小度数Ni+jに対応した割合Ri+jを含む組{Ri+j,Ri+j+1,…}についての標準偏差を、前記指標値を規定するための極小の標準偏差として選択することを特徴とする。
ここで、徹照像に現れる水晶体の透明部分のみについての濃度ヒストグラムが、度数ピークNmaxに対応濃度Dmを挟んで、濃度の濃い側と濃度の薄い側とで完全に対称となるような理想的な状態ではない場合、特に度数が高い範囲において完全な対称性が確保されていない場合には、度数の水平線が透明部分と混濁部分とが重畳した範囲の度数上限に到達して、上記標準偏差σが一旦最小値を採っても、さらに度数の水平線を高いレベルに移動させて行くと、その非対称性を原因として、標準偏差σは再度増加に転じたり、その後再度最小値を採るなど、複数の極小値が検出され得る。
しかし、これら複数の極小値が検出された場合にも、請求項6に係る被検眼水晶体の混濁度定量評価方法によれば、度数の水平線を引き上げて行く過程で、標準偏差が最初に極小値を採ったときの割合Ri+jを指標値とするため、水晶体の透明部分のみについての濃度ヒストグラムが、特に度数が高い範囲において完全な対称性が確保されていない場合にも、非対称性を原因とした誤検出を回避して、透明部分と混濁部分とが重畳した範囲の度数上限を適切に検出することができる。
また、本発明に係る眼科装置は、照明光を出射する光源と、被検眼の水晶体が眼底において反射された光によって該眼底側から照明されるように、前記光源から出射された照明光を前記被検眼に導光する照明光学系と、光像を検出する光検出手段と、前記眼底側から照明された前記水晶体の徹照像を、前記光検出手段に結像させる観察光学系と、表示面上に情報を表示する表示手段と、前記光検出手段に結像された徹照像に基づいて該徹照像の濃度ヒストグラムを求め、前記求められた濃度ヒストグラムに基づいて前記水晶体の混濁程度を表す指標値を算出する混濁度算出手段と、前記算出された指標値を前記徹照像とともに前記表示面上に表示させる表示制御手段とを備えたことを特徴とする。
ここで、混濁度算出手段は、濃度ヒストグラムに基づいて水晶体の混濁程度を表す指標値を、上述した本発明に係る各被検眼水晶体の混濁度定量評価方法によって算出するものであってもよいし、その他の方法によって算出するものであってもよい。
その他の方法としては、例えば、既述した非特許文献1に示した方法を適用することもできる。
すなわち、徹照像の濃度ヒストグラムの水晶体の透明部分に対応した分布部分と水晶体の混濁部分に対応した分布部分とが重畳している部分(水晶体の透明部分に対応する度数分布のうち濃度が比較的濃い分布部分と、混濁部分に対応する度数分布のうち濃度が比較的薄い分布部分との重畳部分)から、透明部分に対応した度数を差し引く。
このとき、水晶体の透明部分のみに対応した度数分布は、第一のピーク度数に対応した濃度を中心として濃度の薄い側と濃度が濃い側とで略対称となるため、濃度が濃い側の分布形状のうち透明部分のみに対応した度数分布を推定すべく、濃度が濃い側の分布の重畳部分に、濃度が薄い側の分布形状と略対称となるような一次の直線または二次曲線等を設定する。
これにより、透明部分のみに対応する度数分布が得られ、この透明部分のみの度数を、全体の度数から減算することにより、混濁部分の度数を得る。
そして、混濁部分の度数を、瞳孔領域全体の度数で除して得られた百分率を、混濁率という指標値として算出すればよい。
また、その他の方法として、濃度ヒストグラムの水晶体の透明部分に対応した分布を、ガウス分布で近似することによって、透明部分のみに対応した分布を推定し、透明部分のみに対応する度数分布が得、この透明部分のみの度数を、全体の度数から減算することにより、混濁部分の度数を得る。
そして、混濁部分の度数を、瞳孔領域全体の度数で除して得られた百分率を、混濁率という指標値として算出すればよい。もちろん、これら以外の他の方法によって算出するものであってもよい。
なお、指標値が、上述した本発明に係る各被検眼水晶体の混濁度定量評価方法によって算出されたものであるときは、その他の方法によって算出された指標値よりも客観性が高く、したがって指標値に対する信頼性を高めることができる。
このように構成された本発明に係る眼科装置によれば、表示手段の表示面上には、可視的なイメージ画像である徹照像とともに、混濁度算出手段によって算出された客観的な定量値である指標値が、表示制御手段の制御により表示されるため、医師等診断者に、イメージと数値データとの両面から、白内障の診断に有用な情報を一目で提供することができ、白内障診断を適切に支援することができる。
本発明に係る被検眼水晶体の混濁度定量評価方法によれば、徹照像に基づく水晶体の混濁程度を客観的に定量評価することができる。したがって、白内障診断を適切に支援することができる。
また、本発明に係る眼科装置によれば、医師等診断者に、イメージと数値データとの両面から、白内障の診断に有用な情報を一目で提供することができ、白内障診断を適切に支援することができる。
以下、本発明に係る被検眼水晶体の混濁度定量評価方法および眼科装置についての最良の実施形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の眼科装置の一実施形態の構成を示す図である。
図示の眼科装置100は、照明光としての近赤外光L1を出射するLED10(光源)と、被検眼200の水晶体220が眼底230において反射された光L2によって眼底230側から照明されるようにLED10から出射された近赤外光L1を被検眼200に導光する照明光学系20と、光像を検出する光検出手段としての2次元CCD40と、眼底230側から照明された水晶体220の透過光像である徹照像Sを、CCD40に結像させる観察光学系30と、表示面上に情報を表示するディスプレイ70(表示手段)と、CCD40に結像された徹照像Sに基づいてこの徹照像Sの濃度ヒストグラムHを求め、求められた濃度ヒストグラムHに基づいて水晶体220の混濁程度を表す混濁率R(指標値)を算出する混濁度算出手段50と、算出された混濁率Rを徹照像Sとともにディスプレイ70の表示面上に表示させる表示コントローラ60(表示制御手段)と、この眼科装置100に対して被検眼200を所定位置・姿勢(視軸向き)に保持させるためのアライメント系80とを備えた構成である。
ここで、照明光学系20は、リング絞り21と、レンズ22と、偏光フィルタ23と、ハーフミラー24,25と、レンズ26とからなり、レンズ22,26は、LED10から出射した近赤外光L1のリング絞り像を、被検眼200の瞳位置に結像させ(リング絞り21と被検眼200の瞳位置とは共役位置)、水晶体220を透過して眼底230に導き、この近赤外光L1が眼底230において反射することによって得られた拡散反射光L2により、水晶体220を眼底230側から照明する作用をなす。
一方、観察光学系30は、拡散反射光L2によって照明された水晶体220の透過光L3の像(徹照像S)をCCD40に結像させるように配置されたレンズ26,31,32,34と、ハーフミラー25と、偏光フィルタ33とからなる。
なお、照明光学系20の偏光フィルタ23と、観察光学系30の偏光フィルタ33との組合せにより、照明光としての近赤外光L1が角膜210において反射することによって生じた反射光が、ノイズとしてCCD40に入射するのを阻止するが、これら2つの偏光フィルタ23,33のみによっては、角膜210での強い反射光を除去し切れない場合があるため、リング絞り21により、照明光(L1)を予めリング状として、角膜210での反射光が観察光学系30に入射しないように構成されている。
また、アライメント系80は、近赤外光L4を出射するLED81と、スポット絞り82と、レンズ83と、ハーフミラー24,25と、レンズ26とからなり、LED81から出射した近赤外光L4は、スポット絞り82により絞られた後、レンズ26により平行光束となって角膜210に入射し、角膜210の焦点(水晶体220の内部)からの発散光束として角膜210で反射し、この反射光L5は、観察光学系30のレンズ26、31により、一旦結像した後、レンズ32、偏光フィルタ33およびレンズ34を通ってCCD40上にスポット絞り像として結像される。
ここで、被検眼200の視軸がアライメント系80の光軸に一致していない場合や、被検眼200がレンズ26から所定距離の位置にない場合には、スポット絞り像がCCD40上において結像せず、あるいはCCD40の所定位置以外の位置に結像するため、この眼科装置100に対する被検眼200の位置および姿勢(アライメント)を適切に設定することができる。
なお、実際には、CCD40上に、反射光L5のスポット絞り像に重ねて被検眼200の前眼部像を結像させ、この前眼部像とスポット絞り像との位置関係に基づいてアライメントが調整されるが、前眼部に投光する光学系については図示を省略している。なお、そのように前眼部に投光される光としては、瞳孔を良好に散大させることができる点で、近赤外光が好ましいが、特にこの波長の光に限定されるものではない。
混濁度算出手段50は、以下に説明する処理手順にしたがい、CCD40上に結像された徹照像Sに基づいて、被検眼200の水晶体220の混濁程度を表す混濁率Rを算出する。この水晶体220の混濁率Rは、被検眼200の疾患である白内障を診断する上で客観的な指標値として規定される。
ここで、CCD40上に結像される徹照像Sは、例えば図2に示すような像として検出される。この徹照像Sは水晶体220の透過光像であるところ、被検眼200が白内障を発症している場合には、本来は透明である水晶体220の一部に混濁した部分が生じ、徹照像Sにおいては、この混濁した部分に対応する領域(以下、単に「混濁部分」という。)S2は、透明の部分に対応した領域(以下、単に「透明部分」という。)S1よりも、濃度の濃い部分として現れる。
なお、混濁部分S2が透明部分S1よりも濃度が濃く現れるのは、徹照像Sがいわゆるポジ画像である場合であり、徹照像Sをネガ画像として検出・観察する場合には、濃度の濃淡は上述した説明と反対になり、混濁部分S2は透明部分S1よりも濃度が薄く現れる。
すなわち混濁部分S2の方が透明部分S1より明るい(輝度が高い)状態となる。本明細書においては、感覚的な濃度の濃淡と説明文言上の濃淡との意味が錯綜するのを防止するため、徹照像Sをポジ画像として説明するが、上述した通りネガ画像を徹照像Sとして用いることもでき、その場合は、濃淡の説明が反対になるものとする。
混濁度算出手段50による具体的な処理手順は、以下の(1)〜(8)の処理手順であるが、(1)における濃度ヒストグラムグラムHは、例えば図3に示すようなものとなる。この濃度ヒストグラムHは、図2に示した徹照像Sの透明部分S1のみに対応したヒストグラムH1と、混濁部分S2のみに対応したヒストグラムH2とが、透明部分S1のヒストグラムH1の濃度が濃い側の部分において、一部重畳した分布を呈している。
なお、以下の説明においては、前提として、透明部分S1のみに対応したヒストグラムH1は、その最大度数(ピーク度数)Nmaxに対応した濃度Dmを挟んで、濃度が濃い側と薄い側とで略対称の分布を呈するものとする。
混濁度算出手段50は、
(1)CCD40上に結像された徹照像Sの濃度ヒストグラムHを生成し、
(2)(1)で生成された濃度ヒストグラムHに対して所定の度数Niを設定し、
(3)濃度ヒストグラムHのうち最大度数Nmaxに対応する濃度Dmを挟んで濃度の薄い側と濃度の濃い側とにおいて所定の度数Niに対応した第1濃度Di1(<Dm)と第2濃度Di2(>Dm)とをそれぞれ求め、
(4)濃度ヒストグラムHのうち第1濃度Di1以下の濃度範囲における度数総和Ni1と、濃度ヒストグラムHのうち第2濃度Di2以上の濃度範囲における度数総和Ni2とを求め、
(5)第2濃度Di2以上の濃度範囲に対応した度数総和Ni2と第1濃度Di1以下の濃度範囲に対応した度数総和Ni1との度数差ΔNi(=Ni2−Ni1)を算出し、
(6)濃度ヒストグラムの全体度数Nに対する度数差ΔNiの率Riを求め、
(7)(2)における所定の度数Niを順次変化させて、この変化の都度、(3)から(6)までの一連の操作を繰り返し、
(8)設定度数Niの変化ごとに求められた率Riの変動に基づいて、混濁程度を表す指標値である混濁率Rを求める。
ここで、上記(2)の処理および上記(3)の処理は、幾何的には、図4に示すように、濃度ヒストグラムH上に、横軸(濃度軸)と平行な水平線(所定度数の線)を設定し、この水平線と濃度ヒストグラムHとが交差した2つの交点から、それぞれ横軸に垂線を下ろすイメージである。
そして、上記(4)の処理は、幾何的には、濃度ヒストグラムHの両端裾野部分について、下ろされたそれぞれの垂線と横軸および濃度ヒストグラムとで囲まれた2つの裾野部分の各面積すなわち各度数総和Ni1,Ni2を求めるイメージである。
ここで、徹照像Sに、混濁部分S2が認められないとき、すなわち水晶体220が完全に透明部分S1だけであるときは、濃度ヒストグラムHは前述したように、ピーク度数Nmaxとなる濃度Dmを挟んで、濃度の濃い側と薄い側とで略対称の分布を呈する。
したがって、上記(4)の処理による濃度ヒストグラムHの各裾野部分の度数総和Ni1,Ni2は略一致することになる。
しかし、混濁部分S2が存在するときは、混濁部分S2は濃度ヒストグラムH上において、透明部分S1のピーク度数Nmaxに対応する濃度Dmよりも濃度が濃い側に現れるため、この濃度Dmよりも濃い側の裾野部分の度数総和Ni2が、濃度Dmよりも薄い側の裾野部分の度数総和Ni1よりも大きい値(Ni1<Ni2)を示す。
そして、上記(5)の処理において、両度数総和の差(度数差:ΔNi(=Ni2−Ni1))が求められるが、水晶体220において混濁部分S2が広くなるにしたがって、度数差ΔNiは大きくなる。
ただし、徹照像S全体に対する混濁部分S2の広さの割合が同一であっても、得られた徹照像Sの全体の大きさが異なれば、この度数差ΔNiは異なる値となるため、徹照像S全体の大きさに対する割合(率)として標準化するために、上記(6)の処理により、濃度ヒストグラムHの全体度数Nで除算し、度数差ΔNiの率Riを算出する。
そして、上記処理(7)は、幾何的には、最初に設定した度数Niの水平線を、図4(a),(b),(c)と示すように、縦軸方向(度数の増減方向)に移動させるイメージであり、その移動の都度、(3)から(6)の処理を繰り返して、両裾野部分間の度数差ΔNiの率Riをそれぞれ算出する。
ここで、濃度ヒストグラムH上において、混濁部分S2に対応する度数分布H2は、透明部分S1のみの度数分布H1のうち、ピーク度数Nmaxに対応した濃度よりも濃い側の裾野部分と重畳するが、この重畳する濃度範囲の下限が、透明部分S1のピーク度数Nmaxに対応した濃度Dmにまで達することはない。
したがって、上述した度数Niの水平線を、低いレベル(度数が小さいレベル;例えば度数Ni=0)から徐々に引き上げて行くと、図5に示すように、設定度数Niが所定のレベルに達すると、それ以後は、設定度数Niのレベルに拘わらず両裾野部分間の度数差ΔNiの率Riは変化せずに略一定となる。
上記(8)の処理は、このように両裾野部分間の度数差ΔNiの率Riの変動を監視する処理であり、上述したように、両裾野部分間の度数差ΔNiの率Riが変化せずに略一定となったときの、設定度数Niの水平線と濃度ヒストグラムHとの交点(透明部分S1のピーク度数Dmに対応した濃度よりも濃い側における交点)から横軸に垂線を下ろして、この垂線が横軸と交差した交点の濃度が、重畳範囲の下限濃度であり、その水平線が縦軸と交差した交点の度数Niが、重畳範囲の上限度数であるといえる。
したがって、水晶体220の透明部分S1と混濁部分S2とが重畳している範囲と重畳していない範囲との境界を、客観的に検出することができる。そして、混濁度算出手段50は、このようにして検出された境界における率Riを、当該徹照像Sの混濁率Rとして算出する。
なお、(8)の処理において、度数差ΔNiの率Riが略一定となったか否かの判定は、詳しくは、(7)の処理における設定度数Niの変化前後で、これらの相前後する度数Ni-1,Niにそれぞれ対応する2つの率Ri-1とRiとの差が、予め設定された所定の閾値Δ以下となったか否かによって規定される。
この閾値Δは、理想的には0であるが、実際の検体(被検眼200)の濃度ヒストグラムHは必ずしも理想的な分布を示さないため、この理想的な分布と実際の分布との差を補正すべく、予め実験的に多数のサンプルについて得られた結果を統計的に処理して予め設定される。
なお、混濁度算出手段50による混濁率Rの算出方法は、本発明に係る被検眼水晶体の混濁度定量評価方法の一実施形態である。
また、表示コントローラ60は、CCD40に結像された徹照像Sと、この徹照像Sに基づいて混濁度算出手段50により算出された徹照像Sの混濁率Rとを、例えば図6に示す表示態様で、ディスプレイ70の表示面上に表示させるように、ディスプレイ70を制御する。
次に、本実施形態に係る眼科装置100の作用、効果について説明する。
まず、アライメント系80のLED81から近赤外光L4が出射され、この近赤外光L4は、スポット絞り82により絞られ、レンズ83、ハーフミラー24,25およびレンズ26により平行光束となって被検眼200に入射する。
そして、この近赤外光L4は被検眼200の角膜210で反射し、その反射光L5は、レンズ26、ハーフミラー25、レンズ31,32、偏光フィルタ33およびレンズ34により、CCD40上にスポット絞り像として結像される。
CCD40上に結像されたスポット絞り像は、表示コントローラ60によりディスプレイ70の表示面上に、可視像として表示される。
ここで、被検眼200の視軸がアライメント系80の光軸に一致していない場合や、被検眼200がレンズ26から所定距離の位置にない場合には、スポット絞り像がCCD40上で結像せず、、あるいはCCD40の所定位置以外の位置に結像するため、眼科医等観察者は、ディスプレイ70に表示されたスポット絞り像の結像状態や結像位置を観察しつつ、眼科装置100に対する被検眼200のアライメントを調整する。そして、このアライメントの調整操作が終了すると、LED81は消灯される。
次いで、このアライメントが調整された状態の被検眼200に対して、LED10から近赤外光L1が出射され、出射された近赤外光L1は、リング絞り21により絞られた後、レンズ22、偏光フィルタ23、ハーフミラー24,25およびレンズ26により、被検眼200に導光される。
そして、被検眼200に導光された近赤外光L1は、水晶体220を透過して眼底230において反射し、この眼底230における反射光である拡散反射光L2により、水晶体220は眼底230側から照明される。
拡散反射光L2によって照明された水晶体220の透過光L3の像は、レンズ26、ハーフミラー25、レンズ31,32、偏光フィルタ33およびレンズ34により、図2に示すような徹照像SとしてCCD40上に結像される。
そして、CCD40上に結像された徹照像Sは、画像情報として、混濁度算出手段50と表示コントローラ60に入力される。
混濁度算出手段50は、入力された徹照像Sの画像情報に基づいて、前述した(1)から(8)の処理手順により、この徹照像Sに現れた水晶体220の混濁部分S2の混濁程度を表す混濁率Rを算出し、算出された混濁率Rは、表示コントローラ60に入力される。
表示コントローラ60は、CCD40から入力された徹照像Sの画像情報を可視画像として、混濁度算出手段50によって算出された混濁率Rを数値データ(文字情報)として、それぞれディスプレイ70に表示させるようにディスプレイ70を制御し、この制御により、ディスプレイ70の表示面上には、図6に示すように可視画像である徹照像Sと数値データである混濁率Rとが表示される。
このように、本実施形態に係る眼科装置100によれば、ディスプレイ70に混濁率Rが表示され、この混濁率Rは、観察者の主観を伴わずに求められた値であるため、水晶体220の混濁程度を表す客観的な定量評価値であり、このような客観的な定量評価値が提示されることにより、眼科医等観察者の技量等に頼ることなく、水晶体220の混濁程度に基づく白内障の診断をばらつきなく、的確なものとすることができる。
しかも、この混濁率Rは、表示コントローラ60の制御により、可視的なイメージ画像である徹照像Sとともにディスプレイ70に表示されるため、医師等診断者に、イメージと数値データとの両面から、白内障の診断に有用な情報を一目で提供することができ、白内障診断を適切に支援することができる。
なお、表示コントローラ60による表示制御は、上述した表示態様だけでなく、例えば、図7(a)に示すように、徹照像Sおよび混濁率Rの表示とともに、前述した濃度ヒストグラムグラムHを追加的に表示させるようにしてもよいし、徹照像Sについては、CCD40に結像されたままの生データとしての徹照像Sだけでなく、同図(b)に示すように、混濁率Rを算出する過程で検出された境界(透明部分S1と混濁部分S2とが重畳している範囲と重畳していない範囲との境界)を示す境界線Mが強調された徹照像S′などを並列的に表示するようにしてもよい。
このように、ディスプレイ70に、生データの徹照像Sおよび混濁率Rだけでなく、混濁率Rの算出根拠となったヒストグラムHや境界線Mが強調された徹照像S′が同時に表示されることにより、算出された混濁率Rの当否を観察者が感覚的に確認することができ、混濁度定量評価の信頼性を判断する一助とすることができる。
なお、本実施形態においては、混濁度算出手段50による混濁率Rの算出の際に、徹照像Sの濃度ヒストグラムHに対して、度数Niの水平線を低いレベル(度数が小さいレベル;例えば度数Ni=0)から徐々に引き上げて行くように設定度数Niを変化させて、度数差ΔNiの率Riの変動を監視し、この率Riが略一定になる(率Riが変化しなくなる)ときの度数Niあるいは濃度Di2を検出するものであったが、これとは反対に、設定度数Niの初期値を大きな値(例えば、ピーク度数Nmax)とし、この設定度数Niを順次減少させ(Ni-1>Ni>Ni+1)、度数差ΔNiの率Riの変動を監視し、この率Riが略一定(率Riが変化しない)状態から変化し始める(率Riが大きくなり始める)ときの度数Niあるいは濃度Di2を検出するようにしてもよい。
このようにして検出された度数Niあるいは濃度Di2によっても、水晶体220の透明部分S1と混濁部分S2とが重畳している範囲と重畳していない範囲との境界を、客観的に検出することができ、上述した実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
また、上述した実施形態は、徹照像Sに現れる水晶体220の透明部分S1のみについての濃度ヒストグラムH1が、ピーク度数Nmaxに対応濃度Dmを挟んで、濃度の濃い側と濃度の薄い側とで略対称になるとの前提の下に、混濁度算出手段が混濁率Rを算出するものであるが、実際の被検眼200の徹照像Sの濃度ヒストグラムHにおいては、確かにこのような略対称の分布を呈するものの、分布度数が高い範囲においては必ずしも完全な対称性が確保されていない場合もある。
このような濃度ヒストグラムHを対象として、度数Niの水平線を低いレベルから徐々に引き上げて行くように設定度数Niを変化させて度数差ΔNiの率Riの変動を監視し、この率Riが略一定になるときを検出すると、例えば図5に相当する図8に示すように、度数Niを低いレベルから徐々に引き上げて行く過程で率Riが一旦は略一定(率Riの変動が所定の閾値以下)になっても、さらに設定度数Niの水平線を高いレベルに移動させて行くと、濃度ヒストグラムHの対称性が僅かに満たされないだけで、率Riの変動が再度大きくなったり、その後再度略一定になるなど、率Riが略一定になる場合が複数回検出され得る(図8においては、度数N1のときと度数N2のとき)。
したがって、混濁度算出手段50による混濁率Rの算出方法が、設定度数Niを順次大きくするように変化させつつ度数差ΔNiの率Riの変動を監視する方法による場合は、率Riが略一定になる場合が複数回検出されたときは、その複数回の検出のうち最初に検出されたとき、すなわち複数回の検出のうち最も小さい設定度数Ni(図8に示す場合は、N1)において検出されたときの率Ri(図8に示す場合は、R1)を、混濁率Rとして規定すればよい。
複数回の検出のうち最も小さい設定度数Ni以後の検出は、濃度ヒストグラムHの非対称性を原因とした誤検出である蓋然性が高いため、そのような誤検出を回避することにより、精度の高い混濁率Rを算出することができる。
また、上述した実施形態においては、濃度ヒストグラムグラムHに対して、設定度数Niを徐々に大きく変化させつつ、前述した率Riの変動を監視して、混濁率Rを算出するものであるが、この率Riの変動を監視する処理(上述した(8)の処理)に関して、他の態様として次の方法を適用することもできる。
すなわち、図9に示すように、濃度ヒストグラムHのピーク度数Nmaxが度数1.0となるように、度数範囲(0〜Nmax)を規格化し、この規格化された度数範囲(0.0〜1.0)のうち、例えば度数範囲0.01〜0.80の範囲を80等分し、これら当分された各規格化度数に設定度数N1〜N80を割り付ける。すなわち、規格化度数0.01にN1を、0.02にN2を、…、0.79にN79を、0.80にN80をそれぞれ割り付ける。これにより、設定度数Niは、小さい度数から順次増加されるものとして設定される。
次に、各設定度数Niごとにそれぞれ、前述した実施形態の手順にしたがって、率Riを算出する。そして、これら80個の率R1〜R80について、連続する例えば4個ずつの度数Ni,Ni+1,Ni+2,Ni+3(i=1,2,…,77)にそれぞれ対応して算出された率Ri,Ri+1,Ri+2,Ri+3の組{Ri,Ri+1,Ri+2,Ri+3}を作り、各組についての標準偏差σi(=(Σ(Rk−Rm)2/4)1/2;k=i,i+1,i+2,i+3;ただし、Rm=ΣRk/4)をそれぞれ算出する。
すなわち、{R1,R2,R3,R4}の組について標準偏差σ1を求め、{R2,R3,R4,R5}の組について標準偏差σ2を求め、{R3,R4,R5,R6}の組について標準偏差σ3を求め、以下同様にiを1ずつ繰り上げて、{R77,R78,R79,R80}の組についての標準偏差σ77まで、順次標準偏差σiを求める。
そして、これら全ての標準偏差{σi;i=1〜77}のうち最小(極小)の標準偏差σminに対応する組を求め、この組に含まれる4つの率Ri+j,Ri+j+1,Ri+j+2,Ri+j+3のうち最小度数Ni+jに対応した率Ri+jを、混濁率Rとして規定する。
この方法は、設定度数Niを単調増加したとき、各組に含まれる4つの率Ri+j,Ri+j+1,Ri+j+2,Ri+j+3のバラツキが最小となるときの度数に対応した率を混濁率とするものであり、率Riの変動が最小となったとき、つまり率Riが略一定となったときを検出するものである。
したがって、水晶体220の透明部分S1と混濁部分S2との重畳範囲の上限度数を適切に検出することができる。そして、そのときの最小値σminに対応する組合せに含まれる4つの率{Ri+j,Ri+j+1,Ri+j+2,Ri+j+3}のうち、最小度数Ni+jに対応した率Ri+jを混濁率Rと規定することにより、観察者の主観を伴わない、混濁程度を表す客観的な定量評価値を得ることができる。
ここでは、全ての標準偏差{σi;i=1〜77}のうち最小(極小)の標準偏差σminに対応する組に含まれる4つの率Ri+j,Ri+j+1,Ri+j+2,Ri+j+3のうち、最小度数Ni+jに対応した率Ri+jを混濁率Rとして規定したが、この4つの率Ri+j,Ri+j+1,Ri+j+2,Ri+j+3の平均値Rmを算出し、算出された平均値Rmを混濁率Rとして規定してもよく、この場合にも、得られた混濁率Rは、観察者の主観を伴わない、混濁程度を表す客観的な定量評価値ということができる。
なお、このように標準偏差σに基づいて、率Riの変動を監視する場合にも、水晶体220の透明部分S1についての濃度ヒストグラムHの対称性が僅かに満たされないことを原因として、標準偏差σiが最小値σminを採った後、さらに大きな設定度数Nj(j>i)における標準偏差σjが最小値σminよりも大きくなり、その後の設定度数Nk(k>j)における標準偏差σjが再度小さくなるような変動、すなわち、図10に示すように、標準偏差σが複数個の極小値σminを採る場合があり得る。
このような場合には、これら複数個の極小となる標準偏差σminの算出にそれぞれ用いられた割合Rの組{Ri+j,Ri+j+1,Ri+j+2,Ri+j+3},{Ri+m,Ri+m+1,Ri+m+2,Ri+m+3},…のうち、最小度数Ni+jに対応した割合Ri+jを含む組{Ri+j,Ri+j+1,,Ri+j+2,Ri+j+3}についての標準偏差σ(図10に示す場合にはσmin1)を、混濁率Rを規定するための極小の標準偏差σminとして選択すればよい。
複数個の極小値σminのうち最も小さい設定度数Ni以後の他の極小値σminは、濃度ヒストグラムHの非対称性を原因とした誤検出である蓋然性が高いため、そのような誤検出を回避することにより、精度の高い混濁率Rを算出することができる。
本発明の一実施形態に係る眼科装置の概略構成を示すブロック図である。 水晶体に混濁部分が存在する場合の徹照像の一例を示す図である。 徹照像に基づく濃度ヒストグラムを示す図である。 混濁率を算出するために、濃度ヒストグラムに対する処理を説明する図である。 濃度ヒストグラムに対する設定度数と、当該設定度数における濃度ヒストグラムの両裾野部分の度数合計の差の率を示すグラフである。 図1に示したディスプレイへの表示態様の一例を示す図である。 ディスプレイへの他の表示態様を示す図であり、(a)は濃度ヒストグラムを追加した態様、(b)は境界線を強調した徹照像を追加した態様、をそれぞれ示す。 図5相当のグラフであり、濃度ヒストグラムの両裾野部分の度数合計の差の率が、複数回略一定になる場合を示す。 濃度ヒストグラムの度数の規格化を示す図である。 標準偏差の推移の一例を示すグラフである。
符号の説明
10 LED(光源)
20 照明光学系
21 リング絞り
22,26 レンズ
23,33 偏光フィルタ
24,25 ハーフミラー
30 観察光学系
31,32,34 レンズ
40 CCD(光検出手段)
50 混濁度算出手段
60 表示コントローラ(表示制御手段)
70 ディスプレイ(表示手段)
80 アライメント系
81 LED
82 スポット絞り
83 レンズ
100 眼科装置
200 被検眼
210 角膜
220 水晶体
230 眼底
S 徹照像

Claims (8)

  1. 被検眼の水晶体を眼底側から照明して得られた徹照像に基づいて、前記水晶体の混濁程度を定量化する被検眼水晶体の混濁度定量評価方法であって、
    (1)前記徹照像の濃度ヒストグラムを生成し、
    (2)所定の度数Niを設定し、
    (3)前記濃度ヒストグラムのうち最大度数Nmaxに対応する濃度Dmを挟んで濃度の薄い側と濃度の濃い側とにおいて前記所定の度数Niに対応した第1濃度Di1(<Dm)と第2濃度Di2(>Dm)とをそれぞれ求め、
    (4)前記濃度ヒストグラムのうち前記第1濃度Di1以下の濃度範囲における度数総和Ni1と、前記濃度ヒストグラムのうち前記第2濃度Di2以上の濃度範囲における度数総和Ni2とを求め、
    (5)前記第2濃度Di2以上の濃度範囲に対応した度数総和Ni2と前記第1濃度Di1以下の濃度範囲に対応した度数総和Ni1との度数差ΔNi(=Ni2−Ni1)を算出し、
    (6)前記濃度ヒストグラムの全体度数Nに対する前記度数差ΔNiの割合Riを求め、
    (7)前記(2)における所定の度数Niを順次変化させて、この変化の都度、前記(3)から前記(6)までの一連の操作を繰り返し、
    (8)前記設定度数Niの変化ごとに求められた前記割合Riの変動に基づいて、前記混濁程度を表す指標値を規定することを特徴とする被検眼水晶体の混濁度定量評価方法。
  2. 前記(7)における度数Niの変化は、小さい度数から順次増加する変化であり、
    (8a)前記(7)における前記度数の変化前後で、これらの相前後する度数Ni-1,Niにそれぞれ対応する2つの割合Ri-1とRiとの差が、予め設定された所定の閾値以下となったときの割合Riを、前記指標値として規定することを特徴とする請求項1に記載の被検眼水晶体の混濁度定量評価方法。
  3. 前記濃度ヒストグラムが示す最大度数の範囲内において前記所定の度数Niを変化させたとき、前記2つの割合Ri-1とRiとの差が前記所定の閾値以下となることが複数回現れたときは、最初に前記所定の閾値以下となったときの割合Riを、前記指標値とすることを特徴とする請求項2に記載の被検眼水晶体の混濁度定量評価方法。
  4. 前記(7)における度数Niの変化は、大きい度数から順次減少する変化であり、
    (8b)前記(7)における前記度数の変化前後で、これらの相前後する度数Ni,Ni+1にそれぞれ対応する2つの割合RiとRi+1との差が、予め設定された所定の閾値以上となったときの割合Riを、前記指標値として規定することを特徴とする請求項1に記載の被検眼水晶体の混濁度定量評価方法。
  5. 前記(7)における度数Niの変化は、小さい度数から順次増加する変化であり、
    (8c)連続する複数個の前記度数Ni,Ni+1,…にそれぞれ対応して算出された前記割合Ri,Ri+1,…の組について標準偏差σiを算出し、
    (8d)前記複数個の度数の組合せをNi+1,Ni+2,…に順次変更しつつ、各度数の組合せに対応した標準偏差σi+1,σi+2,…を求め、
    (8e)得られた標準偏差σi,σi+1,σi+2,…の極小値σminに対応する組合せに含まれる複数の前記割合Ri+j,Ri+j+1,…のうち、最小度数Ni+jに対応した割合Ri+jを、前記指標値と規定することを特徴とする請求項1に記載の被検眼水晶体の混濁度定量評価方法。
  6. 前記(7)における度数Niの変化は、小さい度数から順次増加する変化であり、
    (8c)連続する複数個の前記度数Ni,Ni+1,…にそれぞれ対応して算出された前記割合Ri,Ri+1,…の組について標準偏差σiを算出し、
    (8d)前記複数個の度数の組合せをNi+1,Ni+2,…に順次変更しつつ、各度数の組合せに対応した標準偏差σi+1,σi+2,…を求め、
    (8f)得られた標準偏差σi,σi+1,σi+2,…の極小値σminに対応する組合せに含まれる複数の前記割合Ri+j,Ri+j+1,…の平均値Rmを算出し、算出された平均値Rmを、前記指標値と規定することを特徴とする請求項1に記載の被検眼水晶体の混濁度定量評価方法。
  7. 前記標準偏差の極小値σminが複数個あるときは、これら複数個の極小となる標準偏差σminの算出にそれぞれ用いられた割合Rの組{Ri+j,Ri+j+1,…},{Ri+m,Ri+m+1,…},…のうち、最小度数Ni+jに対応した割合Ri+jを含む組{Ri+j,Ri+j+1,…}についての標準偏差を、前記指標値を規定するための極小の標準偏差として選択することを特徴とする請求項5または6に記載の被検眼水晶体の混濁度定量評価方法。
  8. 照明光を出射する光源と、被検眼の水晶体が眼底において反射された光によって該眼底側から照明されるように、前記光源から出射された照明光を前記被検眼に導光する照明光学系と、光像を検出する光検出手段と、前記眼底側から照明された前記水晶体の徹照像を、前記光検出手段に結像させる観察光学系と、表示面上に情報を表示する表示手段と、前記光検出手段に結像された徹照像に基づいて該徹照像の濃度ヒストグラムを求め、前記求められた濃度ヒストグラムに基づいて前記水晶体の混濁程度を表す指標値を算出する混濁度算出手段と、前記算出された指標値を前記徹照像とともに前記表示面上に表示させる表示制御手段とを備えたことを特徴とする眼科装置。
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