JP2021093470A - 半導体背面密着フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】リワーク性を発揮し得、半導体ウエハを貼り付けた後、位置ずれおよびフィルムのシワが発生しにくい半導体背面密着フィルムを提供する。【解決手段】半導体背面密着フィルム10は、半導体の背面に密着して用いるフィルムであって、未硬化状態において損失弾性率の最大値を2℃以上に有する。ダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルム1は、基材21と粘着剤層22とを含む積層構造を有するダイシングテープ20と、ダイシングテープ20における粘着剤層22に剥離可能に密着している半導体背面密着フィルム10とを、備える。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体背面密着フィルムに関する。より詳細には、本発明は、半導体装置の製造過程で使用することができる半導体背面密着フィルムに関する。
近年、半導体チップなどの半導体素子が基板上にフリップチップボンディングにより実装されたフリップチップ型の半導体装置が広く利用されている。フリップチップ型の半導体装置では、半導体素子の損傷などを防止するために、半導体素子の裏面に保護膜を形成するためのフィルムとして、裏面保護フィルムが用いられることがある(特許文献1、2参照)。
半導体素子は、例えば、裏面保護フィルムなど、半導体の背面に密着して使用されるフィルム(半導体背面密着フィルム)に貼付された状態の半導体ウエハをダイシングにより個片化して得られる。ここで、半導体ウエハをフィルム上に貼り付ける際、貼付位置がずれたり、半導体ウエハとフィルムの粘着面の間に異物が混入することがある。位置ずれや異物混入が起こると、半導体ウエハを廃棄することとなり、半導体ウエハが無駄になってしまうという問題があった。
そこで、半導体ウエハに一旦貼り付けた後、半導体ウエハから容易に剥離することができる性質(リワーク性)を有する半導体背面密着フィルムが知られている(特許文献3参照)。例えば加温によりリワーク性を発揮し得るフィルムを用いることで、位置ずれやフィルムと半導体ウエハの間への異物混入が起こった場合、加温してフィルムを半導体ウエハから剥離して、再度位置合わせをしたり、異物を除去することができるため、半導体ウエハを廃棄する必要がなく、半導体ウエハが無駄にならない。
特開2011−151360号公報 国際公開第2014/092200号 国際公開第2016/158727号
しかしながら、特許文献3に開示のリワーク性を有するフィルムは、常温で低弾性であることから常温での密着性が不充分であるため、位置ずれの抑制が不充分であり、フィルムにシワが入ることがあるという問題があった。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、リワーク性発揮し得、半導体ウエハを貼り付けた後、位置ずれおよびフィルムのシワが発生しにくい半導体背面密着フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、未硬化状態において損失弾性率の最大値を2℃以上に有する半導体背面密着フィルムによれば、リワーク性発揮し得、半導体ウエハを貼り付けた後、位置ずれおよびフィルムのシワが発生しにくいことを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
本発明の第一実施形態として、半導体の背面に密着して用いるフィルムであって、未硬化状態において損失弾性率の最大値を2℃以上に有する、半導体背面密着フィルムを提供する。このような構成の半導体背面密着フィルムは、半導体装置の製造過程で使用することができる。
本発明の第一実施形態に係る半導体背面密着フィルムは、上述のように、未硬化状態において損失弾性率の最大値を2℃以上に有する。このような構成を有する半導体背面密着フィルムは、未硬化状態、すなわちフィルムが熱硬化していない状態で半導体ウエハに貼り付ける時点において、フィルムが変性する温度が比較的高温であることを示し、上記貼り付け時において常温における密着性が比較的高く、常温での位置ずれおよびシワの発生を抑制することができる。それでいて、低温加温により半導体ウエハを破壊せずにリワーク可能である。
上記半導体背面密着フィルムは、未硬化状態において、損失正接の極大値である変性点を10℃以上に有することが好ましい。このような構成を有する半導体背面密着フィルムは、フィルムが変性する温度が比較的高温であることを示し、上記貼り付け時において常温における密着性がより充分となり、常温での位置ずれおよびシワの発生をより抑制することができる。
上記半導体背面密着フィルムは、未硬化状態において、シリコンに対する温度25℃、剥離角度180°の条件での剥離試験における第1剥離力が6N/10mm以上であり、シリコンに対する温度50℃、剥離角度180°の条件での剥離試験における第2剥離力が6N/10mm以下であることが好ましい。このような構成を有する半導体背面密着フィルムは、常温では半導体ウエハに対する密着性に優れ、常温での位置ずれおよびシワの発生をより抑制することができる。そして、リワーク性を発揮する温度付近における半導体ウエハに対する密着性は比較的小さく、低温加温により容易にリワーク性を発現することができる。
上記半導体背面密着フィルムは、半導体に密着する面の算術平均表面粗さRaが40nm未満であることが好ましい。このような構成を有する半導体背面密着フィルムは、半導体背面密着フィルムを半導体ウエハ背面に貼付した際に密着面積が大きくなり、半導体ウエハ背面に対する半導体背面密着フィルムの常温における密着性がより充分となる。
上記半導体背面密着フィルムは、未硬化状態において、25℃における貯蔵弾性率が40MPa以上であることが好ましい。このような構成を有する半導体背面密着フィルムは、常温における弾性率が高く、フィルムの剛直性が適度に優れ、位置ずれをより抑制することができる。
上記半導体背面密着フィルムは、未硬化状態において、50℃における貯蔵弾性率が0.1〜15MPaであることが好ましい。このような構成を有する半導体背面密着フィルムは、リワーク性を発揮する温度付近において、適度な剛直性と柔軟性を有するため、リワーク性をより容易に発現することができる。
上記半導体背面密着フィルムは、フィラーを含有し、上記フィラーの平均粒子径が10μm以下であることが好ましい。このような構成を有する半導体背面密着フィルムは、フィラーを含有することにより、背面密着フィルムの弾性率や、降伏点強度、破断伸度などの物性を調整しやすい。そして、フィラーの平均粒子径が10μm以下であることにより、フィルム中におけるフィラーの総表面積が大きくなり、フィラー表面と背面密着フィルムを構成する樹脂との結合をより多く形成することで背面密着フィルムの脆さが軽減されるものと推測され、凝集力が高くなるため、リワーク後の半導体ウエハ表面にフィルム残渣が残りにくい。
本発明の第二実施形態として、基材と粘着剤層とを含む積層構造を有するダイシングテープと、上記ダイシングテープにおける上記粘着剤層に剥離可能に密着している上記半導体背面密着フィルムとを、備える、ダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルムを提供する。このような構成を有するダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルムは、ダイシングテープ上で半導体ウエハをチップに個片化するためのダイシング、およびダイシングテープからの半導体背面密着フィルム付チップの良好なピックアップを実現するのに適する。
上記ダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルムにおいて、上記粘着剤層と未硬化状態における上記半導体背面密着フィルムの間の、温度50℃、剥離角度180°の条件での剥離試験における剥離力が0.4N/100mm以上であることが好ましい。このような構成を有するダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルムは、リワーク性を発揮する温度付近において、半導体背面密着フィルムが最適な柔軟性と自立性を維持し、且つ高い層間密着性を有していることから、リワーク時にダイシングテープからの脱落(離脱)や、ウエハ面への半導体背面密着フィルムの一部が残ることを防ぐことができる。
上記ダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルムにおいて、半導体背面密着フィルムは、半導体ウエハ背面に貼付した状態から50℃以上において剥離可能であることが好ましい。このような構成を有するダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルムは、低温加温時のリワーク性に優れ、50℃以上の温度に加温することで容易に半導体ウエハから剥離することができる。
上記ダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルムは、半導体ウエハの個片化を行う工程において、上記半導体ウエハの裏面に上記半導体背面密着フィルムを貼付して使用されることが好ましい。
本発明における半導体背面密着フィルムおよびダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルムは、リワーク性を発揮し得、半導体ウエハを貼り付けた後、位置ずれおよびフィルムのシワが発生しにくい。このため、半導体背面への貼付時において、位置ずれや異物混入が起こった場合、加温してフィルムを半導体ウエハから剥離して、再度位置合わせをしたり、異物を除去することができるため、半導体ウエハを廃棄する必要がない。そして、半導体ウエハを貼り付けた後においても、半導体ウエハの位置ずれおよびフィルムのシワが発生しにくい。
半導体背面密着フィルムの一実施形態を示す概略図(正面断面図)である。 半導体背面密着フィルムの他の実施形態を示す概略図(正面断面図)である。 ダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルムの一実施形態を示す概略図(正面断面図)である。 貼り付け工程の一実施形態を示す概略図(正面断面図)である。 ダイシング工程の一実施形態を示す概略図(正面断面図)である。 ピックアップ工程の一実施形態を示す概略図(正面断面図)である。 フリップチップ実装工程の一実施形態を示す概略図(正面断面図)である。
[半導体背面密着フィルム]
本発明の一実施形態に係る半導体背面密着フィルム(単に「背面密着フィルム」と称する場合がある)は、未硬化状態において損失弾性率の最大値を2℃以上に有する。なお、本明細書において、半導体(ワーク)の「表面」とはワークのフリップチップ実装するためのバンプが形成されている面をいい、「背面」とは表面の反対側、すなわちバンプが形成されていない面をいうものとする。そして、「背面密着フィルム」は半導体の背面に密着して用いるフィルムをいい、半導体チップの背面(いわゆる裏面)に保護膜を形成するためのフィルム(半導体裏面保護フィルム)を含む。また、本明細書において、「背面密着フィルム」とは、半導体装置に実装された後もワークの背面に密着しているフィルムであり、後述のダイシングテープやセパレータなどの半導体装置の製造過程で剥離される層は含まれない。上記背面密着フィルムは、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。
上記背面密着フィルムは、未硬化状態において損失弾性率の最大値(極大値)を2℃以上、好ましくは5℃以上に有する。2℃以上に損失弾性率の最大値を有することにより、未硬化状態、すなわちフィルムが熱硬化していない状態で半導体ウエハに貼り付ける時点において、フィルムが変性する温度が比較的高温であることを示し、上記貼り付け時において常温における密着性が比較的高く、常温での位置ずれおよびシワの発生を抑制することができる。それでいて、低温加温により半導体ウエハを破壊せずにリワーク可能である。上記損失弾性率の最大値は、例えば、60℃以下、あるいは50℃以下に有する。また、上記損失弾性率の最大値は、−40℃以上140℃以下の温度領域における最大値である。
なお、本明細書において「未硬化状態」とは、実質的に未硬化である状態をいい、背面密着フィルムについて積極的に硬化処理を行っていないか、または硬化度が90%未満となるように部分的に硬化させた状態をいうものである。また、上記背面密着フィルムが未硬化状態のうちの少なくとも1点において、損失弾性率の最大値が2℃以上に存在していればよい。
上記背面密着フィルムは、未硬化状態において、25℃における貯蔵弾性率が40MPa以上であることが好ましく、より好ましくは45MPa以上である。上記貯蔵弾性率が40MPa以上であると、常温における弾性率が高く、フィルムの剛直性が適度に優れ、位置ずれをより抑制することができる。上記貯蔵弾性率は、例えば5000MPa以下、3000MPa以下であってもよい。
上記背面密着フィルムは、未硬化状態において、50℃における貯蔵弾性率が0.1〜15MPaであることが好ましく、より好ましくは0.15〜9MPa、さらに好ましくは0.2〜8MPaである。上記貯蔵弾性率が上記範囲内であると、リワーク性を発揮する温度付近において、適度な剛直性と柔軟性を有するため、リワーク性をより容易に発現することができる。
上記背面密着フィルムは、未硬化状態において、損失正接(tanδ)の極大値である変性点を10℃以上に有することが好ましい。上記変性点を10℃以上に有することは、背面密着フィルムが変性する温度が比較的高温であることを示し、常温における密着性がより充分となり、常温での位置ずれおよびシワの発生をより抑制することができる。上記変性点は、50℃以下にあることが好ましく、より好ましくは45℃以下である。上記損失正接は、動的粘弾性測定により得られる貯蔵弾性率および損失弾性率から算出することができる。
上記背面密着フィルムは、未硬化状態において、損失正接の極大値である変性点を複数有していてもよい。上記変性点を複数有する場合、10〜80℃の範囲内に上記複数の変性点(特に、全ての変性点)を有することが好ましい。上記温度領域に上記複数の変性点(特に、全ての変性点)を有すると、上記温度範囲外に変性点を有することで、常温での密着性が劣りワークとの間でズレが生じたり、或いはリワークが困難となることを抑制することができる。
上記背面密着フィルムは、未硬化状態において、シリコンに対する温度25℃、剥離角度180°の条件での剥離試験における第1剥離力が6N/10mm以上であることが好ましく、より好ましくは7N/10mm以上、さらに好ましくは8N/10mm以上である。上記第1剥離力が6N/10mm以上であると、常温付近において半導体ウエハに対する密着性に優れ、常温での位置ずれおよびシワの発生をより抑制することができる。
上記背面密着フィルムは、未硬化状態において、シリコンに対する温度50℃、剥離角度180°の条件での剥離試験における第2剥離力が6N/10mm以下であることが好ましく、より好ましくは5N/10mm以下である。上記第2剥離力が6N/10mm以下であると、リワーク性を発揮する温度付近における半導体ウエハに対する密着性は比較的小さく、低温加温により容易にリワーク性を発現することができる。上記第2剥離力は、例えば0.5N/10mm以上である。
上記第1剥離力及び上記第2剥離力は、引張速度300mm/分の条件での剥離試験における剥離力であることが好ましい。上記第1及び第2剥離力については、引張試験機(商品名「オートグラフAG−X」、株式会社島津製作所製)を使用して測定することができる。その測定に供される試験片の作製手法及び測定手法は、具体的には次のとおりである。
第1および第2剥離力の測定にあたり、背面密着フィルムから長さ150mm×幅10mmのサイズのフィルムを試験片として切り出す。次に、試験片をその一方の面にてシリコン板(未研削ウエハのミラー面側)に50℃の温度環境下で貼り合わせる。この貼り合わせは、2kgのハンドローラーを1往復させる圧着作業によって行う。次に、必要に応じて、加熱によりフィルムを部分的に硬化させる。そして、引張試験機(商品名「オートグラフAG−X」、株式会社島津製作所製)を使用して、温度25℃または50℃、剥離角度180°、および引張速度300mm/分の条件で当該試験片について剥離試験を行い、未硬化状態における背面密着フィルムのシリコン板に対する剥離力(第1剥離力および第2剥離力)を測定する。
上記背面密着フィルムは、半導体背面に密着する面の算術平均表面粗さRaが40nm未満であることが好ましい。上記算術平均表面粗さRaが40nm未満であると、背面密着フィルムを半導体ウエハ背面に貼付した際に密着面積が大きくなり、半導体ウエハ背面に対する背面密着フィルムの常温における密着性がより充分となる。
上記背面密着フィルムは、ワーク背面に貼付した状態から、50℃以上において剥離可能であることが好ましい。より詳細には、上記背面密着フィルムは、ワーク背面に貼付した状態において、50℃未満の温度状態ではワーク背面からの剥離が困難であり、50℃以上の温度領域の少なくとも1点においてワーク背面から容易に剥離可能であることが好ましい。
上記背面密着フィルムは、樹脂組成物から形成されるものである。上記背面密着フィルムおよび背面密着フィルムを形成する組成物(樹脂組成物)は、熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。背面密着フィルムが熱硬化性を有する場合、上記背面密着フィルムおよび上記樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを含んでいてもよいし、硬化剤と反応して結合を生じ得る熱硬化性官能基を有する熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。上記背面密着フィルムが熱硬化性官能基を有する熱可塑性樹脂を含む場合、上記樹脂組成物は熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂など)を含む必要はない。
上記背面密着フィルム中の熱可塑性樹脂は例えばバインダー機能を担うものである。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、6−ナイロンや6,6−ナイロン等のポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等の飽和ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。上記熱可塑性樹脂は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。上記熱可塑性樹脂としては、イオン性不純物が少なく且つ耐熱性が高いという観点から、アクリル樹脂が好ましい。
上記アクリル樹脂は、ポリマーの構成単位として、アクリル系モノマー(分子中に(メタ)アクリロイル基を有するモノマー成分)に由来する構成単位を含むポリマーである。上記アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位を質量割合で最も多く含むポリマーであることが好ましい。なお、アクリル樹脂は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。また、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および/または「メタクリル」(「アクリル」および「メタクリル」のうち、いずれか一方または両方)を表し、他も同様である。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、アルコキシ基を有していてもよい炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステルなどが挙げられる。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、s−ブチルエステル、t−ブチルエステル、ペンチルエステル、イソペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、イソオクチルエステル、ノニルエステル、デシルエステル、イソデシルエステル、ウンデシルエステル、ドデシルエステル(ラウリルエステル)、トリデシルエステル、テトラデシルエステル、ヘキサデシルエステル、オクタデシルエステル、エイコシルエステルなどが挙げられる。上記(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸のシクロペンチルエステル、シクロヘキシルエステルなどが挙げられる。上記(メタ)アクリル酸アリールエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸のフェニルエステル、ベンジルエステルが挙げられる。アルコキシ基を有する炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、上記炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルにおける炭化水素基中の1以上の水素原子をアルコキシ基に置換したものが挙げられ、例えば、(メタ)アクリル酸の2−メトキシメチルエステル、2−メトキシエチルエステル、2−メトキシブチルエステルなどが挙げられる。上記アルコキシ基を有していてもよい炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルは、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記アクリル樹脂は、凝集力、耐熱性などの改質を目的として、アルコキシ基を有していてもよい炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な他のモノマー成分に由来する構成単位を含んでいてもよい。上記他のモノマー成分としては、例えば、カルボキシ基含有モノマー、酸無水物モノマー、ヒドロキシ基含有モノマー、グリシジル基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、アクリルアミド、アクリロニトリル等の官能基含有モノマーなどが挙げられる。上記カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などが挙げられる。上記酸無水物モノマーとしては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。上記ヒドロキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。上記グリシジル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどが挙げられる。上記スルホン酸基含有モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などが挙げられる。上記リン酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどが挙げられる。上記他のモノマー成分は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記背面密着フィルムに含まれ得るアクリル樹脂は、背面密着フィルムがワークに対する接着性とダイシング時における良好な割断性とを両立する観点から、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリロニトリル、およびアクリル酸から適宜に選択されるモノマーの共重合体であることが好ましい。
上記熱可塑性樹脂(特に、アクリル樹脂)のガラス転移温度(Tg)は、−35℃以上であることが好ましく、より好ましくは−30℃以上である。上記ガラス転移温度が−35℃以上であると、未硬化状態において損失弾性率の最大値を2℃以上に有し、且つ上記変性点を10℃以上に有する背面密着フィルムを容易に得ることができる傾向がある。上記ガラス転移温度は、好ましくは40℃以下である。
上記背面密着フィルムが、熱硬化性樹脂を熱可塑性樹脂とともに含む場合、当該熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂などが挙げられる。上記熱硬化性樹脂は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。半導体チップの腐食原因となり得るイオン性不純物などの含有量の少ない傾向にあるという理由から、上記熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂が好ましい。また、エポキシ樹脂の硬化剤としてはフェノール樹脂が好ましい。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂などの多官能エポキシ樹脂が挙げられる。上記エポキシ樹脂は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。中でも、硬化剤としてのフェノール樹脂との反応性に富み且つ耐熱性に優れることから、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂の硬化剤として作用し得るフェノール樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂が挙げられる。また、当該フェノール樹脂としては、レゾール型フェノール樹脂、ポリパラオキシスチレンなどのポリオキシスチレンも挙げられる。上記フェノール樹脂は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
上記背面密着フィルムにおいて、エポキシ樹脂とフェノール樹脂との硬化反応を充分に進行させるという観点からは、フェノール樹脂は、エポキシ樹脂成分中のエポキシ基1当量当たり、当該フェノール樹脂中の水酸基が好ましくは0.5〜2.0当量、より好ましくは0.8〜1.2当量となる量で含まれる。
上記背面密着フィルムが熱硬化性樹脂を含む場合、上記熱硬化性樹脂の含有割合は、背面密着フィルムを適切に硬化させるという観点から、背面密着フィルムの総質量に対して、5〜60質量%が好ましく、より好ましくは10〜50質量%である。
上記背面密着フィルムが熱硬化性官能基を有する熱可塑性樹脂を含む場合、当該熱可塑性樹脂としては、例えば、熱硬化性官能基含有アクリル樹脂を用いることができる。この熱硬化性官能基含有アクリル樹脂におけるアクリル樹脂は、好ましくは、炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位を質量割合で最も多い構成単位として含む。当該炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、上述の背面密着フィルムに含まれ得る熱可塑性樹脂としてのアクリル樹脂を形成する炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルとして例示された炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。一方、熱硬化性官能基含有アクリル樹脂における熱硬化性官能基としては、例えば、グリシジル基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、イソシアネート基などが挙げられる。中でも、グリシジル基、カルボキシ基が好ましい。すなわち、熱硬化性官能基含有アクリル樹脂としては、グリシジル基含有アクリル樹脂、カルボキシ基含有アクリル樹脂が特に好ましい。また、熱硬化性官能基含有アクリル樹脂とともに硬化剤を含むことが好ましく、当該硬化剤としては、例えば、後述の粘着剤層形成用の放射線硬化性粘着剤に含まれ得る架橋剤として例示されたものが挙げられる。熱硬化性官能基含有アクリル樹脂における熱硬化性官能基がグリシジル基である場合には、硬化剤として、ポリフェノール系化合物を用いることが好ましく、例えば上述の各種フェノール樹脂を用いることができる。
上記背面密着フィルムは、熱硬化性樹脂を含む場合、熱硬化触媒(熱硬化促進剤)を含有することが好ましい。熱硬化触媒を含むと、背面密着フィルムの硬化にあたって樹脂成分の硬化反応を充分に進行させたり、硬化反応速度を高めることができる。上記熱硬化触媒としては、例えば、イミダゾール系化合物、トリフェニルホスフィン系化合物、アミン系化合物、トリハロゲンボラン系化合物などが挙げられる。イミダゾール系化合物としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどが挙げられる。トリフェニルホスフィン系化合物としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、ジフェニルトリルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、メチルトリフェニルホスホニウム、メチルトリフェニルホスホニウムクロライド、メトキシメチルトリフェニルホスホニウム、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライドなどが挙げられる。トリフェニルホスフィン系化合物には、トリフェニルホスフィン構造とトリフェニルボラン構造とを併有する化合物も含まれるものとする。そのような化合物としては、例えば、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ−p−トリボレート、ベンジルトリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィントリフェニルボランなどが挙げられる。アミン系化合物としては、例えば、モノエタノールアミントリフルオロボレート、ジシアンジアミドなどが挙げられる。トリハロゲンボラン系化合物としては、例えばトリクロロボランなどが挙げられる。上記熱硬化触媒は、一種のみを含有していてもよいし、二種以上を含有していてもよい。
上記背面密着フィルムにおける上記熱可塑性樹脂および上記熱硬化性樹脂の合計の含有割合(熱硬化性樹脂を含まない場合は上記熱可塑性樹脂の含有割合)は、背面密着フィルムの総質量に対して、5〜70質量%が好ましく、より好ましくは30〜60質量%である。
上記背面密着フィルムは、フィラー(充填剤)を含んでいてもよい。フィラーを含むことにより、背面密着フィルムの弾性率や、降伏点強度、破断伸度などの物性を調整しやすい。また、レーザーマーキング時に照射する光線の乱反射を抑制し、赤外線遮蔽性に優れると共に、レーザーマーキングにより刻印情報をより明確に付与することが可能となる。フィラーとしては、無機フィラー、有機フィラーが挙げられる。無機フィラーの構成材料としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ホウ酸アルミニウムウィスカ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、結晶質シリカ、非晶質シリカなどが挙げられる。また、無機フィラーの構成材料としては、アルミニウム、金、銀、銅、ニッケル等の単体金属や、合金、アモルファスカーボン、グラファイトなども挙げられる。有機フィラーの構成材料としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミドが挙げられる。上記フィラーは、一種のみを含有していてもよいし、二種以上を含有していてもよい。
上記フィラーは、球状、針状、フレーク状など各種形状を有していてもよい。上記フィラーの平均粒子径は、10μm以下が好ましく、より好ましくは8μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。上記平均粒子径が10μm以下であると、フィルム中におけるフィラーの総表面積が大きくなり、フィラー表面と背面密着フィルムを構成する樹脂との結合をより多く形成することで背面密着フィルムの脆さが軽減されるものと推測され、凝集力が高くなるため、リワーク後の半導体ウエハ表面にフィルム残渣が残りにくい。また、レーザーマーキング時に照射する光線の乱反射を抑制し、赤外線遮蔽性に優れると共に、レーザーマーキングにより刻印情報をより明確に付与することが可能となる。さらに、小片化されることとなる背面密着フィルムについて割断性により優れる。上記平均粒子径は、例えば0.05μm以上であり、好ましくは0.1μm以上である。本明細書において、フィラーの平均粒子径は、例えば、光度式の粒度分布計(商品名「LA−910」、株式会社堀場製作所製)を使用して求めることができる。
上記フィラーの含有割合は、背面密着フィルムの総質量に対して、10質量%以上が好ましく、より好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。上記含有割合は、60質量%以下が好ましく、より好ましくは57質量%以下、より好ましくは55質量%以下である。
上記背面密着フィルムは、着色剤を含有していてもよい。上記着色剤は、顔料であってもよいし、染料であってもよい。着色剤としては、例えば、黒系着色剤、シアン系着色剤、マゼンダ系着色剤、イエロー系着色剤などが挙げられる。背面密着フィルムのレーザーマーキングによる刻印箇所とそれ以外の箇所との間で高いコントラストを確保して当該刻印情報について良好な視認性を実現する観点から、黒系着色剤が好ましい。上記着色剤は、一種のみを含有していてもよいし、二種以上を含有していてもよい。
黒系着色剤としては、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト(黒鉛)、酸化銅、二酸化マンガン、アゾメチンアゾブラック等のアゾ系顔料、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色染料、アゾ系有機黒色染料などが挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが挙げられる。黒系着色剤としては、C.I.ソルベントブラック3、同7、同22、同27、同29、同34、同43、同70;C.I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同32、同38、同51、同71;C.I.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同31、同48、同52、同107、同109、同110、同119、同154;C.I.ディスパーズブラック1、同3、同10、同24;C.I.ピグメントブラック1、同7なども挙げられる。
シアン系着色剤としては、例えば、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95;C.I.アシッドブルー6、同45;C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:5、同15:6、同16、同17、同17:1、同18、同22、同25、同56、同60、同63、同65、同66;C.I.バットブルー4;同60、C.I.ピグメントグリーン7などが挙げられる。
マゼンダ系着色剤としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同52、同58、同63、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同111、同121、同122;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、同13、同14、同21、同27;C.I.ディスパースバイオレット1;C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同12、同13、同14、同15、同17、同18、同22、同23、同24、同27、同29、同32、同34、同35、同36、同37、同38、同39、同40;C.I.ベーシックバイオレット1、同3、同7、同10、同14、同15、同21、同25、同26、同27、28などが挙げられる。また、マゼンダ系着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同8、同9、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同18、同19、同21、同22、同23、同30、同31、同32、同37、同38、同39、同40、同41、同42、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同49、同49:1、同50、同51、同52、同52:2、同53:1、同54、同55、同56、同57:1、同58、同60、同60:1、同63、同63:1、同63:2、同64、同64:1、同67、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同92、同101、同104、同105、同106、同108、同112、同114、同122、同123、同139、同144、同146、同147、同149、同150、同151、同163、同166、同168、同170、同171、同172、同175、同176、同177、同178、同179、同184、同185、同187、同190、同193、同202、同206、同207、同209、同219、同222、同224、同238、同245;C.I.ピグメントバイオレット3、同9、同19、同23、同31、同32、同33、同36、同38、同43、同50;C.I.バットレッド1、同2、同10、同13、同15、同23、同29、同35などが挙げられる。
イエロー系着色剤としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162;C.I.ピグメントオレンジ31、同43;C.I.ピグメントイエロー1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同23、同24、同34、同35、同37、同42、同53、同55、同65、同73、同74、同75、同81、同83、同93、同94、同95、同97、同98、同100、同101、同104、同108、同109、同110、同113、同114、同116、同117、同120、同128、同129、同133、同138、同139、同147、同150、同151、同153、同154、同155、同156、同167、同172、同173、同180、同185、同195;C.I.バットイエロー1、同3、同20などが挙げられる。
上記着色剤としては、中でも、可視光吸収染料が好ましい。上記着色剤として可視光吸収染料を用いると、ダイシングテープを伴った状態でレーザーマーキングを施した際に背面密着フィルムとダイシングテープの間に気泡が生じにくく、レーザーマーキング後の外観に優れる。上記可視光吸収染料は、350〜700nmの波長領域に吸光度の極大値を有する染料であることが好ましい。上記可視光吸収染料としては、例えば、アントラキノン系染料、ペリノン系染料、ペリレン系染料、キノリン系染料、キナクリドン系染料、ベンズイミダゾロン系染料、アゾ系染料、イソインドリノン系染料、イソインドリン系染料、ジオキサジン系染料、フタロシアニン系染料などが挙げられる。上記可視光吸収染料は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記着色剤の含有割合は、レーザーマーキングによる刻印情報について上述の良好な視認性を実現する観点で、背面密着フィルムの総質量に対して、0.5質量%以上が好ましく、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上である。上記含有割合は、10質量%以下が好ましく、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。上記含有割合が10質量%以下であると、ダイシングテープを伴った状態でレーザーマーキングを施した際に背面密着フィルムとダイシングテープの間に気泡が生じにくい。
上記背面密着フィルムは、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。上記他の成分としては、例えば、難燃剤、シランカップリング剤、イオントラップ剤などが挙げられる。上記難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄、水酸化カルシウム、水酸化スズ、複合化金属水酸化物等の金属水酸化物、ホスファゼン系化合物、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、臭素化エポキシ樹脂などが挙げられる。上記シランカップリング剤としては、例えば、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。上記イオントラップ剤としては、例えば、ハイドロタルサイト類、水酸化ビスマス、含水酸化アンチモン(例えば東亜合成株式会社製の「IXE−300」)、特定構造のリン酸ジルコニウム(例えば東亜合成株式会社製の「IXE−100」)、ケイ酸マグネシウム(例えば協和化学工業株式会社製の「キョーワード600」)、ケイ酸アルミニウム(例えば協和化学工業株式会社製の「キョーワード700」)などが挙げられる。金属イオンとの間で錯体を形成し得る化合物もイオントラップ剤として使用することができる。そのような化合物としては、例えば、トリアゾール系化合物、テトラゾール系化合物、ビピリジル系化合物が挙げられる。これらのうち、金属イオンとの間で形成される錯体の安定性の観点からはトリアゾール系化合物が好ましい。そのようなトリアゾール系化合物としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−{N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル}ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、6−(2−ベンゾトリアゾリル)−4−t−オクチル−6’−t−ブチル−4’−メチル−2,2’−メチレンビスフェノール、1−(2’,3’−ヒドロキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1−(1,2−ジカルボキシジエチル)ベンゾトリアゾール、1−(2−エチルヘキシルアミノメチル)ベンゾトリアゾール、2,4−ジ−t−ペンチル−6−{(H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル}フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、オクチル−3−[3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネート、2−エチルヘキシル−3−[3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネート、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−t−ブチルフェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、メチル−3−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネートなどが挙げられる。また、キノール化合物や、ヒドロキシアントラキノン化合物、ポリフェノール化合物などの特定の水酸基含有化合物も、イオントラップ剤として使用することができる。そのような水酸基含有化合物としては、具体的には、1,2−ベンゼンジオール、アリザリン、アントラルフィン、タンニン、没食子酸、没食子酸メチル、ピロガロールなどが挙げられる。上記他の成分は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記背面密着フィルムは、多層構造である場合、ワーク背面への貼着面を有する接着剤層と、レーザーマーキングにより刻印情報を付与することが可能なレーザーマーク層とを含む積層構造を有していてもよい。接着剤層は、ワーク背面に貼着された後、熱硬化によりワーク背面に接着して保護することが可能となるように、熱硬化性を有していてもよい。なお、接着剤層が熱硬化性を有しない非熱硬化性である場合、接着剤層は、感圧などによる界面での密着性(濡れ性)や化学結合によりワーク背面に接着して保護することが可能である。レーザーマーク層は、その表面に、半導体装置の製造過程においてレーザーマーキングが施されることとなる。そして、このような積層構造を有する背面密着フィルムは、120℃で2時間の加熱処理によって、上記接着剤層は熱硬化する一方で、上記レーザーマーク層は実質的には熱硬化しないという積層構造をとることができる。なお、上記背面密着フィルムにおいて120℃で2時間の加熱処理によって実質的には熱硬化しない層には、既に硬化した熱硬化型層が含まれる。上記接着剤層および上記レーザーマーク層は、それぞれ、単層構造を有していてもよいし、多層構造を有していてもよい。
上記レーザーマーク層は、レーザーマーキングを施す時点において、熱硬化性成分が熱硬化された熱硬化型層(熱硬化済み層)であることが好ましい。熱硬化済みのレーザーマーク層は、レーザーマーク層を形成する樹脂組成物から形成された熱硬化性の樹脂組成物層を硬化させることにより形成される。
上記背面密着フィルムが接着剤層とレーザーマーキング層とを有する多層構造である場合、接着剤層の厚さに対するレーザーマーク層の厚さの比は、1以上が好ましく、より好ましくは1.5以上、さらに好ましくは2以上である。上記比は、例えば10以下である。
上記背面密着フィルムの厚さは、例えば2〜200μm、好ましくは4〜160μm、より好ましくは6〜100μm、さらに好ましくは10〜80μmである。上記厚さが2μm以上であると、ワーク背面をより強固に保護できる。上記厚さが200μm以下であると、背面密着後のワークをより薄型とすることができる。
上記背面密着フィルムが多層構造である場合の一実施形態を図1に示す。図1に示すように、背面密着フィルム10は、セパレータ30上に配置されている。背面密着フィルム10は、接着剤層11とレーザーマーク層12を含む多層構造を有し、レーザーマーク層12がセパレータ30に剥離可能に密着している。なお、図1において、接着剤層11とレーザーマーク層12は、逆の位置関係(すなわち、接着剤層11がセパレータ30に剥離可能に密着している態様)であってもよい。接着剤層11とレーザーマーク層12が図1に示す位置関係である場合、背面密着フィルム10をワーク背面に貼着し熱硬化させて使用することができる。一方、接着剤層11とレーザーマーク層12の位置関係が図1に示すものとは逆である場合、後述のダイシングテープ一体型背面密着フィルムを作製するために好ましく使用することができる。
上記背面密着フィルムが単層構造である場合の一実施形態を図2に示す。図2に示すように、背面密着フィルム10は、セパレータ30上に配置されている。背面密着フィルム10をワーク背面に貼着し熱硬化させて使用することができる。
[ダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルム]
上記背面密着フィルムは、基材と粘着剤層とを含む積層構造を有するダイシングテープと、上記ダイシングテープにおける上記粘着剤層に剥離可能に密着している背面密着フィルムとを備えた形態、すなわち、ダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルム(「ダイシングテープ一体型背面密着フィルム」と称する場合がある)として用いられてもよい。上記ダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルムは、ダイシングテープ上で半導体ウエハをチップに個片化するためのダイシング、およびダイシングテープからの半導体背面密着フィルム付チップの良好なピックアップを実現するのに適する。
上記ダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルムは、上記粘着剤層と未硬化状態における上記背面密着フィルムの間の、温度50℃、剥離角度180°の条件での剥離試験における剥離力が0.4N/100mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.5N/100mm以上である。このような構成を有するダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルムは、上記剥離力が0.4N/100mm以上であると、リワーク性を発揮する温度付近において、背面密着フィルムが最適な柔軟性と自立性を維持し、且つ高い層間密着性を有していることから、リワーク時にダイシングテープからの脱落(離脱)や、ウエハ面への背面密着フィルムの一部が残ることを防ぐことができる。
上記剥離力は、特に限定されないが、剥離角度180°および引張速度300mm/分の条件での剥離試験における剥離力であることが好ましい。上記剥離力については、剥離試験機(商品名「オートグラフAGS−J」、株式会社島津製作所製)を使用して測定することができる。
上記ダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルムにおいて、上記背面密着フィルムは、半導体ウエハに貼付した状態から50℃以上において剥離可能であることが好ましい。このような構成を有するダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルムは、低温加温時のリワーク性に優れ、50℃以上の温度に加温することで容易に半導体ウエハから剥離することができる。
上記ダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルムは、半導体ウエハの個片化を行う工程において、上記半導体ウエハの裏面に上記半導体背面密着フィルムを貼付して使用されることが好ましい。詳細な使用方法については後述するとおりである。
上記ダイシングテープ一体型背面密着フィルムの一実施形態について、図3を用いて説明する。図3に示すダイシングテープ一体型背面密着フィルム1は、図1に示す背面密着フィルム10を用いたものであり、セパレータ30上に配置されている。ダイシングテープ一体型背面密着フィルム1は、半導体チップ背面密着膜形成用のチップ相当サイズのフィルムを伴う半導体チップを得るための過程で使用することのできるものであり、背面密着フィルム10とダイシングテープ20とを含む積層構造を有する。
(基材)
ダイシングテープにおける基材は、ダイシングテープやダイシングテープ一体型背面密着フィルムにおいて支持体として機能する要素である。基材としては、例えば、プラスチック基材(特にプラスチックフィルム)が挙げられる。上記基材は、単層であってもよいし、同種または異種の基材の積層体であってもよい。
上記プラスチック基材を構成する樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ランダム共重合ポリプロピレン、ブロック共重合ポリプロピレン、ホモポリプロレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体等のポリオレフィン樹脂;ポリウレタン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリイミド;ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテルイミド;アラミド、全芳香族ポリアミド等のポリアミド;ポリフェニルスルフィド;フッ素樹脂;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;セルロース樹脂;シリコーン樹脂などが挙げられる。基材において良好な熱収縮性を確保して、ダイシング後の半導体チップ同士の離隔距離を広げるためのエキスパンド工程においてチップ離間距離をダイシングテープまたは基材の部分的熱収縮を利用して維持しやすい観点から、基材は、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはポリ塩化ビニルを主成分として含むことが好ましい。なお、基材の主成分とは、構成成分中で最も大きな質量割合を占める成分とする。上記樹脂は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。粘着剤層が後述のように放射線硬化型粘着剤層である場合、基材は放射線透過性を有することが好ましい。
基材がプラスチックフィルムである場合、上記プラスチックフィルムは、無配向であってもよく、少なくとも一方向(一軸方向、二軸方向等)に配向していてもよい。少なくとも一方向に配向している場合、プラスチックフィルムは当該少なくとも一方向に熱収縮可能となる。基材およびダイシングテープが等方的な熱収縮性を有するためには、基材は二軸配向フィルムであることが好ましい。なお、上記少なくとも一方向に配向したプラスチックフィルムは、無延伸のプラスチックフィルムを当該少なくとも一方向に延伸(一軸延伸、二軸延伸等)することにより得ることができる。基材およびダイシングテープは、加熱温度100℃および加熱時間処理60秒の条件で行われる加熱処理試験における熱収縮率が、1〜30%であることが好ましく、より好ましくは2〜25%、さらに好ましくは3〜20%、特に好ましくは5〜20%である。上記熱収縮率は、MD方向およびTD方向の少なくとも一方向の熱収縮率であることが好ましい。
基材の粘着剤層側表面は、粘着剤層との密着性、保持性などを高める目的で、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、サンドマット加工処理、オゾン暴露処理、火炎暴露処理、高圧電撃暴露処理、イオン化放射線処理等の物理的処理;クロム酸処理等の化学的処理;コーティング剤(下塗り剤)による易接着処理などの表面処理が施されていてもよい。また、帯電防止能を付与するため、金属、合金、これらの酸化物などを含む導電性の蒸着層を基材表面に設けてもよい。密着性を高めるための表面処理は、基材における粘着剤層側の表面全体に施されていることが好ましい。
基材の厚さは、ダイシングテープおよびダイシングテープ一体型背面密着フィルムにおける支持体として基材が機能するための強度を確保するという観点からは、40μm以上が好ましく、より好ましくは50μm以上、さらに好ましくは55μm以上、特に好ましくは60μm以上である。また、ダイシングテープおよびダイシングテープ一体型背面密着フィルムにおいて適度な可撓性を実現するという観点からは、基材の厚さは、200μm以下が好ましく、より好ましくは180μm以下、さらに好ましくは150μm以下である。
(粘着剤層)
ダイシングテープにおける粘着剤層は、ダイシングテープ一体型背面密着フィルムの使用過程において外部からの作用によって意図的に粘着力を低減させることが可能な粘着剤層(粘着力低減可能型粘着剤層)であってもよいし、ダイシングテープ一体型背面密着フィルムの使用過程において外部からの作用によっては粘着力がほとんどまたは全く低減しない粘着剤層(粘着力非低減型粘着剤層)であってもよく、ダイシングテープ一体型背面密着フィルムを使用して個片化されるワークの個片化の手法や条件などに応じて適宜に選択することができる。粘着剤層は、単層構造を有していてもよいし、多層構造を有していてもよい。
粘着剤層が粘着力低減可能型粘着剤層である場合、ダイシングテープ一体型背面密着フィルムの製造過程や使用過程において、粘着剤層が相対的に高い粘着力を示す状態と相対的に低い粘着力を示す状態とを使い分けることが可能となる。例えば、ダイシングテープ一体型背面密着フィルムの製造過程でダイシングテープの粘着剤層に背面密着フィルムを貼り合わせる時や、ダイシングテープ一体型背面密着フィルムがダイシング工程に使用される時には、粘着剤層が相対的に高い粘着力を示す状態を利用して粘着剤層から背面密着フィルムの浮きを抑制・防止することが可能となる一方で、その後、ダイシングテープ一体型背面密着フィルムのダイシングテープから半導体チップをピックアップするためのピックアップ工程では、粘着剤層の粘着力を低減させることで、ピックアップを容易に行うことができる。
このような粘着力低減可能型粘着剤層を形成する粘着剤としては、例えば、放射線硬化性粘着剤、加熱発泡型粘着剤などが挙げられる。粘着力低減可能型粘着剤層を形成する粘着剤としては、一種の粘着剤を使用してもよいし、二種以上の粘着剤を使用してもよい。
上記放射線硬化性粘着剤としては、例えば、電子線、紫外線、α線、β線、γ線、またはX線の照射により硬化するタイプの粘着剤を用いることができ、紫外線照射によって硬化するタイプの粘着剤(紫外線硬化性粘着剤)を特に好ましく用いることができる。
上記放射線硬化性粘着剤としては、例えば、アクリル系ポリマーなどのベースポリマーと、放射線重合性の炭素−炭素二重結合などの官能基を有する放射線重合性のモノマー成分やオリゴマー成分とを含有する添加型の放射線硬化性粘着剤が挙げられる。
上記アクリル系ポリマーは、ポリマーの構成単位として、アクリル系モノマー(分子中に(メタ)アクリロイル基を有するモノマー成分)に由来する構成単位を含むポリマーである。上記アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位を質量割合で最も多く含むポリマーであることが好ましい。なお、アクリル系ポリマーは、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、アルコキシ基を有していてもよい炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。アルコキシ基を有していてもよい炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、上述の背面密着フィルムが含み得るアクリル樹脂の構成単位として例示されたアルコキシ基を有していてもよい炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。上記アルコキシ基を有していてもよい炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルは、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。上記アルコキシ基を有していてもよい炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリルが好ましい。アルコキシ基を有していてもよい炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルによる粘着性などの基本特性を粘着剤層において適切に発現させるためには、アクリル系ポリマーを形成するための全モノマー成分における、アルコキシ基を有していてもよい炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルの割合は、40質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上である。
上記アクリル系ポリマーは、凝集力、耐熱性などの改質を目的として、上記アルコキシ基を有していてもよい炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な他のモノマー成分に由来する構成単位を含んでいてもよい。上記他のモノマー成分としては、上述の背面密着フィルムが含み得るアクリル樹脂の構成単位として例示された他のモノマーが挙げられる。上記他のモノマー成分は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。アルコキシ基を有していてもよい炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルによる粘着性などの基本特性を粘着剤層において適切に発現させるためには、アクリル系ポリマーを形成するための全モノマー成分における、上記他のモノマー成分の合計割合は、60質量%以下が好ましく、より好ましくは40質量%以下である。
上記アクリル系ポリマーは、そのポリマー骨格中に架橋構造を形成するために、アクリル系ポリマーを形成するモノマー成分と共重合可能な多官能性モノマーに由来する構成単位を含んでいてもよい。上記多官能性モノマーとしては、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート(例えば、ポリグリシジル(メタ)アクリレート)、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の分子内に(メタ)アクリロイル基と他の反応性官能基を有する単量体などが挙げられる。上記多官能性モノマーは、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。アルコキシ基を有していてもよい炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルによる粘着性などの基本特性を粘着剤層において適切に発現させるためには、アクリル系ポリマーを形成するための全モノマー成分における上記多官能性モノマーの割合は、40質量%以下が好ましく、より好ましくは30質量%以下である。
アクリル系ポリマーは、アクリル系モノマーを含む一種以上のモノマー成分を重合に付すことにより得られる。重合方法としては、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合などが挙げられる。
アクリル系ポリマーは、それを形成するための原料モノマーを重合して得ることができる。重合手法としては、例えば、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合などが挙げられる。アクリル系ポリマーの質量平均分子量は、10万以上が好ましく、より好ましくは20万〜300万である。質量平均分子量が10万以上であると、粘着剤層中の低分子量物質が少ない傾向にあり、背面密着フィルムや半導体ウエハなどへの汚染をより抑制することができる。
粘着剤層あるいは粘着剤層を形成する粘着剤は、架橋剤を含有していてもよい。例えば、ベースポリマーとしてアクリル系ポリマーを用いる場合、アクリル系ポリマーを架橋させ、粘着剤層中の低分子量物質をより低減させることができる。また、アクリル系ポリマーの質量平均分子量を高めることができる。上記架橋剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、ポリオール化合物(ポリフェノール系化合物等)、アジリジン化合物、メラミン化合物などが挙げられる。架橋剤を使用する場合、その使用量は、ベースポリマー100質量部に対して、5質量部程度以下が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量部である。
上記放射線重合性のモノマー成分としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレートなど挙げられる。上記放射線重合性のオリゴマー成分としては、例えば、ウレタン系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリブタジエン系などの種々のオリゴマーが挙げられ、分子量が100〜30000程度のものが好ましい。粘着剤層を形成する放射線硬化性粘着剤中の上記放射線重合性のモノマー成分およびオリゴマー成分の含有量は、上記ベースポリマー100質量部に対して、例えば5〜500質量部、好ましくは40〜150質量部程度である。また、添加型の放射線硬化性粘着剤としては、例えば特開昭60−196956号公報に開示のものを用いてもよい。
上記放射線硬化性粘着剤としては、放射線重合性の炭素−炭素二重結合などの官能基をポリマー側鎖や、ポリマー主鎖中、ポリマー主鎖末端に有するベースポリマーを含有する内在型の放射線硬化性粘着剤も挙げられる。このような内在型の放射線硬化性粘着剤を用いると、形成された粘着剤層内での低分子量成分の移動に起因する粘着特性の意図しない経時的変化を抑制することができる傾向がある。
上記内在型の放射線硬化性粘着剤に含有されるベースポリマーとしては、アクリル系ポリマーが好ましい。アクリル系ポリマーへの放射線重合性の炭素−炭素二重結合の導入方法としては、例えば、第1の官能基を有するモノマー成分を含む原料モノマーを重合(共重合)させてアクリル系ポリマーを得た後、上記第1の官能基と反応し得る第2の官能基および放射線重合性の炭素−炭素二重結合を有する化合物を、炭素−炭素二重結合の放射線重合性を維持したままアクリル系ポリマーに対して縮合反応または付加反応させる方法が挙げられる。
上記第1の官能基と上記第2の官能基の組み合わせとしては、例えば、カルボキシ基とエポキシ基、エポキシ基とカルボキシ基、カルボキシ基とアジリジル基、アジリジル基とカルボキシ基、ヒドロキシ基とイソシアネート基、イソシアネート基とヒドロキシ基などが挙げられる。これらの中でも、反応追跡の容易さの観点から、ヒドロキシ基とイソシアネート基の組み合わせ、イソシアネート基とヒドロキシ基の組み合わせが好ましい。中でも、反応性の高いイソシアネート基を有するポリマーを作製することは技術的難易度が高く、一方でヒドロキシ基を有するアクリル系ポリマーの作製および入手の容易性の観点から、上記第1の官能基がヒドロキシ基であり、上記第2の官能基がイソシアネート基である組み合わせが好ましい。イソシアネート基および放射性重合性の炭素−炭素二重結合を有する化合物、すなわち、放射線重合性の不飽和官能基含有イソシアネート化合物としては、例えば、メタクリロイルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートなどが挙げられる。また、ヒドロキシ基を有するアクリル系ポリマーとしては、上述のヒドロキシ基含有モノマーや、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングルコールモノビニルエーテルなどのエーテル系化合物に由来する構成単位を含むものが挙げられる。
上記放射線硬化性粘着剤は、光重合開始剤を含有することが好ましい。上記光重合開始剤としては、例えば、α−ケトール系化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ケタール系化合物、芳香族スルホニルクロリド系化合物、光活性オキシム系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、カンファーキノン、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド、アシルホスフォナートなどが挙げられる。上記α−ケトール系化合物としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられる。上記アセトフェノン系化合物としては、例えば、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフエノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オンなどが挙げられる。上記ベンゾインエーテル系化合物としては、例えば、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アニソインメチルエーテルなどが挙げられる。上記ケタール系化合物としては、例えば、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。上記芳香族スルホニルクロリド系化合物としては、例えば、2−ナフタレンスルホニルクロリドなどが挙げられる。上記光活性オキシム系化合物としては、例えば、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシムなどが挙げられる。上記ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。上記チオキサントン系化合物としては、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。放射線硬化性粘着剤中の光重合開始剤の含有量は、ベースポリマー100質量部に対して、例えば0.05〜20質量部である。
上記加熱発泡型粘着剤は、加熱によって発泡や膨張をする成分(発泡剤、熱膨張性微小球など)を含有する粘着剤である。上記発泡剤としては、種々の無機系発泡剤や有機系発泡剤が挙げられる。上記無機系発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、アジド類などが挙げられる。上記有機系発泡剤としては、例えば、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタン等の塩フッ化アルカン;アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ系化合物;パラトルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アリルビス(スルホニルヒドラジド)等のヒドラジン系化合物;p−トルイレンスルホニルセミカルバジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)等のセミカルバジド系化合物;5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾール等のトリアゾール系化合物;N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド等のN−ニトロソ系化合物などが挙げられる。上記熱膨張性微小球としては、例えば、加熱によって容易にガス化して膨張する物質が殻内に封入された構成の微小球が挙げられる。上記加熱によって容易にガス化して膨張する物質としては、例えば、イソブタン、プロパン、ペンタンなどが挙げられる。加熱によって容易にガス化して膨張する物質をコアセルべーション法や界面重合法などによって殻形成物質内に封入することによって、熱膨張性微小球を作製することができる。上記殻形成物質としては、熱溶融性を示す物質や、封入物質の熱膨張の作用によって破裂し得る物質を用いることができる。そのような物質としては、例えば、塩化ビニリデン・アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホンなどが挙げられる。
上記粘着力非低減型粘着剤層としては、例えば、感圧型粘着剤層が挙げられる。なお、感圧型粘着剤層には、粘着力低減可能型粘着剤層に関して上述した放射線硬化性粘着剤から形成された粘着剤層を予め放射線照射によって硬化させつつも一定の粘着力を有する形態の粘着剤層が含まれる。粘着力非低減型粘着剤層を形成する粘着剤としては、一種の粘着剤を使用してもよいし、二種以上の粘着剤を使用してもよい。また、粘着剤層の全体が粘着力非低減型粘着剤層であってもよいし、一部が粘着力非低減型粘着剤層であってもよい。例えば、粘着剤層が単層構造を有する場合、粘着剤層の全体が粘着力非低減型粘着剤層であってもよいし、粘着剤層における特定の部位(例えば、ダイシングフレームの貼着対象領域であって、中央領域の外側にある領域)が粘着力非低減型粘着剤層であり、他の部位(例えば、半導体ウエハの分割体あるいは半導体ウエハの貼着対象領域である中央領域)が粘着力低減可能型粘着剤層であってもよい。また、粘着剤層が積層構造を有する場合、積層構造における全ての粘着剤層が粘着力非低減型粘着剤層であってもよいし、積層構造中の一部の粘着剤層が粘着力非低減型粘着剤層であってもよい。
放射線硬化性粘着剤から形成された粘着剤層(放射線未照射放射線硬化型粘着剤層)を予め放射線照射によって硬化させた形態の粘着剤層(放射線照射済放射線硬化型粘着剤層)は、放射線照射によって粘着力が低減されているとしても、含有するポリマー成分に起因する粘着性を示し、ダイシング工程などにおいてダイシングテープの粘着剤層に最低限必要な粘着力を発揮することが可能である。放射線照射済放射線硬化型粘着剤層を用いる場合、粘着剤層の面広がり方向において、粘着剤層の全体が放射線照射済放射線硬化型粘着剤層であってもよく、粘着剤層の一部が放射線照射済放射線硬化型粘着剤層であり且つ他の部分が放射線未照射の放射線硬化型粘着剤層であってもよい。なお、本明細書において、「放射線硬化型粘着剤層」とは、放射線硬化性粘着剤から形成された粘着剤層をいい、放射線硬化性を有する放射線未照射放射線硬化型粘着剤層および当該粘着剤層が放射線照射により硬化した後の放射線硬化済放射線硬化型粘着剤層の両方を含む。
上記感圧型粘着剤層を形成する粘着剤としては、公知乃至慣用の感圧型の粘着剤を用いることができ、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤やゴム系粘着剤を好ましく用いることができる。粘着剤層が感圧型の粘着剤としてアクリル系ポリマーを含有する場合、当該アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位を質量割合で最も多い構成単位として含むポリマーであることが好ましい。上記アクリル系ポリマーとしては、例えば、上述の添加型の放射線硬化性粘着剤に含まれ得るアクリル系ポリマーとして説明されたアクリル系ポリマーを採用することができる。
粘着剤層または粘着剤層を形成する粘着剤は、上述の各成分以外に、架橋促進剤、粘着付与剤、老化防止剤、着色剤(顔料、染料等)などの公知乃至慣用の粘着剤層に用いられる添加剤が配合されていてもよい。上記着色剤としては、例えば、放射線照射により着色する化合物が挙げられる。放射線照射により着色する化合物を含有する場合、放射線照射された部分のみを着色することができる。上記放射線照射により着色する化合物は、放射線照射前には無色または淡色であるが、放射線照射により有色となる化合物であり、例えば、ロイコ染料などが挙げられる。上記放射線照射により着色する化合物の使用量は特に限定されず適宜選択することができる。
粘着剤層の厚さは、特に限定されないが、粘着剤層が放射線硬化性粘着剤から形成された粘着剤層である場合に当該粘着剤層の放射線硬化の前後における背面密着フィルムに対する接着力のバランスをとる観点から、1〜50μm程度が好ましく、より好ましくは2〜30μm、さらに好ましくは3〜25μmである。
上記背面密着フィルムおよび上記ダイシングテープ一体型背面密着フィルムは、背面密着フィルム表面にセパレータを有していてもよい。具体的には、背面密着フィルムごと、またはダイシングテープ一体型背面密着フィルムごとに、セパレータを有するシート状の形態であってもよいし、セパレータが長尺状であってその上に複数の背面密着フィルムまたは複数のダイシングテープ一体型背面密着フィルムが配され、且つ当該セパレータが巻き回されてロールの形態とされていてもよい。セパレータは、背面密着フィルム表面を被覆して保護するための要素であり、背面密着フィルムまたはダイシングテープ一体型背面密着フィルムを使用する際には当該シートから剥がされる。セパレータとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、フッ素系剥離剤や長鎖アルキルアクリレート系剥離剤等の剥離剤により表面コートされたプラスチックフィルムや紙類などが挙げられる。
セパレータの厚さは、例えば10〜200μm、好ましくは15〜150μm、より好ましくは20〜100μmである。上記厚さが10μm以上であると、セパレータの加工時に切り込みにより破断しにくい。上記厚さが200μm以下であると、基板およびフレームへの貼り合わせ時に、セパレータからダイシングテープ一体型背面密着フィルムをより剥離しやすい。
[背面密着フィルムの製造方法]
本発明の一実施形態である背面密着フィルム10は、例えば、次の通りにして製造される。
図1に示す背面密着フィルム10は、まず、接着剤層11とレーザーマーク層12とを個別に作製する。接着剤層11は、接着剤層11形成用の樹脂組成物(接着剤組成物)をセパレータ上に塗布して樹脂組成物層を形成した後、加熱により脱溶媒や硬化を行い、該樹脂組成物層を固化させることによって作製することができる。接着剤層11の作製において、加熱温度は例えば90〜150℃であり、加熱時間は例えば1〜2分間である。樹脂組成物の塗布手法としては、例えば、ロール塗工、スクリーン塗工、グラビア塗工などが挙げられる。一方、レーザーマーク層12は、レーザーマーク層12形成用の樹脂組成物をセパレータ上に塗布して樹脂組成物層を形成した後、加熱により脱溶媒や硬化を行い、該樹脂組成物層を固化させることによって作製することができる。レーザーマーク層12の作製において、加熱温度は例えば90〜160℃であり、加熱時間は例えば2〜4分間である。それぞれがセパレータを伴う形態で接着剤層11およびレーザーマーク層12を作製することができる。そして、これら接着剤層11およびレーザーマーク層12の露出面同士を貼り合わせ、次いで目的とする平面投影形状および平面投影面積となるように打ち抜き加工を行い、接着剤層11とレーザーマーク層12との積層構造を有する背面密着フィルム10が作製される。
[ダイシングテープ一体型背面密着フィルムの製造方法]
本発明の一実施形態であるダイシングテープ一体型背面密着フィルム1は、例えば、次の通りにして製造される。
図3に示すダイシングテープ一体型背面密着フィルム1のダイシングテープ20については、用意した基材21上に粘着剤層22を設けることによって作製することができる。例えば樹脂製の基材21は、公知乃至慣用の製膜方法により製膜して得ることができる。上記製膜方法としては、例えば、カレンダー製膜法、有機溶媒中でのキャスティング法、密閉系でのインフレーション押出法、Tダイ押出法、共押出し法、ドライラミネート法などが挙げられる。基材21には、必要に応じて表面処理が施される。粘着剤層22の形成においては、例えば、粘着剤層形成用の粘着剤組成物を調製した後、まず、当該組成物を基材21上またはセパレータ上に塗布して粘着剤組成物層を形成する。粘着剤組成物の塗布手法としては、例えば、ロール塗工、スクリーン塗工、グラビア塗工などが挙げられる。次に、この粘着剤組成物層において、加熱によって、必要に応じて脱溶媒させ、また、必要に応じて架橋反応を生じさせる。加熱温度は例えば80〜150℃であり、加熱時間は例えば0.5〜5分間である。粘着剤層22がセパレータ上に形成される場合には、当該セパレータを伴う粘着剤層22を基材21に貼り合わせ、次いで目的とする平面投影形状(例えば、背面密着フィルム10と相似形状となる形状)および平面投影面積となるように打ち抜き加工を行い、その後、セパレータが剥離される。これにより、基材21と粘着剤層22との積層構造を有するダイシングテープ20が作製される。
次に、ダイシングテープ20の粘着剤層22側に、上記で得られた背面密着フィルム10のレーザーマーク層12側を貼り合わせる。貼り合わせ温度は例えば10〜50℃であり、貼り合わせ圧力(線圧)は例えば0.1〜20kgf/cmである。粘着剤層22が上記放射線硬化性粘着剤層である場合、当該貼り合わせの前に粘着剤層22に対して紫外線などの放射線を照射してもよいし、当該貼り合わせの後に基材21の側から粘着剤層22に対して紫外線などの放射線を照射してもよい。或いは、ダイシングテープ一体型背面密着フィルム1の製造過程では、そのような放射線照射を行わなくてもよい(この場合、ダイシングテープ一体型背面密着フィルム1の使用過程で粘着剤層22を放射線硬化させることが可能である)。粘着剤層22が紫外線硬化型である場合、粘着剤層22を硬化させるための紫外線照射量は、例えば50〜500mJ/cm2である。ダイシングテープ一体型背面密着フィルム1において粘着剤層22の粘着力低減措置としての照射が行われる領域(照射領域R)は、例えば図3に示すように、粘着剤層22における背面密着フィルム10貼り合わせ領域内のその周縁部を除く領域である。
以上のようにして、例えば図1に示す背面密着フィルム10および図3に示すダイシングテープ一体型背面密着フィルム1を作製することができる。
[半導体装置の製造方法]
上記ダイシングテープ一体型背面密着フィルムを用いて、半導体装置を製造することができる。具体的には、ダイシングテープ一体型背面密着フィルムにおける背面密着フィルム側(特に接着剤層側)にワーク背面を貼り付ける工程(貼付工程)と、少なくともワークを含む対象を切削することにより個片化された半導体チップを得る工程(ダイシング工程)とを含む製造方法により、半導体装置を製造することができる。なお、図4〜7は、図3に示すダイシングテープ一体型背面密着フィルム1を用いた半導体装置の製造方法における工程を表す。
(貼付工程)
上記貼付工程において上記ダイシングテープ一体型背面密着フィルムにおける背面密着フィルム側(特に接着剤層側)に貼り付けるワークとしては、半導体ウエハや、複数の半導体チップがそれぞれ背面および/または側面が樹脂により封止された封止体などが挙げられる。そして、例えば図4(a)に示すように、ウエハ加工用テープT1に保持された半導体ウエハ40を、ダイシングテープ一体型背面密着フィルム1の背面密着フィルム10(特に、接着剤層11)に対して貼り合わせる。半導体ウエハ40の表面には、フリップチップ実装するためのバンプ(図示略)が備えられている。この後、図4(b)に示すように、半導体ウエハ40からウエハ加工用テープT1を剥がす。
(熱硬化工程)
上記背面密着フィルムまたは当該フィルム中の接着剤層が熱硬化性を有する場合、上記貼付工程の後に、背面密着フィルムを熱硬化させる工程(熱硬化工程)を有することが好ましい。例えば、上記熱硬化工程では、接着剤層11を熱硬化させるための加熱処理を行う。加熱温度は、80〜200℃が好ましく、より好ましくは100〜150℃である。加熱時間は、0.5〜5時間が好ましく、より好ましくは1〜3時間である。加熱処理は、具体的には例えば120℃で2時間行う。熱硬化工程では、接着剤層11の熱硬化により、ダイシングテープ一体型背面密着フィルム1の背面密着フィルム10と半導体ウエハ40との密着力が高まり、ダイシングテープ一体型背面密着フィルム1および背面密着フィルム10の対半導体ウエハ固定保持力が高まる。また、背面密着フィルムが熱硬化性を有しない場合、例えば50〜100℃の範囲で数時間ベーキング処理してもよく、これにより、背面密着フィルム界面の濡れ性が向上し、対半導体ウエハ固定保持力が高まる。
(レーザーマーキング工程)
上記半導体装置の製造方法は、背面密着フィルムに対し、ダイシングテープの基材側からレーザーを照射してレーザーマーキングを行う工程(レーザーマーキング工程)を有することが好ましい。上記熱硬化工程を行う場合、レーザーマーキング工程は、上記熱硬化工程の後に行うことが好ましい。具体的には、レーザーマーキング工程では、例えばレーザーマーク層12に対し、ダイシングテープ20の基材21の側からレーザーを照射してレーザーマーキングを行う。このレーザーマーキング工程によって、半導体チップごとに、文字情報や図形情報などの各種情報を刻印することができる。レーザーマーキング工程では、一のレーザーマーキングプロセスにおいて、複数の半導体チップに対して一括的に効率よくレーザーマーキングを行うことが可能である。レーザーマーキング工程で用いられるレーザーとしては、例えば、気体レーザー、固体レーザーが挙げられる。気体レーザーとしては、例えば、炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)、エキシマレーザーが挙げられる。固体レーザーとしては、例えばNd:YAGレーザーが挙げられる。
(ダイシング工程)
上記ダイシング工程では、例えば図5に示すように、ダイシングテープ一体型背面密着フィルム1における粘着剤層22上にダイシングテープを押さえつけ固定するためのフレーム(ダイシングフレーム)51を貼り付けてダイシング装置の保持具52に保持させた後、上記ダイシング装置の備えるダイシングブレードによる切削加工を行う。図5では、切削箇所を模式的に太線で表す。ダイシング工程では、半導体ウエハが半導体チップ41に個片化され、これとともに、ダイシングテープ一体型背面密着フィルム1の背面密着フィルム10が小片のフィルム10’に切断される。これにより、フィルム10’を伴う半導体チップ41、即ちフィルム10’付き半導体チップ41が得られる。
(放射線照射工程)
上記半導体装置の製造方法は、基材側から粘着剤層に対して放射線を照射する工程(放射線照射工程)を有していてもよい。ダイシングテープの粘着剤層が放射線硬化性粘着剤により形成された層である場合には、ダイシングテープ一体型背面密着フィルムの製造過程での上述の放射線照射に代えて、上述のダイシング工程の後に、基材の側から粘着剤層に対して紫外線などの放射線を照射してもよい。照射量は、例えば50〜500mJ/cm2である。ダイシングテープ一体型背面密着フィルムにおいて粘着剤層の粘着力低減措置としての照射が行われる領域(図3に示す照射領域R)は、例えば、粘着剤層における背面密着フィルム貼り合わせ領域内のその周縁部を除く領域である。
(ピックアップ工程)
上記半導体装置の製造方法は、フィルム付き半導体チップをピックアップする工程(ピックアップ工程)を有することが好ましい。上記ピックアップ工程は、例えばフィルム10’付き半導体チップ41を伴うダイシングテープ20における半導体チップ41側を水などの洗浄液を使用して洗浄するクリーニング工程や、フィルム10’付き半導体チップ41間の離隔距離を広げるためのエキスパンド工程を、必要に応じて経た後に行ってもよい。例えば、図6に示すように、フィルム10’付き半導体チップ41をダイシングテープ20からピックアップする。例えば、ダイシングフレーム51付きのダイシングテープ20を装置の保持具52に保持させた状態で、ピックアップ対象のフィルム10’付き半導体チップ41について、ダイシングテープ20の図中下側においてピックアップ機構のピン部材53を上昇させてダイシングテープ20を介して突き上げた後、吸着治具54によって吸着保持する。ピックアップ工程において、ピン部材53の突き上げ速度は例えば1〜100mm/秒であり、ピン部材53の突き上げ量は例えば50〜3000μmである。
(フリップチップ実装工程)
上記半導体装置の製造方法は、ピックアップ工程を経た後、フィルム付き半導体チップ41をフリップチップ実装する工程(フリップチップ工程)を有することが好ましい。例えば、図7に示すようにフィルム10’付き半導体チップ41が実装基板61に対してフリップチップ実装される。実装基板61としては、例えば、リードフレーム、TAB(Tape Automated Bonding)フィルム、配線基板が挙げられる。フリップチップ実装により、半導体チップ41は、実装基板61に対してバンプ62を介して電気的に接続される。具体的には、半導体チップ41がその回路形成面側に有する基板(電極パッド)(図示略)と実装基板61の有する端子部(図示略)とが、バンプ62を介して電気的に接続される。バンプ62は、例えばハンダバンプである。また、チップ41と実装基板61との間には、熱硬化性のアンダーフィル剤63が介在している。
以上のようにして、ダイシングテープ一体型背面密着フィルムを使用して半導体装置を製造することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
比較例1
(半導体背面密着フィルム)
アクリル樹脂A1(商品名「テイサンレジン SG−600TEA」、ガラス転移温度:−37℃、ナガセケムテックス株式会社製)90質量部と、エポキシ樹脂E1(商品名「JER YL980」、三菱ケミカル株式会社製)40質量部と、エポキシ樹脂E2(商品名「KI−3000−4」、新日鉄住金化学株式会社製)60質量部と、フェノール樹脂(商品名「MEH7851−SS」、明和化成株式会社製)100質量部と、シリカフィラーS1(商品名「SO−25R」、平均粒径:0.5μm、株式会社アドマテックス製)220質量部と、可視光吸収黒系染料(商品名「OIL BLACK BS」、オリエント化学工業株式会社製)5質量部と、熱硬化触媒(商品名「キュアゾール 2PHZ」、四国化成工業株式会社製)1質量部とを、メチルエチルケトンに加えて混合し、固形分濃度36質量%の樹脂組成物を得た。次に、シリコーン離型処理の施された面を有するPETセパレータ(厚さ50μm)のシリコーン離型処理面上にアプリケーターを使用して当該樹脂組成物を塗布して樹脂組成物層を形成した。次に、この組成物層について130℃で2分間の加熱を行って脱溶媒させ、PETセパレータ上に厚さ25μmの半導体背面密着フィルム(熱硬化性の半導体背面密着フィルム)を作製した。
(ダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルム)
ダイシングテープ(SUS板に対する剥離角度180°の剥離力:0.8N/10mm)における粘着剤層に上記で得られた半導体背面密着フィルムを貼り合わせた。貼り合わせには、ハンドローラーを用いた。次に、300mJの紫外線をダイシングテープ側から照射し、ダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルムを作製した。
実施例1
アクリル樹脂A1(商品名「テイサンレジン SG−600TEA」)に代えて、アクリル樹脂A2(商品名「テイサンレジン SG−280EK23」、ガラス転移温度:−29℃、ナガセケムテックス株式会社製)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、背面密着フィルムおよびダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルムを作製した。
実施例2
アクリル樹脂A1(商品名「テイサンレジン SG−600TEA」)に代えて、アクリル樹脂A3(商品名「テイサンレジン SG−70L」、ガラス転移温度:−13℃、ナガセケムテックス株式会社製)を用い、熱硬化触媒を配合しなかったこと以外は、比較例1と同様にして、背面密着フィルムおよびダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルムを作製した。
実施例3
アクリル樹脂A1(商品名「テイサンレジン SG−600TEA」)に代えて、アクリル樹脂A3(商品名「テイサンレジン SG−70L」、ガラス転移温度:−13℃、ナガセケムテックス株式会社製)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、背面密着フィルムおよびダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルムを作製した。
実施例4
アクリル樹脂A1(商品名「テイサンレジン SG−600TEA」)に代えて、アクリル樹脂A4(商品名「テイサンレジン SG−708−6」、ガラス転移温度:4℃、ナガセケムテックス株式会社製)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、背面密着フィルムおよびダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルムを作製した。
比較例2
(レーザーマーク層の作製)
アクリル樹脂A1(商品名「テイサンレジン SG−600TEA」、ガラス転移温度:−37℃、ナガセケムテックス株式会社製)90質量部と、エポキシ樹脂E1(商品名「JER YL980」、三菱ケミカル株式会社製)40質量部と、エポキシ樹脂E2(商品名「KI−3000−4」、新日鉄住金化学株式会社製)60質量部と、フェノール樹脂(商品名「MEH7851−SS」、明和化成株式会社製)100質量部と、シリカフィラーS1(商品名「SO−25R」、平均粒径:0.5μm、株式会社アドマテックス製)220質量部と、可視光吸収黒系染料(商品名「OIL BLACK BS」、オリエント化学工業株式会社製)5質量部と、熱硬化触媒(商品名「キュアゾール 2PHZ」、四国化成工業株式会社製)10質量部とを、メチルエチルケトンに加えて混合し、固形分濃度36質量%の樹脂組成物を得た。次に、シリコーン離型処理の施された面を有するPETセパレータ(厚さ50μm)のシリコーン離型処理面上にアプリケーターを使用して当該樹脂組成物を塗布して樹脂組成物層を形成した。次に、この組成物層について130℃で2分間の加熱を行って脱溶媒させ、PETセパレータ上に厚さ17μmのレーザーマーク層(熱硬化済み層)を作製した。
(接着剤層の作製)
アクリル樹脂A1(商品名「テイサンレジン SG−600TEA」、ガラス転移温度:−37℃、ナガセケムテックス株式会社製)90質量部と、エポキシ樹脂E1(商品名「JER YL980」、三菱ケミカル株式会社製)40質量部と、エポキシ樹脂E2(商品名「KI−3000−4」、新日鉄住金化学株式会社製)60質量部と、フェノール樹脂(商品名「MEH7851−SS」、明和化成株式会社製)100質量部と、シリカフィラーS1(商品名「SO−25R」、平均粒径:0.5μm、株式会社アドマテックス製)220質量部と、可視光吸収黒系染料(商品名「OIL BLACK BS」、オリエント化学工業株式会社製)5質量部とを、メチルエチルケトンに加えて混合し、固形分濃度36質量%の樹脂組成物を得た。次に、シリコーン離型処理の施された面を有するPETセパレータ(厚さ50μm)のシリコーン離型処理面上にアプリケーターを使用して当該樹脂組成物を塗布して樹脂組成物層を形成した。次に、この組成物層について130℃で2分間の加熱を行って脱溶媒させ、PETセパレータ上に厚さ8μmの接着剤層を作製した。
(半導体背面密着フィルム)
上記のようにして作製したPETセパレータ上のレーザーマーク層とPETセパレータ上の接着剤層とをラミネーターを使用して貼り合わせた。具体的には、温度100℃および圧力0.6MPaの条件で、レーザーマーク層および接着剤層の露出面同士を貼り合わせた。以上のようにして背面密着フィルムを作製した。
(ダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルム)
上記で得られた半導体背面密着フィルムを用いたこと以外は比較例1と同様にしてダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルムを作製した。
実施例5
(レーザーマーク層の作製)
アクリル樹脂A1(商品名「テイサンレジン SG−600TEA」)に代えて、アクリル樹脂A3(商品名「テイサンレジン SG−70L」、ガラス転移温度:−13℃、ナガセケムテックス株式会社製)を用いたこと以外は比較例2と同様にしてレーザーマーク層(熱硬化済み層)を作製した。
(接着剤層の作製)
アクリル樹脂A1(商品名「テイサンレジン SG−600TEA」)に代えて、アクリル樹脂A3(商品名「テイサンレジン SG−70L」、ガラス転移温度:−13℃、ナガセケムテックス株式会社製)を用いたこと以外は比較例2と同様にして接着剤層を作製した。
(半導体背面密着フィルム)
上記のようにして作製したPETセパレータ上のレーザーマーク層とPETセパレータ上の接着剤層とをラミネーターを使用して貼り合わせた。具体的には、温度100℃および圧力0.6MPaの条件で、レーザーマーク層および接着剤層の露出面同士を貼り合わせた。以上のようにして背面密着フィルムを作製した。
(ダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルム)
上記で得られた半導体背面密着フィルムを用いたこと以外は比較例1と同様にしてダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルムを作製した。
実施例6
(接着剤層の作製)
アクリル樹脂A3(商品名「テイサンレジン SG−70L」、ガラス転移温度:−13℃、ナガセケムテックス株式会社製)90質量部と、エポキシ樹脂E1(商品名「JER YL980」、三菱ケミカル株式会社製)40質量部と、エポキシ樹脂E2(商品名「KI−3000−4」、新日鉄住金化学株式会社製)60質量部と、フェノール樹脂(商品名「MEH7851−SS」、明和化成株式会社製)100質量部と、シリカフィラーS2(商品名「FB−105FD」、平均粒径:11μm、デンカ株式会社製)220質量部と、可視光吸収黒系染料(商品名「OIL BLACK BS」、オリエント化学工業株式会社製)5質量部とを、メチルエチルケトンに加えて混合し、固形分濃度36質量%の樹脂組成物を得た。次に、シリコーン離型処理の施された面を有するPETセパレータ(厚さ50μm)のシリコーン離型処理面上にアプリケーターを使用して当該樹脂組成物を塗布して樹脂組成物層を形成した。次に、この組成物層について130℃で2分間の加熱を行って脱溶媒させ、PETセパレータ上に厚さ8μmの接着剤層を作製した。
(半導体背面密着フィルム)
実施例5で作製したPETセパレータ上のレーザーマーク層と、上記のようにして作製したPETセパレータ上の接着剤層とをラミネーターを使用して貼り合わせた。具体的には、温度100℃および圧力0.6MPaの条件で、レーザーマーク層および接着剤層の露出面同士を貼り合わせた。以上のようにして背面密着フィルムを作製した。
(ダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルム)
上記で得られた半導体背面密着フィルムを用いたこと以外は比較例1と同様にしてダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルムを作製した。
実施例7
アクリル樹脂A1(商品名「テイサンレジン SG−600TEA」)に代えて、アクリル樹脂A5(商品名「テイサンレジン SG−P3」、ガラス転移温度:12℃、ナガセケムテックス株式会社製を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、背面密着フィルムおよびダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルムを作製した。
<評価>
実施例および比較例で得られた背面密着フィルムおよびダイシングテープ一体型背面密着フィルムに関し、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(1)位置ずれ性
実施例および比較例で得られた背面密着フィルムをシリコンウエハ(未研削ウエハのミラー面側)上に80℃で1分間加熱して貼り合わせた後、10分間自然冷却した。なお、2層構造の背面密着フィルムにおける貼り合わせ面は接着剤層側である。その後ロール表面に両面粘着テープ(商品名「No.500」、日東電工株式会社製)を貼り合わせた2kgローラーを、上記背面密着フィルム上で30秒間に亘って複数回往復させた。そして、その際に、背面密着フィルムの位置ずれにより、背面密着フィルムにシワ、浮き、または剥がれの少なくともいずれかが発生した場合を×、いずれも発生しなかった場合を○として評価した。
(2)リワーク性
実施例および比較例で得られた背面密着フィルムをシリコンウエハ(未研削ウエハのミラー面側)上に80℃で1分間加熱して貼り合わせた後、10分間自然冷却した。なお、2層構造の背面密着フィルムにおける貼り合わせ面は接着剤層側である。その後、50℃のホットプレート上で1分間加熱した後、背面密着フィルム上に粘着テープ(商品名「BT−315」、日東電工株式会社製)を貼り合わせ、上記背面密着フィルムの剥離(背面密着フィルムとシリコンウエハとの界面の剥離)を試みた。そして、その際に、背面密着フィルムが容易に剥離できた場合を○、剥離はできるものの若干のフィルム残渣がシリコンウエハ上に発生した場合を△、剥離できなかった場合を×として評価した。
(3)動的粘弾性測定
実施例および比較例で得られた背面密着フィルムを、総厚さ200μmとなるように積層し、幅10mmに切り出して試験片を準備した。上記試験片について、動的粘弾性測定装置(商品名「RSA3」、TA Instruments社製)を用いて、−40℃から100℃の温度範囲で10℃/minの昇温速度で昇温し、貯蔵弾性率および損失弾性率を測定した。そして、25℃における貯蔵弾性率、50℃における貯蔵弾性率、および損失弾性率の最大値温度を算出した。また、貯蔵弾性率と損失弾性率から算出された損失正接(tanδ)が0.5以上となる極大値の温度を変性点とした。また、貯蔵弾性率と損失弾性率から算出された損失正接(tanδ)が0.5以上となる極大値が2以上表れた場合、最も低温側で算出されたtanδの極大値の温度を第1変性点、最も高温側で算出されたtanδの極大値の温度を第2変性点として算出した。
(4)算術平均表面粗さ
実施例および比較例で得られた背面密着フィルム表面について、表面粗さ形状測定器(Zygo社製)を用いて、二次元解析により算術平均表面粗さRaを測定した。なお、2層構造の背面密着フィルムにおける測定面は接着剤層側である。
(5)シリコン剥離力
シリコンウエハ(東京化工株式会社製のダミーウエハ(ミラー面側))を熱板上に載置し、80℃の温度環境下で、粘着テープ(商品名「BT−315」、日東電工株式会社製)により裏面補強された長さ150mm、幅10mmの実施例および比較例で得られた背面密着フィルムを、2kgのローラーを1往復して貼り合わせた。その後、80℃に設定された熱板上に1分間静置した後、常温(23℃程度)で20分静置し、放置後、剥離試験機(商品名「オートグラフAGS−J」、株式会社島津製作所製)を用いて、所定の温度条件下(25℃または50℃)で、剥離角度:180°、引張速度:300mm/minの条件で、裏面補強された背面密着フィルムを引き剥がして(背面密着フィルムとシリコンウエハとの界面で剥離させて)、この引き剥がした時の荷重の最大荷重(測定初期のピークトップを除いた荷重の最大値)を測定し、この最大荷重を背面密着フィルムのシリコンに対する剥離力(N/10mm幅)として求めた。
(6)粘着剤層と背面密着フィルムの間の剥離力(層間剥離力)
粘着テープ(商品名「BT−315」、日東電工株式会社製)が背面密着フィルムの表面に貼り合わされた、長さ150mm、幅100mmの実施例および比較例で得られたダイシングテープ一体型背面密着フィルムを、剥離試験機(商品名「オートグラフAGS−J」、株式会社島津製作所製)を用いて、温度:50℃、剥離角度:180°、引張速度:300mm/分の条件で、表面に粘着テープが貼り合わされた背面密着フィルムを引き剥がして(背面密着フィルムとダイシングテープにおける粘着剤層との界面で剥離させて)、この引き剥がした時の荷重の平均荷重(測定初期の30mmおよび測定終期の30mmを除いた荷重の平均値)を測定し、この平均荷重を粘着剤層と背面密着フィルムの間の剥離力(N/100mm幅)として求めた。
Figure 2021093470
1 ダイシングテープ一体型背面密着フィルム
10 背面密着フィルム
11 接着剤層
12 レーザーマーク層
20 ダイシングテープ
21 基材
22 粘着剤層
30 セパレータ
40 半導体ウエハ
41 半導体チップ

Claims (11)

  1. 半導体の背面に密着して用いるフィルムであって、未硬化状態において損失弾性率の最大値を2℃以上に有する、半導体背面密着フィルム。
  2. 未硬化状態において、損失正接の極大値である変性点を10℃以上に有する、請求項1に記載の半導体背面密着フィルム。
  3. 未硬化状態において、シリコンに対する温度25℃、剥離角度180°の条件での剥離試験における第1剥離力が6N/10mm以上であり、
    シリコンに対する温度50℃、剥離角度180°の条件での剥離試験における第2剥離力が6N/10mm以下である、請求項1または2に記載の半導体背面密着フィルム。
  4. 半導体に密着する面の算術平均表面粗さRaが40nm未満である請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体背面密着フィルム。
  5. 未硬化状態において、25℃における貯蔵弾性率が40MPa以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体背面密着フィルム。
  6. 未硬化状態において、50℃における貯蔵弾性率が0.1〜15MPaである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体背面密着フィルム。
  7. フィラーを含有し、前記フィラーの平均粒子径が10μm以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体背面密着フィルム。
  8. 基材と粘着剤層とを含む積層構造を有するダイシングテープと、
    前記ダイシングテープにおける前記粘着剤層に剥離可能に密着している請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体背面密着フィルムとを、備える、ダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルム。
  9. 前記粘着剤層と未硬化状態における前記半導体背面密着フィルムの間の、温度50℃、剥離角度180°の条件での剥離試験における剥離力が0.4N/100mm以上である、請求項8に記載のダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルム。
  10. 前記半導体背面密着フィルムが、半導体ウエハ背面に貼付した状態から50℃以上において剥離可能である、請求項8または9に記載のダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルム。
  11. 半導体ウエハの個片化を行う工程において、前記半導体ウエハの裏面に前記半導体背面密着フィルムを貼付して使用される、請求項8〜10のいずれか1項に記載のダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルム。
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