JP2021093254A - 導光体およびその製造方法、ならびに導光体を備えた照明装置 - Google Patents

導光体およびその製造方法、ならびに導光体を備えた照明装置 Download PDF

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川東 宏至
Hiroyuki Kawahigashi
宏至 川東
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Abstract

【課題】光源が発生する光を効率的に利用できる導光体およびそれを利用した照明装置を提供する。配光制御の自由度の高い導光体およびそれを利用した照明装置を提供する。【解決手段】照明装置100は、導光体1と、導光体1の端面に光を入射する光源2と、を含む。導光体は、透明材料からなり、端面11,12および側面13を有する軸状の導光体である。導光体の軸方向Xに延びるようにレンズカット領域5が配置されている。レンズカット領域には、微小な空隙を挟んで対向する互いに平行な一対のレンズカット51,52が形成されている。それにより、導光体は、レンズカットを内包した構造を有している。【選択図】図2

Description

この発明は、導光体およびその製造方法、ならびに導光体を備えた照明装置に関する。
特許文献1は、LED線光源装置を開示している。このLED線光源装置は、略円筒状のレンズと、LEDランプとを備えている。略円筒状のレンズは、透明部材であり、一端に光源光取込部が設けられ、円筒状の外周面にローレットカットが施されている。ローレットカットは、照射方向と反対側の部分に形成されている。光源光取込部からレンズに入射した光は、レンズ内を導光し、ローレットカットのカット面によって、照射方向に向けて反射される。それにより、円筒状の外周面から光を照射する線状光源が実現されている。
特開平9−163080号公報
ローレットカットのカット面に達した光の一部は、反射されずに、レンズ外へと出てしまう。この光は、照射方向に向かわないので、光源装置の輝度に寄与しない。
また、ローレットカットをレンズの外周面に形成することで、レンズ外周面のローレットカットとは反対側に光を照射する構成であるため、配光制御の自由度が少ない。
そこで、この発明の一実施形態は、光源が発生する光を効率的に利用できる導光体およびその製造方法、ならびにその導光体を利用した照明装置を提供する。また、この発明の一実施形態は、配光制御の自由度の高い導光体およびその製造方法、ならびにその導光体を利用した照明装置を提供する。
この発明の一実施形態は、透明材料からなり、端面および側面を有する軸状の導光体であって、空隙を挟んで対向する互いに平行な一対のレンズカットを内包している、導光体を提供する。
導光体の端面から光が入射されると、透明材料と空隙との屈折率の相違により、レンズカットにおいて、一部の光が反射されて導光方向が変化する。導光体の内部から臨界角未満の入射角で側面に入射する光は外部に放射される。一対のレンズカットの一方を透過して空隙に出た光は、それに対向する他方のレンズカットから導光体の内部に入射してさらに軸方向に導光され、有効な放射に寄与する。導光体の内部において、レンズカットを様々な位置に配置でき、それにより、配光を制御できるので、配光制御の自由度の高い導光体を提供できる。
たとえば、透明材料の軸体に対してレーザ加工を行うことによって、軸状の導光体の内部に、空隙を挟んで対向する互いに平行な一対のレンズカットを設けた構造を形成することができる。レーザ加工は、透明材料の軸体の側面を貫通するレーザビームを、レンズカットのパターンに応じて走査する加工(より具体的にはスリット加工)であってもよい。また、軸体の内部で合焦するレーザ光によって軸体内部に空隙を形成することによってレンズカットを形成してもよい。空隙の幅、すなわちスリット幅は、300μm以下が好ましく、より好ましくは200μm以下であり、さらに好ましくは100μm以下である。レーザ加工のほかにも、相補的なレンズカットをそれぞれ形成した一対の透明材料成形品を、レンズカット同士を合わせて結合することによっても、空隙を挟んで対向する一対のレンズカットを内包する構造の導光体を作製することができる。たとえば、透明材料成形品は、注型成形、射出成形、プレス成形等によって透明樹脂材料を成形することによって作製できる。透明樹脂材料としては、アクリル樹脂、シリコン樹脂等を適用できる。透明材料成形品は、透明材料の棒状体(たとえば丸棒)や板材等からの切削加工によって作製することもできる。
この発明の一実施形態では、前記レンズカットが、前記導光体の軸方向と交差(直交する場合を含む)する交差方向に延びる稜部および谷部を有し、前記稜部および前記谷部を横切る断面において鋸歯形状を呈する鋸波パターンに形成されている。
この発明の一実施形態では、前記稜部および/または谷部の頂角が、30度〜140度である。より好ましい頂角の範囲は、50度〜130度、さらに好ましくは、50度〜100度、さらに好ましくは、50度〜95度、一層好ましくは50度〜70度である。頂角は、30度〜100度、30度〜95度、または30度〜90度の範囲で定めてもよい。頂角の選択によって、導光体の用途(より具体的には導光体を用いる照明装置の用途)に応じて、配光特性を制御することができる。
この発明の一実施形態では、前記鋸波パターンが前記導光体の軸方向に延びている。鋸波パターンは、導光体の軸方向に平行に延びていてもよく、軸方向に対して傾斜を有しながら全体として軸方向に延びていてもよい。
この発明の一実施形態では、前記レンズカットが、前記稜部および谷部の間に形成され、前記交差方向に長手の長方形状(短冊形状)のカット面を有し、前記カット面の一対の長辺が、前記側面の内側に配置されている。これにより、カット面が導光体の内部に配置されている。長方形状のカット面は、平坦面であってもよいし、湾曲面であってもよい。
この発明の一実施形態では、前記カット面が、前記導光体の軸方向および前記交差方向を含む平面に対して傾斜している。これにより、カット面は、軸方向に導光される光を側面に向けて反射または散乱することができる。
この発明の一実施形態では、前記端面から前記軸方向に見たときに、前記レンズカットが、前記側面の内側に一対の長辺が配置された長方形状(短冊形状)を呈する。すなわち、一対のレンズカットが配置されたレンズカット領域は、導光体の内部で、長方形板状の領域を占める。
この発明の一実施形態では、前記軸方向に直交する断面の形状が円形または楕円形である。そのほか、軸状の導光体の断面形状は、矩形(正方形を含む)
この発明の一実施形態では、前記側面が、前記レンズカットから前記側面に向かう光を集光して放射する集光部を有している。集光部は、側面の湾曲面(たとえば円筒面または楕円筒面)を含んでいてもよい。
この発明の一実施形態では、前記透明材料からなり前記一対のレンズカットの一方を表面に有する第1成形品と、前記透明材料からなり前記一対のレンズカットの他方を表面に有する第2成形品とが、前記一対のレンズカットを嵌め合わせて結合され、それによって、導光体が構成されている。この構成により、レンズカットの形状および配置の自由度が増すので、配光制御の自由度を一層高めることができる。
この発明の一実施形態では、前記第1成形品および前記第2成形品は、端面と前記レンズカットとの間に合わせ面を有する光導入部をそれぞれ備えており、前記光導入部の合わせ面同士が積層または接着されている。この構成の導光体が照明装置に適用される場合、一つの光源からの光を第1および第2成形品の端面に入射できるので、光源の数を減らしながら、効率的な放射が可能な照明装置を実現できる。
この発明の一実施形態では、前記光導入部の合わせ面同士の間に、前記透明材料との屈折率の差が±2以内の材料が配置されている。この構成により、端面からの光の入射効率を高めることができる。
この発明の一実施形態は、前述のような特徴を有する導光体を製造する方法を提供する。この方法は、前記透明材料からなる透明軸体に対するレーザ加工によって、前記透明軸体の内部に前記レンズカットを形成する工程を含む。一つの実施形態では、前記透明軸体は、前記導光体の側面をなす側面を有する。一つの実施形態では、前記透明軸体は、前記導光体の端面をなす端面を有する。一つの実施形態では、前記製造方法は、前記透明軸体を軸方向途中の位置で切断する工程を含む。
この発明の一つの実施形態では、前記レーザ加工において、前記透明軸体にレーザビームを照射しながら、当該レーザビームで前記透明軸体を前記レンズカットのパターンに従って走査する。
この発明の一実施形態は、前述のような特徴を有する導光体と、前記導光体の端面に光を入射する光源と、を含む、照明装置を提供する。照明装置の用途に応じて、導光体の材質、寸法、形状等を定め、レンズカットの配置および形状を選択することによって、用途に応じた様々な配光特性を実現でき、かつ光源の光を効率的に利用した照明を達成できる。
この発明の一実施形態では、前記照明装置は、前記導光体の側面に対向して配置され、前記導光体から導出された光を反射するリフレクタをさらに含む。リフレクタの配置によって、配光制御の自由度をさらに高めることができる。
この発明によれば、光源が発生する光を効率的に利用できる導光体およびその製造方法、ならびにその導光体を利用した照明装置を提供できる。また、この発明により、配光制御の自由度の高い導光体およびその製造方法、ならびにその導光体を利用した照明装置を提供できる。
この発明の一実施形態に係る照明装置の斜視図である。 前記照明装置の分解斜視図である。 レンズカット領域の配置を説明するための導光体の平面図である。 レンズカットの構成を拡大して示す斜視図である。 導光体の中心軸線に沿う切断面を示す部分縦断面図である。 光源およびホルダを取り外した状態で軸方向に見た端面図である。 照明装置の配光特性の一例を示す。 照明装置の配光特性の一例を示す。 照明装置の配光特性の一例を示す。 レンズカット領域の配置に関する変形を示す導光体の端面図である。 図8Aのレンズカット領域の配置に対応した配光特性の一例を示す。 図8Bのレンズカット領域の配置に対応した配光特性の一例を示す。 図8Cのレンズカット領域の配置に対応した配光特性の一例を示す。 中心軸線に沿って延びるレンズカット領域のさらに他の配置例を示す導光体の端面図である。 中心軸線に沿って延びるレンズカット領域のさらに他の配置例を示す導光体の端面図である。 レンズカット領域の様々な配置例を示す導光体の平面図であり、導光体の中心軸線に直交する方向から見たレンズカット領域の配置例を示す。 レンズカット領域の様々な配置例を示す導光体の平面図であり、導光体の中心軸線に直交する方向から見たレンズカット領域の配置例を示す。 鋸波パターンの様々な例を示す。 さらに他の鋸波パターン例を示す。 軸方向に対する稜部および谷部の交差方向に着目した種々の鋸波パターン例を示す。 リフレクタの種々の配置例を示す図であり、導光体を軸方向に見た端面図である。 リフレクタの種々の配置例を示す図であり、導光体を軸方向に見た端面図である。 導光体の軸断面の様々な形状例を示す。 導光体の軸形状例を示す平面図である。 導光体の軸形状例を示す平面図である。 導光体の軸形状例を示す平面図である。 C字状の導光体を用いた照明装置の構成例を示す。 レンズカットを内包する軸状の導光体の構成例を示す。 レンズカットを内包する軸状の導光体の構成例を示す。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る照明装置の斜視図であり、図2は、その分解斜視図である。照明装置100は、軸状の導光体1と、光源2とを含む。さらに、照明装置100は、リフレクタ71,72を含む。
導光体1は、この実施形態では、直線状に延びる丸軸状(円柱状)に構成されている。導光体1は、光源2が発生する光を照射するためのレンズとしての機能を有している。導光体1の外表面は、一対の端面11,12と、側面13(外周面)とを含む。端面11,12は、この実施形態で、円形である。端面11,12は、鏡面であってもよいし、微小な凹凸を有していてもよく、たとえば粗面であってもよい。端面11,12に微小な凹凸が形成されていれば、光源2からの光を端面11,12において様々な方向に屈折させることができるので、導光体1の内部全反射を利用して、より遠くまで導光できる。側面13は、この実施形態では、円筒面である。側面13は、鏡面であることが好ましいが、必要に応じて微小な凹凸が形成されていてもよく、たとえば粗面であってもよい。導光体1の直径(軸径)および軸長は、照明装置100の用途に応じて定めればよい。一つの具体例では、導光体1の直径は、10mm程度である。導光体1の直径は、光源2の出光部の大きさおよび放射配光特性にもよるが、5mm〜20mmが好ましく、より好ましくは8mm〜15mmであり、さらに好ましくは10mm程度である。また、一つの具体例では、導光体1の軸長は、200mm程度である。照明装置100の用途に応じて光照射強度が選択され、それに応じて導光体1の輝度特性を選択することができるので、軸長に制限はないが、実用的には、軸長の範囲は30mm〜2000mm程度である。むろん、導光体1の太さおよび軸長は、照明装置100の用途に応じて定めるべき事項である。
導光体1は、光源2が発生する光を透過させる透明材料からなり、レンズとしての作用を有する。透明材料の一例は、アクリルである。押出法およびキャスト法のいずれで成形されたアクリル棒も使用可能である。キャスト法で成形されたアクリル棒の方が、分子量が大きく(たとえば100万以上)、それにより、後述のレーザ加工による加工精度が高くなり、かつ変形が生じ難いので、有利である。適用可能な透明材料としては、アクリルのほかにも、石英ガラス等のガラス、透明シリコンを挙げることができる。
導光体1は、レンズカット51,52を内包している。換言すれば、導光体1に内包されるように、レンズカット51,52が導光体1の内部に形成されている。レンズカット51,52は、この実施形態では、導光体1の軸方向Xに沿って延びている。さらに、この実施形態では、レンズカット51,52は、導光体1の軸方向Xに交差(この実施形態では直交)する交差方向Z(図1および図2の上下方向)に延びている。レンズカット51,52は、したがって、導光体1の内部において、軸方向Xに長尺な長方形板状のレンズカット領域5を占めるように形成されている。
光源2は、この実施形態では、LED(発光ダイオード)ランプ21を有するLED光源である。一対の光源2が、導光体1の一対の端面11,12にそれぞれ対向している。光源2は、円筒状内面を有するホルダ3によって、導光体1の端部に結合されている。LEDランプ21は、たとえば、LEDチップを砲弾形の樹脂で封止して構成されており、したがって、光の出射面がドーム形に形成されている。LEDランプ21が発生する光が端面11,12から導光体1の内部に導入されるように、LEDランプ21と導光体1の端面11,12とが光学的に結合された配置とされている。ドーム形の出射面を有するLEDランプ21は、出射面における光の屈折によって、集光された光を発生するので、導光体1に光を効率良く入射させることができ、かつ入射した光が導光体1内の遠い位置まで届きやすい。それに応じて、導光体1からの高輝度放射に寄与する。ドーム形の出射面(換言すれば、封止樹脂によって形成されるレンズ)は、指向角(半値角)が30度〜140度(より好ましくは60度〜120度)の配光特性(指向性)を有することが好ましい。むろん、このような集光機能のない全方位放射型のLED光源を用いることもできる。LED光源以外の光源が用いられてもよい。光源2の発光波長は、赤外域、可視光域、紫外域の一つ以上の波長域の波長を含む。一つの具体例では、光源2の発光波長は、たとえば、紫外域および可視光域の波長を含む。また、別の具体例では、光源2の発光波長は、近赤外域の波長を含む。
一対の光源2を設ける代わりに、導光体1の一つの端面11(12)に対向する一つの光源2を設け、他の端面12(11)に、反射手段(リフレクタ)を設けてもよい。反射手段は、端面12(11)に形成された反射コーティング(たとえばアルミニウムコーティング)であってもよいし、端面12(11)に形成された反射プリズムであってもよい。また、反射手段は、端面12(11)に対向配置したアルミニウム反射板等のミラーであってもよい。
導光体1の側面13に配置されるリフレクタ71,72は、所望の配光特性に応じて、必要に応じて配置される。この実施形態では、リフレクタ71,72の内面は、導光体1の側面13に整合する湾曲面(円筒面)で構成された反射面7aである。一対のリフレクタ71,72が導光体1を挟んで対向するように、導光体1の側面13に沿って配置されている。一対のリフレクタ71,72の間には、光を放出するための放射窓73が形成されている。放射窓73は、この実施形態では、導光体1の軸方向Xに直線状に延びるスリットを形成している。
一対のリフレクタ71,72は、レンズカット51,52が導光体1の内部で占める長方形板状のレンズカット領域5の一対の側縁5a,5bをそれぞれ覆うように配置されている。一対のリフレクタ71,72の間に形成されるスリット状の放射窓73は、レンズカット領域5の法線方向に開口するように配置されている。
照明装置100は、スリット状の放射窓73に沿った線状の発光領域を有し、レンズカット領域5の法線方向に沿った両方向を主照射方向Aとして設計されている。主照射方向Aは、この実施形態では、軸方向Xおよび交差方向Zに直交する幅方向Yに平行である。
図3は、レンズカット領域5の配置を説明するための導光体1の平面図であり、図1および図2に示す姿勢の導光体1を上方から見下ろしたときのレンズカット領域5の配置を示す。図4は、レンズカット51,52の構成を拡大して示す斜視図である。また、図5は、導光体1の中心軸線Cに沿う切断面を示す部分縦断面図である。
レンズカット領域5において、一対のレンズカット51,52が導光体1の内部に形成されている。一対のレンズカット51,52は、微小な空隙6を空けて互いに対向している。一対のレンズカット51,52は互いに平行に形成されている。したがって、一対のレンズカット51,52の間の距離は、いずれの位置でも実質的に一定である。たとえば、一対のレンズカット51,52の間の距離は、空隙6の厚み(すなわちスリット幅)に対応しており、300μm以下(たとえば50μm〜300μm)が好ましくは、より好ましくは、200μm以下(たとえば50μm〜200μm)であり、さらに好ましくは100μm以下(たとえば50μm〜100μm)である。より好ましくは、空隙6の厚み(スリット幅)は、50μm以下である。空隙6が小さい方が、レンズカット領域5の側縁5a,5bにおける光漏れが少ないので好ましい。なお、図3においては、便宜的に、一対のレンズカット51,52を一本の線で表してある。
一対のレンズカット51,52の間の空隙6は、この実施形態は、導光体1の外部の空間と連通している。したがって、導光体1が空気中に置かれるとき、空隙6内には空気が満たされ、一対のレンズカット51,52の間に空気層が形成される。他の気体の雰囲気中に導光体1が置かれるときは、当該雰囲気の気体層が一対のレンズカット51,52の間に形成される。空隙6は、導光体1の外部空間と連通している必要はない。空隙6が密閉空間を形成してもよい。この場合、空隙6は、真空であってもよいし、空気その他の種類の気体が導入されていてもよい。
レンズカット51,52は、導光体1の中心軸線Cに沿って延びている。この実施形態では、レンズカット51,52は、導光体1の中心軸線Cを包含する長方形板状のレンズカット領域5(図2参照)に形成されている。レンズカット51,52は、中心軸線Cに直交する方向から見た平面視(図3参照)において、鋸歯形状を呈する鋸波パターンをなしている。レンズカット51,52は、導光体1の軸方向Xに直交する交差方向Zに延びる複数の稜部54および複数の谷部55を有している。交差方向Zは、この実施形態では、導光体1の軸方向Xに直交する直交方向である。レンズカット51,52は、稜部54および谷部55を横切る断面(図5参照)において、鋸歯形状を呈する波形状、すなわち鋸波パターンに形成されている。この鋸波パターンが、導光体1の中心軸線Cに沿って軸方向Xに直線的に延びている(図3参照)。
図4および図5に示すように、レンズカット51,52は、複数のカット面56を含む。カット面56は鏡面であってもよいし、微小な凹凸を有していてもよい。隣り合う一対のカット面56が稜部54または谷部55を形成している。各カット面56は、平坦面または湾曲面であり得る。図4および図5には、カット面56が平坦面である例を示す。カット面56は、その法線方向から見たときに、交差方向Zに延びる一対の長辺56a(稜部54および谷部55に対応)を有する長方形形状または短冊形状を有している。一対の長辺56aは、導光体1の側面13よりも導光体1の内方に位置しており、それによって、レンズカット51,52が導光体1の内部に位置している。一対の長辺56aは、この実施形態では、互いに平行であり、それらの間の距離、すなわち、カット面56の幅Wは、交差方向Zのいずれの位置でも一定である。カット面56の幅Wは、たとえば、0.5mm〜6mm程度(より具体的には2mm程度)である。
この実施形態では、軸方向Xに一つおきのカット面56が、互いに平行である。すなわち、一つおきのカット面56は、導光体1の中心軸線Cに対して等しい角度βで交差している。また、レンズカット51,52を構成する複数のカット面56は、実質的に合同な短冊形状を形成している。したがって、軸方向Xに沿ってカット面56を横断する切断面(図5参照)において、隣り合う一対のカット面56は、軸方向Xのいずれの位置でも合同な二等辺三角形状を呈する。そして、隣り合う一対の稜部54の間隔および隣り合う谷部55の間隔は、互いに等しい。また、これらの間隔は導光体1の軸方向Xのいずれの位置でも一定である。カット面56の幅Wは、二等辺三角形の高さ(山の高さ)および頂角が決まれば、それに応じて定まる。山の高さは、導光体1の肉厚(直径)の5%〜50%であることが好ましく、より好ましくは7%〜40%である。
隣り合う一対のカット面56が形成する角、すなわち稜部54および谷部55の頂角を、以下では、便宜上、「鋸波パターンの頂角α」または単に「頂角α」という。また、隣り合う一対の稜部54または谷部55の軸方向Xの間隔を、以下では、便宜上、「鋸波パターンのピッチP」または単に「ピッチP」という。
鋸波パターンの頂角αは、30度〜140度(より好ましくは50度〜130度、さらに好ましくは、50度〜100度、さらに好ましくは、50度〜95度、一層好ましくは50度〜70度)の範囲で定めることが好ましい。用途に応じて頂角αを選択することで、導光体1の配光特性を任意に制御でき、それに応じて、特定の照射範囲における照射強度を制御することができる。図5には、頂角αを60度とした鋸波パターンを示す。この場合、隣接する一対のカット面56は、正三角形形状を呈する。すなわち、カット面56の幅WおよびピッチPが等しい。また、α=β=60度となる。
図3および図4に表れているように、鋸波パターンのレンズカット51,52は、導光体1の両端面11,12から所定距離内側の位置に両端部57をそれぞれ有している。これにより、導光体1の両端部57には、レンズカット51,52が形成されていない領域が設けられている。この領域は、一対のレンズカット51,52を位置合わせして結合する結合部14として機能し、かつホルダ3の取付領域として機能することができる。この領域にレンズカット51,52が形成されていないことにより、無用な光漏れを抑制できる。
レンズカット51,52は、たとえば、レーザ加工機(より具体的には炭酸ガスレーザ加工機)を用いたレーザ加工によって形成することができる。具体的には、透明材料(たとえばアクリル)の棒状体(たとえば丸棒)に対して、その軸方向Xと交差(たとえば直交)する交差方向Zに透過するレーザビーム8(図4参照)を照射しながら、そのレーザビーム8によって棒状体に対して鋸波パターンに従って走査を行う。レーザビーム8の通過する線状領域において棒状体の材料(たとえばアクリル)が除去され、その線状領域が鋸波パターンに従って鋸歯状に走査されることにより、いわばスリット加工が行われ、レーザビーム8のビーム径に対応する微小な空隙6を挟んで平行に対向する一対のレンズカット51,52が形成される。レーザビーム8のビーム径は、好ましくは50μm〜300μm程度であり、より好ましくは50μm〜200μm程度であり、さらに好ましくは、50μm〜100μm程度である。ビーム径が小さいほど、空隙6を狭くすることができるので、空隙6の端部からの光漏れを抑制できる。
このように、導光体1の製造は、透明材料(たとえばアクリル)からなる透明軸体に対するレーザ加工によって、当該透明軸体の内部にレンズカット51,52を形成することによって行える。透明軸体は、導光体1の側面13をなす側面を有する。また、透明軸体は、導光体1の端面11,12をなす端面を有していてもよい。導光体1よりも長い透明軸体にレーザ加工を施してレンズカット51,52を形成した後、その透明軸体を軸方向Xの途中の位置で切断して、所望の長さの導光体1を切り出してもよい。
図6は、光源2およびホルダ3を取り外した状態で軸方向Xに見た端面図であり、導光体1およびリフレクタ71,72の配置を示す。図6において斜線を付して示すレンズカット領域5は、導光体1の端面11,12から見たときに、直線状に延びる長方形状または短冊形状を呈する。レンズカット領域5は、導光体1の直径方向に沿っており、この実施形態では、導光体1の一つの直径上に位置し、したがって、軸方向Xに見た端面視において、導光体1の中心軸線Cを包含している。レンズカット領域5の一側縁5aを覆うように一つのリフレクタ71が配置されており、レンズカット領域5の他の側縁5bを覆うように別のリフレクタ72が配置されている。2つのリフレクタ71,72は、レンズカット領域5が呈する短冊形状と直交する2つの主放射方向Eにスリット状の放射窓73をそれぞれ形成するように配置されている。
この実施形態の照明装置100の作用は、次の通りである。
光源2から発生した光は、端面11,12から導光体1に入射する。導光体1の側面13は、導光体1を構成する透明材料と外部雰囲気(典型的には空気)との媒質界面である。具体的には、透明材料がアクリルである場合、その屈折率は1.49であり、周囲の媒質の屈折率、すなわち空気の屈折率(≒1)よりも大きい。したがって、導光体1の側面13では、一部の光は導光体1の内部に反射されて軸方向Xに導光され、一部の光は導光体1の外部へと放射される。より具体的には、側面13への入射角が臨界角以上の光は側面13で全反射されて導光体1の内部で導光され、側面13への入射角が臨界角未満の光はその少なくとも一部が導光体1の外部へと放射される。
レンズカット51,52のカット面56は、導光体1を構成する透明材料と空隙6内の媒質との媒質界面である。そして、透明材料(たとえばアクリル)の屈折率は、空隙6内の媒質の屈折率よりも大きい。したがって、カット面56に入射した光は、反射されるか、または屈折しながら透過する。一対のレンズカット51,52のカット面56が微小な空隙6で平行に対向しているので、対向する一対のカット面56の両方を透過する光は、その方向がほとんど変化せずに導光される。カット面56において、主として反射によって導光方向が変化した光は、反射を受ける前よりも側面13に対する入射角が小さくなる。それにより、側面13において、外方へ放射される光の割合が大きくなるから、導光体1への外方へと光を放射できる。
カット面56は、軸方向Xに交差する交差方向Z(この実施形態では直交方向)に延びているので、主放射方向Eは、軸方向Xおよび交差方向Zと直交するが幅方向Yとなる。この主放射方向Eに、一対のリフレクタ71,72の間の放射窓73が形成されている。すなわち、導光体1は、その主放射方向Eが照明装置100の主照射方向Aと一致するように配置されている。
レンズカット51,52が導光体1の外周面から露出している構成(特許文献1参照)の場合には、カット面56で屈折して導光体1の外部に出た光は、導光体1を構成する透明材料と外部媒質(たとえば空気)との界面における制限を受けることなく外部に放出される。たとえば、円筒状外周面での臨界角に達しない伝搬方向の光も外部に放出される。
これに対して、この実施形態では、導光体1にレンズカット51,52が内包されているので、カット面56で屈折した光の大部分は導光体1の内部に留まる。たとえば、側面13での臨界角に達しない導光方向の光は、導光体1の内部に留まり、軸方向Xへと導光されて、次のカット面56に入射する。したがって、側面13から外部に放射される光は、主放射方向Eに近い伝搬方向の光をより多く含むので、効率的な光照射が可能となる。このように、導光体1の内部に形成されたレンズカット51,52による内部散乱を利用しているので、導光体1内に光を閉じ込めて漏れを抑制でき、それに応じて配光が良好に制御され、かつ効率的な光照射が実現される。
レンズカット領域5の側縁5a,5b(とくに空隙6)から導光体1の外部へと向かう光は、リフレクタ71,72によって反射されて導光体1の内部に戻される。したがって、レンズカット領域5の側縁5a,5bから漏れる光も有効に利用できる。
また、この実施形態では、導光体1の側面13は円筒面であるので、側面13は集光部として機能する。より具体的には、円筒面からなる側面13は、導光体1の外部へと出る光を主放射方向Eに屈折させて集光する。それにより、主放射方向Eへの光放射効率を一層高めることができ、主照射方向Aへの輝度を高めることができる。
そして、次に説明するように、鋸波パターンの頂角α、導光体1内部におけるレンズカット領域5の配置等を変動させることによって、配光特性が変動する。それにより、配光制御の自由度の高い導光体1およびそれを用いた照明装置100を提供できる。したがって、照明装置100は、様々な用途に使用することができ、用途に応じた配光特性が得られるように、導光体1を設計すればよい。
図7A、図7Bおよび図7Cは、照明装置100の配光特性を示す。ただし、リフレクタ71,72を取り外した状態での配光特性を示す。より具体的には、図7A、図7Bおよび図7Cの上段には、鋸波パターンの頂角αをそれぞれ60度、90度および120度としたときの配光曲線を極座標表示した配光特性図を示す。配光特性の測定は、JIS C810−5に準拠しており、導光体1を点光源とみなした測定である。図7A、図7Bおよび図7Cの各中段および各下段には、導光体1から放射される光線のイメージ図を示す。図7A、図7Bおよび図7Cの各中段は、導光体1を交差方向Z(図1参照)に見た平面視におけるイメージ図であり、それらの各下段は、導光体1を軸方向X(図1参照)に見た端面視でのイメージ図である。
角度θは、長方形板状のレンズカット領域5に直交する方向(主放射方向E)を基準(θ=0度)として、平面視における方位角を表す。角度Φは、レンズカット領域5に直交する方向(主放射方向E)を基準(Φ=0度)として、端面視における仰角(負符号は俯角)を表す。
レンズカット領域5が中心軸線Cを含むように形成されており、レンズカット領域5は、導光体1内の導光領域を2等分しているので、レンズカット領域5の両側の配光特性は実質的に等しい。そこで、図7A、図7Bおよび図7Cの各上段には、レンズカット領域5の一方側に関する配光曲線が示されている。複数の配光曲線は、Φ=+90,+60,+30,0,−30,−60度の場合にそれぞれ対応している。
図7A、図7Bおよび図7Cを比較することにより、鋸波パターンの頂角αに応じて配光特性が変化することが分かる。すなわち、鋸波パターンの頂角αを適切に設計することによって、配光を制御できる。主放射方向Eへの放射強度を高めるためには、頂角αを60度とすれば、頂角αが90度または120度のときよりも優れた配光特性が得られる。反対に、より広い範囲を照明する用途には、90度〜120度の頂角αが選択されてもよい。頂角α=120の場合(図7C参照)には、平面視においてスプリットする配光特性となるので、軸方向Xに関して均等な配光を得るべき用途においては、頂角αを110度以下(より好ましくは100度以下、さらに好ましくは95度以下)とすることが好ましい。頂角α=120度の配光特性は、中心軸線Cに直交する平面視(図7Cの中段の図を参照)において、主放射方向E(正面方向)への放射強度を抑制し、主放射方向Eに対して傾斜した斜め方向への光を強調して、光を拡散したい場合に有用である。
図8A、図8Bおよび図8Cは、レンズカット領域5の配置に関する変形を示す導光体1の端面図であり、レンズカット領域5の配置を斜線で表してある。図8Aは、前述の実施形態のとおり、導光体1の中心軸線Cを含むようにレンズカット領域5を配置した配置例を示す。同様のレンズカット領域5は、図8Bおよび図8Cに示すように、導光体1の中心軸線Cに対して偏在するように配置することもできる。図8Bの配置例では、導光体1の直径Dを1:3に内分する位置にレンズカット領域5が配置されている。図8Cの配置例では、導光体1の直径Dを3:17に内分する位置にレンズカット領域5が配置されている。いずれの配置例においても、レンズカット領域5は、中心軸線Cに平行に延びる長方形板状領域であり、この領域に、鋸波パターンの一対のレンズカット51,52(図4および図5参照)が形成されている。
いずれの配置例においても、レンズカット領域5は、端面11,12から見たときに直線的な帯状(短冊状)に延びており、導光体1の内部を第1導光領域15および第2導光領域16に区分している。
図8Aの配置例では、第1導光領域15および第2導光領域16は、実質的に等しい導光路断面積を有している。そして、光源2からの光が端面11,12から導入されると、導光体1は、第1導光領域15側の第1主放射方向E1と、第2導光領域16側の第2主放射方向E2とに、略等しい強度で光を放射する。
図8Bおよび図8Cの配置では、第1導光領域15の導光路断面積が、第2導光領域16の導光路断面積よりも大きい。それに対応するように、光源2からの光が端面11,12から導入されると、導光体1は、第1導光領域15側の第1主放射方向E1に比較的強い強度で、第2導光領域16側の第2主放射方向E2に比較的弱い強度で、それぞれ光を放射する。たとえば、図8Bのレンズカット領域5の配置では、第1主放射方向E1への放射強度と第2主放射方向E2への放射強度との比は、2:1程度である。図8Cのレンズカット領域5の配置では、第1主放射方向E1への放射強度の比率がより大きく、第2主放射方向E2への放射強度の比率がより小さくなり、第1主放射方向E1により強く光を放射すべき用途に適している。
放射される光の総量に関しては、図8Aの配置の場合が最も多く、図8Bの配置が次いで多くなる。放射総量は、レンズカット51,52の面積に依存するからである。
図9A、図9Bおよび図9Cは、図8A、図8Bおよび図8Cのレンズカット領域5の配置にそれぞれ対応した照明装置100の配光特性を示す特性図である。ただし、リフレクタ71,72を取り外した状態での配光特性を示す。また、鋸波パターンの頂角αを90度とした構成例に対応している。より具体的には、図9A、図9Bおよび図9Cの上段には、図8A、図8Bおよび図8Cのレンズカット領域5の配置にそれぞれ対応した配光曲線を極座標表示した配光特性図を示す。図9A、図9Bおよび図9Cの各下段には、導光体1の平面視における配光パターンを示す。角度θおよびΦの定義は、図7A,図7Bおよび図7Cの場合と同様である。複数の配光曲線は、Φ=+90,+60,+30,0,−30,−60度の場合にそれぞれ対応している。
図9Aの配光特性は、図7Bの配光特性に対応している。レンズカット領域5は、中心軸線Cを含むように配置されていて、導光体1内の導光領域を2等分しているので、レンズカット領域5の両側の配光特性は実質的に等しい。図9Bおよび図9Cは、レンズカット領域5に対して断面積の大きな導光路断面積を有する側の主放射方向E1への放射強度の高い配光特性を示している。そして、図9Bおよび図9Cの比較から、レンズカット領域5と側面13との間の導光路の断面積が大きいほど、主放射方向E1への放射比率が大きくなることが分かる。
このように、導光体1内のレンズカット領域5の配置により、配光特性を制御することができる。換言すれば、所望の配光特性に応じて、導光体1の内部におけるレンズカット領域5の配置を設計すればよい。したがって、配光制御の自由度が高い。
図10A〜図10Eは、中心軸線Cに沿って延びるレンズカット領域5のさらに他の配置例を示す導光体1の端面図である。
図10A、図10B、図10D、図10Eおよび図10Fの配置例では、軸方向Xから見たときに直線帯状(短冊状)の2つのレンズカット領域5A,5Bが形成されている。図10Cの配置例では、軸方向Xから見たときに直線帯状の3つのレンズカット領域5A,5B,5Cが形成されている。軸方向Xから見たときに4つ以上の直線帯状のレンズカット領域が形成されていてもよい。
図10Aおよび図10Bの配置例では、中心軸線Cを通るように2つのレンズカット領域5A,5Bが交差して配置されており、図10Cの配置例では、中心軸線Cを通るように3つのレンズカット領域5A,5B,5Cが交差して配置されている。
より具体的には、図10Aの配置例では、2つのレンズカット領域5A,5Bが中心軸線Cで互いに直交している。図10Bに示すように、直交配置以外にも、中心軸線Cで交差する交差配置も可能である。各レンズカット領域5A,5Bが導光体1の内部の領域をそれぞれ2つの導光領域に分けるので、図10Aおよび図10Bの配置例では、導光体1の内部の領域が4つの導光領域15〜17に分割(図10Aの場合には等分)されている。この場合、4つの導光領域15〜17に対応して、4つの主放射方向E1〜E4への放射強度が高くなる。図10Aの配置例では、4つの導光領域15〜17が等しい断面積を有しており、それに応じて、4つの主放射方向E1〜E4への放射強度はほぼ等しくなる。図10Bの配置例では、中心軸線Cを挟んで対向する一対の導光領域15,17が比較的大きな断面積を有し、中心軸線Cを挟んで対向する別の一対の導光領域16,18が比較的小さな断面積を有している。それに応じて、導光領域15,17に対応する2つの主放射方向E1,E3への放射強度は、導光領域16,18に対応する2つの放射方向E2,E4への放射強度よりも高くなる。
図10Cの配置例では、3つのレンズカット領域5A,5B,5Cが60度ずつの角度をなすように中心軸線Cで互いに交差しており、導光体1の内部の領域を6つの導光領域15〜20に分割(等分)している。この場合、6つの導光領域15〜20に対応して、6つの主放射方向E1〜E6への放射強度が高くなる。別の角度間隔で3つのレンズカット領域5が配置されてもよい。
中心軸線Cを通る一つのレンズカット領域5と、中心軸線Cを通らない別のレンズカット領域5とが端面視において交差するように配置することもできる。この場合の交差角度は、任意に定めることができ、90度であってもよいし、90度以外であってもよい。
図10D、図10Eおよび図10Fの配置例では、中心軸線Cから外れるように2つのレンズカット領域5A,5Bが配置されており、それらが互いに交差する方向に沿っている。これらの配置例では、側面13付近において2つのレンズカット領域5A,5Bが近接または交差して、端面視においてV字形を形成している。そして、V字形の開く方向が主放射方向Eとなる。V字形配置の交差角度は任意であり、90度であってもよいし、それよりも大きくても小さくてもよい。図10Dには、V字形の交差角度が90度よりも小さい例が示されている。図10Eおよび図10Fには、V字形の交差角度が90度よりも大きい例が示されている。図10Dおよび図10Fの配置例では、端面視において、2つのレンズカット領域5A,5Bが接しており、したがって、それらが交差している。図10Dの配置例では、2つのレンズカット領域5A,5Bは、側面13付近において側縁同士が接している。図10Fの配置例では、2つのレンズカット領域5A,5Bは、側面13から離れた導光体1の内方において、側縁同士が接している。図10Eに示す配置例のように、V字形に配置される2つのレンズカット領域5A,5Bは、端面視において交差して(すなわち接して)いなくてもよい。図10Eには、2つの直線状レンズカット領域5A,5Bの最近接部が互いに離れている配置例を示す。
多数のレンズカット領域5を設けることによって、導光体1の単位長当たりの反射・散乱面積が多くなるので、端面11,12から近い領域の放射が強くなる。したがって、複数のレンズカット領域5の配置は、端面11,12から比較的近領域で強い放射強度を得たい用途(典型的には軸長の短い導光体1の用途)に適している。
図10Gおよび図10Hの配置例では、軸方向Xに見たときに直線状のレンズカット領域5の2つの側縁5a,5bの少なくとも一つが導光体1の側面13よりも内方に位置している。
図10Gの配置例では、レンズカット領域5の両側縁5a,5bが導光体1の側面13よりも内方に位置している。したがって、レンズカット領域5に形成されたレンズカット51,52の長方形状カット面56(図4および図5参照)は、一対の長辺56aが側面13の内側に位置するだけでなく、一対の短辺56bも側面13の内側に位置している。図10Eのレンズカット領域5A,5Bも同様の配置となっている。
図10Hの配置例では、レンズカット領域5の一側縁5bが導光体1の側面13よりも内方に位置し、他の側縁5aが導光体1の側面13に位置している。したがって、レンズカット領域5に形成されたレンズカット51,52の長方形状カット面56は、一対の長辺56aが側面13の内側に位置するだけでなく、一つの短辺56bも側面13の内側に位置しており、他の短辺56bが側面13に位置している。このようなレンズカット領域5の配置は、レンズカット領域5の側縁5a,5bからの光漏れを抑制できるので、主放射方向Eへの放射効率を高めることができる。図10Fのレンズカット領域5A,5Bも同様の配置となっている。
図10Gおよび図10Hのようなレンズカット領域5の配置例は、透明材料の内部に設定した焦点にレーザ光を集光させる機能を有するレーザ加工機を用いることによって製作することができる。図10A〜図10Dの配置例と同様に、一側縁5a,5bまたは両側縁5a,5bが導光体1の側面13の内方に位置する複数のレンズカット領域が導光体1内に配置されてもよい。図8Aに二点鎖線で示すように、導光体1の側面13を貫通するレンズカット領域5を形成した後に、レンズカット領域5の一方または両方の側縁5a,5bをシール層60で覆っても、図10Gおよび図10Hと実質的に同等の構成を実現できる。シール層60は、導光体1と同種または異種の透明材料であってもよいし、金属層(たとえばアルミニウム層)などで構成された反射膜であってもよい。
図11A〜図11Hは、レンズカット領域5の様々な配置例を示す導光体1の平面図であり、導光体1の中心軸線Cに直交する交差方向Z(図1および図2参照)から見た平面視におけるレンズカット領域5の配置例を示す。
図11A〜図11Eの配置例では、レンズカット領域5が導光体1の中心軸線Cに沿って配置されており、さらに具体的には、導光体1の中心軸線Cを含むようにレンズカット領域5が配置されている。前述の実施形態の場合の配置例は、図3に示したとおりであり、レンズカット領域5の両端は、導光体1の両端面11,12から所定距離だけ内方に位置しており、それらの間で連続している。図11Aの配置例では、レンズカット領域5は、導光体1の一端面11から他端面12までの全長に渡って連続している。図11B〜図11Eの配置例では、複数のレンズカット領域5が、中心軸線C上で隙間を空けて間欠的に配置されている。
図11B、図11Dおよび図11Eの間欠配置においては、隣り合うレンズカット領域5の間は、一対のレンズカット51,52を位置合わせして支持する支持部58として機能し、安定した配光特性に寄与し、かつ導光体1の耐久性向上に寄与する。このような目的のためには、隣り合うレンズカット領域5の間の支持部58は、10μm〜300μm(たとえば100μm程度)の軸方向長さを有していればよい。輝度の低下を抑制するためには、支持部58の軸方向長さは可能な限り短いことが好ましい。このような支持部が不要であれば、図11Cの配置例のように、間欠配置されたレンズカット領域5の間に直線的な(鋸波パターンでない)結合パターン59が形成されていてもよい。レンズカット領域5を間欠配置して支持部58を設ける代わりに、連続形状のレンズカット領域5(図3および図11A参照)を設ける一方で、カット面56の短辺の一部を透明接着剤や部分溶着して固定(たとえばピンポイントで固定)した支持構造を設けてもよい。
図11B〜図11Eの間欠配置は、見方を変えれば、レンズカット領域5を軸方向Xの途中位置で間引いた間引き配置であるということもできる。図11Bおよび図11Cは、軸方向Xの各部でレンズカット領域5を均等に間引いた配置を示す。図11Dおよび図11Eは、軸方向Xの位置に応じてレンズカット領域5の間引き間隔を変動させた配置を示す。図11Dの配置では、導光体1の一端面11から他端面12に向かうに従って間引き間隔が広くなっている。換言すれば、導光体1の一端面11から他端面12に向かうに従ってレンズカット領域5の配置密度が高くなっている。導光体1の一端面11に光源2を結合し、他端面12には光源を結合しない場合に、間引き間隔の適切な設定によって、導光体1の全長に渡って均等な放射強度を実現できる。図11Eの配置では、導光体1の両端面11,12から中央に向かうに従って間引き間隔が広くなっている。換言すれば、導光体1の両端面11,12から中央に向かうに従ってレンズカット領域5の配置密度が高くなっている。導光体1の両端面11,12にそれぞれ光源2を結合する場合に、間引き間隔の適切な設定によって、導光体1の全長に渡って均等な放射強度を実現できる。
図11Fおよび図11Gは、中心軸線Cと非平行なレンズカット領域5の配置を示している。図11Fは、中心軸線Cに対して傾斜した複数の線分を結合した折れ線状のパターンに形成されたレンズカット領域5を示す。図11Gは、中心軸線Cを跨ぐように湾曲しながら蛇行する蛇行パターンのレンズカット領域5を示す。
図11Hは、複数のレンズカット領域5が千鳥状に分散配置された例を示す。この例では、中心軸線Cに平行な2列を成すように複数のレンズカット領域5が配置されている。各レンズカット領域5は、中心軸線Cに平行な線分状の領域である。中心軸線Cに直交する幅方向Y(図1および図2参照)に重なり合わないように複数のレンズカット領域5が配置されている。この配置例では、中心軸線Cを包含しないように各レンズカット領域5が配置されているが、中心軸線Cを包含するレンズカット領域5が設けられていてもよい。
図12A〜図12Hは、鋸波パターンの様々な例を示す。図12A〜図12Eは、中心軸線Cの両側への振れ幅が均等な鋸波パターン例である。
図12Aの例は、前述の実施形態において説明した鋸波パターンであり、一定振幅および一定ピッチPの鋸波パターンである。
図12Bおよび図12Cの例は、振れ幅が一定でない鋸波パターンである。図12Bの例は、導光体1の一端部から他端部に向かって振れ幅が大きくなっていく鋸波パターンである。この鋸波パターンは、導光体1の一端面11または12のみに光源2を配置する場合に適する。すなわち、光源2から離れるに従ってカット面56が大きくなる鋸波パターンであるため、軸方向Xに関する放射強度の均一化を図ることができる。図12Cの例は、導光体1の端部から中央に向かうに従って振れ幅が大きくなっていく鋸波パターンである。この鋸波パターンは、導光体1の両端面11,12に光源2を結合する場合に適する。すなわち、光源2から離れるに従ってカット面56が大きくなるので、軸方向Xに関する放射強度の均一化を図ることができる。
図12A〜図12Cのいずれにおいても、鋸波パターンの頂角αは一様であり、一つおきのカット面56は互いに平行である。したがって、振れ幅が大きいほどピッチPも大きくなっている。
図12Dおよび図12Eは、振れ幅が一定で、様々な頂角αを有する鋸波パターンの例を示す。図12Dの例は、導光体1の一端面11から他端面12に向かうに従って頂角αが小さくなっていく鋸波パターンである。頂角αが小さくなるほどカット面56の配置密度が高くなるので、導光体1の一端面11または12のみに光源2を配置する場合に適しており、軸方向Xに関する放射強度の均一化を図ることができる。図12Eの例は、導光体1の両端面11,12から中央に向かうに従って頂角αが小さくなっていく鋸波パターンである。この鋸波パターンは、導光体1の両端面11,12に光源2を結合する場合に適しており、軸方向Xに関する放射強度の均一化を図ることができる。前述の図12Bおよび図12Cのように様々な振れ幅の鋸波パターンにおいて、頂角を様々な値に設定することによって、ピッチPを一定とすることもできる。様々な頂角αは、30度〜140度の範囲で定めることが好ましい。
図12F〜図12Hは、うねり31を伴う鋸波パターンの例を示す。これらの鋸波パターンは、前述の図11Fまたは図11Gに示した蛇行パターンのレンズカット領域5が適用される場合に適している。図12F〜図12Hの鋸波パターン例では、うねり31の振れ幅は中心軸線Cの両側で同等であり、かつ軸方向Xのいずれの位置でも一様である。ただし、うねり31の振れ幅は一様である必要はなく、導光体1の端部から中央部に向かうに従ってうねり31の振れ幅を大きくしたり、導光体1の一端部から他端部に向かうに従ってうねり31の振れ幅を大きくしたりしてもよい。図12F〜図12Hの配置例では、さらに、うねり31に沿って配置された鋸波パターンの振れ幅が一様である。しかし、鋸波パターンの振れ幅が一様である必要はなく、図12Bおよび図12Cの場合と同様に、鋸波パターンが様々な振れ幅の部分を有していてもよい。
さらに、図12F〜図12Hの鋸波パターン例では、鋸波パターンの頂角αは、一定である。図12Fの鋸波パターン例では、頂角αの二等分線がうねり31の各部に立てた垂線と一致しており、二等分三角形状を結合した鋸波パターン形状となっている。したがって、中心軸線Cに対してカット面56が成す角β(図5参照)は、うねり31に応じて変動している。図12Hの鋸波パターン例では、頂角αの二等分線が導光体1の中心軸線Cと直交するように鋸波パターン形状が設計されている。したがって、一つおきのカット面56は、互いに平行であり、中心軸線Cに対して一定の傾斜角β(図5参照)を有している。図12Gの鋸波パターン例は、図12Fおよび図12Hの鋸波パターン例の中間的な鋸波パターン形状を有している。すなわち、隣接するカット面56がなるべく二等辺三角形形状を保つようにして、うねり31に沿ってカット面56が配置されて、レンズカット51,52が形成されている。図12F〜図12Hの鋸波パターン例をさらに変形して、図12Dおよび図12Eに示したような様々な頂角αを有する鋸波パターンを採用してもよい。
図13A〜図13Eは、さらに他の鋸波パターン例を示す。図13Aは、中心軸線Cに対して傾斜したカット面56と、中心軸線Cに垂直なカット面56とを交互に配置して形成した鋸波パターン例を示す。すなわち、直角三角形状を中心軸線Cに沿って配列した鋸波パターンである。図13B〜図13Dは、湾曲したカット面56で鋸波パターンを形成した例である。図13Bの鋸波パターン例では、頂角αを凹湾曲面で形成するように湾曲したカット面56で鋸波パターンが形成されている。図13Cの鋸波パターン例は、図13Bの鋸波パターン例における頂角部分を丸めたパターンであり、正弦波形状に近い蛇行形状を形成している。図13Dの鋸波パターン例では、凸湾曲面と凹湾曲面とで頂角αを形成するように湾曲したカット面56で鋸波パターンが形成されている。図13Eの鋸波パターン例は、様々な振れ幅を有し、かつ振れ幅が中心軸線Cに交差する一方向と他方向とで異なる例を示す。図13Eの例では、様々な高さの二等辺三角形形状を、底辺を揃えて配置した鋸波パターンが形成されている。
図14A〜図14Cは、軸方向Xに対する稜部54および谷部55の交差方向Zに着目した種々の鋸波パターン例を示す。図14Aは、前述の実施形態に対応しており、軸方向Xに対して稜部54および谷部55の交差方向Zが直交している。図14Bの例では、軸方向Xに対して稜部54および谷部55の交差方向Zが傾斜していて、軸方向Xと交差方向Zとのなす角が90度とは異なっている。図14Cの例では、軸方向Xに対して稜部54および谷部55の交差方向Z1,Z2のなす角が異なる2種類の鋸波パターンが形成されている。図14Cの例では、2種類の鋸波パターンの交差方向Z1,Z2は、いずれも軸方向Xに対して90度以外の角度で傾斜している。むろん、一つの鋸波パターンの交差方向が軸方向Xに対して90度の角度をなしていてもよい。同様にして、軸方向Xに対して交差方向のなす角の異なる3種類以上の鋸波パターンが設けられてもよい。
図15A〜図15Dは、リフレクタの種々の配置例を示す図であり、導光体1を軸方向Xに見た端面図である。図15Aの配置例では、第1主照射方向A1の放射窓731のスリット幅(開口幅)が第2主照射方向A2の放射窓732のスリット幅(開口幅)よりも大きくなるように、一対のリフレクタ71,72が配置されている。このような配置例は、第1主照射方向A1により強い強度で光を照射すべき用途に適している。図15Bの配置例では、第1主照射方向A1にのみ放射窓73が形成されたリフレクタ70が導光体1の側面13に配置されている。リフレクタ70は、レンズカット領域5の両側縁5a,5bを覆い、レンズカット領域5の一方側において両側縁5a,5bの間に渡って連続し、レンズカット領域の5の他方側(第1主照射方向A1)において、軸方向Xに延びるスリット状の放射窓73を有している。したがって、第1主照射方向A1にのみ光を照射する用途に適している。このような用途においては、二点鎖線で示すように、レンズカット領域5を中心軸線Cに対して放射窓73とは反対側に配置することによって、第1主照射方向A1への照射指向性を一層高めることができる。図15Cの配置例のように、断面U字形(横向きU字形)リフレクタ75を用いても同様の作用を実現できる。
図15Dの配置例では、リフレクタ76は、導光体1の中心軸線C上に焦点を有する放物線を成す断面形状の溝状反射面76aを有し、この溝状反射面76a内に導光体1が収容されている。導光体1からの主放射方向Eは、長方形板状のレンズカット領域5に垂直な2つの方向(法線方向)である。この方向に放射された光が、溝状反射面76aで反射され、レンズカット領域5に平行な主照射方向Aへと照射される。レンズカット領域5の両側縁5a,5bの一つは、溝状反射面76aの底部に対向しているので、この一つの側縁5aから漏れ出た光は主照射方向Aへと反射されて有効に利用される。他の一つの側縁5bから漏れ出る光は主照射方向Aへ向かうので、この光も有効に利用される。
図15Eの配置例は、レンズカット領域5の両側縁5a,5bをそれぞれ覆う一対の平板状リフレクタ77,78を配置した例を示す。リフレクタ77,78は、この例では、互いに平行であり、レンズカット領域5に直交する第1および第2主照射方向A1,A2に向けて放射窓73を開放している。リフレクタ77,78を非平行に配置して、主照射方向A1,A2の一方への照射強度を強め、他方への照射強度を弱めてもよい。
図16A〜図16Fは、導光体1の軸断面の様々な形状例を示す。導光体1の断面形状は、円形以外であってもよく、図16Aおよび図16Bの形状例では楕円形であり、図16C、図16Dおよび図16Eの形状例では多角形である。図16Fの形状例は、多角形(この例では矩形)と円形(または楕円形)とを組み合わせた形状である。
図16Aの例では、楕円形断面の短軸方向に沿ってレンズカット領域5が配置されており、図16Bの例では、楕円形断面の長軸方向に沿ってレンズカット領域5が配置されている。いずれの例でも、レンズカット領域5に垂直な方向には、側面13に凸湾曲面が配置されているので、その集光作用によって、主放射方向Eへと効率的に光を照射できる。
図16Cおよび図16Dの例では、導光体1は、矩形断面(より具体的には正方形断面)を有している。図16Cの例では、一対の対向する辺の間に渡ってレンズカット領域5が設けられている。図16Dの例では、対角線に沿ってレンズカット領域5が設けられている。図16Eの例では、導光体1は、正八角形断面を有している。そして、正八角形断面を横切るようにレンズカット領域5が形成されている。
多角形形状は、正多角形であってもよいし、2つ以上の辺の長さが異なる多角形であってもよい。多角形の辺の数は3以上であればよく、4または8に限定されない。また、図16A〜図16Eの例では、レンズカット領域5は、中心軸線C上に配置されているが、レンズカット領域5は、中心軸線C上に配置される必要はなく、必要とされる配光特性に応じて、中心軸線Cからずらして配置されてもよい。また、複数のレンズカット領域5が設けられてもよい。
導光体1の軸断面形状は、レンズカット領域5の一方側と他方側とで異なっていてもよい。たとえば、図16Fに示すように、導光体1は、レンズカット領域5の一方側において矩形に形成され、他方側において円弧状輪郭を有する形状(たとえば半円形)に形成された軸断面形状を有していてもよい。この場合、側面13には、集光作用を有する円筒面13a(集光部)が形成されるので、主放射方向Eへの放射強度を高めることができる。
図17A〜図17Fは、導光体1の軸形状例を示す平面図である。前述の実施形態では、直線軸状の導光体1の例を示したが、図17A(L字状)および図17B(クランク状)のような折れ線状や、図17C(リング状)、図17D(C字状、半円状)、図17E(S字状)および図17F(渦巻き状)に示す湾曲線状の軸状導光体1が採用されてもよい。
図17Cに示すリング状の導光体1は、無端円環状の透明リング(透明軸体の一例)に対してレーザ加工によってレンズカットを形成した後、透明リングの一部分を切除することによって得られる。切除によって、一対の端面11,12を有する略円環状の導光体1が得られる。レンズカットは、多角環状のレンズカット領域5をなすように配置されてもよく、円環状のレンズカット領域5をなすように配置されてもよい。
中心軸線Cに直交する断面形状は、円形であってもよく、その他の形状であってもよい(図16A〜図16F参照)。たとえば、断面矩形(図16C参照)のリング状導光体1は、透明材料(たとえばアクリル)のパイプを輪切りにして矩形断面を有する無端円環状の透明リングを作製し、この透明リングに対して前述のようなレーザ加工および切断を行うことによって作製できる。
図17Dに示すC字状(半円状)の導光体1も概ね同様にして作製できる。すなわち、無端円環状の透明リング(透明軸体の一例)に対してレーザ加工によってレンズカットを形成した後、透明リングを2つの半円部分に二等分することによって、2つのC字状導光体1が得られる。レンズカットが形成されるレンズカット領域5は、多角環状であってもよく、円環状であってもよい。
たとえば、図18に示すように、C字状(半円状)の一対の導光体1A,1Bを用いてリング形状の照明装置200を構成することができる。2つの導光体1A,1Bの対向する端面11,12の間に、光源2A,2Bが、2つの導光体1A,1Bの各一端面11に光を入射できるように配置されている。2つの導光体1の各他端面12には、反射膜35A,35Bが施されている。リング形状を形成する一対の導光体1A,1Bの内部には、円筒形状または多角筒形状を形成するレンズカット領域5を設けることができる。導光体1の断面中心を通る中心軸線Cは、ほぼ円形を成す。その円形に対して外側に、当該円形を含む平面に対して交差(より具体的には直交)する円筒状または多角筒状のレンズカット領域5を設けることにより、リング形状の中心に向けて強く光を照射する照明装置200を構成できる。また、円形をなす中心軸線C上にレンズカット領域5を設けることによって、リング形状の内方および外方に向けてほぼ同等の強度で光を照射する照明装置200を構成することができる。
レンズカット領域5は、導光体1A,1Bの断面中心を通る中心軸線Cがなす円形を含む平面に平行な板状の環状領域をなすように形成してもよい。これにより、当該円形に垂直な主放射方向を有するリング状の照明装置を構成できる。必要に応じてリフレクタを設けることによって、配光をさらに制御することができる。
図19、図20Aおよび図20Bは、レンズカット51,52を内包する軸状の導光体1の構成例を示す。前述のとおり、透明材料からなる一つの軸体に対して加工を施してレンズカットを形成するほか、アクリル樹脂、シリコン樹脂等の透明材料の成型品を組み合わせてレンズカットを内包する軸状導光体1を構成することができる。具体的には、図19および図20Aに示すように、鋸波状の第1レンズカット51を表面に形成した第1軸半部41(第1成形品)と、第1レンズカット51と整合する鋸波状の第2レンズカット52を表面に形成した第2軸半部42(第2成形品)とを準備する。これらは、透明材料の成形品である。第1レンズカット51および第2レンズカット52の表面形状は、互いの反転形状(相補形状)である。図20Bに示すように、第1レンズカット51および第2レンズカット52を嵌め合わせて、第1軸半部41および第2軸半部42を結合することにより、軸状の導光体1を構成できる。
第1レンズカット51および第2レンズカット52の間には、不可避的に微小な空隙(クリアランス)が形成され、ここに雰囲気中の気体の気体層(典型的には空気層)が形成される。空隙は、200μm以下の厚みであることが好ましく、100μm以下の厚みであることがより好ましい。
この例では、第1レンズカット51は、第1軸半部41の両端面から所定距離だけ内側に両端を有している。同様に、第2レンズカット51は、第2軸半部42の両端面から所定距離だけ内側に両端を有している。これにより、第1軸半部41および第2軸半部42は、両端部(端面11,12とレンズカット51,52との間の部分)に、光導入部43,44をそれぞれ有している。光導入部43,44を重ね合わせて積層し、ホルダ3(図1および図2参照)等の固定部材で互いに固定することにより、第1および第2軸半部41,42を結合することができる。光導入部43,44の合わせ面の間に、第1および第2軸半部41,42を構成する透明材料と同一材または同等の屈折率を有する異種材の接着剤を導入し、それらを互いに接合することが、より好ましい。第1および第2軸半部41,42を構成する透明材料と接着剤との屈折率の差Δnは±0.2以内であることが好ましくは、Δn=0がとくに好ましい。このような積層または接合を行うことにより、一つの光源2(とくにLED光源。図1および図2参照)からの放射光線を第1および第2軸半部41,42に共通に入射させることができる。すなわち、第1および第2軸半部41,42に対応した2つの光源を設ける場合に比較して、光源の数を少なくできる。接着剤は、光導入部43,44の合わせ面同士の間に配置された材料の一例である。
透明材料としてアクリル樹脂を用いる場合には、接着剤として、熱硬化性樹脂を用いることができるほか、UV硬化性のアクリル樹脂やこれらの変性樹脂を用いることができる。さらには、アクリル樹脂からなる光導入部43,44は、接着剤を用いず、合わせ面に波長200nm以下の紫外線を照射し、照射表面にヒドロキシ基(−OH)を生成後、樹脂を溶融させない低温条件にて熱融着することもできる。レーザ溶着および超音波溶着等の他の接合法が適用されてもよい。
透明材料の成形品は、注型成形、射出成形、プレス成形等によって透明樹脂材料(アクリル樹脂、シリコン樹脂等)を成形することによって作製できる。透明材料の成形品は、透明材料の棒状体(たとえば丸棒)や板材等からの切削加工(たとえばレーザカット)によって作製することもできる。アクリル樹脂やシリコン樹脂のレーザカット品、射出成形品などは、いずれも、第1および第2軸半部41,42を積層または接着によって結合する際に第1および第2軸半部41,42(導光体1)の反り変形が問題となるため、反り対策が必要となる。積層の際には、リフレクタ71,72(図1および図2等参照)を用いて、外部構造によって強制的に抑え込むこともできる。また、第1および第2軸半部41,42の軸方向途中の一箇所または複数箇所において、第1および第2軸半部41,42の合わせ面を互いに点接着することで反りを抑制することも可能である。
成型品を組み合わせて軸状導光体1を構成する場合には、導光体1に内包されるレンズカット51,52は、より複雑な形状を有することができる。すなわち、稜部54および谷部55が湾曲または屈曲した鋸波状パターンとしたり、導光体1の内部にカット面がドット状に分散されたパターンとしたりすることもできる。また、レンズカット51,52のカット面56の短辺56b(図4および図5等参照)が側面13に露出しない配置も容易に実現できる。
以上、この発明の実施形態について説明してきたが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。たとえば、導光体1の軸径および軸長についての数値例を示したが、むろん、これらは一例に過ぎず、必要な照射強度、配光特性および光源の発光強度等に応じて適切に定められるべき事項である。また、前述の実施形態では、線状の照明装置について主として説明したが、直線状の照明装置を複数個並べて配置することによって、面状の照明装置を構成することができる。さらに、径の異なるリング軸状導光体1(図17C参照)を複数個同心円状に配置したり、渦巻き状の軸状導光体1(図17F参照)を用いたりして、リフレクタを適切に組み合わせることにより、面状の照明装置を構成することもできる。
導光体を構成する透明軸体として、可撓性を有する透明軸体を用いることもできる。たとえば、シリコンゴムを透明材料として用いた透明軸体は、可撓性(シリコンゴムの場合には弾性的な可撓性)を有する。したがって、初期形状の透明軸体にレンズカットを形成した後に、透明軸体を所望の形状に変形させて用いることができる。それにより、配光制御の自由度を一層高めることができる。たとえば、螺旋状等の三次元構造の導光体を構成することもできる。
軸状の導光体は、一部の領域を専ら導光の目的に用いることもできる。すなわち、レンズカット領域を配置しない導光領域を設けることにより、必要な位置で側面から光を放射する導光体を構成できる。
照明装置の用途は、車両用照明装置、ルームランプ、デスクトップランプ、検査装置用光源、殺菌灯、防虫灯、光線治療用光源など、様々である。用途に応じて、導光体の材料を選択し、導光体の構造を設計し、必要に応じて適切なリフレクタを用いればよい。
レンズカットをレーザ加工によって形成するときに用いるレーザ加工機は、炭酸ガスレーザ加工機に限られない。たとえば、透明材料の種類に応じて、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザ加工機、エキシマレーザ加工機などの他の種類のレーザ加工機が用いられてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載した事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
100,200 照明装置
A,A1,A2, 主照射方向
1,1A,1B 導光体
11,12 端面
13 側面
C 中心軸線
X 軸方向
Y 幅方向
Z 交差方向
E,E1〜E6 主放射方向
2,2A,2B 光源
21 LEDランプ
5,5A,5B,5C レンズカット領域
5a,5b 側縁
51,52 レンズカット
54 稜部
55 谷部
56 カット面
56a 長辺
56b 短辺
α 頂角
P ピッチ
6 空隙
70,71,72,75,76,77,78 リフレクタ
8 レーザビーム

Claims (16)

  1. 透明材料からなり、端面および側面を有する軸状の導光体であって、
    空隙を挟んで対向する互いに平行な一対のレンズカットを内包している、導光体。
  2. 前記レンズカットが、前記導光体の軸方向と交差する交差方向に延びる稜部および谷部を有し、前記稜部および前記谷部を横切る断面において鋸歯形状を呈する鋸波パターンに形成されている、請求項1に記載の導光体。
  3. 前記稜部および/または谷部の頂角が、30度〜140度の範囲である、請求項2に記載の導光体。
  4. 前記鋸波パターンが前記導光体の軸方向に延びている、請求項2または3に記載の導光体。
  5. 前記レンズカットが、前記稜部および谷部の間に形成され、前記交差方向に長手の長方形状のカット面を有し、前記カット面の一対の長辺が、前記側面の内側に配置されている、請求項2〜4のいずれか一項に記載の導光体。
  6. 前記カット面が、前記導光体の軸方向および前記交差方向を含む平面に対して傾斜している、請求項5に記載の導光体。
  7. 前記端面から前記軸方向に見たときに、前記レンズカットが、前記側面の内側に一対の長辺が配置された長方形状を呈する、請求項1〜6に記載の導光体。
  8. 前記軸方向に直交する断面の形状が円形または楕円形である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の導光体。
  9. 前記側面が、前記レンズカットから前記側面に向かう光を集光して放射する集光部を有している、請求項1〜8のいずれか一項に記載の導光体。
  10. 前記透明材料からなり前記一対のレンズカットの一方を表面に有する第1成形品と、前記透明材料からなり前記一対のレンズカットの他方を表面に有する第2成形品とが、前記一対のレンズカットを嵌め合わせて結合されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の導光体。
  11. 前記第1成形品および前記第2成形品は、端面と前記レンズカットとの間に合わせ面を有する光導入部をそれぞれ備えており、前記光導入部の合わせ面同士が積層または接着されている、請求項10に記載の導光体。
  12. 前記光導入部の合わせ面同士の間に、前記透明材料との屈折率の差が±2以内の材料が配置されている、請求項11に記載の導光体。
  13. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の導光体を製造する方法であって、
    前記透明材料からなる透明軸体に対するレーザ加工によって、前記透明軸体の内部に前記レンズカットを形成する工程を含む、導光体製造方法。
  14. 前記レーザ加工において、前記透明軸体にレーザビームを照射しながら、当該レーザビームで前記透明軸体を前記レンズカットのパターンに従って走査する、請求項13に記載の導光体製造方法。
  15. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の導光体と、
    前記導光体の端面に光を入射する光源と、を含む、照明装置。
  16. 前記導光体の側面に対向して配置され、前記導光体から導出された光を反射するリフレクタをさらに含む、請求項15に記載の照明装置。
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