JP2021092449A - 歪みゲージのセンシング方式およびキャリブレーション方式 - Google Patents

歪みゲージのセンシング方式およびキャリブレーション方式 Download PDF

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正美 若林
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一浩 小島
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Ryo Yaginuma
亮 柳沼
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裕美 根本
裕樹 井坂
Hiroki Isaka
裕樹 井坂
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周平 遠藤
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辰哉 横内
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Abstract

【課題】 センシングしたデータ量を抑制しつつ高精度の歪み測定を行うことができる電子装置およびセンシングシステムを提供する。【解決手段】 本発明のセンシングシステム10を構成する子機100は、歪みゲージを接続したブリッジ回路BRGと、ブリッジ回路BRGの出力電圧を非反転増幅する第1の差動増幅回路OP1と、ブリッジ回路BRGの出力電圧を反転増幅する第2の差動増幅回路OP2と、第1の差動増幅回路OP1の出力信号の一定期間内の最大値を表す第1のピークホールド信号PLHLD1を出力する第1のピークホールド回路PKH1と、第2の差動増幅回路OP2の出力信号の一定期間内の電圧の最大値を表す第2のピークホールド信号PKHLD2を出力する第2のピークホールド回路PKH2と、第1のピークホールド信号PKHLD1または第2のピークホールド信号PKHLD2とを比較し、大きい方の第1または第2のピークホールド信号を出力する制御部170とを有する。【選択図】 図6

Description

本発明は、歪みゲージを用いたセンシング方式およびそのキャリブレーションに関し、特に、親機と複数の子機とから構成される無線通信を用いたセンシングシステムに関する。
複数の子機を遠隔地に設置し、複数の子機でセンシングした測定値を親機に送信する、無線通信センサシステムが実用化されている(例えば、特許文献1)。子機は、例えば、山間部、湖沼、海上などに設置された構造物、施設、橋脚などに設置され、そのような測定対象物の状態の変化等をセンシングし、親機は、子機から送信されたセンシング結果に基づき測定対象物の異常、劣化、疲労、損傷などの異常の有無を判定している。
測定対象物の状態を測定するものに歪みゲージが知られている。歪みゲージは、測定対象物の伸縮に比例して抵抗体の抵抗値を変化させるものであり、歪みゲージを測定対象物に接着または貼付し、歪みゲージの抵抗変化を測定することで測定対象物の歪みを算出する。歪みゲージの抵抗変化は微小であるため、通常、ホイーストンブリッジ回路を用いて抵抗変化を電圧に変換して測定する(例えば、特許文献2)。
特許第6251363号公報 特開2000−249507号公報
図1は、歪みゲージを接続したホイーストンブリッジ回路の構成を示す図である。同図に示すように、ブリッジ回路の三辺に既知の抵抗R2、R3、R4が接続され、一辺に測定対象である抵抗R1を含む歪みゲージが接続される。抵抗R2、R3の接続ノードN1と抵抗R1、R4の接続ノードN2との間に入力電圧Vが印加され、抵抗R1、R2の接続ノードN3と抵抗R3、R4の接続ノードN4から出力電圧eが出力される。このとき、ブリッジ回路の出力電圧eは、次式(1)のように表される。
Figure 2021092449
R1×R3=R2×R4のとき、ブリッジ回路が平衡状態となり、出力電圧e=0Vになる。歪みゲージの抵抗R1がΔRだけ変化したとすると、出力電圧eは、次式(2)で表される。
Figure 2021092449
ブリッジ回路において、歪ゲージの抵抗値は一定値を保つことはなく、歪みゲージによってもバラツキがあり、さらには歪ゲージを接続するリード線にも抵抗値があるため、高精度の抵抗R2〜R4を使用しても、ブリッジ回路の平衡状態(e=0V)を実現することは難しい。さらに歪ゲージの抵抗値は、環境温度によっても影響を受ける。
また、歪ゲージにおいて、瞬時の大きな変化を測定するためには抵抗値を測定するためのサンプリング周期を短くする必要がある。しかし、サンプリング周期を短くすると、サンプリングされるデータ量が膨大となり、サンプリングデータの洪水を引き起こしてしまう。
特許文献2は、歪みゲージをブリッジ回路に接続するためのリード線の抵抗値やその変化の影響を排除した高精度の歪み測定を行うものであり、図2に、その歪み測定システムの構成を示す。ブリッジ回路の一辺に歪みゲージが接続され、ブリッジ回路にはブリッジ電源回路1により入力電圧Vが印加される。ブリッジ回路の各出力ノードがスイッチ回路2の入力端にそれぞれ接続され、歪みゲージの抵抗体の接続部とブリッジ電源回路1の一方の電源端子がスイッチ回路3の入力端にそれぞれ接続される。スイッチ回路2、3の出力は増幅回路4に入力され、増幅回路4の出力がAD変換回路5に入力される。ここで、e、e0、er、er0は、次のように定義される。
e;ブリッジ回路の出力電圧(測定時)
e0;ブリッジ回路の初期出力電圧
er;歪ゲージの初期リード線電圧(I:r)
er0;歪ゲージのリード線電圧(測定時)
図2の測定システムにおいて、次のように測定動作が行われる。
1)各電圧の初期値をスイッチ回路2、3を切替えて測定(e0、er0)
2)あるタイミングで、スイッチ回路2、3を切替えて各電圧を測定(e、er)
3)次式(3)でひずみ(ε)を求める
Figure 2021092449
この方式は、歪ゲージを接続するリード線の抵抗の影響を防ぐことが可能であるが、使用するスイッチ回路2、3のオン抵抗または接触抵抗の影響を受ける可能性がある。スイッチ回路2、3がリレー回路から構成されるならば、一定のスイッチング時間を要するために実際の測定に影響を及ぼす。さらにリレー回路の寿命の問題もある。また、この方式は、各電圧を測定し、それを基にひずみ(ε)を算出するが、スイッチ回路2、3の切替えにより各電圧をサンプリングするため、各電圧の測定に時間差を生じさせ、センサの瞬間的な変化を正確に捉えることができない。
瞬間的な異常を捉える場合、センサのサンプリング周期を極力短くする必要がある。しかし、そうするとサンプリングデータ量が膨大となり、それを記憶する記憶容量を増加させなければならず、そうするとコスト増になってしまう。また、常にサンプリング状態を継続することになると、消費電力の観点から歪みゲージを搭載した電子機器をバッテリーで駆動することが難しくなり、それ故、そうした電子機器は、電源の取れる場所への設置に限られてしまう。
本発明は、上記従来の課題を解決し、センシングしたデータ量を抑制しつつ高精度の歪み測定を行うことができる電子装置およびセンシングシステムを提供することを目的とする。
本発明に係るセンシング機能を備えた電子装置は、歪みゲージを接続したブリッジ回路と、前記ブリッジ回路の出力電圧を非反転増幅する第1の差動増幅手段と、前記ブリッジ回路の出力電圧を反転増幅する第2の差動増幅手段と、第1の差動増幅手段路の出力信号の一定期間内の最大値を表す第1のピークホールド信号を出力する第1のピークホールド手段と、第2の差動増幅手段の出力信号の一定期間内の電圧の最大値を表す第2のピークホールド信号を出力する第2のピークホールド手段と、第1のピークホールド信号と第2のピークホールド信号とを比較し、大きい方の第1または第2のピークホールド信号を出力する出力手段とを有する。
ある実施態様では、前記出力手段は、大きい方の第1または第2のピークホールド信号とその極性を保持する保持手段を含む。ある実施態様では、前記出力手段は、第1および第2のピークホールド信号をサンプリングする手段を含み、前記保持手段は、今回サンプリングされたデータと前回サンプリングされたデータとを比較し、大きい方のサンプリングデータと極性を保持する。ある実施態様では、前記サンプリング手段は、AD変換回路を含み、当該AD変換回路は、第1および第2のピークホールド手段の一定期間よりも短いサンプリング周期で第1および第2のピークホールド信号をサンプリングする。ある実施態様では、電子装置はさらに、外部と無線による通信を可能とする通信手段を含み、前記出力手段は、第1または第2のピークホールド信号を前記通信手段を介して外部に送信する。ある実施態様では、電子装置はさらに、ブリッジ回路のキャリブレーションを行うキャリブレーション手段を含み、前記キャリブレーション手段は、第1および第2の差動増幅手段の出力信号を基準電圧にバイアスするためのバイアス電圧設定手段と、前記バイアス電圧設定手段によりバイアス電圧が設定された第1または第2の差動増幅手段の出力信号に基づきブリッジ回路のキャリブレーション値を算出する算出手段とを有する。ある実施態様では、第1または第2の差動増幅手段の出力信号がバイアス電圧±αであり、αは、ブリッジ回路の出力電圧の差分を増幅した値を表しているとき、前記算出手段は、補正値として、+α、−αまたは0を算出する。ある実施態様では、前記キャリブレーション手段は、電源投入時にキャリブレーションを実行する。ある実施態様では、前記キャリブレーション手段は、通信手段を介して外部からのコマンドが受信されたことに応答してキャリブレーションを実行する。ある実施態様では、前記設定手段は、外部から補正値を受信したとき、当該補正値に基づきキャリブレーション値を更新する。ある実施態様では、電子装置はさらに、内部の温度を検出する温度センサを含み、前記出力手段は、歪みゲージの測定値とともに温度センサの検出値を送信する。
本発明に係るセンシングシステムは、上記記載の電子装置と、当該電子装置と通信接続される親機とを含むものであって、親機は、電子装置から送信された測定値に基づき歪みを算出する算出手段と、電子装置のキャリブレーションを行うためのコマンドを発行する発行手段とを含む。
ある実施態様では、前記発行手段は、電子装置から受信した温度情報に基づき歪み抵抗の変化率を算出し、抵抗の変化率が閾値に到達したとき前記コマンドを発行する。ある実施態様では、前記発行手段は、前記コマンドとともに抵抗の変化率に応じたキャリブレーション値を電子装置に送信する。
本発明によれば、ブリッジ回路の出力電圧を非反転増幅する第1の差動増幅手段と、ブリッジ回路の出力電圧を反転増幅する第2の差動増幅手段と、第1の差動増幅手段路の出力信号の一定期間内の最大値を表す第1のピークホールド信号を出力する第1のピークホールド手段と、第2の差動増幅手段の出力信号の一定期間内の電圧の最大値を表す第2のピークホールド信号を出力する第2のピークホールド手段と、第1のピークホールド信号または第2のピークホールド信号とを比較し、大きい方の第1または第2のピークホールド信号を出力する出力手段とを有することにより、従来と比較してセンシングしたデータを大幅に削減することができる。さらに本発明によれば、ブリッジ回路をキャリブレーションする手段を設けたことによりリート線の抵抗の影響や測定温度の変化による影響を排除した高精度のセンシングが可能になる。
ブリッジ回路と歪みゲージの基本的接続を示す図である。 従来の歪みゲージ測定システムの構成を示す図である。 本発明の実施例に係るセンシングシステムの構成例を示す図である。 本発明の実施例に係る歪みゲージを内蔵したボルトの概略を示す図である。 本発明の実施例に係る風力発電施設のタワーの概略を示す図である。 本発明の実施例に係る子機の構成を示す図である。 本発明の実施例に係る子機の電源投入時のキャリブレーションフローを示す図である。 差動増幅器OP1の出力電圧に差分が加味されたときの電圧波形図である。 本発明の実施例に係る親機と通信時のキャリブレーションフローを示す図である。 本発明の実施例に係る通常のセンシング時のバイアス電圧とピークホールド信号との関係を示す電圧波形図である。
本発明のある実施態様では、無線通信を利用したセンシングシステムは、電池により駆動される複数の子機と、複数の子機と双方向の無線通信を行う親機と、親機に接続された制御装置(ホスト装置)とを含んで構成される。本発明のセンシングシステムは、複数の子機によって検出された情報を監視する監視システムであることができる。子機は、山間部、湖沼、海洋などの遠隔地に配置することができ、遠隔地の種々の情報を検出することが可能である。子機には、例えば、歪みセンサ、温度センサ、湿度センサ、水位センサ、土壌水分センサ、雨量計、圧力センサ、気圧センサ等を搭載することが可能である。親機は、例えば、無線ネットワークを介して複数の子機と接続され、複数の子機に指示を送信し、複数の子機からセンシングされた情報を受け取る。親機はさらに、無線通信システムの全体を制御する制御装置に接続され、制御装置からの命令等に応じて複数の子機に指示を送信することができる。
図3は、本発明の実施例に係るセンシングシステムの構成例を示す図である。本実施例に係るセンシングシステム10は、複数の子機20a、20b、20c、…20n(nは、1以上の整数)と、親機30と、ホスト装置40とを含んで構成される。なお、子機20a〜20nの全体を総称するときは、子機20という。
親機30は、例えば、複数の子機20の各々との間で無線(例えば、920MHzの周波数帯)による双方向通信を行う。親機30が子機20aに対してクエリ(問い合わせ)Qaを送信すると、子機20aは、クエリQaに対する応答メッセージRaを返信する。同様に、親機30が子機20bに対してクエリQbを送信すると、子機20bは、クエリQbに対する応答メッセージRbを返信する。ある実施態様では、親機30が子機20をアクセスする場合には、予め決められた数nの子機20に対して、予め決められた順序(例えば、アドレスの若い順)で全ての子機20a、20b、20c、…20nにクエリQa、Qb、Qc、…Qnを送信し、各子機から応答メッセージを受信する。子機20は、親機30からのアクセスがある期間に同期してウェークアップし、極力、電池が消耗されることを抑制する。また、仮に一部の子機が切断された場合であっても、親機30は、切断された子機をスキップすることなく、予め決められた数nの子機20をアクセスすることで、親機と子機との間の同期が失われないようにする。
子機20は、親機30からクエリQを受信すると、それに対する応答メッセージRを作成し、これを親機30に送信する。子機20は、電池(バッテリー)により動作され、必要最低限の動作のみを行うスリープ状態(低消費電力状態)と、スリープ状態からウェークアップされた通常の動作状態とを有する。通常の動作状態では、子機に含まれる全ての機能が完全に動作することが可能であり、低消費電力情報では、子機に含まれる一部の機能が動作可能になる。
ホスト装置40は、親機30に対して有線または無線により接続される。ホスト装置40は、コンピュータ装置、ノートパソコン、携帯型通信端末、タブレット型通信端末等であることができる。ホスト装置40は、システム全体を監視し、または制御するため、親機30に対して必要な指示を与え、また親機30から子機20の情報を収集する。ホスト装置40は、例えば、インターネットまたはイントラネット等のネットワークを介して親機30に接続されてもよい。
子機20は、遠隔地の測定対象物の状態をセンシングするための種々のセンサを搭載することが可能であるが、ここでは、子機20は、測定対象物の歪みを測定するための歪みゲージまたは歪みセンサを搭載する。子機20は、図4に示すように、例えば、ボルトBTの内部に配置された歪みゲージSGを含み、ボルトBTの歪みを測定する。ボルトBTは、構造物、建造物あるいは橋脚などの部位に複数取り付けられ、ボルトの歪みは、このような構造物の疲労、劣化、損傷の度合を判定する際に利用される。
図5は、本実施例のセンシングシステムの具体例を示している。同図に示すように、山間部や海上等に設置された風力発電施設のタワーTWは、鉄骨等の構成部材を固定または締結するために複数のボルトBTを利用している。例えば、1つのボルトBTには、上記したように1つの子機20が取り付けられ、歪みゲージSGがボルトBT内に埋め込まれている。1つの実施態様では、タワーTWは、例えば4つの領域R1、R2、R3、R4に分割され、1つの領域R1内に存在する複数のボルトBTにはそれぞれ複数の子機20が取り付けられ、これら複数の子機20が1つの親機30_1と無線通信する。同様に、他の領域R2、R3、R4内に存在する複数の子機がそれぞれ親機30_2、30_3、30_4と無線通信する。そして、親機30_1、30_2、30_3、30_4は、有線LANまたは無線LANによりインターネットまたはイントラネット等を介してホスト装置に接続される。また、別の実施態様では、タワーTWの各領域R1、R2、R3、R4内の子機20は、有線LANまたは無線LANによりインターネットまたはイントラネット等を介して1つの親機30に接続されるようにしてもよい。
次に、本実施例の子機について説明する。図6は、本実施例の子機100(図4、図5の子機20に対応)の内部構成を示す図である。子機100は、一辺に歪ゲージSRを接続し、3辺に既知の抵抗を接続したホイートストンブリッジ回路BRGと、ブリッジ回路BRGの入力ノードに定電流を供給する定電流制御回路110と、ブリッジ回路BRGの出力ノードVOA−を反転入力端子(−)に接続し、出力ノードVOA+を非反転入力端子(+)に接続し、入力端子間の差分電圧を増幅する差動増幅器OP1と、ブリッジ回路BRGの出力ノードVOA−を非反転入力端子(+)に接続し、出力ノードVOA+を反転入力端子(−)に接続し、入力端子間の差分電圧を増幅する差動増幅器OP2と、差動増幅器OP1、OP2の出力電圧を基準電圧(REF)にバイアスするためのバイアス電圧BVを設定するバイアス電圧設定部120と、ローパスフィルタ(LPF)122を過電圧の入力から保護するための保護ダイオードと、差動増幅器OP1の出力信号に含まれる高周波ノイズを除去するローパスフィルタ122と、ローパスフィルタ122の出力信号OP1OTを入力し、一定期間内の最大の電圧値を保持するピークホールド回路PKH1と、ピークホールド回路PKH1の出力信号に含まれる高周波ノイズを除去するローパスフィルタ124と、ローパスフィルタ126を過電圧の入力から保護するための保護ダイオードと、差動増幅器OP2の出力信号に含まれる高周波ノイズを除去するローパスフィルタ126と、ローパスフィルタ126の出力信号OP2OTを入力し、一定期間内の最大の電圧値を保持するピークホールド回路PKH2と、ピークホールド回路PKH2の出力信号に含まれる高周波ノイズを除去するローパスフィルタ128とを含む。
子機100はさらに、ピークホールド回路PKH1で保持された最大電圧値を表すピークホールド信号PKHLD1、差動増幅器OP1の出力信号OP1OT、ピークホールド信号PKHLD2で保持された最大電圧値を表すピークホールド信号PKHLD2、差動増幅器OP2の出力信号OP2OTを入力し、これらのアナログ信号を一定のサンプリング周期でサンプリングし、これをデジタル信号に変換するAD変換回路130と、子機100の内部温度を検出する温度センサ140と、親機との間で双方向の無線通信を行うための無線モジュール150と、各部に所望の電圧Vaを供給するためのバッテリー160と、各部を制御する制御部170とを含んで構成される。
制御部170は、子機100の動作の全体を制御し、ある実施態様では、ブリッジ回路BRGのキャリブレーション、ブリッジ回路BRGの歪みゲージSGによる歪みの測定、無線モジュール150による親機との間の無線通信などを制御する。ある実施態様では、制御部160は、ROM/RAMを含むマイクロプロセッサやマイクロコントローラから構成され、ROM/RAMに格納されたプログラムまたはソフトウエアを実行することで上記の制御を行う。
ブリッジ回路BRGは、例えば、図1や図2に示すように、ブリッジ回路の一辺に歪みゲージを接続する。他の3辺に接続される3つ抵抗の抵抗値は既知である。定電流制御回路110は、例えばカレントミラー回路などを用いて定電流を生成し、ブリッジ回路BRGの入力ノードN1(図1を参照)に一定の入力電圧を印加する。入力ノードN2は、グランドに接続される。
バイアス電圧設定部120は、設定されたバイアス電圧BVを差動増幅器OP1、OP2に共通に印加する。バイアス電圧設定部120へのバイアス電圧は、制御部170によって設定される。ある実施態様では、バイアス電圧設定部120は、DAC(デジタル/アナログ変換器)を含み、制御部170は、ブリッジ回路BRGのキャリブレーションレーションを行うとき、nビットのデジタルデータをDACに設定する。DACは、nビットのデジタルデータをアナログ電圧に変換し、変換されたアナログ電圧が差動増幅器OP1、OP2に印加される。
差動増幅器OP1と差動増幅器OP2は、それぞれ同一の構成を有するが、ブリッジ回路BRGの出力電圧を生成する出力ノードVOA−、VOA+がそれぞれの差動増幅器の異なる反転入力端子(−)と非反転入力端子(+)にそれぞれ接続される。つまり、差動増幅器OP1は、出力ノードVOA−、VOA+間の差分を非反転増幅し、差動増幅器OP2は、その差分を反転増幅する。
差動増幅器OP1は、入力端子に印加される電圧がVOA+>VOA−であるとき(これを、正の差分とする)、バイアス電圧BV+α(αは、入力の差分電圧を増幅した値)を出力し、VOA+<VOA−であるとき(これを、負の差分とする)、バイアス電圧BV−αを出力する。VOA+=VOA−の場合には、差動増幅器OP1は、バイアス電圧BVを出力する。他方、差動増幅器OP2は、入力端子に印加される電圧がVOA+>VOA−であるとき(これを、正の差分とする)、バイアス電圧BV−αを出力し、VOA+<VOA−であるとき、バイアス電圧BV+αを出力する。VOA+=VOA−の場合には、差動増幅器OP2は、バイアス電圧BVを出力する。
ピークホールド回路PKH1とピークホールド回路PKH2は、それぞれ同一の構成を有するが、ピークホールド回路PKH1は、差動増幅器OP1の出力信号OP1OTを受け取り、その出力信号OP1OTの一定期間内(サンプリング期間内)の正の最大値を保持する。他方、ピークホールド回路PKH2は、差動増幅器OP2の出力信号OP2OTを受け取り、その出力信号OP2OTの一定期間内の正の最大値を保持する。出力信号OP2OTは、出力信号OP1OTの反転信号であるため、出力信号OP2OTの正の最大値を保持することは、出力信号OP1OTの負の最大値を保持することに等しい。ピークホールド回路PKH1、PKH2のサンプリング期間は、制御部170によって規定される。ある実施態様では、制御部170は、サンプリング期間を規定するサンプリングタイマを含み、サンプリングタイマがタイムアウトしたとき、リセット信号RSTをピークホールド回路PKH1、PKH2に出力し、サンプリング期間を終了させる。ピークホールド回路PKH1、PKH2は、リセット信号RSTを受け取ると、キャパシタに充電された電荷を放電し、リセットされる。
AD変換回路130は、出力信号OP1OT、OP2OT、ピークホールド信号PKHLD1、PKHLD2をそれぞれ入力し、これらを一定のサンプリング周波数でサンプリングし、サンプリングした値をnビットのデジタル信号に変換し、これを制御部170へ提供する。
制御部170は、ブリッジ回路BRGのキャリブレーションを行うとき、AD変換回路130からの出力信号OP1OTまたはOP2OTのデジタル出力信号に基づきブリッジ回路BRGのキャリブレーション値を算出する。また、制御部170は、歪ゲージによるセンシング(測定)を行うとき、ピークホールド信号PKHLD1、PKHLD2のデジタル出力信号に基づき最大値の大きいデジタル出力信号を保持し、前記保持した信号から前記算出したキャリブレーション値を減算した値をセンシングデータとして親機へ送信する。なお、バッテリー160から供給される電圧Vaは、ここには図示しないレベルシフタ等によって各回路が必要とする電圧レベルに変換され、そこに供給される。
次に、本実施例の子機の詳細な動作について説明する。図7は、子機の電源投入時のキャリブレーションの動作フローである。先ず、子機100に電源が投入されると(S100)、制御部170は、バイアス電圧設定部(DAC)120に、予め決められたバイアス電圧の初期値として2.048Vを設定し、差動増幅器OP1、OP2にバイアス電圧2.048Vを設定する(S110)。
ブリッジ回路BRGの出力電圧(出力ノードVOA−、VOA+に生成される電圧)は、歪みゲージの抵抗、既知の3つ抵抗、それらを接続するリード線の抵抗のバラツキ、温度変化による抵抗の変化等の影響により0Vに平衡されず、オフセットされた電圧、つまり差分が生じる。この差分が差動増幅器OP1、OP2に入力され、差動増幅器OP1、OP2から増幅された差分(±α)が出力される(S120)。ここで、差動増幅器OP1、OP2は、その出力電圧が2.048Vの基準電圧にバイアスされるように動作するため、出力電圧は、2.048Vに差分(±α)を加減した値となる(S130)。差動増幅器OP1の出力電圧に差分±αが加味されたときの電圧波形を図8(A)、(B)、(C)に示す。
・VOA+>VOA−であるとき(差分αが正のとき)、差動増幅器OP1の出力信号OP1OT=2.048V+α、
・VOA+<VOA−であるとき(差分αが負のとき)、差動増幅器OP1の出力信号OP1OT=2.048V−α、
・VOA+=VOA−であるとき(差分αが0のとき)、差動増幅器OP1、OP2の出力信号OP1OT=2.048V
次に、AD変換回路130は、差動増幅器OP1の出力信号OP1OTをデジタル信号に変換し、これを制御部170へ提供する
AD変換回路の入力状況は、次の通りである。
・VOA+>VOA−(差分+α)、OP1OT=2.048V+α、
・VOA+<VOA−(差分−α)、OP1OT=2.048V−α、
・VOA+=VOA−(差分α=0)、OP1OT=2.048V
次に、制御部170は、AD変換回路130からのデジタル信号出力に基づき差分αがキャンセルされるようなキャリブレーション値を算出する(S140)。具体的には、ブリッジ回路BRGの誤差として差分+αが検出された場合には、制御部170は、補正値α1として、α1=2.048V−αを算出する。差分−αが検出された場合には、補正値α1として、α1=2.048V+αを算出する。差分αが0の場合には、補正値α1として、α1=2.048Vを算出する。制御部170は、算出結果に基づきバイアス電圧設定部120に算出された補正値α1を新たなキャリブレーション値として設定する(S150)。
次に、ブリッジ回路BRGのキャリブレーションが終了すると、親機との通信タイマをスタートさせる(S160)。タイマ期間中、制御部170および無線モジュール150はスリープモードまたは低消費電力状態であり、通信タイマがタイムアップすると無線モジュール150が親機からの通信を受信可能な状態に移行する。無線モジュール150が親機からの通信を受信すると、制御部170が通常の動作を開始し、親機からの通信に含まれるコマンド等の処理、実行を行う。
なお、上記のキャリブレーションでは、差動増幅器OP1の出力信号OP1OTを用いる例を示したが、これに代えて差動増幅器OP2の出力信号OP2OTを用いても同様にキャリブレーションを行い得ることは言うまでもない。
次に、親機30またはホスト装置40からのコマンドに応答して子機のキャリブレーションが行われるときの動作を図9のフローを参照して説明する。先ず、子機において親機との通信タイマがタイムアウトされると(S200)、子機100は、親機からの通信の受信待ち状態となる(210)。親機からの受信が完了すると、制御部170は、親機から送信されたデータに含まれるコマンドを解析し(S220)、そのコマンドが補正コマンド(キャリブレーション)であると判断すると(S230)、予め決められた初期値として、2.048Vのバイアス電圧BVをバイアス電圧設定部120に設定する。その結果、差動増幅器OP1、OP2には、バイアス電圧として2.048Vが印加される(S110)。ステップS110〜S150までの動作は、図7に示すキャリブレーション動作と同じであるため、ここでの説明を省略する。
制御部170により補正値α1が算出され、補正値α1を反映する新たなキャリブレーション値が算出されると(S140)、キャリブレーション値としてその新たなバイアス電圧BVが差動増幅器OP1、OP2に印加される(S150)。このようなブリッジ回路BRGのキャリブレーションが行われた後に、歪みゲージの測定が行われる。ピークホールド回路PKH1、PKH2は、新たなバイアス電圧BVで差動増幅器OP1、OP2から出力された出力信号OP1OT、OP2OTの最大値を保持し、そのピークホールド信号PKHLD1、PKHLD2をAD変換回路130に提供する(S240)。
次に、AD変換回路130は、ピークホールド回路PKH1、PKH2から出力されるピークホールド信号PKHLD1、PKHLD2を受け取り、これらを所定のサンプリング周波数でサンプリングし、そのデジタル信号を制御部170へ提供する。
次に、制御部170は、PKHLD1とPKHLD2とを比較して大きい方のサンプリングデータをレジスタ等に一時保存する(S250)。具体的には、次のような処理を行う。
・PKHLD1>PKHLD2のとき、(PKHLD1)−(キャリブレーション値)の減算したサンプリングデータと極性(正フラグ)を保管
・PKHLD1<PKHLD2のとき、(PKHLD2)−(キャリブレーション値)の減算したサンプリングデータと極性(負フラグ)を保管
・PKHLD1=PKHLD2のとき、(PKHLD1)−(キャリブレーション値)の減算したサンプリングデータと極性(正フラグ)を保管
次に、制御部170は、親機に以下のデータを送信する。
上記した保管したデータ(前記サンプリングデータの歪みゲージによる測定値)、現在のキャリブレーション値、温度センサ140で検出された温度情報。
次に、子機において通常のセンシングプロセスが行われるときの動作について説明する。
制御部170は、ピークホールド回路PKH1、PKH2のサンプリングタイマがタイムアウトしていないとき、つまり、ピークホールド回路PKH1、PKH2の保持時間内であるとき(リセット信号RSTによるリセットがされていない期間内であるとき)、親機との通信タイマがタイムアウトしたか否かを判定し、タイムアウトであれば、保管データ(歪みゲージの最大の歪みを表すデータ)、極性フラグ、現在のキャリブレーション値、温度センサ140で検出された温度情報を親機に送信する。
他方、タイムアウトしていなければ、制御部170は、ピークホールド信号PKHLD1、PKHLD2のサンプリングを継続する。
・VOA+>VOA−の場合、図10(A)に示すように、ピークホールド信号PKHLD1(歪みゲージの測定値)がバイアス電圧BVよりも大きくなる。
・VOA+<VOA−の場合、図10(B)に示すように、バイアス電圧BVよりもピークホールド信号PKHLD2(歪みゲージの測定値)が大きくなる。
・VOA+=VOA−の場合、図10(C)に示すように、ピークホールド信号PKHLD1、PKHLSがバイアス電圧BVと等しくなる。
制御部170は、サンプリングされたピークホールド信号PKHLD1、PKHLD2を比較し、サンプリングデータの最大値を更新する。
・PKHLD1>PKHLD2ならば、(PKHLD1)−(キャリブレーション値)の減算したサンプリングデータと正の極性フラグを一時保存
・PKHLD1<PKHLD2ならば、(PKHLD2)−(キャリブレーション値)の減算したサンプリングデータと負の極性フラグを一時保存
・PKHLD1=PKHLD2ならば、(PKHLD1)−(キャリブレーション値)の減算したサンプリングデータと正の極性フラグを一時保存
そして、制御部170は、一つ前のサンプリングデータを上記一時保存されたデータと比較し、大きい方のサンプリングデータと極性フラグを保存する。なお、制御部170は、スリープ期間中にこれらのデータを保存するための不揮発性のメモリ(例えば、フラッシュメモリ)を備えることができる。
・一つ前のサンプリングデータ>一時保存データの場合、一つ前のサンプリングデータと極性フラグを保存
・一つ前のサンプリングデータ<一時保存データの場合、一時保存データと極性フラグを保存し、この処理は、サンプリングタイマがタイムアウトするまで継続される。
次に、本実施例の親機またはホスト装置の動作について説明する。子機から親機に対してデータが送信されると、親機またはホスト装置は、次のような動作を行う。ここでは、一例としてホスト装置が動作を行う例を説明する。
(1)歪(ε)の算出
ε=(1/K)×|(CALB−e)/CALB)|
ここで、K:ゲージ率、CALB:子機から受信したキャリブレーション値
ホスト装置は、上記式により、受信したキャリブレーションCALBとe(測定データ)から歪み(ε)を求める。
(2)ホスト装置におけるキャリブレーション値の更新(子機全て対して))
A:温度変化による歪ゲージの抵抗値を算出(予測)
R=R0×(1+kt)
ここで、R0:0℃の抵抗値、k:抵抗の温度係数(n×10−6/℃)、t:環境温度
B:抵抗の変化率を算出
r=R/Rc
ここで、r:変化率(1.xxxまたは0.xxx)、Rc:現状の抵抗値、
R:前項で算出した抵抗値
C:CALBを算出
CALBn=CALBc×r
ここで、CALBn:新しいキャリブレーション値、CALBc:現状のキャリブレーション値
r:前項で算出した抵抗の変化率(1.xxxまたは0.xxx)
D:子機にキャリブレーション値を送出
(3)子機へキャリブレ-ション・コマンド発行
ホスト装置は、子機から受信した温度が歪ゲージの抵抗値変化の閾値に達したとき、子機にアクセスするとき、あるいは制御コマンドと共にキャリブレーションのための補正コマンドを子機に発行する。
本実施例のセンシングシステムによれば、次のような効果を得ることができる。
本方式は、歪ゲージの抵抗の温度変化とリード線抵抗値の影響を防ぐものであり、それ以外に影響を受けるものがない。従って、高精度のセンシングが可能である。
センシングデータと現在のキャリブレーション値を親機またはホスト装置に送るので、親機またはホスト装置でキャリブレーション値の補正値の算出が可能である。また、親機またはホスト装置で算出したキャリブレーション値の補正値を子機に送り、子機のキャリブレーション値を更新することが可能である。
親機またはホスト装置から補正コマンド(キャリブレーション)を子機に送ることで、子機でバイアス電圧BVの補正を行うことが可能である。補正コマンドを送るトリガーは、例えば、子機から受信した温度が、歪ゲージの抵抗値変化の閾値に達したときである。これにより、子機の歪みゲージまたはブリッジ回路の温度補償を行うことができる。
さらに本方式は、従来の特許文献2に示す方式と異なり、センシングの都度、毎回、補正を行う必要がないので、歪みセンサの瞬時の変化に追従することができる。
ピークホールド回路は、その時点の最大値を保持するものであり、本方式は、ピークホールドの保持時間内の最大値をセンシングするため、AD変換回路130のサンプリング周期は、ピークホールド回路PKH1、PKH2の保持時間内とすれば良い。例えば、ピークホールド回路の保持時間が5秒ならば、AD変換回路130のサンプリング間隔を5秒にすれば良い。5秒間の最大値をサンプリングすることで、センシングデータ量を大幅に削減することができる。
さらにこれに加えて新たにセンシングしたデータ(サンプリングデータ)を一つ前の旧センシングしたデータ(サンプリングデータ)と比較して大きい方を残し、通信タイマのタイムアウト時点で、その時の最大値のみを親機またはホスト装置に送ることで、センシングしたデータ量を大幅に削減することができる。
なお、上記実施例では、歪みゲージによりボルトの歪みを測定する例を示したが、これは一例であり、本発明の歪みゲージは、他の部材の歪み測定にも適用することが可能である。また、上記実施例では、センシングシステムを風力発電施設に適用する例を示したが、これは一例では、他の構造物や建造物であってもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10:センシングシステム
20(20A〜20n):子機
30:親機
40:ホスト装置
100:子機
110:定電流制御回路
120:バイアス電圧設定部
130:AD変換回路
140:温度センサ
150:無線モジュール
160:バッテリー
170:制御部
BT:ボルト
SG:歪みゲージ
BRG:ブリッジ回路
OP1、OP2:差動増幅器
PKH1、PKH2:ピークホールド回路

Claims (14)

  1. センシング機能を備えた電子装置であって、
    歪みゲージを接続したブリッジ回路と、
    前記ブリッジ回路の出力電圧を非反転増幅する第1の差動増幅手段と、
    前記ブリッジ回路の出力電圧を反転増幅する第2の差動増幅手段と、
    第1の差動増幅手段路の出力信号の一定期間内の最大値を表す第1のピークホールド信号を出力する第1のピークホールド手段と、
    第2の差動増幅手段の出力信号の一定期間内の電圧の最大値を表す第2のピークホールド信号を出力する第2のピークホールド手段と、
    第1のピークホールド信号と第2のピークホールド信号とを比較し、大きい方の第1または第2のピークホールド信号を出力する出力手段と、
    を有する電子装置。
  2. 前記出力手段は、大きい方の第1または第2のピークホールド信号とその極性を保持する保持手段を含む、請求項1に記載の電子装置。
  3. 前記出力手段は、第1および第2のピークホールド信号をサンプリングする手段を含み、
    前記保持手段は、今回サンプリングされたデータと前回サンプリングされたデータとを比較し、大きい方のサンプリングデータと極性を保持する、請求項2に記載の電子装置。
  4. 前記サンプリング手段は、AD変換回路を含み、当該AD変換回路は、第1および第2のピークホールド手段の一定期間よりも短いサンプリング周期で第1および第2のピークホールド信号をサンプリングする、請求項3に記載の電子装置。
  5. 電子装置はさらに、外部と無線による通信を可能とする通信手段を含み、
    前記出力手段は、第1または第2のピークホールド信号を前記通信手段を介して外部に送信する、請求項1に記載の電子装置。
  6. 電子装置はさらに、ブリッジ回路のキャリブレーションを行うキャリブレーション手段を含み、
    前記キャリブレーション手段は、第1および第2の差動増幅手段の出力信号を基準電圧にバイアスするためのバイアス電圧設定手段と、
    前記バイアス電圧設定手段によりバイアス電圧が設定された第1または第2の差動増幅手段の出力信号に基づきブリッジ回路のキャリブレーション値を算出する算出手段とを有する、請求項1ないし5いずれか1つに記載の電子装置。
  7. 第1または第2の差動増幅手段の出力信号がバイアス電圧±αであり、αは、ブリッジ回路の出力電圧の差分を増幅した値を表しているとき、前記算出手段は、補正値として、+α、−αまたは0を算出する、請求項6に記載の電子装置。
  8. 前記キャリブレーション手段は、電源投入時にキャリブレーションを実行する、請求項6に記載の電子装置。
  9. 前記キャリブレーション手段は、通信手段を介して外部からのコマンドが受信されたことに応答してキャリブレーションを実行する、請求項6に記載の電子装置。
  10. 前記設定手段は、外部からキャリブレーション値を受信したとき、当該キャリブレーション値を設定する、請求項9に記載の電子装置。
  11. 電子装置はさらに、内部の温度を検出する温度センサを含み、
    前記出力手段は、歪みゲージの測定値とともに温度センサの検出値を送信する、請求項1に記載の電子装置。
  12. 請求項1ないし11いずれか1つに記載の電子装置と、当該電子装置と通信接続される親機とを含むセンシングシステムであって、
    親機は、
    電子装置から送信された測定値に基づき歪みを算出する算出手段と、
    電子装置のキャリブレーションを行うためのコマンドを発行する発行手段とを含む、センシングシステム。
  13. 前記発行手段は、電子装置から受信した温度情報に基づき歪み抵抗の変化率を算出し、抵抗の変化率が閾値に到達したとき前記コマンドを発行する、請求項12に記載のセンシングシステム。
  14. 前記発行手段は、前記コマンドとともに抵抗の変化率に応じたキャリブレーション値を電子装置に送信する、請求項13に記載のセンシングシステム。
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