JP2021092307A - 圧力逃がし弁 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1の圧力逃がし弁は貯湯タンク内圧が異常上昇した時に開弁して貯湯タンクを減圧し、貯湯タンクの損傷を防止する。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、貯湯ユニットと熱源ユニットとを備える貯湯式給湯機の貯湯ユニットと熱源ユニットとを接続する循環路に取り付けられた圧力逃がし弁であって、貯湯タンク内圧が異常上昇した時に開弁して貯湯タンクを減圧した後、貯湯タンク内圧の再度の異常上昇を防止できる圧力逃がし弁を提供することを目的とする。
弁体に印加される一次圧が異常高圧である第2所定値に達していない時は、第1機構の作動によりバネ押さえが弁ケーシングに係止しているので、弁体のみが可動となり、圧力逃し弁は通常作動する。この時、一次圧が異常高圧未満の第1所定値に達すると弁体が弁座から離脱して圧力逃し弁が開弁し、一次圧の上昇を抑制する。
一次圧が異常高圧になり第2所定値以上になると、第2機構が作動して第1機構によるバネ押さえの係止が解除される。この結果、バネ押さえと弁体とバネとが一体となって開弁方向へ移動して、圧力逃し弁が全開し、一次圧の異常高圧を解消する。第3機構が作動して圧力逃がし弁の全開状態を維持し、貯湯タンク内圧の再度の異常上昇を防止する。
本発明の好ましい態様においては、第1機構はバネ押さえに形成した凹部に係合するピンとピンを前記凹部へ向けて付勢するバネとを備え、第2機構は一次圧を受け前記バネに抗してピンを前記凹部から離隔する方向へ付勢するダイアフラムを備え、バネ押さえと弁座とが一体に形成され、第3機構はバネ押さえを開弁方向へ付勢するバネを備え、更に、開弁時のバネ押さえと弁ケーシングとの摺接部から弁ケーシング外への漏水を防止するOリングを備える。
本発明の好ましい態様においては、第1機構はバネ押さえに形成した浅い凹部に係合する球体と、バネの付勢力を受けて前記球体を前記凹部に押圧するピンとを備え、前記球体は前記凹部と弁ケーシングに形成されたピン挿通孔とに係合し、バネ押さえと弁座とが一体に形成され、第2機構と第3機構とはバネ押さえを開弁方向へ付勢するバネを備え、更に、開弁時のバネ押さえと弁ケーシングとの摺接部から弁ケーシング外への漏水を防止するOリングを備える。
上記構成により、バネ押さえの弁ケーシングへの係止と、前記係止の解除と、第1機構による係止が解除された状態で開弁状態を維持することが可能になる。
ベロフラムによる漏水防止は、Oリングによる漏水防止に比べて逃がし弁全開作動がスムーズになる利点があり、Oリングによる漏水防止はベロフラムによる漏水防止に比べて圧力逃がし弁の構成を簡素化できる利点がある。
図1に示すように、貯湯式給湯機は、高温水を生成するヒートポンプ式の熱源ユニット1と、貯湯タンクユニット2を備えている。
熱源ユニット1は、冷媒配管によって順次環状に接続された水冷媒熱交換器11、圧縮機12、蒸発器13、膨張弁14を備えている。
貯湯タンクユニット2は、貯湯タンク21、貯湯タンク21の下部に接続された給水管22、貯湯タンク21の下部から水冷媒熱交換器11を経て貯湯タンク21の上部に接続する循環路23、循環路23の途上に配設された循環ポンプ24、貯湯タンク21の上部から高温水を取出す出湯管25、出湯管25と給水管22から延びる分岐管22aとに接続する湯水混合弁26を備えている。
給湯配管を介して湯水混合弁26に蛇口27及び図示しない温水使用機器が接続している。
貯湯式給湯機は更に、循環路23の熱源ユニット1内で延在する部位、より具体的には水冷媒熱交換器11直近下流の部位に接続する圧力逃がし弁3、圧力逃がし弁3の排水部30を備えている。
弁ケーシング31内に、弁座31dに対峙して複数の部材から構成された弁体32が配設されている。弁体32と弁ケーシング31とがベロフラム33によって接続されている。バネ34の一端が弁体32に係合し他端がバネ押さえ35に係合している。弁体32はバネ押さえ35に相対摺動可能に当接している。弁体32のバネ押さえ35からの離脱を防止するピン35aがバネ押さえ35に取り付けられている。バネ押さえ35は複数の部材で構成されており、周側面が弁ケーシング31の内周面に摺動可能に当接している。バネ押さえ35の周側面に凹部35bが形成されている。
ピン本体36aと、ピン本体36aの一端部を離脱不能に収容する複数の部材で構成されたケース36bと、ケース36b内に配設されてピン本体36aを他端部側へ付勢するバネ36cとを備えるピン36が弁ケーシング31内に配設されている。バネ36cのバネ荷重は小さな値に設定されている。ピン本体36aの他端部はバネ押さえ35の凹部35bに係合している。ピン36のケース36bを凹部35bの方向へ付勢するバネ37と、弁ケーシング31に形成された導圧路31eを介して入口開口31aの内圧である圧力逃がし弁3の一次圧を受圧してピン36のケース36bをバネ37に抗して凹部35bから離隔する方向へ付勢するダイアフラム38とが、弁ケーシング31内に配設されている。
弁体32を開弁方向へ付勢するバネ39が入口開口31a内に配設されている。バネ39のバネ荷重は小さな値に設定されている。
弁体32に遊動可能に且つ離脱不能に係合する弁軸40がバネ押さえ35と蓋部材31bとを貫通して弁ケーシング31外へ伸びている。弁ケーシング31外へ伸びた弁軸40の端部に、圧力逃し弁3を強制開放するためのレバー41が取り付けられている。
給水管22を通って貯湯タンク21の下部に水道水が供給される。循環ポンプ24が作動し、貯湯タンク21の下部から吸引された低温水が循環路23を通り、熱源ユニット1の水冷媒熱交換器11を通過する際に加熱されて高温水となり、貯湯タンク21の上部に還流し、貯湯タンク21の上部を高温水で満たすと共に、熱膨張により貯湯タンク21を加圧する。
貯湯タンク21の上部から出湯管25を通って加圧された高温水が吐出し、湯水混合弁26で分岐管22aを介して供給された水道水と混合されて適温水となり、蛇口27及び図示しない温水使用機器から吐出する。
貯湯タンク21の内圧が低減しても、弁体32にバネ39の付勢力を受けて、圧力逃し弁3は全開状態を維持する。この結果、貯湯タンク21の内圧が異常上昇した時に開弁して貯湯タンク21を減圧した後、前記異常上昇の原因が解決される前に、再度貯湯タンク21内圧が異常上昇する事態の発生が防止される。
ベロフラム33による漏水防止は、Oリングによる漏水防止に比べて圧力逃がし弁全開作動時の抵抗が少なく、圧力逃がし弁全開作動がスムーズになる利点がある。
貯湯タンク21が減圧された後、圧力逃し弁3が全開状態を維持している時、図4に示すように、バネ36cの弱い付勢力を受けたピン本体36aの他端部がバネ押さえ35の周側面に当接している。またバネ39の弱い付勢力を受けて圧力逃し弁3は全開状態を維持している。従って、僅かな力で蓋部材31bひいてはバネ押さえ35を押して、バネ押さえ35が弁ケーシング31に係止し、弁体32が弁座31dに当接した、図2に示す閉弁状態に圧力逃し弁3を戻すことができる。
図5に示すように、圧力逃がし弁103においては、複数の部材で構成されたバネ押さえ135と弁座135dとが一体に形成されており、バネ押さえ135の周側面と弁座形成部135eの周側面とが弁ケーシング131に摺動可能に当接している。バネ押さえ135と弁体132とに当接して弁体132を閉弁方向へ付勢するバネ134が配設されている。弁体32を開弁方向に付勢するバネに代えて、バネ押さえ135を開弁方向へ付勢するバネ139が配設されている。弁座形成部135eの外周面と弁ケーシング131との摺接部にOリング141が配設されている。蓋部材131bが弁ケーシング131に固定されている。ベロフラムに代えて蓋部材131bの弁ケーシング当接部にO−リング133aが配設され、弁軸140の蓋部材131b貫通部にOリング133bが配設されている。バネ押さえ135に連通孔135fが形成されている。上記を除き、圧力逃し弁103の構成は圧力逃がし弁3の構成と同様である。
貯湯タンク21の内圧が低減しても、バネ押さえ135がバネ139の付勢力を受けて、圧力逃し弁103は全開状態を維持する。この結果、貯湯タンク21の内圧が異常上昇した時に開弁して貯湯タンク21を減圧した後、前記異常上昇の原因が解決される前に、再度貯湯タンク21内圧が異常上昇する事態の発生が防止される。
Oリング133a、133bによる漏水防止はベロフラムによる漏水防止に比べて圧力逃がし弁の構成を簡素化できる利点がある。
図8に示すように、圧力逃がし弁203においては、複数の部材で構成されたバネ押さえ235の周側面に形成された浅い凹部235bに係合する球体238を、バネ237の付勢力を受けるピン236が凹部235bに押圧し、球体238が凹部235bと弁ケーシング231に形成されたピン挿通孔231fとに係合することによって、バネ押さえ235が弁ケーシング231に係止されている。一次圧を受けてピン236を凹部235bから離隔する方向へ付勢するダイアフラムは配設されていない。弁座形成部235eの外周面と弁ケーシング231との摺接部にOリング241が配設されている。上記を除き、圧力逃し弁203の構成は圧力逃し弁103の構成と同様である。
貯湯タンク21の内圧が低減しても、バネ押さえ235がバネ239の付勢力を受けて、圧力逃し弁203は全開状態を維持する。この結果、貯湯タンク21の内圧が異常上昇した時に開弁して貯湯タンク21を減圧した後、前記異常上昇の原因が解決される前に、再度貯湯タンク21内圧が異常上昇する事態の発生が防止される。
2 貯湯タンクユニット
3、103、203 圧力逃がし弁
31、131、231 弁ケーシング
31a 入口開口
31c 出口開口
33 ベロフラム
34、134、234 バネ
35、135、235 バネ押さえ
35b、235b 凹部
36、236 ピン
37、237 バネ
38 ダイアフラム
39、139、239 バネ
133a、133b、141、233a、233b、241 Oリング
Claims (4)
- 貯湯タンクを有する貯湯ユニットと熱源ユニットとを備える貯湯式給湯機の貯湯ユニットと熱源ユニットとを接続する循環路に取り付けられた圧力逃がし弁であって、弁体と、一端が弁体に当接し他端がバネ押さえに当接するバネと、バネ押さえを弁ケーシングに係止する第1機構と、弁体に印加される一次圧が所定値以上になった時に第1機構による係止を解除する第2機構と、第1機構による係止が解除された状態で開弁状態を維持する第3機構とを備えることを特徴とする圧力逃がし弁。
- 第1機構はバネ押さえに形成した凹部に係合するピンとピンを前記凹部へ向けて付勢するバネとを備え、第2機構は一次圧を受け前記バネに抗してピンを前記凹部から離隔する方向へ付勢するダイアフラムを備え、弁ケーシングに弁座が形成され、第3機構は弁体を開弁方向へ付勢するバネを備え、更に、開弁時のバネ押さえと弁ケーシングとの摺接部から弁ケーシング外への漏水を防止するベロフラムを備えることを特徴とする請求項1に記載の圧力逃がし弁。
- 第1機構はバネ押さえに形成した凹部に係合するピンとピンを前記凹部へ向けて付勢するバネとを備え、第2機構は一次圧を受け前記バネに抗してピンを前記凹部から離隔する方向へ付勢するダイアフラムを備え、バネ押さえと弁座とが一体に形成され、第3機構はバネ押さえを開弁方向へ付勢するバネを備え、更に、開弁時のバネ押さえと弁ケーシングとの摺接部から弁ケーシング外への漏水を防止するOリングを備えることを特徴とする請求項1に記載の圧力逃がし弁。
- 第1機構はバネ押さえに形成した浅い凹部に係合する球体と、バネの付勢力を受けて前記球体を前記凹部に押圧するピンとを備え、前記球体は前記凹部と弁ケーシングに形成されたピン挿通孔とに係合し、バネ押さえと弁座とが一体に形成され、第2機構と第3機構とはバネ押さえを開弁方向へ付勢するバネを備え、更に、開弁時のバネ押さえと弁ケーシングとの摺接部から弁ケーシング外への漏水を防止するOリングを備えることを特徴とする請求項1に記載の圧力逃がし弁。
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