JP2021092277A - 吊りボルト用固定金具及び該金具を用いた構造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】吊りボルトに容易に取り付けることができ、たとえ締付ボルトが緩んだとしても吊りボルトとの螺合が外れることのない金具を提供する。【課題を解決するための手段】本発明に係る吊りボルト用固定金具10は、板状の支持部材20と、前記支持部材20に固定され、半円筒状の内面に雌ネジ36が形成された螺合部材22と、該支持部材20に締結される締結部38と、該締結部38と一体的に形成され前記螺合部材22と対峙して離隔接近させられ該螺合部材22の雌ネジ36に螺合させられた吊りボルト14を押圧し得る押圧部40と、前記締結部38と一体的に形成された載置部42とを備えた押圧載置部材24と、前記支持部材20と押圧載置部材24の締結部38とを締結する締結部材26とを備えた。【選択図】図1
Description
本発明は、吊りボルト用固定金具及び該金具を用いた構造物に関する。
ビルなどの鉄筋コンクリート製の構造物では、天井面から間隔を開けて室内の天井面を構成する化粧パネルが取り付けられている。天井面と化粧パネルとの間の天井裏空間には、電気用・通信用のケーブルや、空調用のダクト、空調設備や照明設備などが配設されている。これらケーブルやダクトなどは、コンクリート製の天井面に一端が埋設固定されて吊り下げられ、他端に取り付け治具を設けた吊りボルトを多数設け、その取り付け治具に取り付けられて、吊りボルトと吊りボルトとの間を張り渡されている。新設の構造物の場合は、天井用の化粧パネルが貼られていない場合があるが、脚立足場での高所作業となる。既設の構造物の場合は、天井用の化粧パネルが貼られているため、コンクリート造の天井面と化粧パネルとの間の狭い天井裏空間での作業となる。
従来より、ダクトや大きい配管などや空調設備などを設置する場合、図10に示すように、隣接する2本の吊りボルト100,100の間に連結部材102を張り渡し、その上に配管104などをU字ボルト106などにより固定している。連結部材102を吊りボルト100,100に固定するには、先ずナット108,108を吊りボルト100,100に実線で示す位置まで螺合させた後、連結部材102の両端をそれぞれ吊りボルト100,100に差し込む。その後、別のナット110,110を吊りボルト100,100に螺合させて、連結部材102が水平になるようにナット110,110の位置調整をした後、ナット108,108を二点鎖線で示す位置まで締め付ける。
このような作業が配管104等を敷設する全ての吊りボルト100,100に対して行う必要があった。このナット108,108,110,110を吊りボルト100,100に螺合させる作業は、時間と労力を要するものであった。
上記作業を効率化させる金具として特許文献1が提案されている。しかし、特許文献1の図1から図3に示す実施例は、アームに上方向の力が加わると、瞬時に吊りボルトとの螺合が外れてしまう恐れがあった。また、同図4から図7に示す実施例は、吊りボルトの両側から押さえ込むボルトが緩むと、螺合が外れて落下する恐れがあった。
上記した問題に鑑み、本発明の課題は、吊りボルトに容易に取り付けることができ、たとえ締付ボルトが緩んだとしても吊りボルトとの螺合が外れることのない金具を提供することにある。
上記した課題を解決するために、本発明に係る吊りボルト用固定金具は、構造物から吊り下げられた軸部に雄ネジが形成された吊りボルトの任意の箇所に固定し得る吊りボルト用固定金具において、前記吊りボルトに沿う長手方向を有する板状の支持部材と、前記長手方向に沿って前記支持部材に固定され、半円筒状の内面に雌ネジが形成された螺合部材と、前記支持部材に締結される締結部と、該締結部と一体的に形成され前記螺合部材と対峙して離隔接近させられ該螺合部材の雌ネジに螺合させられた吊りボルトを押圧し得る押圧部と、前記締結部と一体的に形成された載置部とを備えた押圧載置部材と、前記支持部材と押圧載置部材の締結部を締結する締結部材とを備えたことにある。
かかる吊りボルト用固定金具において、前記押圧載置部材は、前記支持部材と前記締結部とを締結する締結部材を中心に回動し得て、前記押圧部が前記螺合部材に離隔接近させられることにある。
また、かかる吊りボルト用固定金具において、前記支持部材と押圧載置部材との相対的な回動を停止させる係合突起を該支持部材及び/又は押圧載置部材に設けたことにある。
また、かかる吊りボルト用固定金具において、前記押圧載置部材の該締結部又は前記支持部材のいずれか一方に長孔を備え、該長孔に嵌合させられ且つ該長孔に沿って摺動し得る摺動部を前記支持部材又は該締結部のいずれか一方に備え、前記押圧部が前記螺合部材に離隔接近させられることにある。
また、かかる吊りボルト用固定金具において、前記押圧載置部材の押圧部が前記螺合部材に付勢される付勢手段を設けたことにある。
本発明に係る吊りボルト用固定金具を用いた構造物において、上記記載の吊りボルト用固定金具からなる第1の吊りボルト用固定金具と、該第1の吊りボルト用固定金具と対称な構造の第2の吊りボルト用固定金具とを備え、前記構造物から吊り下げられた1対の吊りボルトにそれぞれ固定され、該第1の吊りボルト用固定金具と第2の吊りボルト用固定金具の押圧載置部材に跨る連結部材を取り付けたことにある。
本発明に係る構造物は、上記いずれかに記載の吊りボルト用固定金具を用いて建築されたことにある。
本発明に係る吊りボルト用固定金具によれば、吊りボルトの軸部に形成されている適切な箇所の雄ネジに、螺合部材の半円筒状の内面に形成されている雌ネジを螺合させる。次いで、押圧載置部材の締結部と一体的に形成されている押圧部を螺合部材の雌ネジに螺合する吊りボルトの側面側に接近させて、支持部材と押圧載置部材の締結部とを締結部材により締結する。この操作だけで吊りボルト用固定金具を吊りボルトに取り付けることができる。吊りボルトに対する高さ調節が必要なときは、吊りボルトに対して取り付けられた吊りボルト用固定金具を回転させるだけで、吊りボルトの雄ネジに沿って、上方向又は下方向に移動させることができ、高さ調節ができる。
本発明に係る吊りボルト用固定金具において、押圧載置部材に直接、配線ケーブルやダクトを載置して固定することも可能である。また、対をなして吊り下げられている吊りボルトにはそれぞれ吊りボルト用固定金具が取り付けられ、1対の吊りボルト用固定金具に跨る連結部材を押圧載置部材に取り付け、その連結部材に配線ケーブルやダクトなどを取り付けたり、空調設備などを取り付けたりすることができる。
次に、本発明に係る吊りボルト用固定金具の実施態様を各種説明する。共通する部材等については共通の符号を付して、説明を省略することがある。
〔実施態様1〕
(吊りボルト)
本発明に係る吊りボルト用固定金具(以下「本金具」という。)10は、図1に示すように、構造物12に吊り下げられた吊りボルト14の任意の箇所に取り付けられる。構造物12は、ビルやトンネルなどの鉄筋コンクリート製の建造物であることが多いが、これらに限定されるものではない。吊りボルト14は、軸部16の表面全体に雄ネジ18が形成されている。吊りボルト14の有効径は、吊り下げられる対象物の重量に応じて設定される。吊りボルト14の材質は、湿度の高い環境で用いられる場合は、ステンレススチールやメッキや防錆処理が施された鋼が選定され、通常は鋼材が使用される。吊りボルト14は、一端がU字状やL字状に曲げられてコンクリートに埋設固定され、他端がほぼ鉛直下方に吊り下げられる。
(吊りボルト)
本発明に係る吊りボルト用固定金具(以下「本金具」という。)10は、図1に示すように、構造物12に吊り下げられた吊りボルト14の任意の箇所に取り付けられる。構造物12は、ビルやトンネルなどの鉄筋コンクリート製の建造物であることが多いが、これらに限定されるものではない。吊りボルト14は、軸部16の表面全体に雄ネジ18が形成されている。吊りボルト14の有効径は、吊り下げられる対象物の重量に応じて設定される。吊りボルト14の材質は、湿度の高い環境で用いられる場合は、ステンレススチールやメッキや防錆処理が施された鋼が選定され、通常は鋼材が使用される。吊りボルト14は、一端がU字状やL字状に曲げられてコンクリートに埋設固定され、他端がほぼ鉛直下方に吊り下げられる。
(吊りボルト用固定金具)
本金具10は、支持部材20と、螺合部材22と、押圧載置部材24及び締結部材26とを備えて構成されている。
本金具10は、支持部材20と、螺合部材22と、押圧載置部材24及び締結部材26とを備えて構成されている。
(支持部材)
支持部材20は、吊りボルト14に沿う長手方向に平面視L字状部分28が形成された板状体30で構成されている。支持部材20は、板状体30の中心より上側に締結孔32が設けられていて、締結孔32には締結部材26であるボルトの軸部が通されている。また、板状体30の下部には、係合突起34が形成されている。係合突起34は、押圧載置部材24の端面と係合し得る大きさに形成されている。係合突起34は、板状体30の裏面側からプレスにより押し出し、突起を形成するのが好ましいが、板状体30の端部に切込みを入れて折り曲げることにより、突起を形成することも好ましい。係合突起34は、その他、溶接により肉盛りしたり、他の部材を溶接したりして形成しても良い。
支持部材20は、吊りボルト14に沿う長手方向に平面視L字状部分28が形成された板状体30で構成されている。支持部材20は、板状体30の中心より上側に締結孔32が設けられていて、締結孔32には締結部材26であるボルトの軸部が通されている。また、板状体30の下部には、係合突起34が形成されている。係合突起34は、押圧載置部材24の端面と係合し得る大きさに形成されている。係合突起34は、板状体30の裏面側からプレスにより押し出し、突起を形成するのが好ましいが、板状体30の端部に切込みを入れて折り曲げることにより、突起を形成することも好ましい。係合突起34は、その他、溶接により肉盛りしたり、他の部材を溶接したりして形成しても良い。
(螺合部材)
螺合部材22は、吊りボルト14の雄ネジ18と螺合し得る雌ネジ36が形成された半円筒形の内面を備えている。螺合部材22の外形は、図示するような半円筒形状であっても良いが、限定されるものではない。支持部材20のL字状部分28に収まる形状であれば良い。螺合部材22と支持部材20とは、溶接などにより強固に固着される。吊りボルト14の雄ネジ18に螺合部材22の半円筒形の内面に形成された雌ネジ36が螺合されることにより、支持部材20は吊りボルト14に対して直角に取り付けられる。螺合部材22は、たとえば円柱部材や角柱部材に軸方向に孔を開け、その孔に雌ネジを形成した後、軸方向に切断して、同時に2個取りするのが好ましい。
螺合部材22は、吊りボルト14の雄ネジ18と螺合し得る雌ネジ36が形成された半円筒形の内面を備えている。螺合部材22の外形は、図示するような半円筒形状であっても良いが、限定されるものではない。支持部材20のL字状部分28に収まる形状であれば良い。螺合部材22と支持部材20とは、溶接などにより強固に固着される。吊りボルト14の雄ネジ18に螺合部材22の半円筒形の内面に形成された雌ネジ36が螺合されることにより、支持部材20は吊りボルト14に対して直角に取り付けられる。螺合部材22は、たとえば円柱部材や角柱部材に軸方向に孔を開け、その孔に雌ネジを形成した後、軸方向に切断して、同時に2個取りするのが好ましい。
(押圧載置部材)
押圧載置部材24は、締結部38と、押圧部40及び載置部42を備えて構成されている。締結部38は、正面視L字形をした平板であり、支持部材20の締結孔32に対応する位置に雌ネジ(締結孔)44が形成されていて、締結部材(ボルト)26によって支持部材20と押圧載置部材24の締結部38とが締結される。雌ネジ44に替えて単なる孔で形成し、別途ナットを用いて締結しても良い。締結部材26の締結力を緩めることにより、締結部38は支持部材20に対して締結部材26の軸心を中心に回動し得て、支持部材20に形成されている係合突起34を乗り越えて回動させることができる。
押圧載置部材24は、締結部38と、押圧部40及び載置部42を備えて構成されている。締結部38は、正面視L字形をした平板であり、支持部材20の締結孔32に対応する位置に雌ネジ(締結孔)44が形成されていて、締結部材(ボルト)26によって支持部材20と押圧載置部材24の締結部38とが締結される。雌ネジ44に替えて単なる孔で形成し、別途ナットを用いて締結しても良い。締結部材26の締結力を緩めることにより、締結部38は支持部材20に対して締結部材26の軸心を中心に回動し得て、支持部材20に形成されている係合突起34を乗り越えて回動させることができる。
正面視L字形の締結部38には、一体的に押圧部40が形成されている。押圧部40は、押圧載置部材24が支持部材20に固定されているとき、螺合部材22と対峙する位置に形成されていて、螺合部材22の雌ネジ36に螺合されている吊りボルト14の外表面を押圧し得るように円弧状に形成されている。ここで押圧とは、付勢力をもって吊りボルト14の外表面を押圧することを意味しない。押圧部40と螺合部材22との間に配設されている吊りボルト14が軸方向と直角方向に移動しようとするとき、移動できないようにすることである。押圧載置部材24は、支持部材20の締結孔32すなわち締結部材26の軸心を中心に回動し得て、押圧載置部材24の押圧部40は螺合部材22に対して離隔接近させられる。押圧部40が正面視反時計方向に回動させられたとき、押圧部40と螺合部材22とが当接させられる。押圧部40が正面視時計方向に回動させられるとき、締結部38の端部が係合突起34と係合して回動が停止されるが、締結部材26の締結を緩めることにより締結部38が係合突起34を乗り越えて回動させることができ、押圧部40と螺合部材22との間が大きく開けられ、吊りボルト14の軸部16を挿入することができる。このように、押圧部40が螺合部材22に接近させられている状態から離隔させられる状態に回動し得るために、押圧部40は締結部材26の軸心から偏心させられた位置に形成されている。
載置部42は締結部38に対して直角に曲げられていて、押圧部40が螺合部材22との間で吊りボルト14の軸部16を押圧している状態で、ほぼ水平方向になるように形成されている。載置部42のほぼ中央部には、ボルト46が立設させられている。ボルト46は、載置部42に固定されているのが好ましく、溶接されたり、圧入されたりしている。ボルト46は、他の部材を固定したり、たとえば後述する連結部材を固定したりするために用いられる。
(締結部材)
締結部材26は、一般的にボルト・ナットが用いられるが、支持部材20の締結孔32又は締結部38の締結孔のいずれか一方に雌ネジを形成しても良い。また、ナットの緩み止の目的で、ダブルナットとすることも可能である。さらに、ボルト側、ナット側のいずれかにワッシャーを配設することも可能である。
締結部材26は、一般的にボルト・ナットが用いられるが、支持部材20の締結孔32又は締結部38の締結孔のいずれか一方に雌ネジを形成しても良い。また、ナットの緩み止の目的で、ダブルナットとすることも可能である。さらに、ボルト側、ナット側のいずれかにワッシャーを配設することも可能である。
(作用・効果)
本金具10は、締結部材26の締結が緩められ、支持部材20に対して押圧載置部材24が回動させられ、押圧載置部材24の押圧部40と螺合部材22との間が開けられる。このような状態で、吊りボルト14の軸部16の本金具10を取り付けるべき位置に本金具10を持って行き、押圧部40と螺合部材22との間に吊りボルト14の軸部16を入れる。吊りボルト14の軸部16に形成されている雄ネジ18に螺合部材22の雌ネジ36を螺合させた後、押圧載置部材24を締結部材26の周りに回動させ、押圧部40を吊りボルト14の軸部16に押圧させる。次いで、締結部材26により支持部材20と押圧載置部材24とを固定する。この作業で、本金具10を吊りボルト14に容易に取り付けることができる。また、本金具10を取り付けた吊りボルト14に対する位置が若干上下しているとき、本金具10を吊りボルト14に対して回転させ、適切な位置に上下させることができる。
本金具10は、締結部材26の締結が緩められ、支持部材20に対して押圧載置部材24が回動させられ、押圧載置部材24の押圧部40と螺合部材22との間が開けられる。このような状態で、吊りボルト14の軸部16の本金具10を取り付けるべき位置に本金具10を持って行き、押圧部40と螺合部材22との間に吊りボルト14の軸部16を入れる。吊りボルト14の軸部16に形成されている雄ネジ18に螺合部材22の雌ネジ36を螺合させた後、押圧載置部材24を締結部材26の周りに回動させ、押圧部40を吊りボルト14の軸部16に押圧させる。次いで、締結部材26により支持部材20と押圧載置部材24とを固定する。この作業で、本金具10を吊りボルト14に容易に取り付けることができる。また、本金具10を取り付けた吊りボルト14に対する位置が若干上下しているとき、本金具10を吊りボルト14に対して回転させ、適切な位置に上下させることができる。
取り付けられた本金具10は、載置部材24に配管などを取り付けることにより、締結部材26の周りを反時計方向に回動させる方向に力が作用するため、押圧部40は吊りボルト14の軸部16を押圧する方向に力が作用する。したがって、締結部材26の締結が緩んだとしても、押圧部40は吊りボルト14の軸部16を押圧して螺合部材22との螺着がますます強固なものとなり、本金具10が吊りボルト14の軸部16から脱落することはない。また、何らかの原因で押圧載置部材24に時計方向に回動させる力が加わることがあったとしても、押圧載置部材24の締結部38の端部が係合突起34と係合して、回動が停止させられるので、本金具10が吊りボルト14から脱落することはない。
〔他の実施態様〕
以上、本発明に係る本金具を詳述したが、かかる実施態様に限定されるものではない。他の実施態様を説明するのにあたり、同一の機能・構成である場合は、同一の符号を付して説明を省略することがある。
以上、本発明に係る本金具を詳述したが、かかる実施態様に限定されるものではない。他の実施態様を説明するのにあたり、同一の機能・構成である場合は、同一の符号を付して説明を省略することがある。
〔実施態様2〕
本金具10は主として図2に示すように、一対の吊りボルト14,14のそれぞれに取り付けられ、更にこれら2つの本金具10,10Aを連結する連結部材48が設けられる。本金具10Aは、本金具10と全く同じものを使用することも可能であるが、向きが反転してしまうため、連結部材48が吊りボルト14,14に対して斜めに取り付けられることになる。そこで、本金具10Aは、本金具10と線対称に構成されるのが好ましい。本金具10Aの構成は、本金具10の構成と実質同じであるので、主な部材等に関して同じ符号にAを付して表示し、説明を省略する。
本金具10は主として図2に示すように、一対の吊りボルト14,14のそれぞれに取り付けられ、更にこれら2つの本金具10,10Aを連結する連結部材48が設けられる。本金具10Aは、本金具10と全く同じものを使用することも可能であるが、向きが反転してしまうため、連結部材48が吊りボルト14,14に対して斜めに取り付けられることになる。そこで、本金具10Aは、本金具10と線対称に構成されるのが好ましい。本金具10Aの構成は、本金具10の構成と実質同じであるので、主な部材等に関して同じ符号にAを付して表示し、説明を省略する。
連結部材48はL字鋼や□形鋼などを用いるのが強度的に好ましいが、その上に設置されるダクトや配管などが軽量であるときは、平板が用いられる。連結部材48は両端にボルト孔が開けられていて、それぞれのボルト孔に本金具10,10Aのボルト46,46Aが通され、ナットで締め付けられる。連結部材48の上には、配管50a,50bなどがU字ボルト52a,52bで固定されるが、公知であるので説明を省略する。
本実施態様において、吊りボルト14,14に取り付けられた本金具10,10Aは、吊りボルト14,14の雄ネジ18に螺合しているが、雄ネジ18に対して回転させることができるため、本金具10,10Aをそれぞれ適宜回転させてネジの1ピッチ単位で左右のバランスを簡単に調整することができる。また、本金具10,10Aの締結部材26,26Aが緩むことがあったとしても、本金具10,10Aの押圧部40,40Aはいずれも吊りボルト14,14を押圧する方向に作用するため、吊りボルト14,14から脱落・落下することはない。
〔実施態様3〕
図3に示すように、本金具54は、支持部材56を平板で形成し、その支持部材56に外形が角形の螺合部材58を溶接などで固着しても良い。各部品の構成が単純であるので、安価に製造できる。その他の構成及び作用は実施態様1と同様であるので、説明を省略する。
図3に示すように、本金具54は、支持部材56を平板で形成し、その支持部材56に外形が角形の螺合部材58を溶接などで固着しても良い。各部品の構成が単純であるので、安価に製造できる。その他の構成及び作用は実施態様1と同様であるので、説明を省略する。
〔実施態様4〕
図4に示すように、本金具60は、締結部材26を緩めて吊りボルト14に取り付けるとき、押圧載置部材62が締結部材26を中心に正面視反時計方向に回動し得るように構成することも可能である。本実施態様では、押圧載置部材62の荷重作用位置(ボルト46の位置)が、押圧載置部材62の支持部材20に対する回転中心(締結部材26)よりも押圧部40側にあるため、締結部材26が緩んだとき、押圧部40が吊りボルト14を押圧する方向に動き、より強固に吊りボルト14に固定される。
図4に示すように、本金具60は、締結部材26を緩めて吊りボルト14に取り付けるとき、押圧載置部材62が締結部材26を中心に正面視反時計方向に回動し得るように構成することも可能である。本実施態様では、押圧載置部材62の荷重作用位置(ボルト46の位置)が、押圧載置部材62の支持部材20に対する回転中心(締結部材26)よりも押圧部40側にあるため、締結部材26が緩んだとき、押圧部40が吊りボルト14を押圧する方向に動き、より強固に吊りボルト14に固定される。
〔実施態様5〕
図5に示すように、係合突起66は支持部材20に設ける必要はなく、たとえば押圧載置部材24の締結部38に設けても良い。係合突起66は支持部材20の端部と係合させられる。係合突起66は締結部材26が緩んだとき、押圧載置部材24が不用意に回動するのを防止できれば良く、その機能を果たすことができる位置であれば、何処であるかを問わない。
図5に示すように、係合突起66は支持部材20に設ける必要はなく、たとえば押圧載置部材24の締結部38に設けても良い。係合突起66は支持部材20の端部と係合させられる。係合突起66は締結部材26が緩んだとき、押圧載置部材24が不用意に回動するのを防止できれば良く、その機能を果たすことができる位置であれば、何処であるかを問わない。
〔実施態様6〕
図6に示すように、本金具68は、支持部材20と押圧載置部材24との間に引張コイルバネ70を配設しても良い。引張コイルバネ70の一端は支持部材20の端部72に固定され、他端は押圧載置部材24の締結部38に設けられた係止穴74に固定されている。押圧載置部材24を二点鎖線で示す位置まで回動させることにより、引張コイルバネ70は引っ張られ、押圧載置部材24は実線で示す元の位置に戻ろうとする。
図6に示すように、本金具68は、支持部材20と押圧載置部材24との間に引張コイルバネ70を配設しても良い。引張コイルバネ70の一端は支持部材20の端部72に固定され、他端は押圧載置部材24の締結部38に設けられた係止穴74に固定されている。押圧載置部材24を二点鎖線で示す位置まで回動させることにより、引張コイルバネ70は引っ張られ、押圧載置部材24は実線で示す元の位置に戻ろうとする。
このように構成することにより、本金具68を吊りボルト14に取り付けるとき、押圧載置部材24を所定の位置にまで回動させておき、押圧部40と螺合部材22との間に吊りボルト14の軸部16を差し込む。その後、引張コイルバネ70の付勢力によって、押圧載置部材24が元の位置に戻ることにより、本金具68は吊りボルト14に取り付けられる。その後、締結部材26を締め付けることにより、締結が完了する。このように構成することにより、本金具68の取付け時に、押圧載置部材24を押さえ付けながら締結部材26を締め付ける必要がなく、本金具68の取付け作業が楽になる。
〔実施態様7〕
以上の実施態様はいずれも押圧載置部材24を回動させて吊りボルト14に本金具を取り付ける構成であったが、次のように構成することも可能である。すなわち図7に示すように、本金具76は、押圧載置部材78の締結部80に長孔82からなる締結孔を設け、その長孔82に嵌合されると共に長孔82に沿って摺動させられる摺動部84を支持部材86に設ける。かかる構成により、支持部材86に設けられた摺動部84に沿って押圧載置部材78が長孔82の範囲内で摺動させられる。押圧載置部材78をスライドさせて、螺合部材22と押圧部40との間を広げ、その間に吊りボルト14を入れる。その後、押圧部40で吊りボルト14を押圧するように押圧載置部材78を長孔82に沿って摺動させた後、締結部材26を締め付ける。
以上の実施態様はいずれも押圧載置部材24を回動させて吊りボルト14に本金具を取り付ける構成であったが、次のように構成することも可能である。すなわち図7に示すように、本金具76は、押圧載置部材78の締結部80に長孔82からなる締結孔を設け、その長孔82に嵌合されると共に長孔82に沿って摺動させられる摺動部84を支持部材86に設ける。かかる構成により、支持部材86に設けられた摺動部84に沿って押圧載置部材78が長孔82の範囲内で摺動させられる。押圧載置部材78をスライドさせて、螺合部材22と押圧部40との間を広げ、その間に吊りボルト14を入れる。その後、押圧部40で吊りボルト14を押圧するように押圧載置部材78を長孔82に沿って摺動させた後、締結部材26を締め付ける。
かかる構成において、支持部材86と押圧載置部材78(締結部84)との間に引張コイルバネ70を設けておくのが好ましい。螺合部材22と押圧部40との間を広げるように押圧載置部材78をスライドさせたとき、引張コイルバネ70により螺合部材22と押圧部40との間が狭まるように作用し、締結部材26を締め付ける間の仮止めとして機能させることができる。
〔実施態様8〕
本発明に係る本金具10は吊りボルト14の軸部16の途中から取り付けることができる。したがって、図8に示すように、たとえば吊りボルト14、14の最下部に本金具10,10を用いて連結部材48を橋渡しする。その連結部材48にたとえば配管50a,50bなどをU字ボルト52a,52bで固定して、設備等の工事を完了する。以上の構成の説明は実施態様2(図2)と同様であるので省略する。その後、設備の増設の必要が生じたとき、既設の設備90と構造物12との間に空間がある場合、設備90を取り除くことなく、設備90と構造物12との間にある吊りボルト14の中間部分に新たな本金具10,10を取り付ける。本金具10,10は吊りボルト14の軸部16に対して側面から取り付けることができる。したがって、設備90を形成するのと同様にして、新たな設備92を設備90と構造物12との間に形成する。
本発明に係る本金具10は吊りボルト14の軸部16の途中から取り付けることができる。したがって、図8に示すように、たとえば吊りボルト14、14の最下部に本金具10,10を用いて連結部材48を橋渡しする。その連結部材48にたとえば配管50a,50bなどをU字ボルト52a,52bで固定して、設備等の工事を完了する。以上の構成の説明は実施態様2(図2)と同様であるので省略する。その後、設備の増設の必要が生じたとき、既設の設備90と構造物12との間に空間がある場合、設備90を取り除くことなく、設備90と構造物12との間にある吊りボルト14の中間部分に新たな本金具10,10を取り付ける。本金具10,10は吊りボルト14の軸部16に対して側面から取り付けることができる。したがって、設備90を形成するのと同様にして、新たな設備92を設備90と構造物12との間に形成する。
なお、設備90と構造物12との間に空間がない場合で、設備90の下側に吊りボルト14の軸部16が長いときは、設備90の下部に設備92を形成することになる。また同様に、吊りボルト14の軸部16が充分長い場合や、吊りボルト14の構造物12への埋設強度が充分ある場合は、設備90、92に更に設備を3段、4段と増設することも可能である。
〔実施態様9〕
図9(a)に示すように、本金具94は、押圧載置部材96を長く形成することも可能である。押圧載置部材96の長さを長くすることによって、押圧載置部材96の上に直接、配管50などを設置することができる。本例の場合、連結部材を必要としない。配管50やダクトなどは、U字ボルト52などによって固定される。
図9(a)に示すように、本金具94は、押圧載置部材96を長く形成することも可能である。押圧載置部材96の長さを長くすることによって、押圧載置部材96の上に直接、配管50などを設置することができる。本例の場合、連結部材を必要としない。配管50やダクトなどは、U字ボルト52などによって固定される。
押圧載置部材96の長さを長く設定するのにあたり、載置部97のみを長くし、支持部材20は実施態様1(図1)と同じ部材を利用しても良いが、支持部材も同じく長くすることも可能である。また、本実施態様9は片持ち状態に荷重が作用することから、螺合部材22及び押圧部40の長さを長くするのが好ましい。
押圧載置部材96の載置部97には配管50やダクトなどが載置されるが、これら配管50などの直径は大小様々であり、これらを固定するU字ボルト52の軸径や軸間隔も様々である。そこで、同図9(b)に示すように、U字ボルト52の軸を通す孔98を、使用が想定されるU字ボルト52の軸径の最大寸法からなる長円の孔とし、U字ボルト52の最小サイズから最大サイズまで対応できるように、複数箇所に孔98を設けるのが好ましい。かかる構成は、図2や図8に示す連結部材48においても適用できる。
図示を省略するが、押圧載置部材の押圧部の内面にラバーなどを貼り付けておき、吊りボルト14との密着性を高めることも可能である。
その他、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正又は変形を加えた態様で実施できる。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、何れかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。
10、54、60、68、76、94:吊りボルト用固定金具(本金具)
12:構造物
14:吊りボルト
16:軸部
18:雄ネジ
20、56、86:支持部材
22、58:螺合部材
24、62、78、96:押圧載置部材
26:締結部材
32:締結孔
34、66:係合突起
36:雌ネジ
38、80、84:締結部
40:押圧部
42:載置部
44:雌ネジ(締結孔)
48:連結部材
70:引張コイルバネ
12:構造物
14:吊りボルト
16:軸部
18:雄ネジ
20、56、86:支持部材
22、58:螺合部材
24、62、78、96:押圧載置部材
26:締結部材
32:締結孔
34、66:係合突起
36:雌ネジ
38、80、84:締結部
40:押圧部
42:載置部
44:雌ネジ(締結孔)
48:連結部材
70:引張コイルバネ
Claims (7)
- 構造物から吊り下げられた軸部に雄ネジが形成された吊りボルトの任意の箇所に固定し得る吊りボルト用固定金具において、
前記吊りボルトに沿う長手方向を有する板状の支持部材と、
前記長手方向に沿って前記支持部材に固定され、半円筒状の内面に雌ネジが形成された螺合部材と、
前記支持部材に締結される締結部と、該締結部と一体的に形成され前記螺合部材と対峙して離隔接近させられ該螺合部材の雌ネジに螺合させられた吊りボルトを押圧し得る押圧部と、前記締結部と一体的に形成された載置部とを備えた押圧載置部材と、
前記支持部材と押圧載置部材の締結部を締結する締結部材と、
を備えた吊りボルト用固定金具。 - 前記押圧載置部材は、前記支持部材と前記締結部とを締結する締結部材を中心に回動し得て、前記押圧部が前記螺合部材に離隔接近させられる前記請求項1に記載の吊りボルト用固定金具。
- 前記支持部材と押圧載置部材との相対的な回動を停止させる係合突起を該支持部材及び/又は押圧載置部材に設けた前記請求項1又は2に記載の吊りボルト用固定金具。
- 前記押圧載置部材の該締結部又は前記支持部材のいずれか一方に長孔を備え、該長孔に嵌合させられ且つ該長孔に沿って摺動し得る摺動部を前記支持部材又は該締結部のいずれか一方に備え、前記押圧部が前記螺合部材に離隔接近させられる前記請求項1に記載の吊りボルト用固定金具。
- 前記押圧載置部材の押圧部が前記螺合部材に付勢される付勢手段を設けた前記請求項1から4のいずれかに記載の吊りボルト用固定金具。
- 前記請求項1から5までのいずれかに記載の吊りボルト用固定金具からなる第1の吊りボルト用固定金具と、該第1の吊りボルト用固定金具と対称な構造の第2の吊りボルト用固定金具とを備え、前記構造物から吊り下げられた1対の吊りボルトにそれぞれ固定され、該第1の吊りボルト用固定金具と第2の吊りボルト用固定金具の押圧載置部材に跨る連結部材を取り付けた構造物。
- 前記請求項1から6までのいずれかに記載の吊りボルト用固定金具を用いて建築された構造物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019223355A JP2021092277A (ja) | 2019-12-11 | 2019-12-11 | 吊りボルト用固定金具及び該金具を用いた構造物 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2021092277A true JP2021092277A (ja) | 2021-06-17 |
Family
ID=76312039
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2019223355A Pending JP2021092277A (ja) | 2019-12-11 | 2019-12-11 | 吊りボルト用固定金具及び該金具を用いた構造物 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2021092277A (ja) |
-
2019
- 2019-12-11 JP JP2019223355A patent/JP2021092277A/ja active Pending
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