JP2021089144A - 位置推定装置、位置推定方法及び位置推定プログラム - Google Patents

位置推定装置、位置推定方法及び位置推定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】位置の推定精度を向上することが可能な位置推定装置、位置推定方法及び位置推定プログラムを提供する。【解決手段】位置情報サーバ10は、発信機から発信された無線信号の受信信号強度に基づいて発信機と受信機との距離を算出し、異なる位置に配置した複数の受信機と発信機との距離の算出結果に基づいて発信機の位置を推定する位置推定装置であって、受信機が受信した受信信号強度の測定値を取得する位置測定情報取得部104と、複数の受信機が配置された位置測定領域における無線受信状況を取得する受信状況取得部101と、取得された無線受信状況に基づいてフィルタの強度を調整するフィルタ調整部102と、調整された強度のフィルタを適用して、位置測定領域における発信機の位置を推定する位置推定部105と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、位置推定装置、位置推定方法及び位置推定プログラムに関する。
近年、電子機器の位置を推定する位置推定システムの利用が広がっている。位置推定システムとして、GPS(Global Positioning System)衛星を使用して屋外の位置情報を算出するシステムの他に、GPS衛星の電波が受信できない屋内の位置情報を入手するため、Bluetooth(登録商標)や無線LAN(Local Area Network)信号を用いるシステムが実現されている。
これらのシステムでは、受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)に基づいて位置を推定する3点測位法が用いられている。関連する技術として、例えば、特許文献1や2が知られている。特許文献1や2などの関連する技術では、複数の受信機を設置した環境において発信機の発信信号を受信し、各受信機が受信した受信信号の信号強度から発信機の位置を推定している。
特開2006−71516号公報 特開2016−48205号公報
上記のように関連する技術では、3点測位法により、3点の位置に設置された受信機が受信する信号の信号強度に基づいて発信機の位置を推定する。しかしながら、関連する技術では、発信機と受信機間の環境等によって位置の算出に誤差が生じるため、精度よく位置を推定することが困難であるという課題がある。
本発明は、発信機から発信された無線信号の受信信号強度に基づいて前記発信機と受信機との距離を算出し、異なる位置に配置した複数の受信機と前記発信機との距離の算出結果に基づいて前記発信機の位置を推定する位置推定装置であって、前記受信機が受信した受信信号強度の測定値を取得する位置測定情報取得部と、前記複数の受信機が配置された位置測定領域における無線受信状況を取得する受信状況取得部と、前記取得された無線受信状況に基づいてフィルタの強度を調整するフィルタ調整部と、前記調整された強度のフィルタを適用して、前記位置測定領域における前記発信機の位置を推定する位置推定部と、を備える、位置推定装置を提供する。
本発明は、発信機から発信された無線信号の受信信号強度に基づいて前記発信機と受信機との距離を算出し、異なる位置に配置した複数の受信機と前記発信機との距離の算出結果に基づいて前記発信機の位置を推定する位置推定方法であって、前記受信機が受信した受信信号強度の測定値を取得し、前記複数の受信機が配置された位置測定領域における無線受信状況を取得し、前記取得された無線受信状況に基づいてフィルタの強度を調整し、前記調整された強度のフィルタを適用して、前記位置測定領域における前記発信機の位置を推定する、位置推定方法を提供する。
本発明は、発信機から発信された無線信号の受信信号強度に基づいて前記発信機と受信機との距離を算出し、異なる位置に配置した複数の受信機と前記発信機との距離の算出結果に基づいて前記発信機の位置を推定する処理をコンピュータに実行させるための位置推定プログラムであって、前記受信機が受信した受信信号強度の測定値を取得し、前記複数の受信機が配置された位置測定領域における無線受信状況を取得し、前記取得された無線受信状況に基づいてフィルタの強度を調整し、前記調整された強度のフィルタを適用して、前記位置測定領域における前記発信機の位置を推定する、位置推定プログラムを提供する。
本発明によれば、位置の推定精度を向上することが可能な位置推定装置、位置推定方法及び位置推定プログラムを提供することができる。
実施の形態1に係る位置推定システムの構成例を示す構成図である。 実施の形態1に係る受信機の設置例を示す設置エリアの平面図である。 実施の形態1に係る受信機の設置例を示す設置エリアの斜視図である。 実施の形態1に係る受信機の設置例を示す設置エリアの平面図である。 実施の形態1に係る位置情報サーバにおける位置情報演算部の構成例を示す構成図である。 実施の形態1に係るフィルタの適用例を示すグラフである。 実施の形態1に係るフィルタの適用例を示すグラフである。 実施の形態1に係る位置推定システムの動作例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係るキャリブレーション処理の例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る位置推定処理の例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係るキャリブレーション処理を説明するための図である。
(実施の形態1)
以下、図面を参照して実施の形態1について説明する。
<システム構成>
図1は、本実施の形態に係る位置推定システムの構成例を示す構成図であり、図2は、受信機の設置例を示す設置エリアの平面図であり、図3は、図2の設置例の一部の斜視図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る位置推定システム1は、発信機2、複数の受信機3、位置情報サーバ10を備える。位置推定システム1は、オブザーバである複数の受信機3が設置された屋内で、ブロードキャスタである発信機2が送信する位置測定用のビーコン信号Bpを用いて、発信機2の位置を測定するシステムである。例えば、ビーコン信号Bpは、Bluetooth Low Energy(BLE)のiBeacon(登録商標)などである。なお、ビーコン信号Bpは、Bluetoothに限らず、無線LAN等のその他の無線信号でもよい。
図2の例では、部屋などの屋内の設置エリア5に、複数の受信機3が、平面視でX方向及びY方向に一定の間隔でマトリクス状に配置されている。例えば、X方向に4個、Y方向に3個配置され、合計12個の受信機3が配置されている。複数の受信機3は、一定の間隔に限らず、任意の間隔で配置されてもよい。図2及び図3に示すように、例えば、3つの受信機3a〜3cに囲まれた設置エリア5の中の空間が位置測定領域6となる。受信機3a〜3cが、発信機2から受信するビーコン信号Bpの信号強度を測定し、その信号強度に基づいて、位置測定領域6の中で、3点測位法により発信機2の位置を推定する。
なお、複数の受信機3は、部屋の床や壁など任意の位置に配置してもよいが、発信機2からのビーコン信号Bpが障害物によって遮られることを避けるために、天井のような高い場所に設置することが好ましい。また、この例では、屋内に受信機3を設置しているが、屋内に限らず、屋外に受信機3を設置し、屋外で発信機2の位置を推定してもよい。
<システムの検討>
ここで、本実施の形態の理解を助けるため、図1〜図3に示したような位置推定システム1において、本実施の形態適用前に生じる問題について検討する。
位置推定システム1では、発信機2が全方位にビーコン信号Bpを送信し、それを受信機3が受信する。ビーコン信号Bpを受信した受信機3は、受信時の信号強度やビーコン信号BpのID情報などをまとめた上で、位置情報サーバ10に向けてEthernet(登録商標)等を使用してデータを送信する。
位置情報サーバ10は、受信機3から受信したビーコン信号Bpのデータを使用し、発信機2の位置を算出する。受信機3の正確な設置位置を位置情報サーバ10に入力することにより、位置算出が可能となる。上記のように、この位置の算出方法として、3点測位法を用いる。ビーコン信号Bpを受信機3が受信した際に、ビーコン信号Bpの受信信号強度を測定し、この値からどの程度離れた所からビーコン信号Bpが発信されているのかを算出することができる。3点測位法では、それぞれ別の位置に設置した受信機3からの3つの受信信号強度を使って距離を算出する。
しかしながら、Blueooth等の無線通信では、遮蔽物や妨害になる電波の存在などの受信環境によって受信信号強度が大きく変動し、位置推定の算出結果の誤差が膨らむため、受信信号強度の測定値をそのまま使って距離を算出した場合、算出結果の変動が大きく、正しい位置を算出することは困難である。
このような問題に対し、受信信号強度の変動を抑えることで位置の推定精度の向上を図るため、受信信号強度に対しフィルタを適用する方法が考えられる。この方法では、ローパスフィルタをかけることで受信信号強度の変動の影響を減少させることが可能となる。
しかし、フィルタを使用する方法では、どのタイミングでどの程度のフィルタをかけるべきか、すなわち、適切なフィルタ強度がどの程度であるのかが問題となる。例えば、フィルタ強度が強すぎると、受信信号強度の変動を必要以上に除去してしまうため、発信機の実際の位置が変わった場合に、推定位置の追従が遅くなる虞がある。一方、フィルタ強度が緩すぎると、フィルタの効果が薄れてしまうため、推定位置の誤差を抑えることができない。
そこで、本実施の形態では、実際の受信状況に応じたフィルタ強度の調整(キャリブレーションとも言う)を可能とする。具体的には、本実施の形態では、図4に示すように、受信機3が、発信機2からビーコン信号Bpを受信するオブザーバ機能に加えて、受信状況測定用のビーコン信号Bcを任意のタイミングで発信するブロードキャスタ機能を有し、一時的にオブザーバ機能からブロードキャスタ機能に切り替える。例えば、受信機3bから送信されたビーコン信号Bcは、その周辺にある受信機3a、3c〜3iによって受信され、その信号の受信状況によって、フィルタのかけ具合を調整する。例えば、受信状況が良い場合はフィルタ強度を緩くし、受信状況が悪い場合はフィルタ強度を強くすることで、適切に誤差の発生を抑える。なお、ビーコン信号Bcは、発信する機器を識別する識別情報以外は、発信機2が発信するビーコン信号Bpと同じ信号である。
なお、ここでは、受信機3がビーコン信号Bcを発信する例について説明するが、受信器3に限らず、位置が固定されたその他の装置からビーコン信号Bcを発信してもよい。
<装置構成>
次に、図1に示された本実施の形態に係る各装置の構成について説明する。発信機2は、位置測定のためのビーコン信号Bpを発信する発信機であり、位置測定対象の機器である。発信機2は、ビーコン送信部21、CPU(Central Processing Unit)22、記憶部23、電源24を備える。ビーコン送信部21は、BLE等の通信規格にしたがってビーコン信号Bpを無線送信する。ビーコン送信部21は、発信機2を識別するID情報を含むビーコン信号Bpを、定期的に周囲へブロードキャストする。
CPU22は、発信機2の各部を制御する制御部である。CPU22は、ビーコン信号Bpの送信タイミングや送信電力等を制御する。記憶部23は、発信機2の動作に必要な情報を記憶する記憶部である。記憶部23には、ビーコン信号Bpに組み込む情報の一つである発信機2のID情報等が記憶されている。電源24は、発信機2が動作するためのバッテリ電源等である。電源24は、発信機2に内蔵されていてもよいし、外部から供給されてもよい。
発信機2は、その他、必要に応じて、発信機2の向きを検出する地磁気センサーや、GPS信号を受信するGPS受信部、ユーザに情報を表示する表示部、暗号化/復号化のためのキー処理部等を備えてもよい。
受信機3は、発信機2からビーコン信号Bpを受信する受信機であるとともに、周囲の受信機3へビーコン信号Bcを発信する発信機でもある。受信機3は、ビーコン送受信部31、CPU32、Ethernet送受信部33、電源34を備える。ビーコン送受信部31は、BLE等の通信規格にしたがって発信機2及び他の受信機3から無線送信されたビーコン信号Bp及びBcを受信し、さらに、受信したビーコン信号Bp及びBcの信号強度を測定する。また、ビーコン送受信部31は、発信機2と同様に、受信機3のID情報を含むビーコン信号Bcを周囲へブロードキャストする。位置情報サーバ10からの指示に従ったタイミングでビーコン信号Bcを送信してもよいし、受信機3の判断するタイミングでビーコン信号Bcを送信してもよい。
CPU32は、受信機3の各部を制御する制御部である。CPU32は、発信機2及び他の受信機3から受信したビーコン信号Bp及びBcに含まれるID情報とビーコン信号Bp及びBcの受信信号強度から、位置情報サーバ10へ送信する信号強度測定情報を生成する。Ethernet送受信部33は、Ethernet規格にしたがい、ネットワーク4を介して位置情報サーバ10と通信を行う。Ethernet送受信部33は、受信したビーコン信号Bp及びBcのID情報と受信信号強度を含む信号強度測定情報を位置情報サーバ10へ送信する。電源34は、受信機3が動作するための電源である。電源34は、受信機3に内蔵されていてもよいし、外部から供給されてもよい。
位置情報サーバ10は、複数のビーコン信号Bpの受信信号強度に基づいて発信機2と受信機3との距離を算出し、異なる位置に配置した複数の受信機3と発信機2との距離の算出結果に基づいて、発信機2の位置を推定する位置推定装置である。位置情報サーバ10は、位置情報演算部100、地図情報管理部11、データベース12、Ethernet送受信部13、表示部14、CPU15、電源16を備える。
位置情報演算部100は、複数の受信機3が測定したビーコン信号Bpの信号強度に基づいて、発信機2の位置情報を演算する。位置情報演算部100は、各受信機3から発信機2が発信したビーコン信号BpのID情報及び受信信号強度を含む信号強度測定情報を受け取り、図3のように、各受信機3の地図上の位置関係と受信信号強度から算出される発信機2までの距離(例えば、距離d、d、d)を使用して、ID情報から識別される発信機2の位置を推定する。また、位置情報演算部100は、各受信機3から周囲の受信機3が発信したビーコン信号BcのID情報及び受信信号強度を含む信号強度測定情報受け取り、ビーコン信号Bcの受信信号強度に基づいて受信機3が配置された位置測定領域6の受信状況を判断し、その位置測定領域6における位置推定の演算に用いるフィルタの強度を調整する。
地図情報管理部11は、データベース12の地図情報を管理する。データベース12は、位置情報サーバ10の処理に必要な情報を記憶する。データベース12は、地図情報や、受信機3の地図上の位置、算出した発信機2の位置情報等を記憶する。Ethernet送受信部13は、Ethernet規格にしたがい、ネットワーク4を介して複数の受信機3と通信を行う。Ethernet送受信部13は、複数の受信機3から、各受信機3が受信したビーコン信号Bp及びBcのID情報及び受信信号強度を含む信号強度測定情報を受信する。
表示部14は、ユーザに情報を表示する表示部である。表示部14は、発信機2の位置情報を地図情報に重ね合わせて表示する。また、表示部14は、各受信機3の受信状況を表示してもよい。CPU15は、位置情報サーバ10の各部を制御する制御部である。例えば、CPU15は、位置情報演算部100が演算した発信機2の位置情報を表示部14に表示するよう制御する。電源16は、位置情報サーバ10が動作するための電源である。位置情報サーバ10は、その他、必要に応じて、暗号化/復号化のためのキー処理部等を備えてもよい。
図5は、位置情報サーバ10における位置情報演算部100の構成例を示している。図5に示すように、位置情報演算部100は、受信状況取得部101、フィルタ調整部102、フィルタ部103、位置測定情報取得部104、位置推定部105を備える。
受信状況取得部101は、複数の受信機3から、位置測定領域6における受信状況(無線受信状況)として、位置測定領域6で他の受信機3により発信されたビーコン信号Bcの受信信号強度を取得する。フィルタ調整部102は、受信状況取得部101が取得した受信状況、すなわち、受信機3によるビーコン信号Bcの受信信号強度に基づいて、フィルタ部103のフィルタ強度を調整する。フィルタ調整部102は、受信状況が悪いほど、フィルタ強度と強く設定し、受信状況が良いほど、フィルタ強度と弱く設定する。
フィルタ部103は、発信機2によるビーコン信号Bpの受信信号強度からノイズ(変動)成分を除去するローパスフィルタである。ここでは、ローパスフィルタの一例としてカルマンフィルタを使用する。本実施形態では、フィルタ部103は、フィルタ調整部102により調整された強度のカルマンフィルタを用いて、発信機2によるビーコン信号Bpの受信信号強度に対しフィルタ処理を実行する。
位置測定情報取得部104は、複数の受信機3から、発信機2の位置測定のための位置測定情報として、発信機2により発信されたビーコン信号Bpの受信信号強度を取得する。位置推定部105は、位置測定情報取得部104が取得した位置測定情報、すなわち、発信機2によるビーコン信号Bpの受信信号強度に基づいて、発信機2の位置を推定する。位置推定部105は、ビーコン信号Bpの受信信号強度に対し調整された強度のフィルタを適用して、位置測定領域6における発信機2の位置を推定する。3点測位法により位置を推定するため、位置推定部105は、複数の受信機3から取得したビーコン信号Bpの受信信号強度のうち、3つの受信信号強度を用いて、発信機2の位置を算出する。受信信号強度は大きい方がより安定した精度のよい値である可能性が高いため、例えば、大きい方から1番目〜3番目(上位1番目〜3番目)の受信信号強度を用いる。
<フィルタの原理>
次に、本実施の形態のフィルタ部103で使用するカルマンフィルタについて説明する。カルマンフィルタでは、現在の測定値(Z)と前回の予測値(Xk−1)を使用して、現在の予測値(X)を推定する。この例では、受信機3から発信されたビーコン信号Bcの受信信号強度が測定値となる。カルマンフィルタは、下記の式の演算で実現される。
=Xk-1+K(Z−Xk−1) ・・・(1)
式(1)におけるKはカルマンゲインであり、以下の式で求められる。
K=(P+Q)/(P+Q+R) ・・・(2)
式(2)における各パラメータは、Pが前回予測した際に演算した推定値であり、Qがプロセスノイズの分散であり、Rが測定のノイズの分散である。プロセスノイズは、システムが遷移する際に生じるノイズであり、この例ではほとんど影響しないと仮定して、一定値とする。
本実施の形態におけるフィルタの調整では、受信信号強度の測定ノイズが変化するため、その変化量の分散を使用してフィルタのかけ具合を調整する。例えば、図4において、受信機3bから発信したビーコン信号Bcを受信機3fが受信し、その受信信号強度が受信機3b−3f間の距離よりも明らかに大きい場合は受信機3b−3f間の受信状況が悪いと判断し、フィルタ強度を強くする。これにより、位置推定の演算において、安定しない受信信号強度の影響を受け難くする。
具体的には、本実施の形態では、フィルタ部103において、上記式(1)及び式(2)より、以下の式の演算によりカルマンフィルタ処理を行う。
=Xk−1+(P+Q)/(P+Q+R)*(Z−Xk−1) ・・・(3)
フィルタ調整部102は、上記の式(3)のR(測定のノイズの分散)をビーコン信号Bcの受信状況に応じて変化させる。なお、m個のデータをx{i=1,2,・・・,m}とし、その平均値をx ̄(バー記号付きのx)とすると、分散は以下の式で求められる。
Figure 2021089144
上記式(3)において、Q(プロセスノイズの分散)及びR(測定のノイズの分散)の各分散値は、一定時間データを測定して実際に算出してもよいし、動作環境に応じて任意の値になるよう設定してもよい。例えば、Qを固定とし、Rを受信状況に応じて変化させてフィルタの強度を調整する。
フィルタをかけることでノイズ成分を除去できるメリットはあるが、発信機が移動している状況では受信信号強度の値も変動する。その場合にフィルタをかけすぎると、このシステムが必要とする現在の位置を算出する妨げになる。このため、本実施の形態では、電波状況に応じてフィルタのかけ具合を変化させることでより精度の高い位置検出を可能とする。以下にフィルタの具体例を示す。
<フィルタの具体例1>
図6のグラフは、電波の受信状況が悪い環境において、カルマンフィルタを適用した場合と適用しない場合の受信信号強度の例を示している。例えば、発信機の位置は変わらないにもかかわらず、電波の受信状況が悪いため、受信信号強度が大きく変動する例である。この例のカルマンフィルタは、受信状況に応じてR=0.1とし、Q=0.001(固定値)として演算している。図6の例では、カルマンフィルタを適用しない場合、受信信号強度の変動が大きいのに対し、強い強度のカルマンフィルタを適用することで、受信信号強度の変動が抑えられ、大きいノイズ成分の影響が軽減されている。
<フィルタの具体例2>
図7のグラフは、電波の受信状況が良い環境において、カルマンフィルタを適用した場合と適用しない場合の受信信号強度の例を示している。例えば、電波の受信状況が良い場合に、発信機の位置が受信機から徐々に離れていく例である。この例のカルマンフィルタは、受信状況に応じてR=0.008とし、Q=0.001(固定値)として演算している。図7の例では、カルマンフィルタを適用しない場合、受信機から遠ざかるにしたがって、徐々に受信信号強度の値が下がっており、大きな変動は見られない。これに対し、弱い強度のカルマンフィルタを適用することで、徐々に低下する受信信号強度の変化を保ちつつ、細かい変動のノイズ成分が除去されている。
<位置推定システムの動作>
次に、本実施の形態に係る位置推定システム1の動作例について説明する。図8は、本実施の形態に係る位置推定システム1における位置推定方法の流れを示しており、図9は、図8におけるキャリブレーション処理(S101)の流れを示し、図10は、図8における位置推定処理(S102)の流れを示している。
図8に示すように、位置情報サーバ10は、まず、キャリブレーション処理(S101)にてフィルタを調整し、その後、調整されたフィルタを用いて位置推定処理(S102)を行う。キャリブレーション処理は、位置推定処理が行われない任意のタイミングで実行される。
まず、キャリブレーション処理(S101)では、図9に示すように、受信機3の機能を切り替える(S111)。すなわち、フィルタを調整するため、受信機3の機能をオブザーバ機能からブロードキャスタ機能に切り替え、受信機3からビーコン信号Bcを発信させる。
この機能の切り替えは、各受信機3にタイマーを持たせて起動させてもよいし、位置情報サーバ10(例えば受信状況取得部101)からの起動コマンドをトリガにしてもよい。定期的にキャリブレーションを行うために、各受信機3の機能を所定の間隔で切り替えてもよい。なお、各受信機3から送信されるビーコン信号Bcが干渉しないよう、切り替えのタイミングを受信機3ごとにずらすことが好ましい。
続いて、位置情報サーバ10は、受信機3から受信信号強度を取得する(S112)。すなわち、機能を切り替えた受信機3がビーコン信号Bcを発信すると、その周囲の複数の受信機3がビーコン信号Bcを受信し、ビーコン信号Bcの受信信号強度を測定する。さらに、位置情報サーバ10における位置情報演算部100の受信状況取得部101が、複数の受信機3からビーコン信号Bcの受信信号強度を取得する。
続いて、位置情報サーバ10は、受信信号強度に応じてフィルタ強度を調整する(S113)。位置情報演算部100のフィルタ調整部102は、複数の受信機3から取得したビーコン信号Bcの受信信号強度に基づいて、フィルタ部103のフィルタ強度を調整する。
このとき、受信信号強度からブロードキャスタ(ビーコン信号Bcを発信する受信機)とオブザーバ(ビーコン信号Bcを受信する受信機)の間の距離を算出する。この距離の算出では、受信信号強度が距離の2乗に反比例して減衰することから、ブロードキャスタとオブザーバを基準となる距離だけ離して設置した状態で測定した受信信号強度を基準値として用いる。
例えば、ビーコン信号の一つであるiBeaconの信号内には、いくつかの情報が組み込まれており、その中にMeasured Powerと呼ばれるパラメータが含まれる。iBeaconの場合、ブロードキャスタとオブザーバを1m離して測定した受信信号強度をMeasured Powerと定義しており、この基準となる受信信号強度を「RSSI@1m」とする。そうすると、基準となる受信信号強度と実際に測定した受信信号強度(RSSI)から、以下のような式でブロードキャスタとオブザーバの距離(d)が算出できる。
d=10^{(RSSI@1m−RSSI)/(10*n)} ・・・(5)
この式(5)内のnは伝搬損失係数である。nは、電波の受信環境によって変動する値であり、理想的な環境では2となる。
位置情報サーバ10は、発信機2の位置を計算する際に屋内の受信機3の正確な位置が必要となるため、例えば、データベース12に各受信機3の位置を保持しており、各受信機3の間の距離を予め把握している。よって、受信機3の機能が発信機に切り替わってビーコン信号Bcを送信した場合、周囲にある受信機3はその距離から受信すべき受信信号強度の値が推測できる。フィルタ調整部102は、この距離から推測される受信信号強度の理論値と、実際に測定した受信信号強度の測定値との差に基づいて、電波の受信状況を判断しフィルタを調整する。
例えば、図11に示すような位置関係で受信機3a〜3dが設置されている場合に、受信機3aがビーコン信号Bcを発信し、受信機3b〜3dがビーコン信号Bcを受信したとする。このとき、受信機3aが発信動作をする際の基準となる受信信号強度(RSSI@1m)を−50dBmとすると、受信機3bが受信する受信信号強度の理論値は、上記式(5)を用いて、受信機3b〜3dの距離(10m)から、以下のように計算できる。
10[m]=10^{(−50−RSSI)/(10*2)}
RSSI=−50−20*log10
=−70[dBm]
同様に受信機3c及び3dの受信する受信信号強度の理論値を求めると以下の表のようになる。
Figure 2021089144
フィルタ調整部102は、この受信信号強度の理論値と実際に測定された受信信号強度を比較し、理論値と測定値にあまり差がない場合は電波の受信状況が良いと判断してフィルタ強度を弱くし、理論値と測定値に大きく差がある場合は電波の受信状況が悪いと判断してフィルタ強度を強くする。
一例として以下の表ように設定し、受信信号強度の理論値と測定値の差に応じてフィルタ係数(R)を設定する。なお、この例では、Qを0.001に固定する。
Figure 2021089144
上記表2は受信機3dの受信信号強度の測定値と理論値の差からRを変化させているが、受信機3bもしくは3cの受信信号強度を使用してもよいし、全ての受信機3b〜3dの受信信号強度を使用してもよい。また、受信機3の受信信号強度の測定値と理論値の単純な差ではなく、より現実の環境に適した数式を使用してもよい。さらに、連続して複数回ビーコン信号を送信させ、その受信信号強度の平均値を算出に用いてもよいし、時間をおいて送信したビーコン信号の受信信号強度を使用してもよい。このように、電波の受信環境にあわせてフィルタのかけ具合を変化させることで、精度よく位置算出することが可能となる。
次に、キャリブレーション処理に続いて、位置推定処理(S102)では、図10に示すように、位置情報サーバ10は、複数の受信機3から受信信号強度を取得する(S121)。すなわち、発信機2がビーコン信号Bpを発信すると、その周囲の複数の受信機3がビーコン信号Bpを受信し、ビーコン信号Bpの受信信号強度を測定する。さらに、位置情報サーバ10における位置情報演算部100の位置測定情報取得部104が、複数の受信機3からビーコン信号Bpの受信信号強度を取得する。
続いて、位置情報サーバ10は、1番目から3番目の受信信号強度を選択する(S122)。位置情報演算部100の位置推定部105は、取得した複数の受信機3の受信信号強度を比較し、3点測位法による位置の推定に使用する受信信号強度として、複数の受信信号強度の中から受信信号強度が強い順に1番目〜3番目の受信信号強度を選択する。
続いて、位置情報サーバ10は、選択した受信信号強度に対しフィルタを使用して、発信機2の位置を推定する(S123)。位置情報演算部100の位置推定部105は、選択した1番目〜3番目の受信信号強度に対し、強度が調整されているフィルタ部103のカルマンフィルタを適用し、フィルタが適用された受信信号強度に基づいて3点測位法により発信機2の3次元位置を算出する。3点測位法では、上記式(5)のように、受信信号強度から発信機と受信機の間の距離を算出し、算出された距離に基づいて発信機の位置を推定する。
例えば、図3に示した受信機3a〜3cの受信信号強度から発信機2の位置を算出する場合について説明する。このとき、受信機3及び発信機2の位置関係を3次元直交座標系(X軸/Y軸/Z軸)で表現し、受信機3aの位置を(x,y,z)、受信機3bの位置を(x,y,z)、受信機3cの位置を(x,y,z)、発信機2の位置を(x,y,z)とする。発信機2からの信号を受信したときの受信機3aの受信信号強度の実側値をRSSI、受信機3bの受信信号強度の実側値をRSSI、受信機3cの受信信号強度の実側値をRSSIとする。各受信信号強度の実測値に対し(3)式によりカルマンフィルタ処理を適用する。各受信強度の予測値をRSSIAXk〜RSSICXk、各受信強度の前回の予測値をRSSIAXk−1〜RSSICXk−1とすると、RSSIAXk〜RSSICXkは下記式で表される。
RSSIAXk=RSSIAXk−1+(P+Q)/(P+Q+R)*(RSSI−RSSIAXk−1) ・・・(6)
RSSIBXk=RSSIBXk−1+(P+Q)/(P+Q+R)*(RSSI−RSSIBXk−1) ・・・(7)
RSSICXk=RSSICXk−1+(P+Q)/(P+Q+R)*(RSSI−RSSICXk−1) ・・・(8)
受信機3aと発信機2間の距離の予測値をd1XK、受信機3bと発信機2間の距離の予測値をd2XK、受信機3cと発信機2間の距離の予測値をd3XKとすると、d1XK〜d3XKは、上記式(5)より、下記のように求められる。ここでは、n=2とする。
1XK=10^{(RSSI@1m−RSSIAXK)/(10*2)} ・・・(9)
2XK=10^{(RSSI@1m−RSSIBXK)/(10*2)} ・・・(10)
3XK=10^{(RSSI@1m−RSSICXK)/(10*2)} ・・・(11)
さらに、上記式(9)〜(11)によるd1XK〜d3XKと、受信機3a〜3cと発信機2の3次元座標の距離を使用して、方程式を立てると以下のようになる。
{(x−x+(y−y+(z−z1/2=d1XK ・・・(12)
{(x−x+(y−y+(z−z1/2=d2XK ・・・(13)
{(x−x+(y−y+(z−z1/2=d3XK ・・・(14)
式(12)〜(14)において、x、y、z以外のパラメータは既知である。このため、位置推定部105は、式(12)〜(14)の3元2次方程式を解くことで発信機2の3次元座標を算出する。
(変形例)
上記実施形態では各受信信号強度の実測値に対しフィルタを適用する例を説明したが、各受信信号強度の実測値に対しフィルタを適用する代わりに、各受信信号強度の実測値に基づいて算出した距離に対しフィルタを適用しても良い。
図3に示した受信機3a〜3cの受信信号強度から発信機2の位置を算出する場合について説明する。
各受信強度の実測値から算出した、受信機3aと発信機2間の距離をd、受信機3bと発信機2間の距離をd、受信機3cと発信機2間の距離をdとすると、d〜dは、上記式(5)より、以下の式から求められる。ここでは、n=2とする。
=10^{(RSSI@1m−RSSI)/(10*2)} ・・・(15)
=10^{(RSSI@1m−RSSI)/(10*2)} ・・・(16)
=10^{(RSSI@1m−RSSI)/(10*2)} ・・・(17)
〜dに対し(3)式によりカルマンフィルタを適用する。各距離の予測値をd1XK'〜d3XK'、各距離の前回の予測値をd1XK−1'〜d3XK−1'とすると、d1XK'〜d3XK'は、下記式で表される。
1XK'=d1XK−1'+(P+Q)/(P+Q+R)*(d−d1XK−1')・・・(18)
2XK'=d2XK−1'+(P+Q)/(P+Q+R)*(d−d2XK−1')・・・(19)
3XK'=d3XK−1'+(P+Q)/(P+Q+R)*(d−d3XK−1')・・・(20)
上記式(18)〜(20)によるd1XK'〜d3XK'と、受信機3a〜3cと発信機2の3次元座標の距離を使用して、方程式を立てると以下のようになる。
{(x−x+(y−y+(z−z1/2=d1XK' ・・・(21)
{(x−x+(y−y+(z−z1/2=d2XK' ・・・(22)
{(x−x+(y−y+(z−z1/2=d3XK' ・・・(23)
位置推定部105は、式(21)〜(23)の3元2次方程式を解くことで発信機2の3次元座標を算出する。
上記実施形態ではカルマンフィルタを用いる例を説明したが、フィルタはカルマンフィルタに限定されず、他のローパスフィルタであっても良い。
上記実施形態では、送信機2の3次元的な位置を推定する例を説明したが、送信機2と受信機3がほぼ同一平面状に存在することが予め判っていて3次元的な位置を推定する必要がない場合等は、2次元的な位置を推定すれば良い。例えば、送信機と受信機が同じフロアのほぼ同じ高さに存在することが判っている場合、高さ方向の位置は推定する必要が無く、2次元的な位置を推定すれば良い。
<本実施の形態の効果>
以上のように、本実施の形態では、複数の受信機により対象物の発信する電波強度を測定し、測定した電波の受信信号強度を使って3点測定法により対象物の位置を推定するシステムにおいて、位置推定時に受信信号強度に対し時間的なフィルタを適用し、このフィルタの強度を対象物が存在する領域の電波状況に応じて調整する。これにより、受信信号強度のノイズ成分を除去できるため、より安定度が高く、高い精度で位置を推定することができる。特に、電波の受信状況が良い場合はフィルタ強度を緩くし、電波の受信状況が悪い場合はフィルタ強度を強くすることで、受信信号強度のノイズ成分を適切に除去することができる。
また、本実施の形態では、複数の受信機のいずれかを発信機に切り替え、切り替えた発信機から発信する信号を他の受信機で受信することで、対象物が存在する領域の電波状況を評価する。これにより、位置関係が予めわかっている受信機を効果的に利用して、電波状況を評価し、確実にフィルタを調整することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
上述の実施形態における各構成は、ハードウェア又はソフトウェア、もしくはその両方によって構成され、1つのハードウェア又はソフトウェアから構成してもよいし、複数のハードウェア又はソフトウェアから構成してもよい。各装置の機能(処理)を、CPUやメモリ等を有するコンピュータにより実現してもよい。例えば、記憶装置に実施形態における位置推定方法を行うためのプログラムを格納し、各機能を、記憶装置に格納されたプログラムをCPUで実行することにより実現してもよい。
これらのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
1 位置推定システム
2 発信機
3 受信機
4 ネットワーク
5 設置エリア
6 位置測定領域
10 位置情報サーバ
11 地図情報管理部
12 データベース
13 Ethernet送受信部
14 表示部
15 CPU
16 電源
21 ビーコン送信部
23 記憶部
24 電源
31 ビーコン送受信部
32 CPU
33 Ethernet送受信部
34 電源
100 位置情報演算部
101 受信状況取得部
102 フィルタ調整部
103 フィルタ部
104 位置測定情報取得部
105 位置推定部

Claims (10)

  1. 発信機から発信された無線信号の受信信号強度に基づいて前記発信機と受信機との距離を算出し、異なる位置に配置した複数の受信機と前記発信機との距離の算出結果に基づいて前記発信機の位置を推定する位置推定装置であって、
    前記受信機が受信した受信信号強度の測定値を取得する位置測定情報取得部と、
    前記複数の受信機が配置された位置測定領域における無線受信状況を取得する受信状況取得部と、
    前記取得された無線受信状況に基づいてフィルタの強度を調整するフィルタ調整部と、
    前記調整された強度のフィルタを適用して、前記位置測定領域における前記発信機の位置を推定する位置推定部と、
    を備える、位置推定装置。
  2. 前記フィルタ調整部は、前記無線受信状況が悪いほど、前記フィルタの強度を強くする、
    請求項1に記載の位置推定装置。
  3. 前記位置推定部は、前記受信信号強度の測定値に対し前記フィルタを適用する、
    請求項1または2に記載の位置推定装置。
  4. 前記位置推定部は、前記受信信号強度に基づいて算出した前記発信機と前記受信機との距離に対し前記フィルタを適用する、
    請求項1または2に記載の位置推定装置。
  5. 前記無線受信状況は、前記位置測定領域において前記受信機が受信した受信状況測定用の無線信号の受信信号強度である、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の位置推定装置。
  6. 前記フィルタ調整部は、前記受信状況測定用の無線信号の受信信号強度の測定値と理論値の差に基づいて、前記フィルタの強度を調整する、
    請求項5に記載の位置推定装置。
  7. 前記フィルタは、前記調整された強度に応じて、前記受信信号強度のノイズ成分を除去するローパスフィルタである、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の位置推定装置。
  8. 前記ローパスフィルタは、カルマンフィルタであり、
    前記フィルタ調整部は、前記無線受信状況に応じて、前記カルマンフィルタのカルマンゲインのパラメータである測定ノイズ分散値を調整する、
    請求項7に記載の位置推定装置。
  9. 発信機から発信された無線信号の受信信号強度に基づいて前記発信機と受信機との距離を算出し、異なる位置に配置した複数の受信機と前記発信機との距離の算出結果に基づいて前記発信機の位置を推定する位置推定方法であって、
    前記受信機が受信した受信信号強度の測定値を取得し、
    前記複数の受信機が配置された位置測定領域における無線受信状況を取得し、
    前記取得された無線受信状況に基づいてフィルタの強度を調整し、
    前記調整された強度のフィルタを適用して、前記位置測定領域における前記発信機の位置を推定する、
    位置推定方法。
  10. 発信機から発信された無線信号の受信信号強度に基づいて前記発信機と受信機との距離を算出し、異なる位置に配置した複数の受信機と前記発信機との距離の算出結果に基づいて前記発信機の位置を推定する処理をコンピュータに実行させるための位置推定プログラムであって、
    前記受信機が受信した受信信号強度の測定値を取得し、
    前記複数の受信機が配置された位置測定領域における無線受信状況を取得し、
    前記取得された無線受信状況に基づいてフィルタの強度を調整し、
    前記調整された強度のフィルタを適用して、前記位置測定領域における前記発信機の位置を推定する、
    位置推定プログラム。
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