JP2021088447A - 劣化判定装置および画像形成装置 - Google Patents

劣化判定装置および画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2021088447A
JP2021088447A JP2019220268A JP2019220268A JP2021088447A JP 2021088447 A JP2021088447 A JP 2021088447A JP 2019220268 A JP2019220268 A JP 2019220268A JP 2019220268 A JP2019220268 A JP 2019220268A JP 2021088447 A JP2021088447 A JP 2021088447A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transport
unit
distribution
deterioration determination
deterioration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019220268A
Other languages
English (en)
Inventor
祐史 藤田
Yuji Fujita
祐史 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2019220268A priority Critical patent/JP2021088447A/ja
Publication of JP2021088447A publication Critical patent/JP2021088447A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】搬送部の劣化判定の精度を上げることが可能な劣化判定装置および画像形成装置を提供する。【解決手段】劣化判定装置は、搬送部によって記録媒体が搬送される搬送時間を取得する取得部と、取得された搬送時間のうち、第1の搬送期間において記録媒体が搬送される第1の搬送時間と、第1の搬送期間よりも前の第2の搬送期間において記録媒体が搬送される第2の搬送時間とに基づいて、搬送部が劣化しているか否かについて判定する判定部と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、劣化判定装置および画像形成装置に関する。
一般に、電子写真プロセス技術を利用した画像形成装置(プリンター、複写機、ファクシミリ等)においては、画像データに基づくレーザー光が一様に帯電した感光体(例えば感光ドラム)に対して照射(露光)されることにより、感光体表面に静電潜像が形成される。そして、静電潜像が形成された感光体にトナーが供給されることにより、静電潜像が可視化されてトナー像が形成される。このトナー像が、直接又は中間転写体を介して用紙(記録媒体)に転写された後、定着装置で加熱、加圧されることにより、用紙に画像が形成される。
このような画像形成装置は、給紙部(トレイ部等)から給紙された用紙を画像形成部に搬送する用紙搬送部を備える。用紙搬送部は、複数の搬送ローラー部(例えば、ループローラー部やレジストローラー部等)を有する。
例えば、特許文献1には、用紙を収容部から搬送方向に引き出して搬送させる用紙搬送部と、収容部の近傍の第1の検出位置において、用紙の搬送方向における移動状態を検出する第1の検出部と、第1の検出位置よりも搬送方向における後流側の第2の検出位置において、用紙の搬送方向における移動状態を検出する第2の検出部と、第1の検出部および第2の検出部の各検出結果に基づいて、用紙の搬送方向における変位情報を取得する変位情報取得部と、変位情報取得部が取得した変位情報に基づいて、用紙搬送部の故障診断を行なう故障診断部と、を備えた故障診断装置が開示されている。
特開2005−206307号公報
ところで、上記特許文献1に記載の故障診断装置においては、用紙搬送部の故障診断は、用紙の搬送が開始されてから用紙が所定の位置に搬送されるまでの搬送時間と予め出荷前に決めておいた搬送時間である基準値との間の差を測定し、差が所定以上である場合、故障状態であると判定している。より具体的には基準値と実際の搬送時間とを比較し、基準値と実際の搬送時間との間の差が所定以上である場合、故障であると判定している。
しかし市場には多様な用紙(記録媒体)があり、その中には搬送性の低い(滑りやすい)用紙がある。またプリンターが利用される環境(温度・湿度・埃の量・利用される紙種)はまちまちであり、上記のように搬送ローラー部で搬送する対象や環境によって搬送ローラー部の劣化度合いは変ってくる。また、搬送ローラー部の劣化度合いが同じ劣化度合いだったとしても実際の搬送時間は異なる。したがって、出荷前に決めておいた基準値と実際の搬送時間とを単純に比較する従来の方法では、搬送部の劣化判定の精度を上げることは困難であるという問題点があった。
本発明の目的は、搬送部の劣化判定の精度を上げることが可能な劣化判定装置および画像形成装置を提供することである。
上記の目的を達成するため、本発明における劣化判定装置は、
搬送部によって記録媒体が搬送される搬送時間を取得する取得部と、
取得された前記搬送時間のうち、第1の搬送期間において前記記録媒体が搬送される第1の搬送時間と、前記第1の搬送期間よりも前の第2の搬送期間において前記記録媒体が搬送される第2の搬送時間とに基づいて、搬送部が劣化しているか否かについて判定する判定部と、
を備える。
本発明における画像形成装置は、上記劣化判定装置を備え、上記記録媒体に画像を形成する。
本発明によれば、搬送部の劣化判定の精度を上げることができる。
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す図である。 図2は、本実施の形態に係る画像形成装置の制御系の主要部を示す図である。 図3は、搬送時間の分布を示す図である。 図4は、第1の分布および第2の分布の一例を示す図である。 図5は、用紙搬送部が劣化したか否かについて判定する劣化判定処理を示すフローチャートである。 図6は、搬送時間の分布の一例を示す図である。 図7は、フィルタ処理を示すフローチャートである。 図8は、搬送時間の表示態様の一例を示す図である。 図9は、搬送時間が急激に悪化した場合の一例を示す図である。 図10は、図9に表す劣化トレンドの検証結果を示す図である。 図11は、図9に表す劣化判定結果を示す図である。
図1に示すように、画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置1は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に一次転写し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、給紙トレイユニット51a〜51cから送出された用紙S(記録媒体)に二次転写することにより、画像を形成する。
また、画像形成装置1には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
図2に示すように、画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60および制御部101を備える。
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)102、ROM(Read Only Memory)103、RAM(Random Access Memory)104等を備える。CPU102は、ROM103から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM104に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロック等の動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
制御部101は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部101は、例えば、外部の装置から送信された画像データ(入力画像データ)を受信し、この画像データに基づいて用紙Sに画像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード、USB(Universal Serial Bus)カード、パラレルカード、および、シリアルカード等の通信制御カードで構成される。
また、制御部101は、通信部71を介してインターネットに接続されている。インターネットには、データサーバー210が接続されている。データサーバー210には通信回線を介して保守管理装置220が接続されている。データサーバー210は、市場に設置されている複数の画像形成装置1から送信される搬送時間(後述する)を収集し、蓄積する。データサーバー210は、収集し、蓄積した搬送時間に基づいて、劣化判定アルゴリズム(後述する)に従い、用紙搬送部50を構成する搬送ローラー部が劣化したか否かについて判定する。判定結果は、データサーバー210から保守管理装置220に通知される。保守管理業者は、通知された判定結果に応じて、搬送ローラー部の保守管理を行うことが可能となる。
図1に示すように、画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11および原稿画像走査装置12(スキャナー)等を備えて構成される。
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11により、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることが可能となる。
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
図2に示すように、操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21及び操作部22として機能する。表示部21は、制御部101から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部101に出力する。
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部101の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
図1に示すように、画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42等を備える。
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示すこととする。図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、及びドラムクリーニング装置415等を備える。
感光体ドラム413は、例えばドラム状の金属基体の外周面に、有機光導電体を含有させた樹脂よりなる感光層が形成された有機感光体よりなる。
制御部101は、感光体ドラム413を回転させる駆動モーター(図示略)に供給される駆動電流を制御することにより、感光体ドラム413を一定の周速度で回転させる。
帯電装置414は、例えば帯電チャージャーであり、コロナ放電を発生させることにより、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。
露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。その結果、感光体ドラム413の表面のうちレーザー光が照射された画像領域には、背景領域との電位差により各色成分の静電潜像が形成される。
現像装置412は、二成分逆転方式の現像装置であり、感光体ドラム413の表面に各色成分の現像剤を付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。
現像装置412には、例えば帯電装置414の帯電極性と同極性の直流現像バイアス、または交流電圧に帯電装置414の帯電極性と同極性の直流電圧が重畳された現像バイアスが印加される。その結果、露光装置411によって形成された静電潜像にトナーを付着させる反転現像が行われる。
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に当接され、弾性体よりなる平板状のドラムクリーニングブレード等を有し、中間転写ベルト421に転写されずに感光体ドラム413の表面に残留するトナーを除去する。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423、二次転写ローラー424、及びベルトクリーニング装置426等を備える。
中間転写ベルト421は無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも1つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。例えば、K成分用の一次転写ローラー422よりもベルト走行方向下流側に配置されるローラー423Aが駆動ローラーであることが好ましい。これにより、一次転写部におけるベルトの走行速度を一定に保持しやすくなる。駆動ローラー423Aが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
中間転写ベルト421は、導電性および弾性を有するベルトであり、表面に高抵抗層を有する。中間転写ベルト421は、制御部101からの制御信号によって回転駆動される。
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。
二次転写ローラー424は、駆動ローラー423Aのベルト走行方向下流側に配置されるバックアップローラー423Bに対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424がバックアップローラー423Bに圧接されることにより、中間転写ベルト421から用紙Sへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー422に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト421の裏面側、つまり一次転写ローラー422と当接する側にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
その後、用紙Sが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像が用紙Sに二次転写される。具体的には、二次転写ローラー424に二次転写バイアスを印加し、用紙Sの裏面側、つまり二次転写ローラー424と当接する側にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は用紙Sに静電的に転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部60に向けて搬送される。
ベルトクリーニング装置426は、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。
定着部60は、用紙Sの定着面、つまりトナー像が形成されている面側に配置される定着面側部材を有する上側定着部60A、用紙Sの裏面つまり定着面の反対の面側に配置される裏面側支持部材を有する下側定着部60B、および加熱源等を備える。定着面側部材に裏面側支持部材が圧接されることにより、用紙Sを挟持して搬送する定着ニップが形成される。
定着部60は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた用紙Sを定着ニップで加熱、加圧することにより、用紙Sにトナー像を定着させる。定着部60は、定着器F内にユニットとして配置される。
上側定着部60Aは、定着面側部材である無端状の定着ベルト61、加熱ローラー62および定着ローラー63を有する。定着ローラー63は図示しない両側板にベアリングを介して固定され、加熱ローラー62は定着ローラー63から離れる方向にテンションがかけられている。
定着ベルト61は、加熱ローラー62と定着ローラー63とによって張架されている。なお、定着ベルト61の厚さは、例えば0.2mmである。
下側定着部60Bは、裏面側支持部材である加圧ローラー64を有する。加圧ローラー64は、定着ベルト61との間で用紙Sを挟持して搬送する定着ニップを形成している。
用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、及び搬送経路部53等を備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類毎に収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53aを含む複数の搬送ローラー対を有する。レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部は、用紙Sの傾きおよび片寄りを補正する。
給紙トレイユニット51a〜51cに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。画像形成部40においては、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。画像形成された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。
用紙搬送部50には、測定部310a,310b,310c,320が配置されている。測定部310aは、用紙搬送方向において給紙トレイユニット51aよりも下流側である位置P1aに配置され、用紙Sを検知した検知時間t1aを測定する。測定部310bは、用紙搬送方向において給紙トレイユニット51bよりも下流側である位置P1bに配置され、用紙Sを検知した検知時間t1bを測定する。
測定部310cは、用紙搬送方向において給紙トレイユニット51cよりも下流側である位置P1cに配置され、用紙Sを検知した検知時間t1cを測定する。測定部320は、用紙搬送方向において位置P1a,P1b,P1cのそれぞれの位置よりも下流側であって、搬送経路部53よりも上流側である位置P2に配置され、用紙Sを検知した検知時間t2を測定する。
入出力部81は、測定部310a,310b,310c,320の測定値を入力する。制御部101は、検知時間t2から検知時間t1aを減算することにより、用紙Sが位置P1aから位置P2に搬送されるまでの搬送時間Ta(=t2−t1a)を算出する。また、制御部101は、検知時間t2から検知時間t1bを減算することにより、用紙Sが位置P1bから位置P2に搬送されるまでの搬送時間Tb(=t2−t1b)を算出する。また、制御部101は、検知時間t2から検知時間t1cを減算することにより、用紙Sが位置P1cから位置P2に搬送されるまでの搬送時間Tc(=t2−t1c)を算出する。
以下の説明で、位置P1a,P1b,P1cのそれぞれの位置から位置P2までの用紙Sの搬送に関与する搬送ローラー部を、単に「搬送ローラー部」又は「搬送部」という。また、搬送ローラー部が劣化したか否かについて判定することを、単に「劣化判定」という。
搬送時間Ta,Tb,Tcは、入出力部81から通信部71を介し、インターネットを通じてデータサーバー210に送られる。
データサーバー210は、CPU、ROM、RAM等を備える。CPUは、搬送時間Ta等を取得する取得部としての機能を有する。また、CPUは、ROMから処理内容に応じたプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムと協働して搬送時間Ta等の処理を制御する。CPUは、分布作成部および判定部としての機能を有する。
分布作成部は、取得された搬送時間Ta等に基づいて、第1の搬送期間における搬送時間Taの第1の分布、および、第1の搬送期間よりも前の搬送期間を含む第2の搬送期間における搬送時間Taの第2の分布を作成する。判定部は、作成された第1および第2の分布に基づいて、劣化判定を行う。
次に、分布作成部および判定部について説明する。以下の説明において、分布作成部および判定部が搬送時間Ta,Tb,Tcを処理する方法は同じである。以下、分布作成部および判定部が処理するデータとして搬送時間Taを代表して説明し、搬送時間Tb,Tcについての説明を省略する。
分布作成部は、搬送時間Taに基づいて、第1の分布および第2の分布を作成する。図3は、用紙Sが位置P1aから位置P2に搬送されるまでの搬送時間Taを、給紙毎にプロットした図である。図3において横軸は給紙枚数(カウンタ値:n)を示し、縦軸は搬送時間(ms)を示す。図3にあるように給紙が進むことで搬送時間Taは徐々に長くなり、ある給紙枚数に達すると、単位時間に対して搬送時間Taが長くなる度合いが所定値を超える(急激に悪化する)場合がある。搬送時間Taが急激に悪化してから劣化判定を行うのでは、ユーザーの画像形成装置1の使用頻度に対して、搬送ローラー部の交換が追いつかないことが考えられるため、搬送時間Taが急激に悪化する直前で搬送ローラー部を交換することが必要となる。
図4は第1の分布および第2の分布の一例を示す図である。図4において横軸は給紙枚数(n)を示し、縦軸は搬送時間(ms)を示す。ここで、第1の分布は、第1の搬送期間における搬送時間Taの集まりである。第1の搬送期間は、劣化判定を行う劣化判定日(判定のタイミング)から所定期間(例えば2週間)遡ったタイミングまでの期間である。第2の分布は、第2の搬送期間における搬送時間Taの集まりである。第2の搬送期間は、搬送ローラー部の使用が開始された日(使用開始タイミング)から第1の搬送期間の開始タイミングより前までの期間に含まれる。
判定部は、図4に示すように、第1の搬送期間における搬送時間Taの分布(第1の分布)と、第2の搬送期間における搬送時間Taの分布(第2の分布)とを比較する。
本来、搬送ローラー部は同じものであるため、第1の分布と第2の分布との間に差はない。しかし、搬送ローラー部の摩耗により搬送時間Taが徐々に悪化し、2つの分布間に差が生じる。2つの分布間に差がある場合、2つの分布は同一のものから得られたデータ群でないものとする。同一であった分布が異なる分布になる理由は、分布の特性が変化したためと考えられる。本実施の形態では、この分布の特性の変化を、搬送ローラー部が劣化していると定義する。
判定部は、第1の分布と第2の分布との間の差を評価し、所定以上の差がある場合、第1の分布および第2の分布が互いに異なる母集団から得られた分布であると判定する。
ここで、第1および第2の分布が互いに異なる母集団から得られた分布であるとは、本来、第2の集団であったものが第1の集団に変化したことを意味する。判定部は、第2の集団から第1の集団への変化を、搬送ローラー部が劣化していると判定する。
なお、劣化判定は、常時実施されるのではなく、劣化トレンド(劣化の傾向)が確認できた場合、実施される。判定部は、搬送時間のデータセットを回帰分析することにより劣化トレンドを検証する。
図5は、劣化判定処理の一例を示すフローチャートである。劣化判定処理は、搬送時間が画像形成装置1からデータサーバー210に送られる場合に開始される。なお、以下の説明では、劣化判定処理は、データサーバー210のCPUが行うものとして説明する。
ステップS110において、CPUは、劣化判定アルゴリズムに従って、画像形成装置1ごとに搬送時間を取得し、一塊のデータセットDS1を作成する。
ステップS120において、CPUは、作成したデータセットDS1をフィルタ処理して、搬送時間から測定誤差を除いたデータセットDS2を作成する。
ステップS130において、CPUは、作成したデータセットDS1を回帰分析し、各パラメータ(係数および切片)で、劣化トレンドを示すデータセットDS3を作成する。
ステップS140において、CPUは、データセットDS2から、データセットDS3を使って、パラメータ(例えば、係数)を抽出し、データセットDS4を作成する。
ステップS150において、CPUは、データセットDS4を、劣化判定日に応じて、第1の分布と第2の分布とに分割する。
ステップS160において、CPUは、第1の分布と第2の分布とが同じ母集団から得られた分布であるか否かについて判断する。第1の分布と第2の分布とが同じ母集団から得られた分布である場合(ステップS160:YES)、処理はステップS170に遷移する。第1の分布と第2の分布とが同じ母集団から得られた分布でない場合(ステップS160:NO)、処理はステップS180に遷移する。
ステップS170において、CPUは、搬送ローラー部が劣化していないと判定する。その後、図5に示す処理は終了する。
ステップS180において、CPUは、搬送ローラー部が劣化していると判定する。その後、図5に示す処理は終了する。
上記実施の形態における劣化判定装置は、搬送ローラー部によって用紙Sが搬送される搬送時間を取得する取得部と、取得された搬送時間のうち、第1の搬送期間において用紙Sが搬送される第1の搬送時間の第1の分布と、第1の搬送期間よりも前の第2の搬送期間において用紙Sが搬送される第2の搬送時間の第2の分布とに基づいて、搬送ローラー部が劣化しているか否かについて判定する判定部と、備える。
上記構成により、分布の特定が変化しているか否かについて、具体的には、第1の分布と第2の分布とが同じ母集団から得られた分布であるか否かについて判定する。第1の分布と第2の分布とが同じ母集団から得られた分布である場合、劣化していないと判定し、第1の分布と第2の分布とが同じ母集団から得られた分布でない場合、劣化していると判定する。これにより、劣化判定の精度を上げることができる。
劣化判定日が、搬送ローラー部の取り付けが画像形成装置1(マシンという)となじむ期間であったり、劣化判定日が搬送性の悪化傾向に入っているものの第2の分布が搬送ローラー部とマシンとのなじむ期間であったりすると、劣化判定の精度を上げることができない。
図6は搬送時間の分布の一例を示す図である。図6において横軸は給紙枚数(n)を示し、縦軸は搬送時間(ms)を示す。図6からわかるように、新品の搬送ローラー部を用いて用紙Sを搬送することにより、ある給紙枚数まで搬送性は良くなっていく。搬送性が良くなる理由は、新品の搬送ローラー部の取り付けがマシンとなじんでいくためである。その後、搬送力が低下していく。搬送性が低下していく理由は、なじんだ後は、用紙Sを給紙するごとに搬送ローラー部が用紙Sによって摩耗し、搬送ローラー部のローラー径が小さくなるためである。
本実施の形態では、劣化トレンドがあることが確認できた場合、劣化判定を行う。具体的には、図5に示すステップS140のように回帰分析から劣化トレンドの有無を検証し、劣化トレンドがある場合、劣化判定を行う。これにより、劣化判定の精度をより上げることができる。
上記実施の形態においては、劣化判定装置は、画像形成装置1の外部(データサーバー210)に設けられるが、画像形成装置1の内部に配置されてもよい。この場合、劣化判定結果は、画像形成装置1の表示部21に表示されてもよい。
(変形例1)
次に、本実施の形態の変形例1について、図7を参照して説明する。図7は、フィルタ処理を示すフローチャートである。
変形例1において、CPUは、搬送時間Ta,Tb,Tcに対してフィルタ処理を行う。フィルタ処理は、カルマンフィルタの考え方に基づいて行われる。カルマンフィルタの考え方に基づいたフィルタ処理を、以下の手順で行う。以下の説明で、搬送時間を測定値という。
ステップS210において、前回の値を使って、今回の値を予測する。
ステップS220において、今回の予測値と今回の測定値との差分(予測残差)を抽出する。
ステップS230において、前回までの予測値と測定値との差分(測定誤差)のばらつき、および、予測残差に基づいて、今回の予測値を補正する。
ステップS240において、測定誤差のばらつきに、今回の予測値と今回の測定値とを加える。その後、図7に示す処理は終了する。
上記の変形例1によれば、測定誤差を除いた搬送時間に基づいて、劣化判定を行うことにより、劣化判定の精度をさらに上げることができる。
(変形例2)
次に、本実施の形態の変形例2について、図8を参照して説明する。図8は搬送ローラー部とマシンとのなじみが完了した直後に搬送時間が急激に悪化するときの推移の一例を示した図である。図8において、「1段目給紙」、「2段目給紙」、および、「手差し給紙」の各欄に「搬送時間」および「最大搬送時間」が表示される。ここで、「最大搬送時間」とは、搬送時間の中の最大値をいう。
変形例2においては、搬送時間は、画像形成装置1の表示部21に表示される。ユーザーは、搬送時間が急激に悪化することを視認することにより、搬送ローラー部が劣化したか否かについて確認することが可能となる。
(変形例3)
次に、変形例3について、図9、図10および図11を参照して説明する。図9は、搬送ローラー部とマシンとのなじみが完了した直後に急激に搬送時間の悪化した図である。図9において横軸は給紙枚数(n)を示し、縦軸は搬送時間(ms)を示す。図10は、図9に表す劣化トレンドの検証結果を示す図である。図10において横軸は給紙枚数nを示し、縦軸は係数を示す。図11は、図9に表す劣化判定結果を示す図である。図11において給紙枚数(n)を示し、縦軸は常用対数を示す。
上記実施の形態においては、回帰分析から劣化トレンドがある場合、劣化判定を行う。しかしながら、搬送時間が急激に悪化した場合でも、図10に示すように回帰分析結果からは劣化トレンドがあるとはみなせないため、劣化判定が行われないこととなる。そこで、変形例3では、判定部は、2つの分布の違いを評価する方法として、例えば、2つの分布の母集団の平均値に差があるか否かを評価するスチューデントt検定結果(図11を参照)を用いて、劣化判定を行う。また、例えば、スチューデントt検定による劣化判定の閾値を、劣化トレンドがない場合においては劣化トレンドがある場合の2倍に設定する。これにより、劣化トレンドがあるとみなせない場合であっても、劣化判定を行うことが可能となる。
(変形例4)
変形例3では、2つの分布の違いを評価する方法として、スチューデントt検定が用いられるが、第1の分布の中央値と第2の分布の中央値との間に違いが生じていることを評価する方法、例えば、ウィルコクソンの順位和検定を用いる方法でもよい。
また、例えば、2つの分布の違いを評価する方法として、第1の分布の分散と第2の分布の分散との間に違いが生じていることを評価する方法、例えば、等分散検定を用いる方法でもよい。
その他、2つの分布の違いを評価する方法であれば、いずれの方法を採用してもよい。ただし、採用した方法に沿ったデータを収集する必要がある。
また、上記実施の形態では、搬送時間は、画像形成装置1の表示部21に表示されるが、本発明はこれに限らず、例えば、保守管理装置220の表示部に表示されてもよい。これにより、保守管理者は、搬送時間が急激に悪化することを視認することにより、搬送ローラー部が劣化したか否かについて確認することが可能となる。
その他、上記実施の形態は、何れも本発明の実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1 画像形成装置
10 画像読取部
20 操作表示部
30 画像処理部
40 画像形成部
50 用紙搬送部
60 定着部
71 通信部
81 入出力部
101 制御部
210 データサーバー
220 保守管理装置
310a,310b,310c,320 測定部

Claims (13)

  1. 搬送部によって記録媒体が搬送される搬送時間を取得する取得部と、
    取得された前記搬送時間のうち、第1の搬送期間において前記記録媒体が搬送される第1の搬送時間と、前記第1の搬送期間よりも前の第2の搬送期間において前記記録媒体が搬送される第2の搬送時間とに基づいて、搬送部が劣化しているか否かについて判定する判定部と、
    を備える劣化判定装置。
  2. 前記第1の搬送時間の第1の分布、および、前記第2の搬送時間の第2の分布を作成する分布作成部をさらに備え、
    前記判定部は、作成された前記第1および第2の分布に基づいて、前記搬送部が劣化しているか否かについて判定する判定部と、
    を備える、
    請求項1に記載の劣化判定装置。
  3. 前記第1の搬送期間は、前記判定のタイミングから所定期間遡ったタイミングまでの期間である、
    請求項1または2に記載の劣化判定装置。
  4. 前記第2の搬送期間は、前記搬送部の使用が開始されたタイミングから前記第1の搬送期間の開始タイミングより前までの期間に含まれる、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の劣化判定装置。
  5. 前記判定部は、前記第1の分布および前記第2の分布が互いに異なる場合、前記搬送部が劣化していると判定する、
    請求項2に記載の劣化判定装置。
  6. 前記第1および第2の搬送時間に対してフィルタ処理を行うフィルタ処理部をさらに備える、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の劣化判定装置。
  7. 前記判定部は、前記第1および第2の搬送時間に基づいて前記搬送部に劣化の傾向があるか否かを判定し、劣化の傾向がある場合、前記搬送部が劣化しているか否かについて判定する、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の劣化判定装置。
  8. 前記第1および第2の搬送時間を表示部に表示させるための表示用データを出力する表示用データ出力部をさらに備える、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の劣化判定装置。
  9. 前記判定部は、前記搬送部が劣化する傾向がない場合であっても、単位時間に対して前記搬送時間が長くなる度合いが所定値を超える場合は、前記搬送部が劣化しているか否かについて判定する、
    請求項1から8のいずれか一項に記載の劣化判定装置。
  10. 前記判定部は、前記第1の分布および前記第2の分布のそれぞれの平均に基づいて、前記第1の分布と前記第2の分布が互いに異なるか否かを判定する、
    請求項5に記載の劣化判定装置。
  11. 前記判定部は、前記第1の分布および前記第2の分布のそれぞれの中央値に基づいて、前記第1の分布と前記第2の分布が互いに異なるか否かを判定する、
    請求項5に記載の劣化判定装置。
  12. 前記判定部は、前記第1の分布および前記第2の分布のそれぞれの分散に基づいて、前記第1の分布と前記第2の分布が互いに異なるか否かを判定する、
    請求項5に記載の劣化判定装置。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載の劣化判定装置を備え、前記記録媒体に画像を形成する画像形成装置。
JP2019220268A 2019-12-05 2019-12-05 劣化判定装置および画像形成装置 Pending JP2021088447A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019220268A JP2021088447A (ja) 2019-12-05 2019-12-05 劣化判定装置および画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019220268A JP2021088447A (ja) 2019-12-05 2019-12-05 劣化判定装置および画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021088447A true JP2021088447A (ja) 2021-06-10

Family

ID=76219306

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019220268A Pending JP2021088447A (ja) 2019-12-05 2019-12-05 劣化判定装置および画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021088447A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5999113B2 (ja) 画像形成装置
JP5169702B2 (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
US10185268B2 (en) Image forming apparatus and inspection method for cleaning blade
EP3309621B1 (en) An image forming apparatus and a recording medium
JP6930149B2 (ja) 画像形成装置
JP6288046B2 (ja) 転写装置、画像形成装置およびクリーニング制御方法
JP6992323B2 (ja) 画像形成装置および補正制御プログラム
JP2021088447A (ja) 劣化判定装置および画像形成装置
US10613464B2 (en) Image forming apparatus determining a film scraping amount of a photoreceptor, method and program for controlling the apparatus
JP6922160B2 (ja) 画像形成装置
JP6965550B2 (ja) 画像形成装置、画像形成システム、補正制御方法および補正制御プログラム
JP6903995B2 (ja) 画像形成装置
JP2021039267A (ja) 寿命判定装置、寿命判定方法および寿命判定プログラム
JP4393855B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP7472657B2 (ja) 画像形成装置
JP6855775B2 (ja) 画像形成装置および階調補正方法
JP7031248B2 (ja) 画像形成装置
JP7392416B2 (ja) 画像形成装置
JP7447448B2 (ja) 画像形成装置及び画像不良の修復動作選択方法
JP2021076809A (ja) 画像形成装置及び画像不良位置の特定方法
JP7073779B2 (ja) 画像形成装置および現像条件補正方法
JP6885118B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2017223909A (ja) 画像形成装置
JP2021076687A (ja) 画像形成装置
JP2021066597A (ja) 記録媒体搬送装置および画像形成システム