JP2021088432A - 移動式クレーン - Google Patents

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Abstract

【課題】積荷の重量および重心を考慮した最大作業半径を確認できる移動式クレーンを提供する。
【解決手段】移動式クレーンは、積荷が積載される荷台と、吊荷が吊り下げられるブームと、積荷の重量mcaおよび重心位置Gca(xca、yca)を測定する積荷測定手段と、吊荷の荷重mloを測定する荷重測定器と、積荷測定手段および荷重測定器の測定値が入力される演算部と、演算部に接続された表示装置とを備える。演算部は、積荷の重量値mcaおよび重心位置Gca(xca、yca)と吊荷の荷重値mloとを考慮に入れた安定モーメントと転倒モーメントとの釣り合いに基づき、ブームの最大作業半径を求める。表示装置は、最大作業半径を表示する。
【選択図】図6

Description

本発明は、移動式クレーンに関する。さらに詳しくは、積荷の重量および重心を考慮した最大作業半径を確認する機能を有する移動式クレーンに関する。
特許文献1には、積載形トラッククレーンの過負荷防止装置について、吊荷の荷重が許容前方吊上荷重に達したことに基づいて、前方への転倒を検知することが開示されている。許容前方吊上荷重は、トラックの荷台に荷物を積載しない空荷状態で伸縮ブームをトラック正面に旋回させたブーム正面作業においてトラックの後輪が浮き上がる限界の前方転倒モーメントから求められる。
特開2008−105817号公報
特許文献1の技術では、荷台に荷物を積載しない空荷状態を基準として、過負荷を判断している。しかし、積載形トラッククレーンのように荷台を有する移動式クレーンの安定度は、荷台に積載された積荷の重量および重心により大きく変化する。そのため、積荷の重量および重心を考慮した最大作業半径を確認することが求められている。
本発明は上記事情に鑑み、積荷の重量および重心を考慮した最大作業半径を確認できる移動式クレーンを提供することを目的とする。
第1発明の移動式クレーンは、積荷が積載される荷台と、吊荷が吊り下げられるブームと、前記積荷の重量および重心位置を測定する積荷測定手段と、前記吊荷の荷重を測定する荷重測定器と、前記積荷測定手段および前記荷重測定器の測定値が入力される演算部と、前記演算部に接続された表示装置と、を備え、前記演算部は、前記積荷の重量値および重心位置と前記吊荷の荷重値とを考慮に入れた安定モーメントと転倒モーメントとの釣り合いに基づき、前記ブームの最大作業半径を求め、前記表示装置は、前記最大作業半径を表示することを特徴とする。
第2発明の移動式クレーンは、第1発明において、前記表示装置は、前記最大作業半径を図示した最大作業半径図を含む表示画像を表示することを特徴とする。
第3発明の移動式クレーンは、第2発明において、前記最大作業半径図は、移動式クレーンの外形を示すクレーン外形を含むことを特徴とする。
第4発明の移動式クレーンは、第2または第3発明において、前記ブームの姿勢を測定する姿勢測定器を備え、前記最大作業半径図は、前記姿勢測定器で測定された前記ブームの作業半径および旋回角を前記ブームの外形として示すブーム外形を含むことを特徴とする。
第5発明の移動式クレーンは、第2〜第4発明のいずれかにおいて、前記最大作業半径図は、前記積荷の重心位置を示す積荷重心点を含むことを特徴とする。
第6発明の移動式クレーンは、第2〜第5発明のいずれかにおいて、前記表示画像は、前記吊荷の荷重、前記積荷の重量、前記ブームの旋回角、前記ブームの作業半径および前記ブームの現在の旋回角における最大作業半径を示す数値の一または複数を示す数値部を含むことを特徴とする。
第7発明の移動式クレーンは、第1に発明において、前記積荷測定手段は、前記ブームの姿勢を測定する姿勢測定器と、前記姿勢測定器および前記荷重測定器の測定値が入力される積荷演算部と、を備え、前記積荷演算部は、積荷重量値および積荷重心位置が記憶されており、前記ブームの姿勢から吊荷重心位置を求め、荷積みまたは荷降ろしが行なわれたときに、前記積荷重量値および前記積荷重心位置と、前記吊荷の荷重測定値および前記吊荷重心位置とから、荷積みまたは荷降ろし後の新積荷重量値および新積荷重心位置を求め、前記新積荷重量値および前記新積荷重心位置で、前記積荷重量値および前記積荷重心位置を更新することを特徴とする。
第8発明の移動式クレーンは、第1に発明において、前記積荷測定手段は、前記荷台に敷き詰められた複数の分割板と、前記複数の分割板のそれぞれに設けられた複数の重量センサと、前記複数の重量センサの測定値が入力される積荷演算部と、を備え、前記積荷演算部は、前記複数の分割板のそれぞれの重心位置と重量値とから、前記積荷の重量値および重心位置を求めることを特徴とする。
第1発明によれば、積荷の重量および重心を考慮に入れた最大作業半径を表示装置に表示するので、作業員に対して現在の最大作業半径を正しく伝えることができ、安全性を確保しつつ、作業効率を高めることができる。
第2発明によれば、表示装置に最大作業半径図を表示するので、最大作業半径を視覚的に容易に把握できる。
第3発明によれば、最大作業半径図にクレーン外形が含まれるので、移動式クレーンの外形と最大作業半径との関係が分かりやすい。
第4発明によれば、最大作業半径図にブーム外形が含まれるので、現在のブームの姿勢と最大作業半径との関係が分かりやすい。
第5発明によれば、最大作業半径図に積荷重心点が含まれるので、最大作業半径の変化の要因を推測しやすい。
第6発明によれば、移動式クレーンの安定度に関わる各パラメータが数値で表されるので、移動式クレーンの状態をより正確に把握できる。
第7発明によれば、ブームの姿勢から求めた吊荷重心位置と吊荷の荷重測定値とを用いて、荷積みまたは荷降ろしが行なわれたときの積荷の重量および重心位置の変化を逐次求めることで、現在の積荷の重量および重心位置を求めることができる。
第8発明によれば、複数の分割板のそれぞれが受ける荷重から、積荷の重量および重心位置を求めることができる。
移動式クレーンの側面図である。 小型クレーンの油圧回路図である。 座標系の説明図である。 演算部のブロック図である。 演算処理のフローチャートである。 表示画像の一例である。 積荷演算部のブロック図である。 積荷演算処理のフローチャートである。 第2実施形態に係る移動式クレーンの平面図である。 第2実施形態の積荷演算部のブロック図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
〔第1実施形態〕
(移動式クレーン)
本発明の第1実施形態に係る移動式クレーンは荷台を有するものであればよく、その種類は特に限定されない。荷台を有する移動式クレーンとして、積載形トラッククレーン、軌陸車などが挙げられる。以下、積載形トラッククレーンの場合を例に説明する。
図1に示すように、本実施形態の移動式クレーンCRは積載形トラッククレーンと称されるタイプのものである。移動式クレーンCRは汎用トラック10を有する。汎用トラック10の前方部分には運転室11が設けられており、後方部分には荷台12が設けられている。荷台12には荷物が積載される。荷台12に積載された荷物を積荷CAと称する。
汎用トラック10の車両フレーム13のうち、運転室11と荷台12との間の部分には、小型クレーン20が搭載されている。小型クレーン20は車両フレーム13上に固定されたベース21を有する。ベース21にはポスト22が旋回可能に設けられている。ポスト22の上端部にはブーム23が起伏可能に設けられている。ポスト22にはウインチが内蔵されている。このウインチから延ばされたワイヤロープはブーム23の先端部まで導かれている。ワイヤロープはブーム23の先端部とフック24とに設けられた滑車に掛け回されている。これにより、フック24はブーム23の先端部から吊り下げられている。フック24に吊り下げられた荷物を吊荷LOと称する。
ポスト22、ブーム23、フック24などから構成され、吊荷LOの搬送に用いられる装置をクレーン装置と称する。ブーム23の伸縮、起伏、旋回と、フック24の巻上げ、巻下げとを組み合わせることで、吊荷LOを立体空間内で移動させることができる。
小型クレーン20は、クレーン装置のほか、アウトリガ装置を有する。アウトリガ装置はベース21の左右両側に設けられた一対のアウトリガジャッキ25、25を有する。クレーン作業開始前にアウトリガジャッキ25、25を車両の側方に張り出し、アウトリガジャッキ25、25を伸長させてロッド先端部に設けられたフロートを接地させる。そうすると、アウトリガ装置によりクレーン作業中の移動式クレーンCRの安定が確保される。
小型クレーン20は図2に示す油圧回路30により油圧駆動される。油圧回路30は油圧バルブユニット31を有する。油圧バルブユニット31の入口ポートは主油路34を介してタンク32に接続している。主油路34には油圧ポンプ33が設けられている。油圧ポンプ33はPTO(パワーテイクオフ)装置を介して汎用トラック10のエンジン14に接続されており、エンジン14により駆動される。油圧ポンプ33によりタンク32内の作動油が油圧バルブユニット31に供給される。油圧バルブユニット31の出口ポートは戻油路35を介してタンク32に接続している。
油圧バルブユニット31には複数の油圧アクチュエータ36a〜36fが接続されている。油圧アクチュエータ36a〜36fは、ブーム伸縮用油圧シリンダ36a、ウインチ用油圧モータ36b、ブーム起伏用油圧シリンダ36c、旋回用油圧モータ36d、およびアウトリガ用油圧シリンダ36e、36fである。ブーム伸縮用油圧シリンダ36aの動作によりブーム23が伸縮する。ウインチ用油圧モータ36bの動作によりフック24が巻上巻下作動する。ブーム起伏用油圧シリンダ36cの動作によりブーム23が起伏する。旋回用油圧モータ36dの動作によりポスト22が旋回する。アウトリガ用油圧シリンダ36e、36fの動作によりアウトリガジャッキ25、25が伸縮する。
油圧バルブユニット31には、伸縮用切換制御弁37a、ウインチ用切換制御弁37b、起伏用切換制御弁37c、旋回用切換制御弁37d、およびアウトリガ用切換制御弁37e、37fが設けられている。伸縮用切換制御弁37aにブーム伸縮用油圧シリンダ36aが接続している。ウインチ用切換制御弁37bにウインチ用油圧モータ36bが接続している。起伏用切換制御弁37cにブーム起伏用油圧シリンダ36cが接続している。旋回用切換制御弁37dに旋回用油圧モータ36dが接続している。アウトリガ用切換制御弁37e、37fにアウトリガ用油圧シリンダ36e、36fが、それぞれ接続している。各切換制御弁37a〜37fは、油圧ポンプ33から供給された作動油の方向および流量を制御して、油圧アクチュエータ36a〜36fの動作を制御する。
各切換制御弁37a〜37fのスプールにはリンク機構などを介して操作レバーが連結されている。操作レバーを手動操作することにより、切換制御弁37a〜37fのスプール位置を切り換えることができる。すなわち、操作レバーにより切換制御弁37a〜37fを直接操作できる。
図1に示すように、小型クレーン20は操作レバー群26を有する。操作レバー群26を構成する操作レバーが切換制御弁37a〜37fのいずれかに連結されている。操作者は操作レバー群26を用いて小型クレーン20を操作できる。
図2に示すように、切換制御弁37a〜37fのスプールには、それぞれパイロットシリンダ38a〜38fが取り付けられている。パイロットシリンダ38a〜38fの動作によっても、切換制御弁37a〜37fのスプール位置を切り換えることができる。
各パイロットシリンダ38a〜38fは、複動形シリンダであり、右側油室への作動油の給排を行なう電磁弁と、左側油室への作動油の給排を行なう電磁弁とが付設されている。これらの電磁弁は制御装置40に接続されている。
制御装置40はCPU、メモリなどで構成されたコンピュータである。制御装置40からの制御信号に基づいて電磁弁が動作することで、パイロットシリンダ38a〜38fが駆動し、切換制御弁37a〜37fのスプール位置が切り換わる。このようにして、制御装置40は小型クレーン20の動作を制御する。
制御装置40は遠隔操作端末41と双方向に無線通信または有線通信可能である。遠隔操作端末41は、いわゆるラジコン送信機をはじめとする無線操作端末でもよいし、有線操作端末でもよい。遠隔操作端末41は各種のスイッチ、アクセルトリガなどからなる入力部が搭載されている。
操作者が遠隔操作端末41の入力部を操作すると、遠隔操作端末41は制御装置40に操作信号を送信する。制御装置40はその操作信号に基づいて油圧回路30を制御して小型クレーン20を動作させる。このようにして、操作者は遠隔操作端末41を用いて小型クレーン20を遠隔操作できる。
小型クレーン20はブーム23の姿勢を測定する姿勢測定器を有する。本実施形態の場合、ブーム23の姿勢はブーム23の長さ、起伏角および旋回角によって表される。姿勢測定器はこれらの各パラメータを測定する複数の測定器からなる。すなわち、姿勢測定器は長さ測定器42、起伏角測定器43および旋回角測定器44からなる。
長さ測定器42はブーム23の長さを測定する。長さ測定器42の構成は特に限定されないが、ブーム23の先端部にコードの端部が固定されたコードリールの回転角をポテンショメータで読み取る構成が挙げられる。
起伏角測定器43はブーム23の起伏角を測定する。起伏角測定器43の構成は特に限定されないが、ポテンショメータに振り子を取り付けた振子式の角度測定器をブーム23に設ける構成が挙げられる。
旋回角測定器44はブーム23の旋回角を測定する。旋回角測定器44の構成は特に限定されないが、ベース21またはポスト22に設けた複数の近接スイッチによりブーム23の旋回角を離散的に検知する構成のほか、ポスト22を旋回させる油圧モータの回転角をポテンショメータで読み取る構成が挙げられる。
また、小型クレーン20はフック24に吊り下げられた吊荷LOの荷重を測定する荷重測定器45を有する。荷重測定器45の構成は特に限定されないが、ブーム23を起伏させるブーム起伏用油圧シリンダ36c内の油圧を圧力センサで測定して荷重を求める構成のほか、フック24を吊り下げるワイヤロープの張力から荷重を検出する張力検出器を用いた構成が挙げられる。
(最大作業半径)
本実施形態の移動式クレーンCRは、荷台12に積載された積荷CAの重量および重心を考慮した最大作業半径を求める機能を有する。ここで、作業半径とは、ブーム23の旋回軸から先端部までの水平距離を意味する。最大作業半径とは、現在の吊荷LOの荷重を前提とした、移動式クレーンCRの転倒に対する安定が確保される最大の作業半径を意味する。
最大作業半径は、例えば、以下の手順で求められる。なお、以下の説明における前提条件は一例であり、異なる前提条件に基づいて最大作業半径を求めてもよい。
本明細書では、図3に示すとおり、移動式クレーンCRを基準として、座標系を定義する。すなわち、ブーム23の旋回軸Oと直交し、移動式クレーンCRの前後方向に沿う方向をx軸とする。移動式クレーンCRの前方をx軸の正方向とする。また、ブーム23の旋回軸Oと直交し、移動式クレーンCRの車幅方向に沿う方向をy軸とする。移動式クレーンCRの左方をy軸の正方向とする。x軸およびy軸の交点、すなわちブーム23の旋回軸Oを原点とする。
また、ブーム23の長さ(ブーム23の中心軸に沿って旋回軸Oからブーム23の先端部までの長さ)をLと表記する。ブーム23の起伏角(ブーム23の中心軸の水平面に対する角度)をφと表記する。ブーム23の旋回角をθと表記する。旋回角θは移動式クレーンCRの真正面を0°とし、反時計回りを正方向とする。ブーム23の作業半径Rは式(1)で表される。
Figure 2021088432
荷台12に積載されている積荷CAの重量をmca、重心位置をGca(xca、yca)とする。積荷CAの重量mcaおよび重心位置をGca(xca、yca)は、後述の積荷測定手段で測定できる。
吊荷LOの荷重をmlo、重心位置をGlo(xlo、ylo)とする。吊荷LOの荷重mloは荷重測定器45で測定できる。吊荷LOの重心位置Gloは、ブーム23の姿勢から求めることができる。本実施形態の場合、吊荷LOはブーム23の先端部から吊り下げられたフック24に吊り下げられている。したがって、ブーム23の先端部の位置を吊荷LOの重心位置Gloとみなすことができる。具体的には、吊荷LOの重心Gloのx座標xloは式(2)で求められる。また、吊荷LOの重心Gloのy座標yloは式(3)で求められる。
Figure 2021088432
Figure 2021088432
移動式クレーンCRの車両(ブーム23、フック24などの旋回部を除く部分)の重量をmvh、重心位置をGvh(xvh、0)とする。車両の重量mvhおよび重心位置Gvh(xvh、0)は、設計情報、試験などにより特定される。
ブーム23、フック24などの旋回部の重量をmbm、重心位置をGbm(xbm、ybm)とする。旋回部の重量mbmは、設計情報、試験などにより特定される。ブーム23の中心軸に沿って旋回軸Oから重心位置Gbmまでの長さをlbmとする。長さlbmは設計情報、試験などにより特定される。長さlbmはブーム23の長さLに依存するパラメータである。長さlbmとしてブーム23の長さLごとに求めておいた値を記憶しておいてもよいし、長さlbmをブーム23の長さLの1/2と仮定してもよい。旋回部の重心位置Gbmのx座標xbmは式(4)で求められる。また、旋回部の重心位置Gbmのy座標ybmは式(5)で求められる。
Figure 2021088432
Figure 2021088432
左右の後輪タイヤの中間位置をPwc(xwc、0)とする。ここで、中間位置Pwcのy座標を0としたのは、左右の後輪タイヤの接地反力が等しいと仮定しているためである。左右の後輪タイヤの接地反力の比を考慮して中間位置Pwcのy座標を設定してもよい。すなわち、左右の後輪タイヤの接地反力の重心位置を中間位置Pwcとしてもよい。
左右のアウトリガジャッキ25、25の接地位置のx座標をxouとする。また、アウトリガジャッキ25の張出し幅(接地位置と旋回軸Oとのy軸方向の距離)をlouとする。したがって、左側アウトリガジャッキ25の接地位置はPol(xou、lou)と表される。右側アウトリガジャッキ25の接地位置はPor(xou、−lou)と表される。なお、ここでは、左右のアウトリガジャッキ25、25の張出し幅を同一と仮定している。左右のアウトリガジャッキ25、25の張出し幅が異なると仮定してもよい。
移動式クレーンCRに作用する安定モーメントと転倒モーメントとの釣り合いから、最大作業半径を求めることができる。ここで、吊荷LOの荷重として実際の荷重(または測定値)mloを前提とした場合に、安定モーメントと転倒モーメントとが釣り合う作業半径は、移動式クレーンCRの転倒が始まる作業半径である。そこで、吊荷LOの荷重として安全率を考慮した荷重Mloを前提として最大作業半径を求めることが好ましい。安全率を考慮した荷重Mloは、式(6)に示すように、実際の荷重mloを安全率N(0<N≦1)で除して求められる。
Figure 2021088432
(1)前方最大作業半径
前方転倒の転倒基線として左右のアウトリガジャッキ25、25の接地位置を結んだ線を仮定する。
前方転倒基線周りのモーメントの釣り合いより、式(7)が得られる。
Figure 2021088432
式(7)のxloに式(2)を代入し、作業半径Rで解けば、前方最大作業半径RFを求める式(8)を得ることができる。
Figure 2021088432
(2)側方最大作業半径(0≦θ<π)
図3に示すように、ブーム23の旋回角θが0〜πの範囲における、側方転倒の転倒基線として左側のアウトリガジャッキ25の接地位置Polと左右の後輪タイヤの中間位置Pwcとを結んだ線LLを仮定する。側方転倒基線LLは、式(9)で表される。
Figure 2021088432
車両の重心位置Gvh、旋回部の重心位置Gbm、吊荷LOの重心位置Gloおよび積荷CAの重心位置Gcaと側方転倒基線LLとの距離を、それぞれdvh、dbm、dlo、dcaとする。dvh、dbm、dlo、dcaは、それぞれ式(10)〜(13)で表される。ただし、距離dvh、dbm、dlo、dcaは、重心位置が側方転倒基線LLよりも内側(原点を含む領域)に位置する場合を正、側方転倒基線LLよりも外側(原点を含まない領域)に位置する場合を負とする。
Figure 2021088432
Figure 2021088432
Figure 2021088432
Figure 2021088432
前方転倒基線LL周りのモーメントの釣り合いより、式(14)が得られる。
Figure 2021088432
式(14)のdloに式(12)を代入し、さらにxlo、yloに式(2)、(3)を代入し、作業半径Rで解けば、左側の側方最大作業半径RLを求める式(15)を得ることができる。
Figure 2021088432
(2)側方最大作業半径(π≦θ<2π)
図3に示すように、ブーム23の旋回角θがπ〜2πの範囲における、側方転倒の転倒基線として右側のアウトリガジャッキ25の接地位置Porと左右の後輪タイヤの中間位置Pwcとを結んだ線LRを仮定する。側方転倒基線LRは、式(16)で表される。
Figure 2021088432
車両の重心位置Gvh、旋回部の重心位置Gbm、吊荷LOの重心位置Gloおよび積荷CAの重心位置Gcaのそれぞれと、側方転倒基線LRとの距離をdvh、dbm、dlo、dcaとする。dvh、dbm、dlo、dcaは、それぞれ式(17)〜(20)で表される。ただし、距離dvh、dbm、dlo、dcaは、重心位置が側方転倒基線LRよりも内側(原点を含む領域)に位置する場合を正、側方転倒基線LLよりも外側(原点を含まない領域)に位置する場合を負とする。
Figure 2021088432
Figure 2021088432
Figure 2021088432
Figure 2021088432
前方転倒基線LR周りのモーメントの釣り合いも式(14)で表される。式(14)のdloに式(19)を代入し、さらにxlo、yloに式(2)、(3)を代入し、作業半径Rで解けば、右側の側方最大作業半径RRを求める式(21)を得ることができる。
Figure 2021088432
以上のように、前方最大作業半径RFは式(8)で得られ、左側の側方最大作業半径RLは式(15)で得られ、右側の側方最大作業半径RRは式(21)で得られる。ブーム23の全旋回角の最大作業半径はこれら3つの解RF、RL、RRのうち最小のものとなる。
(演算部)
図2に示すように、制御装置40は、小型クレーン20の動作を制御する機能のほか、演算部50としての機能も有する。なお、演算部50を制御装置40とは別のコンピュータで構成してもよい。
図4に示すように、演算部50には、少なくとも、荷重測定器45および積荷測定手段70の測定値が入力されている。後述のごとく、積荷測定手段70は積荷CAの重量mcaおよび重心位置Gca(xca、yca)を測定する手段である。すなわち、演算部50には、吊荷LOの荷重mloの測定値と、積荷CAの重量mcaおよび重心位置Gca(xca、yca)とが入力されている。
演算部50は、最大作業半径演算部51および表示画像生成部52を有する。これらはコンピュータがプログラムを実行することで実現される。
演算部50には表示装置60が接続されている。表示装置60として液晶ディスプレイなどが挙げられる。表示装置60の設置箇所は特に限定されない。表示装置60として遠隔操作端末41のディスプレイを用いてもよいし、制御装置40の筐体に設けられたディスプレイを用いてもよい。
(演算処理)
つぎに、図5に示すフローチャートに基づき、演算処理を説明する。
まず、最大作業半径演算部51は荷重測定器45および積荷測定手段70からそれぞれの測定値を取得する(ステップS101)。すなわち、最大作業半径演算部51は、吊荷LOの荷重mloの測定値と、積荷CAの重量mcaおよび重心位置Gca(xca、yca)の測定値とを取得する。
つぎに、最大作業半径演算部51は、吊荷LOの荷重値mloと積荷CAの重量値mcaおよび重心位置Gca(xca、yca)とを考慮に入れた安定モーメントと転倒モーメントとの釣り合いに基づき、ブーム23の最大作業半径を求める(ステップS102)。すなわち、移動式クレーンCRに作用する力のうち、少なくとも吊荷LOの荷重および積荷CAの重量により生じる力の大きさ、位置から、安定モーメントおよび転倒モーメントを求めて、それらが釣り合うときの最大作業半径を求める。この際、車両の重量および旋回部の重量などにより生じる安定モーメントおよび転倒モーメントを演算に含めてもよい。
例えば、最大作業半径演算部51は、前記式(8)、(15)、(21)に基づき、前方最大作業半径RF、左側の側方最大作業半径RLおよび右側の側方最大作業半径RRを求める。ブーム23の全旋回角の最大作業半径としてこれら3つの解RF、RL、RRのうち最小のものを採用する。
つぎに、表示画像生成部52は、最大作業半径演算部51の演算結果に基づき表示画像を生成し(ステップS103)、表示画像を表示装置60に表示する(ステップS104)。
表示画像IMの一例を図6に示す。
表示画像IMは最大作業半径を図示した最大作業半径図61を含む。最大作業半径図61は、例えば、座標系の表示と、最大作業半径を示す線または領域とが含まれる。最大作業半径図61は移動式クレーンCRの姿勢を基準として水平面を示す2次元座標で示すことができる。座標系は図6に示すように極座標でもよいし、直交座標でもよい。このような最大作業半径図61を表示装置に表示すれば、作業員にとって、最大作業半径を視覚的に容易に把握できる。
最大作業半径図61は移動式クレーンCRの外形を示すクレーン外形62を重畳させて含んでもよい。クレーン外形62は移動式クレーンCRの外形を簡略化して線または領域で示すことができる。クレーン外形62は移動式クレーンCRの外形の寸法、位置、向きが最大作業半径図61の座標系に合わせられている。最大作業半径図61にクレーン外形62が含まれるので、移動式クレーンCRの外形と最大作業半径との関係が分かりやすい。例えば、移動式クレーンCRからどの程度離れた場所まで吊荷LOを移動できるのか把握しやすい。
最大作業半径図61はブーム23の外形を示すブーム外形63を重畳させて含んでもよい。ブーム外形63はブーム23の外形を簡略化して線または領域で示すことができる。ブーム外形63は現在のブーム23の作業半径および旋回角を反映して、その寸法、位置、向きが最大作業半径図61の座標系に合わせられている。したがって、表示画像生成部52は姿勢測定器(長さ測定器42、起伏角測定器43、旋回角測定器44)の測定値に基づいてブーム外形63を生成する。最大作業半径図61にブーム外形63が含まれるので、現在のブーム23の姿勢と最大作業半径との関係が分かりやすい。例えば、最大作業半径に達しない範囲で、ブーム23をどの程度伸長できるか、ブーム23をどれくらいの範囲で旋回できるのかを把握しやすい。
最大作業半径図61は積荷CAの重心位置Gcaを示す積荷重心点64を重畳させて含んでもよい。最大作業半径図61に積荷重心点64が含まれるので、最大作業半径の変化の要因を推測しやすい。
表示画像IMは最大作業半径図61のほか、数値部65を含んでもよい。数値部65には各種のパラメータが数値で示される。数値部65に示されるパラメータとして、吊荷LOの荷重mlo、積荷CAの重量mca、ブーム23の旋回角θ、現在のブームの作業半径R、およびブーム23の現在の旋回角θにおける最大作業半径が挙げられる。数値部65にはこれらのパラメータを示す数値の一または複数が示される。移動式クレーンCRの安定度に関わる各パラメータが数値で表されるので、移動式クレーンCRの状態をより正確に把握できる。
なお、表示画像IMの態様は図6に示すものに限定されない。表示装置60は何らかの態様で最大作業半径を表示すればよい。ブーム23の現在の旋回角θにおける最大作業半径を数値として表示装置60に表示してもよい。
図5に示すように、上記のテップS101からS104の処理は、繰り返し行なわれる。すなわち、荷積み、荷降ろしなどにより、積荷CAの重量mcaまたは重心位置Gcaが変化した場合、または吊荷LOの荷重mloが変化した場合には、その都度、最大作業半径が再計算され、現在の最大作業半径が表示装置60の表示に反映される。積荷CAおよび吊荷LOに起因して変化する最大作業半径をリアルタイムで表示することができる。
以上のように、積荷CAの重量mcaおよび重心Gcaを考慮に入れた最大作業半径を表示装置60に表示するので、作業員に対して現在の最大作業半径を正しく伝えることができる。作業員は現在の最大作業半径を意識しながら、ブーム23を操作できる。そのため、安全性を確保しつつ、作業効率を高めることができる。
(積荷測定手段)
積荷測定手段70は、積荷CAの重量mcaおよび重心位置Gcaを測定する機能を有すればよく、その構成は特に限定されない。積荷測定手段70を、例えば、以下のように構成できる。
本明細書では、ブーム23に吊り下げられた吊荷LOを荷台12に載せることを「荷積み」という。荷台12に積載された積荷CAの一部または全部をブーム23に吊り下げて吊荷LOとすることを「荷降ろし」という。
ブーム23に吊り下げられた吊荷LOを荷台12に載せる荷積みが行なわれたとする。式(22)に示すように、荷積み後の積荷CAの重量mca´は荷積み前の積荷CAの重量mcaに吊荷LOの荷重mloを加算して求められる。
Figure 2021088432
また、荷積み後の積荷CAの重心位置Gca´(xca´、yca´)は式(23)および式(24)で求められる。
Figure 2021088432
Figure 2021088432
荷台12の積荷CAの一部を吊荷LOとしてブーム23に吊り下げる荷降ろしが行なわれたとする。式(25)に示すように、荷降ろし後の積荷CAの重量mca"は荷降ろし前の積荷CAの重量mcaから吊荷LOの荷重mloを減算して求められる。
Figure 2021088432
また、荷降ろし後の積荷CAの重心位置Gca"(xca"、yca")は式(26)および式(27)で求められる。
Figure 2021088432
Figure 2021088432
以上のように、荷積みが行なわれた場合も荷降ろしが行なわれた場合も、積荷CAの重量および重心を求めることができる。荷積みまたは荷降ろしが行なわれるたびに上記の演算を行なえば、現在の積荷CAの重量および重心を常に把握することができる。
図7に示すように、積荷測定手段70は姿勢測定器(長さ測定器42、起伏角測定器43、旋回角測定器44)、荷重測定器45および積荷演算部80からなる。積荷演算部80は制御装置40の一機能として実現してもよいし(図2参照)、制御装置40とは別のコンピュータで構成してもよい。積荷演算部80には、姿勢測定器(長さ測定器42、起伏角測定器43、旋回角測定器44)および荷重測定器45の測定値が入力されている。
積荷演算部80は、吊荷重心演算部81、荷積み判断部82、積荷重量演算部83、積荷重心演算部84、記憶部85および出力部86を有する。これらはコンピュータがプログラムを実行することで実現される。
積荷演算部80は、後述の積荷演算処理を行ない、積荷CAの重量および重心を求める。求められた積荷CAの重量の値を積荷重量値mcaとする。また、求められた積荷CAの重心位置を積荷重心位置Gca(xca、yca)とする。記憶部85はこれら積荷重量値mcaおよび積荷重心位置Gca(xca、yca)を記憶する。
(積荷演算処理)
つぎに、図8に示すフローチャートに基づき、積荷演算処理を説明する。
まず、積荷演算部80は積荷重量値mcaおよび積荷重心位置Gca(xca、yca)を初期化する(ステップS201)。この初期化処理は、荷台12に積荷CAが積載されていない空荷状態のときに行なわれる。したがって、積荷重量値mcaは0(ゼロ)とすればよい。また、積荷重心位置Gcaは原点(0、0)とすればよい。
つぎに、積荷演算部80は姿勢測定器(長さ測定器42、起伏角測定器43、旋回角測定器44)および荷重測定器45からそれぞれの測定値を取得する(ステップS202)。すなわち、積荷演算部80は、ブーム23の長さL、起伏角φおよび旋回角θの各測定値と、吊荷LOの荷重mloの測定値とを取得する。
つぎに、吊荷重心演算部81は、前記式(2)および式(3)に従い、ブーム23の姿勢(L、φ、θ)から吊荷LOの重心位置(以下、「吊荷重心位置」という。)Glo(xlo、ylo)を求める(ステップS203)。
つぎに、荷積み判断部82はクレーン装置の作業が荷積みであるか、荷降ろしであるかを判断する(ステップS204)。具体的には、荷積み判断部82は、吊荷重心位置Glo(xlo、ylo)が荷台12の領域内にあり、吊荷LOの荷重測定値mloが減少したときに、荷積みが行なわれたと判断する。また、荷積み判断部82は、吊荷重心位置Glo(xlo、ylo)が荷台12の領域内にあり、吊荷LOの荷重測定値mloが増加したときに、荷降ろしが行なわれたと判断する。
ここで、荷台12の領域は、x−y座標系における特定の領域として、予め記憶部85に記憶されている。したがって、吊荷重心位置Glo(xlo、ylo)と記憶された領域とを比較することで、吊荷重心位置Glo(xlo、ylo)が荷台12の領域内にあるか否かを判断できる。
現在の荷重測定値mloが所定時間前の荷重測定値mloに比べて低い場合に、荷重測定値mloが減少したと判断すればよい。通常、荷積みが行なわれた場合、荷重測定値mloは所定値から0(ゼロ)になる。また、現在の荷重測定値mloが所定時間前の荷重測定値mloに比べて高い場合に、荷重測定値mloが増加したと判断すればよい。通常、荷降ろしが行なわれた場合、荷重測定値mloは0(ゼロ)から所定値になる。
ステップS204において、クレーン装置の作業が荷積みでも荷降ろしでもない場合、ステップS202に戻る。
ステップS204において、荷積み判断部82が、荷積みが行なわれたと判断したとする。このとき、積荷重量演算部83は、荷積み後の積荷重量値(以下、「新積荷重量値」という。)mca´を求める(ステップS205)。具体的には、前記式(22)に従い、積荷重量値mcaに荷重測定値mloを加算して新積荷重量値mca´を求める。
また、積荷重心演算部84は、荷積み後の積荷重心位置(以下、「新積荷重心位置」という。)Gca´(xca´、yca´)を求める(ステップS206)。具体的には、前記式(23)および式(24)に従い、積荷重量値mcaおよび積荷重心位置Gca(xca、yca)と、吊荷LOの荷重測定値mloおよび吊荷重心位置Glo(xlo、ylo)とから、新積荷重心位置Gca´(xca´、yca´)を求める。
ステップS204において、荷積み判断部82が、荷降ろしが行なわれたと判断したとする。このとき、積荷重量演算部83は、荷降ろし後の積荷重量値(新積荷重量値)mca"を求める(ステップS205)。具体的には、前記式(25)に従い、積荷重量値mcaから荷重測定値mloを減算して新積荷重量値mca"を求める。
また、積荷重心演算部84は、荷降ろし後の積荷重心位置(新積荷重心位置)Gca"(xca"、yca")を求める(ステップS206)。具体的には、前記式(26)および式(27)に従い、積荷重量値mcaおよび積荷重心位置Gca(xca、yca)と、吊荷LOの荷重測定値mloおよび吊荷重心位置Glo(xlo、ylo)とから、新積荷重心位置Gca"(xca"、yca")を求める。
そして、積荷重量演算部83は求められた新積荷重量値mca´またはmca"で記憶部85に記憶されている積荷重量値mcaを更新する。また、積荷重心演算部84は求められた新積荷重心位置Gca´(xca´、yca´)またはGca"(xca"、yca")で記憶部85に記憶されている前記積荷重心位置Gca(xca、yca)を更新する(ステップS207)。これにより、記憶部85には、荷積みまたは荷降ろし後の、最新の積荷重量値mcaおよび積荷重心位置Gca(xca、yca)が記憶されることになる。
積荷演算部80は以上のステップS202からステップS207までの処理を、荷積みまたは荷降ろしごとに繰り返し行なう。積荷演算部80が処理を繰り返し行なうことで、荷積みまたは荷降ろしを複数回行った場合には、その都度、積荷重量値mcaおよび積荷重心位置Gca(xca、yca)が最新の情報に更新される。
以上のように、積荷演算部80は、ブーム23の姿勢から求めた吊荷重心位置Glo(xlo、ylo)と吊荷LOの荷重測定値mloとを用いて、荷積みまたは荷降ろしが行なわれたときの積荷CAの重量mcaおよび重心位置Gca(xca、yca)の変化を逐次求める。これにより、現在の積荷の重量mcaおよび重心位置Gca(xca、yca)を求めることができる。
出力部86は記憶部85に記憶されている積荷重量値mcaおよび積荷重心位置Gca(xca、yca)を演算部50に出力する。演算部50は、入力された積荷重量値mcaおよび積荷重心位置Gca(xca、yca)を用いて、前述のごとく、最大作業半径を表示する。
〔第2実施形態〕
積荷測定手段70を以下に説明する構成としてもよい。
図9に示すように、移動式クレーンCRの荷台12には複数の分割板91が敷き詰められている。換言すれば、荷台12の床板が複数の分割板91に分割されている。各分割板91の形状は特に限定されない。荷台12を隙間なく充填するという観点からは、分割板91を三角形、四角形または六角形とすることが好ましい。分割板91の数は特に限定されないが、多いほど、積荷CAの重心位置Gcaを精度良く求めることができる。
複数の分割板91にはそれぞれ重量センサが設けられている。荷台12に積荷CAが積載されている場合、積荷CAを支持する分割板91には荷重が作用する。分割板91に作用する荷重を重量センサにより測定する。
図10に示すように、複数の重量センサ92の測定値はそれぞれ積荷演算部93に入力されている。積荷演算部93は重量センサ92の測定値に基づいて、積荷CAの重量mcaおよび重心位置Gcaを求める。積荷測定手段70は、以上の分割板91、重量センサ92、積荷演算部93からなる。
積荷演算部93は、複数の分割板91のそれぞれの重心位置と重量値とから、積荷CAの重量値mcaおよび重心位置Gcaを求める。具体的には、積荷演算部93は以下の演算を行なう。
分割板91の数をNとする。i番目の分割板91の重心(分割板91に一様に質量を分布させたときの質量中心)をgi(xi、yi)とする。また、i番目の分割板91に設けられた重量センサ92の測定値をwiとする。
式(28)に示すように、積荷CAの重量mcaは、全ての重量センサ92の測定値wiを合計することで得られる。
Figure 2021088432
また、積荷CAの重心位置Gca(xca、yca)は式(29)および式(30)で求められる。
Figure 2021088432
Figure 2021088432
以上のように、本実施形態の積荷測定手段70は、複数の分割板91のそれぞれが受ける荷重から、積荷CAの重量mcaおよび重心位置Gcaを求めることができる。積荷演算部93は、求めた積荷重量値mcaおよび積荷重心位置Gcaを演算部50に出力する。演算部50は、入力された積荷重量値mcaおよび積荷重心位置Gcaを用いて、前述のごとく、最大作業半径を表示する。
CR 移動式クレーン
LO 吊荷
CA 積荷
12 荷台
23 ブーム
45 荷重測定器
50 演算部
51 最大作業半径演算部
52 表示画像生成部
60 表示装置
61 最大作業半径図
62 クレーン外形
63 ブーム外形
64 積荷重心点
65 数値部
70 積荷測定手段

Claims (8)

  1. 積荷が積載される荷台と、
    吊荷が吊り下げられるブームと、
    前記積荷の重量および重心位置を測定する積荷測定手段と、
    前記吊荷の荷重を測定する荷重測定器と、
    前記積荷測定手段および前記荷重測定器の測定値が入力される演算部と、
    前記演算部に接続された表示装置と、を備え、
    前記演算部は、前記積荷の重量値および重心位置と前記吊荷の荷重値とを考慮に入れた安定モーメントと転倒モーメントとの釣り合いに基づき、前記ブームの最大作業半径を求め、
    前記表示装置は、前記最大作業半径を表示する
    ことを特徴とする移動式クレーン。
  2. 前記表示装置は、前記最大作業半径を図示した最大作業半径図を含む表示画像を表示する
    ことを特徴とする請求項1記載の移動式クレーン。
  3. 前記最大作業半径図は、移動式クレーンの外形を示すクレーン外形を含む
    ことを特徴とする請求項2記載の移動式クレーン。
  4. 前記ブームの姿勢を測定する姿勢測定器を備え、
    前記最大作業半径図は、前記姿勢測定器で測定された前記ブームの作業半径および旋回角を前記ブームの外形として示すブーム外形を含む
    ことを特徴とする請求項2または3記載の移動式クレーン。
  5. 前記最大作業半径図は、前記積荷の重心位置を示す積荷重心点を含む
    ことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の移動式クレーン。
  6. 前記表示画像は、前記吊荷の荷重、前記積荷の重量、前記ブームの旋回角、前記ブームの作業半径および前記ブームの現在の旋回角における最大作業半径を示す数値の一または複数を示す数値部を含む
    ことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の移動式クレーン。
  7. 前記積荷測定手段は、
    前記ブームの姿勢を測定する姿勢測定器と、
    前記姿勢測定器および前記荷重測定器の測定値が入力される積荷演算部と、を備え、
    前記積荷演算部は、
    積荷重量値および積荷重心位置が記憶されており、
    前記ブームの姿勢から吊荷重心位置を求め、
    荷積みまたは荷降ろしが行なわれたときに、前記積荷重量値および前記積荷重心位置と、前記吊荷の荷重測定値および前記吊荷重心位置とから、荷積みまたは荷降ろし後の新積荷重量値および新積荷重心位置を求め、
    前記新積荷重量値および前記新積荷重心位置で、前記積荷重量値および前記積荷重心位置を更新する
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動式クレーン。
  8. 前記積荷測定手段は、
    前記荷台に敷き詰められた複数の分割板と、
    前記複数の分割板のそれぞれに設けられた複数の重量センサと、
    前記複数の重量センサの測定値が入力される積荷演算部と、を備え、
    前記積荷演算部は、前記複数の分割板のそれぞれの重心位置と重量値とから、前記積荷の重量値および重心位置を求める
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動式クレーン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023022205A1 (ja) * 2021-08-19 2023-02-23 株式会社タダノ 積載形トラッククレーン
WO2023090528A1 (ko) * 2021-11-22 2023-05-25 주식회사수산중공업 크레인 차량 및 크레인 차량의 제어 방법

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