JP2021087932A - 水処理プラント - Google Patents

水処理プラント Download PDF

Info

Publication number
JP2021087932A
JP2021087932A JP2019220879A JP2019220879A JP2021087932A JP 2021087932 A JP2021087932 A JP 2021087932A JP 2019220879 A JP2019220879 A JP 2019220879A JP 2019220879 A JP2019220879 A JP 2019220879A JP 2021087932 A JP2021087932 A JP 2021087932A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water treatment
water
activated sludge
reaction tank
series
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019220879A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021087932A5 (ja
JP7437144B2 (ja
Inventor
暁 佐々木
Akira Sasaki
暁 佐々木
佳記 西田
Yoshiki Nishida
佳記 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2019220879A priority Critical patent/JP7437144B2/ja
Publication of JP2021087932A publication Critical patent/JP2021087932A/ja
Publication of JP2021087932A5 publication Critical patent/JP2021087932A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7437144B2 publication Critical patent/JP7437144B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Activated Sludge Processes (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

【課題】従来活性汚泥法において、高度処理のための高MLSS濃度と固液分離のための低MLSS濃度を、状況に応じて効果的に変化させる。【解決手段】水処理プラントは、第1水処理系列と、第2水処理系列とを含む。第1水処理系列は、第1生物反応タンクと、第1生物反応タンクからの水を活性汚泥と処理水とに分離する沈殿池とを含む第1水処理系列と、を含む。第2水処理系列は、活性汚泥と処理水とを分離する分離膜が設置された第2生物反応タンクを含む。第1水処理系列と第2生物反応タンクとの間において、活性汚泥が相互に送泥される。第1水処理系列と第2生物反応タンクとの間において、活性汚泥の少なくとも一方向の送泥量は調整可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、水処理プラントに関する。
下水の生物反応処理方法等について、以下に示す。活性汚泥法は、活性汚泥と呼ばれる微生物の集合体を浮遊させた反応タンクを用いた下水の生物反応処理方法である。分離膜を使用しない従来活性汚泥法の汚濁物質の除去過程は、活性汚泥による反応タンク中での汚濁物質の除去(吸着、摂取、酸化、同化等)と最終沈殿池における活性汚泥の固液分離に要約される。固液分離された活性汚泥の一部は、返送汚泥として反応タンクに送られ、下水と混合されて再び下水の処理に利用される。残りは余剰汚泥として処理される。
活性汚泥法によって除去される汚濁物質の主要成分は、有機物、窒素、リン等である。なお、有機物除去に加えて、窒素、リン等の除去を行うことを高度処理という。汚濁物質の除去能力は、活性汚泥が高濃度(高MLSS濃度)であるほど高い。一方、固液分離の能力は、活性汚泥が低濃度(低MLSS濃度)であるほど高い。
固液分離性能を増強させる技術として、傾斜板沈殿装置(最終沈殿池に追加)がある。活性汚泥法の種類で、雨天時等の大流量の流入に対応するものとして、雨天時活性汚泥法(3W法)がある。この3W法は、3Qsh(1Qshは時間最大汚水量)のうち、1Qshを反応タンクの前段で従来法と同じように処理し、これまで直接放流等をしていた残りの2Qshを反応タンクの後段にステップ投入し処理する。
膜分離活性汚泥法(MBR)は、活性汚泥によって下水の生物反応処理を行った後、限外ろ過膜、精密ろ過膜等の分離膜を用いて処理水と活性汚泥とを膜分離処理することで、処理水から活性汚泥を分離除去する方法である。分離膜を用いて外力により活性汚泥の分離を行うため、処理にあたって反応タンクの活性汚泥濃度を高く設定することが可能である。
ハイブリッド型MBRは、MBRと他の処理方法を組み合わせた処理方法(水処理プラント)である。複数水処理系列を含む中規模又は大規模の下水処理場の改築更新において、MBRを導入する場合、既存の系列とMBR系列を併用する構成になることがある。このため、両系列の組み合わせによるメリットを強調することによって、水処理全体の最適化を図ることができる。
特許文献1では、ハイブリッド型MBRにおいて、大流量流入(ピーク流入水量)への対応を従来活性汚泥法系列に負担させることで、MBR系列の能力低減が図れ、全体として、高コストなMBR系列の数を減少させることができる手法が、記載されている。
特開2017−113722号公報
従来活性汚泥法において、高度処理のための高MLSS濃度と固液分離のための低MLSS濃度を両立させるため、高度処理(高MLSS濃度)を優先すると、例えば雨天時又は冬季の汚泥沈降性が悪化する時期において、最終沈殿池の汚泥がリークする可能性がある。一方、雨水時又は汚泥沈降性が悪化する時期のために、一時的に固液分離性能を高めるために低MLSS濃度化を行うと、有機物、窒素、リン等の除去能力が低下する。
従って、従来活性汚泥法において、高度処理のための高MLSS濃度と固液分離のための低MLSS濃度を、状況に応じて効果的に変化させることができる技術が望まれる。
本発明の一態様は、第1生物反応タンクと、前記第1生物反応タンクからの水を活性汚泥と処理水とに分離する沈殿池と、を含む、第1水処理系列と、活性汚泥と処理水とを分離する分離膜が設置された第2生物反応タンクを含む、第2水処理系列と、を含み、前記第1水処理系列と前記第2生物反応タンクとの間において、活性汚泥が相互に送泥され、前記第1水処理系列と前記第2生物反応タンクとの間において、前記活性汚泥の少なくとも一方向の送泥量は調整可能である。
本発明の一態様によれば、従来活性汚泥法において、高度処理のための高MLSS濃度と固液分離のための低MLSS濃度を、状況に応じて効果的に変化させることができる。
実施例に係る水処理プラントの概略フローを示す。 実施例に係る水処理プラントの詳細フローを示す。 反応タンク間の相互送泥の機構の例を示す。 トラフ及びトラフに設置されているゲート堰の断面構造を示す。 雨天時等、最初沈殿池への流入下水量が所定値より多いときの水の流れを示す。 雨天時等、最初沈殿池への流入下水量が所定値より多いときの水の流れの他の例を示す。 第1水処理系列と第2水処理系列との間の活性汚泥の相互送泥の他の例を示す。 第1水処理系列と第2水処理系列との間の活性汚泥の相互送泥の他の例を示す。 第1水処理系列と第2水処理系列との間の活性汚泥の相互送泥の他の例を示す。 第1水処理系列と第2水処理系列との間の活性汚泥の相互送泥の他の例を示す。 第1水処理系列と第2水処理系列との間の活性汚泥の相互送泥の他の例を示す。 第1水処理系列と第2水処理系列との間の活性汚泥の相互送泥の他の例を示す。
以下、添付図面を参照して実施形態を説明する。本実施形態は本発明を実現するための一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではないことに注意すべきである。
<水処理プランとの概略>
図1は、実施例に係る水処理プラントの概略フローを示す。水処理プラントは異なるタイプの水処理系列を含むハイブリッド型であり、被処理水である下水が流入する前処理設備10、並びに、前処理設備の下流側に設けられている第1水処理系列11及び第2水処理系列12を含む。水処理プラントの制御システム14は、水処理プラントの動作を制御する。
下水は、前処理設備10に流入する。前処理設備10は、下水中の固形物を物理的に除去する。前処理設備10は、例えば、沈殿分離、浮上分離、又は固液分離機を使用することができる。
前処理設備10からの水は、第1水処理系列11に流入する。水処理プラントは複数のモードを含み、あるモードにおいて、前処理設備10からの水は、第2水処理系列12に流入することなく、第1水処理系列11に流入する。他のモードにおいて、前処理設備10からの水は、第1水処理系列11に加えて、第2水処理系列12に流入する。制御システム14は、例えば、下水の流入量予想量に応じて動作モードを切り替え、選択したモードに応じて前処理設備10からの流水を制御する。他の例において、前処理設備10からの水を、常に二つの水処理系列11、12に流入させてもよい。
第1水処理系列11は、従来活性汚泥法により下水の生物反応処理、具体的には、高度処理(有機物除去に加えて、窒素、リン等の除去)を行う。第1水処理系列11は、従来活性汚泥法水処理設備111、従来活性汚泥法水処理設備111の下流側に設置された後段の最終沈殿池112、及び最終沈殿池112の下流側に設置された後段の消毒設備13を含む。
従来活性汚泥法水処理設備111は、活性汚泥による生物反応処理により、有機物、窒素、リン等の汚濁物質の除去を行う。最終沈殿池112は、従来活性汚泥法水処理設備111から流入した水を、上澄み液と活性汚泥とに、重力沈降により沈降分離する。沈降分離後の上澄み液は、消毒設備13に送られる。沈降分離した活性汚泥の一部は返送汚泥として、従来活性汚泥法水処理設備111へ返送される(図1において不図示)。
消毒設備13は、最終沈殿池112からの上澄みに消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム溶液、液化塩素等)を接触させて消毒を行う。消毒設備13から流れ出た処理水は、河川などの公共用水域に放流される。
第2水処理系列12は、膜分離活性汚泥法(MBR)水処理設備121を含む。MBR水処理設備121は、活性汚泥によって下水の生物反応処理を行い、限外ろ過膜、精密ろ過膜等の分離膜を用いて処理水と活性汚泥とを膜分離処理することで、処理水から活性汚泥を分離除去する。MBR水処理設備121からの処理水は、再生水等として利用、あるいは第1水処理系列11からの処理水と共に、河川などの公共用水域に放流される。
図1に示す水処理プラントは、第1水処理系列11と第2水処理系列12との間において、活性汚泥を相互に送泥する。一方又は双方の送泥量は調整可能であり、送泥量を調整することで、状況に応じて、従来活性汚泥法を使用する第1水処理系列11における活性汚泥濃度(MLSS濃度)を、目的の値に調整することができる。
例えば、第1水処理系列11の高度処理の処理能力を向上させる場合、水処理プラントは、第2水処理系列12から第1水処理系列11に送泥する量を、第1水処理系列11から第2水処理系列12に送泥する量に対して、相対的に増加させる。これにより、第1水処理系列11が高MLSS濃度化される。後述するように、MBRを使用する第2水処理系列12から送られる活性汚泥のMLSS濃度は、従来活性汚泥法水処理設備111におけるMLSS濃度よりも高い。
第1水処理系列11の高MLSS濃度化は、下水中の基質濃度の低下による生物学的リン除去の処理能力低下を補完することができ、固液分離のための凝集剤を不要あるいは節減することができる。また、高MLSS濃度化によって、生物学的リン除去を阻害する過剰曝気による嫌気部への酸素の持ち込みを抑制できる。
例えば雨天時に一時的に最終沈殿池112の固液分離性能を向上させる場合、水処理プラントは、第1水処理系列11から第2水処理系列12に送泥する量を、第2水処理系列12から第1水処理系列11に送泥する量に対して、相対的に増加させる。これにより、第1水処理系列11が低MLSS濃度化される。
一例において、水処理プラントは、流入下水量が平常的である場合は、前処理設備1おからの水を第2水処理系列12に直接流入させず、第1水処理系列11に全量流入させる。第2水処理系列12では膜分離処理を主とし、第1水処理系列11では生物処理を主とする。流入下水量が例えば処理可能水量を超える場合、水処理プラントは、前処理設備1おからの水を第2水処理系列12にも直接流入させる。
MBRにおいては、高MLSS濃度化によって酸素溶解効率の低下が生じる。このため生物反応処理(有機物、窒素等の除去)に必要な空気量(エネルギ消費量)が、従来活性汚泥法に比べて多い。上述のように、平常時に、従来活性汚泥法を使用する第1水処理系列11が、MBRを使用する第2水処理系列12に比べ酸素溶解効率が高い生物処理を行うため、省エネルギが図れる。さらに、MBRを定量の間欠運転とすることで分離膜ユニットの曝気洗浄量を減らすことができ、省エネルギが図れる。
また、MBRの水処理系列と、沈殿池を使用する水処理系列とを含むハイブリッド型水処理プラントは、同一スペースで処理可能な水量を増加させると共に、限られたスペースでの改築更新が可能となり、事業継続性を確保することができる。
なお、図1は、一つの第1水処理系列11及び一つの第2水処理系列12を示すが、水処理プラントは、複数の第1水処理系列及び複数の第2水処理系列を含むことができる。一つの第2水処理系列は、1又は複数の第1水処理系列との間で活性汚泥を相互に送泥する。
<水処理プラントの詳細>
図2は、実施例に係る水処理プラントの詳細フローを示す。水処理プラントは、被処理水である下水の流入側(上流側)より順に、最初沈殿池201、第1反応タンク(第1生物反応タンク)239、及び最終沈殿池257を含む。水処理プラントは、さらに、第2反応タンク(第2生物反応タンク)207を含む。第1反応タンク239及び最終沈殿池257は従来活性汚泥法を使用する第1水処理系列を構成し、第2反応タンク207はMBRを使用する第2水処理系列を構成する。図2において制御システム14は省略されている。
最初沈殿池201は、下水が流入する流入水路203及びその後段の沈殿池205を含む。下水が流入水路203を通って沈殿池205に流入し、沈殿池205内で下水に含まれる固形分が、最初沈殿池汚泥として重力沈降により沈降分離される。最初沈殿池汚泥は、不図示のポンプを通じて汚泥処理へと移送される。
最初沈殿池201で固形分が除去された被処理水(下水)は、第1反応タンク239に流入する。なお、図2に示していないが、一般に、膜閉塞(への絡み)の原因となる繊維物(毛髪等)を除去する前処理設備が、最初沈殿池201と第1反応タンク239との間(簡易処理水の放流よりも下流側)に設置される。または、最初沈殿池201の代わりに、上記機能と最初沈殿池の機能とを持つ前処理設備を設けてもよい。
図2の例において、第1反応タンク239は、嫌気無酸素好気法により被処理水を高度処理する。第1反応タンク239は、上流側から、流入水路241、嫌気タンク243、無酸素タンク245、及び好気タンク247を含む。嫌気無酸素好気法は、活性汚泥によるリンの過剰摂取及び硝化脱窒反応を利用する。
流入水路241には、最終沈殿池257からの被処理水と、後述する最終沈殿池257からの返送汚泥267とが流入する。被処理水と返送汚泥の混合水は、流入水路241から、嫌気タンク243に流入する。また、後段の無酸素タンク245の一部の混合水が、ポンプ249により嫌気タンク243に供給される。嫌気タンク243に酸素が供給されておらず、活性汚泥は嫌気状態にある。活性汚泥中の微生物は、混合水中の有機物を摂取し、リンを放出する。
嫌気タンク243からの混合水は、後段の無酸素タンク245に流入する。無酸素タンク245に酸素が供給されていない。活性汚泥中の微生物は、混合水内の硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素を窒素ガスに還元する。窒素ガスは、空気中に放出される。このように、無酸素タンク245において窒素が除去される。なお、後段の好気タンク247から一部の混合水を無酸素タンク245に循環させてもよい。これにより、脱窒効率を高めることができる。
無酸素タンク245からの混合水は、後段の好気タンク247に流入する。好気タンク247内には、散気装置251が設置されている。ブロワ253は、配管255を介して散気装置251に酸素を含む空気を供給する。散気装置251は、気泡を好気タンク247内の混合水に与える。
好気タンク247において、活性汚泥の微生物は、供給された酸素により呼吸する。好気状態において、微生物は、有機物を分解すると共に、嫌気タンク243で放出したより多くのリンを摂取する。これにより、下水のリンが除去される。さらに、微生物は、混合水内の有機態窒素をアンモニア性窒素に変換し、さらに、アンモニア性窒素を、硝酸性窒素又は亜硝酸性窒素に変換(硝化)する。
好気タンク247からの活性汚泥を含む混合水は、最終沈殿池257に流入する。最終沈殿池257は、活性汚泥と上澄み液とを分離(固液分離)する。最終沈殿池257は、流入水路259とその下流側の沈殿池261とを含む。好気タンク247からの水は、流入水路259を介して、沈殿池261に流入する。沈殿池261において、活性汚泥は重力沈降により、上澄み液から沈降分離される。
上澄み液は、処理水として、必要により消毒された後、放流される。分離された活性汚泥の一部は、余剰汚泥265として、ポンプ263を介して汚泥処理へと移送される。分離された活性汚泥の他の一部は、ポンプ263を介して、返送汚泥267として流入水路241に返送される。返送汚泥267は、下水の生物反応処理に再利用される。第2反応タンク207は、膜分離タンク213を含む。図2の構成例において、第2反応タンク207は、膜分離タンク213のみで構成されている。
第2反応タンク207と第1反応タンク239との間において、活性汚泥の相互送泥が行われる。本明細書において、第1水処理系列と第2水処理系列との台の相互送泥において、活性汚泥が流出する部分を送泥段、活性汚泥が流入する部分を受泥段と呼ぶことにする。
図2の例において、第1反応タンク239の好気タンク247(送泥段)から、活性汚泥を含む混合水271が膜分離タンク213(受泥段)に流入する。また、膜分離タンク213(送泥段)からの混合水273は、第1反応タンク239の無酸素タンク245(受泥段)に流入する。膜分離タンク213から好気タンク247より前段に送泥することで、第1反応タンク239のMLSS濃度をより適切に調整でき、さらに、無酸素タンク245に送ることで嫌気タンク243における酸素濃度等の増加によるリン放出の低下を避けることができる。
膜分離タンク213内には、分離膜ユニット223が設置されている。分離膜ユニット223は、例えば、1又は複数の限外ろ過膜、精密ろ過膜等の分離膜及びそれらを保持すると共に、分離膜により分地された処理水を送水する管を含む。例えば不図示のポンプによって吸引され、分離膜を透過した処理水は、管を通って再利用又は放流される。膜分離処理により、膜分離タンク213内の活性汚泥濃度(MLSS濃度)は高くなる。つまり、第1反応タンク239には、高MLSS濃度化された混合水(活性汚泥)が、第2反応タンク207から送泥される。
膜分離タンク213内において、散気装置219が、分離膜ユニット223の下側に設置されている。他の散気装置221は、分離膜ユニット223から離れた位置に設置されている。ブロワ225は、配管229を介して散気装置219に酸素を含む空気を供給する。ブロワ227は、配管231を介して散気装置221に酸素を含む空気を供給する。
散気装置219は、主に、分離膜ユニット223の曝気洗浄のために、気泡を水に放出する(散気する)。散気装置219からの気泡及び上昇流により、分離膜の表面が活性汚泥で覆われることを防ぐ。散気装置221は、主に、膜分離タンク213内の混合水の活性汚泥濃度(MLSS濃度)を均一化するために散気する。散気装置219、221は、例えば、間欠散気を行う。
膜分離タンク213内の水は、活性汚泥を含み、また、酸素が供給されるため、第1反応タンク239の好気タンク247と同様に、微生物よる硝化及びリン摂取が行われる。第2反応タンク207(膜分離タンク213)が膜分離処理を主とし、第1反応タンク239が生物反応処理を主とする構成において、膜分離タンク213に生物反応処理のために酸素を供給する必要はない。散気装置219、221からの散気量を少なくすることで、消費エネルギを低減することができる。また、膜分離タンク213内の混合水の酸素濃度が高くなりすぎることを防ぐことができる。
制御システム14は、自動的又はオペレータの指示に応じて、第1反応タンク239と第2反応タンク207との間の相互送泥量を制御する。これにより、第1水処理系列におけるMLSS濃度を所望の値に制御する。
例えば、第1反応タンク239を高MLSS濃度化して処理能力を高くするため、制御システム14は、第1反応タンク239の好気タンク247から第2反応タンク207の膜分離タンク213への送泥量を減少させ、膜分離タンク213からの第1反応タンク239の無酸素タンク245へ送泥量を増加させる。
また、例えば、最終沈殿池257に流入する好気タンク247からの混合水を低MLSS濃度化して最終沈殿池257の固液分離性能を向上させるため、制御システム14は、第1反応タンク239の好気タンク247から第2反応タンク207の膜分離タンク213への送泥量を増加させ、膜分離タンク213からの第1反応タンク239の無酸素タンク245へ送泥量を減少させる。なお、制御システム14は、第1反応タンク239のMLSS濃度を調整するため、一方の送泥量のみを調整してもよい。
制御システム14による相互送泥量の制御方法の一例を説明する。水処理プラントには、水処理プラントの状態をモニタリングするための、様々なセンサが、多くの位置に設置されている。制御システム14は、これらセンサによる測定値を得ることで、流入量、流入水質(現状値と予測値)、反応タンク2お7、239の状況(MLSS濃度、溶存酸素濃度、pH等)、処理水質(SS(懸濁物質)濃度、有機物、窒素、リン等)をモニタリングすることができる。
例えば、制御システム14は、下水の流入量や流入水質の予測値を用いて、第1反応タンク239での生物反応処理と、最終沈殿池257での固液分離との観点から、最適なMLSS濃度を決定し、その値を目標にして相互送泥量を決定する。
制御システム14は、例えば、最初沈殿池201の上流側に設置された流量計の流量計測値と、処理区域内の雨量計により計測された処理区域内の降雨量等から、過去の実測データを参照して、未来の下水流入量を予測する。
制御システム14は、最終沈殿池257から汚泥が流出しない条件における、最終沈殿池257への流入量に対する上限MLSS濃度を算出する。制御システム14は、最終沈殿池257の分析モデルから、流入量に対する上限MLSS濃度を算出することができる。多くの分析モデルが知られており、いずれの分析モデルを使用してもよい。
例えば、制御システム14は、最終沈殿池257の流出口における汚泥界面深さ(水面からの距離)と最終沈殿池257の流出口深さとの関係から、最終沈殿池257から汚泥が流出しない最大汚泥界面高さを決定することができる。さらに、予め設定されている分析モデルに従って、最大汚泥界面高さに対応する上限MLSS濃度を決定する。
汚泥界面高さとMLSS濃度との関係を示す多くのモデルが知られており、いずれのモデルも使用することができる。例えば、汚泥界面の下降速度Vは、水温、MLSS濃度及び汚泥容量指標の関数で表すことができる。また、最終沈殿池の流入口からの距離L1の汚泥界面深さD1は、例えば、下降速度V、最終沈殿池の深さや、最終沈殿池の表面積、最終沈殿池の全長、流入量等の関数で表すことができる。
制御システム14は、さらに、最終沈殿池257への流入量と上限MLSS濃度から、目標処理水質(SS、有機物、窒素、リン等)が達成可能な、第1反応タンク239への下水流入量を、予め設定された数式から算出する。制御システム14は、省エネルギ(ポンプ動力、ブロワ動力)の観点も踏まえて、目標MLSS濃度を決定する。制御システム14は、目標MLSS濃度と第1反応タンク239への下水流入量から、相互送泥量を決定する。なお、第1反応タンク239への決定された下水流入量を超える量の下水は、例えば、簡易放流される。
制御システム14は、水処理プラントの上記様々な値をモニタリングしながら、定期的に、又は、台風等の非定常が予測されるときや、モニタリングした値において異常の兆候(例えば所定のモニタリング値が所定値を超えている)が検出されたとき等に、上記目標MLSS濃度が適切か判定し、必要に応じて目標MLSS濃度を再計算して、相互送泥量に反映する。
一例において、好気タンク247から膜分離タンク213への送泥量は、残留有機物、残留窒素等の対策のため、膜分離タンク213の水理学的滞留時間(HRT)が、3時間以上となるように、制御される。また、膜分離タンク213から無酸素タンク245に送泥する活性汚泥量は、膜分離タンク213で発生する余剰汚泥量相当を基本とする。
制御システム14は、活性汚泥の異なる水処理系列の間の相互送泥(循環)を自動的に制御してもよく、または、例えば表示装置において相互送泥の制御に必要な情報を表示することで、オペレータによる水処理プラントの運転管理を支援してもよい。これにより、異なる処理方法を使用する水処理プラントの煩雑な運転管理において、より容易に、最終沈殿池における汚泥流出リスクを低減し、目標処理水質を達成することができる。
次に、第1反応タンク239と第2反応タンク207との間の相互送泥の機構の例を説明する。一例において、相互送泥は、二つの反応タンク207、239の間の水位差により行われる。ポンプを使用しないことで、エネルギ消費を低減できる。図3Aは、反応タンク207、239間の相互送泥の機構の例を示す。図3Aの例において、中央の第2反応タンク207の膜分離タンク213が、両側の二つの第1反応タンク239に挟まれている。
両側の第1反応タンク239の無酸素タンク245と中央の膜分離タンク213に、複数のトラフ281が渡されている。中央の膜分離タンク213の活性汚泥(混合水)は、これらトラフ281を通って、両側の無酸素タンク245に流入する。同様に、両側の第1反応タンク239の好気タンク247と中央の膜分離タンク213に、複数のトラフ281が渡されている。両側の好気タンク247の活性汚泥(混合水)は、これらトラフ281を通って、中央の膜分離タンク213に流入する。一方のタンクの活性汚泥は、タンク間の水位差により、トラフ281を通って他方の反応タンクに流入する。
図3Bは、トラフ281及びトラフ281に設置されているゲート堰283の断面構造を示す。ゲート堰283は、各タンク内に設置されており、上下することでトラフ281の流入口及び流出口の開口領域を変化させる。制御システム14は、ゲート堰283の高さを制御することで、一方タンクから他方タンクへの送泥量を制御することができる。
異なる水処理系列の間の相互送泥量の制御は、トラフ及びゲート堰の組み合わせに限らず、任意の機構を使用することができ、例えば、バルブ開度調整の自動制御やポンプ流量制御等を用いることができる。例えば、膜分離タンク213から第1反応タンク239に対しては、上記方法により活性汚泥を送泥し、第1反応タンク239から膜分離タンク213に対しては、第1反応タンク239から最終沈殿池257への流出ゲートを閉じることで、トラフを介して活性汚泥を送泥してもよい。この点は、図8〜10を参照して後述する例において同様である。
上記例は、最初沈殿池201から第1反応タンク239のみに被処理水を直接流入させ、第2反応タンク207には直接流入させない。他の例において、制御システム14は、流入下水量が多い場合に、最初沈殿池201からの被処理水の一部を第2反応タンク207にも流入させてもよい。これにより、第1反応タンク239における生物反応処理能力の低下を抑制できる。
図4Aは、雨天時や水処理プラント内の不図示の他の処理設備の停止時等、必要とされる処理能力(被処理水量)が所定値より多いときの水の流れを示す。図2との相違点を説明する。最初沈殿池201から、第1反応タンク239への被処理水の流入301が存在すると共に、第2反応タンク207への被処理水の流入302が存在する。また、第1及び第2反応タンク239、207で処理できない被処理水は、簡易処理水303として放流される。なお、このように、膜分離タンク213に被処理水を直接流入させる場合、膜分離タンク213と第1反応タンク239との水位差がなくなるため、ポンプを使用して相互送泥を行う。
図4Bは、雨天時や水処理プラント内の不図示の他の処理設備の停止時等、必要とされる処理能力(被処理水量)が所定値より多いときの水の流れの他の例を示す。この例は、図4Aに示す簡易処理水の放流に変えて、雨天時活性汚泥法(3W法)を、図2に示す例に適用する。制御システム14は、3Qsh(1Qshは時間最大汚水量)のうち、1Qsh(311)を第1反応タンク239の流入水路241に供給し、残りの2Qsh(313)を好気タンク247に供給する。図4Aに示す例と同様に、第2反応タンク207への被処理水の流入315も存在する。
図4A又は4Bを参照して説明したように最初沈殿池201から膜分離タンク213へ被処理水を流入させる場合、制御システム14は、自動的に又はオペレータの指示に応じて、膜分離タンク213での散気を制御することで、膜分離タンク213での生物処理能力を上げてもよい。散気装置219、221からの散気量(散気頻度を含む)を制御することで、膜分離タンク213内で、上流側に嫌気部及び/又は無酸素部を形成し、下流側に好気部を形成することができる。例えば、上流側の散気装置の散気量が低下され、下流側の散気装置の散気量が増加される。
また、また、膜分離タンク213内に循環ポンプを設置し、下流側から上流側に一部の混合水を戻す(循環させる)ことで、生物反応処理をより効率化することができる。なお、図4Aにおいては、二つの散気装置219、221が例として示されているが、より多くの散気装置を膜分離タンク213内に設置することが可能であり、これらからの散気量を制御することで、より効果的に嫌気部、無酸素部又は好気部を形成することができる。
被処理水が増加した場合、制御システム14は、さらに、第1反応タンク239と第2反応タンク207との相互汚泥を調整してもよい。例えば、第1反応タンク239の好気タンク247からの膜分離タンク213への送泥を停止し、第1反応タンク239の無酸素タンク245又は嫌気タンク243から膜分離タンク213へ送泥する。これにより、膜分離タンク213での生物反応処理を高めることができる。
上述のように、従来活性汚泥法を使用する第1反応タンク239と、膜分離タンク213との間において相互に活性汚泥を送泥することで、状況に応じて適切に第1反応タンク239のMLSS濃度を制御することができる。
なお、図2〜4Bに示した水処理プランの構成は一例の過ぎず、他の構成が可能である。例えば、沈殿池261には、不図示の傾斜板沈殿装置が設置することで、最終沈殿池の固液分離能力を向上させてもよい。また、雨天時等の基質濃度の低下等による生物学的リン除去(リンの放出、摂取)の阻害現象に対応するために、凝集剤添加設備が追加されていてもよく、凝集剤を好気タンクで添加してもよい。
反応タンクにおける嫌気部、無酸素部及び好気部は、上記例のようにそれぞれ異なるタンクに分けられていてもよく、一つのタンク内で分けられていてもよい。第1反応タンクは、嫌気無酸素好気法の他、嫌気好気活性汚泥法、循環式硝化内生脱窒法、又は嫌気硝化内生脱窒法等を使用してもよい。
<他の実施例>
以下において、ハイブリッドMBR水処理プラントの他の構成例を説明する。図5は、第1水処理系列と第2水処理系列との間の活性汚泥の相互送泥の他の例を示す。以下においては、主に、図2との相違点を説明する。図5に示す構成例において、第1反応タンク239の無酸素タンク245から、活性汚泥を含む混合水401が膜分離タンク213に流入する。また、膜分離タンク213からの混合水403は、第1反応タンク239の嫌気タンク243に流入する。このように、無酸素タンク245から混合水を膜分離タンク213に送ることで、混合水が過曝気となることを避けることができる。
図5の示す相互送泥と図2に示す相互送泥が、切り替え可能であってもよい。例えば、オペレータは、制御システム14が示す反応タンク239、207内等の溶存酸素濃度、窒素濃度、リン濃度等のモニタリング値と所定値との比較結果に応じて、活性汚泥の適切な循環路(配管)を選択する。例えば、過曝気(高溶存酸素濃度)の場合は、図5に示す循環路を選択し、生物反応処理が不十分な場合(高残留窒素濃度等)、図2に示す循環路を選択する。循環路の切り替えは、制御システム14が自動的に実行してもよい。また、図5に示す構成に対して、図4A又は図4Bを参照して説明した流路制御を適用することができる。
図6は、第1水処理系列と第2水処理系列との間の活性汚泥の相互送泥の他の例を示す。以下においては、主に、図2との相違点を説明する。図6に示す構成例において、第1反応タンク239は嫌気好気法を使用し、無酸素タンク245は省略されている。
図6は、活性汚泥の二つの循環路を示す。一つの循環路において、第1反応タンク239の好気タンク247から、活性汚泥を含む混合水411が膜分離タンク213に流入する。また、膜分離タンク213からの混合水413は、第1反応タンク239の嫌気タンク243に流入する。もう一つの循環路において、第1反応タンク239の嫌気タンク243から、活性汚泥を含む混合水415が膜分離タンク213に流入する。また、膜分離タンク213からの混合水413は、第1反応タンク239の嫌気タンク243に流入する。
図6の示す循環路の一方のみが設けられていてもよく、双方の循環路が設けられ、切り替え可能であってもよい。例えば、過曝気(高溶存酸素濃度)の場合は、嫌気タンク243からの混合水415を選択し、生物反応処理が不十分な場合(高残留窒素濃度等)、好気タンク247からの混合水411を選択する。循環路の切り替えは、制御システム14が自動的に実行してもよい。また、図6に示す構成に対して、図4A又は図4Bを参照して説明した流路制御を適用することができる。
図7は、第1水処理系列と第2水処理系列との間の活性汚泥の相互送泥の他の例を示す。以下においては、主に、図2との相違点を説明する。図7に示す構成例において、第1反応タンク239の好気タンク247から、活性汚泥を含む混合水421が膜分離タンク213に流入する。また、膜分離タンク213からの混合水423は、第1反応タンク239の流入水路241に流入する。流入水路241からが複数の第1反応タンクが分岐している場合、共有されている流入水路へ活性汚泥を送ることで、複数の第1反応タンクに同時に送泥することができる。
図7の構成例において、ポンプ425は、膜分離タンク213から引き抜いた混合水(活性汚泥)の一部を余剰汚泥427として汚泥処理へと送り、他の一部を混合水(活性汚泥)423として第1反応タンク239の流入水路241に送る。相互汚泥量を調整することで、第1水処理系列の最終沈殿池257から引き抜く余剰汚泥265の量を減らし、膜分離タンク213から引き抜く余剰汚泥427を増加させることで、余剰汚泥427の濃度を高めることができる。これにより、余剰汚泥427の処理効率を高めることができる。
水処理系列間の活性汚泥の相互送泥と余剰汚泥の移送がポンプ425を共有することで、設備構成を簡便化できる。なお、図7に示す構成に対して、図4A又は図4Bを参照して説明した流路制御を適用することができる。
図8は、第1水処理系列と第2水処理系列との間の活性汚泥の相互送泥の他の例を示す。以下においては、主に、図2との相違点を説明する。図8に示す構成例において、第1水処理系列の最終沈殿池257において固液分離された活性汚泥435が、沈殿池261から膜分離タンク213に送られる。また、膜分離タンク213からの混合水423は、第1反応タンク239の嫌気タンク243及び無酸素タンク245の双方に送られる。
図8の構成例において、ポンプ263は、沈殿池261のから引き抜いた活性汚泥の一部を余剰汚泥265として汚泥処理へと送り、他の一部を返送汚泥267として第1反応タンク239の流入水路241へ送り、さらに他の一部435を膜分離タンク213に送る。また、ポンプ437は、膜分離タンク213から引き抜いた混合水(活性汚泥)の一部を余剰汚泥439として汚泥処理へと送り、他の一部を混合水(活性汚泥)431として第1反応タンク239の無酸素タンク245に送り、他の一部を混合水(活性汚泥)433として嫌気タンク243に送る。
このように、水処理系列の間の活性汚泥の相互送泥をポンプで行うことで、送泥量の制御が容易化される。また、一つのポンプが複数の配管に対して汚泥を送ることで、設備構成を簡便化できる。なお、図8に示す構成に対して、図4A又は図4Bを参照して説明した流路制御を適用することができる。
図9は、第1水処理系列と第2水処理系列との間の活性汚泥の相互送泥の他の例を示す。以下においては、主に、図2との相違点を説明する。図9に示す構成例において、第1水処理系列の最終沈殿池257において固液分離された活性汚泥443が、沈殿池261から膜分離タンク213に送られる。また、膜分離タンク213からの混合水441は、第1反応タンク239の流入水路241に送られる。
図9の構成例において、ポンプ263は、沈殿池261のから引き抜いた活性汚泥の一部を余剰汚泥265として汚泥処理へと送り、他の一部を返送汚泥267として第1反応タンク239の流入水路241へ送り、さらに他の一部443を膜分離タンク213に送る。また、ポンプ445は、膜分離タンク213から引き抜いた混合水(活性汚泥)の一部を余剰汚泥447として汚泥処理へと送り、他の一部を混合水(活性汚泥)441として第1反応タンク239の流入水路241に送る。
このように、水処理系列の間の活性汚泥の相互送泥をポンプで行うことで、送泥量の制御が容易化される。また、一つのポンプが複数の配管に対して汚泥を送ることで、設備構成を簡便化できる。なお、図9に示す構成に対して、図4A又は図4Bを参照して説明した流路制御を適用することができる。
図10は、第1水処理系列と第2水処理系列との間の活性汚泥の相互送泥の他の例を示す。以下においては、主に、図2との相違点を説明する。図10に示す構成例において、第2反応タンク207は、上流側から、流入水路209、嫌気タンク211、無酸素タンク217、及び膜分離タンク(好気タンク)213を含む。無酸素タンク217内には、無酸素タンク217の水の一部を嫌気タンク211に送るポンプ215が設置されている。
第2反応タンク207は、第1反応タンク239と同様に、活性汚泥による高度処理を行う。最初沈殿池201から被処理水が直接に第2反応タンク207に流入する。第2反応タンク207が高度処理を行うことで、水処理プラントの処理能力を高めることができる。
図10の構成例において、ポンプ263は、沈殿池261のから引き抜いた活性汚泥の一部を余剰汚泥265として汚泥処理へと送り、他の一部を返送汚泥267として第1反応タンク239の流入水路241へ送り、さらに他の一部451を第2反応タンク207の流入水路209に送る。
また、ポンプ455は、膜分離タンク213から引き抜いた混合水(活性汚泥)の一部を余剰汚泥457として汚泥処理へと送り、他の一部を返送汚泥459として無酸素タンク217に返し、他の一部を混合水(活性汚泥)453として第1反応タンク239の流入水路241に送る。返送汚泥459を無酸素タンク217に返し、無酸素タンク217の水の一部を嫌気タンク211に送ることで、嫌気タンク211におけるリン放出の低下を抑制する。
このように、水処理系列の間の活性汚泥の相互送泥をポンプで行うことで、送泥量の制御が容易化される。また、一つのポンプが複数の配管に対して汚泥を送ることで、設備構成を簡便化できる。なお、図10に示す構成に対して、図4Bを参照して説明した流路制御を適用することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成・機能・処理部等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード等の記録媒体に置くことができる。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆どすべての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
10 前処理設備、11 第1水処理系列、12 第2水処理系列、13 消毒設備、14 制御システム、111 従来活性汚泥法水処理設備、112 最終沈殿池、121 MBR水処理設備、201 最初沈殿池、203、209、241、259 流入水路、205、261 沈殿池、207 第2反応タンク、211、243 嫌気タンク、213 膜分離タンク、217、245 無酸素タンク、219、221、251 散気装置、223 分離膜ユニット、225、227、253 ブロワ、229、231、255 配管、239 第1反応タンク、247 好気タンク、257 最終沈殿池、281 トラフ、283 ゲート堰、215、249、263、425、437、445、455 ポンプ

Claims (10)

  1. 第1生物反応タンクと、前記第1生物反応タンクからの水を活性汚泥と処理水とに分離する沈殿池と、を含む、第1水処理系列と、
    活性汚泥と処理水とを分離する分離膜が設置された第2生物反応タンクを含む、第2水処理系列と、を含み、
    前記第1水処理系列と前記第2生物反応タンクとの間において、活性汚泥が相互に送泥され、
    前記第1水処理系列と前記第2生物反応タンクとの間において、前記活性汚泥の少なくとも一方向の送泥量は調整可能である、水処理プラント。
  2. 請求項1に記載の水処理プラントであって、
    下水を、前記第2水処理系列に流入させることなく、前記第1水処理系列に流入させる、水処理プラント。
  3. 請求項1に記載の水処理プラントであって、
    第1モードにおいて、下水を、前記第2水処理系列に流入させることなく、前記第1水処理系列に流入させ、
    第2モードにおいて、前記下水の一部を前記第1水処理系列に流入させ、前記下水の他の一部を前記第2水処理系列に流入させる、水処理プラント。
  4. 請求項3に記載の水処理プラントであって、
    前記第2モードにおいて、前記第2生物反応タンクにおける散気を制御することで、前記第1モードよりも前記第2生物反応タンクにおける生物反応処理能力を上げる、水処理プラント。
  5. 請求項1に記載の水処理プラントであって、
    前記第1水処理系列において、前記第2生物反応タンクから前記活性汚泥が送泥される受泥段は、前記第2生物反応タンクに前記活性汚泥を送泥する送泥段より上流側である、水処理プラント。
  6. 請求項5に記載の水処理プラントであって、
    前記第1生物反応タンクは、嫌気部と、前記嫌気部より下流側の無酸素部と、前記無酸素部より下流側の好気部と、を含み、
    前記無酸素部の水の一部は前記嫌気部に戻され、
    前記送泥段は好気部であり、前記受泥段は無酸素部である、水処理プラント。
  7. 請求項1に記載の水処理プラントであって、
    は流入水路を含み、
    前記第2水処理系列からの前記活性汚泥は前記第1生物反応タンクの流入水路に送泥される、水処理プラント。
  8. 請求項1に記載の水処理プラントであって、
    前記第1生物反応タンクと前記第2生物反応タンクとの間において、前記活性汚泥が相互に送泥されており、
    前記活性汚泥の相互送泥の少なくとも一方向は、水位差により行われる、水処理プラント。
  9. 請求項1に記載の水処理プラントであって、
    さらに制御システムを含み、
    前記制御システムは、前記第1水処理系列における計測値に基づいて前記第1水処理系列におけるMLSS濃度を決定し、前記MLSS濃度に基づき前記活性汚泥の少なくとも一方向の送泥量を決定する、水処理プラント。
  10. 請求項1に記載の水処理プラントであって、
    前記第1水処理系列及び前記第2水処理系列それぞれから、余剰汚泥が処理のために移送される、水処理プラント。
JP2019220879A 2019-12-06 2019-12-06 水処理プラント Active JP7437144B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019220879A JP7437144B2 (ja) 2019-12-06 2019-12-06 水処理プラント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019220879A JP7437144B2 (ja) 2019-12-06 2019-12-06 水処理プラント

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2021087932A true JP2021087932A (ja) 2021-06-10
JP2021087932A5 JP2021087932A5 (ja) 2022-11-08
JP7437144B2 JP7437144B2 (ja) 2024-02-22

Family

ID=76218828

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019220879A Active JP7437144B2 (ja) 2019-12-06 2019-12-06 水処理プラント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7437144B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004255268A (ja) * 2003-02-25 2004-09-16 Kurita Water Ind Ltd 排水処理装置
JP2010253428A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Asahi Kasei Chemicals Corp 排水処理装置及び排水処理方法
JP2011147868A (ja) * 2010-01-20 2011-08-04 Hitachi Plant Technologies Ltd 廃水処理システム、及び廃水処理方法
WO2011136043A1 (ja) * 2010-04-27 2011-11-03 東レ株式会社 廃水処理装置および廃水処理方法
JP2013022548A (ja) * 2011-07-25 2013-02-04 Kubota Corp 膜分離活性汚泥処理装置の立上げ方法
JP2015163388A (ja) * 2014-01-31 2015-09-10 三菱レイヨン株式会社 廃水処理方法および廃水処理システム
JP2017113722A (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 株式会社クボタ 有機性排水処理設備の運転方法及び有機性排水処理システム

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004255268A (ja) * 2003-02-25 2004-09-16 Kurita Water Ind Ltd 排水処理装置
JP2010253428A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Asahi Kasei Chemicals Corp 排水処理装置及び排水処理方法
JP2011147868A (ja) * 2010-01-20 2011-08-04 Hitachi Plant Technologies Ltd 廃水処理システム、及び廃水処理方法
WO2011136043A1 (ja) * 2010-04-27 2011-11-03 東レ株式会社 廃水処理装置および廃水処理方法
JP2013022548A (ja) * 2011-07-25 2013-02-04 Kubota Corp 膜分離活性汚泥処理装置の立上げ方法
JP2015163388A (ja) * 2014-01-31 2015-09-10 三菱レイヨン株式会社 廃水処理方法および廃水処理システム
JP2017113722A (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 株式会社クボタ 有機性排水処理設備の運転方法及び有機性排水処理システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP7437144B2 (ja) 2024-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008155080A (ja) 汚水処理装置及びその方法
US9796611B2 (en) Wastewater treatment system and method
KR100873416B1 (ko) 연속 회분식 반응조의 활성 슬러지를 이용한 하수처리 장치 및 그 방법
CN107151053A (zh) 一种缺氧‑厌氧‑缺氧‑好氧‑膜组件处理装置
KR20050043855A (ko) 자동제어 수처리공정
JP4995215B2 (ja) 汚水処理設備
KR20190119841A (ko) 하폐수 고도 처리 시스템
KR101044826B1 (ko) 막 여과 생물반응조의 고도처리 효율을 높이는 운전방법 및 그 방법을 이용한 고도처리장치
KR20220024245A (ko) 하수처리장용 통합제어 시스템
JP2005028266A (ja) 汚水処理方法および汚水処理設備
KR100760816B1 (ko) 순환이 있는 수로형 혐기·호기조 상하 배치에 의한 하수고도처리공정
JP7191708B2 (ja) 制御装置、制御方法及びコンピュータプログラム
JP7437144B2 (ja) 水処理プラント
CN105541029B (zh) 一种无动力回流一体化中水回用装置
JP4649175B2 (ja) 下水処理場の制御装置
CN206940544U (zh) A30+mbr处理装置
JP4709792B2 (ja) 排水処理システム
CN210176689U (zh) 一种含磷高的废水处理设备
Brepols et al. Performance improvement of full scale membrane bioreactors
JP6822833B2 (ja) 排水処理システム及び排水処理方法
JP4055077B2 (ja) 膜分離式活性汚泥処理装置の運転方法
JP2006218435A (ja) 活性汚泥処理システム
KR100540549B1 (ko) 수직형 멤브레인 바이오 리액터를 이용한 오폐수 고도처리 장치
JP2015116554A (ja) 自動脱窒システム
CN100352777C (zh) 化妆品生产废水处理设备及其废水处理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221028

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221028

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231003

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7437144

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150