JP2021086906A - 放熱部材およびパワー半導体モジュール - Google Patents

放熱部材およびパワー半導体モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】信頼性を向上させることができる放熱部材およびパワー半導体モジュールを提供する。【解決手段】放熱部材は、金属製の放熱体と、放熱体の主面に設けられるセラミックス基板と、セラミックス基板の放熱体とは反対側の面に設けられる金属製の回路層と、セラミックス基板の側面および放熱体の主面に接して設けられ、回路層が接する外部領域よりも比誘電率の高い絶縁部と、を備える。【選択図】図1

Description

開示の実施形態は、放熱部材およびパワー半導体モジュールに関する。
ハイブリッド自動車や電気自動車などのモータを使用する機器では電力変換装置が利用されており、かかる電力変換装置にはパワー半導体モジュールが搭載されている。このパワー半導体モジュールは、大電流を制御する複数のパワー半導体素子を備えている。
また、電力変換装置における出力密度の向上を目的として、液冷式の放熱部材によってパワー半導体素子の冷却性を高めたパワー半導体モジュールが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4385358号公報
しかしながら、従来の放熱部材では、パワー半導体モジュールを動作させる際に、セラミックス基板の側部で電界集中が生じ、かかるセラミックス基板の両面に設けられる回路層と放熱体との間で短絡が生じる場合があった。そして、かかる短絡が生じることにより、パワー半導体モジュールの信頼性に悪影響を与える恐れがあった。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、信頼性を向上させることができる放熱部材およびパワー半導体モジュールを提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る放熱部材は、金属製の放熱体と、前記放熱体の主面に設けられるセラミックス基板と、前記セラミックス基板の前記放熱体とは反対側の面に設けられる金属製の回路層と、前記セラミックス基板の側面および前記放熱体の主面に接して設けられ、前記回路層が接する外部領域よりも比誘電率の高い絶縁部と、を備える。
また、実施形態の一態様に係るパワー半導体モジュールは、上記に記載の放熱部材と、前記回路層に搭載されるパワー半導体素子と、を備える。
実施形態の一態様によれば、信頼性を向上させることができる放熱部材およびパワー半導体モジュールが提供可能となる。
図1は、実施形態に係るパワー半導体モジュールの断面図である。 図2は、参考例のパワー半導体モジュールのセラミックス基板の側面近傍を拡大した断面図である。 図3は、実施形態に係るパワー半導体モジュールのセラミックス基板の側面近傍を拡大した断面図である。 図4は、実施形態の変形例1に係るパワー半導体モジュールの断面図である。 図5は、実施形態の変形例2に係るパワー半導体モジュールの断面図である。 図6は、実施形態の変形例3に係るパワー半導体モジュールの断面図である。 図7は、実施形態の変形例4に係るパワー半導体モジュールの断面図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する放熱部材およびパワー半導体モジュールの実施形態について説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
ハイブリッド自動車や電気自動車などのモータを使用する機器では電力変換装置が利用されており、かかる電力変換装置にはパワー半導体モジュールが搭載されている。このパワー半導体モジュールは、大電流を制御する複数のパワー半導体素子を備えている。
パワー半導体素子は、大電流を制御する際の発熱量が大きい。また、パワー半導体モジュールの小型化や軽量化が要請されており、出力密度は上昇する傾向にあることから、パワー半導体素子を複数備えたパワー半導体モジュールでは、その冷却方法が電力変換効率を左右する。
そこで、電力変換装置における出力密度の向上を目的として、液冷式の放熱部材によってパワー半導体素子の冷却性を高めたパワー半導体モジュールが知られている。
しかしながら、従来の放熱部材では、パワー半導体モジュールを動作させる際に、セラミックス基板の側部で電界集中が生じ、かかるセラミックス基板の両面に設けられる回路層と放熱体との間で短絡が生じる場合があった。そして、かかる短絡が生じることにより、パワー半導体モジュールの信頼性に悪影響を与える恐れがあった。
そこで、上述の問題点を克服し、信頼性を向上させることができる放熱部材およびパワー半導体モジュールの実現が期待されている。
<パワー半導体モジュールの構成>
最初に、実施形態に係るパワー半導体モジュール1の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係るパワー半導体モジュール1の断面図である。図1に示すように、実施形態に係るパワー半導体モジュール1は、放熱部材2と、パワー半導体素子3とを備える。
パワー半導体素子3は、たとえば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やパワーMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)、サイリスタ、GTO(Gate Turn-Off thyristor)などである。
パワー半導体素子3の裏面は、半田などの導電性接合材によって回路層10の表面に固定され、パワー半導体素子3の表面には、図示しないボンディングワイヤなどの配線が接続される。
放熱部材2は、回路層10と、セラミックス基板11と、絶縁部12と、放熱体13と、ケース14とを備える。回路層10は、銅や銅合金などの金属材料で構成される。回路層10は、たとえば、かかる回路層10を構成する全成分100質量%のうち、銅を80質量%以上含有するとよい。
このように、高い電気伝導率および熱伝導率を有する銅を主成分として回路層10を構成することにより、回路層10に大電流を流した場合でも、回路層10の温度が過度に上昇することを抑制することができる。なお、回路層10の主成分は銅に限られず、アルミニウム(Al)などを回路層10の主成分としてもよい。
回路層10の厚みは、たとえば、100μm以上であり、300μm以上であることが好ましい。回路層10をかかる厚みに設定することにより、回路層10の放熱性を向上させることができる。実施形態に係る放熱部材2では、回路層10によってセラミックス基板11上に所望の回路パターンが形成される。
セラミックス基板11は、セラミックスの焼結体で構成され、回路層10を固定して支持するための基体部分である。すなわち、セラミックス基板11は、回路層10よりも面積が大きい。
かかるセラミックス基板11は、複数の回路層10の間を互いに電気的に絶縁させるための絶縁部材として機能するとともに、パワー半導体素子3で発生した熱を放熱体13に伝導する伝熱部材としても機能する。
セラミックス基板11は、たとえば、窒化珪素(Si)を主成分として構成される。なお、セラミックス基板11の主成分は窒化珪素に限られず、アルミナ(Al)や窒化アルミニウム(AlN)などをセラミックス基板11の主成分としてもよい。
セラミックス基板11は、公知の製造方法によって製造することができ、たとえば、窒化珪素などの原料粉末に焼結助剤を添加し、基板状に成形した後、成形体を焼成することで製造することができる。
セラミックス基板11は、おもて面11aと、裏面11bと、側面11cとを有する。セラミックス基板11のおもて面11aには、回路層10がろう材などを用いて固定される。
セラミックス基板11の裏面11bには、放熱体13が既存の手法を用いて接合される。セラミックス基板11の側面11cには、絶縁部12が接して設けられる。セラミックス基板11の厚みは、パワー半導体モジュール1の用途などに応じて適宜設定されるものであるが、たとえば、0.25mm〜1.0mmであるとよい。
絶縁部12は、絶縁性のガラス(たとえば、酸化珪素(SiO)、酸化硼素(B)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ビスマス(Bi)など)を主成分として構成され、セラミックス基板11の側面11cおよび放熱体13のおもて面13aに接して設けられる。絶縁部12は、たとえば、ガラスペーストを塗布した後、かかるガラスペーストを焼き付けることにより形成することができる。かかる絶縁部12の機能については後述する。
放熱体13は、パワー半導体素子3で発生した熱を放熱する。たとえば、放熱体13をケース14に嵌め込むことによって構成される流路部材に冷却用の流体を流すことで、放熱体13は、パワー半導体素子3で発生した熱をかかる流体に放熱することができる。
放熱体13は、たとえば、アルミニウムやアルミニウム合金などの金属材料で構成される。放熱体13は、たとえば、かかる放熱体13を構成する全成分100質量%のうち、アルミニウムを80質量%以上含有するとよい。
このように、軽量かつ高い熱伝導率を有するアルミニウムを主成分として放熱体13を構成することにより、放熱部材2を軽量化することができるとともに、放熱体13の放熱特性を向上させることができる。なお、放熱体13の主成分はアルミニウムに限られず、銅などを放熱体13の主成分としてもよい。
放熱体13は、おもて面13aと、裏面13bとを有する。おもて面13aは主面の一例である。放熱体13のおもて面13aには、セラミックス基板11が固定される。なお、放熱体13は、セラミックス基板11よりも面積が大きい。
放熱体13の裏面13bには、フィン状の凸部13cが設けられる。放熱体13の裏面13bに凸部13cを設けることにより、放熱体13の放熱特性をさらに向上させることができる。
また、アルミニウムで構成される放熱体13に凸部13cを設けることにより、放熱体13の熱膨張を抑制することができる。これにより、銅で構成される回路層10やセラミックスで構成されるセラミックス基板11との熱膨張率差を小さくすることができることから、放熱体13の面積を広くすることができる。
ケース14は、上部が開口する箱状である。実施形態に係る放熱部材2では、ケース14の開口に放熱体13を嵌め込むことにより、冷却用の流体を流す流路部材が構成される。ケース14の内側の側面には、放熱体13を支持する凸状の支持部14aが形成される。
ケース14は、たとえば、アルミニウムやアルミニウム合金などの金属材料で構成される。ケース14は、たとえば、かかるケース14を構成する全成分100質量%のうち、アルミニウムを80質量%以上含有するとよい。
このように、軽量かつ高い熱伝導率を有するアルミニウムを主成分としてケース14を構成することにより、流路部材を軽量化することができるとともに、ケース14からも熱を放熱することができる。なお、ケース14の主成分はアルミニウムに限られず、銅などをケース14の主成分としてもよい。
なお、放熱体13とケース14との間は、超音波接合やレーザ溶接、摩擦攪拌接合などの手法を用いて接合することができる。また、放熱体13のおもて面13aとケース14の上面14bとが略面一になるように放熱体13およびケース14を構成することにより、上記の各種手法で放熱体13およびケース14を容易に接合することができる。
また、実施形態に係るパワー半導体モジュール1では、パワー半導体素子3や回路層10などが封止樹脂によって封止されず、パワー半導体素子3や回路層10などの外部領域は、大気雰囲気である(すなわち、外部領域には大気Aが存在する)。
なお、本開示における「外部領域」とは、パワー半導体モジュール1における上述の構成要素(パワー半導体素子3、回路層10、セラミックス基板11、絶縁部12、放熱体13、ケース14)、これらの構成要素同士を接合する接合部材、およびボンディングワイヤなどの配線部材が配置されない領域のことである。
<絶縁部の機能>
つづいて、実施形態に係る絶縁部12の詳細な機能について、図2および図3を参照しながら説明する。図2は、参考例のパワー半導体モジュール1のセラミックス基板11の側面11c近傍を拡大した断面図である。
図2に示す参考例は、絶縁部12が設けられないこと以外は図1に示したパワー半導体モジュール1と同様の構成である。また、図2には、パワー半導体モジュール1が動作する際に、パワー半導体素子3や回路層10に高電圧が印加された場合の等電位線Eを示している。
かかる等電位線Eの分布は、空間の比誘電率によって左右される。ここで、図2に示す参考例では、セラミックス基板11の比誘電率が10程度であり、回路層10および放熱体13の比誘電率がほぼゼロであり、大気Aの比誘電率が1程度である。
このような比誘電率の材料が分布する参考例のパワー半導体モジュール1では、図2に示すように、セラミックス基板11の内部に分布する等電位線Eが、大気Aに露出するおもて面11aおよび側面11cから外部では、高電位の回路層10に急激に引き寄せられるように分布する。
これにより、参考例では、回路層10における底面側の角部10aにおいて電界集中が生じる。したがって、参考例では、かかる電界集中により、回路層10と放熱体13との間で部分放電が生じる場合があることから、信頼性が低下する恐れがある。
そこで、実施形態では、パワー半導体モジュール1の放熱部材2に絶縁部12を設けることにより、このような課題を解決することとした。図3は、実施形態に係るパワー半導体モジュール1のセラミックス基板11の側面11c近傍を拡大した断面図である。
実施形態に係る絶縁部12は、ガラスを主成分として構成されることから、回路層10が接する外部領域(ここでは大気A)よりも比誘電率を高くすることができる。実施形態に係る絶縁部12の比誘電率は、たとえば、2〜6程度である。
そして、実施形態では、回路層10が接する外部領域よりも比誘電率の高い絶縁部12を、セラミックス基板11の側面11cに接するように配置する。これにより、図3に示すように、セラミックス基板11の内部に分布する等電位線Eを、セラミックス基板11の側面11cから絶縁部12のほうに引っ張ることができる。
したがって、実施形態によれば、回路層10の角部10aにおける電界集中を抑制することができることから、回路層10と放熱体13との間で部分放電が生じることを抑制することができる。すなわち、実施形態では、パワー半導体モジュール1の信頼性を向上させることができる。
また、セラミックス基板11の側面11cには、製法上、破断面が多く存在する。そして、セラミックス基板11の側面11cは、かかる破断面に起因して、沿面放電が生じやすい部位となっている。
しかしながら、実施形態に係るパワー半導体モジュール1では、セラミックス基板11の側面11cに接するように絶縁部12を設けることにより、側面11cに存在する破断面の影響を緩和することができる。したがって、実施形態によれば、セラミックス基板11の側面11cから生じる沿面放電を抑制することができる。
また、実施形態では、絶縁部12が断面視で先細り形状であるとよい。これにより、先細った先端部に向かって応力が緩和されることから、パワー半導体モジュール1を動作させる際に発生するヒートサイクルの際に、絶縁部12が剥離することを抑制することができる。
したがって、実施形態によれば、パワー半導体モジュール1の信頼性をさらに向上させることができる。
また、実施形態では、絶縁部12が断面視で先細り形状であることにより、横に広がった裾部分の厚みを薄くすることができることから、絶縁部12を変形しやすくすることができる。これにより、放熱体13の熱膨張および熱収縮に絶縁部12が追随しやすくなることから、絶縁部12の接合性を維持しやすくすることができる。
また、実施形態では、絶縁部12が断面視で先細り形状であることにより、応力集中が分散されることから、絶縁部12の剥離を抑制することができる。
また、実施形態では、絶縁部12が断面視でメニスカス形状であるとよい。これにより、先細った先端部に向かって応力がさらに緩和されることから、パワー半導体モジュール1を動作させる際に発生するヒートサイクルの際に、絶縁部12が剥離することをさらに抑制することができる。
したがって、実施形態によれば、パワー半導体モジュール1の信頼性をさらに向上させることができる。
また、実施形態では、ガラスを主成分とする材料で絶縁部12を構成するとよい。これにより、外部領域(ここでは大気A)との比誘電率の差を大きくすることができることから、回路層10と放熱体13との間で部分放電が生じることをさらに抑制することができる。
また、実施形態では、回路層10の外部領域が大気雰囲気であるとよい。これにより、回路層10の外部領域を封止樹脂などで封止する工程を省くことができることから、パワー半導体モジュール1の製造コストを低減することができる。
<各種変形例>
つづいて、実施形態に係るパワー半導体モジュール1および放熱部材2の各種変形例について、図4〜図7を参照しながら説明する。図4は、実施形態の変形例1に係るパワー半導体モジュール1の断面図である。なお、以下の各種変形例では、実施形態と同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
図4に示すように、変形例1に係るパワー半導体モジュール1では、パワー半導体素子3や回路層10などの外部領域に封止樹脂20が設けられる。かかる封止樹脂20は、たとえば、エポキシ樹脂などで形成されたモールド樹脂であり、比誘電率が絶縁部12よりも小さい樹脂材料で構成される。
かかる変形例1では、外部領域(ここでは、封止樹脂20)よりも比誘電率の高い絶縁部12を、セラミックス基板11の側面11cに接するように配置することにより、セラミックス基板11の内部に分布する等電位線E(図3参照)を、セラミックス基板11の側面11cから絶縁部12のほうに引っ張ることができる。
したがって、変形例1によれば、回路層10の角部10a(図3参照)における電界集中を抑制することができることから、回路層10と放熱体13との間で部分放電が生じることを抑制することができる。すなわち、変形例1では、パワー半導体モジュール1の信頼性を向上させることができる。
また、変形例1では、パワー半導体素子3や回路層10などの外部領域に封止樹脂20を設けることにより、パワー半導体素子3や回路層10などが外部環境に直接曝されることを抑制することができる。したがって、変形例1によれば、外部環境に起因する信頼性の低下を抑制することができる。
なお、図4の例では、固体状の封止樹脂20でパワー半導体素子3や回路層10などを封止した例について示したが、回路層10やパワー半導体素子3などの外部領域を図示しないケースで覆い、かかるケース内にゲル状の封止樹脂20を注入してもよい。
図5は、実施形態の変形例2に係るパワー半導体モジュール1の断面図である。図5に示すように、変形例2に係るパワー半導体モジュール1では、上述の変形例1と同様に、パワー半導体素子3や回路層10などの外部領域に封止樹脂20が設けられる。
一方で、変形例2では、封止樹脂20とは異なる樹脂で構成される絶縁部12Aを、セラミックス基板11の側面11cに接するように配置する。すなわち、絶縁部12Aは、比誘電率が封止樹脂20よりも大きい樹脂材料で構成される。
かかる変形例2では、外部領域(ここでは、封止樹脂20)よりも比誘電率の高い絶縁部12Aを、セラミックス基板11の側面11cに接するように配置することにより、セラミックス基板11の内部に分布する等電位線E(図3参照)を、セラミックス基板11の側面11cから絶縁部12Aのほうに引っ張ることができる。
したがって、変形例2によれば、回路層10の角部10a(図3参照)における電界集中を抑制することができることから、回路層10と放熱体13との間で部分放電が生じることを抑制することができる。すなわち、変形例2では、パワー半導体モジュール1の信頼性を向上させることができる。
また、変形例2では、パワー半導体素子3や回路層10などの外部領域に封止樹脂20を設けることにより、パワー半導体素子3や回路層10などが外部環境に直接曝されることを抑制することができる。したがって、変形例2によれば、外部環境に起因する信頼性の低下を抑制することができる。
また、変形例2では、封止樹脂20とは異なる樹脂を絶縁部12Aに用いることにより、絶縁部12Aのコストを低減することができる。したがって、変形例2によれば、パワー半導体モジュール1の製造コストを低減することができる。
図6は、実施形態の変形例3に係るパワー半導体モジュール1の断面図である。図6に示すように、変形例3に係るパワー半導体モジュール1では、絶縁部12の配置が実施形態と異なる。
具体的には、変形例3の絶縁部12は、放熱体13のおもて面13aをわたって、ケース14の上面14bまで到達している。このように、上述の実施形態よりも絶縁部12の幅を広く取ることにより、セラミックス基板11の内部に分布する等電位線E(図3参照)を、セラミックス基板11の側面11cから絶縁部12のほうにさらに引っ張ることができる。
したがって、変形例3によれば、回路層10の角部10a(図3参照)における電界集中をさらに抑制することができることから、回路層10と放熱体13との間で部分放電が生じることをさらに抑制することができる。すなわち、変形例3では、パワー半導体モジュール1の信頼性をさらに向上させることができる。
図7は、実施形態の変形例4に係るパワー半導体モジュール1の断面図である。図7に示すように、変形例4に係るパワー半導体モジュール1では、放熱体13とケース14との間の界面に凸部14cが形成されており、絶縁部12は、かかる凸部14c上で凸部14cに沿って膨らんでいる。
このように、絶縁部12に膨らみを設けることにより、絶縁部12と、放熱体13およびケース14との間の接触面積を増やすことができる。したがって、変形例4によれば、絶縁部12と放熱体13およびケース14との界面における剥離を抑制することができることから、パワー半導体モジュール1の信頼性をさらに向上させることができる。
なお、凸部14cは、放熱体13とケース14とを接合する手法の各種条件を適宜調整することにより形成することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。たとえば、上述の実施形態では、放熱体13とケース14とで流路部材を構成した液冷式の放熱部材2について示したが、放熱体13の裏面13bを気体に露出させた空冷式の放熱部材2に本開示を適用してもよい。
以上のように、実施形態に係る放熱部材2は、金属製の放熱体13と、放熱体13の主面(おもて面13a)に設けられるセラミックス基板11と、セラミックス基板11の放熱体13とは反対側の面(おもて面11a)に設けられる金属製の回路層10と、セラミックス基板11の側面11cおよび放熱体13の主面(おもて面13a)に接して設けられ、回路層10が接する外部領域よりも比誘電率の高い絶縁部12(12A)と、を備える。これにより、パワー半導体モジュール1の信頼性を向上させることができる。
また、実施形態に係る放熱部材2において、絶縁部12は、ガラスが主成分である。これにより、回路層10と放熱体13との間で部分放電が生じることをさらに抑制することができる。
また、実施形態に係る放熱部材2において、外部領域は、大気雰囲気である。これにより、パワー半導体モジュール1の製造コストを低減することができる。
また、実施形態に係る放熱部材2において、外部領域には、封止樹脂20が設けられる。これにより、外部環境に起因する信頼性の低下を抑制することができる。
また、実施形態に係る放熱部材2において、外部領域には、封止樹脂20が設けられ、絶縁部12Aは、封止樹脂20とは異なる樹脂である。これにより、パワー半導体モジュール1の製造コストを低減することができる。
また、実施形態に係る放熱部材2において、絶縁部12(12A)は、断面視で先細り形状である。これにより、パワー半導体モジュール1の信頼性をさらに向上させることができる。
また、実施形態に係る放熱部材2において、絶縁部12(12A)は、断面視でメニスカス形状である。これにより、パワー半導体モジュール1の信頼性をさらに向上させることができる。
また、実施形態に係る放熱部材2において、放熱体13は、金属製のケース14に嵌め込まれて流路部材を構成し、絶縁部12(12A)は、放熱体13の主面(おもて面13a)をわたってケース14まで到達している。これにより、パワー半導体モジュール1の信頼性をさらに向上させることができる。
また、実施形態に係る放熱部材2において、絶縁部12(12A)は、放熱体13とケース14との界面の上で膨らんでいる。これにより、パワー半導体モジュール1の信頼性をさらに向上させることができる。
また、実施形態に係るパワー半導体モジュール1は、上記に記載の放熱部材2と、回路層10に搭載されるパワー半導体素子3と、を備える。これにより、信頼性が向上したパワー半導体モジュール1を提供することができる。
さらなる効果や他の態様は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 パワー半導体モジュール
2 放熱部材
3 パワー半導体素子
10 回路層
11 セラミックス基板
11c 側面
12、12A 絶縁部
13 放熱体
13a おもて面(主面の一例)
14 ケース
20 封止樹脂
A 大気

Claims (10)

  1. 金属製の放熱体と、
    前記放熱体の主面に設けられるセラミックス基板と、
    前記セラミックス基板の前記放熱体とは反対側の面に設けられる金属製の回路層と、
    前記セラミックス基板の側面および前記放熱体の主面に接して設けられ、前記回路層が接する外部領域よりも比誘電率の高い絶縁部と、
    を備える放熱部材。
  2. 前記絶縁部は、ガラスが主成分である
    請求項1に記載の放熱部材。
  3. 前記外部領域は、大気雰囲気である
    請求項1または2に記載の放熱部材。
  4. 前記外部領域には、封止樹脂が設けられる
    請求項1または2に記載の放熱部材。
  5. 前記外部領域には、封止樹脂が設けられ、
    前記絶縁部は、前記封止樹脂とは異なる樹脂である
    請求項1に記載の放熱部材。
  6. 前記絶縁部は、断面視で先細り形状である
    請求項1〜5のいずれか一つに記載の放熱部材。
  7. 前記絶縁部は、断面視でメニスカス形状である
    請求項6に記載の放熱部材。
  8. 前記放熱体は、金属製のケースに嵌め込まれて流路部材を構成し、
    前記絶縁部は、前記放熱体の主面をわたって前記ケースまで到達している
    請求項1〜7のいずれか一つに記載の放熱部材。
  9. 前記絶縁部は、前記放熱体と前記ケースとの界面の上で膨らんでいる
    請求項8に記載の放熱部材。
  10. 請求項1〜9のいずれか一つに記載の放熱部材と、
    前記回路層に搭載されるパワー半導体素子と、
    を備えるパワー半導体モジュール。
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