JP2021085836A - レーザ照射状態診断方法、レーザ照射状態診断プログラム、レーザ照射状態診断装置、及び、レーザ照射装置 - Google Patents

レーザ照射状態診断方法、レーザ照射状態診断プログラム、レーザ照射状態診断装置、及び、レーザ照射装置 Download PDF

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憲治郎 茂見
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Abstract

【課題】レーザの照射状態を精度よく診断可能なレーザ照射状態診断方法等を提供する。【解決手段】レーザ照射状態診断方法を、照射対象物Oの表面を照射箇所BSが走査するようレーザビームRを照射する際に、照射箇所近傍の音響情報を取得し、音響情報における特定の周波数帯域の成分の強度や周波数帯域分布などの特徴に基づいて、照射対象物の表面に存在する付着物の剥離状態等を判別する構成とする。【選択図】図2

Description

本発明は、照射対象物の表面にレーザを照射する際の照射状態を診断する方法、プログラム、装置、及び、照射状態の診断機能を有するレーザ照射装置に関するものである。
レーザ光を用いた表面処理に関する従来技術として、例えば、特許文献1には、レーザ光を照射対象物に照射する照射ヘッドに、レーザ光を所定の偏角だけ偏向させるウェッジプリズムを設け、このウェッジプリズムを回転させながらレーザ光を照射することによって、照射箇所が照射対象物の表面を旋回しながら走査し、照射対象物の表面に付着した旧塗膜や異物等が除去(クリーニング)されることが記載されている。
また、特許文献2には、ピアッシング加工を行うレーザ加工装置において、加工ヘッド近傍に設けたマイクにより加工ガスを供給することで発生する加工音を検出し、穴が貫通しているか否かにより周波数特性が異なることを利用して、ピアッシング完了を判定することが記載されている。
特開2002− 89033号公報 特開平 6−277862号公報
特許文献1に記載した照射対象物の表面の付着物をレーザビームで照射して剥離させるいわゆるレーザクリーニングにおいて、例えば鋼製構造物の除錆における除錆度の確認は、もっぱら目視により行われている。
しかし、目視による確認では作業者の主観的な判断に依存することになり、作業者間の個人差を排することは困難である。
特許文献2には、ピアッシング(穴開け)加工における穴の貫通時の加工ガスによる加工音の変化に基づいてピアッシング加工の結果を検出することが記載されているが、照射対象物自体には例えば貫通穴が開くなどの顕著な形状変化が生じないレーザクリーリング等においては、この技術を適用することはできない。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、レーザの照射状態を精度よく診断可能なレーザ照射状態診断方法、レーザ照射状態診断プログラム、レーザ照射状態診断装置、及び、レーザ照射装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、照射対象物の表面を照射箇所が走査するようレーザビームを照射する際に、照射箇所近傍の音響情報を取得し、前記音響情報の特徴に基づいて、前記照射対象物の表面に存在する付着物の剥離状態を判別することを特徴とするレーザ照射状態診断方法である。
これによれば、照射対象物の表面から付着物が剥離される際に発生する特有の音の特徴に基づいて、レーザビームの照射による付着物の剥離量などの剥離状態を判別し、例えば剥離処理が終了して剥離が生じなくなった場合に、これを精度よく判別することができる。
このような診断は、作業現場においてリアルタイムで行うことができ、直ちに施工条件に反映させることができる。また、記録した音響情報を用いて、別途ラボなどで解析を行うことも可能である。(後述する他の診断も同様である)
請求項2に係る発明は、前記音響情報における特定の周波数帯域の成分の強度に基づいて、前記剥離状態を判別することを特徴とする請求項1に記載のレーザ照射状態診断方法である。
請求項3に係る発明は、前記特定の周波数帯域は、前記付着物が前記レーザビームからの入熱で破砕される際に発生する音の周波数を含むことを特徴とする請求項2に記載のレーザ照射状態診断方法である。
請求項4に係る発明は、前記音響情報における周波数帯域分布の特徴に基づいて、前記剥離状態を判別することを特徴とする請求項1に記載のレーザ照射状態診断方法である。
これらの各発明によれば、上述した効果を確実に得ることができる。
請求項5に係る発明は、前記音響情報の特徴に基づいて、前記レーザビームのフォーカス状態を判別することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断方法である。
請求項6に係る発明は、照射対象物の表面を照射箇所が走査するようレーザビームを照射する際に、照射箇所近傍の音響情報を取得し、前記音響情報の特徴に基づいて、前記レーザビームのフォーカス状態を判別することを特徴とするレーザ照射状態診断方法である。
レーザビームの焦点位置が照射対象物の表面と近接したフォーカス状態と、フォーカス状態に対して焦点位置が照射対象物の表面から相対的に離間したデフォーカス状態とでは、照射対象物の表面における付着物の剥離状態が変化することにより、付着物の剥離により発生する音の音圧や周波数などの特徴が変化する。
これらの発明によれば、取得した音響情報の特徴に基づいて、フォーカス状態、デフォーカス状態を判別することができる。
請求項7に係る発明は、前記音響情報を前記レーザビームの焦点位置が前記照射対象物の表面に近接した状態で取得した基準音響情報と比較して、前記フォーカス状態を判別することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のレーザ照射状態診断方法である。
請求項8に係る発明は、前記音響情報における特定の周波数帯域の成分の強度に基づいて、前記フォーカス状態を判別することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のレーザ照射状態診断方法である。
これらの各発明によれば、フォーカス状態に応じた音響情報の特徴を適切に抽出することができる。
請求項9に係る発明は、前記レーザビームの焦点位置を前記照射対象物に対して変位させた際の前記音響情報の変化に基づいて前記フォーカス状態を判別することを特徴とする請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断方法である。
これによれば、フォーカス状態を得られる照射ヘッドの位置を確実に検出し、施工品質を確保することができる。
請求項10に係る発明は、前記レーザビームは前記照射対象物の表面を照射箇所が所定のパターンに沿って走査するよう前記照射対象物に対して相対変位し、前記音響情報の周期的変化に基づいて照射ヘッドの照射対象物に対する傾斜状態を判別することを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断方法である。
請求項11に係る発明は、照射対象物の表面を照射箇所が所定のパターンに沿って走査するようレーザビームを照射する際に、照射箇所近傍の音響情報を取得し、前記音響情報の周期的変化に基づいて照射ヘッドの照射対象物に対する傾斜状態を判別することを特徴とするレーザ照射状態診断方法である。
照射対象物の表面を、照射箇所が所定のパターンに沿って走査する場合、レーザビームを出射する照射ヘッドが照射対象物に対して傾斜すると、パターン上における照射箇所の位置に応じてフォーカス状態が変化することになり、走査周期(例えば、照射箇所が旋回する場合には旋回の周期。ガルバノスキャナ等により往復する場合には往復の周期。)と同一の周期を有する周期的な音響情報の変化が生じる。
これらの発明によれば、音響情報の周期的な変化に基づいて照射ヘッドの傾斜状態を判別することにより、例えば照射ヘッドの位置や姿勢を検出する専用のセンサ等を設けることなく、簡単な構成により適切に照射ヘッドの傾斜を検出することができる。
請求項12に係る発明は、前記レーザビームの照射条件を所定の周期で変化させながら前記音響情報を取得するとともに、前記周期に同期する信号を抽出することを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断方法である。
これによれば、所定の周期に同期する信号のみを抽出することが可能であり、S/N比を改善するなど信号の品質を改善し、より精度よくレーザ照射状態を診断することができる。
請求項13に係る発明は、請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断方法を、音響情報を取得する音響情報取得部を備えるコンピュータに実行させるレーザ照射状態診断プログラムである。
これによれば、上記各レーザ照射状態診断方法の発明の効果と同様の効果を得ることができる。
なお、本明細書、請求の範囲等において、コンピュータは、いわゆる通常のラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータのほか、例えば照射ヘッド、操作盤などの照射装置の一部に組み込まれたものや、タブレット、スマートフォンなどの各種携帯端末機器などの他の機器に内蔵されたものも含むものとする。例えば、本発明のプログラムは、汎用の携帯端末機器にダウンロードなどにより提供されるアプリケーションプログラムとして利用することも可能である。
請求項14に係る発明は、レーザビームを照射対象物の表面を照射箇所が走査するよう照射する際の前記照射箇所近傍の音響情報を取得する音響情報取得部と、前記音響情報の特徴に基づいて、前記照射対象物の表面に存在する付着物の剥離状態を判別する剥離状態判別部とを備えることを特徴とするレーザ照射状態診断装置である。
請求項15に係る発明は、前記音響信号における特定の周波数帯域の成分の強度に基づいて、前記剥離状態を判別する剥離状態判別部を備えることを特徴とする請求項14に記載のレーザ照射状態診断装置である。
請求項16に係る発明は、前記特定の周波数帯域は、前記付着物が前記レーザビームからの入熱で破砕される際に発生する音の周波数を含むことを特徴とする請求項15に記載のレーザ照射状態診断装置である。
請求項17に係る発明は、前記剥離状態判別部は、前記音響情報における周波数帯域分布の特徴に基づいて、前記剥離状態を判別することを特徴とする請求項14に記載のレーザ照射状態診断装置である。
これらの各発明によれば、上述した請求項1乃至請求項4に係る発明と同様の効果を得ることができる。
請求項18に係る発明は、前記剥離状態判別部が前記付着物の剥離状態の沈静化を判別した場合にユーザに報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項14から請求項17までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断装置である。
これによれば、照射対象物の表面の付着物の剥離処理が終了したことをユーザに報知し、適切な処置を促すことができる。なお、本明細書、請求の範囲において、剥離状態の鎮静化とは、照射対象物からの付着物の剥離量が低減した状態を意味するものとする。
請求項19に係る発明は、前記音響情報の特徴に基づいて前記レーザビームのフォーカス状態を判別するフォーカス状態判別部を備えることを特徴とする請求項14から請求項18までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断装置である。
請求項20に係る発明は、レーザビームを照射対象物の表面を照射箇所が走査するよう照射する際の前記照射箇所近傍の音響情報を取得する音響情報取得部と、前記音響情報の特徴に基づいて前記レーザビームのフォーカス状態を判別するフォーカス状態判別部とを備えることを特徴とするレーザ照射状態診断装置である。
請求項21に係る発明は、前記フォーカス状態判別部は、前記レーザビームの焦点位置が前記照射対象物の表面に近接した状態で取得した基準音響情報と比較して、前記レーザビームのフォーカス状態を判別することを特徴とする請求項19又は請求項20に記載のレーザ照射状態診断装置である。
請求項22に係る発明は、前記フォーカス状態判別部は、前記音響情報における特定の周波数帯域の成分の強度に基づいて、前記フォーカス状態を判別することを特徴とする請求項19又は請求項20に記載のレーザ照射状態診断装置である。
請求項23に係る発明は、前記フォーカス状態判別部は、前記レーザビームの焦点位置を前記照射対象物に対して変位させた際の前記音響情報の変化に基づいて前記フォーカス状態を判別することを特徴とする請求項19から請求項22までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断装置である。
これらの各発明によれば、上述した請求項5乃至請求項9と同様の効果を得ることができる。
請求項24に係る発明は、前記フォーカス状態判別部がデフォーカス状態を判別した場合にユーザに報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項19から請求項23までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断装置である。
これによれば、デフォーカス状態が発生した場合に迅速にユーザに対して是正を促すことにより、施工品質を向上することができる。
請求項25に係る発明は、前記レーザビームは前記照射対象物の表面を照射箇所が所定のパターンに沿って走査するよう前記照射対象物に対して相対変位し、前記音響情報の周期的変化に基づいて照射ヘッドの照射対象物に対する傾斜状態を判別する傾斜状態判別部を備えることを特徴とする請求項14から請求項24までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断装置である。
請求項26に係る発明は、照射対象物の表面を照射箇所が所定のパターンに沿って走査するようレーザビームを照射する際に、照射箇所近傍の音響情報を取得する音響情報取得部と、前記音響情報の周期的変化に基づいて照射ヘッドの照射対象物に対する傾斜状態を判別する傾斜状態判別部とを備えることを特徴とするレーザ照射状態診断装置である。
これらの発明によれば、上述した請求項10,11に係る発明と同様の効果を得ることができる。
請求項27に係る発明は、前記音響情報取得部は、前記レーザビームの照射条件を所定の周期で変化させながら前記音響情報を取得するとともに、前記周期に同期する信号を抽出することを特徴とする請求項14から請求項26までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断装置である。
これによれば、上述した請求項12に係る発明と同様の効果を得ることができる。
請求項28に係る発明は、前記音響情報取得部は、前記レーザビームを出射する照射ヘッドに設けられた集音装置を有することを特徴とする請求項14から請求項27までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断装置である。
これによれば、照射ヘッドに集音装置を設けることにより、照射ヘッドとは別体に設けられる集音装置の設置、撤去などの取り扱いが不要となり、工程を簡素化することができる。
また、集音装置を、確実に照射箇所近傍を指向した状態で保持することができる。
請求項29に係る発明は、前記集音装置は複数設けられ、前記音響情報取得部は、複数の前記集音装置の出力に基づいて前記音響情報を生成することを特徴とする請求項28に記載のレーザ照射状態診断装置である。
これによれば、複数の集音装置の出力を処理して音響情報を生成することにより、信号の品質を向上し、照射状態の診断精度を向上することができる。例えば、各集音装置の出力の平均を用いることにより、照射箇所近傍への指向性を強めることができる。
請求項30に係る発明は、前記音響情報取得部は、前記照射ヘッドから離間した箇所に設置される集音装置を有することを特徴とする請求項14から請求項27までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断装置である。
これによれば、照射ヘッド自体が駆動装置(例えばモータ等のアクチュエータや、ベアリング等)などから発生する騒音の影響を集音装置が受けにくく、照射状態の診断精度を向上することができる。
請求項31に係る発明は、前記音響情報取得部は、前記照射対象物に取り付けられる集音装置を有することを特徴とする請求項14から請求項27までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断装置である。
これによれば、音響情報を照射対象物からの固体伝搬により取得することにより、周囲の環境のノイズ等の影響を集音装置が受けにくく、照射状態の診断精度を向上することができる。
請求項32に係る発明は、レーザビームを照射対象物の表面を照射箇所が走査するよう出射する照射ヘッドと、請求項14から請求項31までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断装置とを備えるレーザ照射装置である。
これによれば、請求項14から請求項31までの各発明と同様の効果を得ることができる。
請求項33に係る発明は、前記照射ヘッドは、前記レーザビームの光路を変化させる可動光学系を駆動する駆動装置を有し、前記音響情報に基づいて前記駆動装置の異常を判別する異常判別部を備えることを特徴とする請求項32に記載のレーザ照射装置である。
これによれば、集音装置が取得する音響情報を用いることにより、他に専用のセンサ等を設けることなく簡素な構成によりレーザ照射状態及び駆動装置の異常をともに判別することができる。
請求項34に係る発明は、前記照射ヘッドは、前記レーザビームの光路を変化させる可動光学系を駆動する駆動装置を有し、前記音響情報に基づいて前記駆動装置の駆動速度を検出する速度検出部を備えることを特徴とする請求項32又は請求項33に記載のレーザ照射装置である。
これによれば、集音装置が取得する音響情報を用いることにより、他に専用のセンサ等を設けることなく簡素な構成によりレーザ照射状態及び駆動装置の駆動速度をともに判別することができる。
請求項35に係る発明は、前記音響情報から予め設定された特徴を有する特定音声を認識する音声認識部を備え、前記音声認識部が前記特定音声を認識した場合に、出射される前記レーザビームの照射条件を変更し、又は、前記レーザビームの出射を停止することを特徴とする請求項32から請求項34までのいずれか1項に記載のレーザ照射装置である。
これによれば、例えば危険な状態など、レーザビームの出射を継続すべきではないことを示す特定音声の検出に応じて、出射を停止することにより、安全性、利便性を向上することができる。
請求項36に係る発明は、前記特定音声は、作業者の周囲又は照射対象物の被照射領域の外側に配置される発音体が発生する音声であることを特徴とする請求項35に記載のレーザ照射装置である。
例えば、特定の周波数や発音パターン(音の断続、周波数変化等)を有する特定音声を出力するスピーカ、ブザーなどの発音体を、作業者の周囲に配置(作業者が携帯することを含む)することにより、誤って作業者へ照射することを防止できる。ここでいう作業者は、照射ヘッドを操作する者に限らず、作業エリアに存在するすべての人を含むものとする。
また、照射対象物の周囲にこのような発音体を配置することにより、誤って照射対象物以外の物体等に照射されることを防止できる。
また、作業者が例えばホイッスルを吹鳴するなど特定音声を発生させることにより、直接照射装置を操作しなくても緊急停止を行うことが可能となる。
請求項37に係る発明は、前記特定音声は、作業者の肉声であることを特徴とする請求項35に記載のレーザ照射装置である。
これによれば、例えば、作業者の叫び声や、危険を示す言葉(例えば、「危ない」など)を認識した場合に、照射装置を緊急停止することが可能となる。
請求項38に係る発明は、レーザビームを照射対象物の表面を照射箇所が走査するよう出射する照射ヘッドと、請求項14から請求項18までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断装置とを備えるレーザ照射装置であって、前記剥離状態判別部が前記付着物の剥離状態の沈静化を判別した場合に、出射される前記レーザビームの照射条件を変更し、又は、前記レーザビームの出射を停止することを特徴とするレーザ照射装置である。
これによれば、照射対象物の表面の付着物の剥離処理が終了に応じて、自動的にレーザビームの強度を低下、あるいは、レーザビームの出射を停止することにより、利便性を向上するとともに、過度の照射により照射対象物にダメージを与えることを防止できる。
以上説明したように、本発明によれば、レーザの照射状態を精度よく診断可能なレーザ照射状態診断方法、レーザ照射状態診断プログラム、レーザ照射状態診断装置、及び、レーザ照射装置を提供することができる。
本発明を適用したレーザ照射状態診断方法、及び、レーザ照射装置の第1実施形態における照射ヘッドの断面図である。 第1実施形態のレーザ照射装置におけるシステム構成を模式的に示すブロック図である。 第1実施形態のレーザ照射装置におけるレーザ照射時の音響情報の周波数スペクトルの一例を示す図である。 第1実施形態のレーザ照射装置において錆除去施工をする場合の周波数帯域毎の音響情報の強度推移の一例を示す図である。 第1実施形態のレーザ照射装置におけるレーザ照射時の音響情報のフォーカス、デフォーカスに応じたスペクトログラムの一例を示す図である。 第1実施形態のレーザ照射装置における照射ヘッドの傾斜時、非傾斜時における周波数領域で表現した音響情報の一例を示す図である。
<第1実施形態>
以下、本発明を適用したレーザ照射状態診断方法、レーザ照射状態診断プログラム、レーザ照射状態診断装置、及び、レーザ照射装置の第1実施形態について説明する。
第1実施形態のレーザ照射状態診断方法を実行する第1実施形態のレーザ照射装置は、レーザ発振器からファイバを介して供給されるレーザ光のビームを照射対象物Oに照射し、照射箇所(ビームスポットBS)が照射対象物Oの表面を円弧上の走査パターンに沿って走査することによって、錆の除去、旧塗膜の剥離や付着した異物除去等の各種クリーニング処理を行う照射ヘッド1を備えている。
照射対象物Oは、一例として、一般鋼、ステンレス鋼、アルミニウム系合金などの金属製の構造物等であるが、特に限定されない。
クリーニング処理は、照射対象物Oの表面で照射箇所(ビームスポットBS)を、例えば直径10mm程度あるいはそれ以上の比較的大径の円弧に沿って旋回させて走査し、照射対象物Oの表面に付着した錆、旧塗膜(剥離すべき塗膜)、酸化皮膜等の各種皮膜、ダスト、煤等をクリーニングするレーザ加工(表面処理)である。
図1は、第1実施形態のレーザ照射装置における照射ヘッドの断面図である。
照射ヘッド1は、図示しないファイバを介し、レーザ発振器110(図2参照)から伝達される連続波(CW)のレーザビームRを、照射対象物Oに照射するものである。
照射ヘッド1は、例えば、作業者が手持ちして作業を行うことが可能なハンディタイプのものであるが、所定のパスに沿って照射ヘッド1を移動可能なロボットに取り付けて用いることも可能である。
照射ヘッド1は、フォーカスレンズ10、ウェッジプリズム20、保護ガラス30、回転筒40、モータ50、モータホルダ60、保護ガラスホルダ70、ハウジング80、ダクト90等を備えている。
フォーカスレンズ10は、レーザ発振器110からファイバを経由して照射ヘッド1に伝達されたレーザビームRが、図示しないコリメートレンズを通過した後に入射される光学素子である。
コリメートレンズは、ファイバの端部から出射されたレーザ光を、実質的に平行なビームにする(コリメートする)光学素子である。
フォーカスレンズ10は、コリメートレンズが出射するレーザビームRを、所定の焦点位置において集光(合焦)させる光学素子である。
フォーカスレンズ10として、例えば、正のパワーを有する凸レンズを用いることができる。
なお、レーザビームRによる照射対象物Oの表面における照射箇所であるビームスポットBSは、この焦点位置と一致あるいは焦点深度内に含まれる近接状態において(フォーカス状態)、あるいは、焦点位置から離間して(デフォーカス状態)配置される。
焦点深度とは、ビーム径が所定の許容錯乱円の径以下となる光軸方向の範囲を意味する。
ウェッジプリズム20は、フォーカスレンズ10が出射するレーザビームRを、所定の偏角θ(図1参照)だけ偏向させ、入射側と出射側の光軸角度を異ならせる光学素子である。
ウェッジプリズム20は、入射側の光軸方向と直交する方向における一方の厚さが他方の厚さに対して大きくなるように、連続的に厚さが変化する板状に形成されている。
保護ガラス30は、ウェッジプリズム20に対して光軸方向に沿って焦点位置側(照射対象物O側、ビームスポットBS側)に隣接して配置された平板ガラス等からなる光学素子である。
保護ガラス30は、照射対象物O側から飛散する剥離物、スパッタや粉塵等の異物が、ウェッジプリズム20等の他の光学素子に付着することを防止する保護部材である。
保護ガラス30は、照射ヘッド1が有する光学系のうち、光軸方向に沿って最も焦点位置側に配置された光学素子であり、後述する空間部Sやダクト90の内部を介して、照射対象物O側に露出することになる。
フォーカスレンズ10、ウェッジプリズム20、保護ガラス30は、例えば光学ガラス等の透明な材料からなる部材の表面に、反射防止や表面保護等を目的としたコーティングを施して構成されている。
回転筒40は、内径側にフォーカスレンズ10及びウェッジプリズム20を保持する円筒状の部材である。
回転筒40は、フォーカスレンズ10の光軸、及び、フォーカスレンズ10に入射するレーザビームRの光軸(コリメートレンズの光軸)と同心に形成されている。
回転筒40は、図示しないベアリングにより、ハウジング80に対して、フォーカスレンズ10の光軸と一致する回転中心軸回りに回転可能に指示されている。
回転筒40は、例えばアルミニウム系合金等の金属や、エンジニアリングプラスチック等により形成されている。
モータ50は、回転筒40をハウジング80に対して回転中心軸回りに回転駆動する電動アクチュエータである。
モータ50は、例えば、回転筒40と同心に構成され、回転筒40の外径側に設けられた円環型モータとして構成される。
モータ50の図示しないステータは、モータホルダ60を介してハウジング80に固定されている。
モータ50の図示しないロータは、回転筒40に固定されている。
モータ50は、モータ駆動装置120(図2参照)によって、回転筒40の回転速度が所望の目標回転速度と実質的に一致するように制御される。
回転筒40の回転中心軸が照射対象物Oの照射箇所付近の表面と直交するよう照射ヘッド1の姿勢を維持し、モータ50が回転筒40とともにウェッジプリズム20を回転させることにより、ビームスポットBSは、照射対象物Oの表面に沿って、回転筒40の回転中心軸回りに円弧状に旋回走査することになる。
この状態で照射ヘッド1を照射対象物Oの表面に沿って並進移動させると、ビームスポットBSは、円弧状に旋回しつつ照射対象物Oの表面を走査することになる。
これにより、照射対象物O上の任意の点に着目した場合には、短時間のみレーザビームRがパルス状に入射し、短時間のうちに急速加熱、急速冷却が順次行われる。
このとき、照射対象物Oの表面に形成された旧塗膜、錆、被膜等や、付着した異物などのクリーニング対象物(付着物)は、破砕されて飛散する。
モータホルダ60は、ハウジング80の内部において、モータ50のステータを所定の位置に保持する支持部材である。
モータホルダ60の本体部は、円筒状に形成され、ハウジング80の内径側に挿入された状態でハウジング80に固定されている。
モータホルダ60の内周面は、モータ50の外周面と対向して配置され、モータ50のステータに固定されている。
モータホルダ60の外周面と内周面との間隔の一部には、パージガスPGが通流されるパージガス流路61が形成されている。
パージガスPGは、照射ヘッド1の使用時(照射時)に、後述するダクト90の内筒91の内部における保護ガラス30の照射対象物O側の面部が接する空間部Sから、照射対象物O側へ噴出される気体である。保護ガラス30の照射対象物O側の面部は、この空間部Sの内部に露出して配置されている。
パージガスPGは、照射対象物O側から飛散する旧塗膜、錆、皮膜の破片などの塵埃や、スパッタ等の異物が、ハウジング80の内部に飛来して保護ガラス30に付着することを防止する機能を有する。
パージガス流路61は、モータホルダ60の一部を、モータ50の軸方向に貫通して形成された開口である。
パージガス流路61から出たパージガスPGは、ハウジング80内に設けられた流路を経由して、ダクト90の内筒91の内径側に導入される。
保護ガラスホルダ70は、保護ガラス30を保持した状態でハウジング80の内径側に固定される部材である。
保護ガラスホルダ70は、例えば、中央部に円形の開口が形成された円盤状に形成されている。
レーザビームRは、開口を介してウェッジプリズム20側から照射対象物O側へ通過する。
保護ガラスホルダ70の照射対象物O側の面部には、保護ガラス30がはめ込まれる凹部が形成されている。
保護ガラス30は、この凹部にはめ込まれた状態で、ハウジング80の内部において保持されている。
保護ガラス30は、汚染や焼損が発生した場合には交換が可能なよう、保護ガラスホルダ70に着脱可能に取り付けられている。
保護ガラスホルダ70の照射対象物O側とは反対側の面部は、モータホルダ60の照射対象物O側の端面と間隔を隔てて対向して配置されている。
この間隔は、モータホルダ60のパージガス流路61から導入されるパージガスPGを保護ガラス30の照射対象物O側の空間部Sに導入する流路の一部(流体供給部の一部)を構成する。
ハウジング80は、照射ヘッド1の本体部の筐体を構成する円筒状の部材である。
ハウジング80の内部には、上述したフォーカスレンズ10、ウェッジプリズム20、保護ガラス30、回転筒40、モータ50、モータホルダ60、保護ガラスホルダ70等のほか、図示しないファイバの照射ヘッド1側の端部や、コリメートレンズ等が収容されている。
ダクト90は、ハウジング80の照射対象物O側の端部から突出して設けられた二重筒状の部材である。
ダクト90は、内筒91、外筒92、集塵装置接続筒93等を有する。
上述したモータホルダ60、保護ガラスホルダ70、ハウジング80は、例えばアルミニウム系合金等の金属や、エンジニアリングプラスチック等により形成されている。
内筒91は、円筒状に形成されている。
レーザ光Rは、内筒91の内径側を通過して照射対象物O側に出射される。
内筒91のハウジング80側の端部には、他部に対して段状に小径に形成された小径部91aが形成されている。
小径部91aの内部の空間部Sには、ハウジング80の内部から、パージガスPGが導入される。
内筒91の照射対象物O側の端部には、照射対象物O側が小径となるように先窄みとなったテーパ部91bが形成されている。
テーパ部91bは、レーザ光Rの通過を許容しつつ、パージガスPGの気流を絞って流速を増加させる機能を有する。
外筒92は、内筒91と同心に配置された円筒状の部材であって、内筒91の外径側に設けられている。
外筒92の内周面と外筒91の外周面との間には、全周にわたって連続した隙間が形成されている。
外筒92のハウジング80側の端部には、他部に対して段状に小径に形成された小径部92aが形成されている。
小径部92aは、ハウジング80の照射対象物O側の端部に嵌め込まれた状態で固定される。
外筒92の照射対象物O側の端部92bの縁は、回転筒40の回転中心軸を水平として照射する際の通常使用時における上方が下方に対してハウジング80側となるように、回転筒40の回転中心軸に対して傾斜して形成されている。
集塵装置接続筒93は、外筒92から外径側に突出し、外筒92の内径側と連通した状態で接続された円筒状の筒体である。
集塵装置接続筒93は、上述した通常使用時における外筒92の下方に設けられている。
集塵装置接続筒93は、照射対象物O側からハウジング80側に近づくとともに、外筒92から離間するように、外筒92に対して傾斜して配置されている。
集塵装置接続筒93の一方の端部は、外筒92の照射対象物O側の端部近傍において、外筒92の内部と連通するように外筒92に接続されている。
集塵装置接続筒93の他方の端部は、集塵装置140(図2参照)に接続され、内部が負圧となるように真空吸引されるようになっている。
第1実施形態においては、レーザビームRを出射しながら、回転筒40及びウェッジプリズム20を回転させることにより、ビームスポットBSが照射対象物Oの表面に沿って所定の半径の円弧上に旋回する。
この状態で、照射ヘッド1を照射対象物Oの表面に沿って並進移動させることにより、照射対象物Oの表面をビームスポットBSが走査するクリーニング処理を行うことが可能である。
また、第1実施形態においては、パージガスPGとして、シールドガスとしても機能する例えば窒素ガス等の不活性ガスを用いることができる。
この不活性ガスは、ビームスポットBS及びその旋回半径内(走査パターン内)を含む領域を、窒素が充満した雰囲気とし、酸素から遮断した状態とする。
図2は、第1実施形態のレーザ照射装置におけるシステム構成を模式的に示すブロック図である。
レーザ照射装置は、レーザ発振器110、モータ駆動装置120、パージガス供給装置130、集塵装置140、照射状態診断部200等を有する。
レーザ発振器110は、照射対象物にレーザビームRとして照射されるレーザ光を発生させ、ファイバを介して照射ヘッド1に供給するものである。
レーザ発振器110として、例えば、平均出力が1kW程度のCWレーザを用いることができるが、後述するようにこれに限定はされない。
モータ駆動装置120は、モータ50に駆動用電力を供給する電源装置である。
モータ駆動装置120は、モータ50の回転速度を調節する機能を有する。
モータ駆動装置120は、照射状態診断部200が検出するモータ50の実際の回転速度が、所定の目標回転速度と一致するようフィードバック制御を行う。
第1実施形態においては、モータ50の回転速度を、音響情報に基づいて検出する機能を備えている。この点、後に詳しく説明する。
パージガス供給装置130は、パージガス流路61に、例えば窒素ガスなどのパージガスPGを供給するものである。
パージガス供給装置130は、例えば、パージガスが圧縮された状態で貯留されたボンベ、あるいは、窒素ガス発生装置などを用いることができる。
集塵装置140は、レーザビームRの照射時に照射対象物から飛散する剥離物等を捕集するものである。
集塵装置140は、集塵装置接続筒93に接続され、負圧吸引する負圧発生源や、飛散物を捕集するサイクロン等の集塵手段を有する。
照射状態診断部200は、ビームスポットBSの近傍や、照射ヘッド1自体が発生する音響情報を取得し、これらの音響情報に基づいて、ビームスポットBSの照射状態や、照射ヘッド1の状態を診断するものである。
照射状態診断部200は、例えばCPU等の情報処理部、RAMやROM等の記憶部、入出力インターフェイス、及び、これらを接続するバス等を有するコンピュータとして構成されている。
照射状態診断部200は、第1実施形態のレーザ照射状態診断方法を行うレーザ照射状態診断プログラムを実行するものである。
照射状態診断部200には、第1マイクロフォン201、第2マイクロフォン202、処理終了インジケータ203、デフォーカスインジケータ204、傾斜インジケータ205、緊急停止インジケータ206等が接続されている。
第1マイクロフォン201、第2マイクロフォン202は、ビームスポットBS近傍の音響情報を取得する集音装置である。
第1マイクロフォン201、第2マイクロフォン202として、例えば単一指向性マイクロフォンを用いることができる。
第1マイクロフォン201、第2マイクロフォン202は、例えば図1に示すように、照射ヘッド1の照射対象物側の端部近傍に、ダクト90の径方法に離間した状態で、ビームスポットBS近傍を指向するよう設置されている。
これにより、ビームスポットBSの周囲の音響情報を感度よく取得するとともに、照射ヘッド1が発生する音もある程度取得することができる。
処理終了インジケータ203は、照射状態診断部200が、照射対象物の表面から実質的に付着物の剥離が生じていないことを判別したときに、ユーザに対して剥離処理が終了したことを示す報知手段である。
デフォーカスインジケータ204は、照射状態診断部200が、ビームスポットBSがレーザビームRの焦点深度から外れたデフォーカス状態である場合に、ユーザに対してデフォーカス状態が発生していること、及び、フォーカス状態とするための照射ヘッド1の移動方法(照射対象物から遠ざかる方向か、近づく方向か)を示す報知手段である。
傾斜インジケータ205は、照射状態診断部200が、照射ヘッド1の軸線方向(回転筒40の回転中心軸方向)が、照射対象物の表面の法線方向に対して所定値以上傾斜していることを判別した場合に、ユーザに対して、傾斜状態が生じていること、及び、傾斜状態を解消するための照射ヘッド1の操作方向を示す報知手段である。
緊急停止インジケータ206は、照射状態診断部200が、レーザビームRが照射対象物から外れた状態で照射されていることを検出し、照射を緊急停止した場合に、緊急停止したことをユーザに対して示す報知手段である。
これらの各インジケータは、例えば、警告灯、画像表示装置、音声出力装置などを有して構成される。
照射状態診断部200は、平均値算出部210、高速フーリエ変換部220、音響特徴抽出部230、音声認識部240等を備えている。
照射状態診断部200は、音響情報取得部、剥離状態判別部、フォーカス状態判別部、傾斜状態判別部、異常判別部、速度検出部、音声認識部としての機能を備えている。
これらの機能については、後に詳しく説明する。
平均値算出部210は、第1マイクロフォン201、第2マイクロフォン202がそれぞれ集音した音響データの平均値を算出し、高速フーリエ変換部220に伝達するものである。
高速フーリエ変換部220は、平均値算出部210から伝達された音響情報に対して、公知の高速フーリエ変換(FFT)処理を施し、時間領域から周波数領域のデータに変換するものである。
音響特徴抽出部230は、高速フーリエ変換部220が生成した周波数領域の音響情報から、所定の周波数帯域の成分を抽出し、その強度(振幅)等に基づいて、ビームスポットBSにおけるレーザビームRの照射状態等を判別するものである。
音声認識部240は、音響情報から、所定の特徴を有する成分(後述する特定音声など)を認識するものである。
以下、照射状態診断部200の機能について、詳細に説明する。
<剥離状態判定機能>
照射状態診断部200は、レーザビームRのビームスポットBSが走査している照射対象物Oの表面において、例えば錆や、旧塗膜などの処理対象となる付着物が破砕され、剥離されているか否かを判別する機能を有する。
従来、レーザによる除錆施工における除錆度の確認は、もっぱら目視により行われている。
しかし、目視による確認では作業者の主観的な判断に依存することになり、作業者間の個人差を排することは困難である。
そのため、例えばJISZ2358では、色見本や色彩計によって除錆度を評価することを規定している。しかし、この方法は、施工後の最終的な評価には適するが、評価に時間を要するため、測定結果を施工条件に即座にフィードバックすることが困難である。
また、実際の施工中に、適切な施工状態(照射ヘッドが照射対象物に対して、適切な距離、角度で保持されているかなど)で実行できているかどうかを、リアルタイムで判断することは困難である。
これに対し、第1実施形態においては、音響情報を用いた剥離状態の判別を行うことにより、作業者の主観に依存しない剥離状態の診断を行うことが可能である。また、このような診断は、現場でリアルタイムで行うことが可能であり、直ちに施工条件にフィードバックすることができる。
図3は、第1実施形態のレーザ照射装置におけるレーザ照射時の音響情報の周波数スペクトルの一例を示す図である。
図3において、横軸は周波数を示し、縦軸は振幅(強度・音圧)を示している。
照射対象物の表面の付着物である錆を、レーザビームRの照射により剥離するクリーニング処理においては、剥離処理の進行に伴って、音響情報の周波数分布特性が変化することを本発明の発明者らは見出した。
図4は、第1実施形態のレーザ照射装置において錆の除去(クリーニング)施工をする場合の周波数帯域毎の音響情報の強度推移の一例を示す図である。
図4において、横軸は時間を示し、縦軸は所定の周波数帯域の音響信号強度の平均値を示している。
900Hz乃至1100Hzのデータを実線で示す。
3kHz乃至6kHzのデータを破線(点線)で示す。
9.9kHz乃至10.1kHzのデータを一点鎖線で示す。
14kHz乃至16kHzのデータを二点鎖線で示す。
図4に示すように、実線で示す900Hz乃至1100Hzの帯域においては、照射処理を繰り返すと、順次強度が低下していることがわかる。
この周波数帯域には、照射対象物の表面に付着した錆が、ビームスポットBSが走査中に通過した際の急激な入熱及びこれに引き続く冷却によって破砕される際に発生する音が含まれているものと考えられる。
そこで、このような特定の周波数帯域の音響信号強度の絶対値、あるいは、他の周波数帯域に対する相対値の低下に基づいて、剥離状態の沈静化(剥離量の減少)を判別することができる。
例えば、このような強度が予め設定された閾値以下となった場合に、剥離処理の終了を判別し、レーザビームRの出射を停止、あるいは、強度を低下させるとともに、処理終了インジケータ203によりユーザに対して剥離処理が終了したことを報知する。
<フォーカス判定>
照射状態判定部200は、音響情報に基づいて、レーザビームRの焦点位置が照射対象物Oの表面と実質的に一致するフォーカス状態であるか、あるいは、焦点位置が照射対象物Oの表面から離間したデフォーカス状態であるかを判別する機能を有する。
図5は、第1実施形態のレーザ照射装置におけるレーザ照射時の音響情報のフォーカス、デフォーカスに応じたスペクトログラムの一例を示す図である。
図5において、横軸は時間を示し、縦軸は周波数を示す。また、濃色ほど音響信号の強度が高いことを示している。
図5の上段はフォーカス状態のデータを示し、下段はデフォーカス状態のデータを示している。
図5は、断続的に3回の照射を行った際のデータを示している。
このとき、上段に示すフォーカス時には、所定の周波数帯域Aにおける信号強度が、照射時のほうが非照射時に対して顕著に大きくなっていることがわかるが、デフォーカス時にはこのような現象は見られない。
したがって、このような周波数帯域Aの強度を、予め設定した閾値と比較することにより、フォーカス状態を判定することができる。
また、これに代えて、フォーカス時における音響信号の帯域毎の強度に関する参照用のデータ(基準音響情報)を予め保持し、実際に取得した音響情報の強度分布の参照用データからの乖離に基づいて、デフォーカス状態を判別する構成としてもよい。
<傾斜判定>
照射状態診断部200は、照射ヘッド1におけるウェッジプリズム20の回転中心軸が照射対象物の表面の法線方向と一致する正対状態か、これに対して照射ヘッド1が傾斜した傾斜状態かを判別する機能を有する。
図6は、第1実施形態のレーザ照射装置における照射ヘッドの傾斜時、非傾斜時における周波数領域で表現した音響情報の一例を示す図である。
図6において、横軸は周波数を示し、縦軸は音響情報の強度を示している。
照射ヘッド1が正対状態(非傾斜状態)である場合には、ビームスポットBSにおけるフォーカスの状態は、旋回中における位置に関わらず一定となる。
これに対し、傾斜状態においては、ビームスポットBSの位置により、フォーカスレンズ10からの距離が変動することにより、フォーカス状態、デフォーカス状態が周期的に変動することになる。この変動周期は、ウェッジプリズム20の回転周期と一致する。
このため、傾斜状態においては、図中破線の楕円で示すように、ウェッジプリズム20の回転周期と相関して出現する、規則的なピーク列の強度が、正対状態に対して上昇する。
このようなピークの強度の増大に基づいて、傾斜状態を判別することが可能であり、また、その強度に基づいて、傾斜の程度を推定することも可能である。
照射状態診断部200は、傾斜状態を判別した場合には、傾斜インジケータ205を作動させ、作業者に照射ヘッド1の姿勢を補正することを促す。
<モータ回転速度判定>
照射状態診断部200は、音響情報が有する特定の周波数成分に基づいて、モータ50の回転速度(ウェッジプリズム20、回転筒40の回転速度と等しい)を検出する機能を有する。
音響情報には、モータ50の回転速度に比例する特定の周波数帯域の成分が含まれる。
照射状態診断部200は、モータ50に起因する周波数帯域の推移に基づいて、モータ50の回転速度を検出することができる。
検出された回転速度は、例えば、モータ駆動装置120によるモータ50の回転速度制御に用いることができる。
<モータ、軸受異常判定>
照射状態診断部200は、音響情報に基づいて、モータ50、及び、回転筒40を支持するベアリングの異常を検出する機能を有する。
照射状態診断部200は、モータ50、回転筒40が正常である場合に取得される音響情報を参照用のデータとして保持しており、参照用のデータに含まれない特異な周波数帯域かつ所定以上の強度の成分が存在する場合には、この成分に係る音響信号がモータ50、ベアリングの故障による異音であると判別する。
異音が検出された場合には、照射状態診断部200は、照射ヘッド1に何らかの故障が発生しているものとして、レーザビームRの出射、モータ50の駆動を停止するとともに、緊急停止インジケータ206を作動させる。
<特定音声による緊急停止>
照射状態診断部200は、音響情報に予め設定された特徴を有する特定音声を認識した場合には、レーザビームRの出射を停止し、あるいは、強度を低下させるなどの照射条件の変更を行う機能を有する。
特定音声として、例えば、特定の周波数や発音パターン(音の断続、周波数変化等)を有する特定音声を出力するスピーカ、ブザーなどの発音体を、作業者の周囲に配置(作業者が携帯することを含む)することにより、誤って作業者等へ照射ヘッド1を向けた状態で照射することを防止できる。ここでいう作業者は、照射ヘッド1を操作する者に限らず、作業エリアに存在するすべての人を含むものとする。
また、照射対象物Oの周囲にこのような発音体を配置することにより、発音体に近づいたり、照射ヘッド1を向けたことを認識し、誤って照射対象物O以外の物体等に照射されることを防止できる。
また、作業者が例えばホイッスルを吹鳴するなどの積極的な動作により特定音声を発生させることにより、直接照射装置を操作しなくても緊急停止を行うことが可能となる。
また、特定音声は、作業者の肉声とすることもできる。
例えば、叫び声や、危険を示す言葉(例えば、「危ない」など)を認識した場合に、照射装置を緊急停止する構成としてもよい。
以上説明した第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)照射対象物Oの表面から錆などの付着物が剥離される際に発生する特有の音の特徴に基づいて、レーザビームRの照射による付着物の剥離量などの剥離状態を判別し、例えば剥離処理が終了して剥離が生じなくなった場合にこれを精度よくリアルタイムで判別することができる。
(2)レーザビームRの焦点位置が照射対象物Oの表面と近接したフォーカス状態と、フォーカス状態に対して焦点位置が照射対象物Oの表面から相対的に離間したデフォーカス状態とでは、照射対象物の表面における錆等の剥離状態が変化することにより、錆等の剥離により発生する音の音圧や周波数などの特徴が変化する。
この特性を利用し、特定の周波数帯域Aの強度に基づいて、フォーカス状態、デフォーカス状態を判別することができる。
(3)照射対象物Oの表面をビームスポットBSが円旋回して走査する場合、照射ヘッド1が照射対象物Oに対して傾斜すると、周上におけるビームスポットBSの位置に応じてフォーカス状態が変化することになり、旋回周期と同一の周期を有する周期的な音の変化が生じる。
第1実施形態によれば、音響情報の周期的な変化(特定の周波数のピーク)に基づいて照射ヘッド1の傾斜状態を判別することにより、例えば照射ヘッド1の位置や姿勢を検出する位置センサ、加速度センサ等を設けることなく、簡単な構成により適切に照射ヘッド1の傾斜を検出することができる。
(4)照射ヘッド1に第1、第2マイクロフォン201,202を設けることにより、照射ヘッド1とは別体に設けられる集音装置の設置、撤去などの取り扱いが不要となり、工程を簡素化することができる。
また、確実にビームスポットBS近傍を指向した状態で各マイクロフォン201,202を保持することができる。
(5)複数のマイクロフォン201,202の出力を処理して音響情報を生成することにより、信号の品質を向上し、照射状態の診断精度を向上することができる。具体的には、各マイクロフォン201,202の出力の平均を用いることにより、ビームスポットBS近傍への指向性を強めることができる。
(6)各マイクロフォン201,202が取得する音響情報を用いて、他に専用のセンサ等を設けることなく簡素な構成によりモータ50等の駆動装置の回転速度や異常を、レーザ照射状態とともに判別することができる。
(7)例えば危険な状態など、レーザビームの出射を継続すべきではないことを示す特定音声の検出に応じて、出射を停止することにより、安全性、利便性を向上することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明を適用したレーザ照射状態診断方法、レーザ照射状態診断プログラム、レーザ照射状態診断装置、及び、レーザ照射装置の第2実施形態について説明する。
以下説明する各実施形態において、従前の実施形態と実質的に共通する箇所については同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
第2実施形態においては、第1実施形態における照射ヘッド1に設けられた第1マイクロフォン201、第2マイクロフォン202に代えて、照射ヘッド1とは独立して設けられた集音装置(マイクロフォン)を照射対象物に近接して設置し、音響情報を取得するものである。
以上説明した第2実施形態によれば、上述した第1実施形態の効果と同様の効果((4)項に記載のものを除く)に加えて、音響情報にモータや軸受等が発生するノイズが含まれにくく、照射状態の診断をより精度よく行うことができる。
<第3実施形態>
次に、本発明を適用したレーザ照射状態診断方法、レーザ照射状態診断プログラム、レーザ照射状態診断装置、及び、レーザ照射装置の第3実施形態について説明する。
第3実施形態においては、第1実施形態における照射ヘッド1に設けられた第1マイクロフォン201、第2マイクロフォン202に代えて、照射ヘッド1とは独立して設けられた集音装置(音響ピックアップ)を照射対象物に付着させ、音響情報を取得するものである。
以上説明した第3実施形態においては、音響情報を照射対象物からの固体伝搬により取得することにより、上述した第1実施形態の効果と同様の効果((4)項に記載のものを除く)に加えて、周囲の環境のノイズ等を集音装置が拾いにくく、照射状態の診断精度をより向上することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明を適用したレーザ照射状態診断方法、レーザ照射状態診断プログラム、レーザ照射状態診断装置、及び、レーザ照射装置の第4実施形態について説明する。
第4実施形態においては、照射ヘッド1における照射条件、例えば、レーザ光の強度(発振器出力)、ウェッジプリズムの回転速度、フォーカス位置の少なくとも一つを周期Tで変調させ、いわゆるロックインアンプと称されるノイズ除去処理を施すことにより、音響情報の品質(S/N)を向上したものである。
ロックインアンプは、ノイズが含まれる信号から、微小な繰り返し信号を抽出することに適した手法である。
照射条件を周期Tで変調させた場合、音響信号、もしくは、周波数スペクトルの時間tの関数S(t)も周期Tで変化するならば、

S(t)×sin(2πt/T)、及び、S(t)×cos(2πt/T)

を時間的に積分すると、ノイズが打ち消されて周期Tに同期する信号のみが残るため、レーザビームRの照射に由来する信号のみを精度よく検出することができる。
以上説明する第5実施形態によれば、所定の周期に同期する信号のみを抽出することが可能であり、S/N比を改善し、より精度よくレーザ照射状態を診断することができる。
<第5実施形態>
次に、本発明を適用したレーザ照射状態診断方法、レーザ照射状態診断プログラム、レーザ照射状態診断装置、及び、レーザ照射装置の第5実施形態について説明する。
第5実施形態においては、照射ヘッド1は、例えばフォーカスレンズ10を光軸方向に駆動することにより、照射ヘッド1に対する焦点の位置を変更するオートフォーカス機構を有する。
第5実施形態においては、オートフォーカス機構によって照射対象物Oに対する焦点位置をフォーカスレンズ10の光軸方向に連続的、あるいは、断続的に変化させながら上述したフォーカス状態の判別を行い、フォーカス状態が得られるようフォーカスレンズ10の位置を自動的に設定するオートフォーカス制御を行う。
以上説明した第5実施形態によれば、上述した第1実施形態の効果と同様の効果に加えて、フォーカス状態を得られる照射ヘッドの位置を確実に検出し、施工品質を確保することができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)レーザ照射状態診断方法、レーザ照射状態診断プログラム、レーザ照射状態診断装置、及び、レーザ照射装置の構成は、上述した各実施形態に限定されず。適宜変更することができる。
例えば、レーザ照射状態診断装置、レーザ照射装置を構成する各部材の形状、構造、材質、製法、配置、個数などは、適宜変更することができる。
また、レーザの種類においても、ファイバレーザ、YAGレーザ、COレーザなど、発振方式においても、パルスレーザやQCWレーザなど、適宜選択できる。
(2)各実施形態のレーザ照射装置においては、ウェッジプリズムを回転させることによりレーザビームRを旋回させているが、これに限らず、他の手法により、照射箇所が所定のパターンに沿って照射対象物の表面を走査するよう構成してもよい。
例えば、ガルバノスキャナを用いて照射対象物を走査するよう構成してもよい。また、走査パターンも円形の旋回に限らず、例えば多角形状の軌跡に沿った旋回や、他のパターンであってもよい。
(3)各実施形態に示す音響情報取得部における集音装置の配置は一例であって、適宜変更することが可能である。
例えば、第1実施形態においては、例えば一対のマイクロフォンを集音装置として用いているが、用いる集音装置の個数は特に限定されず、適宜変更することができる。
(4)各実施形態における音響信号の演算処理や判定の手法は一例であって、適宜変更することができる。
(5)各実施形態は、例えば錆の除去(レーザクリーニング)を例にとって説明しているが、本発明は、例えば旧塗膜の剥離や、その他異物を除去するクリーニングにも適用することができる。また、フォーカス状態、傾斜状態の判定は、レーザクリーニングに限らず、例えば素地調整などの他の用途にも適用することができる。
1 照射ヘッド 10 フォーカスレンズ
20 ウェッジプリズム 30 保護ガラス
40 回転筒 50 モータ
60 モータホルダ 61 パージガス流路
70 保護ガラスホルダ 80 ハウジング
90 ダクト 91 内筒
91a 小径部 91b テーパ部
92 外筒 92a 小径部
92b 端部 93 集塵装置接続筒
110 レーザ発振器 120 モータ駆動装置
130 パージガス供給装置 140 集塵装置
200 照射状態診断部
201 第1マイクロフォン 202 第2マイクロフォン
203 処理終了インジケータ 204 デフォーカスインジケータ
205 傾斜インジケータ 206 緊急停止インジケータ
210 平均値算出部 220 高速フーリエ変換部
230 音響特徴抽出部 240 音声認識部

Claims (38)

  1. 照射対象物の表面を照射箇所が走査するようレーザビームを照射する際に、照射箇所近傍の音響情報を取得し、
    前記音響情報の特徴に基づいて、前記照射対象物の表面に存在する付着物の剥離状態を判別すること
    を特徴とするレーザ照射状態診断方法。
  2. 前記音響情報における特定の周波数帯域の成分の強度に基づいて、前記剥離状態を判別すること
    を特徴とする請求項1に記載のレーザ照射状態診断方法。
  3. 前記特定の周波数帯域は、前記付着物が前記レーザビームからの入熱で破砕される際に発生する音の周波数を含むこと
    を特徴とする請求項2に記載のレーザ照射状態診断方法。
  4. 前記音響情報における周波数帯域分布の特徴に基づいて、前記剥離状態を判別すること
    を特徴とする請求項1に記載のレーザ照射状態診断方法。
  5. 前記音響情報の特徴に基づいて、前記レーザビームのフォーカス状態を判別すること
    を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断方法。
  6. 照射対象物の表面を照射箇所が走査するようレーザビームを照射する際に、照射箇所近傍の音響情報を取得し、
    前記音響情報の特徴に基づいて、前記レーザビームのフォーカス状態を判別すること
    を特徴とするレーザ照射状態診断方法。
  7. 前記音響情報を、前記レーザビームの焦点位置が前記照射対象物の表面に近接した状態で取得した基準音響情報と比較して、前記フォーカス状態を判別すること
    を特徴とする請求項5又は請求項6に記載のレーザ照射状態診断方法。
  8. 前記音響情報における特定の周波数帯域の成分の強度に基づいて、前記フォーカス状態を判別すること
    を特徴とする請求項5又は請求項6に記載のレーザ照射状態診断方法。
  9. 前記レーザビームの焦点位置を前記照射対象物に対して変位させた際の前記音響情報の変化に基づいて前記フォーカス状態を判別すること
    を特徴とする請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断方法。
  10. 前記レーザビームは前記照射対象物の表面を照射箇所が所定のパターンに沿って走査するよう前記照射対象物に対して相対変位し、
    前記音響情報の周期的変化に基づいて照射ヘッドの照射対象物に対する傾斜状態を判別すること
    を特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断方法。
  11. 照射対象物の表面を照射箇所が所定のパターンに沿って走査するようレーザビームを照射する際に、照射箇所近傍の音響情報を取得し、
    前記音響情報の周期的変化に基づいて照射ヘッドの照射対象物に対する傾斜状態を判別すること
    を特徴とするレーザ照射状態診断方法。
  12. 前記レーザビームの照射条件を所定の周期で変化させながら前記音響情報を取得するとともに、前記周期に同期する信号を抽出すること
    を特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断方法。
  13. 請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断方法を、音響情報を取得する音響情報取得部を備えるコンピュータに実行させるレーザ照射状態診断プログラム。
  14. レーザビームを照射対象物の表面を照射箇所が走査するよう照射する際の前記照射箇所近傍の音響情報を取得する音響情報取得部と、
    前記音響情報の特徴に基づいて、前記照射対象物の表面に存在する付着物の剥離状態を判別する剥離状態判別部と
    を備えることを特徴とするレーザ照射状態診断装置。
  15. 前記音響信号における特定の周波数帯域の成分の強度に基づいて、前記剥離状態を判別する剥離状態判別部を備えること
    を特徴とする請求項14に記載のレーザ照射状態診断装置。
  16. 前記特定の周波数帯域は、前記付着物が前記レーザビームからの入熱で破砕される際に発生する音の周波数を含むこと
    を特徴とする請求項15に記載のレーザ照射状態診断装置。
  17. 前記剥離状態判別部は、前記音響情報における周波数帯域分布の特徴に基づいて、前記剥離状態を判別すること
    を特徴とする請求項14に記載のレーザ照射状態診断装置。
  18. 前記剥離状態判別部が前記付着物の剥離状態の沈静化を判別した場合にユーザに報知する報知手段を備えること
    を特徴とする請求項14から請求項17までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断装置。
  19. 前記音響情報の特徴に基づいて前記レーザビームのフォーカス状態を判別するフォーカス状態判別部を備えること
    を特徴とする請求項14から請求項18までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断装置。
  20. レーザビームを照射対象物の表面を照射箇所が走査するよう照射する際の前記照射箇所近傍の音響情報を取得する音響情報取得部と、
    前記音響情報の特徴に基づいて前記レーザビームのフォーカス状態を判別するフォーカス状態判別部と
    を備えることを特徴とするレーザ照射状態診断装置。
  21. 前記フォーカス状態判別部は、前記レーザビームの焦点位置が前記照射対象物の表面に近接した状態で取得した基準音響情報と比較して、前記レーザビームのフォーカス状態を判別すること
    を特徴とする請求項19又は請求項20に記載のレーザ照射状態診断装置。
  22. 前記フォーカス状態判別部は、前記音響情報における特定の周波数帯域の成分の強度に基づいて、前記フォーカス状態を判別すること
    を特徴とする請求項19又は請求項20に記載のレーザ照射状態診断装置。
  23. 前記フォーカス状態判別部は、前記レーザビームの焦点位置を前記照射対象物に対して変位させた際の前記音響情報の変化に基づいて前記フォーカス状態を判別すること
    を特徴とする請求項19から請求項22までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断装置。
  24. 前記フォーカス状態判別部がデフォーカス状態を判別した場合にユーザに報知する報知手段を備えること
    を特徴とする請求項19から請求項23までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断装置。
  25. 前記レーザビームは前記照射対象物の表面を照射箇所が所定のパターンに沿って走査するよう前記照射対象物に対して相対変位し、
    前記音響情報の周期的変化に基づいて照射ヘッドの照射対象物に対する傾斜状態を判別する傾斜状態判別部を備えること
    を特徴とする請求項14から請求項24までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断装置。
  26. 照射対象物の表面を照射箇所が所定のパターンに沿って走査するようレーザビームを照射する際に、照射箇所近傍の音響情報を取得する音響情報取得部と、
    前記音響情報の周期的変化に基づいて照射ヘッドの照射対象物に対する傾斜状態を判別する傾斜状態判別部とを備えること
    を特徴とするレーザ照射状態診断装置。
  27. 前記音響情報取得部は、前記レーザビームの照射条件を所定の周期で変化させながら前記音響情報を取得するとともに、前記周期に同期する信号を抽出すること
    を特徴とする請求項14から請求項26までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断装置。
  28. 前記音響情報取得部は、前記レーザビームを出射する照射ヘッドに設けられた集音装置を有すること
    を特徴とする請求項14から請求項27までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断装置。
  29. 前記集音装置は複数設けられ、
    前記音響情報取得部は、複数の前記集音装置の出力に基づいて前記音響情報を生成すること
    を特徴とする請求項28に記載のレーザ照射状態診断装置。
  30. 前記音響情報取得部は、前記照射ヘッドから離間した箇所に設置される集音装置を有すること
    を特徴とする請求項14から請求項27までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断装置。
  31. 前記音響情報取得部は、前記照射対象物に取り付けられる集音装置を有すること
    を特徴とする請求項14から請求項27までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断装置。
  32. レーザビームを照射対象物の表面を照射箇所が走査するよう出射する照射ヘッドと、
    請求項14から請求項31までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断装置と
    を備えるレーザ照射装置。
  33. 前記照射ヘッドは、前記レーザビームの光路を変化させる可動光学系を駆動する駆動装置を有し、
    前記音響情報に基づいて前記駆動装置の異常を判別する異常判別部を備えること
    を特徴とする請求項32に記載のレーザ照射装置。
  34. 前記照射ヘッドは、前記レーザビームの光路を変化させる可動光学系を駆動する駆動装置を有し、
    前記音響情報に基づいて前記駆動装置の駆動速度を検出する速度検出部を備えること
    を特徴とする請求項32又は請求項33に記載のレーザ照射装置。
  35. 前記音響情報から予め設定された特徴を有する特定音声を認識する音声認識部を備え、
    前記音声認識部が前記特定音声を認識した場合に、出射される前記レーザビームの照射条件を変更し、又は、前記レーザビームの出射を停止すること
    を特徴とする請求項32から請求項34までのいずれか1項に記載のレーザ照射装置。
  36. 前記特定音声は、作業者の周囲又は照射対象物の被照射領域の外側に配置される発音体が発生する音声であること
    を特徴とする請求項35に記載のレーザ照射装置。
  37. 前記特定音声は、作業者の肉声であること
    を特徴とする請求項35に記載のレーザ照射装置。
  38. レーザビームを照射対象物の表面を照射箇所が走査するよう出射する照射ヘッドと、
    請求項14から請求項18までのいずれか1項に記載のレーザ照射状態診断装置と
    を備えるレーザ照射装置であって、
    前記剥離状態判別部が前記付着物の剥離状態の沈静化を判別した場合に、出射される前記レーザビームの照射条件を変更し、又は、前記レーザビームの出射を停止すること
    を特徴とするレーザ照射装置。
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