JP2021085753A - 送電線と植生との離隔状態計測方法、送電線と植生との離隔状態計測プログラム、及び、送電線と植生との離隔状態計測装置 - Google Patents

送電線と植生との離隔状態計測方法、送電線と植生との離隔状態計測プログラム、及び、送電線と植生との離隔状態計測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】送電線と植生との離隔状態を高い精度で計測する。【解決手段】3次元データ作成過程S20と、鉄塔座標データ作成過程S30と、送電線座標データ作成過程S40と、送電線と植生との距離を算出する距離算出過程S50と、を含み、3次元データ作成過程では、送電線、鉄塔、及び植生の点群構築過程と、点群をボクセルに変換するボクセルモデル作成過程と、を含み、鉄塔座標データ作成過程では、鉄塔モデル作成過程と、鉄塔モデルをボクセルモデル内に位置付ける鉄塔配置過程と、を含み、送電線座標データ作成過程では、送電線の弛度データを用いた送電線のカテナリー曲線算出過程と、カテナリー曲線から送電線の座標データを作成する送電線座標データ作成過程と、を含み、距離算出過程では、送電線が、いずれかの軸に平行となるようにボクセルモデルを回転させる回転処理過程を含んでいる。【選択図】図1

Description

本発明は、送電線を中心とした当該送電線と植生との離隔状態の計測に関する。
電力は、生活における重要なライフラインのひとつである。2003年に発生した北米北東部停電事故は、一部地域において完全復旧に1週間以上を要する停電事故となった。この事故の原因として送電線と樹木との接触が挙げられる。従って、電力の安全な使用には、鉄塔周辺の送電線と樹木等の植生とにおける離隔状態の把握が必要不可欠である。特に積雪のある地域では、送電線直下の離隔に加えて周辺との離隔を把握することが重要である。
例えば特許文献1乃至特許文献4には送電線と該送電線の周囲との距離や配置を計測する技術が開示されている。
特開2018−031693号公報 特開2019−144153号公報 特開2009−058255号公報 特開2007−107962号公報
特許文献1では、送電線と植生の離隔距離を高さの違いとして計測している。しかしながら、実際の鉄塔は山地に多く存在し、樹林を切り開いて鉄塔を設置する場合も多い。このとき、送電線周辺における樹林の樹冠が送電線の位置よりも高い場合が存在するため、この方法における計測結果が送電線と植生との離隔距離になるとは必ずしも限らない。
また、その他の従来の計測技術に対して、送電線と植生との離隔状態のより精度の高い測定が求められている。
本発明は、かかる点に鑑み、測定精度を高めることができる送電線と植生との離隔状態を計測する方法を提供することを目的とする。また、そのためのプログラム及び装置を提供する。
本発明の1つの態様は、送電線と該送電線の周囲に存する植生との離隔状態を計測する方法であって、送電線、鉄塔、及び植生の画像から3次元データを作成する3次元データ作成過程と、3次元データに基づいて鉄塔の座標データを作成する鉄塔座標データ作成過程と、3次元データ及び鉄塔の座標データに基づいて送電線の座標データを作成する送電線座標データ作成過程と、送電線の座標データに基づいて送電線と植生との距離を算出する距離算出過程と、を含み、3次元データ作成過程では、画像に基づいて送電線、鉄塔、及び植生を点群により表したデータを構築する点群構築過程と、点群をボクセルに変換してボクセルモデルを作成するボクセルモデル作成過程と、を含み、鉄塔座標データ作成過程では、既知の鉄塔構造情報から鉄塔モデルを作成する鉄塔モデル作成過程と、鉄塔モデルをボクセルモデル内に位置付ける鉄塔配置過程と、を含み、送電線座標データ作成過程では、送電線の弛度データを用いて送電線のカテナリー曲線を算出するカテナリー曲線算出過程と、カテナリー曲線から送電線の座標データを作成する送電線座標データ作成過程と、を含み、距離算出過程では、送電線の座標データによる送電線が、直交する3つの軸のうちのいずれかに平行となるようにボクセルモデルを回転させる回転処理過程を含んでいる、離隔状態計測方法である。
本発明の他の態様は、送電線と該送電線の周囲に存する植生との離隔状態を計測するプログラムであって、送電線、鉄塔、及び植生の画像から3次元データを作成する3次元データ作成ステップと、3次元データに基づいて鉄塔の座標データを作成する鉄塔座標データ作成ステップと、3次元データ及び鉄塔の座標データに基づいて送電線の座標データを作成する送電線座標データ作成ステップと、送電線の座標データに基づいて送電線と植生との距離を算出する距離算出ステップと、を含み、3次元データ作成ステップでは、画像に基づいて送電線、鉄塔、及び植生を点群により表したデータを構築する点群構築ステップと、点群をボクセルに変換してボクセルモデルを作成するボクセルモデル作成ステップと、を含み、鉄塔座標データ作成ステップでは、既知の鉄塔構造情報から鉄塔モデルを作成する鉄塔モデル作成ステップと、鉄塔モデルをボクセルモデル内に位置付ける鉄塔配置ステップと、を含み、送電線座標データ作成ステップでは、送電線の弛度データを用いて送電線のカテナリー曲線を算出するカテナリー曲線算出ステップと、カテナリー曲線から送電線の座標データを作成する送電線座標データ作成ステップと、を含み、距離算出ステップでは、送電線の座標データによる送電線が、直交する3つの軸のうちのいずれかに平行となるようにボクセルモデルを回転させる回転処理ステップを含んでいる、離隔状態計測プログラムである。
また、送電線と該送電線の周囲に存する植生との離隔状態を計測する装置であって、上記離隔状態計測プログラムが記憶された記憶手段と、プログラムに基づいて演算を行う演算手段と、演算手段により演算された結果を表示する表示手段と、を備え、演算手段は、上記ステップにより演算が行われる、離隔状態計測装置を提供する。
本発明によれば、より精度よく送電線と植生との距離を得ることができ、これにより植生の管理のしやすさも向上する。
図1は、離隔状態計測方法S1の流れを示す図である。 図2は、3次元データ作成過程S20の流れを示す図である。 図3は、3次元点群データの例を表す図である。 図4は、ボクセルモデルの例を表す図である。 図5は、鉄塔座標データ作成過程S30の流れを示す図である。 図6(a)は鉄塔構造図、図6(b)は鉄塔腕モデルを説明する図である。 図7は、ボクセルモデル上で鉄塔とされた部分を表した図である。 図8は、送電線座標データ作成過程S40の流れを示す図である。 図9は、ボクセルモデル上に反映された送電線のカテナリー曲線である。 図10は、距離算出過程S50の流れを示す図である。 図11は、回転処理過程S51を説明する図である。 図12は、送電線領域Rを説明する図である。 図13は、鉄塔領域Rを説明する図である。 図14は、1つの例にかかる各送電線Sと植生領域Rとの最短経路を表した図である。 図15は離隔状態計測装置の構成を説明する図である。
{離隔状態計測方法}
図1は、1つの形態にかかる離隔状態計測方法S1の流れを示す図である。図1からわかるように離隔状態計測方法S1は、データ取得過程S10、3次元データ作成過程S20、鉄塔座標データ作成S30、送電線データ作成過程S40、及び距離算出過程S50を含んでいる。以下、各過程について説明する。
[データ取得過程S10]
データ取得過程S10は、測定対象とする送電線及びその周囲をカメラで撮影し、この後のデータ処理に供する基準となる画像をデータとして取得する過程である。得られる画像の質は処理に足りるものであれば良く、特に限定されることはないが、例えば5472×3078の画素配列で各画素がRGBそれぞれについて256諧調のデータを得られることが挙げられる。
データの取得は、無人航空機(Unmanned Aerial Vehicle、略してUAV)等、いわゆるドローンにカメラを搭載して飛行させて行うことができる。このようなUAVを用いることで、運用コストを低くおさえ、日々変化する状況に対応して高い頻度でデータの取得をすることが可能である。また、UAVであれば対象に近接させることができ、飛行安定性も高いため、分解能、精度の高い計測が可能となる。
例えばこのようなUAVを、送電線に対して斜め上方から見下ろす位置で送電線が延びる方向に沿って移動させつつ撮影し、複数の画像データを取得する。撮影の経路は特に限定されることはないが、このような移動を送電線が延びる方向に沿って往復させて撮影してもよいし、このときに往路と復路とで位置を変更してもよい。また、送電線を挟んで一方側と他方側との両方について同様に撮影してもよい。
なお、画像の取得時には、画像の他、画像データの構成、画像の記録位置情報、撮影条件等のいわゆるメタデータを合わせて記録する。これは例えばEXIFのフォーマットで保存することができる。
[3次元データ作成過程S20]
3次元データ作成過程S20では、データ取得過程S10で得られた複数の画像データから、送電線及びその周囲の情報を含むボクセルモデルを得る。より詳しくは例えば図2に流れを示したように、画像配置確定過程S21、点群構築過程S22、及び、ボクセルモデル作成過程S23を含んでいる。
<画像配置確定過程S21>
画像配置確定過程S21では、複数の画像に含まれるそれぞれのメタデータから、特に撮影時の焦点距離や焦点面の分解能に基づいて画像の補正(いわゆるキャリブレーション)を行う。
そして、当該補正後の画像を用い、複数のデータ間における共通の特徴を持つ点(いわゆるタイポイント)を抽出し、これを合わせることでカメラの位置と姿勢を確定する。そのためには例えばSfM(Structure from Motion、運動からの形状復元)技術を適用することができる。
以上によりその画像が撮影された位置と姿勢が確定され、これに伴って得られた画像の配置が精度よく特定される。
<点群構築過程S22>
点群構築過程S22では、画像配置確定過程S21で確定された画像データに基づいて、撮影されたものを高密度の3次元の点群で表す。点群とは、3次元の位置情報を有する点の集まりである。画像データから点群を構築する方法は特に限定されることはないが、例えばSfMから推定された画像配置に基づき、各画素の深さを算出することで点群を構築する方法が挙げられる。
これにより、例えば図3のような3次元点群データを得ることができる。
<ボクセルモデル作成過程S23>
次に、点群構築過程S22で得られた点群からボクセルモデルへの変換を行う。ボクセルの意味は公知の通りであるが、ボクセルは体積の要素でありこのボクセルが配列されることによりボクセルモデルが構成される。本形態では、1つのボクセルは、1辺が10cmの立方体としている。
ボクセルを用いることにより2次元平面(XY平面、XZ平面、YZ平面)として処理が可能となり、処理が容易となる。
3次元点群からボクセルモデルへの変換は特に限定されることはないが、例えば点群における各点のX座標、Y座標、Z座標の1cmの位を四捨五入した座標(ボクセル座標)に、点のRGB値を記録する方法が挙げられる。この方法でボクセルモデルに出力する際には、記録されたRGB値をボクセル位置に出力する。なお、同一ボクセル座標に複数の点が存在した場合は、そのボクセルに属する任意のRGB値を出力する。
これにより、例えば図4のようなボクセルモデル(図4はXY平面)を得ることができる。
[鉄塔座標データ作成過程S30]
鉄塔座標データ作成過程S30では、ボクセルモデル上における鉄塔の位置を決め、鉄塔の座標データを作成する。図5に鉄塔座標データ作成過程S30の流れを示した。図5からわかるように、鉄塔座標データ作成過程S30は、鉄塔腕モデル作成過程S31、鉄塔配置過程S32、及び、座標データ作成過程S33を含んでいる。
<鉄塔腕モデル作成過程S31>
鉄塔腕モデル作成過程S31では鉄塔腕モデル(データ)を作成する。図6(b)に示した鉄塔腕モデル20は、図6(a)に示した既存の鉄塔構造図に描かれた鉄塔構造10から腕部11、腕部12、及び腕部13についてそれぞれ、高さH11、高さH12、及び、H13、並びに、幅W11、幅W12、及び幅W13を得て、これを線図としたモデルである。
図6(b)に示した鉄塔腕モデル20は、鉄塔構造10の腕を除いた部位における中心線C(原点O)に対応する中心線C(原点O)を有し、腕部11に対応した高さ位置及び幅を有する腕部21、腕部12に対応した高さ位置及び幅を有する腕部22、腕部13に対応した高さ位置及び幅を有する腕部23を具備している。
ここで、鉄塔構造図10は電力会社からの提供を受ける等して得ることができる。
また、従前に鉄塔腕モデル20が作成されており、このモデルのデータを利用することができる場合には改めて鉄塔腕モデルを作成する必要はない。
<鉄塔配置過程S32>
鉄塔配置過程S32では、鉄塔腕モデル作成過程S31で作成された鉄塔腕モデル20を用いて、3次元データ作成過程S20で作成したボクセルモデルに鉄塔データの座標及び鉄塔データの傾きを指定する。
具体的には、例えばボクセルモデル上の鉄塔に対応する位置と、鉄塔腕モデルとを重ね、鉄塔腕モデルの軸(例えば中心軸C)の位置と傾きが、ボクセルモデル上の鉄塔に対応する位置及び傾きが一致するように指定することで、ボクセルモデル上の鉄塔の位置と傾きを決めることができる。
これにより、ボクセルモデル上における鉄塔の位置及び姿勢が決まる。図7には上記のようにしてボクセルモデル上に反映され、ボクセルモデル上で鉄塔とされた部分25の例を示した。
本形態では、鉄塔構造図10に基づいて鉄塔腕モデル20を作成しているため、1つの鉄塔に複数の送電線支点がある場合でもこれらの位置関係は一義的に決まっていることから、各送電線支点の位置を意識することなく鉄塔腕モデル20の1点をボクセルモデル上で合わせることで複数の送電線支点の位置を自動的に決めることができる。
<座標データ作成過程S33>
座標データ作成過程S33では、鉄塔配置過程S32で得られたボクセルモデル上の鉄塔部分から、さらに必要な部分の座標を抽出して座標データを作成する。
ここで「必要な部分」とは、この後に送電線に関する処理(送電線座標データ作成過程S40)を行うに際して必要となる部分の意味である。本形態では、鉄塔の原点となる座標(図7のO)、及び、鉄塔の腕の端部(図7の符号25a乃至符号25f)である。この鉄塔の腕の端部は送電線の端部が支持される送電線支点を意味する。
これにより、鉄塔座標データが作成される。
<補正>
なお、鉄塔座標データ作成過程S30では、さらに補正する過程を備えてもよい。これにより鉄塔座標のさらなる高精度化を図ることができる。具体的には次の通りである。
ボクセルモデル、上記鉄塔原点(図7のO)、及び、電力会社が所有する鉄塔位置情報(正規鉄塔位置座標)を用いて補正対象の鉄塔座標の補正を行うことができる。より詳しくは、3次元アフィン変換(平行移動、回転、拡大・縮小、せん断)を行い、補正対象とする鉄塔座標と電力会社が所有する鉄塔位置情報とが一致するように補正を行う。3次元アフィン変換の内容はそれぞれ次の通りである。
(1)平行移動:補正対象となる鉄塔座標を正規鉄塔位置座標に合うようにX軸、Y軸、Z軸の少なくとも1つに対して平行移動する。
(2)回転(Z軸回り):補正対象の2つの鉄塔を結ぶ直線について、これに相当する正規鉄塔位置座標における当該直線に一致するように、Z軸(鉛直方向軸)回りの回転を行う。なお、鉄塔自体が傾きについて考慮するときには、次の(3)の処理後に補正対象鉄塔座標と正規鉄塔座標が一致するように回転量を調節する。
(3)回転(X軸回り):道路やコンクリートなど、時系列による高度の変化が生じにくい土地被覆物のボクセルモデル上のZ座標を基に、補正対象の鉄塔座標ついてX軸回りの回転を行う(傾き補正)。
(4)拡大・縮小(X軸方向):補正対象の鉄塔座標および正規鉄塔座標のX座標が一致するようにX軸方向に拡大または縮小を行う。
(5)せん断(Z軸方向):補正対象の鉄塔座標および正規鉄塔座標のZ座標が一致するようにX軸方向に比例したZ軸方向のせん断を行う。
このように補正する過程を備えることにより、さらに精度よく計測を行うことができる。補正する過程を含まない場合であっても当該鉄塔位置座標の誤差は小さいことも多いが、測定対象とする地域に地学的特徴等がある場合や、地震等により地形に変化が生じた地域等では、この補正の過程が特に有効になる。
[送電線座標データ作成過程S40]
送電線座標データ作成過程S40では送電線の座標データを作成する。図8に流れを示した。本形態で送電線座標データ作成過程S40は、鉄塔座標データ入力過程S41、カテナリー曲線算出過程S42、送電線座標データ作成過程S43を含んでいる。以下に各過程について説明する。
<鉄塔座標データ入力過程S41>
鉄塔座標データ入力過程S41では、各々の送電線が接続されるべき鉄塔の送電線支点の座標を入力する。この送電線支点は上記鉄塔座標データ作成過程S30で得られたボクセルモデル上の鉄塔座標データである。
送電線は2つの鉄塔を渡すように配置されるので、この送電線支点の座標は1つの送電線に対して一端側と他端側との2つが入力される。
<カテナリー曲線算出過程S42>
カテナリー曲線算出過程S42では、送電線の弛度を指定し、各送電線をカテナリー曲線として算出する。
ここで、送電線の弛度は、電力会社が所有する送電線管理情報を得て適用することができる。これにより精度の高い処理が可能となる。
カテナリー曲線は、架空送電線が重力方向に垂れ下がる懸垂曲線として知られており、径間(送電線支点間の距離)、送電線の重さ等の必要な情報を送電線管理情報等から得て公知の方法により求める。
得られたカテナリー曲線はボクセルモデル上に反映され、例えば図9に符号Sで示したように表される。
<送電線座標データ作成過程S43>
送電線座標データ作成過程S43では、ボクセルモデル上に反映されたカテナリー曲線の座標データを100cm(10cm×10cm)単位で作成する。
これにより、送電線の座標データが得られる。
[距離算出過程S50]
距離算出過程S50では、送電線と植生との距離を算出し、最短距離を得る過程である。この過程により送電線と植生との最短距離が算出されるため、送電線と鉄塔周辺の樹木等の植生における離隔状態が把握され管理することができるようになる。
図10には、本形態における距離算出過程S50の流れを示した。本形態で距離算出過程S50は、回転処理過程S51、送電線領域設定過程S52、鉄塔領域設定過程S52、及び、最短距離算出過程S53を含んでいる。以下各過程について説明する。
<回転処理過程S51>
回転処理過程S51では、図11に例を示したように、ボクセルモデル上で送電線Sを構成するデータがボクセルモデルの直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸)のいずれかに平行になるようにボクセルモデルを回転する。図11の例では図11(a)から図11(b)にボクセルモデルを回転することにより送電線SがY軸に平行となるように回転される。
このための回転量の決定は、送電線Sを支持する2つの鉄塔のデータの座標に基づいて行われることが好ましい。例えば2つの鉄塔の原点O(図7参照)について、ある1つの成分が同じ(例えばX座標を同じにする)となるように回転量を決めることができる。
<送電線領域設定過程S52>
送電線領域設定過程S52では、ボクセルモデル上で、測定対象とする複数の送電線が全て含まれるように1つの領域を設定する。図12には1つの例にかかる送電線領域Rを示した。図12はあるY座標におけるXZ平面を表した図であり、Zが高さ方向である。
本形態では、回転処理過程S51で、送電線SがY軸に平行とされているため、あるY座標におけるXZ平面では図12のように複数の送電線Sについてそれぞれの横断面(送電線が延びる方向に直交する断面)が表れる。送電線領域設定過程S52ではデータ上でこのような複数の送電線Sが全て含まれる送電線領域Rを設定する。
本形態で送電線領域RはY座標ごとに矩形(長方形)で定義し、各送電線のうち最大、最小のX座標およびZ座標に加えて任意の余白を設けたものとする。余白の決定方法は特に限定されることはないが、送電線の電圧に基づいて決めることが望ましい。従って、全体として送電線領域Rは、長方形断面がY方向に連続して延びるような形態となる。
<鉄塔領域設定過程S53>
鉄塔領域設定過程S53では、測定対象とする1つの鉄塔が全て含まれるように1つの領域を設定する。図13には1つの例にかかる鉄塔領域Rを上記送電線領域Rと合わせて示した(わかりやすさのため、図13では送電線領域Rは破線で示した。)。従って図13の座標系は図12と同じである。
本形態で鉄塔領域Rは鉄塔の腕部を除いた部分を全て含む最小の直方体により構成されている。通常鉄塔は地面との接触部において最もXY方向に大きくなる構造であるため、当該直方体のXY方向断面はこの地面との接触部の形状と同じとなり、これがZ方向に延びる形状となる。
<最短距離算出過程S54>
最短距離算出過程S54では、データ上で送電線と植生との最短距離を算出する。具体的には、ボクセルモデルにおいて、上記のようにして得られた送電線領域R及び鉄塔領域Rを除いた領域を植生領域Rとし、送電線Sと植生領域Rに存する植生に相当するもののデータとの最短距離を算出する。最短距離の算出方法は特に限定されることはないが送電線の座標に近い位置から順にボクセルを走査することが望ましい。
図14には、1つの例にかかる各送電線Sと植生領域Rに存する植生に相当するものとの最短経路を破線で表した。この図からわかるように、各送電線Sから最も近い植生領域Rの部分が抽出され、その距離が算出される。
本形態では上記回転処理過程S51により、送電線と任意の軸とが平行となるようにしたので、送電線と植生との間の任意の位置における離隔距離を面情報として算出することができるようになった。これにより送電線の任意の位置における植生との最短距離が把握可能となり、3次元情報を2次元に透視投影した場合では困難な距離感の把握が容易となる。
以上により送電線と周囲植生との最短距離が精度よく得られる。そしてこの最短距離の情報に基づいて効率のよい植生の管理をすることができる。
また上記のような計測を例えば季節ごとに行い、これを重ねて表示することで、植生の生育状況を定性的及び定量的に把握することができる。この重ね合わせのしやすさのため、例えば鉄塔部分のボクセルの色を他の部分のボクセルの色と異なるものとし、これを目印に複数の計測結果を重ね合わせることができる。
{離隔状態計測装置、離隔状態計測プログラム}
図15は、上記した離隔状態計測方法S1に沿って具体的に演算を行う1つの形態にかかる離隔状態計測装置50の構成を概念的に表した図である。離隔状態計測装置50は、入力機器57、演算装置51、及び表示手段58を有している。そして演算装置51は、演算手段52、RAM53、記憶手段54、受信手段55、及び出力手段56を備えている。
演算手段52は、いわゆるCPU(中央演算子)により構成されており、上記した各構成部材に接続され、これらを制御することができる手段である。また、記憶媒体として機能する記憶手段54等に記憶された各種プログラムを実行し、これに基づいて上記した離隔状態計測方法S1の各処理のためのデータ作成の演算をおこなうのも演算手段52である。
RAM53は、演算手段52の作業領域や一時的なデータの記憶手段として機能する構成部材である。RAM14は、SRAM、DRAM、フラッシュメモリ等で構成することができ、公知のRAMと同様である。
記憶手段54は、各種演算の根拠となるプログラムやデータが保存される記憶媒体として機能する部材である。また記憶手段54には、プログラムの実行により得られた中間、最終の各種結果を保存することができてもよい。より具体的には記憶手段54には、プログラムが記憶(保存)されている。またその他情報も併せて保存されていてもよい。
ここで、保存されているプログラムには、上記した離隔状態計測方法S1の各過程を演算する根拠となるプログラムが含まれる。すなわち、離隔状態計測プログラムは、図1に示した離隔状態計測方法S1の各過程(図2、図5、図8、図10に示した各過程も含む。)に対応するように、各過程を各ステップに置き換えたステップを含んでいる。このプログラムの具体的な演算内容は上記した離隔状態計測方法S1で説明した通りである。
受信手段55は、外部からの情報を演算装置51に適切に取り入れるための機能を有する構成部材であり、入力機器57が接続される。いわゆる入力ポート、入力コネクタ等もこれに含まれる。
出力手段56は、得られた結果のうち外部に出力すべき情報を適切に外部に出力する機能を有する構成部材であり、モニター等の表示手段58や各種装置がここに接続される。いわゆる出力ポート、出力コネクタ等もこれに含まれる。
入力機器57には、例えばキーボード、マウス、外部記憶装置、カメラ等が含まれる。すなわち、離隔状態計測プログラムを実行するに際して必要な情報である例えば画像情報、鉄塔の構造の情報、送電線管理情報等を入力機器を通じて演算装置51に取り込むことができる。
また、その他、ネットワークや通信により受信手段55を介して演算装置51に情報が提供されてもよい。同様にネットワークや通信により出力手段56を介して外部の機器に情報を送信することができてもよい。
このような離隔状態計測装置50によれば、上記した離隔状態計測方法S1を効率的に精度よく行なうことが可能となる。このような離隔状態計測装置50としては例えばコンピュータを用いることができる。
10 鉄塔構造
11、12、13 腕部
20 鉄塔腕モデル
21、22、23 腕部
50 離隔状態計測装置

Claims (3)

  1. 送電線と該送電線の周囲に存する植生との離隔状態を計測する方法であって、
    前記送電線、鉄塔、及び前記植生の画像から3次元データを作成する3次元データ作成過程と、
    前記3次元データに基づいて前記鉄塔の座標データを作成する鉄塔座標データ作成過程と、
    前記3次元データ及び前記鉄塔の座標データに基づいて前記送電線の座標データを作成する送電線座標データ作成過程と、
    前記送電線の座標データに基づいて前記送電線と前記植生との距離を算出する距離算出過程と、を含み、
    前記3次元データ作成過程では、
    前記画像に基づいて前記送電線、前記鉄塔、及び前記植生を点群により表したデータを構築する点群構築過程と、
    前記点群をボクセルに変換してボクセルモデルを作成するボクセルモデル作成過程と、を含み、
    前記鉄塔座標データ作成過程では、
    既知の鉄塔構造情報から鉄塔モデルを作成する鉄塔モデル作成過程と、
    前記鉄塔モデルを前記ボクセルモデル内に位置付ける鉄塔配置過程と、を含み、
    前記送電線座標データ作成過程では、
    前記送電線の弛度データを用いて前記送電線のカテナリー曲線を算出するカテナリー曲線算出過程と、
    前記カテナリー曲線から前記送電線の座標データを作成する送電線座標データ作成過程と、を含み、
    前記距離算出過程では、
    前記送電線の座標データによる送電線が、直交する3つの軸のうちのいずれかに平行となるように前記ボクセルモデルを回転させる回転処理過程を含んでいる、
    離隔状態計測方法。
  2. 送電線と該送電線の周囲に存する植生との離隔状態を計測するプログラムであって、
    前記送電線、鉄塔、及び前記植生の画像から3次元データを作成する3次元データ作成ステップと、
    前記3次元データに基づいて前記鉄塔の座標データを作成する鉄塔座標データ作成ステップと、
    前記3次元データ及び前記鉄塔の座標データに基づいて前記送電線の座標データを作成する送電線座標データ作成ステップと、
    前記送電線の座標データに基づいて前記送電線と前記植生との距離を算出する距離算出ステップと、を含み、
    前記3次元データ作成ステップでは、
    前記画像に基づいて前記送電線、前記鉄塔、及び前記植生を点群により表したデータを構築する点群構築ステップと、
    前記点群をボクセルに変換してボクセルモデルを作成するボクセルモデル作成ステップと、を含み、
    前記鉄塔座標データ作成ステップでは、
    既知の鉄塔構造情報から鉄塔モデルを作成する鉄塔モデル作成ステップと、
    前記鉄塔モデルを前記ボクセルモデル内に位置付ける鉄塔配置ステップと、を含み、
    前記送電線座標データ作成ステップでは、
    前記送電線の弛度データを用いて前記送電線のカテナリー曲線を算出するカテナリー曲線算出ステップと、
    前記カテナリー曲線から前記送電線の座標データを作成する送電線座標データ作成ステップと、を含み
    前記距離算出ステップでは、
    前記送電線の座標データによる送電線が、直交する3つの軸のうちのいずれかに平行となるように前記ボクセルモデルを回転させる回転処理ステップを含んでいる、
    離隔状態計測プログラム。
  3. 送電線と該送電線の周囲に存する植生との離隔状態を計測する装置であって、
    請求項2に記載の離隔状態計測プログラムが記憶された記憶手段と、
    前記プログラムに基づいて演算を行う演算手段と、
    前記演算手段により演算された結果を表示する表示手段と、を備え、
    前記演算手段は、請求項3に記載のステップにより演算が行われる、離隔状態計測装置。
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