JP2021085195A - 柱構造体の補強構造 - Google Patents

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逸雄 川満
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Abstract

【課題】柱構造体を補強するための筒状の補強部材を、柱構造体の外周に容易に固定できるようにする。【解決手段】柱構造体1の外周に筒状の補強部材10を宛がうことで柱構造体1を補強する柱構造体の補強構造において、補強部材10は、筒軸回りに分割された複数の分割補強部材11,12と、対向する分割補強部材11,12同士の対向縁に設けられ相互に噛み合う凸部21a,22a,23a,24a及び凹部21d,22d,23d,24dからなる係止手段21,22,23,24と、補強部材10の内面及び柱構造体1の外面との間に介在する隙間Aに充填された充填材Mとを備える柱構造体の補強構造とした。【選択図】図1

Description

この発明は、照明柱、標識柱、電柱、その他各種の柱構造体の補強構造に関するものである。
従来の技術
一般に、街路や公園その他各種の施設には、上部に照明を備えた照明柱や、上部に標識を備えた標識柱、ケーブル類を支える電柱、その他各種の施設を支持する柱構造体が設置される。これらの柱構造体は、例えば、金属製やコンクリート製であり、それらの筒状の部材が、地盤に埋設されたコンクリート製等の基礎から立ち上がるように固定されている。
柱構造体を長年使用していると、部材に腐食や損傷を生じることがある。例えば、柱構造体の根元部の部材は、雨水の滞留や動物の排泄物等によって腐食しやすいので、部材が腐食すると柱構造体を建て替えなければならない場合も生じ得る。しかし、柱構造体の建て替えは、基礎の破砕や、既設の柱構造体の除去は、手間と時間のかかる作業であり、さらに、大量の廃棄物も発生する。また、根元部に腐食や損傷等が生じても、それ以外の部分は健全である場合も多い。
そこで、例えば、特許文献1,2には、柱構造体の根元部に生じた腐食箇所、あるいは、その腐食箇所に防錆処理を施した防錆箇所等からなる要補強箇所を、2つ割りの筒状部材で補強する技術が開示されている。
特許第4448556号公報(明細書段落0031−0033、図面の図4、図5等参照) 特開2013−36166号公報(明細書段落0023−0024、図面の図3等参照)
特許文献1に記載された発明では、2つ割り構造からなる鋼製の補強部材を、その外周から固定バンドで締め付けることにより、既設の柱構造体の外周に固定している。さらに、円形鋼管としての形状を保持するために、2つ割りの部材同士を形状保持板で連結している。現場施工において、このような締め付け作業や連結作業を行うことは、施工時間の長大化やコストの上昇につながるので、作業はできる限り簡素であることが望ましい。
また、特許文献2に記載された発明では、2つ割り構造からなる強化プラスチック製の補強部材を、既設の柱構造体の外周に接着固定している。さらに、補強部材の外周に熱収縮チューブを被覆することで、2つ割りの部材の既設の柱構造体への固定強度を高めている。現場施工において、このような接着作業や熱収縮作業を行うことは、同じく施工時間の長大化やコストの上昇につながるので、さらに簡素な補強構造が望まれる。
そこで、この発明の課題は、柱構造体を補強するための筒状の補強部材を、柱構造体の外周に容易に固定できるようにすることである。
上記の課題を解決するために、この発明は、柱構造体の外周に筒状の補強部材を宛がうことで前記柱構造体を補強する柱構造体の補強構造において、前記補強部材は、筒軸回りに分割された複数の分割補強部材と、対向する前記分割補強部材同士の対向縁に設けられ相互に噛み合う凸部及び凹部からなる係止手段と、前記補強部材の内面及び前記柱構造体の外面との間に介在する隙間に充填された充填材と、を備える柱構造体の補強構造を採用した。
ここで、前記充填材は、相互に噛み合う前記凸部と前記凹部との間の隙間にも充填されている構成を採用することができる。
これらの各態様において、前記凸部は、根元側から突出側へ向かって徐々に幅が拡がる形状であり、前記凹部は、開口側から奥部側へ向かって徐々に幅が拡がる形状である構成を採用することができる。
また、前記分割補強部材の外側に前記係止手段を覆うガイド部材を備える構成を採用することができる。
このとき、対向する一方の前記分割補強部材に固定された前記ガイド部材と他方の前記分割補強部材との間に位置合わせ手段を備える構成を採用することができる。
これらの各態様において、前記柱構造体は、地盤から立ち上がる根元部に放射状に配置されたリブを備え、前記分割補強部材は、前記リブを覆う保護リブ部を備える構成を採用することができる。
この発明は、既設の柱構造体を補強する筒状部材を、柱構造体の外周に容易に固定できるようにすることができる。
この発明の一実施形態の柱構造体の補強構造に用いられる補強部材の分解斜視図 同実施形態の補強部材を示し、(a)は平面図、(b)は(a)の左側面図、(c)は(a)の正面図 (a)〜(d)は、同実施形態の施工方法を示す説明図 他の実施形態の柱構造体の補強構造を示す縦断面図 さらに他の実施形態の柱構造体の補強構造を示す縦断面図 他の実施形態の係止手段を示す要部拡大図
この発明の実施形態を、図1〜図6に基づいて説明する。以下の各実施形態は、街路や公園その他各種の施設に設けられる既設の柱構造体(照明柱や標識柱、電柱等)の根元部に生じた腐食箇所、あるいは、その腐食箇所に防錆処理を施した防錆箇所等からなる要補強箇所を、2つ割りの筒状部材で補強する柱構造体の補強構造、及び、その施工方法に関するものである。
図1は、この発明の一実施形態の柱構造体の補強構造に用いられる補強部材10を示したものであり、図2及び図3は、その補強部材10を用いて行う柱構造体の補強方法(施工方法)、及び、その施工後の補強構造を示している。
この実施形態において、既設の柱構造体1は、図3(a)に示すように、金属製の筒状部材を主体に構成されている。その金属製の筒状部材が、地盤に打設されたコンクリート製の基礎Gから上方へ向かって立ち上がるように固定されている。基礎Gの上面には、金属板からなる基板3がアンカーボルト4によって固定され、柱構造体1の下端及び柱構造体1の根元部の周囲に放射状に配置されたリブ2が、基板3に溶接で固定されている。この実施形態では、筒軸回り90°毎の方位に合計4つのリブ2が配置されているが、リブ2の個所数や位置は、柱構造体1の仕様や用途に応じて自由に設定できる。
ここで、図3(a)に示すように、既設の柱構造体1の根元部には、錆等によって肉厚が減少したり、あるいは、穴が開くに至った腐食部5が存在している。この腐食部5を放置するとさらに腐食が進行し、柱構造体1の強度が経年とともに低下してしまう。このため、腐食部5や、腐食部5に防錆処理を施した箇所等を要補強箇所として、その要補強箇所の部材強度を高めるための補強の施工を行う。
まず、図3(b)に示すように、腐食部5等からなる要補強箇所を、2つ割りの筒状部材からなる補強部材10で補強する工程を実施する。図3(b)に示す符号6は、補強部材10を宛がう前に、腐食部5に対して防錆処理を施した箇所である。
続いて、図3(c)に示すように、柱構造体1の外周に筒状の補強部材10を宛がう工程を実施する。補強部材10は、金属板を円筒状に湾曲させた分割補強部材11,12を2つセットで用いる。すなわち、筒軸回りに分割された2つの分割補強部材11,12が、2つ1組で円筒状の補強部材10を構成している。
また、対向する分割補強部材11,12同士の対向縁には、それぞれ凹凸部20が設けられている。凹凸部20は、凸部21a,22a,23a,24a及び凹部21d,22d,23d,24dで構成され、この凹凸が相互に噛み合って、対向する分割補強部材11,12同士が遠ざかる方向へ相対移動することを阻止する係止手段21,22,23,24として機能している。一方の分割補強部材11に設けられた係止手段21は、他方の分割補強部材12に設けられた係止手段22に係止し、また、一方の分割補強部材11に設けられた係止手段23は、他方の分割補強部材12に設けられた係止手段24に係止する。
この実施形態では、図1及び図2(c)に示すように、一方の分割補強部材11の筒軸回り一側の端縁においては、凹凸部20は筒軸方向に沿って凸部21aと凹部21dとが交互に連続しており、これが係止手段21を構成している。また、筒軸回り他側の端縁においては、凹凸部20は筒軸方向に沿って凸部23aと凹部23dとが交互に連続しており、これが係止手段23を構成している。また、他方の分割補強部材12の筒軸回り一側の端縁においては、凹凸部20は筒軸方向に沿って凸部24aと凹部24dとが交互に連続しており、これが係止手段24を構成している。また、筒軸回り他側の端縁においては、凹凸部20は筒軸方向に沿って凸部22aと凹部22dとが交互に連続しており、これが係止手段22を構成している。
このように、凹凸部20は、筒軸方向に沿って凹凸が連続する構成となっているので、係止手段21と係止手段22との関係において、凸部21aは凹部22dに嵌り、凸部22aは凹部21dに嵌るようになっている。また、係止手段23と係止手段24との関係において、凸部23aは凹部24dに嵌り、凸部24aは凹部23dに嵌るようになっている。
また、凸部21a,22a,23a,24aは、それぞれ根元側から突出側へ向かって徐々に幅が拡がる形状となっている。また、凹部21d,22d,23d,24dは、開口側から奥部側へ向かって徐々に幅が拡がる形状となっている。このため、凸部21a,22a,23a,24aが凹部21d,22d,23d,24dに嵌った際に、分割補強部材11,12同士が筒軸から遠ざかる方向へ相対移動して、凸部21a,22a,23a,24aが凹部21d,22d,23d,24dから離脱することを阻止する抜け止めの機能を発揮している。
この実施形態では、凸部21a,22a,23a,24aを、根元部側から突出側へ向かって徐々に間隔が拡がる対の側縁21b,22b,23b,24bと、その対の側縁21b,22b,23b,24bの先端同士を筒軸方向に平行な方向に結ぶ先端縁21c,22c,23c,24cとからなる台形状としている。また、凹部21d,22d,23d,24dを、開口側から奥部側へ向かって徐々に間隔が拡がる対の側縁21b,22b,23b,24bと、その対の側縁21b,22b,23b,24bの奥部端同士を筒軸方向に平行な方向に結ぶ底縁21e,22e,23e,24eとからなる台形状としている。凸部21a,22a,23a,24aの側縁21b,22b,23b,24bは、隣接する凹部21d,22d,23d,24dの側縁21b,22b,23b,24bと共通となっている。
ただし、凸部21a,22a,23a,24aと凹部21d,22d,23d,24dの形状は、それらが互いに嵌合した際に抜け止めの機能を発揮するものであれば上記の実施形態には限定されず、他の形状を採用することもできる。また、凸部21a,22a,23a,24aと凹部21d,22d,23d,24dとは、互いに嵌合した際に部材同士の摩擦によっても、その嵌合状態をある程度保持できるので、上記のような抜け止め機能を伴わない形状、例えば、図6(a)に示すように、凸部21a,22a,23a,24aの側縁21b,22b,23b,24bと、それに嵌る凹部21d,22d,23d,24dの側縁21b,22b,23b,24bとがそれぞれ平行で、且つ、それらの側縁21b,22b,23b,24bのラインが、筒軸に直交する面内にある形態であってもよい。また、摩擦によって嵌合状態が保持されるならば、例えば、図6(b)に示すように、凸部21a,22a,23a,24aを、それぞれ根元側から突出側へ向かって徐々に幅が狭まる形状とし、且つ、凹部21d,22d,23d,24dを、開口側から奥部側へ向かって徐々に幅が狭まる形状とすることも可能である。図6(a)(b)では、係止手段21,22について示しているが、軸回り反対側の係止手段23,24についても同様の構成とすることができる。
さらに、それぞれの分割補強部材11,12は、その外側に係止手段21,22,23,24を覆うガイド部材15,16を備えている。ガイド部材15,16は、それぞれの分割補強部材11,12の筒軸回り一側の端縁にのみ固定され、対向する側の分割補強部材12,11の筒軸回り他側の端縁に向かって突出している。
この実施形態では、ガイド部材15,16は、それを固定した側の分割補強部材11,12の外面と、対向する側の分割補強部材12,11の外面に沿う円筒面状の板状部材で構成されている。ガイド部材15,16は、係止手段21,22,23,24として嵌合している凹凸部20を外側から覆っている。ガイド部材15,16は、筒軸方向に沿って並列する複数(実施形態では3つ)のボルト15a,16aによって、それぞれの分割補強部材11,12に固定されている。
ガイド部材15,16と、そのガイド部材15,16を固定した側の分割補強部材11,12に対向する側の分割補強部材12,11との間には、両者を位置決めする位置合わせ手段15b,16b,18,17を備えている。この実施形態では、位置合わせ手段15b,16b,18,17として、ガイド部材15,16の突出側の先端部にねじ込まれたボルト15b,16bと、それに対向する分割補強部材12,11に設けられた貫通孔18,17を採用している。ボルト15b,16bは、それぞれのガイド部材15,16において筒軸方向に並列して複数(実施形態では3つ)配置されており、貫通孔18,17も、それぞれの分割補強部材12,11において筒軸方向に並列して複数(実施形態では3つ)配置されている。
係止手段21と係止手段22、係止手段23と係止手段24とが係止すると、すなわち、凸部21a,22a,23a,24aが凹部21d,22d,23d,24dに嵌ると、同時に、ボルト15b,16bの軸部の先端が、それぞれ対応する貫通孔18,17に入り込むので、ガイド部材15,16と相手方の分割補強部材12,11とが正確に位置合わせされる。また、ガイド部材15,16の内面が分割補強部材12,11の外面から離れないように保持しやすい。
さらに、それぞれの分割補強部材11,12は、柱構造体1が備えるリブ2を覆う保護リブ部13,14を備えている。保護リブ部13,14は、図1に示すように、下方に向かうにつれて幅が広い三角形状からなる対の側面部13b,13b及び14b,14bと、その側面部13b,13b及び14b,14bの傾斜した外縁同士を結ぶ外面部13a,14aとを備えている。
図3(d)に示すように、2つの分割補強部材11,12からなる筒状の補強部材10を柱構造体1の外周に配置して根元部近くに設置すると、リブ2は、保護リブ部13,14内の空間に収容される。このため、基板3上への補強部材10の設置が、リブ2によって阻害されることはない。また、係止手段21と係止手段22、係止手段23と係止手段24とが互いに係止しているので、2つの分割補強部材11,12は分離しない。
なお、ここでは、図3(c)に示すように、柱構造体1の上部で2つの分割補強部材11,12を嵌合させて筒状の補強部材10を構築し、その後、図3(d)に示すように、補強部材10を根元部付近へ降下させて所定の位置に設置しているが、柱構造体1の根元部付近で、2つの分割補強部材11,12を嵌合させて筒状の補強部材10を構築してもよい。
つぎに、補強部材10の内面及び柱構造体1の外面との間に介在する隙間Aに、充填材Mを充填する工程を実施する。ここで、図2(a)に示すように、柱構造体1の外面と補強部材10の内面との間には、所定の寸法からなる第一の隙間Aが介在している状態である。第一の隙間Aは、必ずしも筒軸回り全周に亘って一定の寸法でなくてもよいが、補強部材10と柱構造体1との調心が正確であれば、筒軸回り全周に亘ってより一定の寸法に近くなる。
補強部材10の内側へ流し込まれた充填材Mは、図2(a)及び図2(c)に示すように、係止手段21と係止手段22、及び、係止手段23と係止手段24との間に介在する第二の隙間Bにも入り込む。すなわち、充填材Mは、相互に噛み合う凸部21a,22a,23a,24aと凹部21d,22d,23d,24dとの間の第二の隙間Bにも充填されている。このため、充填材Mの介在によって、補強部材10と柱構造体1との一体性がより高められるとともに、係止手段21と係止手段22、及び、係止手段23と係止手段24との係止がより強固なものとなっている。なお、第二の隙間Bは、必ずしも全域に亘って一定の寸法でなくてもよく、互いに噛み合う凸部21a,22a,23a,24aと凹部21d,22d,23d,24dとは、互いに接触して隙間がゼロになっている部分や、隙間を介在している部分とが混在していてもよい。また、互いの噛み合わせ作業に支障しない限り、凸部21a,22a,23a,24aと凹部21d,22d,23d,24dとが全域に亘って隙間なく接触する形態であってもよい。
また、ガイド部材15,16によって、第二の隙間Bは外側に露出しない状態に覆われているので、第二の隙間Bに入り込んだ充填材Mが、外部に漏れ出ることが抑制される。
充填材Mとしては、硬化時に収縮しない素材、特に、超速硬型無収縮モルタルが好ましいが、一般的な無収縮モルタルでもよい。あるいは、硬化時の収縮や膨張を許容する場合は、それ以外の各種のモルタル等の素材でもよい。充填材Mの硬化は、超速硬型無収縮モルタルであれば、概ね1時間程度で可能である。モルタル硬化後、周囲に付着している余分な充填材Mを除去して、全ての工程を完了する。
上記の接合方法によって構築された柱構造体は、図2及び図3(d)に示すように、既設の柱構造体1の外周に筒状の補強部材10を宛がうことで、腐食部5等の要補強箇所を有する柱構造体1が補強された構造となっている。また、補強部材10は、筒軸回りに分割された2つの分割補強部材11,12が係止手段21,22,23,24によって係止された筒状の状態を維持できるようになっている。このため、既設の柱構造体1を補強する筒状部材(補強部材10)を、その柱構造体1の外周に容易に固定でき、また、作業中における筒状部材の仮押さえ等も不要である。
また、係止手段21,22,23,24は、対向する2つの分割補強部材11,12同士の対向縁に設けられ相互に噛み合う凸部21a,22a,23a,24a及び凹部21d,22d,23d,24dから構成されている。このため、凹部と凸部とを嵌合するだけで、分割補強部材11,12同士を固定でき、作業が簡単である。また、その凸部21a,22a,23a,24a及び凹部21d,22d,23d,24dは、それぞれ筒軸方向に沿って複数並列して設けられているので、分割補強部材11,12同士を強固に固定できる。さらに、凸部21a,22a,23a,24a及び凹部21d,22d,23d,24dは、互いに噛み合った状態に維持する抜け止め機能を発揮する形状となっていることも、作業の容易化、強固な固定につながっている。
また、補強部材10の内面及び柱構造体1の外面との間に介在する隙間A、及び、係止手段21と係止手段22や、係止手段23と係止手段24との間に介在する第二の隙間Bに充填材Mが介在することで、補強部材10と柱構造体1との一体性が高められている。また、この構成によれば、柱構造体1と補強部材10に加えて、充填材Mの圧縮部分も作用力に抵抗できるので、その接合部は大きな耐力を確保できる。
図4に他の実施形態を示す。この実施形態は、柱構造体1の外側を補強する補強部材10の下端を、地中に埋設したものである。腐食部5等の要補強箇所が地中又は地盤近傍に存在する場合に、このように補強部材10が基礎Gに埋め込まれた態様が考えられる。図4では、柱構造体1にリブ2は設けられていないが、リブ2が存在する場合は、前述の実施形態と同様、補強部材10に保護リブ部13,14を備えてもよい。
なお、図4の実施形態では、補強部材10の下端付近において、柱構造体1の外面と補強部材10の内面との間に、パッキン19が配置されている。パッキン19は、全周に亘って設けられ、柱構造体1の外面と補強部材10の内面との間に充填される充填材Mの下方への遺漏を抑止する機能と、補強部材10の調心機能を有する。パッキン19は、補強部材10の下端近くに配置されることが望ましい。
図5にさらに他の実施形態を示す。図5の実施形態は、柱構造体1の筒軸方向任意の位置において、補強部材10を適用できることを示している。補強部材10は必ずしも柱構造体1の根元部付近には限定されず、筒軸方向中ほどや筒軸方向上部において用いてもよい。また、上下方向に設置された柱構造体1だけでなく、水平方向(横方向)や、鉛直方向に対して角度をもった斜め方向に設置された柱構造体1に対しても、この発明を適用できる。これらの各実施形態において、必要に応じて前述のパッキン19を使用できる。
上記の各実施形態では、補強部材10を構成する各部部材を金属製としたが、強度と耐久性が確保され得る限りにおいて、これらの一部または全部に金属以外の素材、例えば、炭素繊維、樹脂等からなる素材を用いてもよい。また、柱構造体1は、金属製の筒状体に限定されず、例えば、無垢の金属製からなる柱構造体1、コンクリート製の柱構造体1等においてもこの発明を適用できる。
また、上記の各実施形態では、柱構造体1、補強部材10をそれぞれ断面円形としたが、これを断面四角形とするなど、他の断面形状とすることも可能である。また、この発明は、照明柱や標識柱、電柱等の各種支柱の他、例えば、建築構造物の柱や梁、あるいは、電線等のケーブルの配線管等にも利用可能である。
また、上記の各実施形態では、補強部材10を、筒軸回りに分割された2つ割りの筒状部材からなる分割補強部材11,12で構成したが、補強部材10は、筒軸回りに3つ以上の分割補強部材に分割して、その3つ以上の分割補強部材を組み合わせて筒状の補強部材10を構成する態様としてもよい。
1 柱構造体
2 リブ
10 補強部材
11,12 分割補強部材
13,14 保護リブ部
15,16 ガイド部材
15b,16b,17,18 位置合わせ手段
20 凹凸部
21,22,23,24 係止手段
21a,22a,23a,24a 凸部
21d,22d,23d,24d 凹部
A 隙間(第一の隙間)
B 隙間(第二の隙間)
G 基礎
M 充填材

Claims (6)

  1. 柱構造体(1)の外周に筒状の補強部材(10)を宛がうことで前記柱構造体(1)を補強する柱構造体の補強構造において、
    前記補強部材(10)は、
    筒軸回りに分割された複数の分割補強部材(11,12)と、
    対向する前記分割補強部材(11,12)同士の対向縁に設けられ相互に噛み合う凸部(21a,22a,23a,24a)及び凹部(21d,22d,23d,24d)からなる係止手段(21,22,23,24)と、
    前記補強部材(10)の内面及び前記柱構造体(1)の外面との間に介在する隙間(A)に充填された充填材(M)と、
    を備える柱構造体の補強構造。
  2. 前記充填材(M)は、相互に噛み合う前記凸部(21a,22a,23a,24a)と前記凹部(21d,22d,23d,24d)との間の隙間(B)にも充填されている請求項1に記載の柱構造体の補強構造。
  3. 前記凸部(21a,22a,23a,24a)は、根元側から突出側へ向かって徐々に幅が拡がる形状であり、前記凹部(21d,22d,23d,24d)は、開口側から奥部側へ向かって徐々に幅が拡がる形状である請求項1又は2に記載の柱構造体の補強構造。
  4. 前記分割補強部材(11,12)の外側に前記係止手段(21,22,23,24)を覆うガイド部材(15,16)を備える請求項1〜3のいずれか一つに記載の柱構造体の補強構造。
  5. 対向する一方の前記分割補強部材(11,12)に固定された前記ガイド部材(15,16)と他方の前記分割補強部材(12,11)との間に位置合わせ手段(15b,16b,18,17)を備える請求項4に記載の柱構造体の補強構造。
  6. 前記柱構造体(1)は、基礎(G)から立ち上がる根元部に放射状に配置されたリブ(2)を備え、
    前記分割補強部材(11,12)は、前記リブ(2)を覆う保護リブ部(13,14)を備える請求項1〜5のいずれか一つに記載の柱構造体の補強構造。
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