JP2021085128A - インクジェット捺染方法及びインクジェット捺染組成物セット - Google Patents

インクジェット捺染方法及びインクジェット捺染組成物セット Download PDF

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Ryota Miyasa
亮太 宮佐
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Abstract

【課題】インクジェット捺染方法で、捺染物の優れた摩擦堅牢性を得ながら、捺染物上での凝集物の生成の抑制を抑制し、さらに、優れた吐出信頼性を得る。【解決手段】インクジェット捺染方法であって、カチオン性物質を含有する第1処理剤を含む布帛に、インク組成物をインクジェット塗布する工程と、前記布帛に、第2処理剤を塗布する工程と、を含み、前記インク組成物は、標準沸点170℃以上の有機溶剤を前記インク組成物の総量に対し20.0質量%以上含有し、前記第2処理剤は、樹脂粒子と滑剤とを含有し、前記第1処理剤及び前記第2処理剤は、互いを混合した際に沈殿物及び浮遊物を生成しない、インクジェット捺染方法。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット捺染方法及びインクジェット捺染組成物セットに関する。
インクジェット記録方法は、微細なノズルからインク組成物の小滴を吐出して、記録媒体に付着させて記録を行う方法である。この方法は、比較的安価な装置で高解像度かつ高品位な画像を、高速で記録できるという特徴を有する。また、インクジェット記録方法により、布帛等を染色(捺染)するインクジェット捺染方法が検討されている。従来、布帛(織布や不織布)に対する捺染方法としては、スクリーン捺染法、ローラー捺染法等が用いられてきたが、多種少量生産性、及び即時プリント性等の観点から、インクジェット捺染方法を適用することが有利であるため種々検討されている。これらの検討の中で、インクジェット捺染方法において、摩擦堅牢度を向上させるため、オーバーコートを行うことが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2013−176972号公報
特許文献1に記載の方法によれば、捺染物に処理液によりオーバーコートすることで、摩擦堅牢度が向上するが、捺染物の表面に凝集物が発生し、異物として視認されることがある。また、特許文献1に記載のインクジェット捺染方法では、ノズルからインク組成物を吐出する際に、狙った位置にインク組成物を付着させられず吐出の乱れがあることや、インク組成物がノズルから吐出されないこと等の吐出信頼性において課題を有している。つまり、インクジェット捺染方法では、捺染物の優れた摩擦堅牢性を得ながら、捺染物上での凝集物の生成の抑制を抑制し、さらに、優れた吐出信頼性を得るという点について、課題を有している。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、第1処理剤及び第2処理剤として、互いを混合した際に沈殿物及び浮遊物を生成しない組合せを選択し、標準沸点170℃以上の有機溶剤を所定量含有するインク組成物を使用することで、染物の優れた捺摩擦堅牢性、捺染物上での凝集物の生成の抑制、及び優れた捺吐出信頼性が得られることを見出した。
本発明の一実施形態は、インクジェット捺染方法であって、
カチオン性物質を含有する第1処理剤を含む布帛に、インク組成物をインクジェット塗布する工程と、
前記布帛に、第2処理剤を塗布する工程と、を含み、
当該インク組成物は、標準沸点170℃以上の有機溶剤を当該インク組成物の総量に対し20質量%以上含有し、
当該第2処理剤は、樹脂粒子と滑剤とを含有し、
当該第1処理剤及び当該第2処理剤は、互いを混合した際に沈殿物及び浮遊物を生成しない、インクジェット捺染方法に関する。
本発明の一実施形態は、インクジェット捺染組成物セットであって、
カチオン性物質を含む第1処理剤と、
インク組成物と、
第2処理剤と、を含み、
当該インク組成物は、標準沸点170℃以上の有機溶剤を当該インク組成物の総量に対し20質量%以上含有し、
当該第2処理剤は、樹脂粒子と滑剤とを含有し、
当該第1処理剤及び当該第2処理剤は、互いを混合した際に沈殿物及び浮遊物を生成しない、インクジェット捺染組成物セットに関する。
カチオン性物質は、好ましくは多価金属塩を含有する。第1処理剤は、好ましくは水溶性樹脂を含有する。水溶性樹脂は、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、及びポリエチレンオキシドから選択される1種以上であることが好ましい。滑剤が、好ましくはワックスである。布帛が、好ましくはポリエステルを含む。インク組成物が、好ましくは白色顔料を含有する。インク組成物の付着量が、好ましくは50.0mg/inch2以上である。カチオン性物質及び第2処理剤は、好ましくは互いを混合した際に沈殿物及び浮遊物を生成する。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
―インクジェット捺染方法―
本実施形態に係るインクジェット捺染方法は、カチオン性物質を含有する第1処理剤を含む布帛に、インク組成物をインクジェット塗布する工程と、前記布帛に、第2処理剤を塗布する工程と、を含む。本実施形態では、インク組成物は、標準沸点170℃以上の有機溶剤を当該インク組成物の総量に対し20質量%以上含有する。加えて本実施形態では、第2処理剤は、樹脂粒子と滑剤とを含有する。本実施形態では、さらに、第1処理剤及び第2処理剤は、互いを混合した際に沈殿物及び浮遊物を生成しない(以下、当該性質を「混合凝集性」ともいう)。本発明の実施形態に係るインクジェット捺染方法によれば、捺染物の優れた捺摩擦堅牢性、捺染物上での凝集物の生成の抑制、及び優れた吐出信頼性が得られる。
本実施形態に係るインクジェット記録方法により上述の効果が得られる理由は定かではないが、以下のとおりに考えられる。ただし以下の理由に限定されない。本実施形態においては、第2処理剤が樹脂粒子と滑剤とを含有するため、捺摩擦堅牢性が向上する。一方で、カチオン性物質を含む布帛に樹脂粒子を含む処理剤を塗布することで、捺染物の表面に凝集物が生成し得るが、本実施形態においては、第1処理剤及び第2処理剤は、互いを混合した際に沈殿物及び浮遊物を生成しないものを選択することで、当該凝集物の発生が抑制されるものと考えられる。加えて、インク組成物は、標準沸点170℃以上の有機溶剤を当該インク組成物の総量に対し20質量%以上含有することで、優れた吐出信頼性が得られると考えられる。
本実施形態のインクジェット捺染方法は、インク組成物を、インクジェット装置に装填して使用する捺染方法である。当該インクジェット装置としては、特に限定されないが、例えばドロップオンデマンド型のインクジェット装置が挙げられる。このドロップオンデマンド型のインクジェット装置には、ヘッドに配設された圧電素子を用いたインクジェット捺染方法を採用した装置、及びヘッドに配設された発熱抵抗素子のヒーター等による熱エネルギーを用いたインクジェット捺染方法を採用した装置などがあり、いずれのインクジェット捺染方法を採用したものでもよい。
―布帛―
本実施形態に係るインクジェット捺染方法における記録媒体は、布帛である。布帛を構成する繊維としては、特に限定されないが、例えば、綿、麻、羊毛、絹等の天然繊維、ポリプロピレン、ポリエステル、アセテート、トリアセテート、ポリアミド、ポリウレタン等の合成繊維、ポリ乳酸等の生分解性繊維、及びこれらの混紡繊維が挙げられる。これらの中でも、布帛は綿又はポリエステルを含むことが好ましい。布帛がポリエステルを含む場合には、乾燥時の加熱温度を170℃以上の高温にすると、繊維の軟化・変形により光沢感が出る等の痕残りを生じてしまうことがあるが、本実施形態に係るインクジェット捺染方法によれば、綿及びポリエステルにおいて優れた摩擦堅牢性が得られ、さらには凝集物の発生を抑制することができる。
布帛は、上記の繊維を、織物、編物、不織布等いずれの形態にしたものでもよい。また、本実施形態で使用する布帛の目付は、特に限定されないが、例えば、1.0oz以上10.0oz以下であってもよく、好ましくは2.0oz以上9.0oz以下であり、より好ましくは3.0oz以上8.0oz以下であり、さらに好ましくは、4.0oz以上7.0oz以下である。布帛の目付がこのような範囲であれば、良好な記録を行うことができる。さらに、本実施形態に係るインクジェット記録方法では、目付けの異なる複数種の布帛に適用することができ、良好な印捺を行うことができる。
本実施形態における布帛の形態としては、例えば、布地、及び衣類やその他の服飾品が挙げられる。布地としては、例えば、織物、編物、及び不織布が挙げられる。衣類やその他の服飾品としては、例えば、縫製後のTシャツ、ハンカチ、スカーフ、タオル、手提げ袋、布製のバッグ、カーテン、シーツ、ベッドカバー、壁紙等のファーニチャー類、及び縫製前の部品としての裁断前後の布地が挙げられる。これらの形態としては、ロール状に巻かれた長尺のもの、所定の大きさに切断されたもの、製品形状のもの等が挙げられる。なお、布帛は、予め処理液を付与したものを用いてもよい。
布帛としては、染料によって予め着色された綿布帛を用いてもよい。布帛が予め着色される染料としては、例えば、酸性染料、塩基性染料等の水溶性染料、分散剤を併用する分散染料、及び反応性染料が挙げられる。布帛の綿布帛を用いる場合には、綿の染色に適した反応性染料を用いることが好ましい。
本実施形態のインクジェット捺染方法は、カチオン性物質を含有する第1処理剤を布帛に塗布する工程(以下、「第1処理工程」ともいう)と、カチオン性物質を含有する第1処理剤を含む布帛に、インク組成物をインクジェット塗布する工程(以下、「インクジェット塗布工程」ともいう)と、第2処理剤を塗布する工程(以下、「第2処理工程」ともいう)と、をこの順に含んでいてもよい。つまり、インク組成物をインクジェット塗布する工程の前に、布帛に第1処理剤を塗布する工程を含んでいてもよい。当該第1処理工程を含む場合、第1処理剤による処理を行っていない布帛を使用することができる。以下、本実施形態のインクジェット捺染方法が有する各工程について詳細に説明する。
――第1処理工程――
第1処理工程は、カチオン性物質を含有する第1処理剤を布帛に塗布する工程である。本実施形態に係るインクジェット捺染方法では、後述のインクジェット塗布工程において、布帛が第1処理剤を含んでいればよく、当該工程を有していても、有していなくてもよい。
第1処理液の塗布方法は、布帛の少なくとも一部の領域に処理液を付着させることができれば特に限定されない。第1処理液の塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、第1処理液中に布帛を浸漬させる浸漬塗布、第1処理液を刷毛、ローラー、ヘラ、ロールコーター等を用いて付着させるローラー塗布、第1処理液をスプレー装置等にて噴射するスプレー塗布、及び第1処理液をインクジェット法にて付着させるインクジェット塗布が挙げられる。中でも、装置の構成が簡便で、第1処理液の付着が迅速に行える、浸漬塗布、ローラー塗布、スプレー塗布等を用いることが好ましい。
第1処理液の塗布量は、好ましくは10mg/inch2以上であり、より好ましくは50mg/inch2以上であり、さらに好ましくは100mg/inch2以上である。第1処理液の塗布量は、好ましくは500mg/inch2以下であり、より好ましくは300mg/inch2以下であり、さらに好ましくは200mg/inch2以下である。
―――第1処理剤――
―――カチオン性物質―――
第1処理剤は、カチオン性物質を含有する。カチオン性物質は、インク組成物中の成分を凝集させる機能を有する。このため、第1処理液を付着させた布帛へインク組成物を付着させると、カチオン性物質が顔料粒子の凝集を促進したり、インク組成物の粘度を高めて、布帛を構成する繊維の間隙あるいは内部への吸収を抑制する。このように、カチオン性物質はインク組成物を布帛の表面に保持するため、捺染物におけるインク組成物の発色性が向上し、画像のにじみやブリードが抑制される。
カチオン性物質としては、特に限定されないが、例えば、カルシウム塩及びマグネシウム塩等の多価金属塩、カチオン性のウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂、アリルアミン系樹脂等のカチオン性樹脂、カチオン性界面活性剤、無機酸、及び有機酸が挙げられる。これらの中でも、多価金属塩が好ましい。カルシウム塩及びマグネシウム塩等の多価金属塩を含有することで、前述の凝集効果が高まり、画像のにじみやブリードを抑制することができる。
多価金属塩は、多価金属カチオンを含む。多価金属塩における塩としては、特に限定されないが、例えば、蟻酸、酢酸、安息香酸塩等のカルボン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、及びチオシアン酸塩が挙げられる。これらの中でも、顔料の発色性の向上及び綿布帛に好適である点により、多価金属塩を用いることが好ましい。中でも、硝酸カルシウムや塩化カルシウムは、凝集効果が高いため発色性を良好とする観点で好ましい。
カチオン性物質は、1種を単独で、又は2種以上を組合せて用いてもよい。
カチオン性物質の含有量は、特に限定されないが、第1処理液の総量に対して、好ましくは0.1質量%以上40.0質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以上20.0質量%以下であり、さらに好ましくは2.0質量%以上10.0質量%以下である。カチオン性物質の含有量を上記の範囲とすることにより、第1処理液におけるカチオン性物質の析出や分離等を抑えて、インク組成物中の顔料や樹脂粒子の凝集を促進し、布帛を構成する繊維の間隙あるいは内部に吸収されることを抑制する。これにより、印捺面の裏面方向に色材が裏抜ける現象が低減し、捺染物の発色性が向上する。
―――水溶性樹脂―――
第1処理剤は、好ましくは水溶性樹脂を含有する。水溶性樹脂を含有することで、後述の第2処理剤との混合凝集性が抑えられ、捺染物上に凝集物が発生しにくくなる。加えて、水溶性樹脂を含有することで、捺染物の摩擦堅牢性をより向上させることができる。
水溶性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、及びポリエチレンオキサイドが挙げられる。これらの中でも、後述の第2処理剤との混合凝集性が抑えられ、また、捺染物の摩擦堅牢性をより向上させられることから、カルボキシメチルセルロースが好ましい。上述の多価金属塩として、硝酸カルシウムや塩化カルシウムを用いる場合には、凝集効果が高いが故に、捺染物上で後述の第2処理剤との混合凝集性、特に、第2処理剤中の樹脂粒子との混合凝集性が劣る場合があるが、このような水溶性樹脂を含有することによって、後述の第2処理剤との混合凝集性を良好に抑えることができる。
カルボキシメチルセルロースとしては、市販品を用いてもよく、例えば、CMCダイセル(登録商標)1120、1130、1220、1240、1250、1330(以上製品名、ダイセルファインケム株式会社製)、セロゲン(登録商標)5A、6A、7A、PL−15、F−5A、F−7A、F−907A、F−815A、PR−S(以上製品名、第一工業製薬株式会社製)等のカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩が挙げられる。
ヒドロキシエチルセルロースとしては、市販品を用いてもよく、例えば、HECダイセル(登録商標)SP200、SP400、SP500、SP600、SP850、SP900、SE400、SE550、SE600、SE850、SE900、EE820(以上製品名、ダイセルファインケム株式会社製)、AL−15、AG−15F、AH−15F、AV−15F、AW−15F、AX−15、SW−25F、SZ−25F、CF−G、CF−V、CF−W、CF−X、CF−Y(以上製品名、住友精化株式会社製)が挙げられる。
ポリビニルピロリドンとしては、ホモポリマーに限定されず、ビニルピロリドンと他のモノマーとも共重合体を用いてもよい。 ポリビニルピロリドンの市販品としては、例えば、ポリビニルピロリドンK−30、K−30W(以上製品名、株式会社日本触媒製)、ピッツコール(登録商標)K−17L、K−30、K−30L、K−30AL、K−60L、K−30、K−50、K−90クリージャス(登録商標)K−30、アイフタクト(登録商標)K−30PH(以上製品名、第一工業製薬株式会社製)、PVP K−30、PVP K−25、PVP K−17(以上製品名、アシュランド社)が挙げられる。
ポリエチレンオキサイドの市販品としては、例えば、ペオ(登録商標)−1、2、3、4、8、15、18、27、29(以上製品名、住友精化株式会社製)、アルコックス(登録商標)L−6、L−8、L−11、E−30、E−45、E−60、E−75、E−100、E−160、E−240、E−300、R−150、R−400、R−1000(以上製品名、明成化学工業株式会社製)が挙げられる。
水溶性樹脂は、1種を単独で、又は2種以上を組合せて用いてもよい。
水溶性樹脂の含有量は、特に限定されないが、第1処理液の総量に対して、好ましくは0.01質量%以上10.0質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以上5.0質量%以下であり、さらに好ましくは0.1質量%以上3.0質量%以下である。水溶性樹脂の含有量を上記の範囲とすることにより、後述の第2処理剤との混合凝集性が抑えられ、捺染物上に凝集物が発生しにくくなり、さらに、捺染物の摩擦堅牢性をより向上させることができる。
―――界面活性剤―――
第1処理液は、好ましくは界面活性剤を含有する。界面活性剤は、第1処理液の表面張力を低下させて、布帛に対する濡れ性を向上させる機能を有している。界面活性剤としては、特限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤が挙げられる。これらの中でも、アセチレングリコール系界面活性剤が好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、サーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、DF37、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA、DF110D(以上製品名、Air Products and Chemicals, Inc.社製)、オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上製品名、日信化学工業株式会社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上製品名、川研ファインケミカル株式会社製)が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等のポリシロキサン系化合物が挙げられる。ポリエーテル変性オルガノシロキサンの市販品としては、例えば、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−348(以上製品名、BYK社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上製品名、信越化学工業株式会社製)が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素変性ポリマーを用いることが好ましい。例えば、BYK−340(以上製品名、BYK社製)が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、第1処理剤の総量に対して、好ましくは0.01質量%以上10.0質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以上5.0質量%以下であり、さらに好ましくは0.1質量%以上1.0質量%以下である。界面活性剤の含有量が当該範囲であることで、第1処理液の布帛に対する濡れ性を向上させることができる。
―――水―――
第1処理液に含まれる水としては、特に限定されないが、例えば、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は、超純水のようなイオン性不純物を極力除去したものが用いられる。また、紫外線照射や過酸化水素の添加などによって滅菌した水を使用すると、処理液を長期間保存する場合に、かびやバクテリアの発生を抑制することができる。水の含有量は、特に限定されないが、第1処理液の総量に対して、例えば、好ましくは45質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上99質量%以下であり、さらに好ましくは55質量%以上98質量%以下である。
――インクジェット塗布工程――
インクジェット塗布工程は、カチオン性物質を含有する第1処理剤を含む布帛に、インク組成物をインクジェット塗布する工程である。ここで、「第1処理剤を含む布帛」とは、第1処理剤の溶剤を含む全成分を含んでいてもよいし、第1処理剤の溶剤が揮発した固形分成分を含んでいてもよい。
布帛に含まれるカチオン性物質の付着量は、好ましくは0.1mg/inch2以上であり、より好ましくは0.5mg/inch2以上であり、さらに好ましくは1.0mg/inch2以上である。カチオン性物質の付着量が、当該下限値以上であることで、捺染物の画像のにじみやブリードが抑制される。布帛に含まれるカチオン性物質の付着量は、好ましくは25.0mg/inch2以下であり、より好ましくは15.0mg/inch2以下であり、さらに好ましくは10.0mg/inch2以下である。カチオン性物質の付着量が、当該上限値以下であることで、捺染物上で凝集物の発生をより抑制することができる。
布帛に含まれる水溶性物質の付着量は、好ましくは0.01mg/inch2以上であり、より好ましくは0.05mg/inch2以上であり、さらに好ましくは0.10mg/inch2以上である。水溶性物質の付着量が、当該下限値以上であることで、捺染物上で凝集物の発生をより抑制することができ、さらには捺染物の摩擦堅牢性をより向上させることができる。布帛に含まれる水溶性物質の付着量は、好ましくは50.0mg/inch2以下であり、より好ましくは15.0mg/inch2以下であり、さらに好ましくは6.0mg/inch2以下である。水溶性物質の付着量が、当該上限値以下であることで、捺染物上に凝集物が発生しにくくなる。
布帛に含まれる界面活性剤の付着量は、好ましくは0.01mg/inch2以上であり、より好ましくは0.05mg/inch2以上であり、さらに好ましくは0.10mg/inch2以上である。布帛に含まれる界面活性剤の付着量は、好ましくは50.0mg/inch2以下であり、より好ましくは15.0mg/inch2以下であり、さらに好ましくは2.0mg/inch2以下である。
インクジェット塗布工程では、ノズルからインク組成物を吐出する。本実施形態において、吐出工程でインクジェット法を用いることにより、スクリーン捺染等のアナログ捺染で必要な版が不要となるなど、多品種少量生産への対応が容易になると共に、高精細な画像、テキスト、模様、色彩等を形成することができる。
インク組成物の付着量は、好ましくは0.1mg/inch2以上であり、より好ましくは1.0mg/inch2以上であり、さらに好ましくは10.0mg/inch2以上であり、よりさらに好ましくは50.0mg/inch2以上である。インク組成物の付着量は、好ましくは500.0mg/inch2以下であり、より好ましくは300.0mg/inch2以下であり、さらに好ましくは200.0mg/inch2以下である。
カラーインク組成物である場合、インク組成物の付着量は、好ましくは0.1mg/inch2以上であり、より好ましくは1.0mg/inch2以上であり、さらに好ましくは5.0mg/inch2以上である。インク組成物の付着量は、好ましくは100mg/inch2以下であり、より好ましくは50mg/inch2以下であり、さらに好ましくは30mg/inch2以下である。インク組成物の付着量が当該範囲にあることにより、捺染物の発色性が向上する。
ホワイトインク組成物である場合、インク組成物の付着量は、好ましくは1.0mg/inch2以上であり、より好ましくは10.0mg/inch2以上であり、さらに好ましくは20.0mg/inch2以上であり、よりさらに好ましくは50.0mg/inch2以上である。インク組成物の付着量は、好ましくは500.0mg/inch2以下であり、より好ましくは300.0mg/inch2以下であり、さらに好ましくは200.0mg/inch2以下である。インク組成物の付着量が当該範囲にあることにより、捺染物の発色性が向上する。
インクジェット塗布工程では、インク組成物は1種に限定されず、2種以上用いられてもよい。2種以上のインク組成物が用いられる場合、インク組成物を重ねて印刷してもよい。より具体的には、インクジェット塗布工程では、布帛にホワイトインク組成物をインクジェット塗布する工程と、布帛にカラーインク組成物をインクジェット塗布する工程と、を有していてもよい。
――インク組成物――
本実施形態に係るインクジェット捺染方法は、インク組成物として、カラーインク組成物、及びホワイトインク組成物のいずれを用いてもよい。カラーインク組成物とは、ホワイトとは異なる色を有する着色インク組成物である。
インク組成物は、標準沸点170℃以上の有機溶剤(以下、「高沸点有機溶剤」ともいう。)をインク組成物の総量に対し20.0質量%以上含有する。当該高沸点有機溶剤を所定量含有することで、優れた吐出信頼性が得られる。なお、インク組成物として、カラーインク組成物、及びホワイトインク組成物を用いる場合、いずれか一方のインク組成物が、当該範囲の含有量の高沸点有機溶剤を含んでいればよい。
「標準沸点」とは、気圧0.101MPaにおける沸点を意味する。なお、高沸点有機溶剤は、1種であっても、2種以上であってもよく、高沸点有機溶剤の合計含有量がインク組成物の総量に対し20.0質量%以上であればよい。
高沸点有機溶剤の含有量は、インク組成物の総量に対し、好ましくは40.0質量%以下であり、より好ましくは30.0質量%以下であり、さらに好ましくは25.0質量%以下であり、よりさらに好ましくは23.0質量%以下である。高沸点有機溶剤の含有量が当該上限値以下であることで、乾燥時の摩擦堅牢性がより向上する。
高沸点有機溶剤としては、後述の有機溶剤の中から、標準沸点170℃以上のものを適宜選択して用いることができる。
―――色材―――
水系インク組成物に使用される色材について、以下説明する。また、色材としては、染料及び顔料が挙げられる。これらの中でも顔料が好ましい。
ブラックインクに使用されるブラック色材はカーボンブラックが挙げられ、特に限定されないが、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上製品名、三菱化学株式会社製)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上製品名、コロンビアカーボン社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(以上製品名、キャボット社製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上製品名、デグッサ社製)が挙げられる。
カラーインクであるイエローインクに使用されるカラー色材であるイエロー色材としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180が挙げられる。
カラーインクであるマゼンタインクに使用されるカラー色材であるマゼンタ色材としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、又はC.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。
カラーインクであるシアンインクに使用されるカラー色材であるシアン色材としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バットブルー 4、60が挙げられる。
マゼンタ、シアン、及びイエロー以外のカラー色材としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメント グリーン 7,10、C.I.ピグメントブラウン 3,5,25,26、C.I.ピグメントオレンジ 1,2,5,7,13,14,15,16,24,34,36,38,40,43,63が挙げられる。
ホワイトインクに使用されるホワイト色材としては、白色染料及び白色顔料が挙げられ、この中でも白色顔料が好ましい。ホワイト色材としては、特に限定されないが、例えば、硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸や合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、二酸化チタン、及び酸化亜鉛等の金属化合物、タルク、クレイが挙げられる。これらの中でも、二酸化チタンが好ましい。ホワイト色材として、より具体的には、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21が挙げられる。
上記色材として顔料を用いる場合、顔料は、分散剤により水に分散させて得られる顔料分散液として、あるいは、顔料粒子表面に化学反応を利用して親水性基を導入した自己分散型の表面処理顔料を水に分散させて得られるか、又は、ポリマーで被覆された顔料を水に分散させて得られる顔料分散液として、水系インク組成物に添加することが好ましい。
分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤、界面活性剤が挙げられる。高分子分散剤としては、特に限定されないが、例えば、にかわ、ゼラチン、カゼイン、アルブミンのタンパク質類、アラビアゴム、トラガントゴムの天然ゴム類、サポニンのグルコシド類、アルギン酸及びプロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウムのアルギン酸発酵体メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、エチルヒドロキシセルロースのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール類、ポリピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体のアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−m−メチルスチレン−アクリル酸共重合体のスチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体の酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤が挙げられる。
上述の親水性基を導入した自己分散型の表面処理顔料は、顔料の表面にカルボキシル基及びその塩が直接結合するような表面処理により、分散剤なしに水に分散又は溶解できるようにされたものである。より詳細には、真空プラズマの物理的処理や次亜塩素酸ナトリウムやオゾンの酸化剤を用いた化学的処理により、官能基又は官能基を含んだ分子を顔料の表面にグラフトさせることによって得ることができる。一つの顔料粒子にグラフトされる官能基は単一でも複数種であってもよい。グラフトされる官能基の種類及びその程度は、水系インク組成物中での分散安定性、色濃度、及びインクジェットヘッド前面での乾燥性を考慮しながら適宜決定されてよい。
上述のポリマーで被覆された顔料は、特に限定されないが、例えば、重合性基を有する分散剤を用いて顔料を分散させた後、その分散剤と共重合可能なモノマー(共重合性モノマー)と、光ラジカル重合開始剤と、を用いて水中で乳化重合を行うことにより、得ることができる。このポリマーの中でも、二重結合としてアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、及びアリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有するモノマーやオリゴマーが、光ラジカル重合開始剤を使用する公知の重合法に従って重合されたものが、好適に使用可能である。乳化重合は、一般的な方法を用いることができ、重合は乳化剤の存在下で水溶性の光ラジカル重合開始剤の熱分解で発生するフリーラジカルにより進行する。
上記顔料分散液を構成する顔料及び分散剤は、それぞれ1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
色材の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは1.0質量%以上10.0質量%以下であり、より好ましくは2.0質量%以上8.0質量%以下であり、さらに好ましく3.0質量%以上5.0質量%以下である。
―――樹脂粒子―――
樹脂粒子は、例えば、水系の樹脂分散体であって、樹脂の微小な粒子を水性媒体中に分散させたものであることが好ましい。樹脂粒子として、樹脂エマルションを用いてもよい。樹脂の分散方法としては、乳化剤(界面活性剤)を利用した強制乳化型、樹脂の分子構造中に親水部(親水基)を導入した自己乳化型などを用いることができる。
樹脂粒子に用いる樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、フルオレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ロジン変性樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、(塩化ビニル−酢酸ビニル)共重合体、(エチレン−酢酸ビニル)共重合体が挙げられる。これらの樹脂は、1種を単独で、又は2種以上を組合せて用いてもよい。
インク組成物が樹脂粒子を含有する場合、樹脂粒子の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは1.0質量%以上25.0質量%以下であり、より好ましくは2.0質量%以上15.0質量%以下であり、さらに好ましくは4.0質量%以上8.0質量%以下である。
―――界面活性剤―――
本実施形態のインク組成物は、好ましくは界面活性剤を含有する。界面活性剤は、インク組成物の表面張力を低下させて、記録媒体に対する濡れ性を向上させる機能を有している。界面活性剤としては、特限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤が挙げられる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、サーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、DF37、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA、DF110D(以上製品名、Air Products and Chemicals, Inc.社製)、オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上製品名、日信化学工業株式会社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上製品名、川研ファインケミカル株式会社製)が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等のポリシロキサン系化合物が挙げられる。ポリエーテル変性オルガノシロキサンの市販品としては、例えば、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−348(以上製品名、BYK社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上製品名、信越化学工業株式会社製)が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素変性ポリマーを用いることが好ましい。例えば、BYK−340(以上製品名、BYK社製)が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、インク組成物の総量に対して、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上5.0質量%以下であることがより好ましく、0.3質量%以上3.0質量%以下であることがより好ましい。
―――水―――
インク組成物は、好ましくは水系インク組成物である。水系インク組成物とは、溶剤として水を含むインク組成物を意味する。インク組成物に含まれる水としては、特に限定されないが、例えば、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は、超純水のようなイオン性不純物を極力除去したものが用いられる。また、紫外線照射や過酸化水素の添加などによって滅菌した水を使用すると、インク組成物を長期間保存する場合に、かびやバクテリアの発生を抑制することができる。水の含有量は、特に限定されないが、インク組成物の全質量に対して、例えば、好ましくは45質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上95質量%以下であり、さらに好ましくは55質量%以上90質量%以下である。
―――有機溶剤―――
インク組成物は、溶媒として有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤を含有することにより、粘度、表面張力等のインクジェットインクの物性や、記録媒体に塗布した際の乾燥、浸透等の挙動を制御することができる。
有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、1,2−アルカンジオール類、多価アルコール類、2−ピロリドン類、グリコールエーテル類が挙げられる。
1,2−アルカンジオール類としては、特に限定されないが、例えば、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールが挙げられる。1,2−アルカンジオール類は、記録媒体に対するインクの濡れ性を高めて、均一に濡らす作用に優れている。そのため、滲みを抑えた画像などを形成することができる。
インク組成物が1,2−アルカンジオール類を含有する場合、1,2−アルカンジオールの含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは1.0質量%以上20.0質量%以下であり、より好ましくは1.5質量%以上10.0質量%以下であり、さらに好ましくは2.0質量%以上5.0質量%以下である。
ここで、単に「多価アルコール類」とは、1,2−アルカンジオール類以外の多価アルコール類を意味する。多価アルコール類としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリンが挙げられる。多価アルコール類をインクジェットインクに添加することよって、噴射ヘッドの吐出ノズル内におけるインク組成物の乾燥固化を抑制して、吐出ノズルの目詰まりや吐出不良などを低減することができる。
インク組成物が多価アルコール類を含有する場合、多価アルコール類の含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは2.0質量%以上20.0質量%以下であり、より好ましくは5.0質量%以上15.0質量%以下である。
2−ピロリドン類は、2―ピロリドン骨格を有する化合物である。2−ピロリドン類としては、置換基を有していない2−ピロリドンの他に、特に限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン等の置換基を有する2−ピロリドンが用いられる。2―ピロリドン骨格における置換基としては、例えば、炭素数1以上5以下の飽和又は不飽和の炭化水素基等の有機基が挙げられる。
インク組成物が2−ピロリドン類を含有する場合、2−ピロリドン類の含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.5質量%以上10.0質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以上8.0質量%以下である。
グリコールエーテル類としては、特に限定されないが、例えば、アルキレングリコールモノエーテル、アルキレングリコールジエーテルが挙げられる。グリコールエーテル類をインクジェットインクに添加することよって、記録媒体に対する濡れ性や浸透速度を調整できるため、画像や模様などを鮮明に形成することができる。
アルキレングリコールモノエーテルとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルが挙げられる。
アルキレングリコールジエーテルとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルが挙げられる。
インク組成物がグリコールエーテル類を含有する場合、グリコールエーテル類の含有量は、インク組成物の全質量に対して、0.05質量%以上6質量%以下であることが好ましい。
以上、これらの有機溶剤は、1種を単独で、又は2種以上を組合せて用いてもよい。
―――その他の成分―――
インク組成物は、水溶性樹脂を含有していてもよい。水溶性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、カルボキシメチルセルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、又はこれらの塩が挙げられる。インク組成物が水溶性樹脂を含有する場合、水溶性樹脂の含有量は、インク組成物の全質量に対して、0.1質量%以上20.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましく、1.0質量%以上5.0質量%以下であることがより好ましい。
インク組成物は、pH調整剤を含有していてもよい。pH調整剤としては、特に限定されないが、例えば、塩基性有機物質、塩基性無機物質が挙げられる。これらのpH調整剤を用いて、インク組成物のpHを7.5以上、10.5以下の範囲に調整することが好ましい。
塩基性有機物質としては、特に限定されないが、例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリ−イソプロパノールアミン等のアルカノールアミン類が挙げられる。インク組成物が塩基性有機物質を含有する場合、塩基性有機物質の含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.01質量%以上3.0質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上2.0質量%以下である。
塩基性無機物質としては、特に限定されないが、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物が挙げられる。インク組成物が塩基性無機物質を含有する場合、塩基性無機物質の含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.03質量%以上0.15質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以上0.10質量%以下である。
インク組成物は、上述した成分の他に、防腐剤、防かび剤、酸化防止剤、キレート化剤等の種々の添加剤を含有していてもよい。
本実施形態において、インク組成物は、上記した各成分を任意の順序で混合し、必要に応じてろ過等を行って不純物を除去することにより得られる。各成分の混合方法としては、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合する方法が好適に用いられる。ろ過方法としては、遠心ろ過、フィルターろ過等を必要に応じて行なうことができる。
――第2処理工程――
第2処理工程は、布帛に、第2処理剤を塗布する工程である。当該第2処理工程により、捺染物の摩擦堅牢性をより向上させることができる。特に、インク組成物が標準沸点170℃以上の有機溶剤を含有する場合には、吐出信頼性が良好となる一方で、摩擦堅牢性が劣ることとなる場合があるが、第2処理工程を備えることにより、インク組成物の吐出信頼性と、摩擦堅牢性の両方を良好なものとすることができる。
――第2処理剤――
第2処理剤は、樹脂粒子と滑剤とを含有する。当該第2処理剤が、樹脂粒子と滑剤とを含有することで、捺染物の摩擦堅牢性をより向上させることができる。
第2処理液の塗布方法は、布帛の少なくとも一部の領域に処理液を付着させることができれば特に限定されない。第2処理液の塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、第2処理液中に布帛を浸漬させる浸漬塗布、第2処理液を刷毛、ローラー、ヘラ、ロールコーター等を用いて付着させるローラー塗布、第2処理液をスプレー装置等にて噴射するスプレー塗布、及び第2処理液をインクジェット法にて付着させるインクジェット塗布が挙げられる。中でも、装置の構成が簡便で、第2処理液の付着が迅速に行える、浸漬塗布、ローラー塗布、スプレー塗布等を用いることが好ましい。
第2処理液の塗布量は、好ましくは10.0mg/inch2以上であり、より好ましくは50.0mg/inch2以上であり、さらに好ましくは100mg/inch2以上である。第2処理液の塗布量は、好ましくは500mg/inch2以下であり、より好ましくは300mg/inch2以下であり、さらに好ましくは200mg/inch2以下である。
―――樹脂粒子―――
樹脂粒子としては、例えば、樹脂エマルションを使用することができる。樹脂粒子に用いられる樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ウレタン樹脂、付加重合系樹脂、フッ素樹脂、及び天然樹脂が挙げられる。付加重合系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアノアクリレート、アクリルアミド、オレフィン、スチレン、シリコーン、ロジン、テルペン、エポキシ、ポリエステル、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、及び塩化ビニリデンの単独重合体又は共重合体が挙げられる。これらの中でも、ウレタン樹脂が好ましい。
ウレタン樹脂は、分子中にウレタン結合を有する樹脂である。さらに、ウレタン樹脂としては、特に限定されないが、例えば、上記のウレタン結合に加えて、主鎖にエーテル結合を含むポリエーテル型ウレタン樹脂、主鎖にエステル結合を含むポリエステル型ウレタン樹脂、及び主鎖にカーボネート結合を含むポリカーボネート型ウレタン樹脂が挙げられる。
ウレタン樹脂エマルジョンの市販品としては、特に限定されないが、例えば、サンキュアー2710(製品名、日本ルーブリゾール株式会社製)、パーマリンUA−150(製品名、三洋化成工業株式会社)、スーパーフレックス 460,470,610,700(以上製品名、第一工業製薬株式会社製)、NeoRez R−9660,R−9637,R−940(以上製品名、楠本化成株式会社製)、アデカボンタイター HUX−380,290K(以上製品名、株式会社ADEKA製)、タケラック W−605,W−635,WS−6021(以上製品名、三井化学株式会社製)が挙げられる。
その他の樹脂エマルジョンの市販品としては、特に限定されないが、例えば、ビニブラン 150、603、745、1245L(以上製品名、日信化学工業株式会社製)、ダンフィックス MM11(製品名、日信化学工業株式会社製)、センカアンチフリック CX−2(製品名、センカ株式会社製)、モビニール966A(製品名、日本合成化学工業株式会社製)、マイクロジェルE−1002、E−5002(以上製品名、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001、5454( 以上製品名、DIC株式会社製)、SAE1014(製品名、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(製品名、サイデン化学株式会社製)、ジョンクリル7100、390、711、511、7001、632、741、450、840、74J、HRC−1645J、734、852、7600、775、537J、1535、PDX−7630A、352J、352D、PDX−7145、538J、7640、7641、631、790、780、7610(以上製品名、BASF社製)、NKバインダー R−5HN(製品名、新中村化学株式会社製)が挙げられる。
樹脂粒子の含有量は、特に限定されないが、第2処理液の総量に対して、好ましくは1.0質量%以上40.0質量%以下であり、より好ましくは3.0質量%以上20.0質量%以下であり、さらに好ましくは5.0質量%以上15.0質量%以下である。樹脂粒子の含有量を上記の範囲とすることにより、捺染物の摩擦堅牢性をより向上させることができる。
―――滑剤―――
第2処理剤に滑剤が含まれることで、捺染物の表面にスリップ性を付与し耐擦性を向上させる機能を有し、これにより、捺染物の摩擦堅牢性が向上する。滑剤としては、特に限定されないが、例えば、ワックス、高級脂肪酸塩、及び有機珪素化合物が挙げられる。これらの中でも、捺染物の摩擦堅牢性をより向上させることができるため、ワックスが好ましい。
ワックスとしては、特に限定されないが、例えば、モンタンワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、脂肪酸エステルワックス、脂肪酸アミドワックス、ケトン・アミンワックス、水素硬化油が挙げられる。脂肪酸エステルワックスは、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、高級脂肪酸及び低級脂肪酸等の脂肪酸類と、一級アルコール、二級アルコール、三級アルコール、高級アルコール、低級アルコール、一価のアルコール及び多価アルコール等のアルコール類と、エステル化して得られる化合物である。脂肪酸エステル系化合物は、例えば、脂肪酸と一価アルコールとのエステル、脂肪酸とエチレングリコールとのエステル、脂肪酸とプロピレングリコールとのエステルおよび脂肪酸とグリセリンとのエステル等の脂肪酸と多価アルコールとのエステル、及びこれらのポリオキシエチレン付加物など各種誘導体を挙げることができる。脂肪酸は、脂肪族脂肪酸、芳香族脂肪酸又は部分的に環状構造を有するものであってよい。アルコールは、脂肪族アルコール、芳香族アルコールまたは部分的に環状構造を有するものであってよい。
高級脂肪酸塩としては、特に限定されないが、例えば、ラウリン酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ミリスチン酸塩等の高級脂肪酸金属塩、ラウリン酸アンモニウム、オレイン酸アンモニウム、パルミチン酸アンモニウム、ステアリン酸アンモニウム、ミリスチン酸アンモニウム等の高級脂肪酸アンモニウム塩が挙げられる。塩としては、特に限定されないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、カルシウム塩が挙げられる。
有機珪素化合物としては、特に限定されないが、例えば、ポリアルキルシロキサン及びその誘導体、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アルキル・アラルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイルが挙げられる。
滑剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、ハイテック E−9015、E−8237(以上製品名、ポリエチレンワックス、東邦化学工業株式会社製)、Michem Emulsion 85250(製品名、ポリエチレンワックス、Michelman社製)、AQUACER593(製品名、ポリプロピレンワックス、ビックケミー株式会社製)、AQUACER497(製品名、パラフィンワックス、ビックケミー株式会社製)、センカアンチフリック CX−3(製品名、センカ株式会社製)が挙げられる。
滑剤の含有量は、特に限定されないが、第2処理液の総量に対して、好ましくは0.1質量%以上20.0質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上10.0質量%以下であり、さらに好ましくは0.8質量%以上5.0質量%以下である。滑剤の含有量を上記の範囲とすることにより、捺染物の摩擦堅牢性をより向上させることができる。
―――水―――
第2処理液に含まれる水としては、特に限定されないが、例えば、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は、超純水のようなイオン性不純物を極力除去したものが用いられる。また、紫外線照射や過酸化水素の添加などによって滅菌した水を使用すると、処理液を長期間保存する場合に、かびやバクテリアの発生を抑制することができる。水の含有量は、特に限定されないが、第2処理液の総量に対して、例えば、好ましくは45質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上99質量%以下であり、さらに好ましくは55質量%以上98質量%以下である。
――混合凝集性――
本実施形態に係るインクジェット捺染方法では、第1処理剤及び第2処理剤は、互いを混合した際に沈殿物及び浮遊物を生成しない(以下、当該性質を「第1処理剤及び第2処理剤の混合凝集性」ともいう。)。このような混合凝集性を示す第1処理剤及び第2処理剤の組み合わせを選択することで、捺染物の表面の凝集物の生成を抑制することができる。
本実施形態における第1処理剤及び第2処理剤の混合凝集性は、以下の測定方法による。
測定方法
容量30mLのガラス瓶に第1処理剤を15mL入れ、25℃にてその上からスポイトで第2処理剤を0.1mL滴下する。滴下して25℃にて1分間静置し、その後5回振とう撹拌する。目視で、沈殿物又は浮遊物を確認できた場合、第1処理剤及び第2処理剤は、互いを混合した際に沈殿物及び浮遊物を生成するとする。一方、目視では、第2処理剤が溶解又は希釈された状態となった場合、第1処理剤及び第2処理剤は、互いを混合した際に沈殿物及び浮遊物を生成しないとする。
第2処理剤及びカチオン性物質は、互いを混合した際に沈殿物及び浮遊物を生成すること(以下、当該性質を「第2処理剤及びカチオン性物質の混合凝集性」ともいう。)が好ましい。なお、ここでカチオン性物質とは、上述の第1処理剤に含まれるものである。当該混合凝集性を有することで、第2処理剤がカチオン性物質によって凝集性を示すため、カチオン性物質を含む布帛に、第2処理剤が塗布されると、樹脂粒子及び滑剤が凝集し、布帛表面で留まるため、捺染物の摩擦堅牢性をより向上させることができる。
本実施形態における第2処理剤及びカチオン性物質の混合凝集性は、以下の測定方法による。
測定方法
容量30mLのガラス瓶にカチオン性物質10質量%水溶液を15mL入れ、25℃にてその上からスポイトで第2処理剤を0.1mL滴下する。滴下して25℃にて1分間静置し、その後5回振とう撹拌する。目視で、沈殿物又は浮遊物を確認できた場合、第2処理剤及びカチオン性物質は、互いを混合した際に沈殿物及び浮遊物を生成するとする。一方、目視では、第2処理剤が溶解又は希釈された状態となった場合、第2処理剤及びカチオン性物質は、互いを混合した際に沈殿物及び浮遊物を生成しないとする。
―加熱工程―
本実施形態のインクジェット捺染方法は、第2処理工程の後に、布帛に付着したインク組成物及び処理剤を加熱する工程(以下、「加熱工程」ともいう)をさらに含んでいてもよい。
加熱方法としては、特に限定されないが、例えば、ヒートプレス法、常圧スチーム法、高圧スチーム法、及びサーモフィックス法が挙げられる。加熱の熱源としては、特に限定されないが、例えば、赤外線ランプが挙げられる。加熱温度は、インク組成物の樹脂粒子が融着され、且つ水分等の媒体が揮発する温度であればよく、好ましくは100℃以上200℃以下であり、より好ましくは110℃以上190℃以下であり、さらに好ましくは120℃以上180℃以下である。ここで、加熱する工程における加熱温度とは、布帛に形成された画像等の表面温度を指す。加熱を施す時間は、特に限定されないが、例えば、30秒以上20分以下である。
なお、布帛が、ポリエステルを含む場合、加熱温度は、好ましくは100℃以上150℃以下であり、より好ましくは110℃以上140℃以下であり、さらに好ましくは120℃以上130℃以下である。
―洗浄工程―
本実施形態のインクジェット捺染方法は、加熱工程後に、インク組成物が付着した布帛を洗浄すること(以下、「洗浄工程」ともいう)をさらに含んでいてもよい。洗浄工程により、繊維に染着していない着色剤を効果的に除去することができる。洗浄工程は、例えば水を用いて行うことができ、必要に応じてソーピング処理を行ってもよい。ソーピング処理方法としては、特に限定されないが、例えば、即ち未固着の顔料を熱石鹸液等で洗い落とす方法が挙げられる。
―インクジェット捺染組成物セット―
本実施形態に係るインクジェット捺染組成物セットは、カチオン性物質を含む第1処理剤と、インク組成物と、第2処理剤と、を含み、当該インク組成物は、標準沸点170℃以上の有機溶剤を前記インク組成物の総量に対し20質量%以上含有し、当該第2処理剤は、樹脂粒子と滑剤とを含有し、当該第1処理剤及び当該第2処理剤は、互いを混合した際に沈殿物及び浮遊物を生成しない。本発明の実施形態に係るインクジェット捺染組成物セットによれば、染物の優れた捺摩擦堅牢性、捺染物上での凝集物の生成の抑制、及び優れた吐出信頼性が得られる。第1処理剤、インク組成物、及び第2処理剤の各成分の種類及び量は、前述のとおりである。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
―混合凝集性―
実施例及び比較例において以下の方法により混合凝集性の試験を行った。
――カチオン性物質及び第2処理剤の混合凝集性――
容量30mLのガラス瓶に10質量%のカチオン性物質の水溶液を15mL入れ、その上からスポイトで第2処理剤を0.1mL滴下した。滴下して1分間静置し、その後5回振とう撹拌する。第2処理剤が凝集し、目視で、沈殿物又は浮遊物を確認できた場合、混合凝集性有りとした。一方、目視では、第2処理剤が溶解または希釈された状態となった場合、混合凝集性無しとした。
――第1処理剤及び第2処理剤の混合凝集性――
容量30mLのガラス瓶に第1処理剤を15mL入れ、その上からスポイトで第2処理剤を0.1mL滴下した。滴下して1分間静置し、その後5回振とう撹拌する。第2処理剤が凝集し、目視で、沈殿物又は浮遊物を確認できた場合、混合凝集性有りとした。一方、目視上は第2処理剤が溶解又は希釈された状態となった場合、混合凝集性無しとした。
−第1処理液の調製−
各材料を下記の表1に示す組成で混合撹拌し、各処理液を得た。具体的には、各材料を均一に混合し、フィルターで不溶解物を除去することにより、各処理液を調製した。
Figure 2021085128
表1中、各種略語は以下のとおりである。表1中、硝酸カルシウム4水和物及び塩化カルシウム2水和物の数値は、水和した水を含む質量である。また、表1中、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、及びポリエチレンオキシドの数値は固形分量基準の配合量を意味する。
CMCダイセル1240:カルボキシメチルセルロースナトリウム「CMCダイセル1240」(製品名、ダイセルファインケム株式会社製)
HECダイセルSP200:ヒドロキシエチルセルロース「HECダイセル」(製品名、ダイセルファインケム株式会社製)
ピッツコールK−90:ポリビニルピロリドン「ピッツコールK−90」(製品名、第一工業製薬株式会社製)
アルコックスE−45:ポリエチレンオキサイド「アルコックスE−45」(製品名、明成化学工業株式会社製)
オルフィンE1010:アセチレングリコール系界面活性剤「オルフィンE−1010」(製品名、日信化学工業株式会社製)
−第2処理液の調製−
各材料を下記の表2に示す組成で混合撹拌し、各処理液を得た。具体的には、各材料を均一に混合し、フィルターで不溶解物を除去することにより、各処理液を調製した。
Figure 2021085128
表2中、各種略語は以下のとおりである。表2中、樹脂エマルションの数値は、固形分量基準の配合量を意味する。
ビニブラン1245L:酢酸ビニル系共重合エマルション「ビニブラン1245L」(製品名、日信化学工業株式会社製)
ダンフィックスMM11:アニオン性樹脂エマルション「ダンフィックスMM11」(製品名、ニットーボーメディカル株式会社製)
ANTIFRIC CX−2:アクリル樹脂エマルション「センカアンチフリックCX−2」(製品名、センカ株式会社製)
タケラックWS−6021:ウレタン樹脂エマルション「タケラックWS−6021」(製品名、三井化学株式会社製)
ANTIFRIC CX−3:シリコーン系滑剤「センカアンチフリックCX−3」(製品名、センカ株式会社製)
−インク組成物の調製−
各材料を下記の表3に示す組成で混合撹拌し、各インク組成物を得た。具体的には、各材料を均一に混合し、フィルターで不溶解物を除去することにより、各インク組成物を調製した。
Figure 2021085128
表3中、各種略語は以下のとおりである。表3中、分散液の数値は、固形分量基準の配合量を意味する。
シアン顔料:C.I.ピグメントブルー15:3
タケラックWS−6021:ウレタン樹脂エマルション「タケラックWS−6021」(製品名、三井化学株式会社製)
BYK−348:シリコーン系界面活性剤「BYK−348」(製品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)
2−ピロリドン:標準沸点245℃
グリセリン:標準沸点290℃
トリエチレングリコール:標準沸点287℃
BTG:トリエチレングリコールブチルエーテル(標準沸点272℃)
−インクジェット捺染方法(実施例1〜14、比較例1〜7)−
下記の各種評価方法に示す方法により、インクジェット捺染方法を実施した。インクジェットプリンタ「SC−F2000」(製品名、セイコーエプソン株式会社製)のインクカートリッジに表4に示すインク組成物を充填し、印刷を行った。なお、表中カラーインク組成物と、ホワイトインク組成物が示されている場合、ホワイトインク組成物、及びカラーインク組成物をそれぞれ別のインクカートリッジに充填し、ホワイトインク組成物、カラーインク組成物の順に印刷を行った。表4中に示す、各種処理液について、前述の凝集性の試験を行った。その結果を表4に示す。
−評価−
――第2処理剤塗布後の凝集物――
297mm×420mmの面積に第1処理剤30gをローラー塗布後、コンベア乾燥炉「Economax D」(製品名、M&R社製)を用いて、160℃で5分間加熱乾燥処理を施し、25℃に戻した布帛を5枚用意した。次に、第1処理塗布部位に重なるように297mm×420mmの面積に第2処理剤30gをローラー塗布し、上記コンベア乾燥炉で乾燥させる第2処理工程を、5枚すべての布帛に対して同一作業場所で連続して実施した後、それぞれの布帛に対して、第2処理剤乾燥物と同色の付着物を目視で確認した。付着物を確認した場合、FT―IR分光装置「iN10」(製品名、Thermo Fisher社製)を用いて付着物のFT―IRスペクトラムを取得し、第2処理剤乾燥物のFT―IRスペクトラム上のピークをすべて含む場合は第2処理剤の凝集物と判定した。
(評価処理)
A:第2処理剤の凝集物が付着している布帛がない
D:第2処理剤の凝集物が付着している布帛が1枚以上
――吐出信頼性――
インクジェット記録装置を用いて、印刷条件は1440dpi×720dpiの解像度で210mm×297mmの面積5%をベタ画像で塗りつぶすチャートを、連続して15枚の白色の綿ブロード布に印刷し、印刷後のカラーインク組成物を吐出した各ノズルの吐出乱れから評価した。
(評価基準)
A :吐出乱れなし
D :吐出乱れ、又は吐出しないノズルあり
――摩擦堅牢度――
297mm×420mmの面積に第1処理剤30gをローラー塗布後、コンベア乾燥炉「Economax D」(製品名、M&R社製)を用いて、160℃で5分間加熱乾燥処理を施し、25℃に戻した布帛を用意した。インクジェット記録装置を用いて、第1処理済み布帛の一方の面に、表4中、ホワイトインク組成物の種類及び付着量が記載されている場合には、ホワイトインクを吐出し、各例のカラーインク組成物を塗布密度が39mg/inch2となるように吐出し、その後、コンベア乾燥炉「Economax D」(製品名、M&R社製)を用いて、綿布の場合は160℃、ポリエステル布の場合は130℃で10分間加熱乾燥処理を施し、25℃に戻して捺染物を得た。捺染物を充分に放置してなじませた。
その後、各捺染物の摩擦堅牢度試験を、JIS L0849:2013摩擦試験機II型に準じ、学振型摩擦堅牢度試験機「AB−301」(製品名、テスター産業株式会社製)を用いて実施した。摩擦堅牢度試験において、荷重は、200gとし、往復回数は、100回とし、摩擦布は、JIS染色堅牢度試験用白布(JIS L 0803:2011準拠3−1号、金巾3号)を用いた。級判定は、染色用グレースケールを用いて目視で行い、捺染物の摩擦堅牢度を評価した。評価基準を以下に示す。なお、摩擦堅牢度は、乾燥摩擦堅牢度及び湿潤摩擦堅牢度の評価を行いそれぞれ以下の基準で判定した。
(評価基準)
S :5級以上
A+:4−5級
A :4級
A−:3−4級
B :2−3級又は3級
C :1−2級又は2級
D :1級
なお、上記表基準において、乾燥摩擦堅牢度ではポリエステル布と綿布ともにA−以上であれば良好と判断し、湿潤摩擦堅牢度ではポリエステル布に対してはC以上であれば良好と判断し、綿布に対してはA−以上であれば良好と判断した。
Figure 2021085128
Figure 2021085128
Figure 2021085128
表4中、使用した布帛は以下のとおりである。
C1:白色綿布
C2:白色ポリエステル布
C3:黒色ポリエステル布
以上の実施例及び比較例の対比から、本実施形態に係るインクジェット捺染方法で、捺染物の優れた摩擦堅牢性を得ながら、捺染物上での凝集物の生成の抑制を抑制し、さらに、優れた吐出信頼性を得ることができることがわかる。
実施例1と比較例1との対比から、第1処理剤及び第2処理剤が混合凝集性を有さないことで、第2処理剤塗布後の凝集物の発生が抑制されることがわかる。
実施例1と比較例2との対比から、第2処理剤を塗布することで、捺染物の摩擦堅牢性が向上することがわかる。実施例1と比較例3との対比から、第2処理剤が滑剤を含むことで、捺染物の乾燥状態における摩擦堅牢性が向上することがわかる。実施例1と比較例4との対比から、第2処理剤が樹脂粒子を含むことで、捺染物の湿潤状態における摩擦堅牢性が向上することがわかる。
実施例1及び2と比較例5との対比から、インク組成物が高沸点有機溶剤を20.0質量%以上含有することで、優れた吐出信頼性が得られることがわかる。
実施例1、3及び4の結果から、第1処理剤に含まれる成分として、種々のカチオン性物質を用いた場合であっても、本実施形態に係るインクジェット捺染方法によれば、捺染物の優れた摩擦堅牢性を得ながら、捺染物上での凝集物の生成の抑制を抑制し、さらに、優れた吐出信頼性を得られることがわかる。
実施例1、及び6〜8の結果から、第1処理剤に含まれる成分として、種々の水溶性樹脂を用いた場合であっても、本実施形態に係るインクジェット捺染方法によれば、捺染物の優れた摩擦堅牢性を得ながら、捺染物上での凝集物の生成の抑制を抑制し、さらに、優れた吐出信頼性を得られることがわかる。
実施例1、9、及び10の結果から、第2処理剤に含まれる成分として、種々の樹脂粒子を用いた場合であっても、本実施形態に係るインクジェット捺染方法によれば、捺染物の優れた摩擦堅牢性を得ながら、捺染物上での凝集物の生成の抑制を抑制し、さらに、優れた吐出信頼性を得られることがわかる。実施例10の結果から、カチオン性物質及び第2処理剤の混合凝集性を有しながら、第1処理剤及び第2処理剤の混合凝集性を有しない、処理液の組み合わせにおいては、湿潤状態において特に優れた摩擦堅牢性を示すことがわかる。
実施例11及び比較例6の結果から、ポリエステルを含む布帛を用いた場合であっても、本実施形態に係るインクジェット捺染方法によれば、捺染物の優れた摩擦堅牢性を得ながら、捺染物上での凝集物の生成の抑制を抑制し、さらに、優れた吐出信頼性を得られることがわかる。
実施例12及び比較例7の結果から、黒色のポリエステルを含む布帛を用い、且つ、ホワイトインク組成物を使用した場合であっても、本実施形態に係るインクジェット捺染方法によれば、捺染物の優れた摩擦堅牢性を得ながら、捺染物上での凝集物の生成の抑制を抑制し、さらに、優れた吐出信頼性を得られることがわかる。
実施例12及び13の結果から、ホワイトインク組成物の付着量を変更しても、本実施形態に係るインクジェット捺染方法によれば、捺染物の優れた摩擦堅牢性を得ながら、捺染物上での凝集物の生成の抑制を抑制し、さらに、優れた吐出信頼性を得られることがわかる。
実施例13及び14の結果から、第2処理剤に含まれる成分として、種々の樹脂粒子を用いた場合であっても、本実施形態に係るインクジェット捺染方法によれば、捺染物の優れた摩擦堅牢性を得ながら、捺染物上での凝集物の生成の抑制を抑制し、さらに、優れた吐出信頼性を得られることがわかる。

Claims (11)

  1. インクジェット捺染方法であって、
    カチオン性物質を含有する第1処理剤を含む布帛に、インク組成物をインクジェット塗布する工程と、
    前記布帛に、第2処理剤を塗布する工程と、を含み、
    前記インク組成物は、標準沸点170℃以上の有機溶剤を前記インク組成物の総量に対し20.0質量%以上含有し、
    前記第2処理剤は、樹脂粒子と滑剤とを含有し、
    前記第1処理剤及び前記第2処理剤は、互いを混合した際に沈殿物及び浮遊物を生成しない、インクジェット捺染方法。
  2. 前記カチオン性物質は、多価金属塩を含有する、請求項1に記載のインクジェット捺染方法。
  3. 前記第1処理剤は、水溶性樹脂を含有する、請求項1又は2に記載のインクジェット捺染方法。
  4. 前記水溶性樹脂は、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、及びポリエチレンオキシドから選択される1種以上である、請求項3に記載のインクジェット捺染方法。
  5. 前記滑剤が、ワックスである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
  6. 前記布帛が、ポリエステルを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
  7. 前記インク組成物が、白色顔料を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
  8. 前記インク組成物の付着量が1.0mg/inch2以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
  9. 前記カチオン性物質及び前記第2処理剤は、互いを混合した際に沈殿物及び浮遊物を生成する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
  10. 前記インク組成物をインクジェット塗布する工程の前に、
    前記布帛に前記第1処理剤を塗布する工程を、含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
  11. インクジェット捺染組成物セットであって、
    カチオン性物質を含む第1処理剤と、
    インク組成物と、
    第2処理剤と、を含み、
    前記インク組成物は、標準沸点170℃以上の有機溶剤を前記インク組成物の総量に対し20質量%以上含有し、
    前記第2処理剤は、樹脂粒子と滑剤とを含有し、
    前記第1処理剤及び前記第2処理剤は、互いを混合した際に沈殿物及び浮遊物を生成しない、インクジェット捺染組成物セット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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