JP2021085126A - 清掃シート及び当該清掃シートの製造方法 - Google Patents

清掃シート及び当該清掃シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水解性を損なうことなく接着強度に優れた多層構造の清掃シート及び当該清掃シートの製造方法を提供する。【解決手段】トイレクリーナーSの製造過程において、水解性の繊維集合体からなる原紙シートPの片面の縁部の対向する2辺に0.2〜2.0g/m2のセルロースナノファイバーを含有させるか、原紙シートPの片面の全面に1.0〜2.0g/m2の機械処理、あるいは酵素処理のセルロースナノファイバーを含有させ、接着部に別の原紙シートPを重ね合わせ、十分に熱乾燥することで、コンタクトエンボスにより原紙シートP同士を貼り合わせた場合と同等の水解性でありながら、接着強度に優れたトイレクリーナーSを形成することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、清掃シート及び当該清掃シートの製造方法に関する。
水解性の清掃シートを製造するために原紙シートを多層構造にする方法には、ホットメルト接着剤で接着する方法や(特許文献1参照)、コンタクトエンボスをする方法などがある(特許文献2参照)。
特開2002−200726号公報 特開2019−103552号公報
しかし、ホットメルト接着剤で接着する場合、特有の臭いが生じる、接着面が固くなる等の問題がある。また、コンタクトエンボスで接着する場合、紙に穴を開けて交絡させているため、力を加えると清掃シートが穴から破れてしまうことがあるという問題がある。
本発明の目的は、水解性を損なうことなく接着強度に優れた多層構造の清掃シート及び当該清掃シートの製造方法を提供することである。
請求項1に記載の発明は、水解性の繊維集合体からなる複数の原紙シートが積層されてなる多層構造の清掃シートであって、
隣り合う前記原紙シート同士が接着された接着部を有し、
前記接着部は、セルロースナノファイバーを含有し、
前記セルロースナノファイバーの含有量は、0.2〜2.0g/mであり、
前記接着部は、前記原紙シートの縁部のうち、少なくとも対向する縁部にあることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、水解性の繊維集合体からなる複数の原紙シートが積層されてなる多層構造の清掃シートであって、
隣り合う前記原紙シート同士が接着された接着部を有し、
前記接着部は、セルロースナノファイバーを含有し、
前記セルロースナノファイバーの含有量は、1.0〜2.0g/mであり、
前記接着部は、前記原紙シートの全面にあり、
前記セルロースナノファイバーは、機械処理又は酵素処理されたもののいずれかであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の清掃シートであって、
前記原紙シートは、水溶性バインダーを含み、
前記清掃シートは、ウェットシートであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、清掃シートの製造方法であって、
濃度2.0%以下のセルロースナノファイバー溶液を設定されたパターンに従って原紙シートに塗布する塗布ステップと、
セルロースナノファイバー溶液が塗布された原紙シートの塗布面と別の原紙シートとが接触するように重ね合わせる重ね合わせステップと、
重ね合わされた原紙シートを熱乾燥させて接着する乾燥ステップと、
を有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の清掃シートの製造方法であって、
前記清掃シートの製造方法は、薬液を含浸させる薬液含浸ステップを有することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の清掃シートの製造方法であって、
前記塗布ステップは、スプレーにより塗布することを特徴とする。
本発明によれば、水解性を損なうことなく接着強度に優れた多層構造の清掃シート及び当該清掃シートの製造方法を提供することができる。
実施形態に係る清掃シートの製造方法の一例を示す図である。 実施形態に係る清掃シートの一例を示す図である。 (a)は、従来の紙の繊維配向を示す図、(b)は、本発明の繊維配向を示す図である。 トイレクリーナーのエンボス部分の拡大図及び断面図である。 エンボスの接触面積の一例を示す説明図である。
以下、図1から図5を参照しつつ、本発明の実施形態である清掃シートについて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
なお、清掃シートは、水解性シートとしてのトイレクリーナーを一例として説明するが、清掃シートには、清拭用途の薬液を含浸させたウェットティシューなど、他の清掃シートなども含まれる。
また、便宜的に、図2及び図3に示したように、X方向及びY方向並びに上下方向及び左右方向を定めて説明する。
[本実施形態]
本発明に係るトイレクリーナーSは、例えば複数枚の原紙シートPの片面に対して、精製水にセルロースナノファイバー(以下、CNF)を添加した溶液を塗布し、塗布面に別の原紙シートPを重ね合わせて積層させ、熱乾燥することで接着させ、多層構造にしたものであって、所定の薬液が含浸されているウェットタイプのトイレクリーナーSであることが好ましい。
[原紙シート]
原紙シートPは、例えば、図1(a)に示すように、縁部のうち、対向する縁部にある接着部1と、それ以外の非接着部2と、を備えている
接着部1は、CNF溶液が塗布されており、親水性及び吸湿性が非接着部2よりも高くなっている。
非接着部2は、CNF溶液が塗布されていない部分であり、接着部1に比べて親水性及び吸湿性が低くなっている。
また、原紙シートPは、図1(b)に示すように、略全面にCNF溶液が塗布され、接着部1のみを備えるようにしてもよい。
なお、ここでいう縁部とは、シート端からシート中心部までの一部分であり、接着部分はシート端から25%〜0%の距離に形成させるのが好ましく、さらにシート端から5%〜1%の距離に形成させるのがより好ましい。
また、本実施形態におけるCNF溶液の塗布は、連続的な塗布形態に限られず、断続的な塗布形態でも構わない。その場合、1辺または全面の内70%〜100%に塗布するのが好ましく、90%〜100%に塗布するのがより好ましい。
接着部1におけるCNFの含有量は、0.2〜2.0g/mであり、より好ましくは、1.0〜2.0g/mである。
含有量が0.2g/mを下回ると、コンタクトエンボスした場合よりも接着強度が低くなるためであり、含有量が2.0g/mを超えると、CNFを含有していないものと比べて水解性が著しく劣化するためである。
(CNF)
ここで、CNFとは、パルプ繊維を解繊して得られる微細なセルロース繊維をいい、一般的に繊維幅がナノサイズ(1nm以上、1000nm以下)のセルロース微細繊維を含むセルロース繊維をいうが、平均繊維幅は、100nm以下の繊維が好ましい。平均繊維幅の算出は、例えば、一定数の数平均、メジアン、モード径(最頻値)などを用いる。
CNFは、原紙シートPの厚み方向に均一に含浸された状態でも良いが、原紙シートPの厚み方向の中央から表面及び裏面に向かうにつれてCNFの含有量が徐々に増加した状態となっていることが好ましい。これにより、トイレクリーナーSは、同量の水溶性バインダーを均一に含浸させた従来品に比べて便器の縁等を強く擦っても破れにくくなるからである。
(CNFに使用可能なパルプ繊維)
CNFの製造に使用可能なパルプ繊維としては、広葉樹パルプ(LBKP)、針葉樹パルプ(NBKP)等の化学パルプ、晒サーモメカニカルパルプ(BTMP)、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)等の機械パルプ、茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙、更紙古紙等から製造される古紙パルプ、古紙パルプを脱墨処理した脱墨パルプ(DIP)などが挙げられる。これらは、本発明の効果を損なわない限り、単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
(CNFの解繊方法)
CNFの製造に用いられる解繊方法としては、例えば、高圧ホモジナイザー法、マイクロフリュイダイザー法、グラインダー磨砕法、ビーズミル凍結粉砕法、超音波解繊法等の機械的手法が挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。
なお、上記解繊方法などにより機械的処理のみ施した(変性させていない)CNF、即ち、官能基未修飾のCNFは、リン酸基やカルボキシメチル基などの官能基修飾されたものに対し、熱安定性が高いため、より幅広い用途に使用可能であるが、リン酸基やカルボキシメチル基などの官能基修飾されたCNFを本発明に使用することも可能である。
また、例えば、パルプ繊維に対して機械的手法の解繊処理を施したものに、カルボキシメチル化等の化学的処理を施しても良いし、酵素処理を施してもよい。化学的処理を施したCNFとしては、例えば、TEMPO酸化CNF、リン酸エステル化CNF、亜リン酸エステル化CNF等の、直径が3〜4nmとなるiCNF(individualized CNF)(シングルナノセルロース)が挙げられる。
また、化学的処理や酵素処理のみを施したCNFや、化学的処理や酵素処理を施したCNFに、機械的手法の解繊処理を施したCNFでもよい。
原紙シートPの1枚あたりの目付け量は、30〜150g/m程度である。なお、目付け量は、JIS P8124に基づくものである。
[繊維集合体]
また、本実施形態のトイレクリーナーSは、トイレ等を掃除した後そのまま便器の水溜まりに廃棄できるよう、原紙シートPが水解性の繊維集合体から構成されている。
原紙シートPの原料となる繊維集合体は、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)を適宜の割合で配合したものが適する。
より好ましくは、広葉樹晒クラフトパルプの配合割合が50質量%を超えるもの、すなわち広葉樹晒クラフトパルプに対する針葉樹晒クラフトパルプの配合比が1/1未満となるものがあげられる。針葉樹晒クラフトパルプに対する広葉樹晒クラフトパルプの配合比を多くすることで、繊維間隙間が減少し、水分蒸散が抑制されるため、トイレクリーナーSの乾きにくさを向上させることができる。
また、粉砕されたパルプからなるシート、粉砕パルプを水解紙で覆ったり、挟んだりしたシートにより構成されていてもよい。
[水溶性バインダー]
また、原紙シートPには紙力増強のための水溶性バインダーが付与されている。水溶性バインダーとしては、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、デンプンまたはその誘導体、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、トラントガム、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、カラギーナン、ガラクトマンナン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、プルプラン、ポリエチレンオキシド、ビスコース、ポリビニルエチルエーテル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸のヒドロキシル化誘導体、ポリビニルピロリドン/ビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体等のバインダー成分が挙げられる。
特に、水解性が良好となる点や架橋反応により湿潤強度を発現しうる点からカルボキシル基を有する水溶性バインダーを用いることが好ましい。
カルボキシル基を有する水溶性バインダーは、水中で容易にカルボキシラートを生成するアニオン性の水溶性バインダーである。その例としては多糖誘導体、合成高分子、天然物が挙げられる。
(多糖誘導体)
多糖誘導体としてはカルボキシメチルセルロースの塩、カルボキシエチルセルロース又はその塩、カルボキシメチル化デンプン又はその塩などが挙げられ、特にカルボキシメチルセルロース(CMC)のアルカリ金属塩が好ましい。
(CMC)
CMCについては、そのエーテル化度が0.6〜2.0、特に0.9〜1.8、更に好ましくは1.0〜1.5であるのが望ましい。水解性と湿潤紙力の発現が極めて良好となるためである。
また、CMCは、水膨潤性のものを用いることが好ましい。これは、薬液中の架橋剤である特定金属イオンとの架橋により、未膨潤化のまま原紙シートPを構成する繊維をつなぎとめる機能を発揮し、清掃・清拭作業に耐えうるトイレ用清掃シートとしての強度を発現することができるからである。
本実施形態の原紙シートPの場合には、水溶性バインダーとして、CMCが付与されている。
CMCは、原紙シートPの厚み方向に均一に含浸された状態でも良いが、原紙シートPの厚み方向の中央から表面及び裏面に向かうにつれてCMCの含有量が徐々に増加した状態となっていることが好ましい。これにより、トイレクリーナーSは、同量の水溶性バインダーを均一に含浸させた従来品に比べて便器の縁等を強く擦っても破れにくくなるからである。
(合成高分子)
合成高分子としては、不飽和カルボン酸の重合体又は共重合体の塩、不飽和カルボン酸と該不飽和カルボン酸と共重合可能な単量体との共重合体の塩などが挙げられる。不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸などが挙げられる。これらと共重合可能な単量体としては、これら不飽和カルボン酸のエステル、酢酸ビニル、エチレン、アクリルアミド、ビニルエーテルなどが挙げられる。特に好ましい合成高分子は、不飽和カルボン酸としてアクリル酸やメタクリル酸を用いたものであり、具体的にはポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸メタクリル酸共重合体の塩、アクリル酸又はメタクリル酸とアクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキルとの共重合体の塩が挙げられる。
(天然物)
天然物としては、アルギン酸ナトリウム、ザンサンガム、ジェランガム、タラガントガム、ペクチンなどが挙げられる。
また、原紙シートPには、CNFを添加することができる。
即ち、水溶性バインダー(本実施形態の場合には、CMC)には、CNFを添加することができ、原紙シートPの比表面積はパルプのみの組成のものより大きくなる。
[繊維配向の比率]
また、トイレクリーナーSの縦横の繊維配向の比率(縦/横)については、特に限定するものではないが、0.8〜2.0であることが好ましく、0.8〜1.2であることがより好ましい。
紙の製造工程である抄紙工程においては抄紙機のワイヤーの上に繊維を敷き詰めて搬送方向に流すため、一般的には、紙は、抄紙機の搬送方向である縦方向に多くの繊維が並んでいる(例えば、縦:横=2.3:1等。図3(a)参照)という特性がある。そのため、横方向の繊維密度が薄く繊維が断裂しやすい。即ち、拭くときの方向によって破れやすい。そこで、本実施形態においては、図3(b)に示すように、トイレクリーナーSの縦横の繊維配向比率を0.8〜2.0、好ましくは、0.8〜1.2とすることで、どの方向から拭いても破れにくいトイレクリーナーSを提供することができる。なお、縦横の繊維配向の比率は、MD及びCD方向の湿潤強度の比により求めることができる。
[薬液]
また、本実施形態のトイレクリーナーSには、水溶性バインダー(本実施形態のトイレクリーナーSの場合には、CMC)と架橋する架橋剤を含む所定の薬液が含浸されている。なお、薬液には、この他、グリコールエーテル類、水性洗浄剤、防腐剤、除菌剤、有機溶剤等の補助剤が含まれる。
当該薬液は、水溶性バインダーが含浸された後に、乾燥された原紙シートPに対して、含浸される。
また、薬液は、トイレクリーナーSの基材である原紙シートPの質量に対して100〜500質量%含浸させるが、好ましくは150〜300質量%である。
(架橋剤)
架橋剤としては、ホウ酸、種々の金属イオン等を使用することができるが、CMCを水溶性バインダーとして用いた場合、多価金属イオンを用いることが好ましい。特に、アルカリ土類金属、マンガン、亜鉛、コバルト及びニッケルからなる群から選択される1種又は2種以上の多価金属イオンを用いることが、繊維間が十分に結合されて使用に耐え得る湿潤強度が発現する点、及び水解性が十分になる点から好ましい。これらの金属イオンのうち、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、コバルト、ニッケルのイオンを用いることが特に好ましい。
(グリコールエーテル類)
グリコールエーテル類とは、2価アルコールであるグリコールの片末端、あるいは両末端の水酸基をエーテル化した構造であり、分子内に疎水性のアルキル基並びに親水性のエーテル基及び水酸基を有する化合物であり、界面活性剤に比べ分子量が小さく、従来の界面活性剤のみを含んだ洗剤よりも動的表面張力が低いため、薬液と汚れとの間の界面形成をより速く起こすことができる。また、グリコールエーテル類は、疎水性の油分や汚れと水を相溶化するカップリング剤としても働き、汚れを引き離し、再付着することを防止することができる。そのため、薬液にグリコールエーテル類を添加することで、トイレクリーナーSの拭き取り性能を向上させることができる。
本発明における薬液には、グリコールエーテル類であるプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DGME)、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール モノメチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、ジエチレングリコール モノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等が含まれている。
特に、PGMEは、通常、洗浄成分として添加され洗浄力が向上することが知られているが、直接シート強度を向上する効果を示し、CMCと多価金属イオンによるシート強度向上効果を高める効果を持っている。その結果、高い消臭効果を奏するものと考えられる。PGMEの付与量は、20〜60g/mであるのが好ましく、より好ましくは26〜40g/mである。20g/m未満であると消臭効果が十分得られない。また、60g/mよりも多く付与しても、60g/m付与した場合よりも大きな消臭効果は得られない。
DGMEは、PGMEと同様に、シート強度を向上する効果を有する補助剤である。DGMEの付与量は、5〜30g/mであるのが好ましく、より好ましくは10〜20g/mである。
ただし、最もシート強度を向上させることができるDGMEのみを添加した場合、使用者の手の脂を拭き取ってしまい、手荒れに繋がる恐れがある。そのため、手荒れを防ぎつつ、シート強度を向上させるために、DGME以外にPGME等のグリコールエーテル類を薬液に適正な配合で調合する必要がある。
(水性洗浄剤)
水性洗浄剤としては、例えば、界面活性剤の他、低級又は高級(脂肪族)アルコールを使用することができる。
(防腐剤)
防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン等のパラベン類を使用することができる。
(除菌剤)
除菌剤としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、ポピドンヨード、エタノール、セチル酸化ベンザニウム、トリクロサン、クロルキシレノール、イソプロピルメチルフェノール等を使用することができる。有機溶剤としては、グリコール(2価)、グリセリン(3価)、ソルビトール(4価)等の多価アルコールを使用することができる。
また、上述した薬液の成分の補助剤については適宜選択可能であり、必要に応じて他の機能を果たす成分を薬液に含ませてもよい。例えば、防腐剤や除菌剤を可溶化する補助剤としてプロピレングリコール(PG)を使用することができる。
[エンボス]
また、トイレクリーナーSの表面は原紙シートPのままでも良いが、エンボス加工が施されていることが好ましく、トイレクリーナーSの場合、例えば、図2に示す通り、2種類のエンボスEM11及びEM12がエンボス加工により施されている。
エンボスの形状、数、面積率等は任意であるが、トイレクリーナーSの場合、エンボスEM11は、菱形格子となるように配置されており、これにより、エンボスEM11が正方格子や矩形格子に配置される場合と比較して拭きムラを軽減することができる。また、エンボスEM12は、エンボスEM11の間に配置されている。
エンボスEM11は、図4(a)に示すように、膨出部PR21が曲面の形状を有している。
また、エンボスEM12は、図4(b)に示すように、膨出部PR22が平面の形状を有している。
そして、エンボスEM12は、エンボスEM11の間に配置されているので、エンボスEM11の膨出部PR21及びエンボスEM12の膨出部PR22は近接して密着することにより、図4(c)に示すように連なったエンボスEM21として形成されることになる。
また、エンボスEM11の膨出部PR21とエンボスEM12の膨出部PR22が近接するだけであって、連なっていない場合であってもよい。
このように形成された2種類のエンボスEM11及びEM12により、清掃対象物等との接触面積を増やすことができるので、トイレクリーナーSの硬さが緩和されて、拭き取り性能が高くなる。
すなわち、トイレクリーナーSの全面に、膨出部PR21が曲面であるエンボスEM11と、膨出部PR22が平面であるエンボスEM12を組み合わせて形成することにより、拭き取り作業時にトイレクリーナーSに力が加わった時点で各エンボスが変形して、初めて接触面積が増加することになるので、接触面積を増加させると共に、各エンボスの変形に起因して、しなやかさも向上することになる。
例えば、図5(a)に示すように、単一のエンボスEM11の場合には、拭き取り作業時にトイレクリーナーSに加わる力によりエンボスEM11が変形して生じる接触面積CN31は、エンボスEM11近傍に離散的に生じる。これに対して、2種類のエンボスEM11及びEM12を組み合わせた場合には、図5(b)に示すように、拭き取り作業時にトイレクリーナーSに加わる力によりエンボスEM11及びEM12が変形して生じる接触面積SN32は、図5(a)の接触面積CN31と比較して、増加することがわかる。
また、2種類のエンボスEM11及びEM12は、通常のエンボスの効果を同様に得ることができ、トイレクリーナーSの風合い、吸収性及び嵩高性等を向上させることができる。さらに、連なったエンボスEM21は、通常のエンボスと同様に、エンボスを施すことによる見栄えの良さの効果も得ることができる。
また、トイレクリーナーSは、折り加工されることにより、Y方向の中央部で2つ折りに折り畳まれる。そして、折り畳まれた状態で保管用のプラスチックケースや包装フィルム内等に保管され、使用時には必要に応じて広げて使用される。なお、トイレクリーナーSの折り畳み方は、2つ折りに限ることはなく、例えば、4つ折りにしても良く8つ折りにしても良い。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[サンプル作成]
まず、秤量43g/mで100mm×100mmの原紙シートP(繊維配合;NBKP:50%以下、LBKP:50%以上)を準備した。
次いで、実施例1―20及び比較例1―20の条件で、2枚の原紙シートP同士を貼り合わせ、60℃に設定した恒温槽に24時間静置して熱乾燥させ、トイレクリーナーSを作成した。
なお、実施例17−20及び比較例12−20の原紙シートPには、抄紙工程において水溶性バインダーとしてCMCが約1g/m添加されている。
実施例1―20及び比較例1―20の条件は以下の通りである。
なお、以下の各実施例及び比較例において、「CNF溶液」は、精製水と各種CNFのみを混合した水溶液である。
(実施例1)
図1(a)に示すように、マイクロピペット(ニチペット EXII00−NPX2−1000)で、1枚の原紙シートPの縁部の対向する2辺に、それぞれ濃度0.10%の機械処理CNF溶液を、幅1cmとなるよう1gずつ、計2g塗布した(CNF含有量:0.2g/m)。
(実施例2)
1枚の原紙シートPの縁部の対向する2辺に、それぞれ濃度0.25%の機械処理CNF溶液を1gずつ、計2g塗布した(CNF含有量:0.5g/m)。
他の条件は実施例1と同じである。
(実施例3)
1枚の原紙シートPの縁部の対向する2辺に、それぞれ濃度0.50%の機械処理CNF溶液を1gずつ、計2g塗布した(CNF含有量:1.0g/m)。
他の条件は実施例1と同じである。
(実施例4)
1枚の原紙シートPの縁部の対向する2辺に、それぞれ濃度1.00%の機械処理CNF溶液を1gずつ、計2g塗布した(CNF含有量:2.0g/m)。
他の条件は実施例1と同じである。
(実施例5−8)
塗布した溶液は、酵素処理CNF溶液である。
他の条件は実施例1−4とそれぞれ同じである。
(実施例9―12)
塗布した溶液は、TEMPO処理CNF溶液である。
他の条件は実施例1−4とそれぞれ同じである。
(実施例13)
図1(b)に示すように、1枚の原紙シートPの全面に、濃度0.50%の機械処理CNF溶液を2gスプレー塗布した(CNF含有量:1.0g/m)。
(実施例14)
図1(b)に示すように、1枚の原紙シートPの全面に、濃度1.00%の機械処理CNF溶液を2gスプレー塗布した(CNF含有量:2.0g/m)。
(実施例15−16)
塗布した溶液は、酵素処理CNF溶液である。
他の条件は実施例13−14とそれぞれ同じである。
(実施例17−20)
原紙シートPには、抄紙工程においてCMCが約1g/m添加されている。
他の条件は実施例13−16とそれぞれ同じである。
(比較例1)
コンタクトエンボスにより原紙シートP同士を貼り合わせた。
(比較例2)
1枚の原紙シートPの縁部の対向する2辺に、各辺につき濃度0.05%の機械処理CNF溶液を1gずつ、計2g塗布した(CNF含有量:0.1g/m)。
他の条件は実施例1と同じである。
(比較例3)
図1(b)に示すように、1枚の原紙シートPの全面に、精製水を2gスプレー塗布した。
(比較例4)
図1(b)に示すように、1枚の原紙シートPの全面に、濃度0.10%の機械処理CNF溶液を2gスプレー塗布した(CNF含有量:0.2g/m)。
(比較例5)
図1(b)に示すように、1枚の原紙シートPの全面に、濃度1.20%の機械処理CNF溶液を2gスプレー塗布した(CNF含有量:2.4g/m)。
(比較例6−7)
塗布した溶液は、酵素処理CNF溶液である。
他の条件は比較例4−5とそれぞれ同じである。
(比較例8)
図1(b)に示すように、1枚の原紙シートPの全面に、濃度0.10%のTEMPO処理CNF溶液を2gスプレー塗布した(CNF含有量:0.2g/m)。
(比較例9)
図1(b)に示すように、1枚の原紙シートPの全面に、濃度0.50%のTEMPO処理CNF溶液を2gスプレー塗布した(CNF含有量:1.0g/m)。
(比較例10)
図1(b)に示すように、1枚の原紙シートPの全面に、濃度1.00%のTEMPO処理CNF溶液を2gスプレー塗布した(CNF含有量:2.0g/m)。
(比較例11)
図1(b)に示すように、1枚の原紙シートPの全面に、濃度1.20%のTEMPO処理CNF溶液を2gスプレー塗布した(CNF含有量:2.4g/m)。
(比較例12―20)
原紙シートPには、抄紙工程においてCMCが約1g/m添加されている。
他の条件は比較例3−11とそれぞれ同じである。
上記実施例及び比較例のシートを用いて、以下の試験1−5を行った。
[試験1.部分塗布かつドライ時の接着強度試験]
実施例1−12及び比較例1−2につき、以下の試験を行った。
[評価方法]
実施例1−12及び比較例1−2に対応するサンプルを25mm幅にカットしたものを試験片とする。
引張試験機(A&D社製のTENSIRON RTG1210)を用いて、接着させた試験片の両端を引張試験機のチャックで挟み、チャック間距離50mm、速度500mm/minの条件で、各接着箇所のシート材同士の接着が剥がれるときの最大荷重点を測定する。このような試験を各実施例及び各比較例を用いて8回ずつ行い、接着強度の平均値を算出した。
[試験2.部分塗布かつドライ時の水解性試験]
実施例1−12及び比較例1−2につき、以下の試験を行った。
[評価方法]
300mlビーカーに撹拌子と、水温約25℃の精製水を300ml加え、撹拌子を600rpmになるように撹拌させる。その後、ビーカー内に丸めた実施例1−12及び比較例1−2に対応するサンプルをそれぞれ投入し、撹拌子が500rpm以下になったタイミングを始点とし、540rpm以上になるまでの時間を測定する。このような実験を4回ずつ行い、水解性の平均値を算出する。このとき、比較例1と比較して、10秒以上遅い場合を×、10秒から0秒遅い場合を〇、同じかそれ以下を◎とした。
試験1、2の結果を表I―IIIに示す。
Figure 2021085126
Figure 2021085126
Figure 2021085126
[評価]
表I―IIIの実施例と比較例を比較すると、CNFを0.2〜2.0g/mの範囲で、原紙シートPの縁部の対向する2辺に添加することで、コンタクトエンボスを行った場合と同等の水解性を有しつつ、コンタクトエンボスを行った場合以上に原紙シートP同士の接着強度を高められることがわかる。
これは、CNFの原料が紙と同様にパルプであり、水解性を有すると同時に、CNFが高い吸湿性を持つからであると考えられる。
また、表I―IIIの実施例を比較すると、CNFの含有量が0.2g/mの場合は機械処理CNF溶液を塗布した時が最も接着強度が強くなるが、それ以外の場合は、TEMPO処理CNF溶液を塗布した時が最も接着強度が強くなることがわかる。
これは、機械処理CNF、酵素処理CNF、TEMPO処理CNFの順に繊維長が短くなり、繊維長が短いほどパルプとの親和性が高まるからと考えられる。
また、解繊方法に関わらず、CNFの含有量を増やすにつれて、接着強度も高くなることがわかる。
[試験3.全面塗布かつドライ時の接着強度評価]
実施例13−16、比較例3−11に対応するサンプルにつき、試験1と同様の試験を行った。
[試験4.全面塗布かつドライ時の水解性評価]
実施例13−16、比較例3−11に対応するサンプルにつき、試験2と同様の試験を行った。
試験3−4の結果を表IV−VIに示す。
Figure 2021085126
Figure 2021085126
Figure 2021085126
[評価]
表VI−IVの実施例13−16と、表Iの比較例1を比較すると、機械処理CNF又は酵素処理CNFを1.0〜2.0g/mの範囲で、原紙シートPの全面に塗布することで、コンタクトエンボスを行った場合と同等の水解性を有しつつ、コンタクトエンボスを行った場合以上に原紙シートP同士の接着強度を高められることがわかる。
また、全面塗布かつドライの場合も、CNFの含有量を増やすにつれて、接着強度も高くなることがわかる。
これは、CNFが高い吸湿性を持つからであると考えられる。
また、表Iの比較例1及び表IIIの実施例11−12、表VIの比較例9−10を比較すると、TEMPO処理CNF溶液を塗布する場合は、1枚の原紙シートPの縁部の対向する2辺に塗布した場合のみ、コンタクトエンボスを行った場合と同等の水解性を有するようになることがわかる。
これは、縁部の対向する2辺に塗布の場合、接着部以外は浸水しやすいため問題なく解繊するが、全面塗布の場合、TEMPO処理CNFの繊維径がより小さく、原紙シートのパルプ繊維と緻密な交絡を形成し、原紙シートの内側に浸水しにくく(解繊しにくく)なるためであると考えられる。
[試験5.全面塗布で接着したウェットシートの引張強度評価]
実施例17−20、比較例12−20に対応するサンプルに対して、精製水を約80%、架橋剤を約4%、グリコールエーテル類を約15%、水性洗浄剤を約0.5%、除菌剤を約0.5%配合した薬液を、トイレクリーナーSの乾燥重量に対して200質量%含浸させ、引張試験機(A&D社製のTENSIRON RTG1210)を用いて、接着させた試験片の両端を引張試験機のチャックで挟み、チャック間距離50mm、速度500mm/minの条件で、トイレクリーナーSが破断するときの最大荷重点を測定する。このような試験を各実施例及び各比較例を用いて8回ずつ行い、引張強度の平均値を算出した。
試験5の結果を表VII−IXに示す。
Figure 2021085126
Figure 2021085126
Figure 2021085126
表VII―IXの実験結果をそれぞれ比較すると、機械処理CNF、TEMPO処理CNFは0.2g/m以上、酵素処理CNFは1.0g/m以上添加することで、精製水を塗布した場合よりも、ウェット時のトイレクリーナーSの引張強度が高くなることが分かる。
これは、CNFが高い吸湿性を持つからであると考えられる。
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記実施の形態においては、清掃シートは清掃や清拭等に用いられるものとして説明したが、その用途はこれに限定されるものではない。また、用途に応じて、溶液に添加される成分が変更されるのは勿論である。
また、原紙シートPへのCNF溶液の塗布方法としては、実施例に示したようにCNFの含有量に応じて全面に塗布した方が接着強度を高められる場合も、対向する縁部に塗布した方が接着強度を高められる場合もあるため、用途に応じて変更可能である。
同様に、トイレクリーナーSはウェットシートである方が強度は高まるが、ドライシートであっても十分な強度が得られるため、用途に応じて変更可能である。
また、上記実施例においては、対向する2辺の縁部のみにCNF溶液を塗布したが、少なくとも対向する縁部に塗布されていればよく、3辺の縁部に塗布しても、4辺の縁部に塗布してもよい。
また、CNFの解繊方法としても、全面塗布時は機械処理CNFや酵素処理CNFを用いた方が、トイレクリーナーSが水解性に優れるようになるが、用途に応じて変更可能である。
また、本発明における原紙シートPは、製法や組成、目付に特に制限は持たない。
また、本発明における原紙シートPには、トイレクリーナーSを複数個に分割するためのミシン目が設けられていても良いが、その場合、ミシン目付近にはCNF溶液を塗布しないことが好ましい。
また、原紙シートPへのCNF溶液の塗布方法としては、CNFがチキソ性を有し、また、均一に塗布することができ、含有量の調整が容易である点などから、スプレー塗布であることが好ましいが、ディスペンサ等による液適状の塗布や、ロールに溶液を一度塗布し、シート面に接触させて塗布するロール塗布、フレキソ印刷機やグラビア印刷機等を用いたロール転写等、本発明の効果を損なわない限り、他の方法でも構わない。
また、トイレクリーナーSの熱乾燥方法としては、ヤンキードラム等の加熱ロールの表面に直接トイレクリーナーSを接触させて乾燥させる方法等、本発明の効果を損なわない限り、他の方法を単独で、また必要に応じて組み合わせて使用しても構わない。
また、熱乾燥を行う際の恒温槽の温度も、これに限られない。
また、上記実施例においては、トイレクリーナーSは2層構造であり、CNF溶液は接着する原紙シートPの片面に直接塗布する方法を例示したが、これに限られず、中間層として新たに吸収材や原紙シートPを設け、その両面にCNF溶液を塗布し、積層する3層構造のものとしても構わない。このようにすることで、よりトイレクリーナーSに厚みを持たせることができるようになる。また、トイレクリーナーSがウェットシートであり、吸収材を中間層として設ける場合は、薬液の吸湿性をより高めることができるようになる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
S トイレクリーナー
P 原紙シート
1 接着部
2 非接着部

Claims (6)

  1. 水解性の繊維集合体からなる複数の原紙シートが積層されてなる多層構造の清掃シートであって、
    隣り合う前記原紙シート同士が接着された接着部を有し、
    前記接着部は、セルロースナノファイバーを含有し、
    前記セルロースナノファイバーの含有量は、0.2〜2.0g/mであり、
    前記接着部は、前記原紙シートの縁部のうち、少なくとも対向する縁部にあることを特徴とする清掃シート。
  2. 水解性の繊維集合体からなる複数の原紙シートが積層されてなる多層構造の清掃シートであって、
    隣り合う前記原紙シート同士が接着された接着部を有し、
    前記接着部は、セルロースナノファイバーを含有し、
    前記セルロースナノファイバーの含有量は、1.0〜2.0g/mであり、
    前記接着部は、前記原紙シートの全面にあり、
    前記セルロースナノファイバーは、機械処理又は酵素処理されたもののいずれかであることを特徴とする清掃シート。
  3. 前記原紙シートは、水溶性バインダーを含み、
    前記清掃シートは、ウェットシートであることを特徴とする請求項1又は2に記載の清掃シート。
  4. 清掃シートの製造方法であって、
    濃度2.0%以下のセルロースナノファイバー溶液を設定されたパターンに従って原紙シートに塗布する塗布ステップと、
    セルロースナノファイバー溶液が塗布された原紙シートの塗布面と別の原紙シートとが接触するように重ね合わせる重ね合わせステップと、
    重ね合わされた原紙シートを熱乾燥させて接着する乾燥ステップと、
    を有することを特徴とする清掃シートの製造方法。
  5. 前記清掃シートの製造方法は、薬液を含浸させる薬液含浸ステップを有することを特徴とする請求項4に記載の清掃シートの製造方法。
  6. 前記塗布ステップは、スプレーにより塗布することを特徴とする請求項4又は5に記載の清掃シートの製造方法。
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