JP2021081680A - 投影制御装置、投影システム、投影制御方法 - Google Patents

投影制御装置、投影システム、投影制御方法 Download PDF

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正治 山岸
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Abstract

【課題】大きく変化する動画像を投影している場合にも、投影領域を補正することを可能にする。【解決手段】投影制御装置は、マーカーが描画された第1フレームと、前記マーカーが描画されていない第2フレームとを含む動画を投影面に投影するように投影手段を制御する制御手段と、前記投影面での前記動画における複数の前記第1フレームの撮像結果に基づく第1画像と、前記投影面での前記動画における複数の前記第2フレームの撮像結果に基づく第2画像との差分に基づき前記動画の投影領域を補正する補正手段と、を有することを特徴とする。【選択図】図12

Description

本発明は、投影制御装置、投影システム、投影制御方法に関する。
近年、複数のプロジェクタで投影するマルチ投影システムが増加している。例えば、複数のプロジェクタの投影画像を投影面上に並べて投影することで解像度を高めるマルチ投影が行われている。また、複数のプロジェクタの投影画像を投影面上の略同一の位置に重ねて投影することで表示輝度を向上させるスタック投影が行われている。
これらの技術は、高解像度または高表示輝度が必要なプロジェクションマッピングやパブリックビューイングなどのイベントで利用されている。この場合に、イベント前に各プロジェクタの投影領域(投影位置)の調整を行ったとしても、イベント中での外的要因(ゆれ、温度、経時)などにより、投影領域にずれが生じる可能性がある。
投影領域のずれを画像投影中に調整するシステムが特許文献1では提案されている。特許文献1では、投影コンテンツの各フレームに正負のいずれかのマーカーを重畳した投影画像を撮像し、投影画像のフレーム間の差分を取ることでマーカーを検出する技術が開示されている。マーカーとは、投影画像に重畳することで投影面に対する投影領域を特定可能にするものである。この技術によれば、鑑賞用の投影画像を投影している場合においても、検出したマーカーの位置関係に基づいて、投影領域を補正することができる。
特許3445759号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、投影画像の内容によっては、マーカーを検出することができない場合がある。具体的には、動きの激しい動画像では、フレームごとに内容が大きく変わる可能性があり、正のマーカーを重畳したフレームと負のマーカーを重畳したフレームの差分をとっても、マーカー以外が残ってしまう。このため、システムは、撮像した画像から、マーカーを正確に抽出(分離)することができない。従って、従来技術では、動画像投影中に投影領域を補正することができないことがあるという課題があった。
そこで、本発明は、大きく変化する動画像を投影している場合にも、投影領域を補正することを可能にすることを目的にする。
本発明の第1の態様は、
マーカーが描画された第1フレームと、前記マーカーが描画されていない第2フレームとを含む動画を投影面に投影するように投影手段を制御する制御手段と、
前記投影面での前記動画における複数の前記第1フレームの撮像結果に基づく第1画像と、前記投影面での前記動画における複数の前記第2フレームの撮像結果に基づく第2画像との差分に基づき前記動画の投影領域を補正する補正手段と、
を有する、
ことを特徴とする投影制御装置である。
本発明の第2の態様は、
マーカーが描画された第1フレームと、前記マーカーが描画されていない第2フレームとを含む動画を投影面に投影するように投影手段を制御する制御工程と、
前記投影面での前記動画における複数の前記第1フレームの撮像結果に基づく第1画像と、前記投影面での前記動画における複数の前記第2フレームの撮像結果に基づく第2画像との差分に基づき前記動画の投影領域を補正する補正工程と、
を有する、
ことを特徴とする投影制御方法である。
本発明によれば、大きく変化する動画像を投影している場合にも、投影領域を補正することが可能になる。
実施形態に係る投影システムの構成図である。 実施形態に係る投影装置および投影制御装置の内部ブロック図である。 実施形態に係る射影変換を説明する図である。 実施形態に係るマーカーの重畳を説明する図である。 実施形態に係るマーカーの重畳タイミングを説明する図である。 実施形態に係るマーカーの重畳および撮像タイミングを説明する図である。 実施形態に係る投影画像を示す図である。 実施形態に係るマーカー検出部の内部ブロック図である。 実施形態に係る撮像画像の分離を説明する図である。 実施形態に係る巡回フィルタ処理を説明する図である。 実施形態に係るマーカーの抽出を説明する図である。 実施形態に係る投影領域の補正処理を説明するフローチャートである。 実施形態に係る投影領域の補正を説明する図である。
<実施形態>
本実施形態に係る投影システムの構成図を図1に示す。図1に示すように、投影システムは、画像再生装置100、投影装置101、投影装置102、投影制御装置103、撮像装置104、スクリーン105を有する。
画像再生装置100は、投影装置101に画像(画像信号;入力画像信号;動画;映像)ID0を出力し、投影装置102に画像(画像信号;入力画像信号;動画;映像)ID1を出力する。なお、画像(画像信号)の色空間はRGBであり、RGBの階調分解能(bit深度)は8bit(0〜255の256階調である)として以下説明する。R,G,Bはそれぞれ、画像における赤、緑、青の色彩を示す。
投影装置101は、画像再生装置100から入力される画像ID0に基づいた画像をスクリーン105に投影する。投影装置101は、投影制御装置103から出力される制御信号PARAM_Aにより投影(投影画像)を制御する。
投影装置102は、画像再生装置100から入力される画像ID1に基づいた画像をスクリーン105に投影する。投影装置102は、投影制御装置103から出力される制御信号PARAM_Bにより投影(投影画像)を制御する。投影装置102の基本的な動作は、投影装置101と同様である。
投影制御装置103は、投影装置101、投影装置102、および撮像装置104を制御する。具体的には、投影制御装置103は、投影装置101および投影装置102が画像(画像信号;動画)にマーカーを重畳する重畳タイミングを制御する。重畳タイミングを示す信号は、投影装置101に出力される制御信号PARAM_A、および投影装置102に出力される制御信号PARAM_Bにマーカー重畳信号として含まれている。制御信号PARAM_Aは、マーカー重畳信号TIM1および幾何変形パラメータPARAM1を含み、制御信号PARAM_Bは、マーカー重畳信号TIM2および幾何変形パラメータPARAM2を含む。
また、投影制御装置103は、重畳タイミングの制御と同時に、撮像装置104を制御することにより、スクリーン105に表示された投影画像とその周辺部を撮像する。このとき、投影制御装置103は、撮像指示信号SIGによって撮像装置104の撮像を制御する。
撮像装置104は、スクリーン105を撮像して画像を取得するものであり、投影装置101および投影装置102が投影した画像(投影画像)を撮像することができる。撮像装置104は、投影制御装置103の生成した撮像指示信号SIGに基づいて撮像することにより撮像画像PICを取得して、撮像画像PICを投影制御装置103に出力する。撮像装置104は、撮像によって得た画像(画像信号;動画)を、静止画像データや動画像データに変換して記憶する。撮像装置104は、被写体の光学像を取得するレンズ、レンズを駆動するアクチュエータ、アクチュエータを制御するマイクロプロセッサ、光学像をアナログ信号に変換する撮像素子、アナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換部などを含む。
スクリーン105は、投影装置101および投影装置102が投影する画像が表示される投影面である。本実施形態においては、投影装置101および投影装置102が同じ座標位置に投影することで表示輝度を高めるスタック投影がされる前提で説明するが、投影領域を並べて投影するマルチ投影時の位置合わせでも効果を得ることができる。
[投影装置および制御装置の詳細な構成について]
次に、図2を用いて、投影装置101および投影制御装置103の内部ブロックの詳細を説明する。投影装置102は、投影装置101と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
(投影装置の構成について)
投影装置101は、画像処理部201、幾何変形部202、マーカー重畳部203、パネル制御部204、パネル部205、光源制御部206、光源部207を有する。
画像処理部201は、ノイズリダクション処理、スケーリング処理、エッジ強調処理、色補正処理、階調補正処理などの一般的な高画質化処理を画像に対して施す。画像処理部201は、画像ID0に画像処理を施した画像を画像(画像信号;動画)IDTとして幾何変形部202に出力する。例えば、画像処理部201は、画像ID0の解像度とパネル部205の解像度(パネル解像度)とが異なる場合には、パネル解像度に合った解像度の画像IDTが取得できるように拡大/縮小処理(スケーリング処理)を画像ID0に行う。
幾何変形部202は、画像IDTに幾何学補正を行う。幾何学補正とは、投影面(スクリーン105)の法線方向に対して投影方向(一般的には投影光学系の光軸)が同一でないときに投影画像に生じる台形歪みを相殺するように、対象の画像を幾何学的に変換(変形)する補正である。幾何変形部202は、画像IDTの変換後画像(変形された画像)
を、画像(画像信号;動画)KSDTとしてマーカー重畳部203に出力する。
なお、画像の幾何学補正は、座標に対してパラメータを適用する射影変換によって実現できる。このため、幾何学補正は、幾何学補正の補正量である射影変換のパラメータの画像への適用であるといえる。なお、変形量算出部303が、スクリーン105に投影された投影画像の領域(投影領域)に対する目標とする投影領域(目標投影領域)からの各頂点の移動量および移動方向に基づいて射影変換のパラメータを決定し、幾何変形部202に与える。
図3を用いて幾何変形部202が或る画像(元画像)を変形する方法を説明する。変形前の元画像内の或る画素の座標を(xs,ys)とし、これに対応する射影変換による変形後の画像の座標を(xd,yd)とすると、これらの関係は以下の式1によって表わされる。
Figure 2021081680
ここで、行列Mは3×3行列であり、元画像から変形後の画像への射影変換行列である。行列Mは、一般的に、元画像の4隅座標と変形後画像の4隅座標とを用いて連立方程式を解くことで求めることができる。例えば、図3に示すように、実線によって示された矩形の領域が変形前の元画像の領域を示し、破線によって示された領域が変形後の画像の領域を示すものとする。ここで、元画像の左上の頂点は座標(xso,yso)であり、座標(xdo,ydo)は元画像の座標(xso,yso)に対応する変形後の画像の座標である。このため、式1は、行列Mの逆行列M−1と座標(xso,yso),(xdo,ydo)に基づいて式2に変形できる。
Figure 2021081680
ここで、逆行列M−1と座標(xso,yso),(xdo,ydo)は、幾何変形パラメータPARAM1として、後述する変形量算出部303により幾何変形部202に与えられる。幾何変形部202は、式2に従って、変形後の任意の座標(xd,yd)から、当該座標に対応する元画像座標(xs,ys)を求める。
さらに、幾何変形部202は、変形後の画像の全ての画素の画素値を算出する。式2によって算出された元画像座標(xs,ys)が整数であれば、幾何変形部202は、元画像座標(xs,ys)の画素値をそのまま変形後の画像の座標(xd,yd)の画素値として決定することができる。一方、式2によって算出された元画像座標(xs,ys)が整数でない場合、幾何変形部202は、元画像座標(xs,ys)に相当する画素値を、元画像座標(xs,ys)の複数の周辺画素の値を用いた補間演算により求めることができる。補間演算は、例えば、バイキュービックなどの、公知の補間演算を用いて行うことができる。
なお、式2によって算出された元画像座標(xs,ys)が、元画像の内部である領域(有効画素領域)内にない場合には、補間に用いる参照画素が存在しない。このような場合には、幾何変形部202は、変形後の画像の座標(xd,yd)の画素値を、黒の画素
値(R,G,Bの各階調値が0である画素値)またはユーザーが設定した背景色の画素値に決定する。このようにして、幾何変形部202は、変形後の画像の全座標についての画素値を求め、変換後画像を生成することができる。なお、図3に示す例では、実線によって示した矩形の内部が有効画素領域である。
マーカー重畳部203は、マーカー制御部301から取得したマーカー重畳信号TIM1(マーカー重畳のタイミングを示す信号)に応じて、投影領域の検出用のマーカーを画像KSDTに重畳する。マーカー重畳部203は、マーカーを重畳した画像を画像(画像信号;動画)MDTとして、パネル制御部204、光源制御部206に出力する。ここで、画像MDTは、マーカーが描画されたフレームと、マーカーが描画されていないフレームとを含む。
ここで、画像にマーカーを重畳する処理について図4(A)〜図4(C)を用いて説明する。図4(A)は、マーカーの重畳前の原画像400(画像KSDT)を示し、図4(B)は、原画像400に重畳するマーカー画像410(マーカー画像MARK)を示している。本実施形態では、マーカー画像410はマーカー411を含み、マーカー411は、原画像400の領域内に重畳される。また、図4(C)は、原画像400にマーカー411が重畳されたマーカー重畳画像420を示している。本実施形態におけるマーカー411は、白色とするが、色彩が付されていても構わない。また、マーカー画像410におけるマーカー411以外の領域の色は問わないが、重畳する際に、画像KSDTの画質を損なわない色(例えば黒)が好ましい。
マーカー重畳後の画像MDTは、下記の式3によって生成できる。つまり、マーカー重畳部203は、式3の処理を行うことにより、画像KSDT(R,G,B)に対してマーカー画像MARK(R,G,B)を重畳して、画像MDTを生成する。なお、式3において、MDT(R),MDT(G),MDT(B)は、画像MDTのR,G,Bの階調値である。KSDT(R),KSDT(G),KSDT(B),MARK(R),MARK(G),MARK(B)も同様である。

MDT(R) = KSDT(R) + MARK(R)
MDT(G) = KSDT(G) + MARK(G) ・・・ (式3)
MDT(B) = KSDT(B) + MARK(B)
(255の値をとる場合には、当該値を255とする)
なお、マーカーの画素値は、なるべくユーザーに視認されにくい値であることが好ましい。また、マーカー重畳部203は、重畳する元画像の画素値(特徴量)に基づいて、重畳するマーカーの画素値(階調値)を制御してもよい。例えば、マーカー重畳部203は、元画像内において画素値が大きいような明るい領域には大きい画素値(256階調で階調値32)のマーカーにし、画素値が小さいような暗い領域には小さい画素値(256階調で階調値8)のマーカーにするように制御する。このように制御することによれば、ユーザーがマーカーを視認する可能性を低減することができる。
次に、マーカー重畳部203が画像KSDTにマーカーを重畳するタイミングについて、図5を用いて説明する。
図5は、画像KSDTの同期タイミングを示す同期信号Vsyncと、画像KSDTと、マーカー重畳信号TIM1との時間変化を示している。なお、同期信号Vsyncおよびマーカー重畳信号TIM1の状態には、「High」と「Low」の2つの状態がある。
同期信号Vsyncは、画像KSDTのフレームの切替タイミングを示す信号である。
画像KSDTは、複数のフレームから構成されており、図5ではフレームT1〜T5が示されている。ここで、画像KSDTは、同期信号Vsyncに同期して処理されるため、同期信号Vsyncが「High」のタイミングで画像KSDTのフレームが切り換わる。
マーカー重畳信号TIM1は、「Low」のときにはマーカーを重畳せず、「High」のときにはマーカーを重畳することを示す信号である。従って、マーカー重畳信号TIM1が「High」であれば、マーカー重畳部203は、画像KSDTにマーカーを重畳(描画)する。一方、マーカー重畳信号TIM1が「Low」であれば、マーカー重畳部203は、画像KSDTにマーカーを重畳(描画)しない。
図5の例では、画像KSDTのフレームT1,T2,T5のときには、マーカーが重畳しないため、図4(A)のような画像が投影される。また、画像KSDTのフレームT3,T4のときには、マーカーが重畳するため、図4(C)のような画像が投影される。なお、マーカーを重畳する位置は、フレーム間において同一(所定の位置)であるとよい。
パネル制御部204は、マーカー重畳部203の画像MDTに基づいて、パネル部205の透過率を変調するための電圧PDを生成する。
パネル部205は、光源部207が照射する光を、パネル制御部204から入力される電圧PDに基づく透過率で透過させることにより、画像光PDTをスクリーン105に出力する。そして、画像光PDTによりスクリーン105に投影画像が表示される。
光源制御部206は、光源部207に制御信号CONを送信し、光源部207のオン/オフや、光量制御を行う。光源制御部206は、制御信号CONを、画像MDTの画像情報に基づいて生成する。なお、制御信号CONは、不図示の操作入力部を介したユーザー指定などに基づいて生成されてもよい。
例えば、光源制御部206は、画像MDTが明るい画像である場合には光源を明るく制御し、画像MDTが暗い画像である場合には光源を暗くするような制御を行う。また、幾何変形やマーカー重畳による輝度変動を抑制するために、光源制御部206は、画像IDTに基づいて光源の制御量を決定してもよい。
光源部207は、ハロゲンランプ、キセノンランプ、高圧水銀ランプなどであり、制御信号CONに基づいた光量によってパネル部205に光を照射する。
(投影制御装置の構成について)
次に、投影制御装置103の構成について、図2を用いて詳細に説明する。投影制御装置103は、マーカー制御部301、マーカー検出部302、変形量算出部303を有する。
マーカー制御部301は、マーカー重畳部203に、マーカー重畳信号TIM1を送信する。また、マーカー制御部301は、投影画像を撮像するための撮像指示信号SIGを、撮像装置104に送信する。撮像指示信号SIGは、投影画像の撮像を開始するスタートタイミングと投影画像の撮像を終了するエンドタイミングの2つを含む。ここで、撮像開始から終了までの間(撮像指示信号SIGを「High」の状態に継続させている間)には、マーカー制御部301は、マーカー重畳信号TIM1が1フレームごとに「High」と「Low」が切り替わるように制御する。なお、撮像指示信号SIGには、撮像装
置104が有する撮像素子への露光時間や撮像感度などの撮像パラメータが含まれていてもよい。
マーカー制御部301は、本実施形態では、1フレームごとにマーカーをON/OFFする(マーカーの重畳および非重畳を切り替える)ように、マーカー重畳信号TIM1,TIM2によって投影装置101および投影装置102を制御する。つまり、マーカー制御部301は、投影画像にマーカーが描画された期間と、投影画像にマーカーが描画されていない期間とが1フレームごとに切り替わるように投影装置101および投影装置102を制御する。
以下では、図6を用いて、マーカー制御部301が投影装置101に送信するマーカー重畳信号TIM1および当該信号に基づいたマーカーの重畳について説明する。図6は、マーカー重畳のタイミングチャートを示す。図6では、画像KSDTの同期タイミングを示す同期信号Vsyncと、画像KSDTと、マーカー重畳信号TIM1と、撮像指示信号SIGとの関係を示している。
画像KSDTは、同期信号Vsyncに同期して処理され、同期信号Vsyncが「High」のタイミングでフレームが切り換わる。
マーカー重畳信号TIM1は、同期信号Vsyncと同期して「Low」と「High」とに切り変わる。マーカー重畳信号TIM1は、「Low」のときはマーカーを重畳せず、「High」のときにマーカーを重畳することを示す信号である。撮像指示信号SIGが「High」である状態が続いていれば、マーカー重畳信号TIM1が「High」と「Low」を交互に繰り返している。このため、図6の例では、画像KSDTのフレームT(−1),T0,T1,T3,T5,T7,T9,T10,T11のときには、マーカーが重畳されない。また、画像KSDTのフレームT2,T4,T6,T8のときには、マーカーが重畳される。
画像KSDTにマーカーが重畳された例を図7(A)〜図7(H)に示す。図7(A)〜図7(H)はそれぞれ、フレームT1〜T8を示しており、車500が右から左方向に移動している様子を示している。また、フレームT1〜T8において1フレームごとに、マーカー501がON/OFFを繰り返していることが分かる。
マーカー検出部302は、撮像装置104が取得した撮像画像PIC(投影面上の投影画像)から、マーカーを抽出(検出)する。つまり、マーカー検出部302は、スクリーン105におけるマーカーを検出する。マーカー検出部302は、抽出したマーカーをマーカー画像MARKERとして変形量算出部303に出力する。マーカー画像MARKERの抽出方法の詳細については後述する。
変形量算出部303は、撮像画像PICから取得したマーカーの位置に応じて、スクリーン105における投影画像の位置(領域)を補正するように幾何変形部202を制御する補正部である。より詳細には、変形量算出部303は、マーカー画像MARKERに基づいて、目標投影領域TAGT_POSIに画像を投影するために必要な幾何変形パラメータPARAM1を算出して、幾何変形部202に送信する。幾何変形パラメータPARAM1には、投影画像の座標をパネル座標に逆変換して戻すための逆行列M−1と座標(xso,yso),(xdo,ydo)が含まれる。目標投影領域TAGT_POSIは、スクリーン105における投影画像が表示されるべき領域である。目標投影領域TAGT_POSIは、当該領域の4隅の座標の情報から特定できる。具体的には、目標投影領域TAGT_POSIは、左上座標(xul,yul)、右上座標(xur,yur)、左下座標(xdl,ydl)、右下座標(xdr,ydr)の4つの隅の座標の情報によ
って特定できる。
目標投影領域TAGT_POSIは、例えば、撮像画像PIC上でユーザーが予め指定をした領域でもよく、不図示の操作入力部によってユーザーが選択することで指定した領域でもよい。
((マーカー検出部の構成について))
マーカー検出部302の詳細な構成について図8を用いて説明する。マーカー検出部302は、分離部401、フレームメモリ402、巡回フィルタ処理部403、減算部404を有する。
分離部401は、撮像装置104が撮像した撮像画像PIC(投影画像;動画)から、マーカーなし画像MDT_OFFとマーカー重畳画像MDT_ONを分離(抽出;判定)する。分離部401は、マーカー重畳画像MDT_ONとマーカーなし画像MDT_OFFを、巡回フィルタ処理部403に出力する。
例えば、図7(A)〜図7(H)に示すようなフレーム(静止画像)が順に投影画像として投影されている場合に、分離部401が撮像画像PICを分離する処理を説明する。分離部401は、マーカーが重畳されたフレームをマーカー重畳画像MDT_ONとして分離し、マーカーが重畳されていないフレームをマーカーなし画像MDT_OFFとして分離する。投影画像において1フレームごとにマーカーの有無が切り替っているため、マーカー重畳画像MDT_ONとマーカーなし画像MDT_OFFとが交互に取得可能である。
図9(A)は、マーカーなし画像MDT_OFFであり、投影画像におけるマーカーが重畳されてないフレームの撮像結果を示す。図9(B)は、マーカー重畳画像MDT_ONであり、投影画像におけるマーカーが重畳されているフレームの撮像結果を示す。図9(A)に示すように、マーカーなし画像MDT_OFFとして、投影画像におけるフレームT1,T3,T5,T7が抽出されている。また、図9(B)に示すように、マーカー重畳画像MDT_ONとして、投影画像におけるフレームT2,T4,T6,T8が抽出されている。このように、分離部401は、撮像画像PICから、マーカーなし画像MDT_OFFとマーカー重畳画像MDT_ONとを分離する。
フレームメモリ402は、巡回フィルタ処理部403から取得する、巡回フィルタ処理後の画像MDT_ON_FILおよびMDT_OFF_FILを蓄積する。そして、フレームメモリ402は、画像MDT_ON_FIL,MDT_OFF_FILを1フレーム分だけ遅延させて、画像MDT_ON_FIL_DLY,MDT_OFF_FIL_DLYとして巡回フィルタ処理部403に出力する。即ち、巡回フィルタ処理部403からN番目のフレーム(Nフレームの画像)がフレームメモリ402に入力されたタイミングで、フレームメモリ402から、N−1番目のフレーム(N−1フレームの画像)が出力される。
巡回フィルタ処理部403は、入力された画像(フレーム)に対して、時系列的な巡回フィルタ処理を行う。巡回フィルタ処理は、以下の式4に基づいて実行される。つまり、巡回フィルタ処理が実行されることにより、画像MDT_ON_FIL_DLYと画像MDT_ONとの平均値が、巡回フィルタ処理後の画像MDT_ON_FILにされる。より詳細には、巡回フィルタ処理部403は、時系列的に現在のフレーム(現在の処理対象の画像MDT_ON)に近いほど大きな重みで複数の画像MDT_ONを合成することによって画像MDT_ON_FILを生成する。

MDT_ON_FIL
=(MDT_ON + MDT_ON_FIL_DLY)/2 ・・・ (式4)
このように、フィルタ処理後の画像MDT_ON_FILをフレーム巡回させることで、連続する複数のフレームの情報に基づく画像が生成できる。なお、画像MDT_OFF_FILについても、同様に生成できる。また、上記の説明は、投影装置101がマーカーを重畳する場合を示したが、投影装置102がマーカーを重畳する場合も同様である。
図10(A)、図10(B)はそれぞれ、巡回フィルタ処理された、マーカーなし画像とマーカー重畳画像とを示す。図10(A)は、マーカーなし画像の巡回フィルタ処理後の画像を示し、図10(B)はマーカー重畳画像の巡回フィルタ処理後の画像を示す。図10(B)が示す画像にはマーカー601が重畳されているのに対して、図10(A)が示す画像にはマーカーが重畳されていない。
減算部404は、画像MDT_ON_FILから、画像MDT_OFF_FILを減算することにより、マーカー画像MARKER(マーカー)を抽出する。図11は、抽出されたマーカー画像MARKERを示す。図11に示すように、背景画像が除去(減算)されて、マーカー部分のみが抽出されている。
このように、巡回フィルタを用いて背景画像をぼかすことにより、減算処理で生成されるマーカー画像MARKERに含まれる背景画像は、巡回フィルタを用いない場合の背景画像と比べ目立ちにくい。よって、動きの激しい動画であってもマーカー画像MARKER(マーカー)を抽出することができる。
なお、本実施形態では、巡回フィルタ処理を行うことで複数のフレームの情報から画像MDT_ON_FILと画像MDT_OFF_FILを生成した。しかし、これに限らず、複数のフレームを平均化して画像MDT_ON_FILと画像MDT_OFF_FILを生成するなどの他の方法を用いても構わない。
[投影領域の補正処理について]
以下、本実施形態に係る投影領域の補正の処理について図12のフローチャートを用いて詳細に説明する。なお、図12のフローチャートにおける各処理は、投影制御装置103における不図示の記憶部に記憶されたプログラムに基づいて、投影制御装置103における不図示の制御部(CPU)が各機能ブロックを制御することによって実現する。
S501では、変形量算出部303は、投影領域の位置補正開始の指示があるか否かを判定する。位置補正開始の指示がある場合は、S502に移行する。補正開始の指示がなかった場合、S501において、変形量算出部303は、当該指示の有無を再度判定する。
本実施形態において、投影領域の位置補正開始の指示は、不図示のリモコンによる補正の実行指示であるとするが、補正開始の指示はこれに限らない。例えば、補正開始の指示は、投影装置101に搭載された不図示の加速度センサに基づき投影装置101の物理的な動きを検知したときに、投影装置101から投影制御装置103に通知されるものであってもよい。また、補正実行の時刻(間隔)をユーザーが投影制御装置103に予め入力しておき、決まったタイミングで補正開始の指示が発生してもよい。
また、マーカー重畳部203が、画像KSDTの特徴量から、重畳されるマーカーが視聴者に視認されづらいシーンであることを判定すると、補正開始の指示が発生してもよい。このとき、例えば、マーカー重畳部203は、画像KSDTにおける所定サイズの領域
ごとのAPL(ブロックAPL;平均階調値)を取得する。そして、マーカー重畳部203は、所定の閾値以下のブロックAPLが存在しない場合に、マーカーが視聴者に視認されづらい明るいシーンであると判定するとよい。人間の視覚認知能力は、暗部に比べ、明部の微小変化に比較的鈍感であるためである。
S502では、変形量算出部303は、変形量算出部303に対して目標投影領域TAGT_POSIが指定されているか否かを判定する。目標投影領域TAGT_POSIが指定されている場合、S504に移行する。目標投影領域TAGT_POSIが指定されていない場合、S503に移行する。
S503では、変形量算出部303は、目標投影領域TAGT_POSIをユーザーに指定させる制御を行う。具体的には、変形量算出部303は、目標投影領域TAGT_POSIの入力をユーザーに促す表示を不図示の表示部に行う。入力を促されたユーザーは、目標投影領域TAGT_POSIの指定を行う。
例えば、ユーザーは、他の投影装置の投影画像を見ながら、当該投影画像の領域(4頂点座標)に基づいて目標投影領域TAGT_POSIを指定する。もしくは、投影制御装置103が、不図示のリモコンからの指示に基づいて、目標投影領域TAGT_POSIの4頂点に対応する位置を示すUIを含む画像を表示し、ユーザーに当該UIの位置を調整させる。そして、変形量算出部303は、UIを含む画像を撮像した撮像画像PICを撮像装置104から取得し、当該UIを検出することによって、撮像画像PICにおけるUIの座標を目標投影領域TAGT_POSIの4頂点として決定してもよい。
また、上述した方法では、ユーザーが目標投影領域を指定したが、変形量算出部303が、1つの投影装置の投影領域を基準にして、他の投影装置の投影領域を合わせる(一致させる)ように目標投影領域TAGT_POSIを決定する方式でも構わない。
S504では、マーカー制御部301は、マーカー重畳部203にマーカー重畳信号TIM1を送信する。すると、マーカー重畳部203は、マーカー重畳信号TIM1が示すタイミングに基づいて、画像KSDTにマーカーを重畳した画像MDTを生成する。マーカー重畳部203は、画像MDTをパネル制御部204および光源制御部206に出力する。そして、画像MDTに基づいて、パネル制御部204がパネル部205を制御して、光源制御部206が光源部207を制御することによって、スクリーン105に、画像MDTに基づいた画像(投影画像)が投影される。ここでは、フレームごとに交互に、マーカーが描画された画像と、マーカーが描画されていない画像とがスクリーン105に表示される。S504では、マーカー制御部301が、画像KSDTにマーカーを重畳した画像MDTに基づいた画像をスクリーン105に投影するように投影装置101を制御しているといえる。
S505では、マーカー制御部301は、「High」を示す撮像指示信号SIGを撮像装置104に送信することによって、撮像装置104に撮像の開始を指示する。「High」を送信することにより、撮像装置104は撮像を開始して、その後、撮像指示信号SIGから「Low」が送信されるまで撮像し続ける。
ここで、撮像指示信号SIGは1bitの信号であり、「High」または「Low」のいずれかを示す。「High」は、撮像開始処理および撮像継続ステータスであることを示し、「Low」は、撮像終了処理および非撮像ステータスであることを示す。図6の例では、画像KSDTがフレームT1のタイミングで撮像が開始され、画像KSDTがフレームT9のタイミングで撮像が終了する例を示している。なお、図6の例では、制御の反映から投影されるまでの遅延、撮像されるまでの遅延が0の場合であるとしているが、
実際にはそれぞれの遅延を考慮して発生タイミングを制御する必要があるので、製品仕様に応じて適宜設定すればよい。
S506では、マーカー検出部302は、撮像装置104がスクリーン105(投影画像)を撮像することによって取得した撮像画像PICを取得する。本実施形態では、撮像画像PICは動画像である。撮像におけるフレームレートは投影画像のフレームレート以上であることが好ましい。なお、撮像画像PICは動画像以外でもよく、複数の画像(フレーム)を順番に取得できればよい。例えば、撮像装置104には、1秒に300フレーム撮影できるような高速カメラを用いることが好ましい。
S507では、マーカー制御部301は、「Low」を示す撮像指示信号SIGを撮像装置104に送信することによって、撮像装置104に撮像の終了を指示する。撮像装置104は、当該指示を取得すると、撮像を終了する。なお、その後、「High」を示す撮像指示信号SIGが送信されるまで、撮像装置104は非撮像状態を維持し続ける。これにより、マーカーを重畳したフレーム(コンテンツ)とマーカーを重畳していないフレームが混合した動画像を、所望のタイミングで撮像することができる。
本実施形態では、以下のようにするとよい。まず、投影装置101がマーカー重畳画像を投影し、投影された画像(投影画像)を撮像装置104が撮像する。そして、投影装置101による投影画像の撮像が完了した段階で、次に、投影装置102がマーカー重畳画像を投影し、その投影画像を撮像装置104が撮像する。このように、マーカー制御部301は、投影装置101と投影装置102とのマーカー重畳タイミング(撮像タイミング)が時間的に重ならないように制御するとよい。つまり、マーカーが重畳された画像MDTに基づいた画像を投影装置101が投影している期間には、投影装置102は、画像MDTではなく、マーカーが重畳されていない画像KSDTに基づいた画像を投影するとよい。
S508では、マーカー検出部302は、撮像画像PICからマーカーを抽出(検出)することにより、マーカー画像MARKERを生成して変形量算出部303に送信する。
S509では、変形量算出部303は、マーカー画像MARKERに基づき、投影領域と目標投影領域TAGT_POSIのずれを算出して、画像IDTの変形による補正が必要であるか否かを判定する。変形量算出部303が変形による補正が必要であると判定した場合は、S510に移行し、変形による補正が不要である判定した場合は、S511に移行する。
ここで、S509における変形量算出部303の処理について、図13(A)〜図13(C)を用いて詳細に説明する。図13(A)は、パネル部205の座標(パネル座標)系における、マーカー重畳部203にて重畳される元のマーカー画像600を示している。マーカー画像600の4頂点の座標を(xp_i,yp_i)として示しており(i=1〜4)、重畳するマーカーそれぞれの重心位置の座標を(xm_i,ym_i)として示している(i=1〜4)。重心位置の座標(xm_i,ym_i)は、例えば、マーカーの輝度重心位置を示す。なお、本実施形態ではマーカー画像600とパネル部205の解像度は同じであるとし、マーカー画像600の4頂点とパネル部205の4頂点は(xp_i,yp_i)であり、互いに一致するものとする。
また、図13(B)は、撮像範囲610(スクリーン105)における、マーカー画像MARKERを示している。また、図13(B)では、撮像範囲610における、投影領域611と目標投影領域TAGT_POSIをそれぞれ示している。マーカー画像MARKERにおいて抽出されたマーカーそれぞれの重心位置の座標は(xmc_i,ymc_
i)である(i=1〜4)。また、目標投影領域TAGT_POSIは、図13(B)に示す座標(xtc_i,ytc_i)によって示される(i=1〜4)。
まず、S509にて、変形量算出部303は、マーカー画像MARKERとマーカー画像600を用いて、パネル部205における座標(パネル座標)とスクリーン105における座標(投影面座標)の対応を示す射影変換行列Hを算出する。射影変換行列Hは、元のマーカー画像600とマーカー画像MARKERの任意の点の座標の関係性を示す、3×3の行列である。射影変換行列Hは、パネル座標におけるマーカーの重心位置(xm_i,ym_i)と、投影面座標におけるマーカー検出部302による抽出したマーカーの重心位置(xmc_i,ymc_i)とにより計算でき、式5のように表される。
Figure 2021081680
図13(C)は、パネル座標における、目標投影領域TAGT_POSIをパネル座標系に射影した目標投影領域TAGT_POSI_pと、マーカー画像600との位置関係を説明するものである。変形量算出部303は、目標投影領域TAGT_POSIの4座標(xtc_i,ytc_i)から、下記の式6に基づき、パネル座標系に射影した目標投影領域TAGT_POSI_pの4頂点座標(xt_i,yt_i)を算出する(i=1〜4)。
Figure 2021081680
変形量算出部303は、算出した4つの座標(xt_i,yt_i)とマーカー画像の4頂点座標(xp_i,yp_i)を比較し、4つの全ての座標が完全に一致しているとき、変形による補正が必要でないと判定する。また、変形量算出部303は、算出された4つの座標(xt_i,yt_i)とマーカー画像の4頂点座標(xp_i,yp_i)を比較し、1つでも違う座標がある場合には変形による補正が必要であると判定する。
なお、本実施形態においては(xt_i,yt_i)とマーカー画像の4頂点座標(xp_i,yp_i)の全てが一致している場合に、補正が必要でないとするが、変形による補正の必要性を判定できる基準であれば判定基準はこの限りではない。例えば、投影領域の4頂点の座標と目標投影領域の4頂点の座標のずれ量の総和が或る閾値以下である場合や、全ての頂点で目標座標とのずれが予め決められた閾値以下の場合、補正が必要でないと判定されてもよい。もしくは、投影領域の各頂点の座標とそれに対応する目標投影領域の頂点の座標のずれ量が閾値以下である場合に、補正が必要でないと判定されてもよい。その場合、投影領域の1つの頂点でも目標投影領域の対応する頂点との座標のずれが或る閾値を超えた場合、補正が必要であると判定される。
S510では、変形量算出部303は、幾何変形パラメータPARAM(PARAMA1およびPARAM2)を計算し、幾何変形部202に送信する。このように、変形量算出部303は、幾何変形パラメータPARAMを算出することによって、投影画像の投影領域を補正している。なお、S510は、S509において投影領域が目標投影領域TAGT_POSIからずれていると判定された場合に実行する処理ステップである。幾何変形パラメータPARAMは、逆行列M_P−1と座標(xt_1,yt_1),(xp_
1,yp_1)を含む。また、逆行列M_P−1は、3×3で表される元画像から変形後の画像への射影変換行列M_Pの逆行列であり、射影変換行列M_Pと座標(xt_1,yt_1),(xp_1,yp_1)は以下の式7を満たす。
Figure 2021081680
その後、幾何変形部202は、幾何変形パラメータPARAMに基づき画像IDTを変形して画像KSDTを生成し、マーカー重畳部203に送信する。以降、幾何変形パラメータPARAMに基づき幾何変形部202が幾何変形(補正)を行った画像が投影されるため、目標投影領域TAGT_POSIと投影装置の投影領域が一致する。
S511では、マーカー制御部301は、本フローチャートの処理の終了条件が満たされているか否かを判定する。本実施形態では、不図示のリモコン操作によるユーザーの処理終了の指示があることが終了条件である。終了条件が満たされていない場合には、S501に戻り、終了条件が満たされている場合には、本フローチャートの全ての処理が終了する。
本実施形態において、マーカー制御部301は、1フレームごとに、画像KSDTに対するマーカーの重畳をON/OFFするような制御を行ったが、これに限定されることない。或る一定周期ごとにマーカーの重畳をON/OFFする構成であれば同様の効果を得ることができる。この場合、マーカーが重畳された画像と重畳されていない画像とが同様の画像になるように、ON/OFFの周期は短いことが好ましい。
なお、本実施形態では、説明を簡単にするために投影装置の台数を2台としたが、3台以上でも適用できる。その場合は、本実施形態に示した処理を1台ずつ順番に行えばよい。また、投影制御装置103が、画像処理部201、幾何変形部202、マーカー重畳部203を有していてもよく、変形してマーカーを重畳した画像MDTを投影装置101,102のそれぞれに送信する構成であってもよい。さらに、投影制御装置103が撮像装置104を有していてもよい。
また、複数台のマルチ投影に限定されることなく、単体の投影にも適用できる。この場合には、投影装置自体が、さらに投影制御装置103と撮像装置104を有していてもよい。また、この場合も、マルチ投影と同様に、目標投影領域TAGT_POSIについては、ユーザーが適宜指定すればよい。例えば、ユーザーがUIを自分で操作して目標投影領域TAGT_POSIをスクリーンの端に設定するような構成や、撮像装置で撮像した画像から投影領域を自動で判定して設定する構成などがある。
また、スクリーン前面から投影装置が光を投射する構成を示したが、スクリーン背面から投影装置が光を投射する構成においても実現できる。
なお、上述の実施形態では、フレーム間で同一の位置(所定の位置)にマーカーを重畳する例を説明したが、これには限られない。例えば、マーカー重畳部203は、所定の画素数、マーカーの重畳位置をフレーム(所定期間)ごとに、ずらしながら画像にマーカーを重畳してもよい。この場合には、マーカー検出部302は、まず、マーカーをずらした量だけ、ずらした方向の逆方向にフレームの位置(フレームの各画素の位置)をずらす。このフレームの位置をずらす処理は、マーカーが重畳されたフレーム(マーカー重畳画像)のみならず、マーカーが重畳されていないフレーム(マーカーなし画像)についても行
われる。マーカーなし画像については、例えば、当該画像(フレーム)の1つ前のマーカー重畳画像のマーカーをずらした量だけフレームの位置がずらされればよい。その後、マーカー検出部302は、複数のマーカー重畳画像ごと、および複数のマーカーなし画像ごとに平均化した画像を生成する。そして、マーカー検出部302は、平均化されたマーカー重畳画像と、平均化されたマーカーなし画像との、差分によってマーカー画像を抽出する。こうすることにより、より平均化された画像(よりぼかした画像)を得ることが可能になるため、より精度の高いマーカー画像を抽出できる。
以上説明したように、マーカー重畳画像とマーカーなし画像をそれぞれ巡回フィルタ処理した画像同士の差分からずれ量を算出することで、画像投影中に画像によらず、マーカーを抽出することができる。従って、画像投影中に画像によらず、位置合わせ調整を行うことが可能になり、ユーザー利便性を向上することができる。
なお、上記の各実施形態の各機能部は、個別のハードウェアであってもよいし、そうでなくてもよい。2つ以上の機能部の機能が、共通のハードウェアによって実現されてもよい。1つの機能部の複数の機能のそれぞれが、個別のハードウェアによって実現されてもよい。1つの機能部の2つ以上の機能が、共通のハードウェアによって実現されてもよい。また、各機能部は、ASIC、FPGA、DSPなどのハードウェアによって実現されてもよいし、そうでなくてもよい。例えば、装置が、プロセッサと、制御プログラムが格納されたメモリ(記憶媒体)とを有していてもよい。そして、装置が有する少なくとも一部の機能部の機能が、プロセッサがメモリから制御プログラムを読み出して実行することにより実現されてもよい。
(その他の実施形態)
本発明は、上記の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
101,102:投影装置、103:投影制御装置、104:撮像装置、
105:スクリーン、301:マーカー制御部、303:変形量算出部

Claims (12)

  1. マーカーが描画された第1フレームと、前記マーカーが描画されていない第2フレームとを含む動画を投影面に投影するように投影手段を制御する制御手段と、
    前記投影面での前記動画における複数の前記第1フレームの撮像結果に基づく第1画像と、前記投影面での前記動画における複数の前記第2フレームの撮像結果に基づく第2画像との差分に基づき前記動画の投影領域を補正する補正手段と、
    を有する、
    ことを特徴とする投影制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記投影面での前記動画に前記マーカーが描画された期間と、前記投影面での前記動画に前記マーカーが描画されていない期間とが、所定の周期で切り替わるように前記投影手段を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の投影制御装置。
  3. 前記第1画像と前記第2画像の差分に基づき、前記投影面における前記マーカーを検出する検出手段をさらに有し、
    前記補正手段は、前記検出手段によって検出された前記マーカーの位置に基づいて、目標投影領域に一致させるように前記投影領域を補正する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の投影制御装置。
  4. 前記目標投影領域は、他の投影手段が投影した画像の領域またはユーザーが指定した画像の領域である、
    ことを特徴とする請求項3に記載の投影制御装置。
  5. 前記検出手段は、さらに、前記撮像結果から前記第1フレームおよび前記第2フレームを抽出した後に、前記複数の第1フレームから前記第1画像を生成し、前記複数の第2フレームから前記第2画像を生成する、
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の投影制御装置。
  6. 前記検出手段は、時系列的に現在のフレームに近いほど大きな重みで前記複数の第1フレームを合成することによって前記第1画像を生成し、時系列的に現在のフレームに近いほど大きな重みで前記複数の第2フレームを合成することによって前記第2画像を生成する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の投影制御装置。
  7. 前記検出手段は、前記複数の第1フレームを平均化することにより前記第1画像を生成し、前記複数の第2フレームを平均化することにより前記第2画像を生成する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の投影制御装置。
  8. 前記制御手段は、
    複数の前記投影手段を制御しており、
    1つの投影手段が前記投影面に第1フレームと第2フレームを含む動画を投影するように制御している期間には、他の投影手段が、第1フレームと第2フレームを含む動画を投影しないように制御する、
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の投影制御装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の投影制御装置と、
    画像を投影する少なくとも1つの投影手段と、
    前記投影面を撮像する撮像手段と、
    を有する、
    ことを特徴とする投影システム。
  10. マーカーが描画された第1フレームと、前記マーカーが描画されていない第2フレームとを含む動画を投影面に投影するように投影手段を制御する制御工程と、
    前記投影面での前記動画における複数の前記第1フレームの撮像結果に基づく第1画像と、前記投影面での前記動画における複数の前記第2フレームの撮像結果に基づく第2画像との差分に基づき前記動画の投影領域を補正する補正工程と、
    を有する、
    ことを特徴とする投影制御方法。
  11. コンピュータを、請求項1から8のいずれか1項に記載の投影制御装置の各手段として機能させるプログラム。
  12. コンピュータを、請求項1から8のいずれか1項に記載の投影制御装置の各手段として機能させるためのプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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