以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本開示の技術、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
この実施形態1では、本開示の技術について、単一の冷媒系統を有するマルチ式の空気調和装置を例に挙げて説明する。
〈空気調和装置の全体構成〉
空気調和装置(10)は、対象空間の空気の温度を調節する。本例の対象空間は、室内空間である。図1および図2に示すように、この実施形態1の空気調和装置(10)は、1つの室外ユニット(20)と、複数の室内ユニット(40)と、液連絡管(12)と、ガス連絡管(13)とを備える。
複数の室内ユニット(40)それぞれと室外ユニット(20)とは、液連絡管(12)およびガス連絡管(13)を介して互いに接続される。これらが接続されることにより、冷媒回路(11)が構成される。冷媒回路(11)には、冷媒が充填される。本例の冷媒は、ジフルオロメタンである。冷媒回路(11)は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。冷媒回路(11)は、主として、圧縮機(21)と、室外熱交換器(22)と、膨張弁(23)と、室内熱交換器(53)と、四方切換弁(25)とを有する。冷媒回路(11)、室外ユニット(20)および複数の室内ユニット(40)は、1つの空調ユニット(15)を構成する。
〈室外ユニット〉
室外ユニット(20)は、室外に設置される。図2に示すように、室外ユニット(20)は、圧縮機(21)、室外熱交換器(22)、膨張弁(23)、四方切換弁(53)および室外ファン(26)を有する。
圧縮機(21)は、低圧のガス冷媒を吸入し、圧縮する。圧縮機(21)は、圧縮した冷媒を吐出する。圧縮機(21)は、インバータ回路から電動機へ電力が供給される、可変容量式である。言い換えると、圧縮機(21)は、電動機の運転周波数(回転数)が調節可能に構成される。
室外熱交換器(22)は、熱源熱交換器の一例である。室外熱交換器(22)は、室外ユニット(20)に設けられる。室外ファン(26)は、室外熱交換器(22)を通過する室外空気を搬送する。室外熱交換器(22)は、室外ファン(26)が搬送する室外空気と冷媒とを熱交換させる。
膨張弁(23)は、減圧機構の一例である。膨張弁(23)は、冷媒を減圧する。膨張弁(23)は、開度が調節可能な電動膨張弁である。減圧機構は、感温式の膨張弁、膨張機、キャピラリーチューブなどであってもよい。膨張弁(23)は、冷媒回路(11)の液ラインに接続されていればよく、室内ユニット(40)に設けられていてもよい。
四方切換弁(25)は、第1ポート(P1)と、第2ポート(P2)と、第3ポート(P3)と、第4ポート(P4)とを有する。第1ポート(P1)は、圧縮機(21)の吐出部に繋がる。第2ポート(P2)は、圧縮機(21)の吸入部に繋がる。第3ポート(P3)は、室外熱交換器(22)のガス端部に繋がる。第4ポート(P4)は、ガス連絡管(13)に繋がる。
四方切換弁(25)は、第1状態(図2の実線で示す状態)と、第2状態(図2の破線で示す状態)とに切り換わる。第1状態の四方切換弁(25)は、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)とを連通させ、且つ第2ポート(P2)と第4ポート(P4)とを連通させる。第2状態の四方切換弁(25)は、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とを連通させ、且つ第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とを連通させる。
冷媒回路(11)は、四方切換弁(25)の切換えに応じて第1冷凍サイクルと第2冷凍サイクルとを行う。第1冷凍サイクルは、各室内熱交換器(53)を蒸発器とする冷凍サイクルである。第2冷凍サイクルは、室内熱交換器(53)を放熱器とする冷凍サイクルである。
室外ユニット(20)は、吐出圧力センサ(27)、吐出温度センサ(28)、吸入温度センサ(29)、外気温度センサ(30)および第1冷媒温度センサ(31)を有する。
吐出圧力センサ(27)は、圧縮機(21)から吐出される高圧冷媒の圧力を検出する。吸入温度センサ(29)は、圧縮機(21)に吸入される低圧冷媒の圧力を検出する。外気温度センサ(30)は、室外空気の温度を検出する。第1冷媒温度センサ(31)は、室外熱交換器(22)の内部の冷媒の温度を検出する。
〈室内ユニット〉
複数の室内ユニット(40)それぞれは、室内に設置される。複数の室内ユニット(40)は、同一の室内空間を対象空間としている。複数の室内ユニット(40)は、別々の室内空間を対象空間としてもよい。各室内ユニット(40)は、天井裏の梁に吊り下げられる天井吊り式などである。
各室内ユニット(40)は、室内ファン(52)と、室内熱交換器(53)と、ドレンパン(不図示)およびドレンポンプ(58)とを有する。
室内ファン(52)は、送風機の一例である。室内ファン(52)は、遠心式である。室内ファン(52)は、室内熱交換器(53)を通過する空気を搬送する。室内ファン(52)は、その風量を段階的に切り替え可能に構成される。例えば、室内ファン(52)の切り替え可能な風量は、4段階であり、小さい風量から順に、微風量(LL)、小風量(L)中風量(M)、大風量(H)である。
室内熱交換器(53)は、利用熱交換器の一例である。室内熱交換器(53)は、室内ユニット(40)に設けられる。室内熱交換器(53)は、室内ファン(52)の周囲に配置される。室内熱交換器(53)は、室内ファン(52)が搬送する空気と冷媒とを熱交換させる。
ドレンパンは、室内熱交換器(53)の下側に配置される。ドレンパンは、室内ユニット(40)の内部で発生した結露水を受ける。
ドレンポンプ(58)は、ドレンパン内の水を排出するポンプである。ドレンポンプ(58)は、ドレンパン内の水を、排水路を経由して室内ユニット(40)のケーシング(41)の外部へ排出する。
室内ユニット(40)は、内気温度センサ(61)、内気湿度センサ(62)および第2冷媒温度センサ(63)を有する。
内気温度センサ(61)は、対象空間の室内空気の温度を室内温度(T1)として検出する。室内温度(T1)は、吸込空気の温度である。
内気湿度センサ(62)は、対象空間の室内空気の湿度を室内湿度(R1)として検出する。室内湿度(R1)は、吸込空気の湿度である。第2冷媒温度センサ(63)は、室内熱交換器(53)の冷媒の温度を検出する。
第2冷媒温度センサ(63)は、蒸発器として機能する室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)を検出する。第2冷媒温度センサ(63)は、放熱器(厳密には凝縮器)として機能する室内熱交換器(53)の凝縮温度(Tc)を検出する。
第2冷媒温度センサ(63)は、室内ユニット(40)の機内温度(T2)を検出するセンサを兼用している。機内温度(T2)は、室内ユニット(40)の内部の温度に相当する。空気調和装置(10)は、第2冷媒温度センサ(63)と別に、機内温度(T2)を検出する他のセンサを有してもよい。
複数の室内ユニット(40)は、親機(40M)と子機(40S)に分かれている。1つの室内ユニット(40)は親機(40M)に設定される。残りの室内ユニット(40)は子機(40S)に設定される。親機に設定された室内ユニット(40M)は、子機に設定された室内ユニット(40S)の運転と、室外ユニット(20)の運転とを統括的に制御する。
〈制御装置〉
図3に示すように、空気調和装置(10)は、制御装置(C)を有する。制御装置(C)は、冷媒回路(11)を制御する。制御装置(C)は、室外ユニット(20)および各室内ユニット(40)を制御する。制御装置(C)は、室外制御部(C1)、室内制御部(C2)およびリモートコントローラ(C3)を含む。室外制御部(C1)は、室外ユニット(20)に設けられる。室内制御部(C2)は、複数の室内ユニット(40)それぞれに設けられる。
制御装置(C)は、複数の第1通信線を有する。第1通信線は、有線である。室外制御部(C1)は、第1通信線を介して、少なくとも圧縮機(21)、膨張弁(23)、四方切換弁(25)、室外ファン(26)および室外ユニット(20)の各センサと接続される。室内制御部(C2)は、第1通信線を介して、少なくとも室内ファン(52)、ドレンポンプ(58)および室内ユニット(40)の各センサと接続される。
室外制御部(C1)および室内制御部(C2)はそれぞれ、制御基板を有する。室外制御部(C1)および室内制御部(C2)の各制御基板には、通信部(14)と、CPU(15)と、メモリ(16)とが設けられる。
通信部(14)は、他の機器と通信するためのインタフェースである。制御装置(C)は、複数の第2通信線(L2)を有する。親機である室内ユニット(40M)の通信部(14M)と、室外ユニット(20)の通信部(14)とは、第2通信線(L2)を介して通信可能に接続される。親機である室内ユニット(40M)の通信部(14)と、子機である室内ユニット(14S)の通信部(14)とは、第2通信線(L2)を介して通信可能に接続される。第2通信線(L2)は、有線である。第2通信線(L2)は、無線であってもよい。
親機である室内ユニット(40M)の通信部(14)は、子機である室内ユニット(40S)の通信部(14)および室外ユニット(20)の通信部(14)と第2通信線(L2)を介して信号の授受を行う。室外制御部(C1)および室内制御部(C2)の各通信部(14)は、機能部として、送信部(17)および受信部(18)を有する。送信部(17)は、他の機器に向けて各種信号を送信する。受信部(18)は、他の機器から送信された信号を受信する。
CPU(15)は、メモリ(16)内のソフトウェアに基づいて各種処理を行う。CPU(15)は、受信部(18)が受信した信号を識別し、当該信号に応じた処理を行う。室外制御部(C1)のCPU(15)は、室外ユニット(20)の運転の実行および停止を行うための制御信号を圧縮機(21)、膨張弁(23)、四方切換弁(25)および室外ファン(26)に出力する。室内制御部(C2)のCPU(15)は、室内ユニット(40)の運転の実行および停止を行うための制御信号を室内ファン(52)およびドレンポンプ(58)に出力する。
メモリ(16)は、CPU(15)を動作させるための各種ソフトウェアおよびデータを記憶する。メモリ(16)は、受信部(18)で受信した信号を識別するためのソフトウェアおよびデータを記憶する。受信部(18)で受信した信号に基づくデータは、メモリ(16)に記憶される。メモリ(16)は、制御基板固有のシリアル番号、機種情報、および通信のために設定されるアドレスなどを記憶する。各センサの検出値は、室外制御部(C1)または室内制御部(C2)に入力され、メモリ(16)に記憶される。メモリ(16)は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などで構成される。
リモートコントローラ(C3)は、ユーザが操作可能な位置に配置される。リモートコントローラ(C3)は、表示部(80)、入力部(81)および制御基板を有する。リモートコントローラ(C3)の制御基板には、通信部(82)と、CPU(83)と、メモリ(84)とが設けられる。
表示部(80)は、ユーザやメンテナンス業者などに所定の情報を知らせるためのサインを表示する。ここでいうサインは、文字、コード、記号、絵、アイコンなどを含む。表示部(80)は、例えば液晶モニタによって構成される。所定の情報は、空気調和装置(10)の運転状態や設定温度を示す情報などである。
入力部(81)は、ユーザからの各種設定を行う入力操作を受け付ける。入力部(81)は、タッチパネルおよび物理的なスイッチの両方または一方で構成される。
通信部(82)は、空調ユニット(15)と通信するためのインタフェースである。制御装置(C)は、第3通信線(L3)を有する。通信部(82)は、親機である室内ユニット(40M)の通信部(14M)と第3通信線(L3)を介して通信可能に接続される。第3通信線(L3)は、有線である。第3通信線(L3)は、無線であってもよい。リモートコントローラ(C3)の通信部(82)は、親機である室内ユニット(40M)の通信部(14)と第3通信線(L3)を介して信号の授受を行う。当該通信部(82)は、機能部として、送信部(85)および受信部(86)を有する。送信部(85)は、親機である室内ユニット(40M)に向けて各種信号を送信する。受信部(86)は、親機である室内ユニット(40M)から送信された信号を受信する。
CPU(83)は、メモリ(84)内のソフトウェアおよびデータに基づいて各種処理を行う。CPU(83)は、入力部(81)でのユーザの操作に応じて、親機である室内ユニット(40M)に対する指示信号を送信部(85)に送信させる。CPU(83)は、受信部(86)が受信した信号を識別し、当該信号に応じた処理を行う。CPU(83)は、表示部(80)に表示されるメニュー画面(100)の表示内容を切り換える。
メモリ(84)は、CPU(83)を動作させるための各種プログラムおよびデータを記憶する。メモリ(84)は、受信部(86)で受信した信号を識別するためのプログラムおよびデータを記憶する。受信部(83)で受信された信号に基づくデータは、メモリ(84)に記憶される。メモリ(84)は、入力部(81)での入力操作を受け付けるためのプログラムおよびデータを記憶する。入力部(81)での入力操作により行われた各種設定は、メモリ(84)に記憶される。メモリ(84)は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などで構成される。
制御装置(C)において、リモートコントローラ(C3)からの空気調和装置(10)の運転を指示する指示信号は、送信部(85)により、親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)に送信される。親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)は、リモートコントローラ(C3)からの指示信号を受信部(18)で受信すると、その指示信号を、CPU(15)の動作により送信部(17)から子機である室内ユニット(40S)の室内制御部(C2)と室外制御部(C1)とに送信する。
親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)は、リモートコントローラ(C3)からの指示信号を受信部(18)で受信すると、CPU(15)の動作により指示信号を識別する。親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)は、当該指示信号の内容に従い、CPU(15)の動作により室内ファン(52)およびドレンポンプ(58)などを制御する。
子機である室内ユニット(40S)の室内制御部(C2)は、親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)からの指示信号を受信すると、CPU(15)の動作により指示信号を識別する。子機である室内ユニット(40S)の室内制御部(C2)は、当該指示信号の内容に従い、CPU(15)の動作により室内ファン(52)およびドレンポンプ(58)などを制御する。
室外制御部(C1)は、親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)からの指示信号を受信すると、CPU(15)の動作により指示信号を識別する。室外制御部(C1)は、当該指示信号の内容に従い、CPU(15)の動作により圧縮機(21)、室外熱交換器(22)、膨張弁(23)、四方切換弁(53)および室外ファン(26)を制御する。
−運転動作−
〈通常運転〉
空気調和装置(10)は、通常運転を行う。通常運転は、対象空間を空調する運転である。通常運転は、冷房運転、暖房運転および除湿運転を含む。
冷房運転は、対象空間の空気を冷却する運転である。除湿運転は、対象空間の空気を除湿する運転である。冷房運転および除湿運転は、冷却運転に対応する。冷却運転は、第1冷凍サイクルを行い、蒸発器とした室内熱交換器(53)により空気を冷却する運転である。暖房運転は、対象空間の空気を加熱する運転である。暖房運転は、第2冷凍サイクルを行い、放熱器とした室内熱交換器(53)により空気を加熱する運転である。
〈冷房運転〉
冷房運転では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第1状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。冷房運転では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室外熱交換器(22)で放熱し、室内熱交換器(53)で蒸発する第1冷凍サイクルが行われる。
冷房運転において、圧縮機(21)が圧縮した冷媒は、四方切換弁(25)を通過し、室外熱交換器(22)を流れる。室外熱交換器(22)では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(22)で放熱した冷媒は、膨張弁(23)で減圧された後、室内熱交換器(53)を流れる。室内熱交換器(53)では、冷媒が室内空気から吸熱した蒸発する。室内熱交換器(53)により冷却された空気は室内ユニット(40)の吹出口(47)から対象空間へ供給される。室内熱交換器(53)で蒸発した冷媒は、圧縮機(21)に吸入され、再び圧縮される。
冷房運転では、室内温度(T1)が設定温度に収束するように、制御装置(C)が室内熱交換器(53)の目標蒸発温度(TeS)を調節する。制御装置(C)は、室内熱交換器(53)の冷媒の蒸発温度(Te)が目標蒸発温度(TeS)に収束するように圧縮機(21)の回転数を制御する。
〈除湿運転〉
除湿運転では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第1状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。除湿運転では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室外熱交換器(22)で放熱し、室内熱交換器(53)で蒸発する第1冷凍サイクルが行われる。除湿運転の冷媒の流れは、冷房運転の冷媒の流れと同じである。
除湿運転では、室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)が室内空気の露点温度(Td)を下回るように、制御装置(C)が室内熱交換器(53)の冷却能力を制御する。制御装置(C)は、内気温度センサ(61)で検出した室内温度(T1)と、内気湿度センサ(62)で検出した室内湿度(R1)とに基づいて露点温度(Td)を求める。制御装置(C)は、室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)が露点温度(Td)以下になるように目標蒸発温度(TeS)を調節する。制御装置(C)は、室内熱交換器(53)の冷媒の蒸発温度(Te)が目標蒸発温度(TeS)に収束するように圧縮機(21)の回転数を制御する。
以上の制御により、除湿運転では、室内熱交換器(53)で冷却された室内空気中の水分が結露する。これにより、室内空気が除湿される。ドレンパンは、結露した水分を受ける。除湿された空気は室内ユニット(40)の吹出口(47)から対象空間へ供給される。
〈暖房運転〉
暖房運転では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第2状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。暖房運転では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室内熱交換器(53)で放熱し、室外熱交換器(22)で蒸発する第2冷凍サイクルが行われる。
暖房運転において、圧縮機(21)が圧縮した冷媒は、四方切換弁(25)を通過し、室内熱交換器(53)を流れる。室内熱交換器(53)では、冷媒が室内空気へ放熱して凝縮する。室内熱交換器(53)で加熱された空気は室内ユニット(40)の吹出口(47)から対象空間へ供給される。室内熱交換器(53)で放熱した冷媒は、膨張弁(23)で減圧された後、室外熱交換器(22)を流れる。室外熱交換器(22)では、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(22)で蒸発した冷媒は、圧縮機(21)に吸入され、再び圧縮される。
暖房運転では、室内温度(T1)が設定温度に収束するように、制御装置(C)が室内熱交換器(53)の目標凝縮温度(TcS)を調節する。制御装置(C)は、室内熱交換器(53)の冷媒の凝縮温度(Tc)が目標凝縮温度(TcS)に収束するように圧縮機(21)の回転数を制御する。
〈第1モード〉
空気調和装置(10)は、室外ユニット(20)の機種および室内ユニット(40)の機種によっては第1モードを行うことができる。
第1モードとしては、第1運転と第2運転とが存在する。第1運転は、各室内ユニット(40)の室内熱交換器(53)を洗浄する運転である。第2運転は、各室内ユニット(40)の室内熱交換器(53)を乾燥させる運転である。
〈第1運転〉
制御装置(C)は、室外ユニット(20)の機種および各室内ユニット(40)の機種によっては、第1モードの自動実行が有効に設定されている場合に、通常運転が終了すると第1運転を実行させる。厳密には、制御装置(C)は、冷房運転および除湿運転が終了すると、第1運転を開始させる。制御装置(C)は、暖房運転が終了しても第1運転を開始させない。
第1運転では、第1動作、第3動作、第2動作および第4動作を順に実行させる。
第1動作の実行時間をΔT1、第3動作の実行時間をΔT3、第2動作の実行時間をΔT2、第4動作の実行時間をΔT4とする。原則として、第3動作の実行時間ΔT3は、第2動作の実行時間ΔT2より長い。第3動作の実行時間ΔT3は、第1動作の実行時間ΔT1より長い。第3動作の実行時間ΔT3は、第4動作の実行時間ΔT4より長い。
第1動作、第3動作、第2動作および第4動作の詳細について、図4を参照しながら説明する。
〈第1動作〉
第1動作は、室内熱交換器(53)の表面に付着した埃などの汚れを落とす動作である。第1動作の実行時間ΔT1は、原則として10分である。
第1動作では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)および室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第1状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。第1動作では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室外熱交換器(22)で放熱し、膨張弁(23)で減圧され、室内熱交換器(53)で蒸発する第1冷凍サイクルが行われる。
第1動作では、室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)が室内空気の露点温度(Td)以下になるように制御装置(C)が目標蒸発温度(TeS)を調節する。冷房運転の終了後、第1動作が実行された場合、第1動作時の目標蒸発温度(TeS)は、冷房運転の終了時の目標蒸発温度(TeS)より低い値に設定される。除湿運転の終了後、第1動作が実行された場合、第1動作時の目標蒸発温度(TeS)は、除湿運転の終了時の目標蒸発温度(TeS)と同じ値に設定される。
第1動作では、室内ユニット(40)の吸込口(46)から吸い込まれた空気が室内熱交換器(53)を通過する。室内熱交換器(53)では、冷媒により空気が露点温度以下まで冷却される。この結果、室内熱交換器(53)の表面において結露水が生成する。結露水は、室内熱交換器(53)の表面の埃などの汚れを落とす。室内熱交換器(53)の洗浄に利用された結露水は、ドレンパンに溜まる。室内熱交換器(53)を通過した空気は、室内ユニット(40)の吹出口(47)から対象空間へ流出する。
第1動作では、制御装置(C)が室内ファン(52)の風量を微風量(LL)に制御する。これにより、室内熱交換器(53)を通過する空気の流量が小さくなり、 結露水の生成量が増大する。加えて、吹出空気の風量が小さくなるため、対象空間の人が冷風により不快に感じることを抑制できる。
第1動作では、制御装置(C)がドレンポンプ(58)を運転する。これにより、ドレンパンに溜まった水を室内ユニット(40)のケーシング(41)の外部へ排出できる。
第1動作中の室内熱交換器(53)の蒸発温度域は、冷房運転中の室内熱交換器(53)の蒸発温度の蒸発温度域よりも低い。具体的には、第1動作中の室内熱交換器(53)の蒸発温度の制御範囲は、冷房運転中の室内熱交換器(53)の蒸発温度の制御範囲よりも低い。例えば冷房運転の蒸発温度の制御範囲は10℃〜30℃であり、第1動作の蒸発温度の制御範囲は、4℃〜30℃である。このように、本実施形態では、第1動作の蒸発温度域(以下、第1蒸発温度域という)の上限値と、冷房運転の蒸発温度域(以下、第2蒸発温度域という)の上限値とが同じであり、第1蒸発温度域の下限値が第2蒸発温度域の下限値より低い。
なお、第1蒸発温度域と、第2蒸発温度域とが全く重なっていなくてもよい。この場合、第1蒸発温度域の上限値が、第2蒸発温度の下限値より低くなる。第1蒸発温度域と第2蒸発温度域との一部が重なっている場合、第1蒸発温度域の下限値が第2蒸発温度域の下限値より低く、且つ第1蒸発温度域の上限値が第2蒸発温度域の上限値より低くてもよい。
〈第3動作〉
第3動作は、室内熱交換器(53)の表面の水を室内ファン(52)が搬送する空気によって乾燥させる動作である。室内熱交換器(53)の表面の水を乾燥させることで、室内熱交換器(53)の表面でのカビや菌の発生を抑制できる。第3動作の実行時間ΔT3は、原則として100分である。
第3動作では、制御装置(C)が、圧縮機(21)および室外ファン(26)を停止させる。制御装置(C)は、室内ファン(52)を運転させる。第3動作では、第1冷凍サイクルおよび第2冷凍サイクルが行われず、冷媒が室内熱交換器(53)を流れない。このため、室内熱交換器(53)は停止する。ここでいう、「室内熱交換器が停止する」とは、室内熱交換器(53)が放熱器および蒸発器としての機能を発揮しないことを意味する(以下同じ)。
第3動作では、室内ユニット(40)の吸込口(46)から吸い込まれた空気が停止状態の室内熱交換器(53)を通過する。この結果、室内熱交換器(53)の表面の水分が蒸発していく。室内熱交換器(53)の乾燥に利用された空気は、室内ユニット(40)の吹出口(47)から対象空間へ流出する。
第3動作の実行時間ΔT3は、第2動作の実行時間ΔT2より長い。このため、室内熱交換器(53)の表面の水を、時間をかけてゆっくり乾燥できる。第3動作では、室内熱交換器(53)が放熱器とならず停止状態となる。このため、室内熱交換器(53)の表面から多量の水が蒸発することがない。よって、高温高湿の空気が長時間に亘って対象空間に供給されることに起因して対象空間の人が不快に感じることを抑制できる。
第3動作では、制御装置(C)が室内ファン(52)の風量を小風量(L)に制御する。これにより、風量が微風量(LL)であるときと比べて室内熱交換器(53)の乾燥を促進できる。風量が中風量(M)や大風量(H)であるときと比べて、対象空間の人が不快に感じることを抑制できる。
第3動作では、制御装置(C)がドレンポンプ(58)を運転する。厳密には、制御装置(C)は、第1動作から第3動作に亘ってドレンポンプ(58)を連続的に運転する。これにより、ドレンパンに残った水を室内ユニット(40)のケーシング(41)の外部へ排出できる。
〈第2動作〉
第2動作は、室内熱交換器の伝熱管に冷媒を流すことにより室内熱交換器(53)の表面を加熱し、その表面を乾かす動作である。室内熱交換器(53)の表面の水を乾燥させることで、室内熱交換器(53)の表面でのカビや菌の発生を抑制できる。室内熱交換器(53)の表面の温度を高温にすることで、殺菌効果を得ることもできる。第2動作の実行時間ΔT2は、原則として10分〜15分である。
第2動作では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)および室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第2状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。第2動作では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室内熱交換器(53)で放熱し、膨張弁(23)で減圧され、室外熱交換器(22)で蒸発する第2冷凍サイクルが行われる。
第2動作では、制御装置(C)が目標凝縮温度(TcS)を所定値に調節する。
第2動作では、室内ユニット(40)の吸込口(46)から吸い込まれた空気が室内熱交換器(53)を通過する。室内熱交換器(53)では、該室内熱交換器(53)の表面が内部の冷媒によって加熱される。この結果、室内熱交換器(53)の表面の水分がさらに蒸発する。蒸発した水分を含んだ空気は、室内ユニット(40)の吹出口(47)から対象空間へ流出する。
第2動作の実行時間ΔT2は、第3動作の実行時間ΔT3より短い。このため、高温高湿の空気が対象空間に供給されることに起因して対象空間の人が不快に感じることを抑制できる。
第2動作では、冷媒の熱を利用して室内熱交換器(53)を乾燥する。このため、実行時間ΔT2が比較的短くても、室内熱交換器(53)の水分を除去できる。この結果、その後のカビや菌の繁殖を抑えることができる。
第2動作では、制御装置(C)が室内ファン(52)の風量を小風量(L)に制御する。これにより、吹出空気の風量が比較的小さくなるため、対象空間の人が高温高湿の風により不快に感じることを抑制できる。
第2動作では、制御装置(C)がドレンポンプ(58)を運転する。厳密には、制御装置(C)は、第3動作から第2動作に亘ってドレンポンプ(58)を連続的に運転する。言い換えると、制御装置(C)は、第1動作から第2動作にかけてドレンポンプ(58)を運転する。これにより、ドレンパンに残った水を室内ユニット(40)のケーシング(41)の外部へ排出できる。
〈第4動作〉
第4動作では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を停止させる。第4動作では、室内ユニット(40)が実質的に停止状態となる。
第4動作では、制御装置(C)がドレンポンプ(58)を運転させる。厳密には、制御装置(C)は、第2動作から第4動作に亘ってドレンポンプ(58)を連続的に運転する。言い換えると、制御装置(C)は、第1動作から第4動作にかけてドレンポンプ(58)を運転する。これにより、ドレンパンに残った水を室内ユニット(40)のケーシング(41)の外部へ排出できる。加えて、ドレンパンに水が逆流することを抑制でき、ドレンパンの水の蒸発を抑制できる。
第4動作が終了すると、第1運転が終了する。
〈第2運転〉
制御装置(C)は、室内ユニット(40)の機種によっては、第1モードの自動実行が有効に設定されている場合に、通常運転が終了すると第2運転を実行させる。厳密には、制御装置(C)は、冷房運転、除湿運転および暖房運転が終了すると、第2運転を開始させる。
第2運転では、制御装置(C)は、原則として、第5動作および第6動作を順に実行させる。
第5動作の実行時間をΔT5、第6動作の実行時間をΔT6とする。原則として、第5動作の実行時間ΔT5は、第6動作の実行時間ΔT6よりも長い。
第5動作および第6動作の詳細について、図5を参照しながら説明する。
〈第5動作〉
第5動作は、室内熱交換器(53)の表面の水を室内ファン(52)が搬送する空気によって乾燥させる動作である。室内熱交換器(53)の表面の水を乾燥させることで、第1運転における第3動作と同様に、室内熱交換器(53)の表面でのカビや菌の発生を抑制できる。第5動作の実行時間ΔT5は、原則として100分である。
第5動作では、制御装置(C)が、圧縮機(21)および室外ファン(26)を停止させる。制御装置(C)は、室内ファン(52)を運転させる。第5動作では、第1冷凍サイクルおよび第2冷凍サイクルが行われず、冷媒が室内熱交換器(53)を流れない。このため、室内熱交換器(53)が停止する。
第5動作では、室内ユニット(40)の吸込口(46)から吸い込まれた空気が停止状態の室内熱交換器(53)を通過する。この結果、室内熱交換器(53)の表面の水分が蒸発していく。室内熱交換器(53)の乾燥に利用された空気は、室内ユニット(40)の吹出口(47)から対象空間へ流出する。
第5動作では、制御装置(C)がドレンポンプ(58)を運転する。これにより、ドレンパンに溜まった水を室内ユニット(40)のケーシング(41)の外部へ排出できる。
〈第6動作〉
第6動作では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)および室外ファン(26)を停止させる。第6動作では、室内ユニット(40)が実質的に停止状態となる。
第6動作では、制御装置(C)がドレンポンプ(58)を運転させる。厳密には、制御装置(C)は、第5動作から第6動作に亘ってドレンポンプ(58)を連続的に運転する。これにより、ドレンパンに残った水を室内ユニット(40)のケーシング(41)の外部へ排出できる。加えて、ドレンパンに水が逆流することを抑制でき、ドレンパンの水の蒸発を抑制できる。
第6動作が終了すると、第2運転が終了する。
〈リモートコントローラのメニュー画面と指示信号〉
図6に示すように、リモートコントローラ(C3)の表示部(80)は、空気調和装置(10)の運転に関するメニュー画面(100)を表示する。そのメニュー画面(100)は、空気調和装置(10)の通常運転に関する設定項目(110)を含む。通常運転に関する設定項目(110)は、時刻設定に従い通常運転を自動で開始させる機能を設定する「入タイマー」の項目(111)と、時刻設定に従い通常運転を自動で停止させる機能を設定する「切タイマー」の項目(112)などである。
図7および図8に示すように、表示部(80)が表示するメニュー画面(100)は、空気調和装置(10)の第1モードに関する設定項目(120)を含むことができる。第1モードに関する設定項目(120)は、第1モードの自動開始を設定するための第3項目(121)を含む。第1モードに関する設定項目(120)はさらに、第1モードの種類を設定するための第4項目(122)を含むことができる。
リモートコントローラ(C3)では、ユーザが、入力部(81)を使用して、表示部(80)に表示される通常運転に関する設定項目(110)と、第1モードに関する設定項目(120)とを設定する操作を行える。リモートコントローラ(C3)は、第1運転または第2運転を実行させるための操作を受け付ける操作部の一例である。第1モードに関する設定項目(120)は、第1運転および第2運転に関する設定項目に対応する。
リモートコントローラ(C3)の表示部(80)において第3項目(121)を選択すると、図9に示す第1設定画面(130)に遷移する。第1設定画面(130)では、第1モードの自動開始の有効を示す第5項目(131)と、第1モードの自動開始の無効を示す第6項目(132)とが選択可能に表示される。ユーザは、第1設定画面(130)において、通常運転が終了した後に第1モードを自動で開始することを、第5項目(131)を選択することで有効に設定でき、第6項目(132)を選択することで無効に設定できる。
第1設定画面(130)で第1モードを自動で開始することが有効に設定されると、ON信号が、リモートコントローラ(C3)の送信部(85)から親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)に送信される。ON信号は、第1モードの自動実行を有効にすることを指示する指示信号である。第1設定画面(130)で第1モードを自動で開始することが無効に設定されると、OFF信号が、リモートコントローラ(C3)の送信部(85)から親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)に送信される。OFF信号は、第1モードの自動実行を無効にすることを指示する指示信号である。
リモートコントローラ(C3)の表示部(80)において第4項目(122)を選択すると、図10に示す第2設定画面(140)に遷移する。第2設定画面(140)では、第1運転を示す第1項目(141)と、第2運転を示す第2項目(142)とが選択可能に表示される。第1項目(141)は、第1運転を実行するための項目である。第2項目(142)は、第2運転を実行するための項目である。ユーザは、第2設定画面(140)において、第1モードの種類を、第1項目(141)を選択することで第1運転に設定でき、第2項目(142)を選択することで第2運転に設定できる。
第2設定画面(140)で第1モードの種類が第1運転に設定されると、第1運転信号が、リモートコントローラ(C3)の送信部(86)から親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)に送信される。第1運転信号は、第1モードとして第1運転を実行することを指示する指示信号である。第2設定画面(140)で第1モードの種類が第2運転に設定されると、第2運転信号が、リモートコントローラ(C3)の送信部(86)から親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)に送信される。第2運転信号は、第1モードとして第2運転を実行することを指示する指示信号である。
−室内ユニットと室外ユニットの機種−
〈室内ユニットの機種〉
室内ユニット(40)としては、機種Aの室内ユニット(40a)と、機種Bの室内ユニット(40b)と、機種Cの室内ユニット(40c)と、機種Dの室内ユニット(40d)とがある。
機種Aの室内ユニット(40a)は、第1モード(第1運転および第2運転)の対応機種である。機種Aの室内ユニット(40a)は、第2利用ユニットの一例である。機種Aの室内ユニット(40a)は、第1運転と第2運転との両方が実行可能に構成される。具体的には、機種Aの室内ユニット(40a)において、室内制御部(C2)のメモリ(16)には、第1運転を実行するソフトウェアと、第2運転を実行するソフトウェアとがいずれも記憶される。機種Aの室内ユニット(40a)において、室内制御部(C2)のCPU(15)は、ON信号、OFF信号、第1運転信号および第2運転信号を識別できる。
機種Bの室内ユニット(40b)は、第1モード(第1運転および第2運転)の対応機種である。機種Bの室内ユニット(40b)は、第2利用ユニットの一例である。機種Bの室内ユニット(40b)は、第1運転を実行可能に構成される。具体的には、機種Bの室内ユニット(40b)において、室内制御部(C2)のメモリ(16)には、第1運転を実行するソフトウェアが記憶される。機種Bの室内ユニット(40b)において、室内制御部(C2)のCPU(15)は、ON信号、OFF信号および第1運転信号を識別できる。
機種Bの室内ユニット(40b)は、自ユニット(40b)が子機であって、且つ親機である室内ユニット(40)が第2運転を実行する場合に、第2運転を実行可能に構成される。具体的には、機種Bの室内ユニット(40b)において、室内制御部(C2)のメモリ(16)には、上記の場合に第2運転を実行するソフトウェアが記憶される。機種Bの室内ユニット(40b)において、室内制御部(C2)のCPU(15)は、第2運転信号を識別できる。機種Bの室内ユニット(40b)において、室内制御部(C2)のCPU(15)は、第1運転信号とそれ以外の信号とが区別できれば、第2運転信号を識別できなくてもよい。
機種Cの室内ユニット(40c)は、第1モード(第2運転)の対応機種である。機種Cの室内ユニット(40c)は、第1利用ユニットおよび第3利用ユニットの一例である。機種Cの室内ユニット(40c)は、第2運転を実行可能に構成される。機種Cの室内ユニット(40c)において、室内制御部(C2)のメモリ(16)には、第2運転を実行するソフトウェアが記憶される。機種Cの室内ユニット(40c)において、室内制御部(C2)のCPU(15)は、ON信号およびOFF信号を識別できる。
機種Cの室内ユニット(40c)は、第1運転を実行不能に構成される。具体的には、機種Cの室内ユニット(40c)において、室内制御部(C2)のメモリ(16)には、第1運転を実行するソフトウェアが記憶されない。機種Cの室内ユニット(40c)において、室内制御部(C2)のCPU(15)は、第1運転信号および第2運転信号を識別できない。
機種Dの室内ユニット(40d)は、第1モード(第1運転および第2運転)の非対応機種である。機種Dの室内ユニット(40d)は、第1利用ユニットおよび第4利用ユニットの一例である。機種Dの室内ユニット(40d)の室内制御部(C2)は、第1運転と第2運転との両方が実行不能に構成される。具体的には、機種Dの室内ユニット(40d)において、室内制御部(C2)のメモリ(16)には、第1運転を実行するソフトウェアと、第2運転を実行するソフトウェアとがいずれも記憶されない。機種Dの室内ユニット(40d)において、室内制御部(C2)のCPU(15)は、ON信号、OFF信号、第1運転信号および第2運転信号をいずれも識別できない。
機種Aの室内ユニット(40a)の室内制御部(C2)と機種Bの室内ユニット(40b)の室内制御部(C2)とはいずれも、自ユニット(40)が親機(40M)に設定されると、空気調和装置(10)における初回の電源投入時に、子機である室内ユニット(40S)に対して送信部(17)から第2問合せ信号を送信した後に、子機である室内ユニット(40S)と室外ユニット(20)とに対して第1問合せ信号を送信する。第1問合せ信号は、第1運転を実行可能であるか否かを問い合わせる信号である。第2問合せ信号は、第2運転を実行可能であるか否かを問い合わせる信号である。機種Cの室内ユニット(40c)の室内制御部(C2)は、自ユニット(40)が親機(40M)に設定されると、空気調和装置(10)における初回の電源投入時に、子機である室内ユニット(40)に対して送信部(17)から第2問合せ信号を送信する。
機種Aの室内ユニット(40a)と機種Bの室内ユニット(40b)とにおいて、室内制御部(C2)のCPU(15)は、第1問合せ信号および第2問合せ信号を識別できる。機種Cの室内ユニット(40c)において、室内制御部(C2)のCPU(15)は、第2問合せ信号を識別できる。機種Cの室内ユニット(40c)において、室内制御部(C2)のCPU(15)は、第1問合せ信号を識別できない。機種Dの室内ユニット(40d)において、室内制御部(C2)のCPU(15)は、第1問合せ信号および第2問合せ信号をいずれも識別できない。
機種Aの室内ユニット(40a)の室内制御部(C2)は、自ユニット(40a)が子機(40S)に設定された場合に、受信部(18)で第1問合せ信号を受信すると、CPU(15)の動作により第1問合せ信号を識別し、親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)に対して送信部(17)から第1運転を実行可能であることを示す応答信号を送信する。
機種Aの室内ユニット(40a)の室内制御部(C2)は、自ユニット(40a)が子機(40S)に設定された場合に、受信部(18)で第2問合せ信号を受信すると、CPU(15)の動作により第2問合せ信号を識別し、親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)に対して送信部(17)から第2運転を実行可能であることを示す応答信号を送信する。
機種Aの室内ユニット(40a)の室内制御部(C2)では、受信部(18)でON信号を受信すると、CPU(15)の動作によりON信号を識別し、通常運転を終了した後に第1モードを自動で実行することが有効に設定される。機種Aの室内ユニット(40a)の室内制御部(C2)では、受信部(18)でОFF信号を受信すると、CPU(15)の動作によりOFF信号を識別し、通常運転を終了した後に第1モードを自動で実行することが無効に設定される。
機種Aの室内ユニット(40a)の室内制御部(C2)では、受信部(18)で第1運転信号を受信すると、CPU(15)の動作により第1運転信号を識別し、第1モードとして第1運転を実行することが設定される。この設定により、機種Aの室内ユニット(40a)において、室内制御部(C2)のCPU(15)は、第1モードの自動実行が有効であると、通常運転を終了した後に第1運転を実行するように室内ファン(52)およびドレンポンプ(58)を制御する。
機種Aの室内ユニット(40a)の室内制御部(C2)では、受信部(18)で第2運転信号を受信すると、CPU(15)の動作により第2運転信号を識別し、第1モードとして第2運転を実行することが設定される。この設定により、機種Aの室内ユニット(40a)において、室内制御部(C2)のCPU(15)は、第1モードの自動実行が有効であると、通常運転を終了した後に第2運転を実行するように室内ファン(52)およびドレンポンプ(58)を制御する。
機種Bの室内ユニット(40b)の室内制御部(C2)は、自ユニット(40b)が子機(40S)に設定された場合に、受信部(18)で第1問合せ信号を受信すると、CPU(15)の動作により第1問合せ信号を識別し、親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)に対して送信部(17)から第1運転を実行可能であることを示す応答信号を送信する。
機種Bの室内ユニット(40)の室内制御部(C2)は、自ユニット(40b)が子機(40S)に設定された場合に、受信部(18)で第2問合せ信号を受信すると、CPU(15)の動作により第2問合せ信号を識別し、親機の室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)に対して送信部(17)から第2運転を実行可能であることを示す応答信号以外の信号を送信する。この場合において、機種Bの室内ユニット(40b)の室内制御部(C2)は、第2問合せ信号に応答しなくてもよい。
機種Bの室内ユニット(40b)の室内制御部(C2)では、受信部(18)でON信号を受信すると、CPU(15)の動作によりON信号を識別し、通常運転を終了した後に第1モードを自動で実行することが有効に設定される。機種Bの室内ユニット(40b)の室内制御部(C2)では、受信部(18)でOFF信号を受信すると、CPU(15)の動作によりOFF信号を識別し、通常運転を終了した後に第1モードを自動で実行することが無効に設定される。
機種Bの室内ユニット(40b)において、室内制御部(C2)のCPU(15)は、自ユニット(40b)が親機(40M)に設定された場合に、第1モードの自動実行が有効であると、通常運転を終了した後に第1運転を実行するように室内ファン(52)およびドレンポンプ(58)を制御する。
機種Bの室内ユニット(40b)の室内制御部(C2)は、自ユニット(40b)が子機(40S)に設定され、且つ機種Aの室内ユニット(40a)が親機(40M)に設定された場合に、受信部(18)で第1運転信号を受信すると、CPU(15)の動作により第1運転信号を識別し、第1モードとして第1運転を実行することが設定される。この場合にも、機種Bの室内ユニット(40b)において、室内制御部(C2)のCPU(15)は、第1モードの自動実行が有効であると、通常運転を終了した後に第1運転を実行するように室内ファン(52)およびドレンポンプ(58)を制御する。
機種Bの室内ユニット(40b)の室内制御部(C2)では、自ユニット(40b)が子機(40S)に設定され、且つ機種Aの室内ユニット(40a)が親機(40M)に設定された場合に、受信部(18)で第2運転信号を受信すると、第1モードとして第2運転を実行することが設定される。この設定により、機種Bの室内ユニット(40b)において、室内制御部(C2)のCPU(15)は、第1モードの自動実行が有効であると、通常運転を終了した後に第2運転を実行するように室内ファン(52)およびドレンポンプ(58)を制御する。
機種Bの室内ユニット(40b)の室内制御部(C2)では、自ユニット(40b)が子機(40S)に設定され、且つ機種Cの室内ユニット(40c)が親機(40M)に設定された場合にON信号を受信すると、CPU(15)の動作によりON信号を識別し、第1モードの自動実行が有効に設定されると共に、第1モードとして第2運転を実行することが設定される。この場合にも、機種Bの室内ユニット(40b)において、室内制御部(C2)のCPU(15)は、通常運転を終了した後に第2運転を実行するように室内ファン(52)およびドレンポンプ(58)を制御する。
機種Cの室内ユニット(40c)の室内制御部(C2)は、自ユニット(40c)が子機(40S)に設定された場合に、受信部(18)で第1問合せ信号を受信すると、CPU(15)の動作により第1問合せ信号を識別できず、親機である室内ユニット(40)の室内制御部(C2)に対して送信部(17)から第1運転を実行可能であることを示す応答信号以外の信号を送信する。この場合において、機種Cの室内ユニット(40c)の室内制御部(C2)は、第1問合せ信号に応答しなくてもよい。
機種Cの室内ユニット(40c)の室内制御部(C2)は、自ユニット(40c)が子機(40S)に設定された場合に、受信部(18)で第2問合せ信号を受信すると、CPU(15)の動作により第2問合せ信号を識別し、親機である室内ユニット(40M)に対して送信部(17)から第2運転を実行可能であることを示す応答信号を送信する。
機種Cの室内ユニット(40c)の室内制御部(C2)では、受信部(18)でON信号を受信すると、CPU(15)の動作によりON信号を識別し、通常運転を終了した後に第2運転を実行することが有効に設定される。機種Cの室内ユニット(40c)の室内制御部(C2)では、受信部(18)でOFF信号を受信すると、CPU(15)の動作によりOFF信号を識別し、通常運転を終了した後に第2運転を実行することが無効に設定される。機種Cの室内ユニット(40c)において、室内制御部(C2)のCPU(15)は、第1モードの自動実行が有効であると、通常運転を終了した後に第2運転を実行するように室内ファン(52)およびドレンポンプ(58)を制御する。
機種Dの室内ユニット(40d)の室内制御部(C2)は、自ユニット(40d)が子機(40S)に設定された場合に、受信部(18)で第1問合せ信号を受信すると、CPU(15)の動作により第1問合せ信号を識別できず、親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)に対して送信部(17)から第1運転を実行可能であることを示す応答信号以外の信号を送信する。この場合において、機種Dの室内ユニット(40d)の内部制御部(C2)は、第1問合せ信号に応答しなくてもよい。
機種Dの室内ユニット(40d)の室内制御部(C2)は、自ユニット(40d)が子機(40S)に設定された場合に、受信部(18)で第2問合せ信号を受信すると、CPU(15)の動作により第2問合せ信号を識別できず、親機である室内ユニット(40M)に対して送信部(17)から第2運転を実行可能であることを示す応答信号以外の信号を送信する。この場合において、機種Dの室内ユニット(40d)の内部制御部(C2)は、第2問合せ信号に応答しなくてもよい。
〈室外ユニットの機種〉
室外ユニット(20)としては、機種Qの室外ユニット(20q)と、機種Rの室外ユニット(20r)とがある。
機種Qの室外ユニット(20q)は、第1モード(第1運転)の対応機種である。機種Qの室外ユニット(20q)は、第2熱源ユニットの一例である。機種Qの室外ユニット(20q)は、第1運転を実行可能に構成される。具体的には、機種Qの室外ユニット(20q)において、室外制御部(C1)のメモリ(16)には、第1運転を実行するソフトウェアが記憶される。機種Qの室外ユニット(20q)において、室外制御部(C1)のCPU(15)は、第1問合せ信号、ON信号、OFF信号および第1運転信号を識別できる。
機種Qの室外ユニット(20q)の室外制御部(C1)は、受信部(18)で第1問合せ信号を受信すると、CPU(15)の動作により第1問合せ信号を識別し、親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)に対して送信部(17)から第1運転を実行可能であることを示す応答信号を送信する。
機種Qの室外ユニット(20q)の室外制御部(C1)では、受信部(18)でON信号および第1運転信号を受信すると、CPU(15)の動作によりON信号および第1運転信号を識別し、通常運転を終了した後に第1モードを自動で実行することが有効に設定される。機種Qの室外ユニット(20q)において、室外制御部(C1)のCPU(15)は、第1モードの自動実行が有効であると、通常運転が終了した後に第1運転を実行するよう圧縮機(21)、室外熱交換器(22)、膨張弁(23)、四方切換弁(53)および室外ファン(26)を制御する。
機種Rの室外ユニット(20r)は、第1モード(第1運転)の非対応機種である。機種Rの室外ユニット(20r)は、第1熱源ユニットの一例である。機種Rの室外ユニット(20r)は、第1運転を実行不能に構成される。具体的には、機種Rの室外ユニット(20r)において、室外制御部(C1)のメモリ(16)には、第1運転を実行するソフトウェアが記憶されない。機種Rの室外ユニット(20r)において、室外制御部(C1)のCPU(15)は、第1問合せ信号、ON信号、OFF信号、第1運転信号および第2運転信号を識別できない。
機種Rの室外ユニット(20r)の室外制御部(C1)は、受信部(18)で第1問合せ信号を受信すると、CPU(15)の動作により第1問合せ信号を識別できず、親機である室内ユニット(40)に対して送信部(17)から第1運転を実行可能であることを示す応答信号以外の信号を送信する。この場合において、機種Rの室外ユニット(20r)の室外制御部(C1)は、第1問合せ信号に応答しなくてもよい。
−親機である室内ユニットによる空調ユニットの種別判定−
機種Aの室内ユニット(40a)の室内制御部(C2)と機種Bの室内ユニット(40b)の室内制御部(C2)とはいずれも、自ユニット(40)が親機(40M)に設定された場合に、子機である室内ユニット(40S)からの第1問合せ信号および第2問合せ信号それぞれに対する応答信号と、室外ユニット(20)からの第1問合せ信号に対する応答信号とを受信部(18)で受信すると、CPU(15)の動作によりそれら応答信号を識別し、当該応答信号に基づいて、空調ユニット(15)の種別を判定する。
機種Aの室内ユニット(40a)の室内制御部(C2)は、自ユニット(40a)が親機(40M)であり、第1問合せ信号に対する子機である室内ユニット(40S)および室外ユニット(20)からの応答信号が全て第1運転を実行可能であることを示す信号である場合に、第1判定信号を送信部(17)からリモートコントローラ(C3)に送信する。第1判定信号は、空調ユニット(15)が第1運転と第2運転との選択的な実行を許容される種別Xの空調ユニット(15x)であることを示す信号である。
機種Aの室内ユニット(40a)の室内制御部(C2)は、自ユニット(40a)が親機(40M)であり、第1問合せ信号に対する子機である室内ユニット(40S)からの応答信号が第1運転を実行可能であることを示す以外の信号を含むか、または室外ユニット(20)からの応答信号が第1運転を実行可能であることを示す以外の信号であり、且つ、第2問合せ信号に対する子機である室内ユニット(40S)からの応答信号が全て第2運転を実行可能であることを示す信号である場合に、第2判定信号を送信部(17)からリモートコントローラ(C3)に送信する。第2判定信号は、空調ユニット(15)が第1運転と第2運転とのうちいずれか一方のみの実行を許容される種別Yの空調ユニット(15y)であることを示す信号である。
機種Aの室内ユニット(40a)の室内制御部(C2)は、自ユニット(40a)が親機(40M)であり、第2問合せ信号に対する子機である室内ユニット(40S)からの応答信号が第2運転を実行可能であることを示す以外の信号を含むか、または第2問合せ信号に対して応答しない子機である室内ユニット(40S)が存在する場合に、第3判定信号を送信部(17)からリモートコントローラ(C3)に送信する。第3判定信号は、空調ユニット(15)が第1運転と第2運転との両方の実行を制限される空調ユニット(15z)であることを示す信号である。
機種Bの室内ユニット(40b)の室内制御部(C2)は、自ユニット(40b)が親機(40M)であり、第1問合せ信号に対する子機である室内ユニット(40S)および室外ユニット(20)からの応答信号が第1運転を実行可能であることを示す信号である場合に、第2判定信号を送信部(17)からリモートコントローラ(C3)に送信する。
機種Bの室内ユニット(40b)の室内制御部(C2)は、自ユニット(40b)が親機(40M)であり、第1問合せ信号に対する子機である室内ユニット(40S)および室外ユニット(20)からの応答信号が第1運転を実行可能であることを示す以外の信号を含むか、または、第1問合せ信号に対して応答しない子機である室内ユニット(40S)もしくは室外ユニット(20)が存在する場合に、第3判定信号を送信部(17)からリモートコントローラ(C3)に送信する。
機種Cの室内ユニット(40c)の室内制御部(C2)は、自ユニット(40c)が親機(40M)であり、第2問合せ信号に対する子機である室内ユニット(40S)からの応答信号が第2運転を実行可能であることを示す信号である場合に、第2判定信号を送信部(17)からリモートコントローラ(C3)に送信する。
機種Cの室内ユニット(40c)の室内制御部(C2)は、自ユニット(40c)が親機(40M)であり、第2問合せ信号に対する子機である室内ユニット(40S)からの応答信号が第2運転を実行可能であることを示す以外の信号を含むか、または第2問合せ信号に対して応答しない子機である室内ユニット(40S)が存在する場合に、第3判定信号を送信部(17)からリモートコントローラ(C3)に送信する。
なお、機種Dの室内ユニット(40d)の室内制御部(C2)は、自ユニット(40d)が親機(40M)である場合に、第1判定信号および第2判定信号とは異なる信号を送信部(17)からリモートコントローラ(C3)に送信する。この場合に、親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)は、リモートコントローラ(C3)に判定信号に相当する信号を送信しなくてもよい。
−第1モードの制限−
制御装置(C)は、室外ユニット(20)が第1運転を実行不能な機種Rの室外ユニット(20r)である場合に、第1運転の実行を制限する。制御装置(C)は、少なくとも1つの室内ユニット(40)が第1運転を実行不能な機種Cの室内ユニット(40c)または機種Dの室内ユニット(40d)である場合に、第1運転を制限する。厳密には、制御装置(C)は、第1運転の制限として、全ての室内ユニット(40)および室外ユニット(20)における第1運転の実行を制限する。制御装置(C)はさらに、少なくとも1つの室内ユニット(40)が第1運転および第2運転を実行不能な機種Dの室内ユニット(40d)である場合に、第1運転の実行および第2運転の実行を制限する。
制御装置(C)は、上述した第1運転の実行の制限と、第1運転の実行および第2運転の実行の制限とを、リモートコントローラ(C3)の表示を制御して、ユーザがリモートコントローラ(C3)で行える操作を規制することにより実現する。
〈リモートコントローラの表示制御〉
図11に示すように、リモートコントローラ(C3)のCPU(83)は、空調ユニット(15)を構成する親機の室内ユニット(40M)の機種と子機の室内ユニット(40S)の機種とに応じて、表示部(80)に表示するメニュー画面(100)を変更する。図11に示す内容は、空調ユニット(15)を構成する室外ユニット(20)が機種Qの室外ユニット(20q)である場合を前提としている。
図11の表において、「S1」は、メニュー画面(100)として第1メニュー画面(100a)を表示部(80)に表示することを示す。図7に示すように、第1メニュー画面(100a)は、第1モードに関する設定項目(120)として、第1モードの自動開始を設定するための第3項目(121)と、第1モードの種類を設定するための第4項目(122)とをいずれも含むメニュー画面(100)である。
図11の表において、「S2」は、メニュー画面(100)として第2メニュー画面(100b)を表示部(80)に表示することを示す。図8に示すように、第2メニュー画面(100b)は、第1モードに関する設定項目(120)として、第3項目(121)を含むが第4項目(122)を含まないメニュー画面(100)である。第2メニュー画面(100b)では、第4項目(122)が選択不可に表示されてもよい。
図11の表において、「S3」は、メニュー画面(100)として第3メニュー画面(100c)を表示部(80)に表示することを示す。図6に示すように、第3メニュー画面(100c)は、第1モードに関する設定項目(120)を含まないメニュー画面(100)である。第3メニュー画面(100c)では、第1モードに関する設定項目(120)として、第3項目(121)および第4項目(122)の両方または一方が選択不可に表示されてもよい。
なお、子機の室内ユニット(40S)を複数備える場合において、表示部(80)に優先して表示するメニュー画面(100)の順位は、「S3」、「S2」、「S1」の順である。親機である室内ユニット(40M)と子機である個々の室内ユニット(40S)との関係が図11の表において、「S1」と「S2」とに該当する場合には、第2メニュー画面(100b)が表示され、「S1」と「S3」、「S2」と「S3」、または「S1」と「S2」と「S3」とに該当する場合には、第3メニュー画面(100c)が表示される。
表示部(80)に表示するメニュー画面(100)は、図11の表に従えば、空調ユニット(15)の種別により決定される。リモートコントローラ(C3)は、空調ユニット(15)の種別に応じて、空調ユニット(15)における第1運転の実行および第2運転の実行の両方または一方を制限する。リモートコントローラ(C3)のメモリ(84)には、第1運転および第2運転の実行を制限する表示制御のソフトウェアが記憶される。リモートコントローラ(C3)のCPU(83)は、第1判定信号、第2判定信号および第3判定信号を識別できる。
リモートコントローラ(C3)は、親機である室内ユニット(40M)からの第1判定信号を受信部(18)で受信した場合に、CPU(83)の動作により第1判定信号を識別し、図7に示すように、第3項目(121)と第4項目(122)とをいずれも含む第1メニュー画面(100a)を表示部(80)に表示する。この場合、ユーザは、リモートコントローラ(C3)の入力部(81)を操作することで、第1モードの自動実行を有効にするかまたは無効するかと、第1モードの種類を第1運転にするかまたは第2運転にするかをそれぞれ設定できる。
リモートコントローラ(C3)は、親機である室内ユニット(40M)からの第2判定信号を受信部(18)で受信した場合に、CPU(83)の動作により第2判定信号を識別し、図8に示すように、第3項目(121)を含むが第4項目(122)を含まない第2メニュー画面(100b)を表示部(80)に表示する。この場合、ユーザは、リモートコントローラ(C3)の入力部(81)を操作することで、第1モードについて、その実行を有効にするかまたは無効にするかのみを設定できる。
リモートコントローラ(C3)は、親機である室内ユニット(40M)からの第3判定信号を受信部(18)で受信した場合に、CPU(83)の動作により第3判定信号を識別し、図6に示すように、第1モードに関する設定項目(120)を含まない第3メニュー画面(100c)を表示部(80)に表示する。リモートコントローラ(C3)のCPU(83)は、第1判定信号および第2判定信号とは異なる信号を受信するか、または親機である室内ユニット(40M)から判定信号に相当する信号を受信しない場合にも、第3メニュー画面(100c)を表示部(80)に表示する。これらの場合、ユーザは、リモートコントローラ(C3)において第1モードに関する設定を行えない。
−親機である室内ユニットの動作−
図12に示すように、親機である室内ユニット(40M)は、リモートコントローラ(C3)からの指示信号に応じて動作する。
親機である機種Aの室内ユニット(40a)は、リモートコントローラ(C3)から第1運転信号を受信した場合に、第1モードの自動実行が有効であると、通常運転を終了した後に第1運転を実行する。親機である機種Aの室内ユニット(40a)は、リモートコントローラ(C3)から第2運転信号を受信した場合に、第1モードの自動実行が有効であると、通常運転を終了した後に第2運転を実行する。親機である機種Aの室内ユニット(40a)は、リモートコントローラ(C3)からON信号を受信した場合に、第1運転信号を受信しないと、通常運転を終了した後に第2運転を実行する。
親機である機種Bの室内ユニット(40b)は、リモートコントローラ(C3)からON信号を受信すると、通常運転を終了した後に第1運転を実行する。
親機である機種Cの室内ユニット(40c)は、リモートコントローラ(C3)からON信号を受信すると、通常運転を終了した後に第2運転を実行する。
−子機である室内ユニットの動作−
図13に示すように、子機である室内ユニット(40S)は、親機である室内ユニット(40M)からの指示信号に応じて動作する。
子機である機種Aの室内ユニット(40a)は、親機である機種Aの室内ユニット(40a)から第1運転信号を受信した場合に、第1モードの自動実行が有効であると、通常運転を終了した後に第1運転を実行する。子機である機種Aの室内ユニット(40a)は、親機である機種Aの室内ユニット(40a)から第2運転信号を受信した場合に、第1モードの自動実行が有効であると、通常運転が終了した後に第2運転を実行する。子機である機種Aの室内ユニット(40a)は、親機である機種Aの室内ユニット(40a)からON信号を受信した場合に、第1運転信号を受信しないと、通常運転を終了した後に第2運転を実行する。
子機である機種Aの室内ユニット(40a)は、親機である機種Bの室内ユニット(40b)からON信号を受信すると、通常運転を終了した後に第1運転を実行する。子機である機種Aの室内ユニット(40a)は、親機である機種Cの室内ユニット(40c)からON信号を受信すると、通常運転を終了した後に第2運転を実行する。
子機である機種Bの室内ユニット(40b)は、親機である機種Aの室内ユニット(40a)から第1運転信号を受信した場合に、第1モードの自動実行が有効であると、通常運転を終了した後に第1運転を実行する。子機である機種Bの室内ユニット(40b)は、親機である機種Aの室内ユニット(40a)から第2運転信号を受信した場合に、第1モードの自動実行が有効であると、通常運転を終了した後に第2運転を実行する。子機である機種Bの室内ユニット(40b)は、親機である機種Aの室内ユニット(40a)からON信号を受信した場合に、第1運転信号を受信しないと、通常運転を終了した後に第2運転を実行する。
子機である機種Bの室内ユニット(40b)は、親機である機種Bの室内ユニット(40b)からON信号を受信すると、通常運転を終了した後に第1運転を実行する。
子機である機種Bの室内ユニット(40b)は、親機である機種Cの室内ユニット(40c)からON信号を受信すると、通常運転を終了した後に第2運転を実行する。
子機である機種Cの室内ユニット(40c)は、親機である機種Aの室内ユニット(40a)から第2運転信号を受信した場合に、第1モードの自動実行が有効であると、通常運転を終了した後に第2運転を実行する。子機である機種Cの室内ユニット(40c)は、親機である機種Aの室内ユニット(40a)からON信号を受信すると、通常運転を終了した後に第2運転を実行する。
子機である機種Cの室内ユニット(40c)は、親機である機種Cの室内ユニット(40c)からON信号を受信すると、通常運転を終了した後に第2運転を実行する。
−空気調和装置の構成例と動作−
〈種別Xの空調ユニット〉
種別Xの空調ユニット(15x)は第1空調ユニットの一例である。図14に示すように、種別Xの空調ユニット(15x)において、室外ユニット(20)には、機種Qの室外ユニット(20q)が用いられる。親機である室内ユニット(40M)には、機種Aの室内ユニット(40a)が用いられる。子機である室内ユニット(40S)は、機種Aの室内ユニット(40a)および機種Bの室内ユニット(40b)の少なくとも一方で構成される。
種別Xの空調ユニット(15x)を備える空気調和装置(10)では、親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)が、空気調和装置(10)における初回の電源投入時に、第1判定信号を送信部(17)からリモートコントローラ(C3)に送信する。リモートコントローラ(C3)は、受信部(86)で受信した第1判定信号に基づいて、CPU(83)の動作により表示部(80)に第1メニュー画面(100a)を表示する。第1メニュー画面(100a)には、第3項目(121)および第4項目(122)が含まれる。これにより、当該空気調和装置(10)では、第1運転および第2運転を選択的に実行できる。
当該空気調和装置(10)では、第2設定画面(140)で第1モードの種類が第1運転に設定された場合に、第1設定画面(130)で第1モードの自動実行が有効に設定されると、通常運転が終了した後に、複数の室内ユニット(40)と室外ユニット(20)とが第1運転を実行する。当該空気調和装置(10)では、第2設定画面(140)で第1モードの種類が第2運転に設定された場合に、第1設定画面(130)で第1モードの自動実行が有効に設定されると、通常運転が終了した後に、複数の室内ユニット(40)が第2運転を実行する。当該空気調和装置(10)では、第1設定画面(140)で第1モードの自動実行が無効に設定されると、通常運転が終了した後に、室内ユニット(40)および室外ユニット(20)は第1モードを実行しない。
〈種別Yの空調ユニット〉
図15〜図18に示すように、種別Yの空調ユニット(15y)においては、親機である室内ユニット(40M)が機種Bの室内ユニットであるか、少なくとも1つの室内ユニット(40)が機種Cの室内ユニット(40c)であるか、または室外ユニット(20)が機種Rの室外ユニット(20R)である。
ただし、親機である室内ユニット(40M)に機種Bの室内ユニット(40b)が用いられ、子機である室内ユニット(40S)に機種Cの室内ユニット(40c)が用いられる空調ユニット(15)は、種別Yの空調ユニット(15y)に該当しない。本例の空気調和装置(10)では、共通の指示信号によって複数の室内ユニット(40)を制御するようにしている。このことから、ON信号に基づき、機種Bの室内ユニット(40b)が第1運転を実行すると共に、機種Cの室内ユニット(40c)が第2運転を実行し、同じ空調ユニット(15)において互いに異なる室内ユニット(40)が別種類の第1モードを実行する事態を回避するためである。
種別Yの空調ユニット(15y)は、種別Y1の空調ユニット(15y1)と、種別Y2の空調ユニット(15y2)とに分けられる。
〈種別Y1の空調ユニット〉
種別Y1の空調ユニット(15y1)は、第1運転のみの実行を許容される空調ユニット(15)である。図15に示すように、種別Y1の空調ユニット(15y1)において、親機である室内ユニット(40M)は、機種Bの室内ユニット(40b)である。子機である室内ユニット(40S)は、機種Aの室内ユニット(40a)および機種Bの室内ユニット(40b)の少なくとも一方で構成される。種別Y1の空調ユニット(15y1)において、室外ユニット(20)には、機種Qの室外ユニット(20q)が用いられる。
種別Y1の空調ユニット(15y1)を備える空気調和装置(10)では、親機である室内ユニット(40M)が、空気調和装置(10)における初回の電源投入時に、第2判定信号を送信部(17)からリモートコントローラ(C3)に送信する。リモートコントローラ(C3)は、受信部(86)で受信した第2判定信号に基づいて、CPU(83)の動作により表示部(80)に第2メニュー画面(100b)を表示する。第2メニュー画面(100b)には、第4項目(122)が含まれない。このため、当該空気調和装置(10)では、第2運転の実行が制限される。
種別Y1の空調ユニット(15y1)を備える空気調和装置(10)では、第1設定画面(130)で第1モードの自動実行が有効に設定されると、通常運転が終了した後に、複数の室内ユニット(40)および室外ユニット(20)が第1運転を実行する。当該空気調和装置(10)では、第1設定画面(130)で第1モードの自動実行が無効に設定されると、通常運転が終了した後に、室内ユニット(40)および室外ユニット(20)は第1モードを実行しない。
〈種別Y2の空調ユニット〉
種別Y2の空調ユニット(15y2)は、第2運転のみの実行を許容される空調ユニット(15)である。種別Y2の空調ユニット(15y2)においては、図16および図17に示すように、少なくとも1つの室内ユニット(40)が機種Cの室内ユニット(40c)であるか、または、図18に示すように、室外ユニット(20)が機種Rの室外ユニット(20r)である。
図16に示すように、種別Y2の空調ユニット(15y2)において、機種Aの室内ユニット(40a)が親機(40M)に設定される場合には、子機である室内ユニット(40S)として、機種Cの室内ユニット(40c)が含まれる。種別Y2の空調ユニット(15y2)が機種C以外の室内ユニット(40)を備える場合、当該室内ユニット(40)は、機種Aの室内ユニット(40a)および機種Bの室内ユニット(40b)の少なくとも一方である。
図17に示すように、種別Y2の空調ユニット(15y2)において、機種Cの室内ユニット(40a)が親機(40M)に設定される場合には、子機である室内ユニット(40S)は、機種Aの室内ユニット(40a)および機種Bの室内ユニット(40b)の少なくとも一方で構成される。この場合、子機である室内ユニット(40S)として、機種Cの室内ユニット(40c)が含まれてもよい。
図18に示すように、種別Y2の空調ユニット(15y2)において、室外ユニット(20)が機種Rの室外ユニット(20r)である場合には、複数の室内ユニット(40)それぞれは、機種Aの室内ユニット(40a)および機種Bの室内ユニット(40b)の少なくとも一方で構成される。この場合、子機である室内ユニット(40S)として、機種Cの室内ユニット(40c)が含まれてもよい。
種別Y2の空調ユニット(15y2)を備える空気調和装置(10)では、親機である室内ユニット(40M)が、空気調和装置(10)における初回の電源投入時に、第2判定信号を送信部(17)からリモートコントローラ(C3)に送信する。リモートコントローラ(C3)は、受信部(86)で受信した第2判定信号に基づいて、CPU(83)の動作により表示部(80)に第2メニュー画面(100b)を表示する。第2メニュー画面(100b)には第4項目(122)が含まれない。このため、当該空気調和装置(10)では、第1運転の実行が制限される。
種別Y2の空調ユニット(15y2)を備える空気調和装置(10)では、第1設定画面(130)で第1モードの自動実行が有効に設定されると、通常運転が終了した後に、複数の室内ユニット(40)それぞれが第2運転を実行する。当該空気調和装置(10)では、第1設定画面(130)で第1モードの自動実行が無効に設定されると、通常運転が終了した後に、室内ユニット(40)および室外ユニット(20)は第1モードを実行しない。
〈種別Zの空調ユニット〉
図19および図20に示すように、種別Zの空調ユニット(15z)において、室外ユニット(20)には、機種Qの室外ユニット(20q)が用いられてもよく、機種Rの室外ユニット(20r)が用いられてもよい。
図19に示すように、種別Zの空調ユニット(15z)においては、原則として、少なくとも1つの室内ユニット(40)が機種Dの室内ユニット(40d)である。機種D以外の室内ユニット(40)を備える場合、当該室内ユニット(40)は、機種Aの室内ユニット(40a)、機種Bの室内ユニット(40b)および機種Cの室内ユニット(40c)のいずれであってもよい。
ただし、例外として、図20に示すように、空調ユニット(15)が機種Dの室内ユニット(40d)を備えなくても、親機である室内ユニット(40M)に機種Bの室内ユニット(40b)が用いられ、子機である室内ユニット(40S)に機種Cの室内ユニット(40c)が用いられる場合は、種別Zの空調ユニット(15z)に該当する。
種別Zの空調ユニット(15z)を備える空気調和装置(10)では、親機である室内ユニット(40M)は、空気調和装置(10)における初回の電源投入時に、第3判定信号を送信部(17)からリモートコントローラ(C3)に送信する。リモートコントローラ(C3)は、受信部(86)で受信した第3判定信号に基づいて、CPU(83)の動作により表示部(80)に第3メニュー画面(100c)を表示する。第3メニュー画面(100c)には、第3項目(121)および第4項目(122)が含まれない。このため、当該空気調和装置(10)では、第1運転の実行および第2運転の実行がいずれも制限される。
この実施形態1によれば、室外ユニット(20)が機種Rの室外ユニット(20r)である場合、または複数の室内ユニット(40)が機種Cの室内ユニット(40c)または機種Dの室内ユニット(40d)を含む場合に、第1運転が制限される。このため、空気調和装置(10)が機種Qの室外ユニット(20r)または機種Cの室内ユニット(40c)あるいは機種Dの室内ユニット(40d)を備える場合に、第1運転において適切に動作できない事態を避けられる。それにより、複数の室内ユニット(40)と室外ユニット(20)とが共に動作する第1運転を適切に実行できる。
この実施形態1によれば、第1運転の制限として、全ての室内ユニット(40)および室外ユニット(20)における第1運転の実行が制限される。このため、空気調和装置(10)の比較的簡単な構成および制御により、空気調和装置(10)が第1運転において適切に動作できない事態を避けられる。
この実施形態1によれば、室内ユニット(40)として機種Aの室内ユニット(40a)と機種Cの室内ユニット(40c)とを備える場合に、冷却運転が終了すると、第2運転を開始する。冷却運転では、各室内熱交換器(53)に結露水が生じる可能性がある。第2運転では、室内ファン(52)が搬送する空気により、各室内熱交換器(53)が乾燥される。このため、空気調和装置(10)が機種Cの室内ユニット(40c)を備えることで第1運転の実行が制限されて第2動作が行えなくても、第2運転により各室内熱交換器(53)を乾燥できる。
この実施形態1によれば、室内ユニット(40)として、機種Aの室内ユニット(40a)、機種Bの室内ユニット(40b)および機種Cの室内ユニット(40c)の少なくとも1つと、機種Dの室内ユニット(40d)とを備える場合に、全ての室内ユニット(40)における第2運転の実行が制限される。この場合、複数の室内ユニット(40)における第2運転の実行を共通に制御できる。
この実施形態1によれば、室外ユニット(20)および複数の室内ユニット(40)のいずれもが第1運転を実行可能であり、且つ複数の室内ユニット(40)それぞれが第2運転を実行可能である場合に、表示部(80)において、第1運転を実行するための第1項目(141)と、第2運転を実行するための第2項目(142)とが選択可能に表示される。この場合、リモートコントローラ(C3)を操作して第1項目(141)および第2項目(142)のいずれかを選択することで、その選択した項目に応じて第1運転または第2運転を実行させることができる。
この実施形態1によれば、室内ユニット(40)として、第1運転を実行不能であるが第2運転を実行可能な機種Cの利用ユニット(40c)と、第1運転および第2運転を実行可能な機種Aの利用ユニット(40a)とを備える場合に、表示部(80)において、第1運転を実行するための第1項目(141)が表示されない。これにより、リモートコントローラ(C2)では第1項目(141)を選択できなくなり、第1運転の実行を制限できる。また、ユーザが第1項目(141)を間違えて選択することを防止できる。
この実施形態1によれば、複数の室内ユニット(40)において、機種Aの室内ユニット(40a)、機種Bの室内ユニット(40b)および機種Cの室内ユニット(40c)のうち少なくとも1つと、機種Dの室内ユニット(40d)とが混在する場合に、表示部(80)に、第1運転および第2運転に関する設定項目(120)が表示されないか、または選択不可に表示される。これにより、リモートコントローラ(C3)では設定項目(120)を操作できなくなり、第1運転および第2運転の実行を制限できる。また、ユーザが第1モードについての設定を行えると誤認することを抑制できる。
《実施形態2》
この実施形態2では、本開示の技術について、複数の冷媒系統を有するマルチ式の空気調和装置を例に挙げて説明する。
〈空気調和装置の全体構成〉
図21に示すように、この実施形態2の空気調和装置(10)は、複数の空調ユニット(15)と、リモートコントローラ(C3)とを備える。リモートコントローラ(C3)の通信部(82)は、複数の空調ユニット(15)それぞれの親機である室内ユニット(40M)の通信部(14)と第3通信線(L3)を介して有線または無線で接続される。各空調ユニット(40)の構成と、リモートコントローラ(C3)の構成と、室外ユニット(20)、室内ユニット(40)およびリモートコントローラ(C3)の間での信号の送受信とは、上記実施形態1と同様であるので、上記実施形態1と同じ事項についてその詳細な説明を省略する。
各空調ユニット(15)の親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)は、機種Aの室内ユニット(40a)、機種Bの室内ユニット(40b)または機種Cの室内ユニット(40c)である場合に、上記実施形態1と同様に、空気調和装置(10)における初回の電源投入時に、自ユニット(40M)が所属する空調ユニット(15)の種別を判定して、空調ユニット(15)の種別に応じた判定信号(第1判定信号、第2判定信号または第3判定信号)を送信部(85)からリモートコントローラ(C3)に送信する。
各空調ユニット(15)の親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)は、機種Dの室内ユニット(40d)である場合に、空気調和装置(10)における初回の電源投入時に、第1判定信号および第2判定信号とは異なる信号を送信部(85)からリモートコントローラ(C3)に送信する。この場合、各空調ユニット(15)の親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)は、判定信号に相当する信号をリモートコントローラ(C3)に送信しなくてもよい。
−第1モードの制限−
制御装置(C)は、複数の空調ユニット(15)それぞれにおいて、室外ユニット(20)が第1運転を実行不能な機種Rの室外ユニット(20r)である場合に、第1運転の実行を制限する。制御装置(C)は、複数の空調ユニット(15)それぞれにおいて、少なくとも1つの室内ユニット(40)が第1運転を実行不能な機種Cの室内ユニット(40c)または機種Dの室内ユニット(40d)である場合に、第1運転の実行を制限する。制御装置(C)は、複数の空調ユニット(15)それぞれにおいて、少なくとも1つの室内ユニット(40)が第1運転および第2運転を実行不能な機種Dの室内ユニット(40d)である場合に、第1運転の実行および第2運転の実行を制限する。
制御装置(C)は、空調ユニット(15)ごとの、上述した第1運転の実行の制限と、第1運転および第2運転の実行の制限とを、リモートコントローラ(C3)の表示を制御して、ユーザがリモートコントローラ(C3)で行える操作を規制すること、および各空調ユニット(15)の親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)の制御により子機である室内ユニット(40)および室外ユニット(20)に統一した動作を行わせることで実現する。
〈リモートコントローラの表示制御〉
図22に示すように、リモートコントローラ(C3)のCPU(83)は、空気調和装置(10)を構成する複数の空調ユニット(15)の組合せに応じて、表示部(80)に表示するメニュー画面(100)を変更する。
図22の表において、「S1」、「S2」および「S3」の意味は、上記実施形態1で参照する図11の表と同じである。なお、空調ユニット(15)を3つ以上備える場合において、表示部(80)に優先して表示するメニュー画面(100)の順位は、「S1」、「S2」、「S3」の順である。互いに異なる組の一対の空調ユニット(15)の関係が図22の表において、「S1」と「S2」、「S1」と「S3」、または「S1」と「S2」と「S3」とに該当する場合には、第1メニュー画面(100a)が表示される。互いに異なる組の一対の空調ユニット(15)の関係が図22の表において、「S2」と「S3」とに該当する場合には、第2メニュー画面(100b)が表示される。
表示部(80)に表示するメニュー画面(100)は、図22の表に従えば、個々の空調ユニット(15)の種別により決定される。これにより、リモートコントローラ(C3)は、複数の空調ユニット(15)それぞれにおいて、各空調ユニット(15)における第1運転および第2運転の両方または一方の実行を制限する。
リモートコントローラ(C3)は、複数の空調ユニット(15)のうちいずれかの空調ユニット(15)の親機である室内ユニット(40M)から受信部(18)で第1判定信号を受信した場合には、図7に示すように、第3項目(121)と第4項目(122)とをいずれも含む第1メニュー画面(100a)を表示する。この場合、ユーザは、リモートコントローラ(C3)を操作することで、第1モードの自動実行を有効にするかまたは無効するかと、第1モードの種類を第1運転にするかまたは第2運転にするかをそれぞれ設定できる。
リモートコントローラ(C3)は、複数の空調ユニット(15)それぞれの親機である室内ユニット(40M)から受信した判定信号がいずれも第1判定信号でなく、且ついずれかの空調ユニット(15)の親機である室内ユニット(40M)から受信した判定信号が第2判定信号である場合には、図8に示すように、第3項目(121)を含むが第4項目(122)を含まない第2メニュー画面(100b)を表示する。この場合、ユーザは、リモートコントローラ(C3)の入力部(81)を操作することで、第1モードについて、その実行を有効にするかまたは無効にするかのみを設定できる。
リモートコントローラ(C3)は、複数の空調ユニット(15)それぞれの親機である室内ユニット(40M)から受信した判定信号がいずれも第3判定信号である場合には、図6に示すように、第1モードに関する設定項目(120)を含まない第3メニュー画面(100c)を表示する。この場合、ユーザは、リモートコントローラ(C3)において第1モードに関する設定を行えない。
〈各空調ユニットの親機である室内ユニットの制御〉
図23に示すように、各空調ユニット(15)の親機である室内ユニット(40)の室内制御部(C2)は、リモートコントローラ(C3)の指示信号に基づき、第1モードについて各空調ユニット(15)に種別に応じた運転を行わせる。
種別Xの空調ユニット(15x)において、親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)は、リモートコントローラ(C3)からの第1運転信号を受信部(18)で受信した場合に、第1モードの自動実行が有効であると、通常運転を終了した後に、CPU(15)の動作により第1運転を実行する。そして、当該親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)は、子機である室内ユニット(40S)と室外ユニット(20)にも第1運転を実行させる。この動作は、親機である室内ユニット(40M)が機種Aの室内ユニット(40a)であるか、または機種Bの室内ユニット(40b)であるかに関わらず同じである。
種別Xの空調ユニット(15x)において、親機である室内ユニット(40)の室内制御部(C2)は、リモートコントローラ(C3)からの第2運転信号を受信部(18)で受信した場合に、第1モードの自動実行が有効であると、通常運転を終了した後に、CPU(15)の動作により第2運転を実行する。そして、当該親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)は、子機である室内ユニット(40S)にも第2運転を実行させる。この動作は、親機である室内ユニット(40)が機種Aの室内ユニット(40a)であるか、または機種Bの室内ユニット(40b)であるかに関わらず同じである。
種別Y1の空調ユニット(15y)において、親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)は、リモートコントローラ(C3)からのON信号を受信部(18)で受信すると、通常運転を終了した後に、CPU(15)の動作により第1運転を実行する。そして、当該親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)は、子機である室内ユニット(40S)と室外ユニット(20)にも第1運転を実行させる。この動作は、親機である室内ユニット(40M)が、機種Aの室内ユニット(40a)であるか、または機種Bの室内ユニット(40b)であるかに関わらず同じであり、第1運転信号または第2運転信号を受信してもまたはしなくても、同じである。
種別Y2の空調ユニット(15y)において、親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)は、リモートコントローラ(C3)からのON信号を受信部(18)で受信すると、第1運転信号または第2運転信号を受信してもまたはしなくても、通常運転を終了した後に、CPU(15)の動作により第2運転を実行する。そして、当該親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)は、子機である室内ユニット(40S)にも第2運転を実行させる。この動作は、親機である室内ユニット(40M)が、機種Aの室内ユニット(40a)であるか、機種Bの室内ユニット(b)であるか、または機種Cの室内ユニット(40c)であるかに関わらず同じであり、第1運転信号または第2運転信号を受信してもまたはしなくても、同じである。
−空気調和装置の構成例と動作−
図24に示すように、空気調和装置(10)において、複数の空調ユニット(15)のうち少なくとも1つの空調ユニット(15)が種別Xの空調ユニット(15x)である場合には、種別Xの空調ユニット(15)において親機である室内ユニット(40M)が初回の電源投入時に第1判定信号を送信部(17)からリモートコントローラ(C3)に送信する。リモートコントローラ(C3)は、受信部(86)で受信した第1判定信号に基づいて、CPU(83)の動作により表示部(80)に第1メニュー画面(100a)を表示する。
当該空気調和装置(10)では、第2設定画面(140)で第1モードの種類が第1運転に設定された場合に、第1設定画面(130)で第1モードの自動実行が有効に設定されると、通常運転が終了した後に、種別Xの空調ユニット(15x)において各室内ユニット(40)と室外ユニット(20)とが第1運転を実行する。当該空気調和装置(10)では、第2設定画面(140)で第1モードの種類が第2運転に設定された場合に、第1設定画面(130)で第1モードの自動実行が有効に設定されると、通常運転が終了した後に、種別Xの空調ユニット(15x)において各室内ユニット(40)と室外ユニット(20)とが第2運転を実行する。
当該空気調和装置(10)が種別Y1の空調ユニット(15y1)を備える場合には、第1設定画面(130)で第1モードの自動実行が有効に設定されると、通常運転が終了した後に、種別Y1の空調ユニット(15y1)において各室内ユニット(40)と室外ユニット(20)とが第1運転を実行する。当該空気調和装置(10)が種別Y2の空調ユニット(15y)を備える場合には、第1設定画面(130)で第1モードの自動実行が有効に設定されると、通常運転が終了した後に、種別Y2の空調ユニット(15y2)において各室内ユニット(40)が第2運転を実行する。当該空気調和装置(10)が種別Zの空調ユニット(15z)を備える場合には、第1設定画面(130)で第1モードの自動実行が有効に設定されると、通常運転が終了した後に、種別Zの空調ユニット(15z)において、室内ユニット(40)および室外ユニット(20)は第1モードを実行しない。
図25に示すように、空気調和装置(10)において、複数の空調ユニット(15)のうち少なくとも1つの空調ユニット(15)が、種別Y1の空調ユニット(15y1)および種別Y2の空調ユニット(15y2)の少なくとも一方である場合には、種別Y1の空調ユニット(15y1)または種別Y2の空調ユニット(15y2)において親機である室内ユニット(40M)が初回の電源投入時に第2判定信号を送信部(17)からリモートコントローラ(C3)に送信する。リモートコントローラ(C3)は、受信部(86)で受信した第2判定信号に基づいて、CPU(83)の動作により表示部(80)に第2メニュー画面(100b)を表示する。このため、当該空気調和装置(10)では、第1運転を行うべきでない種別Y2の空調ユニット(15y2)においては、第1運転の実行が制限され、第2運転を行うべきでない種別Y1の空調ユニット(15y2)においては、第2運転の実行が制限される。
当該空気調和装置(10)では、第1設定画面(130)で第1モードの自動実行が有効に設定されると、通常運転が終了した後に、種別Y1の空調ユニット(15y1)を備える場合には、種別Y1の空調ユニット(15y1)において、各室内ユニット(40)と室外ユニット(20)とが第1運転を実行する。当該空気調和装置(10)が種別Y2の空調ユニット(15y)を備える場合には、第1設定画面(130)で第1モードの自動実行が有効に設定されると、通常運転が終了した後に、種別Y2の空調ユニット(15y2)において各室内ユニット(40)が第2運転を実行する。当該空気調和装置(10)が種別Zの空調ユニット(15z)を備える場合には、第1設定画面(130)で第1モードの自動実行が有効に設定されると、通常運転が終了した後に、種別Zの空調ユニット(15z)において、室内ユニット(40)および室外ユニット(20)は第1モードを実行しない。
図26に示すように、空気調和装置(10)において、複数の空調ユニット(15)それぞれが種別Zの空調ユニット(15z)である場合には、各空調ユニット(15)において親機である室内ユニット(40M)が、初回の電源投入時に第3判定信号を送信部(17)からリモートコントローラ(C3)に送信するか、判定信号を送信しない。リモートコントローラ(C3)は、受信部(86)で受信した第3判定信号に基づいて、または判定信号を受信しないことに基づいて、CPU(83)の動作により表示部(80)に第3メニュー画面(100c)を表示する。第3メニュー画面(100c)には、第1モードに関する設定項目(120)が含まれない。このため、当該空気調和装置(10)では、第1運転の実行および第2運転の実行がいずれも制限される。
この実施形態2によれば、第1運転を実行不能な機種Qの室外ユニット(20r)、または第1運転を実行不能な機種Cの室内ユニット(40c)あるいは機種Dの室内ユニット(40d)を備える場合に、第1運転の非対応機種である室外ユニット(20r)または室内ユニット(40c,40d)を備える空調ユニット(15)の第1運転の実行が制限される。これにより、複数の空調ユニット(15)を備える空気調和装置(10)において、空調ユニット(15)ごとに、第1運転を適切に動作できない事態を避けて、第1運転を適切に実行できる。
この実施形態2によれば、少なくとも1つの空調ユニット(15)が第1運転の実行を許容される種別Xの空調ユニット(15x)である場合に、表示部(80)において、第1運転を実行するための第1項目(141)と、第2運転を実行するための第2項目(142)とが選択可能に表示される。この場合、リモートコントローラ(C3)を操作して第1項目(141)および第2項目(142)のいずれかを選択することで、その選択した項目に応じて種別Xの空調ユニット(15x)に第1運転または第2運転を実行させることができる。
《その他の実施形態》
上述した実施形態においては、適用可能な範囲において以下の構成としてもよい。
〈対象空間〉
空気調和装置の対象空間は、室内空間に限られない。対象空間は、倉庫などの庫内空間であってもよいし、工場内の空間であってもよい。
〈室内ユニット、室外ユニット〉
室内ユニット(40)は、天井面の表側に配置されると共に、天上面に吊り下げられる方式であってもよい。室内ユニット(40)は、天上面の裏側に配置され、天井の梁に吊り下げられる方式であってもよい。室内ユニット(40)は、吸込ダクトおよび吹出ダクトの一方、又は両方を有する方式であってもよい。吸込ダクトは、室内空気を空気通路に吸い込む流路を構成する。吹出ダクトは、利用熱交換器(53)を通過した空気を室内に供給する流路を構成する。室内ユニット(40)は、壁掛け式であってもよいし、床置き式であってもよい。
機種Aの室内ユニット(40a)と機種Bの室内ユニット(40b)とは、第1運転を実行可能であることを報知する報知部を有してもよい。報知部は、LEDなどからなるランプや液晶モニタ、ステッカーであってもよい。報知部は、音を鳴らして報知するものであってもよい。これによれば、機種Aの室内ユニット(40a)と機種Bの室内ユニット(40b)とは、第1運転の対応機種であることを報知部によりユーザに報知できる。
機種Qの室外ユニット(40q)は、第1運転を実行可能であることを報知する報知部を有してもよい。報知部は、LEDなどからなるランプや液晶モニタ、ステッカーであってもよい。報知部は、音を鳴らして報知するものであってもよい。これによれば、機種Qの室外ユニット(20q)は、第1運転の対応機種であることを報知部によりユーザに報知できる。
〈空気調和装置〉
空気調和装置(10)において、複数の室内ユニット(40)は、親機(40M)と子機(40S)に分けられていなくてもよい。空気調和装置(10)は、複数の室内ユニット(40)の各室内制御部(C2)がリモートコントローラ(C3)と有線または無線で接続されてもよい。リモートコントローラ(C2)は、各室内制御部(C2)に直接に指示信号を送信してもよい。室外ユニット(20)の室外制御部(C1)は、リモートコントローラ(C3)と有線または無線で接続されてもよい。リモートコントローラ(C2)は、室外制御部(C1)に直接に指示信号を送信してもよい。
空気調和装置(10)は、室外ユニット(20)と室内ユニット(40)を一台ずつ有するペア式であってもよい。ペア式の空気調和装置(10)において、制御装置(C)は、室外ユニット(20)または室内ユニット(40)が第1運転を実行不能な場合に、第1運転の実行を制限すればよい。そうした態様の一例として、リモートコントローラ(C3)は、室外ユニット(20)が機種Rの室外ユニット(20r)であるか、または室内ユニット(40)が機種Cあるいは機種Dの室内ユニット(40c,40d)である場合に、表示部(80)に第2メニュー画面(100b)または第3メニュー画面(100c)を表示することで、当該空気調和装置(10)での第1運転の実行を制限してもよい。
空気調和装置(10)は、室外ユニット(20)を複数備えてもよい。複数の室外ユニット(20)を備える空気調和装置(10)において、制御装置(C)は、少なくとも1つの室外ユニット(20)が第1運転を実行不能な場合に、第1運転の実行を制限すればよい。そうした態様の一例として、リモートコントローラ(C3)は、少なくとも1つの室外ユニット(20)が機種Rの室外ユニット(20r)である場合に、表示部(80)に第2メニュー画面(100b)または第3メニュー画面(100c)を表示することで、当該空気調和装置(10)での第1運転の実行を制限してもよい。
空気調和装置(10)は、一部の室内ユニット(40)において暖房を行うと同時に他の室内ユニット(40)において冷房を行う方式であってもよい。
空気調和装置(10)は、冷媒回路(11)に流路切換弁が設けられ、冷媒回路(11)から一部の流路を切り離して冷凍サイクルを行える形式であってもよい。冷媒回路(11)に流路切換弁が設けられた空気調和装置(10)において、制御装置(C)は、第1運転の非対応機種である室外ユニット(20r)または室内ユニット(40c,40d)が接続された流路部分を冷媒回路(11)から切り離すことで、当該非対応機種である室外ユニット(20r)または室内ユニット(40c,40d)での第1運転の実行を制限しつつ、第1運転の対応機種である室外ユニット(20q)および室内ユニット(20a,20b)で第1運転を実行させてもよい。
空気調和装置(10)において、制御装置(C)は、少なくとも1つの室外ユニット(20)が第1運転を実行不能である場合、または少なくとも1つの室内ユニット(40)が第1運転を実行不能である場合に、空調ユニット(15)全体として第1運転を実行できないようにするか、または第1運転を実行不能な室外ユニット(20)または第1運転を実行不能な室内ユニット(40)で第1運転が実行されないようにするなどして、第1運転を制限すればよい。
〈制御装置〉
制御装置(C)は、室内ユニット(40)のみに設けられてもよいし、室外ユニット(20)のみに設けられてもよい。制御装置(C)は、室内ユニット(40)および室外ユニット(20)とは別体の集中管理装置であってもよい。
リモートコントローラ(C3)は、親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)に代わり、第1問合せ信号および第2問合せ信号を各室内ユニット(40)および室外ユニット(20)に送信してもよい。リモートコントローラ(C3)は、第1問合せ信号および第2問合せ信号に対する各室内ユニット(40)および室外ユニット(20)からの応答信号を集約して、空調ユニット(15)の種別を判定してもよい。
室外制御部(C1)は、親機である室内ユニット(40M)の室内制御部(C2)に代わり、第1問合せ信号および第2問合せ信号を各室内ユニット(40)に送信してもよい。室外制御部(C1)は、第1問合せ信号および第2問合せ信号に対する各室内ユニット(40)からの応答信号を集約してもよい。室外制御部(C1)は、空調ユニット(15)の種別を判定し、判定結果を示す判定信号をリモートコントローラ(C3)に送信してもよい。
リモートコントローラ(C3)は、第1問合せ信号に対する室外ユニット(20)からの応答信号を受信するなどして、室外ユニット(20)が機種Rの室外ユニット(20r)であるか否かを識別可能な情報を表示部(80)に表示してもよい。これによれば、空気調和装置(10)が機種Rの室外ユニット(20r)を備える場合に、第1運転の非対応機種である室外ユニット(20r)の存在を表示部(80)にて確認できる。
リモートコントローラ(C3)は、第1問合せ信号および第2問合せ信号に対する複数の室内ユニット(40)それぞれからの応答信号を受信するなどして、各室内ユニット(40)が機種Cの室内ユニット(40c)または機種Dの室内ユニット(40d)であるか否かを識別可能な情報を表示部(80)に表示してもよい。これによれば、空気調和装置(10)が機種Cの室内ユニット(40c)または機種Dの室内ユニット(40d)を備える場合に、第1運転の非対応機種である室内ユニット(40c,40d)の存在を表示部(80)にて確認できる。
〈第1モード〉
第1動作は、蒸発器とした室内熱交換器(53)に氷を生じさせる動作であってもよい。第1動作において、室内熱交換器(53)の表面に氷を生じさせる。その後の第2動作により、この氷を室内熱交換器(53)の表面から剥がす。これにより、室内熱交換器(53)の汚れを落とすことができる。
第1動作は、室内熱交換器(53)の表面で結露水が生成する運転であればよく、冷房運転および除湿運転を含む。具体的には、制御装置(C)は、第1動作としての冷房運転、あるいは除湿運転を行い、その後、第3動作、第2動作を順に実行させてもよい。この制御においても、第2動作の実行時間を第3動作の実行時間より短くするとよい。
第1運転は、第1動作、第3動作および第4動作からなる運転であってもよい。第1運転は、第1動作および第3動作からなる運転であってもよい。第1運転は、室内熱交換器(53)を洗浄する以外の目的で行われる運転であってもよい。第1運転は、第1動作を含み、室外ユニット(20)と室内ユニット(40)とが共に動作する運転であればよい。
第2運転は、第5動作からなる運転であってもよい。第2運転は、室内熱交換器の伝熱管に冷媒を流すことにより室内熱交換器(53)の表面を加熱し、その表面を乾かす第7動作を含んでもよい。第7動作は、第1運転の第2動作と同様な動作であってもよい。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、変形例、その他の実施形態は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。