JP2021080883A - 電磁弁、および、これを用いた高圧ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】部材の摩耗を低減可能な小型の電磁弁および高圧ポンプを提供する。【解決手段】シリンダ20は、燃料が流れる燃料通路221および弁座23を有する。弁体30は、弁部31、弁部31から軸方向に延びるよう形成され外周壁320がシリンダ20の内周壁260と摺動しシリンダ20により軸方向へ往復移動可能に支持される軸部32、および、軸部32と一体に設けられた弁傘部40を有し、弁部31が弁座23から離間または弁座23に当接することで燃料通路221を開閉可能である。アーマチャ50は、内周壁520が弁傘部40の外周壁420と摺動しつつ弁体30と相対移動可能、かつ、弁体30の弁部31とは反対側の面に当接可能なよう設けられている。インナーステータ71は、アーマチャ50に対し弁体30とは反対側に設けられている。コイル75は、通電により磁束を発生し、アーマチャ50をインナーステータ71側に吸引可能である。【選択図】図2
Description
本発明は、電磁弁、および、これを用いた高圧ポンプに関する。
従来、燃料を加圧して内燃機関に供給する高圧ポンプが知られている。例えば特許文献1の高圧ポンプは、電磁弁を備え、加圧する燃料の量を電磁弁により調整している。
特許文献1の電磁弁は、燃料が流れる通路を開閉する棒状の弁体、および、当該弁体に対し軸方向に相対移動可能に設けられた有底筒状のアーマチャを備えている。弁体は、外周壁がシリンダの内周壁と摺動し、シリンダにより軸方向へ往復移動可能に支持されている。アーマチャは、外周壁がステータの内周壁と摺動し、ステータにより軸方向へ往復移動可能に支持されている。ここで、弁体の外周壁とアーマチャの内周壁とは摺動しない。
特許文献1の電磁弁では、アーマチャとステータとが摺動する距離は、比較的大きい。そのため、アーマチャとステータとの摩耗が促進されるおそれがある。また、特許文献1の電磁弁では、アーマチャの外周壁がステータの内周壁と摺動する構成である。そのため、アーマチャの内周壁と他部材の外周壁とが摺動する構成と比べ、アーマチャの体格が大きくなるおそれがある。
本発明の目的は、部材の摩耗を低減可能な小型の電磁弁および高圧ポンプを提供することにある。
本発明に係る電磁弁は、シリンダ(20)と弁体(30)とアーマチャ(50)とアーマチャスプリング(61)と弁体スプリング(62)とステータ(71)とコイル(75)とを備えている。シリンダは、液体が流れる液体通路(221)、および、液体通路の周囲に形成された弁座(23)を有する。弁体は、弁部(31)、弁部から軸方向に延びるよう形成され外周壁(320)がシリンダの内周壁(260)と摺動しシリンダにより軸方向へ往復移動可能に支持される軸部(32)、および、軸部と一体に設けられた弁傘部(40)を有し、弁部が弁座から離間または弁座に当接することで液体通路を開閉可能である。
アーマチャは、内周壁(520)が弁傘部の外周壁(420)と摺動しつつ弁体と相対移動可能、かつ、弁体の弁部とは反対側の面に当接可能なよう設けられている。アーマチャスプリングは、アーマチャを開弁方向に付勢する。弁体スプリングは、弁体を閉弁方向に付勢する。ステータは、アーマチャに対し弁体とは反対側に設けられている。コイルは、通電により磁束を発生し、アーマチャをステータ側に吸引可能である。
本発明では、コイルによりアーマチャがステータ側に吸引されると、弁体は、弁体スプリングにより閉弁方向に付勢され、アーマチャと一体となって閉弁方向に移動する。このとき、アーマチャの内周壁と弁体の弁傘部の外周壁とは摺動しない。弁体の弁部が弁座に当接し閉弁すると、弁体の閉弁方向の移動が規制される。ここで、アーマチャがステータ側にさらに吸引されると、アーマチャが弁体に対し相対移動する。このとき、アーマチャの内周壁と弁体の弁傘部の外周壁とは摺動する。このように、本発明では、アーマチャと弁体とが相対移動するときのみ、アーマチャの内周壁と弁体の弁傘部の外周壁とが摺動する。そのため、上記従来の電磁弁と比較し、部材間の摺動距離を小さくできる。これにより、部材の摩耗を低減可能である。
また、本発明では、アーマチャの内周壁と弁体の弁傘部の外周壁とが摺動する構成である。そのため、上記従来の電磁弁のようにアーマチャの外周壁と他部材の内周壁とが摺動する構成と比べ、同L/D時に、軸方向の大きさであるLを小さくでき、アーマチャの軸方向の体格を小さくできる。これにより、電磁弁の体格を小さくできる。
以下、複数の実施形態による電磁弁および高圧ポンプを図面に基づき説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態による電磁弁および高圧ポンプを図1に示す。本実施形態の高圧ポンプ1は、例えば図示しない車両に搭載され、燃料を所定の圧力まで加圧し、加圧した燃料を内燃機関としてのエンジン4に供給する。ここで、エンジン4は、例えばディーゼルエンジンである。
第1実施形態による電磁弁および高圧ポンプを図1に示す。本実施形態の高圧ポンプ1は、例えば図示しない車両に搭載され、燃料を所定の圧力まで加圧し、加圧した燃料を内燃機関としてのエンジン4に供給する。ここで、エンジン4は、例えばディーゼルエンジンである。
図1に示すように、高圧ポンプ1は、電磁弁10とポンプボディ11と吸入通路12とプランジャ13と吐出通路14とを備えている。
ポンプボディ11は、例えば金属により形成され、エンジン4のハウジング16に設けられる。ポンプボディ11は、プランジャ穴部111を有している。プランジャ13は、プランジャ穴部111において軸方向に往復移動可能に設けられている。
電磁弁10は、プランジャ穴部111に対し鉛直方向上側に位置するようポンプボディ11に設けられている。ポンプボディ11は、プランジャ穴部111のプランジャ13と電磁弁10との間に加圧室112を有している。プランジャ13が軸方向に往復移動すると、加圧室112の容積が増減する。
プランジャ13の加圧室112とは反対側の端部には、タペット19が固定されている。タペット19とポンプボディ11との間には、リターンスプリング18が設けられている。リターンスプリング18は、タペット19とともにプランジャ13を加圧室112とは反対側に付勢可能である。
ハウジング16は、例えば金属により形成され、取付穴部161、シャフト穴部162を有している。取付穴部161は、例えばハウジング16の鉛直方向上側の面に開口するよう形成されている。シャフト穴部162は、例えば取付穴部161の開口部とは反対側の端部に直交し、ハウジング16の外壁に開口するよう形成されている。
シャフト穴部162の開口部には、封止部17が設けられている。ハウジング16には、カムシャフト7が設けられている。カムシャフト7は、ハウジング16および封止部17により回転可能に支持されている。取付穴部161とシャフト穴部162との交点には、カム8が設けられている。カム8は、カムシャフト7と一体に回転可能なようカムシャフト7に設けられている。カム8は、中心から外周壁までの距離が周方向で滑らかに異なるよう形成されている。
ポンプボディ11は、プランジャ穴部111が取付穴部161に連通し、プランジャ13の一部、タペット19およびリターンスプリング18が取付穴部161内に位置するようハウジング16の鉛直方向上側の面に設けられる。
カム8とタペット19との間には、ローラ9が設けられる。ローラ9は、カム8が回転するとき、カム8とタペット19との間で回転可能である。エンジン4の回転によりカムシャフト7が回転すると、プランジャ13は、軸方向に往復移動する。これにより、加圧室112の容積が増減する。
燃料を貯留する燃料タンク2と高圧ポンプ1とは、配管101により接続されている。配管101には、低圧ポンプ3が設けられている。低圧ポンプ3は、例えばエンジン4の回転により作動し、燃料タンク2内の燃料を汲み上げ、高圧ポンプ1に供給する。吸入通路12は、配管101と加圧室112とに連通するよう形成されている。
エンジン4には、高圧ポンプ1で加圧された燃料を貯留するコモンレール5が設けられている。コモンレール5には、例えば4つの燃料噴射弁6が接続されている。燃料噴射弁6は、噴孔がエンジン4の燃焼室に露出するようエンジン4に設けられている。高圧ポンプ1とコモンレール5とは、配管102により接続されている。
吐出通路14は、加圧室112と配管102とを連通するよう形成されている。吐出通路14には、吐出弁15が設けられている。
エンジン4が回転すると、低圧ポンプ3が燃料タンク2内の燃料を汲み上げ、燃料が配管101を経由して高圧ポンプ1に供給される。ここで、電磁弁10が開弁した状態で、プランジャ13が、加圧室112の容積が増大する方向に移動すると、吸入通路12内の燃料が加圧室112に吸入される。
電磁弁10が閉弁した状態で、プランジャ13が、加圧室112の容積が減少する方向に移動すると、燃料は、加圧室112内で加圧される。加圧室112内の燃料が所定の圧力以上になると、吐出弁15が開弁する。これにより、加圧室112内の燃料は、吐出通路14および配管102を経由してコモンレール5に供給される。コモンレール5に供給され所定の圧力となった燃料は、燃料噴射弁6からエンジン4の燃焼室に噴射供給される。
次に、電磁弁10の構成について詳細に説明する。
図2に示すように、電磁弁10は、シリンダ20、弁体30、アーマチャ50、アーマチャスプリング61、弁体スプリング62、「ステータ」としてのインナーステータ71、コイル75等を備えている。
シリンダ20は、シリンダ本体21、シリンダ穴部22、「液体通路」としての燃料通路221、弁座23、シリンダ環状凹部24、シリンダ突出部25、シリンダ軸穴部26等を有している。
シリンダ本体21は、例えば金属により、円形の板状に形成されている。シリンダ穴部22は、シリンダ本体21の一方の端面の中央から円形に凹むよう形成されている。燃料通路221は、シリンダ穴部22の内側に形成されている。弁座23は、シリンダ本体21の一方の端面のシリンダ穴部22の周囲においてテーパ状に凹むよう形成されている。すなわち、弁座23は、燃料通路221の周囲に形成されている。燃料通路221には、「液体」としての燃料が流れる。
シリンダ環状凹部24は、シリンダ本体21の他方の端面から略円環状に凹むよう形成されている。ここで、シリンダ環状凹部24は、シリンダ穴部22と同軸となるようシリンダ穴部22の径方向外側に形成されている。
シリンダ突出部25は、シリンダ本体21の他方の端面の中央から略円柱状に突出するようシリンダ本体21と一体に形成されている。シリンダ突出部25は、シリンダ穴部22と同軸となるよう形成されている。
シリンダ軸穴部26は、シリンダ本体21およびシリンダ突出部25を軸方向に貫くよう形成されている。シリンダ軸穴部26は、シリンダ穴部22と同軸となるよう形成されている。シリンダ軸穴部26には、シリンダ20の内周壁である円筒状の内周壁260が形成されている。
シリンダ本体21には、吸入通路12の一部である吸入通路121、吸入通路122が形成されている。吸入通路121は、シリンダ本体21の一方の端面とシリンダ環状凹部24とを接続するよう形成されている。吸入通路122は、シリンダ環状凹部24と燃料通路221とを接続するよう形成されている。これにより、配管101を経由して高圧ポンプ1に供給された燃料は、吸入通路121、シリンダ環状凹部24、吸入通路122を経由して燃料通路221に流れることができる。
シリンダ20は、シリンダ本体21の一方の端面がポンプボディ11の鉛直方向上側の面に当接し、弁座23がポンプボディ11の加圧室112に露出するようポンプボディ11に設けられる。
弁体30は、弁部31、軸部32、弁傘部40等を有している。弁部31は、例えば金属により、円板状に形成されている。弁部31の一方の端面の外縁部は、テーパ状に形成されている。
軸部32は、弁部31の一方の端面の中央から軸方向に略円柱状に延びるよう弁部31と一体に形成されている。つまり、軸部32は、弁部31と同じ材料により弁部31と一体に形成されている。
軸部32は、大径部321、縮径部322、小径部323、鍔部324を有している。大径部321は、弁部31の一方の端面の中央から軸方向に円柱状に延びるよう弁部31と一体に形成されている。縮径部322は、大径部321の弁部31とは反対側の端部から軸方向に延びるよう大径部321と一体に形成されている。縮径部322は、大径部321から離れるに従い外径が小さくなるようテーパ状に形成されている。
小径部323は、縮径部322の大径部321とは反対側の端部から軸方向に延びるよう縮径部322と一体に形成されている。小径部323の外径は、大径部321の外径より小さい。鍔部324は、小径部323の縮径部322とは反対側の端部から径方向外側へ環状の板状に拡がるよう小径部323と一体に形成されている。
弁体30は、軸部32がシリンダ軸穴部26の内側に位置するようシリンダ20に設けられている。ここで、軸部32は、外周壁320がシリンダ20の内周壁260と摺動し、シリンダ20により軸方向へ往復移動可能に支持される。
弁傘部40は、弁傘底部41、弁傘筒部42、弁傘軸穴部43、溝部44、スプリング移動規制部45、切欠部46、弁傘突出部47を有している。弁傘底部41は、例えば金属により円板状に形成されている。弁傘筒部42は、弁傘底部41の外縁端部から円筒状に延びるよう弁傘底部41と一体に形成されている。つまり、弁傘筒部42は、弁傘底部41と同じ材料により弁傘底部41と一体に形成されている。
弁傘軸穴部43は、弁傘底部41の中央を板厚方向に貫くよう円形に形成されている。溝部44は、弁傘筒部42の弁傘底部41とは反対側の端面から軸方向へ凹むよう形成されている。溝部44は、弁傘筒部42の内部と外部とを連通するよう形成されている。溝部44は、弁傘筒部42の周方向に複数形成されている。
スプリング移動規制部45は、弁傘筒部42の弁傘底部41側の端部から径方向内側に延びるよう円筒状に形成されている。つまり、スプリング移動規制部45の内径は、弁傘筒部42の内径より小さい。
図3に示すように、切欠部46は、弁傘底部41および弁傘筒部42の周方向の一部を切り欠くようにして形成されている。これにより、切欠部46と弁傘軸穴部43とは接続している。弁傘突出部47は、弁傘軸穴部43から径方向内側へ突出するよう形成されている。弁傘突出部47は、弁傘軸穴部43の周方向に3つ形成されている。
弁傘部40は、小径部323が弁傘軸穴部43の内側において弁傘突出部47に接触するよう軸部32と一体に設けられている。
弁傘部40と軸部32との組み付けは、切欠部46を経由して軸部32の小径部323を弁傘軸穴部43側にスライドさせ、小径部323が3つの弁傘突出部47に接触するよう弁傘軸穴部43の内側に嵌め込むことにより行う。
図2に示すように、弁傘部40の弁傘筒部42の弁傘底部41とは反対側の端面は、シリンダ本体21のポンプボディ11とは反対側の端面のシリンダ環状凹部24とシリンダ突出部25との間に当接可能である。つまり、弁傘部40およびシリンダ20の一方である弁傘部40は、互いの当接部において軸方向に凹む溝部44を有する。
弁傘筒部42の端面がシリンダ本体21の端面に当接しているとき(図2参照)、弁部31は弁座23から離間しており、開弁状態である。一方、弁部31が軸方向に移動すると、弁傘筒部42の端面はシリンダ本体21の端面から離間し、弁部31は弁座23に当接し、閉弁状態となる。以下、適宜、開弁するときの弁体30の移動方向を「開弁方向」といい、閉弁するときの弁体30の移動方向を「閉弁方向」という。
本実施形態では、弁傘部40は、軸方向通路401をさらに有している。軸方向通路401は、弁傘軸穴部43の径方向外側において、弁傘底部41を板厚方向に貫くよう形成されている。つまり、軸方向通路401は、弁傘部40の軸方向の一方側の面と他方側の面とを接続する通路である。軸方向通路401により、弁傘部40の内部と外部とが連通している。軸方向通路401は、例えば弁傘底部41の周方向に90度間隔で3つ形成されている(図3参照)。
アーマチャ50は、アーマチャ底部51、アーマチャ筒部52を有している。アーマチャ底部51は、例えば金属等の磁性体により、略円板状に形成されている。アーマチャ筒部52は、アーマチャ底部51の外縁端部から円筒状に延びるようアーマチャ底部51と一体に形成されている。つまり、アーマチャ筒部52は、アーマチャ底部51と同じ材料によりアーマチャ底部51と一体に形成されている。
アーマチャ50には、アーマチャ底部51のアーマチャ筒部52とは反対側の端面の中央から円形に凹むアーマチャ凹部511が形成されている。
アーマチャ50は、内周壁であるアーマチャ筒部52の内周壁520が、弁傘部40の外周壁である弁傘筒部42の外周壁420と摺動しつつ弁体30と相対移動可能、かつ、アーマチャ底部51が、弁体30の弁部31とは反対側の面である鍔部324の弁部31とは反対側の端面、および、小径部323の縮径部322とは反対側の端面に当接可能なよう設けられている。
本実施形態では、アーマチャ50は、軸方向通路501をさらに有している。軸方向通路501は、アーマチャ凹部511の径方向外側において、アーマチャ底部51を板厚方向に貫くよう形成されている。つまり、軸方向通路501は、アーマチャ50の軸方向の一方側の面と他方側の面とを接続する通路である。軸方向通路501により、アーマチャ50の内部と外部とが連通している。軸方向通路501は、例えばアーマチャ底部51の周方向に90度間隔で4つ形成されている。軸方向通路501は、弁傘底部41とアーマチャ底部51との間に形成される環状の空間を経由して軸方向通路401に連通している。
インナーステータ71は、例えば金属等の磁性体により、略円板状に形成されている。インナーステータ71は、シリンダ本体21と同軸となるようアーマチャ50に対し弁体30とは反対側に設けられている。インナーステータ71には、アーマチャ50側の端面の中央から円形に凹むステータ凹部711が形成されている。
電磁弁10は、磁気絞り部72、アウターステータ73、アウターステータ74をさらに備えている。磁気絞り部72は、例えば金属等の非磁性体により、円筒状に形成されている。磁気絞り部72は、インナーステータ71のシリンダ20側の端面の外縁部に形成された環状の溝に嵌め込まれるようにしてインナーステータ71に設けられている。
アウターステータ73は、例えば金属等の磁性体により形成されている。アウターステータ73は、ステータ筒部731、ステータ板部732を有している。ステータ筒部731は、円筒状に形成されている。ステータ板部732は、ステータ筒部731の一方の端部から径方向外側へ円板状に延びるようステータ筒部731と一体に形成されている。
アウターステータ73は、ステータ筒部731のステータ板部732とは反対側の端面が磁気絞り部72のシリンダ20側の端面に当接し、ステータ板部732の磁気絞り部72とは反対側の端面がシリンダ本体21のポンプボディ11とは反対側の端面に当接するよう設けられている。
ここで、シリンダ環状凹部24は、ステータ筒部731の内側の空間に連通している(図2参照)。また、アーマチャ50のアーマチャ底部51およびアーマチャ筒部52の外径は、磁気絞り部72およびステータ筒部731の内径より小さい。そのため、アーマチャ50の外周壁とステータ筒部731の内周壁との間には、円筒状の隙間が形成されている。これにより、アーマチャ50とステータ筒部731および磁気絞り部72とは、摺動しない。
アウターステータ74は、例えば金属等の磁性体により形成されている。アウターステータ74は、ステータ筒部741、ステータ板部742を有している。ステータ筒部741は、円筒状に形成されている。ステータ板部742は、ステータ筒部741の一方の端部から径方向内側へ円板状に延びるようステータ筒部741と一体に形成されている。
アウターステータ74は、ステータ筒部741のステータ板部742とは反対側の端面がステータ板部732のシリンダ20とは反対側の端面の外縁部に当接し、ステータ板部742の内縁部がインナーステータ71の外縁部に当接するよう設けられている。
インナーステータ71、磁気絞り部72、アウターステータ73、アウターステータ74は、シリンダ20に対し相対移動不能なよう一体に設けられている。
コイル75は、円筒状に形成され、磁気絞り部72とアウターステータ73とアウターステータ74との間の円筒状の空間に設けられている。コイル75は、通電により磁束を発生可能である。コイル75が磁束を発生させると、磁気絞り部72を避けるようにしてアウターステータ73、アーマチャ50、インナーステータ71、アウターステータ74に磁気回路が形成される(図4参照)。これにより、インナーステータ71とアーマチャ50との間に吸引力が発生し、アーマチャ50がインナーステータ71側、すなわち、閉弁方向に吸引される。コイル75への通電は、図示しない電子制御ユニット(以下、「ECU」という)により制御される。
アーマチャスプリング61は、例えばコイルスプリングであり、アーマチャ底部51とインナーステータ71との間に設けられている。アーマチャスプリング61は、一方の端部がアーマチャ凹部511の底面に当接し、他方の端部がステータ凹部711の底面に当接している。アーマチャスプリング61は、アーマチャ底部51とインナーステータ71との間で軸方向に圧縮されている。そのため、アーマチャスプリング61は、アーマチャ50を開弁方向に付勢している。
アーマチャスプリング61は、アーマチャ凹部511により、一方の端部の径方向の移動が規制される。アーマチャスプリング61は、ステータ凹部711により、他方の端部の径方向の移動が規制される。
弁体スプリング62は、例えばコイルスプリングであり、シリンダ突出部25の径方向外側においてシリンダ本体21と弁傘底部41との間に設けられている。弁体スプリング62は、一方の端部がシリンダ本体21のポンプボディ11とは反対側の端面に当接し、他方の端部が弁傘底部41のシリンダ20側の端面に当接している。弁体スプリング62は、シリンダ本体21と弁傘底部41との間で軸方向に圧縮されている。そのため、弁体スプリング62は、弁体30の弁傘部40をアーマチャ50とともに閉弁方向に付勢している。
弁傘部40のスプリング移動規制部45は、弁体スプリング62のシリンダ20とは反対側の端部の外周面に当接している。これにより、スプリング移動規制部45は、弁体スプリング62の端部の径方向の移動を規制可能である。
また、弁体スプリング62は、シリンダ突出部25のシリンダ本体21側の端部の外周壁により、シリンダ本体21側の端部の径方向の移動が規制される。
アーマチャスプリング61の付勢力は、弁体スプリング62の付勢力より大きい。そのため、コイル75に通電されていないとき(図2参照)、アーマチャ50および弁体30は、開弁方向に付勢されている。このとき、アーマチャ底部51の中央は、弁体30の鍔部324に押し付けられ、弁傘部40の弁傘筒部42の端面は、シリンダ本体21の端面に押し付けられている。
次に、電磁弁10および高圧ポンプ1の作動について詳細に説明する。
<吸入工程>
コイル75への通電が停止されているとき、弁部31は弁座23から離間、すなわち、開弁している。この状態で、プランジャ13が加圧室112とは反対側に移動すると、加圧室112の容積が増大し、弁座23に対し加圧室112とは反対側すなわち燃料通路221内の燃料は、加圧室112側に吸入される(図4参照)。
コイル75への通電が停止されているとき、弁部31は弁座23から離間、すなわち、開弁している。この状態で、プランジャ13が加圧室112とは反対側に移動すると、加圧室112の容積が増大し、弁座23に対し加圧室112とは反対側すなわち燃料通路221内の燃料は、加圧室112側に吸入される(図4参照)。
<加圧工程>
コイル75に通電されると、コイル75から磁束が発生し、磁気絞り部72を避けるようにしてアウターステータ73、アーマチャ50、インナーステータ71、アウターステータ74に磁気回路が形成される(図4参照)。これにより、インナーステータ71とアーマチャ50との間に吸引力が発生し、アーマチャ50がアーマチャスプリング61の付勢力に抗してインナーステータ71側、すなわち、閉弁方向に吸引される。また、このとき、弁体30は、弁体スプリング62の付勢力により、インナーステータ71側、すなわち、閉弁方向に移動する。
コイル75に通電されると、コイル75から磁束が発生し、磁気絞り部72を避けるようにしてアウターステータ73、アーマチャ50、インナーステータ71、アウターステータ74に磁気回路が形成される(図4参照)。これにより、インナーステータ71とアーマチャ50との間に吸引力が発生し、アーマチャ50がアーマチャスプリング61の付勢力に抗してインナーステータ71側、すなわち、閉弁方向に吸引される。また、このとき、弁体30は、弁体スプリング62の付勢力により、インナーステータ71側、すなわち、閉弁方向に移動する。
このとき、アーマチャ50と弁傘部40とは、一体となって、インナーステータ71側に移動する(図4、5参照)。そのため、このとき、アーマチャ50の内周壁520と弁体30の弁傘部40の外周壁420とは摺動しない。
弁体30が閉弁方向に移動し、弁部31が弁座23に当接し閉弁すると、弁体30の閉弁方向の移動が規制される(図5参照)。
弁体30が閉弁した状態で、プランジャ13が加圧室112側に移動すると、加圧室112の容積が減少し、加圧室112内の燃料は、圧縮され加圧される。加圧室112内の燃料の圧力が吐出弁15の開弁圧以上になると、吐出弁15が開弁し、燃料は、吐出通路14を経由して配管102側、すなわち、コモンレール5側に吐出される。
弁体30が閉弁した状態で、コイル75への通電が継続すると、アーマチャ50は、インナーステータ71との間の吸引力により、アーマチャスプリング61の付勢力に抗してインナーステータ71側、すなわち、閉弁方向に移動する。
このとき、アーマチャ50は、弁傘部40に対し閉弁方向に相対移動する(図5、6参照)。そのため、このとき、アーマチャ50の内周壁520と弁体30の弁傘部40の外周壁420とは摺動する。
アーマチャ50が閉弁方向に移動し、アーマチャ底部51がインナーステータ71に当接すると、アーマチャ50の閉弁方向の移動が規制される(図6参照)。
コイル75への通電が停止されると、インナーステータ71とアーマチャ50との間の吸引力が消失し、アーマチャ50は、アーマチャスプリング61の付勢力により、開弁方向に付勢される。アーマチャ50が開弁方向に移動し、アーマチャ底部51が弁体30の鍔部324に当接すると、弁体30は、アーマチャスプリング61の付勢力により、開弁方向に付勢される。これにより、弁体30が開弁方向に移動し、弁部31が弁座23から離間し開弁する。
上記の<吸入工程>および<加圧工程>を繰り返すことにより、高圧ポンプ1は、加圧室112に吸入した燃料を加圧、吐出し、コモンレール5に供給する。高圧ポンプ1からコモンレール5への燃料の供給量は、電磁弁10のコイル75への通電のタイミング等を制御することにより調節される。
次に、電磁弁10および高圧ポンプ1の作動例を図7に示す。
プランジャ13が加圧室112とは反対側に移動し、時刻t1になると、プランジャ13が下死点に達する。
プランジャ13が下死点から加圧室112側に移動している時刻t2において、コイル75への通電が開始されると、インナーステータ71とアーマチャ50との間に吸引力が発生する。これにより、アーマチャ50および弁体30が一体となって閉弁方向への移動を開始する。
時刻t3になると、弁体30の弁部31が弁座23に当接し閉弁する。これにより、加圧室112の圧力が上昇し始める。時刻t3以降、プランジャ13が加圧室112側へ移動することにより、加圧室112内の燃料は、加圧され、吐出される。
時刻t3において弁部31が弁座23に当接し弁体30の閉弁方向への移動が規制されると、時刻t3以降、アーマチャ50のみ閉弁方向に移動する。このとき、アーマチャ50の内周壁520と弁体30の弁傘部40の外周壁420とは摺動する。
時刻t4になると、アーマチャ50は、インナーステータ71に当接し、閉弁方向の移動が規制される。
時刻t5においてコイル75への通電が停止されると、時刻t5以降、アーマチャ50は、アーマチャスプリング61により付勢され開弁方向に移動する。このとき、弁体30は、加圧室112の圧力により、閉弁状態に保持される。そのため、アーマチャ50のみ開弁方向に移動し、アーマチャ50の内周壁520と弁体30の弁傘部40の外周壁420とが摺動する。
時刻t6になると、アーマチャ50のアーマチャ底部51が弁体30の鍔部324に当接する。このとき、弁体30は、加圧室112の圧力により、閉弁状態に保持されている。そのため、アーマチャ50は、時刻t6以降、アーマチャ底部51が弁体30の鍔部324に当接した状態に保持される。
時刻t7でプランジャ13が上死点に達すると、加圧室112の圧力が低下し始める。ここで、加圧室112からの燃料の吐出が終了する。
時刻t8で加圧室112の圧力が所定の圧力になると、アーマチャ50および弁体30が一体となって開弁方向への移動を開始する。時刻t9になると、弁傘部40の弁傘筒部42がシリンダ本体21に当接し、弁体30が完全に開弁する。また、弁体30およびアーマチャ50の開弁方向への移動が規制される。
図4に示すように、弁体30の軸方向における弁部31と弁座23との距離L1は、弁体30の最大リフト量に対応する。また、アーマチャ50の軸方向におけるアーマチャ底部51とインナーステータ71との距離L2は、アーマチャ50の最大リフト量に対応する。
図2に示すように、本実施形態では、弁体30、アーマチャ50および弁体スプリング62は、シリンダ20と軸部32との摺動範囲R1と、アーマチャ50と弁傘部40との摺動範囲R2と、弁体スプリング62の軸方向の範囲R3とがいずれも軸方向で互いに重複するよう設けられている。
以上説明したように、<1>本実施形態では、弁体30は、弁部31、弁部31から軸方向に延びるよう形成され外周壁320がシリンダ20の内周壁260と摺動しシリンダ20により軸方向へ往復移動可能に支持される軸部32、および、軸部32と一体に設けられた弁傘部40を有し、弁部31が弁座23から離間または弁座23に当接することで燃料通路221を開閉可能である。アーマチャ50は、内周壁520が弁傘部40の外周壁420と摺動しつつ弁体30と相対移動可能、かつ、弁体30の弁部31とは反対側の面に当接可能なよう設けられている。
本実施形態では、コイル75によりアーマチャ50がインナーステータ71側に吸引されると、弁体30は、弁体スプリング62により閉弁方向に付勢され、アーマチャ50と一体となって閉弁方向に移動する。このとき、アーマチャ50の内周壁520と弁体30の弁傘部40の外周壁420とは摺動しない。弁体30の弁部31が弁座23に当接し閉弁すると、弁体30の閉弁方向の移動が規制される。ここで、アーマチャ50がインナーステータ71側にさらに吸引されると、アーマチャ50が弁体30に対し相対移動する。このとき、アーマチャ50の内周壁520と弁体30の弁傘部40の外周壁420とは摺動する。このように、本実施形態では、アーマチャ50と弁体30とが相対移動するときのみ、アーマチャ50の内周壁520と弁体30の弁傘部40の外周壁420とが摺動する。そのため、従来の電磁弁(米国特許第9970399号明細書に記載の電磁弁)と比較し、部材間の摺動距離を小さくできる。これにより、部材の摩耗を低減可能である。
また、本実施形態では、アーマチャ50の内周壁520と弁体30の弁傘部40の外周壁420とが摺動する構成である。そのため、上記従来の電磁弁のようにアーマチャの外周壁と他部材の内周壁とが摺動する構成と比べ、同L/D時に、軸方向の大きさであるLを小さくでき、アーマチャ50の軸方向の体格を小さくできる。これにより、電磁弁10の体格を小さくできる。
また、上記従来の電磁弁では、弁体とアーマチャとは、それぞれ、別の部材により軸方向へ往復移動可能に支持されている。そのため、弁体とアーマチャとの軸合せが困難になるおそれがある。
一方、本実施形態では、アーマチャ50の内周壁520が弁体30の弁傘部40の外周壁420と摺動し、弁体30の軸部32の外周壁320がシリンダ20の内周壁260と摺動する構成である。そのため、弁体30は、シリンダ20により軸方向の往復移動が案内され、アーマチャ50は、シリンダ20により案内される弁体30により軸方向の往復移動が案内される。このように、アーマチャ50と弁体30とを、共通の部材であるシリンダ20により軸合せすることができる。
また、<2>本実施形態では、弁体30、アーマチャ50および弁体スプリング62は、シリンダ20と軸部32との摺動範囲R1と、アーマチャ50と弁傘部40との摺動範囲R2と、弁体スプリング62の軸方向の範囲R3とが軸方向で互いに重複するよう設けられている。
そのため、電磁弁10の軸方向の体格をさらに小さくすることができる。
また、<3>本実施形態では、アーマチャ50および弁傘部40の少なくとも一方は、軸方向の一方側の面と他方側の面とを接続するよう形成された軸方向通路を有する。本実施形態では、アーマチャ50は軸方向通路501を有し、弁傘部40は軸方向通路401を有している。
アーマチャ50の周囲の燃料、および、弁傘部40の周囲の燃料は、軸方向通路501および軸方向通路401を流通可能である。そのため、アーマチャ50の内側の空間および弁傘部40の内側の空間における燃料の滞留、ならびに、当該空間の閉塞を抑制できる。これにより、燃料の劣化による部材間の摺動性の低下を抑制できる。また、弁体30の挙動を安定化させることができる。さらに、部材表面のキャビテーションエロージョンを抑制できる。
また、<4>本実施形態では、弁体30は、弁傘部40の径方向内側において弁体スプリング62の径方向の移動を規制可能なスプリング移動規制部45を有する。
そのため、弁体スプリング62の傾き、および、倒れを抑制できる。これにより、部材間の摺動抵抗を抑制し、摺動性を安定させることができる。
また、<5>本実施形態では、弁傘部40およびシリンダ20の少なくとも一方は、互いの当接部において軸方向に凹む溝部を有する。本実施形態では、弁傘部40は、シリンダ20との当接部である弁傘筒部42の弁傘底部41とは反対側の端面において軸方向に凹む溝部44を有する。
そのため、弁体30が開弁状態から閉弁方向に移動するときに弁傘部40とシリンダ20との間に生じる負圧により当該移動の方向とは反対方向に引っ張られる力であるリンキング力を低減できる。これにより、閉弁初期の弁体30の挙動を安定させることができる。
また、<6>本実施形態は、上述の電磁弁10とポンプボディ11と吸入通路122とプランジャ13と吐出通路14とを備える高圧ポンプ1である。ポンプボディ11は、燃料通路221の弁座23側に形成された加圧室112を有する。吸入通路122は、燃料通路221に連通し、加圧室112に吸入される燃料が流れる。プランジャ13は、軸方向に往復移動することで加圧室112の燃料を加圧可能である。吐出通路14は、加圧室112で加圧された燃料が流れる。
上述したように、本実施形態の電磁弁10では、部材の摩耗を低減可能であり、軸方向の体格を小さくできる。そのため、この電磁弁10を用いた高圧ポンプ1では、部材の摩耗を低減可能であり、軸方向の体格を小さくできる。これにより、搭載性の要請が厳しいエンジンルーム内に高圧ポンプ1を容易に配置することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態による電磁弁、および、高圧ポンプの一部を図8に示す。第2実施形態は、弁体30の軸部32と弁傘部40との組み付けの方法が第1実施形態と異なる。
第2実施形態による電磁弁、および、高圧ポンプの一部を図8に示す。第2実施形態は、弁体30の軸部32と弁傘部40との組み付けの方法が第1実施形態と異なる。
本実施形態では、軸部32と弁傘部40とは、溶接により組み付けられている。これにより、軸部32と弁傘部40とは、互いに相対移動不能なよう一体に設けられている。
具体的には、軸部32の鍔部324の外縁部と弁傘部40の弁傘底部41の弁傘軸穴部43の径方向外側の部位とが溶接されている。これにより、当該箇所に、鍔部324と弁傘底部41とが溶融し冷え固まった溶融部33が形成されている。
本実施形態は、上述した点以外の構成は、第1実施形態と同様である。
以上説明したように、本実施形態では、軸部32と弁傘部40とは、溶接により互いに固定されている。そのため、軸部32と弁傘部40とのガタつき、および、傾きを抑制できる。これにより、シリンダ20の内周壁260と軸部32の外周壁320との摺動性、および、弁傘部40の外周壁420とアーマチャ50の内周壁520との摺動性を安定させることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態による電磁弁、および、高圧ポンプの一部を図9に示す。第3実施形態は、弁体30の軸部32と弁傘部40との組み付けの方法等が第1実施形態と異なる。
第3実施形態による電磁弁、および、高圧ポンプの一部を図9に示す。第3実施形態は、弁体30の軸部32と弁傘部40との組み付けの方法等が第1実施形態と異なる。
本実施形態では、軸部32と弁傘部40とは、圧入により組み付けられている。
具体的には、軸部32は、第1実施形態で示した鍔部324を有していない。また、弁傘部40は、第1実施形態で示した切欠部46を有していない(図10、11参照)。
弁傘底部41の弁傘軸穴部43の内径は、軸部32の小径部323の外径よりやや小さい。軸部32は、小径部323を弁傘軸穴部43に圧入することにより弁傘部40に組み付けられる。
アーマチャ50は、アーマチャ底部51が、弁体30の弁部31とは反対側の面である小径部323の縮径部322とは反対側の端面に当接可能なよう設けられている。
軸方向通路401は、弁傘底部41の周方向に等間隔で4つ形成されている(図10、11参照)。
溝部44は、弁傘筒部42の周方向に等間隔で4つ形成されている。つまり、溝部44は、弁傘筒部42の軸から放射状に延びるよう形成されている。
本実施形態では、弁傘部40が切欠部46を有しないため、弁傘部40の内部およびアーマチャ50の内部が閉塞空間となり得るが、軸方向通路401および軸方向通路501により、弁傘部40の内部およびアーマチャ50の内部が閉塞空間となるのを回避できる。これにより、第1実施形態と同様、燃料の劣化による部材間の摺動性の低下を抑制でき、弁体30の挙動を安定化させることができ、部材表面のキャビテーションエロージョンを抑制できる。
本実施形態は、上述した点以外の構成は、第1実施形態と同様である。
本実施形態では、溝部44により、弁体30が開弁状態から閉弁方向に移動するときに弁傘部40とシリンダ20との間に生じる負圧により当該移動の方向とは反対方向に引っ張られる力であるリンキング力を低減できる。これにより、第1実施形態と同様、閉弁初期の弁体30の挙動を安定させることができる。
(第4実施形態)
第4実施形態による電磁弁の一部を図12に示す。第4実施形態は、弁体30の弁傘部40の構成が第3実施形態と異なる。
第4実施形態による電磁弁の一部を図12に示す。第4実施形態は、弁体30の弁傘部40の構成が第3実施形態と異なる。
本実施形態では、溝部44は、弁傘筒部42の弁傘底部41とは反対側の端面において周方向に延びるよう円環状に形成されている。
本実施形態は、上述した点以外の構成は、第3実施形態と同様である。
本実施形態では、溝部44により、弁傘部40とシリンダ20との間に生じるリンキング力を低減できる。これにより、第3実施形態と同様、閉弁初期の弁体30の挙動を安定させることができる。
(第5実施形態)
第5実施形態による電磁弁、および、高圧ポンプの一部を図13に示す。第5実施形態は、弁体30の軸部32と弁傘部40との組み付けの方法等が第3実施形態と異なる。
第5実施形態による電磁弁、および、高圧ポンプの一部を図13に示す。第5実施形態は、弁体30の軸部32と弁傘部40との組み付けの方法等が第3実施形態と異なる。
本実施形態では、弁傘底部41の弁傘軸穴部43の内径は、軸部32の小径部323の外径と略同じかやや大きい。軸部32は、小径部323を弁傘軸穴部43に挿入し、小径部323の縮径部322とは反対側の端部を径方向外側へ変形させるようかしめることにより弁傘部40に組み付けられる。これにより、小径部323の縮径部322とは反対側の端部、および、弁傘部40の弁傘軸穴部43の周囲には、部材の変形した部位であるかしめ部34が形成される。
本実施形態は、上述した点以外の構成は、第3実施形態と同様である。
(第6実施形態)
第6実施形態による電磁弁、および、高圧ポンプの一部を図14に示す。第6実施形態は、弁傘部40およびアーマチャ50の構成が第1実施形態と異なる。
第6実施形態による電磁弁、および、高圧ポンプの一部を図14に示す。第6実施形態は、弁傘部40およびアーマチャ50の構成が第1実施形態と異なる。
本実施形態では、弁傘部40は、軸方向通路401に代えて軸方向通路402を有している。軸方向通路402は、弁傘筒部42の外周壁420から径方向内側へ凹みつつ弁傘筒部42の軸に平行な方向へ延びるよう形成されている。軸方向通路402は、弁傘筒部42の軸方向の一方の端面と他方の端面とを接続するよう形成されている。軸方向通路402は、例えば弁傘筒部42の周方向に等間隔で4つ形成されている。
アーマチャ50は、軸方向通路501に代えて軸方向通路502を有している。軸方向通路502は、アーマチャ筒部52の外周壁から径方向内側へ凹みつつアーマチャ筒部52の軸に平行な方向へ延びるよう形成されている。軸方向通路502は、アーマチャ筒部52の一方の端面と他方の端面とを接続するよう形成されている。軸方向通路502は、例えばアーマチャ筒部52の周方向に等間隔で4つ形成されている。
本実施形態は、上述した点以外の構成は、第1実施形態と同様である。
以上説明したように、<3>本実施形態では、アーマチャ50および弁傘部40の少なくとも一方は、軸方向の一方側の面と他方側の面とを接続するよう形成された軸方向通路を有する。本実施形態では、アーマチャ50は軸方向通路502を有し、弁傘部40は軸方向通路402を有している。
アーマチャ50の周囲の燃料、および、弁傘部40の周囲の燃料は、軸方向通路502および軸方向通路402を流通可能である。そのため、アーマチャ50の内側の空間および弁傘部40の内側の空間における燃料の滞留、ならびに、当該空間の閉塞を抑制できる。これにより、第1実施形態と同様、燃料の劣化による部材間の摺動性の低下を抑制できる。また、弁体30の挙動を安定化させることができる。さらに、部材表面のキャビテーションエロージョンを抑制できる。
(第7実施形態)
第7実施形態による電磁弁、および、高圧ポンプの一部を図15に示す。第7実施形態は、弁傘部40およびアーマチャ50の構成が第1実施形態と異なる。
第7実施形態による電磁弁、および、高圧ポンプの一部を図15に示す。第7実施形態は、弁傘部40およびアーマチャ50の構成が第1実施形態と異なる。
本実施形態では、弁傘部40は、表面処理部421を有している。表面処理部421は、弁傘筒部42の外周壁420の周方向および軸方向の全範囲に形成されている。表面処理部421には、めっき、または、DLC等の表面処理が施されている。
アーマチャ50は、表面処理部521を有している。表面処理部521は、アーマチャ筒部52の内周壁520の周方向の全範囲、および、内周壁520のシリンダ本体21側の端部からアーマチャ底部51側の端部近傍までの範囲に形成されている。表面処理部521には、めっき、または、DLC等の表面処理が施されている。
本実施形態は、上述した点以外の構成は、第1実施形態と同様である。
以上説明したように、本実施形態では、互いに摺動する弁傘部40の外周壁420とアーマチャ50の内周壁520とに、それぞれ、めっき等の表面処理を施した表面処理部421、表面処理部521が形成されている。
そのため、弁傘部40とアーマチャ50との摺動性を向上できる。
(第8実施形態)
第8実施形態による電磁弁について説明する。第8実施形態は、弁傘部40およびアーマチャ50の構成が第7実施形態と異なる。
第8実施形態による電磁弁について説明する。第8実施形態は、弁傘部40およびアーマチャ50の構成が第7実施形態と異なる。
本実施形態では、弁傘部40の表面処理部421には、めっき等の表面処理に代えて、表面硬化する熱処理が施されている。また、アーマチャ50の表面処理部521には、めっき等の表面処理に代えて、表面硬化する熱処理が施されている。
本実施形態は、上述した点以外の構成は、第7実施形態と同様である。
以上説明したように、本実施形態では、互いに摺動する弁傘部40の外周壁420とアーマチャ50の内周壁520とに、それぞれ、表面硬化する熱処理を施した表面処理部421、表面処理部521が形成されている。
そのため、弁傘部40の外周壁420とアーマチャ50の内周壁520との摺動による摩耗を抑制できる。
(第9実施形態)
第9実施形態による電磁弁、および、高圧ポンプの一部を図16に示す。第9実施形態は、弁傘部40およびアーマチャ50の構成が第1実施形態と異なる。
第9実施形態による電磁弁、および、高圧ポンプの一部を図16に示す。第9実施形態は、弁傘部40およびアーマチャ50の構成が第1実施形態と異なる。
本実施形態では、弁傘部40は、面取部415を有している。面取部415は、弁傘筒部42のアーマチャ底部51側の端面の外縁部にテーパ状に形成されている。
アーマチャ50は、面取部525を有している。面取部525は、アーマチャ筒部52のアーマチャ底部51とは反対側の端面の内縁部にテーパ状に形成されている。
本実施形態は、上述した点以外の構成は、第1実施形態と同様である。
以上説明したように、本実施形態では、互いに摺動する弁傘部40の外周壁420とアーマチャ50の内周壁520との軸方向の端部に、それぞれ、面取部415、面取部525が形成されている。
そのため、弁傘筒部42の端部の角部とアーマチャ50の内周壁520とのこじり、または、アーマチャ筒部52の端部の角部と弁傘部40の外周壁420とのこじりを抑制することができる。これにより、弁傘部40とアーマチャ50との摺動性を向上できる。
(第10実施形態)
第10実施形態による電磁弁、および、高圧ポンプの一部を図17に示す。第10実施形態は、シリンダ20および弁傘部40の構成が第1実施形態と異なる。
第10実施形態による電磁弁、および、高圧ポンプの一部を図17に示す。第10実施形態は、シリンダ20および弁傘部40の構成が第1実施形態と異なる。
本実施形態では、シリンダ20は、中抜溝部265をさらに有している。中抜溝部265は、シリンダ軸穴部26の内周壁260から径方向外側へ凹むよう略円筒状に形成されている。中抜溝部265は、シリンダ本体21とシリンダ突出部25との接続部を跨るようにしてシリンダ軸穴部26の軸方向の一部において部分的に形成されている。これにより、シリンダ20と軸部32との摺動範囲R1は、第1実施形態と比べ、小さくなっている。
弁傘部40は、中抜溝部425をさらに有している。中抜溝部425は、弁傘筒部42の外周壁420から径方向内側へ凹むよう略円筒状に形成されている。中抜溝部425は、弁傘筒部42の外周壁420の軸方向の一部において部分的に形成されている。これにより、アーマチャ50と弁傘部40との摺動範囲R2は、第1実施形態と比べ、小さくなっている。
本実施形態は、上述した点以外の構成は、第1実施形態と同様である。
以上説明したように、本実施形態では、シリンダ軸穴部26の内周壁260には、中抜溝部265が形成されている。また、弁傘筒部42の外周壁420には、中抜溝部425が形成されている。
そのため、互いに摺動するシリンダ20の内周壁260と軸部32の外周壁320との摺動抵抗を低減し、互いに摺動する弁傘筒部42の外周壁420とアーマチャ筒部52の内周壁520との摺動抵抗を低減することができる。また、中抜溝部265、中抜溝部425が形成されていることにより、デポの付着を抑制できる。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、弁体30、アーマチャ50および弁体スプリング62は、シリンダ20と軸部32との摺動範囲R1と、アーマチャ50と弁傘部40との摺動範囲R2と、弁体スプリング62の軸方向の範囲R3とがいずれも軸方向で互いに重複するよう設けられている例を示した。これに対し、他の実施形態では、摺動範囲R1と摺動範囲R2と範囲R3とは、いずれも軸方向で互いに重複していなくてもよい。また、摺動範囲R1と摺動範囲R2と範囲R3とは、いずれか2つが軸方向で互いに重複していてもよい。
上述の実施形態では、弁体30、アーマチャ50および弁体スプリング62は、シリンダ20と軸部32との摺動範囲R1と、アーマチャ50と弁傘部40との摺動範囲R2と、弁体スプリング62の軸方向の範囲R3とがいずれも軸方向で互いに重複するよう設けられている例を示した。これに対し、他の実施形態では、摺動範囲R1と摺動範囲R2と範囲R3とは、いずれも軸方向で互いに重複していなくてもよい。また、摺動範囲R1と摺動範囲R2と範囲R3とは、いずれか2つが軸方向で互いに重複していてもよい。
また、他の実施形態では、シリンダ軸穴部26の軸方向の一端側の内径を大きくしたり、弁傘筒部42の軸方向の一端側の外径を小さくしたりすることで、摺動範囲R1および摺動範囲R2の大きさ、および、重複範囲を調整してもよい。
例えば、他の実施形態では、弁体30、アーマチャ50および弁体スプリング62は、摺動範囲R1と範囲R3とが軸方向で互いに重複し、摺動範囲R2と範囲R3とが軸方向で互いに重複するよう設けられていてもよい。この場合、摺動範囲R1と摺動範囲R2とは、軸方向で互いに重複していなくてもよい。
また、他の実施形態では、弁体30およびアーマチャ50は、摺動範囲R1と摺動範囲R2とが軸方向で互いに重複するよう設けられていてもよい。
また、他の実施形態では、弁体30および弁体スプリング62は、摺動範囲R1と範囲R3とが軸方向で互いに重複するよう設けられていてもよい。この場合、摺動範囲R2と範囲R3とは、軸方向で互いに重複していなくてもよい。
また、他の実施形態では、アーマチャ50および弁体スプリング62は、摺動範囲R2と範囲R3とが軸方向で互いに重複するよう設けられていてもよい。この場合、摺動範囲R1と範囲R3とは、軸方向で互いに重複していなくてもよい。
また、他の実施形態では、軸方向通路401、402は、弁傘部40の軸方向の一方側の面と他方側の面とを接続するよう形成されているのであれば、穴状や溝状に限らず、切欠き状等、弁傘部40においてどのようにいくつ形成されていてもよい。また、軸方向通路501、502は、アーマチャ50の軸方向の一方側の面と他方側の面とを接続するよう形成されているのであれば、穴状や溝状に限らず、切欠き状等、アーマチャ50においてどのようにいくつ形成されていてもよい。
また、他の実施形態では、軸方向通路は、アーマチャ50または弁傘部40のいずれか一方に形成されていてもよい。
また、他の実施形態では、アーマチャ50および弁傘部40は、いずれも軸方向通路を有していなくてもよい。
また、他の実施形態では、弁体30は、スプリング移動規制部45を有していなくてもよい。
また、上述の実施形態では、弁傘筒部42の弁傘底部41とは反対側の端面に溝部44が形成される例を示した。これに対し、他の実施形態では、シリンダ20は、弁傘部40との当接部において軸方向に凹む溝部を有していてもよい。これにより、弁傘部40に溝部44を形成する場合と同様、弁傘部40とシリンダ20との間に生じるリンキング力を低減でき、閉弁初期の弁体30の挙動を安定させることができる。
また、他の実施形態では、弁傘部40およびシリンダ20は、いずれも溝部を有していなくてもよい。
また、上述の第7、8実施形態では、弁傘部40およびアーマチャ50が、それぞれ、表面処理部421、表面処理部521を有する例を示した。これに対し、他の実施形態では、表面処理部は、弁傘部40またはアーマチャ50のいずれか一方に形成されていてもよい。
また、上述の第9実施形態では、弁傘部40およびアーマチャ50が、それぞれ、面取部415、面取部525を有する例を示した。これに対し、他の実施形態では、面取部は、弁傘部40またはアーマチャ50のいずれか一方に形成されていてもよい。
また、上述の第10実施形態では、シリンダ20および弁傘部40が、それぞれ、中抜溝部265、中抜溝部425を有する例を示した。これに対し、他の実施形態では、中抜溝部は、シリンダ20または弁傘部40のいずれか一方に形成されていてもよい。
また、他の実施形態では、中抜溝部は、例えば軸部32の外周壁320から径方向内側へ凹むよう形成されていてもよい。また、中抜溝部は、アーマチャ筒部52の内周壁520から径方向外側へ凹むよう形成されていてもよい。
本発明の電磁弁は、車両に搭載される高圧ポンプに限らず、その他のポンプ、または、液体を処理する装置等、液体が流れる液体通路を開閉する必要のある装置等に適用できる。
このように、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
10 電磁弁、20 シリンダ、221 燃料通路(液体通路)、23 弁座、260 (シリンダの)内周壁、30 弁体、31 弁部、32 軸部、320 (軸部の)外周壁、40 弁傘部、420 (弁傘部の)外周壁、50 アーマチャ、520 (アーマチャの)内周壁、61 アーマチャスプリング、62 弁体スプリング、71 インナーステータ(ステータ)、75 コイル
Claims (6)
- 液体が流れる液体通路(221)、および、前記液体通路の周囲に形成された弁座(23)を有するシリンダ(20)と、
弁部(31)、前記弁部から軸方向に延びるよう形成され外周壁(320)が前記シリンダの内周壁(260)と摺動し前記シリンダにより軸方向へ往復移動可能に支持される軸部(32)、および、前記軸部と一体に設けられた弁傘部(40)を有し、前記弁部が前記弁座から離間または前記弁座に当接することで前記液体通路を開閉可能な弁体(30)と、
内周壁(520)が前記弁傘部の外周壁(420)と摺動しつつ前記弁体と相対移動可能、かつ、前記弁体の前記弁部とは反対側の面に当接可能なよう設けられたアーマチャ(50)と、
前記アーマチャを開弁方向に付勢するアーマチャスプリング(61)と、
前記弁体を閉弁方向に付勢する弁体スプリング(62)と、
前記アーマチャに対し前記弁体とは反対側に設けられたステータ(71)と、
通電により磁束を発生し、前記アーマチャを前記ステータ側に吸引可能なコイル(75)と、
を備える電磁弁。 - 前記弁体、前記アーマチャおよび前記弁体スプリングは、前記シリンダと前記軸部との摺動範囲(R1)と、前記アーマチャと前記弁傘部との摺動範囲(R2)と、前記弁体スプリングの軸方向の範囲(R3)とが軸方向で互いに重複するよう設けられている請求項1に記載の電磁弁。
- 前記アーマチャおよび前記弁傘部の少なくとも一方は、軸方向の一方側の面と他方側の面とを接続するよう形成された軸方向通路(401、402、501、502)を有する請求項1または2に記載の電磁弁。
- 前記弁体は、前記弁傘部の径方向内側において前記弁体スプリングの径方向の移動を規制可能なスプリング移動規制部(45)を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の電磁弁。
- 前記弁傘部および前記シリンダの少なくとも一方は、互いの当接部において軸方向に凹む溝部(44)を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の電磁弁。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載された電磁弁と、
前記液体通路の前記弁座側に形成された加圧室(112)を有するポンプボディ(11)と、
前記液体通路に連通し、前記加圧室に吸入される燃料が流れる吸入通路(12、121、122)と、
軸方向に往復移動することで前記加圧室の燃料を加圧可能なプランジャ(13)と、
前記加圧室で加圧された燃料が流れる吐出通路(14)と、
を備える高圧ポンプ。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019208862A JP2021080883A (ja) | 2019-11-19 | 2019-11-19 | 電磁弁、および、これを用いた高圧ポンプ |
DE102020124061.9A DE102020124061A1 (de) | 2019-11-19 | 2020-09-16 | Elektromagnetisches ventil und hochdruckpumpe mit demselben |
US16/950,191 US20210148320A1 (en) | 2019-11-19 | 2020-11-17 | Electromagnetic valve and high-pressure pump having the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019208862A JP2021080883A (ja) | 2019-11-19 | 2019-11-19 | 電磁弁、および、これを用いた高圧ポンプ |
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Family Applications (1)
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JP2019208862A Pending JP2021080883A (ja) | 2019-11-19 | 2019-11-19 | 電磁弁、および、これを用いた高圧ポンプ |
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US (1) | US20210148320A1 (ja) |
JP (1) | JP2021080883A (ja) |
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2019
- 2019-11-19 JP JP2019208862A patent/JP2021080883A/ja active Pending
-
2020
- 2020-09-16 DE DE102020124061.9A patent/DE102020124061A1/de active Pending
- 2020-11-17 US US16/950,191 patent/US20210148320A1/en not_active Abandoned
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DE102020124061A1 (de) | 2021-05-20 |
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