JP2021080737A - 地盤固さ推定システム及び地盤固さ推定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
図8(a)、(b)は、それぞれ砂及び粘土の場合のN値と地盤の固さとの関係を示している。例えば、N値が「10」の地盤であっても、砂の場合には「緩い〜中位の固さ」と判断され、粘土の場合には「硬い」と判断される。
電流計測器23は、オーガマシン16の駆動モータの負荷電流を測定する。この場合、電流計測器23は、時間に関連付けて電流値を測定する。
図3を用いて、地盤固さ推定システム30を構成する情報処理装置H10のハードウェア構成を説明する。情報処理装置H10は、通信装置H11、入力装置H12、表示装置H13、記憶部H14、プロセッサH15を備える。なお、このハードウェア構成は一例であり、他のハードウェアにより実現することも可能である。
図2の地盤固さ推定システム30は、掘削時の各計測値から、地盤の固さを示す固さ指標値を推定するコンピュータシステムである。地盤固さ推定システム30は、制御部31、地盤調査情報記憶部としての地盤調査データ記憶部32、計測情報記憶部としての掘削計測データ記憶部33及び多変量解析式記憶部としての重回帰式記憶部34を備える。
推定部313は、杭孔を新たに掘削したときに取得した計測値を、重回帰式記憶部34に記憶した重回帰式に代入して、掘削した杭孔の地盤の固さを推定する。
調査位置座標データ領域には、この現場においてボーリング調査を行なった位置の座標に関するデータが記録される。
土質分類データ領域には、この深さにおける土質分類を特定するための識別子に関するデータが記録される。この土質分類と土質対応テーブルとを用いて土質係数を特定することができる。
換算せん断波速度データ領域には、この深さにおける換算せん断波速度に関するデータが記録される。
杭番号データ領域及び杭座標データ領域には、掘削した杭を特定するための番号及び杭の位置座標に関するデータが記録される。この杭座標と、地盤調査データ記憶部32の調査位置座標とを用いて、掘削計測データを、最も近い位置でボーリング調査を行なった地盤調査データと関連付けることができる。
重回帰式記憶部34には、重回帰式に関するデータが記録される。ここでは、目的変数と、この目的変数の説明変数とをそれぞれ特定するための識別子と、各説明変数の係数(回帰係数)とが記憶される。
次に、図5〜図7を用いて、上述した地盤固さ推定システム30を用いて、地盤の固さ推定方法を説明する。
次に、図6を用いて、重回帰式算出処理の詳細について説明する。本実施形態では、4か所の異なる現場で20個の孔を掘削したときのデータを用いて、重回帰式を算出する。
なお、説明変数の選択は、ここで示したp値による方法に限定されるものではなく、影響の少ない説明変数を削除できる方法であればよい。例えば、AIC(赤池情報量規準)を基準にして選択してもよい。
図7(a),(b)には、重回帰式を用いて推定したせん断波速度Vsと、現場の地盤調査から求めたVs’とを比較して示している。図7(a),(b)は、同じ現場で、異なる2箇所において検証した場合を示している。これらは、それぞれ異なる位置において行なったボーリング調査から換算せん断波速度Vs’を算出し、各ボーリング調査位置の近傍の杭孔の掘削時の計測値データを用いて推定したせん断波速度Vsを算出している。
(1)本実施形態では、地盤固さ推定システム30の制御部31は、新たに取得した計測値に基づいて杭孔の地盤の固さの推定処理を実行する(ステップS1−5)。これにより、杭孔を掘削したときの計測値から、杭孔における地盤の固さを特定することができるので、孔を形成した箇所の地盤の固さを効率的に評価することができる。
・上記実施形態においては、地盤固さ推定システム30の制御部31は、異なる4か所の現場の掘削計測データと地盤調査データとを対応付けして、重回帰式を算出する。重回帰式を算出するためのデータを取得する現場数は4か所に限定されるものではない。例えば、堆積環境が共通する所定エリア(関東や関西等のエリア毎)の現場のデータを用いればよい。また、現場毎に重回帰式を算出するようにしてもよい。
・上記実施形態においては、説明変数として振動を用いる場合、1/3オクターブバンド分析の周波数における振幅値を用いた。振動に関する計測値としては、これに限定されず、例えば、他の分析方法(フーリエ解析)による特性値を用いてもよい。
砂の場合 :先端支持力度qp=222×N …(5)
粘土の場合:先端支持力度qp=268×N …(6)
これら式(5)、(6)において「N」は、N値である。
このため、制御部31は、土質分類に応じた先端支持力度の算出式を記憶する。更に、地盤調査データ記憶部32には、換算せん断波速度Vs’の代わりに、先端支持力度を記録する。
そして、制御部31は、データの対応付け処理(ステップS2−1)において、地盤調査データの換算せん断波速度Vs’の代わりに、特定した先端支持力度を掘削計測データと関連付ける。そして、制御部31は、先端支持力度を目的変数として重回帰式を算出する。
図8(a)に示すように、砂の場合、「0以上〜10未満」、「10以上〜30未満」、「30以上」のN値を、それぞれ「1」、「2」、「3」の固さと設定する。更に、図8(b)に示すように、粘土の場合、「0以上〜4未満」、「4以上〜8未満」、「8以上」のN値を、それぞれ「1」、「2」、「3」の固さと設定する。
そして、制御部31は、データの対応付け処理(ステップS2−1)を実行する。
ここで、図9に示すように、地盤調査データの換算せん断波速度Vs’の代わりに固さを、掘削計測データと関連付ける。そして、制御部31は、固さを目的変数として重回帰式を算出する。
y23=1/{1+exp[−(a1×x1+a2×x2+…+am×xm+b)]} …(7)
ここで、y23は、目的変数であって、固さが「2」以上になる確率(0≦y23≦1)を示している。
そして、x1、x2、…、xmは、説明変数であって、各計測値を用いる。更に、a1、a2、…、amは、各説明変数に対応する回帰係数であり、bは回帰係数である。
y3=1/{1+exp[−(α1×x1+α2×x2+…+αm×xm+β)]} …(8)
ここで、y3は、目的変数であって、固さが「3」以上になる確率(0≦y3≦1)を示している。
そして、x1、x2、…、xmは、説明変数であって、各計測値を用いる。更に、α1、α2、αmは、各説明変数に対応する回帰係数であり、βは回帰係数である。
y2=1−y3−y1 …(10)
上記で求めた回帰係数a,b,α,β、回帰式(8)〜(10)及び新たに掘削した評価対象の孔の掘削時の計測値から、固さが1〜3になる確率(y1,y2,y3)を算出することができる。
〔固さの推定値〕=y1×1+y2×2+y3×3 …(11)
更に、この式(11)で算出した固さの推定値の代わりに、y1,y2,y3のうち最大値(最大の確率)の固さを、固さの推定値として用いることができる。
(a)前記制御部は、堆積環境に応じた地盤毎に、前記多変量解析式を算出することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の地盤固さ推定システム。
Claims (4)
- 地盤に孔を掘削するときに取得可能な複数の計測値を記録した計測情報記憶部と、
前記地盤の固さを示す固さ指標値を記録した地盤調査情報記憶部と、
前記計測値を説明変数とし、前記固さ指標値を目的変数とした多変量解析式を記憶する多変量解析式記憶部と、
制御部とを備え、地盤の固さ指標値を推定するシステムであって、
前記制御部は、
前記計測情報記憶部に記録された各計測値と、前記地盤調査情報記憶部に記録された固さ指標値とを、説明変数及び目的変数とした多変量解析を行なうことにより多変量解析式を算出して、前記多変量解析式記憶部に記録し、
評価対象の孔を掘削したときの計測値を取得した場合、これら計測値と前記多変量解析式とを用いて、前記評価対象の孔が掘削された地盤における固さ指標値を推定することを特徴とする地盤固さ推定システム。 - 前記制御部は、前記説明変数として、積分電流値の対数値、深度、掘削速度、注水量、3方向における所定周波数における振動の少なくとも複数を用いることを特徴とする請求項1に記載の地盤固さ推定システム。
- 前記地盤の固さ指標値は、せん断波速度であることを特徴とする請求項1又は2に記載の地盤固さ推定システム。
- 地盤に孔を掘削するときに取得可能な複数の計測値を記録した計測情報記憶部と、
前記地盤の固さを示す固さ指標値を記録した地盤調査情報記憶部と、
前記計測値を説明変数とし、前記固さ指標値を目的変数とした多変量解析式を記憶する多変量解析式記憶部と、
制御部とを備え、地盤の固さ指標値を推定する方法であって、
前記制御部は、
前記計測情報記憶部に記録された各計測値と、前記地盤調査情報記憶部に記録された固さ指標値とを、説明変数及び目的変数とした多変量解析を行なうことにより多変量解析式を算出して、前記多変量解析式記憶部に記録し、
評価対象の孔を掘削したときの計測値を取得した場合、これら計測値と前記多変量解析式とを用いて、前記評価対象の孔が掘削された地盤における固さ指標値を推定することを特徴とする地盤固さ推定方法。
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