JP2021079905A - 飛行体 - Google Patents

飛行体 Download PDF

Info

Publication number
JP2021079905A
JP2021079905A JP2019211393A JP2019211393A JP2021079905A JP 2021079905 A JP2021079905 A JP 2021079905A JP 2019211393 A JP2019211393 A JP 2019211393A JP 2019211393 A JP2019211393 A JP 2019211393A JP 2021079905 A JP2021079905 A JP 2021079905A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wing
wing portion
flying object
power unit
power
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019211393A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7280809B2 (ja
Inventor
敬介 市毛
Keisuke Ichige
敬介 市毛
充佳 河上
Mitsuyoshi Kawakami
充佳 河上
建 深川
Ken Fukagawa
建 深川
英二 板倉
Eiji Itakura
英二 板倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2019211393A priority Critical patent/JP7280809B2/ja
Publication of JP2021079905A publication Critical patent/JP2021079905A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7280809B2 publication Critical patent/JP7280809B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)

Abstract

【課題】 飛行体において、比較的狭い場所であっても飛行体を目標位置で飛行させることができるとともに、飛行体の積載性を向上する技術を提供する。【解決手段】 線状部材に係留されている飛行体は、線状部材の端部に接続され、受けた風圧から揚力を発生させる翼部と、翼部を鉛直方向上方に移動させる推力を発生する動力部と、翼部と動力部とを接続する接続部であって、揚力を含む、翼部に発生する空気力の大きさに応じて、翼部と動力部を分離させる接続部と、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、飛行体に関する。
従来から、ワイヤなどによって係留されながら上空を飛行する飛行体が知られている。飛行体を飛行させるとき、地表付近の風だけでは、飛行体を上空まで上昇させる揚力を発生することができないため、飛行体を上空まで上昇させる推力が必要となる。例えば、特許文献1および特許文献2には、飛行体に接続されたワイヤを牽引する牽引体で飛行体を引っ張ることで、飛行体を目標位置まで上昇させる技術が開示されている。また、特許文献3および特許文献4には、鉛直方向上向きの推力を発生する動力部を飛行体が備えることで、飛行体を目標位置まで上昇させる技術が開示されている。
特開平3−82694号公報 特開平8−133197号公報 特開2016−155547号公報 特開2017―74860号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の飛行体では、飛行体を牽引するために、水平方向に障害物がない広い場所が必要となる。このため、飛行体を離陸させることができる場所が限られ、飛行体を目標位置で飛行させることが困難な場合がある。また、特許文献3および特許文献4に記載の飛行体では、動力部を備えるため、飛行体の重量が重くなる。このため、例えば、動力を切った状態で飛行体によって大気の状態を観測する場合、搭載できる観測機器が制限されるなど、飛行体の積載性が低下する。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、飛行体において、比較的狭い場所であっても飛行体を目標位置で飛行させることができるとともに、飛行体の積載性を向上する技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、線状部材に係留される飛行体が提供される。この飛行体は、前記線状部材の端部に接続され、受けた風圧から揚力を発生させる翼部と、前記翼部を鉛直方向上方に移動させる推力を発生する動力部と、前記翼部と前記動力部とを接続する接続部であって、前記揚力を含む、前記翼部に発生する空気力の大きさに応じて、前記翼部と前記動力部を分離させる前記接続部と、を備える。
この構成によれば、翼部に接続されている動力部が発生する推力によって翼部を鉛直方向上方に移動させることができるため、例えば、飛行体を牽引するためのスペースが確保できないような比較的狭い場所でも、翼部を目標位置で飛行させることができる。また、飛行している飛行体は、翼部に発生する空気力の大きさに応じて、翼部と動力部とを分離させる。これにより、比較的重量が大きい動力部が分離された翼部のみが目標位置を飛行することとなるため、目標位置を飛行する翼部に重いものや大型のものを積載することができる。したがって、飛行体の積載性を向上することができる。
(2)上記形態の飛行体において、前記接続部は、前記翼部の風圧を受ける側において、前記翼部と前記動力部とを接続し、前記翼部との接続面に対して垂直な方向の空気力が所定値より大きくなると、前記翼部と前記動力部とを分離させてもよい。この構成によれば、接続部は、翼部の風圧を受ける側において翼部と動力部とを接続しており、接続部が翼部と動力部とを接続する力は、翼部との接続面に対して垂直な方向に作用している。これにより、接続部は、接続面に対して垂直な方向の空気力が、所定値より大きくなると、翼部と動力部とを分離するため、翼部と動力部とが分離されるときの空気力を正確に見積もることができる。したがって、飛行体の飛行経路において、翼部と動力部とを狙った高さで分離させることができる。
(3)上記形態の飛行体において、前記動力部は、前記翼部の風圧を受ける側に配置されており、前記翼部と分離されると、前記線状部材に沿って移動してもよい。この構成によれば、翼部と分離された動力部は、線状部材に沿って移動する。線状部材に沿って移動する動力部は、例えば、線状部材の端部が地上に固定されていると、その固定された地点において動力部を回収することができる。すなわち、翼部と分離された動力部の落下地点を設定することができるため、動力部を安全に回収することができる。
(4)上記形態の飛行体において、前記接続部は、前記動力部に対する前記翼部の傾きの角度を調整する傾き角調整部を含んでいてもよい。この構成によれば、飛行体は、傾き角調整部によって、動力部に対する翼部の傾き角を調整することができる。これにより、飛行体が飛行するときの翼部の迎え角を調整することができるため、効率的に空気力を発生させることができる。したがって、飛行体の飛行の安定性が向上するとともに、風圧が弱いときでも翼部に発生する空気力が大きくなるため、動力部によって翼部を上昇させる距離を短くすることができる。
(5)上記形態の飛行体において、前記接続部は、前記動力部が向いている方向と前記翼部が向いている方向との間の角度を調整する方向角調整部を含んでいてもよい。この構成によれば、飛行体は、方向角調整部によって、動力部が向いている方向と翼部が向いている方向との間の角度を調整することができる。これにより、飛行体が飛行するとき、翼部が向く方向を風に対して正対させることができるため、効率的に空気力を発生させることができる。したがって、飛行体の飛行の安定性が向上するとともに、風圧が弱いときでも翼部に発生する空気力が大きくなるため、動力部によって翼部を上昇させる距離を短くすることができる。
(6)上記形態の飛行体において、前記翼部は、複数のフレームと、前記複数のフレームの間に張られる膜体を有してもよい。この構成によれば、翼部は比較的軽量になるため、翼部を上昇させるための推力を低減することができるとともに、翼部により重いものを積載することができる。
(7)上記形態の飛行体において、前記動力部は、前記翼部の風圧を受ける側に配置され、前記翼部を上昇させる推力を発生する複数のロータを有しており、前記翼部と前記ロータとの間には、前記ロータの回転によって前記推力を発生させるための空気が流れる隙間が形成されていてもよい。この構成によれば、動力部は、推力を発生する複数のロータを有しており、翼部とロータとの間には、ロータの回転によって推力を発生させるための空気が流れる隙間が形成されている。これにより、動力部が発生する、翼部を上昇させるための推力を大きくすることができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、飛行体を用いたシステム、および、飛行体の製造方法の形態でも実現することができる。
第1実施形態の飛行体の側面図である。 飛行体の上面図である。 飛行体の正面図である。 飛行体が備える翼部の側面図である。 翼部の上面図である。 翼部の正面図である。 飛行体が備える動力部および接続部の側面図である。 動力部および接続部の上面図である。 動力部および接続部の正面図である。 翼部の迎え角を調整したときの飛行体の側面図である。 翼部に発生する空気力を説明する図である。 翼部が向いている方向が変化するときの飛行体の側面図である。 翼部と動力部とが分離されたときの飛行体の側面図である。 分離された動力部が落下する状態を説明する模式図である。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の飛行体1の側面図である。図2は、飛行体1の上面図である。図3は、飛行体1の正面図である。本実施形態の飛行体1は、大気の状態を観測するために用いられ、大気の状態を観測可能な観測機器が搭載されている。本実施形態では、飛行体1を比較的高高度の上空での所定の位置(目標位置)に滞在させることで、所定の位置の温度および風速の計測を行う。なお、飛行体1が適用される分野は、大気観測に限定されず、風を利用して比較的長時間上空に滞在させることで行える、例えば、上空からの目標物の撮影などにも利用される。本実施形態の飛行体1は、翼部10と、動力部20と、翼部10と動力部20とを接続する接続部30を備え、翼部10に発生する空気力の大きさに応じて、翼部10と動力部20とを分離する。なお、説明の便宜上、図1〜3において、翼部10の先端が向いている方向をx軸方向とし、飛行前の翼部10の膜体15を含む平面においてx軸に垂直な方向をy軸方向とし、x軸とy軸とに直交する方向をz軸方向とする。本実施形態では、飛行体1が飛行するときの鉛直方向は、z軸方向となる。
図4〜6は、飛行体1において、動力部20および接続部30を外した翼部10の状態を示す図である。図4は、翼部10の側面図である。図5は、翼部10の上面図である。図6は、翼部10の正面図である。翼部10は、例えば、フレキシブル翼のデルタカイトであって、複数のフレームとしてのスパイン11、スプレッダ12、および、一対のスパー13、14と、膜体15と、キール16と、ペイロード17を有する。
スパイン11は、x軸方向における翼部10の長さとほぼ同じ長さの棒状の部材であって、翼部10においてx軸に沿って配置されている(図5参照)。スパイン11の先端部11aは、膜体15の先端部15aに固定されており、スパイン11の後端部11bは、膜体15の後縁部15bの中央に固定されている。これにより、スパイン11は、膜体15のx軸方向の張りを維持する。
スプレッダ12は、スパイン11と同様に、棒状の部材であって、翼部10においてy軸に沿って配置されている。すなわち、スパイン11とスプレッダ12とは、翼部10において直交するように配置されている(図5参照)。スプレッダ12の2つの端部12a、12bは、膜体15に形成されているスプレッダホルダ15c、15dに収納されている。これにより、スプレッダ12は、膜体15のy軸方向の張りを維持する。
スパイン11と、スプレッダ12とのそれぞれは、膜体15を挟むように配置されている。本実施形態では、スパイン11は、膜体15に対してz軸方向のマイナス側に配置され、スプレッダ12は、膜体15に対してz軸方向のプラス側に配置されている。
一対のスパー13、14は、いずれも棒状の部材であって、スプレッダ12の両端におけるそれぞれの延長上に配置されている。一対のスパー13、14のそれぞれは、翼部10の2つの前縁部15e、15fのそれぞれに配置されている。スパー13、14の先端部13a、14aは、スパイン11の先端部11aよりもx軸方向のマイナス側であり、かつ、スプレッダ12よりx軸方向のプラス側に位置し、膜体15に形成されているスパーホルダ15g、15hに収納されている。スパー13、14の後端部13b、14bは、膜体15の後縁部15bの両端15i、15jに位置し、膜体15に形成されているスパーホルダ15k、15lに収納されている。すなわち、スパー13、14の後端部13b、14bと、スパイン11の後端部11bとは、膜体15の後縁部15b上に並んで配置されている。スパー13、14の中心軸C13、C14は、スプレッダ12の中心軸C12に対して90度未満となる角度αを形成している。
膜体15は、略三角形状の薄膜であって、例えば、布などの軟質材料から形成されている。膜体15は、飛行前では略三角形状の平面である本体部15mと、スパイン11を収容する胴体袋部15nを有する。本体部15mにおけるx軸方向のプラス側には、膜体15の先端部15aから後縁部15bにわたって、袋状の前縁袋部15o、15pが形成されている。前縁袋部15o、15pは、スパー13、14、および、スパーホルダ15g、15h、15k、15lを収容する。本体部15mにおいて、前縁袋部15oと前縁袋部15pとの間には、スプレッダホルダ15c、15dが配置されている。胴体袋部15nは、本体部15mに対して、スプレッダ12が配置されている側とは反対側に配置されている。胴体袋部15nは、スパイン11を収容する。
キール16は、胴体袋部15nにおいて、本体部15mに接続する側と反対側に配置される。キール16は、三角形状の膜であって、本体部15mから張り出すように形成されている(図4参照)。
ペイロード17は、箱状の部材であって、キール16の先端部16aに配置されている。本実施形態では、ペイロード17には、例えば、大気の温度を計測する温度センサや風速を計測する風速センサなどの大気の状態を観測する観測機器や、翼部10の高度を計測する高度センサが収納されている。これらの観測機器が計測し収集したデータは、無線または有線によって、例えば、地上の図示しないデータ取得装置に送信される。なお、上述した翼部10の構成は、一例であり、フレームの数や構成、膜体の形状、および、ペイロード17の場所などはこれに限定されない。
翼部10の風圧を受ける側には、ワイヤ41の一方の端部41aが接続されている。金属製のワイヤ41の他方の端部41bは、地上に配置されている固定部材42に固定されている。本実施形態では、固定部材42は、動力部20が落下するときの衝撃を吸収する緩衝材を有する。ワイヤ41は、上空を飛行する翼部10を係留し、飛行体1の飛行範囲を、固定部材42上の上空周辺の一定の範囲に留めておく。ワイヤ41は、特許請求の範囲の「線状部材」に相当する。
図7は、飛行体1が備える動力部20および接続部30の側面図である。図8は、動力部20および接続部30の上面図である。図9は、動力部20および接続部30の正面図である。動力部20は、いわゆる、マルチコプタであって、ベース部21と、腕部22a、22b、22c、22eと、モータ23a、23b、23c、23dと、ロータ24a、24b、24c、24dと、ガード25a、25b、25c、25dと、制御部26と、ガイドパイプ27を有する。動力部20は、飛行体1において、翼部10におけるz軸方向のマイナス側に配置されている。
ベース部21は、平面状の部材であって、z軸方向のマイナス側にxy平面に略平行な主面21aを有する。主面21aにおける、x軸方向のプラス側の端部と、y軸方向のプラス側の端部と、y軸方向のマイナス側の端部と、x軸方向のマイナス側の端部とのそれぞれに、腕部22aと、腕部22bと、腕部22cと、腕部22dが配置されている(図8参照)。ベース部21の中央には、ベース部21をz軸方向に貫通する貫通孔21bが形成されている。
腕部22aは、一端がベース部21に固定された状態でx軸のプラス方向に突出している棒状の部材である。腕部22aの他端には、制御部26に接続するモータ23aと、モータ23aが出力する回転トルクによって回転するロータ24aが配置されている。ロータ24aは、z軸に略平行な回転軸を有しており、回転すると、z軸方向のプラス側からマイナス側への空気の流れを形成する。ガード25aは、腕部22aに配置されており、ロータ24aを保護する。
腕部22bは、一端がベース部21に固定された状態でy軸のプラス方向に突出している棒状の部材である。腕部22bの他端には、制御部26に接続するモータ23bと、モータ23bが出力する回転トルクによって回転するロータ24bが配置されている。ロータ24bは、z軸に略平行な回転軸を有しており、回転すると、z軸方向のプラス側からマイナス側への空気の流れを形成する。ガード25bは、腕部22bに配置されており、ロータ24bを保護する。
腕部22cは、一端がベース部21に固定された状態でy軸のマイナス方向に突出している棒状の部材である。腕部22cの他端には、制御部26に接続するモータ23cと、モータ23cが出力する回転トルクによって回転するロータ24cが配置されている。ロータ24cは、z軸に略平行な回転軸を有しており、回転すると、z軸方向のプラス側からマイナス側への空気の流れを形成する。ガード25cは、腕部22cに配置されており、ロータ24cを保護する。
腕部22dは、一端がベース部21に固定された状態でx軸のマイナス方向に突出している棒状の部材である。腕部22dの他端には、制御部26に接続するモータ23dと、モータ23dが出力する回転トルクによって回転するロータ24dが配置されている。ロータ24dは、z軸に略平行な回転軸を有しており、回転すると、z軸方向のプラス側からマイナス側への空気の流れを形成する。ガード25dは、腕部22dに配置されており、ロータ24dを保護する。
本実施形態では、ロータ24a、24b、24c、24dのそれぞれと翼部10の間には、ロータ24a、24b、24c、24dの回転によって推力を発生させるための空気が流れる隙間が形成されている(図1および図3の両端矢印S1参照)。これにより、ロータ24a、24b、24c、24dの回転によって、ロータ24a、24b、24c、24dのz軸方向のプラス側からマイナス側に向かって十分な空気の流れが形成される。
制御部26は、ROM、RAM、および、CPUを含んで構成されるコンピュータと、バッテリと、受信器を有している。制御部26は、受信器が受信する指令に応じて、モータ23a、23b、23c、23dのそれぞれを駆動し、ロータ24a、24b、24c、24dのそれぞれの回転を制御する。バッテリは、受信器が受信する指令に応じて、モータ23a、23b、23c、23dを駆動する電力をモータ23a、23b、23c、23dに供給する。
動力部20は、ロータ24a、24b、24c、24dの回転によってz軸方向のプラス側からマイナス側への空気の流れを形成し、鉛直方向上向きの推力を発生する。これにより、飛行体1では、接続部30を介して動力部20に接続する翼部10を上空まで上昇させることができる。
ガイドパイプ27は、ベース部21の主面21aにおいて、内側が貫通孔21bに連通するように接続されている。ガイドパイプ27には、翼部10を係留するワイヤ41が挿通される(図1および図3参照)。
接続部30は、翼部10と動力部20との間において動力部20に設けられており、翼部10と動力部20とを接続する。接続部30は、フレーム部31と、迎角回転軸32と、風見回転軸33と、翼支持部34と、接続面35a、35b、35c、35dと、垂直尾翼部36を有する。迎角回転軸32と翼支持部34は、特許請求の範囲の「傾き角調整部」に相当する。風見回転軸33と垂直尾翼部36は、特許請求の範囲の「方向角調整部」に相当する。
フレーム部31は、y軸方向から見ると、略L字状に形成されている部材であって、x軸に沿うように形成されている第1フレーム31aと、y軸に沿うように形成されている第2フレーム31bを有する。第1フレーム31aにおけるx軸方向のプラス側の端部には、第2フレーム31bの端部が固定されている。第2フレーム31bの第1フレーム31aと接続する側とは反対側の端部には、迎角回転軸32が配置されている。第1フレーム31aの動力部20側には、xy平面において、フレーム部31と動力部20との相対回転を可能とする風見回転軸33が配置されている。第1フレーム31aおよび風見回転軸33には、動力部20が有するベース部21に形成されている貫通孔21bに連通する貫通孔31cが形成されている。
翼支持部34は、第2フレーム31bの第1フレーム31aと接続する側とは反対側の端部と連結している。翼支持部34は、4本の支持フレーム34a、34b、34c、34dを有する。
支持フレーム34a、34bは、一方の端部が第2フレーム31bに連結されており、z軸に沿うように形成されている。支持フレーム34a、34bにおけるz軸方向のプラス側の先端部には、翼部10と接触する接続面35a、35bが形成されている。接続面35a、35bは、面ファスナとなっており、翼部10の膜体15と接続可能となっている。
支持フレーム34c、34dは、一方の端部が第2フレーム31bに連結されており、z軸に対して略60度の角度で傾斜するように配置されている。支持フレーム34c、34dにおけるz軸方向のプラス側の先端部には、翼部10と接触する接続面35c、35dが形成されている。接続面35c、35dは、面ファスナとなっており、翼部10の膜体15と接続可能となっている。
翼支持部34が有する4本の支持フレーム34a、34b、34c、34dは、一体となって、迎角回転軸32を回転中心として、回転可能に設けられている。翼支持部34は、接続面35a、35b、35c、35dと翼部10の膜体15との接続によって、翼部10を回転可能な状態で、支持する。
垂直尾翼部36は、第1フレーム31aにおけるx軸方向のマイナス側の端部に配置されている。本実施形態では、垂直尾翼部36は、第1フレーム31aにおけるz軸方向のプラス側とz軸方向のマイナス側とに配置されている。垂直尾翼部36に外力が作用すると、作用した外力の方向に応じて、風見回転軸33を回転中心として、フレーム部31が動力部20に対して回転する。
次に、本実施形態の飛行体1を用いた大気観測の方法について説明する。最初に、図1および図2を用いて、離陸する前の飛行体1の状態を説明する。離陸する前の飛行体1では、翼部10と動力部20が接続部30によって接続されており、一体となっている。具体的には、接続部30の接続面35a、35b、35c、35dと翼部10の膜体15とが、接続面35a、35b、35c、35dの面ファスナによって接続されている。本実施形態では、離陸する前の飛行体1では、翼部10は、動力部20の鉛直方向上方に位置しており、ロータ24a、24b、24c、24dのそれぞれと翼部10の間には、隙間S1が形成されている。翼部10に接続するワイヤ41は、貫通孔31c、21b、および、ガイドパイプ27の内側に挿通され、地上3において、他端が固定部材42に固定されている(図1参照)。
本実施形態では、離陸する前の飛行体1では、翼部10が向いている方向と動力部20が向いている方向とがほぼ同じになっている。ここで、翼部10が向いている方向を、スパイン11が翼部10の後縁部15bから先端部15aに向かう方向とする。また、動力部20が向いている方向を、ロータ24dからロータ24aに向かう方向とする。本実施形態では、図2に示すように、翼部10が向いている方向(図2の点線矢印D1)と、動力部20が向いている方向(図2の点線矢印D2)とは、重なる状態となっている。
図10は、翼部10の迎え角を調整したときの飛行体1の側面図である。本実施形態では、飛行体1の離陸前に、翼支持部34を用いて、動力部20に対する翼部10の傾きの角度、すなわち、飛行中の風の流れ(図10の一点鎖線矢印W1)に対する迎え角を調整する。この動力部20に対する翼部10の傾きの角度の調整について、図10を用いて説明する。ここで、動力部20について、4つの腕部22a、22b、22c、22eを含む平面P2を仮定する(図10参照)。また、翼部10については、一対のスパー13、14(図3参照)を含む平面を仮定する。図10では、翼部10で仮定する、一対のスパー13、14を含む平面について、平面P2に対して略平行な平面P10と、平面P2に対して傾いている平面P11とを仮定する。本実施形態では、離陸する前の飛行体1において、迎角回転軸32と翼支持部34を用いて、翼部10を動力部20に対して傾けることで、平面P10と平面P2との関係から、平面P11と平面P2との関係に変更する。これにより、飛行体1が飛行するとき、効率的に空気力を発生させることができる。図10の状態の飛行体1において空気力が発生する現象の詳細については、後述する
次に、離陸して上昇する飛行体1の状態を説明する。図10の状態にセッティングされた飛行体1は、動力部20のロータ24a、24b、24c、24dが発生する推力によって、ワイヤ41の一方の端部41aを引き上げながら上昇する。このとき、飛行体1は、大気中の風の圧力、すなわち、風圧を受けることで、翼部10に空気力が発生する。
図11は、翼部10に発生する空気力を説明する図である。ここで、翼部10に発生する空気力について、迎え角βの飛行体1が飛行しているときの空気力を説明する。迎え角βは、上述した迎角回転軸32と翼支持部34によって、翼部10の平面P10と動力部20の平面P2との関係を、翼部10の平面P11と平面P2との関係に変更することによって形成される角度である(図10参照)。迎え角βで飛行している飛行体1では、翼部10において、接続部30の接続面35a、35b、35c、35dが接触している側の翼面WS1に、風W1による風圧を受ける。なお、翼部10は、本体部15mの風圧を受ける側に胴体袋部15nを有しているが、ここでは、便宜的に、本体部15mの風圧を受ける側の面のみを翼面WS1とする。翼面WS1は、特許請求の範囲の「翼部の風圧を受ける側」に相当する。
翼部10では、翼面WS1に受ける風圧によって、翼面WS1とは反対側の翼面WS2に、空気力A1が発生する。具体的には、空気力A1を鉛直方向でもあるz軸方向と、水平方向でもあるy軸方向とに分解した力が、飛行体1を鉛直方向に上昇させる揚力Af1と抗力Ad1となる(図11参照)。なお、実際には、翼面WS1、WS2の断面形状は、風W1の風圧によって複雑な形状となるが、ここでの空気力の説明、および、図11においては、便宜上、直線形状とした。したがって、上述した空気力についての考察は、翼部10の断面において、前縁と後縁とを結ぶことで形成されるコード線WSを用いて説明しても同様である。
本実施形態の飛行体1では、図10を用いて説明したように、迎角回転軸32と翼支持部34を用いた動力部20に対する翼部10の傾きの角度を変更することで、図11に示す迎え角βを変更することができる。これにより、翼部10に発生する空気力A1、および、空気力A1の分力である揚力Af1の大きさを変更することができる。
図12は、翼部10が向いている方向が変化するときの飛行体1の側面図である。本実施形態の飛行体1は、風の風圧を垂直尾翼部36に受けることで、翼部10の先端部15aを、風に対して正対するように、飛行する。例えば、図12に示すように、翼部10および動力部20が風W11に対して正対するように飛行しているとき、翼部10が向いている方向を点線矢印D11とし、動力部20が向いている方向を点線矢印D2とする。風の方向が点線矢印C1のように風W11から風W12に変化すると、垂直尾翼部36が受ける風圧が変化する。この風圧の変化によって、接続部30および接続部30と接続している翼部10には、回転モーメントC2が発生する。これにより、翼部10は、風見回転軸33を回転中心として動力部20に対して回転するため、向いている方向が点線矢印D12となり、翼部10が風W12に対して正対する。翼部10が風W12に対して正対すると、風W12の風圧によって、翼部10に効率的に揚力を発生させることができる。このとき、動力部20が向いている方向(図12の点線矢印D2)は変化しない。飛行体1では、このようにして、風の方向に対して翼部10が向いている方向を変更し、効率的に空気力を発生させることができる。
飛行体1が上昇し、風速が速い空域に入ると、翼部10の翼面WS1が受ける風圧は大きくなるため、翼部10で発生する空気力A1は大きくなる。本実施形態の飛行体1では、接続面35a、35b、35c、35dに対して垂直な方向の空気力が所定値より大きくなると、翼部10は、接続面35a、35b、35c、35dとの接続が解除され、翼部10と動力部20とは狙った高さで分離される。
ここで、飛行体1が飛行しているとき、翼部10と動力部20とが分離する条件を説明する。飛行体1が動力部20によって推力を発生しつつ飛行しているとき、飛行体1では、翼部10に空気力が作用する(図11参照)。このとき、翼部10側には、主に、空気力A1と、翼部10の重力Mwと、接続面35a、35b、35c、35dによって動力部20および接続部30の方向に引っ張られる力が作用している。一方、動力部20および接続部30側には、主に、動力部20による推力Tと、動力部20および接続部30の重力Dwと、接続面35a、35b、35c、35dによって翼部10の方向に引っ張られる力が作用している。翼部10に作用する接続面35a、35b、35c、35dによって動力部20および接続部30の方向に引っ張られる力と、動力部20および接続部30に作用する接続面35a、35b、35c、35dによって翼部10の方向に引っ張られる力の大きさは同じである。したがって、飛行体1全体としては、空気力A1と、推力Tと、飛行体1の重力(Mw+Dw)が作用している。飛行体1は、これらの力のバランスによって上昇したり下降したりする。なお、ここでは、空気力A1、重力Mw、Dw、および、推力Tの値は、鉛直方向上向きをプラスとする。すなわち、飛行体1が上昇しているとき、空気力A1および推力Tは、プラスの値となり、重力Mw、Dwは、マイナスの値となる。
飛行体1が上昇しているとき、接続面35a、35b、35c、35dに作用する力は、翼部10に作用する力のうちの接続面35a、35b、35c、35dに垂直な成分F1と、動力部20および接続部30に作用する力のうちの接続面35a、35b、35c、35dに垂直な成分F2との差となる。したがって、接続面35a、35b、35c、35dの面ファスナの最大保持力Phとすると、接続部30が翼部10と動力部20とを分離させる条件は、式(1)となる。
F1−F2>Ph・・・(1)
ここで、F1は、接続面35a、35b、35c、35dに対して垂直な方向の空気力A1cと、翼部10の重力Mwの接続面35a、35b、35c、35dに垂直な方向の分力Mwcの合計である。また、F2は、接続面35a、35b、35c、35dに対して垂直な方向の推力Tcと、動力部20および接続部30の重力Dwの接続面35a、35b、35c、35dに垂直な分力Dwcの合計である。
式(1)より、接続部30が翼部10と動力部20とを分離する直前の接続面35a、35b、35c、35dに対して垂直な方向の空気力A1sは、以下の式(2)となる。
A1s=Ph+Tc+Dwc−Mwc・・・(2)
したがって、接続面35a、35b、35c、35dに対して垂直な方向の空気力A1cが、(Ph+Tc+Dwc−Mwc)の値より大きくなると、接続部30は、翼部10と動力部20とを分離させる。(Ph+Tc+Dwc−Mwc)は、特許請求の範囲の「所定値」に該当する。
図13は、翼部10と動力部20とが分離されたときの飛行体1の側面図である。図13において、接続部30から分離された翼部10は、風W1の風圧を受けて発生する空気力のうちの揚力によって、さらに上昇を続ける(図13の白抜き矢印u1)。一方、翼部10と分離された動力部20および接続部30では、ロータ24a、24b、24c、24dによって発生していた推力を小さくすることで、重力によって下降する(図13の白抜き矢印d1)。
動力部20が分離された翼部10は、風圧を受けて発生する揚力によって上昇し、所定の位置に到達する。所定の位置に到達した翼部10は、ペイロード17に収容されている温度センサなどの観測機器によって大気の状態に関する情報を収集し、大気観測を行う。
図14は、分離された動力部20が落下する状態を説明する模式図である。上空において、翼部10から分離された動力部20および接続部30は、図14に示すように、ワイヤ41に沿って、z軸方向下方に移動、すなわち、落下する(図14の白抜き矢印d2)。ワイヤ41の他方の端部に接続する地上3の固定部材42には、緩衝材が設けられており、落下する動力部20および接続部30の固定部材42との衝突による衝撃を吸収する。これにより、動力部20および接続部30を安全に着陸させることができる。
以上説明した、本実施形態の飛行体1によれば、翼部10に接続されている動力部20が発生する推力によって翼部を鉛直方向上方に移動させることができるため、例えば、飛行体1を牽引するためのスペースが確保できないような比較的狭い場所でも、翼部10を目標位置で飛行させることができる。また、飛行する飛行体1は、翼部10に発生する空気力に大きさに応じて、翼部10と動力部20とを分離させる。これにより、比較的重量が大きい動力部20が分離された翼部10のみが目標位置を飛行することとなるため、目標位置を飛行する翼部10に重いものや大型のものを積載することができる。したがって、飛行体1の積載性を向上することができる。
また、本実施形態の飛行体1によれば、接続部30は、翼部10の風圧を受ける側において、翼部10と動力部20とを接続している。接続部30は、接続面35a、35b、35c、35dに対して垂直な方向の空気力が所定値より大きくなると、翼部10と動力部20とを分離する。翼部10と動力部20および接続部30とを接続する力である接続面35a、35b、35c、35dの面ファスナの保持力は、接続面35a、35b、35c、35dに対して垂直な方向に作用している。これにより、翼部10と動力部20とを分離するため、翼部10と動力部20とが分離されるときの空気力を正確に見積もることができる。したがって、飛行体1の飛行経路において、翼部10と動力部20とを狙った高さで分離させることができる。
また、本実施形態の飛行体1によれば、動力部20は、翼部10の風圧を受ける側に配置されており、翼部10と分離されると、ワイヤ41に沿って移動する。ワイヤ41に沿って移動する動力部20は、地上3に固定されているワイヤ41の端部41bにおいて回収することができる。すなわち、翼部10と分離された動力部20の落下地点を設定することができるため、動力部20を安全に回収することができる。
また、本実施形態の飛行体1によれば、接続部30は、動力部20に対する翼部10の傾きの角度を調整する。これにより、飛行体1が飛行するときの翼部10の迎え角を調整することができるため、効率的に空気力を発生させることができる。したがって、飛行体1の飛行の安定性が向上するとともに、風圧が弱いときでも翼部10に発生する空気力が大きくなるため、動力部20によって翼部10を上昇させる距離を短くすることができる。
また、本実施形態の飛行体1によれば、接続部30は、風の方向に応じて、翼部10が向いている方向と動力部20が向いている方向との間の角度を調整する。これにより、飛行体1が飛行するとき、図12に示すように、翼部10が向いている方向D1を風に対して正対させることができるため、効率的に空気力を発生させることができる。したがって、飛行体1の飛行の安定性が向上するとともに、風圧が弱いときでも翼部10に発生する空気力が大きくなるため、動力部20によって翼部10を上昇させる距離を短くすることができる。
また、本実施形態の飛行体1によれば、翼部10は、複数のフレームとしてのスパイン11、スプレッダ12、および、一対のスパー13、14と、複数のフレームの間に張られる膜体15を有している。これにより、翼部10は、比較的軽量になるため、翼部10を上昇させるための推力を低減することができるとともに、翼部10により重いものを積載することができる。
また、本実施形態の飛行体1によれば、動力部20は、翼部10の風圧を受ける側に配置され、翼部10を上昇させる推力を発生する複数のロータ24a、24b、24c、24dを有している。翼部10とロータ24a、24b、24c、24dとの間には、ロータ24a、24b、24c、24dの回転によって推力を発生させるための空気が流れる隙間S1が形成されている。これにより、動力部20が発生する、翼部10を上昇させるための推力を大きくすることができる。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
[変形例1]
上述の実施形態では、飛行体1は、翼面に対して垂直な方向の空気力が所定値より大きくなると、翼部10と動力部20とを分離するとした。しかしながら、翼部10と動力部20とを分離するタイミングは、これに限定されない。翼部10に発生する空気力の大きさに応じて翼部10と動力部20を分離させればよい。
[変形例2]
上述の実施形態では、飛行体1は、ワイヤ41によって係留されるとした。しかしながら、飛行体1を係留する「線状部材」はこれに限定されない。ロープや糸など上空を飛行する飛行体1を係留できるものであればよく、材料は、金属に限定されない。
[変形例3]
上述の実施形態では、接続面35a、35b、35c、35dは、膜体15と接続する面ファスナであるとした。しかしながら、接続面35a、35b、35c、35dは、例えば、磁石であってもよく、翼部10に発生する空気力の大きさに応じて、翼部10と動力部20とを自力で分離させることができる接続方法であればよい。また、翼部10と動力部20とを分離させる空気力の「所定値」は、上述した式(2)に限定されない。
[変形例4]
上述の実施形態では、動力部20は、翼部10と分離されると、ワイヤ41に沿って落下するとした。しかしながら、動力部20は、ワイヤ41に沿って移動しなくてもよい。例えば、上空を飛行する翼部10と分離された動力部20は、パラシュートなどによって落下させてもよいし、自律飛行によって着陸してもよい。
[変形例5]
上述の実施形態では、飛行体1が飛行しているときの翼部10の迎え角は、翼支持部34を用いて、離陸する前に調整するとした。しかしながら、迎え角を調整する方法は、これに限定されない。例えば、翼支持部34の回転を駆動可能なモータを迎角回転軸32に配置し、飛行体1の飛行中に、風速に合わせて、翼部10の迎え角を適宜調整してもよい。また、翼支持部34はなくてもよい。例えば、制御部26が有するコンピュータによって、ロータ24a、24b、24c、24dを制御し、飛行体1の飛行を制御してもよい。
[変形例6]
上述の実施形態では、飛行している飛行体1は、風見回転軸33と垂直尾翼部36を用いて、風の方向に応じて、翼部10および接続部30が向いている方向を、風に対して正対させるとした。しかしながら、風見回転軸33と垂直尾翼部36はなくてもよく、例えば、制御部26が有するコンピュータによって、ロータ24a、24b、24c、24dを制御し、飛行体1全体が風に対して正対するように、飛行体1が回転してもよい。
[変形例7]
上述の実施形態では、翼部10は、フレキシブル翼のデルタカイトであって、複数のフレームと、薄膜の膜体15とを有するとした。しかしながら、翼部10の構成は、これに限定されない。リジット翼でもよい。また、グライダであってもよい。
[変形例8]
上述の実施形態では、翼部10の膜体15は、薄膜であるとした。しかしながら、メッシュ状の材料から形成されていてもよい。膜体15をメッシュ状の材料とすると、膜体15を通る空気によって、ロータ24a、24b、24c、24dの回転によるz軸方向のプラス側からマイナス側への空気の流れを形成しやすくなる。これにより、ロータ24a、24b、24c、24dのそれぞれと翼部10の間の隙間S1を短くすることができるため、飛行体1のz軸方向の長さを短くすることができる。
[変形例9]
上述の実施形態では、動力部20は、いわゆる、マルチコプタであるとした。しかしながら、動力部20の構成は、これに限定されない。ロケットエンジンであってもよく、翼部10を鉛直方向上方に移動させる推力を発生すればよい。
[変形例10]
上述の実施形態では、ロータ24a、24b、24c、24dのそれぞれと翼部10の間には、ロータ24a、24b、24c、24dの回転によって推力を発生させるための空気が流れる隙間S1が形成されているとした(図1参照)。しかしながら、隙間はなくてもよい。
[変形例11]
上述の実施形態では、ペイロード17には、温度センサ、風速センサ、および、高度センサが収容されるとした。しかしながら、ペイロード17の利用方法は、これに限定されない。エアロゾルセンサや、湿度センサ、気圧センサ、撮影用カメラなど、飛行体1の利用方法に応じたものが収納されていればよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
1…飛行体
3…地上
10…翼部
11…スパイン
12…スプレッダ
13,14…スパー
15…膜体
16…キール
17…ペイロード
20…動力部
21…ベース部
21b,31c,41c…貫通孔
22a,22b,22c,22d…腕部
23a,23b,23c,23d…モータ
24a,24b,24c,24d…ロータ
25a,25b,25c,25d…ガード
26…制御部
27…ガイドパイプ
30…接続部
31…フレーム部
31a…第1フレーム
31b…第2フレーム
32…迎角回転軸
33…風見回転軸
34…翼支持部
34a,34b,34c,34d…支持フレーム
35a,35b,35c,35d…接続面
36…垂直尾翼部
41…ワイヤ
42…固定部材
50…翼本体部
A1…空気力
Ad1…抗力
Af1…揚力
C2…モーメント
S1…隙間
W1,W11,W12,W2…風
WS1,WS2…翼面

Claims (7)

  1. 線状部材に係留される飛行体であって、
    前記線状部材の端部に接続され、受けた風圧から揚力を発生させる翼部と、
    前記翼部を鉛直方向上方に移動させる推力を発生する動力部と、
    前記翼部と前記動力部とを接続する接続部であって、前記揚力を含む、前記翼部に発生する空気力の大きさに応じて、前記翼部と前記動力部を分離させる前記接続部と、を備える、
    飛行体。
  2. 請求項1に記載の飛行体であって、
    前記接続部は、前記翼部の風圧を受ける側において、前記翼部と前記動力部とを接続し、前記翼部との接続面に対して垂直な方向の空気力が所定値より大きくなると、前記翼部と前記動力部とを分離させる、
    飛行体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の飛行体であって、
    前記動力部は、
    前記翼部の風圧を受ける側に配置されており、
    前記翼部と分離されると、前記線状部材に沿って移動する、
    飛行体。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の飛行体であって、
    前記接続部は、前記動力部に対する前記翼部の傾きの角度を調整する傾き角調整部を含む、
    飛行体。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の飛行体であって、
    前記接続部は、前記動力部が向いている方向と前記翼部が向いている方向との間の角度を調整する方向角調整部を含む、
    飛行体。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の飛行体であって、
    前記翼部は、複数のフレームと、前記複数のフレームの間に張られる膜体を有する、
    飛行体。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の飛行体であって、
    前記動力部は、前記翼部の風圧を受ける側に配置され、前記翼部を上昇させる推力を発生する複数のロータを有しており、
    前記翼部と前記ロータとの間には、前記ロータの回転によって前記推力を発生させるための空気が流れる隙間が形成されている、
    飛行体。
JP2019211393A 2019-11-22 2019-11-22 飛行体 Active JP7280809B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019211393A JP7280809B2 (ja) 2019-11-22 2019-11-22 飛行体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019211393A JP7280809B2 (ja) 2019-11-22 2019-11-22 飛行体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021079905A true JP2021079905A (ja) 2021-05-27
JP7280809B2 JP7280809B2 (ja) 2023-05-24

Family

ID=75966276

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019211393A Active JP7280809B2 (ja) 2019-11-22 2019-11-22 飛行体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7280809B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113815887A (zh) * 2021-11-03 2021-12-21 沈阳天晴航空航天科技有限公司 一种快速空中发射箱装置
WO2022239414A1 (ja) 2021-05-10 2022-11-17 日本たばこ産業株式会社 エアロゾル生成装置の電源ユニット

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006341815A (ja) * 2005-06-10 2006-12-21 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 飛行機械
JP2018052429A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 株式会社エンルートM’s 無人作業装置、その方法及びプログラム
US20180312276A1 (en) * 2017-04-27 2018-11-01 Ralph Irad Miller Systems, methods, and devices improving safety and functionality of craft having one or more rotors
JP2019026236A (ja) * 2017-08-02 2019-02-21 独立行政法人国立高等専門学校機構 垂直離着陸機

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006341815A (ja) * 2005-06-10 2006-12-21 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 飛行機械
JP2018052429A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 株式会社エンルートM’s 無人作業装置、その方法及びプログラム
US20180312276A1 (en) * 2017-04-27 2018-11-01 Ralph Irad Miller Systems, methods, and devices improving safety and functionality of craft having one or more rotors
JP2019026236A (ja) * 2017-08-02 2019-02-21 独立行政法人国立高等専門学校機構 垂直離着陸機

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
SEBASTIAN RAPP AND ROLAND SCHMEHL: ""Vertical Takeoff and Landing of Flexible Wing Kite Power Systems"", JOURNAL OF GUIDANCE, CONTROL, AND DYNAMICS, vol. Volume 41, Issue 11, JPN6023001070, July 2018 (2018-07-01), US, pages 2386 - 2400, ISSN: 0004964891 *
葉山清輝,工藤友裕,入江博樹: ""高空風力発電に用いる可変カイト翼付きマルチコプターの検討"", 風力エネルギー利用シンポジウム, vol. 第40巻, JPN6023001069, 2018, JP, pages 432 - 435, ISSN: 0004964892 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022239414A1 (ja) 2021-05-10 2022-11-17 日本たばこ産業株式会社 エアロゾル生成装置の電源ユニット
CN113815887A (zh) * 2021-11-03 2021-12-21 沈阳天晴航空航天科技有限公司 一种快速空中发射箱装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7280809B2 (ja) 2023-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10919623B2 (en) Air vehicle flight mechanism and control method
US11912404B2 (en) Vertical takeoff and landing aircraft
CN110641693A (zh) 垂直起飞和着陆无人驾驶飞行器
NL2017971B1 (en) Unmanned aerial vehicle
US20120286102A1 (en) Remotely controlled vtol aircraft, control system for control of tailless aircraft, and system using same
DK2700814T3 (en) Glider for airborne wind energy production
KR101967249B1 (ko) 드론
JP2013079034A (ja) 空撮用回転翼機
US20210053672A1 (en) Flying apparatus
KR102227640B1 (ko) 회전익 항공기 자동착륙 시스템
JP7280809B2 (ja) 飛行体
CN109552611B (zh) 一种飞行器
US11858626B2 (en) Autonomous air vehicle delivery system incorporating deployment
US11628951B2 (en) Electronic component and aircraft with electronic component attached thereto
JP2024071569A (ja) 回転翼機およびその姿勢制御方法
JP2009234551A (ja) 主翼取り付け角変更装置を備えた垂直離着陸航空機
Foster et al. Recent nasa wind tunnel free-flight testing of a multirotor unmanned aircraft system
KR102208350B1 (ko) 2 자유도 관절을 이용하여 비행 성능을 유지 가능한 회전익형 비행체
Afakh et al. Development of flapping robot with self-takeoff from the ground capability
EP4212430A1 (en) Flying vehicle
US20190193840A1 (en) Optimally Stabilized Multi Rotor Aircraft
JP7510646B2 (ja) 観測装置
JP2022150020A (ja) 無人航空機およびその制御方法
CN113879523A (zh) 多旋翼飞行器
JPS62168791A (ja) 飛行体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220224

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230117

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20230307

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230315

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20230307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230418

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230512

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7280809

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150