JP2009234551A - 主翼取り付け角変更装置を備えた垂直離着陸航空機 - Google Patents
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Abstract
【課題】固定翼航空機は高い水平巡航性能を持つが、滑走路などを必要とし運用に制限がある。今までに開発された垂直離発着機は、運用自由度は高いが、巡航性能が固定翼航空機に劣る。両者の利点を両立する垂直離着陸機を提供する。
【解決手段】機体本体に対して取り付け角度を左右独立して変更可能に設けた一対の主翼2を、離陸時、水平飛行時、着陸時、の各飛行状態に適した取り付け角度に変更する。
【選択図】図1
【解決手段】機体本体に対して取り付け角度を左右独立して変更可能に設けた一対の主翼2を、離陸時、水平飛行時、着陸時、の各飛行状態に適した取り付け角度に変更する。
【選択図】図1
Description
本発明は、主翼取り付け角変更装置を備えた垂直離着陸航空機に関する。
飛行原理において、有人、無人は影響しないが、該航空機の優位性をもっとも効果的に発揮できる無人航空機に関する。
飛行原理において、有人、無人は影響しないが、該航空機の優位性をもっとも効果的に発揮できる無人航空機に関する。
空中からの偵察、観測、科学調査、資源探査、農薬散布、通信中継のため各種無人航空機が開発されている。
固定翼型の無人航空機は在来の有人固定翼機と同じく機体固有の前進速度以下では飛行を継続できない。そのため、離陸、着陸は前進速度のある状態で行われ、滑走路などの十分なスペースを要するのが一般的である。無人航空機の特徴のひとつである、柔軟で手軽な運用が妨げられる。
一方、ヘリコプタ型の無人航空機は、垂直離着陸が可能となり離着陸に関する運用の柔軟性は確保されるが、飛行速度、航続時間が固定翼型の無人航空機に比べ劣る。
固定翼機の主翼による効率の良い水平飛行と垂直離着陸による運用の柔軟性をかねる垂直離着陸航空機として、
テイルシッター(Tail−sitting)型は機体ごと推進器を垂直方向にし、
ティルト翼(Tilt−Wing)型は主翼と主翼に固定された推進器を垂直方向に回転させ、
ティルトローター(Tilt−Rotor)型は推進器のみを垂直方向に回転させ、
推力偏向(Thrust−Vectoring)型は推進器からの気流を下方へ偏向し、
リフトファン(Lift−Fan)型は垂直方向に固定設置された推進器を使用して、
それぞれ垂直方向の推力を発生させ垂直離着陸を達成している。
それぞれの形式を代表する例として以下の特許文献がある。
特開 2001−213397号公報 特開 平9−2395号公報 特開 2001−80590号公報 特開 2007−118891号公報
テイルシッター(Tail−sitting)型は機体ごと推進器を垂直方向にし、
ティルト翼(Tilt−Wing)型は主翼と主翼に固定された推進器を垂直方向に回転させ、
ティルトローター(Tilt−Rotor)型は推進器のみを垂直方向に回転させ、
推力偏向(Thrust−Vectoring)型は推進器からの気流を下方へ偏向し、
リフトファン(Lift−Fan)型は垂直方向に固定設置された推進器を使用して、
それぞれ垂直方向の推力を発生させ垂直離着陸を達成している。
それぞれの形式を代表する例として以下の特許文献がある。
前述の垂直離着陸航空機のいずれも、推進器は水平飛行時の必要推力以上の推力を発生し垂直離着陸を行わなければならないため、推進器は大型化し重量が増大する。推進器は垂直離着陸時と高速水平飛行時との両飛行状態での動作を目指すため、水平飛行時に最適化して設計できず、水平飛行時の推進器の効率低下を招く。運用の柔軟性のために小型化、整備の簡便化を求められる無人航空機にとって不利である。
前述の垂直離着陸航空機のいずれも、水平飛行時に機体姿勢の自律安定性を保つ垂直尾翼と水平尾翼は垂直離着陸時には効果を発揮しないため、垂直離着陸時には常に計算機や遠隔操縦者による姿勢安定化制御を行わなければならない。簡便な構成と信頼性を求められる無人航空機にとって不利である。
請求項1から5に記載する以下の主翼取り付け角変更装置を備えた垂直離着陸航空機により、課題を解決する。
水平飛行時および垂直離陸時、垂直着陸時に機軸方向前方に推力を与える推進器を含む機体本体と、
前記機体本体に対して取り付け角度を左右独立して変更可能に設けた一対の主翼と、
水平飛行時に前記機体本体の姿勢安定性を増大するたに機体本体に固定の尾翼と、
水平飛行時に前記機体本体の姿勢を操作するため前記尾翼に設けた可動の動翼と、
を備えることを特徴とした航空機。
前記機体本体に対して取り付け角度を左右独立して変更可能に設けた一対の主翼と、
水平飛行時に前記機体本体の姿勢安定性を増大するたに機体本体に固定の尾翼と、
水平飛行時に前記機体本体の姿勢を操作するため前記尾翼に設けた可動の動翼と、
を備えることを特徴とした航空機。
前記航空機は、垂直離陸時、水平飛行時、垂直着陸時、の各飛行状態に適した飛行形態をとる目的と、
垂直離陸時に主翼に発生する抗力を最小にする目的と、
水平飛行時に機体姿勢を変更する目的と、
垂直着陸時において降下速度を変更する目的と、
のために前記主翼の取り付け角度を左右独立して変更する主翼取り付け角変更装置を備える航空機。
主翼取り付け角変更装置の回転軸は、機軸上の主翼前縁から計り翼弦長の25%の距離より前方位置に設ける。
垂直離陸時に主翼に発生する抗力を最小にする目的と、
水平飛行時に機体姿勢を変更する目的と、
垂直着陸時において降下速度を変更する目的と、
のために前記主翼の取り付け角度を左右独立して変更する主翼取り付け角変更装置を備える航空機。
主翼取り付け角変更装置の回転軸は、機軸上の主翼前縁から計り翼弦長の25%の距離より前方位置に設ける。
前記航空機は、該航空機の機速を計測するための機速センサと、
該航空機の対地高度を計測するための対地高度センサと、
該航空機の姿勢を計測するための姿勢センサと、
該航空機の位置を計測する位置センサと、
前記機速センサと、前記対地高度センサと、前記姿勢センサと、前記位置センサ信号と、から送られてくる信号を受けとり、
前記動翼と、前記推力発生器と、前記主翼取り付け角変更装置と、
を制御する演算器を含む、飛行制御装置を備える航空機。
該航空機の対地高度を計測するための対地高度センサと、
該航空機の姿勢を計測するための姿勢センサと、
該航空機の位置を計測する位置センサと、
前記機速センサと、前記対地高度センサと、前記姿勢センサと、前記位置センサ信号と、から送られてくる信号を受けとり、
前記動翼と、前記推力発生器と、前記主翼取り付け角変更装置と、
を制御する演算器を含む、飛行制御装置を備える航空機。
前記航空機は、請求項1と、請求項2と、請求項3と、に記載の装置を使用し、垂直離陸、水平飛行、垂直着陸を行うことを特徴とする航空機。
前記航空機は、請求項4で記載の垂直着陸において、着地の瞬間に該航空機に発生する着地衝撃加速度を減衰させる降着装置を該航空機後部に備える航空機。
本発明によれば該航空機は、垂直離陸時の加速と、垂直着陸時の降下速度制御と、に推進器を主たる装置として使用しないため、推進器の出力は水平飛行時に必要な出力で十分であり、推進器特性も水平飛行時に最適化できる。このことにより、他の垂直離着陸機と比較し、推進器の軽量化と高効率化が可能である。
本発明によれば該航空機は、垂直着陸時に一切のフィードバック制御を行わず、安定した降下、着陸を行うことが可能なため、他の垂直離着陸機に比べ構造が簡便で、信頼性が高い。
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
図1は車両を用いず運搬可能な小型無人機として設計された該航空機の構成を説明するための概要図である。航空機1の仕様は以下である。
航空機1の総重量は10キログラム。
航空機1の水平飛行時巡航速度は25メートル毎秒。
航空機1の水平飛行時連続巡航可能時間は1時間。
航空機1の重心位置は主翼前縁から25%位置。
主翼2の翼断面形状は、対称翼断面。
主翼2のスパンは1.8mであり、翼面積は0.2平方メートル。
主翼2の取り付け角変更範囲はプラス100度からマイナス100度まで。
推進器3はプロペラと電動器とリチウムイオン2次電池からなる推進系。
推進器3の水平飛行時発生推力を5ニュートン。
推進器3の水平飛行時消費工率を200ワット。
尾翼は水平尾翼4と垂直尾翼5によりなる。
水平尾翼4のスパンは0.3メートルであり、翼面積は0.02平方メートル。
垂直尾翼5のスパンは0.3メートルであり、翼面積は0.02平方メートル。
動翼はエレベータ6とラダー7よりなる。
エレベータ6の可動範囲はプラス30度からマイナス30度。
エレベータ6はサーボモーター(図示せず)により動作。
ラダー7の可動範囲はプラス30度からマイナス30度。
ラダー7はサーボモーター(図示せず)により動作。
降着装置8は航空機1の後部に固定された、着地衝撃加速度を減衰させる装置。
航空機1を任意の目標地点へ誘導する、飛行制御装置9は機体中央に設置される。
主翼取り付け角変更装置10は主翼2に関連づけて設置される。
図1は車両を用いず運搬可能な小型無人機として設計された該航空機の構成を説明するための概要図である。航空機1の仕様は以下である。
航空機1の総重量は10キログラム。
航空機1の水平飛行時巡航速度は25メートル毎秒。
航空機1の水平飛行時連続巡航可能時間は1時間。
航空機1の重心位置は主翼前縁から25%位置。
主翼2の翼断面形状は、対称翼断面。
主翼2のスパンは1.8mであり、翼面積は0.2平方メートル。
主翼2の取り付け角変更範囲はプラス100度からマイナス100度まで。
推進器3はプロペラと電動器とリチウムイオン2次電池からなる推進系。
推進器3の水平飛行時発生推力を5ニュートン。
推進器3の水平飛行時消費工率を200ワット。
尾翼は水平尾翼4と垂直尾翼5によりなる。
水平尾翼4のスパンは0.3メートルであり、翼面積は0.02平方メートル。
垂直尾翼5のスパンは0.3メートルであり、翼面積は0.02平方メートル。
動翼はエレベータ6とラダー7よりなる。
エレベータ6の可動範囲はプラス30度からマイナス30度。
エレベータ6はサーボモーター(図示せず)により動作。
ラダー7の可動範囲はプラス30度からマイナス30度。
ラダー7はサーボモーター(図示せず)により動作。
降着装置8は航空機1の後部に固定された、着地衝撃加速度を減衰させる装置。
航空機1を任意の目標地点へ誘導する、飛行制御装置9は機体中央に設置される。
主翼取り付け角変更装置10は主翼2に関連づけて設置される。
図2は、主翼取り付け角変更装置10の構成を説明するための概要図である。
回転軸11は機軸上の主翼前縁から10%の位置。
ベアリング12は主翼2を回転軸11を中心として回転自由に保持する。
ベアリングホルダー13はベアリング12を保持し主翼からの力を航空機1に伝える。
チルトサーボモーター14は主翼取り付け角を変更するための操作力を生みだす。
タイミングベルト15はチルトサーボモーター14による操作力を主翼に伝える。
なお必要な強度を有すれば、リンクロッド方式、歯車方式による伝達機構でも良い。
左右の主翼取り付け角度を独立して変更するため、チルトサーボモーター14と、タイミングベルト15は各2個装備する。
回転軸11は機軸上の主翼前縁から10%の位置。
ベアリング12は主翼2を回転軸11を中心として回転自由に保持する。
ベアリングホルダー13はベアリング12を保持し主翼からの力を航空機1に伝える。
チルトサーボモーター14は主翼取り付け角を変更するための操作力を生みだす。
タイミングベルト15はチルトサーボモーター14による操作力を主翼に伝える。
なお必要な強度を有すれば、リンクロッド方式、歯車方式による伝達機構でも良い。
左右の主翼取り付け角度を独立して変更するため、チルトサーボモーター14と、タイミングベルト15は各2個装備する。
図3は、飛行制御装置9を説明するためのブロック図である。
機速センサ16は、ピトー管、またはGPS(Global Positioning System)などにより、航空機1の機速を感知する計測器。
姿勢センサ17は、航空機1の3軸姿勢角度を感知する計測器。
位置センサ18は、GPSなどにより、航空機1の3次元位置を感知する計測器。
対地高度センサ19は、レーザー距離計などにより、航空機1の対地高度を感知する計測器。
飛行演算装置20は、符号16から19の各センサからの情報と、内蔵する飛行制御プログラムと、により主翼取り付け角変更装置10と、エレベータ6と、ラダー7と、推進器3と、を制御する。
機速センサ16は、ピトー管、またはGPS(Global Positioning System)などにより、航空機1の機速を感知する計測器。
姿勢センサ17は、航空機1の3軸姿勢角度を感知する計測器。
位置センサ18は、GPSなどにより、航空機1の3次元位置を感知する計測器。
対地高度センサ19は、レーザー距離計などにより、航空機1の対地高度を感知する計測器。
飛行演算装置20は、符号16から19の各センサからの情報と、内蔵する飛行制御プログラムと、により主翼取り付け角変更装置10と、エレベータ6と、ラダー7と、推進器3と、を制御する。
また、飛行演算装置20は、遠隔操縦者のマニュアル操縦指令21を受け入れ、その指令に基づき主翼取り付け角変更装置10と、エレベータ6と、ラダー7と、
推進器3と、を制御することが可能である。
推進器3と、を制御することが可能である。
離陸時には、主翼取り付け角変更装置10を使用し、主翼取り付け角を主翼抗力を最小にする角度とする。主翼2は対称翼断面のため0度となる。
同じく動翼を抗力最小になる角度となる0度でとする。
ガスによる圧力、を利用したカタパルトにより航空機1を加速する。航空機1が固定翼機として飛行が可能な25メートル毎秒程度まで加速するものとし離陸を達成する。
図4は、離陸時における主翼取り付け角を説明する図である。
水平飛行時には、主翼取り付け角変更装置10を使用し主翼取り付け角を、揚抗比を最大とする角度に変更する。揚抗比とはある状態において主翼が発生する揚力を抗力で除した値であり、値が大なほど効率的な水平飛行状態であることを示す。
図5は、水平飛行状態における主翼取り付け角を説明する図である。
航空機1の場合、主翼取り付け角は、5度程度となる。
航空機1の場合、主翼取り付け角は、5度程度となる。
尾翼による姿勢安定化効果により、航空機1は、安定した連続飛行が可能となる。
エレベータ6を動作させて発生させる空気力により航空機のピッチ姿勢角を、
ラダー7を動作させて発生させる空気力により航空機のヨー姿勢角を、制御することが可能である。
ラダー7を動作させて発生させる空気力により航空機のヨー姿勢角を、制御することが可能である。
主翼取り付け角変更装置10を使用し主翼取り付け角を、左側主翼と右側主翼を逆方向に変更することにより、一方の揚力を増し、反対側の揚力を減少させ、該航空機のロール姿勢角を制御することが可能である。
また、推進器の出力を増大、減少させることで、該航空機の上昇下降率と、機速と、を制御することが可能である。
飛行制御装置9は作動状態にあり、航空機1を任意の地点へ誘導可能である。
着陸時は本発明による航空機1の最も特徴的な飛行状況であり、
水平飛行時とは飛行形態を大きく変更する。
主翼取り付け角変更装置10を使用し、主翼取り付け角を左側の主翼をマイナス95度程度、右側の主翼をプラス95度程度に変更する。主翼の動作の左右は任意だが、左側の主翼をマイナス95度として説明を継続する。図6は、着陸時の主翼取り付け角を説明する図である。
水平飛行時とは飛行形態を大きく変更する。
主翼取り付け角変更装置10を使用し、主翼取り付け角を左側の主翼をマイナス95度程度、右側の主翼をプラス95度程度に変更する。主翼の動作の左右は任意だが、左側の主翼をマイナス95度として説明を継続する。図6は、着陸時の主翼取り付け角を説明する図である。
主翼取り付け角を上記のように変更することで、抗力増大により前進速度を失い、主翼揚力を失う。該航空機の重心は水平飛行時の安定性確保の観点から、通常固定翼機と同等の主翼翼弦の25%から33%程度に設定しているため、主翼取り付け角変更装置の回転軸の位置関係から、機首を上向きにした状態で降下を開始する。
図7は、降下中の該航空機の形態を示す。
図7は、降下中の該航空機の形態を示す。
降下を開始した該航空機は、主翼取り付け角の変更された主翼と、降下による機体下方からの相対風により、機軸を中心に機首方向から見て、時計方向に回転を開始する。
相対風に回転軸を向け、迎え角を持ったローター状の対象が無動力で強制回転を行うのは、風力発電用水平軸風車や回転翼機のオートローテーションなどで十分に実証されている。回転翼機のオートローテーションとの違いは、該航空機の場合、主翼だけでなく機体本体も機軸を中心に回転することである。
相対風に回転軸を向け、迎え角を持ったローター状の対象が無動力で強制回転を行うのは、風力発電用水平軸風車や回転翼機のオートローテーションなどで十分に実証されている。回転翼機のオートローテーションとの違いは、該航空機の場合、主翼だけでなく機体本体も機軸を中心に回転することである。
降下中の該航空機は主翼取り付け角からなる空力上の条件と機体質量からなる下降方向重力条件により、一定の回転数、一定の降下速度に安定する。機体の持つエネルギーの観点からは、位置エネルギーを減少させ、降下速度エネルギーと回転エネルギーの維持に使用している状態である。主翼取り付け角を左右共0度からより遠ざけた位置で固定した場合は、より高い回転速度、降下速度で安定し、主翼取り付け角をより0度に近づけた位置で固定した場合は、より低い回転速度、降下速度で安定する。オートローテーション状態での降下は、自由落下に比べ低い降下速度とすることが可能であるが、ホバリングや、上昇の状態を定常状態とすることは原理的に不可能である。
角運動量保存則として一般に知られる原理により、該航空機は機首上向きの姿勢を維持したまま安定降下を継続できる。回転軸となる機軸上には推進器、降着装置、主翼取り付け角変更装置の重量物があり、該航空機の回転運動のエネルギーは最小の状態にあり、外乱により他の回転軸に運動が遷移することも起こりにくい。
上記効果により、該航空機は一切のフィードバック制御を用いず、姿勢と、降下速度とも安定した降下と着陸を行う。日本国の玩具として一般に知られる竹とんぼにより実証されている。
また、主翼取り付け角の連続的な変更により、一時的なホバリング、一時的な上昇が可能である。十分な回転状態で主翼取り付け角を左右とも急速に0度に近づける方向へ変更した場合、回転する翼により発生する揚力が増大し、その程度により、一時的なホバリング、一時的な上昇となる。これはフレア操作との名称で、回転翼機での動力停止時の軟着陸のための技術として一般に知られている。対地高度センサと、飛行演算装置により主翼取り付け角変更装置をフィードバック制御することで、該航空機は軟着陸を行うことが可能である。
該航空機は請求項5に記載する降着装置により、該航空機に破損を生ずることなく接地する。降着装置の取り付け位置は降下時の飛行姿勢との関係から、該航空機後部に設ける必要がある。図8は、該航空機用の降着装置の一例を断面図として示す。降着装置内の連続発砲軟質ウレタンをバネ要素として、降着装置外皮であるゴム膜内の空気が小孔を通り入出する際の気体粘性抵抗をダンパー要素として、着地衝撃加速度を減衰させる緩衝系を形成する。一般的な固定翼航空機の降着装置は、車輪と、緩衝装置と、それらの引き込み装置からなるが、該航空機の降着装置は固定翼航空機の降着装置より、簡易で軽量となる。
1 航空機
2 主翼
3 推進器
4 水平尾翼
5 垂直尾翼
6 エレベータ
7 ラダー
8 降着装置
9 飛行制御装置
10 主翼取り付け角変更装置
11 回転軸
12 ベアリング
13 ベアリングホルダー
14 チルトサーボモーター
15 タイミングベルト
16 機速センサ
17 姿勢センサ
18 位置センサ
19 対地高度センサ
20 飛行演算装置
21 マニュアル操縦指令
2 主翼
3 推進器
4 水平尾翼
5 垂直尾翼
6 エレベータ
7 ラダー
8 降着装置
9 飛行制御装置
10 主翼取り付け角変更装置
11 回転軸
12 ベアリング
13 ベアリングホルダー
14 チルトサーボモーター
15 タイミングベルト
16 機速センサ
17 姿勢センサ
18 位置センサ
19 対地高度センサ
20 飛行演算装置
21 マニュアル操縦指令
Claims (5)
- 水平飛行時および垂直離陸時、垂直着陸時に機軸方向前方に推力を与える推進器を含む機体本体と、
前記機体本体に対して取り付け角度を左右独立して変更可能に設けた一対の主翼と、
水平飛行時に前記機体本体の姿勢安定性を増大するたに機体本体に固定の尾翼と、
水平飛行時に前記機体本体の姿勢を操作するため前記尾翼に設けた可動の動翼と、
を備えることを特徴とした航空機。 - 前記航空機は、垂直離陸時、水平飛行時、垂直着陸時、の各飛行状態に適した飛行形態をとる目的と、
垂直離陸時に主翼に発生する抗力を最小にする目的と、
水平飛行時に機体姿勢を変更する目的と、
垂直着陸時において降下速度を変更する目的と、
のために前記主翼の取り付け角度を左右独立して変更する主翼取り付け角変更装置を備える航空機。
主翼取り付け角変更装置の回転軸は、機軸上の主翼前縁から計り翼弦長の25%の距離より前方位置に設ける。 - 前記航空機は、該航空機の機速を計測するための機速センサと、該航空機の対地高度を計測するための対地高度センサと、該航空機の姿勢を計測するための姿勢センサと、
該航空機の位置を計測する位置センサと、を備え、
前記機速センサと、前記対地高度センサと、前記姿勢センサと、前記位置センサ信号と、から送られてくる信号を受けとり
前記動翼と、前記推力発生器と、前記主翼取り付け角変更装置と、を制御する飛行演算装置を備える航空機。 - 前記航空機は、請求項1と、請求項2と、請求項3と、に記載の装置を使用し、垂直離陸、水平飛行、垂直着陸を行うことを特徴とする航空機。
- 前記航空機は、請求項4で記載の垂直着陸において、着地の瞬間に該航空機に発生する着地衝撃加速度を減衰させる降着装置を該航空機後部に備える航空機。
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JP2008111831A JP2009234551A (ja) | 2008-03-26 | 2008-03-26 | 主翼取り付け角変更装置を備えた垂直離着陸航空機 |
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-
2008
- 2008-03-26 JP JP2008111831A patent/JP2009234551A/ja active Pending
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