JP2021079402A - ピンチロール装置、サイジングプレス装置及び鋼材の搬送方法 - Google Patents

ピンチロール装置、サイジングプレス装置及び鋼材の搬送方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021079402A
JP2021079402A JP2019208220A JP2019208220A JP2021079402A JP 2021079402 A JP2021079402 A JP 2021079402A JP 2019208220 A JP2019208220 A JP 2019208220A JP 2019208220 A JP2019208220 A JP 2019208220A JP 2021079402 A JP2021079402 A JP 2021079402A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pinch roll
steel material
slab
housing portion
roll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019208220A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7188362B2 (ja
Inventor
宏樹 瀬戸
Hiroki Seto
宏樹 瀬戸
中澤 健
Takeshi Nakazawa
健 中澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2019208220A priority Critical patent/JP7188362B2/ja
Publication of JP2021079402A publication Critical patent/JP2021079402A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7188362B2 publication Critical patent/JP7188362B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)

Abstract

【課題】下ピンチロールのみで鋼材を搬送する事態を確実に回避して上ピンチロール及び下ピンチロールの双方で確実に鋼材を搬送することを可能としたピンチロール装置、サイジングプレス装置及び鋼材の搬送方法を提供する。
【解決手段】ピンチロール装置20において、上ピンチロール21aは、上ピンチロール21aの両端を支持する一対の上軸受箱23aが入側ハウジング部24a及び出側ハウジング部24bに対し鋼材としてのスラブSの搬送方向の隙間δを開けた状態で支持されて昇降可能となっている。ピンチロール装置20は、鋼材としてのスラブSの搬送時に一対の上軸受箱23aのそれぞれを入側ハウジング部24a又は出側ハウジング部24bに押し付ける一対のロールクランプ装置35を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、鋼材を搬送するピンチロール装置、このピンチロール装置を備えたサイジングプレス装置及びこのピンチロール装置を用いた鋼材の搬送方法に関する。
一般に、熱間圧延鋼帯の製造ライン(ホットストリップミル)では、加熱された鋼材(スラブ)に対しサイジングプレス装置で所定の板幅まで幅圧下を行う幅圧下工程の後、粗圧延工程や仕上圧延工程などの製造工程を経て、所定の板幅及び板厚の鋼板(薄板)が製造される。
ここで、鋼材(スラブ)の幅圧下を行うサイジングプレス装置は、鋼材(スラブ)の進行方向の両側に設置された金型を往復移動させることによりスラブの幅圧下を行う幅圧下設備と、幅圧下の合間にスラブを進行方向に搬送するピンチロール装置とを備えている。
このピンチロール装置は、一般的に、鋼材(スラブ)の上側に配置された上ピンチロールと、鋼材(スラブ)の下側に配置された下ピンチロールとを備え、上ピンチロールと下ピンチロールとで上下方向から鋼材(スラブ)を挟み込んでこれら上下のピンチロールを回転させることによって鋼材(スラブ)を進行方向に搬送する。
そして、このピンチロール装置において、上ピンチロール及び下ピンチロールは1つの駆動モータで駆動され、ピニオンスタンドで上ピンチロール及び下ピンチロールに半々に分配して回転力を与えている。
また、このピンチロール装置において、下ピンチロールは、両端が軸受を介して下軸受箱に支持されており、各下軸受箱はピンチロール装置の入側ハウジング部及び出側ハウジング部に対しスラブの搬送方向に対し隙間なく固定されている。一方、上ピンチロールは、両端が軸受を介して上軸受箱に支持されており、各上軸受箱はピンチロール装置の入側ハウジング部及び出側ハウジング部に対し鋼材(スラブ)の搬送方向に対し隙間を開けた状態となっている。この理由は、上ピンチロールは、鋼材(スラブ)を搬送するときのみ降下して下ピンチロールとともに鋼材(スラブ)を搬送するように昇降式となっているからである。
このようピンチロール装置において、1台の駆動モータの回転力は、前述したように、ピニオンスタンドで上ピンチロール及び下ピンチロールに半々に分配されることになる。しかし、上ピンチロールの上軸受箱はピンチロール装置の入側ハウジング部及び出側ハウジング部に対し鋼材(スラブ)の搬送方向に対し隙間を開けた状態で支持されている。このため、鋼材(スラブ)の搬送開始時には上ピンチロール(上軸受箱)が隙間分だけ搬送方向に移動しその移動している間だけ上ピンチロールが鋼材(スラブ)の搬送に寄与せず下ピンチロールのみでスラブを搬送することになる。この場合、スラブを搬送する全ての回転トルクが下ピンチロールにかかることになる。つまり、上ピンチロールの上軸受箱と入側ハウジング部及び出側ハウジング部との間の隙間と、下ピンチロールの下軸受箱と入側ハウジング部及び出側ハウジング部との間の隙間(固定なのでゼロ)との間に差がある。これにより、この隙間差によって上ピンチロールと下ピンチロールにスラブ搬送量(スラブに回転力を与える仕事量、ピンチロール送り量)に差が生じることになる。
このように上ピンチロールと下ピンチロールに鋼材(スラブ)の搬送量に差が生し、下ピンチロールのみで鋼材(スラブ)を搬送すると、本来、上ピンチロールと半々の回転力で駆動するはずの下ピンチロールの駆動機構に設備仕様を超える負荷がかかることになり、当該駆動機構の破損等が懸念されることになる。
このため、上ピンチロールの上軸受箱と入側ハウジング部及び出側ハウジング部との間の隙間は定期的に管理する必要があるが、その隙間測定や消耗品の取り換えには労力を要する。また、上ピンチロールは昇降させる必要があるため、当該隙間をゼロにすることはできない。
一方、被圧延材が搬送中に幅圧下を行うことを防止するものとして、従来、例えば、特許文献1に示すサイジングプレス装置の監視装置が知られている。
この特許文献1に示すサイジングプレス装置の監視装置は、プレス工具の位置をスクリューにより調整し、クランク機構により、プレス工具を往復動させて、被圧延材スラブの幅圧下を行うサイジングプレス装置の異常を監視する監視装置である。そして、この監視装置は、サイジングプレス装置の各可動体の動作速度を検出する検出装置、検出装置からの信号に基づき各可動体の相互関係を演算する演算装置、および演算装置における演算結果からサイジングプレス装置の運転状態を判定する判定装置を備えている。
また、スラブとピンチロールのスリップを検出することができるとともに、スラブの送り異常をリアルタイムに検出することができるものとして、従来、例えば、特許文献2に示す熱延幅プレスにおけるスラブ送り異常検出方法が知られている。
この特許文献2に示す熱延幅プレスにおけるスラブ送り異常検出方法は、クランク機構によって金型を往復運動させることにより、スラブを幅方向にハンマリングして圧下する幅圧下設備と、ピンチロールで上下方向からスラブを挟み込んで、ピンチロールを回転させることによってスラブを送る搬送設備とを備えた幅プレス設備を用いて熱延幅プレスを行う際のスラブ送りの異常を検出する方法である。そして、この方法は、スラブ幅圧下中に、対象スラブの長さからスラブ全長を目標幅圧下量だけ圧下するために必要なハンマリング回数を予測するステップと、クランク回転角および幅プレス荷重の増減から、実際にスラブをハンマリングした回数をカウントするステップとを含む。また、この方法は、実際にスラブをハンマリングした回数と予測したハンマリング回数であるハンマリング基準回数との比を求めて、当該比が所定の閾値を超えていないか幅プレス実行中に監視するステップとを実施するようする。
特開平3−77704号公報 特開2017−87269号公報
しかしながら、これら従来の特許文献1に示すサイジングプレス装置の監視装置及び特許文献2に示す熱延幅プレスにおけるスラブ送り異常検出方法にあっては、以下の問題点があった。
即ち、特許文献1に示すサイジングプレス装置の監視装置及び特許文献2に示す熱延幅プレスにおけるスラブ送り異常検出方法のいずれの場合も、上ピンチロールの上軸受箱と入側ハウジング部及び出側ハウジング部との間の隙間と、下ピンチロールの下軸受箱と入側ハウジング部及び出側ハウジング部との間の隙間との間の差について考察していない。このため、当該隙間差によって下ピンチロールのみでスラブを搬送する事態を回避することができない。
従って、本発明はこの従来の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、下ピンチロールのみで鋼材を搬送する事態を確実に回避して上ピンチロール及び下ピンチロールの双方で確実に鋼材を搬送することを可能としたピンチロール装置、サイジングプレス装置及び鋼材の搬送方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るピンチロール装置は、鋼材の上側に配置された上ピンチロールと、前記鋼材の下側に配置された下ピンチロールとを備え、前記上ピンチロールは、該上ピンチロールの両端を支持する一対の上軸受箱が入側ハウジング部及び出側ハウジング部に対し前記鋼材の搬送方向の隙間を開けた状態で昇降可能となっており、前記上ピンチロールと下ピンチロールとで上下方向から前記鋼材を挟み込んで前記上ピンチロール及び前記下ピンチロールを回転させることによって前記鋼材を進行方向に搬送するピンチロール装置であって、前記鋼材の搬送時に前記一対の上軸受箱のそれぞれを前記入側ハウジング部又は前記出側ハウジング部に押し付ける一対のロールクランプ装置を備えていることを要旨とする。
また、本発明の別の態様に係るサイジングプレス装置は、鋼材の進行方向の両側に設置された金型を往復移動させることにより前記鋼材の幅圧下を行う幅圧下装置と、前記鋼材の幅圧下の合間に前記鋼材を進行方向に搬送する前述のピンチロール装置とを備えていることを要旨とする。
また、本発明の別の態様に係る鋼材の搬送方法は、前述のピンチロール装置を用いて鋼材を搬送することを要旨とする。
本発明に係るピンチロール装置、サイジングプレス装置及び鋼材の搬送方法によれば、下ピンチロールのみで鋼材を搬送する事態を確実に回避して上ピンチロール及び下ピンチロールの双方で確実に鋼材を搬送することを可能としたピンチロール装置、サイジングプレス装置及び鋼材の搬送方法を提供できる。
本発明の一実施形態に係るピンチロール装置を備えたサイジングプレス装置の概略構成図である。 図1に示すピンチロール装置の側面図である。 図2における3−3線に沿う断面図である。 ピンチロール装置を構成する一方側のロールクランプ装置の概略構成を示す斜視図である。 ピンチロール装置を構成する一方側のロールクランプ装置の概略構成を示す平面図である。 搬送開始から搬送終了に至るまでの上ピンチロール及び下ピンチロールのそれぞれのスラブ搬送トルクの一例を示すグラフである。 参考例に係るピンチロール装置を説明する図であり、(a)はピンチロール装置における上ピンチロール及び下ピンチロールの入側ハウジング部及び出側ハウジング部に対する位置関係を説明するための図、(b)は上ピンチロール送り量及び下ピンチロール送り量を説明するための図である。 図7に示す参考例に係るピンチロール装置を用いた場合の、搬送開始から搬送終了に至るまでの上ピンチロール及び下ピンチロールのそれぞれのスラブ搬送トルクの一例を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
また、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
図1には、本発明の一実施形態に係るピンチロール装置を備えたサイジングプレス装置の概略構成が示されており、サイジングプレス装置1は、熱間圧延ラインにおいて加熱炉2の下流側に設置される。加熱炉2で所定の温度まで加熱された鋼材としてのスラブSは、テーブルローラ3によってサイジングプレス装置1に搬送され、製品幅に従って設定された幅圧下後の目標幅になるまでサイジングプレス装置1により幅圧下される。
このサイジングプレス装置1は、幅圧下装置10とピンチロール装置20とを備えている。
幅圧下装置10は、スラブSの進行方向の両側に対向して設置された2基の金型11と、2基の金型11のそれぞれに対応して設けられた駆動モータ12と、駆動モータ12と金型11とを連結するクランク軸14とを備えている。駆動モータ12とクランク軸14とによりクランク機構を構成する。図1において、符号13は駆動モータ12の駆動軸である。幅圧下装置10は、スラブSの進行方向の両側に設置された2基の金型11を、各クランク機構によってスラブSの進行方向と直交する方向に往復移動させることによりスラブSの幅圧下を行う。各クランク機構の駆動モータ12は、幅圧下制御装置15に接続され、幅圧下制御装置15は、各駆動モータ12を制御して各金型11の往復移動を制御する。
2基の金型11の間隔は、幅圧下後の目標幅に従って決まっており、幅圧下装置10に対するスラブ進入前にセットアップされる。スラブSの進入後、各クランク機構によって往復移動する2基礎の金型11がスラブSの側面に当たる(ハンマリング)ことでスラブSの幅圧下が行われる。このとき、1回のハンマリングでは、スラブSの長手方向の全長のうちスラブ全長よりも短い金型長さ分だけした幅圧下できないことから、連続的に実施されるハンマリングの合間に、ピンチロール装置20によりスラブSを搬送方向に一定長さだけ間欠的に送るようにしている。
ピンチロール装置20は、鋼材としてのスラブSの幅圧下の合間にスラブSを進行方向に一定長さだけ搬送するものであり、スラブSの上側に配置された上ピンチロール21aと、スラブSの下側に配置された下ピンチロール21b(図2参照)とを備えている。ピンチロール装置20は、上ピンチロール21aと下ピンチロール21bとで上下方向からスラブSを挟み込んで上ピンチロール21a及び下ピンチロール21bを回転させることによってスラブSを進行方向に搬送する。
ここで、ピンチロール装置20の上ピンチロール21aは、図3に示すように、スラブSの上側にスラブSの幅方向にその軸心が延びるように配置されている。上ピンチロール21aの軸部21aaの両端のそれぞれは、軸受22aを介して上軸受箱23aに支持されている。一対の上軸受箱23aの各々は、図2、図4及び図5に示すように、入側ハウジング部24a及び出側ハウジング部24bに対しスラブSの搬送方向の隙間δを開けた状態で昇降可能となっている。各上軸受箱23a及び後述する各下軸受箱23bの材質は、一般的な鋼材が用いられる。
一方、ピンチロール装置20の下ピンチロール21bは、図3に示すように、スラブSの下側にスラブSの幅方向にその軸心が延びかつ上ピンチロール21aと対向するように配置されている。下ピンチロール21bの軸部21baの両端のそれぞれは、軸受22bを介して下軸受箱23bに支持されている。一対の下軸受箱23bの各々は、図2に示すように(図2には一方の下軸受箱23bのみ図示)、入側ハウジング部24a及び出側ハウジング部24bに対しスラブSの搬送方向の隙間を持たせることなく固定されている。
入側ハウジング部24aは、上軸受箱23a及び下軸受箱23bに対しスラブSの搬送方向の入側に設置され、また、出側ハウジング部24bは、上軸受箱23a及び下軸受箱23bに対しスラブSの搬送方向の出側に設置されている。入側ハウジング部24a及び出側ハウジング部24bは、図示しないところで一体に結合されている。
また、ピンチロール装置20は、図1及び図3に示すように、上ピンチロール21a及び下ピンチロール21bを駆動するピンチロール駆動機構25を備えている。
ピンチロール駆動機構25は、駆動源となる1台の駆動モータ26と、駆動モータ26に連結されたピニオンスタンド27と、ピニオンスタンド27に連結されるとともに、上ピンチロール21aに連結された上中間軸29aと、ピニオンスタンド27に連結されるとともに、下ピンチロール21bに連結された下中間軸29bとを備えている。
ピニオンスタンド27は、上歯車28aと上歯車28aに噛み合う下歯車28bとを備えている。下歯車28bの軸部28baは、駆動モータ26の出力軸26aと、下中間軸29bとに連結されており、駆動モータ26の出力軸26aが回転することによって下歯車28b、下中間軸29b及び下ピンチロール21bが回転するようになっている。また、上歯車28aの軸部28aaは上中間軸29aに連結されており、駆動モータ26の出力軸26aが回転することによって下歯車28bを介して上歯車28aが回転し上中間軸29a及び上ピンチロール21aが回転するようになっている。従って、1台の駆動モータ26の回転力は、ピニオンスタンド27によって上ピンチロール21a及び下ピンチロール21bに半々に分配されることになる。
ピンチロール駆動機構25の駆動モータ26は、図1及び図3に示すように、ピンチロール制御装置40に接続され、ピンチロール制御装置40は、駆動モータ26の駆動を制御して上ピンチロール21a及び下ピンチロール21bを回転させる。
また、ピンチロール装置20は、図1乃至図3に示すように、上ピンチロール21aを昇降させる上ピンチロール昇降機構30を備えている。
上ピンチロール昇降機構30は、図2及び図3に示すように、上ピンチロール21aの駆動アクチュエータとなる一対のシリンダ32と、各シリンダ32のロッド32aに連結部材33を介して連結され、一対の上軸受箱23aを昇降させるフレーム31とを備えている。一対の上軸受箱23aは、フレーム31に固定されている。
上ピンチロール昇降機構30の各シリンダ32は、図1乃至図3に示すように、ピンチロール制御装置40に接続され、ピンチロール制御装置40は、各シリンダ32の駆動を制御して上軸受箱23aに支持されている上ピンチロール21aを昇降させる。
更に、ピンチロール装置20は、図1、図2、図4及び図5に示すように、スラブSの搬送時に一対の上軸受箱23aのそれぞれを入側ハウジング部24aに押し付ける一対のロールクランプ装置35を備えている。
各ロールクランプ装置35は、図5に示すように(図5には一方側のロールクランプ装置35のみ図示)、入側ハウジング部24aに固定部材38によって固定されたシリンダ36と、シリンダ36のロッド36aに連結され、スラブSの搬送方向に移動するクランプ部材37とを備えている。シリンダ36は、油圧によって作動する油圧シリンダで構成されている。但し、シリンダ36は、空気圧によって作動するエアシリンダで構成されていてもよい。
また、クランプ部材37は、図4及び図5に示すように、平面から見てL字形に形成され、スラブSの搬送方向に長く延びて矩形状をなしてシリンダ36のロッド36aに連結される連結部37aと、連結部37aの先端から上軸受箱23a側に向けて延び、上軸受箱23aに形成された上下方向に延びる凸部23abに係合する係合部37bとを備えている。クランプ部材37は、工具鋼、SCM420等の鋼材で構成され、上軸受箱23aに対する摩耗等の耐久性を考慮し、ビッカース硬さHVが300以上であることが好ましい。
そして、クランプ部材37の係合部37bは、図5に示すように、上軸受箱23aの凸部23abよりもスラブ搬送方向の出側に配置され、シリンダ36のロッド36aが縮んだ際に搬送方向入側に向けて移動し凸部23abに係合して上軸受箱23aを搬送方向入側に引き込み、上軸受箱23aを入側ハウジング部24aに押し付ける。
そして、各ロールクランプ装置35の各シリンダ36は、図1、図2、図4及び図5に示すように、ピンチロール制御装置40に接続され、ピンチロール制御装置40は、各シリンダ36の駆動を制御してクランプ部材37の移動を制御する。
ここで、前述した幅圧下制御装置15及びピンチロール制御装置40は、図1に示すように、上位計算機41に接続されている。上位計算機41には、スラブSの幅圧下のスケジュール等が入力されており、この上位計算機41からの指示に基づき、幅圧下制御装置15は幅圧下装置10の駆動モータ12の制御を行う。また、ピンチロール制御装置40は、上位計算機41からの指示に基づき、ピンチロール駆動機構25の駆動モータ26の制御、上ピンチロール昇降機構30の各シリンダ32の制御及び各ロールクランプ装置35の各シリンダ36の制御を行う。
次に、このように構成されたサイジングプレス装置1におけるピンチロール装置20によるスラブSの搬送方法について説明する。
先ず、図1に示すように、幅圧下装置10によってスラブSの幅圧下が連続的に行われる際に、幅圧下の合間に、ピンチロール制御装置40は、上位計算機41からのスラブSの搬送に関する指示に基づき、上ピンチロール昇降機構30の各シリンダ32を制御して上ピンチロール21aを下降させる。これにより、上ピンチロール21aと下ピンチロール21bとによりスラブSを上下方向から挟み込む。
その後、ピンチロール制御装置40は、各ロールクランプ装置35の各シリンダ36を制御してクランプ部材37を搬送方向入側に向けて移動させ、クランプ部材37の係合部37bを上軸受箱23aの凸部23abに係合させて上軸受箱23aを搬送方向入側に引き込み、上軸受箱23aを入側ハウジング部24aに押し付ける。
これにより、各上軸受箱23aは、各ロールクランプ装置35による押付け力よりも大きな力がスラブSの搬送方向出側に向けて働かない限り、スラブSの搬送方向の移動が規制される。
次に、この状態で、ピンチロール制御装置40は、ピンチロール駆動機構25の駆動モータ26を駆動させる。これにより、駆動モータ26の回転力がピニオンスタンド27で上中間軸29a及び下中間軸29bに半々に分配され、上ピンチロール21a及び下ピンチロール21bがそれぞれ均等の回転トルクで回転する。これにより、スラブSが搬送方向において所定距離だけ搬送される。
その後、ピンチロール制御装置40は、駆動モータ26の駆動を停止した後、各ロールクランプ装置35の各シリンダ36を制御してクランプ部材37をスラブSの搬送方向出側に移動させ、クランプ部材37による上軸受箱23aの入側ハウジング部24aに対する押し付け状態を解除する。
次いで、ピンチロール制御装置40は、上ピンチロール昇降機構30の各シリンダ32を制御して上ピンチロール21aを上昇させ、上ピンチロール21aと下ピンチロール21bとによるスラブSの挟み込み状態を解除する。
これにより、幅圧下の合間に行われるピンチロール装置20によるスラブSの搬送が終了する。
ここで、本実施形態に係るピンチロール装置20においては、前述したように、スラブSの搬送時に一対の上軸受箱23aのそれぞれを入側ハウジング部24aに押し付ける一対のロールクランプ装置35を備えている。このため、各上軸受箱23aは、スラブSの搬送時に各ロールクランプ装置35による押付け力よりも大きな力がスラブSの搬送方向出側に向けて働かない限り、スラブSの搬送方向の移動が規制される。これにより、スラブSの搬送時に駆動モータ26の回転力がピニオンスタンド27で上中間軸29a及び下中間軸29bに半々に分配され、上ピンチロール21a及び下ピンチロール21bがそれぞれ均等の回転トルクで回転する。このため、下ピンチロールのみ21bでスラブSを搬送する事態を確実に回避して上ピンチロール21a及び下ピンチロール21bの双方で確実にスラブSを搬送することを可能と20したピンチロール装置、サイジングプレス装置1及びスラブSの搬送方法を提供できる。このため、下ピンチロール21bの駆動機構に設備仕様を超える負荷がかかる事態を回避でき、当該駆動機構の破損等を防止することができる。
図6には、本実施形態に係るピンチロール装置20を用いた場合の、搬送開始から搬送終了に至るまでの上ピンチロール及び下ピンチロールのそれぞれのスラブ搬送トルクの一例(スラブ搬送トルク全体が4000kgf・mの場合)が示されている。
前述したように、本実施形態におけるピンチロール装置20によれば、スラブSの搬送時に上ピンチロール21a及び下ピンチロール21bがそれぞれ均等の回転トルクで回転する。これにより、搬送開始から搬送終了に至るまでの上ピンチロール21a及び下ピンチロール21bのそれぞれのスラブ搬送トルクは4000kgf・mの半分の2000kgf・mで均等になる。そして、上ピンチロール21a及び下ピンチロール21bのそれぞれについて搬送開始から搬送終了に至るまでスラブ搬送トルクに変化はない。
これに対して、参考例に係るピンチロール装置について、図7(a),(b)を参照して説明する。図7(a)はピンチロール装置における上ピンチロール及び下ピンチロールの入側ハウジング部及び出側ハウジング部に対する位置関係を説明するための図、図7(b)は上ピンチロール送り量及び下ピンチロール送り量を説明するための図である。
参考例に係るピンチロール装置は、図7(a)に示すように、図2に示す本実施形態に係るピンチロール装置20と基本構成は同様であるが、本実施形態に係るピンチロール装置20と異なり、ロールクランプ装置35が設けられていない。
参考例に係るピンチロール装置においては、下ピンチロール21b(図7(a)では軸部21baを図示)の下軸受箱23bの各々は、入側ハウジング部24a及び出側ハウジング部24bに対しスラブSの搬送方向の隙間を持たせることなく固定されている。これに対して、上ピンチロール21a(図7(a)では軸部21aaを図示)の上軸受箱23aは入側ハウジング部24a及び出側ハウジング部24bに対しスラブSの搬送方向に対し隙間δを開けた状態で支持されている。このため、スラブSの搬送開始時には上ピンチロール21a(図7(a)では軸部21aaを図示)の上軸受箱23aが隙間δ分だけ搬送方向に移動して出側ハウジング部24b当接しその移動している間だけ上ピンチロール21aがスラブSの搬送に寄与せず下ピンチロール21bのみでスラブSを搬送することになる。図7(b)には、当該隙間δ分だけ上ピンチロール21aの送り量が少ない状態が示されている。
このため、スラブSの搬送開始時において、上軸受箱23aが出側ハウジング部24b当接するまで、スラブSを搬送する全ての回転トルクが下ピンチロール21bにかかることになる。この場合、下ピンチロール21bの駆動機構に設備仕様を超える負荷がかかる事態が発生し、当該駆動機構の破損等を招くおそれがある。
図8には、図7に示す参考例に係るピンチロール装置を用いた場合の、搬送開始から搬送終了に至るまでの上ピンチロール及び下ピンチロールのそれぞれのスラブ搬送トルクの一例(スラブ搬送トルク全体が4000kgf・mの場合)が示されている。
前述したように、参考例に係るピンチロール装置の場合、スラブSの搬送開始時において、上軸受箱23aが出側ハウジング部24b当接するまで、スラブSを搬送する全ての回転トルクが下ピンチロール21bにかかる。このため、搬送開始から上軸受箱23aが出側ハウジング部24b当接するまでの時間tの間、下ピンチロール21bのスラブ搬送トルクは4000kgf・mとなり、上ピンチロール21aのスラブ搬送トルクは0kgf・mとなる。そして、上軸受箱23aが出側ハウジング部24b当接してから搬送終了までは、上ピンチロール21a及び下ピンチロール21bのそれぞれのスラブ搬送トルクは4000kgf・mの半分の2000kgf・mで均等となる。
このため、搬送開始から上軸受箱23aが出側ハウジング部24b当接するまでの時間tの間に、下ピンチロール21bの駆動機構に設備仕様を超える負荷がかかる事態が発生し、当該駆動機構の破損等を招くおそれがある。
そして、ピンチロール装置20によるスラブSの搬送が終了したら、幅圧下装置10によるスラブSの幅圧下が行われる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更改良を行うことができる。
例えば、ロールクランプ装置35の各々は、スラブSの搬送時に一対の上軸受箱23aのそれぞれを入側ハウジング部24aに押し付けるようにしてあるが、スラブSの搬送時に一対の上軸受箱23aのそれぞれを出側ハウジング部24bに押し付けるようにしてもよい。
また、ピンチロール装置20は、サイジングプレス装置1に適用されているが、上ピンチロール21aと下ピンチロール21bとで上下方向から鋼材を挟み込んで上ピンチロール21a及び下ピンチロール21bを回転させることによって鋼材を進行方向に搬送するものであれば、サイジングプレス装置1以外の装置、例えば、厚板サイドシャー装置に適用されても良い。即ち、本発明で対象とする鋼材は、スラブに限らず厚板等の鋼材に広く適用可能である。
1 サイジングプレス装置
2 加熱炉
3 テーブルローラ
10 幅圧下装置
11 金型
12 駆動モータ
13 駆動軸
14 クランク軸
15 幅圧下制御装置
20 ピンチロール装置
21a 上ピンチロール
21aa 軸部
21b 下ピンチロール
21ba 軸部
22a 軸受
22b 軸受
23a 上軸受箱
23ab 凸部
23b 下軸受箱
24a 入側ハウジング部
24b 出側ハウジング部
25 ピンチロール駆動機構
26 駆動モータ
26a 出力軸
27 ピニオンスタンド
28a 上歯車
28aa 軸部
28b 下歯車
28ba 軸部
29a 上中間軸
29b 下中間軸
30 上ピンチロール昇降機構
31 フレーム
32 シリンダ
32a ロッド
33 連結部材
35 ロールクランプ装置
36 シリンダ
36a ロッド
37 クランプ部材
37a 連結部
37b 係合部
38 固定部材
40 ピンチロール制御装置
41 上位計算機
S スラブ(鋼材)

Claims (4)

  1. 鋼材の上側に配置された上ピンチロールと、前記鋼材の下側に配置された下ピンチロールとを備え、前記上ピンチロールは、該上ピンチロールの両端を支持する一対の上軸受箱が入側ハウジング部及び出側ハウジング部に対し前記鋼材の搬送方向の隙間を開けた状態で昇降可能となっており、前記上ピンチロールと下ピンチロールとで上下方向から前記鋼材を挟み込んで前記上ピンチロール及び前記下ピンチロールを回転させることによって前記鋼材を進行方向に搬送するピンチロール装置であって、
    前記鋼材の搬送時に前記一対の上軸受箱のそれぞれを前記入側ハウジング部又は前記出側ハウジング部に押し付ける一対のロールクランプ装置を備えていることを特徴とするピンチロール装置。
  2. 前記一対のロールクランプ装置の各々は、前記鋼材の搬送時に前記上軸受箱を前記入側ハウジング部に押し付けることを特徴とする請求項1に記載のピンチロール装置。
  3. 鋼材の進行方向の両側に設置された金型を往復移動させることにより前記鋼材の幅圧下を行う幅圧下装置と、前記鋼材の幅圧下の合間に前記鋼材を進行方向に搬送する請求項1又は2に記載のピンチロール装置とを備えていることを特徴とするサイジングプレス装置。
  4. 請求項1又は2に記載のピンチロール装置を用いて鋼材を搬送することを特徴とする鋼材の搬送方法。
JP2019208220A 2019-11-18 2019-11-18 ピンチロール装置、サイジングプレス装置及び鋼材の搬送方法 Active JP7188362B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019208220A JP7188362B2 (ja) 2019-11-18 2019-11-18 ピンチロール装置、サイジングプレス装置及び鋼材の搬送方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019208220A JP7188362B2 (ja) 2019-11-18 2019-11-18 ピンチロール装置、サイジングプレス装置及び鋼材の搬送方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021079402A true JP2021079402A (ja) 2021-05-27
JP7188362B2 JP7188362B2 (ja) 2022-12-13

Family

ID=75962024

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019208220A Active JP7188362B2 (ja) 2019-11-18 2019-11-18 ピンチロール装置、サイジングプレス装置及び鋼材の搬送方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7188362B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02255212A (ja) * 1989-03-27 1990-10-16 Hitachi Ltd 熱間スラブ搬送装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4333231B2 (ja) 2003-06-26 2009-09-16 Jfeスチール株式会社 圧延機および圧延方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02255212A (ja) * 1989-03-27 1990-10-16 Hitachi Ltd 熱間スラブ搬送装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7188362B2 (ja) 2022-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2013121891A1 (ja) ローラレベラおよび板材の矯正方法
JP5883455B2 (ja) ローラレベラおよびそれを用いた板材の矯正方法
TWI406718B (zh) 板輥軋機及板輥軋方法
JP6007597B2 (ja) 形鋼用曲り矯正装置および形鋼の曲り矯正方法
KR101913853B1 (ko) 금속 판재를 평탄화하고 절단하는 제조 시스템
KR20120096581A (ko) 금속 스트립의 측면 가이드 장치의 제어 방법
JP5563099B2 (ja) 金属ストリップのサイドガイドを制御する方法
JP5026091B2 (ja) 金属板材の圧延方法及び圧延装置
JP2013515615A5 (ja)
JP4924125B2 (ja) 鋼矢板の矯正方法および鋼矢板用矯正装置
KR101346012B1 (ko) 길이가 다양한 이형철근의 연결단부 자동화 제조장치 및 제조방법
JP2021079402A (ja) ピンチロール装置、サイジングプレス装置及び鋼材の搬送方法
JP5509739B2 (ja) 厚板剪断設備、鋼板蛇行制御方法および鋼板蛇行防止方法
KR102407716B1 (ko) 스트립의 사행 교정 장치
JP5195586B2 (ja) 鋼材の切断方法および切断装置
CN110418682A (zh) 辊式矫直机和用于运行这种辊式矫直机的方法
JP5644073B2 (ja) 厚板剪断設備および鋼板蛇行防止方法
JP3766576B2 (ja) 熱間幅圧下プレスにおける材料センタリング方法
RU2685308C2 (ru) Способ бокового обжатия и устройство бокового обжатия
KR101424439B1 (ko) 슬라브 사이징 프레스 장치
KR20140118473A (ko) 벤딩장치를 구비하는 압연기
JPH0338921B2 (ja)
TWI505879B (zh) Roller straightening machine and plate correction method
JPH11156406A (ja) 板厚圧下方法及び設備
JP6544339B2 (ja) 熱間スラブの幅圧下方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210623

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220531

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220711

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221101

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221114

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7188362

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150