JP2021078293A - 電力融通システム及び電力融通方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発電電力を融通し合う複数の施設において、メンテナンス実施タイミングが大きく異なる状況を回避することが可能な電力融通システムを提供することを目的とする。【解決手段】電力融通システムでは、融通制御部35は、負荷電力が発電可能電力を超えることで不足電力が生じる施設が存在する場合、負荷電力が発電可能電力に満たないことで余剰電力が生じる施設に設けられる分散型発電装置のうち、運転状態値とメンテナンス基準値との差分の絶対値が最も大きい分散型発電装置に、融通目標電力に基づく情報を優先的に送信する融通制御を行う。【選択図】図4

Description

本発明は、電力融通システム及び電力融通方法に関する。
近年、太陽光発電装置及び燃料電池等の分散型発電装置が普及している。分散型発電装置を備える施設では、当該施設での電力需要を系統電源からの系統電力だけでなく、分散型発電装置での発電電力によって賄うことができる。
特許文献1の電力供給システムでは、複数の施設それぞれに設けられた複数の分散型発電装置である燃料電池の特性が経時的に劣化し、発電効率の特性も経時的に変動することに着目し、燃料電池それぞれについて発電電力毎に発電効率を算出している。そして、複数の燃料電池の全体の発電効率が最大になるように、各燃料電池の発電電力量を燃料電池ごとの発電効率に基づいて制御している。これにより、電力供給システムにおいて、各燃料電池の発電効率を向上した上で複数の施設間で電力を融通できるシステムを構築している。
特許第4718133号公報
ここで、燃料電池は、運転が行われるのに伴って増加又は減少する運転状態値(例えば累積発電電力量、スタック電圧など)が所定のメンテナンス基準値に達すると、その燃料電池のメンテナンス実施タイミングに到達したと判定される。特許文献1では、発電効率を考慮した上で複数の施設間で電力を融通できるシステムを構築しているものの、発電電力を融通するためにより多くの発電を行うと累積発電電力量が多くなり、より早期にメンテナンスが必要となってしまう事態については何ら着目していない。
この事態を特許文献1の場合に当てはめると、発電効率の良い燃料電池はより多くの発電電力を他の施設に融通するため、発電効率の悪いものよりも累積発電電力量が多くなりメンテナンス実施タイミングが早くなる。逆に、発電効率の悪いものは、発電効率の良いものよりも累積発電電力量が少ないため、メンテナンス実施タイミングが遅くなる。
特許文献1の場合に限らず、電力を融通し合う複数の施設間において、発電電力を融通するために発電電力を大きくすればするほど分散型発電装置のメンテナンス実施タイミングが早まり、逆に発電電力を融通しない場合には分散型発電装置のメンテナンス実施タイミングが遅くなる。そのため、電力を融通し合う複数の施設間において分散型発電装置のメンテナンス実施タイミングにばらつきが生じる。よって、電力を融通し合う複数の施設間において、特定の施設の分散型発電装置だけメンテナンス実施タイミングが大きく異なる状況となってしまうのを回避したいという要望がある。
そこで、本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、発電電力を融通し合う複数の施設において、分散型発電装置のメンテナンス実施タイミングが互いに大きく異なる状況を回避することが可能な電力融通システムを提供することを目的とする。
本発明に係る分散型発電装置及び負荷を有する複数の施設間で電力を互いに融通可能な電力融通システムの特徴構成は、
前記分散型発電装置のそれぞれは、運転が行われるのに伴って増加又は減少する運転状態値が所定のメンテナンス基準値に達すると、当該分散型発電装置のメンテナンス実施タイミングに到達したと判定するように構成され、
複数の前記分散型発電装置から前記運転状態値を取得する取得部と、
融通目標電力を決定する融通制御部とを備え、
複数の前記施設のそれぞれの前記分散型発電装置は、前記負荷が必要とする負荷電力を賄うことを目標として発電可能電力の範囲内で決定される個別目標電力と、他の前記施設に電力を融通することを目標として前記融通制御部が決定した前記融通目標電力との合計の電力を出力し、
前記融通制御部は、前記負荷電力が前記発電可能電力を超えることで不足電力が生じる施設が存在する場合、前記負荷電力が前記発電可能電力に満たないことで余剰電力が生じる施設に設けられる前記分散型発電装置のうち、前記運転状態値と前記メンテナンス基準値との差分の絶対値が最も大きい分散型発電装置に、前記融通目標電力に基づく情報を優先的に送信する融通制御を行う点にある。
本特徴構成によれば、融通制御部は、不足電力が生じる施設が存在する場合、余剰電力が生じる施設に設けられる分散型発電装置のうち、運転状態値とメンテナンス基準値との差分の絶対値が最も大きい分散型発電装置に、融通目標電力に基づく情報を優先的に送信して、その分散型発電装置で、個別目標電力と融通目標電力との合計の電力を出力させる。その結果、その分散型発電装置が出力した電力が、不足電力が生じる施設に融通される。つまり、ある施設で不足電力が発生しても、その不足電力は、電力系統からの受電電力ではなく、他の施設から融通される電力で優先的に賄われるため、複数の施設全体で見ると分散型発電装置の稼働率が上昇し、電力系統からの受電電力が減少する点で好ましい。
また、複数の施設間での電力の融通が行われる場合、運転状態値とメンテナンス基準値との差分の絶対値が最も大きい分散型発電装置から優先して融通目標電力が伝達される。その結果、融通制御が行われることにより、複数の分散型発電装置のそれぞれでの、運転状態値とメンテナンス基準値との差分の絶対値は互いに近い値になるため、運転が継続的に行われるのに伴って運転状態値がメンテナンス基準値に到達するタイミング、即ちメンテナンス実施タイミングも近くなる。
これにより、互いに電力の融通が行われる複数の施設のうち、特定の施設の分散型発電装置だけメンテナンス実施タイミングが大きく異なる状況になってしまうことを回避できる。また、複数の分散型発電装置に対してメンテナンスに伴う作業を同時期に一括して行える等、管理が容易になる。
なお、運転状態値とは、分散型発電装置の運転に伴って増加する累積発電電力量等の値であり、また、分散型発電装置の運転に伴って減少するセルスタック電圧等の値である。
本発明に係る電力融通システムの更なる特徴構成は、前記融通制御部は、複数の前記分散型発電装置それぞれにおける1回目のメンテナンス実施タイミングが同時期となるように前記融通制御を行う点にある。
本特徴構成によれば、複数の前記分散型発電装置それぞれにおける1回目のメンテナンス実施タイミングが同時期となるように融通制御を行われる。これにより1回目のメンテナンス実施タイミングを同時期とすることができる。
本発明に係る電力融通システムの更なる特徴構成は、前記融通制御部は、複数の前記分散型発電装置の前記運転状態値のうち、少なくとも1以上の前記運転状態値が前記メンテナンス基準値に対して所定の割合に到達した場合に前記融通制御を行う点にある。
本特徴構成によれば、複数の分散型発電装置の運転状態値のうち、少なくとも1以上の運転状態値がメンテナンス基準値に対して所定の割合に到達した後、上記融通制御により、複数の分散型発電装置のそれぞれでの、運転状態値とメンテナンス基準値との差分の絶対値を互いに近づけることができる。
本発明に係る電力融通システムの更なる特徴構成は、前記融通制御部は、複数の前記分散型発電装置のうち、前記運転状態値と前記メンテナンス基準値との差分の絶対値が最も小さい分散型発電装置に対し、前記発電可能電力を抑制する指示を優先的に送信する点にある。
本特徴構成によれば、運転状態値とメンテナンス基準値との差分の絶対値が最も小さい分散型発電装置の発電可能電力が、他の分散型発電装置よりも優先して抑制される(例えば、非抑制時の発電可能電力が定格発電電力の100%の場合、定格発電電力の50%、75%などの所定割合に抑制される)。つまり、発電可能電力が抑制されていない場合に比べて、発電に伴う分散型発電装置の運転状態値の変化量(増加量・減少量)は小さくなる。それに対して、発電可能電力が抑制されていない他の分散型発電装置では、発電に伴う分散型発電装置の運転状態値の変化量(増加量・減少量)は小さくならない。その結果、運転状態値とメンテナンス基準値との差分の絶対値が最も小さい分散型発電装置と、その他の分散型発電装置との間で、各運転状態値とメンテナンス基準値との差分の絶対値は近づくため、各分散型発電装置の運転状態値が所定のメンテナンス基準値に達するタイミング、即ちメンテナンス実施タイミングが近くなると期待できる。
本発明に係る電力融通システムの更なる特徴構成は、各運転状態値は、各分散型発電装置における、累積発電電力量、累積発電時間、累積起動又は停止回数、前記分散型発電装置での発電に伴って排出された排ガスとの熱交換に用いられる冷却水を脱イオン化するイオン交換樹脂を通過した前記冷却水の累積水通過量、発電に用いる燃料ガスの脱硫を行う脱硫器を通過した前記燃料ガスの累積ガス通過量、発電に用いる空気に含まれる異物を除去するためのエアフィルタを通過した前記空気の累積空気通過量、及び、各分散型発電装置が燃料電池である場合における発電を行うセルが積層されたスタックのスタック電圧の少なくともいずれか1つを含む点にある。
本特徴構成によれば、各分散型発電装置における、累積発電電力量、累積発電時間、累積起動又は停止回数、累積水通過量、累積ガス通過量、累積空気通過量、及び、スタック電圧の少なくともいずれか1つを上記運転状態値とすることで、分散型発電装置がメンテナンス実施タイミングに到達したことを判定できる。
本発明に係る電力融通システムの更なる特徴構成は、前記融通制御部は、複数の前記分散型発電装置のうちの2以上の前記分散型発電装置で構成されるグループを定め、そのグループ内の前記分散型発電装置を有する複数の前記施設間で前記融通制御を行う点にある。
本特徴構成によれば、融通制御部は、グループ内の分散型発電装置を有する複数の施設間で融通制御を行う。つまり、グループ内の2以上の分散型発電装置のそれぞれでの、運転状態値とメンテナンス基準値との差分の絶対値が互いに近い値になり、運転が継続的に行われるのに伴って運転状態値がメンテナンス基準値に到達するタイミング、即ちメンテナンス実施タイミングも互いに近くなる。これにより、グループ内の各施設のうち、特定の施設の分散型発電装置だけメンテナンス実施タイミングが大きく異なる状況を回避できる。
本発明に係る電力融通システムの更なる特徴構成は、前記融通制御部は、前記運転状態値、初回の運転開始日、引き渡し日、及び、前記分散型発電装置が燃料電池である場合における発電を行うセルが積層されたスタックのスタック電圧の少なくともいずれか1つが所定範囲内にある2以上の前記分散型発電装置で構成される前記グループを定める点にある。
本特徴構成によれば、運転状態値、初回の運転開始日、引き渡し日、及び、スタック電圧の少なくともいずれか1つが所定範囲内にある2以上の分散型発電装置のメンテナンス実施タイミングが互いに近くなる。
本発明に係る電力融通システムの更なる特徴構成は、複数の階層を有する建物において、各階層に2以上の前記施設が設けられ、前記融通制御部は、同一の前記階層に設けられる前記分散型発電装置の全てを同一の前記グループに含める点にある。
本特徴構成によれば、同一の階層に設けられる施設間で融通制御が行われる。これにより、同一の階層に設置される分散型発電装置のメンテナンス実施タイミングが互いに近くなる。
本発明に係る分散型発電装置及び負荷を有する複数の施設間で電力を互いに融通可能な電力融通システムにおける電力融通方法の特徴構成は、
前記分散型発電装置のそれぞれは、運転が行われるのに伴って増加又は減少する運転状態値が所定のメンテナンス基準値に達すると、当該分散型発電装置のメンテナンス実施タイミングに到達したと判定するように構成され、
複数の前記分散型発電装置から前記運転状態値を取得する取得ステップと、
融通目標電力を決定する融通制御ステップとを備え、
複数の前記施設のそれぞれの前記分散型発電装置は、前記負荷が必要とする負荷電力を賄うことを目標として発電可能電力の範囲内で決定される個別目標電力と、他の前記施設に電力を融通することを目標として前記融通制御ステップで決定された前記融通目標電力との合計の電力を出力し、
前記融通制御ステップでは、前記負荷電力が前記発電可能電力を超えることで不足電力が生じる施設が存在する場合、前記負荷電力が前記発電可能電力に満たないことで余剰電力が生じる施設に設けられる前記分散型発電装置のうち、前記運転状態値と前記メンテナンス基準値との差分の絶対値が最も大きい分散型発電装置に、前記融通目標電力に基づく情報を優先的に送信する融通制御を行う点にある。
本特徴構成の電力融通方法によれば、上記電力融通システムと同様の作用効果を奏する。
電力融通システムの全体構成図である。 電力融通システムにおける電力の融通(融通制御なし)の様子を示す説明図である。 電力融通システムにおける電力の融通(融通制御あり)の様子を示す説明図である。 全体制御装置の機能構成図である。 累積発電電力量の経時変化を示す説明図である。 記憶部に記憶されている累積発電電力量の経時変化のデータ例である。 融通制御の流れを示すフローチャートである。 融通制御を開始するタイミングを示す説明図である。 グループ分けの例を示す説明図である。
〔実施形態〕
以下、本実施形態に係る電力融通システム及び電力融通方法について説明する。
(1)電力融通システムの全体構成
図1は、電力融通システムの全体構成図である。電力融通システムは、分散型発電装置及び負荷を有する複数の施設間で電力を互いに融通可能に構成されている。図1に示す例では、電力融通システム100は、受電盤20を介して電力系統10に接続されており、電力系統10から系統電力の供給を受けることが可能である。電力融通システム100は、分散型発電装置40、負荷50及び個別制御装置45を有する複数の施設A、B、C、Dと、受電盤20と、全体制御装置30とを備えている。図1において、施設Aは分散型発電装置40A、負荷50A及び個別制御装置45Aを備えており、施設Bは分散型発電装置40B、負荷50B及び個別制御装置45Bを備えており、その他の施設C、Dも同様の構成である。本実施形態では、複数の施設A、B、C、Dは、互いに発電電力の融通が可能なグループを構成している。つまり、分散型発電装置40A、40B、40C、40Dは、互いに発電電力の融通が可能なグループを構成している。
各施設の分散型発電装置40は、例えば燃料電池などを有する装置である。分散型発電装置40は、発電可能電力の範囲内(即ち、上限電力値以下の範囲内)の電力を出力できる。例えば、発電可能電力(上限電力値)は、定格発電電力である。
各施設の負荷50は、自身の施設の分散型発電装置40からその発電電力の供給を受けることができる。各施設において、負荷50が必要とする負荷電力が分散型発電装置40の発電可能電力を超える場合、その超える分の電力がその施設での不足電力となる。各施設で不足電力が発生する場合、その不足電力は、他の施設の分散型発電装置40の発電電力の融通を受けること及び電力系統から電力の供給を受けることの少なくとも一方によって賄われる。
各施設において、負荷50が必要とする負荷電力が分散型発電装置40の発電可能電力に満たない場合、その満たない分の電力はその施設での余剰電力となる。そして、各施設で、分散型発電装置40が、負荷50が必要とする負荷電力よりも大きい電力を発生させることで、即ち、余剰電力を発生させることで、その余剰電力を他の施設に融通することもできる。
各施設の個別制御装置45は、自身の施設の分散型発電装置40の動作を制御する。全体制御装置(本発明の「融通制御部(後述の融通制御部35)」を含む)30は、特定の施設から他の施設へと融通させる融通目標電力を決定する。例えば、全体制御装置30は、負荷電力が発電可能電力を超えることで不足電力が生じる施設が存在する場合、負荷電力が発電可能電力に満たないことで余剰電力が生じる施設に設けられる分散型発電装置40に対して、他の施設に電力が融通されるように、融通目標電力を決定して伝達する。そして、各施設の個別制御装置45は、自身の施設の分散型発電装置40に対して、負荷50が必要とする負荷電力を賄うことを目標として発電可能電力の範囲内で決定される個別目標電力と、他の施設に電力を融通することを目標として融通制御部35が決定した融通目標電力との合計の電力を出力させる。
尚、他の施設に電力を融通するために分散型発電装置40を運転した場合、他の施設のために自身の分散型発電装置40が消耗するという問題がある。そして、運転が行われるのに伴って増加又は減少する運転状態値(例えば累積発電電力量、スタック電圧など)が所定のメンテナンス基準値に達した場合、その分散型発電装置40のメンテナンス実施タイミングに到達したと判定される。つまり、電力を融通し合う複数の施設間において、特定の分散型発電装置40から他の施設に電力を融通すればするほどその分散型発電装置40のメンテナンス実施タイミングの到来が早まり、逆に電力を他の施設へ融通しない分散型発電装置40の場合にはメンテナンス実施タイミングの到来が遅くなる。そのため、電力を融通し合う複数の施設間において分散型発電装置40のメンテナンス実施タイミングにばらつきが生じ得るという問題が発生する。よって、電力を融通し合う複数の施設間において、特定の施設の分散型発電装置40だけメンテナンス実施タイミングが大きく異なる状況となってしまうのを回避したいという要望がある。
そこで、本実施形態の電力融通システムでは、発電電力を融通し合う複数の施設において、分散型発電装置のメンテナンス実施タイミングが互いに大きく異なる状況を回避することが可能な融通制御が行われる。
(2)本実施形態の融通制御
本実施形態の融通制御を説明するにあたり、まずは本実施形態の融通制御が行われない場合の電力の融通の概略について以下に説明する。
(2−1)電力の融通(本実施形態の融通制御なし)
図2には、本実施形態の融通制御が行われない場合の電力の融通の様子が示されている。図2よると、2019年3月1日12時の時点において、施設Aでは、分散型発電装置40Aは発電電力が定格発電電力の700W、運転開始からの累積発電電力量が12000kWh、負荷50Aの負荷電力が700Wである。よって、負荷50Aが必要とする700Wの負荷電力は、分散型発電装置40Aの700Wの発電電力で賄われている。
施設Bでは、分散型発電装置40Bは発電電力が500W、累積発電電力量が19000kWh、負荷50Bの負荷電力が500Wである。よって、負荷50Bが必要とする500Wの負荷電力は、分散型発電装置40Bの500Wの発電電力で賄われている。
施設Cでは、分散型発電装置40Cは発電電力が定格発電電力の700W、累積発電電力量が14000kWh、負荷50Cの負荷電力が1000Wである。よって、負荷50Cが必要とする1000Wの負荷電力は、分散型発電装置40Cの定格発電電力の700Wの発電電力では賄うことができない。つまり、負荷50Cが必要とする1000Wの負荷電力に対して300Wの不足電力が生じている。
施設Dでは、分散型発電装置40Dは発電電力が300W、累積発電電力量が10000kWh、負荷50Dの負荷電力が300Wである。よって、負荷50Dが必要とする300Wの負荷電力は、分散型発電装置40Dの300Wの発電電力で賄われている。
ここで、分散型発電装置40Aは既に定格発電電力の700Wで運転されているため、発電電力を増加させることができない。一方、分散型発電装置40B及び40Dは定格発電電力の700W以下で運転されているため、発電電力の増加が可能である。分散型発電装置40Bは、全体制御装置30の制御に基づいて、現在の500Wから定格発電電力の700Wまで発電電力を増加する。また、分散型発電装置40Dは、全体制御装置30の制御に基づいて、現在の300Wから400Wまで発電電力を増加する。そして、施設Bの分散型発電装置40Bは、分散型発電装置40Bの700Wの発電電力(負荷50Bが必要とする500Wの個別目標電力(負荷電力)と、融通のために発電された融通目標電力200Wの合計)を供給する。また、施設Dの分散型発電装置40Dは、分散型発電装置40Dの400Wの発電電力(負荷50Dが必要とする300Wの個別目標電力(負荷電力)と、融通のために発電された融通目標電力100Wの合計)を供給する。これにより、分散型発電装置40B及び分散型発電装置40Dの上記融通のために発電された電力が融通されて、施設Dの負荷50Dの不足電力300Wが賄われる。このように複数の施設間で電力の融通が行われている。
通常、分散型発電装置40は、所定の累積発電電力量(メンテナンス基準値)に到達するとメンテナンス実施タイミングに到達したと判定する。よって、電力を融通し合う複数の施設間において、電力を融通するために発電電力を大きくすればするほど累積発電電力量が増加し、メンテナンス実施タイミングが早まる。つまり、図2では、施設Bの分散型発電装置40Bの発電電力及び施設Dの分散型発電装置40Dの発電電力が電力の融通のために用いられるが、電力の融通のために発電電力を増加した分だけ施設B及び施設Dの累積発電電力量が大きくなる。そのため、施設Bの分散型発電装置40B及び施設Dの分散型発電装置40Dのメンテナンス実施タイミングが、電力の融通を行わない場合に比べて早まると考えられる。
特に、図2の場合、複数の施設A〜Dの中で、分散型発電装置40Bの累積発電電力量が19000kWhに達しており、他の分散型発電装置40A、40C、40Dに比べて多い。この状態において、分散型発電装置40Bは、2019年3月1日12時において、他の施設Cの負荷50Cに発電電力を供給するために発電電力を増加させており、累積発電電力量がさらに増加することとなる。よって、分散型発電装置40Bのメンテナンス実施タイミングは、他の分散型発電装置40A、40C、40Dに比べて早くなると考えられる。つまり、電力を融通し合う複数の施設A〜Dにおいて、特定の施設Bの分散型発電装置40Bだけメンテナンス実施タイミングが大きく異なる状況となってしまう。
(2−2)電力の融通(本実施形態の融通制御あり)の概要
次に、本実施形態の電力融通システムで行われる融通制御について説明する。
本実施形態に係る電力融通システム100では、前述の図2を用いて説明したような、電力を融通し合う複数の施設において特定の施設の分散型発電装置だけメンテナンス実施タイミングが大きく異なる状況を回避するため、つまり、電力を融通し合う複数の施設においてメンテナンス実施タイミングができるだけ同時期になるように電力の融通にあたり融通制御が行われる。
本実施形態では、後述の融通制御部35は、負荷電力が発電可能電力を超えることで不足電力が生じる施設が存在する場合、負荷電力が発電可能電力に満たないことで余剰電力が生じる施設に設けられる分散型発電装置40のうち、運転状態値とメンテナンス基準値との差分の絶対値が最も大きい分散型発電装置40に、融通目標電力に基づく情報を優先的に送信する融通制御を行う。この融通制御が行われることにより、複数の分散型発電装置40のそれぞれでの、運転状態値とメンテナンス基準値との差分の絶対値は互いに近い値になるため、運転が継続的に行われるのに伴って運転状態値がメンテナンス基準値に到達するタイミング、即ちメンテナンス実施タイミングも同時期となり近くなると期待できる。
なお、メンテナンス実施タイミングを同時期にするとは、融通制御の対象である複数の分散型発電装置40(発電電力の融通が可能なグループを構成している複数の分散型発電装置)について、メンテナンスが実施される月、日、時間等を同時期に揃えることをいう。
まずは、本実施形態の電力の融通制御の概要について図3を用いて説明する。図3には、図2と同じ2019年3月1日12時の時点における各施設の状態が示されている。
本実施形態の融通制御を伴わない図2では、分散型発電装置40B及び分散型発電装置40Dの発電電力を増加させ、施設Cに供給することによって、施設Cの負荷50Cの不足電力300Wが賄われていた。しかし、本実施形態の融通制御を伴う図3では、分散型発電装置40A〜40Dのうち累積発電電力量が最も多い(累積発電電力量と所定のメンテナンス基準値との差分の絶対値が最も小さい)分散型発電装置40Bの発電電力は増加されない。代わりに、施設Cの負荷50Cの不足電力300Wは、分散型発電装置40A〜40Dのうち、さらに発電可能な余力があり、かつ、累積発電電力量が最も少ない(累積発電電力量と所定のメンテナンス基準値との差分の絶対値が最も大きい)分散型発電装置40Dの発電電力を300Wから600Wに増加させることで賄われれる。なお、分散型発電装置40Aは既に定格発電電力の700Wで運転されているため、発電電力を増加できない。
以上のような融通制御によって、累積発電電力量が最も多い分散型発電装置40Bの累積発電電力量の増加を抑えることができる。よって、分散型発電装置40Bのメンテナンス実施タイミングを遅らす方向に制御でき、結果として、分散型発電装置40Bのメンテナンス実施タイミングを累積発電電力量が少ない他の分散型発電装置40A、40C、40Dのメンテナンス実施タイミングに近づけることができる。これにより、電力融通システム100内の複数の分散型発電装置40においてメンテナンス実施タイミングを同時期にできる。
(2−3)融通制御の詳細
本実施形態の融通制御について、図4〜図7を用いてさらに説明する。まずは、個別制御装置45及び全体制御装置30の各機能部につい説明する。
(a)個別制御装置
各施設の個別制御装置45は、記憶部(図示せず)を備えており、分散型発電装置40に関する情報及び負荷50の負荷電力に関する情報等を記憶している。
分散型発電装置40に関する情報は、分散型発電装置40の運転の状態を示す運転状態値、分散型発電装置40の発電可能電力、現在の発電電力、発電可能電力の上限値(定格発電電力)と現在の発電電力との差分等である。
運転状態値としては、例えば、分散型発電装置40の初回の運転開始日以降の累積発電電力量が挙げられる。その他、運転状態値としては、例えば、分散型発電装置40の初回の運転開始日以降の、累積発電時間、累積起動又は停止回数、分散型発電装置40での発電に伴って排出された排ガスとの熱交換に用いられる冷却水を脱イオン化するイオン交換樹脂を通過した冷却水の累積水通過量、発電に用いる燃料ガスの脱硫を行う脱硫器を通過した燃料ガスの累積ガス通過量、発電に用いる空気に含まれる異物を除去するためのエアフィルタを通過した空気の累積空気通過量、及び、分散型発電装置40が燃料電池である場合における発電を行うセルが積層されたセルスタックのスタック電圧等が挙げられる。累積発電電力量、累積発電時間、累積起動又は停止回数、累積水通過量、累積ガス通過量、及び、累積空気通過量は、分散型発電装置40の運転が行われるのに伴って増加し、スタック電圧は分散型発電装置40の運転が行われるのに伴って減少する。
負荷50の負荷電力に関する情報は、負荷50の現在の負荷電力等である。
個別制御装置45の記憶部(図示せず)は、その他、施設での不足電力及び余剰電力等を記憶している。不足電力は、施設内の負荷50の負荷電力が発電可能電力を超える場合、現在の発電電力が施設内の分散型発電装置40の発電可能電力(上限電力値)に達しているため、負荷電力から分散型発電装置40の現在の発電電力を減算して得られる値である。余剰電力は、負荷電力が発電可能電力に満たない場合、現在の発電電力が負荷電力に供給されているため、発電可能電力から現在の発電電力を減算して得られる値である。
また、個別制御装置45は、後で詳述する全体制御装置30との間で通信を行い、分散型発電装置40に関する情報及び負荷50の負荷電力に関する情報等を全体制御装置30に送信する。
また、各施設の個別制御装置45は、各施設の分散型発電装置40の運転開始及び運転停止の制御、及び発電電力の調整制御等を行う。
例えば、各施設の個別制御装置45は、各施設の負荷50が必要とする負荷電力を賄うことを目標として発電可能電力の範囲内で決定される個別目標電力を決定する。さらに、各施設の個別制御装置45は、他の施設に電力を融通するための後述の融通目標電力に基づく情報を全体制御装置30から受信する。そして、各施設の個別制御装置45は、個別目標電力と融通目標電力との合計の発電電力を発電するように、各施設の分散型発電装置40の運転開始及び運転停止の制御、及び発電電力の調整制御等を行う。
なお、各分散型発電装置40の発電可能電力は、例えば定格発電電力である。
これにより、各施設では、個別制御装置45の制御を受けて分散型発電装置40が発電した発電電力のうち、個別目標電力に相当する電力よって各施設の負荷50が消費する負荷電力が賄われる。当該施設の分散型発電装置40において、負荷50が消費する負荷電力に対して不足電力が生じている場合には、発電電力の融通が可能なグループを構成している複数の分散型発電装置40(複数の施設それぞれに設けられた複数の分散型発電装置40)のうち、他の分散型発電装置40(例えば他の施設の分散型発電装置40)が発電している融通目標電力に相当する電力が、不足電力が生じている負荷50に融通される。
(b)全体制御装置の各機能部
全体制御装置30は、図4に示すように、取得部31、記憶部33及び融通制御部35を備えている。
(b1)取得部
全体制御装置30の取得部31は、随時、分散型発電装置40の運転の状態を示す運転状態値、分散型発電装置40の発電可能電力、現在の発電電力、発電可能電力の上限値(定格発電電力)と現在の発電電力との差分等を含む各分散型発電装置40に関する情報、各負荷50の負荷電力に関する情報、施設での不足電力及び余剰電力等を各施設の個別制御装置45から取得する。
分散型発電装置40がメンテナンス実施タイミングに到達したと判定するために用いる運転状態値としては、例えば累積発電電力量が挙げられる。分散型発電装置40は、累積発電電力量が所定の累積発電電力量(メンテナンス基準値)に達すると、メンテナンス実施タイミングに到達したと判定する。よって、運転状態値としての累積発電電力量とメンテナンス基準値との差分の絶対値が大きいほど、メンテナンス実施タイミングに到達したと判定されるまでの残り期間が長いと言える。一方、累積発電電力量とメンテナンス基準値との差分の絶対値が小さいほど、メンテナンス実施タイミングに到達したと判定されるまでの残り期間が短いと言える。
(b2)記憶部
全体制御装置30の記憶部33は、本実施形態では運転状態値として累積発電電力量を記憶する。累積発電電力量は、図5に示すように各分散型発電装置40A〜40Dの初回の運転開始日以降から積算されて増加し、図3の2019年3月1日12時の時点でそれぞれ12000kWh、19000kWh、14000kWh、10000kWhである。そして、記憶部33は、図6に示すように、例えば施設Aについて、所定の日時ごとに、運転状態値としての累積発電電力量、累積発電時間、累積起動回数及び発電電力と、定格発電電力と現在の発電電力との差分と、負荷電力と、不足電力とを記憶する。そのほか、記憶部33は余剰電力も記憶できる。記憶部33は、他の複数の施設についても同様に運転状態値等の経時変化を記憶する。
後述の通り、融通制御部35は、複数の分散型発電装置40を、電力を互いに融通し合う複数の分散型発電装置40の集まりとしてグループ化する。記憶部33は、融通制御部35によるこのようなグループ化を行う際の基準を記憶している。グループ化の基準としては、複数の階層を有する一の建物に含まれる複数の分散型発電装置40であること、同じ地域に存在する分散型発電装置40であること等が挙げられる。記憶部33は、融通制御部35によりどのように複数の分散型発電装置40がグループ化されたかを記憶する。
(b3)融通制御部
全体制御装置30の融通制御部35は、電力融通システム100に含まれる複数の分散型発電装置40をグループ化する。グループ化の基準は、前述の通り記憶部33に記憶されている。本実施形態では、融通制御部35は、図1〜3に示す4つの分散型発電装置40A〜40Dを1つのグループとする。ただし、グループ内の分散型発電装置40の数は4つに限定されず、2つ以上であれば限定されない。
さらに、融通制御部35は、記憶部33を参照し、電力を融通し合うグループ化された複数の分散型発電装置40を備える複数の施設について、負荷電力が発電可能電力を超えることで不足電力が生じている電力不足施設を特定する。また、融通制御部35は、記憶部33を参照し、前記の複数の施設について、負荷電力が発電可能電力に満たないことで余剰電力を発電可能な電力余剰施設を特定する。さらに、融通制御部35は、電力余剰施設のうち、電力不足施設に発電電力を融通する施設を特定する。このとき、融通制御部35は、記憶部33を参照し、電力余剰施設の分散型発電装置40の運転状態値とメンテナンス基準値とを比較し、運転状態値とメンテナンス基準値との差分の絶対値が最も大きい分散型発電装置40が設置されている電力余剰施設を特定する。或いは、融通制御部35は、記憶部33を参照し、全ての電力余剰施設の分散型発電装置40に関して、運転状態値とメンテナンス基準値との差分の絶対値を特定して、その絶対値の大きさに基づいて各電力余剰施設の分散型発電装置40を順位付けする。
融通制御部35は、電力不足施設で生じている不足電力と、前記差分の絶対値が最も大きい電力余剰施設の分散型発電装置40において発電可能な余剰電力とに基づいて、前記差分の絶対値が最も大きい電力余剰施設の分散型発電装置40に発電を指示する融通目標電力を決定する。融通制御部35は、前記差分の絶対値が最も大きい電力余剰施設の個別制御装置45に、融通目標電力を発電するように指示する情報を優先的に送信する。この場合、融通制御部35は、前記差分の絶対値が最も大きい一つの電力余剰施設の個別制御装置45のみに融通目標電力に基づく情報を送信してもよいし、前記差分の絶対値が最も大きい電力余剰施設の個別制御装置45を含む複数の電力余剰施設の個別制御装置45に融通目標電力に基づく情報を送信してもよい。
複数の電力不足施設での不足電力の合計が、前記差分の絶対値が最も大きい一つの電力余剰施設での余剰電力よりも大きい場合、即ち、複数の電力余剰施設の分散型発電装置40から電力の融通を受ける必要がある場合、融通制御部35は、前記差分の絶対値が最も大きい電力余剰施設の個別制御装置45を含む複数の電力余剰施設の個別制御装置45に融通目標電力に基づく情報を送信する。この場合、融通制御部35は、前記差分の絶対値が最も大きい電力余剰施設の個別制御装置45に対して最も大きい融通目標電力に関する情報を伝達し且つ他の電力余剰施設の個別制御装置45に対してはそれよりも小さい融通目標電力を伝達する、或いは、前記差分の絶対値が最も大きい電力余剰施設の個別制御装置45を含む複数の電力余剰施設の個別制御装置45に対して同じ大きさの融通目標電力を伝達するなど、複数の電力余剰施設の個別制御装置45に伝達する融通目標電力の大きさを適宜決定できる。
ここで、図3を再び参照して説明する。
まず、2019年3月1日12時の時点の直前において、本実施形態の電力の融通制御が行われる前の電力を融通し合う各施設A〜Dの累積発電電力量及び現在の発電電力等の運転状態値、発電可能な余剰電力、負荷電力等の状態を説明する。
施設Aでは、分散型発電装置40Aは、個別制御装置45の制御に基づいて、負荷50Aの負荷電力である700Wを賄うために、現在の発電電力として700Wの個別目標電力を発電している。分散型発電装置40Aの定格発電電力は700Wであるので、さらに発電可能な余剰電力(定格発電電力と現在の発電電力との差分の電力)はない。記憶部33には、施設Aに関して、運転状態値として累積発電電力量の12000kWh及び現在の発電電力の700W、発電可能な余剰電力の0W、負荷電力の700W、負荷電力700Wに対する不足電力の0W等が記憶されている。
施設Bでは、分散型発電装置40Bは、個別制御装置45の制御に基づいて、負荷50Bの負荷電力である500Wを賄うために、現在の発電電力として500Wの個別目標電力を発電している。分散型発電装置40Aの定格発電電力は700Wであるので、さらに発電可能な余剰電力は200Wである。記憶部33には、施設Bに関して、運転状態値として累積発電電力量の19000kWh及び現在の発電電力の500W、発電可能な余剰電力の200W、負荷電力の500W、負荷電力500Wに対する不足電力の0W等が記憶されている。
施設Cでは、分散型発電装置40Cは、個別制御装置45の制御に基づいて、負荷50Cの負荷電力である1000Wを賄うために、現在の発電電力として定格発電電力700Wに達する700Wの個別目標電力を発電している。分散型発電装置40Cのさらに発電可能な余剰電力は0Wである。記憶部33には、施設Cに関して、運転状態値として累積発電電力量の14000kWh及び現在の発電電力の700W、発電可能な余剰電力の0W、負荷電力の1000W、負荷電力1000Wに対する不足電力の300W等が記憶されている。
施設Dでは、分散型発電装置40Dは、個別制御装置45の制御に基づいて、負荷50Dの負荷電力である300Wを賄うために、現在の発電電力として300Wの個別目標電力を発電している。分散型発電装置40Dの定格発電電力は700Wであるので、さらに発電可能な余剰電力は400Wである。記憶部33には、施設Dに関して、運転状態値として累積発電電力量の10000kWh及び現在の発電電力の300W、発電可能な余剰電力の400W、負荷電力の300W、負荷電力300Wに対する不足電力の0W等が記憶されている。
融通制御部35は、記憶部33を参照し、上記の電力を融通し合う複数の施設A〜Dの中から、不足電力が生じている電力不足施設として施設Cを特定する。また、融通制御部35は、記憶部33を参照し、余剰電力を発電可能な電力余剰施設として施設B及び施設Dを特定する。融通制御部35は、電力余剰施設としての施設B及び施設Dのうち、電力不足施設である施設Cに発電電力を融通する施設を特定する。
ここで、本実施形態では運転状態値が累積発電電力量である。累積発電電力量に対応するメンテナンス基準値を例えば25000kWhとする。図3において、施設Aの累積発電電力量は12000kWhであり、施設Bの累積発電電力量は19000kWhであり、施設Cの累積発電電力量は14000kWhであり、施設Dの累積発電電力量は10000kWhである。運転状態値である累積発電電力量とメンテナンス基準値との差分は、施設Aでは13000kWh、施設Bでは6000kWh、施設Cでは11000kWh、施設Dでは15000kWhである。融通制御部35は、余剰電力を発電可能な電力余剰施設である施設B及び施設Dのうち、運転状態値である累積発電電力量とメンテナンス基準値との差分が最も大きい施設Dを、施設Cに発電電力を融通する施設として特定する。
次に、融通制御部35は、電力不足施設である施設Cで生じている不足電力300Wと、前記差分が最も大きい施設Dの分散型発電装置40Dにおいて発電可能な余剰電力400Wとに基づいて、前記差分が最も大きい施設Dの分散型発電装置40Dに発電を指示する融通目標電力を300Wと決定する。融通制御部35は、施設Dの個別制御装置45Dに、決定した融通目標電力の300Wを発電するように指示する情報を送信する。
施設Dの個別制御装置45Dは、当該情報を受信すると、個別目標電力の300Wに融通目標電力の300Wを加えた600Wの合計の発電電力を発電するように分散型発電装置40Dを制御する。
これにより、施設Cの負荷電力の1000Wは、施設Cの分散型発電装置40Cが発電した個別目標電力の700Wと、施設Dの分散型発電装置40Dが発電した融通目標電力の300Wとにより賄われる。
以上の融通制御によれば、融通制御部35は、電力不足施設(上記の施設C)が存在する場合、電力余剰施設(上記の施設B及び施設D)に設けられる分散型発電装置40(上記の分散型発電装置40B、40D)のうち、運転状態値とメンテナンス基準値との差分の絶対値が最も大きい分散型発電装置40(上記の分散型発電装置40D)に、融通目標電力に基づく情報を優先的に送信して、その分散型発電装置40(上記の分散型発電装置40D)で、個別目標電力と融通目標電力との合計の電力を出力させる。その結果、その分散型発電装置40(上記の分散型発電装置40D)が出力した電力が、電力不足施設(上記の施設C)に融通される。つまり、ある施設で不足電力が発生しても、その不足電力は、電力系統10からの受電電力ではなく、他の施設から融通される電力で優先的に賄われるため、複数の施設全体で見ると分散型発電装置40の稼働率が上昇し、電力系統10からの受電電力が減少する点で好ましい。
また、複数の施設間での電力の融通が行われる場合、運転状態値とメンテナンス基準値との差分の絶対値が最も大きい分散型発電装置40(上記の分散型発電装置40D)から優先して融通目標電力が伝達される。その結果、融通制御が行われることにより、複数の分散型発電装置40のそれぞれでの、運転状態値とメンテナンス基準値との差分の絶対値は互いに近い値になるため、運転が継続的に行われるのに伴って運転状態値がメンテナンス基準値に到達するタイミング、即ちメンテナンス実施タイミングも近くなる。
これにより、互いに電力の融通が行われる複数の施設のうち、特定の施設の分散型発電装置40だけメンテナンス実施タイミングが大きく異なる状況になってしまうことを回避できる。また、複数の分散型発電装置40に対してメンテナンスに伴う作業を同時期に一括して行える等、管理が容易になる。
なお、本実施形態では、電力を融通し合う複数の施設間において、最初の運転開始に対して1回目のメンテナンス実施タイミングを同時期にする。つまり、未だ複数の分散型発電装置40の全てで1回目のメンテナンスが実施されていない場合、本実施形態の融通制御が行われることで、それら複数の分散型発電装置40それぞれにおける1回目のメンテナンス実施タイミングが同時期となることが期待される。これにより、複数の施設の複数の分散型発電装置40に対して、1回目のメンテナンスに伴う作業を同時期に一括して行える。また、1回目のメンテナンス実施タイミングは、例えば分散型発電装置40の寿命を考慮し、運転開始からある程度経過した時点が想定されている。よって、1回目のメンテナンス実施タイミングを経た後は、分散型発電装置40を継続して運転しない場合もある。つまり、ほとんどの分散型発電装置40が迎えるであろう1回目のメンテナンス実施タイミングを同時期に揃えることで、メンテナンスに伴う作業を同時期に一括して行えるため好ましい。
ただし、1回目のメンテナンスが実施されていない分散型発電装置40と1回目のメンテナンスが既に実施された分散型発電装置40とが混在している電力融通システム100において本実施形態の融通制御が行われる場合もある。その場合には、1回目のメンテナンス実施タイミングと2回目のメンテナンス実施タイミングとを同時期に揃えるというように、回数の異なるメンテナンス実施タイミングを同時期にすることもできる。
(c)融通制御の流れ
次に、全体制御装置30が行う融通制御の流れ(融通制御方法)について図7を用いて説明する。
ステップS10:取得部31は、随時、分散型発電装置40の運転の状態を示す運転状態値、分散型発電装置40の発電可能電力、現在の発電電力、発電可能電力の上限値(定格発電電力)と現在の発電電力との差分等を含む各分散型発電装置40に関する情報、各負荷50の負荷電力に関する情報、施設での不足電力及び余剰電力等を各施設の個別制御装置45から取得する。記憶部33は、取得部31が取得した運転状態値等を記憶する。
融通制御部35は、融通制御を行うか否かを決定する。融通制御を行うか否かは予め決定されていても良い。本実施形態では、予め融通制御を行うと決定されており、融通制御は、グループ内のいずれかの分散型発電装置40の運転が開始されれば運転当初から行われるとされているものとする。
ステップS11:融通制御部35は、電力融通システム100に含まれる複数の施設の各分散型発電装置40をグループ化する。ここでは、融通制御部35は、電力融通システム100内の複数の分散型発電装置40A〜40Dを一つにグループとする。
ステップS12:融通制御部35は、記憶部33を参照し、電力を融通し合うグループ化された複数の分散型発電装置40を備える複数の施設について、電力不足施設及び電力余剰施設を特定する。さらに、融通制御部35は、記憶部33を参照し、電力余剰施設の分散型発電装置40の運転状態値とメンテナンス基準値とを比較し、運転状態値とメンテナンス基準値との差分の絶対値が最も大きい分散型発電装置40が設置されている電力余剰施設を特定する。
融通制御部35は、電力不足施設で生じている不足電力と、前記差分の絶対値が最も大きい電力余剰施設の分散型発電装置40において発電可能な余剰電力とに基づいて、前記差分の絶対値が最も大きい電力余剰施設の分散型発電装置40に発電を指示する融通目標電力を決定する。融通制御部35は、前記差分の絶対値が最も大きい電力余剰施設の個別制御装置45に、融通目標電力を発電するように指示する情報を優先的に送信する。
〔他の実施形態〕
(1)上記実施形態では、融通制御部35は、運転状態値とメンテナンス基準値との差分の絶対値が最も大きい施設に、融通目標電力に関する情報を送信することで融通制御を行う。しかし、電力を融通し合う複数の施設において、メンテナンス実施タイミングを同時期にできればよく、次のように融通制御を行ってもよい。
融通制御部35は、記憶部33を参照し、電力余剰施設の分散型発電装置40の運転状態値とメンテナンス基準値とを比較し、運転状態値とメンテナンス基準値との差分の絶対値が最も小さい施設を特定する。そして、融通制御部35は、その施設の個別制御装置45に対して、発電可能電力を抑制する指示を優先的に送信する。例えば、融通制御部35は、分散型発電装置40の非抑制時の発電可能電力が定格発電電力の100%の場合、定格発電電力の50%、75%などの所定割合に発電可能電力を抑制する指示を送信する。これにより、分散型発電装置40の発電電力は抑制される。
つまり、発電可能電力が抑制されていない場合に比べて、発電に伴う分散型発電装置40の運転状態値の変化量(増加量・減少量)は小さくなる。それに対して、発電可能電力が抑制されていない他の分散型発電装置40では、発電に伴う分散型発電装置40の運転状態値の変化量(増加量・減少量)は小さくならない。その結果、運転状態値とメンテナンス基準値との差分の絶対値が最も小さい分散型発電装置40と、その他の分散型発電装置40との間で、各運転状態値とメンテナンス基準値との差分の絶対値は近づくため、各分散型発電装置40の運転状態値が所定のメンテナンス基準値に達するタイミング、即ちメンテナンス実施タイミングが近くなると期待できる。
(2)上記実施形態では、融通制御部35は、予め融通制御を行うと決定されており、融通制御は、グループ内のいずれかの分散型発電装置40の運転が開始されれば運転当初から行われるとされている。
しかし、融通制御部35は、複数の分散型発電装置40の運転状態値のうち、少なくとも1以上の運転状態値がメンテナンス基準値に対して所定の割合(融通制御基準値)に到達した場合に融通制御を行うと決定してもよい。図8には、分散型発電装置I〜Vの累積発電電力量の経時変化が示されている。各分散型発電装置40の1回目のメンテナンス実施タイミングは、累積発電電力量が1回目メンテナンス基準値(例えば40000kWh)に到達した時と決められている。図8の場合、融通制御基準値は、1回目メンテナンス基準値に対して概ね50%に設定されている。
つまり、分散型発電装置40は、運転開始からの累積発電電力量が40000kWh(1回目メンテナンス基準値)に到達すると、1回目のメンテナンス実施タイミングを迎える。そして、最も累積発電電力量が大きい分散型発電装置Iについて、運転開始からの累積発電電力量が例えば40000kWh(1回目メンテナンス基準値)の半分である20000kWh(融通制御基準値)に最初に到達すると、融通制御部35は、分散型発電装置I〜Vについて融通制御を行うと決定する。
なお、ここでは、融通制御基準値を1回目メンテナンス基準値の半分としたが、これに限定されない。融通制御基準値は、1回目メンテナンス基準値までのいずれかの値でよく、例えば、1回目メンテナンス基準値の1/3以降の値であり、好ましくは1回目メンテナンス基準値の1/2以降の値である。また、融通制御基準値は、例えば1回目メンテナンス基準値の4/5以下の値であり、好ましくは3/4以下の値である。
少なくとも1の分散型発電装置40の運転状態値が、メンテナンス基準値に対して所定の割合に到達した後は、複数の分散型発電装置40間で運転状態値の差が大きくなり、メンテナンス実施タイミングにばらつきが生じている場合がある。このような状態において融通制御を行うことで、複数の分散型発電装置40間におけるメンテナンス実施タイミングのばらつきを抑制できる。一方で、運転状態値がメンテナンス基準値に対して所定の割合に到達するまでは互いに自由に電力を融通し合えるため、複数の施設間での電力の融通の自由度を向上できる。
なお、ここでは、最も累積発電電力量が大きい分散型発電装置Iを融通制御を開始するか否かの基準とすることで、分散型発電装置Iの劣化を早期に抑制してメンテナンス実施タイミングを遅らすように融通制御できる。他の分散型発電装置II〜VIは、分散型発電装置Iよりも累積発電電力量が小さく、メンテナンス実施タイミングは分散型発電装置Iよりも遅い。これにより、複数の分散型発電装置40のメンテナンス実施タイミングを同時期にすることができ好ましい。ただし、融通制御を開始するか否かの基準とする分散型発電装置は、分散型発電装置I〜Vの中から任意に選択されてもよいし、メンテナンスの作業者等が人為的に選択してもよい。
また、図8に示すように、各分散型発電装置I〜Vそれぞれの運転開始の時期が異なっている場合、融通制御を開始するか否かの基準とする分散型発電装置は、グループ化された複数の分散型発電装置40のうち最も早く初回の運転が開始された分散型発電装置40であってもよい。この場合、複数の分散型発電装置40に対して早期に融通制御を適用でき、融通制御を無理なく行い易い。
(3)上記実施形態では、融通制御部35が、電力融通システム100内の複数の分散型発電装置40を一つのグループとする。つまり、電力融通システム100内の全ての分散型発電装置40を一つのグループとし、全ての分散型発電装置40に対して融通制御を行う。
しかし、融通制御部35は、電力融通システム100内の、複数の分散型発電装置40のうちの2以上の分散型発電装置40で構成されるグループを定め、そのグループ内の分散型発電装置40を有する複数の施設間でそれぞれ別個の融通制御を行ってもよい。
また、融通制御部35は、分散型発電装置40の運転状態値、初回の運転開始日及び引き渡し日、また、分散型発電装置40が燃料電池である場合における発電を行うセルが積層されたスタックのスタック電圧の少なくともいずれか1つが所定範囲内にある2以上の分散型発電装置40によってグループを構成してもよい。このような電力を融通するためのグループを決定するためのグループ化の基準、及びどのように複数の分散型発電装置40がグループ化されたかは記憶部33に記憶される。
例えば、融通制御部35は、初回の運転開始日が近くなるようにグループ化することができる。図9に示すように、分散型発電装置A1〜A4、B1、B2、C1〜C3はそれぞれ初回の運転開始日が異なる。融通制御部35は、初回の運転開始日が近くなるように、分散型発電装置A1〜A4をグループAとし、分散型発電装置B1、B2をグループBとし、分散型発電装置C1〜C3をグループCとしてグループ分けすることができる。
このように初回の運転開始日が同時期の複数の分散型発電装置40を同一のグループとし、同一グループ内の複数の分散型発電装置40に対して融通制御を行う。初回の運転開始日が大きく異なる分散型発電装置40間では、融通制御を行ってもメンテナンス実施タイミングを同時期するのが困難な場合がある。例えば現状において、運転状態値とメンテナンス基準値との差分の絶対値が小さい一の分散型発電装置を運転させず、運転状態値とメンテナンス基準値との差分の絶対値が大きい他の分散型発電装置のみを運転させる等してメンテナンス実施タイミングを同時期にする必要がある。この場合、複数の分散型発電装置40間において運転に極端な偏りが出て融通制御に無理が生じる場合及びメンテナンス実施タイミングを同時期にするのが困難な場合がある。
上記のように、初回の運転開始日等が同程度の分散型発電装置を同一グループとして融通制御を行うことで、運転状態値の相違が小さい分散型発電装置40間で融通制御を効率よく行うことができる。
また、融通制御部35は、複数の階層を有する建物において、各階層に2以上の施設が設けられている場合、同一の階層に設けられる分散型発電装置40の全てを同一のグループに含めてもよい。
この場合、同一の階層に設けられる施設間で融通制御が行われる。これにより、同一の階層に設置される分散型発電装置40のメンテナンス実施タイミングが互いに近くなる。これにより、同一の階層毎にメンテナンスに伴う作業を同時期に一括して行うことができる。
(4)上記実施形態では、電力融通システム100は、電力を複数の施設間で融通し合う。しかし、電力融通システム100は、電力に加えて、又は電力に代えて熱を複数の施設間で融通し合うこともできる。
(5)上記実施形態では、電力融通システム100に含まれる施設は4つの施設A、B、C、Dであるが、電力融通システム100に含まれる施設の数はこれに限定されず、2つ以上であればよい。
なお上述の実施形態(他の実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
31 :取得部
35 :融通制御部
40 :分散型発電装置
100 :電力融通システム

Claims (9)

  1. 分散型発電装置及び負荷を有する複数の施設間で電力を互いに融通可能な電力融通システムであって、
    前記分散型発電装置のそれぞれは、運転が行われるのに伴って増加又は減少する運転状態値が所定のメンテナンス基準値に達すると、当該分散型発電装置のメンテナンス実施タイミングに到達したと判定するように構成され、
    複数の前記分散型発電装置から前記運転状態値を取得する取得部と、
    融通目標電力を決定する融通制御部とを備え、
    複数の前記施設のそれぞれの前記分散型発電装置は、前記負荷が必要とする負荷電力を賄うことを目標として発電可能電力の範囲内で決定される個別目標電力と、他の前記施設に電力を融通することを目標として前記融通制御部が決定した前記融通目標電力との合計の電力を出力し、
    前記融通制御部は、前記負荷電力が前記発電可能電力を超えることで不足電力が生じる施設が存在する場合、前記負荷電力が前記発電可能電力に満たないことで余剰電力が生じる施設に設けられる前記分散型発電装置のうち、前記運転状態値と前記メンテナンス基準値との差分の絶対値が最も大きい分散型発電装置に、前記融通目標電力に基づく情報を優先的に送信する融通制御を行う、電力融通システム。
  2. 前記融通制御部は、複数の前記分散型発電装置それぞれにおける1回目のメンテナンス実施タイミングが同時期となるように前記融通制御を行う、請求項1に記載の電力融通システム。
  3. 前記融通制御部は、複数の前記分散型発電装置の前記運転状態値のうち、少なくとも1以上の前記運転状態値が前記メンテナンス基準値に対して所定の割合に到達した場合に前記融通制御を行う、請求項1又は2に記載の電力融通システム。
  4. 前記融通制御部は、複数の前記分散型発電装置のうち、前記運転状態値と前記メンテナンス基準値との差分の絶対値が最も小さい分散型発電装置に対し、前記発電可能電力を抑制する指示を優先的に送信する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力融通システム。
  5. 各運転状態値は、各分散型発電装置における、累積発電電力量、累積発電時間、累積起動又は停止回数、前記分散型発電装置での発電に伴って排出された排ガスとの熱交換に用いられる冷却水を脱イオン化するイオン交換樹脂を通過した前記冷却水の累積水通過量、発電に用いる燃料ガスの脱硫を行う脱硫器を通過した前記燃料ガスの累積ガス通過量、発電に用いる空気に含まれる異物を除去するためのエアフィルタを通過した前記空気の累積空気通過量、及び、各分散型発電装置が燃料電池である場合における発電を行うセルが積層されたスタックのスタック電圧の少なくともいずれか1つを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力融通システム。
  6. 前記融通制御部は、複数の前記分散型発電装置のうちの2以上の前記分散型発電装置で構成されるグループを定め、そのグループ内の前記分散型発電装置を有する複数の前記施設間で前記融通制御を行う、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力融通システム。
  7. 前記融通制御部は、前記運転状態値、初回の運転開始日、引き渡し日、及び、前記分散型発電装置が燃料電池である場合における発電を行うセルが積層されたスタックのスタック電圧の少なくともいずれか1つが所定範囲内にある2以上の前記分散型発電装置で構成される前記グループを定める、請求項6に記載の電力融通システム。
  8. 複数の階層を有する建物において、各階層に2以上の前記施設が設けられ、
    前記融通制御部は、同一の前記階層に設けられる前記分散型発電装置の全てを同一の前記グループに含める、請求項6に記載の電力融通システム。
  9. 分散型発電装置及び負荷を有する複数の施設間で電力を互いに融通可能な電力融通システムにおける電力融通方法において、
    前記分散型発電装置のそれぞれは、運転が行われるのに伴って増加又は減少する運転状態値が所定のメンテナンス基準値に達すると、当該分散型発電装置のメンテナンス実施タイミングに到達したと判定するように構成され、
    複数の前記分散型発電装置から前記運転状態値を取得する取得ステップと、
    融通目標電力を決定する融通制御ステップとを備え、
    複数の前記施設のそれぞれの前記分散型発電装置は、前記負荷が必要とする負荷電力を賄うことを目標として発電可能電力の範囲内で決定される個別目標電力と、他の前記施設に電力を融通することを目標として前記融通制御ステップで決定された前記融通目標電力との合計の電力を出力し、
    前記融通制御ステップでは、前記負荷電力が前記発電可能電力を超えることで不足電力が生じる施設が存在する場合、前記負荷電力が前記発電可能電力に満たないことで余剰電力が生じる施設に設けられる前記分散型発電装置のうち、前記運転状態値と前記メンテナンス基準値との差分の絶対値が最も大きい分散型発電装置に、前記融通目標電力に基づく情報を優先的に送信する融通制御を行う、電力融通方法。
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