JP2021078240A - 無線給電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】給電効率が高く、小型の無線給電システムを提供する。【解決手段】E型コアを鉄心31として採用し、送電コイル34と受電コイル44とを互いに向かい合う方向に配置することにより、シートレール10と送電コイル34との距離を縮めた場合であっても、高い送電効率を保つことができる。こうすることにより、シートレール10と送電コイル34との距離が鉄心31の幅の1/5以上1/2以下である無線給電システム20を提供することができる。【選択図】図2
Description
本発明は、無線給電システムに関する。
従来、非接触で給電する無線給電システムとしては、種々の無線給電システムが知られており、特に、比較的大ギャップ間の送電が可能なものとして、磁界結合方式を利用した無線給電システムが知られている。この磁界結合方式を利用した無線給電システムでは、電磁誘導を利用し、磁束を媒体として送電するため、金属等の導電体が近くに存在すると、導電体の影響によって磁界が乱され、送電効率が低下するという課題がある。
例えば、特許文献1に記載のコイルユニットは、対向配置される第1の自己共振コイルとの電磁共鳴によって、電力の送電および受電の少なくともいずれか一方を行う。このコイルユニットは、複数のコイルを含み、第1の自己共振コイルと電磁共鳴を行うための第2の自己共振コイルを備える。そして、第2の自己共振コイル、第1の自己共振コイルに対向する面に対して、発生する磁界が逆位相となるように配置されている。こうすることにより、漏洩電磁場を低減し、送電効率の低下を低減している。
ところで、この漏洩電磁場を低減する方法としては、シールドや空間を用いる方法も知られているが、このような場合には、シールドや空間が必要となるため、ユニットとして大型化してしまうという課題がある。特に、車両用シートの動力として使用する電力を無線給電する場合、電力を供給する効率を考えると、車両用シートの下部(シートレールの間)に無線給電システムを配置することが好ましい。一方で、シートレールは、強度及び耐久性の観点から考えると金属製が用いられることが多いため、シートレールの間に無線給電システムを配置すると、金属製のシートレールの影響で送電効率が低下するという課題があった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、送電効率を低下させることなく、シートレール間に配置することが可能な無線給電システムを提供することを主目的とする。
本発明は、上述の目的の少なくとも一つを達成するために以下の手段を採った。
本発明の無線給電システムは、
一対の金属製シートレールの間に位置し、送電コイルから受電コイルに給電する無線給電システムにおいて、
前記受電コイル及び前記送電コイルの鉄心は、E型コアであり、
前記送電コイルと前記一対の金属製シートレールとの距離は、前記鉄心の幅の1/5以上1/2以下であることを特徴とする、
ものである。
一対の金属製シートレールの間に位置し、送電コイルから受電コイルに給電する無線給電システムにおいて、
前記受電コイル及び前記送電コイルの鉄心は、E型コアであり、
前記送電コイルと前記一対の金属製シートレールとの距離は、前記鉄心の幅の1/5以上1/2以下であることを特徴とする、
ものである。
この無線給電システムは、受電コイル及び送電コイルの鉄心がE型コアであり、一対の金属製のレールから鉄心の幅の1/5以上1/2以下だけ離れた位置に受電コイルが配置される。こうすることにより、送電効率を低下させることなく、無線給電を行うことができる。このような効果が得られる理由は明らかではないが、発明者らは、受電コイル及び送電コイルの鉄心にE型コアを用い、金属製レールから受電コイルまでの距離を変更して送電効率を測定したところ、レールから受電コイルの距離を鉄心の幅の1/5となる距離まで近づけた場合であっても、著しい送電効率の低下が生じないことを見いだし、本発明を完成させるに至った。
本発明の無線給電システムにおいて、前記受電コイルと前記送電コイルは、互いに向かい合う向きに設けられていることを特徴としてもよい。こうすることにより、高い送電効率を得ることができる。なお、ここで、「互いに向かい合う向き」とは、E型コアである鉄心の突起部(中央突起部及び突起部)が互いに向かって突出する方向を意味し、受電コイルの鉄心の突起部の突出方向が送電コイル方向であり、送電コイルの鉄心の突出部の突出方向が受電コイル方向であることを意味する。
次に、本発明の実施の形態の一例として、無線給電システム20について詳しく説明する。以下に説明する実施の形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。なお、各図において対応する構成要素には同一又は類似の符号を付す。
本発明の実施の形態の一例である無線給電システム20は、図1及び図2に示すように、送電コイル34を有し、金属製のシートレール10a及び金属製のシートレール10bからなる一対のシートレール10の間に位置する送電装置30と、受電コイル44を有し、送電装置30と対向する位置に位置する受電装置40と、を備えている。このとき、送電装置30は、一対のシートレール10から送電コイル34までの距離(図2中A)が送電コイル34の鉄心31の幅(図2中B)の1/5以上1/2以下となる位置に配置される。このように、送電コイル34及び受電コイル44の鉄心31としてE型コアを使用し、送電コイル34までの距離が送電コイル34の鉄心31の幅の1/5以上1/2以下となる位置に配置することで、シートレール10の間という狭い空間に無線給電システム20を配置した場合であっても、高い送電効果が得られる。
送電装置30は、側面が略E字形状の鉄心(E型コア)31を有する送電コイル34と、送電コイル34からの送電を制御する制御ユニット50(図3参照)と、を備えており、制御ユニット50からの制御信号に従って、送電コイル34から受電コイル44に送電する。また、鉄心31は、基板31aの中央部から表面方向に突出する中央突起部31bと、基板31aの両側から表面方向にそれぞれ突出する突起部31c及び突起部31dと、からなり、中央突起部31bに導線32を巻回することにより、送電コイル34を形成する。この送電コイル34を含む送電装置30は、図3に示すように、制御ユニット50と電気的に接続されており、制御ユニット50からの制御信号に従って、受電コイル44に送電する。
受電装置40は、側面が略E字形状の鉄心(E型コア)41を有する受電コイル44と、を備えており、送電装置30からの送電を受電する。また、鉄心41は、基板41aの中央部から表面方向に突出する中央突起部41bと、基板41aの両側から表面方向にそれぞれ突出する突起部41c及び突起部41dと、からなり、中央突起部41bに導線42を巻回することにより、受電コイル44を形成する。
送電コイル34から受電コイル44に送電される際には、送電コイル34の中央突起部31bが突出する方向に受電コイル44が位置し、受電コイル44の中央突起部41bが突出する方向に送電コイル34が位置する状態で、送電コイル34から受電コイル44に送電される。こうすることにより、送電コイル34から受電コイル44に送電される際には、基板31a及び基板41aで上下方向側が、突起部31cと突起部41c、突起部31dと突起部41dによって側面方向側が、それぞれ囲われる形になる。この状態で送電コイル34から受電コイル44に送電した場合、鉄心31の幅の1/2以下の距離である鉄心31の幅の1/5まで送電コイル34とシートレール10とを近づけた場合であっても、高い送電効率を維持することができる。言い換えると、送電コイル34とシートレール10とが近距離に位置する場合であっても、金属製のシートレール10の影響で送電効率が低下することなく、無線給電することができる。
制御ユニット50は、図3に示すように、CPU51を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、送電装置30からの送電を制御する各種制御プログラム等が記憶されたROM52と、各種情報を一時的に記憶するRAM53と、各種情報を記憶する記憶手段54と、送電装置30等との間の各種信号の送受信を行うインタフェース55(以下、「I/F55」と言う。)がそれぞれバス56を介して電気的に接続されている。この制御ユニット50は、本発明の制御手段に相当し、送電装置30の送電を制御する。
ここで、シートレールと送電コイルとの距離と送電コイルの消費電力量の関係について、鉄心の形状による違いを比較した結果を図4に示す。ここで、図4は、送電コイルの消費電力量(W)を縦軸、コイルとシートレールとの距離(mm)を横軸として、鉄心の形状による違いを示すグラフである。このグラフにおいて、実施例(実線)は、本発明の送電コイルと同一の形状であって、鉄心の値が約26ミリメートルの送電コイルを用いた場合を、比較例(点線)は、鉄心の形状が棒状であること以外は、実施例と同様の送電コイルを用いた場合を、それぞれ示している。
図4の結果より、実施例においては、コイルとシートレールとの距離が5ミリメートルより短くなった領域に変位点を有し、急激に消費電力が上昇していることに対し、距離が5ミリメートル以上の場合には、このような急激な消費電力の上昇は見られない。このため、コイルとレールとの距離が鉄心の幅の1/5以上である場合(5ミリメートル/26ミリメートル以下の場合)に、高い送電効率を維持しているといえる。一方、比較例においては、コイルとレールとの距離が20ミリメートルより短くなった領域に変位点を有し、15ミリメートル付近で急激に消費電力が上昇していることが分かる。このため、コイルとレールとの距離が鉄心の幅の1/2以下の場合(15ミリメートル/26ミリメートル以下の場合)に、本発明を適用することによる効果が大きいと言える。
以上詳述した実施の形態によれば、E型コアを鉄心31として採用することにより、シートレール10と送電コイル34との距離を縮めた場合であっても、高い送電効率を保つことができる。こうすることにより、シートレール10と送電コイル34との距離が鉄心31の幅の1/5以上1/2以下である無線給電システム20を提供することができる。
また、送電コイル34の中央突起部31bが突出する方向に受電コイル44が位置し、受電コイル44の中央突起部41bが突出する方向に送電コイル34が位置する向きであって、送電コイル34の中央突起部31bが突出する方向に受電コイル44が位置する向き、すなわち、送電コイル34と受電コイル44が向かい合う向きとすることにより、高い送電効率を保つことができる。こうすることにより、シートレール10と送電コイル34との距離が鉄心31の幅の1/5以上1/2以下である無線給電システム20を提供することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施の形態では、シートレール10と送電コイル34との距離が鉄心31の幅の1/5以上1/2以下であるものとしたが、シートレール10と送電コイル34との距離は、鉄心の幅の1/5以上3/8以下であってもよいし、1/4以上3/8以下であってもよい。これらの場合であっても、高い送電効率を得られる。
上述した実施の形態で示すように、無線給電分野、特に小型無線給電システムとして利用することができる。
10…シートレール、10a…シートレール、10b…シートレール、20…無線給電システム、30…送電装置、31…鉄心、31a…基板、31b…中央突起部、31c…突起部、31d…突起部、32…導線、34…送電コイル、40…受電装置、41…鉄心、41a…基板、41b…中央突起部、41c…突起部、41d…突起部、42…導線、44…受電コイル、50…制御ユニット、51…CPU、52…ROM、53…RAM、54…記憶手段、55…インタフェース、56…バス。
Claims (2)
- 一対の金属製シートレールの間に位置し、送電コイルから受電コイルに給電する無線給電システムにおいて、
前記受電コイル及び前記送電コイルの鉄心は、E型コアであり、
前記送電コイルと前記一対の金属製シートレールとの距離は、前記鉄心の幅の1/5以上1/2以下であることを特徴とする、
無線給電システム。 - 前記受電コイルと前記送電コイルは、互いに向かい合う向きに設けられていることを特徴とする、
請求項1に記載の無線給電システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019203433A JP2021078240A (ja) | 2019-11-08 | 2019-11-08 | 無線給電システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019203433A JP2021078240A (ja) | 2019-11-08 | 2019-11-08 | 無線給電システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2021078240A true JP2021078240A (ja) | 2021-05-20 |
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Family Applications (1)
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JP2019203433A Pending JP2021078240A (ja) | 2019-11-08 | 2019-11-08 | 無線給電システム |
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JP (1) | JP2021078240A (ja) |
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2019
- 2019-11-08 JP JP2019203433A patent/JP2021078240A/ja active Pending
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