JP2021078222A - 制御装置、及び、劣化度推定方法 - Google Patents

制御装置、及び、劣化度推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電子機器の組立性や保守性を向上させることができる電子機器の筐体構造を提供する。【解決手段】電源装置10から供給される電力により駆動する制御装置14であって、時系列データ記憶部46に記憶されている電源装置10から出力された電力量の時系列データから、第1の時点における電力量に対する第1の時点より後の第2の時点における電力量の減少率を取得する減少率取得部50と、コンデンサ20の静電容量に対するコンデンサ20の劣化度を示すマップを取得するマップ取得部52と、第1の時点における静電容量と、減少率とに基づいて、マップから劣化度を取得する劣化度取得部56と、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、電源装置から供給される電力により駆動する制御装置、及び、劣化度推定方法に関する。
従来から、電源装置から供給される電力を用いて駆動する装置がある(例えば、下記特許文献1)。
特開2018−157648号公報
電源装置は、長時間稼働により故障率が上昇するため、使用開始から所定時間経過した電源装置についてはオーバホールを行う必要がある。しかし、電源装置によって使用環境、使用頻度、稼働時間等が異なるのに対して、使用開始からの時間経過に対する一律の基準によってオーバホールの要否を判断することについて、電源装置のユーザの納得感を得られないことがある。そのため、電源装置の劣化度をユーザに示すことが求められる。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、電源装置の劣化度としてコンデンサの劣化度を精度よく取得できる制御装置、及び、劣化度推定方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、電源装置から供給される電力により駆動する制御装置であって、前記電源装置が有するコンデンサから出力されるコンデンサ電圧が第1電圧となってから前記第1電圧よりも小さい第2電圧となるまでの期間において前記電源装置から出力された電力量を取得する電力量取得部と、取得された前記電力量を時系列データとして記憶部に記憶させる時系列データ記憶処理部と、前記記憶部に記憶されている前記時系列データから、第1の時点における前記電力量に対する前記第1の時点より後の第2の時点における前記電力量の減少率を取得する減少率取得部と、前記コンデンサの静電容量に対する前記コンデンサの劣化度を示すマップを取得するマップ取得部と、前記第1の時点における前記静電容量と、前記減少率とに基づいて、前記マップから前記劣化度を取得する劣化度取得部と、を有する。
本発明の第2の態様は、制御装置に電力を供給する電源装置が有するコンデンサの劣化度を推定する劣化度推定方法であって、前記コンデンサから出力されるコンデンサ電圧が第1電圧となってから前記第1電圧よりも小さい第2電圧となるまでの期間において前記電源装置から出力された電力量を取得する電力量取得ステップと、取得された前記電力量を時系列データとして記憶部に記憶させる時系列データ記憶ステップと、前記記憶部に記憶されている前記時系列データから、第1の時点における前記電力量に対する前記第1の時点より後の第2の時点における前記電力量の減少率を取得する減少率取得ステップと、前記コンデンサの静電容量に対する前記コンデンサの劣化度を示すマップを取得するマップ取得部と、前記第1の時点における前記コンデンサの静電容量と、前記減少率とに基づいて、前記マップから前記劣化度を取得する劣化度取得ステップと、を有する。
本発明により、電源装置の劣化度を精度よく取得することができる。
電源装置のブロック図である。 図2A〜図2Fは、バックアップ処理中、及び、バックアップ処理の前後の電源装置の状態を示すタイムチャートである。 制御装置の構成を示すブロック図である。 図4Aは時系列データ記憶部に記憶されている電力量の時系列データの例を示すグラフである。図4Bはマップの例を示すグラフである。 制御装置において行われる時系列データ取得処理の流れを示すフローチャートである。 制御装置において行われる劣化度推定処理の流れを示すフローチャートである。 制御装置の構成を示すブロック図である。 制御装置において行われる時系列データ取得処理の流れを示すフローチャートである。 制御装置の構成を示すブロック図である。 制御装置において行われる時系列データ取得処理の流れを示すフローチャートである。
〔第1実施形態〕
[電源装置の構成]
図1は電源装置10のブロック図である。電源装置10は、商用電源12の交流を、所定電圧の直流に変換して制御装置14に供給する。制御装置14は、例えば、工作機械の数値制御装置であるが、特に限定されない。
電源装置10は、整流器16、昇圧型の力率改善(PFC)回路18、コンデンサ20、絶縁型のDC/DCコンバータ22、及び、絶縁型の電圧低下信号発信器24を有している。
[バックアップ処理]
商用電源12が遮断されると、制御装置14は、コンデンサ20に蓄電された電力を用いてバックアップ処理を行う。電圧低下信号発信器24は、コンデンサ20の電圧(以下、コンデンサ電圧)が第1電圧V1より大きいときにはHi信号を出力し、コンデンサ電圧が第1電圧V1以下のときにはLo信号を出力する。制御装置14は、電圧低下信号発信器24から出力される信号がHiからLoに切り替わったことをトリガとしてデータのバックアップ処理を開始する。バックアップされるデータは、制御装置14において制御対象の装置の制御中に用いられるパラメータ等である。バックアップ処理により、これらのデータは不揮発性のストレージ等に退避される。
図2A〜図2Fは、バックアップ処理中、及び、バックアップ処理の前後の電源装置10の状態を示すタイムチャートである。図2Aは商用電源12(AC入力)の電圧の時間変化を示すタイムチャートである。図2Bはコンデンサ電圧の時間変化を示すタイムチャートである。図2Cは電圧低下信号発信器24が出力する電圧低下信号の時間変化を示すタイムチャートである。図2Dは制御装置14におけるバックアップの処理のタイミングを示すタイムチャートである。図2Eは電源装置10から出力される電圧の時間変化を示すタイムチャートである。図2Fは電源装置10から出力される電流の時間変化を示すタイムチャートである。
時間t1において、商用電源12(AC入力)が遮断されると、コンデンサ20に蓄電されている電力が消費されるため、コンデンサ電圧は徐々に低下し始める。コンデンサ電圧が第2電圧V2以下となるまでは、DC/DCコンバータ22は出力する電圧(以下、出力電圧)を所定電圧に維持するが、コンデンサ電圧が第2電圧V2以下となると、DC/DCコンバータ22は出力電圧を所定電圧に維持できなくなる。つまり、第2電圧V2は、電源装置10の出力維持限界電圧である。なお、DC/DCコンバータ22の出力電圧は、電源装置10の出力電圧ということができる。
時間t2において、コンデンサ電圧が第1電圧V1以下となると、電圧低下信号発信器24の電圧低下信号がHiからLoに切り替わる。制御装置14は、電圧低下信号発信器24の電圧低下信号がHiからLoに切り替わったことをトリガとしてバックアップ処理を開始する。
時間t3において、制御装置14のバックアップ処理が完了する。通常、コンデンサ20の静電容量は、コンデンサ電圧が第1電圧V1となってから第2電圧V2となるまでの期間が、バックアップ処理に要する期間よりも十分に長くなるように設定されている。
時間t4において、コンデンサ電圧が第2電圧V2となり、電源装置10は出力電圧を所定電圧に維持できなくなるため、制御装置14への電力の供給を停止する。
なお、以下では、コンデンサ電圧が第1電圧V1となる時間t2から、コンデンサ電圧が第2電圧V2となる時間t4までの時間(期間)を出力保持時間と記載する。
[制御装置の構成]
本実施形態の制御装置14では、電源装置10の劣化度を推定する。本実施形態の制御装置14では、電源装置10を構成する部品の内、コンデンサ20の経過年数を電源装置10の劣化度として用いる。
図3は制御装置14の構成を示すブロック図である。制御装置14は、バックアップ処理部26、バックアップデータ記憶部28、出力保持時間取得部30、出力電圧取得部32、出力電流取得部34、電力量取得部42、時系列データ記憶処理部44、時系列データ記憶部46、時系列データ取得部48、減少率取得部50、マップ取得部52、マップ記憶部54、劣化度取得部56、表示制御部58及び表示器60を有している。
バックアップ処理部26は、電圧低下信号発信器24の電圧低下信号がHiからLoに切り替わったことをトリガとして、データのバックアップ処理を開始する。バックアップ処理により、データはバックアップデータ記憶部28に退避される。
出力保持時間取得部30は、電圧低下信号発信器24の電圧低下信号の変化と、電源装置10の出力電圧の変化に基づいて、出力保持時間を取得する。出力保持時間取得部30は、電圧低下信号発信器24の電圧低下信号がHiからLoに切り替わった時点を出力保持時間の開始タイミングとし、電源装置10の出力電圧の低下を検出した時点を出力保持時間の終了タイミングとして、出力保持時間を取得する。
電源装置10の出力電圧の低下とは、電源装置10の出力電圧が前述の所定電圧以下となった状態を示す。または、電源装置10の出力電圧の低下とは、電源装置10の出力電圧が、前述の所定電圧より低い閾値以下となった状態を示す。電源装置10の出力電圧の低下から、コンデンサ電圧が出力保持限界電圧である第2電圧V2以下となっていると判定することができる。
出力電圧取得部32は、電源装置10内に設置された出力電圧検出器66(図1)が検出した電源装置10の出力電圧を、出力保持時間を通して所定周期でサンプリングする。
出力電流取得部34は、電源装置10内に設置された出力電流検出器68(図1)が検出した電源装置10が出力する電流(以下、出力電流)を、出力保持時間を通して所定周期でサンプリングする。
電力量取得部42は、出力保持時間を通してサンプリングされた出力電圧と出力電流の積の積分値に基づいて、出力保持時間内に電源装置10が出力する電力量(以下、出力保持電力量という)を取得する。電力量取得部42において、電源装置10の出力保持電力量を取得する処理は、バックアップ処理が実行される度に行われる。
時系列データ記憶処理部44は、電力量取得部42において取得された電源装置10の出力保持電力量と、バックアップ処理が行われた時点とを紐づけたデータを、時系列データとして時系列データ記憶部46に記憶させる。バックアップ処理が行われた時点とは、バックアップ処理の開始時であってもよいし、終了時であってもよい。バックアップ処理が行われた時点は、日単位であってもよいし、時間単位、分単位、秒単位であってもよい。
時系列データ記憶部46には、過去にバックアップ処理が行われたときの、電源装置10の出力保持電力量のデータが時系列で記憶されている。図4Aは時系列データ記憶部46に記憶されている出力保持電力量の時系列データの例を示すグラフである。
時系列データ取得部48は、時系列データ記憶部46に記憶されている過去にバックアップ処理が行われたときの時系列データの内、電源装置10の出力保持電力量の初期値(図4AのP(0))と最新値(図4AのP(N))を取得する。出力保持電力量の初期値とは、工場出荷時の電源装置10の出力保持電力量である。出力保持電力量の最新値とは、最近のバックアップ処理が行われた時点に紐づけられた出力保持電力量である。換言すると、出力保持電力量の最新値とは、最近のバックアップ処理が行われた出力保持時間内に電源装置10が出力した電力量である。
減少率取得部50は、電源装置10の出力保持電力量の初期値に対する最新値の減少率を取得する。
マップ取得部52は、マップ記憶部54からコンデンサ20の静電容量に対するコンデンサ20の経過年数を示すマップを取得する。図4Bはマップの例を示すグラフである。マップは、電源装置10の工場出荷時におけるコンデンサ20の静電容量を初期値とする静電容量の時間変化を示している。このマップは、実験等によって予め得られた静電容量の時間変化を用いて作成される。コンデンサ20の静電容量の初期値は、電源装置10の工場出荷時において実際に計測されたコンデンサ20の静電容量でなくてもよい。コンデンサ20の静電容量を初期値として、コンデンサ20の仕様値を使用してもよい。
劣化度取得部56は、コンデンサ20の静電容量の初期値と、減少率取得部50において取得された減少率とを積算することで得られた値(静電容量)に対応する経過年数をマップから取得する。図4Bに示す例で説明すると、工場出荷時のコンデンサ20の静電容量の初期値C(0)と、減少率取得部50において取得された減少率αとを積算することで得られた値α×C(0)に対応する経過年数Eをマップから取得する。
表示制御部58は、劣化度取得部56において取得されたコンデンサ20の経過年数を、電源装置10の劣化度として表示させるように表示器60を制御する。
バックアップ処理部26、出力保持時間取得部30、出力電圧取得部32、出力電流取得部34、電力量取得部42、時系列データ記憶部46、時系列データ取得部48、減少率取得部50、マップ取得部52、劣化度取得部56、及び、表示制御部58は、制御装置14内のプロセッサ(CPU等)が、不揮発性のストレージ等に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。
バックアップデータ記憶部28、時系列データ記憶処理部44、及び、マップ記憶部54は、不揮発性のストレージ等である。なお、バックアップデータ記憶部28、時系列データ記憶処理部44及びマップ記憶部54は、クラウドストレージ等、制御装置14の外部にあるストレージであってもよい。
表示器60は、液晶表示器、有機EL表示器等であって、文字、絵、図形等を表示することが可能である。
[時系列データ取得処理]
図5は、制御装置14において行われる時系列データ取得処理の流れを示すフローチャートである。時系列データ取得処理は、所定周期で実行される。
ステップS1において、出力保持時間取得部30は、電圧低下信号がHiからLoに切り替わった否かを判定する。電圧低下信号がHiからLoに切り替わった場合にはステップS2へ移行し、電圧低下信号がHiからLoに切り替わっていない場合には時系列データ取得処理を終了する。
ステップS2において、出力電圧取得部32は出力電圧を取得して、ステップS3へ移行する。
ステップS3において、出力電流取得部34は出力電流を取得して、ステップS4へ移行する。
ステップS4において、出力保持時間取得部30は、電源装置10の出力電圧が低下を検出したか否かを判定する。出力電圧の低下を検出した場合にはステップS5へ移行し、出力電圧の低下を検出していない場合にはステップS2へ戻る。
上記ステップS1、ステップS2、ステップS3及びステップS4の処理により、出力電圧取得部32は出力保持時間を通して出力電圧を所定周期でサンプリングし、出力電流取得部34は出力保持時間を通して出力電流を所定周期でサンプリングすることができる。
ステップS5において、電力量取得部42は、出力電圧取得部32においてサンプリングされた出力電圧、及び、出力電流取得部34においてサンプリングされた出力電流の積の積分値から、電源装置10の出力保持電力量を取得して、ステップS6へ移行する。
ステップS6において、時系列データ記憶処理部44は、電力量取得部42において取得された電源装置10の出力保持電力量と、バックアップ処理が行われた時点とを紐づけて時系列データとして、時系列データ記憶部46に記憶させて、時系列データ取得処理を終了する。
[劣化度推定処理]
図6は、制御装置14において行われる劣化度推定処理の流れを示すフローチャートである。例えば、ユーザが、制御装置14の図示しない入力装置を用いて劣化度推定処理を実行することを指令したときに、劣化度推定処理が実行される。
ステップS11において、時系列データ取得部48は、時系列データ記憶部46から電源装置10の出力保持電力量の初期値と最新値を取得して、ステップS12へ移行する。
ステップS12において、減少率取得部50は、電源装置10の出力保持電力量の初期値に対する最新値の減少率を取得して、ステップS13へ移行する。
ステップS13において、マップ取得部52は、マップ記憶部54からコンデンサ20の静電容量に対する経過年数を示すマップを取得して、ステップS14へ移行する。
ステップS14において、劣化度取得部56は、コンデンサ20の静電容量の初期値と、減少率取得部50において取得された減少率とを積算することで得られた値に対応する経過年数をマップから取得して、ステップS15へ移行する。
ステップS15において、表示制御部58は、劣化度取得部56において取得されたコンデンサ20の経過年数を、電源装置10の劣化度として表示させるように表示器60を制御して、劣化度推定処理を終了する。
[作用効果]
電源装置10は、長時間稼働により故障率が上昇するため、使用開始から所定時間経過した電源装置10についてはオーバホールを行う必要がある。しかし、電源装置10によって使用環境、使用頻度、稼働時間等が異なるのに対して、使用開始からの時間経過に対する一律の基準によってオーバホールの要否を判断することについて、電源装置10のユーザの納得感を得られないことがある。
そこで、本実施形態の制御装置14は、電源装置10の劣化度を推定するようにした。電源装置10の劣化度をユーザに示すことにより、電源装置10のオーバホールの要否の判断に対して、ユーザの高い納得感を得ることができる。
本実施形態の制御装置14では、電源装置10内のコンデンサ20の経過年数を、電源装置10の劣化度として用いる。その理由は主に以下の2点である。なお、コンデンサ20の経過年数は、コンデンサ20の劣化度ということもできる。
1点目は、コンデンサ20は、電源装置10の部品の中で比較的経年劣化が顕著であるためである。電源装置10の部品の中でも経年劣化が僅少である部品と、経年劣化が顕著である部品があるが、経年劣化が顕著である部品の劣化度を電源装置10の劣化度として用いることにより、ユーザに早めに電源装置10のオーバホールを勧めることができる。
2点目は、コンデンサ20の劣化により、データのバックアップ処理が行えない虞が生じるためである。前述のように、通常、コンデンサ20の静電容量は、コンデンサ電圧が第1電圧V1となってから第2電圧V2となるまでの期間が、バックアップ処理に要する期間よりも十分に長くなるように設定されている。しかし、コンデンサ20の経年劣化により静電容量が低下するため、コンデンサ電圧が第1電圧V1となってから第2電圧V2となるまでの期間が短くなる。そのため、バックアップ処理を完了することができない虞がある。コンデンサ20の劣化が進んだ場合には、電源装置10のオーバホールを行う必要がある。
本実施形態の制御装置14では、商用電源12が遮断された後の出力保持時間内において電源装置10が出力する電力量(出力保持電力量)を取得し、取得した出力保持電力量をデータのバックアップ処理が行われる度に時系列データとして時系列データ記憶部46に記憶させる。そして、本実施形態の制御装置14は、電源装置10の出力保持電力量の初期値に対する最新値の減少率を元に、コンデンサ20の静電容量と経過年数との関係を示すマップから、コンデンサ20の経過年数を取得する。このコンデンサ20の経過年数を、電源装置10の劣化度とすることで、電源装置10の劣化度を精度よく求めることができる。
〔第2実施形態〕
図7は制御装置14の構成を示すブロック図である。本実施形態の制御装置14は、出力電圧取得部32が、電源装置10内の出力電圧検出器66が検出した電源装置10の出力電圧を取得しない点で、第1実施形態の制御装置14と相違する。制御装置14の他の構成は、第1実施形態の制御装置14の構成と同一である。
電源装置10は、所定電圧の直流を出力する装置である。図2Eに示すように、出力保持時間において電源装置10が出力する出力電圧は略一定電圧を示す。そこで、本実施形態の出力電圧取得部32では、出力保持時間における出力電圧を予め決められた一定電圧として扱う。
[時系列データ取得処理]
図8は、制御装置14において行われる時系列データ取得処理の流れを示すフローチャートである。時系列データ取得処理は、所定周期で実行される。
ステップS21において、出力保持時間取得部30は、電圧低下信号がHiからLoに切り替わった否かを判定する。電圧低下信号がHiからLoに切り替わった場合にはステップS22へ移行し、電圧低下信号がHiからLoに切り替わっていない場合には時系列データ取得処理を終了する。
ステップS22において、出力電圧取得部32は出力電圧として予め決められた一定電圧を取得して、ステップS23へ移行する。
ステップS23において、出力電流取得部34は出力電流を取得して、ステップS24へ移行する。
ステップS24において、出力保持時間取得部30は、電源装置10の出力電圧の低下を検出したか否かを判定する。出力電圧の低下を検出した場合にはステップS25へ移行し、出力電圧の低下を検出していない場合にはステップS22へ戻る。
上記ステップS21、ステップS22、ステップS23及びステップS24の処理により、出力電圧取得部32は出力保持時間を通して出力電圧を所定周期でサンプリングし、出力電流取得部34は出力保持時間を通して出力電流を所定周期でサンプリングすることができる。
ステップS25において、電力量取得部42は、出力電圧取得部32においてサンプリングされた出力電圧、及び、出力電流取得部34においてサンプリングされた出力電流の積の積分値から、電源装置10の出力保持電力量を取得して、ステップS26へ移行する。
ステップS26において、時系列データ記憶処理部44は、電力量取得部42において取得された電源装置10の出力保持電力量と、バックアップ処理が行われた時点とを紐づけて時系列データとして、時系列データ記憶部46に記憶させて、時系列データ取得処理を終了する。
制御装置14において行われる劣化度推定処理については、第1実施形態の制御装置14において行われる劣化度推定処理と同一の処理を行うため、説明を省略する。
[作用効果]
本実施形態の制御装置14では、出力電圧取得部32において、出力保持時間における出力電圧を予め決められた一定電圧として取得する。これにより、制御装置14のプロセッサにおける処理負荷を抑制することができる。
〔第3実施形態〕
図9は制御装置14の構成を示すブロック図である。本実施形態の制御装置14は、出力電圧取得部32が、出力電圧検出器66が検出した電源装置10の出力電圧を取得しない点で、第1実施形態の制御装置14と相違する。さらに、本実施形態の制御装置14は、出力電流取得部34が、出力電流検出器68が検出した電源装置10の出力電流を取得しない点で、第1実施形態の制御装置14と相違する。またさらに、本実施形態の制御装置14は、電源装置10の周辺温度を取得する周辺温度取得部36を有している。制御装置14の他の構成は、第1実施形態の制御装置14の構成と同一である。
本実施形態の制御装置14では、第2実施形態と同様、出力保持時間における出力電圧を予め決められた一定電圧として扱う。
電源装置10の出力電流は、制御装置14で行われている処理の負荷の大きさによって決まる。商用電源12が遮断された後の出力保持時間において、制御装置14ではバックアップ処理以外の処理は略行われない。そのため、バックアップ処理部26からバックアップ処理の負荷の大きさの情報が得られれば、電源装置10から制御装置14に流れる電流を求めることができる。バックアップ処理中の制御装置14の負荷が大きく変動しない場合には、バックアップ処理中の電源装置10の出力電流は一定電流とみなしてもよい。また、出力保持時間において制御装置14ではバックアップ処理以外の処理は略行われないため、出力保持時間中にバックアップ処理が行われていないときの電源装置10の出力電流も一定電流とみなしてもよい。ただし、電源装置10の出力電流は、電源装置10の周辺温度によっても変化するため、電源装置10の出力電流を、電源装置10の周辺温度に応じて補正する必要がある。
本実施形態の出力電流取得部34は、周辺温度取得部62により取得された電源装置10の周辺温度、及び、バックアップ処理部26から入力されるバックアップ処理の負荷から、出力保持時間における電源装置10の出力電流を取得する。出力保持時間において、バックアップ処理中の電源装置10の出力電流を一定電流とみなし、バックアップ処理が行われていないときの電源装置10の出力電流も一定電流とみなす場合には、出力電流取得部34は、バックアップ処理の負荷に代えて、出力保持時間の内、バックアップ処理が行われているときの時間の長さと、バックアップ処理が行われていないときの時間の長さを得るようにしてもよい。
[時系列データ取得処理]
図10は、制御装置14において行われる時系列データ取得処理の流れを示すフローチャートである。時系列データ取得処理は、所定周期で実行される。
ステップS31において、出力保持時間取得部30は、電圧低下信号がHiからLoに切り替わったか否かを判定する。電圧低下信号がHiからLoに切り替わった場合にはステップS32へ移行し、電圧低下信号がHiからLoに切り替わっていない場合には時系列データ取得処理を終了する。
ステップS32において、出力電圧取得部32は出力電圧として予め決められた一定電圧を取得して、ステップS33へ移行する。
ステップS33において、周辺温度取得部36は、電源装置10の周辺温度を取得して、ステップS34へ移行する。
ステップS34において、出力電流取得部34は、電源装置10の周辺温度、及び、バックアップ処理の負荷から、電源装置10の出力電流を取得して、ステップS35へ移行する。
ステップS35において、出力保持時間取得部30は、電源装置10の出力電圧が低下を検出したか否かを判定する。出力電圧の低下を検出した場合にはステップS36へ移行し、出力電圧の低下を検出していない場合にはステップS32へ戻る。
上記ステップS31、ステップS32、ステップS33、ステップS34及びステップS35の処理により、出力電圧取得部32は出力保持時間を通して出力電圧を所定周期でサンプリングし、出力電流取得部34は出力保持時間を通して出力電流を所定周期でサンプリングすることができる。
ステップS36において、電力量取得部42は、出力電圧取得部32においてサンプリングされた出力電圧、及び、出力電流取得部34においてサンプリングされた出力電流の積の積分値から、電源装置10の出力保持電力量を取得して、ステップS37へ移行する。
ステップS37において、時系列データ記憶処理部44は、電力量取得部42において取得された電源装置10の出力保持電力量と、バックアップ処理が行われた時点とを紐づけて時系列データとして時系列データ記憶部46に記憶させて、時系列データ取得処理を終了する。
制御装置14において行われる劣化度推定処理については、第1実施形態の制御装置14において行われる劣化度推定処理と同一の処理を行うため、説明を省略する。
[作用効果]
本実施形態の制御装置14では、出力電流取得部34において、出力保持時間における出力電流を、バックアップ処理の負荷、及び、電源装置10の周辺温度から求める。これにより、電源装置10内への出力電流検出器68の設置を省くことができる。
〔変形例〕
第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態では、制御装置14においてコンデンサ20の経過年数を求め、コンデンサ20の経過年数を電源装置10の劣化度として取得するようにした。制御装置14に接続する他の装置においてコンデンサ20の経過年数を求め、コンデンサ20の経過年数を電源装置10の劣化度として取得するようにしてもよい。この場合、他の装置が、時系列データ取得部48、減少率取得部50、マップ取得部52、マップ記憶部54及び劣化度取得部56を有するようにすればよい。
また、第3実施形態の出力電圧取得部32は、電源装置10の出力電圧を予め一定電圧として扱っているが、第1実施形態の出力電圧取得部32と同様に出力電圧検出器66が検出した電源装置10の出力電圧を取得するようにしてもよい。
第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態では、電源装置10の出力保持電力量の初期値を、工場出荷時の電源装置10の出力保持電力量としたが、オーバホール完了時の電源装置10の出力保持電力量としてもよい。
第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態では、減少率取得部50は、時系列データ記憶部46に記憶されている時系列データから、電源装置10の出力保持電力量の初期値に対する最新値の減少率を取得する。初期値は工場出荷時の電源装置10の出力保持電力量であるが、初期値に代えて、任意の第1の時点における電源装置10の出力保持電力量としてもよい。また、最新値に代えて、第1の時点より後の任意の第2の時点における電源装置10の出力保持電力量としてもよい。
〔実施形態から得られる技術的思想〕
上記実施形態から把握しうる技術的思想について、以下に記載する。
電源装置(10)から供給される電力により駆動する制御装置(14)であって、前記電源装置が有するコンデンサ(20)から出力されるコンデンサ電圧が第1電圧となってから前記第1電圧よりも小さい第2電圧となるまでの期間において前記電源装置から出力された電力量を取得する電力量取得部(42)と、取得された前記電力量を時系列データとして記憶部(46)に記憶させる時系列データ記憶処理部(44)と、前記記憶部に記憶されている前記時系列データから、第1の時点における前記電力量に対する前記第1の時点より後の第2の時点における前記電力量の減少率を取得する減少率取得部(50)と、前記コンデンサの静電容量に対する前記コンデンサの劣化度を示すマップを取得するマップ取得部(52)と、前記第1の時点における前記静電容量と、前記減少率とに基づいて、前記マップから前記劣化度を取得する劣化度取得部(56)と、を有する。
上記の制御装置であって、前記コンデンサ電圧が前記第1電圧となってから前記第2電圧となるまでの期間において前記電源装置から出力される出力電圧を取得する出力電圧取得部(32)と、前記コンデンサ電圧が前記第1電圧となってから前記第2電圧となるまでの期間において前記電源装置から出力される出力電流を取得する出力電流取得部(34)と、を有し、前記電力量取得部は、前記出力電圧と前記出力電流の積の積分値に基づいて、前記電源装置から出力された電力量を取得する。
上記の制御装置であって、前記出力電圧取得部は、前記コンデンサ電圧が前記第1電圧となってから前記第2電圧となるまでの期間における前記出力電圧を予め決められた一定電圧として取得する。
上記の制御装置であって、前記コンデンサ電圧が前記第1電圧になった場合に、データのバックアップ処理を行うバックアップ処理部(26)と、前記電源装置の周辺温度を取得する周辺温度取得部(36)と、を有し、前記出力電流取得部は、前記コンデンサ電圧が前記第1電圧となってから前記第2電圧となるまでの期間における前記バックアップ処理の負荷、及び、前記周辺温度に基づいて、前記電源装置から出力された電流を取得する。
制御装置(14)に電力を供給する電源装置(10)が有するコンデンサ(20)の劣化度を推定する劣化度推定方法であって、前記コンデンサから出力されるコンデンサ電圧が第1電圧となってから前記第1電圧よりも小さい第2電圧となるまでの期間において前記電源装置から出力された電力量を取得する電力量取得ステップと、取得された前記電力量を時系列データとして記憶部(46)に記憶させる時系列データ記憶ステップと、前記記憶部に記憶されている前記時系列データから、第1の時点における前記電力量に対する前記第1の時点より後の第2の時点における前記電力量の減少率を取得する減少率取得ステップと、前記コンデンサの静電容量に対する前記コンデンサの前記劣化度を示すマップを取得するマップ取得ステップと、前記第1の時点における前記コンデンサの静電容量と、前記減少率とに基づいて、前記マップから前記劣化度を取得する劣化度取得ステップと、を有する。
上記の劣化度推定方法であって、前記コンデンサ電圧が前記第1電圧となってから前記第2電圧となるまでの期間において前記電源装置から出力される出力電圧を取得する出力電圧取得ステップと、前記コンデンサ電圧が前記第1電圧となってから前記第2電圧となるまでの期間において前記電源装置から出力される出力電流を取得する出力電流取得ステップと、を有し、前記電力量取得ステップは、前記出力電圧と前記出力電流の積の積分値に基づいて、前記電源装置から出力された電力量を取得する。
上記の劣化度推定方法であって、前記出力電圧取得ステップは、前記コンデンサ電圧が前記第1電圧となってから前記第2電圧となるまでの期間における前記出力電圧を予め決められた一定電圧として取得する。
上記の劣化度推定方法であって、前記電源装置の周辺温度を取得する温度取得ステップを有し、前記制御装置は、前記コンデンサが出力する電圧が前記第1電圧になった場合に、データのバックアップ処理を行い、前記出力電流取得ステップは、前記コンデンサ電圧が前記第1電圧となってから前記第2電圧となるまでの期間における前記バックアップ処理の負荷、及び、前記周辺温度に基づいて、前記電源装置から出力された電流を取得する。
10…電源装置 14…制御装置
20…コンデンサ 26…バックアップ処理部
32…出力電圧取得部 34…出力電流取得部
36…周辺温度取得部 42…電力量取得部
44…時系列データ記憶処理部 46…時系列データ記憶部(記憶部)
50…減少率取得部 52…マップ取得部
56…劣化度取得部 62…周辺温度取得部

Claims (8)

  1. 電源装置から供給される電力により駆動する制御装置であって、
    前記電源装置が有するコンデンサから出力されるコンデンサ電圧が第1電圧となってから前記第1電圧よりも小さい第2電圧となるまでの期間において前記電源装置から出力された電力量を取得する電力量取得部と、
    取得された前記電力量を時系列データとして記憶部に記憶させる時系列データ記憶処理部と、
    前記記憶部に記憶されている前記時系列データから、第1の時点における前記電力量に対する前記第1の時点より後の第2の時点における前記電力量の減少率を取得する減少率取得部と、
    前記コンデンサの静電容量に対する前記コンデンサの劣化度を示すマップを取得するマップ取得部と、
    前記第1の時点における前記静電容量と、前記減少率とに基づいて、前記マップから前記劣化度を取得する劣化度取得部と、
    を有する、制御装置。
  2. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記コンデンサ電圧が前記第1電圧となってから前記第2電圧となるまでの期間において前記電源装置から出力される出力電圧を取得する出力電圧取得部と、
    前記コンデンサ電圧が前記第1電圧となってから前記第2電圧となるまでの期間において前記電源装置から出力される出力電流を取得する出力電流取得部と、
    を有し、
    前記電力量取得部は、前記出力電圧と前記出力電流の積の積分値に基づいて、前記電源装置から出力された電力量を取得する、制御装置。
  3. 請求項2に記載の制御装置であって、
    前記出力電圧取得部は、前記コンデンサ電圧が前記第1電圧となってから前記第2電圧となるまでの期間における前記出力電圧を予め決められた一定電圧として取得する、制御装置。
  4. 請求項2又は3に記載の制御装置であって、
    前記コンデンサ電圧が前記第1電圧になった場合に、データのバックアップ処理を行うバックアップ処理部と、
    前記電源装置の周辺温度を取得する周辺温度取得部と、
    を有し、
    前記出力電流取得部は、前記コンデンサ電圧が前記第1電圧となってから前記第2電圧となるまでの期間における前記バックアップ処理の負荷、及び、前記周辺温度に基づいて、前記電源装置から出力された電流を取得する、制御装置。
  5. 制御装置に電力を供給する電源装置が有するコンデンサの劣化度を推定する劣化度推定方法であって、
    前記コンデンサから出力されるコンデンサ電圧が第1電圧となってから前記第1電圧よりも小さい第2電圧となるまでの期間において前記電源装置から出力された電力量を取得する電力量取得ステップと、
    取得された前記電力量を時系列データとして記憶部に記憶させる時系列データ記憶ステップと、
    前記記憶部に記憶されている前記時系列データから、第1の時点における前記電力量に対する前記第1の時点より後の第2の時点における前記電力量の減少率を取得する減少率取得ステップと、
    前記コンデンサの静電容量に対する前記コンデンサの前記劣化度を示すマップを取得するマップ取得ステップと、
    前記第1の時点における前記コンデンサの静電容量と、前記減少率とに基づいて、前記マップから前記劣化度を取得する劣化度取得ステップと、
    を有する、劣化度推定方法。
  6. 請求項5に記載の劣化度推定方法であって、
    前記コンデンサ電圧が前記第1電圧となってから前記第2電圧となるまでの期間において前記電源装置から出力される出力電圧を取得する出力電圧取得ステップと、
    前記コンデンサ電圧が前記第1電圧となってから前記第2電圧となるまでの期間において前記電源装置から出力される出力電流を取得する出力電流取得ステップと、
    を有し、
    前記電力量取得ステップは、前記出力電圧と前記出力電流の積の積分値に基づいて、前記電源装置から出力された電力量を取得する、劣化度推定方法。
  7. 請求項6に記載の劣化度推定方法であって、
    前記出力電圧取得ステップは、前記コンデンサ電圧が前記第1電圧となってから前記第2電圧となるまでの期間における前記出力電圧を予め決められた一定電圧として取得する、劣化度推定方法。
  8. 請求項6又は7に記載の劣化度推定方法であって、
    前記電源装置の周辺温度を取得する温度取得ステップを有し、
    前記制御装置は、前記コンデンサが出力する電圧が前記第1電圧になった場合に、データのバックアップ処理を行い、
    前記出力電流取得ステップは、前記コンデンサ電圧が前記第1電圧となってから前記第2電圧となるまでの期間における前記バックアップ処理の負荷、及び、前記周辺温度に基づいて、前記電源装置から出力された電流を取得する、劣化度推定方法。
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