JP2021077779A - フレキシブル薄膜回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】フレキシブル性を有する基板への抵抗体形成において、2種類の材料から任意の抵抗値を示す抵抗体を形成することが可能で、抵抗の長さや厚みの設計は共通化することができ、より薄い平面抵抗部品を従来の製造方法よりも少ない工数で形成することで材料コストを低減可能、かつ、より安価なフレキシブル薄膜回路を提供することを目的とする。【解決手段】フレキシブル性を有する薄膜回路であって、少なくとも導電回路パターンと抵抗体とを含み、前記導電回路パターンと前記抵抗体とは、1種の導電材料と1種の絶縁材料をそれぞれ異なる混合比率で混合した混合膜からなる、ことを特徴とするフレキシブル薄膜回路。【選択図】図1

Description

本発明はフレキシブル性を有するプリント配線板製造用シート材を用いたプリント配線板の製造方法、及びこのプリント配線板の製造方法にて製造されたプリント配線板に関し、特にインダクタ(L)、コンデンサ(C)、抵抗(R)が含まれる回路に関するものである。
近年、電子機器の高性能化、小型化の要求に伴い回路部品の高密度化、高機能化が一層強まっている。そのため、プリント配線板に電子部品を実装する場合においてはその実装効率を高めるためにインダクタ(L)、コンデンサ(C)、抵抗(R)など(以下、これらを総称してLCRと表記する場合がある。)を基板内に内蔵した構造のプリント配線板が要望されるようになっている。また、基板材料に薄いプラスチックフィルム等を用いたフレキシブル配線板の需要が高まっている。
また、信号の高速化や大容量化、消費電力の低減にともない、基板内のノイズの発生の問題が深刻化している。そのため、従来、半導体素子およびコンデンサを含む回路部品においては半導体素子とコンデンサの距離を短くすることによって電気信号のノイズを低減することができることから、回路基板内にコンデンサ層を内蔵化させることにより発生ノイズを低減することがおこなわれてきた。また、回路基板内に磁性体の層を形成することによりノイズを低減させることも試みられている(例えば特許文献1に開示)。
このように、実装密度の向上やノイズの低減を目的とした受動部品の内蔵化方法の従来技術としては、セラミック基板におけるLCR一括焼成による形成方法が有力で、古くから行われてきた。
一方、樹脂基板においてもLCRを内蔵化させる試みが多く行われてきている。
例えばコンデンサの誘電体層形成法としては、樹脂中に高誘電率のフィラーを分散させたものを、多層プリント配線板のコア材として用いることが以前より行われていた。
また、樹脂基板への抵抗体形成方法としては、カーボンブラックの抵抗体ペーストを印刷形成することがよく行われていた。
また、樹脂基板へのインダクタの形成方法としては、導体回路のパターニングによりコイルパターンを形成させることが一般的であった。
更に、近年になって、回路基板上に高精度のLCRを、スピンコート法あるいはレーザ照射等による物理エッチング等の半導体プロセスの応用により、シーケンシャルで積層させる試みもおこなわれつつある。すなわち、絶縁層と回路層とを順次積層成形するものである。
しかしながら、従来の一般的な抵抗体を含む回路基板において、立体的にかさ高い抵抗チップを用いることで、フレキシブル性の低下や、回路基板の総厚が大きくなることで回路基板の用途が限定される場合がある。
そのため、フレキシブル性の高い抵抗体形成方法が望まれるが、抵抗値の異なる薄膜抵抗体を形成する場合、抵抗の長さ/厚みの設計を変更するか、異なる抵抗材料に変更する必要があるため、コスト高や設計が限定される場合がある。
特開平10−163636号公報
上記の問題点を鑑みて、本発明は、フレキシブル性を有する基板への抵抗体形成において、2種類の材料から任意の抵抗値を示す抵抗体を形成することが可能で、抵抗の長さや厚みの設計は共通化することができ、より薄い平面抵抗部品を従来の製造方法よりも少ない工数で形成することで材料コストを低減可能、かつ、より安価なフレキシブル薄膜回路を提供することを目的とする。
上記の課題を解決する手段として、緻密な薄膜を形成できるミスト成膜技術に着目した解決手段について以下に述べる。
本発明に係る第1の発明は、
フレキシブル性を有する薄膜回路であって、
少なくとも導電回路パターンと抵抗体とを含み、
前記導電回路パターンと前記抵抗体とは、1種の導電材料と1種の絶縁材料をそれぞれ異なる混合比率で混合した混合膜からなる、ことを特徴とするフレキシブル薄膜回路である。
第2の発明は、
前記抵抗体が複数の抵抗体からなり、少なくとも2種類以上の抵抗値を有する、
ことを特徴とするフレキシブル薄膜回路である。
第3の発明は、
前記複数の抵抗体が、長さおよび断面積が等しく、かつ抵抗値が異なる抵抗体である、
ことを特徴とするフレキシブル薄膜回路である。
第4の発明は、
さらにコンデンサとインダクタを含み、
前記コンデンサとインダクタとは、前記1種の導電材料と前記1種の絶縁材料をそれぞれ異なる混合比率で混合した混合膜からなる、ことを特徴とするフレキシブル薄膜回路である。
第5の発明は、
第1〜第4のいずれかの発明に記載のフレキシブル薄膜回路を支持体上に積層してなる、回路基板である。
第6の発明は、
第1〜第4のいずれかの発明に記載のフレキシブル薄膜回路の製造方法であって、
前記導電材料を含む原料液と、前記絶縁材料を含む原料液とをそれぞれミスト液滴化するミスト液滴化工程と、
前記ミスト液滴を気相混合して混合ミストを生成する混合ミスト工程と、
前記混合ミストを支持体上に搬送し、堆積させて混合膜を形成する混合膜形成工程と、
を少なくとも備えることを特徴とするフレキシブル薄膜回路の製造方法である。
第6の発明は、
前記混合ミスト工程において、異なる割合で気相混合して混合ミストを生成することにより、異なる抵抗値を有する混合膜を形成する、ことを特徴とするフレキシブル薄膜回路の製造方法である。
本発明によれば、1つの導電材料と1つの絶縁材料から高純度な混合膜形成を可能とし、混合膜中の混合比率または存在分布を任意に制御した膜形成を可能とするものである。このような混合膜とすることで、従来実現できなかった機能や性能を有する任意の抵抗値を示す抵抗体を形成することが可能となる。また、この混合膜により形成した平面抵抗部品がフレキシブル性を有することで、ウェアラブルセンサーの基板(回路)など、新規の分野へ適用可能となる。
本発明の積層体の構成を示す概略断面図である。 本発明の薄膜形成装置の構成を示す概略図である。 本発明の薄膜形成装置の別形態の構成を示す概略図である。 本発明の各実施例の表面を観察したSEM写真である。 本発明の各実施例の表面を顕微鏡にて観察した写真である。
本発明に係る実施形態について、以下に詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限るものではなく、本発明における技術的特徴を有する限りにおいて、他の実施形態においても本発明に属する。
図1は、本発明に係る実施形態の混合膜の構成を示す概略断面図である。
図1では、支持体1上に絶縁基材2が積層され、さらに絶縁基材2上に導電回路パターン3および抵抗体4が積層されている。なお、導電回路パターン3中には、導電材料と絶縁材料が膜中に均一に混合していてもよく、また抵抗体4中にも、導電材料と絶縁材料が膜中に均一に混合していてもよい。
その他に、コンデンサおよびインダクタ7も形成されていてもよい。
本発明の実施形態において、支持体1に用いる材料はフレキシブル性を有するものであれば特に限定されるものではないが、透明基材、特に透明樹脂フィルムであることが好ましい。透明樹脂フィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シクロオレフィンポリマー(COP)、又はポリイミド(PI)のフィルムであってもよい。あるいは、支持体1は、ガラス基板であってもよい。
支持体1は、積層後に取り除くこともできるが、取り除かずにそのまま使用してもよい。
本発明の実施形態において、絶縁基材2として用いられる材料は、絶縁性を有する材料であれば特に限定されるものではなく、所望の回路に合わせて適切に選定すればよい。例えば、ポリビニルフェノール、ポリメタクリル酸メチル、ポリイミド、ポリビニルアルコールなどの高分子溶液、アルミナやシリカゲルなどの粒子を分散させた溶液などがあり、熱による硬化や光による硬化により形成する方法がある。
本発明の実施形態において、絶縁基材2の形成方法は特に限定されるものではないが、ミストコーティング技術を用いることが望ましい。超音波スプレー方式や静電方式などのミストコーティングは、材料に流動に関わる混ぜ物をする必要がなく、純度の高い材料を
成膜することが可能であり、機能材料の薄膜形成や薄膜パターンを形成する場合には有利である。
本発明の実施形態において、導電回路パターン3として主に用いられる材料は、導電性材料であれば特に限定されるものではないが、例えばアルミニウム、クロム、金、銀、ニッケル、銅等の金属や、ITO等の透明導電膜等が使用可能である。
本発明の実施形態において、導電回路パターン3の形成方法は特に限定されるものではないが、ミストコーティング技術を用いることが望ましい。パターニング方法としては、例えば、所望のパターンが形成してある金属マスクを用意し、基材上にこの金属マスクを設置した後、超音波スプレーコートを行うことでパターニングすることが可能である。
また本発明の実施形態において、用いられる導電材料および絶縁材料は特に限定されるものではないが、絶縁基材2および導電回路パターン3で用いた材料であることが望ましい。
本発明の実施形態において、導電回路パターン3の形成方法は、導電材料と絶縁材料を別々に溶媒に溶解または分散した原料液を、ミスト供給装置によってそれぞれミスト液滴化し、これらのミスト液滴を搬送する経路中で気相混合した混合ミストを基材上に搬送して堆積させて、導電材料と絶縁材料の混合膜を形成する。このとき気相混合する比率をそれぞれ異なるものとすることで、異なる抵抗値を有する混合膜が形成できる。
パターニング方法としては、導電回路パターン3の形成と同様に、基材上に一般的な金属マスクを設置した後、超音波スプレーコートを行うことでパターニングすることが可能である。
本発明の実施形態において、抵抗体4は、導電材料と絶縁材料のミスト液滴の生成比率を任意に変えることで、抵抗の長さ及び断面積の同じ抵抗体であっても、異なる抵抗値を有するものとして任意に形成することが可能である。
<混合状態>
本発明の実施形態において、導電材料と絶縁材料の混合膜は、膜中の任意の一定体積中の材料混合比率が、膜全体の材料混合比率と同じか、ある一定の範囲でのバラツキに収まるものである。
これは、材料混合状態が均一な組織構造であることを意味しており、海島構造、繊維状構造、リボン状構造、共連続構造、それらの複合構造などの不均一な組織構造が形成されていない状態である。
<材料の定義>
本発明の実施形態において、導電材料、絶縁材料は、もともと材料に含まれるもの、その分解物、生成物についても導電材料、絶縁材料に含まれるものとする。
なお、例えば導電材料の一つであるナノ銀(銀ナノ粒子ともいう)の場合、分散性を高めるために銀粒子表面に化学物質を結合させておくことがある。この化学物質も導電物質として扱う。
同様に、絶縁材料の一つである樹脂に可撓性を向上させるために滑剤が含まれているとき、その滑剤も含めて、絶縁材料として扱う。
<導電材料>
本発明の実施形態において、導電材料は移動可能な電荷を含み電気を通しやすい材料、すなわち電気伝導率(導電率)の高い材料である。電気伝導率は、物質によってとる値の範囲が広い物性値で、金属からセラミックまで20桁ほど幅がある。伝導率がグラファイ
ト(電気伝導率 10S/m)と同等以上のものを導体と定義する。
<絶縁材料>
本発明の実施形態において、絶縁材料は常温における体積電気抵抗率がきわめて大きく(10Ωcm以上)、電圧を加えてもそれが低下しない材料である。おもな絶縁材料を性状、組成から分類すると、無機固体絶縁材料、有機繊維質材料、樹脂系材料、ゴム系材料、塗料系材料などが挙げられる。
<ミストコーティング>
本発明では、材料を溶媒に溶解または分散した材料液を物理的に微細液滴化し、目的の基材に搬送して液滴を堆積させて薄膜を形成するミストコーティング法を基本としている。
ミストコーティングでは、材料に流動に関わる混ぜ物をする必要がなく、純度の高い材料を成膜することが可能であり、機能材料の薄膜形成や薄膜パターンを形成する場合には有利である。
<ミスト発生方式>
本発明の実施形態において、ミスト液滴化する方式としては、加圧式、回転式、スチーム式、静電式、ピエゾ式、サーマル式、超音波式のいずれか1種類以上を組み合わせたものになるが、これに限定されるものではない。
<ミスト供給装置>
例えば、ミスト液滴化する装置には、原料液に超音波を当てて、キャピラリー原理により原料液から微細液滴を発生させ、基材に搬送する手法が挙げられる。
また他方の手段として、原料液をノズルから噴出させ、ノズルと基材間に高電圧を印加して、ノズルから噴出した液滴を電圧印加することにより液滴が荷電され、クーロン力の斥力により液滴が細分化して基材に堆積させて薄膜を形成する静電式(エレクトロスプレー法)が挙げられる。
図2は、本発明の成膜装置の装置構成の一例を示したものである。
図2では、エレクトロスプレー法のノズルを2本準備し、一方のノズル8を導電材料液のミスト吐出、もう一方のノズル9を絶縁材料液のミスト吐出に用いる。支持体1の反対側の面には、対向電極7が設置され、外部電源(図示せず)からノズル8、ノズル9と対向電極7の間にミストを発生させるための電圧が印加されている。
支持体1上には、ノズル8とノズル9からそれぞれ、導電材料液からなる導電材料ミスト5と絶縁材料液からなる絶縁材料ミスト6が吐出され、堆積して材料薄膜20が形成される。
この装置ではノズル8及びノズル9と基板の間の距離を調整することができ、距離が近い場合は、ミスト液滴径が大きく、距離を離すことで液滴径を小さく調整可能である。
図3は、本発明の成膜装置の他の一例として、超音波ミスト法を用いた装置構成である。超音波チャンバ10、11内には、超音波振動子(図示せず)が設けられている。
この超音波チャンバ10に導電材料液を、また超音波チャンバ11に絶縁材料液をセットし、各チャンバに設置された超音波振動子により各チャンバ内の導電材料液および絶縁材料液がミスト液滴化し、搬送エアを送り込むことで、導電材料ミスト供給ヘッド12、及び絶縁材料ミスト供給ヘッド13から、それぞれのミスト液滴が支持体1上に搬送され、堆積して材料薄膜20が形成されることになる。
図3では、2つのミスト供給ヘッドから基板上に個別にコーティングしている図になっ
ているが、ミスト供給時に合流させ、ひとつのヘッドでホスト原料液とゲスト原料液の混合エアロゾルを基板上に供給してもよい(図示せず)。材料液ミスト供給経路には、乾燥装置を導入しミスト液滴の溶媒量を調整してもよい。
<材料の混合について>
本発明の実施形態において、導電材料、絶縁材料は別々に溶媒に溶解または分散した材料液をミスト液滴化し、搬送する気相経路中でこれらを混合する。その際、搬送時に液滴から溶媒成分を減少させる調整を加え、溶媒分を最適化することで、積層時に導電材料、絶縁材料の相分離構造を起こしにくいコートが可能となる。
<溶媒について>
本発明の実施形態において、導電材料、絶縁材料を分散または溶解させる溶媒については、必ずしも同じ溶媒である必要がない。
<材料混合比率の調整>
本発明の実施形態において、材料混合比率の調整方法については、材料液の濃度で調整する方法とミスト液滴量で調整する方法がある。
<材料混合比率の調整(原料液の濃度調整)>
本発明の実施形態において、材料混合比率の調整方法である材料液の濃度で調整する方法については、例えば、材料A、Bの2種類の原料液の濃度がそれぞれ1wt%、2wt%とすると、それぞれ1gずつミスト液滴化して気相中で混合してできた混合膜の重量混合比率は材料A:材料B=1:2となる。
<材料混合比率の調整(ミスト液滴量の調整)>
本発明の実施形態において、材料混合比率の調整方法である原料液のミスト液滴量で調整する方法については、例えば、材料C、Dの2種類の原料液の濃度がいずれも1wt%の場合、材料Cの原料液を1gと材料Dの原料液を2gとし、それぞれをミスト液滴化して気相中で混合してできた混合膜の重量混合比率は材料C:材料D=1:2となる。
<材料混合比率の調整(複合の調整方法)>
前記の材料液の濃度で調整する方法とミスト液滴量で調整する方法を複合する場合、原料液の濃度比率とミスト液滴量比率を掛け合わせたものが最終的な混合比率となる。例えば、材料E、Fの2種類の原料液の濃度がそれぞれ1wt%、2wt%の場合、材料Eを1gと材料F2gをミスト液滴化して気相中で混合してできた混合膜の重量混合比率は材料E:材料F=1:4となる。
<材料混合種の調整(膜内分布の調整方法)>
混合膜の膜厚方向または成膜面内分布の材料種を任意に連続的に変化させた混合膜を作製する場合、成膜中において材料種を段階的に連続的に変化させることで作製することができる。その際、材料種ごとに複数のノズルを準備しても良いし、ノズルへの材料供給を切り替えても良い。
<乾燥>
最後に、加熱乾燥することで膜から余分な溶媒を蒸発させることで、材料純度が高い薄膜が形成される。
<評価>
混合膜の評価としては、従来一般的に行われる膜状物に適用される評価方法が適用できる。例えば、次のようなものが例示できる。
(混合膜の混合比率評価)
混合膜の混合比率は、集束イオンビーム加工装置を用いて断面を出した後、EPMA(電子線マイクロアナライザ)による元素マッピングを行い、面積から算出することが可能である。また、既知の材料密度を用いて計算することで、重量比率を見積もることも可能である。具体的には、EPMAの測定結果をカラーマップと呼ばれているもので指定した面内に於いて、各元素が色相で表され、その色相の面積比率を算出する。
混合膜に関してその他の評価として、化学的(例:物質の結合状態、物質との反応性)、電磁気的(例:誘電率、導電性、抵抗)、強度(例:引張り強度、硬さ、屈曲:繰返し応力耐性(例:曲げ、圧力の変化))、光学的(例:反射率、吸収率、波長選択性、屈折率、光学純度、色)、耐候性(例:温度、湿度)、耐光性、その他の性質(例:親水性、撥水性、接触角、溶解度、蒸気圧、分解・溶融温度、接(粘)着力、粘性、弾性)などが挙げられる。
以下に本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
ミスト発生部を2箇所持つ超音波方式のミストコート装置において、第一のミスト発生部のコート材料として、PEDOT/PSS(SV−3、ヘレウス社)を純水にて希釈し、重量比で2wt%とした。次に、第二のミスト発生部のコート材料として、ナノ銀(SW1000、バンドー化学)を純水にて希釈し2wt%とした。
なお、上記PEDOT/PSSはポリチオフェン系高分子であり、その抵抗値は(1.0×10Ω/□)に調製したものを用いた。
第一と第二のミスト発生部の超音波振動子は、2.4MHz駆動の振動子(HM−2412、本多電子社製)を用いて、電圧24Vで駆動した。第一と第二のミスト発生部で発生したミスト液滴を0.8kg/cmの空気により搬送し、搬送経路途中で合流させて、0.7mm厚のガラス基材(EGLE−XG、コーニング社)に搬送して、ミスト液滴を3分間堆積させ、膜厚300nmのPEDOT/PSSとナノ銀の混合膜を得た。
(実施例2)
コート材料として、PEDOT/PSSを4wt%、ナノ銀を2wt%として用いた他は実施例1と同様にコートし、膜厚300nmのPEDOT/PSSとナノ銀の混合膜を得た。
(実施例3)
コート材料として、PEDOT/PSSを1wt%、ナノ銀を2wt%として用いた他は実施例1と同様にコートし、膜厚300nmのPEDOT/PSSとナノ銀の混合膜を得た。
材料の混合比を変えた実施例1で得られた混合膜の表面抵抗を四探針抵抗測定装置(MCP−T610、三菱ケミカル)で測定した。混合膜の混合比率は、日立ハイテクノロジーズ社製の集束イオンビーム加工装置(NB5000)を用いて断面を出した後、EPMAによる元素マッピングを行い、面積から算出し、既知の材料密度を用いて計算することで重量比率を算出した。また、元素マッピングで銀ナノ粒子の凝集有無を確認した。
下記の表1に、実施例1の表面観察での表面性および1μm中の混合比率、表面抵抗
値、凝集の結果を示す。
Figure 2021077779
上記表1の結果より、実施例1では、1μm中の混合比率が1:1の表面性の良い薄膜が得られており、表面抵抗値も低く、凝集も見られない、良好な特性を持つ薄膜が得られた。
図4に、薄膜表面を観察したSEM写真を示す。(a)はナノ銀の単独膜の表面、(b)はPEDOT単独膜の表面を示し、(c)は実施例1で得られたナノ銀/PEDOT混合膜の表面である。(a)ではナノ銀の粒子が凝集している様子が見られるが、(c)の混合膜では粒子が凝集することなく、均一な膜と認められた。
さらに、図5に顕微鏡撮影による上記薄膜の表面観察写真を示す。
ナノ銀の単独膜は不透明で、PEDOT単独膜は透明、そしてナノ銀/PEDOT混合膜も透明であると認められた。
表2に、実施例1〜3で材料混合比を変えた表面抵抗値の評価結果と、図5で示した光透過性の評価結果を示す。
Figure 2021077779
上記表2の結果より、実施例1〜3では、材料混合比率を変えることで表面抵抗値および光透過性の異なる薄膜が得られた。材料混合比率において、ナノ銀の比率が大きくなるほど表面抵抗値が小さく導電性が上がるのに対し、光透過性は低下して不透明になっていくことがわかる。
1 支持体
2 絶縁基材
3 導電回路パターン
4 抵抗体
5 導電材料ミスト
6 絶縁材料ミスト
7 コンデンサおよびインダクタ
8 ノズル
9 ノズル
10 超音波チャンバ
11 超音波チャンバ
12 導電材料ミスト供給ヘッド
13 絶縁材料ミスト供給ヘッド
20 材料薄膜

Claims (7)

  1. フレキシブル性を有する薄膜回路であって、
    少なくとも導電回路パターンと抵抗体とを含み、
    前記導電回路パターンと前記抵抗体とは、1種の導電材料と1種の絶縁材料をそれぞれ異なる混合比率で混合した混合膜からなる、ことを特徴とするフレキシブル薄膜回路。
  2. 前記抵抗体が複数の抵抗体からなり、少なくとも2種類以上の抵抗値を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル薄膜回路。
  3. 前記複数の抵抗体が、長さおよび断面積が等しく、かつ抵抗値が異なる抵抗体である、ことを特徴とする請求項2に記載のフレキシブル薄膜回路。
  4. さらにコンデンサとインダクタを含み、
    前記コンデンサとインダクタとは、前記1種の導電材料と前記1種の絶縁材料をそれぞれ異なる混合比率で混合した混合膜からなる、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフレキシブル薄膜回路。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のフレキシブル薄膜回路を支持体上に積層してなる、回路基板。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のフレキシブル薄膜回路の製造方法であって、
    前記導電材料を含む原料液と、前記絶縁材料を含む原料液とをそれぞれミスト液滴化するミスト液滴化工程と、
    前記ミスト液滴を気相混合して混合ミストを生成する混合ミスト工程と、
    前記混合ミストを支持体上に搬送し、堆積させて混合膜を形成する混合膜形成工程と、
    を少なくとも備えることを特徴とするフレキシブル薄膜回路の製造方法。
  7. 前記混合ミスト工程において、異なる割合で気相混合して混合ミストを生成することにより、異なる抵抗値を有する混合膜を形成する、
    ことを特徴とする請求項6に記載のフレキシブル薄膜回路の製造方法。
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