JP2021076337A - 空気調和装置及び空気調和システム - Google Patents

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Taketo Sakai
岳人 酒井
山本 昌由
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Abstract

【課題】冷媒遮断弁などの安全対策に高額な費用をかける必要のない空気調和装置を提供する【解決手段】空気調和装置10は、冷媒回路と、それを収容する1つの筐体とを備える。室内空間の床面積を、A(m2)、室内空間の床面から吸込口、吹出口までの高さを、H0(m)、冷媒回路に充填される冷媒の充填量を、M(kg)、冷媒の燃焼下限濃度を、LFL(kg/m3)、としたときに、冷媒の充填量M(kg)は、式1:M<LFL×A×H0を満たす。【選択図】図1

Description

空気調和装置及びそれを備える空気調和システムに関する。
特許文献1(特開2017−9267号公報)に、冷媒遮断弁を備える空気調和システム、が開示されている。特許文献1の図8〜図10に示される空気調和システムは、複数の室内ユニットが1つの室外ユニットに接続される所謂マルチタイプの空気調和システムである。冷媒遮断弁は、冷媒の漏洩が検知された際に閉止される部品であって、各室内ユニットに対応して設けられている。
上記の、燃焼性を持つ冷媒を使用する所謂マルチタイプの空気調和システムでは、いずれかの室内ユニットで冷媒漏洩が生じた際に室外ユニットや他の室内ユニット内の冷媒までが室内に漏洩してしまうことを防止する目的で、冷媒遮断弁を設けることが多い。
しかし、全ての室内ユニットに冷媒遮断弁の設置などの安全対策を施す場合、高額な費用が必要となる。
第1観点の一体型の空気調和装置は、冷媒回路と、1つの筐体とを備える。冷媒回路は、圧縮機、放熱器、膨張弁および蒸発器を有している。大気圧において空気よりも密度が大きい可燃性の冷媒が、冷媒回路を循環する。筐体は、建物の内部に配置され、冷媒回路を収容する。筐体は、露出面を有している。露出面の一部は、建物の室内空間に露出している。露出面には、室内の空気を吸い込む吸込口と、その吸込口から吸い込まれた空気を室内空間に吹き出す吹出口と、が形成されている。
室内空間の床面積を、A(m)、
室内空間の床面から吸込口までの高さ及び室内空間の床面から吹出口までの高さのうち、小さいほうの高さを、H(m)、
冷媒回路に充填される冷媒の充填量を、M(kg)、
冷媒の燃焼下限濃度を、LFL(kg/m)、
としたときに、冷媒の充填量M(kg)は、
式1:M<LFL×A×H
を満たす。
第1観点の空気調和装置では、1つの筐体に冷媒回路を全て収容し、冷媒回路に充填する冷媒の量(充填量M)が上記の式1を満たすように構成することで、冷媒遮断弁などの安全対策に高額な費用をかける必要のない空気調和装置を実現している。このような、冷媒の充填量を小さく抑えた一体型の空気調和装置を、建物の内部の大きさに応じて1又は複数用いることによって、建物の内部の快適性を確保することができる。
第2観点の空気調和装置は、第1観点の空気調和装置であって、筐体は、建物の天井裏の空間に配置される。天井裏の空間は、建物の室内空間の上に位置する空間である。
ここでは、建物内において室内空間以外で比較的広い空間である天井裏の空間に、一体型の空気調和装置の筐体を配置している。このため、式1におけるH(m)を大きくすることができる。それゆえ、1又は複数の空気調和装置それぞれに充填する冷媒量を、式1を満たす範囲内で増やすことができる。すなわち、1又は複数の空気調和装置それぞれの能力を大きくすることが可能である。また、天井裏の空間を使えば、複数の一体型の空気調和装置を配置することも容易である。
第3観点の空気調和システムは、第1〜第N(Nは、2以上の整数)空気調和装置を備えている。第1〜第N空気調和装置は、それぞれ、上記の第1観点又は第2観点の一体型の空気調和装置である。第3観点の空気調和システムは、第1〜第N空気調和装置によって、室内空間を空気調和する。
第1〜第N空気調和装置それぞれに充填される冷媒の充填量のうち、最大の量を、Mmax(kg)、
第1〜第N空気調和装置それぞれに充填される冷媒の充填量の合計量を、ΣM(kg)、
室内空間の床面積を、A(m)、
室内空間の床面から吸込口までの高さ及び室内空間の床面から吹出口までの高さのうち、小さいほうの高さを、H(m)、
冷媒の燃焼下限濃度を、LFL(kg/m)、
としたときに、冷媒の充填量の合計量ΣM(kg)が、
式2:LFL×A×H<ΣM
式3:Mmax<LFL×A×H
を満たす。
第3観点の空気調和システムでは、複数の空気調和装置(第1〜第N空気調和装置)を備えており、それぞれの冷媒の充填量を小さく抑える一方で、全体としての能力を高くすることができる。特に、各空気調和装置の冷媒の充填量の合計量ΣMが(LFL×A×H)という冷媒の燃焼下限を超えることを許容することで、室内空間の快適性を向上させている。一方、室内空間に対し、一体型の複数の空気調和装置を配備し、各空気調和装置のうち最も冷媒の充填量が多い空気調和装置の充填量Mmax(kg)が式3を満たすようにしているため、いずれか1つの空気調和装置で冷媒漏洩が生じても室内空間において冷媒の燃焼が起こらない。このように、第3観点の空気調和システムでは、室内空間の安全性を保ちつつ、室内空間の快適性を向上させている。
第4観点の空気調和システムは、第3観点のシステムであって、第1〜第N空気調和装置の制御を行う制御部をさらに備えている。制御部は、第1〜第N空気調和装置それぞれの運転状態及び停止状態を、個別に切り換える。
ここでは、室内空間の快適性を、きめ細かく調整することができる。
第5観点の空気調和システムは、第4観点のシステムであって、制御部は、第1〜第N空気調和装置それぞれの冷房運転状態及び暖房運転状態を、個別に切り換える。
ここでは、室内空間の各場所における空気温度に関する要求を満足させることができる。
第6観点の空気調和システムは、第4観点又は第5観点のシステムであって、第1〜第N空気調和装置それぞれは、吸い込む空気の温度を測る温度センサを有している。制御部は、第1〜第N空気調和装置それぞれの冷房運転あるいは暖房運転における設定温度を、個別に設定する。また、制御部は、第1〜第N空気調和装置それぞれの温度センサの測定値と、第1〜第N空気調和装置それぞれの設定温度とに基づいて、第1〜第N空気調和装置それぞれを、個別に、一時的に第1運転停止状態にする。
ここでは、所謂サーモオフの制御を、それぞれの空気調和装置で行っている。これにより、室内空間の各場所における空気温度を、さらに設定温度に近づけることができる。
第7観点の空気調和システムは、第3観点から第6観点のいずれかのシステムであって、第1〜第N空気調和装置それぞれは、
冷房運転において、建物の室内空間の上に位置する天井裏の空間に、冷媒から熱を奪った空気を放出する、
及び/又は、
暖房運転において、建物の室内空間の上に位置する天井裏の空間に、冷媒に熱を奪われた空気を放出する。
ここでは、複数の空気調和装置(第1〜第N空気調和装置)が、天井裏の空間を共有し、天井裏の空間の空気に不要な熱を放ったり、天井裏の空間の空気から暖房に必要な熱を奪ったりする。これにより、各空気調和装置に対してダクトなどの付属設備を付ける必要がなくなる。
建物の1階の室内空間を3台の空気調和装置によって空気調和する空気調和システムの構成を示す図。 空気調和装置の概念図。 空気調和システムの制御、管理ブロック図。
(1)全体構成
図1に、建物80内に設置される空気調和システム100を示す。空気調和システム100は、建物80の1階の室内空間S1を、3台の空気調和装置10(第1空気調和装置10A、第2空気調和装置10B、第3空気調和装置10C)によって冷房あるいは暖房するシステムである。建物80の2階以上の各室内空間に対しても、空気調和システム100と同様のシステムが配備されているが、ここでは、1階の室内空間S1に対して設置されている空気調和システム100について説明を行う。
空気調和システム100は、主として、3台の空気調和装置10と、それらを管理、制御する管理ユニット90とを備えている。図1に示すように、各空気調和装置10は、1階の天井裏の空間CS1に配備されている。管理ユニット90は、1階の室内空間S1の側壁に固定されている。
空気調和装置10は、冷媒として、微燃性の冷媒であるR32を使用している。R32は、米国ANSI/ASHRAE34-2013規格に従い「2Lクラス」と判断される冷媒である。R32が室内空間S1に漏洩して室内の冷媒濃度が高くなると、冷媒の有する可燃性から、燃焼事故が発生するおそれがある。この燃焼事故を防止することが要求されている。
(2)詳細構成
(2−1)空気調和装置
図1に示す、第1空気調和装置10A、第2空気調和装置10B及び第3空気調和装置10Cは、基本的に同じ構成である。したがって、図2では、これらの構成を空気調和装置10として説明する。図2では、図の左側が上、図の右側が下となっており、天井85を挟んで、右側が室内空間S1、左側が天井裏の空間CS1である。
なお、構成は同じであるが、第1空気調和装置10Aは3馬力、第2空気調和装置10B及び第3空気調和装置10Cは2馬力の装置である。言い換えると、第1空気調和装置10Aの容量は、第2空気調和装置10B及び第3空気調和装置10Cそれぞれの容量より大きい。このため、第1空気調和装置10Aの冷媒回路20に充填されている冷媒の量は、第2空気調和装置10B及び第3空気調和装置10Cそれぞれの冷媒回路20に充填されている冷媒の量よりも多い。
空気調和装置10は、図2に示すように、冷媒回路20と、1つの筐体40とを備えている。冷媒回路20は、主として、圧縮機21と、放熱器あるいは蒸発器として機能する熱源熱交換器22と、膨張弁23と、蒸発器あるいは放熱器として機能する利用熱交換器24と、四路切換弁25とを有している。この冷媒回路20には、上述の冷媒R32が充填されている、R32は、大気圧において空気よりも密度が大きい、可燃性の冷媒である。
筐体40は、建物80内の天井裏の空間CS1において、図示しない梁から吊り下げられる形で固定、配置されている。筐体40は、冷媒回路20の全てを収容している。また、筐体40は、室内空間S1に露出する露出面41を有している。露出面41には、室内空間S1の空気を吸い込む吸込口41aと、その吸込口41aから吸い込まれた空気を室内空間S1に吹き出す吹出口41bと、が形成されている。筐体40内における空気の流れは、給気ファン31及び排気ファン32によって生成される。給気ファン31が作動すると、室内空間S1から吸込口41a、給気ファン31、利用熱交換器24、吹出口41bを順に流れ、再び室内空間S1に戻る空気の流れF1が生成される。一方、排気ファン32が作動すると、天井裏の空間CS1から排気ファン32、熱源熱交換器22と順に流れ、再び天井裏の空間CS1に戻る空気の流れF2が生成される(図2参照)。
空気調和装置10は、図3に示すように、さらに温度センサ92を有している。温度センサ92は、筐体40内に吸い込む室内空間S1の空気の温度を測る機器である。
(2−2)管理ユニット
3台の空気調和装置10を管理、制御する管理ユニット90は、図3に示すように、各空気調和装置10の装置制御部11と信号線によって接続され、それぞれの空気調和装置10を個別に管理、制御する。
管理ユニット90は、主として、システム制御部91と、タッチパネル96とを備えている。
システム制御部91は、コンピュータにより実現されるものである。システム制御部91は、制御演算装置や記憶装置を備える。制御演算装置には、CPU又はGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理や演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。この管理ユニット90のシステム制御部91と、各空気調和装置10の装置制御部11とが協働して、空気調和システム100の制御部を構成する。
タッチパネル96は、表示機能及び入力機能を併せ持つ画面を有するデバイスであり、画面上の表示を押すことで空気調和装置10に関する指示等を行うことができる。
管理ユニット90のシステム制御部91は、それぞれの装置制御部11に対して指示コマンドを送ることができる。システム制御部91は、第1〜第3空気調和装置10A,10B,10Cそれぞれの運転状態及び停止状態を、個別に切り換える。また、システム制御部91は、第1〜第3空気調和装置10A,10B,10Cそれぞれの冷房運転状態及び暖房運転状態を、個別に切り換える。
また、管理ユニット90のシステム制御部91は、第1〜第3空気調和装置10A,10B,10Cそれぞれの冷房運転あるいは暖房運転における設定温度を、個別に設定する。具体的には、タッチパネル96からユーザーに設定温度の入力をさせる。そして、システム制御部91から第1〜第3空気調和装置10A,10B,10Cそれぞれの装置制御部11に設定温度の情報が送られると、各装置制御部11は、温度センサ92の測定値と設定温度とに基づいて、測定値が所定の設定温度近傍の範囲に維持されるように、必要に応じて圧縮機21などを一時的に止める。言い換えると、システム制御部91及び各装置制御部11から成る空気調和システム100の制御部は、第1〜第3空気調和装置10A,10B,10Cそれぞれを、個別に、一時的に第1運転停止状態にする。システム制御部91及び各装置制御部11から成る空気調和システム100の制御部が行う、第1〜第3空気調和装置10A,10B,10Cそれぞれを、個別に、一時的に第1運転停止状態とする制御は、所謂サーモオフの制御のことである。サーモオフの制御とは、温度センサ92の測定値が設定温度(正確には、設定温度から0.5℃あるいは1.0℃ずらした温度)になった場合に、圧縮機21および排気ファン32の運転を停止して、給気ファン31を最低回転数で駆動させる運転のことを言う。
(3)動作
上述のように、3台の空気調和装置10(第1空気調和装置10A、第2空気調和装置10B、第3空気調和装置10C)は、建物80の1階の室内空間S1を冷房あるいは暖房する。
冷房運転時には、四路切換弁25が図2に示す実線の状態に切り換えられる。各空気調和装置10の圧縮機21から高温高圧の冷媒が吐出され、熱源熱交換器22において凝縮する。熱源熱交換器22の内部を流れる冷媒は、排気ファン32の作動によって熱源熱交換器22の周囲を流れる空気(図2の空気の流れF2を参照)との間で、熱交換を行う。熱源熱交換器22を経て液状態となった冷媒は、膨張弁23において膨張する。膨張弁23によって減圧された低温低圧の二相状態の冷媒は、利用熱交換器24において蒸発する。利用熱交換器24の内部を流れる冷媒は、給気ファン31の作動によって利用熱交換器24の周囲を流れる空気(図2の空気の流れF1を参照)との間で、熱交換を行う。これにより、室内空間S1から取り込まれ吹出口41bから室内空間S1に吹き出される空気が冷却され、室内空間S1が冷房される。利用熱交換器24を経てガス状態となった冷媒は、圧縮機21に吸入され、圧縮機21において圧縮され、再び熱源熱交換器22に向けて吐出される。
なお、上述のとおり、冷房運転において、空気調和装置10は、天井裏の空間CS1に、熱源熱交換器22で冷媒から熱を奪った空気を放出する(図2の点線の空気の流れF2を参照)。
暖房運転時には、四路切換弁25が図2に示す点線の状態に切り換えられる。各空気調和装置10の圧縮機21から高温高圧の冷媒が吐出され、利用熱交換器24において凝縮する。利用熱交換器24の内部を流れる冷媒はと、給気ファン31の作動によって利用熱交換器24の周囲を流れる空気(図2の空気の流れF1を参照)との間で、熱交換を行う。これにより、室内空間S1から取り込まれ吹出口41bから室内空間S1に吹き出される空気が加熱され、室内空間S1が暖房される。利用熱交換器24で放熱・凝縮し、液状態となった冷媒は、膨張弁23において膨張する。膨張弁23によって減圧された低温低圧の二相状態の冷媒は、熱源熱交換器22において蒸発する。熱源熱交換器22の内部を流れる冷媒は、排気ファン32の作動によって熱源熱交換器22の周囲を流れる空気(図2の空気の流れF2を参照)との間で、熱交換を行う。熱源熱交換器22を経てガス状態となった冷媒は、圧縮機21に吸入され、圧縮機21において圧縮され、再び利用熱交換器24に向けて吐出される。
なお、上述のとおり、暖房運転において、空気調和装置10は、天井裏の空間CS1に、熱源熱交換器22で冷媒に熱を奪われた空気を放出する(図2の点線の空気の流れF2を参照)。
(4)各空気調和装置に充填される微燃性冷媒R32の充填量
(4−1)
上述のように、空気調和装置10の冷媒回路20には微燃性の冷媒が充填されているため、空気調和装置10からの冷媒漏洩が生じたときにも室内空間S1において燃焼事故が起こらないように対策する必要がある。
いずれかの空気調和装置10の冷媒回路20から室内空間S1に冷媒が漏洩した場合にも、燃焼事故が発生しないように、ここでは、ISO817で定められたLFL(Lower Flammability Limit;燃焼下限界または燃焼下限濃度)を使って、空気調和装置10の冷媒の充填量を決めている。LFLは、冷媒と空気を均一に混合させた状態で火炎を伝播することが可能な冷媒の最小濃度である。LFLは、冷媒毎に決まる値である。R32、R1234yf、R1234ze(E)など、それぞれの冷媒のLFLは、別々の固有の値になっている。
冷媒漏洩時の冷媒が滞留することになる室内空間S1の床面積を、A(m)、
室内空間S1の床面86から空気調和装置10の吸込口41aまでの高さ、及び、室内空間S1の床面86から空気調和装置10の吹出口41bまでの高さのうち、小さいほうの高さを、H(m)、
冷媒回路20に充填される冷媒の充填量を、M(kg)、
冷媒の燃焼下限濃度を、LFL(kg/m)、
としたときに、冷媒の充填量M(kg)は、
式1:M<(1/SF)×LFL×A×H
を満たす。
ここで、図2に示すように、空気調和装置10の吸込口41aも吹出口41bも室内空間S1の天井85の高さ位置と同じであるため、H(m)は、図1に示すように室内空間S1の床面86から天井85までの高さ距離になっている。室内空間S1の床面積A(m)は、図1に示す床面86の面積である。
式1のSFは、安全率である。この安全率SFとして、1、4、6などを選択することができる。ここでは、SF=1を選択する。
以上のように、3台の空気調和装置10(第1空気調和装置10A、第2空気調和装置10B、第3空気調和装置10C)それぞれの冷媒回路20に充填する冷媒の量M(kg)が決められている。それぞれの冷媒回路20に充填される冷媒の充填量M(kg)は、式1を満たすため、いずれかの空気調和装置10から充填されている全ての冷媒が漏洩したとしても、室内空間S1の冷媒濃度がLFLを超えることはない。このため、空気調和システム100では、空気調和装置10にも室内空間S1にも、冷媒漏洩検知センサを設置していない。
(4−2)
それぞれの空気調和装置10の冷媒の充填量M(kg)は、上記のとおり決定されている。一方、3台の空気調和装置10それぞれの冷媒の充填量M(kg)の合計量ΣM(kg)については、空気調和システム100では、以下の式2を満たすように決めている。
式2:(1/SF)×LFL×A×H<ΣM
また、第1〜第3空気調和装置10A,10B,10Cそれぞれに充填される冷媒の充填量のうち、最大の量を、Mmax(kg)、としたときに、
式3:Mmax<(1/SF)×LFL×A×H
を満たすようにしている。
上述の式1と同じく、SFは、安全率であり、SF=1を選択している。
ここでは、第2空気調和装置10B及び第3空気調和装置10Cそれぞれの冷媒回路20に充填されている冷媒の量よりも、第1空気調和装置10Aの冷媒回路20に充填されている冷媒の量が多いため、Mmax(kg)は、第1空気調和装置10Aの冷媒回路20に充填されている冷媒の量である。
言い換えると、第1空気調和装置10Aの冷媒回路20、あるいは、それよりも冷媒の充填量が少ない第2空気調和装置10B又は第3空気調和装置10Cの冷媒回路20から冷媒が漏洩しても、1つの空気調和装置10からだけ冷媒が漏洩している限り、室内空間S1の冷媒濃度がLFLを超えることはない。
一方、2つ、あるいは、3つの空気調和装置10から仮に同時に冷媒漏洩が生じた場合には、室内空間S1の冷媒濃度がLFLを超えてしまう。しかし、ここでは3つの空気調和装置10それぞれは別体であり、それぞれ独立しているため、いずれかの空気調和装置10が冷媒漏洩を起こしたとしても、それが他の空気調和装置10に影響を与えることはなく、実際には、室内空間S1の冷媒濃度がLFLを超えることはない。
(5)特徴
(5−1)
上記の実施形態の空気調和装置10では、1つの筐体40に冷媒回路20を全て収容し、冷媒回路20に充填する冷媒の量(充填量M)が上記の式1を満たすように構成することで、冷媒遮断弁などの安全対策に高額な費用をかける必要のない空気調和装置を実現している。このような、冷媒の充填量Mを小さく抑えた一体型の空気調和装置10を、建物80の内部の室内空間の大きさに応じて1又は複数(ここでは3台)用いることによって、建物80の内部の快適性を確保することができている。
なお、上記実施形態では、安全率SF=1を選択したが、安全率SF=4を選択すると
式11:M<(1/4)×LFL×A×H
を満たすように充填量Mを決めることになり、安全率SF=6を選択すると
式12:M<(1/6)×LFL×A×H
を満たすように充填量Mを決めることになる。安全率を加味する場合、安全率を加味した充填量Mとするのが好ましい。
(5−2)
上記の実施形態の空気調和装置10では、建物80内において室内空間S1以外で比較的広い空間である天井裏の空間CS1に、一体型の空気調和装置10の筐体40を配置している。このため、式1におけるH(m)を大きくすることができる。それゆえ、1又は複数の空気調和装置それぞれに充填する冷媒量を、式1を満たす範囲内で多くすることができる。このため、3台の空気調和装置10それぞれの能力を大きくすることができている。
(5−3)
上記の実施形態の空気調和システム100では、複数の空気調和装置10(第1〜第3空気調和装置10A,10B,10C)を備えており、それぞれの冷媒の充填量Mを小さく抑える一方で、システム全体としての能力を高くすることができている。特に、各空気調和装置10の冷媒の充填量の合計量ΣMが(LFL×A×H/SF)という冷媒の燃焼下限の量を超えることを許容することで、室内空間S1の快適性を向上させている。
一方、室内空間S1に対し、一体型の複数の空気調和装置10を配備し、各空気調和装置10のうち最も冷媒の充填量が多い第1空気調和装置10Aの充填量Mmax(kg)が上記の式3を満たすようにしているため、いずれか1つの空気調和装置10で冷媒漏洩が生じても室内空間S1において冷媒の燃焼が起こらない。このように、上記の空気調和システム100では、室内空間S1の安全性を保ちつつ、室内空間S1の快適性を向上させている。
(5−4)
上記の実施形態の空気調和システム100では、3台の空気調和装置10(第1〜第3空気調和装置10A,10B,10C)が、天井裏の空間CS1を共有し、天井裏の空間CS1の空気に不要な熱を放ったり、天井裏の空間CS1の空気から暖房に必要な熱を奪ったりする。これにより、各空気調和装置10に対してダクトなどの付属設備を付ける必要がなくなっている。
(6)変形例
(6−1)変形例1A
上記の実施形態の空気調和システム100では、冷房運転と暖房運転とを切り換えることができる空気調和装置10を採用しているが、室内空間S1に対して、冷房運転及び暖房運転のいずれか一方だけを行う空気調和装置を設置してもよい。
(6−2)変形例1B
上記の実施形態の空気調和装置10では、冷媒回路20に、冷媒として、R32を充填している。しかし、上記の一体型の空気調和装置10を利用した技術は、燃焼性を有する他の冷媒が冷媒回路20に充填されている場合にも有効である。いわゆる微燃性を有する冷媒である、R32、R1234yf、R1234ze若しくはR744の単一冷媒または該冷媒を含む混合冷媒が充填されている場合にも、上記の技術は有効である。なお、上記R32はジフルオロメタン(HFC−32)であり、R1234yfは2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(HFO−1234yf)であり、R1234zeは1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(HFO−1234ze)であり、R744は二酸化炭素である。
また、冷媒回路20に充填され冷媒回路20を流れる冷媒として、微燃性の冷媒のほか、弱燃性の冷媒あるいは強燃性の冷媒も想定される。微燃性の冷媒は、米国ANSI/ASHRAE34-2013規格に従い「2Lクラス」と判断される冷媒である。弱燃性の冷媒は、米国ANSI/ASHRAE34-2013規格に従い「2クラス」と判断される冷媒である。強燃性の冷媒は、米国ANSI/ASHRAE34-2013規格に従い「3クラス」と判断される冷媒である。
ここで、米国ANSI/ASHRAE34-2013規格は、可燃性ガスの評価基準に関する米国の規格である。世界各国で化学物質の規制が為されており、規制される内容の一つに化学物質の燃焼性が挙げられる。各国で規格を設け、各々の評価基準のもと、気体においては可燃性ガスかどうかの分類が行われている。日本の高圧ガス保安法では、可燃性ガスの判断基準として、爆発限界の値が用いられている。可燃性ガスの評価基準は、米国の規格ではASHRAE34、DOT、欧州の規格ではEN378-1、CLP規制、国際的な規格ではGHS、ISO10156が挙げられる。米国ANSI/ASHRAE34-2013規格に相当する欧州の規格は、例えば、DIN EN378-1(2008)である。ここでも、米国ANSI/ASHRAE34-2013規格と同様の「Class3:強燃性」、「Class2:弱燃性」、「Class2L:微燃性」が規定されている。また、ISO/FDIS(Final Draft International Standard)817(2013)においても、同様の「Class3:強燃性」、「Class2:弱燃性」、「Subclass2L:微燃性」が規定されている。
(6−3)変形例1C
上記の実施形態の空気調和システム100では、3台の空気調和装置10によって室内空間S1を空気調和しているが、言うまでもなく、4台以上の空気調和装置によって対象空間を空気調和してもよい。
(6−4)変形例1D
上記の実施形態の空気調和システム100では、3台の空気調和装置10の筐体40を、建物80内の天井裏の空間CS1に固定、配置する形式のものを例示して説明したが、筐体の背面が室内と室外を区切る壁に対向して配置される床置き型の空気調和装置、いわゆるウォールスルー型の空気調和装置であってもよい。
(6−5)
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
10(10A,10B,10C) 空気調和装置
11 装置制御部(制御部)
20 冷媒回路
21 圧縮機
22 熱源熱交換器(放熱器あるいは蒸発器)
23 膨張弁
24 利用熱交換器(蒸発器あるいは放熱器)
40 筐体
41 露出面
41a 吸込口
41b 吹出口
80 建物
85 天井
86 床面
90 管理ユニット
91 システム制御部(制御部)
100 空気調和システム
S1 室内空間
CS1 天井裏の空間
特開2017−9267号公報

Claims (7)

  1. 圧縮機(21)、放熱器(22)、膨張弁(23)および蒸発器(24)を有し、大気圧において空気よりも密度が大きい可燃性の冷媒が循環する冷媒回路(20)と、
    建物(80)の内部に配置され、前記冷媒回路を収容する、1つの筐体(40)と、
    を備える、一体型の空気調和装置(10)であって、
    前記筐体は、その一部が前記建物の室内空間(S1)に露出している露出面(41)を有し、
    前記露出面には、室内の空気を吸い込む吸込口(41a)と、前記吸込口から吸い込まれた空気を前記室内空間に吹き出す吹出口(41b)と、が形成され、
    前記室内空間の床面積を、A(m)、
    前記室内空間の床面(86)から前記吸込口までの高さ及び前記室内空間の床面から前記吹出口までの高さのうち、小さいほうの高さを、H(m)、
    前記冷媒回路に充填される前記冷媒の充填量を、M(kg)、
    前記冷媒の燃焼下限濃度を、LFL(kg/m)、
    としたときに、前記冷媒の充填量M(kg)が以下の式1を満たす、
    式1:M<LFL×A×H
    空気調和装置。
  2. 前記筐体(40)は、前記建物の前記室内空間(S1)の上に位置する天井裏の空間(CS1)、に配置される、
    請求項1に記載の空気調和装置。
  3. それぞれ、請求項1又は2に記載の空気調和装置である、第1〜第N(Nは、2以上の整数)空気調和装置(10A,10B,10C)、
    を備え、前記第1〜第N空気調和装置によって前記室内空間を空気調和する、空気調和システム(100)であって、
    前記第1〜第N空気調和装置それぞれに充填される前記冷媒の充填量のうち、最大の量を、Mmax(kg)、
    前記第1〜第N空気調和装置それぞれに充填される前記冷媒の充填量の合計量を、ΣM(kg)、
    前記室内空間の床面積を、A(m)、
    前記室内空間の床面から前記吸込口までの高さ及び前記室内空間の床面から前記吹出口までの高さのうち、小さいほうの高さを、H(m)、
    前記冷媒の燃焼下限濃度を、LFL(kg/m)、
    としたときに、前記冷媒の充填量の合計量ΣM(kg)が以下の式2及び式3を満たす、
    式2:LFL×A×H<ΣM
    式3:Mmax<LFL×A×H
    空気調和システム。
  4. 前記第1〜第N空気調和装置の制御を行う制御部(91,11)、
    をさらに備え、
    前記制御部は、前記第1〜第N空気調和装置それぞれの運転状態及び停止状態を、個別に切り換える、
    請求項3に記載の空気調和システム。
  5. 前記制御部は、前記第1〜第N空気調和装置それぞれの冷房運転状態及び暖房運転状態を、個別に切り換える、
    請求項4に記載の空気調和システム。
  6. 前記第1〜第N空気調和装置それぞれは、吸い込む空気の温度を測る温度センサを有し、
    前記制御部は、
    前記第1〜第N空気調和装置それぞれの冷房運転あるいは暖房運転における設定温度を、個別に設定し、
    前記第1〜第N空気調和装置それぞれの前記温度センサの測定値と、前記第1〜第N空気調和装置それぞれの前記設定温度とに基づいて、前記第1〜第N空気調和装置それぞれを、個別に、一時的に第1運転停止状態にする、
    請求項4又は5に記載の空気調和システム。
  7. 前記第1〜第N空気調和装置それぞれは、
    冷房運転において、前記建物の前記室内空間の上に位置する天井裏の空間(CS1)に、前記冷媒から熱を奪った空気を放出する、
    及び/又は、
    暖房運転において、前記建物の前記室内空間の上に位置する天井裏の空間(CS1)に、前記冷媒に熱を奪われた空気を放出する、
    請求項3から6のいずれかに記載の空気調和システム。
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