JP2021075827A - 食品包装用紙 - Google Patents
食品包装用紙 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021075827A JP2021075827A JP2019205341A JP2019205341A JP2021075827A JP 2021075827 A JP2021075827 A JP 2021075827A JP 2019205341 A JP2019205341 A JP 2019205341A JP 2019205341 A JP2019205341 A JP 2019205341A JP 2021075827 A JP2021075827 A JP 2021075827A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coating layer
- paper
- food packaging
- meth
- paper support
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Paper (AREA)
- Wrappers (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
【課題】ピンホールの発生が軽減され、耐水性、耐油性、ガスバリア性、及びヒートシール性を有する食品包装用紙を提供することである。【解決手段】課題は、紙支持体、前記紙支持体の片面に第一塗工層、紙支持体を基準として前記第一塗工層の外側に第二塗工層、及び紙支持体を基準として前記第二塗工層の外側に第三塗工層とを有し、前記第一塗工層がカオリン及びアクリル系樹脂を含有し、前記第二塗工層がポリビニルアルコールを含有し、前記第三塗工層がアクリル系樹脂を含有する食品包装用紙によって解決できる。【選択図】なし
Description
本発明は、食品の包装、食品を入れる袋又は食品を入れる容器などの食品包装材料であって、支持体が紙である食品包装用紙に関する。
食品の包装、食品を入れる袋又は食品を入れる容器などの食品包装材料は、プラスチックフィルムとの積層構造又は金属蒸着膜を有するフィルムがほとんどであった。一方、プラスチック製品の環境問題から、食品の劣化を抑制するために外部からの水蒸気及び酸素に対するガスバリア性を有する、紙支持体から成る食品包装材料が存在する。例えば、
優れた防湿性能、及び酸素バリア性能を併せ持ち、且つ古紙として再生可能なバリア性食品包装用紙として、紙支持体、防湿層、酸素バリア層を順次積層させて成るバリア性食品包装用紙であって、前記食品包装用紙の、JIS Z0208 B法による透湿度の値は40g/m2・24h・atm以下、及びJIS K7126 B法による酸素透過度の値は100cc/m2・24h・atm以下であり、かつ離解可能であるバリア性食品包装用紙(例えば、特許文献1参照)、水系塗料の塗工によって設けられた水蒸気バリア層及びガスバリア層を有する、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持つ紙製バリア包装材料として、紙基材上に顔料及び水蒸気バリア性樹脂を含有する水蒸気バリア層、水溶性高分子を含有するガスバリア層をこの順に設け、水蒸気バリア性樹脂がアクリル系合成樹脂である紙製バリア包装材料(例えば、特許文献2参照)、並びに、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持つ紙製バリア包装材料であって、少なくとも紙基材上に形成された顔料及びバインダー樹脂を含有する水蒸気バリア層、及び水蒸気バリア層上に形成されたバインダー樹脂を含有するガスバリア層を有し、水蒸気バリア層が含有する顔料とバインダー樹脂との配合比率が、顔料100重量部に対してバインダー樹脂30〜200重量部であり、ガスバリア層に含有するバインダー樹脂がポリビニルアルコールである紙製バリア包装材料(例えば、特許文献3参照)等が公知である。
優れた防湿性能、及び酸素バリア性能を併せ持ち、且つ古紙として再生可能なバリア性食品包装用紙として、紙支持体、防湿層、酸素バリア層を順次積層させて成るバリア性食品包装用紙であって、前記食品包装用紙の、JIS Z0208 B法による透湿度の値は40g/m2・24h・atm以下、及びJIS K7126 B法による酸素透過度の値は100cc/m2・24h・atm以下であり、かつ離解可能であるバリア性食品包装用紙(例えば、特許文献1参照)、水系塗料の塗工によって設けられた水蒸気バリア層及びガスバリア層を有する、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持つ紙製バリア包装材料として、紙基材上に顔料及び水蒸気バリア性樹脂を含有する水蒸気バリア層、水溶性高分子を含有するガスバリア層をこの順に設け、水蒸気バリア性樹脂がアクリル系合成樹脂である紙製バリア包装材料(例えば、特許文献2参照)、並びに、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持つ紙製バリア包装材料であって、少なくとも紙基材上に形成された顔料及びバインダー樹脂を含有する水蒸気バリア層、及び水蒸気バリア層上に形成されたバインダー樹脂を含有するガスバリア層を有し、水蒸気バリア層が含有する顔料とバインダー樹脂との配合比率が、顔料100重量部に対してバインダー樹脂30〜200重量部であり、ガスバリア層に含有するバインダー樹脂がポリビニルアルコールである紙製バリア包装材料(例えば、特許文献3参照)等が公知である。
食品の包装、食品を入れる袋又は食品を入れる容器などの食品包装用紙には、食品に由来する水分及び油分に対する耐水性及び耐油性が必要である。また食品包装用紙には、水蒸気、湿気又は酸素の透過を防ぎ食品を劣化から守るガスバリア性が必要である。また包装の形態によっては食品を入れてから封する必要があり、食品包装用紙には、ヒートシール適性が必要である。
さらに、紙支持体である食品包装用紙では、吸収性等の紙の特性によって紙支持体に設けた塗工層にピンホールが発生する。耐水耐油剤又はガスバリア剤を含有する塗工層を紙支持体に設けた場合、ピンホールの存在によって、耐水性、耐油性、ガスバリア性が十分に得られない。製造された食品包装用紙はピンホールが存在しない部分を使用しなければならず、結果、歩留りが悪くなる。
さらに、紙支持体である食品包装用紙では、吸収性等の紙の特性によって紙支持体に設けた塗工層にピンホールが発生する。耐水耐油剤又はガスバリア剤を含有する塗工層を紙支持体に設けた場合、ピンホールの存在によって、耐水性、耐油性、ガスバリア性が十分に得られない。製造された食品包装用紙はピンホールが存在しない部分を使用しなければならず、結果、歩留りが悪くなる。
本発明の目的は、耐水性、耐油性、ガスバリア性を有し、ヒートシール適性を備え、ピンホールの発生を軽減した食品包装用紙を提供することである。
本発明者は鋭意検討を行った結果、本発明の目的は以下によって達成される。
[1]紙支持体と、前記紙支持体の片面に第一塗工層と、紙支持体を基準として前記第一塗工層の外側に第二塗工層と、及び紙支持体を基準として前記第二塗工層の外側に第三塗工層とを有し、前記第一塗工層がカオリン及びアクリル系樹脂を含有し、前記第二塗工層がポリビニルアルコールを含有し、並びに前記第三塗工層がアクリル系樹脂を含有する食品包装用紙。
[2]前記第一塗工層において、片面あたり、カオリン100質量部に対してアクリル系樹脂が40質量部以上150質量部以下である前記[1]に記載の食品包装用紙。
[3]ISO5636−5:2013に準じて測定される、前記紙支持体のガーレー透気度が30秒以上200秒以下であり、及び紙支持体及び第一塗工層から成る塗工紙のガーレー透気度が7000秒以上である前記「1」又は[2]に記載の食品包装用紙。
[4]前記第一塗工層が、多糖類を含有する前記[1]〜[3」のいずれかに記載の食品包装用紙。
[5]第一塗工層の前記アクリル系樹脂が、スチレン−アクリル系共重合体樹脂である前記[1]に記載の食品包装用紙。
[6]第二塗工層の前記ポリビニルアルコールが、エチレン変性ポリビニルアルコールである前記[1]に記載の食品包装用紙。
[7]第三塗工層の前記アクリル系樹脂が、エチレン−アクリル系共重合体樹脂である前記[1]に記載の食品包装用紙。
[8]第一塗工層の前記アクリル系樹脂がスチレン−アクリル系共重合体樹脂であり、第二塗工層の前記ポリビニルアルコールがエチレン変性ポリビニルアルコールであり、及び第三塗工層の前記アクリル系樹脂がエチレン−アクリル系共重合体樹脂である前記[1]に記載の食品包装用紙。
本発明により、耐水性、耐油性、ガスバリア性を有し、ヒートシール適性を備え、ピンホールの発生を軽減した食品包装用紙を提供することができる。
食品包装用紙は、紙支持体と、前記紙支持体の片面に第一塗工層と、紙支持体を基準として前記第一塗工層の外側に第二塗工層と、及び紙支持体を基準として前記第二塗工層の外側に第三塗工層とを有する。すなわち、食品包装用紙は、紙支持体に近い側から第一塗工層、第二塗工層及び第三塗工層を有する。食品包装用紙は、紙支持体、第一塗工層、第二塗工層及び第三塗工層の各々間に、ガスバリア性の向上及び塗工層間の接着性の向上等を目的として中間塗工層を有することができる。製造コストの観点から、食品包装用紙は、紙支持体、第一塗工層、第二塗工層及び第三塗工層の各々間に中間塗工層を有しない層構造が好ましい。食品包装用紙の実施形態として、食品と対向する食品包装用紙の面は、食品包装用紙の第一塗工層、第二塗工層及び第三塗工層を有する側の面である。また、食品包装用紙は、第一塗工層、第二塗工層及び第三塗工層を有する側と紙支持体の反対側において、オフセット印刷機及び/又はデジタル印刷機への印刷適性を向上させる目的のために又は用紙の寸法安定性を向上させる目的のために、印刷用塗工層又はバックコート層を設けることができる。さらに、印刷用塗工層と紙支持体との間に第一塗工層、第二塗工層及び/又は第三塗工層を設けることができる。印刷用塗工層又はバックコート層は、印刷用塗工紙分野で従来公知のものである。
紙支持体は、木材パルプ及び/又は非木材パルプから成るスラリーに対して、填料、サイズ剤、バインダー、定着剤、歩留り剤及び紙力剤等の各種添加剤を必要に応じて添加した紙料を、酸性、中性又はアルカリ性の条件で、従来公知の抄紙方法によって抄造した原紙、前記原紙をサイズプレス液でサイズプレス処理した上質紙、前記原紙を表面処理液で表面処理した上質紙、又は前記原紙若しくは前記上質紙に対してカレンダー処理を施した上質紙である。
さらに、前記紙料には、その他の添加剤として、顔料分散剤、嵩高剤、増粘剤、流動性改良剤、ピッチコントロール剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、保湿剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤及び乾燥紙力増強剤等から選ばれる一種又は二種以上を、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、適宜添加することができる。
さらに、前記紙料には、その他の添加剤として、顔料分散剤、嵩高剤、増粘剤、流動性改良剤、ピッチコントロール剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、保湿剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤及び乾燥紙力増強剤等から選ばれる一種又は二種以上を、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、適宜添加することができる。
カレンダー処理とは、ロール間に紙を通すことによって平滑性や厚みを平均化する処理である。カレンダー処理の装置としては、例えば、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダーなどを挙げることができる。
木材パルプは、製紙分野で従来公知のものである。木材パルプは、例えば、LBKP(Leaf Bleached Kraft Pulp)及びNBKP(Needle Bleached Kraft Pulp)等の化学パルプ、GP(Groundwood Pulp)、PGW(Pressure GroundWood pulp)、RMP(Refiner Mechanical Pulp)、TMP(ThermoMechanical Pulp)、CTMP(ChemiThermoMechanical Pulp)、CMP(ChemiMechanical Pulp)及びCGP(ChemiGroundwood Pulp)等の機械パルプ、並びにDIP(DeInked Pulp)等の古紙パルプを挙げることができる。
非木材パルプは、製紙分野で従来公知の非木材繊維からなるパルプである。非木材繊維の原料は、例えば、コウゾ、ミツマタ及びガンピ等の木本靭皮、亜麻、大麻及びケナフ等の草本靭皮、マニラ麻、アバカ及びサイザル麻等の葉繊維、イネわら、ムギわら、サトウキビバカス、タケ及びエスパルト等の禾本科植物、並びにワタ及びリンター等の種毛を挙げることができる。
木材パルプ及び/又は非木材パルプは、前記木材パルプ及び前記非木材パルプから成る群から選ばれる一種又は二種以上である。
非木材パルプは、製紙分野で従来公知の非木材繊維からなるパルプである。非木材繊維の原料は、例えば、コウゾ、ミツマタ及びガンピ等の木本靭皮、亜麻、大麻及びケナフ等の草本靭皮、マニラ麻、アバカ及びサイザル麻等の葉繊維、イネわら、ムギわら、サトウキビバカス、タケ及びエスパルト等の禾本科植物、並びにワタ及びリンター等の種毛を挙げることができる。
木材パルプ及び/又は非木材パルプは、前記木材パルプ及び前記非木材パルプから成る群から選ばれる一種又は二種以上である。
填料は、製紙分野で従来公知の顔料である。顔料は、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、各種カオリン、タルク、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、シリカ、珪酸アルミニウム、珪藻土、活性白土、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの無機顔料を挙げることができる。さらにスチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン系プラスチックピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂及びマイクロカプセルなどの有機顔料を挙げることができる。填料は、前記無機顔料及び前記有機顔料から成る群から選ばれる一種又は二種以上である。
いくつかの実施態様において、紙支持体の灰分は10質量%以下である。少なくとも1つの実施態様において、紙支持体の灰分は4質量%以上10質量%以下である。灰分が前記範囲では、ピンホールの発生をより良好に軽減できる。用紙の灰分は、用紙が含有する填料の量によって調整することができる。用紙の灰分は、ISO1762:2001「Paper, board and pulps − Determination of residue(ash) on ignition at 525 degree C」に準拠して求められる値である。
サイズ剤は、製紙分野で従来公知の内添サイズ剤である。内添サイズ剤は、例えば、酸性紙であればロジン系サイズ剤、中性紙であればアルケニル無水コハク酸、アルキルケテンダイマー、中性ロジン系サイズ剤及びカチオン性スチレン−アクリル系サイズ剤等を挙げることができる。
また、サイズプレス液に用いる表面サイズ剤は、製紙分野で従来公知のものである。表面サイズ剤は、例えば、澱粉系サイズ剤、セルロース系サイズ剤、ポリビニルアルコール系サイズ剤、スチレン−アクリル系サイズ剤、オレフィン系サイズ剤、スチレン−マレイン酸系サイズ剤、及びアクリルアミド系サイズ剤等を挙げることができる。
また、サイズプレス液に用いる表面サイズ剤は、製紙分野で従来公知のものである。表面サイズ剤は、例えば、澱粉系サイズ剤、セルロース系サイズ剤、ポリビニルアルコール系サイズ剤、スチレン−アクリル系サイズ剤、オレフィン系サイズ剤、スチレン−マレイン酸系サイズ剤、及びアクリルアミド系サイズ剤等を挙げることができる。
サイズプレスは、製紙分野で従来公知のサイズプレス装置である。サイズプレス装置は、例えば、インクラインドサイズプレス、ホリゾンタルサイズプレス、フィルムトランスファー方式としてロッドメタリングサイズプレス、ロールメタリングサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレスを、ロッドメタリングサイズプレスとしてシムサイザー、オプティサイザー、スピードサイザーを、ロールメタリングサイズプレスとしてゲートロールコーター、ビルブレードコーター、ツインブレードコーター、ベルバパコーター、タブサイズプレス、及びカレンダーサイズプレス等を挙げることができる。
少なくとも1つの実施態様において、ISO5636−5:2013に準じて測定される、紙支持体のガーレー透気度は30秒以上200秒以下である。紙支持体のガーレー透気度が前記範囲では、紙支持体及び第一塗工層から成る塗工紙のガーレー透気度が後記範囲との相乗効果によって、ピンホールの発生をより良好に軽減できる。
紙支持体のガーレー透気度は、例えば、上記のように紙支持体を得たところで、当該紙支持体から測定できる。
紙支持体のガーレー透気度は、例えば、用紙の断面を観察しながら第一〜第三塗工層をスライスして除去し、露出した紙支持体として測定できる。
紙支持体のガーレー透気度は、例えば、上記のように紙支持体を得たところで、当該紙支持体から測定できる。
紙支持体のガーレー透気度は、例えば、用紙の断面を観察しながら第一〜第三塗工層をスライスして除去し、露出した紙支持体として測定できる。
ガーレー透気度は、用紙片を、一定体積の空気が透過する時間によって求められる。用紙片で蓋した内筒を用意する。油などの液体を入れた外筒に前記内筒を浮かべる。垂直方向の内筒重さによって空気を圧縮し、この空気が用紙片を透過して内筒が外筒内で徐々に下降する。一定体積の空気が透過するのに要した時間(秒)を測定する。数値が小さい方が用紙の透気性が大きいことを意味する。ガーレー透気度は、例えば、東洋精機製作所社製B型ガーレーデンソメーターを用いて測定した値である。
紙支持体のガーレー透気度は、製紙分野で従来公知の方法によって調整できる。用紙のガーレー透気度は、例えば、パルプの叩解によるフリーネスを制御、抄紙機のプレスの線圧を制御、カレンダー処理の実施とその条件制御、紙料への填料の添加とその量、紙料へ嵩高剤の添加とその量、紙料へのバインダーの添加とその量、及びこれらの組み合わせによって調整できる。例えば、パルプの叩解度を下げる(濾水度の値が大きい)、抄紙機のプレスの線圧を下げる、カレンダー処理をしない又は線圧を下げる、並びにバインダーの添加量を下げる等の手段が、ガーレー透気度の値を小さくする。
第一塗工層は、カオリン及びアクリル系樹脂を含有する。第一塗工層は、紙支持体が有する空隙を塞ぐ被覆層として機能を有する。また、第一塗工層は、紙支持体の裏面(第一塗工層、第二塗工層及び第三塗工層を有しない側)から水分及び油分の透過を防止して第二塗工層を保護する保護層として機能を有する。
カオリンは、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト、加水ハロイサイトなどの天然に産出されたカオリン原鉱を、工業的に精製及び加工したものであって、粉砕、洗浄、除鉄、分級等の工程を経て製造されるものである。また、カオリンには、アスペクト比を向上させるためにせん断力をかけて薄板状としたデラミネーティッドカオリンや、粒度分布がシャープになるよう調整したエンジニアードカオリン、凝集性を高めた焼成カオリンといった加工性の高いものも含まれる。
カオリンは、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト、加水ハロイサイトなどの天然に産出されたカオリン原鉱を、工業的に精製及び加工したものであって、粉砕、洗浄、除鉄、分級等の工程を経て製造されるものである。また、カオリンには、アスペクト比を向上させるためにせん断力をかけて薄板状としたデラミネーティッドカオリンや、粒度分布がシャープになるよう調整したエンジニアードカオリン、凝集性を高めた焼成カオリンといった加工性の高いものも含まれる。
アクリル系樹脂は、エチレン性不飽和カルボン酸含有の単量体(単量体a)から成る群から選ばれる一種若しくは二種以上の単量体及び/又はアルキル(メタ)アクリレート単量体(単量体b)から成る群から選ばれる一種若しくは二種以上の単量体から得られる重合体、又は、前記単量体aから成る群から選ばれる一種又は二種以上の単量体及び/又は前記単量体bから成る群から選ばれる一種若しくは二種以上の単量体と、前記単量体a又は前記単量体bと共重合可能な他の単量体(単量体c)から成る群から選ばれる一種若しくは二種以上の単量体とから得られる共重合体である。
エチレン性不飽和カルボン酸含有の単量体(単量体a)は、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、モノアルキルマレイン酸、モノアルキルフマル酸、及びモノアルキルイタコン酸等を挙げることができる。さらに、前記単量体aには、例えば、カルボン酸がナトリウム塩等の塩を形成した単量体が含まれる。前記単量体aは、これらから成る群から選ばれる一種又は二種以上である。
アルキル(メタ)アクリレート単量体(単量体b)は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート及びウンデシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。前記単量体bは、これらから成る群から選ばれる一種又は二種以上である。
前記単量体a又は前記単量体bと共重合可能な他の単量体(単量体c)は、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリルレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N′−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ビニルスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アシッドホスホキシエチル(メタ)アクリレートエタノールアミンハーフ塩、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンスチレン化フェニル硫酸ナトリウム、グリセリンモノアリルエーテルモノスルホコハク酸ナトリウム、2−スルホエチル(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリルアミドステアリン酸ナトリウム、ベンジル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、アクロレイン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ホルミルスチロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、(メタ)アクリロイルオキシアルキルプロペナール、ジアセトン(メタ)アクリレート、アセトニル(メタ)アクリレート、2−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、及びトリアリルシアヌレート等を挙げることができる。前記単量体cは、これらから成る群から選ばれる一種又は二種以上である。
アクリル系樹脂は、公知の乳化重合法によって合成できる。合成は、例えば、所定の反応容器に各種単量体、乳化剤及び水を配合し、ラジカル重合開始剤を加えて攪拌下及び加温する方法である。
少なくとも1つの実施態様において、第一塗工層のアクリル系樹脂は、上記単量体a及び/又は上記単量体bとスチレンとから得られる共重合体、すなわちスチレン−アクリル系共重合体樹脂である。スチレン−アクリル系共重合体樹脂であると、食品包装用紙は、ピンホールの発生がより良好に軽減でき、かつガスバリア性を良化できる。
少なくとも1つの実施態様において、前記第一塗工層中のアクリル系樹脂の含有量は、片面あたり、第一塗工層中カオリン100質量部に対して40質量部以上150質量部以下である。アクリル系樹脂の含有量がこの範囲であると、食品包装用紙は、ピンホールの発生の軽減及び/又はガスバリア性を良化できる。
第一塗工層は、カオリン及びアクリル系樹脂以外に、必要に応じて従来公知の各種添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、カオリン以外の白色無機顔料、白色有機顔料、アクリル系樹脂以外の各種樹脂、澱粉類及びセルロース類等の多糖類、界面活性剤、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤等を挙げることができる。
いくつかの実施態様において、第一塗工層は、澱粉類及びセルロース類等の多糖類を含有する。少なくとも1つの実施態様において、第一塗工層中の多糖類の含有量は、片面あたり、第一塗工層中カオリン100質量部に対して3質量部以上7質量部以下である。多糖類の含有量がこの範囲であると、食品包装用紙は、ピンホールの発生をより良好に軽減できる。さらに、少なくとも1つの実施態様において、多糖類は、澱粉類とセルロース類との併用である。澱粉類とセルロース類との併用であると、食品包装用紙は、ピンホールの発生をより良好に軽減でき、及びガスバリア性が良化できる。
澱粉類は、α−グルコースがグリコシド結合によって重合した澱粉であって、各種変性澱粉及び金属塩をも含む。澱粉類の例としては、澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、エーテル化澱粉、カチオン性澱粉、両性澱粉、ジアルデヒド澱粉、燐酸エステル化澱粉などのエステル化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、並びにヒドロキシブチル化澱粉などを挙げることができる。澱粉類は、これらから成る群から選ばれる一種又は二種以上である。
セルロース類は、グルコースがβ−1,4−グリコシド結合によって重合したセルロースであって、各種セルロース誘導体及び金属塩をも含む。セルロース類は、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ベンジルセルロース、トリチルセルロース、シアノエチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、アミノエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロースエーテル、ニトロセルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、アセチルセルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸酪酸セルロース等のセルロースエステル、並びにこれらのナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩、並びにヘミセルロース等を挙げることができる。セルロース類は、これらから成る群から選ばれる一種又は二種以上である。少なくとも1つの実施態様において、セルロース類はカルボキシメチルセルロースである。
少なくとも1つの実施態様において、ISO5636−5:2013に準じて測定される、紙支持体及び第一塗工層から成る塗工紙のガーレー透気度が7000秒以上である。ガーレー透気度の上限は、紙の透気性が低下する側の上限であって、通常製造でき得る範囲であれば特に限定されない。紙支持体及び第一塗工層から成る塗工紙のガーレー透気度が前記範囲では、紙支持体のガーレー透気度の上記範囲との相乗効果によって、ピンホールの発生をより良好に軽減できる。ガーレー透気度は、例えば、東洋精機製作所社製B型ガーレーデンソメーターを用いて測定した値である。
紙支持体及び第一塗工層から成る塗工紙のガーレー透気度は、例えば、紙支持体に対して第一塗工層を設けたところで、当該塗工紙から測定できる。
紙支持体及び第一塗工層から成る塗工紙のガーレー透気度は、例えば、用紙の断面を観察しながら第二及び第三塗工層をスライスして削除し、露出した紙支持体及び第一塗工層から成る塗工紙として測定できる。
普通では、ガスバリア性の観点から透気性が小さい紙支持体がより有効であると考えられる。しかし、ピンホールに関しては有効ではない。この理由は以下と推測する。塗工層を設ける際に、適度な透気性を有する紙支持体は、塗工液成分の紙支持体への落下が抑制できかつ紙支持体が含む空気の塗工層側からの抜けが抑制でき、塗工層のピンホールの発生がより軽減できる。
紙支持体及び第一塗工層から成る塗工紙のガーレー透気度は、例えば、紙支持体に対して第一塗工層を設けたところで、当該塗工紙から測定できる。
紙支持体及び第一塗工層から成る塗工紙のガーレー透気度は、例えば、用紙の断面を観察しながら第二及び第三塗工層をスライスして削除し、露出した紙支持体及び第一塗工層から成る塗工紙として測定できる。
普通では、ガスバリア性の観点から透気性が小さい紙支持体がより有効であると考えられる。しかし、ピンホールに関しては有効ではない。この理由は以下と推測する。塗工層を設ける際に、適度な透気性を有する紙支持体は、塗工液成分の紙支持体への落下が抑制できかつ紙支持体が含む空気の塗工層側からの抜けが抑制でき、塗工層のピンホールの発生がより軽減できる。
紙支持体及び第一塗工層から成る塗工紙のガーレー透気度は、製紙分野で従来公知の方法によって調整できる。例えば、塗工量を増やす、カレンダー処理をする、樹脂の含有比率を高める、粒子径の小さい白色無機顔料を使用する等の手段が、ガーレー透気度の値を大きくする。
第二塗工層は、ポリビニルアルコールを含有する。第二塗工層は、ポリビニルアルコールがガスバリア剤となって、ガスバリア層として機能する。
ポリビニルアルコールとは、酢酸ビニルの加水分解(けん化)物として得られる各種重合度の水溶性ポリマーである。ポリビニルアルコールには、低けん化体、部分けん化体、完全けん化体等の各種ポリビニルアルコールが含まれる。また、ポリビニルアルコールには、カルボン酸、スルホン酸、四級アンモニウム塩、ポリエチレンオキサイド基、シラノール基、アセトアセチル基等の官能基を導入した変性ポリビニルアルコールが含まれる。また、ポリビニルアルコールには、エチレン、ブテン、ブテンジオール等と共重合した変性ポリビニルアルコールが含まれる。
ポリビニルアルコールとは、酢酸ビニルの加水分解(けん化)物として得られる各種重合度の水溶性ポリマーである。ポリビニルアルコールには、低けん化体、部分けん化体、完全けん化体等の各種ポリビニルアルコールが含まれる。また、ポリビニルアルコールには、カルボン酸、スルホン酸、四級アンモニウム塩、ポリエチレンオキサイド基、シラノール基、アセトアセチル基等の官能基を導入した変性ポリビニルアルコールが含まれる。また、ポリビニルアルコールには、エチレン、ブテン、ブテンジオール等と共重合した変性ポリビニルアルコールが含まれる。
少なくとも1つの実施態様において、ポリビニルアルコールは、エチレン変性ポリビニルアルコールである。エチレン変性ポリビニルアルコールとは、ポリビニルアルコールの主鎖にエチレン基を導入した変性ポリビニルアルコールである。エチレン変性ポリビニルアルコールは、ポリマー分子中に親水性と疎水性の官能基が適度に共存するために、水蒸気及び酸素に対するガスバリア性に優れた強固な皮膜を形成する。
エチレン変性ポリビニルアルコールは、エチレン変性度を変えることによって、親水性と疎水性のバランスを変化できる。エチレン変性ポリビニルアルコールのエチレン変性度は、モノマー単位全体(エチレン単位+ビニルアルコール単位)に対するエチレン単位のモル%で表される。但し、ビニルアルコール単位には、鹸化されていない酢酸ビニル単位を含める。少なくとも1つの実施態様において、エチレン変性度は、2モル%以上12モル%以下である。また、エチレン変性ポリビニルアルコールには、上記官能基を導入した変性ができる。
第二塗工層は、ポリビニルアルコール以外に、必要に応じて従来公知の各種添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、白色無機顔料、白色有機顔料、ポリビニルアルコール以外の各種樹脂、澱粉類及びセルロース類等の多糖類、界面活性剤、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤等を挙げることができる。
第三塗工層は、アクリル系樹脂を含有する。第三塗工層は、アクリル系樹脂が耐水耐油剤となって、耐水耐油層として機能する。第三塗工層が含有するアクリル系樹脂は、上記第一塗工層のアクリル系樹脂と同様であって、説明を割愛する。
少なくとも1つの実施態様において、第三塗工層のアクリル系樹脂は、上記単量体a及び/又は上記単量体bとエチレンとから得られる共重合体、すなわちエチレン−アクリル系共重合体樹脂である。エチレン−アクリル系共重合体樹脂であると、食品包装用紙は、耐水性及び耐油性を有しつつ、ヒートシール適性がより良好になる。
少なくとも1つの実施態様において、第三塗工層のアクリル系樹脂は、上記単量体a及び/又は上記単量体bとエチレンとから得られる共重合体、すなわちエチレン−アクリル系共重合体樹脂である。エチレン−アクリル系共重合体樹脂であると、食品包装用紙は、耐水性及び耐油性を有しつつ、ヒートシール適性がより良好になる。
第三塗工層は、アクリル系樹脂以外に、必要に応じて従来公知の各種添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、白色無機顔料、白色有機顔料、アクリル系樹脂以外の各種樹脂、澱粉類及びセルロース類等の多糖類、界面活性剤、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤、紫外線吸収剤及び蛍光剤等を挙げることができる。
いくつかの実施態様において、食品包装用紙は、第一塗工層の上記アクリル系樹脂がスチレン−アクリル系共重合体樹脂であり、第二塗工層の上記ポリビニルアルコールがエチレン変性ポリビニルアルコールであり、及び第三塗工層の上記アクリル系樹脂がエチレン−アクリル系共重合体樹脂である。少なくとも1つの実施態様において、食品包装用紙は、第一塗工層の上記アクリル系樹脂がスチレン−アクリル系共重合体樹脂であり、第二塗工層の上記ポリビニルアルコールがエチレン変性ポリビニルアルコールであり、及び第三塗工層の上記アクリル系樹脂がエチレン−アクリル系共重合体樹脂であり、並びに第一塗工層が多糖類を含有する。
紙支持体に、第一塗工層、第二塗工層及び第三塗工層を設ける方法は、特に限定されない。例えば、製紙分野で従来公知の塗工装置及び乾燥装置を用いて、それぞれの塗工層を形成するための塗工液を塗工及び乾燥する方法を挙げることができる。塗工装置の例としては、フィルムプレスコーター、ロッドコーター、エアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、Eバーコーター、フィルムトランスファーコーターなどを挙げることができる。乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等の各種乾燥装置を挙げることができる。
第一塗工層の塗工液がカオリン及びアクリル系樹脂を含有すること、第二塗工層の塗工液がポリビニルアルコールを含有すること、並びに第三塗工層の塗工液がアクリル系樹脂を含有することによって、得られる各塗工層は、それぞれ、カオリン及びアクリル系樹脂を、ポリビニルアルコールを、並びにアクリル系樹脂を含有する。
いくつかの実施態様において、第一塗工層の塗工量は、紙支持体の片面あたり乾燥固形分量で6g/m2以上15g/m2以下である。いくつかの実施態様において、第二塗工層の塗工量は、紙支持体の片面あたり乾燥固形分量で2.5g/m2以上7.5g/m2以下である。いくつかの実施態様において、第三塗工層の塗工量は、紙支持体の片面あたり乾燥固形分量で3g/m2以上12g/m2以下である。少なくとも1つの実施態様において、食品包装用紙は、紙支持体の片面あたり、第一塗工層の塗工量が乾燥固形分量で6g/m2以上15g/m2以下、第二塗工層の塗工量が乾燥固形分量で2.5g/m2以上7.5g/m2以下及び第三塗工層の塗工量が乾燥固形分量で3g/m2以上12g/m2以下である。
いくつかの実施態様において、第一塗工層の塗工量は、紙支持体の片面あたり乾燥固形分量で6g/m2以上15g/m2以下である。いくつかの実施態様において、第二塗工層の塗工量は、紙支持体の片面あたり乾燥固形分量で2.5g/m2以上7.5g/m2以下である。いくつかの実施態様において、第三塗工層の塗工量は、紙支持体の片面あたり乾燥固形分量で3g/m2以上12g/m2以下である。少なくとも1つの実施態様において、食品包装用紙は、紙支持体の片面あたり、第一塗工層の塗工量が乾燥固形分量で6g/m2以上15g/m2以下、第二塗工層の塗工量が乾燥固形分量で2.5g/m2以上7.5g/m2以下及び第三塗工層の塗工量が乾燥固形分量で3g/m2以上12g/m2以下である。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されない。ここで「質量部」及び「質量%」は、乾燥固形分量あるいは実質成分量の各々「質量部」及び「質量%」を表す。塗工層の塗工量は乾燥固形分量を表す。
<紙支持体>
以下の紙料を調成した。
LBKP(濾水度350〜480mlcsf) 50質量部
NBKP(濾水度350〜480mlcsf) 50質量部
硫酸バンド 2質量部
カオリン(アンシレックス(登録商標)、BASF社) 8質量部
ロジン系サイズ剤(CC1404、星光PMC社) 0.3質量部
紙力剤 0.6質量部
以下の紙料を調成した。
LBKP(濾水度350〜480mlcsf) 50質量部
NBKP(濾水度350〜480mlcsf) 50質量部
硫酸バンド 2質量部
カオリン(アンシレックス(登録商標)、BASF社) 8質量部
ロジン系サイズ剤(CC1404、星光PMC社) 0.3質量部
紙力剤 0.6質量部
上記配合の紙料を長網抄紙機で抄造し、坪量65g/m2の原紙を得た。これに、マシンカレンダーを用いて温度60℃・処理速度500m/分の条件でカレンダー処理して紙支持体を得た。紙支持体の灰分量は5.5質量%であった。紙支持体のガーレー透気度は、パルプの濾水度を調整し、並びに抄紙機のプレス線圧及びカレンダーの線圧を調整して所望のガーレー透気度の値を得た。
<第一塗工層の塗工液>
水を媒体として以下の塗工液を調製した。
顔料 種類及び質量部は表1に記載
樹脂 種類及び質量部は表1に記載
水を媒体として以下の塗工液を調製した。
顔料 種類及び質量部は表1に記載
樹脂 種類及び質量部は表1に記載
<第二塗工層の塗工液>
水を媒体として以下の塗工液を調製した。
樹脂 種類は表1に記載/100質量部
水を媒体として以下の塗工液を調製した。
樹脂 種類は表1に記載/100質量部
<第三塗工層の塗工液>
水を媒体として以下の塗工液を調製した。
樹脂 種類は表1に記載/100質量部
水を媒体として以下の塗工液を調製した。
樹脂 種類は表1に記載/100質量部
表1に記載する各材料は以下である。
アクリレート系 :n−ブチルアクリレート
スチレン−アクリル系 :スチレン−アクリル系共重合体
(スチレン−エチルアクリレート共重合体)
エチレン−アクリル系 :エチレン−アクリル系共重合体
(エチレン−エチルメタクリレート共重合体)
スチレン−ブタジエン系:スチレン−ブタジエン共重合体
エチレン変性PVA :エチレン変性ポリビニルアルコール
PVA :ポリビニルアルコール
(無変性、完全ケン化、平均重合度1700)
エチレン−酢酸ビニル系:エチレン−酢酸ビニル共重合体
澱粉 :酸化澱粉
CMC :カルボキシメチルセルロースナトリウム塩
カオリン :2μm以下の累積頻度100体積%、2μm以下の累積頻
度88体積%、及び2μm以下の累積頻度60体積%の3
種。透気度の調整のために適宜併用。
炭カル :2μm以下の累積頻度90体積%以上の重質炭酸カルシウ
ム。
アクリレート系 :n−ブチルアクリレート
スチレン−アクリル系 :スチレン−アクリル系共重合体
(スチレン−エチルアクリレート共重合体)
エチレン−アクリル系 :エチレン−アクリル系共重合体
(エチレン−エチルメタクリレート共重合体)
スチレン−ブタジエン系:スチレン−ブタジエン共重合体
エチレン変性PVA :エチレン変性ポリビニルアルコール
PVA :ポリビニルアルコール
(無変性、完全ケン化、平均重合度1700)
エチレン−酢酸ビニル系:エチレン−酢酸ビニル共重合体
澱粉 :酸化澱粉
CMC :カルボキシメチルセルロースナトリウム塩
カオリン :2μm以下の累積頻度100体積%、2μm以下の累積頻
度88体積%、及び2μm以下の累積頻度60体積%の3
種。透気度の調整のために適宜併用。
炭カル :2μm以下の累積頻度90体積%以上の重質炭酸カルシウ
ム。
<塗工>
紙支持体の片面に、第一層塗工層の塗工液をロッドコーターで塗工及び乾燥した。塗工量は、10g/m2になるようコーター条件を調整した。
紙支持体及び第一塗工層から成る塗工紙のガーレー透気度は、樹脂の含有量、顔料の粒子径分布及びカレンダーの線圧を調整して所望のガーレー透気度の値を得た。
紙支持体の片面に、第一層塗工層の塗工液をロッドコーターで塗工及び乾燥した。塗工量は、10g/m2になるようコーター条件を調整した。
紙支持体及び第一塗工層から成る塗工紙のガーレー透気度は、樹脂の含有量、顔料の粒子径分布及びカレンダーの線圧を調整して所望のガーレー透気度の値を得た。
次に、第一塗工層に対して、第二塗工層用の塗工液をエアーナイフコーターで塗工及び乾燥した。塗工量は5g/m2になるようにコーター条件を調整した。続いて、第二塗工層に対して、第三塗工層用の塗工液をロッドコーターで塗工及び乾燥した。塗工量は6g/m2になるようにコーター条件を調整した。
得られた食品包装用紙について、下記の評価を行った。紙支持体のガーレー透気度及び紙支持体及び第一塗工層から成る塗工紙のガーレー透気度は、ISO5636−5:2013に準じて、東洋精機製作所社製B型ガーレーデンソメーターを用いて測定した。それぞれのガーレー透気度の値は表1に記載する。
<ピンホール>
得られた食品包装用紙を任意に50cm×50cmに裁断した。次に、用紙の断面を観察しながら第二塗工層及び第三塗工層をスライスして削除し、紙支持体と第一塗工層との状態にした。裁断及びスライスした食品包装用紙4枚に着色トルエン液を露出した第一塗工層を有する側に塗工して、ピンホールが存在した場合にピンホールを通過して反対側に現われる斑点を目視で観察した。観察結果から、ピンホールの発生の軽減について下記の基準で評価した。本発明において、食品包装用紙は、評価A、B又はCであればピンホールの発生を軽減できるものとする。
A:4枚から視認されたピンホールが3個以下である。
B:4枚から視認されたピンホールが3個超6個以下である。
C:4枚から視認されたピンホールが6個超9個以下である。
D:4枚から視認されたピンホールが9個超である。
得られた食品包装用紙を任意に50cm×50cmに裁断した。次に、用紙の断面を観察しながら第二塗工層及び第三塗工層をスライスして削除し、紙支持体と第一塗工層との状態にした。裁断及びスライスした食品包装用紙4枚に着色トルエン液を露出した第一塗工層を有する側に塗工して、ピンホールが存在した場合にピンホールを通過して反対側に現われる斑点を目視で観察した。観察結果から、ピンホールの発生の軽減について下記の基準で評価した。本発明において、食品包装用紙は、評価A、B又はCであればピンホールの発生を軽減できるものとする。
A:4枚から視認されたピンホールが3個以下である。
B:4枚から視認されたピンホールが3個超6個以下である。
C:4枚から視認されたピンホールが6個超9個以下である。
D:4枚から視認されたピンホールが9個超である。
<耐水性>
耐水性の評価は、食品包装用紙の表面(第一塗工層、第二塗工層及び第三塗工層を有する側)に約2mlの水滴を滴下し、滴下した水が、食品包装用紙の表面(第一塗工層、第二塗工層及び第三塗工層を有する側)で染み込み程度及び食品包装用紙の裏面(第一塗工層、第二塗工層及び第三塗工層を有しない側)に滲み出す程度を目視で観察して行った。観察結果から、耐水性を下記の基準で評価した。本発明において、食品包装用紙は、評価A又はBであれば耐水性を有するものとする。なお、評価は、ピンホールが存在しない領域で実施した。
A:染み込みが無く、及び滲み出しが認められない。
B:染み込みが僅かに認められる。しかし、滲み出しが認められない。
C:染み込みが認められる。また、滲み出しが認められる。
耐水性の評価は、食品包装用紙の表面(第一塗工層、第二塗工層及び第三塗工層を有する側)に約2mlの水滴を滴下し、滴下した水が、食品包装用紙の表面(第一塗工層、第二塗工層及び第三塗工層を有する側)で染み込み程度及び食品包装用紙の裏面(第一塗工層、第二塗工層及び第三塗工層を有しない側)に滲み出す程度を目視で観察して行った。観察結果から、耐水性を下記の基準で評価した。本発明において、食品包装用紙は、評価A又はBであれば耐水性を有するものとする。なお、評価は、ピンホールが存在しない領域で実施した。
A:染み込みが無く、及び滲み出しが認められない。
B:染み込みが僅かに認められる。しかし、滲み出しが認められない。
C:染み込みが認められる。また、滲み出しが認められる。
<耐油性>
耐油性の評価は、食品包装用紙の表面(第一塗工層、第二塗工層及び第三塗工層を有する側)に約1mlのサラダ油の油滴を滴下し、滴下した油が、食品包装用紙の表面(第一塗工層、第二塗工層及び第三塗工層を有する側)で染み込み程度及び食品包装用紙の裏面(第一塗工層、第二塗工層及び第三塗工層を有しない側)に滲み出す程度を目視で観察して行った。観察結果から、耐油性を下記の基準で評価した。本発明において、食品包装用紙は、評価A又はBであれば耐油性を有するものとする。なお、評価は、ピンホールが存在しない領域で実施した。
A:染み込みが無く、及び滲み出しが認められない。
B:染み込みが僅かに認められる。しかし、滲み出しが認められない。
C:染み込みが認められる。また、滲み出しが認められる。
耐油性の評価は、食品包装用紙の表面(第一塗工層、第二塗工層及び第三塗工層を有する側)に約1mlのサラダ油の油滴を滴下し、滴下した油が、食品包装用紙の表面(第一塗工層、第二塗工層及び第三塗工層を有する側)で染み込み程度及び食品包装用紙の裏面(第一塗工層、第二塗工層及び第三塗工層を有しない側)に滲み出す程度を目視で観察して行った。観察結果から、耐油性を下記の基準で評価した。本発明において、食品包装用紙は、評価A又はBであれば耐油性を有するものとする。なお、評価は、ピンホールが存在しない領域で実施した。
A:染み込みが無く、及び滲み出しが認められない。
B:染み込みが僅かに認められる。しかし、滲み出しが認められない。
C:染み込みが認められる。また、滲み出しが認められる。
<ガスバリア性>
ガスバリア性の評価は、ISO15105−2:2003「Plastics−Film and sheeting − Determination of gas−transmission rate − Part2 : Equal−pressure method」(JIS K7126−2:2006「プラスチック −フィルム及びシート− ガス透過度試験方法−第2部:等圧法」)に準じて実施した測定結果から行った。測定は、第一塗工層、第二塗工層及び第三塗工層を有しない側をガスの供給面として行った。ガス透過度試験のガスには酸素ガスを用いて酸素透過度とし、温湿度の条件は、23±0.5℃及び相対湿度85±2%とした。
本発明においてA、B又はCの評価であれば、食品包装用紙は、ガスバリア性を有するものとする。
A:酸素透過度50cc/m2・24h・atm以下で、良好。
B:上記Aより劣るものの、
酸素透過度100cc/m2・24h・atm以下で、概ね良好。
C:上記Bより劣るものの、
酸素透過度150cc/m2・24h・atm以下で、実用可能。
D:上記Cより劣り、
酸素透過度150cc/m2・24h・atm超で、実用不可能。
ガスバリア性の評価は、ISO15105−2:2003「Plastics−Film and sheeting − Determination of gas−transmission rate − Part2 : Equal−pressure method」(JIS K7126−2:2006「プラスチック −フィルム及びシート− ガス透過度試験方法−第2部:等圧法」)に準じて実施した測定結果から行った。測定は、第一塗工層、第二塗工層及び第三塗工層を有しない側をガスの供給面として行った。ガス透過度試験のガスには酸素ガスを用いて酸素透過度とし、温湿度の条件は、23±0.5℃及び相対湿度85±2%とした。
本発明においてA、B又はCの評価であれば、食品包装用紙は、ガスバリア性を有するものとする。
A:酸素透過度50cc/m2・24h・atm以下で、良好。
B:上記Aより劣るものの、
酸素透過度100cc/m2・24h・atm以下で、概ね良好。
C:上記Bより劣るものの、
酸素透過度150cc/m2・24h・atm以下で、実用可能。
D:上記Cより劣り、
酸素透過度150cc/m2・24h・atm超で、実用不可能。
<ヒートシール適性>
2枚の食品包装用紙を用いて、食品包装用紙の第一塗工層、第二塗工層及び第三塗工層を有する側の面どうしを対向させてヒートシーラーにより圧力0.5MPa、130℃、1秒間の条件によってヒートシールを施した。
ヒートシールした食品包装用紙を15mm幅で切り出し、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置後、引張り試験機を用い、引張り速度300mm/分、引張り角度180度でヒートシール箇所の剥離強度を測定することによってヒートシール適性を評価した。測定は、サンプル数5部で行い、5部の平均値とした。測定値から、ヒートシール適性を下記の基準で評価した。本発明において、食品包装用紙は、評価A、B又はCであればヒートシール適性を有するものとする。
A:値が、10N/15mm以上。
B:値が、6N/15mm以上10N/15mm未満。
C:値が、3N/15mm以上6N/15mm未満。
D:値が、3N/15mm未満。
2枚の食品包装用紙を用いて、食品包装用紙の第一塗工層、第二塗工層及び第三塗工層を有する側の面どうしを対向させてヒートシーラーにより圧力0.5MPa、130℃、1秒間の条件によってヒートシールを施した。
ヒートシールした食品包装用紙を15mm幅で切り出し、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置後、引張り試験機を用い、引張り速度300mm/分、引張り角度180度でヒートシール箇所の剥離強度を測定することによってヒートシール適性を評価した。測定は、サンプル数5部で行い、5部の平均値とした。測定値から、ヒートシール適性を下記の基準で評価した。本発明において、食品包装用紙は、評価A、B又はCであればヒートシール適性を有するものとする。
A:値が、10N/15mm以上。
B:値が、6N/15mm以上10N/15mm未満。
C:値が、3N/15mm以上6N/15mm未満。
D:値が、3N/15mm未満。
評価結果を表2に示す。
表2から、本発明に該当する実施例1〜23は、耐水性、耐油性、ガスバリア性を有し、ヒートシール適性を備え、ピンホールの発生を軽減した食品包装用紙であると分かる。一方、本発明の構成を満足しない比較例1〜5は、これら効果のいずれかを満足できない食品包装用紙であると分かる。
主に、実施例1〜6の間の対比から、第一塗工層において片面あたりカオリン100質量部に対してアクリル系樹脂が40質量部以上150質量部以下であると、食品包装用紙には、ピンホールの発生の軽減及び/又はガスバリア性の良化が認められる。
主に、実施例1〜6の間の対比と実施例17〜23の間の対比とから、紙支持体のガーレー透気度が30秒以上200秒以下及び紙支持体及び第一塗工層から成る塗工紙のガーレー透気度が7000秒以上であると、食品包装用紙には、主にピンホールの発生の軽減が認められる。
主に、実施例11、14、15及び16の間の対比から、第一塗工層に多糖類を含有すると、食品包装用紙には、ピンホールの発生の軽減が認められる。
主に、実施例7〜14の間の対比から、第一塗工層のアクリル系樹脂がスチレン−アクリル系共重合体樹脂であると、食品包装用紙には、ピンホールの発生の軽減及びガスバリア性の良化が認められる。
主に、実施例7〜14の間の対比から、第二塗工層のポリビニルアルコールがエチレン変性ポリビニルアルコールであると、食品包装用紙には、ガスバリア性の良化が認められる。
主に、実施例7〜14の間の対比から、第三塗工層のアクリル系樹脂がエチレン−アクリル系共重合体樹脂であると、食品包装用紙には、耐水性、耐油性及びヒートシール適性の良化が認められる。
主に、実施例7〜13と実施例14との対比から、第一塗工層のアクリル系樹脂がスチレン−アクリル系共重合体樹脂であり、第二塗工層のポリビニルアルコールがエチレン変性ポリビニルアルコールであり、及び第三塗工層のアクリル系樹脂がエチレン−アクリル系共重合体樹脂であると、食品包装用紙には、ピンホールの発生の軽減、耐水性、耐油性、ガスバリア性、及びヒートシール性の良化が認められる。
主に、実施例1〜6の間の対比から、第一塗工層において片面あたりカオリン100質量部に対してアクリル系樹脂が40質量部以上150質量部以下であると、食品包装用紙には、ピンホールの発生の軽減及び/又はガスバリア性の良化が認められる。
主に、実施例1〜6の間の対比と実施例17〜23の間の対比とから、紙支持体のガーレー透気度が30秒以上200秒以下及び紙支持体及び第一塗工層から成る塗工紙のガーレー透気度が7000秒以上であると、食品包装用紙には、主にピンホールの発生の軽減が認められる。
主に、実施例11、14、15及び16の間の対比から、第一塗工層に多糖類を含有すると、食品包装用紙には、ピンホールの発生の軽減が認められる。
主に、実施例7〜14の間の対比から、第一塗工層のアクリル系樹脂がスチレン−アクリル系共重合体樹脂であると、食品包装用紙には、ピンホールの発生の軽減及びガスバリア性の良化が認められる。
主に、実施例7〜14の間の対比から、第二塗工層のポリビニルアルコールがエチレン変性ポリビニルアルコールであると、食品包装用紙には、ガスバリア性の良化が認められる。
主に、実施例7〜14の間の対比から、第三塗工層のアクリル系樹脂がエチレン−アクリル系共重合体樹脂であると、食品包装用紙には、耐水性、耐油性及びヒートシール適性の良化が認められる。
主に、実施例7〜13と実施例14との対比から、第一塗工層のアクリル系樹脂がスチレン−アクリル系共重合体樹脂であり、第二塗工層のポリビニルアルコールがエチレン変性ポリビニルアルコールであり、及び第三塗工層のアクリル系樹脂がエチレン−アクリル系共重合体樹脂であると、食品包装用紙には、ピンホールの発生の軽減、耐水性、耐油性、ガスバリア性、及びヒートシール性の良化が認められる。
Claims (8)
- 紙支持体と、前記紙支持体の片面に第一塗工層と、紙支持体を基準として前記第一塗工層の外側に第二塗工層と、及び紙支持体を基準として前記第二塗工層の外側に第三塗工層とを有し、前記第一塗工層がカオリン及びアクリル系樹脂を含有し、前記第二塗工層がポリビニルアルコールを含有し、並びに前記第三塗工層がアクリル系樹脂を含有する食品包装用紙。
- 前記第一塗工層において、片面あたり、カオリン100質量部に対してアクリル系樹脂が40質量部以上150質量部以下である請求項1に記載の食品包装用紙。
- ISO5636−5:2013に準じて測定される、前記紙支持体のガーレー透気度が30秒以上200秒以下であり、及び紙支持体及び第一塗工層から成る塗工紙のガーレー透気度が7000秒以上である請求項1又は2に記載の食品包装用紙。
- 前記第一塗工層が、多糖類を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の食品包装用紙。
- 第一塗工層の前記アクリル系樹脂が、スチレン−アクリル系共重合体樹脂である請求項1に記載の食品包装用紙。
- 第二塗工層の前記ポリビニルアルコールが、エチレン変性ポリビニルアルコールである請求項1に記載の食品包装用紙。
- 第三塗工層の前記アクリル系樹脂が、エチレン−アクリル系共重合体樹脂である請求項1に記載の食品包装用紙。
- 第一塗工層の前記アクリル系樹脂がスチレン−アクリル系共重合体樹脂であり、第二塗工層の前記ポリビニルアルコールがエチレン変性ポリビニルアルコールであり、及び第三塗工層の前記アクリル系樹脂がエチレン−アクリル系共重合体樹脂である請求項1に記載の食品包装用紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019205341A JP2021075827A (ja) | 2019-11-13 | 2019-11-13 | 食品包装用紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019205341A JP2021075827A (ja) | 2019-11-13 | 2019-11-13 | 食品包装用紙 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021075827A true JP2021075827A (ja) | 2021-05-20 |
Family
ID=75897866
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019205341A Pending JP2021075827A (ja) | 2019-11-13 | 2019-11-13 | 食品包装用紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021075827A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024090483A1 (ja) * | 2022-10-27 | 2024-05-02 | 株式会社クラレ | 構造体、構造体の製造方法、耐油紙、ガスバリア紙、フレーバーバリア紙及び包材 |
-
2019
- 2019-11-13 JP JP2019205341A patent/JP2021075827A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024090483A1 (ja) * | 2022-10-27 | 2024-05-02 | 株式会社クラレ | 構造体、構造体の製造方法、耐油紙、ガスバリア紙、フレーバーバリア紙及び包材 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2720388C (en) | Composition for coating of printing paper | |
FI124806B (fi) | Päällystyspastakoostumus ja sillä päällystetty paperi tai kartonki | |
US10118368B2 (en) | Intermediate laminate product, an expanded laminate structure, and process manufacturing thereof | |
JP2011011447A (ja) | インクジェット記録媒体 | |
CN109183500B (zh) | 一种高光涂料、高光纸及其制备方法 | |
US20130062029A1 (en) | Method of making paper | |
JP2021075827A (ja) | 食品包装用紙 | |
CN116034033A (zh) | 食品包装用纸 | |
JP7377176B2 (ja) | 食品包装用紙 | |
WO2020179488A1 (ja) | 水分散紙 | |
JP7342049B2 (ja) | 包装用紙 | |
JP2007138305A (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP5883326B2 (ja) | 印刷用非塗工紙およびその製造方法 | |
JP5955602B2 (ja) | 新聞用紙およびその製造方法 | |
JP2022147679A (ja) | 包装用紙 | |
JP2023074651A (ja) | 包装用紙 | |
JP2023105881A (ja) | ヒートシール紙 | |
JP2022048970A (ja) | 食品包装用紙 | |
JP2022069067A (ja) | 包装材料 | |
JP6325299B2 (ja) | 電子写真用転写紙 | |
JP2023121209A (ja) | クラフト紙 | |
JP2022149469A (ja) | 紙製包装材料 | |
JP2010111969A (ja) | 塗工原紙用表面処理剤 | |
JP2020196225A (ja) | 積層体 | |
JP2005105486A (ja) | 無塵紙 |