JP2021072252A - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】部分充電状態で使用される場合の寿命が長くなることが期待できる鉛蓄電池を提供する。【解決手段】正極合剤および負極合剤が除去された後に洗浄された状態で、正極板および負極板の集電体1を、格子状基板を成す長方形の一方の側の角を通る対角線Dに沿って切断して生じる、耳部が存在する分割体2を、基準線Kにより、第一の部分21と第二の部分22に区分する。第一の部分21において、複数本の中骨112の各切断面Cnと中心点Pとの間の各抵抗値Rnのうち、複数本の中骨の全ての切断面C1〜Cnと中心点Pとの間の抵抗値の平均値RAよりも高い値となっている抵抗値の平均値RBは、負極板の値RBnが正極板の値RBpより高く、両者の差(RBn−RBp)が8mΩ以上15mΩ以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、鉛蓄電池に関する。
近年の環境問題の深刻化に伴い、自動車等の排出ガス規制は世界的に厳しくなっている。この様な規制に対応するため、自動車メーカーは様々な環境技術を開発してきた。その環境技術としては、停車時に一時的にエンジンを停止させるアイドリングストップシステム(Idling Stop System:ISS)が知られている。ISSを搭載した内燃自動車(ISS車)は、信号待ち等で停車した際のアイドリングによる燃料の消費を抑制できるため、燃費が向上するとともに、排出ガス量も低減できる。
ISS車のエンジンは頻繁に停止と始動を繰り返すため、ISS車用の鉛蓄電池は部分充電状態(PSOC:Partial State of Charge)で充電と放電が繰り返される。このような使用状態では、放電時に負極板に生成された硫酸鉛が粗大化して、充電しても金属鉛に戻らなくなる現象(サルフェーション)が生じ易くなる。
これに対して、十分な充電状態で使用される鉛蓄電池では、サルフェーションの原因となる電解液の成層化が、水の電気分解で生じたガスにより解消され易い。よって、鉛蓄電池が部分充電状態で使用される場合、十分な充電状態で使用される場合と比較して、鉛蓄電池の寿命が短くなる。
サルフェーションを抑制する方法に関し、本発明の出願人は特許文献1において、負極活物質100重量部にカーボン1〜5重量部を添加するとともに、負極活物質100重量部にビスマス0.01〜0.1重量部を添加するか、硫酸電解液にK、Ca、Alから選択した少なくとも1種を硫酸塩換算で5〜50g/L添加することを提案している。
また、特許文献2は、エネルギー貯蔵用鉛蓄電池に関し、負極活物質に核剤及び/又は他の添加剤を添加することによって、負極の充放電特性を改善し、正負極間の充放電特性のバランスを取り、電池全体の充放電特性及びサイクル寿命特性を向上させることが記載されている。
しかし、特許文献1および2には、正極板および負極板を構成する、長方形の格子状基板と格子状基板に連続する耳部とを有する集電体の分割体(長方形の一方の側の角を通る対角線に沿って切断して生じる分割体)を用いた考察により、正負極間の充放電特性のバランスを整えて、部分充電状態で使用される場合の寿命を長くすることは記載されていない。
特許第3936157号公報 WO2013/46499パンフレット
本発明の課題は、部分充電状態で使用される場合の寿命が長くなることが期待できる鉛蓄電池を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様の鉛蓄電池は下記の構成(1)〜(4)を有する。
(1)セル室と、セル室に電解液と共に収納された極板群と、を備え、極板群は、交互に配置された負極板および正極板と、負極板と正極板との間に配置されたセパレータと、を有する。
(2)正極板および負極板は、長方形の格子状基板と格子状基板に連続する耳部とを有する集電体の格子状基板に、正極合剤および負極合剤がそれぞれ保持されたものである。格子状基板は、長方形の一辺に沿う上部骨と、上部骨に接続されて上部骨より下方に存在する複数本の中骨と、を有する。耳部は、上部骨の一辺の中心から一方にずれた位置から上方に突出している。
(3)正極合剤および負極合剤が除去された後に洗浄された状態で、集電体を長方形の一方の側の角を通る対角線に沿って切断して生じる分割体のうち耳部が存在する分割体は、耳部の上部骨との境界線上の中心点Pを通り上部骨に垂直な基準線により、第一の部分と第二の部分に区分される。第一の部分は第二の部分よりも面積が大きい。
(4)第一の部分において、複数本の中骨の各切断面Cnと中心点Pとの間の各抵抗値Rnのうち、複数本の中骨の全ての切断面C1〜Cnと中心点Pとの間の抵抗値の平均値Rよりも高い値となっている抵抗値の平均値Rは、負極板の値RBnが正極板の値RBpより高く、両者の差(RBn−RBp)が8mΩ以上15mΩ以下である。
本発明の鉛蓄電池は、部分充電状態で使用される場合の寿命が長くなることが期待できる。
実施形態の鉛蓄電池が有する正極板および負極板を構成する集電体を示す正面図である。 図1の集電体を、格子状基板を成す長方形の一方の側の角を通る対角線に沿って切断して生じる、耳部が存在する分割体を示す正面図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は以下に示す実施形態に限定されない。以下に示す実施形態では、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定は本発明の必須要件ではない。
<全体構成について>
本発明の実施形態の鉛蓄電池は、従来公知のモノブロックタイプの電槽と、蓋と、六個の極板群を有する。電槽は、隔壁により六個のセル室に区画されている。六個のセル室は電槽の長手方向に沿って配列されている。各セル室に一つの極板群が配置されている。各セル室に電解液が注入されている。
各極板群は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板と、正極板および負極板との間に配置されたセパレータと、からなる積層体を有する。
正極板は、正極集電体と正極合剤(正極活物質を含む合剤)とを有する。正極集電体は、長方形の格子状基板と、格子状基板に連続する耳部とを有し、格子状基板に正極合剤が保持されている。負極板は、負極集電体と負極合剤(負極活物質を含む合剤)とを有する。負極集電体は、長方形の格子状基板と、格子状基板に連続する耳部とを有し、格子状基板に負極合剤が保持されている。複数枚の正極板および負極板は、セパレータを介して交互に配置されている。積層体を構成する負極板の枚数は正極板の枚数よりも一枚多い。
負極板は袋状セパレータ内に収納されている。そして、負極板が入った袋状セパレータと正極板とを交互に重ねることで、正極板と負極板との間にセパレータが配置された状態となっている。なお、正極板を袋状セパレータ内に収納して、負極板と交互に重ねてもよい。
また、各極板群は、積層体を構成する複数の正極板および負極板をそれぞれ幅方向の別の位置で連結する正極ストラップおよび負極ストラップと、正極ストラップおよび負極ストラップからそれぞれ立ち上がる正極中間極柱および負極中間極柱と、外部端子となる正極極柱および負極極柱を有する。
正極ストラップおよび負極ストラップは、複数の正極板および負極板の耳部をそれぞれ連結して固定している。隣接するセル室の正極中間極柱同士および負極中間極柱同士が抵抗溶接されて、隣接するセル室間が電気的に直列に接続されている。
正極極柱および負極極柱は、セル室配列方向の両端のセル室に配置された正極ストラップおよび負極ストラップに、小片部を介して形成されている。
<集電体について>
本実施形態の正極板および負極板は同じ集電体を有する。図1に示すように、その集電体1は、長方形の格子状基板11と格子状基板11に連続する耳部12とを有する。格子状基板11は、格子状基板11を成す長方形の一辺に沿う上部骨111と、上部骨111に接続されて上部骨111より下方に存在する複数本の中骨112と、を有する。耳部12は、上部骨111の一辺の中心から一方(図1の右側)にずれた位置から上側に突出している。また、図示しないが、正極板の集電体1には格子状基板11に正極合剤が保持され、負極板の集電体1には格子状基板11に負極合剤が保持される。
集電体1を、格子状基板11を成す長方形の右側(一方の側)の角を通る対角線Dに沿って切断して生じる分割体のうち、耳部が存在する分割体を、図2に示す。この分割体2は、耳部12の上部骨111との境界線L上の中心点Pを通り上部骨111に垂直な基準線Kにより、第一の部分21と第二の部分22に区分され、第一の部分21は第二の部分22よりも面積が大きい。第一の部分21は、13本の中骨112の切断面C1〜C13を有する。
そして、化成後の正極板および負極板の格子状基板11から正極合剤および負極合剤が除去された後に洗浄された状態の集電体を、切断して生じた第一の部分21を用い、13本の各切断面C1〜C13と中心点Pとの間の各抵抗値R1〜R13を測定して、その平均値(全体平均値)Rを算出するとともに、全体平均値Rよりも高い値となっている抵抗値の平均値(高抵抗平均値)Rを算出すると、高抵抗平均値Rは、負極板の値RBnが正極板の値RBpより高く、高抵抗平均値の差(RBn−RBp)が8mΩ以上15mΩ以下になっている。
なお、集電体1は、打ち抜き法、エキスパンド法、重力鋳造法などの通常の方法で得ることができる。
<電解液について>
本実施形態の鉛蓄電池において、各セル室に注入されている電解液は、アルミニウムイオンを0.010mol/L以上0.3mol/L以下の範囲で含有する硫酸水溶液である。
[作用、効果]
一般的な鉛蓄電池の充電効率は負極の方が正極より高いが、部分充電状態で使用される場合は正負極間の充電効率のバランスが重要である。正負極間の容量バランスが崩れると、早期に電圧が低下してしまう。
本実施形態の鉛蓄電池においては、負極板の高抵抗平均値RBnが正極板の高抵抗平均値RBpより高く、両者の差(RBn−RBp)が8mΩ以上15mΩ以下になっていることで、充電時に正負極間の充電バランスが整えられると推察される。また、アルミニウムイオンを0.010mol/L以上0.3mol/L以下の範囲で含有する硫酸水溶液を電解液として使用することで、放電時に生成される硫酸鉛の粗大化が防止されて、サルフェーションが抑制される。
以上のことから、本実施形態の鉛蓄電池によれば、部分充電状態で使用される場合の寿命が長くなることが期待できる。
[試験電池の作製]
実施形態の鉛蓄電池と同じ構造の鉛蓄電池として、サンプルNo.1〜No.11の鉛蓄電池を作製した。
サンプルNo.1〜No.11の鉛蓄電池はM42型のアイドリングストップ用液式鉛蓄電池であって、正極板および負極板を構成する集電体における上記高抵抗平均値の差(RBn−RBp)が異なるものであり、それ以外の点は全て同じ構成を有する。
<サンプルNo.1>
サンプルNo.1の鉛蓄電池は、正極集電体および負極集電体として、図1に示す形状の集電体1を有する。集電体1は、一般的なエキスパンド基板の形状であって、略菱形の複数の開口部が網状に配列した形状を有する。集電体1は、エキスパンド法により、圧延板の圧延方向に対して平行に、無数の切れ込みを千鳥状に入れた状態で、圧延方向と直交する方向へ圧延板を引き伸ばすことで得られる。
使用した集電体1の寸法は、正極集電体では、寸法S1=115.0mm、寸法S2=100.0mm、寸法S3=5.0mm、寸法S4=1.2mm、寸法S5(中骨112の平均幅)=1.0mm、中骨112の厚さは1mm、寸法S6=45.0mmである。負極集電体では、寸法S1=113.0mm、寸法S2=98.0mm、寸法S3=4.5mm、寸法S4=1.0mm、寸法S5(中骨112の平均幅)=1.0mm、中骨112の厚さは1mm、寸法S6=44.0mmとである。
先ず、帯状の鉛合金シート(複数枚の集電体1に対応する大きさ)に対するエキスパンド加工工程、格子状基板11への活物質ペーストの充填工程、予熱乾燥工程、熟成乾燥工程、および切断工程を行うことにより、図1の集電体1を有する化成前の正極板および負極板を作製した。各工程は通常の方法で行った。
次に、得られた化成前の負極板をポリエチレン製の袋状セパレータに入れたものを8枚と、得られた化成前の正極板7枚を、交互に積層して積層体を得た。次に、COS(キャストオンストラップ)方式の鋳造装置を用いて、各積層体の正極板および負極板にストラップと中間極柱と端子極柱を形成することで、極板群を得た。
この極板群を六個用意し、電槽の各セル室に入れて、隣接するセル室間の中間極柱の抵抗溶接、電槽と蓋の熱溶着、注液孔から各セル室内への電解液(アルミニウムイオンを含まない硫酸水溶液)の注入、および注液孔を塞ぐことなどの通常の工程を行うことにより、M42型のアイドリングストップ用液式鉛蓄電池を組み立てた。その後、通常の方法で電槽化成を行うことで、電槽化成後の比重を1.285(20℃換算値)とした。このようにしてNo.1の鉛蓄電池を得た。
化成により、正極板の集電体1では中骨112の表面に腐食層が形成されるが、負極板の集電体には腐食層が形成されない。これにより、正極板の集電体の抵抗値は化成前後で変化するが、負極板の集電体の抵抗値は化成前後で変化しない。サンプルNo.1では、化成時間と化成電流値を所定値に設定することにより、正極腐食率を0.002%とした。
なお、化成時間が長くなるほど、また化成電流値が大きくなるほど、あるいは、化成時の電解液の比重が大きいほど、腐食層は厚く成長する傾向がある。そして、腐食率を制御するための具体的な化成条件は、当業者が通常有する知識によって適宜設定することができる。
また、集電体の抵抗値を変化させる方法としては、腐食率を変化させる方法以外に、中骨の太さを変化させる方法も挙げられる。
<サンプルNo.2>
化成時間と化成電流値を変えて正極腐食率を0.003%とした以外は、サンプルNo.1と同じ方法でNo.2の鉛蓄電池を得た。
<サンプルNo.3>
化成時間と化成電流値を変えて正極腐食率を0.005%とした以外は、サンプルNo.1と同じ方法でNo.3の鉛蓄電池を得た。
<サンプルNo.4>
電解液として、アルミニウムイオンを0.005mol/L含む硫酸水溶液を用いた。また、化成時間と化成電流値を変えて正極腐食率を0.005%とした。これらの点以外は、サンプルNo.1と同じ方法でNo.4の鉛蓄電池を得た。
<サンプルNo.5>
電解液として、アルミニウムイオンを0.010mol/L含む硫酸水溶液を用いた。また、化成時間と化成電流値を変えて正極腐食率を0.005%とした。これらの点以外はサンプルNo.1と同じ方法でNo.5の鉛蓄電池を得た。
<サンプルNo.6>
電解液として、アルミニウムイオンを0.300mol/L含む硫酸水溶液を用いた。また、化成時間と化成電流値を変えて正極腐食率を0.005%とした。これらの点以外は、サンプルNo.1と同じ方法でNo.6の鉛蓄電池を得た。
<サンプルNo.7>
電解液として、アルミニウムイオンを0.400mol/L含む硫酸水溶液を用いた。また、化成時間と化成電流値を変えて正極腐食率を0.005%とした。これらの点以外は、サンプルNo.1と同じ方法でNo.7の鉛蓄電池を得た。
<サンプルNo.8>
化成時間と化成電流値を変えて正極腐食率を0.007%とした以外は、サンプルNo.1と同じ方法でNo.8の鉛蓄電池を得た。
<サンプルNo.9>
化成時間と化成電流値を変えて正極腐食率を0.010%とした以外は、サンプルNo.1と同じ方法でNo.9の鉛蓄電池を得た。
<サンプルNo.10>
化成時間と化成電流値を変えて正極腐食率を0.012%とした以外は、サンプルNo.1と同じ方法でNo.10の鉛蓄電池を得た。
<サンプルNo.11>
電解液として、アルミニウムイオンを0.300mol/L含む硫酸水溶液を用いた。また、化成時間と化成電流値を変えて正極腐食率を0.012%とした。これらの点以外は、サンプルNo.1と同じ方法でNo.11の鉛蓄電池を得た。
[分割体の切断面の各抵抗値測定と差(RBn−RBp)の算出]
先ず、得られたサンプルNo.1〜No.11の鉛蓄電池を分解して、正極板および負極板を取り出し、正極板および負極板から正極活物質および負極活物質を除去して洗浄することにより、No.1〜No.11の各正極板および各負極板を構成する集電体を得た。
具体的には、先ず、正極活物質および負極活物質を格子状基板から掻き落とした。次に、水10Lに対して、マンニトール200g、硫酸ヒドラジウム100g、および水酸化ナトリウム1000gを溶解させた20℃のアルカリ水溶液に、活物質が掻き落とされた後の正極板および負極板を浸漬して、化学的に正極活物質および負極活物質を除去した。前記除去作業において、前記アルカリ水溶液に正極板および負極板を完全に浸漬させた状態を15分間維持した。次に、活物質が除去された後の正極板および負極板を、17.3mol/Lの酢酸水溶液を水で10倍希釈した20℃の酢酸水溶液に浸漬することで洗浄した。前記洗浄作業において、前記酢酸水溶液に正極板および負極板を完全に浸漬させた状態を15分間維持した。
次に、各集電体1を、それぞれ図1に示す対角線Dに沿って鋏で切断することにより、図2に示す耳部が存在する分割体2を得た。耳部が存在する分割体2において、基準線Kにより区分された第一の部分21は、中骨112の切断面を13個有していた。
このようにして得られたサンプルNo.1〜No.11の各正極板および各負極板の第一の部分21について、13本の各切断面C1〜C13と中心点Pとの間の各抵抗値R1〜R13を三回測定した。測定は、HIOKI「3554 BATTERY HITESTER」を用いて行った。
次に、サンプル毎に、抵抗値(三回測定の平均値)R1〜R13の平均値(全体平均値)Rを算出するとともに、全体平均値Rよりも高い値となっている抵抗値の平均値(高抵抗平均値)Rを算出した。その結果を、サンプルNo.1については表1に示す。
[正極腐食率の算出]
抵抗測定後の正極集電体の格子状基板について、中骨の任意の5点をそれぞれ略垂直に切断した断面を、走査型電子顕微鏡で観察して、腐食層の平均厚さd1を測定した。正極腐食率は、格子状基板の中骨の厚さd2に対する、測定された平均厚さd1の比(d1/d2)として算出できる。この算出値が各サンプルで上述の各値となっていた。
Figure 2021072252
表1に示すように、全体平均値Rは、正極で12.8、負極で16.9であり、高抵抗平均値Rは、正極ではR9〜R13の平均値である19.0(=RBp)、負極ではR10〜R13の平均値である26.0(=RBn)であった。よって、差(RBn−RBp)は7.0であった。
また、サンプルNo.2の結果を表2に示す。
Figure 2021072252
表2に示すように、全体平均値Rは、正極で11.7、負極で16.9であり、高抵抗平均値Rは、正極ではR9〜R13の平均値である18.0(=RBp)、負極ではR10〜R13の平均値である26.0(=RBn)であった。よって、差(RBn−RBp)は8.0であった。
また、サンプルNo.3〜No.7の結果を表3に示す。
Figure 2021072252
表3に示すように、全体平均値Rは、正極で10.5、負極で16.9であり、高抵抗平均値Rは、正極ではR9〜R13の平均値である16.0(=RBp)、負極ではR10〜R13の平均値である26.0(=RBn)であった。よって、差(RBn−RBp)は10.0であった。
また、サンプルNo.8の結果を表4に示す。
Figure 2021072252
表4に示すように、全体平均値Rは、正極で8.4、負極で16.9であり、高抵抗平均値Rは、正極ではR10〜R13の平均値である14.0(=RBp)、負極ではR10〜R13の平均値である26.0(=RBn)であった。よって、差(RBn−RBp)は12.0であった。
また、サンプルNo.9の結果を表5に示す。
Figure 2021072252
表5に示すように、全体平均値Rは、正極で7.2、負極で16.9であり、高抵抗平均値Rは、正極ではR9〜R13の平均値である11.0(=RBp)、負極ではR10〜R13の平均値である26.0(=RBn)であった。よって、差(RBn−RBp)は15.0であった。
また、サンプルNo.10とNo.11の結果を表6に示す。
Figure 2021072252
表6に示すように、全体平均値Rは、正極で6.7、負極で16.9であり、高抵抗平均値Rは、正極ではR9〜R13の平均値である10.0(=RBp)、負極ではR10〜R13の平均値である26.0(=RBn)であった。よって、差(RBn−RBp)は16.0であった。
[試験および評価]
得られたサンプルNo.1〜No.11の鉛蓄電池に対して、SBA S 0101(2014)で規定されているアイドリングストップ寿命試験を行った。得られた各サンプルの寿命時間から、サンプルNo.3の寿命時間を100とした相対値を算出した。その結果を、各サンプルの構成(RBn−RBpと電解液のアルミニウムイオン濃度)とともに表7に示す。
Figure 2021072252
表7から分かるように、電解液としてアルミニウムイオンを含まない硫酸水溶液を用いたNo.1〜No.3、No.8〜No.10の鉛蓄電池を比較すると、高抵抗平均値の差(RBn−RBp)が8mΩ以上15mΩ以下の範囲にあるサンプルは、SBA寿命試験で相対値100以上の良好な結果が得られた。これは、充電時の正極と負極の充電バランスが整えられて極板の回生充電受入性が向上したためであると考えられる。また、高抵抗平均値の差(RBn−RBp)が8mΩであるNo.2の鉛蓄電池が最も寿命が長くなっていた。
高抵抗平均値の差(RBn−RBp)が10mΩで電解液のアルミニウムイオンが異なるNo.3〜No.7の鉛蓄電池を比較すると、電解液にアルミニウムイオンを0.010mol/L以上0.3mol/L以下の範囲で含有するNo.5およびNo.6のサンプルは、電解液にアルミニウムイオンを含まないNo.3のサンプルよりも、SBA寿命試験で良好な結果が得られた。これに対して、アルミニウムイオンの添加量が0.005mol/LであるNo.4のサンプルは、電解液にアルミニウムイオンを含まないNo.3のサンプルと同じ結果であった。また、アルミニウムイオンの添加量が0.400mol/LであるNo.7のサンプルは、電解液にアルミニウムイオンを含まないNo.3のサンプルよりもSBA寿命が短くなった。これは、アルミニウムイオンの添加量が多すぎて電解液の抵抗が増加したためであると考えられる。
なお、高抵抗平均値の差(RBn−RBp)が16mΩであるNo.10の鉛蓄電池とNo.11の鉛蓄電池との比較においても、電解液にアルミニウムイオンを0.300mol/L含むNo.10の鉛蓄電池は、電解液にアルミニウムイオンを含まないNo.11の鉛蓄電池よりもSBA寿命試験が長かった。
以上の結果から、高抵抗平均値の差(RBn−RBp)が8mΩ以上15mΩ以下を満たす集電体を備える鉛蓄電池は、部分充電状態で使用される場合の寿命を長くできることが確認できた。また、電解液にアルミニウムイオンを添加する場合の添加量は0.010mol/L以上0.3mol/L以下が適切であることも確認できた。
1 集電体
11 格子状基板
12 耳部
111 上部骨
112 中骨
2 耳部が存在する分割体
21 第一の部分
22 第二の部分
D 対角線
K 基準線

Claims (2)

  1. セル室と、前記セル室に電解液と共に収納された極板群と、を備え、
    前記極板群は、交互に配置された負極板および正極板と、負極板と正極板との間に配置されたセパレータと、を有し、
    前記正極板および前記負極板は、長方形の格子状基板と前記格子状基板に連続する耳部とを有する集電体の前記格子状基板に、正極合剤および負極合剤がそれぞれ保持されたものであり、
    前記格子状基板は、前記長方形の一辺に沿う上部骨と、前記上部骨に接続されて前記上部骨より下方に存在する複数本の中骨と、を有し、
    前記耳部は、前記上部骨の前記一辺の中心から一方にずれた位置から上方に突出し、
    前記正極合剤および負極合剤が除去された後に洗浄された状態で、前記集電体を前記長方形の前記一方の側の角を通る対角線に沿って切断して生じる分割体のうち前記耳部が存在する分割体は、前記耳部の前記上部骨との境界線上の中心点Pを通り前記上部骨に垂直な基準線により、第一の部分と第二の部分に区分され、前記第一の部分は前記第二の部分よりも面積が大きく、
    前記第一の部分において、前記複数本の中骨の各切断面Cnと前記中心点Pとの間の各抵抗値Rnのうち、前記複数本の中骨の全ての切断面C1〜Cnと前記中心点Pとの間の抵抗値の平均値Rよりも高い値となっている抵抗値の平均値Rは、前記負極板の値RBnが前記正極板の値RBpより高く、両者の差(RBn−RBp)が8mΩ以上15mΩ以下である鉛蓄電池。
  2. 前記電解液は、アルミニウムイオンを0.010mol/L以上0.3mol/L以下の範囲で含有する硫酸水溶液である請求項1記載の鉛蓄電池。
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