JP2021072204A - プラズマアクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】プラズマアクチュエータにおいて、アーク放電の発生を抑制することができる。【解決手段】誘電体である板状の誘電体層と、前記誘電体層の第1面に設けられた第1電極と、前記誘電体層の第2面に設けられた第2電極と、前記誘電体層に設けられている第3電極と、前記第2電極を接地電極として、前記第1電極に直流電圧を印加し、前記第3電極に交流電圧を印加することで、プラズマを発生させて噴流を誘起する制御装置と、を備え、前記第1電極及び第3電極のうち、一方の電極は、他方の電極からの距離が最も近い面が少なくとも絶縁体で被覆されていることを特徴とする、プラズマアクチュエータである。【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマアクチュエータに関する。
下記特許文献1には、誘電体から成る誘電体層の表面にAC電極、前記誘電体層の裏面に接地電極を設けて、両電極間に交流電圧を印加することにより、誘電体層の表面にプラズマを発生させてジェット(噴流)を誘起させるプラズマアクチュエータが開示されている。
近年、噴流の推力を向上させることを目的として、直流電圧を印加する電極(以下、「DC電極」という。)を誘電体層の表面にさらに設ける三電極プラズマアクチュエータが提案されている。
特開2019−61778号公報
しかしながら、電体層の表面に設けられた2つの電極であるAC電極とDC電極との間でアーク放電が発生してしまう場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、アーク放電の発生を抑制するプラズマアクチュエータを提供することである。
(1)本発明の一態様は、誘電体である板状の誘電体層と、前記誘電体層の第1面に設けられた第1電極と、前記誘電体層の第2面に設けられた第2電極と、前記誘電体層に設けられている第3電極と、前記第2電極を接地電極として、前記第1電極に直流電圧を印加し、前記第3電極に交流電圧を印加することで、プラズマを発生させて噴流を誘起する制御装置と、を備え、前記第1電極及び第3電極のうち、一方の電極は、他方の電極からの距離が最も近い面が少なくとも絶縁体で被覆されていることを特徴とする、プラズマアクチュエータである。
(2)上記(1)のプラズマアクチュエータであって、前記第3電極は、全ての表面が被覆されてもよい。
(3)上記(2)のプラズマアクチュエータであって、前記第3電極は、前記誘電体層の内部に設けられてもよい。
(4)上記(2)のプラズマアクチュエータであって、気流に対して露出した電極である第4電極を更に備え、前記第1電極は、前記誘電体層の第1端部側の前記第1面に設けられ、前記第3電極は、前記誘電体層の第2端部側における前記誘電体層の内部に設けられ、前記第4電極は、前記第2端部側の前記第1面に設けられてもよい。
(5)上記(3)のプラズマアクチュエータであって、前記第1電極は、前記誘電体層の第1端部側の前記第1面に設けられ、前記第3電極は、前記誘電体層の第2端部側における前記誘電体層の内部に設けられ、前記第3電極の複数の面のうち、前記第2端部側の側面のみが気流に対して露出していてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、プラズマアクチュエータにおいて、アーク放電の発生を抑制することができる。
第1の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1の概略構成の一例を示す図である。 第1の実施形態に係るジェットJを説明する図である。 第2の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1Bの概略構成の一例を示す図である。 第2の実施形態に係る作用効果を説明する図である。 第3の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1Cの概略構成の一例を示す図である。 第3の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1Cの模式的な斜視図である。 第1の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1の変形例を示す図である。 第3の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1Cの変形例を示す図である。
以下、本実施形態に係るプラズマアクチュエータを、図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1の概略構成の一例であって、断面図を示す図である。プラズマアクチュエータ1は、気体中の放電によりプラズマを発生させて、周囲気体にジェットJ(噴流)を誘起する。例えば、プラズマアクチュエータ1は、航空機翼や回転機器翼での剥離制御に用いられる。ここで、上記気体中の放電とは、誘電体バリア放電(Dielectric Barrier Discharge:DBD)やコロナ放電が含まれる。
以下において、第1の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1の概略構成を、図1を用いて説明する。
図1に示すように、プラズマアクチュエータ1は、誘電体層2、DC電極3、接地電極4、AC電極5及び制御装置6を備える。
誘電体層2は、板状の誘電体であって、例えば、誘電体層2は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やポリイミドなどの誘電体層である。
DC電極3は、誘電体層2の表面2aに設けられている電極である。DC電極3は、制御装置6により直流電圧が印加される電極である。例えば、DC電極3は、銅箔テープである。表面2aは、本発明の「第1面」の一例である。本実施形態に係るDC電極3は、露出電極である。露出電極とは、気流に対して露出している電極である。
例えば、DC電極3は、誘電体層2の表面2aであって、且つ、誘電体層2の平面方向においてAC電極5よりも誘電体層2の一端(第1端部)100側に設けられている。
なお、DC電極3は、本発明の「第1電極」の一例である。
接地電極4は、誘電体層2の裏面2bに設けられている電極である。接地電極4は、グランド(GND)に接地される電極である。例えば、接地電極4は、銅箔テープである。裏面2bは、本発明の「第2面」の一例である。すなわち、第2面は、誘電体層の面であって、第1面と反対の面である。なお、本実施形態では、接地電極4は、露出電極であるが、これに限定されず、絶縁体により全体が被覆されてもよい。例えば、接地電極4は、誘電体層2とは異なる絶縁体で被覆されてもよい。
なお、接地電極4は、本発明の「第2電極」の一例である。
DC電極3と接地電極4とは、誘電体層2の平面方向に沿って位置をずらして配置されている。また、図1に示す例では、DC電極3と接地電極4とが誘電体層2の法線方向において重ならないように配置されているが、DC電極3と接地電極4とが法線方向において部分的に重なるように配置されてもよい。
AC電極5は、誘電体層2に設けられている電極である。AC電極5は、DC電極3と所定の距離Hだけ離して誘電体層2に設けられている。AC電極5は、絶縁体で被覆されている。ここで、AC電極5に対する被覆は、AC電極5の表面全体を絶縁体で被覆する場合や表面全体の一部を絶縁体で被覆する場合も含む。ただし、表面全体の一部を被覆する場合は、少なくともDC電極3との距離が最も近い面が被覆されている。
また、AC電極5は、2つの底面(上面及び下面)及び4つの側面のうち、第2端部200側の側面のみを露出させ、その他の側面及び2つの底面を絶縁体で被覆してもよい。
なお、誘電体層2は絶縁体であるため、図1に示す例では、AC電極5は、誘電体層2の内部に設けられている。換言すれば、AC電極5は、誘電体層2の内部に埋め込まれている。これにより、AC電極5は、すべての面が誘電体で被覆される。ただし、これに限定されず、AC電極5は、必ずしも誘電体層2の内部に設けられている必要はなく、例えば、すべての面が誘電体で被覆された状態で誘電体層2の表面2aに設けられてもよい。AC電極5は、制御装置6により交流電圧が印加される電極である。例えば、AC電極5は、銅箔テープである。
例えば、AC電極5は、誘電体層2の内部において、DC電極3よりも誘電体層2の他端(第2端部)200側に設けられている。第2端部200は、誘電体層2の平面方向において、第1端部100とは反対方向の端部である。また、AC電極5は、誘電体層2の内部において、接地電極4よりも誘電体層2の第2端部200側に設けられている。
AC電極5とDC電極3とは、誘電体層2の平面方向に沿って位置をずらして配置されている。さらに、AC電極5と接地電極4とは、誘電体層2の平面方向に沿って位置をずらして配置されている。また、図1に示す例では、AC電極5は、DC電極3及び接地電極4のそれぞれと誘電体層2の法線方向において重ならないように配置されている。ただし、これに限定されず、AC電極5と接地電極4とが法線方向において部分的に重なるように配置されてもよい。
なお、AC電極5は、本発明の「第3電極」の一例である。
制御装置6は、直流電源7及び交流電源8を備える。
直流電源7は、プラス端子7aがDC電極3に接続され、マイナス端子7bが接地電極4に接続される。直流電源7は、接地電極4を基準としてDC電極3に直流電圧VDCを印加する。なお、マイナス端子7bは、直接又は間接的にグランド(GND)に接続される。ここで、直流電圧VDCは、正の直流電圧でもよいし、負の直流電圧であってもよい。例えば、直流電圧VDCは、数kV〜数十kVである。
交流電源8は、例えば、単相の交流電源である。交流電源8は、第1の出力端子8aがAC電極5に接続され、第2の出力端子8bが接地電極4に接続される。交流電源8は、接地電極4を基準としてAC電極5に交流電圧VACを印加する。なお、第2の出力端子8bは、直接又は間接的にグランド(GND)に接続される。例えば、交流電圧VACは、ピークピーク(Peak-to-peak)値が数kV〜数十kVであり、周波数が数kHzから数十kHzである。
このように、制御装置6は、接地電極4を基準として、DC電極3に直流電圧VDCを印加し、AC電極5に交流電圧VACを印加することで、表面2a上にプラズマを発生させてジェットJを誘起する。
以下に、第1の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1に動作について説明する。なお、直流電圧VDCは、交流電圧VACのピーク値よりも高いとする。
制御装置6は、誘電体層2の表面2aにジェットJを誘起するために、接地電極4を接地電極として、DC電極3に直流電圧VDCを印加し、AC電極5に交流電圧VACを印加する。
DC電極3と接地電極4との間に直流電圧VDCを印加すると、DC電極3に近傍に放電(例えば、直流のコロナ放電)が形成されて、DC電極3の近傍の表面2a上にプラズマが生成される。そして、DC電極3と接地電極4との間やDC電極3とAC電極5との間の電界によって、プラズマ中のイオンが加速され、周囲気体の中性粒子と衝突する。この衝突によって、運動量が中性粒子に交換され、DC電極3の近傍の表面2aに体積力F(body force)1が生成される。
また、AC電極5と接地電極4との間に交流電圧ADCを印加すると、AC電極5に近傍に放電(誘電体バリア放電)が形成されて、AC電極5の近傍の表面2a上にプラズマが生成される。そして、AC電極5と接地電極4との間やAC電極5とDC電極3との間の電界によって、プラズマ中のイオンが加速され、周囲気体の中性粒子と衝突する。この衝突によって、運動量が中性粒子に交換され、AC電極5の近傍の表面2aに体積力F2が生成される。したがって、これらの体積力F1及び体積力F2によって、表面2a上にジェットJが誘起される(図2)。
ここで、AC電極5が誘電体で被覆されていてもAC電極5と接地電極4との間の誘電体バリア放電は、問題なく形成され、体積力F2が生成される。ただし、体積力F2は、体積力F1よりも小さい。
体積力F1は、体積力F2によりも大きく、第1端部100から第2端部200にむけて流体を加速させる力である。一方、体積力F2は、体積力F1によりも小さく、第2端部200から第1端部100にむけて流体を加速させる力である。すなわち、体積力F1と体積力F2とは逆方向の力であり、これにより、誘起されるジェットJは、表面2aに垂直な方向に偏向することになる。このように、体積力F1と体積力F2とを合わせた体積力によってジェットJが誘起されることになる。
さらに、第1の実施形態では、被覆されたAC電極5により生じた誘電体バリア放電がDC電極3による放電を強化する。すなわち、被覆されたAC電極5により生じた誘電体バリア放電によって電子がDC電極3側に供給され、DC電極3による放電が強化される。これにより、AC電極5とDC電極3との間のアーク放電を生じさせずに、体積力を向上させ、ジェットJの推力を向上させることができる。
上述したように、第1の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1は、AC電極5が誘電体に被覆されている。
このような構成により、故障の原因であるAC電極5とDC電極3との間のアーク放電が抑制される。さらに、AC電極5とDC電極3との間の距離Hを従来よりも短く設定することが可能となり、プラズマアクチュエータ1の小型化に寄与する。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1Bについて説明する。図3は、第2の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1Bの概略構成図であって、断面図を示す図である。第2の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1Bは、第1の実施形態と比較して、基準電極10が設けられている点で相違し、その他の構成については第1の実施形態と同様である。なお、図面において、同一又は類似の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省く場合がある。
プラズマアクチュエータ1Bは、第1の実施形態と同様に、気体中の放電によりプラズマを発生させて、周囲気体にジェットJを誘起する。例えば、プラズマアクチュエータ1Bは、航空機翼や回転機器翼での剥離制御に用いられる。
以下において、第2の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1Bの概略構成を、図3を用いて説明する。
図3に示すように、プラズマアクチュエータ1Bは、誘電体層2、DC電極3、接地電極4、AC電極5、制御装置6及び基準電極10を備える。
基準電極10は、基準電極10は、誘電体層2の表面2aであって、AC電極の周囲に設けられている。本実施形態に係る基準電極10は、誘電体層2の表面2aであって、且つ、AC電極5よりも誘電体層2の第2端部200側に設けられている。基準電極10は、露出電極である。例えば、基準電極10は、銅箔テープである。この基準電極10は、グランド(GND)に接続されている。すなわち、基準電極10は、接地されている。
ここで、水平方向の距離において、AC電極5と基準電極10との距離Lは、DC電極3とAC電極5との距離Hと同一であってもよいし、距離Hよりも長くてもよい。
基準電極10は、本発明の「第4電極」の一例である。
なお、第2の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1BにおけるジェットJが誘起される原理は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
次に、第2の実施形態に係る作用効果について、図4を用いて説明する。
プラズマアクチュエータ1Bは、第1の実施形態と同様に、AC電極5に交流電圧VACを印加し、DC電極3に直流電圧VDCを印加することでプラズマを発生させジェットJを誘起させる。ここで、AC電極5は、被覆されているため、ジェットJを誘起させる放電は、DC電極3による放電が支配的になる。そして、被覆されたAC電極5により生じた誘電体バリア放電は、DC電極3による放電を強化するように作用する。
DC電極3による放電は、DC電極3と接地電極4との間に生じる電界E1によって生じ、プラズマが発生する。そして、プラズマ中のイオン(プラスイオン)が電界E1やDC電極3とAC電極との電界E2とによって加速される(図4(a))。ただし、プラスイオンが表面2aに帯電してしまうため、この帯電によって、誘電体層2の表面2aの電位が上昇し、電界E1が打ち消される。ここで、AC電極5が露出電極であれば、DC電極3とAC電極5との電界E2により、DC電極3による放電が持続され、ジェットが誘起され続けることができる。ただし、AC電極5が誘電体層2の内部に埋め込まれることで被覆されていると、図4(b)に示すように、AC電極5上の誘電体層2の表面2aにまでプラスイオンが帯電するため、誘電体層2の表面2aの電位の上昇によって、電界E2も打ち消されてしまう。これにより、DC電極3による放電が持続することができなくなり、ジェットJが誘起することができない場合が起こり得る。
そこで、第2の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1Bでは、露出電極である基準電極10を備える。これにより、基準電極10は、表面2aに上記帯電の影響を受けないため、DC電極3による放電を持続させることができる。よって、AC電極5とDC電極3との間のアーク放電を生じさせずに、体積力を向上させ、ジェットJの推力を向上させることができる。
上述したように、第2の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1Bは、AC電極5が誘電体に被覆されている。
このような構成により、故障の原因であるAC電極5とDC電極3との間のアーク放電が抑制される。さらに、AC電極5とDC電極3との間の距離Hを従来よりも短く設定することが可能となり、プラズマアクチュエータ1の小型化に寄与する。
さらに、第2の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1Bでは、露出電極である基準電極10が表面2aに設けられている。これにより、プラズマアクチュエータ1Bは、表面2aの帯電の影響を受けずに、DC電極3による放電を持続させることができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1Cについて説明する。図5は、第3の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1Cの概略構成図であって、断面図を示す図である。また、図6は、第3の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1Cの模式的な斜視図である。第3の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1Cは、第1の実施形態の図1と比較して、AC電極5において被覆されていない面がある点で相違し、その他の構成については第1の実施形態の図1と同様である。なお、図面において、同一又は類似の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省く場合がある。
プラズマアクチュエータ1Cは、第1の実施形態と同様に、気体中の放電によりプラズマを発生させて、周囲気体にジェットJを誘起する。例えば、プラズマアクチュエータ1Cは、航空機翼や回転機器翼での剥離制御に用いられる。
以下において、第3の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1Cの概略構成を、図5及び図6を用いて説明する。
プラズマアクチュエータ1Cは、誘電体層2、DC電極3、接地電極4、AC電極5C、制御装置6を備える。
AC電極5Cは、DC電極3と所定の距離Hだけ離して誘電体層2の内部に設けられており、且つ、AC電極5Cの2つの底面(上面及び下面)及び4つの側面のうち、第2端部200側の側面5fのみが気流に対して露出した電極である。AC電極5CとDC電極3とは、誘電体層2の平面方向に沿って位置をずらして配置されている。さらに、AC電極5Cと接地電極4とは、誘電体層2の平面方向に沿って位置をずらして配置されている。具体的には、AC電極5Cは、誘電体層2の内部において、DC電極3よりも誘電体層2の第2端部200側に設けられている。さらに、AC電極5Cは、誘電体層2の内部において、接地電極4よりも誘電体層2の第2端部200側に設けられている。図5に示す例では、AC電極5Cは、DC電極3及び接地電極4のそれぞれと誘電体層2の法線方向において重ならないように配置されている。ただし、これに限定されず、AC電極5Cと接地電極4とが部分的に重なるように配置されてもよい。
AC電極5Cは、制御装置6により交流電圧が印加される電極である。例えば、AC電極5Cは、銅箔テープである。なお、AC電極5Cは、本発明の「第3電極」の一例である。
AC電極5Cには、交流電源8が接続されている。具体的には、AC電極5Cには、交流電源の第1の出力端子8aが接続されている。そして、交流電源8の第2の出力端子8bは、接地されている。
なお、第3の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1CにおけるジェットJが誘起される原理は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
次に、第3の実施形態に係る作用効果について、説明する。
プラズマアクチュエータ1Cは、第1の実施形態と同様に、AC電極5に交流電圧VACを印加し、DC電極3に直流電圧VDCを印加することでプラズマを発生させジェットJを誘起させる。ここで、AC電極5は、被覆されているため、ジェットJを誘起させる放電は、DC電極3による放電が支配的になる。そして、被覆されたAC電極5により生じた誘電体バリア放電は、DC電極3による放電を強化するように作用する。
DC電極3による放電は、DC電極3と接地電極4との間に生じる電界によって生じ、プラズマが発生する。そして、プラズマ中のイオン(プラスイオン)が電界E1やDC電極3とAC電極との電界E2とによって加速されるが、プラスイオンが表面2aに帯電してしまう。よって、この帯電によって、誘電体層2の表面2aの電位が上昇し、電界E1が打ち消される。ここで、AC電極5が露出電極であれば、DC電極3とAC電極5との電界E2により、DC電極3による放電が持続され、ジェットが誘起され続けることができる。ただし、AC電極5が誘電体層2の内部に埋め込まれることで被覆されていると、AC電極5上の誘電体層2の表面2aまでプラスイオンが帯電するため、誘電体層2の表面2aの電位の上昇によって、電界E2も打ち消されてしまう。これにより、DC電極3による放電が持続することができなくなり、ジェットJが誘起することができない場合が起こり得る。
そこで、第3の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1Cでは、AC電極5は、DC電極3から最も遠い側面5fのみが気流に対して露出している。これにより、AC電極5の側面5fは、表面2aに上記帯電の影響を受けないため、側面5fの電位が基準電位となって、DC電極3による放電を持続させることができる。よって、AC電極5とDC電極3との間のアーク放電を生じさせずに、体積力を向上させ、ジェットJの推力を向上させることができる。
上述したように、第3の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1Cは、AC電極5において、DC電極3から最も遠い側面5fのみが気流に対して露出されており、その他の面が誘電体で被覆されている。
このような構成により、故障の原因であるAC電極5とDC電極3との間のアーク放電が抑制される。さらに、AC電極5とDC電極3との間の距離Hを従来よりも短く設定することが可能となり、プラズマアクチュエータ1の小型化に寄与する。
さらに、第3の実施形態に係るプラズマアクチュエータ1Cでは、AC電極5において、AC電極5の側面5fのみが気流に対して露出されている。これにより、プラズマアクチュエータ1Cは、AC電極5の側面5fが表面2aの帯電の影響を受けないため、側面5fの電位を基準として、DC電極3による放電を持続させることができる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
(変形例1)第1の実施形態のプラズマアクチュエータ1は、AC電極5及びDC電極3の双方が絶縁体(誘電体)で全体又は一部が被覆されてもよい。また、第1の実施形態のプラズマアクチュエータ1は、DC電極3が絶縁体(誘電体)で全体が被覆され、AC電極5が露出電極であってもよい。さらに、第1の実施形態のプラズマアクチュエータ1では、DC電極3は、AC電極5からの距離が最も近い面が少なくとも絶縁体で被覆されていてもよい。
また、図7に示すように、DC電極3は、誘電体層2に埋め込まれてもよい。この場合に、DC電極3の上面は、露出してもよいし、露出していなくてもよい。
(変形例2)第3の実施形態のプラズマアクチュエータ1Cにおいて、AC電極5Cは、AC電極5Cの4つの側面のうち、第1端部100側の側面以外の側面5f及び2つの側面5sのみが気流に対して露出した電極であってもよい。よって、この場合には、AC電極5Cの2つの底面及び第1端部100側の側面が誘電体に被覆されている。
以上、説明したように、上記実施形態に係るプラズマアクチュエータ1は、DC電極3及びAC電極5のうち、一方の電極は、他方の電極からの距離が最も近い面が少なくとも絶縁体で被覆されている。
例えば、AC電極5は、誘電体層2の内部に埋め込まれ、全ての表面が誘電体(絶縁体)で被覆されている。
このような構成によれば、AC電極5とDC電極3との間のアーク放電の発生を抑制することができる。
1,1B,1C プラズマアクチュエータ
2 誘電体層
3 DC電極
4 接地電極
5 AC電極
6 制御装置
10 基準電極

Claims (5)

  1. 誘電体である板状の誘電体層と、
    前記誘電体層の第1面に設けられた第1電極と、
    前記誘電体層の第2面に設けられた第2電極と、
    前記誘電体層に設けられている第3電極と、
    前記第2電極を接地電極として、前記第1電極に直流電圧を印加し、前記第3電極に交流電圧を印加することで、プラズマを発生させて噴流を誘起する制御装置と、
    を備え、
    前記第1電極及び第3電極のうち、一方の電極は、他方の電極からの距離が最も近い面が少なくとも絶縁体で被覆されていることを特徴とする、プラズマアクチュエータ。
  2. 前記第3電極は、全ての表面が被覆されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマアクチュエータ。
  3. 前記第3電極は、前記誘電体層の内部に設けられている、
    ことを特徴とする請求項2に記載のプラズマアクチュエータ。
  4. 気流に対して露出した電極である第4電極を更に備え、
    前記第1電極は、前記誘電体層の第1端部側の前記第1面に設けられ、
    前記第3電極は、前記誘電体層の第2端部側における前記誘電体層の内部に設けられ、
    前記第4電極は、前記第2端部側の前記第1面に設けられている、
    ことを特徴とする、請求項2に記載のプラズマアクチュエータ。
  5. 前記第1電極は、前記誘電体層の第1端部側の前記第1面に設けられ、
    前記第3電極は、前記誘電体層の第2端部側における前記誘電体層の内部に設けられ、前記第3電極の複数の面のうち、前記第2端部側の側面のみが気流に対して露出している、
    ことを特徴とする、請求項3に記載のプラズマアクチュエータ。
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