JP2021072196A - 電池監視装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノイズを抑制することができる電池監視装置を提供すること。【解決手段】電池セル42が直列接続された組電池に対して適用され、各電池セル42の状態を監視する電池監視装置50は、各電池セル42に交流電流をそれぞれ流させ、交流電流が流れたときにおける各電池セル42の電圧変動をそれぞれ取得するロックインアンプと、交流電流及び電圧変動に基づいて、インピーダンスZ1〜Z6、及び位相差θ1〜θ6を各電池セル42ごとにそれぞれ算出する演算装置と、各電池セル42ごとに交流電流の振幅指定値Is1〜Is6及び位相指定値θs1〜θs6を指定する制御装置90と、を備える。制御装置90は、電圧変動V1〜V6の合計値が閾値以下となるように、算出されたインピーダンスZ1〜Z6及び位相差θ1〜θ6に基づいて、振幅指定値Is1〜Is6及び位相指定値θs1〜θs6を特定する。【選択図】 図2

Description

本発明は、電池監視装置に関するものである。
従来から、蓄電池の状態を監視するため、蓄電池の複素インピーダンスを測定することが行われていた(例えば、特許文献1、特許文献2)。特許文献1に記載の発明では、パワーコントローラにより、蓄電池に対して矩形波信号(交流電流)を印加して、その応答信号(電圧変動)をフーリエ変換し、得られた結果から、複素インピーダンス特性を算出していた。そして、この複素インピーダンス特性を基に、蓄電池の劣化状態などを判別していた。
また、特許文献2では、発振器から正弦波電流(交流電流)を蓄電池に流し、その応答信号(電圧変動)をロックインアンプにより検出し、その検出結果に基づいて、複素インピーダンス特性を算出していた。そして、この複素インピーダンス特性を基に、蓄電池の劣化状態などを判別していた。
特許第6226261号公報 特開2018−190502号公報
ところで、蓄電池から発生する応答信号は、ノイズとなる可能性がある。すなわち、応答信号が外部ノイズとして伝搬すると、ラジオノイズが発生する場合がある。そして、ノイズにより、他の機器が誤作動する可能性がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノイズを抑制することができる電池監視装置を提供することにある。
上記課題を解決するための手段は、電解質と複数の電極とを含む複数の電池セルが直列接続された組電池に対して適用され、前記各電池セルの状態を監視する電池監視装置において、前記各電池セルに交流電流をそれぞれ流させる電流発生部と、前記交流電流が流れたときにおける前記各電池セルの電圧変動をそれぞれ取得する電圧取得部と、前記各電池セルに流れた交流電流及び前記電圧取得部により取得された電圧変動に基づいて、前記電池セルのインピーダンス、及び前記交流電流と前記電圧変動との位相差を前記各電池セルごとにそれぞれ算出する演算部と、前記電流発生部に対して、前記各電池セルごとに前記交流電流の振幅及び位相を指定する電流制御部と、を備え、前記電流制御部は、前記各電池セルの電圧変動の合計値が閾値以下となるように、前記演算部により算出された前記各電池セルのインピーダンス及び位相差に基づいて、前記各電池セルごとに流させる交流電流の振幅及び位相のうち少なくともいずれか一方を特定し、特定した交流電流の振幅及び位相のうち少なくともいずれか一方を各電池セルに対して指定する。
上記構成では、各電池セルの電圧変動の合計値が閾値以下となるように、演算部により算出された各電池セルのインピーダンス及び位相差に基づいて、各電池セルごとに流させる交流電流の振幅及び位相のうち少なくともいずれか一方を特定する。このため、フィルタなどのノイズ抑制用の回路を設けなくても、組電池全体における電圧変動を抑え、ノイズを抑制することができる。
電源システムの概略構成図。 電池監視装置の構成図。 インピーダンス検出部の構成図。 従来における交流電流と電圧変動を示すベクトル図。 交流電流と電圧変動を示すベクトル図。 インピーダンス検出処理の流れを示すフローチャート。 第2実施形態における交流電流と電圧変動を示すベクトル図。 第3実施形態における交流電流と電圧変動を示すベクトル図。 第3実施形態における指定値設定処理の流れを示すフローチャート。 第4実施形態における交流電流と電圧変動を示すベクトル図。 第4実施形態における電圧変動を示す図。 第4実施形態における指定値設定処理の流れを示すフローチャート。 第5実施形態における交流電流と電圧変動を示すベクトル図。 第5実施形態における電圧変動を示す図。 第5実施形態におけるインピーダンス検出処理の流れを示すフローチャート。
(第1実施形態)
以下、「電池監視装置」を車両(例えば、ハイブリッド車や電気自動車)の電源システムに適用した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、電源システム10は、回転電機としてのモータ20と、モータ20に対して3相電流を流す電力変換器としてのインバータ30と、充放電可能な組電池40と、組電池40の状態を監視する電池監視装置50と、モータ20などを制御するECU100と、を備えている。
モータ20は、図示しない駆動輪と動力伝達可能とされている。本実施形態では、モータ20として、3相の永久磁石同期モータを用いている。
インバータ30は、相巻線の相数と同数の上下アームを有するフルブリッジ回路により構成されており、各アームに設けられたスイッチ(IGBT等の半導体スイッチング素子)のオンオフにより、各相巻線において通電電流が調整される。
インバータ30には、図示しないインバータ制御装置が設けられており、インバータ制御装置は、モータ20における各種の検出情報や、力行駆動及び発電の要求に基づいて、インバータ30における各スイッチのオンオフにより通電制御を実施する。これにより、インバータ制御装置は、組電池40からインバータ30を介してモータ20に電力を供給し、モータ20を力行駆動させる。また、インバータ制御装置は、駆動輪からの動力に基づいてモータ20を発電させ、インバータ30を介して、発電電力を変換して組電池40に供給し、組電池40を充電させる。
組電池40は、インバータ30を介して、モータ20に電気的に接続されている。組電池40は、例えば百V以上となる端子間電圧を有し、複数の電池モジュール41が直列接続されて構成されている。電池モジュール41は、複数の電池セル42が直列接続されて構成されている。電池セル42として、例えば、リチウムイオン蓄電池や、ニッケル水素蓄電池を用いることができる。各電池セル42は、電解質と複数の電極とを有する蓄電池である。本実施形態において、電池モジュール41は、6つの電池セル42が直列接続されて構成されている。
組電池40の正極側電源端子に接続される正極側電源経路L1には、インバータ30等の電気負荷の正極側端子が接続されている。同様に、組電池40の負極側電源端子に接続される負極側電源経路L2には、インバータ30等の電気負荷の負極側端子が接続されている。なお、正極側電源経路L1及び負極側電源経路L2には、それぞれリレースイッチSMR(システムメインリレースイッチ)が設けられており、リレースイッチSMRにより、通電及び通電遮断が切り替え可能に構成されている。
電池監視装置50は、各電池セル42の蓄電状態(SOC)及び劣化状態(SOH)などを監視する装置である。電池監視装置50は、ECU100に接続されており、各電池セル42の状態などを出力する。電池監視装置50の構成については、後述する。
ECU100は、各種情報に基づいて、インバータ制御装置に対して力行駆動及び発電の要求を行う。各種情報には、例えば、アクセル及びブレーキの操作情報、車速、組電池40の状態などが含まれる。
次に、電池監視装置50について詳しく説明する。図2に示すように、第1実施形態では、電池監視装置50には、電池セル42毎にインピーダンス検出部60が設けられている。また、電池監視装置50は、各インピーダンス検出部60から各電池セル42の情報を入力するとともに、各インピーダンス検出部60に対して指示する電流制御部としての制御装置90が設けられている。
図3に基づいて、インピーダンス検出部60について説明する。インピーダンス検出部60は、演算部としての演算装置61と、電流発生部及び電圧取得部としてのロックインアンプ62と、を備えている。演算装置61は、制御装置90からの指示に従い、ロックインアンプ62に対して指示を行い、ロックインアンプ62を介して、監視対象となる電池セル42の各種情報を取得する機能を有する。また、演算装置61は、取得した各種情報に基づいて演算を行う機能や、演算結果を制御装置90に対して出力する機能等を有する。演算装置61の詳しい構成は後述する。
次に、ロックインアンプ62について説明する。ロックインアンプ62は、発振回路71、DA変換器72、AD変換器73、電流モジュレーション回路74、差動増幅回路75、AD変換器76、位相シフト回路77、第1掛算器78、第1積分器79、第1フィルタ80、第2掛算器81、第2積分器82、及び第2フィルタ83を備える。
発振回路71は、演算装置61に接続されており、演算装置61からの指示に従って設定された正弦波信号を出力する回路である。発振回路71は、第1掛算器78及び位相シフト回路77に接続されており、第1掛算器78及び位相シフト回路77に対して、正弦波信号を第1の参照信号として出力する。また、発振回路71は、DA変換器72を介して、電流モジュレーション回路74に接続されており、電流モジュレーション回路74に正弦波信号を指示信号として出力する。
電流モジュレーション回路74は、監視対象である電池セル42を電源として、所定の交流電流(正弦波信号)を流させる(出力させる)回路である。具体的に説明すると、電流モジュレーション回路74は、半導体スイッチ素子74a(例えば、MOSFET)と、半導体スイッチ素子74aに直列に接続された抵抗74bとを有する。半導体スイッチ素子74aのドレイン端子は、電池セル42の正極端子に接続され、半導体スイッチ素子74aのソース端子は、抵抗74bの一端に直列に接続されている。また、抵抗74bの他端は、電池セル42の負極端子に接続されている。半導体スイッチ素子74aは、ドレイン端子とソース端子との間において通電量を調整可能に構成されている。
また、電流モジュレーション回路74には、抵抗74bの両端に接続された電流検出アンプ74cが設けられている。電流検出アンプ74cは、抵抗74bに流れる電流を検出し、フィードバック信号として出力するように構成されている。このフィードバック信号は、AD変換器73を介して、デジタル信号(フィードバック信号If)に変換されて、演算装置61に出力される。
また、電流モジュレーション回路74には、フィードバック回路74dが設けられている。フィードバック回路74dは、発振回路71からDA変換器72を介して指示信号を入力するとともに、電流検出アンプ74cからフィードバック信号を入力するように構成されている。そして、指示信号とフィードバック信号とを比較し、その結果を半導体スイッチ素子74aのゲート端子に出力するように構成されている。
半導体スイッチ素子74aは、フィードバック回路74dからの信号に基づいて、指示信号により指示された交流電流(正弦波信号)を電池セル42から出力させるように、ゲート・ソース間に印加する電圧を調整して、ドレイン・ソース間の電流量を調整する。なお、指示信号により指示される波形と、実際に抵抗74bに流れる電流波形との間に誤差が生じている場合、半導体スイッチ素子74aは、フィードバック回路74dからの信号に基づいて、その誤差が補正されるように、電流量を調整する。これにより、抵抗74b(つまり、電池セル42)に流れる交流電流(正弦波信号)が安定化する。
差動増幅回路75は、監視対象とする電池セル42に対して接続されている。差動増幅回路75は、電池セル42に交流電流が流れた場合に、電池セル42の端子間において、電池セル42の内部複素インピーダンス情報を反映した電圧変動を入力し、増幅して出力する機能を有する。また、差動増幅回路75は、AD変換器76に接続されており、AD変換器76を介して、入力した電圧変動(応答信号)を第1掛算器78及び第2掛算器81にそれぞれ出力するように構成されている。
第1掛算器78は、発振回路71から入力した第1の参照信号と、電圧変動(応答信号)を乗算して、第1積分器79に出力する。第1積分器79は、第1掛算器78から入力した値を平均化し、ローパスフィルタである第1フィルタ80を介して演算装置61に出力する。第1フィルタ80から演算装置61に出力される値は、電圧変動の実部に対応する値となっている。なお、電圧変動の実部に対応する値をRe_Vi(i=1,2・・・6)と示す。
第2掛算器81には、位相シフト回路77を介して、発振回路71に接続されており、第2の参照信号が入力される。第2の参照信号は、第1の参照信号の位相を90度(π/2)進ませた信号である。位相シフト回路77は、発振回路71から入力した正弦波信号(第1の参照信号)の位相を進ませ、第2の参照信号として出力する。
第2掛算器81は、第2の参照信号と、電圧変動(応答信号)を乗算して、第2積分器82に出力する。第2積分器82は、第2掛算器81から入力した値を平均化し、ローパスフィルタである第2フィルタ83を介して演算装置61に出力する。第2フィルタ83を介して、演算装置61に入力される値は、電圧変動の虚部に対応する値となっている。なお、電圧変動の虚部に対応する値をIm_Vi(i=1,2・・・6)と示す。
演算装置61は、CPUやメモリ(RAM,ROM)等から構成されるマイコンなどであり、各種演算処理を実行可能に構成されている。例えば、演算装置61は、フィルタ80,83から、Re_Vi及びIm_Viを取得し、それらの値及び交流電流の振幅Isに基づいて、数式(11)〜(13)により、インピーダンスZi(より詳しくは、絶対値|Zi|)及び位相差θiを算出する。なお、位相差θiは、交流電流の位相と電圧変動(応答信号)の位相との位相差のことである。また、本実施形態において、交流電流の振幅Isは、演算装置61からロックインアンプ62への指示(振幅指定値Isi)に基づくものであるが、フィードバック信号Ifに基づくものであってもよい。
Figure 2021072196
演算装置61は、算出したインピーダンスZi及び位相差θiを制御装置90に出力する。制御装置90は、これらを記憶する。また、制御装置90は、電池セル42から出力させる交流電流の周波数(測定周波数fs)を所定の測定範囲内で走査させることで、複数の周波数におけるインピーダンスZi及び位相差θi(複素インピーダンスの周波数特性)を取得する。そして、制御装置90は、それらの算出結果に基づいて、コールコールプロットを作成し、電極及び電解質などの特性を把握する。例えば、蓄電状態(SOC)や劣化状態(SOH)を把握し、結果をECU100に出力する。なお、図示及び詳細な説明は省略するが、演算装置61は、電池セル42の端子間電圧(直流電圧)を取得可能に構成されている。
上述したように、電池セル42のインピーダンスZiは、電池セル42の電圧変動に基づいて算出される。そして、各電池セル42の電圧変動は、個々ではそれぞれ微弱な変動である。しかしながら、組電池40は、複数の電池セル42が直列に接続されて構成されているものである。このため、電圧変動が重畳し、大きな電圧変動となり、ノイズとなる可能性がある。
ここで、電圧変動が重畳する様子について図4に基づいて説明する。以下では、交流電流が流れたときにおける電池セル42の電圧変動を、電圧変動Viと示す場合がある。なお、図4では、電圧変動Viをベクトルで表現する。また、図4においては、単純化して説明するため、組電池40を構成する電池セル42が、第1電池セル42aと、第2電池セル42bの2つである場合を想定して説明する。また、第1電池セル42a及び第2電池セル42bの劣化状態や蓄電状態は異なるものとして説明する。また、図4では、第1電池セル42a及び第2電池セル42bから同じ交流電流が出力されるものとする。具体的には、第1電池セル42a及び第2電池セル42bから出力される交流電流の振幅指定値Is1,Is2を共に「Ia」とする。同様に、第1電池セル42a及び第2電池セル42bから出力される交流電流の位相を共にゼロとする(基準とする)。
図4に示すように、同じ交流電流が第1電池セル42a及び第2電池セル42bから出力されても、電池状態が異なるため、第1電池セル42aの電圧変動V1と、第2電池セル42bの電圧変動V2とは、振幅(大きさ)が異なる。つまり、第1電池セル42aと第2電池セル42bのインピーダンスZ1,Z2が異なるため、それに比例する電圧変動V1,V2の大きさも異なる。同様の理由から、交流電流に対する第1電池セル42aの電圧変動V1の位相差θ1と、交流電流に対する第2電池セル42bの電圧変動V2の位相差θ2とは、大きさが異なる。
このため、電圧変動V1と電圧変動V2の合計Vt(ベクトル値の合計)は、ゼロとはならず、場合によっては、各電圧変動V1,V2よりも大きくなる。したがって、各電池セル42から同時期に交流電流が出力されると、組電池40から大きなノイズが発生する可能性がある。
ところで、各電池セル42のインピーダンスZi及び位相差θiは、蓄電状態(SOC)や劣化状態(SOH)などに依存し、測定周波数が変わらなければ、これらは短期間で大きく変動するものではないことがわかっている。そこで、第1実施形態において、制御装置90は、各電池セル42の電圧変動Viの合計値が閾値以下となるように、算出された各電池セル42のインピーダンスZi及び位相差θiに基づいて、各電池セル42に流させる交流電流の振幅指定値Isi及び位相指定値θsiを特定(算出)するようにしている。そして、制御装置90は、電池セル42ごとに、特定した振幅指定値Isi及び位相指定値θsiを指定することとしている。
具体的に制御装置90がどのように指定値(振幅指定値Isi及び位相指定値θsi)を特定しているかについて説明する。まず、組電池40(より詳しくは電池モジュール41)を構成する電池セル42を1又は複数のグループに分ける。その際、各グループには、少なくとも2以上の複数の電池セル42が含まれるようにする。なお、予めグループ分けがされていてもよい。
そして、制御装置90は、各グループに含まれる各電池セル42の電圧変動Viが互いに打ち消し合って合計値がゼロに近くなるように、各電池セル42から出力させるべき交流電流の振幅指定値Isi及び位相指定値θsiを決定する。
本実施形態では、グループ内に含まれる電池セル42の電圧変動Viの振幅が全て同じとなるように、各電池セル42のインピーダンスZiに基づいて、交流電流の振幅指定値Isiを決定する。すなわち、インピーダンスZiは、電圧変動Viと比例関係にある。このため、グループに含まれるいずれかの電池セル42を基準とし、基準とする電池セル42から出力させる交流電流の振幅指定値Isiを「Ia」とする場合、基準とする電池セル42のインピーダンスZaと、対象となる電池セル42のインピーダンスZbとの逆数比率をとれば、つまり、Ia×(Za/Zb)を算出すれば、対象となる電池セル42から出力させるべき交流電流の振幅指定値Ibを特定することが可能となる。
そして、本実施形態のように、グループ内に含まれる電池セル42の電圧変動Viの振幅が全て同じとする場合には、グループ内の各電池セル42における各電圧変動Viの位相のずれが同じ(等間隔)となるように位相指定値θsiを決定する。すなわち、上述したように、位相差θiは、電圧変動Viと交流電流との位相差を示すものである。このため、グループに含まれる電池セル42の数で360°を除算し、算出された値ずつ各電圧変動Viの位相がずれるように、位相指定値θsiを決定する。すなわち、基準とする電池セル42における電圧変動Vaの位相差θa、対象とする電池セル42における電圧変動Vbの位相差θb、及び算出された位相ずれを考慮して、対象とする電池セル42に出力させる交流電流の位相指定値θsbを決定する。
ここで、図5に基づいて、上述した決定態様を具体的に説明する。図5では、グループ内に、第1電池セル42aと第2電池セル42bの2つの電池セル42が含まれているものとして説明する。また、前回算出された(つまり、最新の)第1電池セル42aのインピーダンスを「Z1」とし、位相差θiを「θ1」とする。同様に、前回算出された(つまり、最新の)第2電池セル42bのインピーダンスを「Z2」とし、位相差θiを「θ2」とする。また、第1電池セル42aから出力させる交流電流の振幅指定値Isiを「Is1」、位相指定値θsiを「θs1」とする。また、第2電池セル42bから出力させる交流電流の振幅指定値Isiを「Is2」、位相指定値θsiを「θs2」とする。また、図5では、第1電池セル42aに流れる交流電流を基準として、電圧変動Vi、交流電流、及びインピーダンスZiを複素平面上においてベクトルで表現する。
まず、第1電池セル42aの電圧変動V1と、第2電池セル42bの電圧変動V2を等しくするためには、下記の式(14)により、第2電池セル42bから出力させるべき交流電流の振幅指定値Is2を特定することができる。
Is2=Is1×Z1/Z2・・・(14)
そして、第1電池セル42aの電圧変動V1の振幅と、第2電池セル42bの電圧変動V2の振幅とを同じにする場合において、電圧変動を互いに打ち消すためには、電圧変動V1と電圧変動V2とが180°位相がずれている必要がある。つまり、360°を、電池セルの数「2」により除算して特定した値だけ、電圧変動V1,V2の位相がずれている必要がある。
このため、第1電池セル42aから出力させる交流電流を基準とすると、第2電池セル42bから出力させるべき交流電流の位相指定値θs2は、下記の式(15)により特定することができる。なお、第1電池セル42aから出力させる交流電流の位相指定値θs1を「0」とする。
θs2=θ1+180°−θ2・・・(15)
次に、図6に基づいて、本実施形態における制御装置90によるインピーダンス検出処理について説明する。インピーダンス検出処理は、所定のタイミング(例えば、システム始動時など)で実行されるように構成されている。なお、本実施形態では、電池監視装置50が監視対象とする電池モジュール41は、6つの電池セル42から構成されているものとし、以下では、第1電池セル42a〜第6電池セル42fと示す場合がある。そして、第1電池セル42a〜第6電池セル42fを3つのグループG1,G2,G3に分けるものとし、グループG1には、第1電池セル42aと第2電池セル42bが含まれ、グループG2には、第3電池セル42cと第4電池セル42dが含まれ、グループG3には、第5電池セル42eと第6電池セル42fが含まれるものとして説明する。
また、第1電池セル42a〜第6電池セル42fから出力させる交流電流の振幅指定値Isiをそれぞれ振幅指定値Is1〜Is6と示し、位相指定値θsiをそれぞれ位相指定値θs1〜θs6と示す場合がある。また、第1電池セル42a〜第6電池セル42fのインピーダンスZiをそれぞれインピーダンスZ1〜Z6と示し、位相差θiをそれぞれ位相差θ1〜θ6と示す場合がある。
インピーダンス検出処理を開始すると、制御装置90は、各電池セル42から出力させる交流電流の振幅指定値Isi及び位相指定値θsiとして初期値を設定する(ステップS101)。初期値は任意の値でよいが、ノイズ抑制の可能性が高くなるように初期値が設定されていることが好ましい。例えば、グループG1〜G3内でペアとなる電池セル42から同じ振幅であって逆相となる交流電流が出力されるような指定値が初期値として設定されていることが望ましい。
具体的には、第1電池セル42a〜第6電池セル42fから出力させる交流電流の振幅指定値Is1〜Is6の初期値として、それぞれ同じ値「Ic」が設定される。なお、「Ic」は、任意の値である。また、第1電池セル42a、第3電池セル42c、及び第5電池セル42eから出力させる交流電流の位相指定値θs1,θs3,θs5の初期値として、それぞれ0°が設定される。第2電池セル42b、第4電池セル42d、及び第6電池セル42fから出力させる交流電流の位相指定値θs2,θs4,θs6の初期値として、それぞれ180°が設定される。
また、制御装置90は、交流電流の周波数(測定周波数fs)として初期値を設定する(ステップS102)。測定周波数fsは、所定の測定範囲内から決定されるように構成されており、本実施形態における初期値は、測定範囲のうちもっとも小さい値とされている。
そして、制御装置90は、第1電池セル42a〜第6電池セル42fの各インピーダンス検出部60に対して、振幅指定値Is1〜Is6、位相指定値θs1〜θs6及び測定周波数fsをそれぞれ出力(指示)して、インピーダンスの検出を指示する(ステップS103)。
なお、インピーダンス検出処理が開始して、最初のステップS103が実行される場合、制御装置90は、振幅指定値Is1〜Is6及び位相指定値θs1〜θs6として、ステップS101で設定された初期値をそれぞれ出力する。同様に、インピーダンス検出処理が開始して、最初のステップS103が実行される場合、制御装置90は、測定周波数fsとして、ステップS102で設定された初期値をそれぞれ出力する。
一方、2回目以降のステップS103が実行される場合、制御装置90は、振幅指定値Is1〜Is6及び位相指定値θs1〜θs6として、後述するステップS105で設定された値をそれぞれ出力する。同様に、2回目以降のステップS103が実行される場合、制御装置90は、測定周波数fsとして、後述するステップS107で設定された値をそれぞれ出力する。
振幅指定値Is1〜Is6、位相指定値θs1〜θs6及び測定周波数fsがそれぞれ出力されると、各インピーダンス検出部60は、それらの指定値に基づいて、第1電池セル42a〜第6電池セル42fから交流電流を出力させる。
そして、各インピーダンス検出部60は、交流電流に基づく第1電池セル42a〜第6電池セル42fの電圧変動V1〜V6をそれぞれ入力し、電圧変動V1〜V6に基づいて前述したように、インピーダンスZ1〜Z6及び位相差θ1〜θ6を算出し、制御装置90に対して出力する。
制御装置90は、算出結果(インピーダンスZ1〜Z6及び位相差θ1〜θ6)を入力(取得)する(ステップS104)。その後、制御装置90は、ステップS105に移行して指定値設定処理を実行する。すなわち、制御装置90は、各電池セル42の電圧変動V1〜V6の合計値が閾値以下となるように、算出された各電池セル42のインピーダンスZ1〜Z6及び位相差θ1〜θ6に基づいて、各電池セル42に流させる交流電流の振幅指定値Is1〜Is6及び位相指定値θs1〜θs6を特定(算出)する(ステップS105)。
具体的には、以下の数式(16)〜(27)に基づいて振幅指定値Is及び位相指定値θsを特定する。なお、数式(16)〜(21)において、「Id」は、任意の値であり、初期値と同じ値であっても、異なっていてもよい。
Is1=Id・・・(16)
Is2=Is1×Z1/Z2・・・(17)
Is3=Id・・・(18)
Is4=Is3×Z3/Z4・・・(19)
Is5=Id・・・(20)
Is6=Is5×Z5/Z6・・・(21)
θs1=0°・・・(22)
θs2=θ1+180°−θ2・・・(23)
θs3=0°・・・(24)
θs4=θ3+180°−θ4・・・(25)
θs5=0°・・・(26)
θs6=θ5+180°−θ6・・・(27)
ステップS105で設定された振幅指定値Is1〜Is6及び位相指定値θs1〜θs6は、インピーダンス検出処理が終了されなかった場合、次回のステップS103で出力される。そして、制御装置90は、測定周波数fsとして、測定範囲内の周波数をすべて走査したか否かを判定する(ステップS106)。具体的には、測定周波数fsが、測定範囲の最大値と一致したか否かを判定することにより、測定範囲内の周波数をすべて走査したか否かを判定する。
この判定結果が肯定の場合には、制御装置90は、インピーダンス測定処理を終了する。一方、ステップS106の判定結果が否定の場合には、制御装置90は、測定周波数fsを更新して(ステップS107)、再びステップS103の処理を実行する。更新方法は任意であるが、例えば、測定周波数fsに所定値を加算して、新たな測定周波数fsを設定すればよい。なお、加算する所定値が大きい場合、インピーダンスなどが大きく変更する場合があるため、測定周波数fsの変更幅はなるべく小さいほうが望ましい。
以上、第1実施形態の電池監視装置50は、以下の効果を有する。
各電池セル42の電圧変動Viの合計値がゼロとなるように、演算装置61により算出された各電池セル42のインピーダンスZi及び位相差θiに基づいて、各電池セル42ごとに流させる交流電流の振幅指定値Isi及び位相指定値θsiを特定した。
より詳しくは、グループG1に含まれる第1電池セル42aを基準とし、基準とする第1電池セル42aから出力させる交流電流の振幅指定値Isiを「Id」とする。そして、各電池セル42の電圧変動V1、V2の振幅が同じとなるように、基準とする第1電池セル42aのインピーダンスZ1と、グループG1に含まれる第2電池セル42bのインピーダンスZ2との逆数比率をとることにより、第2電池セル42bから出力させるべき交流電流の振幅指定値Is2を特定した。
具体的には、前回のステップS104において取得された(つまり、最新の)各電池セル42のインピーダンスZ1〜Z6に基づいて、ステップS105において、数式(16)及び数式(17)により、第1電池セル42aの振幅指定値Is1及び第2電池セル42bの振幅指定値Is2を特定した。なお、他のグループG2,G3も同様に特定した。
そして、グループG1内の第1電池セル42a、第2電池セル42bにおける各電圧変動V1,V2の位相のずれが同じ(等間隔)となるように位相指定値θs1,θs2を決定した。具体的には、前回のステップS104において入力された(つまり、最新の)位相差θ1〜θ6に基づいて、ステップS105において、数式(22)及び数式(23)により、第1電池セル42aの位相指定値θs1及び第2電池セル42bの位相指定値θs2を特定した。なお、他のグループG2,G3も同様に特定した。
以上により、フィルタなどのノイズ抑制用の回路を設けなくても、組電池40全体における電圧変動を抑え、ノイズを抑制することができる。
また、第1電池セル42a〜第6電池セル42fから出力させる交流電流の振幅指定値Is1〜Is6の初期値として、それぞれ同じ値「Ic」を設定した。また、第1電池セル42aから出力させる交流電流と、当該第1電池セル42aとペアとなる第2電池セル42bから出力させる交流電流とが逆相となるように、位相指定値θs1,θs2の初期値を設定した。他の位相指定値θs3〜θs6の各初期値も同様に設定した。これにより、インピーダンスZi及び位相差θiが検出されていない状況であっても、ノイズの発生を極力抑制することが可能となる。
測定周波数fsを所定値ずつ増加するように更新した。これにより、測定周波数fsを測定範囲内でランダムに決定する場合に比較して、ノイズを抑制することが可能となる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、グループに含まれる電池セル42の数を2つとしたが、3つとしてもよい。以下、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。第2実施形態において、第1実施形態で説明した構成と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図7に基づいて、第2実施形態における決定態様を具体的に説明する。なお、第2実施形態では、第1電池セル42a〜第6電池セル42fを2つのグループG1,G2に分けるものとし、グループG1には、第1電池セル42aと第2電池セル42bと第3電池セル42cが含まれるものとして説明する。そして、グループG2には、第4電池セル42dと第5電池セル42eと第6電池セル42fが含まれるものとして説明する。なお、グループG2における決定態様は、グループG1と同様であるため、グループG1における決定態様を中心に説明し、グループG2における決定態様は、省略する。
図7では、前回のステップS104にて取得(入力)された第1電池セル42a〜第3電池セル42cのインピーダンスZiをそれぞれ「Z1」〜「Z3」とする。同様に、前回のステップS104にて取得(入力)された位相差θiをそれぞれ「θ1」〜「θ3」とする。また、図7では、第1電池セル42aから出力される交流電流を基準として、電圧変動Vi、交流電流、及びインピーダンスZiを複素平面上においてベクトルで表現する。
まず、第1電池セル42aの電圧変動V1と、第2電池セル42bの電圧変動V2と、第3電池セル42cの電圧変動V3と、を等しくするために、下記の式(30)、(31)により、第2電池セル42bから出力させるべき交流電流の振幅指定値Is2を特定することができる。同様に、下記の式(30)、(32)により、第3電池セル42cから出力させるべき交流電流の振幅指定値Is3を特定することができる。なお、下記、式(30)において、「Id」は任意の数である。
Is1=Id・・・(30)
Is2=Is1×Z1/Z2・・・(31)
Is3=Is1×Z1/Z3・・・(32)
そして、グループG1内における各電圧変動V1〜V3の振幅を同じにする場合において、各電圧変動V1〜V3を互いに打ち消すためには、電圧変動V1と電圧変動V2と電圧変動V3とがそれぞれ同じ角度(120°)位相がずれている必要がある。つまり、360°を、グループG1内の電池セル42の数「3」により除算して特定した値だけ、電圧変動V1,V2,V3の位相がずれている必要がある。
このため、第1電池セル42aから出力させる交流電流を基準とした場合、第2電池セル42bから出力させるべき交流電流の位相指定値θs2は、下記の式(33)、(34)により特定することができる。同様に、第3電池セル42cから出力させるべき交流電流の位相指定値θs3は、下記の式(34)、(35)により特定することができる。
θs1=0°・・・(33)
θs2=θ1+120°−θ2・・・(34)
θs3=θ1+240°−θ3・・・(35)
このように設定することにより、図7に示すように、電圧変動V1と電圧変動V2と電圧変動V3との合計Vtをゼロに近づけ、ノイズを抑制することが可能となる。以上により、組電池40やグループを構成する電池セル42の数が偶数及び奇数のいずれであっても、ノイズを抑制することが可能となる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。第3実施形態において、第1実施形態で説明した構成と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
第3実施形態では、各電池セル42の状態に応じて、各電池セル42から出力させる交流電流の振幅をそれぞれ変更することにより、各電池セル42の均等化処理を同時に実行するように構成されている。均等化処理とは、各電池セル42の蓄電状態を揃えるように、他の電池セル42に比較して蓄電状態が高い一部の電池セル42をより多く放電させる処理である。
第3実施形態では、第1電池セル42a〜第6電池セル42fを2つのグループG1,G2に分けるものとし、グループG1には、第1電池セル42aと第2電池セル42bと第3電池セル42cが含まれるものとして説明する。そして、グループG2には、第4電池セル42dと第5電池セル42eと第6電池セル42fが含まれるものとして説明する。なお、グループG2における決定態様は、グループG1と同様であるため、グループG1における決定態様を中心に説明し、グループG2における決定態様は、省略する。また、第3実施形態の制御装置90は、電池セル42の蓄電状態を取得可能に構成されており、状態検出部として機能する。
また、第2実施形態と同様に、前回のステップS104にて取得(入力)された第1電池セル42a〜第3電池セル42cのインピーダンスZiをそれぞれ「Z1」〜「Z3」とし、位相差θiをそれぞれ「θ1」〜「θ3」とする。また、第1電池セル42aから出力される交流電流を基準として、電圧変動Vi、交流電流、及びインピーダンスZiを図8においてベクトルで表現する。
第3実施形態におけるステップS105の指定値設定処理を図9に示す。制御装置90は、グループG1,G2ごとに均等化処理が必要であるか否かを判定する(ステップS301)。例えば、グループG1,G2内のいずれかの電池セル42の蓄電状態が予め決められた値以上である場合には、均等化処理が必要であると判定する。
この判定結果が否定の場合、制御装置90は、第2実施形態と同様に、各電圧変動Viを等しくするように、振幅指定値Is1〜Is6を決定し、また、所定角度ずつ位相がずれるように、位相指定値θs1〜θs6を決定する(ステップS302)。
一方、ステップS301の判定結果が肯定の場合、制御装置90は、グループG1,G2内で最も蓄電状態が高い電池セル42を特定する(ステップS303)。つまり、グループG1,G2内で放電させるべき電池セル42を特定する。
そして、制御装置90は、最も蓄電状態が高い電池セル42から出力させる交流電流の振幅指定値Is1〜Is6を、他の電池セル42に比較して大きくするように決定する(ステップS304)。
例えば、第3実施形態におけるステップS303において、放電させる電池セル42として、第1電池セル42aが特定された場合、下記の式(41)〜(43)により、振幅指定値Is1〜Is3を決定する。式(41)において、「Id」は任意の数である。また、通常の電池セル42において、Z1/Z2及びZ1/Z3は、2以上となることはない。このため、振幅指定値Is1が他の振幅指定値Is2,Is3よりも大きくなる。
Is1=2×Id・・・(41)
Is2=Id×Z1/Z2・・・(42)
Is3=Id×Z1/Z3・・・(43)
なお、放電させる電池セル42として、第1電池セル42aが特定された場合について例示したが、第2電池セル42b,第3電池セル42cを放電させる場合についても同様である。また、グループG2も同様にして振幅指定値Isiが決定される。
そして、制御装置90は、各電池セル42の電圧変動Viの合計値が閾値以下となるように、ステップS303で決定された振幅指定値Is1〜Is6、前回のステップS104にて取得されたインピーダンスZ1〜Z6及び位相差θ1〜θ6に基づいて、位相指定値θs1〜θs6を算出する(ステップS305)。つまり、制御装置90は、各電圧変動V1〜V6が互いに打ち消されるように、位相指定値θs1〜θs6を決定する。
第3実施形態におけるステップS303において、前述したように、放電させる電池セル42として、第1電池セル42aが特定された場合、電圧変動V1は、他の電圧変動V2,V3の2倍となる。
このため、各電圧変動V1〜V3が互いに打ち消されるためには、電圧変動V1と電圧変動V2との位相差が150°となり、かつ、電圧変動V1と電圧変動V3との位相差が210°となり、かつ、電圧変動V2と電圧変動V3との位相差が60°となるように位相指定値θs1〜θs3を決定すればよい。すなわち、交流電流の位相指定値θs1〜θs3は、下記の式(44)〜(46)に示すように決定すればよい。
θs1=0°・・・(44)
θs2=θ1+150°−θ2・・・(45)
θs3=θ1+210°−θ3・・・(46)
なお、放電させる電池セル42として、第1電池セル42aが特定された場合について例示したが、第2電池セル42b,第3電池セル42cを放電させる場合についても同様である。また、グループG2も同様にして位相指定値θsiが決定される。
そして、ステップS105の指定値設定処理を終了する。このように設定することにより、図8に示すように、電圧変動V1と電圧変動V2と電圧変動V3との合計Vtをゼロに近づけ、ノイズを抑制することが可能となる。また、第1電池セル42aから出力させる交流電流の振幅は、第2電池セル42b及び第3電池セル42cよりも大きくなる。このため、第1電池セル42aの放電量を、第2電池セル42b及び第3電池セル42cよりも多くして、均等化させることが可能となる。これにより、各電池セル42の蓄電状態を揃え、電池セル42のうち一部が過充電となることを抑制することができる。
また、均等化させるとともに、インピーダンスを検出しているため、電池セル42からの放電電流が無駄とならず、消費電力を抑えることができる。
なお、上記第3実施形態において、第1電池セル42a(最も放電させるべき電池セル42)から出力させる交流電流の振幅指定値は、他の交流電流の振幅よりも大きくなるのであれば、任意に変更してもよい。この場合、電圧変動Viの合計値が閾値以下(例えばゼロ)となるように、適宜、位相指定値θsを決定する必要がある。
また、第3実施形態では、最も蓄電状態が高い電池セル42から出力させる交流電流の振幅指定値を他の振幅指定値よりも大きくした。この別例として、複数の電池セル42から出力させる交流電流の振幅指定値を他の振幅指定値よりも大きくしてもよい。例えば、第3実施形態において、第1電池セル42a及び第2電池セル42bから出力させる交流電流の振幅指定値Is1,Is2を振幅指定値Is3よりも高くしてもよい。この場合、電圧変動Viの合計値が閾値以下(例えばゼロ)となるように、適宜、位相指定値θsiを決定する必要がある。
(第4実施形態)
以下、第4実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。第4実施形態において、第1実施形態で説明した構成と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
第1実施形態〜第3実施形態では、インピーダンスZiが電池セル42ごとに異なると、各電池セル42から出力させる交流電流の振幅が異なることとなる。例えば、数式(16)及び(17)に基づいて振幅指定値Is1,Is2が算出される場合、インピーダンスZ1,Z2が異なれば、振幅指定値Is1,Is2も異なることとなる。この場合、電池セル42ごとに放電量が異なることとなり、各電池セル42の蓄電状態にばらつきが生じる原因となりうる。
そこで、第4実施形態では、各電池セル42から出力させる交流電流の振幅指定値Isを同じにしたうえで、電圧変動Viの合計値が閾値以下(例えば、ゼロ)となるように、位相指定値θsiを決定することとしている。
まず、原理について図10及び図11に基づいて説明する。なお、第4実施形態では、第1電池セル42a〜第6電池セル42fを2つのグループG1,G2に分けるものとし、グループG1には、第1電池セル42aと第2電池セル42bと第3電池セル42cが含まれるものとして説明する。そして、グループG2には、第4電池セル42dと第5電池セル42eと第6電池セル42fが含まれるものとして説明する。なお、グループG2における決定態様は、グループG1と同様であるため、グループG1における決定態様を中心に説明し、グループG2における決定態様は、省略する。
また、第2実施形態と同様に、前回のステップS104にて取得(入力)された第1電池セル42a〜第3電池セル42cのインピーダンスZiをそれぞれ「Z1」〜「Z3」とし、位相差θiをそれぞれ「θ1」〜「θ3」とする。また、第1電池セル42aから出力される交流電流を基準として、電圧変動Vi、交流電流、及びインピーダンスZiを図10においてベクトルで表現する。
図10に示すように、各電池セル42から出力させる交流電流の振幅指定値Is1〜Is3を同じにした場合、インピーダンスZ1〜Z3の違いにより、電圧変動V1〜V3の振幅が異なることとなる。しかしながら、電圧変動V1と電圧変動V2との位相差θ12と、電圧変動V2と電圧変動V3との位相差θ23と、電圧変動V3と電圧変動V1との位相差θ31と、を適切に変更することにより、図11に示すように電圧変動V1〜V3をサイクリックさせる(循環的に配置する)ことができる。つまり、電圧変動V1の終点と電圧変動V2の始点とを一致させ、かつ、電圧変動V2の終点と電圧変動V3の始点とを一致させ、かつ、電圧変動V3の終点と電圧変動V1の始点とを一致させることが可能となる。
このように電圧変動V1〜V3をサイクリックさせた場合、電圧変動V1〜V3(ベクトル値)の合計は、ゼロとなり、電圧変動V1〜V3を互いに打ち消すことが可能となる。そして、各位相差θ12,θ23,θ31は、各位相差θ1〜θ3を考慮して、位相指定値θsiを適切に設定することにより、調整可能である。以下、この原理を採用した第4実施形態におけるステップS105の指定値設定処理について図12に基づいて説明する。
制御装置90は、ステップS104の処理を終了すると、各電池セル42に流させる交流電流の振幅指定値Is1〜Is3として任意の同じ値(例えば、Id)を設定する(ステップS401)。
次に、制御装置90は、ステップS104において取得された最新の各電池セル42のインピーダンスZ1〜Z3と、ステップS401において設定された振幅指定値Is1〜Is3に基づいて、各電池セル42の電圧変動V1〜V3の大きさ(絶対値、スカラー値)を算出する(ステップS402)。
次に、制御装置90は、数式(51),(52)に基づいて、電圧変動V1と電圧変動V2との位相差θ12と、電圧変動V3と電圧変動V1との位相差θ31と、を算出する(ステップS403)。なお、数式(51),(52)において、V1〜V3は、ステップS402で算出された値である。
Figure 2021072196
そして、制御装置90は、数式(53)〜(55)により、ステップS403で算出された位相差θ12,θ31と、ステップS104で取得された最新の位相差θ1〜θ3に基づいて、位相指定値θs1〜θs3を算出する(ステップS404)。そして、ステップS105の指定値設定処理を終了する。
θs1=0・・・(53)
θs2=θ1+(180°−θ12)−θ2・・・(54)
θs3=θ1+(180°+θ31)−θ3・・・(55)
以上のように構成したことにより、電圧変動V1〜V3の合計値(ベクトル合計値)をゼロに近づけて、ノイズを抑制することができる。それとともに、各電池セル42から出力させる交流電流の振幅を同じにし、電池セル42ごとに放電量を同じにすることができる。つまり、インピーダンスを検出する際、各電池セル42の蓄電状態にばらつきが生じることを抑制することができる。
(第5実施形態)
以下、第5実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。第5実施形態において、第1実施形態で説明した構成と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
第4実施形態では、振幅指定値Isを常に同一としたが、均等化処理が必要である場合には、振幅指定値Isiを異ならせてもよい。この場合であっても、位相指定値θsiを適切に設定すれば、電圧変動の合計値を閾値以下(例えばゼロ)に抑制することができる。
原理について図13及び図14に基づいて説明する。なお、第5実施形態では、第1電池セル42a〜第6電池セル42fを2つのグループG1,G2に分けるものとし、グループG1には、第1電池セル42aと第2電池セル42bと第3電池セル42cが含まれるものとして説明する。そして、グループG2には、第4電池セル42dと第5電池セル42eと第6電池セル42fが含まれるものとして説明する。なお、グループG2における決定態様は、グループG1と同様であるため、グループG1における決定態様を中心に説明し、グループG2における決定態様は、省略する。
また、第2実施形態と同様に、前回のステップS104にて取得(入力)された最新の第1電池セル42a〜第3電池セル42cのインピーダンスZiをそれぞれ「Z1」〜「Z3」とし、位相差θiをそれぞれ「θ1」〜「θ3」とする。また、第1電池セル42aから出力される交流電流を基準として、電圧変動Vi、交流電流、及びインピーダンスZiを図13においてベクトルで表現する。
図13に示すように、各電池セル42から出力させる交流電流の振幅指定値Is1の大きさを他の振幅指定値Is2,Is3よりも大きくした場合であっても、位相差θ12,θ23,θ31を適切に変更することにより、図14に示すように電圧変動V1〜V3をサイクリックさせる(循環的に配置する)ことができる。つまり、電圧変動V1の終点と電圧変動V2の始点とを一致させ、かつ、電圧変動V2の終点と電圧変動V3の始点とを一致させ、かつ、電圧変動V3の終点と電圧変動V1の始点とを一致させることが可能となる。
このように電圧変動V1〜V3をサイクリックさせた場合、電圧変動V1〜V3(ベクトル値)の合計は、ゼロとなり、電圧変動を打ち消すことが可能となる。そして、各位相差θ12,θ23,θ31は、各位相差θ1〜θ3を考慮して、位相指定値θsiを適切に設定することにより、調整可能である。
以下、この原理を採用した第5実施形態における電池監視装置50の構成、及び第5実施形態におけるインピーダンス検出処理について説明する。第5実施形態において、制御装置90は、インピーダンス検出部60からインピーダンスZiとともに、電圧変動Viを取得可能に構成されている。
次に、図15に基づいてインピーダンス検出処理について説明する。インピーダンス検出処理を開始すると、制御装置90は、第1実施形態のステップS102と同様にして、測定周波数fsとして初期値を設定する(ステップS501)。
次に、制御装置90は、各電池セル42から出力させる交流電流の振幅指定値Is1〜Is3を設定する(ステップS502)。ステップS502において、均等化処理が必要でないと判定された場合には、制御装置90は、交流電流の振幅指定値Is1〜Is3としてすべて同じ値を設定する。その一方、均等化処理が必要であると判定した場合には、放電させるべき電池セル42から出力させる交流電流の振幅指定値Isiを他の振幅指定値Isiよりも大きく設定する。
次に、制御装置90は、測定周波数fsに初期値が設定されているか否かを判定する(ステップS503)。すなわち、インピーダンス検出処理が開始されてから、初めてのインピーダンスZ1〜Z3等の検出であるか否かを判定する。
ステップS503の判定結果が肯定の場合、制御装置90は、ステップS504の処理へ移行し、式(61)〜(62)に基づいて、第1電池セル42a〜第3電池セル42cを流れる交流電流Is1〜Is3がサイクリックとなるように、位相差θ12,θ31を算出する(ステップS504)。
なお、第1電池セル42a〜第3電池セル42cを流れる交流電流は、電圧変動V1〜V3とほぼ同位相となるため、電圧変動V1〜V3をサイクリックさせた場合と同様に算出可能である。また、式(61)〜(62)において、ステップS502で設定された振幅指定値Isiを利用するのは、初回であるため、後述するステップS508において、電圧変動V1〜V3が取得されていないからである。
Figure 2021072196
一方、ステップS503の判定結果が否定の場合、制御装置90は、ステップS505の処理へ移行し、式(63)〜(64)に基づいて、位相差θ12,θ31を算出する(ステップS505)。なお、式(63)〜(64)において、電圧変動V1〜V3は、前回のステップS508で取得された最新の電圧変動V1〜V3を利用する。
Figure 2021072196
次に、制御装置90は、式(65)〜(67)に基づいて、位相指定値θs1〜θs3を算出する(ステップS506)。より詳しくは、電圧変動V2と電圧変動V3の合計(ベクトル値)が電圧変動V1と逆相となるように、位相指定値θs1〜θs3を算出する。なお、式(65)〜(67)では、ステップS504またはステップS505で算出された位相差θ12,θ31を利用する。
θs1=0・・・(65)
θs2=θ1+(180°−θ12)−θ2・・・(66)
θs3=θ1+(180°+θ31)−θ3・・・(67)
そして、制御装置90は、第1電池セル42a〜第3電池セル42cの各インピーダンス検出部60に対して、振幅指定値Is1〜Is3、位相指定値θs1〜θs3及び測定周波数fsをそれぞれ指示し、インピーダンスZ1〜Z3等の検出を指示する(ステップS507)。
振幅指定値Is1〜Is3、位相指定値θs1〜θs3及び測定周波数fsがそれぞれ出力されると、各インピーダンス検出部60は、それらの指定値に基づいて、第1電池セル42a〜第3電池セル42cから交流電流を出力させる。
そして、各インピーダンス検出部60は、交流電流に基づく第1電池セル42a〜第3電池セル42cの電圧変動V1〜V3をそれぞれ入力し、電圧変動Viに基づいて前述したように、インピーダンスZ1〜Z3及び位相差θ1〜θ3を算出し、制御装置90に対して出力する。また、各インピーダンス検出部60は、電圧変動V1〜V3を、制御装置90に対して出力する。
制御装置90は、算出結果(電圧変動V1〜V3,インピーダンスZ1〜Z3及び位相差θ1〜θ3)を入力する(ステップS508)。そして、制御装置90は、測定周波数fsとして、測定範囲内の周波数をすべて走査したか否かを判定する(ステップS509)。この判定結果が肯定の場合には、制御装置90は、インピーダンス測定処理を終了する。一方、ステップS509の判定結果が否定の場合には、制御装置90は、第1実施形態のステップS107と同様にして、測定周波数fsを更新して(ステップS510)、再びステップS502の処理を実行する。
以上、第5実施形態の電池監視装置50は、以下の効果を有する。
これにより、均等化処理が必要でない場合には、各電池セル42の放電量を同じにしつつ、インピーダンスZi及び位相差θiを検出することができる。その際、電圧変動Viの合計を閾値以下として、ノイズを抑制することができる。
また、均等化処理が必要である場合には、放電が必要な電池セル42から出力させる交流電流の振幅指定値Isiを、他の電池セル42よりも大きくしつつ、インピーダンスZi及び位相差θiを検出することができる。その際にも、電圧変動Viの合計を閾値以下として、ノイズを抑制することができる。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。なお、以下では、各実施形態で互いに同一又は均等である部分には同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
・上記実施形態では、電池監視装置50は、電池セル42から交流電流を出力させていたが、他の電源(外部電源など)から電池セル42に対して交流電流を印加してもよい。
・上記実施形態では、制御装置90が測定周波数fsを更新したが、ECU100などの外部装置からの指示に基づいて、測定周波数fsを設定してもよい。
・上記実施形態では、最新のインピーダンスZi及び位相差θiを利用して、振幅指定値Isi及び位相指定値θsiを特定したが、最新のインピーダンスZi及び位相差θiでなくてもよい。ただし、極力最新のインピーダンスZi及び位相差θiに近い値であることが望ましい。
・上記実施形態において、電圧変動の合計値の閾値は、任意の数であり、ノイズの許容値に応じて適宜設定されればよい。例えば、ゼロでもよい。
・上記実施形態では、電池セルを最大3つのグループで説明したが4つ以上のグループで分けてもよい。例えば、第5実施形態において、均等化能力をさらに向上するためにIs1を極端に大きくしていくと、図14において「|V1|>|V2|+|V3|」となり、サイクリックに配置できなくなる場合があるが、4つ以上のグループとすることでそれを可能とできる。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
40…組電池、42…電池セル、50…電池監視装置、61…演算装置、62…ロックインアンプ、90…制御装置、θi…位相差、θsi…位相指定値、Isi…振幅指定値、Vi…電圧変動。

Claims (4)

  1. 電解質と複数の電極とを含む複数の電池セル(42)が直列接続された組電池(40)に対して適用され、前記各電池セルの状態を監視する電池監視装置(50)において、
    前記各電池セルに交流電流をそれぞれ流させる電流発生部(62)と、
    前記交流電流が流れたときにおける前記各電池セルの電圧変動(Vi)をそれぞれ取得する電圧取得部(62)と、
    前記各電池セルに流れた交流電流及び前記電圧取得部により取得された電圧変動に基づいて、前記電池セルのインピーダンス(Zi)、及び前記交流電流と前記電圧変動との位相差(θi)を前記各電池セルごとにそれぞれ算出する演算部(61)と、
    前記電流発生部に対して、前記各電池セルごとに前記交流電流の振幅(Isi)及び位相(θsi)を指定する電流制御部(90)と、を備え、
    前記電流制御部は、前記各電池セルの電圧変動の合計値(Vt)が閾値以下となるように、前記演算部により算出された前記各電池セルのインピーダンス及び位相差に基づいて、前記各電池セルごとに流させる交流電流の振幅及び位相のうち少なくともいずれか一方を特定し、特定した交流電流の振幅及び位相のうち少なくともいずれか一方を各電池セルに対して指定する電池監視装置。
  2. 前記電流制御部は、
    前記演算部により算出された各電池セルの前記インピーダンスに基づいて、前記各電池セルの電圧変動の大きさが同一となるように、前記各電池セルから出力させる交流電流の振幅を決定するとともに、
    前記演算部により算出された各電池セルの前記位相差に基づいて、前記各電池セルの電圧変動の位相ずれが等間隔となるように、前記各電池セルから出力させる交流電流の位相を決定する請求項1に記載の電池監視装置。
  3. 前記組電池は、3つ以上の前記電池セルから構成され、
    前記各電池セルの蓄電状態を検出する状態検出部(90)を備え、
    前記電流発生部は、前記各電池セルから交流電流を出力させるように構成されており、
    前記電流制御部は、
    前記状態検出部により検出された蓄電状態に基づいて、前記各電池セルごとに出力させる交流電流の振幅を決定する一方、
    前記各電池セルの電圧変動の合計値が閾値以下となるように、決定された前記交流電流の振幅、前記演算部により算出された前記各電池セルのインピーダンス及び位相差に基づいて、前記各電池セルごとに出力させる前記交流電流の位相を算出し、算出した前記交流電流の位相を各電池セルに対して指定する請求項1に記載の電池監視装置。
  4. 前記組電池は、3つ以上の前記電池セルから構成され、
    前記電流発生部は、前記各電池セルから交流電流を出力させるように構成されており、
    前記電流制御部は、
    各電池セルごとに流させる交流電流の振幅を同一に決定し、
    前記各電池セルの電圧変動の合計値が閾値以下となるように、前記演算部により算出された前記各電池セルのインピーダンス及び位相差に基づいて、前記各電池セルごとに出力させる前記交流電流の位相を算出し、算出した前記交流電流の位相を前記各電池セルに対して指定する請求項1に記載の電池監視装置。
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