JP2021071822A - 構造評価方法、構造評価プログラム、及び、構造評価装置 - Google Patents
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Abstract
Description
複数又は単数の支持点で支持され、複数の入力振動又は単数の入力振動を受ける多自由度系構造物の構造評価方法であって、
各々の前記支持点への入力に対応する床応答スペクトルを用いて、前記構造物の振動モードのそれぞれに対応する前記応答値を前記支持点への入力毎に求める応答算出工程と、
各々の前記支持点の時刻歴入力に対する前記振動モード毎の前記構造物の動的応答同士の相関を示す相関係数を用いて、前記振動モードの各々について前記支持点への入力ごとに求めた前記応答値を合成し、前記複数又は単数の支持点の振動による前記構造物の全ての前記振動モードの合成応答を算出する応答合成工程と、
を備える。
複数又は単数の支持点で支持され、複数の入力振動又は単数の入力振動を受ける多自由度系構造物の構造評価プログラムであって、コンピュータを用いて、
各々の前記支持点への入力に対応する床応答スペクトルを用いて、前記構造物の振動モードのそれぞれに対応する前記応答値を前記支持点への入力毎に求める応答算出工程と、
各々の前記支持点の時刻歴入力に対する前記振動モード毎の前記構造物の動的応答同士の相関を示す相関係数を用いて、前記振動モードの各々について前記支持点への入力ごとに求めた前記応答値を合成し、前記複数又は単数の支持点の振動による前記構造物の全ての前記振動モードの合成応答を算出する応答合成工程と、
を実行可能である。
複数又は単数の支持点で支持され、複数の入力振動又は単数の入力振動を受ける多自由度系構造物の構造評価装置であって、
各々の前記支持点への入力に対応する床応答スペクトルを用いて、前記構造物の振動モードのそれぞれに対応する前記応答値を前記支持点の入力振動毎に求める応答算出部と、
各々の前記支持点の時刻歴入力に対する前記振動モード毎の前記構造物の動的応答同士の相関を示す相関係数を用いて、前記振動モードの各々について前記支持点の入力振動ごとに求めた前記応答値を合成し、前記複数又は単数の支持点の振動による前記構造物の全ての前記振動モードの合成応答を算出する応答合成部と、
を備える。
まず図1を参照して、構造評価対象となる構造物1について説明する。図1は構造評価対象である構造物1の一例を示す模式図である。構造物1は、地面2上に立設された建屋4が有する複数の床面k、lに対応する複数の支持点で支持される。図1の例では、地面2上に2つの建屋4a、4b(以下、建屋4a、4bを総称する場合は、符号4で示す)が立設されており、建屋4aは3階構造を有し、建屋4bは2階構造を有する。構造物1は、建屋4aの床面k、及び、建屋4bの床面l上にそれぞれ支持される。
続いて上述の構造物1の構造評価を行うための構造評価システムについて説明する。図2は構造評価システム100の全体構成図である。
可能である。
続いて本開示の一実施形態に係る構造評価装置として機能するメインサーバ300の詳細について説明する。図3は図2のメインサーバ300の内部構成を機能的に示すブロック図である。尚、図3に示す各機能ブロックは、後述する構造評価方法の各工程に対応するように規定した一例に過ぎず、幾つかの機能ブロックが統合されていてもよいし、複数の機能ブロックに更に細分化されていてもよい。
構造物1において、床面から支持されている節点の拘束方向を拘束節点自由度、床面から支持されていないフリーな節点の方向を非拘束節点自由度と称する。(1)式の上段は非拘束節点自由度の運動方程式を、下段は拘束節点自由度の運動方程式を表している。
ここで、MPは構造物1の非拘束節点自由度の質量マトリクス、CPは構造物1の非拘束節点自由度の減衰マトリクス、KPは構造物1の非拘束節点自由度の剛性マトリクス、CBは構造物1の拘束節点自由度の減衰マトリクス、KBは構造物1の拘束節点自由度の剛性マトリクス、CPB又はCBPは構造物1の非拘束節点自由度―拘束節点自由度間の結合減衰マトリクス、KPB又はKBPは構造物1の非拘束節点自由度―拘束節点自由度間の結合剛性マトリクス、FBは構造物1の拘束節点自由度の反力ベクトル、Xは構造物1の非拘束節点自由度の応答ベクトル、Zは構造物1の拘束節点自由度の変位ベクトルである。
静的応答{XS}は静的なつり合いに基づいて(3)式により求められる。
(3)式を(1)式の上段の方程式に代入し、構造物1の拘束節点自由度の減衰項を無視することにより、(4)式が得られる。
このように得られた(4)式は、複数の支持点によって支持される構造物1の動的応答を求める基礎式である。
(5)式を(4)式に代入することにより,(4)式の運動方程式はモード座標系で(6)式により表される。
ここで,ξiはモーダル減衰定数,ωiはモーダル角振動数である。
となり、床面kの入力振動によるi次振動モードの運動方程式は下式で表される。
(8)式がモード座標系で表した複数の支持点から多入力を受ける構造物1の動的応答を求める基礎式となる。尚、βikは修正刺激係数である。
尚、図5及び図6では、床面kに関する床応答スペクトルを算出するための構成及び方法が示されるが、床面lについても同様である。
ここで、Φi0は配管系のi次振動モードの固有ベクトルである。同様に床面lの入力による構造物1のi次振動モードの最大応答加速度Railは
と求められる。
ここで、sはタイムステップを表しており、tは全タイムステップ数を表している。
またステップS305で算出された一自由度系振動子モデルの動的応答を周波数領域で表す場合は、例えばi次振動モード及び床面kの入力振動に対応する周波数応答Uik(ω)と、j次振動モード及び床面lの入力振動に対応する周波数応答Ujl(ω)との相関係数ρikjlは次式により求められる。
ここで、mは全地震入力数を表しており、nは全モード次数を表している。
そして(14)式の部分合成応答Rkを各床面に対して例えば絶対値和法または二乗和平方根法にて加算したものが最終的な合成応答Rとなる。このように求められた合成応答Rは、(13)式に比べて床面k、l間の相関係数が考慮されていないため精度が少なからず低下するものの、異なる振動モード間の相関係数を考慮することで、従来手法に比べて良好な評価精度が得られる。なお、構造物1が単数の支持点で支持される場合、あるいは単数の入力振動を受ける場合は(13)式と(14)式が一致し、(13)式の代替として(14)式を用いることができる。
そして(15)式の部分合成応答Riを各振動モードに対して例えば二乗和平方根法にて加算したものが最終的な合成応答Rとなる。このように求められた合成応答Rは、(13)式に比べて異なる振動モード間の相関係数が考慮されていないため精度が少なからず低下するものの、異なる床面k、l間の相関係数を考慮することで、従来手法に比べて良好な評価精度が得られる。なお、構造物1が単数の支持点で支持される場合、あるいは単数の入力振動を受ける場合は異なる床面の応答がないため(15)式は適用されない。
複数又は単数の支持点(例えば上記実施形態の床面k、l)から異なる入力振動又は単一の入力振動を受ける多自由度系構造物(例えば上記実施形態の構造物1)の構造評価方法であって、
各々の前記支持点への入力に対応する床応答スペクトルを用いて、前記構造物の振動モード(例えば上記実施形態のi次振動モード)のそれぞれに対応する前記応答値(例えば上記実施形態の応答値Rik)を前記支持点への入力毎に求める応答算出工程(例えば上記実施形態のステップS103)と、
各々の前記支持点の時刻歴入力(例えば上記実施形態の床面時刻歴加速度Ak(t)、Al(t))に対する前記振動モード毎の前記構造物の動的応答同士の相関(例えば上記実施形態の時刻歴応答xik(s)及びxjl(s)同士の相関、又は、周波数応答Uik(s)及びUjk(s)同士の相関)を示す相関係数(例えば上記実施形態の相関係数ρikjl、ρikil、ρikjk)を用いて、前記振動モードの各々について前記支持点への入力ごとに求めた前記応答値を合成し、前記複数又は単数の支持点の振動による前記構造物の全ての前記振動モードの合成応答(例えば上記実施形態の合成応答R)を算出する応答合成工程(例えば上記実施形態のステップS105)と、
を備える。
前記相関係数は、時間領域で表された2つの前記動的応答の各時刻の応答値の積の総和(例えば上記実施形態の(12)式)、又は、周波数領域で表わされた2つの前記動的応答の各周波数の応答値とその共役複素数との積の総和(例えば上記実施形態の(12)‘式)である。
前記応答合成工程では、少なくとも前記振動モードが互いに異なる2個の前記応答値の合成に前記相関係数(例えば上記実施形態の相関係数ρikjl、ρikjk)を用いる。
前記応答合成工程では、少なくとも前記支持点への入力が互いに異なる2個の前記応答値の合成に前記相関係数(例えば上記実施形態の相関係数ρikjl、ρikil)を用いる。
前記構造物の固有値解析により得られた各振動モードの固有振動数を有する一自由度系振動子モデルを用い、前記各々の前記支持点の時刻歴入力に対応する前記動的応答を前記振動モード毎に求め、2つの前記動的応答間の前記相関係数を算出する相関係数算出工程を備える(例えば上記実施形態のS300〜S308)。
複数又は単数の支持点(例えば上記実施形態の床面k、l)から異なる入力振動又は単一の入力振動を受ける多自由度系構造物(例えば上記実施形態の構造物1)の構造評価プログラムであって、コンピュータを用いて、
各々の前記支持点への入力に対応する床応答スペクトルを用いて、前記構造物の振動モードのそれぞれに対応する前記応答値を前記支持点への入力毎に求める応答算出工程と、
各々の前記支持点の時刻歴入力に対する前記振動モード毎の前記構造物の時刻歴応答同士の相関(例えば上記実施形態の時刻歴応答xik(s)及びxjl(s)同士の相関、又は、周波数応答Uik(s)及びUjk(s)同士の相関)を示す相関係数(例えば上記実施形態の相関係数ρikjl、ρikil、ρikjk)を用いて、前記振動モードの各々について前記支持点への入力ごとに求めた前記応答値を合成し、前記複数又は単数の支持点の振動による前記構造物の全ての前記振動モードの合成応答(例えば上記実施形態の合成応答R)を算出する応答合成工程と、
を実行可能である。
複数又は単数の支持点(例えば上記実施形態の床面k、l)から異なる入力振動又は単一の入力振動を受ける多自由度系構造物(例えば上記実施形態の構造物1)の構造評価装置(例えば上記実施形態のメインサーバ300)であって、
各々の前記支持点への入力に対応する床応答スペクトルを用いて、前記構造物の振動モードのそれぞれに対応する前記応答値を前記支持点への入力毎に求める応答算出部(例えば上記実施形態の応答算出部308)と、
各々の前記支持点の時刻歴入力に対する前記振動モード毎の前記構造物の動的応答同士の相関(例えば上記実施形態の時刻歴応答xik(s)及びxjl(s)同士の相関、又は、周波数応答Uik(s)及びUjk(s)同士の相関)を示す相関係数(例えば上記実施形態の相関係数ρikjl、ρikil、ρikjk)を用いて、前記振動モードの各々について前記支持点への入力ごとに求めた前記応答値を合成し、前記複数又は単数の支持点の振動による前記構造物の全ての前記振動モードの合成応答(例えば上記実施形態の合成応答R)を算出する応答合成部(例えば上記実施形態の応答合成部312)と、
を備える。
2 地面
4a,4b 建屋
100 構造評価システム
200 通信ネットワーク
300 メインサーバ
302 構造モデル取得部
304 固有値解析部
306 床応答スペクトル取得部
308 応答算出部
310 相関係数取得部
312 応答合成部
314 出力部
400 データサーバ
410 解析モデルデータベース
412 構造モデル
414 建屋モデル
420 床応答スペクトルデータベース
430 相関係数データベース
500 ユーザ端末
Claims (7)
- 複数又は単数の支持点から異なる入力振動又は単一の入力振動を受ける多自由度系構造物の構造評価方法であって、
各々の前記支持点への入力に対応する床応答スペクトルを用いて、前記構造物の振動モードのそれぞれに対応する前記応答値を前記支持点への入力毎に求める応答算出工程と、
各々の前記支持点の時刻歴入力に対する前記振動モード毎の前記構造物の動的応答同士の相関を示す相関係数を用いて、前記振動モードの各々について前記支持点への入力ごとに求めた前記応答値を合成し、前記複数又は単数の支持点の振動による前記構造物の全ての前記振動モードの合成応答を算出する応答合成工程と、
を備える、構造評価方法。 - 前記相関係数は、時間領域で表された2つの前記動的応答の各時刻の応答値の積の総和、又は、周波数領域で表わされた2つの前記動的応答の各周波数の応答値とその共役複素数との積の総和である、
請求項1に記載の構造評価方法。 - 前記応答合成工程では、少なくとも前記振動モードが互いに異なる2個の前記応答値の合成に前記相関係数を用いる、
請求項1又は2に記載の構造評価方法。 - 前記応答合成工程では、少なくとも前記支持点への入力が互いに異なる2個の前記応答値の合成に前記相関係数を用いる、
請求項1から3の何れか一項に記載の構造評価方法。 - 前記構造物の固有値解析により得られた各振動モードの固有振動数を有する一自由度系振動子モデルを用い、前記各々の前記支持点の時刻歴入力に対応する前記動的応答を前記振動モード毎に求め、2つの前記動的応答間の前記相関係数を算出する相関係数算出工程を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の構造評価方法。
- 複数又は単数の支持点から異なる入力振動又は単一の入力振動を受ける多自由度系構造物の構造評価プログラムであって、コンピュータを用いて、
各々の前記支持点への入力に対応する床応答スペクトルを用いて、前記構造物の振動モードのそれぞれに対応する前記応答値を前記支持点への入力毎に求める応答算出工程と、
各々の前記支持点の時刻歴入力に対する前記振動モード毎の前記構造物の動的応答同士の相関を示す相関係数を用いて、前記振動モードの各々について前記支持点への入力ごとに求めた前記応答値を合成し、前記複数の支持点の振動による前記構造物の全ての前記振動モードの合成応答を算出する応答合成工程と、
を実行可能な、構造評価プログラム。 - 複数又は単数の支持点から異なる入力振動又は単一の入力振動を受ける多自由度系構造物の構造評価装置であって、
各々の前記支持点への入力に対応する床応答スペクトルを用いて、前記構造物の振動モードのそれぞれに対応する前記応答値を前記支持点への入力毎に求める応答算出工程と、
各々の前記支持点の時刻歴入力に対する前記振動モード毎の前記構造物の動的応答同士の相関を示す相関係数を用いて、前記振動モードの各々について前記支持点への入力ごとに求めた前記応答値を合成し、前記複数の支持点の振動による前記構造物の全ての前記振動モードの合成応答を算出する応答合成部と、
を備える、構造評価装置。
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