JP2021071345A - 半導体ic、電子機器及び測位方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】測位の実行に先立って待ち時間が発生することをできるだけ回避しつつ、精度良く測位を行う。【解決手段】測位の対象となる電子機器1に、第1測位部410と、算出部420と、第2測位部430とを設ける。第1測位部410は、GPS衛星2A、GPS衛星2B、GPS衛星2C及びGPS衛星2Dの各々から受信する電波から、コードフェイズ測位における電子機器1の初期位置の候補となる候補位置をドップラー測位により求める。算出部420は、GPS衛星2A、GPS衛星2B、GPS衛星2C及びGPS衛星2Dの各々からから受信する電波から得られるコードフェイズと、候補位置と各GPS衛星の位置とに基づいて求めたコードフェイズとの差から、コードフェイズのばらつきの大きさを示す指標値を算出する。第2測位部430は、指標値に応じてZCount又は候補位置を用いてコードフェイズ測位を行う。【選択図】図1
Description
本発明は、半導体IC、電子機器及び測位方法、に関する。
GPS(Global Positioning System, Global Positioning Satellite)における測位方法の具体例としてはコードフェイズ測位とドップラー測位とが挙げられる。コードフェイズ測位では、位置が既知の4つのGPS衛星の各々と測位対象の電子機器との間の距離を求め、当該距離に基づいて当該電子機器の位置を示す三次元座標値が特定される。4つのGPS衛星を用いるのは、電子機器が有する時計が正確であるは限らず、電子機器の位置を示す三次元座標値に加えて電子機器側の時間誤差を未知数とする必要があるからである。測位対象の電子機器とGPS衛星との間の距離は、GPS衛星から測位対象の電子機器に電波が到達するまでに要した時間と当該電子機器における時間誤差との和と光速との積として表される。GPS衛星から測位対象の電子機器に電波が到達するまでに要した時間に光速を乗算して得られる値は疑似距離と呼ばれる。この疑似距離は、以下の要領で算出される。
コードフェイズ測位では、GPS通信モジュールを備える電子機器の移動速度を時速150kmと想定し、前回の測位からの経過時間が1時間以内であれば、前回の測位により特定済みの位置を初期位置とし、当該初期位置、GPS衛星から送信される電波の搬送波に重畳されている航法メッセージ及びC/Aコードに基づいて疑似距離が算出される。この場合、初期位置の精度は150km以内となる。C/Aコードとは、衛星毎に異なるPRNコードであり、C/Aコードの長さは1ミリ秒当たり1023チップであり、距離に換算すると1チップ当たり約293mである。疑似距離は、C/Aコードの整数倍に対応する整数部と、1023チップに満たない端数部とに分けられ、この端数部がコードフェイズと呼ばれる。GPS衛星から受信する電波を観測することでコードフェイズは得られる。一方、整数部については初期位置と航法メッセージから求まる衛星の位置とに基づいて推定される。推定した整数部と観測により得られたコードフェイズとを加算することで疑似距離が算出される。
これに対して、前回の測位からの経過時間が1時間を超えている場合には、GPS衛星から送信された電波が測位対象の電子機器に到達するまでに要した到達時間に基づいて疑似距離が算出される。前回の測位からの経過時間が1時間を超えている場合に前回の測位により得られた位置を用いないのは、当該位置と実際の電子機器の位置との間に150kmを超える差がある可能性があり、150kmを超える差を有する位置を用いて整数部の推定を行うと、前回の測位に比較して位置が大きく変動するビッグジャンプが発生し得るからである。到達時間の算出には、現在時刻を報知するために6秒毎に衛星から放送されるZCountのデコードが必須となる。測位の対象となる電子機器の種類及び使い方によっては、前回の測位からの経過時間が1時間を超えることが多々ある。ZCountのデコードには6秒程度の時間が必要となるため、コードフェイズ測位では、前回の測位からの経過時間が1時間を超えると、測位の実行に先立って6秒程度の待ち時間が発生する。
ドップラー測位では、GPS衛星が送信した電波の送信時の周波数と測位対象の電子機器にて受信された電波の周波数との差から当該電子機器の位置が直接算出される。ドップラー測位では、初期位置の精度が問題となることは無く、ZCountのデコードは不要である。このため、ドップラー測位によれば、即座に測位を行える。特許文献1には、ドップラー測位により求めた位置を初期位置としてコードフェイズ測位における疑似距離の算出を行うことが記載されている。
コードフェイズ測位には、前回の測位からの経過時間が1時間を超えると、測位の実行に先立って6秒程度の待ち時間が発生する、という問題がある。一方、ドップラー測位には、コードフェイズ測位に比較して精度が低く、150km以上の誤差が含まれる場合がある、という問題がある。このため、ドップラー測位により求まる位置をコードフェイズ測位における初期位置として無条件に用いると、ビッグジャンプが発生する場合がある。また、ドップラー測位にはGPS通信モジュールの移動速度が速いほど、測位精度が低くなるという問題もある。このように、測位の実行に先立って待ち時間が発生することをできるだけ回避しつつ、精度良く測位を行う技術は無かった。
以上の課題を解決するために、本開示の半導体ICは、通信モジュールにより第1の衛星から受信する第1の電波と、前記通信モジュールにより第2の衛星から受信する第2の電波と、前記通信モジュールにより第3の衛星から受信する第3の電波と、前記通信モジュールにより第4の衛星から受信する第4の電波とから、コードフェイズ測位における前記通信モジュールの初期位置の候補となる候補位置をドップラー測位により求める第1測位部と、前記第1の衛星の位置と前記候補位置とから算出される第1のコードフェイズと前記第1の電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第1の差、前記第2の衛星の位置と前記候補位置とから算出される第2のコードフェイズと前記第2の電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第2の差、前記第3の衛星の位置と前記候補位置とから算出される第3のコードフェイズと前記第3の電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第3の差、及び第4の衛星の位置と前記候補位置とから算出される第4のコードフェイズと前記第4の電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第4の差から、前記第1のコードフェイズ、前記第2のコードフェイズ、前記第3のコードフェイズ、及び前記第4のコードフェイズのばらつきの大きさを示す指標値を算出する算出部と、前記指標値に応じて前記候補位置又はZCountの何れかを用いてコードフェイズ測位を行う第2測位部と、を備えることを特徴とする。
また、上記課題を解決するために本開示の電子機器は、衛星から送信される電波を受信する通信モジュールと、上記半導体ICと、を備える。
また、上記課題を解決するために、本開示の測位方法は、通信モジュールにより第1の衛星から受信する第1の電波と、前記通信モジュールにより第2の衛星から受信する第2の電波と、前記通信モジュールにより第3の衛星から受信する第3の電波と、前記通信モジュールにより第4の衛星から受信する第4の電波とから、コードフェイズ測位における前記通信モジュールの初期位置の候補となる候補位置をドップラー測位により求め、前記第1の衛星の位置と前記候補位置とから算出される第1のコードフェイズと前記第1の電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第1の差、前記第2の衛星の位置と前記候補位置とから算出される第2のコードフェイズと前記第2の電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第2の差、前記第3の衛星の位置と前記候補位置とから算出される第3のコードフェイズと前記第3の電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第3の差、及び第4の衛星の位置と前記候補位置とから算出される第4のコードフェイズと前記第4の電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第4の差から、前記第1のコードフェイズ、前記第2のコードフェイズ、前記第3のコードフェイズ、及び前記第4のコードフェイズのばらつきの大きさを示す指標値を算出し、前記指標値に応じて前記候補位置又はZCountの何れかを用いてコードフェイズ測位を行う、ことを特徴とする。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。以下に述べる実施形態には、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、実施形態はこれらの形態に限られるものではない。
1.実施形態
図1は、本開示の一実施形態に係る電子機器1の構成を示すブロック図である。電子機器1はGPS衛星から送信される電波に基づいて電子機器1の位置を特定し、特定された位置を含むタイムゾーンに応じて時刻を表示する機能を有するタブレット端末である。図1には、電子機器1の他に、GPSに含まれる24個のGPS衛星のうち、GPS衛星2A、GPS衛星2B、GPS衛星2C、及びGPS衛星2Dが図示されている。GPS衛星2Aは本開示における第1のGPS衛星の一例である。GPS衛星2Bは本開示における第2のGPS衛星の一例である。GPS衛星2Cは本開示における第3のGPS衛星の一例である。GPS衛星2Dは、本開示における第4のGPS衛星の一例である。以下では、GPS衛星2A、GPS衛星2B、GPS衛星2C、及びGPS衛星2Dの各々を区別する必要がない場合にはGPS衛星2と表記する。
図1は、本開示の一実施形態に係る電子機器1の構成を示すブロック図である。電子機器1はGPS衛星から送信される電波に基づいて電子機器1の位置を特定し、特定された位置を含むタイムゾーンに応じて時刻を表示する機能を有するタブレット端末である。図1には、電子機器1の他に、GPSに含まれる24個のGPS衛星のうち、GPS衛星2A、GPS衛星2B、GPS衛星2C、及びGPS衛星2Dが図示されている。GPS衛星2Aは本開示における第1のGPS衛星の一例である。GPS衛星2Bは本開示における第2のGPS衛星の一例である。GPS衛星2Cは本開示における第3のGPS衛星の一例である。GPS衛星2Dは、本開示における第4のGPS衛星の一例である。以下では、GPS衛星2A、GPS衛星2B、GPS衛星2C、及びGPS衛星2Dの各々を区別する必要がない場合にはGPS衛星2と表記する。
図1に示すように、電子機器1は、通信装置10と、記憶装置30と、処理装置40と、を有する。なお、電子機器1は、通信装置10、記憶装置30、及び処理装置40の他に、各種指示をユーザーに入力させる入力装置、計時を行う計時装置、及び各種情報を表示する表示装置、を含む。しかし、入力装置、計時装置及び表示装置は、本開示との関連が薄いため、図1では省略されている。また、以下では、入力装置、計時装置及び表示装置についての詳細な説明を省略する。
図1では詳細な図示を省略したが、通信装置10は、UART、SPI又はI2C等のインターフェイスを介して処理装置40に接続される。通信装置10には、GPS衛星2から送信される電波を受信するアンテナ110が接続される。通信装置10は、アンテナ110により受信した電波に重畳されている情報を復調するGPS通信モジュールである。通信装置10がGPS衛星2Aから受信する電波は本開示における第1の電波の一例である。通信装置10がGPS衛星2Bから受信する電波は本開示における第2の電波の一例である。通信装置10がGPS衛星2Cから受信する電波は本開示における第3の電波の一例である。通信装置10がGPS衛星2Dから受信する電波は本開示における第4の電波の一例である。
通信装置10は、処理装置40による制御の下、アンテナ110により受信した電波の周波数を示す周波数情報、及び受信した電波に重畳されている情報を処理装置40に出力する。アンテナ110により受信される電波に重畳されている情報の具体例としては、ZCount、C/Aコード及び航法メッセージが挙げられる。前述したように、ZCountは、現在時刻を報知するために6秒毎にGPS衛星2から放送される。C/Aコードとは、衛星毎に異なるPRNコードである。C/Aコードの長さは1ミリ秒当たり1023チップであり、距離に換算すると1チップ当たり約293mである。航法メッセージは、当該航法メッセージの送信元であるGPS衛星2の位置及び移動速度を特定する際に使用される。
記憶装置30は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備える。記憶装置30には、本開示の測位方法を処理装置40に実行させるためのプログラムPが予め記憶される。記憶装置30には、電子機器1の測位が行われる毎に、測位が行われた時刻と測位された位置とを示す測位情報Dが記憶される。また、記憶装置30には、測位情報Dの示す位置がコードフェイズ測位における初期位置として妥当であるか否かを示す精度フラグFが記憶される。詳細については後述するが、精度フラグFには、前回の測位からの経過時間が1時間以内であれば“1”がセットされ、前回の測位からの経過時間が1時間を超えていれば“0”がセットされる。
処理装置40は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーを含んで構成される。処理装置40は、単一のプロセッサーで構成されてもよいし、複数のプロセッサーで構成されてもよい。処理装置40は、記憶装置30を含んでもよく、また、処理装置40は、通信装置10と一体であってもよい。処理装置40は、電子機器1の電源投入を契機としてプログラムPの実行を開始し、電子機器1の各部の制御を行う。プログラムPに従って作動中の処理装置40は、第1測位部410、算出部420、及び第2測位部430として機能する。本実施形態における第1測位部410、算出部420、及び第2測位部430は、処理装置40をプログラムPに従って動作させることで実現されるソフトウェアモジュールである。
第1測位部410は、コードフェイズ測位における電子機器1の初期位置の候補となる候補位置をドップラー測位により求める。より詳細に説明すると、第1測位部410は、GPS衛星2Aから受信する電波の周波数と当該電波の送信時の周波数との周波数差を算出する。同様に、第1測位部410は、GPS衛星2Bから受信する電波、GPS衛星2Cから受信する電波及びGPS衛星2Dから受信する電波の各々についても送信時の周波数との周波数差を算出する。そして、第1測位部410は、上記の要領で算出した4つの周波数差と、GPS衛星2A、GPS衛星2B、GPS衛星2C及びGPS衛星2Dの各々の位置及び移動速度とから、電子機器1の位置を算出する。
例えば、GPS衛星2Aから受信する電波を用いて特定される電子機器1の候補位置は、図2にて破線で示す円錐面SA上の位置である。なお、図2におけるVSAはGPS衛星2Aの移動速度を意味する。また、図2における角度αは、GPS衛星2Aの位置から円錐面SA上の任意の位置に至るベクトルとGPS衛星2Aの移動速度を表すベクトルとの間の角度である。第1測位部410は、GPS衛星2A、GPS衛星2B、GPS衛星2C及びGPS衛星2Dの各々について、以下の式(1)に示す数式を生成する。なお、以下の式(1)において添え字iは、A、B、C及びDの何れかを意味する。以下の式(1)においてVSiは添え字iの示すGPS衛星2の移動速度を表すベクトルであり、PSiは添え字iの示すGPS衛星2の位置を表すベクトルである。VSi及びPSiは、航法メッセージから求まる既知の値である。また、以下の式(1)において、diは添え字iの示すGPS衛星2と移動速度の大きさに角度αの余弦を乗算して得られる値であり、Pは電子機器1の位置を示すベクトルであり、Vは電子機器の移動速度を表すベクトルである。
そして、第1測位部410は、式(1)の右辺における速度の差VSi−Vを添え字iの示すGPS衛星2についての周波数差から求め、更にGPS衛星2A、GPS衛星2B、GPS衛星2C及びGPS衛星2Dの各々について生成した式(1)を連立させ、Pについて解くことで、電子機器1の位置を算出する。なお、4つのGPS衛星2を用いるのは、観測されるdiには、電子機器1におけるクロックドリフトが含まれ、電子機器1の位置P(x,y,z)とクロックドリフトの4つのパラメーターの推定が必要となるからである。
本実施形態では、コードフェイズ測位における初期位置の候補となる候補位置が第1測位部410により求められるのであるが、この候補位置を常時初期位置として用いることができるとは限らない。前述したように、ドップラー測位には、電子機器1が移動している状況下では移動速度が速いほど精度が低下するという弱点があるからである。本願発明者は、電子機器1が静止している場合、電子機器が時速1kmで移動している場合、時速6kmで移動している場合、時速30kmで移動している場合、及び時速60kmで移動している場合の各々についてドップラー測位の精度に関するシミュレーションを行った。図3は当該シミュレーションの結果を示す図である。図3に示すように、ドップラー測位により求まる位置に含まれる誤差は、電子機器1の移動速度が速くなるほど大きくなる。また、電子機器1の移動速度が時速30kmである場合及び時速60kmである場合においては、最大誤差が150kmを超えることが判った。
算出部420は、GPS衛星2Aの位置と候補位置とから第1のコードフェイズを算出する。電子機器1とGPS衛星2Aとの間の疑似距離、コードフェイズ及びC/Aコードの間には図4に示す関係がある。算出部420は、GPS衛星2Aの位置と候補位置とからGPS衛星2Aと電子機器1との間の疑似距離の候補値を算出し、この候補値をC/Aコードの長さで除算して得られる余りを第1のコードフェイズとする。同様に、算出部420は、GPS衛星2Bの位置と候補位置とから第2のコードフェイズを算出し、GPS衛星2Cの位置と候補位置とから第3のコードフェイズを算出し、GPS衛星2Dの位置と候補位置とから第4のコードフェイズを算出する。
次いで、算出部420は、第1のコードフェイズとGPS衛星2Aから送信される電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第1の差を算出する。同様に、算出部420は、第2のコードフェイズとGPS衛星2Bから送信される電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第2の差、第3のコードフェイズとGPS衛星2Cから送信される電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第3の差、及び、第4のコードフェイズとGPS衛星2Dから送信される電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第4の差を算出する。
そして、算出部420は、上記の要領で求めた4つの差から、第1のコードフェイズ、第2のコードフェイズ、第3のコードフェイズ、及び第4のコードフェイズのばらつきの大きさを示す指標値を算出する。より詳細には、算出部420は、第1のコードフェイズ、第2のコードフェイズ、第3のコードフェイズ、及び第4のコードフェイズのばらつきが小さいほど小さくなる指標値を算出する。従って、第1のコードフェイズ、第2のコードフェイズ、第3のコードフェイズ、及び第4のコードフェイズのばらつきが小さいときの指標値は、第1のコードフェイズ、第2のコードフェイズ、第3のコードフェイズ、及び第4のコードフェイズのばらつきが大きいときの指標値よりも小さくなる。本実施形態では、算出部420は、上記指標値として上記4つの差の標準偏差を算出する。
本実施形態において、第1のコードフェイズ、第2のコードフェイズ、第3のコードフェイズ、及び第4のコードフェイズのばらつきの大きさを示す指標値を算出する理由は次の通りである。図5に示すグラフG01及びグラフG02は、上記指標値の一例である標準偏差とドップラー測位により求まる候補位置に含まれる誤差との関係を示す。グラフG02は、グラフG01における標準偏差が20000以下の部分を拡大したグラフである。
図5のグラフG02に示されるように、第1のコードフェイズ、第2のコードフェイズ、第3のコードフェイズ、及び第4のコードフェイズのばらつきの大きさを示す指標値と、候補位置に含まれる誤差の大きさとの間には、強い相関がある。具体的には、上記指標値が小さいときに候補位置に含まれる誤差は、上記指標値が大きいときに候補位置に含まれる誤差よりも小さくなる。つまり、第1のコードフェイズ、第2のコードフェイズ、第3のコードフェイズ、及び第4のコードフェイズのばらつきの大きさを示す指標値は、候補位置に含まれる誤差の大きさを表し、候補位置の信頼性の評価に利用できる。これが、第1のコードフェイズ、第2のコードフェイズ、第3のコードフェイズ、及び第4のコードフェイズのばらつきの大きさを示す指標値を算出する理由である。
第2測位部430は、算出部420により算出される指標値及び精度フラグFに応じてコードフェイズ測位を行う。より詳細に説明すると、精度フラグFが“1”である場合には、第2測位部430は、従来と同様に、測位情報Dの示す位置を初期位置としてコードフェイズ測位を行う。一方、精度フラグFが“0”である場合には、第2測位部430は、算出部420により算出される指標値に応じて候補位置又はZCountの何れかを用いてコードフェイズ測位を行う。より詳細に説明すると、第2測位部430は、算出部420により算出される指標値が所定の閾値より大きければ、ZCountのデコード結果を用いてGPS衛星2と電子機器1との間の疑似距離の整数部を推定し、この整数部を用いて疑似距離を算出し、算出した疑似距離を用いて電子機器1の位置を特定する。
より詳細に説明すると、PSjを添え字jの示すGPS衛星2の位置を表すベクトル、PDjを添え字jの示すGPS衛星2と電子機器1との間の疑似距離、Pを電子機器1の位置を示すベクトル、cを光速、Δtを電子機器における時間誤差とすると、以下の式(2)が成り立つ。なお、添え字jはA,B、C及びDのうちの何れかを意味する。
第2測位部430は、GPS衛星2A、GPS衛星2B、GPS衛星2C及びGPS衛星2Dの各々について上記式(2)を生成し、これら4つの式を連立させ、Pについて解くことで、電子機器1の位置を算出する。
これに対して、算出部420により算出される指標値が所定の閾値以下であれば、第2測位部430は、第1測位部410により求めた候補位置を電子機器1の初期位置とし、この初期値位置と航法メッセージから求まるGPS衛星2の位置とからGPS衛星2と電子機器1との間の疑似距離の整数部を推定し、この整数部を用いて疑似距離を算出し、算出した疑似距離を用いて電子機器1の位置を特定する。
また、プログラムPに従って作動している処理装置40は、本開示の測位方法を例えば1時間より短い時間間隔で周期的に実行する。ただし、電子機器1がスリープモード等で動作している場合には、上記測位方法は実行されず、前回の測位から1時間を超える時間が経過した後に測位が実行されることが起こり得る。図6は、処理装置40がプログラムPに従って実行する測位方法の流れを示すフローチャートである。図6に示すように本実施形態における測位方法には、判定処理SA100、ドップラー測位処理SA110、算出処理SA120、判定処理SA130、デコード処理SA140,及びコードフェイズ測位処理SA150が含まれる。
判定処理SA100では、処理装置40は、記憶装置30に記憶済の測位情報Dを参照し、前回の測位からの経過時間が1時間以内であるか否かを判定する。判定処理SA100の判定結果が“Yes”である場合には、処理装置40は精度フラグFに“1”をセットしてコードフェイズ測位処理SA150を実行する。これに対して、判定処理SA100の判定結果が“No”である場合には、処理装置40は、精度フラグFに“0”をセットしてドップラー測位処理SA110を実行する。
ドップラー測位処理SA110では、処理装置40は第1測位部410として機能し、ドップラー測位を実行する。このドップラー測位により、候補位置が求められる。
算出処理SA120では、処理装置40は算出部420と機能し、第1のコードフェイズ、第2のコードフェイズ、第3のコードフェイズ及び第4のコードフェイズのばらつきを示す指標値を算出する。
判定処理SA130、デコード処理SA140、及びコードフェイズ測位処理SA150の各処理では、処理装置40は第2測位部430として機能する。判定処理SA130では、処理装置40は、算出処理SA120にて算出済の指標値が所定の閾値以下であるか否かを判定する。判定処理SA130の判定結果が“No”である場合、すなわち算出処理SA120にて算出済の指標値が所定の閾値よりも大きい場合には、処理装置40は、デコード処理SA140及びコードフェイズ測位処理SA150を実行する。これに対して、判定処理SA130の判定結果が“Yes”である場合、すなわち算出処理SA120にて算出済の指標値が所定の閾値以下である場合には、処理装置40は、デコード処理SA140を実行することなく、コードフェイズ測位処理SA150を実行する。
デコード処理SA140では、処理装置40は、GPS衛星2A、GPS衛星2B、GPS衛星2C及びGPS衛星2Dの各々から受信する電波に重畳されているZCountをデコードする。
コードフェイズ測位処理SA150では、処理装置40は、まず、精度フラグFの値が“1”であるか否かを判定し、精度フラグFの値が“1”であれば、測位情報Dの示す位置を電子機器1の初期位置としてコードフェイズ測位を行う。これに対して、精度フラグFの値が“0”である場合には、処理装置40は、算出処理SA120にて算出済の指標値が所定の閾値より大きければデコード処理SA140にてデコード済のZcountを用いてコードフェイズ測位を行い、当該指標値が所定の閾値以下であれば候補位置を初期位置としてコードフェイズ測位を行う。
以上説明したように本実施形態の電子機器1において前回の測位からの経過時間が1時間を超えている場合にはドップラー測位が実行される。そして、ドップラー測位により求めた候補位置の信頼性が高いと評価される場合には、当該候補位置を初期位置としてコードフェイズ測位が実行される。ドップラー測位により求めた候補位置の信頼性が高いと評価される場合には、Zcountのデコードは行われないため、前回の測位からの経過時間が1時間を超えている場合であっても、測位の実行に先立って常に待ち時間が発生する訳ではない。また、ドップラー測位により求めた候補位置の信頼性が低いと評価される場合には、本実施形態の電子機器1では、ドップラー測位により求めた位置を用いず、Zcountのデコード結果を用いてコードフェイズ測位が行われる。このため、ドップラー測位により求めた候補位置を無条件に初期位置としてコードフェイズ測位を行う場合に比較してビッグジャンプの発生を回避することができる。このように、本実施形態によれば、測位の実行に先立って待ち時間が発生することをできるだけ回避しつつ、電子機器1の測位を精度良く行うことを可能にする。
2.変形例
上記実施形態に以下の変形を適宜組み合わせてもよい。
(1)上記実施形態における通信装置10は、GPS衛星2から送信される電波を受信するGPS通信モジュールであった。しかし、通信装置10は、マルチGNSS(Global Navigation Satellite System)に含まれる衛星から送信される電波を受信するGNSS通信モジュールであってもよく、BeiDouやGLONASS、QZS、ガリレオなどの他の衛星システムに含まれる衛星から送信される電波を受信する通信モジュールであってもよい。要は、通信装置10は、衛星システムに含まれる衛星から送信される電波を受信する通信モジュールであればよい。また、上記実施形態では、GPS通信モジュールを備えたタブレット端末への本開示の適用例を説明した。しかし、本開示の適用対象は、通信モジュールを備える電子機器であればよく、スマートフォン、電子時計、又はカーナビゲーション装置等の車載電子機器であってもよい。また、上記実施形態では、第1のコードフェイズ、第2のコードフェイズ、第3のコードフェイズ及び第4のコードフェイズのばらつきの大きさを示す指標値として標準偏差を用いたが、上記第1の差、第2の差、第3の差及び第4の差の平均値、t値又はp値等の他の統計量を用いてもよい。
上記実施形態に以下の変形を適宜組み合わせてもよい。
(1)上記実施形態における通信装置10は、GPS衛星2から送信される電波を受信するGPS通信モジュールであった。しかし、通信装置10は、マルチGNSS(Global Navigation Satellite System)に含まれる衛星から送信される電波を受信するGNSS通信モジュールであってもよく、BeiDouやGLONASS、QZS、ガリレオなどの他の衛星システムに含まれる衛星から送信される電波を受信する通信モジュールであってもよい。要は、通信装置10は、衛星システムに含まれる衛星から送信される電波を受信する通信モジュールであればよい。また、上記実施形態では、GPS通信モジュールを備えたタブレット端末への本開示の適用例を説明した。しかし、本開示の適用対象は、通信モジュールを備える電子機器であればよく、スマートフォン、電子時計、又はカーナビゲーション装置等の車載電子機器であってもよい。また、上記実施形態では、第1のコードフェイズ、第2のコードフェイズ、第3のコードフェイズ及び第4のコードフェイズのばらつきの大きさを示す指標値として標準偏差を用いたが、上記第1の差、第2の差、第3の差及び第4の差の平均値、t値又はp値等の他の統計量を用いてもよい。
(2)上記実施形態では、ドップラー測位処理SA110に先立って、前回の測位からの経過時間が1時間を超えているか否かを判定する判定処理SA100が実行されたが、判定処理SA100は省略可能である。判定処理SA100を省略しても、測位の実行に先立って待ち時間が発生することをできるだけ回避しつつ、電子機器の測位を精度良く行うことが可能になるからである。
(3)上記実施形態では、処理装置40を第1測位部410、算出部420及び第2測位部430として機能させるプログラムPが記憶装置30に記憶済であった。しかし、プログラムPを単体で製造又は配布してもよい。プログラムPの具体的な配布方法としては、フラッシュROM(Read Only Memory)等のコンピューター読み取り可能な記録媒体に上記プログラムを書き込んで配布する態様、又はインターネット等の電気通信回線経由のダウンロードにより配布する態様が考えられる。CPU等のコンピューターと、衛星システムに含まれる衛星から送信される電波を受信する通信モジュールとを有する電子機器に当該プログラムをインストールし、当該電子機器のコンピューターを当該プログラムに従って作動させることで当該電子機器を本開示の電子機器として機能させることが可能になる。
(4)上記実施形態における第1測位部410、算出部420及び第2測位部430は、処理装置40をプログラムPに従って作動させることで実現されるソフトウェアモジュールであった。しかし、第1測位部410、算出部420及び第2測位部430の一部又は全部は、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで実現されてもよい。第1測位部410、算出部420及び第2測位部430の一部又は全部がハードウェアであっても、上記実施形態と同一の効果が奏される。
(5)上記実施形態では本開示の一実施形態の電子機器1について説明した。しかし、図6に示す測位方法を実行する半導体IC、すなわち第1測位部410と、算出部420と、第2測位部430とを備える半導体ICを単体で製造又は販売してもよい。この半導体ICを、衛星システムに含まれる衛星から送信される電波を受信する通信モジュールを有する電子機器に組み込むことで、当該電子機器を本開示の電子機器として機能させることが可能になる。
3.実施形態及び各変形例の少なくとも1つから把握される態様
本開示は、上述した実施形態及び変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実現することができる。例えば、本開示は、以下の態様によっても実現可能である。以下に記載した各態様中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、或いは本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
本開示は、上述した実施形態及び変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実現することができる。例えば、本開示は、以下の態様によっても実現可能である。以下に記載した各態様中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、或いは本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上述した半導体ICの一態様は、第1測位部と、算出部と、第2測位部とを備える。第1測位部は、通信モジュールにより受信する第1の電波、第2の電波、第3の電波及び第4の電波から、コードフェイズ測位における前記通信モジュールの初期位置の候補となる候補位置をドップラー測位により求める。第1の電波は、通信モジュールにより第1の衛星から受信する電波である。第2の電波は、通信モジュールにより第2の衛星から受信する電波である。第3の電波は、通信モジュールにより第3の衛星から受信する電波である。第4の電波は、通信モジュールにより第4の衛星から受信する電波である。算出部は、第1の衛星の位置と候補位置とから算出される第1のコードフェイズと第1の電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第1の差を算出する。また、算出部は、第2の衛星の位置と候補位置とから算出される第2のコードフェイズと第2の電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第2の差を算出する。算出部は、第3の衛星の位置と候補位置とから算出される第3のコードフェイズと第3の電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第3の差を算出する。また、算出部は、第4の衛星の位置と候補位置とから算出される第4のコードフェイズと第4の電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第4の差を算出する。そして、算出部は、第1の差、第2の差、第3の差及び第4の差から、第1のコードフェイズ、第2のコードフェイズ、第3のコードフェイズ、及び第4のコードフェイズのばらつきの大きさを示す指標値を算出する。第2測位部は、前記指標値に応じて前記候補位置又はZCountの何れかを用いてコードフェイズ測位を行う。本態様によれば、ドップラー測位により得られた候補位置を無条件に使用してコードフェイズ測位が行われる訳ではないので、通信モジュールの測位を精度良く行うことが可能になる。また、本態様によれば、ZCountを用いず、ドップラー測位により得られた候補位置を用いてコードフェイズ測位が行われる場合があり、測位の実行に先立って待ち時間が発生することを回避できる場合がある。
上述した半導体ICの一態様において、前記ばらつきが小さいときの前記指標値は前記ばらつきが大きいときの前記指標値よりも小さいことが好ましい。そして、前記第2測位部は、前記指標値が所定の閾値より大きければ、前記Zcountを用いてコードフェイズ測位を行い、前記指標値が所定の閾値以下であれば、前記候補位置を用いてコードフェイズ測位を行うことが好ましい。本態様によれば、第1のコードフェイズ、第2のコードフェイズ、第3のコードフェイズ、及び第4のコードフェイズと真のコードフェイズとの差のばらつきが小さく、ドップラー測位の精度が高いと評価される場合には、ZCountを用いず、ドップラー測位により求めた候補位置を初期位置としてコードフェイズ測位を行うことが可能になる。
上述した半導体ICの一態様において、前記算出部は、前記第1のコードフェイズ、前記第2のコードフェイズ、前記第3のコードフェイズ、及び前記第4のコードフェイズの標準偏差を前記指標値として算出することが好ましい。本態様によれば、第1のコードフェイズ、第2のコードフェイズ、第3のコードフェイズ、及び第4のコードフェイズと真のコードフェイズとの差の標準偏差を用いて、候補位置の精度を評価することができる。
上述した電子機器の一態様は、衛星から送信される電波を受信する通信モジュールと、上記何れか一の態様の半導体ICと、を備える。本態様によっても、測位の実行に先立って待ち時間が発生することをできるだけ回避しつつ、測位を精度良く行うことが可能になる。
上述した測位方法の一態様は、第1測位処理と、算出処理と、第2測位処理とを含む。第1測位処理では、通信モジュールにより受信する第1の電波、第2の電波、第3の電波及び第4の電波から、コードフェイズ測位における前記通信モジュールの初期位置の候補となる候補位置がドップラー測位により求められる。第1の電波は、通信モジュールにより第1の衛星から受信する電波である。第2の電波は、通信モジュールにより第2の衛星から受信する電波である。第3の電波は、通信モジュールにより第3の衛星から受信する電波である。第4の電波は、通信モジュールにより第4の衛星から受信する電波である。算出処理では、第1の衛星の位置と前記候補位置とから算出される第1のコードフェイズと第1の電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第1の差が算出される。また、算出処理では、第2の衛星の位置と前記候補位置とから算出される第2のコードフェイズと第2の電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第2の差が算出される。また、算出処理では、第3の衛星の位置と前記候補位置とから算出される第3のコードフェイズと第3の電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第3の差が算出される。また、算出処理では、第4の衛星の位置と前記候補位置とから算出される第4のコードフェイズと第4の電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第4の差が算出される。そして、算出処理では、第1の差、第2の差、第3の差及び第4の差から、第1のコードフェイズ、第2のコードフェイズ、第3のコードフェイズ、及び第4のコードフェイズのばらつきの大きさを示す指標値が算出される。第2測位処理では、前記指標値に応じて前記候補位置又はZCountの何れかを用いてコードフェイズ測位が行われる。本態様によっても、測位の実行に先立って待ち時間が発生することをできるだけ回避しつつ、測位を精度良く行うことが可能になる。
1…電子機器、10…通信装置、2…GPS衛星、2A…GPS衛星、2B…GPS衛星、2C…GPS衛星、2D…GPS衛星、110…アンテナ、30…記憶装置、40…処理装置、410…第1測位部、420…算出部、430…第2測位部、P…プログラム、D…測位情報、F…精度フラグ。
Claims (5)
- 通信モジュールにより第1の衛星から受信する第1の電波と、前記通信モジュールにより第2の衛星から受信する第2の電波と、前記通信モジュールにより第3の衛星から受信する第3の電波と、前記通信モジュールにより第4の衛星から受信する第4の電波とから、コードフェイズ測位における前記通信モジュールの初期位置の候補となる候補位置をドップラー測位により求める第1測位部と、
前記第1の衛星の位置と前記候補位置とから算出される第1のコードフェイズと前記第1の電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第1の差、前記第2の衛星の位置と前記候補位置とから算出される第2のコードフェイズと前記第2の電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第2の差、前記第3の衛星の位置と前記候補位置とから算出される第3のコードフェイズと前記第3の電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第3の差、及び第4の衛星の位置と前記候補位置とから算出される第4のコードフェイズと前記第4の電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第4の差から、前記第1のコードフェイズ、前記第2のコードフェイズ、前記第3のコードフェイズ、及び前記第4のコードフェイズのばらつきの大きさを示す指標値を算出する算出部と、
前記指標値に応じて前記候補位置又はZCountの何れかを用いて前記コードフェイズ測位を行う第2測位部と、
を有する半導体IC。 - 前記第1のコードフェイズ、前記第2のコードフェイズ、前記第3のコードフェイズ、及び前記第4のコードフェイズのばらつきが小さいときの前記指標値は、前記第1のコードフェイズ、前記第2のコードフェイズ、前記第3のコードフェイズ、及び前記第4のコードフェイズのばらつきが大きいときの前記指標値よりも小さく、
前記第2測位部は、前記指標値が所定の閾値より大きければ、前記ZCountを用いて前記コードフェイズ測位を行い、前記指標値が前記所定の閾値以下であれば、前記候補位置を初期位置として前記コードフェイズ測位を行う、請求項1に記載の半導体IC。 - 前記算出部は、前記第1の差、前記第2の差、前記第3の差、及び前記第4の差の標準偏差を前記指標値として算出する、請求項1又は請求項2に記載の半導体IC。
- 請求項1から3のうちの何れか1項に記載の半導体ICと、
前記通信モジュールと、
備える電子機器。 - 通信モジュールにより第1の衛星から受信する第1の電波と、前記通信モジュールにより第2の衛星から受信する第2の電波と、前記通信モジュールにより第3の衛星から受信する第3の電波と、前記通信モジュールにより第4の衛星から受信する第4の電波から、コードフェイズ測位における前記通信モジュールの初期位置の候補となる候補位置をドップラー測位により求め、
前記第1の衛星の位置と前記候補位置とから算出される第1のコードフェイズと前記第1の電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第1の差、前記第2の衛星の位置と前記候補位置とから算出される第2のコードフェイズと前記第2の電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第2の差、前記第3の衛星の位置と前記候補位置とから算出される第3のコードフェイズと前記第3の電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第3の差、及び第4の衛星の位置と前記候補位置とから算出される第4のコードフェイズと前記第4の電波を観測して得られるコードフェイズとの差である第4の差から、前記第1のコードフェイズ、前記第2のコードフェイズ、前記第3のコードフェイズ、及び前記第4のコードフェイズのばらつきの大きさを示す指標値を算出し、
前記指標値に応じて前記候補位置又はZCountの何れかを用いて前記コードフェイズ測位を行う、測位方法。
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